以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態等は、一例であって本発明を限定する主旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
なお、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
(実施の形態)
[1.全体構成]
まず、実施の形態に係る照明器具1の全体構成について、図面を用いて説明する。
図1は、本実施の形態に係る照明器具1の底面側の外観を示す外観斜視図である。図2は、本実施の形態に係る照明器具1の断面図である。図2は、照明器具1の光軸Jを通る断面を示している。また、図2には、照明器具1が取り付けられる造営材100も併せて示されている。
なお、各図において、光軸Jに平行な方向をY軸方向、光軸Jに垂直で互いに直交する2つの方向をZ軸方向及びX軸方向としている。本実施の形態において、Y軸方向は、鉛直方向である。図2は、XY平面に平行で、かつ、光軸Jを通る断面を示している。
図1及び図2に示す照明器具1は、例えば建物の天井板等の造営材に埋め込み配設されることにより下方(床や壁等)に光を照明するダウンライト等の埋込型照明器具である。
図1及び図2に示されるように、照明器具1は、器具本体10と、器具本体10の外側壁15に取り付けられる複数の板バネ8とを備える。また、図2に示すように、照明器具1は、器具本体10に収容される光源30と、反射部材40と、光学部材50とをさらに備える。以下、照明器具1の各構成要素について説明する。
[1−1.器具本体]
器具本体10は、図2に示されるように、光源30を収容する有底筒状の部材である。器具本体10は、凹部16の内部に光源30を収容する。本実施の形態では、器具本体10は、光源取付台18と、枠体11とを備える。
光源取付台18は、光源30が取り付けられる取付台であり、有底筒状の器具本体10の底部を形成する。光源取付台18は、光源30から発せられた熱を放散するヒートシンクとしても機能する。したがって、光源取付台18は、金属材料等の熱伝導率の高い材料によって構成されているとよい。光源取付台18は、例えばアルミニウムからなるアルミダイカスト製である。
光源取付台18の図2における下側の面に光源30が配置される。光源取付台18は図2における上側に、放熱用の複数のフィン19を有する。これにより、光源30から発せられた熱が、複数のフィン19に効率よく伝達される。
図1及び図2に示す枠体11は、器具本体10の凹部16の開口部17側に配置される筒状の部材である。枠体11は、例えば、アルミニウムなどの金属材料によって形成することができる。
本実施の形態では、図2に示すように、枠体11は、セード部14と、鍔部13と、外側壁15と、複数の係止部12とを備える。
セード部14は、光源30からの出射光の一部を反射する部分である。セード部14は、Y軸方向負側の端部に向かって内径が漸次大きくなるように構成された筒状の形状を有する。
鍔部13は、照明器具1が取り付けられる天井板などの造営材100を保持する円環状の部分である。上述のとおり、鍔部13と複数の板バネ8とが、天井板などの造営材100を挟持する。これにより、照明器具1を造営材100に安定的に固定できる。
外側壁15は、枠体11の外側面を形成する壁状部材である。本実施の形態では、外側壁15は、円筒状の形状を有する。外側壁15の外径は、鍔部13の外径より小さい。照明器具1が取り付けられる造営材100には、外側壁15の外径より大きく、鍔部13の外径より小さい径の開孔が設けられる。造営材100に照明器具1を取り付ける際には、当該開孔に器具本体10が挿入される。
複数の係止部12は、複数の板バネ8を係止する部材である。複数の係止部12の各々に、一つの板バネ8が係止される。本実施の形態では、器具本体10は、二つの係止部12を有する。二つの係止部12の各々には、板バネ8を挿入するための挿入孔が形成されており、当該挿入孔に板バネ8の端部(後述する被係止部81)が差し込まれる。これにより、板バネ8が係止部12に係止される。
[1−2.板バネ]
複数の板バネ8は、造営材100に形成された開孔に照明器具1を取り付けるための弾性部材であって、器具本体10の外側壁15に取り付けられる。複数の板バネ8と器具本体10の鍔部13とが、造営材100を挟持する。
本実施の形態では、照明器具1は、二つの板バネ8を備える。なお、照明器具1は、三つ以上の板バネ8を備えてもよい。二つの板バネ8の各々は、器具本体10の外側壁15において係止部12によって係止される。本実施の形態では、二つの板バネ8は、それぞれ略一定の幅(図2のZ軸方向における幅)を有する板状の部材である。板バネ8は、例えば鋼材などの金属材料で形成される。板バネ8の詳細構成については、後述する。
[1−3.光源]
図2に示される光源30は、発光モジュールであって、所定の光を放射状に出射する光源である。本実施の形態では、光源30は、LEDを有する発光モジュールである。光源30は、例えば白色光を出射するように構成されている。光源30は、COB(Chip On Board)型LEDで構成され、基台と、基台上に実装されたベアチップ(LEDチップ)である複数の青色LEDと、それら青色LEDを封止し、黄色蛍光体を含む封止部材とを備える。
光源30に用いられる基台は、複数のLEDを実装するための実装基板であって、例えばセラミックス基板、樹脂基板又は絶縁被覆されたメタルベース基板などである。また、基台は、例えば平面視において矩形状である平面を有する板材である。基台は、底面(Y軸方向正側の面)を器具本体10の光源取付台18に向けて固定される。なお、基台には、LEDを発光させるための直流電力を外部から受電するための一対の電極端子(正電極端子及び負電極端子)が形成されている(不図示)。
以上のように構成される光源30は、器具本体10の凹部16に収容される。本実施の形態において、光源30は、器具本体10の光源取付台18の図2における下側に固定されている。
[1−4.反射部材]
図2に示される反射部材40は、光源30からの光の配光を制御する部材である。本実施の形態では、反射部材40は、光源30からの光を光学部材50に向けて反射させる。
反射部材40は、図2に示すように、光源30からの光が入射される側(Y軸方向正側)の端部から、当該光が出射される側の端部に向かって内径が漸次大きくなるように構成された筒状の形状を有する。反射部材40の内面において、光源30からの光が反射される。
反射部材40は、例えばポリブチレンテレフタレート(PBT)など硬質の白色樹脂材料を用いて形成されることができる。なお、反射部材40は、内面にアルミニウムなどの金属膜が設けられてもよい。
[1−5.光学部材]
図2に示される光学部材50は、反射部材40からの光が入射される透光性の部材である。光学部材50は、反射部材40から入射した光の配光を制御して出射する機能を有してもよい。本実施の形態では、光学部材50は円板状のフレネルレンズである。光学部材50は、反射部材40からの光を集光し、略円形の断面を有する光を出射する。
光学部材50は、透光性材料を用いて形成されており、例えばアクリル、ポリカーボネート(PC)などの透明樹脂材料、又は、ガラス材料などの透明材料を用いて形成することができる。
[2.板バネの詳細構成]
本実施の形態に係る板バネ8の詳細構成について図面を用いて説明する。
図3は、本実施の形態に係る板バネ8の詳細構成を示す側面図である。図4は、本実施の形態に係る板バネ8の折返部80の構成を示す側面図である。図4には、図3に示す破線枠IVの内部が拡大されて示されている。
図3及び図4に示されるように、板バネ8は、器具本体10の外側壁15に係止される被係止部81と、インボリュート曲線状の側面形状を有する曲線部85と、被係止部81と曲線部85とを結ぶ折返部80とを有する。本実施の形態では、板バネ8は、器具本体10から遠い側の端部に折曲部86をさらに有する。板バネ8の板厚及び幅(図3及び図4の紙面に垂直な方向の幅)は、板バネ8を形成する材料のヤング率、照明器具1の重量などに応じて、照明器具1を造営材100に安定的に固定できるように適宜定められる。例えば、板バネ8のヤング率が180[GPa]以上220[GPa]以下程度である場合、板バネ8の板厚は、1mm程度、板バネ8の幅は、20mm程度である。
被係止部81は、板バネ8を器具本体10に固定する部分であり、外側壁15の係止部12に係止される。本実施の形態では、被係止部81の側面形状は、直線状である。
折返部80は、被係止部81と曲線部85とを結び、180度程度折り返す形状を備える部分である。折返部80の形状は、180度程度折り返す形状であれば特に限定されない。本実施の形態では、折返部80は、円弧状の側面形状を有する第一円弧部82及び第二円弧部83と、第二円弧部83及び曲線部85を接続し、直線状の側面形状を有する接続部84とを有する。図4に示す例では、第一円弧部82の中心角θ1は220度、第二円弧部83の中心角θ2は55度である。
曲線部85の側面形状を示すインボリュート曲線は、角度θを媒介変数として、次の式1で表される。
本実施の形態では、上記式1における定数Aが6以上、12以下であり、かつ、定数Bが8以上、16以下である。
また、より具体的には、曲線部85の側面形状は、インボリュート曲線のうち、角度θが始端角θa以上、終端角θb以下の範囲で示される部分の形状を有する。本実施の形態では、始端角θaは、0度以上、30度以下である。また、終端角θbは、曲線部85が造営材100と干渉しないように定められる。なお、図2などに示すように、曲線部85は、造営材100から遠ざかる向きに凸となるように配置される。つまり、図2などにおいて、上向きに凸となるように配置される。また、曲線部85の折返部80寄りの端部が、インボリュート曲線の始端角θaに対応する位置である。
折曲部86は、板バネ8の長手方向の端部のエッジが造営材100を傷付けることを抑制するための部分である。照明器具1が造営材100に適切に取り付けられた状態においては、板バネ8による造営材100の開孔における押圧力が減少することを抑制するために、板バネ8は、長手方向の端部が造営材100を押圧しないように設計される。しかしながら、照明器具1を、造営材100へ取り付けるとき、及び、造営材100から取り外すときには、照明器具1が傾いて、板バネ8の長手方向の端部が造営材100の上面を押圧する場合がある。このような場合においても板バネ8に折曲部86が設けられていることにより、板バネ8は、長手方向の端部のエッジでなく、折曲部86の曲面部において造営材100の上面に接する。このため、板バネ8の長手方向の端部のエッジが造営材100を傷付けることを抑制できる。
続いて、本実施の形態に係る板バネ8の作用及び効果について図面を用いて説明する。
図5は、本実施の形態に係る照明器具1を造営材100に設置した状態における部分断面図である。図6は、本実施の形態に係る照明器具1を造営材100から取り外す途中における板バネ8の状態を示す部分断面図である。
照明器具1を造営材100に設置した状態においては、図5に示すように、板バネ8の曲線部85が造営材100における開孔の図5における上側の端部に当接するように板バネ8の形状が設定される。具体的には、造営材100の厚さに合わせて、折返部80の第一円弧部82、第二円弧部83及び接続部84の形状及び寸法が設定される。これにより、照明器具1を造営材100に設置した状態において、主に曲線部85の形状によって規定された反力を発生させることができる。
また、照明器具1を造営材100から取り外す際にも、図6に示すように、板バネ8の曲線部85が、造営材100における開孔の図6における上側の端部に当接する。このため、照明器具1を造営材100から取り外す時に、板バネ8によって生じる反力は、主に曲線部85の形状によって規定される。本実施の形態に係る板バネ8においては、曲線部85がインボリュート曲線状の側面形状を有するため、板バネ8によって生じる反力が過大となることを抑制できる。ここで、本実施の形態に係る板バネ8によって生じる反力の一例を示す。
図7は、本実施の形態に係る照明器具1を造営材100から取り外す際に一つの板バネ8によって生じる反力の一例を示すグラフである。なお、図7に示す反力は、板バネ8及び造営材100の形状などに基づいてシミュレーションによって求められた値である。また、本実施の形態に係る照明器具1では、二つの板バネ8を備えるため、照明器具1全体に加わる反力は、図7に示す反力の2倍である。本実施の形態においては、板バネ8の曲線部85の側面形状を示すインボリュート曲線が、上記式1で表され、上記式1の定数A及び定数Bが12、始端角θaが0度、造営材100の厚さが10mmである。図7には、照明器具1を設置状態から引き抜いた長さであるストローク(図6に示す長さSt)と反力との関係が示されている。
ここで、本実施の形態に係る板バネ8の効果について、比較例と対比しながら説明する。
図8は、比較例に係る板バネ800の構成を示す側面図である。なお、図8に示す板バネ800は、上記特許文献1に開示された板バネと同様の形状を有する。
図9は、比較例に係る板バネ800を造営材100から取り外す際に板バネ800によって生じる反力の一例を示すグラフである。図9には、本実施の形態に係る照明器具1において板バネ8に代えて比較例に係る板バネ800を用いた場合に生じる反力の値が示される。図9においては、図7と同様に、照明器具を設置状態から引き抜いた長さであるストロークと反力との関係が示されている。
図8に示すように、比較例に係る板バネ800は、本実施の形態に係る板バネ8と同様に、被係止部801と、折返部810と、曲線部850とを備える。一方、比較例に係る板バネ800は、曲線部850において、曲線状の側面形状を有する二つの押圧部851及び852を有する。これにより、比較例に係る板バネ800は、板厚の異なる造営材100に対して十分な押圧力を加えることができる。しかしながら、比較例に係る板バネ800を用いる場合には、照明器具を取り外す際に、図9に示すように、過大な反力が造営材100に加わる。例えば、図9に示す例では、ストロークが11mm程度において、反力が急峻に増加し、100N以上もの反力が造営材100に加わる。
一方、本実施の形態に係る板バネ8を用いる場合には、図7に示すように、ストローク0から15mmの全域にわたって十分な反力を得られ、かつ、照明器具1を取り外す際に加わる反力は、急峻に増加することなく、最大でも40N未満に抑制される。このように、本実施の形態に係る板バネ8は、板厚の異なる造営材100に対して十分な押圧力を加えられ、かつ、取り外し時に造営材100に過大な力が加わることを抑制できる。したがって、本実施の形態に係る照明器具1は、板バネ8によって板厚の異なる造営材100に安定的に固定される。また、照明器具1を造営材100から取り外す際に、造営材100を破損することを抑制できる。
[3.変形例]
以上では、本実施の形態に係る板バネ8の一例について説明したが、板バネ8の構成は、上記の構成に限定されない。以下、本実施の形態の変形例1〜4に係る板バネについて図面を用いて説明する。
図10、図12、図14及び図16は、それぞれ本実施の形態の変形例1〜4に係る板バネ108、208、308及び408の構成を示す側面図である。
図11、図13、図15及び図17は、それぞれ本実施の形態の変形例1〜4に係る板バネ108、208、308及び408を備える照明器具を造営材100から取り外す際に各板バネによって生じる反力の一例を示すグラフである。
図10に示す変形例1に係る板バネ108においても、曲線部185の側面形状を示すインボリュート曲線は、本実施の形態に係る板バネ8と同様に上記式1で表される。ただし、変形例1においては、上記式1における定数Aが6、定数Bが12であり、角度θの始端角θaが0度である。つまり、変形例1に係る板バネ108は、本実施の形態に係る板バネ8と、定数Aの値において相違し、その他のパラメータにおいて一致する。このような板バネ108を用いる場合においても、図11に示すように、ストローク0から15mmの全域にわたって十分な反力を得られ、かつ、照明器具1を取り外す際に加わる反力は、急峻に増加することなく、最大でも40N未満に抑制される。
図12に示す変形例2に係る板バネ208においても、曲線部285の側面形状を示すインボリュート曲線は、本実施の形態に係る板バネ8と同様に上記式1で表される。ただし、変形例2においては、上記式1における定数Aが12、定数Bが16であり、角度θの始端角θaが0度である。つまり、変形例2に係る板バネ208は、本実施の形態に係る板バネ8と、定数Bの値において相違し、その他のパラメータにおいて一致する。このような板バネ208を用いる場合においても、図13に示すように、ストローク0から15mmの全域にわたって十分な反力を得られ、かつ、照明器具1を取り外す際に加わる反力は、急峻に増加することなく、最大でも40N未満に抑制される。
図14に示す変形例3に係る板バネ308においても、曲線部385の側面形状を示すインボリュート曲線は、本実施の形態に係る板バネ8と同様に上記式1で表される。ただし、変形例3においては、上記式1における定数Aが12及び定数Bが12であり、角度θの始端角θaが30度である。つまり、変形例3に係る板バネ308は、本実施の形態に係る板バネ8と、始端角θaの値において相違し、その他のパラメータにおいて一致する。このような板バネ308を用いる場合においても、図15に示すように、ストローク0から15mmの全域にわたって十分な反力を得られ、かつ、照明器具1を取り外す際に加わる反力は、急峻に増加することなく、最大でも40N未満に抑制される。
図16に示す変形例4に係る板バネ408においても、曲線部485の側面形状を示すインボリュート曲線は、本実施の形態に係る板バネ8と同様に上記式1で表される。ただし、変形例4においては、上記式1における定数Aが12及び定数Bが8であり、角度θの始端角θaが0度である。つまり、変形例4に係る板バネ408は、本実施の形態に係る板バネ8と、定数Bの値において相違し、その他のパラメータにおいて一致する。このような板バネ408を用いる場合においても、図17に示すように、ストローク0から15mmの全域にわたって十分な反力を得られ、かつ、照明器具1を取り外す際に加わる反力は、急峻に増加することなく、最大でも40N程度に抑制される。
以上のように、本実施の形態に係る板バネ8の曲線部85の側面形状を示すインボリュート曲線は、上記式1で表され、定数Aが6以上、12以下、かつ、定数Bが8以上、16以下であってもよい。また、上記式1における角度θの始端角θaは0度以上、30度以下であってもよい。定数A、定数B及び始端角θaがそれぞれ上記の範囲内にあれば、照明器具1を造営材100から取り外す際に、ストロークの全域にわたって十分な反力を得られ、かつ、照明器具1を取り外す際に造営材に過大な反力が加わることを抑制できる。
[4.まとめ]
以上のように、本実施の形態に係る照明器具1は、光源30と、光源30を収容する器具本体10と、器具本体10の外側壁15に取り付けられる複数の板バネ8とを備える。複数の板バネ8の各々は、外側壁15に係止される被係止部81と、インボリュート曲線状の側面形状を有する曲線部85と、被係止部81と曲線部85とを結ぶ折返部80とを有する。
これにより、照明器具1を造営材100から取り外す際に、照明器具1の板バネ8によってストロークの全域にわたって十分な反力を得られ、かつ、照明器具1を取り外す際に造営材100に過大な反力が加わることを抑制できる。したがって、本実施の形態に係る照明器具1は、板バネ8によって板厚の異なる造営材100に安定的に固定される。また、照明器具1を造営材100から取り外す際に、造営材100を破損することを抑制できる。
また、照明器具1において、曲線部85の側面形状を示すインボリュート曲線は、角度θを媒介変数として、上記式1で表され、上記式1における定数Aは6以上、12以下であり、かつ、定数Bは8以上、16以下であってもよい。
これにより、例えば板厚10mm程度の造営材100に取り付けられた照明器具1を取り外す際に、造営材100に加わる反力をより確実に抑制できる。
また、照明器具1において、上記式1における角度θの始端角は0度以上、30度以下であってもよい。
これにより、例えば板厚10mm程度の造営材100に取り付けられた照明器具1を取り外す際に、造営材100に加わる反力をより確実に抑制できる。
また、本実施の形態に係る板バネ8は、造営材100に形成された開孔に照明器具1を取り付けるための弾性部材である。板バネ8は、照明器具1に係止される被係止部81と、インボリュート曲線状の側面形状を有する曲線部85と、被係止部81と曲線部85とを結ぶ折返部80とを有する。
このような板バネ8を照明器具1が備えることにより、照明器具1を造営材100から取り外す際に、ストロークの全域にわたって十分な反力を得られ、かつ、照明器具1を取り外す際に造営材100に過大な反力が加わることを抑制できる。このように、本実施の形態に係る板バネ8は、板厚の異なる造営材100に対して十分な押圧力を加えられ、かつ、取り外し時に造営材に過大な力が加わることを抑制できる。したがって、本実施の形態に係る板バネ8は、照明器具1を板厚の異なる造営材100に安定的に固定できる。また、本実施の形態に係る板バネ8によれば、照明器具1を造営材100から取り外す際に、造営材100を破損することを抑制できる。
(他の変形例など)
以上、本発明に係る照明器具について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
例えば、上記の実施の形態及び各変形例に係る各板バネの曲線部の側面形状を示すインボリュート曲線は、上記式1で表され、定数Aは6以上、12以下、かつ、定数Bは8以上、16以下であったが、定数A及び定数Bの値は、これに限定されない。例えば、定数A及び定数Bの値は、上記の実施の形態及び各変形例と同様の効果を得られるように定められればよい。また、同様に、上記式1における角度θの始端角θaは30度より大きくてもよい。
また、上記の実施の形態及び各変形例に係る各板バネにおいては、折返部80の側面形状は、円弧状の形状などの組み合わせによって構成されたが、折返部80の構成は、これに限定されない。折返部80は、被係止部81と曲線部85とを結び、180度程度折り返す構造を備えればよい。
また、上記の実施の形態及び各変形例に係る各板バネにおいては、被係止部81の側面形状は、直線状であったが、被係止部81の側面形状は、これに限定されない。被係止部81は、係止部12に係止される任意の形状を有してよい。例えば、被係止部81の側面形状は曲線状でもよい。
また、上記の実施の形態及び各変形例に係る複数の係止部12は、挿入孔を有したが、係止部12の構成はこれに限定されない。係止部12は、被係止部81を係止できる任意の構成を有してよい。例えば、係止部12は、被係止部81を係止可能な溝状の形状を有してもよい。
また、上記の実施の形態において、光源30は、青色LEDチップと黄色蛍光体とによって白色光を放出するように構成したが、これに限定されない。例えば、赤色蛍光体及び緑色蛍光体を含有する蛍光体含有樹脂を用いて、これと青色LEDチップとを組み合わせることによりに白色光を放出するように構成しても構わない。
また、上記の実施の形態において、LEDとして、青色LEDチップを用いたが、これに限定されない。例えば、LEDとしては、青色以外の色を発光するLEDチップを用いても構わない。この場合、蛍光体としては、LEDの発光波長に応じて適宜選択すればよい。
また、上記の実施の形態において、光源30(LED光源)は基台上にLEDチップを直接実装したCOB構造を有したが、これに限定されない。例えば、COB構造のLEDモジュールに代えて、SMD(Surface Mount Device)構造のLEDモジュールを用いても構わない。SMD構造のLEDモジュールは、樹脂製のパッケージ(容器)の凹部の中にLEDチップ(発光素子)を実装して当該凹部内に封止部材(蛍光体含有樹脂)を封入したパッケージ型のLED素子(SMD型LED素子)を、1個又は複数個、基板に実装した構成である。
また、上記の各実施の形態では、発光素子としてLEDを例示したが、発光素子としては、半導体レーザ等の半導体発光素子、又は、有機EL(Electro Luminescence)素子や無機EL等のその他の固体発光素子を用いてもよい。
また、上記の実施の形態における照明器具1は、天井以外の造営材に設置されていてもよい。
また、上記実施の形態及びその変形例に係る各板バネの用途は、照明器具に限定されない。板バネは、例えばスピーカなどの造営材に埋め込み配設される任意の器具においても適用可能である。
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。