JP2017206642A - 重合体粒子 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、重合体粒子集合物の衝撃吸収性の改善を課題とする。
【解決手段】本発明の重合体粒子は、下記式(1)で表される構造単位を70質量%以上の割合で有する。
Figure 2017206642

[式(1)中、R1は、水素原子、又はメチル基を表し、R2は、置換基を有していてもよい炭素数1〜4のアルキレン基を表し、R3は、炭素数3〜20の環状炭化水素基を表し、該環状炭化水素基に含まれる−CH2−は、−O−に置き換わっていてもよい。nは、1以上の整数を表す。]
【選択図】なし

Description

本発明は、重合体粒子に関する。
従来、ビニル重合体粒子は、樹脂用添加剤(アンチブロッキング剤、光拡散剤、粘弾性調整剤等)、艶消し剤、トナー用添加剤、粉体塗料、水分散型塗料、化粧板用添加剤、人工大理石用添加剤、化粧品用充填剤、クロマトグラフィーのカラム充填剤等広範な用途に適用されている。
ビニル重合体粒子としては、様々なものが知られている。例えば、特許文献1には、メチルメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、及びベンジルメタクリレートを用いた光拡散粒子が記載されており、この光拡散粒子を光拡散シートに用いると、全光線透過率やヘーズ、輝度が高くなることが記載されている。
また特許文献2には、スチレン、エチレングリコールジメタクリレート、ジビニルベンゼンを用いた重合体粒子が記載されており、この重合体粒子は、溶媒中の分散安定性や、溶媒乾燥後の分散性が良好であることが記載されている。
特許第521853号公報 特開2010−248275号公報
ところで、(メタ)アクリル系重合体粒子を含む種々の粒子の集合物では、その支えを外したり、その圧縮荷重を除荷したりして力学的変化を加えた時に、粒子集合物が力学的変化に即応答して流動するため、衝撃吸収性が十分でない場合があった。本発明は、こうした事情に鑑みてなされたものであり、重合体粒子集合物の衝撃吸収性の改善を課題とする。
本発明者は、前記課題を解決するために鋭意検討を重ねる中、鎖状の親水性基の末端に環状の嵩高い基が結合した構造が一定以上の割合で重合体粒子に含まれることで、その重合体粒子集合物の衝撃吸収性が良好になることを見出して、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の発明を含む。
[1]下記式(1)で表される構造単位を70質量%以上の割合で有する重合体粒子。
Figure 2017206642
[式(1)中、R1は、水素原子、又はメチル基を表し、R2は、置換基を有していてもよい炭素数1〜4のアルキレン基を表し、R3は、炭素数3〜20の環状炭化水素基を表し、該環状炭化水素基に含まれる−CH2−は、−O−に置き換わっていてもよい。nは、1以上の整数を表す。]
[2]式(1)で表される構造単位として、少なくともnが2以上である構造単位を含む[1]に記載の重合体粒子。
[3]式(1)で表される構造単位として、少なくともnが3以上である構造単位を含む[1]又は[2]に記載の重合体粒子。
[4]架橋性単量体に由来する構造単位を有する[1]〜[3]のいずれかに記載の重合体粒子。
[5]前記架橋性単量体に由来する構造単位での架橋点間距離が、原子の数で10以下である[1]〜[4]のいずれかに記載の重合体粒子。
[6]架橋性単量体に由来する構造単位を有さない[1]〜[3]のいずれかに記載の重合体粒子。
[7]重合性基がアルキレン単位を介して結合している架橋性単量体に由来する構造単位を、重合体粒子100質量%中、8質量%以下の割合で有する[1]〜[5]のいずれかに記載の重合体粒子。
[8]下記測定法によって決定される流動連続時間が5秒以上である[1]〜[7]のいずれかに記載の重合体粒子。
[流動連続時間測定法]
1)内径5.5cm、高さ7.0cmの円筒状ポリプロピレン製容器に、重合体粒子50gを入れ、容器開放部をステンレス鋼製のバットで蓋をする。
2)前記容器及びバットを、重合体粒子がこぼれないように反転させ、容器の開放部が底面となるよう水平面に設置する。
3)5秒間静置した後、ポリプロピレン製容器を上方向に持ち上げる。
4)ポリプロピレン製容器による支えを失った重合体粒子が、崩れ始め、崩壊が停止するまで放置し、容器持ち上げ開始から崩壊停止までの時間を流動連続時間とする。
[9]下記測定法によって求められる圧縮回復率が、40%以上である[1]〜[8]のいずれかに記載の重合体粒子。
[圧縮回復率測定法]
1)内径4.2cmの円筒状ポリプロピレン製容器に、重合体粒子20gを入れ、厚さ2mm、直径4.2cmのポリテトラフルオロエチレンシートを被せる。
2)ポリテトラフルオロエチレンシートの上に直径2.5cmの円筒状のスペーサーを置き、20Nの試験力で圧縮し、その時点におけるポリテトラフルオロエチレンシートの容器底面からの距離を試験開始距離Aとする。
3)次に、200Nの試験力で圧縮し、5秒間保持した時点におけるポリテトラフルオロエチレンシートの容器底面からの距離を圧縮距離Bとする。
4)さらに、試験力を0Nに戻した状態におけるポリテトラフルオロエチレンシートの容器底面からの距離を試験終了距離Cとする。
5)下記式によって求められる値を圧縮回復率とする。
圧縮回復率(%)=(試験終了距離C−圧縮距離B)/(試験開始距離A−圧縮距離B)×100
[10]体積平均粒子径が、0.1μm以上、10mm以下である[1]〜[9]のいずれかに記載の重合体粒子。
[11]粒子径の変動係数が、70%以下である[1]〜[10]のいずれかに記載の重合体粒子。
本発明の重合体粒子は、鎖状の親水性基の末端に環状の嵩高い基が結合した構造を一定以上の割合で含むものであるため、重合体粒子間に引力と斥力の両方が作用することになる。その結果、衝撃に対する抗力を示しつつ、衝撃により生じた応力を逃がすことが可能となり、衝撃吸収性が良好になる。
(重合体粒子)
本発明の重合体粒子は、式(1)で表される構造単位(以下、「構造単位(1)」という場合がある。)を70質量%以上の割合で有する。
Figure 2017206642
[式(1)中、R1は、水素原子、又はメチル基を表し、R2は、置換基を有していてもよい炭素数1〜4のアルキレン基を表し、R3は、炭素数3〜20の環状炭化水素基を表し、該環状炭化水素基に含まれる−CH2−は、−O−に置き換わっていてもよい。nは、1以上の整数を表す。]
1としては、水素原子が好ましい。
2のアルキレン基としては、1種又は2種以上の組合せであってもよく、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基が挙げられる。R2が有していてもよい置換基としては、ヒドロキシ基等が挙げられる。
2としては、エチレン基、プロピレン基等の炭素数2〜3のアルキレン基;ヒドロキシプロピレン基等の炭素数2〜3のヒドロキシアルキレン基;が好ましく、エチレン基、プロピレン基がより好ましい。
3の環状炭化水素基としては、フェニル基、トリル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、ペンチルフェニル基、ヘキシルフェニル基、ヘプチルフェニル基、オクチルフェニル基、ノニルフェニル基、デシルフェニル基、キシリル基、ナフチル基、メチルナフチル基、ビフェニル基、(2−フェニルプロパン−2−イル)フェニル基等の炭素数6〜20の芳香族炭化水素基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、メチルノルボルニル基、トリメチルノルボルニル基、デカヒドロナフチル基、アダマンチル基、トリシクロデセニル基等の炭素数3〜20の脂環式炭化水素基;が挙げられ、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等の炭素数6〜12の芳香族炭化水素基が好ましく、フェニル基、トリル基等の炭素数6〜8の芳香族炭化水素基がより好ましい。
3の環状炭化水素基に含まれる−CH2−が−O−に置き換わった基としては、テトラヒドロフリル基等が挙げられる。
3の環状炭化水素基の炭素数は5以上であることが好ましく、より好ましくは6以上であり、12以下であることが好ましく、より好ましくは8以下である。
nは、1以上であることが好ましく、より好ましくは2以上であり、50以下であることが好ましく、より好ましくは30以下、さらに好ましくは20以下、よりいっそう好ましくは10以下、特に好ましくは7以下である。
上記構造単位(1)の割合は、衝撃吸収性を発揮させる観点から、重合体粒子中、70質量%以上であることが好ましく、より好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは85質量%以上である。また、100質量%以下であってもよく、99質量%以下であることが好ましく、より好ましくは97質量%以下である。
本発明の重合体粒子は、式(1)で表される構造単位として、少なくともnが2以上(好ましくは2〜50、より好ましくは2〜30、さらに好ましくは2〜20、よりいっそう好ましくは2〜10、特に好ましくは2〜7)である構造単位(1A)を含むことが好ましい。適度な長さの親水鎖が含まれることで、重合体粒子の斥力と引力のバランスが良くなり、後述する特異な崩壊挙動がみられやすくなる。
構造単位(1A)の割合は、構造単位(1)の合計100質量%中、1質量%以上であることが好ましく、より好ましくは5質量%以上、さらに好ましくは10質量%以上、特に好ましくは15質量%以上であり、95質量%以下であることが好ましく、より好ましくは90質量%以下、さらに好ましくは85質量%以下である。
本発明の重合体粒子には、式(1)で表される構造単位として、少なくともnが3以上(好ましくは3〜50、より好ましくは3〜30、さらに好ましくは3〜20、よりいっそう好ましくは3〜10、特に好ましくは3〜7)である構造単位(1B)が含まれることが好ましい。親水鎖が長くなると、該親水鎖の末端に結合した嵩高い環状の基が重合体粒子の表面に出やすくなるためか、重合体粒子同士のブロッキングが抑制され、1個1個に独立した粒子が得られやすくなる。
構造単位(1B)の割合は、構造単位(1)の合計100質量%中、1質量%以上であることが好ましく、より好ましくは3質量%以上、さらに好ましくは10質量%以上、特に好ましくは15質量%以上であり、80質量%以下であることが好ましく、より好ましくは75質量%以下、さらに好ましくは70質量%以下である。
また、構造単位(1B)と、nが2以下である構造単位(1C)との比率(構造単位(1B)/構造単位(1C))は、質量基準で、1/10以上であることが好ましく、より好ましくは3/10以上、さらに好ましくは4/10以上であり、9/10以下であることが好ましく、より好ましくは8/10以下、さらに好ましくは7/10以下である。
上記構造単位(1)を形成する単量体(以下、「特定単量体(1)」という場合がある)としては、下記式で表される単量体が挙げられる。
Figure 2017206642
Figure 2017206642
Figure 2017206642
Figure 2017206642
中でも、式(1−1)〜(1−20)で表される単量体が好ましく、式(1−1)〜(1−10)で表される単量体がより好ましい。
本発明の重合体粒子は、架橋性単量体に由来する構造単位(以下、「架橋構造単位(2)」という場合がある)を有してもよく、有しなくともよく、有することが好ましい。架橋構造単位(2)が含まれることで、重合体粒子が適度な硬度を有することとなり、ブロッキングが抑制されやすくなる。
前記架橋性単量体は、重合性基を2個以上有する単量体であり、1分子中に含まれる重合性基の個数は、2〜6であることが好ましく、より好ましくは2〜3、さらに好ましくは2である。重合性基としては、エテニル基、1−プロペン−2−イル基、(メタ)アクリロイル基等の二重結合含有基;ケイ素原子に結合している加水分解性基(以下、「ケイ素結合性加水分解性基」という場合がある);等が挙げられる。
なお、前記加水分解性基は、加水分解によりケイ素原子に結合するヒドロキシ基(シラノール基)を与えるものであればよく、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜4のアルコキシ基が好ましい。
前記架橋性単量体としては、重合性基が2価以上の炭化水素基(ただし、該炭化水素基に含まれる−CH2−は、−O−に置き換わっていてもよい)を介して結合している架橋性単量体(2A)、及び複数の重合性基が1つのケイ素原子に結合している架橋性シラン単量体(2B)が挙げられる。
前記架橋性単量体(2A)において、重合性基をつなぐ炭化水素基の炭素数は、1〜20であることが好ましく、5〜12であることがより好ましい。
前記炭化水素基としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン等の炭素数5〜12の飽和炭化水素から導かれる基;ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、ナフタレン等の炭素数6〜10の芳香族炭化水素から導かれる基;等が挙げられる。また、前記炭化水素基は、鎖状(直鎖状又は分岐鎖状)であってもよく、環状であってもよく、鎖状(直鎖状又は分岐鎖状)であることが好ましく、直鎖状であることがより好ましい。
炭化水素基に含まれる−CH2−が−O−に置き換わった基としては、エチレングリコール鎖、プロピレングリコール鎖等のアルキレングリコール鎖を含む直鎖状又は分岐鎖状の基(好ましくは直鎖状の基)が挙げられ、下記式で表される基が好ましい。式中、*は結合手を表す。
Figure 2017206642
中でも、前記炭化水素基としては、架橋点間にアルキレン単位を含むものであることが好ましく、炭素数5〜12の飽和炭化水素基から導かれる直鎖状又は分岐鎖状の基が好ましく、炭素数5〜12の飽和炭化水素基から導かれる直鎖状の基(アルカンジイル基)がより好ましく、炭素数5〜10のアルカンジイル基が特に好ましい。
さらに、重合性基が(メタ)アクリロイル基である場合、前記炭化水素基の結合手をヒドロキシ基とした化合物と(メタ)アクリロイル基とがエステル結合を形成して結合していてもよい。
前記架橋性単量体(2A)において、架橋点間距離(重合性基間の距離)は、原子の数で4以上であることが好ましく、より好ましくは5以上であり、例えば、20以下であることが好ましく、より好ましくは12以下、さらに好ましくは10以下、特に好ましくは8以下である。なお架橋点間距離(重合性基間の距離)とは、重合性基間を結ぶ最短分子鎖に含まれる原子の数を意味するものとする。
前記架橋性単量体(2A)としては、二重結合含有基が2価以上の炭化水素基(好ましくはアルキレン単位。ただし、炭化水素基乃至アルキレン単位に含まれる−CH2−は、−O−に置き換わっていても置き換わっていなくともよく、置き換わっていないことが好ましい。)を介して結合している単量体(2A−1)、二重結合含有基とケイ素結合性加水分解性基とが2価以上の炭化水素基(好ましくはアルキレン単位。ただし、炭化水素基乃至アルキレン単位に含まれる−CH2−は、−O−に置き換わっていても置き換わっていなくともよく、置き換わっていないことが好ましい。)を介して結合している単量体(2A−2)が挙げられる。
二重結合含有基が2価以上の炭化水素基を介して結合している単量体(2A−1)としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレンジ(メタ)アクリレート等のアルカンジオールジ(メタ)アクリレート;
ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、デカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタデカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタコンタヘクタエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート等のポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート; トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等のトリ(メタ)アクリレート;
ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等のテトラ(メタ)アクリレート;
ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等のヘキサ(メタ)アクリレート; アリル(メタ)アクリレート;ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、及びそれらの誘導体等のジビニル芳香族炭化水素モノマー;N,N−ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニルスルホン酸等のジビニル芳香族複素モノマー;等が挙げられる。
また、二重結合含有基とケイ素結合性加水分解性基とが2価以上の炭化水素基を介して結合している単量体(2A−2)としては、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシエトキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン等の(メタ)アクリロイル基を有するジ又はトリアルコキシシラン;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン等のビニル基(エテニル基)を有するジ又はトリアルコキシシラン;等が挙げられる。
前記架橋性単量体(2B)には、重合性基の他に、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基等が含まれていてもよく、該アルキル基に含まれる水素原子は、グリシドキシ基、3,4−エポキシシクロヘキシル基、アミノ基等に置換されていてもよい。
架橋性単量体(2B)としては、ジメチルジビニルシラン、メチルトリビニルシラン、テトラビニルシラン等の2つ以上の二重結合含有基を有するシラン単量体;3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシ基を有するジ又はトリアルコキシシラン;3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノ基を有するジ又はトリアルコキシシラン;テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン等の4つのケイ素結合性加水分解性基を有するシラン単量体;メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン等の3つのケイ素結合性加水分解性基を有するシラン単量体;ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン等のジアルキルシラン等の2つのケイ素結合性加水分解性基を有するシラン単量体;等が挙げられる。
架橋性単量体としては、重合体粒子を適度に柔軟にする観点から、架橋性単量体(2A)が好ましく、重合性基が2価以上の炭化水素基(好ましくはアルキレン単位。ただし、炭化水素基乃至アルキレン単位に含まれる−CH2−は、−O−に置き換わっていても置き換わっていなくともよく、置き換わっていないことが好ましい。)を介して結合している架橋性単量体がより好ましく、二重結合含有基が2価以上の炭化水素基(好ましくはアルキレン単位。ただし、炭化水素基乃至アルキレン単位に含まれる−CH2−は、−O−に置き換わっていても置き換わっていなくともよく、置き換わっていないことが好ましい。)を介して結合している単量体(2A−1)がさらに好ましく、アルカンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートがさらに好ましく、アルカンジオールジ(メタ)アクリレートが特に好ましい。
本発明の重合体粒子において、重合性基がアルキレン単位(ただし、アルキレン単位に含まれる−CH2−は、−O−に置き換わっていても置き換わっていなくともよく、置き換わっていないことが好ましい。)を介して結合している架橋性単量体に由来する構造単位は、重合体粒子100質量%中、25質量%以下であることが好ましく、より好ましくは15質量%以下、さらに好ましくは8質量%以下であり、0.1質量%以上であることが好ましく、より好ましくは1質量%以上、さらに好ましくは3質量%以上である。
本発明の重合体粒子では、架橋構造単位(2)の割合が30質量%以下であることが好ましく、より好ましくは25質量%以下、さらに好ましくは20質量%以下であり、1質量%以上であることが好ましく、より好ましくは3質量%以上である。架橋構造単位(2)の割合が前記範囲にあると、重合体粒子の硬度を適度な範囲に保つことができる。
さらに本発明の重合体粒子において、前記構造単位(1)と架橋構造単位(2)の合計の割合は、90質量%以上であることが好ましく、より好ましくは95質量%以上、さらに好ましくは99質量%以上であり、100質量%以下である。
また、本発明の重合体粒子は、上記単量体(1)及び架橋性単量体(2)以外の単量体から形成される構造単位を含んでいてもよい。このような他の単量体としては、重合性基を1個有する単量体(3)が挙げられる。
前記重合性基を1個有する単量体(3)としては、二重結合含有基を1個有する単量体(3A)、ケイ素結合性加水分解性基を1個有する単量体(3B)が挙げられる。
二重結合含有基を1個有する単量体(3A)には、(メタ)アクリレート系単官能単量体やスチレン系単官能単量体が含まれる。(メタ)アクリレート系単官能単量体としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート類;シクロプロピル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロオクチル(メタ)アクリレート、シクロウンデシル(メタ)アクリレート、シクロドデシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、4−t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート等のシクロアルキル(メタ)アクリレート類;フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、トリル(メタ)アクリレート、フェネチル(メタ)アクリレート等の芳香環含有(メタ)アクリレート類;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート類、p−ヒドロキシスチレン等のヒドロキシ基含有スチレン類等のヒドロキシ基を有する単量体;2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、2−ブトキシエチル(メタ)アクリレート等のアルコキシ基含有(メタ)アクリレート類、p−メトキシスチレン等のアルコキシスチレン類等のアルコキシ基を有する単量体;が挙げられ、メチル(メタ)アクリレートなどのアルキル(メタ)アクリレートが好ましい。
スチレン系単官能単量体としては、スチレン;o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−t−ブチルスチレン等のアルキルスチレン類;o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレン等のハロゲン基含有スチレン類等が挙げられる。
また、前記ケイ素結合性加水分解性基を1個有する単量体(3B)としては、例えば、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン等のトリアルキルシラン等の1官能性シラン単量体等が挙げられる。
本発明の重合体粒子において、上記重合性基を1個有する単量体(3)から形成される構造単位の割合は、30質量%以下であることが好ましく、より好ましくは20質量%以下、さらに好ましくは10質量%以下、よりいっそう好ましくは5質量%以下、特に好ましくは1質量%以下である。
本発明の重合体粒子では、その最表面に着目すれば互いに接触を保とうとするものの、個々の重合体粒子は他の重合体粒子との間の空隙を徐々に拡張するように独立して動き、集合体全体としては極めてゆっくり崩壊が進むこととなる。
すなわち本発明の重合体粒子は、下記測定法によって決定される流動連続時間が5秒以上となるものであることが好ましい。
[流動連続時間測定法]
1)内径5.5cm、高さ7.0cmの円筒状ポリプロピレン製容器に、重合体粒子50gを入れ、容器開放部をステンレス鋼製のバットで蓋をする。
2)前記容器及びバットを、重合体粒子がこぼれないように反転させ、容器の開放部が底面となるよう水平面に設置する。
3)5秒間静置した後、ポリプロピレン製容器を上方向に持ち上げる。
4)ポリプロピレン製容器による支えを失った重合体粒子が、崩れ始め、崩壊が停止するまで放置し、容器持ち上げ開始から崩壊停止までの時間を流動連続時間とする。
前記流動連続時間は、換言すれば、重合体粒子の集合体が崩壊し終わって、それぞれの重合体粒子が物理的に安定な位置に達して静止するまでの崩壊所要時間を意味する。前記流動連続時間は、好ましくは15秒以上、より好ましくは30秒以上、さらに好ましくは50秒以上であり、例えば、200秒以下であることが好ましい。
また、本発明の重合体粒子は、互いに微弱な自己反発性を有しており、重合体粒子の集合体に圧縮等の応力をかけた後にこれを除くと、互いの反発により集合体全体の膨張も継続して、体積が回復する(すなわち、圧縮前の体積を維持できる)。これは、重合体粒子の最表面では互いに親和性があるものの、その内部で互いに微弱な反発力を有することによるものと考えられる。
このため本発明の重合体粒子は、下記測定法によって決定される圧縮回復率は、好ましくは40%以上、より好ましくは50%以上であり、上限は限定されないが、例えば200%以下、さらには180%以下であることも許容される。なお、下記圧縮回復率測定法では、試験開始時点において、20Nの試験力で圧縮されているため、試験力を0Nに戻した試験終了時点では、試験開始時点よりも粒子集合体の体積が大きくなり、圧縮回復率が100%を超えることもある。
[圧縮回復率測定法]
1)内径4.2cmの円筒状ポリプロピレン製容器に、重合体粒子20gを入れ、厚さ2mm、直径4.2cmのポリテトラフルオロエチレンシートを被せる。
2)ポリテトラフルオロエチレンシートの上に直径2.5cmの円筒状のスペーサーを置き、20Nの試験力で圧縮し、その時点におけるポリテトラフルオロエチレンシートの容器底面からの距離を試験開始距離Aとする。
3)次に、200Nの試験力で圧縮し、5秒間保持した時点におけるポリテトラフルオロエチレンシートの容器底面からの距離を圧縮距離Bとする。
4)さらに、試験力を0Nに戻した状態におけるポリテトラフルオロエチレンシートの容器底面からの距離を試験終了距離Cとする。
5)下記式によって求められる値を圧縮回復率とする。
圧縮回復率(%)=(試験終了距離C−圧縮距離B)/(試験開始距離A−圧縮距離B)×100
前記重合体粒子の自己反発性、自己凝集性は、温度に関わらず観察され、かつその温度依存性も小さい。さらに本発明の重合体粒子は、ガラス面や樹脂面、手指等に付着しにくく、取り扱い性が良好である。
重合体粒子の体積平均粒子径は、0.1μm以上であることが好ましく、より好ましくは1μm以上であり、10mm以下であることが好ましく、より好ましくは5mm以下、さらに好ましくは2mm以下である。重合体粒子の体積平均粒子径が大きくなるほど、重合体粒子の比表面積が小さくなり、重合体粒子同士の自己反発性が強調されるためか、圧縮回復性が良好になる傾向がある。
重合体粒子の変動係数は、コールター原理を使用した精密粒度分布測定装置により測定することができる。
また、重合体粒子の粒子径の変動係数は、70%以下であることが好ましく、より好ましくは60%以下、さらに好ましくは50%以下であり、例えば1%以上であることが好ましい。
前記変動係数は、重合体粒子の体積平均粒子径と、粒子径の標準偏差とから、下記式に基づいて求めることができる。
変動係数(%)=100×(粒子径の標準偏差/体積平均粒子径)
本発明の重合体粒子は、上記特定の構造単位(1)を含むことにより、衝撃吸収性を発揮できるものであり、さらに表面処理を施してもよいが、表面処理をしない方が好ましい。
(製造方法)
前記重合体粒子の製造方法としては、乳化重合法、懸濁重合法、分散重合法、シード重合法、ゾルゲルシード重合法等が採用できる。製造容易性の観点からは、乳化重合法、懸濁重合法、分散重合法が好ましく、得られる重合体粒子の粒度分布を小さくすることができる観点からは、シード重合法、ゾルゲルシード重合法が好ましい。
また一般にシード重合法とは、シード粒子に単量体を吸収させて重合する方法であり、本明細書では、シード粒子がビニル重合体等の有機材料からなる場合をシード重合法、シード粒子がポリシロキサンを含む場合をゾルゲルシード重合法と称する。ゾルゲルシード重合法では、加水分解性シリル基を有するシラン単量体の加水分解・重縮合反応(ゾル−ゲル反応)を行ってポリシロキサンを含むシード粒子を調製した後、このシード粒子に単量体を吸収させ重合することにより、重合体粒子を製造できる。
上記いずれの方法においても、当該分野で通常使用されている重合開始剤、加水分解触媒、及び溶剤を使用可能である。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。なお、以下においては、特に断りのない限り、「部」は「質量部」を、「%」は「質量%」を意味する。
本発明の実施例における測定法は下記の通りである。
重合体粒子の体積平均粒子径・変動係数(CV値)の測定
重合体粒子0.1部に、乳化剤であるポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩(第一工業製薬株式会社製「ハイテノール(登録商標)N−08」)の1%水溶液20部を加え、超音波で10分間分散させた分散液を測定試料として、粒度分布測定装置(ベックマンコールター社製「コールターマルチサイザーIII型」)により30000個の粒子の粒子径(μm)を測定し、体積平均粒子径を求めた。さらに、下記式に基づいて粒子径の変動係数(CV値)を算出した。
粒子径の変動係数(%)=100×(粒子径の標準偏差/体積平均粒子径)
流動連続時間測定
1)内径5.5cm、高さ7.0cmの円筒状ポリプロピレン製容器に、重合体粒子50gを入れ、容器開放部をステンレス鋼製のバットで蓋をした。
2)前記容器及びバットを、重合体粒子がこぼれないように反転させ、容器の開放部が底面となるよう水平面に設置した。
3)5秒間静置した後、ポリプロピレン製容器を上方向に持ち上げた。
4)ポリプロピレン製容器による支えを失った重合体粒子が、崩れ始め、崩壊が停止するまで放置し、容器持ち上げ開始から崩壊停止までの時間を流動連続時間とした。
衝撃吸収試験
松浪硝子工業(株)社製スライドガラス S1111の上に直径2.5cmの円となるよう1.0gの粒子を置いた。直径2.4cm、重さ66.7gの鉄球を60cmの高さから粒子の上へ落下させた。スライドガラスが破損しなかった場合を「○」、破損した場合を「×」と評価した。
圧縮回復試験
1)内径4.2cmの円筒状ポリプロピレン製容器に、重合体粒子20gを入れ、厚さ2mm、直径4.2cmのポリテトラフルオロエチレンシートを被せた。
2)ポリテトラフルオロエチレンシートの上に直径2.5cmの円筒状のスペーサーを置き、20Nの試験力で圧縮し、その時点におけるテフロンシートの容器底面からの距離を試験開始距離Aとした。
3)次に、200Nの試験力で圧縮し、5秒間保持した時点におけるポリテトラフルオロエチレンシートの容器底面からの距離を圧縮距離Bとした。
4)さらに、試験力を0Nに戻した状態におけるポリテトラフルオロエチレンシートの容器底面からの距離を試験終了距離Cとした。
5)下記式によって求められる値を圧縮回復率とした。
圧縮回復率(%)=(試験終了距離C−圧縮距離B)/(試験開始距離A−圧縮距離B)×100
なお実施例の重合体粒子は、いずれも試験力を0Nに戻すとすぐに体積を回復した。
以下、「試験終了距離C−圧縮距離B」を回復変位量、「試験開始距離A−圧縮距離B」を圧縮変位量という場合がある。
以下、各化合物名を下記表1に示す略称で表記する場合がある。
Figure 2017206642
なおP−200A(共栄社化学株式会社製「ライトアクリレートP−200A」)には、下記式で表される単量体が、それぞれ(1−1):(1−2):(1−3):(1−4):(1−5)=20.0:45.6:23.8:8.1:2.5の割合で含まれており、P−200Aから形成される重合体において、構造単位(1A)の割合は、構造単位(1)の合計100質量%中、80%であり、構造単位(1B)の割合は、構造単位(1)の合計100質量%中、34.4質量%である。また、構造単位(1B)と構造単位(1C)との比率(構造単位(1B)/構造単位(1C))は、0.52である。
Figure 2017206642
P2H−A(共栄社化学株式会社製「ライトアクリレートP2H−A」)には、下記式(1−2)で表される単量体が、98%以上含まれている。
Figure 2017206642
またPO−A(共栄社化学株式会社製「ライトアクリレートPO−A」)には、下記式(1−1)で表される単量体が、96%以上含まれている。
Figure 2017206642
(実施例1)
冷却管、温度計、滴下口を備えた四つ口フラスコに、乳化剤としてポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩(第一工業製薬社製、「ハイテノール(登録商標)NF−08」)の20%水溶液10部をイオン交換水600部で溶解した溶液に、P−200A95部、16HX5部と、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬工業社製、「V−65」)2部を溶解した溶液を加え、懸濁させて単量体成分の懸濁液を調製した。得られた懸濁液を窒素雰囲気下、65℃まで昇温させて2時間保持し、単量体成分のラジカル重合を行った。ラジカル重合後の懸濁液を固液分離し、得られたケーキをイオン交換水、メタノールで洗浄した後、120℃で2時間真空乾燥させて重合体粒子1を得た。
(実施例2〜10、12、比較例4〜9)
単量体の種類と使用量、分散剤の種類と樹脂粒子の乾燥温度を表2に示す通りに変更し、適宜撹拌回転数を調整したこと以外は実施例1と同様にして、重合体粒子2〜10、12、16〜21を得た。
(実施例11)
冷却管、温度計、滴下口を備えた四つ口フラスコに、イオン交換水160部と、25%アンモニア水2.4部、メタノール80部を入れ、攪拌下、滴下口からMPTMS(信越化学工業社製、「KBM503」)10部を添加して、MPTMSの加水分解、縮合反応を行って、メタクリロイル基を有するシード粒子としてのポリシロキサン粒子(重合性ポリシロキサン粒子)の乳濁液を調製した。
次いで、乳化剤としてポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩(第一工業製薬社製、「ハイテノール(登録商標)NF−08」)の20%水溶液2.5部をイオン交換水100部で溶解した溶液に、P−200Aを100部と、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬工業社製、「V−65」)1.1部を溶解した溶液を加え、乳化分散させて単量体成分の乳化液を調製した。
反応開始から2時間撹拌した後、ポリシロキサン粒子の乳濁液に単量体成分の乳化液を投入した。1時間撹拌した後、ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩(第一工業製薬社製、「ハイテノール(登録商標)NF−08」)の20%水溶液5.5部とイオン交換水500部を加え、窒素雰囲気下で反応液を65℃まで昇温させて2時間保持し、単量体成分のラジカル重合を行った。ラジカル重合後の乳濁液を固液分離し、得られたケーキをイオン交換水、メタノールで洗浄した後、120℃で2時間真空乾燥させて重合体粒子11を得た。
(比較例1〜3)
イオン交換水、メタノール、アンモニア水の量を適宜変更しポリシロキサン粒子(シード粒子)を作製し、単量体の種類と使用量を表2に示す通りに変更したこと以外は実施例11と同様にして、重合体粒子13〜15を得た。
(比較例10)
大日精化社製「ダイミックスビーズUCN−5150D」を、比較例10の重合体粒子22として用いた。
重合体粒子1〜22の体積平均粒子径、変動係数(CV値)、乾燥粒子の性状、流動連続時間、耐衝撃性試験の結果、圧縮試験に際する圧縮変位量、回復変位量、及び圧縮回復率は表2に示す通りであった。
表2中、乾燥粒子の性状が「凝集粉体」であるとは、個々の重合体粒子が独立して存在しつつ、互いに弱く凝集して存在していることを意味し、「ブロック片」であるとは、重合体粒子集合体中に、重合体粒子のブロッキングによる塊状体が存在していることを意味し、「粉体」であるとは、個々の重合体粒子が独立して存在していることを意味する。なお乾燥粒子の性状が「ブロック片」である場合も、メチルエチルケトン等の溶剤に分散することで、個々の重合体粒子に分離することが可能であることを確認した。
Figure 2017206642
実施例1〜12の重合体粒子は、衝撃吸収試験の結果が良好であり、衝撃吸収性を有することが明らかになった。実施例1〜5、7〜12の重合体粒子は、流動連続時間がいずれも5秒以上であり、新たな崩壊挙動を示すものであった。また、実施例1、5〜12の重合体粒子は、圧縮回復率がいずれも50%以上であり、粒子集合体の体積維持性に優れていることも明らかになった。さらに、実施例1〜4、8〜11の重合体粒子の乾燥時の性状は凝集粉体であり、重合体粒子の独立性に優れ、衝撃吸収性や新たな崩壊挙動、粒子集合体の体積維持性が効果的に発揮されるものであることも明らかになった。
本発明の重合体粒子は、良好な衝撃吸収性を示すものであり、樹脂用添加剤(アンチブロッキング剤、光拡散剤、粘弾性調整剤等)、艶消し剤、トナー用添加剤、粉体塗料、水分散型塗料、化粧板用添加剤、人工大理石用添加剤、化粧品用充填剤、クロマトグラフィーのカラム充填剤に加えて、衝撃吸収材、緩衝材としても極めて有用である。

Claims (11)

  1. 下記式(1)で表される構造単位を70質量%以上の割合で有する重合体粒子。
    Figure 2017206642
    [式(1)中、R1は、水素原子、又はメチル基を表し、R2は、置換基を有していてもよい炭素数1〜4のアルキレン基を表し、R3は、炭素数3〜20の環状炭化水素基を表し、該環状炭化水素基に含まれる−CH2−は、−O−に置き換わっていてもよい。nは、1以上の整数を表す。]
  2. 式(1)で表される構造単位として、少なくともnが2以上である構造単位を含む請求項1に記載の重合体粒子。
  3. 式(1)で表される構造単位として、少なくともnが3以上である構造単位を含む請求項1又は2に記載の重合体粒子。
  4. 架橋性単量体に由来する構造単位を有する請求項1〜3のいずれかに記載の重合体粒子。
  5. 前記架橋性単量体に由来する構造単位での架橋点間距離が、原子の数で10以下である請求項1〜4のいずれかに記載の重合体粒子。
  6. 架橋性単量体に由来する構造単位を有さない請求項1〜3のいずれかに記載の重合体粒子。
  7. 重合性基がアルキレン単位を介して結合している架橋性単量体に由来する構造単位を、重合体粒子100質量%中、8質量%以下の割合で有する請求項1〜5のいずれかに記載の重合体粒子。
  8. 下記測定法によって決定される流動連続時間が5秒以上である請求項1〜7のいずれかに記載の重合体粒子。
    [流動連続時間測定法]
    1)内径5.5cm、高さ7.0cmの円筒状ポリプロピレン製容器に、重合体粒子50gを入れ、容器開放部をステンレス鋼製のバットで蓋をする。
    2)前記容器及びバットを、重合体粒子がこぼれないように反転させ、容器の開放部が底面となるよう水平面に設置する。
    3)5秒間静置した後、ポリプロピレン製容器を上方向に持ち上げる。
    4)ポリプロピレン製容器による支えを失った重合体粒子が、崩れ始め、崩壊が停止するまで放置し、容器持ち上げ開始から崩壊停止までの時間を流動連続時間とする。
  9. 下記測定法によって求められる圧縮回復率が、40%以上である請求項1〜8のいずれかに記載の重合体粒子。
    [圧縮回復率測定法]
    1)内径4.2cmの円筒状ポリプロピレン製容器に、重合体粒子20gを入れ、厚さ2mm、直径4.2cmのポリテトラフルオロエチレンシートを被せる。
    2)ポリテトラフルオロエチレンシートの上に直径2.5cmの円筒状のスペーサーを置き、20Nの試験力で圧縮し、その時点におけるポリテトラフルオロエチレンシートの容器底面からの距離を試験開始距離Aとする。
    3)次に、200Nの試験力で圧縮し、5秒間保持した時点におけるポリテトラフルオロエチレンシートの容器底面からの距離を圧縮距離Bとする。
    4)さらに、試験力を0Nに戻した状態におけるポリテトラフルオロエチレンシートの容器底面からの距離を試験終了距離Cとする。
    5)下記式によって求められる値を圧縮回復率とする。
    圧縮回復率(%)=(試験終了距離C−圧縮距離B)/(試験開始距離A−圧縮距離B)×100
  10. 体積平均粒子径が、0.1μm以上、10mm以下である請求項1〜9のいずれかに記載の重合体粒子。
  11. 粒子径の変動係数が、70%以下である請求項1〜10のいずれかに記載の重合体粒子。
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