JP2017207108A - 軸受部材 - Google Patents
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Abstract
【課題】内燃機関の軸受部材及び軸部材間の摩擦抵抗を減少させることによって、フリクションを低減することができる軸受部材を提供すること。【解決手段】軸受部材11は、第1の領域(0°〜90°)、第2の領域(90°〜180°)、第3の領域(180°〜270°)および第4の領域(270°〜360°)に設けられた複数の凹部を有する。第1の領域(0°〜90°)および第4の領域(270°〜360°)は、それぞれ、凹部12の密度が90°から0°または270°から360°に向かって連続的または段階的に減少する分布を有する。第2の領域(90°〜180°)および第3の領域(180°〜270°)は、それぞれ、凹部12の密度が90°から180°または270°から180°に向かって連続的または段階的に減少する分布を有する。【選択図】図1
Description
本発明は、ピストン往復動型の内燃機関のクランクシャフトまたはクランクピンを支持する軸受部材に関する。
ピストン往復動型内燃機関は自動車用或いは船舶用内燃機関として広く採用されている。この内燃機関の燃費を向上するために、エンジン部品の各部位におけるフリクションを低減する技術が活発に開発されている。中でも、クランクシャフトまたはクランクピンのような回転する軸部材と、その軸部材を回転摺動可能に支持する軸受部材との間のフリクションを低減することは、重要である。
例えば、従来から、すべり軸受としてのジャーナルベアリング内面の荷重集中部位を挟む両側の領域に、撥油性の高い部分を設けることによって、荷重集中部位に十分な油膜圧力を発生させ、以て、潤滑油の粘性抵抗による摩擦損失を低減する技術が知られている(特許文献1を参照。)。
クランクシャフトまたはクランクピンからなる軸部材をすべり軸受である軸受部材にて支持する場合、軸部材と軸受部材との間の潤滑形態は、流体潤滑、混合潤滑及び境界潤滑の何れかになる。ストライベック線図によれば、粘度(η)×すべり速度(V)/面圧(P)の値が大きくなるに従い、その潤滑形態は、境界潤滑、混合潤滑、流体潤滑の順に変化する。
摩擦抵抗(μ)は、境界潤滑、混合潤滑、流体潤滑の順に小さくなるため、軸受部材及び軸部材間の潤滑形態は、流体潤滑であることが好ましい。流体潤滑では、軸受部材及び軸部材の接触面積(潤滑油によって分離された相対する摩擦面面積)が増加するほど摩擦抵抗(μ)が大きくなる。
したがって、摩擦抵抗(μ)を小さくするためには、軸受部材の内面にディンプル等のテクスチャーを設けて接触面積を減らすことが好ましい。一方で、接触面積を減らしすぎると、軸受部材が受ける面圧(P)が大きい領域では潤滑形態が流体潤滑から境界潤滑に移行してしまい、摩擦抵抗(μ)が逆に大きくなってしまう。
本発明は上述した課題に対処するためになされた。即ち、本発明の目的の一つは、内燃機関の軸受部材及び軸部材間の摩擦抵抗を減少させることによって、フリクションを低減することができる軸受部材を提供することにある。
本発明は、内燃機関のピストンに連結されるクランクピンまたは前記内燃機関のクランクシャフトである軸部材を支持し、前記軸部材が回転摺動する軸受表面を有する軸受部材(11)であって、
前記軸部材の回転軸方向と直交する平面にて前記軸受部材を切断した断面において、前記内燃機関のシリンダボアの中心軸線上であって且つ前記ピストンが上死点位置にあるときに前記シリンダボア側に位置する前記軸受部材の円周上の位置を軸受角度0°として前記軸部材の回転方向に0°〜360°の軸受角度を取り、軸受角度0°〜90°に対応する前記軸受表面を第1の領域(0°〜90°)、軸受角度90°〜180°に対応する前記軸受表面を第2の領域(90°〜180°)、軸受角度180°〜270°に対応する前記軸受表面を第3の領域(180°〜270°)、軸受角度270°〜360°に対応する前記軸受表面を第4の領域(270°〜360°)と区分した場合において、
前記第1の領域(0°〜90°)、前記第2の領域(90°〜180°)、前記第3の領域(180°〜270°)及び前記第4の領域(270°〜360°)のうちの少なくとも1つの領域に複数の凹部(12)が設けられ、
前記複数の凹部(12)が設けられた領域が前記第1の領域(0°〜90°)である場合には、前記第1の領域(0°〜90°)の単位表面積に対する前記凹部の開口端面の面積の総和の百分率が、90°から0°に向かって連続的または段階的に減少する分布を有し、
前記複数の凹部(12)が設けられた領域が前記第2の領域(90°〜180°)である場合には、前記第2の領域(90°〜180°)の単位表面積に対する前記凹部の開口端面の面積の総和の百分率が、90°から180°に向かって連続的または段階的に減少する分布を有し、
前記複数の凹部(12)が設けられた領域が前記第3の領域(180°〜270°)である場合には、前記第3の領域(180°〜270°)の単位表面積に対する前記凹部の開口端面の面積の総和の百分率が、270°から180°に向かって連続的または段階的に減少する分布を有し、
前記複数の凹部(12)が設けられた領域が前記第4の領域(270°〜360°)である場合には、前記第4の領域(270°〜360°)の単位表面積に対する前記凹部の開口端面の面積の総和の百分率が、270°から360°に向かって連続的または段階的に減少する分布を有する軸受部材である。
前記軸部材の回転軸方向と直交する平面にて前記軸受部材を切断した断面において、前記内燃機関のシリンダボアの中心軸線上であって且つ前記ピストンが上死点位置にあるときに前記シリンダボア側に位置する前記軸受部材の円周上の位置を軸受角度0°として前記軸部材の回転方向に0°〜360°の軸受角度を取り、軸受角度0°〜90°に対応する前記軸受表面を第1の領域(0°〜90°)、軸受角度90°〜180°に対応する前記軸受表面を第2の領域(90°〜180°)、軸受角度180°〜270°に対応する前記軸受表面を第3の領域(180°〜270°)、軸受角度270°〜360°に対応する前記軸受表面を第4の領域(270°〜360°)と区分した場合において、
前記第1の領域(0°〜90°)、前記第2の領域(90°〜180°)、前記第3の領域(180°〜270°)及び前記第4の領域(270°〜360°)のうちの少なくとも1つの領域に複数の凹部(12)が設けられ、
前記複数の凹部(12)が設けられた領域が前記第1の領域(0°〜90°)である場合には、前記第1の領域(0°〜90°)の単位表面積に対する前記凹部の開口端面の面積の総和の百分率が、90°から0°に向かって連続的または段階的に減少する分布を有し、
前記複数の凹部(12)が設けられた領域が前記第2の領域(90°〜180°)である場合には、前記第2の領域(90°〜180°)の単位表面積に対する前記凹部の開口端面の面積の総和の百分率が、90°から180°に向かって連続的または段階的に減少する分布を有し、
前記複数の凹部(12)が設けられた領域が前記第3の領域(180°〜270°)である場合には、前記第3の領域(180°〜270°)の単位表面積に対する前記凹部の開口端面の面積の総和の百分率が、270°から180°に向かって連続的または段階的に減少する分布を有し、
前記複数の凹部(12)が設けられた領域が前記第4の領域(270°〜360°)である場合には、前記第4の領域(270°〜360°)の単位表面積に対する前記凹部の開口端面の面積の総和の百分率が、270°から360°に向かって連続的または段階的に減少する分布を有する軸受部材である。
以下の説明では、「単位表面積に対する凹部の開口端面の面積の総和の百分率({凹部の開口端面の面積の総和÷単位表面積}×100%)」を「凹部の密度或いは凹部密度」と称する。クランクシャフトまたはクランクピンである軸部材を支持する軸受部材では、軸受角度0°の位置(=360°の位置)及び軸受角度180°の位置に燃焼荷重や慣性荷重等の大きな荷重が加わる傾向にある。一方で、軸受角度90°の位置及び軸受角度270°の位置には、大きな荷重は加わらない傾向にある。
すなわち、軸受部材に加わる荷重の大きさは、軸受角度0°(=360°)または180°で最大となり、90°または270°に近くなるに従い小さくなる傾向にある。より詳細に述べると、第1の領域(0°〜90°)では、軸受角度90°の位置から軸受角度0°の位置に向かって荷重が大きくなる傾向にある。第2の領域(90°〜180°)では、軸受角度90°の位置から軸受角度180°の位置に向かって荷重が大きくなる傾向にある。第3の領域(180°〜270°)では、軸受角度270°の位置から軸受角度180°の位置に向かって荷重が大きくなる傾向にある。第4の領域(270°〜360°)では、軸受角度270°の位置から軸受角度360°の位置に向かって荷重が大きくなる傾向にある。
このような軸受部材に加わる荷重の大きさの分布に対して、本発明では、第1の領域(0°〜90°)に凹部を設ける場合には、凹部の密度が90°から0°に向かって連続的または段階的に減少する分布を有するように凹部を設ける。第2の領域(90°〜180°)に凹部を設ける場合には、凹部の密度が90°から180°に向かって連続的または段階的に減少する分布を有するように凹部を設ける。第3の領域(180°〜270°)に凹部を設ける場合には、凹部の密度が270°から180°に向かって連続的または段階的に減少する分布を有するように凹部を設ける。第4の領域(270°〜360°)に凹部を設ける場合には、凹部の密度が270°から360°に向かって連続的または段階的に減少する分布を有するように凹部を設ける。
このような構成を有する本発明によれば、軸受部材に加わる荷重が大きい領域では、凹部の密度を小さくして軸部材との接触面積を増加させることにより、潤滑形態が流体潤滑から境界潤滑へと変化してしまう可能性を低くし、以て、摩擦抵抗の増大を防止できる。軸受部材に加わる荷重が小さい領域では、凹部の密度を大きくして軸部材との接触面積を減少させることによって、摩擦抵抗を低減できる。以上によって、境界潤滑が発生しない範囲で(換言すると、潤滑形態を流体潤滑に維持しながら)より摩擦抵抗を低減でき、その結果、フリクションを低減することができる。
以下、本発明の各実施形態に係る軸受部材について図面を参照しながら説明する。実施形態の全図において、同一または対応する部分には同一の符号を付す。なお、以下に説明する実施形態等は本発明の好適な具体例であり、本発明の内容はこれらの実施形態等に限定されない。
<第1実施形態>
図1(a)および図1(b)に示したように、本発明の第1実施形態に係る軸受部材11(以下、「第1軸受部材」と称呼される場合がある。)は、円筒を軸方向と平行に半割した形状を有する2つの半割部11a及び11bを組み合わせた構造を有する。
図1(a)および図1(b)に示したように、本発明の第1実施形態に係る軸受部材11(以下、「第1軸受部材」と称呼される場合がある。)は、円筒を軸方向と平行に半割した形状を有する2つの半割部11a及び11bを組み合わせた構造を有する。
第1軸受部材11は、ピストン往復動型内燃機関の軸部材(図示省略)を支持するすべり軸受である。軸部材は、ピストン往復動型内燃機関のクランクシャフトまたは同内燃機関のクランクピンであり、第1軸受部材11は、クランクシャフトを支持するメインベアリングまたはクランクピンを支持するコンロッドベアリングである。軸受部材11と軸部材との間には、潤滑油(図示省略)が介在し、軸受部材11と軸部材との間の潤滑形態は流体潤滑となっている。
なお、第1軸受部材11の回転軸方向と直交する平面にて第1軸受部材11を切断した断面において、内燃機関のシリンダボア(図示省略)の中心軸線上であって且つピストン(図示省略)が上死点位置にあるときにシリンダボア側に位置する第1軸受部材11の位置を軸受角度0°とする。矢印に示す軸部材の回転方向に軸受角度を取る。軸受角度0°〜90°に対応する第1軸受部材11の内面を第1の領域(0°〜90°)と称する。軸受角度90°〜180°に対応する第1軸受部材11の内面を第2の領域(90°〜180°)と称する。軸受角度180°〜270°に対応する第1軸受部材11の内面を第3の領域(180°〜270°)と称する。軸受角度270°〜360°に対応する第1軸受部材11の内面を第4の領域(270°〜360°)と称する。0°の位置と360°の位置とは同じである。
第1軸受部材11は、軸部材が回転摺動する軸受表面となる内面を有する。第1軸受部材11の内面には、互いに離間した複数の凹部12が設けられている。
図2(a)および図2(b)に示したように、複数の凹部12は、それぞれ、円形の開口端面を有する。凹部12の円形の開口端面は、0.01mm〜1.0mmの直径Dを有し、且つ、0.001mm〜0.1mmの凹み深さhを有する。複数の凹部12は、規則的に配置されている。より具体的に述べると、複数の凹部12は、矢印で示した軸部材が摺動する方向(「軸部材摺動方向」と称する。)に並び、且つ、軸部材摺動方向と直交する方向に並ぶマトリックス状に配置されている。
凹部12は、第1の領域(0°〜90°)、第2の領域(90°〜180°)、第3の領域(180°〜270°)及び第4の領域(270°〜360°)の各領域に設けられている。各領域において、凹部12は、各領域の一部分に設けられている。
凹部12が設けられた各領域では、凹部12の密度は、90°から0°に近づくにつれ、270°から360°に近づくにつれ、90°から180°に近づくにつれ、更に、270°から180°に近づくにつれ、段階的(但し、連続的であってもよい)に減少する分布を有する。
具体的に述べると、第1の領域(0°〜90°)には、90°から0°に向かって、領域b1、領域a1、領域X1の順で、段階的に凹部12の密度が減少するように凹部12が設けられている。第2の領域(90°〜180°)には、90°から180°に向かって、領域d1、領域c1、領域X1’の順で、段階的に凹部12の密度が減少するように凹部12が設けられている。第3の領域(180°〜270°)には、270°から180°に向かって、領域d2、領域c2、領域X2の順で、段階的に凹部12の密度が減少するように凹部12が設けられている。第4の領域(270°〜360°)には、270°から360°に向かって、領域b2、領域a2、領域X2’の順で、段階的に凹部12の密度が減少するように凹部が設けられている。
より具体的に述べると、図3(a)及び図3(b)に示したように、以下に述べる凹部12の配置領域の面積及び凹部密度で、第1〜第4の各領域に凹部12が設けられている。なお、以下の説明において「領域(X°〜Y°)」と表記した場合には、「軸受角度X°〜Y°に対応する軸受部材11の内面」を意味する。
[第1の領域(0°〜90°)]
領域X1:
領域X1では、凹部12の配置領域の面積はS0であり、凹部12の密度はD0%(例えば、0%)である。
領域a1:
領域a1では、凹部12の配置領域の面積はS1であり、凹部12の密度はD1%(D1>D0、例えば5%)である。
領域b1:
領域b1では、凹部12の配置領域の面積はS2であり、凹部12の密度はD2%(D2>D1、例えば10%)である。
領域X1は、例えば領域(0°〜30°)であり、領域a1は、例えば領域(30°〜60°)であり、領域b1は、例えば領域(60°〜90°)である。
領域X1:
領域X1では、凹部12の配置領域の面積はS0であり、凹部12の密度はD0%(例えば、0%)である。
領域a1:
領域a1では、凹部12の配置領域の面積はS1であり、凹部12の密度はD1%(D1>D0、例えば5%)である。
領域b1:
領域b1では、凹部12の配置領域の面積はS2であり、凹部12の密度はD2%(D2>D1、例えば10%)である。
領域X1は、例えば領域(0°〜30°)であり、領域a1は、例えば領域(30°〜60°)であり、領域b1は、例えば領域(60°〜90°)である。
[第2の領域(90°〜180°)]
領域d1:
領域d1では、凹部12の配置領域の面積はS2であり、凹部12の密度はD2%(D2>D1、例えば10%)である。
領域c1:
領域c1では、凹部12の配置領域の面積はS1であり、凹部12の密度はD1%(D1>D0、例えば5%)である。
領域X1’:
領域X1’では、凹部12の配置領域の面積はS0であり、凹部12の密度はD0%(例えば0%)である。
領域d1は、例えば領域(90°〜120°)であり、領域c1は、例えば領域(120°〜150°)であり、領域X1’は、例えば領域(150°〜180°)である。
領域d1:
領域d1では、凹部12の配置領域の面積はS2であり、凹部12の密度はD2%(D2>D1、例えば10%)である。
領域c1:
領域c1では、凹部12の配置領域の面積はS1であり、凹部12の密度はD1%(D1>D0、例えば5%)である。
領域X1’:
領域X1’では、凹部12の配置領域の面積はS0であり、凹部12の密度はD0%(例えば0%)である。
領域d1は、例えば領域(90°〜120°)であり、領域c1は、例えば領域(120°〜150°)であり、領域X1’は、例えば領域(150°〜180°)である。
[第3の領域(180°〜270°)]
領域X2:
領域X2では、凹部12の配置領域の面積はS0であり、凹部12の密度はD0%(例えば、0%)である。
領域c2:
領域c2では、凹部12の配置領域の面積はS1であり、凹部12の密度はD1%(D1>D0、例えば5%)である。
領域d2:
領域d2では、凹部12の配置領域の面積はS2であり、凹部12の密度はD2%(D2>D1、例えば10%)である。
領域X2は、例えば領域(180°〜210°)であり、領域c2は、例えば領域(210°〜240°)であり、領域d2は、例えば領域(240°〜270°)である。
領域X2:
領域X2では、凹部12の配置領域の面積はS0であり、凹部12の密度はD0%(例えば、0%)である。
領域c2:
領域c2では、凹部12の配置領域の面積はS1であり、凹部12の密度はD1%(D1>D0、例えば5%)である。
領域d2:
領域d2では、凹部12の配置領域の面積はS2であり、凹部12の密度はD2%(D2>D1、例えば10%)である。
領域X2は、例えば領域(180°〜210°)であり、領域c2は、例えば領域(210°〜240°)であり、領域d2は、例えば領域(240°〜270°)である。
[第4の領域(270°〜360°)]
領域b2:
領域b2では、凹部12の配置領域の面積はS2であり、凹部12の密度はD2%(D2>D1、例えば10%)である。
領域a2:
領域a2では、凹部12の配置領域の面積はS1であり、凹部12の密度はD1%(D1>D0、例えば5%)である。
領域X2’:
領域X2’では、凹部12の配置領域の面積はS0であり、凹部12の密度はD0%(例えば0%)である。
領域b2は、例えば領域(270°〜300°)であり、領域a2は、例えば領域(300°〜330°)であり、領域X2’は、例えば領域(330°〜360°)である。
領域b2:
領域b2では、凹部12の配置領域の面積はS2であり、凹部12の密度はD2%(D2>D1、例えば10%)である。
領域a2:
領域a2では、凹部12の配置領域の面積はS1であり、凹部12の密度はD1%(D1>D0、例えば5%)である。
領域X2’:
領域X2’では、凹部12の配置領域の面積はS0であり、凹部12の密度はD0%(例えば0%)である。
領域b2は、例えば領域(270°〜300°)であり、領域a2は、例えば領域(300°〜330°)であり、領域X2’は、例えば領域(330°〜360°)である。
(凹部の点対称性)
第1軸受部材11では、軸部材の回転軸方向と直交する平面にて、対角関係にある領域組(すなわち、下記2つの領域組)が、それぞれ、凹部12の配置領域の面積及び密度について、円周の中心点Rを対称点とした点対称性を有する。
・領域組:第1の領域(0°〜90°)及び第3の領域(180°〜270°)
・領域組:第2の領域(90°〜180°)及び第4の領域(270°〜360°)
第1軸受部材11では、軸部材の回転軸方向と直交する平面にて、対角関係にある領域組(すなわち、下記2つの領域組)が、それぞれ、凹部12の配置領域の面積及び密度について、円周の中心点Rを対称点とした点対称性を有する。
・領域組:第1の領域(0°〜90°)及び第3の領域(180°〜270°)
・領域組:第2の領域(90°〜180°)及び第4の領域(270°〜360°)
具体的に述べると、第1の領域(0°〜90°)及び第3の領域(180°〜270°)では、以下に述べる各領域の凹部12の配置領域の面積及び凹部密度が同じであるので、この領域組は点対称性を有する。
領域X1及び領域X2の、凹部12の配置領域の面積及び凹部密度が、それぞれ面積S0、密度D0%であって同じである。領域a1及び領域c2の、凹部12の配置領域の面積及び密度が、それぞれ面積S1、密度D1%であって同じである。領域b1及び領域d2の、凹部12の配置領域の面積及び凹部密度が、それぞれ面積S2、密度D2%であって同じである。
第2の領域(90°〜180°)及び第4の領域(270°〜360°)では、以下に述べる各領域の凹部12の配置領域の面積及び凹部密度が同じであるので、この領域組は点対称性を有する。
領域d1及び領域b2の、凹部12の配置領域の面積及び凹部密度が、それぞれ面積S2、密度D2%であって同じである。領域c1及び領域a2の、凹部12の配置領域の面積及び凹部密度が、それぞれ面積S1、密度D1%であって同じである。領域X1’及び領域X2’の、凹部12の配置領域の面積及び凹部密度が、それぞれ面積S0、密度D0%であって同じである。
(凹部の線対称性)
第1軸受部材11では、軸部材の回転軸方向と直交する平面にて、軸部材の回転方向において隣接する2つの領域からなる下記領域組が、それぞれ、下記直線を対称軸として、凹部12の配置領域の面積及び凹部密度について、線対称性を有する。
・領域組:第1の領域(0°〜90°)及び第2の領域(90°〜180°)
対称軸:軸受角度90°及び軸受角度270°を通る直線L2
・領域組:第3の領域(180°〜270°)及び第4の領域(270°〜360°)
対称軸:軸受角度90°及び軸受角度270°を通る直線L2
第1軸受部材11では、軸部材の回転軸方向と直交する平面にて、軸部材の回転方向において隣接する2つの領域からなる下記領域組が、それぞれ、下記直線を対称軸として、凹部12の配置領域の面積及び凹部密度について、線対称性を有する。
・領域組:第1の領域(0°〜90°)及び第2の領域(90°〜180°)
対称軸:軸受角度90°及び軸受角度270°を通る直線L2
・領域組:第3の領域(180°〜270°)及び第4の領域(270°〜360°)
対称軸:軸受角度90°及び軸受角度270°を通る直線L2
具体的に述べると、第1の領域(0°〜90°)及び第2の領域(90°〜180°)では、以下に述べる各領域の凹部12の配置領域の面積及び凹部密度が同じである。したがって、この領域組は、軸受角度90°及び軸受角度270°を通る直線L2を対称軸とした線対称性を有する。
領域X1及び領域X1’の、凹部12の配置領域の面積及び凹部密度が、それぞれ面積S0、密度D0%であって同じである。領域a1及び領域c1の、凹部12の配置領域の面積及び凹部密度が、それぞれ面積S1、密度D1%であって同じである。領域b1及び領域d1の、凹部12の配置領域の面積及び凹部密度が、それぞれ面積S2、密度D2%であって同じである。
第3の領域(180°〜270°)及び第4の領域(270°〜360°)では、以下に述べる各領域の凹部12の配置領域の面積及び凹部密度が同じである。したがって、この領域組は、軸受角度90°及び軸受角度270°を通る直線L2を対称軸とした線対称性を有する。
領域X2及び領域X2’の、凹部12の配置領域の面積及び凹部密度が、それぞれ面積S0、密度D0%であって同じである。領域c2及び領域a2の、凹部12の配置領域の面積及び凹部密度が、それぞれ面積S1、密度D1%であって同じである。領域d2及び領域b2の、凹部12の配置領域の面積及び凹部密度が、それぞれ面積S2、密度D2%であって同じである。
第1軸受部材11では、以下に述べる凹部12の点対称性A及び線対称性Bの両方を有することによって、第1軸受部材11を構成する2つの半割部11a及び11bを、同一の部品で構成することができる。その結果、第1軸受部材11の製造をより低コストで行うことができる。なお、第1軸受部材11では、点対称性A及び線対称性Bの少なくとも1つを有すれば、第1軸受部材11を構成する2つの半割部11a及び11bを、同一の部品で構成することができる。
(点対称性A)
・第1の領域(0°〜90°)及び第3の領域(180°〜270°)の点対称性、並びに、第2の領域(90°〜180°)及び第4の領域(270°〜360°)の点対称性
(線対称性B)
・第1の領域(0°〜90°)及び第2の領域(90°〜180°)の線対称性、並びに、第3の領域(180°〜270°)及び第4の領域(270°〜360°)の線対称性
(点対称性A)
・第1の領域(0°〜90°)及び第3の領域(180°〜270°)の点対称性、並びに、第2の領域(90°〜180°)及び第4の領域(270°〜360°)の点対称性
(線対称性B)
・第1の領域(0°〜90°)及び第2の領域(90°〜180°)の線対称性、並びに、第3の領域(180°〜270°)及び第4の領域(270°〜360°)の線対称性
なお、第1軸受部材11は、上述の点対称性A及び線対称性Bの両方を有するので、必然的に以下に述べる領域組が、凹部12の配置領域の面積及び凹部密度について、下記直線を対称軸とした線対称性を有する。
・領域組:第1の領域(0°〜90°)及び第4の領域(270°〜360°)
対称軸:軸受角度0°及び軸受角度180°を通る直線L1
・領域組:第2の領域(90°〜180°)及び第3の領域(180°〜270°)
対称軸:軸受角度0°及び軸受角度180°を通る直線L1
・領域組:第1の領域(0°〜90°)及び第4の領域(270°〜360°)
対称軸:軸受角度0°及び軸受角度180°を通る直線L1
・領域組:第2の領域(90°〜180°)及び第3の領域(180°〜270°)
対称軸:軸受角度0°及び軸受角度180°を通る直線L1
(軸受部材の幅方向における凹部の線対称性)
第1軸受部材11では、軸受部材11の内面を幅方向において均等分割した2つの領域が、凹部12の配置領域の面積及び凹部密度について、線対称性を有している。すなわち、この2つの領域は、軸受部材11の内面の幅方向における中心線L0(図1(b)中に図示)を対称軸とした線対称性を有している。これにより、第1軸受部材11の取り付け間違いが発生する可能性を低減でき、その結果、製造しやすくなる。
第1軸受部材11では、軸受部材11の内面を幅方向において均等分割した2つの領域が、凹部12の配置領域の面積及び凹部密度について、線対称性を有している。すなわち、この2つの領域は、軸受部材11の内面の幅方向における中心線L0(図1(b)中に図示)を対称軸とした線対称性を有している。これにより、第1軸受部材11の取り付け間違いが発生する可能性を低減でき、その結果、製造しやすくなる。
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態に係る軸受部材(以下、「第2軸受部材」と称呼される場合がある。)について説明する。この軸受部材は、以下の点のみにおいて第1軸受部材と相違している。
(1)第2軸受部材は、点対称性Aのみを有し、線対称性Bを有していない。
(2)第2軸受部材では、第1の領域(0°〜90°)及び第4の領域(270°〜360°)が線対称性を有していない。
(3)第2軸受部材では、第2の領域(90°〜180°)及び第3の領域(180°〜270°)が線対称性を有していない。
以下、この相違点を中心として説明する。
本発明の第2実施形態に係る軸受部材(以下、「第2軸受部材」と称呼される場合がある。)について説明する。この軸受部材は、以下の点のみにおいて第1軸受部材と相違している。
(1)第2軸受部材は、点対称性Aのみを有し、線対称性Bを有していない。
(2)第2軸受部材では、第1の領域(0°〜90°)及び第4の領域(270°〜360°)が線対称性を有していない。
(3)第2軸受部材では、第2の領域(90°〜180°)及び第3の領域(180°〜270°)が線対称性を有していない。
以下、この相違点を中心として説明する。
図4に示したように、第2軸受部材11では、以下に述べる凹部の配置領域の面積及び密度で、各領域に凹部12が設けられている。
[第1の領域(0°〜90°)]
領域X1:
領域X1では、凹部12の配置領域の面積はS0であり、凹部12の密度はD%(例えば0%)である。
領域a1:
領域a1では、凹部12の配置領域の面積はS1であり、凹部12の密度はD1%(D1>D0)である。
領域b1:
領域b1では、凹部12の配置領域の面積はS2であり、凹部12の密度はD2%(D2>D1)である。
領域X1:
領域X1では、凹部12の配置領域の面積はS0であり、凹部12の密度はD%(例えば0%)である。
領域a1:
領域a1では、凹部12の配置領域の面積はS1であり、凹部12の密度はD1%(D1>D0)である。
領域b1:
領域b1では、凹部12の配置領域の面積はS2であり、凹部12の密度はD2%(D2>D1)である。
[第2の領域(90°〜180°)]
領域d1:
領域d1では、凹部12の配置領域の面積はS2’(≠S2)であり、凹部12の密度はD2’(≠D2)%(D2’>D1’)である。
領域c1:
領域c1では、凹部12の配置領域の面積はS1’(≠S1)であり、凹部12の密度はD1’(≠D1)%(D1’>D0’)である。
領域X1’:
領域X1’では、凹部12の配置領域の面積はS0’(≠S0)であり、凹部12の密度はD0’%(例えば0%)である。
領域d1:
領域d1では、凹部12の配置領域の面積はS2’(≠S2)であり、凹部12の密度はD2’(≠D2)%(D2’>D1’)である。
領域c1:
領域c1では、凹部12の配置領域の面積はS1’(≠S1)であり、凹部12の密度はD1’(≠D1)%(D1’>D0’)である。
領域X1’:
領域X1’では、凹部12の配置領域の面積はS0’(≠S0)であり、凹部12の密度はD0’%(例えば0%)である。
[第3の領域(180°〜270°)]
領域X2:
領域X2では、凹部12の配置領域の面積はS0であり、凹部12の密度はD0%(例えば0%)である。
領域c2:
領域c2では、凹部12の配置領域の面積はS1であり、凹部12の密度はD1%(D1>D0)である。
領域d2:
領域d2では、凹部12の配置領域の面積はS2であり、凹部12の密度はD2%(D2>D1)である。
領域X2:
領域X2では、凹部12の配置領域の面積はS0であり、凹部12の密度はD0%(例えば0%)である。
領域c2:
領域c2では、凹部12の配置領域の面積はS1であり、凹部12の密度はD1%(D1>D0)である。
領域d2:
領域d2では、凹部12の配置領域の面積はS2であり、凹部12の密度はD2%(D2>D1)である。
[第4の領域(270°〜360°)]
領域b2:
領域b2では、凹部12の配置領域の面積はS2’であり、凹部12の密度はD2’%(D2’>D1’)である。
領域a2:
領域a2では、凹部12の配置領域の面積はS1’であり、凹部12の密度はD1’%(D1’>D0’)である。
領域X2’:
領域X2’では、凹部12の配置領域の面積はS0’であり、凹部12の密度はD0’%(例えば0%)である。
領域b2:
領域b2では、凹部12の配置領域の面積はS2’であり、凹部12の密度はD2’%(D2’>D1’)である。
領域a2:
領域a2では、凹部12の配置領域の面積はS1’であり、凹部12の密度はD1’%(D1’>D0’)である。
領域X2’:
領域X2’では、凹部12の配置領域の面積はS0’であり、凹部12の密度はD0’%(例えば0%)である。
第2軸受部材11では、第1の領域(0°〜90°)及び第3の領域(180°〜270°)が凹部12の点対称性を有し、且つ、第2の領域(90°〜180°)及び第4の領域(270°〜360°)が凹部12の点対称性を有する。すなわち、第2軸受部材11は、点対称性Aを有する。これにより、第2軸受部材11を構成する2つの半割部11a及び11bを、同一の部品で構成することができ、以て、第2軸受部材11の製造を低コストで行うことができる。
第2軸受部材11では、第1の領域(0°〜90°)及び第2の領域(90°〜180°)が凹部12の線対称性を有していない、且つ、第3の領域(180°〜270°)及び第4の領域(270°〜360°)が凹部12の線対称性を有していない。したがって、第2軸受部材11では、上側半分及び下側半分に対して加わる荷重の分布が異なる場合、軸受部材11に加わる荷重の大きさの分布により適切に対応した凹部12を、点対称性Aを維持できる範囲で形成できる。これにより、第2軸受部材11及び軸部間の摩擦抵抗を低減することができる。
また、第2軸受部材11では、第1の領域(0°〜90°)及び第4の領域(270°〜360°)が凹部12の線対称性を有していない、且つ、第2の領域(90°〜180°)及び第3の領域(180°〜270°)が凹部12の線対称性を有していない。したがって、第2軸受部材11では、第2軸受部材11の右側半分及び左側半分に対して加わる荷重の分布が異なる場合でも、軸受部材11に加わる荷重の大きさの分布により適切に対応した凹部12を、点対称性Aを維持できる範囲で形成できる。これにより、第2軸受部材11及び軸部間の摩擦抵抗を低減することができる。
<第3実施形態>
本発明の第3実施形態に係る軸受部材(以下、「第3軸受部材」と称呼される場合がある。)について説明する。この軸受部材は、以下の点のみにおいて第1軸受部材と相違している。
(1)第3軸受部材は、点対称性Aを有していない、且つ、線対称性Bを有していない。
以下、この相違点を中心として説明する。
本発明の第3実施形態に係る軸受部材(以下、「第3軸受部材」と称呼される場合がある。)について説明する。この軸受部材は、以下の点のみにおいて第1軸受部材と相違している。
(1)第3軸受部材は、点対称性Aを有していない、且つ、線対称性Bを有していない。
以下、この相違点を中心として説明する。
図5に示したように、第3軸受部材11では、以下に述べる凹部12の配置領域の面積及び密度で、各領域に凹部12が設けられている。
[第1の領域(0°〜90°)]
領域X1:
領域X1では、凹部12の配置領域の面積はS0であり、凹部12の密度はD%(例えば0%)である。
領域a1:
領域a1では、凹部12の配置領域の面積はS1であり、凹部12の密度はD1%(D1>D0)である。
領域b1:
領域b1では、凹部12の配置領域の面積はS2であり、凹部12の密度はD2%(D2>D1)である。
領域X1:
領域X1では、凹部12の配置領域の面積はS0であり、凹部12の密度はD%(例えば0%)である。
領域a1:
領域a1では、凹部12の配置領域の面積はS1であり、凹部12の密度はD1%(D1>D0)である。
領域b1:
領域b1では、凹部12の配置領域の面積はS2であり、凹部12の密度はD2%(D2>D1)である。
[第2の領域(90°〜180°)]
領域d1:
領域d1では、凹部12の配置領域の面積はS2’(≠S2)であり、凹部12の密度はD2’(≠D2)%(D2’>D1’)である。
領域c1:
領域c1では、凹部12の配置領域の面積はS1’(≠S1)であり、凹部12の密度はD1’(≠D1)%(D1’>D0’)である。
領域X1’:
領域X1’では、凹部12の配置領域の面積はS0’(≠S0)であり、凹部12の密度はD0’%(例えば0%)である。
領域d1:
領域d1では、凹部12の配置領域の面積はS2’(≠S2)であり、凹部12の密度はD2’(≠D2)%(D2’>D1’)である。
領域c1:
領域c1では、凹部12の配置領域の面積はS1’(≠S1)であり、凹部12の密度はD1’(≠D1)%(D1’>D0’)である。
領域X1’:
領域X1’では、凹部12の配置領域の面積はS0’(≠S0)であり、凹部12の密度はD0’%(例えば0%)である。
[第3の領域(180°〜270°)]
領域X2:
領域X2では、凹部12の配置領域の面積はS0’(≠S0)であり、凹部12の密度はD0’%(例えば0%)である。
領域c2:
領域c2では、凹部12の配置領域の面積はS1’(≠S1)であり、凹部12の密度はD1’%(D1’>D0’)である。
領域d2:
領域d2では、凹部12の配置領域の面積はS2’(≠S2)であり、凹部12の密度はD2’%(D2’>D1’)である。
領域X2:
領域X2では、凹部12の配置領域の面積はS0’(≠S0)であり、凹部12の密度はD0’%(例えば0%)である。
領域c2:
領域c2では、凹部12の配置領域の面積はS1’(≠S1)であり、凹部12の密度はD1’%(D1’>D0’)である。
領域d2:
領域d2では、凹部12の配置領域の面積はS2’(≠S2)であり、凹部12の密度はD2’%(D2’>D1’)である。
[第4の領域(270°〜360°)]
領域b2:
領域b2では、凹部12の配置領域の面積はS2であり、凹部12の密度はD2%(D2>D1)である。
領域a2:
領域a2では、凹部12の配置領域の面積はS1であり、凹部12の密度はD1%(D1>D0)である。
領域X2’:
領域X2’では、凹部12の配置領域の面積はS0であり、凹部12の密度はD0%(例えば0%)である。
領域b2:
領域b2では、凹部12の配置領域の面積はS2であり、凹部12の密度はD2%(D2>D1)である。
領域a2:
領域a2では、凹部12の配置領域の面積はS1であり、凹部12の密度はD1%(D1>D0)である。
領域X2’:
領域X2’では、凹部12の配置領域の面積はS0であり、凹部12の密度はD0%(例えば0%)である。
第3軸受部材11は、点対称性A及び線対称性Bを有していない。したがって、第3軸受部材11では、第1軸受部材11及び第2軸受部材のように、第3軸受部材11を構成する2つの半割部11a及び11bが、同一の構成とはなっていない。
第3軸受部材11では、第1の領域(0°〜90°)及び第2の領域(90°〜180°)が凹部12の線対称性を有していない、且つ、第3の領域(180°〜270°)及び第4の領域(270°〜360°)が凹部12の線対称性を有していない。したがって、第3軸受部材11では、上側半分及び下側半分に対して加わる荷重の分布が異なる場合、軸受部材11に加わる荷重の大きさの分布により適切に対応した凹部12を、形成できる。これにより、第3軸受部材11及び軸部間の摩擦抵抗をより低減することができる。
<変形例>
本発明は、上述の実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。
本発明は、上述の実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。
例えば、上述の実施形態において挙げた構成、方法、工程、形状、材料及び数値等はあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれと異なる構成、方法、工程、形状、材料及び数値等を用いてもよい。
また、上述の実施形態の構成、方法、工程、形状、材料及び数値等は、本発明の主旨を逸脱しない限り、互いに組み合わせることができる。
各実施形態に係る軸受部材11において、複数の凹部12の配置は、規則的ではなくランダムであってもよい。
各実施形態に係る軸受部材11において、凹部12の開口端面の形状は、円形に限定されず、例えば、楕円形、多角形、図6(a)に示したV字状、図6(b)に示した直線状等、種々の形状であってもよい。
図6(a)に示した凹部12は、V字状の開口端面を有する。なお、V字状が多数連なった形状をヘリンボーン形状と称し、V字状の開口端面を有する複数の凹部12をまとめて、ヘリンボーン形状の開口端面を有する凹部と総称する。
図6(b)に示した凹部12は、軸部材摺動方向に対して傾きを持つ直線状の開口端面を有する。なお、軸部材摺動方向に対して傾きを持つ直線状の開口端面を有する複数の凹部12をまとめて、スパイラル形状の開口端面を有する凹部と総称する。
各実施形態に係る軸受部材11において、図7(a)〜図7(c)に示したように、軸受表面となる内面に、互いに離間した複数の凹部12と凹部12間を連通する溝状凹部12aとを有していてもよい。複数の凹部12間を溝状凹部12aで連通させることによって、離間して設けられている複数の凹部12間で潤滑油が流動しやすくなり、以て、潤滑油が切れる可能性を低くすることができる。
溝状凹部12aを設ける方向は、種々の方向を採用でき、どの方向で溝状凹部12aを連通させるかによって、凹部12間を流れる潤滑油の方向を制御できる。
図7(a)に示した軸受部材11では、矢印に示す軸部材摺動方向に沿って、隣り合う凹部12間を連通する溝状凹部12aが設けられている。図7(b)に示した軸受部材11では、矢印に示す軸部材摺動方向から傾いた方向に沿って隣り合う凹部12間を連通する溝状凹部12aが設けられている。図7(c)に示した軸受部材11では、矢印に示す軸部材摺動方向に対して垂直な方向に沿って隣り合う凹部12間を連通する溝状凹部12aが設けられている。
各実施形態に係る軸受部材11において、軸受部材11の内面を幅方向において均等分割した2つの領域が、凹部12の配置領域の面積及び凹部密度について、線対称性を有していなくてもよい。軸受部材11の幅方向は、クランクシャフトまたはピストンピンである軸部材の軸線方向に相当する。ピストンの形状や片当たりの発生等によっては、軸受部材11に加わる荷重が異なる場合がある。この場合には、負荷に応じた適切な凹部12を、軸受部材11の内面に形成することによって、摩擦抵抗をより低減することができ、以て、より一層、フリクションを低減することができる。
各実施形態に係る軸受部材11において、領域X1、領域X1’、領域X2及び領域X2’の少なくとも1つの領域には、凹部12が設けられていてもよい(すなわち、凹部12の密度が0%より大きくてもよい)。
各実施形態に係る軸受部材11において、軸受部材11の内面には、凹部12に加えて、オイル溝がさらに設けられていてもよい。
各実施形態に係る軸受部材11において、凹部12は、第1の領域(0°〜90°)、第2の領域(90°〜180°)、第3の領域(180°〜270°)及び第4の領域(270°〜360°)の1つ、2つまたは3つの領域のみに設けられていてもよい。
各実施形態に係る軸受部材11において、凹部12の密度は、連続的に減少する分布を有していてもよい。すなわち、凹部12の密度は、90°から0°に近づくにつれ、270°から360°に近づくにつれ、90°から180°に近づくにつれ、更に、270°から180°に近づくにつれ、連続的に減少する分布を有していてもよい。
11…軸受部材、11a、11b…半割部、12…凹部、12a…溝状凹部
Claims (1)
- 内燃機関のピストンに連結されるクランクピンまたは前記内燃機関のクランクシャフトである軸部材を支持し、前記軸部材が回転摺動する軸受表面を有する軸受部材であって、
前記軸部材の回転軸方向と直交する平面にて前記軸受部材を切断した断面において、前記内燃機関のシリンダボアの中心軸線上であって且つ前記ピストンが上死点位置にあるときに前記シリンダボア側に位置する前記軸受部材の円周上の位置を軸受角度0°として前記軸部材の回転方向に0°〜360°の軸受角度を取り、軸受角度0°〜90°に対応する前記軸受表面を第1の領域(0°〜90°)、軸受角度90°〜180°に対応する前記軸受表面を第2の領域(90°〜180°)、軸受角度180°〜270°に対応する前記軸受表面を第3の領域(180°〜270°)、軸受角度270°〜360°に対応する前記軸受表面を第4の領域(270°〜360°)と区分した場合において、
前記第1の領域(0°〜90°)、前記第2の領域(90°〜180°)、前記第3の領域(180°〜270°)及び前記第4の領域(270°〜360°)のうちの少なくとも1つの領域に複数の凹部が設けられ、
前記複数の凹部が設けられた領域が前記第1の領域(0°〜90°)である場合には、前記第1の領域(0°〜90°)の単位表面積に対する前記凹部の開口端面の面積の総和の百分率が、90°から0°に向かって連続的または段階的に減少する分布を有し、
前記複数の凹部が設けられた領域が前記第2の領域(90°〜180°)である場合には、前記第2の領域(90°〜180°)の単位表面積に対する前記凹部の開口端面の面積の総和の百分率が、90°から180°に向かって連続的または段階的に減少する分布を有し、
前記複数の凹部が設けられた領域が前記第3の領域(180°〜270°)である場合には、前記第3の領域(180°〜270°)の単位表面積に対する前記凹部の開口端面の面積の総和の百分率が、270°から180°に向かって連続的または段階的に減少する分布を有し、
前記複数の凹部が設けられた領域が前記第4の領域(270°〜360°)である場合には、前記第4の領域(270°〜360°)の単位表面積に対する前記凹部の開口端面の面積の総和の百分率が、270°から360°に向かって連続的または段階的に減少する分布を有する軸受部材。
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Legal Events
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20190626 |
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20191217 |