JP2017207436A - 外径寸法測定方法及び外径寸法測定のための治具 - Google Patents

外径寸法測定方法及び外径寸法測定のための治具 Download PDF

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範佳 狭間
浩二 房安
Koji Fusayasu
浩二 房安
文一 平川
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文一 平川
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Abstract

【課題】テーパ部材の外径寸法の測定精度を向上させることができる外径寸法測定方法を提供する。【解決手段】測定の基準となる基準テーパ部材における、当該基準テーパ部材の小径の円形端面から、当該小径の円形端面から延在方向に沿って他端側へ所定距離の位置までを収納可能な治具に前記基準テーパ部材を収納する第1工程と、前記治具から外側に露出した基準テーパ部材の、露出している部分の延在方向の基準長さを測定する第2工程と、測定対象となるテーパ部材を前記治具に収納する第3工程と、前記治具から外側に露出した前記測定対象となるテーパ部材の、露出している部分の延在方向の長さを測定する第4工程と、前記第2工程で測定された基準長さと前記第4工程で測定された長さとの差から、前記測定対象となるテーパ部材の外径寸法を算出する第5工程とを含む。【選択図】図5

Description

本発明は外径寸法測定方法及び外径寸法測定のための治具に関する。さらに詳しくは、円すいころ等のテーパ部材の外径寸法を測定する方法及び当該測定方法に用いられる治具に関する。
従来、軸部材の外径をダイヤルゲージ等の寸法計測器を用いて測定することが行われている。例えば、特許文献1記載の方法では、予め外径寸法が分かっている高精度に作製されたマスター軸部材をV字状受部に押し当て、このとき、当該マスター軸部材の外周面に当接するダイヤルゲージの目盛りをゼロにセットする。ついで、測定対象の軸部材を同じくV字状受部に押し当てる。このとき、当該軸部材の外周面に当接するダイヤルゲージの目盛りがα(プラスの値のときもあれば、マイナスの値のときもある)であるとすると、このαはマスター軸部材と測定対象の軸部材との外径差を表していることから、マスター軸部材の外径寸法にαを足すことで測定対象の軸部材の外径寸法を求めている。
また、円すいころ軸受に用いられる円すいころのようなテーパ部材の外径も、マスター部材の外径寸法と、測定対象部材の外径寸法との差を求め、この差とマスター部材の外径寸法とから当該測定対象部材の外径寸法を算出することが行われている。
従来の円すいころの外径寸法測定方法では、例えば、マスターころ20を2個のV字状ブロック21(図7参照)又はサインバー22(図8参照)にセットする。その際、マスターころ20の上縁20aが水平になるようにマスターころ20をセットする。また、マスターころ20の端面20b及び側面が、それぞれ端面当て金23,24及び側面当て金25に当接するようにマスターころ20をセットする。
ついで、ダイヤルゲージ26をマスターころ20の延在方向中央に位置合わせし、当該マスターころ20の外周面に当接するダイヤルゲージ26の目盛りをゼロにセットする。
ついで、測定対象の円すいころをV字状ブロック21又はサインバー22にセットし、円すいころを軸周りに回転させて円周上数か所でのダイヤルゲージ26の値を求める。そして、求めた値の最大値と最小値の平均値mを求める。
ついで、マスターころ20の外径寸法と、前記平均値mとから測定対象の円すいころの外径寸法を算出する。
実開平6−49925号公報
しかし、前記従来の方法では、円すいころの外径寸法をダイヤルゲージで直接測定しているので、その測定精度に限界があった。
すなわち、円すいころ軸受では、1つの軸受に複数個(例えば、12〜13個)の円すいころが用いられているが、これら複数個の円すいころ間の外径寸法の差が大きいと、回転精度が悪化し、振動や騒音が発生する原因となる。このため、1つの軸受における複数の円すいころ間の外径寸法の差を一定値、例えば2μm以下にすることが要求されている。かかる2μm以下という要求を満たすためには、一つの円すいころを繰り返し測定したときの繰り返し測定ばらつきは、前記「2μm」の1/5の0.4μmであることが求められるが、現状用いられている分解能が1μmのダイヤルゲージで外径を直接測定していたのでは、前記「0.4μm」という繰り返し測定ばらつきを保証することは難しい。
また、従来の方法では、円すいころの端面を端面当て金23,24に押し付けながら円すいころを回転させ、ダイヤルゲージ26の値を読み取っているが、円すいころの端面への押付荷重のばらつきや、V字状ブロック21又はサインバー22への円すいころの載置状態ないしは着座状態のばらつきにより安定した測定ができないことがある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、テーパ部材の外径寸法の測定精度を向上させることができる外径寸法測定方法及び外径寸法測定のための治具を提供することを目的としている。
本発明の第1の観点に係る外径寸法測定方法(以下、単に「測定方法」ともいう)は、
(1)延在方向一端に小径の円形端面を有し且つ延在方向他端に大径の円形端面を有するテーパ部材の外径寸法を測定する方法であって、
測定の基準となる基準テーパ部材における、当該基準テーパ部材の小径の円形端面から、当該小径の円形端面から延在方向に沿って他端側へ所定距離の位置までを収納可能な治具に前記基準テーパ部材を収納する第1工程と、
前記治具から外側に露出した基準テーパ部材の、露出している部分の延在方向の基準長さを測定する第2工程と、
測定対象となるテーパ部材を前記治具に収納する第3工程と、
前記治具から外側に露出した前記測定対象となるテーパ部材の、露出している部分の延在方向の長さを測定する第4工程と、
前記第2工程で測定された基準長さと前記第4工程で測定された長さとの差から、前記測定対象となるテーパ部材の外径寸法を算出する第5工程と
を含む。
本発明の第1の観点に係る測定方法では、テーパ部材における延在方向の長さと、外径寸法と、当該テーパ部材のテーパ角との間に一定の関係が存在することに着目し、テーパ部材の外径寸法を直接測定するのではなく、当該テーパ部材の延在方向の長さを測定することで、前記一定の関係を利用してテーパ部材の外径寸法を算出している。例えば、テーパ部材のテーパ角が4°の場合、マスター部材の外径寸法と測定対象部材の外径寸法との差をDa、マスター部材の延在方向長さと測定対象部材の延在方向長さとの差をLaとするとDa:La=1:約14.3である。すなわち外径寸法の測定ばらつきが「0.4μm」であるとすると、これを延在方向の長さの測定ばらつきに換算すると0.4×14.3≒5.7μmとなり、従来方法に比べて大きな測定ばらつきを確保することができる。これにより、テーパ部材の外径寸法の測定精度を向上させることができ、例えば軸受1個当たりの複数の円すいころの外径寸法差を2μm以下にするという要求に対しても、寸法の保証ができるようになる。
(2)上記(1)の測定方法において、前記所定距離の位置における基準テーパ部材の外径寸法と当該所定距離の位置における測定対象となるテーパ部材の外径寸法との差をδDとし、前記第5工程で求めた差をδLとし、前記測定対象となるテーパ部材のテーパ角をθとすると、
δD=2×δL×tan(θ/2)
を用いて測定対象となるテーパ部材の外径寸法を算出することができる。この場合、予め分かっているテーパ部材のテーパ角θと、基準テーパ部材の延在方向の長さと測定対象となるテーパ部材の延在方向の長さとの差であるδLとから、外径寸法の差であるδDを求めることができ、このδDと基準テーパ部材の外径寸法とから測定対象となるテーパ部材の外径寸法を算出することができる。
(3)上記(1)又は(2)の測定方法において、前記延在方向の基準長さ及び前記延在方向の長さが、前記基準テーパ部材又は測定対象となるテーパ部材が収納される側の治具の端面からの長さとすることができる。この場合、治具の端面から露出しているテーパ部材の露出長さを測定することで、当該テーパ部材の外径寸法を求めることができる。
(4)本発明の第2の観点に係る測定方法は、延在方向一端に小径の円形端面を有し且つ延在方向他端に大径の円形端面を有するテーパ部材の外径寸法を測定する方法であって、
測定の基準となる基準テーパ部材における、当該基準テーパ部材の小径の円形端面から、当該小径の円形端面から延在方向に沿って他端側へ所定距離の位置までを収納可能な治具に前記基準テーパ部材を収納する第1収納工程と、
前記治具から外側に露出した基準テーパ部材の、露出している部分の延在方向の端部の基準位置を求める第1測定工程と、
測定対象となるテーパ部材を前記治具に収納する第2収納工程と、
前記第1測定工程で求めた基準位置に基づく、前記治具から外側に露出した前記測定対象となるテーパ部材の、露出している部分の延在方向の端部の位置を求める第2測定工程と、
前記第2測定工程で求めた、前記測定対象となるテーパ部材の端部の位置から、前記測定対象となるテーパ部材の外径寸法を算出する算出工程と
を含む。
本発明の第2の観点に係る測定方法では、テーパ部材における延在方向の長さと、外径寸法と、当該テーパ部材のテーパ角との間に一定の関係が存在することに着目し、テーパ部材の外径寸法を直接測定するのではなく、当該テーパ部材の延在方向の端部の位置を測定することで前記延在方向の長さを求め、前記一定の関係を利用してテーパ部材の外径寸法を算出している。
(5)上記(4)の測定方法において、前記所定距離の位置における基準テーパ部材の外径寸法と当該所定距離の位置における測定対象となるテーパ部材の外径寸法との差をδDとし、前記算出工程で求めた端部の位置から得られる、当該位置の前記基準位置からの延在方向の変位をδLとし、前記測定対象となるテーパ部材のテーパ角をθとすると、
δD=2×δL×tan(θ/2)
を用いて測定対象となるテーパ部材の外径寸法を算出することができる。この場合、予め分かっているテーパ部材のテーパ角θと、測定対象となるテーパ部材の前記端部の位置の基準位置からの延在方向の変位であるδLとから、外径寸法の差であるδDを求めることができ、このδDと基準テーパ部材の外径寸法とから測定対象となるテーパ部材の外径寸法を算出することができる。
(6)上記(1)〜(5)の測定方法において、前記所定距離の位置を、前記基準テーパ部材の延在方向中央位置とすることができる。この場合、テーパ部材を円すいころとしたときに当該円すいころは、その外周面にクラウン部を有しており、延在方向中央に当該クラウン部の頂点が位置するので、この頂点における円すいころの外径寸法を測定し、管理することができる。
(7)上記(1)〜(6)の測定方法において、前記測定対象となるテーパ部材を円すいころとすることができる。この場合、円すいころの外径寸法を精度よく求めることができる。
本発明の外径寸法測定方法のための治具(以下、単に「治具」ともいう)は、
(8)延在方向一端に小径の円形端面を有し且つ延在方向他端に大径の円形端面を有するテーパ部材の外径寸法を測定するための治具であって、
前記テーパ部材における、当該テーパ部材の小径の円形端面から、当該小径の円形端面から延在方向に沿って他端側へ所定距離の位置までを収納可能である。
(9)上記(8)の治具において、前記治具は、円筒形状を呈しており、当該治具の延在方向一端側に前記テーパ部材が収納される収納凹所を有しており、
前記収納凹所の内周面は、前記一端側に向かう方向に拡径するテーパ状の内周面であり、
前記内周面のテーパ角が前記テーパ部材のテーパ角よりも小さくされていることが望ましい。この場合、テーパ部材が収納される収納凹所の内周面のテーパ角を、テーパ部材のテーパ角よりも小さくしているので、テーパ部材を前記収納凹所の開口縁に当接させることができ、当該テーパ部材を安定して当該収納凹所内に収納させることができる。
本発明の測定方法及び治具によれば、テーパ部材の外径寸法の測定精度を向上させることができる。
本発明におけるテーパ部材の一例である円すいころの説明図である。 本発明の治具の一実施形態の断面説明図である。 本発明の測定方法の一実施形態の工程説明図である。 本発明の測定方法の一実施形態の工程説明図である。 本発明の測定方法における、軸方向長さの差から外径寸法差への変換を説明する図である。 本発明の測定方法の他の実施形態の工程説明図である。 従来の外径寸法測定方法の説明図である。 従来の外径寸法測定方法の説明図である。
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の測定方法及び治具の実施形態を詳細に説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
図1は本発明の測定方法が測定対象とするテーパ部材の一例である円すいころ1の説明図である。円すいころ1は、その延在方向(図1において上下方向)の一端に小径の円形端面1aを有しており、当該延在方向の他端に前記円形端面1aより直径の大きい大径の円形端面1bを有している。また、円すいころ1は、当該円すいころ1が軸受内に設けられたときに軸受の外輪又は内輪の軌道面上を転動する外周面1cを有している。円すいころ1は、延在方向の一端側から延在方向の他端側へ拡径する形状のテーパ部材であり、そのテーパ角θは、本発明において特に限定されるものではないが、通常、1〜10°程度である。
〔第1実施形態〕
本実施形態では、円すいころ1の延在方向の中央位置Cまでを収納することができる治具2を用いて円すいころ1の外径寸法を測定する。かかる治具2は、図2に示されるように、円筒形状を呈している。治具2の延在方向一端側には円すいころ1を収納することができる収納凹所3が形成されている。この収納凹所3の内周面3aは、前記延在方向一端側に向かう方向に拡径するテーパ状の面である。このテーパ状の内周面3aのテーパ角は、円すいころ1のテーパ角θと同じ角度であるのが望ましいが、加工精度に限界があることから、実質的に同一角度とすることは難しい。このため、内周面3aのテーパ角は、当該内周面3aの加工精度や円すいころ1のテーパ角θの公差等を考慮して当該テーパ角θよりもわずかに小さい角度を設計値とすることが好ましい。例えば、テーパ角θが4°の場合、内周面3aのテーパ角の設計値は3°58´とすることができる。この程度の設計値としておくと、内周面3aの加工精度や円すいころ1のテーパ角θの公差によるばらつきがあったとしても、内周面3aのテーパ角を円すいころのテーパ角以下とすることができる。
内周面3aのテーパ角を円すいころ1のテーパ角θよりも小さくすることで、円すいころ1を治具2の収納凹所3の開口縁3bに確実に当接させることができる。これにより、円すいころ1を安定して治具2の収納凹所3に収納させることができ、測定の精度を確保することができる。内周面3aのテーパ角が円すいころ1のテーパ角θよりも大きくなると、円すいころ1を収納凹所3に収納させるときに当接円すいころ1の小径の円形端面1aの周縁1d(図1参照)が内周面3aと当接してしまい、円すいころ1の外周面1cが安定した状態で収納凹所3の開口縁3bに当接することができなくなる。
円すいころ1が挿入される側の収納凹所3の外径は、測定の基準となる、いわゆるマスター円すいころの外径ΦDと同じである。したがって、マスター円すいころを治具2の収納凹所3に収納させた状態において当該マスター円すいころは、図3に示されるように、治具2の一端側の端面2aから距離Lだけ当該治具3の外側に露出することになる。なお、マスター円すいころは、所定の外径、テーパ角及び延在方向長さとなるように予め高精度に作製されたものである。
前記距離ないし長さLは、治具2の一端側の端面2aから、円すいころ1の大径の円形端面1bまでの長さであるが、当該円形端面1bは平たんな面ではなく、図1に示されるように、わずかに湾曲した曲面である。その湾曲の程度を示す曲率半径Rは製品ごとに若干のばらつきがあることから、前記「長さ」を測定する一方の基準点を円形端面1bの周縁付近とすると、図1においてGで示されるサイズがばらつくので、測定精度が低下する恐れがある。したがって、前記「長さ」を測定する一方の基準点は、円形端面1bの中央に形成される、いわゆる「ぬすみ」と称される凹部4の周縁の箇所Mに設定することが望ましい。
本実施形態では、前述した治具2を用い、以下の手順に従って円すいころ1の外径寸法を測定する。
まず、測定の基準となるマスター円すいころ及び治具2を用意する。この治具2は、マスター円すいころの小径の円形端面から、当該小径の円形端面から延在方向に沿ってマスター円すいころの大径の円形端面側へ所定距離の位置である延在方向中央位置Cまでを収納可能な収納凹所3を有している。
ついで、マスター円すいころを、当該マスター円すいころの小径の円形端面側から治具2の収納凹所3に挿入して、当該マスター円すいころを収納凹所3に収納する(第1工程)。図3は、マスター円すいころを治具2の収納凹所3に収納した状態を示している。
ついで、治具2から外側に露出しているマスター円すいころの、露出している部分の延在方向の長さである基準長さLをダイヤルゲージや変位ゲージ等の測定器を用いて測定する(第2工程)。本実施形態では、治具2の一端側(円すいころが挿入される側)の端面2aから円すいころの大径の円形端面1bまでの延在方向の長さを基準長さLとしている。
ついで、図4に示されるように、測定対象となる円すいころを前記マスター円すいころと同様にして治具2の収納凹所3に収納する(第3工程)。
ついで、治具2から外側に露出している測定対象となる円すいころの、露出している部分の延在方向の長さL´を前記マスター円すいころと同様にしてダイヤルゲージ等の測定器を用いて測定する(第4工程)。例えば、測定対象となる円すいころの外径がマスター円すいころに対してδDだけ大きい場合、マスター円すいころの外径である基準外径ΦDと同じ外径の位置は、大径の円形端面から小径の円形端面に向かう方向にδLだけずれた位置になり、治具2の収納凹所3に収納した状態ではδLだけ多く飛び出す、つまり露出することになる(図5の(b)参照)。図4及び後出する図5は、分かりやすくするために、露出の程度を誇張して描いている。
ついで、第2工程で測定された基準長さLと、第4工程で測定された長さL´との差δL(δL=L´−L)から、測定対象となる円すいころの外径寸法を算出する(第5工程)。
図5は、かかる算出の原理を説明する図である。図5の(a)は、基準外径ΦD、基準長さL及びテーパ角θを有するマスター円すいころを示している。図5の(b)は、測定対象となる円すいころを示しており、この円すいころはマスター円すいころよりも外径がδDだけ大きく、治具から露出する部分の軸方向の長さがマスター円すいころよりもδLだけ長い。テーパ角はマスター円すいころと同じθである。
このとき、図5の(c)に示されるように、測定対象となる円すいころの大径の円形端面からLだけ下方の位置、すなわち測定対象となる円すいころの外径寸法となる位置での円すいころの外径寸法差(マスター円すいころの外径と測定対象となる円すいころの外径との差)δDは、δL及びテーパ角θより以下の式(1)で表すことができる。
δD=2×δL×tan(θ/2) ・・・・・・(1)
式(1)で得られる外径寸法差δDとマスター円すいころの基準外径ΦDとから、測定対象となる円すいころの外径寸法を求めることができる。
本実施形態では、円すいころの外径寸法を直接測定するのでなく、当該円すいころの延在方向の長さを測定し、延在方向の長さと、外径寸法と、テーパ角との間の一定の関係を利用して、外径寸法を求めている。このため、前述したように、外径寸法に比べて大きな測定ばらつきを確保することができ、その結果、円すいころの外径寸法の測定精度を向上させることができる。
また、本実施形態では、円すいころの延在方向中央位置の外径寸法を測定対象としている。円すいころは、その外周面にクラウン部を有しており、延在方向中央に当該クラウン部の頂点が位置する。したがって、この頂点における円すいころの外径寸法を測定し、管理することができる。
また、本実施形態では、2つの基準点、すなわち治具2の一端側の端面2aと、円すいころの大径の円形端面1bとを利用して円すいころの延在方向の所定長さL、L´を測定している。このため、治具にマスター円すいころと測定対象の円すいころとを付け替えるに際し、ダイヤルゲージ等の測定器のセットおよびリセットを両円すいころに対し行ったとしても、測定の信頼性を向上させることができる。
すなわち、測定に際しては、円すいころの治具へのセット、測定器のセット、測定、測定器のリセット(取り外し)、円すいころの治具からの取り外しという一連の作業が行われる。その際、測定器は、前回のセット位置と全く同じ位置にセットされるとは限らない。例えば、マスター円すいころと測定対象の円すいころの大径の円形端面1bの位置がAμm異なっており、マスター円すいころの円形端面1bの位置を測定した箇所から治具の端面2aを測定する位置までの距離をBμmとし、また、測定器の位置はマスター円すいころの測定時と、測定対象の円すいころの測定時とで−1μm異なるとする。このとき、測定値は、以下の表に示すようになる。
Figure 2017207436
2つの基準点を測定する場合は、端面位置の差は(A+B)−B=Aμmとなり、正確な値となるが、後述する第2実施形態のように1つの基準点で測定する場合は、(A−1)−0=A−1μmとなり、真値から1μmずれた結果となる。つまり、2つの基準点を測定する場合は、測定器の位置の変化(上記例では、1μm)も加味することができるので、測定の信頼性を向上させることができる。
〔第2実施形態〕
第1実施形態では、治具2の一端側の端面2aから、マスター円すいころおよび測定対象の円すいころの大径の円形端面1bまでの延在方向の長さをそれぞれL(基準長さ)およびL´として、両長さの差からδLを算出している。すなわち、第1の基準点である治具2の一端側の端面2aと、第2の基準点である円すいころの大径の円形端面1bとの2つの基準点からL又はL´を求めたうえで、その差であるδLを算出している。
これに対し、第2実施形態では、1つの基準点だけからδLを求めている。具体的に、図6に示されるように、まず第1実施形態と同様の治具2を用意し、マスター円すいころを、当該マスター円すいころの小径の円形端面側から治具2の収納凹所3に挿入して、当該マスター円すいころを収納凹所3に収納する(第1収納工程)。ついで、外部に露出しているマスター円すいころの延在方向の端部である大径の円形端面の位置を基準位置としてダイヤルゲージで測定する(第1測定工程)。
ついで、マスターころに代えて測定対象の円すいころを治具2の収納凹所3に収納する(第2収納工程)。ついで、同じくダイヤルゲージを用いて前記基準位置を基準として、測定対象の円すいころの大径の円形端面の位置を測定する(第2測定工程)。これにより、測定対象の円すいころの大径の円形端面の位置の、前記基準位置からの延在方向の変位量を求めることができる。求めた延在方向の変位量は第1実施形態におけるδLに等しいので、このδLと、測定対象の円すいころのテーパ角θとから、上記式(1)よりマスター円すいころの外径と測定対象となる円すいころの外径との差であるδDを算出することができる(算出工程)。式(1)で得られる外径寸法差δDとマスター円すいころの基準外径ΦDとから、測定対象となる円すいころの外径寸法を求めることができる。
〔その他の変形例〕
本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内において種々の変更が可能である。
例えば、前述した実施形態では、外径寸法を測定するテーパ部材として軸受に用いられる円すいころを例示しているが、本発明の測定方法は、その外径寸法を測定する限り、他のテーパ部材を測定対象とすることができる。
また、前述した実施形態では、テーパ部材である円すいころの一端から当該円すいころの延在方向中央位置までを収納することができる治具を用いているが、本明細書における「所定距離の位置」は、かかる延在方向中央位置に限定されるものではなく、延在方向中央位置以外の位置を当該「所定距離の位置」とすることもできる。
また、前述した実施形態では、治具を、円筒形状を呈する部材で構成しているが、テーパ部材の一部を収納可能であれば、円柱体の延在方向一端側の面に収納凹所を形成した有底の部材を治具とすることもできる。
また、前述した実施形態ではテーパ部材の寸法を測定する測定器としてダイヤルゲージを用いているが、寸法を測定することができる測定器であれば、例えば変位ゲージ等の他の測定器を用いることもできる。
また、前述した実施形態では、治具の端面から円すいころの大径の円形端面までの長さを測定しているが、例えば、治具が載置されるテーブルの表面から円すいころの大径の円形端面までの長さを測定することもできる。換言すれば、円すいころの延在方向長さ測定の一方の起点は、当該円すいころを収納する治具の端面に限定されるものではない。
1:円すいころ 1a:小径の円形端面 1b:大径の円形端面
2:治具 2a:端面 3:収納凹所 3a:内周面
3b:開口縁 4:凹部


Claims (9)

  1. 延在方向一端に小径の円形端面を有し且つ延在方向他端に大径の円形端面を有するテーパ部材の外径寸法を測定する方法であって、
    測定の基準となる基準テーパ部材における、当該基準テーパ部材の小径の円形端面から、当該小径の円形端面から延在方向に沿って他端側へ所定距離の位置までを収納可能な治具に前記基準テーパ部材を収納する第1工程と、
    前記治具から外側に露出した基準テーパ部材の、露出している部分の延在方向の基準長さを測定する第2工程と、
    測定対象となるテーパ部材を前記治具に収納する第3工程と、
    前記治具から外側に露出した前記測定対象となるテーパ部材の、露出している部分の延在方向の長さを測定する第4工程と、
    前記第2工程で測定された基準長さと前記第4工程で測定された長さとの差から、前記測定対象となるテーパ部材の外径寸法を算出する第5工程と
    を含む外径寸法測定方法。
  2. 前記所定距離の位置における基準テーパ部材の外径寸法と当該所定距離の位置における測定対象となるテーパ部材の外径寸法との差をδDとし、前記第5工程で求めた差をδLとし、前記測定対象となるテーパ部材のテーパ角をθとすると、
    δD=2×δL×tan(θ/2)
    を用いて測定対象となるテーパ部材の外径寸法を算出する、請求項1に記載の外径寸法測定方法。
  3. 前記延在方向の基準長さ及び前記延在方向の長さが、前記基準テーパ部材又は測定対象となるテーパ部材が収納される側の治具の端面からの長さである、請求項1又は請求項2に記載の外径寸法測定方法。
  4. 延在方向一端に小径の円形端面を有し且つ延在方向他端に大径の円形端面を有するテーパ部材の外径寸法を測定する方法であって、
    測定の基準となる基準テーパ部材における、当該基準テーパ部材の小径の円形端面から、当該小径の円形端面から延在方向に沿って他端側へ所定距離の位置までを収納可能な治具に前記基準テーパ部材を収納する第1収納工程と、
    前記治具から外側に露出した基準テーパ部材の、露出している部分の延在方向の端部の基準位置を求める第1測定工程と、
    測定対象となるテーパ部材を前記治具に収納する第2収納工程と、
    前記第1測定工程で求めた基準位置に基づく、前記治具から外側に露出した前記測定対象となるテーパ部材の、露出している部分の延在方向の端部の位置を求める第2測定工程と、
    前記第2測定工程で求めた、前記測定対象となるテーパ部材の端部の位置から、前記測定対象となるテーパ部材の外径寸法を算出する算出工程と
    を含む外径寸法測定方法。
  5. 前記所定距離の位置における基準テーパ部材の外径寸法と当該所定距離の位置における測定対象となるテーパ部材の外径寸法との差をδDとし、前記算出工程で求めた端部の位置から得られる、当該位置の前記基準位置からの延在方向の変位をδLとし、前記測定対象となるテーパ部材のテーパ角をθとすると、
    δD=2×δL×tan(θ/2)
    を用いて測定対象となるテーパ部材の外径寸法を算出する、請求項4に記載の外径寸法測定方法。
  6. 前記所定距離の位置が、前記基準テーパ部材及び前記測定対象となるテーパ部材における延在方向中央位置である、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の外径寸法測定方法。
  7. 前記測定対象となるテーパ部材が円すいころである、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の外径寸法測定方法。
  8. 延在方向一端に小径の円形端面を有し且つ延在方向他端に大径の円形端面を有するテーパ部材の外径寸法を測定するための治具であって、
    前記テーパ部材における、当該テーパ部材の小径の円形端面から、当該小径の円形端面から延在方向に沿って他端側へ所定距離の位置までを収納可能である、外径寸法測定のための治具。
  9. 前記治具は、円筒形状を呈しており、当該治具の延在方向一端側に前記テーパ部材が収納される収納凹所を有しており、
    前記収納凹所の内周面は、前記一端側に向かう方向に拡径するテーパ状の内周面であり、
    前記内周面のテーパ角が前記テーパ部材のテーパ角よりも小さくされている、請求項8に記載の外径寸法測定のための治具。

















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