JP2017206494A - ハロゲン化体および混合物 - Google Patents
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Abstract
Description
しかしながら、従来の位相差板には、位相差板を通過して出力される偏光が有色の偏光に変換されてしまうという問題があった。これは、位相差板を構成する材料が位相差について波長分散性を有し、可視光域の光線が混在する合成波である白色光に対しては各波長ごとの偏光状態に分布が生じることから、入力光を全ての波長領域において正確な1/4λあるいは1/2λの位相差の偏光に調整することが不可能であることに起因する。
このような問題を解決するため、広い波長域の光に対して均一な位相差を与え得る広帯域位相差板、いわゆる逆波長分散性を有する位相差板が種々検討されている。
薄層化の方法としては、低分子重合性化合物を含有する重合性組成物をフィルム基材に塗布して光学フィルムを形成することにより位相差板を作製する方法が、近年では最も有効な方法とされている。そのため、優れた逆波長分散性を有する光学フィルムを形成可能な重合性化合物またはそれを用いた重合性組成物の開発が多く行われている。
また、本発明は、当該重合性組成物の製造方法に有用なハロゲン化体、およびそのハロゲン化体を含む混合物を提供することを目的とする。
かくして本発明によれば、下記に示す重合性化合物の製造方法、ハロゲン化体および混合物が提供される。
D1は、芳香族炭化水素環および芳香族複素環からなる群より選ばれる少なくとも1つの芳香環を有する炭素数1〜20の有機基を表し、
Z11およびZ12は、それぞれ独立して、−CO−O−、−O−CO−、−NR11−CO−、または、−CO−NR12−を表し、R11およびR12はそれぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表し、
A11、A12、B11およびB12は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい環状脂肪族基、または、置換基を有していてもよい芳香族基を表し、
Y11、Y12、L11およびL12は、それぞれ独立して、単結合、−O−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−NR21−CO−、−CO−NR22−、−O−CO−O−、−NR23−CO−O−、−O−CO−NR24−、または、−NR25−CO−NR26−を表し、R21〜R26はそれぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表し、
R1およびR2は、それぞれ独立して、水素原子またはメチル基を表し、
aおよびdは、それぞれ独立して、1〜20の整数を表し、
bおよびcは、それぞれ独立して、0または1である。〕で示される重合性化合物の製造方法であって、
下記式(II):
Gは、有機基を表し、
R1およびaは、前記式(I)と同じ意味を表す。〕で示されるハロゲン化体を含む組成物を、有機溶媒中、塩基性化合物を含む水層の存在下で、脱ハロゲン化水素反応に供する工程を含む、製造方法。
X1は、前記式(II)と同じ意味を表し、
Ar1、D1、Z11、Z12、A11、A12、B11、B12、Y11、Y12、L11、L12、R1、a、b、cおよびdは、前記式(I)と同じ意味を表す。〕で示されるハロゲン化体である、前記〔1〕に記載の製造方法。
R1、Y11、B11およびaは、前記式(I)と同じ意味を表し、
X1は、前記式(II)と同じ意味を表す。〕で示されるハロゲン化体である、前記〔1〕に記載の製造方法。
R1、Y11、B11、L11、A11、aおよびbは、前記式(I)と同じ意味を表し、
X1は、前記式(II)と同じ意味を表す。〕で示されるハロゲン化体である、前記〔1〕に記載の製造方法。
前記bが1である、前記〔9〕または〔10〕に記載の製造方法。
Raは、水素原子または置換基を有していてもよい炭素数1〜20の有機基を表す。〕で表される2価の基である、前記〔1〕〜〔13〕の何れかに記載の製造方法。
で表される基である、前記〔14〕に記載の製造方法。
X1は、ハロゲン原子を表し、
R1は、水素原子またはメチル基を表し、
Y11は、単結合、−O−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−NR11−CO−、−CO−NR12−、−O−CO−O−、−NR13−CO−O−、−O−CO−NR14−、または、−NR15−CO−NR16−を表し、R11〜R16はそれぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表し、
B11は、置換基を有していてもよい環状脂肪族基、または、置換基を有していてもよい芳香族基を表し、
FG1は、水酸基、カルボキシル基またはアミノ基を表し、
aは、1〜20の整数を表す。〕で示されるハロゲン化体。
下記式(V):
で示される化合物と、
を含む混合物。
X1は、ハロゲン原子を表し、
R1は、水素原子またはメチル基を表し、
Y11およびL11は、それぞれ独立して、単結合、−O−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−NR11−CO−、−CO−NR12−、−O−CO−O−、−NR13−CO−O−、−O−CO−NR14−、または、−NR15−CO−NR16−を表し、R11〜R16はそれぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表し、
A11およびB11は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい環状脂肪族基、または、置換基を有していてもよい芳香族基を表し、
FG2は、水酸基、カルボキシル基またはアミノ基を表し、
aは、1〜20の整数を表し、
bは、0または1である。〕で示されるハロゲン化体。
前記bが1である、前記〔21〕または〔22〕に記載のハロゲン化体。
下記式(VII):
を含む混合物。
また、本発明によれば、当該重合性組成物の製造方法に有用なハロゲン化体、およびそのハロゲン化体を含む混合物を提供することができる。
そして、本発明の重合性化合物の製造方法によれば、ハロゲン化体(II)を脱ハロゲン化水素反応させて、最終的に得られる生成物中に占めるハロゲン化体の割合を低下させて、重合性化合物(I)の収率を高めることができる。
従って、本発明の製造方法によれば、純度の高い重合性化合物(I)を、工業的に有利に製造することができる。
ここで、本発明の製造方法の目的生成物である重合性化合物(I)は、光学フィルムの作製に用いられる化合物である。そして、重合性化合物(I)を用いれば、逆波長分散性等の諸特性に優れる光学フィルムを作製することができる。重合性化合物(I)は、以下の式(I)で示される化合物である。
これらの中でも、2価の芳香族炭化水素環基としては、1,4−フェニレン基、1,4−ナフチレン基または2,6−ナフチレン基が好ましい。
これらの中でも、2価の芳香族複素環基としては、ベンゾチアゾール−4,7−ジイル基、ベンゾオキサゾール−4,7−ジイル基、1−ベンゾフラン−4,7−ジイル基、2−ベンゾフラン−4,7−ジイル基、ベンゾ[1,2−d:4,5−d’]ジチアゾリル−4,8−ジイル基、ベンゾ[1,2−d:5,4−d’]ジチアゾリル−4,8−ジイル基、ベンゾチオフェニル−4,7−ジイル基、1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン−4,7−ジイル基、ベンゾ[1,2−b:5,4−b’]ジチオフェニル−4,8−ジイル基、ベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジチオフェニル−4,8−ジイル基、ベンゾ[1,2−b:5,4−b’]ジフラニル−4,8−ジイル基またはベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジフラニル−4,8−ジイル基が好ましい。
また、前記Ar1およびD1の中に含まれるπ電子の合計数は、通常12以上であり、好ましくは12以上22以下であり、より好ましくは12以上20以下である。
これらの中でも、芳香族炭化水素環としては、ベンゼン環、ナフタレン環が好ましい。
これらの中でも、芳香族複素環としては、ベンゾチアゾール環、ベンゾオキサゾール環、1−ベンゾフラン環、2−ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン環、チオフェン環、フラン環、ベンゾ[c]チオフェン環、オキサゾール環、チアゾール環、オキサジアゾール環、ピラン環、ベンゾイソオキサゾール環、チアジアゾール環、ベンゾオキサジアゾール環、ベンゾチアジアゾール環が好ましい。
なお、上記式中、Rfは、水素原子、または、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基等の炭素数1〜6のアルキル基を表す。
また、上記式中、Rgは、水素原子、または、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の有機基を表す。ここで、炭素数1〜20の有機基およびその置換基としては、後述するRaの炭素数1〜20の有機基およびその置換基の具体例として列記したものと同じものが挙げられる。
更に、上記式中、Rhは、芳香族炭化水素環および芳香族複素環からなる群より選ばれる少なくとも1つの芳香環を有する炭素数2〜20の有機基を表す。ここで、炭素数2〜20の有機基およびその置換基の具体例としては、後述するAxの炭素数2〜20の有機基およびその置換基の具体例として列記したものと同じものが挙げられる。
これらの中でも、芳香族炭化水素環基としては、フェニル基、ナフチル基が好ましい。
これらの中でも、芳香族複素環基としては、フラニル基、チエニル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、1−ベンゾフラニル基、2−ベンゾフラニル基、ベンゾチエニル基、チアゾロピリジル基が好ましい。
これらの中でも、芳香族炭化水素環としては、ベンゼン環、ナフタレン環が好ましい。
これらの中でも、芳香族複素環としては、フラン環、チオフェン環、オキサゾール環、チアゾール環等の単環の芳香族複素環;ベンゾチアゾール環、ベンゾオキサゾール環、キノリン環、1−ベンゾフラン環、2−ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、チアゾロピリジン環、チアゾロピラジン環等の縮合環の芳香族複素環が好ましい。
なお、Axは、上述した置換基から選ばれる複数の置換基を有していてもよい。Axが複数の置換基を有する場合、置換基は同一でも相異なっていてもよい。
置換基を有していてもよい炭素数2〜20のアルケニル基の炭素数は、2〜12であることが好ましい。
なお、Rbの炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基は、上述した置換基から選ばれる複数の置換基を有していてもよい。Rbの炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基が複数の置換基を有する場合、複数の置換基は互いに同一でも相異なっていてもよい。
Rbの炭素数3〜12のシクロアルキル基の置換基としては、フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子;シアノ基;ジメチルアミノ基等の置換アミノ基;メチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1〜6のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基;ニトロ基;フェニル基、ナフチル基等の炭素数6〜20の芳香族炭化水素基等が挙げられる。中でも、Rbの炭素数3〜12のシクロアルキル基の置換基としては、フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子;シアノ基;メチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1〜6のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基;ニトロ基;フェニル基、ナフチル基等の炭素数6〜20の芳香族炭化水素基が好ましい。
なお、Rbの炭素数3〜12のシクロアルキル基は、複数の置換基を有していてもよい。Rbの炭素数3〜12のシクロアルキル基が複数の置換基を有する場合、複数の置換基は互いに同一でも相異なっていてもよい。
置換基を有していてもよい炭素数5〜12の芳香族炭化水素環基の置換基としては、フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子;シアノ基;ジメチルアミノ基等の置換アミノ基;メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜20のアルコキシ基;メトキシメトキシ基、メトキシエトキシ基等の、炭素数1〜12のアルコキシ基で置換された炭素数1〜12のアルコキシ基;ニトロ基;フェニル基、ナフチル基等の炭素数6〜20の芳香族炭化水素環基;トリアゾリル基、ピロリル基、フラニル基、チオフェニル基等の、炭素数2〜20の芳香族複素環基;シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の炭素数3〜8のシクロアルキル基;シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等の炭素数3〜8のシクロアルキルオキシ基;テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロピラニル基、ジオキソラニル基、ジオキサニル基等の炭素数2〜12の環状エーテル基;フェノキシ基、ナフトキシ基等の炭素数6〜14のアリールオキシ基;トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、−CH2CF3等の、少なくとも1個の水素原子がフッ素原子で置換された炭素数1〜12のフルオロアキル基;ベンゾフリル基;ベンゾピラニル基;ベンゾジオキソリル基;ベンゾジオキサニル基等が挙げられる。中でも、炭素数5〜12の芳香族炭化水素環基の置換基としては、フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子;シアノ基;メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜20のアルコキシ基;ニトロ基;フェニル基、ナフチル基等の炭素数6〜20の芳香族炭化水素環基;フラニル基、チオフェニル基等の、炭素数2〜20の芳香族複素環基;シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の炭素数3〜8のシクロアルキル基;トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、−CH2CF3等の、少なくとも1個の水素原子がフッ素原子で置換された炭素数1〜12のフルオロアキル基から選ばれる少なくとも1つの置換基が好ましい。
なお、炭素数5〜12の芳香族炭化水素環基は、複数の置換基を有していてもよい。炭素数5〜12の芳香族炭化水素環基が複数の置換基を有する場合、置換基は同一でも相異なっていてもよい。
なお、Axの炭素数2〜20の有機基の「炭素数」は、置換基の炭素原子を含まない有機基全体の総炭素数を意味する。
これらの中でも、Axの有機基が有する置換基としては、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜6のアルキル基、および、炭素数1〜6のアルコキシ基から選ばれる少なくとも1つの置換基が好ましい。
ここで、RbおよびRdは前記と同じ意味を表す。これらの中でも、Axが有する上記環が有する置換基としては、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜6のアルキル基、および、炭素数1〜6のアルコキシ基が好ましい。
これらの中でも、上記環が有する置換基としてはハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜6のアルキル基、および、炭素数1〜6のアルコキシ基が好ましい。
そして、Riの、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基の炭素数1〜20のアルキル基およびその置換基、置換基を有していてもよい炭素数2〜20のアルケニル基の炭素数2〜20のアルケニル基およびその置換基、並びに、置換基を有していてもよい炭素数3〜12のシクロアルキル基の炭素数3〜12のシクロアルキル基およびその置換基としては、Rbの炭素数1〜20のアルキル基およびその置換基、炭素数2〜20のアルケニル基およびその置換基、並びに、炭素数3〜12のシクロアルキル基およびその置換基の具体例として列記したのと同じものが挙げられる。また、Riの、置換基を有していてもよい炭素数5〜20の芳香族炭化水素環基としては、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基等が挙げられ、置換基を有していてもよい炭素数5〜20の芳香族複素環基としては、ピリジニル基、キノリル基等が挙げられる。更に、これらの芳香族炭化水素環基および芳香族複素環基の置換基としては、Axの炭素数2〜20の有機基の置換基として例示したものと同じものが挙げられる。
置換基を有していてもよい炭素数2〜20のアルケニル基の炭素数は、2〜12であることが好ましい。
なお、Raの炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、および、炭素数2〜20のアルキニル基は、上述した置換基を複数有していてもよく、複数の置換基を有する場合は、複数の置換基は互いに同一でも相異なっていてもよい。
なお、Raの炭素数3〜12のシクロアルキル基は、上述した置換基を複数有していてもよく、複数の置換基を有する場合は、複数の置換基は互いに同一でも相異なっていてもよい。
A11およびA12の2価の環状脂肪族基の具体例としては、シクロペンタン−1,3−ジイル、シクロヘキサン−1,4−ジイル、1,4−シクロヘプタン−1,4−ジイル、シクロオクタン−1,5−ジイル等の炭素数5〜20のシクロアルカンジイル基;デカヒドロナフタレン−1,5−ジイル、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル等の炭素数5〜20のビシクロアルカンジイル基等が挙げられる。
A11およびA12の2価の芳香族基の具体例としては、1,4−フェニレン基、1,4−ナフチレン基、1,5−ナフチレン基、2,6−ナフチレン基、4,4’−ビフェニレン基等の、炭素数6〜20の2価の芳香族炭化水素環基;フラン−2,5−ジイル、チオフェン−2,5−ジイル、ピリジン−2,5−ジイル、ピラジン−2,5−ジイル等の、炭素数2〜20の2価の芳香族複素環基;等が挙げられる。
なお、前記R21〜R26の炭素数1〜6のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基等が挙げられる。
B11およびB12の2価の環状脂肪族基の具体例としては、前記式(I)のA11およびA12の2価の環状脂肪族基として例示したものと同じものが挙げられる。
B11およびB12の2価の芳香族基の具体例としては、前記式(I)のA11およびA12の2価の芳香族基として例示したものと同じものが挙げられる。
なお、R21〜R26の炭素数1〜6のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基等が挙げられる。
なお、「(*)を対称中心とした対称構造を有する」とは、例えば、−CO−O−(*)と(*)−O−CO−や、−O−(*)と(*)−O−や、−O−CO−(*)と(*)−CO−O−などの構造を有することを意味する。
本発明の製造方法においては、上述した重合性化合物(I)を合成する何れかの段階において、ハロゲン化体(II)を含む組成物を脱ハロゲン化水素反応に供して、ハロゲン化体(II)からハロゲン化水素を脱離させる。
なお、本発明において、「ハロゲン化体(II)を含む組成物」とは、ハロゲン化体(II)そのもの、又は、ハロゲン化体(II)とハロゲン化体(II)の脱ハロゲン化水素物を含む混合物を意味する。
また、R1およびaは、前記式(I)と同じ意味を表す。
または、下記式(III−2):
そして、ハロゲン化体(III)として、より具体的には、下記式(IIIa)、(IIIb)、および(IIIc)で示されるハロゲン化体(それぞれ、「ハロゲン化体(IIIa)」、「ハロゲン化体(IIIb)」および「ハロゲン化体(IIIc)」と称する)、並びに、これらの混合物が挙げられる。なお、該混合物中におけるハロゲン化体(IIIa)、ハロゲン化体(IIIb)、ハロゲン化体(IIIc)の存在割合は、特に限定されない。
ハロゲン化体(IIIa)〜(IIIc)は、上述したように、国際公開第2014/010325号に記載された手順により所望の重合性化合物を調製する際に、副生成物として生成することが、本発明者らの検討により明らかとなった。具体的には、以下の手順を経て重合性化合物を調製する際に、ハロゲン化体(IIIa)〜(IIIc)の少なくとも何れかが副生成物として得られる。
この副生したハロゲン化体(IIIa)〜(IIIc)を単離することなく、所望の重合性化合物と、ハロゲン化体(IIIa)〜(IIIc)とを含む混合物を、そのまま本発明の製造方法の原料として用いることができる。すなわち、この混合物の状態で、ハロゲン化体(IIIa)〜(IIIc)を脱ハロゲン化水素反応させれば、これらのハロゲン化体を重合性化合物に効率よく変換して、結果的に、重合性化合物を高い収率で得ることができる。
また、ハロゲン化体(IIIa)は、以下の手順により製造することができる。
なお、カルボン酸誘導体(7a)、ヒドラジン化合物(4)は、上述した国際公開第2014/010325号に記載のものを用いることができる。
スルホニルハライドの使用量は、カルボン酸化合物(5’)1molに対し、通常1〜3molである。
塩基の使用量は、カルボン酸化合物(5’)1molに対し、通常1〜3molである。
脱水縮合剤の使用量は、カルボン酸化合物(5’)1molに対し、通常1〜3molである。
この反応に用いる塩基としては、トリエチルアミン、ピリジン等の有機塩基、並びに、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、および炭酸水素ナトリウム等の無機塩基が挙げられる。
塩基の使用量は、Lがハロゲン原子のカルボン酸誘導体(5a)1molに対し、通常1〜3molである。
溶媒の使用量は、特に限定されず、用いる化合物の種類や反応規模等を考慮して適宜定めることができるが、ベンズアルデヒド化合物(1)1gに対し、通常1〜50gである。
なお、ヒドロキシ化合物(6a)とカルボン酸誘導体(7a)の使用量比は、ヒドロキシ化合物(6a):カルボン酸誘導体(7a)のmol比で、通常1:1〜1:2であり、好ましくは1:1.1〜1:1.5である。
以上のようにして、ハロゲン化体(IIIa)を得ることができる。
化合物(9)と化合物(10)との反応における、化合物(9)と化合物(10)の使用量比は、mol比で、化合物(9):化合物(10)が、通常1:1〜1:10、好ましくは1:2〜1:4である。
酸触媒の使用量は特に限定されないが、化合物(9)1molに対して、通常0.01〜1.0mol、好ましくは0.05〜0.4molである。
溶媒の使用量は特に限定されないが、化合物(10)1質量部に対して、通常0.2〜50質量部、好ましくは1〜20質量部である。
この反応においての化合物(11)と化合物(12)の使用量比は、mol比で、化合物(11):化合物(12)が、通常1:1〜1:10、好ましくは1:1.5〜1:4である。
化合物(11)と化合物(12)を、メタンスルホニルクロリド、p−トルエンスルホニルクロリド等のスルホニルハライド、および、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、4−(ジメチルアミノ)ピリジン等の塩基の存在下に反応させることによって、カルボン酸化合物(5’)を得ることができる。
スルホニルハライドの使用量は、化合物(11)1molに対し、通常1〜1.5molである。
塩基の使用量は、化合物(11)1molに対し、通常1〜3molである。
溶媒の使用量は特に限定されないが、化合物(11)1質量部に対して、通常0.2〜20質量部、好ましくは1〜10質量部である。
ハロゲン化体(IIIb)は、以下のようにして製造することができる。
製造手順3は、前記製造手順2において、カルボン酸誘導体(5a)の代わりにカルボン酸誘導体(7b)を、カルボン酸誘導体(7a)の代わりにカルボン酸誘導体(5b)を用いる以外は、製造手順2と同様にして実施することができる。
反応方法および反応条件等は、前記製造手順2に準じて適宜設定することができる。
ここで、脱ハロゲン化水素反応は、有機溶媒中、少なくとも1種の塩基性化合物を含む水層の存在下で行われる。
用いる有機溶媒としては、ハロゲン化体(II)を溶解させることができると共に、反応に不活性な溶媒であれば特に制限されない。例えば、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒;シクロペンタノン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒;ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素系溶媒;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒;n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン等の脂肪族炭化水素系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒;シクロペンタン、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素系溶媒;ニトロメタン、ニトロベンゼン、アセトニトリル等の含窒素炭化水素系溶媒;等が挙げられる。
これらの溶媒は1種単独で、或いは2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの中でも、ハロゲン体(II)の溶解性、収率よく目的物が得られること等の理由により、エステル系溶媒と含窒素炭化水素系溶媒との混合溶媒、ケトン系溶媒と含窒素炭化水素系溶媒との混合溶媒が好ましく、エステル系溶媒と含窒素炭化水素系溶媒との混合溶媒がより好ましく、酢酸エチルとアセトニトリルとの混合溶媒が特に好ましい。
ここで、エステル系溶媒と含窒素炭化水素系溶媒の混合溶媒を用いる場合の両者の混合割合は、エステル系溶媒と含窒素炭化水素系溶媒との容積比は通常1:1〜4:1、好ましくは2:1〜3:1である。
塩基性化合物としては、無機塩基性化合物および有機塩基性化合物を用いることができる。なお、脱ハロゲン化水素反応を効率よく進行させる観点からは、塩基性化合物としては、少なくとも無機塩基性化合物を使用することが好ましく、無機塩基性化合物および有機塩基性化合物を併用することがより好ましい。
なお、水層に用いる水は、蒸留水等の不純物を含まないものが好ましい。
金属炭酸塩としては、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩;炭酸マグネシウム;炭酸カルシウム、水酸化バリウム等のアルカリ土類金属炭酸塩;等が挙げられる。
金属炭酸水素塩としては、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属炭酸水素塩;炭酸水素マグネシウム;炭酸水素カルシウム等のアルカリ土類金属炭酸水素塩;等が挙げられる。
金属水酸化物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物;水酸化マグネシウム;水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属水酸化物;等が挙げられる。
これらの無機塩基性化合物は、一種単独で、あるいは二種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの中でも、入手容易性、取扱容易性の観点から、金属炭酸塩が好ましく、アルカリ金属炭酸塩がより好ましく、炭酸ナトリウムがさらに好ましい。
また、水層中の無機塩基性化合物の濃度は、特に限定されないが、脱ハロゲン化水素化物の収率を高めると共に、反応後の中和工程を省略可能とすべく、0.5〜2.5mol/Lであることが好ましく、0.5〜1.5mol/Lであることがより好ましい。
これらの中でも、脱ハロゲン化水素化物の収率を高める観点から、3級アミンが好ましく、トリエチルアミンがより好ましい。
有機塩基性化合物の使用量は特に限定されないが、ハロゲン化体(II)1当量に対し、1〜3当量であることが好ましく、1.2〜2当量であることがより好ましい。
反応は、アルゴン、窒素等の不活性雰囲気下で行うのが好ましい。
反応温度は、通常、−10℃〜+80℃、好ましくは10℃〜70℃、より好ましくは20℃〜60℃である。
反応時間は、反応規模等にもよるが、数分〜24時間、好ましくは0.5〜10時間である。
反応の進行状況は公知の分析手段(例えば、薄層クロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー、ガスクロマトグラフィー)により確認することができる。
具体的には、反応後の溶液から水層(水相)を除去した後、有機層(有機相)を水洗し、次いで、有機層にアルコール系溶媒等の貧溶媒を加えて結晶を析出させることにより、目的とする重合性化合物(I)などを効率よく単離することができる。
なお、目的物の構造は、NMRスペクトル、IRスペクトル、マススペクトル等の分析手段を用いることにより同定し、確認することができる。
反応終了後、反応液の温度を80℃に下げ、蒸留水200gを加えた後、反応液を10℃に冷却することで、結晶が析出した。析出した結晶をろ過により固液分離し、得られた結晶を蒸留水150gで洗浄し、褐色結晶203.0gを得た。この褐色結晶の一部を用いて分析したところ、乾燥減量は、36.3質量%であった。また、高速液体クロマトグラフィーで分析した結果、褐色結晶に含まれるモノエーテル化物とジエーテル化物の割合(モル比)は、(モノエーテル化物/ ジエーテル化物)で、92.0/8.0であった。ディーンスターク管付き冷却器及び温度計を備えた3つ口反応器に、窒素気流中、先に得た褐色結晶(固液分離し、蒸留水で洗浄した後のもの)157g、トルエン500g、2,6−ジ−t−ブチル− p−クレゾール1.05g(4.76mmol)を加え、全容を撹拌し、溶液を得た。得られた溶液を加熱し、還流条件下、ディーンスターク管から水を除去することで、系内を脱水した。その後、溶液を80℃に冷却し、メタンスルホン酸4.57g(47.6mmol)を加え、再度、還流条件(110℃)に加熱した。次いで、溶液に、アクリル酸47.98g(0.666mol)を2時間かけて滴下しながら、生成する水を除去し、脱水反応を行った。アクリル酸の滴下後、2時間撹拌を続けた。次いで、反応液を30℃に冷却し、蒸留水500gを加え、全容を攪拌後、静置した。有機層を分取し、得られた有機層に5%食塩水400gを加え、分液した。有機層を分取し、得られた有機層に活性炭10gを加え、全容を25℃で30分撹拌した後、ろ過することで活性炭を除去した。得られたろ液に、2,6−ジ−t−ブチル− p−クレゾール1.05g(4.76mmol)を加えた後、減圧下にてトルエン350gを留去し、溶液を濃縮した。得られた濃縮液に、n−ヘプタン300gを30分かけて滴下して結晶を析出させ、そのまま5℃に冷却した。ろ過により結晶を分取し、得られた結晶をトルエン66.7gとn−ヘプタン133.3gの混合液で洗浄した。次いで、結晶をトルエン144gに加え、40℃に加熱して結晶を溶解させた。得られた溶液に、n−ヘプタン216gを1時間かけて滴下して結晶を析出させ、そのまま5℃に冷却した。ろ過により結晶を分取し、得られた結晶をトルエン72gとn−ヘプタン144gの混合液で洗浄し、真空乾燥することで、白色固体として中間体A(4−(6−アクリロイルオキシ−ヘクス−1−イルオキシ)フェノール)を86.4g(6−クロロヘキサノール基準の収率;58% )で得た。さらに、得られた白色固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン:酢酸エチル=:95:5)により精製することで純度を99.5%以上まで高めた。
目的物の構造は1H−NMRで同定した。
得られた反応液に、4−(ジメチルアミノ)ピリジン638mg(5.22mmol)、及び、先のステップ1で合成した中間体A:13.80g(52.21mmol)を加え、再度反応器を水浴に浸して反応液内温を15℃とした。そこへ、トリエチルアミン6.34g(62.65mmol)を、反応液内温を20〜30℃に保持しながら、10分間かけて滴下し、滴下終了後、全容を25℃でさらに2時間撹拌した。反応終了後、反応液に蒸留水1000mlと飽和食塩水100mlを加え、酢酸エチル400mlで2回抽出した。有機層を集め、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、硫酸ナトリウムをろ別した。ロータリーエバポレーターにてろ液から溶媒を減圧留去した後、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン:THF=9:1(容積比、以下にて同じ))により精製することで、中間体Bを白色固体として14.11g得た(収率:65.0%)。
目的物の構造は1H−NMRで同定した。
反応終了後、反応液内温を80℃に下げ、蒸留水200mlを加えた後、反応液を10℃に冷却することで、結晶が析出した。析出した結晶をろ過により固液分離し、得られた結晶を蒸留水500mlで洗浄し、真空乾燥することで、褐色結晶123.3gを得た。
この褐色結晶を高速液体クロマトグラフィーで分析した結果、褐色結晶に含まれる化合物の含有量比(mol比)は(ハイドロキノン/中間体C/副生成物C=1.3/90.1/8.1)であった。
得られたろ液に、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール202mg(0.921mmol)を加えた後、ロータリーエバポレーターにてろ液から溶媒を減圧留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン:THF=:95:5)により精製することで、中間体Dを白色固体として11.0g得た(ステップ2〜3のトータル収率:40.0%)。
目的物の構造は1H−NMRで同定した。
得られた反応液に、4−(ジメチルアミノ)ピリジン440mg(3.60mmol)、及び、前記ステップ4で合成した中間体D:10.9g(36.24mmol)を加え、再度反応器を氷水浴に浸して反応液内温を5℃とした。そこへ、トリエチルアミン4.03g(39.83mmol)を、反応液内温を5〜10℃に保持しながら、5分間かけて滴下し、滴下終了後、氷水浴を除去し、全容を25℃でさらに2時間撹拌した。反応終了後、反応液に蒸留水700mlと飽和食塩水70mlを加え、酢酸エチル250mlで2回抽出した。有機層を集め、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、硫酸ナトリウムをろ別した。ロータリーエバポレーターにてろ液から溶媒を減圧留去した後、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:THF=97:3)により精製することで、中間体Eを白色固体として9.30g得た(収率:56.4%)。
目的物の構造は1H−NMRで同定した。
反応終了後、反応液に蒸留水900mlと飽和食塩水150mlを加え、酢酸エチル300mlで2回抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、硫酸ナトリウムをろ別した。ろ液をロータリーエバポレーターで濃縮した後、濃縮物にトルエン300mlを加え、不溶分の固体をろ過により除去した。ろ液をロータリーエバポレーターで濃縮した後、濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン:THF=95:5)により精製することで、白色固体として中間体Fを2.77g得た(収率:44.6%)。
目的物の構造は1H−NMRで同定した。
反応終了後、反応液に蒸留水500mlと飽和食塩水50mlを加え、クロロホルム300mlで2回抽出した。有機層を集め、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、硫酸ナトリウムをろ別した。ロータリーエバポレーターでろ液を濃縮し、得られた固体をTHF10mlに溶解させた。その溶液にメタノール50mlを加えて結晶を析出させ、析出結晶をろ取した。得られた結晶をメタノールで洗浄後、真空乾燥させて、中間体Gを白色固体として4.27g得た(収率:90.8%)。
目的物の構造は1H−NMRで同定した。
目的物の構造は1H−NMRで同定した。
温度計を備えた3つ口反応器に、窒素気流中、前記ステップ7で合成した中間体G:2.38g(2.44mmol)、前記ステップ8で合成した中間体H:731mg(2.93mmol)、(±)−10−カンファスルホン酸 56.7mg(0.244mmol)、THF35ml、及びエタノール6mlを加え、全容を40℃にて5時間撹拌した。反応終了後、反応液を水200mlに投入し、酢酸エチル330mlで抽出した。得られた酢酸エチル層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、硫酸ナトリウムをろ別した。ロータリーエバポレーターにて、ろ液から酢酸エチルを減圧留去して、黄色固体を得た。この黄色固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:THF=99:1)により精製し、淡黄色固体として化合物1を2.02g得た(収率68.7%)。
目的物の構造は1H−NMRで同定した。
反応終了後、反応液に蒸留水300mlと飽和食塩水50mlを加え、酢酸エチル100mlで2回抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、硫酸ナトリウムをろ別した。ろ液をロータリーエバポレーターで濃縮した後、濃縮物にトルエン100mlを加え、不溶分の固体をろ過により除去した。ろ液をロータリーエバポレーターで濃縮した後、濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン:THF=95:5)により精製することで、白色固体として中間体Iを0.80g得た(収率:41.0%)。
目的物の構造は1H−NMRで同定した。
反応終了後、反応液に蒸留水400mlと飽和食塩水40mlを加え、クロロホルム250mlで2回抽出した。有機層を集め、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、硫酸ナトリウムをろ別した。ロータリーエバポレーターでろ液を濃縮し、得られた固体をTHF10mlに溶解させた。その溶液にメタノール40mlを加えて結晶を析出させ、析出結晶をろ取した。得られた結晶をメタノールで洗浄後、真空乾燥させて、中間体Jを白色固体として3.40g得た(収率:89.0%)。
目的物の構造は1H−NMRで同定した。
温度計を備えた3つ口反応器に、窒素気流中、前記ステップ2で合成した中間体J:2.00g(2.05mmol)、合成例1のステップ8で合成した中間体H:613mg(2.46mmol)、(±)−10−カンファスルホン酸 47.6mg(0.205mmol)、THF30ml、及びエタノール4mlを加え、全容を40℃にて5時間撹拌した。反応終了後、反応液を水200mlに投入し、酢酸エチル300mlで抽出した。得られた酢酸エチル層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、硫酸ナトリウムをろ別した。ロータリーエバポレーターにて、ろ液から酢酸エチルを減圧留去して、黄色固体を得た。この黄色固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:THF=99:1)により精製し、淡黄色固体として化合物2を1.58g得た(収率63.9%)。
目的物の構造は1H−NMRで同定した。
反応終了後、反応液を水20mlに投入し、酢酸エチル20mlで抽出した。得られた酢酸エチル層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、硫酸ナトリウムをろ別した。ロータリーエバポレーターにて、ろ液から酢酸エチルを減圧留去して、黄色固体を得た。この黄色固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:THF=99:1)により精製し、淡黄色固体として化合物3を431mg得た(収率:37.7%)。
目的物の構造は1H−NMRで同定した。
反応終了後、反応液内温を80℃に下げ、蒸留水200mlを加えた後、反応液を10℃に冷却することで、結晶が析出した。析出した結晶をろ過により固液分離し、得られた結晶を蒸留水500mlで洗浄し、真空乾燥することで、褐色結晶123.3gを得た。
この褐色結晶をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=:90:10)により精製することで、中間体Kを白色固体として20g得た(収率:13%)。
得られた固体をHPLCにて分析したところ、中間体AAのハロゲン化体である下記中間体AA’が、中間体AAと中間体AA’の合計中、が2.1質量%の割合で含まれていた。
得られた反応液に、蒸留水30mlを加えた。この反応液を50℃に昇温した後、2時間洗浄(加水分解)した後、水層を抜き出した。さらに、得られた有機層に、蒸留水30mlを加えた後、全容を50℃にて2時間洗浄(加水分解)を行い、水層を抜き出した。得られた有機層を40℃に冷却した後、さらに、濃度1mol/リットルの酢酸と酢酸ナトリウムからなる緩衝溶液(pH:5.5)50mlで5回洗浄を行った後、緩衝溶液を抜き出した。得られた有機層にさらに、蒸留水30mlで洗浄を行った後、水層を抜き出した。
得られた有機層に、n−ヘキサン220mlを加えた後、0℃まで冷却して結晶を析出させた。その後、析出した結晶をろ過によりろ取した。ろ過物をn−ヘキサンで洗浄後、真空乾燥させて、白色固体として混合物Lを16.78g得た。
温度計を備えた3口反応器に、窒素気流中、前記ステップ3で合成した混合物L:16.78g(全量)、及びクロロホルム115g、DMF4.0gを加えて、10℃以下に冷却した。そこへ、塩化チオニル3.76g(31.57mmol)を反応温度が10℃以下になるように制御して滴下した。滴下終了後、反応液を25℃に戻して1時間撹拌した。反応終了後、エバポレーターにて反応液の量が四分の1になるまで濃縮した。その後、クロロホルム28.7gを加えて、クロロホルム溶液を得た。
別途、温度計を備えた3口反応器に、窒素気流中、2,5−ジヒドロキシベンズアルデヒド1.72g(12.48mmol)、トリエチルアミン7.58g(74.88mmol)を57gのクロロホルムに溶解させ、10℃以下まで冷却した。この溶液に、前記クロロホルム溶液を、反応液内温を10℃以下に保持しながらゆっくりと滴下した。滴下終了後、反応液を10℃以下に保持しながらさらに1時間反応を行った。
得られた有機層にロカヘルプ#479(三井金属鉱業社製)0.57gを加え、30分撹拌した後、ロカヘルプ#479をろ別した。次いで、得られた反応液から、総重量の約80%をエバポレーターにて抜き出して濃縮した。この溶液にTHF23gを加えた後、1時間攪拌した。次いで、この溶液にn−ヘキサン92gを滴下した後、0℃まで冷却して結晶を析出させた。その後、析出した結晶をろ過によりろ取した。
得られた結晶にTHF120g、ロカヘルプ#479 2.1g、及び、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール110mgを加えて30分撹拌した後、ロカヘルプ#479をろ別した。次いで、得られた反応液から、エバポレーターにてTHF40gを留去した。得られた溶液にメタノール134gを滴下した後、0℃まで冷却して結晶を析出させた。その後、析出した結晶をろ過によりろ取した。ろ過物をメタノールで洗浄後、真空乾燥させて、固体(粗化合物4)を12.02g得た。(収率:82.3%)
得られた固体をHPLCにて分析したところ、化合物4のハロゲン化体である下記化合物4’が、化合物4と化合物4’の合計中、1.5質量%の割合で含まれていた。
目的物の構造は1H−NMRで同定した。
合成例4のステップ4において、中間体H:4.05g(16.22mmol)を、前記ステップ1で合成した中間体M:3.36g(16.22mmol)に変更した以外は、合成例4と同様の操作を行った。その結果、固体(粗化合物5)を11.08g得た(収率:78.7%)。
得られた固体をHPLCにて分析したところ、化合物5のハロゲン化体である下記化合物5’が、化合物5と化合物5’の合計中、1.3質量%の割合で含まれていた。
目的物の構造は1H−NMRで同定した。
合成例4のステップ4において、中間体H:4.05g(16.22mmol)を、前記ステップ1で合成した中間体N:3.91g(16.22mmol)に変更した以外は、合成例4と同様の操作を行った。その結果、固体(粗化合物6)を10.65g得た(収率:73.4%)。
得られた固体をHPLCにて分析したところ、化合物6のハロゲン化体である下記化合物6’が、化合物6と化合物6’の合計中、0.6質量%の割合で含まれていた。
目的物の構造は1H−NMRで同定した。
合成例4のステップ4において、中間体H:4.05g(16.22mmol)を、前記ステップ1で合成した中間体O:4.01g(16.22mmol)に変更した以外は、合成例4と同様の操作を行った。その結果、固体(粗化合物7)を11.11g得た(収率:76.2%)。
得られた固体をHPLCにて分析したところ、化合物7のハロゲン化体である下記化合物7’が、化合物7と化合物7’の合計中、0.4質量%の割合で含まれていた。
目的物の構造は1H−NMRで同定した。
合成例4のステップ4において、中間体H:4.05g(16.22mmol)を、前記ステップ1で合成した中間体P:4.27g(16.22mmol)に変更した以外は、合成例4と同様の操作を行った。その結果、固体(粗化合物8)を11.96g得た(収率:80.9%)。
得られた固体をHPLCにて分析したところ、化合物8のハロゲン化体である下記化合物8’が、化合物8と化合物8’の合計中、0.5質量%の割合で含まれていた。
目的物の構造は1H−NMRで同定した。
合成例4のステップ4において、中間体H:4.05g(16.22mmol)を、前記ステップ1で合成した中間体Q:4.30g(16.22mmol)に変更した以外は、合成例4と同様の操作を行った。その結果、固体(粗化合物9)を11.77g得た(収率:79.5%)。
得られた固体をHPLCにて分析したところ、化合物9のハロゲン化体である下記化合物9’が、化合物9と化合物9’の合計中、0.3質量%の割合で含まれていた。
目的物の構造は1H−NMRで同定した。
合成例4のステップ4において、中間体H:4.05g(16.22mmol)を、前記ステップ1で合成した中間体R:3.56g(16.22mmol)に変更した以外は、合成例4と同様の操作を行った。その結果、固体(粗化合物10)を9.88g得た(収率:69.4%)。
得られた固体をHPLCにて分析したところ、化合物10のハロゲン化体である下記化合物10’が、化合物10と化合物10’の合計中、1.0質量%の割合で含まれていた。
目的物の構造は1H−NMRで同定した。
合成例4のステップ4において、中間体H:4.05g(16.22mmol)を、前記ステップ1で合成した中間体S:3.52g(16.22mmol)に変更した以外は、合成例4と同様の操作を行った。その結果、固体(粗化合物11)を9.46g得た(収率:66.6%)。
得られた固体をHPLCにて分析したところ、化合物11のハロゲン化体である下記化合物11’が、化合物11と化合物11’の合計中、化合物11’が0.9質量%の割合で含まれていた。
目的物の構造は1H−NMRで同定した。
合成例4のステップ4において、中間体H:4.05g(16.22mmol)を、前記ステップ1で合成した中間体T:4.00g(16.22mmol)に変更した以外は、合成例4と同様の操作を行った。その結果、固体(粗化合物12)を11.23g得た(収率:77.1%)。
得られた固体をHPLCにて分析したところ、化合物12のハロゲン化体である下記化合物12’が、化合物12と化合物12’の合計中、0.3質量%の割合で含まれていた。
目的物の構造は1H−NMRで同定した。
合成例4のステップ4において、中間体H:4.05g(16.22mmol)を、前記ステップ1で合成した中間体U:4.47g(16.22mmol)に変更した以外は、合成例4と同様の操作を行った。その結果、固体(粗化合物13)を11.81g得た(収率:79.1%)。
得られた固体をHPLCにて分析したところ、化合物13のハロゲン化体である下記化合物13’が、化合物13と化合物13’の合計中、1.1質量%の割合で含まれていた。
目的物の構造は1H−NMRで同定した。
合成例4のステップ4において、中間体H:4.05g(16.22mmol)を、前記ステップ1で合成した中間体V:3.56g(16.22mmol)に変更した以外は、合成例4と同様の操作を行った。その結果、固体(粗化合物14)を10.05g得た(収率:70.6%)。
得られた固体をHPLCにて分析したところ、化合物14のハロゲン化体である下記化合物14’が、化合物14と化合物14’の合計中、1.3質量%の割合で含まれていた。
目的物の構造は1H−NMRで同定した。
合成例4のステップ4において、中間体H:4.05g(16.22mmol)を、前記ステップ1で合成した中間体W:3.30g(16.22mmol)に変更した以外は、合成例4と同様の操作を行った。その結果、固体(粗化合物15)を10.12g得た(収率:72.1%)。
得られた固体をHPLCにて分析したところ、化合物15のハロゲン化体である下記化合物15’が、化合物15と化合物15’の合計中、1.8質量%の割合で含まれていた。
目的物の構造は1H−NMRで同定した。
合成例4のステップ4において、中間体H:4.05g(16.22mmol)を、前記ステップ1で合成した中間体X:3.54g(16.22mmol)に変更した以外は、合成例4と同様の操作を行った。その結果、固体(粗化合物16)を10.22g得た(収率:71.9%)。
得られた固体をHPLCにて分析したところ、化合物16のハロゲン化体である下記化合物16’が、化合物16と化合物16’の合計中、0.7質量%の割合で含まれていた。
目的物の構造は1H−NMRで同定した。
合成例4のステップ4において、中間体H:4.05g(16.22mmol)を、前記ステップ1で合成した中間体Y:3.77g(16.22mmol)に変更した以外は、合成例4と同様の操作を行った。その結果、固体(粗化合物17)を9.47g得た(収率:65.8%)。
得られた固体をHPLCにて分析したところ、化合物17のハロゲン化体である下記化合物17’が、化合物17と化合物17’の合計中、0.4質量%の割合で含まれていた。
目的物の構造は1H−NMRで同定した。
合成例4のステップ4において、中間体H:4.05g(16.22mmol)を、前記ステップ1で合成した中間体Z:6.67g(16.22mmol)に変更した以外は、合成例4と同様の操作を行った。その結果、固体(粗化合物18)を10.34g得た(収率:62.2%)。
得られた固体をHPLCにて分析したところ、化合物18のハロゲン化体である下記化合物18’が、化合物18と化合物18’の合計中、0.2質量%の割合で含まれていた。
得られた固体をHPLCにて分析したところ、化合物19のハロゲン化体である下記化合物19’が、化合物19と化合物19’の合計中、1.8質量%の割合で含まれていた。
冷却器、及び温度計を備えた3つ口反応器に、窒素気流中、トランスシクロヘキサンジカルボン酸ジクロライド4.15g(19.87mmol)をシクロペンチルメチルエーテル30g、テトラヒドロフラン11.5gに溶解させた。この溶液を氷浴にて冷却した後、先の合成例4のステップ2で得た粗中間体AA:5.0gを加えて溶解させた。氷浴下にてこの溶液に、トリエチルアミン2.01g(19.87mmol)を10℃以下となるように制御して、ゆっくり滴下した。滴下終了後、全容を25℃に戻して1時間さらに攪拌した。得られた反応液に、蒸留水15mlを加え、50℃にて4時間洗浄を行った後、水層を抜き出した。有機層をさらに、濃度1.0mol/リットルの酢酸と酢酸ナトリウムからなる緩衝溶液(pH:5.5)25gで5回洗浄した後、緩衝溶液を抜き出した。有機層をさらに、蒸留水15mlで洗浄を行い、分液した。得られた有機層に、60%ヘキサン60gを加えて結晶を析出させた。得られた溶液を0℃まで冷却して1時間撹拌した。その後、析出した結晶をろ取して混合物1を7.25g得た。得られた固体をHPLCにて定量分析したところ、化合物19が5.5g、ジエステル化合物が1.74g含まれていた。さらに、得られた固体をHPLCにて組成分析したところ、化合物19のハロゲン化体である化合物19’が、化合物19と化合物19’の合計中、1.5質量%の割合で含まれていた。
温度計を備えた4つ口反応器に、窒素気流中、化合物1:1.0g(0.83mmol)、トリエチルアミン126mg(1.24mmol)を酢酸エチル30ml、アセトニトリル15mlの混合溶媒に溶解させた。この溶液に、1mol/Lの濃度の炭酸ナトリウム水溶液1.5mlを加えて、50℃にて4時間撹拌した。反応終了後、炭酸ナトリウム水溶液を抜き出し、得られた有機層をさらに水30mlで洗浄した。有機層にメタノール70mlを加えて固体を析出させた。得られた固体を真空乾燥機で乾燥させ、0.95gの淡黄色固体を得た。
得られた固体をHPLCにて分析したところ、ハロゲン化体である化合物1のピークが完全に消失していたことから、化合物1は化合物4に変換されたことが分かった。
目的物の構造は1H−NMRで同定した。
実施例1において、化合物1:1.0g(0.83mmol)を、合成例2で合成した化合物2:1.0g(0.83mmol)に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行った。その結果、0.94gの淡黄色固体を得た。
得られた固体をHPLCにて分析したところ、ハロゲン化体である化合物2のピークが完全に消失していたことから、化合物2は化合物4に変換されたことが分かった。
目的物の構造は1H−NMRで同定した。
実施例1において、化合物1:1.0g(0.83mmol)を、合成例3で合成した化合物3:1.0g(0.80mmol)に変更し、トリエチルアミンの使用量を126mg(1.24mmol)から250mg(2.47mmol)に変更し、1mol/Lの濃度の炭酸ナトリウム水溶液の使用量を1.5mlから3mlに変更した以外は、実施例1と同様の操作を行った。その結果、0.92gの淡黄色固体を得た。
得られた固体をHPLCにて分析したところ、ハロゲン化体である化合物3のピークが完全に消失していたことから、化合物3は化合物4に変換されたことが分かった。
目的物の構造は1H−NMRで同定した。
実施例1において、化合物1:1.0g(0.83mmol)を、合成例4で合成した粗化合物4:1.0gに変更した以外は、実施例1と同様の操作を行った。その結果、0.95gの淡黄色固体を得た。
得られた固体をHPLCにて分析したところ、ハロゲン化体である化合物4’のピークが完全に消失し、化合物4’は、化合物4に変換された。
実施例1において、化合物1:1.0g(0.83mmol)を、合成例5で合成した粗化合物5:1.0gに変更した以外は、実施例1と同様の操作を行った。その結果、0.94gの淡黄色固体を得た。得られた固体をHPLCにて分析したところ、ハロゲン化体である化合物5’のピークが完全に消失し、化合物5’は、化合物5に変換された。
実施例1において、化合物1:1.0g(0.83mmol)を、合成例6で合成した粗化合物6:1.0gに変更した以外は、実施例1と同様の操作を行った。その結果、0.94gの淡黄色固体を得た。得られた固体をHPLCにて分析したところ、ハロゲン化体である化合物6’は完全に消失し、全て化合物6に変換された。
実施例1において、化合物1:1.0g(0.83mmol)を、合成例7で合成した粗化合物7:1.0gに変更した以外は、実施例1と同様の操作を行った。その結果、0.94gの淡黄色固体を得た。得られた固体をHPLCにて分析したところ、ハロゲン化体である化合物7’は完全に消失し、全て化合物7に変換された。
実施例1において、化合物1:1.0g(0.83mmol)を、合成例8で合成した粗化合物8:1.0gに変更した以外は、実施例1と同様の操作を行った。その結果、0.94gの淡黄色固体を得た。得られた固体をHPLCにて分析したところ、ハロゲン化体である化合物8’は完全に消失し、全て化合物8に変換された。
実施例1において、化合物1:1.0g(0.83mmol)を、合成例9で合成した粗化合物9:1.0gに変更した以外は、実施例1と同様の操作を行った。その結果、0.94gの淡黄色固体を得た。得られた固体をHPLCにて分析したところ、ハロゲン化体である化合物9’は完全に消失し、全て化合物9に変換された。
実施例1において、化合物1:1.0g(0.83mmol)を、合成例10で合成した粗化合物10:1.0gに変更した以外は、実施例1と同様の操作を行った。その結果、0.94gの淡黄色固体を得た。得られた固体をHPLCにて分析したところ、ハロゲン化体である化合物10’は完全に消失し、全て化合物10に変換された。
実施例1において、化合物1:1.0g(0.83mmol)を、合成例11で合成した粗化合物11:1.0gに変更した以外は、実施例1と同様の操作を行った。その結果、0.94gの淡黄色固体を得た。得られた固体をHPLCにて分析したところ、ハロゲン化体である化合物11’は完全に消失し、全て化合物11に変換された。
実施例1において、化合物1:1.0g(0.83mmol)を、合成例12で合成した粗化合物12:1.0gに変更した以外は、実施例1と同様の操作を行った。その結果、0.94gの淡黄色固体を得た。得られた固体をHPLCにて分析したところ、ハロゲン化体である化合物12’は完全に消失し、全て化合物12に変換された。
実施例1において、化合物1:1.0g(0.83mmol)を、合成例13で合成した粗化合物13:1.0gに変更した以外は、実施例1と同様の操作を行った。その結果、0.94gの淡黄色固体を得た。得られた固体をHPLCにて分析したところ、ハロゲン化体である化合物13’は完全に消失し、全て化合物13に変換された。
実施例1において、化合物1:1.0g(0.83mmol)を、合成例14で合成した粗化合物14:1.0gに変更した以外は、実施例1と同様の操作を行った。その結果、0.94gの淡黄色固体を得た。得られた固体をHPLCにて分析したところ、ハロゲン化体である化合物14’は完全に消失し、全て化合物14に変換された。
実施例1において、化合物1:1.0g(0.83mmol)を、合成例15で合成した粗化合物15:1.0gに変更した以外は、実施例1と同様の操作を行った。その結果、0.94gの淡黄色固体を得た。得られた固体をHPLCにて分析したところ、ハロゲン化体である化合物15’は完全に消失し、全て化合物15に変換された。
実施例1において、化合物1:1.0g(0.83mmol)を、合成例16で合成した粗化合物16:1.0gに変更した以外は、実施例1と同様の操作を行った。その結果、0.94gの淡黄色固体を得た。得られた固体をHPLCにて分析したところ、ハロゲン化体である化合物16’は完全に消失し、全て化合物16に変換された。
実施例1において、化合物1:1.0g(0.83mmol)を、合成例17で合成した粗化合物17:1.0gに変更した以外は、実施例1と同様の操作を行った。その結果、0.94gの淡黄色固体を得た。得られた固体をHPLCにて分析したところ、ハロゲン化体である化合物17’は完全に消失し、全て化合物17に変換された。
実施例1において、化合物1:1.0g(0.83mmol)を、合成例18で合成した粗化合物18:1.0gに変更した以外は、実施例1と同様の操作を行った。その結果、0.94gの淡黄色固体を得た。得られた固体をHPLCにて分析したところ、ハロゲン化体である化合物18’は完全に消失し、全て化合物18に変換された。
温度計を備えた4つ口反応器に、窒素気流中、先の合成例1のステップ3で合成した中間体D:1.0g(3.32mmol)、トリエチルアミン505mg(4.99mmol)を酢酸エチル40ml、アセトニトリル20mlの混合溶媒に溶解させた。この溶液に、1mol/Lの濃度の炭酸ナトリウム水溶液9.0mlを加えて、50℃にて4時間撹拌した。反応終了後、炭酸ナトリウム水溶液を抜き出し、得られた有機層をさらに0.5N−塩酸水溶液20mlで洗浄した。次いで、蒸留水50mlで2回洗浄した。得られた酢酸エチル層にn−ヘキサン200mlを投入して固体を析出させた。ろ過により固体をろ取して、真空乾燥機で乾燥させ、0.77gの白色固体を得た。得られた固体をHPLCにて分析したところ、ハロゲン化体である中間体Dのピークが完全に消失していたことから、中間体Dは中間体AAに変換されたことが分かった。
温度計を備えた4つ口反応器に、窒素気流中、先の合成例1のステップ4で合成した中間体E:1.0g(2.20mmol)、トリエチルアミン334mg(3.30mmol)を酢酸エチル40ml、アセトニトリル20mlの混合溶媒に溶解させた。この溶液に、1mol/Lの濃度の炭酸ナトリウム水溶液8.0mlを加えて、50℃にて4時間撹拌した。反応終了後、炭酸ナトリウム水溶液を抜き出し、得られた有機層をさらに0.5N−塩酸水溶液20mlで洗浄した。次いで、蒸留水50mlで2回洗浄した。得られた酢酸エチル層にn−ヘキサン200mlを投入して固体を析出させた。ろ過により固体をろ取して、真空乾燥機で乾燥させ、0.82gの白色固体を得た。得られた固体をHPLCにて分析したところ、ハロゲン化体である中間体Eのピークが完全に消失していたことから、中間体Eは化合物19に変換されたことが分かった。
温度計を備えた4つ口反応器に、窒素気流中、先の合成例4のステップ2で合成した粗中間体AA:1.0g、トリエチルアミン505mg(4.99mmol)を酢酸エチル40ml、アセトニトリル20mlの混合溶媒に溶解させた。この溶液に、1mol/Lの濃度の炭酸ナトリウム水溶液9.0mlを加えて、50℃にて4時間撹拌した。反応終了後、炭酸ナトリウム水溶液を抜き出し、得られた有機層をさらに0.5N−塩酸水溶液20mlで洗浄した。次いで、蒸留水50mlで2回洗浄した。得られた酢酸エチル層にn−ヘキサン200mlを投入して固体を析出させた。ろ過により固体をろ取して、真空乾燥機で乾燥させ、0.92gの白色固体を得た。得られた固体をHPLCにて分析したところ、ハロゲン化体である中間体AA’のピークが完全に消失していたことから、中間体AA’は中間体AAに変換されたことが分かった。
温度計を備えた4つ口反応器に、窒素気流中、先の合成例19で合成した粗化合物19:1.0g(2.20mmol)、トリエチルアミン334mg(3.30mmol)を酢酸エチル40ml、アセトニトリル20mlの混合溶媒に溶解させた。この溶液に、1mol/Lの濃度の炭酸ナトリウム水溶液8.0mlを加えて、50℃にて4時間撹拌した。反応終了後、炭酸ナトリウム水溶液を抜き出し、得られた有機層をさらに0.5N−塩酸水溶液20mlで洗浄した。次いで、蒸留水50mlで2回洗浄した。得られた酢酸エチル層にn−ヘキサン200mlを投入して固体を析出させた。ろ過により固体をろ取して、真空乾燥機で乾燥させ、0.89gの白色固体を得た。得られた固体をHPLCにて分析したところ、ハロゲン化体である化合物19’のピークが完全に消失していたことから、化合物19’は化合物19に変換されたことが分かった。
温度計を備えた4つ口反応器に、窒素気流中、先の合成例20で合成した混合物1:7.25g、トリエチルアミン2.0g(19.71mmol)を酢酸エチル200ml、アセトニトリル100mlの混合溶媒に溶解させた。この溶液に、1mol/Lの濃度の炭酸ナトリウム水溶液50mlを加えて、50℃にて4時間撹拌した。反応終了後、炭酸ナトリウム水溶液を抜き出し、得られた有機層をさらに0.5N−塩酸水溶液110mlで洗浄した。次いで、蒸留水100mlで2回洗浄した。得られた酢酸エチル層をロータリーエバポレーターにて、100mlまで濃縮した。この酢酸エチル層にn−ヘキサン500mlを投入して固体を析出させた。ろ過により固体をろ取して、真空乾燥機で乾燥させ、6.58gの白色固体を得た。得られた固体をHPLCにて分析したところ、ハロゲン化体である化合物19’のピークが完全に消失していたことから、化合物19’は化合物19に変換されたことが分かった。
また、本発明によれば、当該重合性組成物の製造方法に有用なハロゲン化体およびそのハロゲン化体を含む混合物を提供することができる。
Claims (14)
- 前記X1が塩素原子である、請求項1に記載のハロゲン化体。
- 前記式(IV)で示されるハロゲン化体および前記式(V)で示される化合物の合計中に占める前記式(IV)で示されるハロゲン化体の割合が、0.01質量%以上5質量%以下である、請求項4に記載の混合物。
- 前記X1が塩素原子である、請求項7に記載のハロゲン化体。
- 前記式(VI)で示されるハロゲン化体と前記式(VII)で示される化合物の合計中に占める前記式(VI)で示されるハロゲン化体の割合が、0.01質量%以上5質量%以下である、請求項10に記載の混合物。
- 下記式(III)で示されるハロゲン化体。
X1は、ハロゲン原子を表し、
Ar1は、D1を置換基として有する2価の芳香族炭化水素環基、または、D1を置換基として有する2価の芳香族複素環基を表し、
D1は、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環基、置換基を有していてもよい芳香族複素環基、または式:−RfC(=N−NRgRh)で表される基であり、ここで、前記式:−RfC(=N−NRgRh)において、Rfは、水素原子、または、炭素数1〜6のアルキル基を表し、Rgは、水素原子、または、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の有機基を表し、Rhは、芳香族炭化水素環および芳香族複素環からなる群より選ばれる少なくとも1つの芳香環を有する炭素数2〜20の有機基であり、
D1における前記芳香族炭化水素環基は、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントレニル基、ピレニル基、またはフルオレニル基であり、
D1における前記芳香族複素環基は、フタルイミド基、1−ベンゾフラニル基、2−ベンゾフラニル基、アクリジニル基、イソキノリニル基、イミダゾリル基、インドリニル基、フラザニル基、オキサゾリル基、オキサゾロピラジニル基、オキサゾロピリジニル基、オキサゾロピリダジニル基、オキサゾロピリミジニル基、キナゾリニル基、キノキサリニル基、キノリル基、シンノリニル基、チアジアゾリル基、チアゾリル基、チアゾロピラジニル基、チアゾロピリジル基、チアゾロピリダジニル基、チアゾロピリミジニル基、チエニル基、トリアジニル基、トリアゾリル基、ナフチリジニル基、ピラジニル基、ピラゾリル基、ピラノンニル基、ピラニル基、ピリジル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、ピロリル基、フェナントリジニル基、フタラジニル基、フラニル基、ベンゾ[c]チエニル基、ベンゾイソオキサゾリル基、ベンゾイソチアゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアジアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾチエニル基、ベンゾトリアジニル基、ベンゾトリアゾリル基、ベンゾピラゾリル基、ペンゾピラノンニル基、ジヒドロピラニル基、テトラヒドロピラニル基、ジヒドロフラニル基、またはテトラヒドロフラニル基であり、
Z11およびZ12は、それぞれ独立して、−CO−O−、−O−CO−、−NR11−CO−、または、−CO−NR12−を表し、R11およびR12はそれぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表し、
A11、A12、B11およびB12は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい環状脂肪族基、または、置換基を有していてもよい芳香族基を表し、ここで、前記環状脂肪族基は、炭素数5〜20のシクロアルカンジイル基又は炭素数5〜20のビシクロアルカンジイル基であり、
Y11、Y12、L11およびL12は、それぞれ独立して、単結合、−O−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−NR21−CO−、−CO−NR22−、−O−CO−O−、−NR23−CO−O−、−O−CO−NR24−、または、−NR25−CO−NR26−を表し、R21〜R26はそれぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表し、
R1は水素原子またはメチル基を表し、
aおよびdは、それぞれ独立して、1〜20の整数を表し、
bおよびcは、それぞれ独立して、0または1である。〕 - 請求項13に記載のハロゲン化体と、
下記式(I)で示される重合性化合物と、を含む混合物。
D1は、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環基、置換基を有していてもよい芳香族複素環基、または式:−RfC(=N−NRgRh)で表される基であり、ここで、前記式:−RfC(=N−NRgRh)において、Rfは、水素原子、または、炭素数1〜6のアルキル基を表し、Rgは、水素原子、または、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の有機基を表し、Rhは、芳香族炭化水素環および芳香族複素環からなる群より選ばれる少なくとも1つの芳香環を有する炭素数2〜20の有機基であり、
D1における前記芳香族炭化水素環基は、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントレニル基、ピレニル基、またはフルオレニル基であり、
D1における前記芳香族複素環基は、フタルイミド基、1−ベンゾフラニル基、2−ベンゾフラニル基、アクリジニル基、イソキノリニル基、イミダゾリル基、インドリニル基、フラザニル基、オキサゾリル基、オキサゾロピラジニル基、オキサゾロピリジニル基、オキサゾロピリダジニル基、オキサゾロピリミジニル基、キナゾリニル基、キノキサリニル基、キノリル基、シンノリニル基、チアジアゾリル基、チアゾリル基、チアゾロピラジニル基、チアゾロピリジル基、チアゾロピリダジニル基、チアゾロピリミジニル基、チエニル基、トリアジニル基、トリアゾリル基、ナフチリジニル基、ピラジニル基、ピラゾリル基、ピラノンニル基、ピラニル基、ピリジル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、ピロリル基、フェナントリジニル基、フタラジニル基、フラニル基、ベンゾ[c]チエニル基、ベンゾイソオキサゾリル基、ベンゾイソチアゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアジアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾチエニル基、ベンゾトリアジニル基、ベンゾトリアゾリル基、ベンゾピラゾリル基、ペンゾピラノンニル基、ジヒドロピラニル基、テトラヒドロピラニル基、ジヒドロフラニル基、またはテトラヒドロフラニル基であり、
Z11およびZ12は、それぞれ独立して、−CO−O−、−O−CO−、−NR11−CO−、または、−CO−NR12−を表し、R11およびR12はそれぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表し、
A11、A12、B11およびB12は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい環状脂肪族基、または、置換基を有していてもよい芳香族基を表し、ここで、前記環状脂肪族基は、炭素数5〜20のシクロアルカンジイル基又は炭素数5〜20のビシクロアルカンジイル基であり、
Y11、Y12、L11およびL12は、それぞれ独立して、単結合、−O−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−NR21−CO−、−CO−NR22−、−O−CO−O−、−NR23−CO−O−、−O−CO−NR24−、または、−NR25−CO−NR26−を表し、R21〜R26はそれぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表し、
R1およびR2は、それぞれ独立して、水素原子またはメチル基を表し、
aおよびdは、それぞれ独立して、1〜20の整数を表し、
bおよびcは、それぞれ独立して、0または1である。〕
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