JP2017206484A - 高純度アスコルビン酸誘導体及びその用途 - Google Patents
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Abstract
Description
L-アスコルビン酸(L-アスコルビン酸:以下「ASA」と略す)はヒトにとり重要なビタミンの一つである。ヒトをはじめ、霊長類、モルモットはASAを体内合成することができないため、必須の栄養素の一つである。そのため、ASA源の補給原料として医薬、医薬部外品、未承認医薬、飼料、化粧品、食品分野に多くのASA又は、その誘導体が使用されている。さらに、ASAは、その強い還元作用から抗酸化剤として、化成品、工業品、雑貨品、衣料品などに幅広く使用されている。
この炎症の多くの過程には活性酸素の産生が関与しており、活性酸素を効率的に排除することにより、炎症をコントロールできること事が知られている。
紅斑に動脈の拡張などの合併があれば皮膚温度は上がりさらに皮膚の活性酸素量が増加する。紅斑が、圧迫すると消えるのに対して、紫斑や色素沈着は圧迫しても消失しないのが特徴であり明らかに異なる。紅斑の原因は、赤外線や紫外線等の電磁波照射障害、感染症(菌類、マイコプラズマ、ウィルス、寄生虫など)、熱傷、アレルギー反応、免疫疾患、接触性皮膚炎、電気的刺激、過剰運動、物理的損傷や界面活性剤や薬剤等による化学物質と生体との化学反応、好中球浸潤、活性酸素障害などがある。紅斑は、結節性紅斑、伝染性紅斑、多型滲出性紅斑など多くの種類がある。結節性紅斑の場合、細菌やウイルス、真菌などの感染症や基礎疾患(ベーチェット病、結核、サルコイドーシス、クローン病など)、内臓悪性腫瘍、薬剤によるもの、サルファ系抗菌薬や経口避妊薬などの薬剤によるものなどがある。
血管拡張は、好中球の浸潤などによりNOラジカル、スーパーオキシド、ASAラジカルなどの活性酸素の発生が関与する。炎症反応の発生した殆どの組織でASAのプロオキシダントであるASAラジカルが上昇しているので、ASAラジカルは炎症のマーカーともなり得る。さらに、炎症時には炎症性サイトカインとしてしられる、プロスタグランジンE2(PGE2)活性、シクロオキシゲナーゼ2(COX2)活性、インターロイキン(IL)−6活性、IL−1β活性、ストレスMAPキナーゼ活性などの活性化や物質濃度の上昇が知られており、これらも生体における重要な炎症マーカーである。
ステロイド系抗炎症薬は副腎皮質ホルモンの糖質コルチコイド、合成糖質コルチコイドであるが、優れた抗炎症作用を持つ一方、免疫抑制作用や副腎萎縮、胃腸障害、白内障、緑内障、ムーンフェイス、副腎萎縮、副腎不全、皮膚炎など多くの副作用も持つため社会問題となっているばかりか、これらの副作用のために炎症治療後も副作用障害が残ることもある。
非ステロイド系抗炎症薬は、ステロイドに比較し効果は低いが、抗炎症作用のほか、鎮痛作用、解熱作用を持つ。酸性抗炎症薬は一般に広く使用されておりアスピリン、イブプロフェン、インドメタシンなどがこれに分類され、酸性抗炎症薬はアラキドン酸からプロスタグランジンE2(PGE2)を合成する酵素であるシクロオキシゲナーゼ(COX)を阻害することによってケミカルメディエーターの一種であるロイコトリエンやプロスタグランジンの合成を阻害し、炎症が起きるのを抑える。しかし、これらの非ステロイド系の抗炎症薬も胃腸障害、肝障害、腎障害、造血障害、SJ症候群、アスピリン喘息、皮膚炎などが副作用として知られており大きな問題となっている。
さらに、 炎症反応を抑制する有効な方法の一つは、炎症性サイトカインの産生を抑制、またはこれを不活性化することである。この例としては、メルク(カルビオケム)社から発売されているp38MAPキナーゼの阻害剤SB203580およびSB220025が挙げられる。これらの阻害剤は、角化細胞の細胞内情報伝達経路において、炎症性サイトカインの上流に位置するp38MAPキナーゼの活性を抑制するため、炎症性患者の治療薬として有用である。炎症性のケミカルメディエーターや炎症性サイトカインとして知られるPGE2、COX2、IL−6、IL−1β、ストレス性MAPキナーゼ、TNF−αを抑制したり、これらの拮抗体を含む組成物を適用することにより炎症を抑制する方法が開発されている。
本発明社ら者らは、本発明のASA誘導体が炎症の原因となる活性酸素を消去するだけでなく、これらの炎症性メディエーターや炎症性サイトカインも抑制し炎症そのものを改善する効果があることを見出した。
さらに、薬物による脳内の酸化障害に対してASA-2-リン酸Naやトコフェリルリン酸Na等が一定の効果を有することが、非特許文献4の本発明者らの研究でお明らかとなっている。かし、これらの既存のASA誘導体の抗炎症効果やラジカル疾患に対する効果は製剤中の安定性が悪いことなどから十分な効果を発揮することはできずASAラジカルが原因と見られる副作用の発生問題などもあった。紫外線照射障害などに対して高濃度のASAが存在するとASAラジカルが増大し、紅斑や炎症が返って拡大し治療効果が失われるという問題があった。叉は、炎症組織の好中球の発生させる活性酸素などがより副作用を促進するという問題もあった。
しかし従来のASA誘導体は、安定性が不十分か、効果が不十分か、ASAラジカルに変化しやすく副作用が大きいのいづれかか、その組み合わせの問題を有していた。
例えば、特許文献1−9、等で公知のASA誘導体はASAの2位叉は3位のどちらか一方が、修飾されていない状態のためにヘモグロビンなどの鉄タンパク共存下のではフェントン反応を誘導し、多量のASAラジカルを発生させ細胞や組織に酸化障害を誘導する。これが、ASAの副作用として、細胞を死滅させたり、近年報告が急増しているASA由来のアレルギーやアレルギー性接触性皮膚炎、非特許文献5、6、7を発生させる原因の一つになると考えられる。
既に公知にされているASA-2-リン酸エステルの塩類、特許文献1、及び2-o-グルコピラノシルASA、特許文献2、ASAリン酸ヒドロキシプロピル、特許文献3、サツカロASA誘導体 、特許文献4、ASAテトラ脂肪酸エステル誘導体 、特許文献5、アミノASA誘導体、特許文献6、ASA−2−リン酸エステルの高級脂肪酸エステル、特許文献7、L−ASA−2−O−マレイン酸−α−トコフェロールジエステル、特許文献8、L−ASA−2−O−リン酸−α−トコフェロールジエステル 、特許文献9は、いずれもASAの2位叉は3位に存在する2つの酸素のうち一方のみが修飾されているため、修飾されていない酸素原子が存在する。
したがって、ASA誘導体になっても、修飾されていない酸素原子による電子供与力が残存している。このため、ヘモグロビンなどの鉄や銅を含む酵素などが過酸化水素と反応して酸化反応を起こす時に2位叉は3位が修飾されていないASA誘導体を共存させると、その酸化反応が増強される。この時発生するASAラジカルは、電子スピン共鳴などのフリーラジカル検出装置により検出できる。
そして、両親媒性のASA誘導体やイオン導入等で組織内ASA濃度が高濃度になった場合などは、2位叉は3位が保護された2-o-グルコピラノシルASAなどのASA誘導体であってもASAラジカルが発生することが本発明者らの研究で判明した。 これは2位叉は3位が保護されたASA誘導体のほとんどが、酵素的に加水分解されない状態でも一方の保護されていない酸素原子が存在する為に還元作用を保持し水中で還元剤として働くことによる。
すなわち、還元作用を発揮した後は保護された修飾部分も加水分解されやすくなり非酵素的に酸化分解されてASAとなり強力な還元作用を持つに至り、このため、速やかに酸化されてASAラジカルとなりプロオキシダントとして作用すると考えられる。
この問題を回避するため、ASAの2位及び3位の両者を保護した、脂肪酸エステル2-o-グルコピラノシルASAや脂肪酸エステルリン酸ASA等が合成された。これにより、還元作用を示すASAの2位と3位が同時に保護された事になり、ASAの安定性の問題が一見解決されたように考えられた。
一度、脂肪酸が切断されると、水中で還元作用を発揮し、後は非酵素的にASAエステルが加水分解されやすくなり非酵素的に酸化分解されてASAとなり更に速やかに酸化されてASAラジカルとなりプロオキシダントとして作用する。
さらに、遊離した脂肪酸が、ASAのプロオキシダント効果により脂肪酸が酸化され、結果的に脂質過酸化物が生成し、これが原因で細胞死を誘導したり、炎症反応を促進してしまう原因になることが判明した。
即ち、2位、3位が同時に修飾されているだけでは、安定性が保てないということが判明した。これは、修飾される側鎖の性質により、ASA誘導体の安定性が大きく異なるという事であり、特に2位が安定な場合、3位にどのような側鎖が修飾されるかにより安定性が大きく異なる事を意味する。
以上のような事実から、本発明者らは、1)ASAの水溶性の修飾基は、リン酸よりもグルコースが安定性の点から良好である事。2)ASAの2位がグルコースの場合は3位の修飾基質が脂肪酸であると安定性が悪くなるので、それ以外のアルキル基などの側鎖を選択すべき事。3)炭素の側鎖は、8以上16以下が良好であること。
従って、本発明のグルコース構造を持つASAは、2つの着色物質の存在により変色が増強され、通常のASAやその誘導体に比較し、より褐変問題が深刻化し商品価値を目覚ましく減少させるという特殊事情が存在する。
このため、本発明に使用される、ASA誘導体は、例えば化粧料、食品組成物、および医薬品などに使用する場合、製品の色に影響を及ぼさないという点から、本発明のASA誘導体は、色の明度が高く、かつ、黄味が弱いほうが好ましい。
カテゴリー1)の不純物として側鎖が目的とする位置に結合していない誘導体の存在としては、2−o−グルコピラノシル−5−o−オクチルASA、2−o−グルコピラノシル−6−o−オクチルASA、2−o−グルコピラノシル−5、6−o−ジオクチルASAなどが含まれる。
これらの誘導体はASAの3位に修飾されていない酸素原子が存在するため、細胞中の酸化条件下でASAラジカル発生源となる。同時に本発明の2-G-3-O-ASA、2-G-3-EHG-ASAに比較して酸化分解され易い。
さらに、カテゴリー3)の不純物として分解反応により2位と3位がフリーとなった、2位3位に未修飾の酸素原子が存在するASAが存在するが、これはいうまでもなく極めて酸化され易く、着色や沈殿、異臭等を発生させ、酸化物はプロオキシダント化して細胞毒性や炎症反応などを誘導する点が問題であり、特に本発明の抗炎症作用を発揮させる製品では大きな問題となる。1)3)の不純物としてのASA誘導体或いは未修飾の酸素原子が残存すると、毒性が問題となるプロオキシダントであるASAラジカルが発生し易くなり、最終製品中で副作用等の問題の原因の一つとなる。
これらの、問題を解決する為には、晶析回数を増やすなどして、精製度をあげて、この不純物を取り除く事が重要であることが判明した。
さらに、高温ストレスなど環境温度の上昇時には、生体内の活性酸素量が急上昇することが知られており肝臓の酸化や体内脂質の過酸化物の増加等の現象が認められ、さらにASAラジカルの増加が報告されている。このような、ケースにおいてはASAや従来のASA誘導体の過剰投与は返って逆効果であり、本発明のようなASAラジカルを発生させないASA誘導体が求められる。
即ち、1)水中安定性が悪いために、経時変化で着色や悪臭等の問題を発生し易いこと。2)水に対する溶解性が低いために、低温や多価アルコール存在下で沈殿を生じ易いこと。3)ラメラ液晶を形成させた後に経時変化で乳化が壊れて分離し易いこと。
これらの、問題を解決するために、本発明者らが検討した結果、界面活性剤のHLBをある一定以上のものを選択すれば、これらの問題が解決できることを見いだした。HLB(Hydrophile-Lipophile Balance)値とは界面活性剤の水と油への親和性の程度を表す値である。この測定法としてグリフィン法、アトラス法など種々の方法があるが、本発明では、分子量から比較的容易に算出できる、グリフィン法を採用した。グリフィン法とはHLB値(以下単に「HLB値」と記載する。)は、以下の式で定義される。HLB値=20×親水部の式量の総和/全体の分子量
複数の既存の両親媒性ASA誘導体を検討した結果、本発明者らは、親水性側鎖として、グルコースが最も適しており、さらにHLB値が12以上15以下の範囲のものを使用することにより、上記1)2)3)の問題を解決できることを見いだした。
カテゴリー1)2−o−グルコピラノシル−5−o−オクチルASA、2−o−グルコピラノシル−6−o−オクチルASA、2−o−グルコピラノシル−5、6−o−ジオクチルASA
カテゴリー2)2−o−グルコピラノシル−3−o−オクチル−5−o−オクチルASA、2−o−グルコピラノシル−3−o−オクチル−6−o−オクチルASA、2−o−グルコピラノシル−35、6−o−トリオクチルASA
カテゴリー3)ASA
さらに、これらの高純度ASA誘導体の効果を利用した、組成物を提供することである。
(1)
以下の液体クロマトグラフィーの自動積分法により測定するとき、ピーク面積比が、全体のピーク面積比の95%以上となる、化1の2−o−グルコピラノシル−3−o−オクチルアスコルビン酸または化2の2−o−グルコピラノシル-3-o-エチルヘキシルグリセリルアスコルビン酸から選択される、単体叉は複数化合物から選択される、高純度の2-o-グルコピラノシル-3-o-エーテル結合型のアスコルビン酸誘導体。
(液体クロマトグラフィーの自動積分法)
精密にはかり取った検体を含む溶液をオクタデシル修飾シリカカラムを使用し、検出波長:265nm、溶離液:0.03MのH2KPO4水溶液:アセトニトリル=4:6(体積比)により2-o-グルコピラノシル-3-o-エーテル結合型のアスコルビン酸誘導体のピーク面積を自動積分法により測定した。
(化1)
(化2)
(2)
色の明度を表すL値が88以上であり、かつ色の色相を表すb値が6以下である、請求項1の高純度の2-o-グルコピラノシル-3-o-エーテル結合型のアスコルビン酸誘導体。
(3)
20℃、一気圧で固体である、請求項1の高純度の2-o-グルコピラノシル-3-o-エーテル結合型のアスコルビン酸誘導体。
(4)
以下の液体クロマトグラムの自動積分法により測定するとき、化3の2−o−グルコピラノシルアスコルビン酸誘導体とアスコルビン酸の合計のピーク面積比が、全体のピーク面積比の5%以下となる、2−o−グルコピラノシル−3−o−オクチルアスコルビン酸である請求項1の高純度の2-o-グルコピラノシル-3-o-エーテル結合型のアスコルビン酸誘導体。
(化3)
X1,X2,X3の一つ以上がC8H17で示されるオクチル基であり、X3がオクチル基の場合は、X1,X2の一つ以上がオクチル基であり、オクチル基以外の残のXnはHである。式中X1,X2,X3の全てがHであるものを除く。
(5)
以下の液体クロマトグラムの自動積分法により測定するとき、化4の2−o−グルコピラノシルアスコルビン酸誘導体とアスコルビン酸の合計のピーク面積比が、全体のピーク面積比の5%以下となる、2−o−グルコピラノシル−3−o−エチルヘキシルグリセリルアスコルビン酸である請求項1の高純度の2-o-グルコピラノシル-3-o-エーテル結合型のアスコルビン酸誘導体
(化4)
式中、Y1,Y2,Y3の一つ以上がC11H23O2で示されるエチルヘキシルグリセリル基であり、Y3がエチルヘキシルグリセリル基の場合は、Y1,Y2の一つ以上がエチルヘキシルグリセリル基であり、エチルヘキシルグリセリル基以外の残のYnはHである。式中Y1,Y2,Y3の全てがHであるものを除く。
(6)
以下の計算式で計算されるグリフィン法でHLB値を求めたときに12以上15以下となる、請求項1の高純度の2-o-グルコピラノシル-3-o-エーテル結合型のアスコルビン酸誘導体。
(HLB:HLBはHydrophile-Lipophile Balance)
HLB値=20×親水部の分子式量の総和/全体の分子量
(7)
以下の測定法と計算式でアスコルビン酸ラジカル抑制活性比を求めたときに1以上となる、請求項1のアスコルビン酸誘導体。
(アスコルビン酸ラジカル抑制活性の測定法)
ヒト由来表皮角化細胞に被験物質を添加して紫外線B波照射後、細胞培養上清に過酸化水素を添加し、スピントラップ剤を使用して電子スピン共鳴分光計(ESR)でアスコルビン酸ラジカル相対強度を測定し、以下の計算式でアスコルビン酸ラジカル抑制活性比を求めた。
アスコルビン酸ラジカル抑制活性比= a/b
a = 1/(本発明のアスコルビン酸誘導体のアスコルビン酸ラジカル相対強度)
b = 1/(比較品のアスコルビン酸誘導体のアスコルビン酸ラジカル相対強度)
但し、請求項1の液体クロマトグラフィーの自動積分法により測定するとき、ピーク面積比が、全体のピーク面積比の95%未満となる、請求項1の2-o-グルコピラノシル-3-o-エーテル結合型のアスコルビン酸誘導体を比較品とする。
(8)
以下の測定法と計算式でプロスタグランジンE2抑制活性比を求めたときに1以上となる、請求項1のアスコルビン酸誘導体。
(プロスタグランジンE2抑制活性比の測定法)
ヒト由来表皮角化細胞に紫外線B波照射後、被験物質を添加し24時間後に、細胞培養上清中のプロスタグランジンE2(PGE2)の濃度をELISA法によりPGE2濃度をもとめ、以下の計算式でプロスタグランジンE2抑制活性比を求めた。
生理活性比 = a/b
a = 1/(本発明のアスコルビン酸誘導体のPGE2濃度)
b = 1/(比較品のアスコルビン酸誘導体のPGE2濃度)
但し、請求項1の液体クロマトグラフィーの自動積分法により測定するとき、ピーク面積比が、全体のピーク面積比の95%未満となる、請求項1の2-o-グルコピラノシル-3-o-エーテル結合型のアスコルビン酸誘導体を比較品とする。
(9)
以下の測定法と計算式で抗シクロオキシゲナーゼ2(COX2)抑制活性比を求めたときに1以上となる、請求項1のアスコルビン酸誘導体。
(COX2抑制活性比の測定法)
ヒト由来表皮角化細胞に紫外線B波を照射後、被験物質を添加し、24時間後に、細胞を可溶化し、電気泳動法によりタンパク分離し、抗シクロオキシゲナーゼ2(COX2)モノクローナル抗体で反応処理した後、ウェスタンブロッティング法により、COX2発現相対値を求め、以下の計算式でCOX2抑制活性比を求めた。
COX2抑制活性比= a/b
a = 1/(本発明のCOX2発現相対値)
b = 1/(比較品のCOX2発現相対値)
但し、請求項1の液体クロマトグラフィーの自動積分法により測定するとき、ピーク面積比が、全体のピーク面積比の95%未満となる、請求項1の2-o-グルコピラノシル-3-o-エーテル結合型のアスコルビン酸誘導体を比較品とする。
(10)
以下の測定法と計算式でインターロイキン−6(IL-6)抑制活性比を求めたときに1以上となる、請求項1のアスコルビン酸誘導体。
(IL-6抑制活性比の測定法)
ヒト由来表皮角化細胞に被験物質を添加し、紫外線B波照射後、IL−6濃度を、ELISA法で測定し、以下の計算式でIL-6抑制活性比を求めた。
IL-6抑制活性比 = a/b
a = 1/(本発明のアスコルビン酸誘導体のIL-6濃度)
b = 1/(比較品のアスコルビン酸誘導体のIL-6濃度)
但し、請求項1の液体クロマトグラフィーの自動積分法により測定するとき、ピーク面積比が、全体のピーク面積比の95%未満となる、請求項1の2-o-グルコピラノシル-3-o-エーテル結合型のアスコルビン酸誘導体を比較品とする。
(11)
以下の測定法と計算式でインターロイキン−1β(IL−1β)抑制活性比を求めたときに1以上となる、請求項1のアスコルビン酸誘導体。
(IL-1β抑制活性比の測定法)
ヒト由来表皮角化細胞に紫外線B波照射後、被験物質を添加し、IL−1β濃度をELISA法を用いて測定し、以下の計算式でIL−1β抑制活性比を求めた。
IL-1β抑制活性比 = a/b
a = 1/(本発明のアスコルビン酸誘導体のIL-6濃度)
b = 1/(比較品のアスコルビン酸誘導体のIL-6濃度)
但し、請求項1の液体クロマトグラフィーの自動積分法により測定するとき、ピーク面積比が、全体のピーク面積比の95%未満となる、請求項1の2-o-グルコピラノシル-3-o-エーテル結合型のアスコルビン酸誘導体を比較品とする。
(12)
用途が、外用組成物、経口用組成物、注射用組成物から選択される、いずれかである、請求項1のアスコルビン酸誘導体を含有する組成物。
(13)
p38ストレス応答性MAPキナーゼのリン酸化抑制作用、ラットクロトン油耳浮腫抑制作用、ラットカラゲニン足浮腫抑制、ラット肉芽増殖抑制作用、から選択される一種以上の抗炎症作用を有する、請求項1のアスコルビン酸誘導体を含有する組成物。
(14)
用途が医薬品、医薬部外品、医療用培養薬品、医療機器、医療用具、未承認医薬品、化粧品、特別保健用食品、食品、動物用薬品、飼料、樹脂製品、建築材料、感光材、塗料、肥料、雑貨品、衣料品、培養組成物、水処理剤、空気浄化剤から選択される、いずれかである、請求項1のアスコルビン酸誘導体を含有する組成物。
(15)
ラメラ液晶をもつ乳化組成物である、請求項1のアスコルビン酸誘導体を含有する組成物。
但し、環境への負荷を低減し、かつコスト、安全性の点から水系溶媒が好ましく。水系溶媒としては、水の他、水を主体とし水と相溶する溶媒との混合溶媒を挙げることができる。
より具体的には、本発明のASA誘導体は、色の明度を表すL値(以下、単に「L値」ともいう)が90以上であり、かつ色の色相を表すb値(以下、単に「b値」ともいう)が5以下であることができ、L値が92以上であり、かつb値が4以下であることがより好ましく、L値が93以上であり、かつb値が3.5以下であることがさらに好ましい。L値は、物質が有する色の明度(lightness)を規定する値であり、0〜100の間の数値で表される。L値が100である場合最も明るい状態(完全な白色)を示し、一方、L値が0である場合最も暗い状態(完全な黒色)を示す。b値は、物質が有する色の色相(hue)を規定する値であり、b値が大きいほど黄味が強いことを示し、一方、b値が小さいほど青味が強いことを示す。なお、本発明のASAについては、L値およびb値を測定するものとする。L値およびb値は、JIS Z 8730によって規定される色差表示方法によって、Lab系色度座標で表示されることができる。 本発明のASAのL値およびb値は、例えば、色差計(商品名「COLOR AND COLOR DIFFERENCE METER MODEL 1001 DP」,日本電色工業株式会社製)に10Φレンズを装着し、ガラスセルに測定試料1g以上を敷き詰めて測定することができる。また、L値およびb値は、市販の色差計により測定することができる。
本発明のASA誘導体によれば、色差計により測定されたL値が90以上であり、かつb値が5以下であることにより、さらなる精製工程を必要とせずに、化粧料、食品、および医薬品の原料として使用することができる。
本発明の請求項の外用組成物、経口組成物、注射剤の例としては、医薬品、医薬部外品、医療用培養薬品、医療機器、医療用具、未承認医薬品、化粧品、食品、飼料、培養薬品、肥料、動物用品、動物用化粧品などが含まれ、例えば、皮膚に接触させて使用するスポーツ用の人体用テープ、スポーツ用の冷却剤、皮膚用接着剤、ネックレス、腕輪、人体用接着フィルム、人体用ペイント、人体用等の装飾品、ストッキング、下着、マスクなど直接肌に接触する衣類もこれに含まれる。
また、経口投与する製品全てを含み、例えば、食品、食品添加物、飼料、飼料添加物、ペットフード、医薬品、医薬部外品、医療用培養薬品、医療機器、医療用具、未承認医薬品、サプリメント、ドリンク飲料、機能性食品、美容食品、動物用医療機器、動物用医療用具のうち、経口投与する製品も含む。例えば、経口型カプセル状胃カメラなどの生分解性カプセル素材なども含む。
さらに、手術等を行って体内臓器に直接外用接触させたり注射器などで注入して使用する製品全てを含み、例えば、医薬品、医薬部外品、医療用培養薬品、医療機器、医療用具、未承認医薬品のうち体内で使用する製品を含み、インプラント、ステント、人工血管、体内用生分解性ガーゼ、体内用縫合糸などを含む。本請求項の化成品は、個体、液体、粉体、ガラス状、ゲル、泡、蒸気、顆粒、噴霧等の形態をとることができる。
本発明における炎症の原因が病原性微生物、ウィルス感染、寄生虫感染とは、インフルエンザウィルス、スタフィロコッカス・アウレウス、マラセチア、カンジダ、トリコフィトンルブルム、プロピオニバクテリウムアクネス、マイコプラズマなど、病原性微生物、ウィルス感染、寄生虫感染による病原性発現に伴う炎症であり、これらの病原体に限定されない。
一方、ASAなどの殆どの抗酸化物質は、相手を還元すると、逆に酸化を促進する物質に変化することが知られている。酸化物質を作る物質をプロオキシダントという。ASAは、酸化されると、相手を酸化する作用の強いASAラジカルというフリーラジカルに変化することがある。ASAラジカルは、プロオキシダントの一種である。
又、本発明の2-G-3-O-ASAのラメラ液晶乳化組成物は、同物質のラメラ液晶構造をもたない乳化組成物に比較し、ヒト皮膚紫外線B波照射実験による紅斑のLabインデックスのa値の測定による赤み炎症率が85%に抑制された。
ラットを使用した経口投与の試験では、ラメラ液晶乳化組成物は、血中濃度が同物質のラメラ液晶構造をもたない乳化組成物に比較し、127%高まり、血中抗酸化力が平均で115%程度高まった。さらに上記本発明のラメラ液晶乳化組成物の2-G-3-O-ASAと同物質のラメラ液晶構造をもたない乳化組成物をそれぞれ1%配合した生理食塩水を、0.45μmのメンブランフィルターとエンドトキシン除去フィルターを通過させた注射液を使用した、静脈注射投与試験では、本発明のラメラ液晶乳化組成物である2-G-3-O-ASAは、同物質のラメラ液晶構造をもたない乳化組成物に比較し、投与後3時間経過後の血中濃度が1.8倍高まり、それに比例し血中抗酸化力も平均で2.1倍高まった。これにより、本発明品の徐放性能が確認された。
これらの結果より、本発明の製剤は経口用組成物、食品、培養組成物、動物薬、飲料用水処理剤、空気浄化剤、医薬品、医薬部外品、未承認医薬品、化粧品として極めて有効であることが確認された。
ところで、ラメラ液晶構造(ベシクル構造)とは、皮膚細胞間脂質にみられるように、乳化物を構成する外膜が水-脂質-水-脂質-水…と規則正しく交互にサンドイッチのような多層液晶構造を成している。この薄い結晶の構造がラメラ液晶(ラメラ構造、ベシクル液晶)といわれる。このラメラ液晶構造を持つ乳化粒子を偏光顕微鏡クロスニコル下で観察すると、典型的な負の球晶(屈折率楕円体の遅相軸[分子鎖方向]が球晶半径方向に垂直)の画像が得られこれをマルテーゼクロス(十字状の影。マルタ十字のこと)像という。
このラメラ液晶構造を持つ乳化粒子の存在を確認するには、1)偏光顕微鏡観察による、マルテーゼクロスの確認、叉は2)電子顕微鏡による多層構造の直接確認などの方法がある。1)は、粒子径が1μm以下になるとマルテーゼクロスが小さすぎて検出しにくくなる。2)は、電子顕微鏡で観察するまでの煩雑な処理が必要であるが、100nmほどの微細粒子の多層構造が観察できる。
本発明の分析に使用される充填剤は基本的にシリカゲルを用いるが、中性シリカゲルやアルミナを用いたり、展開溶媒に塩基を加えたりすることもできる。一般的には、微細な(数μm)真球状の多孔質シリカゲルをステンレス製の管に充填したものを使用する。本名の分析に使用できるカラムとしてはODSカラムが適している。ODSとは、オクタデシルシリル(Octa Decyl Silyl) 基 (C18H37Si) のことであり、この物質で表面が修飾された化学結合型多孔性球状シリカゲルが固定相として充填されているタイプのものを使用することができる。逆相クロマトグラフィーを利用することもできる。
逆相クロマトグラフィーは、固定相に低極性のもの(例えばシリカゲルにアルキル基を共有結合させたもの)を、移動相に高極性のもの(例えば水や塩類の水溶液、アルコール、アセトニトリルなどの有機溶媒)を用いるHPLC法である。この場合、分析物はより極性の低いほどより強く固定相と相互作用して溶出が遅くなる。また極性の低い物質の割合が多い移動相ほど溶出が早くなる。
充填剤の使用可能なpHの範囲は特に限定されないがpH2〜8が適している。pH8以上ではアルカリ側ではシリカの溶解が起こり、またpH2以下ではSi-C結合の切断が生じてしまう。耐アルカリ性を改善したカラムであるシリカゲルをポリマーでコーティングしたものや、合成ポリマー表面にオクタデシル基を導入したカラムを使用することもできる。
本発明の分析法で最も適当なHPLC条件は次の通りである。本発明では、ASA誘導体を定量するにあたり、高速液体クロマトグラフ用カラムを用いており、このようなカラムを用いることにより効果的に分析できる。本発明の分析方法で使用する分析カラムとしては、シリカ系カラム、例えば、昭和電工(株)製 ShodexC18P4Eが好適である。シリカ系カラムでのHPLC法の分析条件の一例は次のとおりである。
検体O.01gを100mlの水に溶解し、試験溶液とする。試験溶液20μlを、Shodex C18P 4Eを使用し、を使用し、検出:265nm、溶離液:0.03MのH2KPO4溶液:アセトニトリル=4:6(体積比)、カラム温度:40℃、流速: 0.7ml / min により検体のピーク面積を自動積分法により測定した。
定量を、ポリマー系カラムによるHPLC分析で行なう場合は、本カラムが同一分子量の物質を分離しにくいために、本発明の真の純度を精密に定量する事ができない。ポリマー系カラムの分析法の一例を以下に示す。
検体O.01gを100mlの水に溶解し、試験溶液とする。試験溶液20μlを、Shodex SB802を使用し、を使用し、検出:265nm、溶離液:0.03MのH2KPO4溶液、カラム温度:65℃、流速: 1.2ml / min により検体のピーク面積を自動積分法により測定した。
前記、HPLC法により、精製前の2-G-3-O-ASAには、不純物として10%以上の複数の副生成物が含まれていた。
2-G-3-O-ASAのその他の複数の副生成物としては、分子量で物質を分離できるHPLCカラムにより、目的物以外に2つの面積計測可能なピークと1つの痕跡ピークが確認され、元素分析とC-NMRの結果から面積可能なピークは2−o−グルコピラノシル−3,6−o−ジオクチルASAと2−o−グルコピラノシル−3,5,6−o−トリオクチルASAであることが判明した。
2-G-3-EHG-ASAのその他の複数の副生成物としては、分子量で物質を分離できるHPLCカラムにより、目的物以外に1つの面積可能なピークと1つの痕跡ピークが確認され、元素分析とC-NMRの結果から2−o−グルコピラノシル3,6-o-ジエチルヘキシルグリセリルASAであることが判明した。痕跡ピークは、定性が不可能であったが、2-G-3-O-ASAの不純物の結果より、2−o−グルコピラノシル−3,5,6−o−トリエチルヘキシルグリセリルASAである可能性が高いと考えられた。
これらの、問題を解決する為には、本発明の2-o-グルコピラノシル3-o-エーテル結合型のASA誘導体のシリカ系カラムでのHPLCでのピーク面積比が、全体のピーク面積比の95%以上としなければならないことが判明した。
例えば、強酸性カチオン交換樹脂はスルホン酸基を結合したスチレン−ジビニルベンゼン架橋共重合体樹脂のアルカリ金属塩型、アルカリ土類金属塩型、またはH+型などが適宜使用できる。市販品としては、ダウケミカル社製造の商品名ダウエックスTM 50W×8、ダウェックス50W×4、Ca2+型、ダウケミカル社製造、カチオン交換 樹脂:東京有機化学工業製造、XT−1016、H+型。さらに、ローム&ハース社製造の商品名アンバーライトTMCG−120、三菱化学社製造の商品名ダイヤイオンTM SK104,ポーラス型 ダイヤイオンPKシリーズ、強酸性樹脂PK216、ポーラス型 ダイヤイオン PAシリーズ(1型)強塩基性樹脂PA308、ダイヤイオン混床樹脂PK216/PA308などがある。
イオン交換樹脂による精製方法の例としては、本発明のASA誘導体を含む未精製反応液を陽イオン交換樹脂、三菱化学製のダイヤイオンPK216で脱塩する。この陽イオン交換樹脂は官能基がナトリウム型であるため、塩酸を通液して、官能基を水素型に変換してからイオン交換を行う必要がある。次に、この液を三菱化学製のダイヤイオンPA316の陰イオン交換樹脂に通液して、低級有機脂肪酸の分離除去を行う。
即ち、溶離液に溶かされた検体を、シリカゲルを充填したカラムを使用し、溶離液:0.03MのH2KPO4溶液:アセトニトリル=4:6(体積比)によりカラムを通過させ、目的のピークを取得する。
ポリマー系カラムによる精製を行なう場合は、本検体が溶かされた溶離液を、ビニルアルコール・コポリマー樹脂ビーズを充填したカラムを溶離液:0.03MのH2KPO4溶液と使用して通過させて、目的のピークを取得する。
次にこれらに、種晶を加えて、20℃で3時間撹拌し、その後72時間かけて徐々に4℃まで下げ、本発明の2-o-グルコピラノシル3-o-エーテル結合型のASA誘導体を分取し、4℃の精製水で洗浄し、さらに溶解し、再結晶化を繰り返す。
精製に用いるクロマトグラフィー条件(温度、流速、添加液組成,濃度,液量など)はカラムクロマトグラフィーにおける一般的事項(カラムの規模、樹脂の物理的特性、交換容量、分離能、添加液の粘度,溶解度等)を考慮して設定すれば特に限定されない。得られた本発明の2-o-グルコピラノシル3-o-エーテル結合型のASA誘導体を含む溶液より、そのままあるいは有機溶媒沈殿等を経て、噴霧乾燥,減圧乾燥,凍結乾燥等で溶媒を除去することにより2-o-グルコピラノシル3-o-エーテル結合型のASA誘導体の粉末が得られる。有機溶媒沈殿を用い2-o-グルコピラノシル3-o-エーテル結合型のASA誘導体の粉末を得る場合、陰イオン交換法でカラムに添加するときは溶媒への溶解性の高いものを用いると純度的により有利となる。
本発明の、ASA誘導体が、高いプロオキシダント抑制活性、PGE2抑制活性、COX2抑制活性、IL−6抑制活性、IL−1β抑制活性、ストレスMAPキナーゼ活性化抑制活性、抗炎症効果を有する外用組成物、経口用組成物、注射用組成物として有効である。
化1の2-G-3-O-ASAの製造方法は、本発明者らの先の特許第5512148号(P5512148)の実施例9に記載の製造方法を利用し、さらに本発明の高濃度の本発明の2-G-3-O-ASAを得るために、特別な精製工程を追加した。すなわち、 アルゴン雰囲気下、2-o-グルコピラノシルASA(5.00g)に、炭酸水素ナトリウム(1.24g)及びDMSO10mLを加え、さらにオクチルブロマイド(2.86g)を加えた。100℃に加温し5時間攪拌した後、水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下に濃縮して得られた残渣6.54gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。その後、クロロホルム/メタノール/水=20/3/0.3混液にて溶出し、減圧下にて濃縮を行い、2-G-3-O-ASAの高粘度液状物質(20℃、一気圧)を得た。これを実施例3のシリカ系カラムによるHPLC分析によるピーク面積比を測定したところ、2-G-3-O-ASAのリテンションタイムにピークが認められ、本物質が2-G-3-O-ASAであることを確認し、そのピーク面積比が全体のピーク面積比の92.6%であった。又、色差計に10Φレンズを装着し、ガラスセルに測定試料1g以上をいれて白色スクリーンをバックに測定したところ測定したところL値が87.5であり、b値が7.1であった。
従って、これは請求項1記載の95%未満に該当し、本発明ではない、比較品の2-G-3-O-ASAであることを確認した。本物質を、以下「比較品の2-G-3-O-ASA」と称する。以下の実施例では、この方法で製造したものを「比較品の2-G-3-O-ASA」として使用した。
比較品の2-G-3-O-ASA、3gを超純水100mlに溶解後、撹拌しながら、シリカゲルを充填したカラムを使用し、溶離液:0.03MのH2KPO4溶液:アセトニトリル=4:6(体積比)によりカラムを通過させ、2-G-3-O-ASA分画を採取し、更にこれを強酸性カチオン交換樹脂(商品名「ダウェックス50WX4」、Ca2+型、ダウケミカル社製造)を用いて2-G-3-O-ASAのカラム画分を採取し,これをカチオン交換 樹脂(東京有機化学工業製造、XT−1016、H+型)で金属を取り除き、さらに減圧濃縮する。その後4℃の冷蔵庫で72時間かけて徐々に水分を蒸発させ、固体を分取後、シャーレに広げ、凍結乾燥機にて乾燥させ本発明の高純度2-G-3-O-ASAのガラス状固体(20℃、一気圧)を1.15gを採取した。これを液体クロマトグラムの自動積分法により測定したところ、2-G-3-O-ASAのリテンションタイムにピークが認められ、実施例3のシリカ系カラムによるHPLC分析によるピーク面積比は、98.5%であった。従って、これは本発明の請求項1の95%以上の物質に該当し、本発明の高純度2-G-3-O-ASAであることを確認した。又、色差計に10Φレンズを装着し、ガラスセルに測定試料を粉砕して粉末化したものを敷き詰めて白色スクリーンをバックに測定したところL値が94.5であり、b値が1.1であった。
得られた本発明の生成物について、HPLC、1H-NMR、13C-NMR測定、IR測定を行い、この測定結果より、この生成物は、(化1)で表される高純度2-G-3-O-ASAであることが確認された。
2-G-3-EHG-ASAの製造方法は、アルゴン雰囲気下、2−o−グルコピラノシルASA(30g)に、DMF10mLを加え、さらにエチルヘキシルグリシジルエーテル(40g)を加えた。100℃に加温し12時間攪拌した後、水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下に濃縮して得られた残渣76gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。その後、クロロホルム/メタノール/水=20/3/0.3混液にて溶出し、減圧下にて濃縮を行うことにより高粘度液状物質(20℃、一気圧)の2-G-3-EHG-ASAを得た。これを液体クロマトグラムの自動積分法により測定したところ2-G-3-EHG-ASAのリテンションタイムにピークが認めらこの結晶が2-G-3-EHG-ASAであることを確認した、さらに実施例3のシリカ系カラムによるHPLC分析によるピーク面積比は、全体のピーク面積比の93.3%であった。又、色差計に10Φレンズを装着し、ガラスセルに測定試料をいれて白色スクリーンをバックに測定したところL値が86.9であり、b値が6.9であった。
従って、これは請求項1記載の95%未満に該当し、本発明ではない、比較品の2-G-3-EHG-ASAであることを確認した。本物質を、以下「比較品の2-G-3-EHG-ASA」と称する。以下の実施例では、この方法で製造したものを「比較品の2-G-3-EHG-ASA」として使用した。
比較品の2-G-3-EHG-ASA、3gを超純水100mlに溶解後、撹拌しながら、シリカゲルを充填したカラムを使用し、溶離液:0.03MのH2KPO4溶液:アセトニトリル=4:6(体積比)によりカラムを通過させ、2-G-3-EHG-ASA分画を採取し、更にこれを強酸性カチオン交換樹脂(商品名「ダウェックス50WX4」、Ca2+型、ダウケミカル社製造)を用いて2-G-3-EHG-ASAのカラム画分を採取し,これをカチオン交換 樹脂(東京有機化学工業製造、XT−1016、H+型)で金属を取り除き、さらに減圧濃縮した。その後4℃の冷蔵庫で72時間かけて徐々に水分を蒸発させ固体を分取後、シャーレに広げ、凍結乾燥機にて乾燥させ本発明の高純度2-G-3-EHG-ASAのガラス状固体(20℃、一気圧)を1.23gを採取した。これを液体クロマトグラムの自動積分法により測定したところ、2-G-3-EHG-ASAのリテンションタイムにピークが認められ、実施例3のシリカ系カラムによるHPLC分析によるピーク面積比は、97.9%であった。従って、これは本発明の請求項1の95%以上の物質に該当し、本発明の高純度2-G-3-EHG-ASAであることを確認した。又、色差計に10Φレンズを装着し、ガラスセルに測定試料を粉砕して粉末化したものを敷き詰めて白色スクリーンをバックに測定したところL値が93.7であり、b値が1.8であった。
3362,2928,2874,1751,1668,1329,1078,1020,989
以下に液体クロマトグラフィー(HPLC)の分析条件を示す。以下、実施例でHPLC分析をした場合は、特別に記載がない限り、この方法で分析を行った。
検体O.01gを100mlの水に溶解し、試験溶液とする。試験溶液20μlを、Shodex C18P 4Eを使用し、を使用し、検出:265nm、溶離液:0.03MのH2KPO4溶液:アセトニトリル=4:6(体積比)、カラム温度:40℃、流速: 0.7ml / min により検体のピーク面積を自動積分法により測定した。
以下に液体クロマトグラフィー(HPLC)の分析条件を示す。以下、実施例でHPLC分析をした場合は、特別に記載がない限り、この方法で分析を行った。検体O.01gを100mlの水に溶解し、試験溶液とする。試験溶液20μlを、Shodex SB802を使用し、を使用し、検出:265nm、溶離液:0.03MのH2KPO4溶液、カラム温度:65℃、流速: 1.2ml / min により検体のピーク面積を自動積分法により測定した。
本発明のASA誘導体に100倍量の超純水を加えて再溶解させたのち、さらに70W/W%まで減圧濃縮し、4℃の冷蔵庫で30日かけて徐々に水分を蒸発させ再結晶化を行い、分取後、凍結乾燥機にて乾燥させ本発明の標準品を採取した。これを液体クロマトグラムの自動積分法により測定したところ、単一のピークが認められ、シリカ系カラム、ポリマー系カラム共に、そのピーク面積比が全体のピーク面積比の100.0%であった。これをHPLC用の標準とした。
(標準品2)
本発明品のASA誘導体3gを超純水100mlに溶解後、撹拌しながら、99.5%エタノール200mlを徐々に加え6時間静置した後、生成した結晶をろ取し、再び100mlの超純水に溶解し、4℃の冷蔵庫で30日かけて徐々に水分を蒸発させ再結晶化を行い、分取後、凍結乾燥機にて乾燥させ本発明の標準品を採取した。この結晶をシャーレに広げ、これを凍結乾燥機にて乾燥させたものを標準品として使用した。これを液体クロマトグラムの自動積分法により測定したところ、単一のピークが認められ、シリカ系カラム、ポリマー系カラム共に、そのピーク面積比が全体のピーク面積比の100.0%であった。これをHPLC用の標品とした。
本発明品の実施例の1と2の製品、比較例の1と2の製品、実施例4の標準品1と2についてそれぞれ前記のシリカ系カラムとポリマー系カラムによるHPLC分析法の2種の方法で、別々にHPLC分析を行った。 その結果、実施例3のシリカ系カラムによるHPLC分析では、11分前後に2-G-3-O-ASAの標準品1及び標準品2の単一ピークが得られた。前記ポリマー系カラムによるHPLC分析のHPLC分析では、32分前後に2-G-3-O-ASAの標準品1及び標準品2の単一ピークが得られた。
実施例3のシリカ系カラムによるHPLC分析では、4分前後に2-G-3-EHG-ASAの標準品1及び標準品2の単一ピークが得られた。前記のポリマー系カラムによるHPLC分析では、26分前後に2-G-3-EHG-ASAの標準品1及び標準品2の単一ピークが得られた。これらのHPLC分析で求められた、前記比較品及び本発明品の面積比率の結果を以下表にまとめた。
又、前記ポリマー系カラムによるHPLC分析によるHPLC分析では、比較例1の比較品の2-G-3-O-ASAのピーク面積比は、97.5%であり、実施例1の本発明品は、98.9%であった。前記ポリマー系カラムによるHPLC分析によるHPLC分析では、比較例2の比較品の2-G-3-EHG-ASAのピーク面積比は、96.4%であり実施例2の本発明品は、98.5%であった。
前記ポリマー系カラムによるHPLC分析によるHPLC分析では、いずれも比較品1及び比較品2の分析値は、95%以上の高い値となり、実施例3のシリカ系カラムによるHPLC分析結果と完全に矛盾する結果となった。これにより、前記ポリマー系カラムによるHPLC分析では、同分子の異性体が分離できていないことが判明した。表1に2-G-3-O-ASAのシリカ系カラムによるHPLC分析によるピーク面積比率を示す。表2に2-G-3-EHG-ASAのシリカ系カラムによるHPLC分析による2-G-3-O-ASA及び2-G-3-EHG-ASAのシリカ系カラムによるHPLC分析によるピーク面積比率を表1及び表2に示す。
以下表の本発明の高純度の2-G-3-O-ASA及び2-G-3-EHG-ASAの溶解度比と比較品の2-G-3-O-ASA及び2-G-3-EHG-ASAの溶解度比の溶解度を以下記載の溶解度測定法、計算式により精製水に対する溶解度比を求めた結果を表に示した。
(溶解度測定法)
被験物質と同重量の精製水を添加し、25°Cで30分振盪後、遠心分離し、HPLC法にて上澄液の濃度を測定し、以下のa,b値を用いてそれぞれの物質の溶解度比を求めた。
溶解度比= a/b
a =本発明のASA誘導体の上澄液の濃度
b =aに対応する同物質の比較品のASA誘導体の上澄液の濃度
(計算式)
a/b=溶解度比
表3に本実験結果である溶解度比を示す。本結果より本発明の2-G-3-O-ASA及び2-G-3-EHG-ASAは、比較品に対して溶解度比が1以上となり、精製水に対して高い溶解度をもつことが確認された。
ヒト由来表皮角化細胞を細胞培養プレートに播種し、10%ウシ胎児血清を添加したDMEM培地にて、37℃、5%CO2の空気雰囲気で、飽和密度になるまで培養した。被験物質を最終濃度0.05%(重量)で培養液に添加して紫外線B波を60[mJ/cm2]の強度で照射し培養上清を回収した。この培養上清に過酸化水素を添加してフェントン反応させ、スピントラップ剤を使用して電子スピン共鳴分光計でASAラジカル強度をピークの高さとして測定し、ASAラジカル相対強度をもとめ、以下の計算式でもとめたa,b値を用いてASAラジカル相対強度についての生理活性比を求めた。内部標準としてMnを使用した。
ASAラジカル抑制活性比 = a/b
a = 1/(本発明のASA誘導体のASAラジカル相対強度)
b = 1/(比較品のASA誘導体のASAラジカル相対強度)
ESR測定装置条件は、本発明者のItoの方法 (S. Ito, et. al , Toxicology, vol. 30, no. 1-2, pp. 96-110, 2007.) によって測定された。即ち、標準の活性酸素の発生により検出されたラジカルとラッピング剤の固有のアダクトシグナルのg-値とhfccよりROSの種類が識別された。スペクトラムの強度はスペクトルの高さを測定することにより導かれた。使用されたラジカルとラッピング剤は、以下の通りである。5- (diphenylphosphinoyl)-5-methyl-4,5-dihydr-O-3H-pyrrole -N- oxide (DMPO)。ラジカルの相対的な強度比は、第3MnO信号強度と比較されることにより算出された。測定装置:ESR (ESR)分光計 (JEOL、JES-FA200分光計、東京。ESR universal cavity (JEOL, ES-UCX2:TE011 mode cavity) X-バンド マイクロウェーブユニット (8.750-9.650 GHz). MnOは、 JEOL DATUM (MO7-FB-4)によるESR標準を使用。 サンプルセル (JEOL, ES-LC12); サンプル量: 10-100μl. ティシュータイプ:クウォーツセルを使用 (ラボテック社製, 東京) しカバーグラス装着(40x5x0.5mm)。ASAラジカルのESRスペクトルピ-クを識別するために、標準試薬として日本薬局方のASAを用いてg-値とhfccが利用され、ESR装置に組み込まれた専用の分析ソフトウェア (ESRコンピュ-タ・ソフトウェア、A-System vl.40 ISAJ、FA-マネ-ジャvl.20、JES、東京、日本)によって、自動的にスペクトルのピークの高さが算出された。同様に測定した平均値を結果として表5に示す。尚、標準のASAの高さを100%とした。この結果から、本発明の2-G-3-O-ASAと本発明の2-G-3-O-ASAは、その比較品のASAラジカル強度が50%以上であったのに対して、本発明品のASAラジカルの発生量が50%以下と極めて小さくなることが確認された。表5は、ESRによるASAラジカルピークの相対高さの比率(%)である。
ヒト由来表皮角化細胞を細胞培養プレートに播種し、10%ウシ胎児血清を添加したDMEM培地にて、37℃、5%CO2の空気雰囲気で、飽和密度になるまで培養した。培地をカルシウム・マグネシウム含有ハンクス平衡塩液(インビトロジェン)に置換し、これに紫外線B波を60[mJ/cm2]の強度で照射後、被験物質を最終濃度50μMで培養液に添加したDMEM培地に置換した。24時間後に、細胞培養上清を回収し、その中のプロスタグランジンE2(PGE2)の濃度をプロスタグランジンE2キットにてELISAにより測定し、PGE2濃度をもとめ、以下の計算式でもとめたa,b値を用いてPGE2抑制活性についての生理活性比を求めた。
生理活性比 = a/b
a = 1/(本発明のASA誘導体のPGE2濃度)
b = 1/(比較品のASA誘導体のPGE2濃度)
表5に本実験結果であるPGE2抑制比を示す。
ヒト由来表皮角化細胞を細胞培養プレートに播種し、10%ウシ胎児血清を添加したDMEM培地にて、37℃、5%CO2の空気雰囲気で、飽和密度になるまで培養した。培地をカルシウム・マグネシウム含有ハンクス平衡塩液(インビトロジェン)に置換し、これに紫外線B波を60[mJ/cm2]の強度で照射後、被験物質を最終濃度50μMで培養液に添加したDMEM培地に置換した。24時間後に、1%ノニデットP40、5mMエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム、1%プロテアーゼ阻害剤カクテルを添加した20mMトリス・塩酸緩衝液(pH7.4)を用いて細胞を可溶化し、レムリ法によるポリアクリルアミド電気泳動により蛋白質を分離し、ニトロセルロース膜に転写した。ニトロセルトース膜は、5%スキムミルク、0.1%ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレートを含むトリス緩衝生理食塩水(pH7.4)を用い、室温で2時間ブロッキング処理した後、抗シクロオキシゲナーゼ2(COX2)モノクローナル抗体を用いた一次抗体反応、西洋ワサビペルオキシダーゼ標識抗マウス抗体を用いた二次抗体反応を行ったのち、ウェスタンブロッティング法により、抗原量を化学発光法によりバンド検出し、バンドの発光量を画像解析ソフトで解析してCOX2発現相対値を定量化した。COX2発現相対値の内部標準としては、グリセルアルデヒド3リン酸脱水素酵素(GAPDH)のバンドの発光量を用いた。この方法で求めたCOX2発現相対値について以下の計算式でもとめたa,b値を用いてCOX2抑制比を求めた。
COX2抑制比= a/b
a = 1/(本発明のASA誘導体のCOX2発現相対値)
b = 1/(比較品のASA誘導体のCOX2発現相対値)
表6に本実験結果であるCOX2抑制比を示す。
ヒト由来表皮角化細胞を細胞培養プレートに播種し、10%ウシ胎児血清を添加したDMEM培地にて、37℃、5%CO2の空気雰囲気で、飽和密度になるまで培養した。被験物質を最終濃度50μMで培養液に添加し、3時間後に、紫外線B波を60[mJ/cm2]の強度で照射し、24時間後に培養上清中のインターロイキン6(IL−6)濃度を、ヒトIL−6ELISAキットにてELISA法で測定し、IL-6濃度をもとめ、以下の計算式でもとめたa,b値を用いてインターロイキン−6抑制比を求めた。
インターロイキン−6抑制比= a/b
a = 1/(本発明のASA誘導体のIL-6濃度)
b = 1/(比較品のASA誘導体のIL-6濃度)
表7に本実験結果であるインターロイキン−6抑制比を示す。
ヒト由来表皮角化細胞を細胞培養プレートに播種し、10%ウシ胎児血清を添加したDMEM培地にて、37℃、5%CO2の空気雰囲気で、飽和密度になるまで培養した。培地をカルシウム・マグネシウム含有ハンクス平衡塩液(インビトロジェン)に置換し、これに紫外線B波を60[mJ/cm2]の強度で照射後、被験物質を最終濃度50μMで培養液に添加したDMEM培地に置換した。24時間後に、ヒトIL−1βELISAキットにて培養上清中のインターロイキン1β(IL−1β)濃度をELISA法を用いて測定し、IL−1β濃度をもとめ、以下の計算式でもとめたa,b値を用いてIL−1β抑制比の測定を求めた。
IL−1β抑制比の測定= a/b
a = 1/(本発明のASA誘導体のIL−1β濃度)
b = 1/(比較品のASA誘導体のIL−1β濃度)
表8に本実験結果である IL−1β抑制比を示す。
2-G-3-O-ASA2gと2-G-3-EHG-ASA2gにグリセリン20gを添加した混合物を電動式ミキサーで10分間よく練る。次に、オリーブ油、ホホバ油、大豆油、ツバキ油を記載された順番に一種について5gづつ添加し、電動式ハンドミキサーで5分間づつよく練る。これに精製水を加えて100gとし、なるべく泡が立たないように電動式ハンドミキサーで10分間撹拌して完全に分散させて本発明の乳化組成物を得た。この乳化組成物を偏光顕微鏡で観察するとラメラ液晶(ベシクル構造)をもつ乳化カプセルに特有な干渉像(マルテーゼクロス像)が得られ、この乳化組成物がラメラ液晶を有することが確認された。
2-G-3-O-ASAを2gとグリセリン20gを添加した混合物を電動式ハンドミキサーで10分間よく練る。次に、オリーブ油、ホホバ油、大豆油、ツバキ油、ステアリン酸、パルミチン酸を記載された順番に一種について3gづつ添加し、電動式ハンドミキサーで5分づつよく練る。これに精製水を加えて100gとし、なるべく泡が立たないように電動式ハンドミキサーで10分間撹拌して完全に分散させて本発明の乳化組成物を得た。この乳化組成物を偏光顕微鏡で観察するとラメラ液晶(ベシクル構造)をもつ乳化カプセルに特有な干渉像(マルテーゼクロス像)が得られ、この乳化組成物がラメラ液晶を有することが確認された。
グリセリン20gに2-G-3-O-ASA2g,オリーブ油、ホホバ油、大豆油、ツバキ油、ステアリン酸、パルミチン酸をそれぞれ3gづつ添加し充分に混合する。これに精製水を加えて100gとし、なるべく泡が立たないように電動式ハンドミキサーで10分間撹拌して完全に乳化分散させて比較例の乳化組成物を得た。この乳化組成物を偏光顕微鏡で観察したがラメラ液晶(ベシクル構造)をもつ乳化カプセルに特有な干渉像(マルテーゼクロス像)は認められなかった。これを2-G-3-O-ASAの比較例3の乳化組成物とした。
実施例13の2-G-3-O-ASAのラメラ液晶を持つ本発明の乳化組成物は、上記比較例3の2-G-3-O-ASAの乳化組成物に比較し5%水溶液の40℃x6ヶ月の加速試験における着色や沈殿の発生、異臭の発生が低下し製剤の安定性が高まり、試験終了時の残存率が112%も高かった。又、本発明の2-G-3-O-ASAのラメラ液晶乳化組成物は、比較例3の2-G-3-O-ASAの乳化組成物に比較し、3次元ヒト皮膚モデルを使用した皮膚浸透性試験により表皮組織での誘導体の濃度がHPLC法による測定で175%高まり、紫外線由来炎症により発生するヒト皮膚紫外線B波照射実験による紅斑のLabインデックスのa値の測定による赤み炎症率が73%に抑制された。本発明品の経口投与の腸管吸収性試験では、吸収率が比較例の同物質に比較し、147%高まり、血中抗酸化力が平均で129%程度高まった。さらに上記本発明の2-G-3-O-ASAと上記比較例の2-G-3-O-ASAをそれぞれ1%配合した生理食塩水を、0.45μmのメンブランフィルターとエンドトキシン除去フィルターを通過させた注射液を使用した、静脈注射投与試験では、本発明の2-G-3-O-ASAは、比較例の同物質に比較し、投与後3時間経過後の血中濃度が比較例品に比較し3倍高まり、それに比例し血中抗酸化力も平均で3倍高まった。これにより、本発明品の徐放性能が確認された。
これらの結果より、本発明の製剤は経口用組成物、食品、培養組成物、動物薬、飲料用水処理剤、空気浄化剤、医薬品、医薬部外品、未承認医薬品、化粧品として極めて有効であることが確認された。
2-G-3-EHG-ASAを0.02mol/Lとグリセリン20gを添加した混合物を電動式ハンドミキサーで10分間よく練る。次に、オリーブ油、ホホバ油、大豆油、ツバキ油、ステアリン酸、パルミチン酸を記載された順番に一種について3gづつ添加し、電動式ハンドミキサーで5分間づつよく練る。
グリセリン20gに2-G-3-EHG-ASAを0.02mol/L,オリーブ油、ホホバ油、大豆油、ツバキ油、ステアリン酸、パルミチン酸をそれぞれ3gづつ添加し充分に混合する。これに精製水を加えて100mLとし、なるべく泡が立たないように電動式ハンドミキサーで10分間撹拌して完全に乳化分散させて比較例の乳化組成物を得た。この乳化組成物を偏光顕微鏡で観察したがラメラ液晶(ベシクル構造)をもつ乳化カプセルに特有な干渉像(マルテーゼクロス像)は認められなかった。これを2-G-3-EHG -ASAの比較例4の乳化組成物とした。
実施例14の2-G-3-EHG-ASAのラメラ液晶を持つ乳化組成物は、比較例4の2-G-3-EHG-ASAの乳化組成物に比較し5%水溶液の40℃x6ヶ月の加速試験後の着色や沈殿の発生、異臭の発生が低下し製剤の安定性が高まり、試験終了時の残存率が118%も高かった。又、本発明の2-G-3-EHG-ASAのラメラ液晶乳化組成物は、比較例4の2-G-3-EHG-ASAの乳化組成物に比較し、3次元ヒト皮膚モデルを使用した皮膚浸透性試験により表皮組織での誘導体の濃度がHPLC法による測定で175%高まり、紫外線由来炎症により発生するヒト皮膚紫外線B波照射実験による紅斑のLabインデックスのa値の測定による赤み炎症率が69%に抑制された。経口投与の腸管吸収性試験では、本発明品は、吸収率が比較例の同物質に比較し、135%高まり、血中抗酸化力が平均で130%程度高まった。さらに上記本発明の2-G-3-EHG-ASAと上記比較例の2-G-3-EHG-ASAをそれぞれ1%配合した生理食塩水を、0.45μmのメンブランフィルターとエンドトキシン除去フィルターを通過させた注射液を使用した、静脈注射投与試験では、本発明の2-G-3-EHG-ASAは、比較例の同物質に比較し、投与後3時間経過後の血中濃度が比較例品に比較し2.9倍高まり、それに比例し血中抗酸化力も平均で3.1倍高まった。これにより、本発明品の徐放性能が確認された。
これらの結果より、本発明の製剤は, 外用組成物、経口用組成物、注射用組成物の剤形であっても有用な効果を発揮できる製剤として使用可能であり、さらに医薬品、医薬部外品、未承認医薬品、化粧品、特別保健用食品、食品、動物用薬品、飼料用の原料として有効であることが確認された。
2-G-3-O-ASAを0.02mol/Lと2-G-3-EHG-ASAを0.02mol/Lとグリセリン20gを添加した混合物を電動式ハンドミキサーで10分間よく練る。次に、オリーブ油、ホホバ油、大豆油、ツバキ油、ステアリン酸、パルミチン酸を記載された順番に一種について3gづつ添加し、電動式ハンドミキサーで5分間づつよく練る。これに精製水を加えて100mLとし、なるべく泡が立たないように電動式ハンドミキサーで10分間撹拌して完全に分散させて本発明の乳化組成物を得た。この乳化組成物を偏光顕微鏡で観察するとラメラ液晶(ベシクル構造)をもつ乳化カプセルに特有な干渉像(マルテーゼクロス像)が得られ、この乳化組成物がラメラ液晶を有することが確認された。これを本発明品とした。
又、比較品として、グリセリン20gに2-G-3-O-ASAを0.02mol/Lと2-G-3-EHG-ASA0.02mol/L,とオリーブ油、ホホバ油、大豆油、ツバキ油、ステアリン酸、パルミチン酸をそれぞれ3gづつ添加し充分に混合する。これに精製水を加えて100mLとし、なるべく泡が立たないように電動式ハンドミキサーで10分間撹拌して完全に乳化分散させて比較例の乳化組成物を得た。この乳化組成物を偏光顕微鏡で観察したがラメラ液晶(ベシクル構造)をもつ乳化カプセルに特有な干渉像(マルテーゼクロス像)は認められなかった。これを2-G -3- EHG -ASAの比較例5の乳化組成物とした。
上記本発明品のラメラ液晶乳化組成物と比較例5の乳化組成物をネガティブコントロールとして使用し、シワ、ニキビ、乾燥肌、紫外線由来炎症、褥瘡に悩む患者、健常人、それぞれ10人を1グループとして効果を評価した。顔面に対して上記組成物を1日1回朝晩8mlを顔面用不織布マスクシートに含浸させて15分間貼付塗布し、塗布試験開始前と塗布開始から30日(紅斑のみについては3日)経過後の試験終了時の病変部の色を同一照明条件にてデジタルカメラで撮影し画像処理装置VISIAによりシワ、ニキビ、紫外線由来炎症(紅斑)を数値化した。叉、健常人については皮膚過酸化脂質量をろ紙に皮脂を浸み込ませることにより、皮脂中の過酸化脂質量を測定した。乾燥とバリア機能は、角層水分量と表皮水分蒸散量を測定することにより比較した。褥瘡は肉眼で改善度を褥瘡基準マニュアルに従って比較し数値化した。
さらに、健常人の皮膚から採取した皮脂の脂質過酸化物濃度がネガティブコントロールに比較し64%に減少し皮膚のフリーラジカル抑制作用が確認された。従来のポリフェノールの効果と比較しこれらは予想できないほど大きな効果で有った。この結果より、本製品は医薬品、医薬部外品、未承認医薬品、化粧品として、ASA源として本発明の高純度2-G-3-O-ASA又は2-G-3-EHG-ASAを含む、ASAラジカル発生が抑制された外用組成物として極めて有効であることが確認された。
以下グループAの界面活性剤をそれぞれ0.1gと以下グループBのOH含有化合物それぞれ0.5gと2-G-3-O-ASAと2-G-3-EHG-ASAをそれぞれ0.1gを添加した混合物を電動式ハンドミキサーで10分間よく練る。次に、グループCの脂質類それぞれ0.5gを以下表に記載された順番に一つづつ添加して、電動式ハンドミキサーそれぞれ5分間づつよく練る。これに精製水を加えて全体で100gとし、なるべく泡が立たないように電動式ハンドミキサーで10分間撹拌して完全に分散させて本発明の乳化組成物を得た。この乳化組成物を偏光顕微鏡で観察するとラメラ液晶(ベシクル構造)をもつ乳化カプセルに特有な干渉像(マルテーゼクロス像)が得られ、この乳化組成物がラメラ液晶を有することが確認された。
リン脂質、水添大豆リン脂質、水添卵黄リン脂質、レシチン、水添レシチン、フィトステロール、ダイズステロール、セラミド、セレブロシド、PEG−フィトステロール、PEG−20フィトステロール、イソステアリン酸フィトステリル、N-ステアロイルジヒドロスフィンゴシン、N-ステアロイルフィトスフィンゴシン、ヒドロキシステアリルフィトスフィンゴシン、ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)、ラウロイルグルタミン酸ジ(オクチルドデシル/フィトステリル/ベヘニル)、分岐脂肪酸コレステリル、長鎖分岐脂肪酸コレステリル、サーファクチン、ココイルグルタミン酸Na、ココイルグルタミン酸K、ココイルグルタミン酸TEA,ココイルグルタミン酸、ココイルグルタミン酸Na、ココイルグルタミン酸TEA、ココイルグルタミン酸TEA、ラウロイルアスパラギン酸Na、ラウロイルグルタミン酸Na、ジラウロイルグルタミン酸リシンNa,ミリストイルグルタミン酸Na、パーム脂肪酸グルタミン酸Na、アシル(C12,14)アスパラギン酸TEA,ポリクオタニウム―51,ポリクオタニウム―61,ポリクオタニウム―64,ポリクオタニウム―65,ラウリルジアミノエチル グリシンナトリウム 、2-アルキル-N-カルボキシ メチル-N-ヒドロキシエチル イミダゾリニウムベタイン 、ラウリルジメチルアミノ酢酸 ベタイン 、ヤシ油アルキルベタイン液 、ラウリン酸アミドプロピル ベタイン液 、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン液 、パーム核油脂肪酸アミドプロピルベタイン液 、ラウリルアミノジ酢酸ナトリウム液 、ラウリルジアミノエチルグリシンナトリウム液、水添環状リゾフォスファチジン酸Na ,フォスファチジルコリン、フォスファチジルセリン、フォスファチジルグリセロール、ホスファチジルエタノールアミン、リン脂質フォスファチジルグリセロール、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジン酸、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアラート(ポリソルベート61)、ポリオキシエチレンソルビタントリステアラート、ポリオキシエチレンモノステアラート、ヘキサグリセリルモノステアラート、ポリオキシエチレンモノステアラート、ポリオキシエチレンジステアラート、ポリオキシエチレンメチルグルコースジステアラート、ASA-2-リン酸-6-パルミテート3Na、トコフェリルリン酸ナトリウム、(アスコルビル/トコフェリル)リン酸K、イソステアリルASAリン酸2Na、6-ステアリン酸ASA、6-パルミチン酸ASA、2,6-ジパルミチン酸ASA及びこれらのアルカリ金属塩。
グループB(OH含有化合物)
グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、ポリグリセリン、3-メチル-1,3-ブタンジオール、1,3-ブチレングリコール、イソプレングリコール、ポリエチレングリコール、1,2-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、キシリトール、ピロリドンカルボンナトリウム、ヒアルロン酸、カラギーナン、アルギン酸、寒天、フコイダン、ペクチン、ローカストビーンガム、キサンタンガム、トラガントガム、グアーガム、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸・メタクリル酸共重合体、ポリグルタミン酸
グループC(脂質類)
ミネラル油、流動パラフィン、スクワラン、スクワレン、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソオクチル、ミリスチン酸イソトリデシル、ミリスチン酸オクタデシル、ミリスチン酸オクチルドデシル、イソステアリルコレステリルエステル、2-エチルヘキサン酸トリグリセリド、2-エチルヘキサン酸セチル、ヒマワリ油、オリーブ油、ホホバ油、ツバキ油、グレープシード油、アボガド油、マカダミアナッツ油、アーモンド油、米胚芽油、丁字油、オレンジ油、トウヒ油、コレステロール、ステアリン酸及びパルミチン酸
グリセリン6gとココイルグルタミン酸Na、ココイルグルタミン酸K、ココイルグルタミン酸Na、ココイルグルタミン酸TEA、ココイルグルタミン酸TEA、ラウロイルアスパラギン酸Na、ラウロイルグルタミン酸Na、ミリストイルグルタミン酸Na、パーム脂肪酸グルタミン酸Na、ASA-2-リン酸-6-パルミテート3Na、dl-α-トコフェリルリン酸ナトリウム、(ASA/トコフェリル)リン酸K、イソステアリルASAリン酸2Na、6-ステアリン酸ASA、6-パルミチン酸ASA、2,6-ジパルミチン酸ASAをそれぞれ0.1gに2-G-3-O-ASA0.05gと2-G-3-EHG-ASA0.05gを添加して電動式ハンドミキサーで10分間よく練る、ホホバ油5.4gを添加して電動式ハンドミキサーで10分間よく練る。このホホバ油添加の操作を全部で4回繰り返して脂質を合計で21.6g添加する。これに精製水を加えて100gとし泡が立たないように電動式ハンドミキサーで10分間撹拌して完全に分散させて本発明の乳化組成物を得た。この乳化組成物をマイクロフルイタイザー処理し平均粒子直径が500nmの乳化組成物を得た。さらに45μm穴のメンブランフィルターで滅菌し滅菌バイアルに密封した。この乳化組成物を偏光顕微鏡で観察するとラメラ液晶構造に特有な干渉像が得られ、この乳化組成物がラメラ液晶構造を有することが確認された。
本組成物を、化成品、工業品、土木緑化用品、肥料、塗料、洗浄料、農林業用品、園芸用資材用品、顆粒品、粉末品、雑貨品、衣料品、経口用組成物、食品、培養組成物、動物薬、感光材、水処理剤、空気浄化剤として使用した。さらに医薬品、医薬部外品、未承認医薬品の外用組成物としても使用できる。
グリセリン6gとココイルグルタミン酸Na、dl-α-トコフェリルリン酸ナトリウム、(ASA/トコフェリル)リン酸K、イソステアリルASAリン酸2Na、6-ステアリン酸ASA、6-パルミチン酸ASA、2,6-ジパルミチン酸ASAをそれぞれ0.1gに2-G-3-O-ASA0.05gと2-G-3-EHG-ASA0.05gを添加して電動式ハンドミキサーで10分間よく練る、ホホバ油5.4gを添加して電動式ハンドミキサーで10分間よく練る。このホホバ油添加の操作を全部で4回繰り返して脂質を合計で21.6g添加する。これに精製水を加えて100gとし泡が立たないように電動式ハンドミキサーで10分間撹拌して完全に分散させて本発明の乳化組成物を得た。この乳化組成物をマイクロフルイタイザー処理し平均粒子直径が500nmの乳化組成物を得た。さらに45μm穴のメンブランフィルターで滅菌し滅菌バイアルに密封した。この乳化組成物を偏光顕微鏡で観察するとラメラ液晶構造に特有な干渉像が得られ、この乳化組成物がラメラ液晶構造を有することが確認された。
表記載の両親媒性ASA誘導体を濃度がそれぞれ0.02mol/Lとなるように添加し、さらにグリセリン10gを添加した混合物を電動式ハンドミキサーで10分間よく練る。次に、ホホバ油10gを2gづつ5つに別けて添加し、1回ごとに電動式ハンドミキサーでその都度5分間づつよく練る。全てホホバ油を添加し終えた後、これにメチルパラベン:0.09%、プロピルパラベン:0.03%になるように加えた精製水を加えて100gとし、なるべく泡が立たないように電動式ハンドミキサーで10分間撹拌して完全に分散させて本発明の乳化組成物を得た。この乳化組成物を偏光顕微鏡で観察するとラメラ液晶(ベシクル構造)をもつ乳化カプセルに特有な干渉像(マルテーゼクロス像)が得られ、この乳化組成物がラメラ液晶を有することを確認した。
次に、被験物質を、40℃で6ヶ月間保存し、実験スタート時と実験終了時の力価を以下の測定方法で定量し水溶液中の安定性とした。即ち、それぞれの物質の0ヶ月を100%として6ヶ月後の力価を%重量で測定し、その結果95%以上が残存していたものには○、90%以上95%未満が残存していたものには△、90%未満のものにはXで以下表に示した。
ラメラ液晶乳化組成物中の安定性の測定方法は、被験物質を、40℃で6ヶ月間保存し、乳化組成物を5000rpm/minx30分で遠心分離し、上層の上澄液を静かにシリンジで排除した。残った下層にエタノールを同量加えて乳化を破壊し、HPLCでそれぞれのASA誘導体の残存率を分析した。
その結果95%以上が残存していたものには◎、90%以上95%未満が残存していたものには○、90%未満のものにはXで以下表に示した。
HLB値は、以下の計算式で求めた数字を表に記載した。本実施例のHLBは、ASA誘導体中エーテル結合された側鎖に水酸基がない場合は、疎水性分子として計算した。
HLB値=20×親水部の式量の総和/分子量で定義する。
ASA-2-リン酸-6-パルミチン酸 Na:AA-2-P-6-Pal
ASA-2-マレイン酸トコフェロ-ル:AA-2-M-Toc
ASA-2-グルコシド−6−パルミチン酸:AA-2-G-6-P
ASA-2-グルコシド−6−ステアリン酸:AA-2-G-6-S
表9にラメラ液晶を持つASA誘導体のHLBと乳化物の安定性の結果を示す。
以下表に記載された試験製剤は、ITO社製ジェル基材(組成内容は、グリセリン:34.45%、カルボマー:1.13%、ポリアクリル酸Na:0.38%、水:63.92%、メチルパラベン:0.09%、プロピルパラベン:0.03%からなる。)に各ASA誘導体の濃度がそれぞれ0.02mol/Lになるように混合し分散体を得た。これらを、40℃で6ヶ月間保存してそれぞれの力価を高速液体クロマトグラフィ-で測定し、それぞれの物質の0ヶ月を100%として6ヶ月後の力価を%重量で測定し、その結果95%以上が残存していたものには◎、95%未満90%以上が残存していたものには○、80%以上−90%未満の残存であったものには△、80%未満のものにはXで以下表に示した。
ASA-2-リン酸Na:AA-2-P
ASA-2-グルコシド:AA-2-G
ASA-2-硫酸カリウム:AA-2-S
ASA-2-リン酸-6-パルミチン酸 Na:AA-2-P-6-Pal
ASA-2-リン酸トコフェリルカリウム:AA-2-P-Toc
ASA:AA
トコフェロール:Toc
表10にラメラ液晶乳化組成物の安定性試験の結果を示す。
ITO社製ポリアクリル酸系ジェル基材に各ASA誘導体の濃度がそれぞれ0.02mol/Lになるように混合し、これらのジェル分散体を角層及び角質層を有するヒト3次元表皮モデルに1平方cm当たり0.1gを塗布し、これを37℃で3時間培養した後に、ジェル分散体を除去後PBSで5回洗浄した後、塗布部の組織を切り取り、10倍量のPBSとともにホモジナイズし、2%メタリン酸で除タンパクした後、上澄み液中のASA誘導体量を高速液体クロマトグラフィ-(HPLC)により測定した。前記の実験で安定性が最も高かった本発明品の高純度2-G-3-EHG-ASAのラメラ液晶乳化組成物の皮膚組織における相対経皮吸収率を100%として、他の誘導体の検出量を%で表示して以下の表2にまとめた。また、結果をわかりやすくするために皮膚組織での検出率が95%以上であったものに◎を、95%未満から90%以上であったものに○を、90%未満から80%以上で合ったものに△、80%以下であったものにXを付けた。
表11に皮膚組織への吸収性の比較の結果を示す。
安定性が比較的良好であった、AA-2-G,AA-2-Sの吸収性が悪かった原因は、この2物質が完全な水溶性誘導体であり、皮膚バリア及び脂質二重膜からなる細胞膜を通過しにくかったためと推定された。これに比較し本発明品は、その分子構造が両親媒性であるために、水と油の層からなる皮膚バリアを容易に通過できたものと考えられた。AA ,Tocの組織濃度が低かったのは言うまでもなく、皮膚上叉は組織中で速やかに酸化分解されたためと考えられる。
ヒト由来表皮角化細胞を細胞培養プレートに播種し、10%ウシ胎児血清を添加したDMEM培地にて、37℃、5%CO2の空気雰囲気で、飽和密度になるまで培養した。培地をカルシウム・マグネシウム含有ハンクス平衡塩液(インビトロジェン)に置換し、これに紫外線B波を60[mJ/cm2]の強度で照射後、以下表の被験物質を最終濃度50μmol/Lで培養液に添加したDMEM培地に置換した。60分後に、1%ノニデットP40、5mMエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム、1%プロテアーゼ阻害剤カクテルを添加した20mMトリス・塩酸緩衝液(pH7.4)を用いて細胞を可溶化し、レムリ法によるポリアクリルアミド電気泳動により蛋白質を分離し、ニトロセルロース膜に転写した。ニトロセルトース膜は、5%スキムミルク、0.1%ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレートを含むトリス緩衝生理食塩水(pH7.4)を用い、室温で2時間ブロッキング処理した。180番目のスレオニンおよび182番目のチロシン残基がリン酸化されたp38ストレス応答性MAPキナーゼを認識するポリクローナル抗体を用いた一次抗体反応、西洋ワサビペルオキシダーゼ標識抗マウス抗体を用いた二次抗体反応を行ったのち、ウェスタンブロッティング法により、膜上の抗原量を化学発光法によりバンド検出し、バンドの発光量を画像解析ソフトで解析してp38ストレス応答性MAPキナーゼのリン酸化の発現相対値として定量化した。本相対値の内部標準としては、p38ストレス応答性MAPキナーゼに対するポリクローナル抗体のバンドの発光量の発現相対値を用いた。 結果として、コントロール(無添加)を100%として、これ対する各被験物質のp38ストレス応答性MAPキナーゼのリン酸化の発現相対値を表にまとめた。
結果として、コントロール(無処置)のリン酸化率を100%として、これ対する各試験溶液のリン酸化率を表にまとめた。本発明の試験製剤は、いずれも著明な浮腫抑制作用を示した。本発明のASA誘導体は、p38ストレス応答性MAPキナーゼのリン酸化を抑制した。
表12にp38ストレス応答性MAPキナーゼのリン酸化抑制比の結果を示す。
表に示した試験物質をASA誘導体をそれぞれ0.02mol/Lとなるように添加し、さらにグリセリン10%と精製水89%を均一に混合した皮膚塗布剤について紫外線による紅斑炎症発生抑制試験を成人被験者に対して行った。被験者は4日の間、朝と夕方の一日2回試験組成物を塗布し、紫外線照射を受ける一日目には照射の2時間前に照射部に(0.5g/1平方cm)塗布された。照射紫外線は、UVBカットフィルターと、赤外線カットフィルターを通した2500Wのオスラムキセノンランプを使用した。 照射は初日に一回行った。それぞれの被験者の紫外線による最小紅斑炎症発生照射量(MED)が試験開始の前日に測定され、試験スタート1日目に1.5MEDの紫外線が照射され、2日目以降は紫外線照射は行わず組成物の塗布だけが行われた。 照射から4日目に、ミノルタLab色差計を用いて皮膚の赤み(a値)の測定を行った。紅斑炎症抑制率(%)は、プラセボと対比して、次式によって算出した。
100 – [ (試験組成物によるa値 / プラセボによるa値 ) x 100 ] = 紅斑炎症抑制率(%)
本結果より、本発明のASA誘導体は、比較品に比較し顕著に紫外線による炎症性紅斑が減少することが確認された。表16に紫外線による紅斑炎症抑制率の結果を示す。
表に示した試験物質をASA誘導体をそれぞれ0.02mol/Lとなるように添加しさらにグリセリン10%と精製水89%を均一に混合した皮膚塗布剤について、医療用に使用される複数の光デバイスを表に示す条件で成人男性10人の内腕部に照射し、48時間後に発生する紅斑を有効成分を除いた同処方のプラセボに比較しどの程度抑制するか調べた。被験者は4日の間、朝と夕方の一日2回試験組成物を塗布し、紫外線照射を受ける一日目には照射の2時間前に照射部に(0.5g/1平方cm)塗布された。照射は初日に一回行った。2日目以降は組成物の塗布だけが行われた。 照射から4日目に、ミノルタLab色差計を用いて皮膚の赤み(a値)の測定を行った。紅斑炎症抑制率(%)は、プラセボと対比して、次式によって算出した。
100 - [(試験組成物によるa値 / プラセボによるa値 ) x 100] = 紅斑炎症抑制率(%)
この結果、紅斑炎症抑制率(%)が、60%以上であったものについては◎、60%未満50%以上であったものについては○、50%未満40%以上であったものいについては△、40%未満であったものについてはXとした。
本結果より、本発明のASA誘導体は、比較品に比較し顕著に医療用デバイスによる炎症性紅斑が減少することが確認された。表17に実験に使用した光デバイスと照射条件を示した。又表18に光デバイスと光デバイスによる炎症抑制の結果を示した。
本発明のASA誘導体組成物のB16メラノ-マ細胞を使用したメラニン産生抑制効果を確認した。
メラニン産生に対する抑制効果試験にはマウスB16マウスメラノ-マ4A5細胞(B164A5)を用いた。B16メラノ-マ4A5を48ウェルマイクロプレ-トに播種し、10%FBS含有DMEM培地にて37℃、5%CO2の条件下で24時間培養後、100μmol/LM相当のASA誘導体(本発明及びコントロ-ルのASA誘導体)と1mmol/LMのテオフィリンを添加した10%FBS含有DMEM培地(同上)に交換し、37℃、5%CO2の条件下で72時間培養を行った。培養終了後、培地を除去して精製水に置換し、超音波にて細胞を破砕した後、メラニン定量用とタンパク定量用に2分割した。メラニン定量は細胞破砕液を1mol/LN NaOHに60℃,30分間可溶化し、吸光光度計にて405nmの吸光度を測定した。タンパク定量はPierce BCA protein assay kitを用いて37℃,30分間処理した後、分光光度計(同上)にて570nmの吸光度を測定した。この様にして得たメラニンとタンパクの吸光度を除算し、単位タンパク辺りあたりのメラニン量としてメラニン産生抑制率の計算に供した。メラニン産生抑制率を求める計算式は、テオフィリンと各化合物を含む培地の吸光度をMLs、テオフィリンのみを含む培地の吸光度をMLc、テオフィリンも各化合物も含まない培地の吸光度をMLnと表すと、以下のような計算式でメラニン産生抑制率(%)を求めた。
メラニン産生抑制率(%) = (((MLc-MLs) / (MLc-MLn) )-1) x 100
結果をわかりやすくするためにメラニン抑制率が90%以上であったものに○を、70-90%で合ったものに△、70%以下であったものにXを付けた。表19にメラニン産生抑制率の結果を示した。
以上の結果より本発明のASA誘導体は高い安定性、高い皮膚組織吸収性、高い抗炎症作用、高いメラニン産生抑制作用により、明らかに従来のコントロ-ルのASA誘導体に比較し本発明のASA誘導体は、優れた効果を発揮することが確認された。
色素細胞に対する毒性試験にはマウスB16マウスメラノ-マ4A5細胞(B164A5)を用いた。B16メラノ-マ4A5を48ウェルマイクロプレ-トに播種し、10%FBS含有DMEM培地にて37℃、5%CO2の条件下で24時間培養後、1mmol/LM相当の本発明のASA誘導体と比較対象の既存のASA誘導体以外の美白剤及び培地成分のみの無添加コントロ-ルに対して10%FBS含有DMEM培地(同上)に交換し、37℃、5%CO2の条件下で72時間培養を行った。
培養終了後、培地を 0.5mg/mL MTTを含む10%FBS含有DMEM培地(同上)に交換し,3時間培養後に0.04mol/LN HCl/IPAに交換して細胞を溶解した。細胞溶解液を吸光光度計を用いて570nmの吸光度を測定し,細胞増殖率を計算した。細胞増殖率は、サンプルを処理した細胞の吸光度を MTTsとし、サンプルを処理していない無添加コントロ-ルの細胞の吸光度をMTTcで表すと、以下の計算式で示される。
細胞増殖率(%) = ((MTTs / MTTc) -1) × 100
他のコントロ-ルの誘導体と細胞増殖率を比較するために、この実験において本発明ASA誘導体の中で美白剤無添加コントロ-ルに対して細胞増殖率が正の値のものは、細胞に対する毒性は陰性として評価し、細胞増殖率が0又は負の値であるもの(細胞が全く増殖しないか、逆に細胞が斃死して減少しているもの)については、細胞増殖抑制作用があるとして細胞毒性を陽性と評価した。表20に色素細胞に対する毒性試験の結果を示した。
細胞に対する増殖効果を調べるために表21の本発明の化合物について以下の実験を行なった。凍結した正常ヒト線維芽細胞NHDF(NB)を解凍後、NHDFを96ウェルマイクロプレ-トに播種し、10%FBS含有DMEM培地にて37℃、5%CO2の条件下で2日間培養後、300μmol/LM相当の本発明の化合物及び同量のコントロ-ルの誘導体を添加し3日間培養後、培地を 0.5mg/mL MTTを含む10%FBS含有DMEM培地(同上)に交換し,3時間培養後に0.04mol/LN HCl/IPAに交換して細胞を溶解した。細胞溶解液に対して吸光光度計を用いて570nmの吸光度を測定し,細胞増殖率を計算した。細胞増殖率は、サンプルを処理した細胞の吸光度を MTTsとし、サンプルを処理していない無添加コントロ-ルの細胞の吸光度をMTTcで表すと、以下の計算式で示される。
細胞増加率(%) = ((MTTs / MTTc) -1) × 100
結果として、コントロールに対する3日後の細胞増加率を測定算出し、細胞増加率(%)が30%以上増加したものには◎、10%以上30%未満の増加が認められものには○を10%未満か、減少したものには×を付けて表5に示した。比較として、既存の誘導体及びASAをコントロールの誘導体として使用した。無添加コントロ-ルに比較し本発明のASA誘導体を常法の細胞培養条件で3日間培養すると最低でも30%以上に細胞数が無添加コントロ-ルに比較して増加することが判明した。これらの結果から本発明のASA誘導体は化粧品や外用医薬品などの外用組成物、食品添加物や飼料添加物などの経口用組成物、ヒト用や動物用のラジカル疾患治療薬、細胞増殖促進組成物、抗酸化組成物としての商品価値を高め、その有用性及び有効性を証明するものであった。
本発明のASA誘導体には、線維芽細胞において高いコラ-ゲン産生能力が確認され、その能力は条件によりFGF(線維芽細胞増殖因子)よりも高いものであった。本発明のASA誘導体は、既存のASA誘導体に比較し安定性が高く、吸収率が極めて高いために線維芽細胞増殖作用を有した
本発明の表22に示す化合物のニキビ、シワ及び毛穴に対する効果を調べるために、被験者に対して十分に説明し、研究への参加について自由意思による同意を得たものに対してのみ、臨床試験を行った。試験は、ITO社製ジェル基材に対して表22に示すASA誘導体を0.02mol/L配合したジェル基材及びプラセボのジェル基材の3区で行った。1区当たり9名の被験者に対して朝晩1日2回洗顔後に全顔に塗布し、1ヶ月試験を行った。評価方法としては、顔面画像解析装置(VISIA及びロボスキャンアナライザー)によりニキビ数、シワ本数、毛穴数を試験開始時と1カ月後の試験終了時の2回行い、実験スタ-ト時から何パ-セント改善したかについての改善率について比較を行った。結果は、100−((試験区の数/無添加コントロールの数)x100)=改善率(%)による計算式で細胞増殖率(%)を算出し比較した。
2-G-3-O-ASA : 1.0、2-G-3-EHG-ASA : 1.0、グリセリン : 6.5、1,3-ブチレングリコール : 1.0、フェノキシエタノール : 0.5、香料コンプレックス : 0.1、精製水:残量。
本処方はエモリエントローション、 エルボーローション、 カラーローション、 クレンジングローション、 セットローション、 デオドラントローション、 トナー、 ナリシングローション、 ハンドローション、 ボディローション、 マッサージローション、 メーキャップローション、 モイスチャーローション、 ローション、エッセンス、ホワイトニングエッセンス、オーデコロン、オードトワレモイスチャーエッセンス、 育毛剤の実施例である。
本処方は、医薬品、医薬部外品、医療用培養薬品、医療機器、医療用具、未承認医薬品、化粧品、動物用品のための外用塗布用液剤の実施例である。
さらに経口用組成物(本剤をメンブレンフィルターで殺菌しヒト及び動物用ASAラジカル抑制飲料とした。)、体内用組成物(本剤をメンブレンフィルターで殺菌し体内臓器用ASAラジカル抑制剤とした。)、化成品(室内用抗酸化用スプレー用液剤とした。)の液剤の処方の実施例である。
2-G-3-O-ASA : 1.0、2-G-3-EHG-ASA : 1.0、グリセリン : 6.5、1,3-ブチレングリコール : 10.0、フェノキシエタノール : 0.5、香料コンプレックス : 0.1、精製水:残量。
本処方はエモリエントローション、 エルボーローション、 カラーローション、 クレンジングローション、 セットローション、 デオドラントローション、 トナー、 ナリシングローション、 ハンドローション、 ボディローション、 マッサージローション、 メーキャップローション、 モイスチャーローション、 ローション、エッセンス、ホワイトニングエッセンス、オーデコロン、オードトワレモイスチャーエッセンスの実施例である。
本処方は、医薬品、医薬部外品、医療用培養薬品、医療機器、医療用具、未承認医薬品、化粧品、動物用品のための外用塗布用液剤の実施例である。
さらに経口用組成物(本剤をメンブレンフィルターで殺菌しヒト及び動物用ASAラジカル抑制飲料とした。)、体内用組成物(本剤をメンブレンフィルターで殺菌し体内臓器用ASAラジカル抑制剤とした。)、化成品(室内用抗酸化用スプレー用液剤とした。)の液剤の処方の実施例である。
Claims (15)
- 以下の液体クロマトグラフィーの自動積分法により測定するとき、ピーク面積比が、全体のピーク面積比の95%以上となる、化1の2−o−グルコピラノシル−3−o−オクチルASAまたは化2の2−o−グルコピラノシル-3-o-エチルヘキシルグリセリルASAから選択される、単体叉は複数化合物から選択される、高純度の2-o-グルコピラノシル-3-o-エーテル結合型のASA誘導体。
(液体クロマトグラフィーの自動積分法)
精密にはかり取った検体を含む溶液をオクタデシル修飾シリカカラムを使用し、検出波長:265nm、溶離液:0.03MのH2KPO4水溶液:アセトニトリル=4:6(体積比)により2-o-グルコピラノシル-3-o-エーテル結合型のASA誘導体のピーク面積を自動積分法により測定した。
- 色の明度を表すL値が88以上であり、かつ色の色相を表すb値が6以下である、請求項1の高純度の2-o-グルコピラノシル-3-o-エーテル結合型のA誘導体。
- 20℃、一気圧で固体である、請求項1の高純度の2-o-グルコピラノシル-3-o-エーテル結合型のアスコルビン酸誘導体。
- 以下の液体クロマトグラムの自動積分法により測定するとき、化3の2−o−グルコピラノシルアスコルビン酸誘導体とアスコルビン酸の合計のピーク面積比が、全体のピーク面積比の5%以下となる、2−o−グルコピラノシル−3−o−オクチルアスコルビン酸である請求項1の高純度の2-o-グルコピラノシル-3-o-エーテル結合型のアスコルビン酸誘導体。
- 以下の液体クロマトグラムの自動積分法により測定するとき、化4の2−o−グルコピラノシルアスコルビン酸誘導体とアスコルビン酸の合計のピーク面積比が、全体のピーク面積比の5%以下となる、2−o−グルコピラノシル−3−o−エチルヘキシルグリセリルアスコルビン酸である請求項1の高純度の2-o-グルコピラノシル-3-o-エーテル結合型のアスコルビン酸誘導体
- 以下の計算式で計算されるグリフィン法でHLB値を求めたときに12以上15以下となる、請求項1の高純度の2-o-グルコピラノシル-3-o-エーテル結合型のアスコルビン酸誘導体。
(HLB:HLBはHydrophile-Lipophile Balance)
HLB値=20×親水部の分子式量の総和/全体の分子量 - 以下の測定法と計算式でアスコルビン酸ラジカル抑制活性比を求めたときに1以上となる、請求項1のアスコルビン酸誘導体。
(アスコルビン酸ラジカル抑制活性の測定法)
ヒト由来表皮角化細胞に被験物質を添加して紫外線B波照射後、細胞培養上清に過酸化水素を添加し、スピントラップ剤を使用して電子スピン共鳴分光計(ESR)でアスコルビン酸ラジカル相対強度を測定し、以下の計算式でアスコルビン酸ラジカル抑制活性比を求めた。
アスコルビン酸ラジカル抑制活性比= a/b
a = 1/(本発明のアスコルビン酸誘導体のアスコルビン酸ラジカル相対強度)
b = 1/(比較品のアスコルビン酸誘導体のアスコルビン酸ラジカル相対強度)
但し、請求項1の液体クロマトグラフィーの自動積分法により測定するとき、ピーク面積比が、全体のピーク面積比の95%未満となる、請求項1の2-o-グルコピラノシル-3-o-エーテル結合型のアスコルビン酸誘導体を比較品とする。 - 以下の測定法と計算式でプロスタグランジンE2抑制活性比を求めたときに1以上となる、請求項1のアスコルビン酸誘導体。
(プロスタグランジンE2抑制活性比の測定法)
ヒト由来表皮角化細胞に紫外線B波照射後、被験物質を添加し24時間後に、細胞培養上清中のプロスタグランジンE2(PGE2)の濃度をELISA法によりPGE2濃度をもとめ、以下の計算式でプロスタグランジンE2抑制活性比を求めた。
生理活性比 = a/b
a = 1/(本発明のアスコルビン酸誘導体のPGE2濃度)
b = 1/(比較品のアスコルビン酸誘導体のPGE2濃度)
但し、請求項1の液体クロマトグラフィーの自動積分法により測定するとき、ピーク面積比が、全体のピーク面積比の95%未満となる、請求項1の2-o-グルコピラノシル-3-o-エーテル結合型のアスコルビン酸誘導体を比較品とする。 - 以下の測定法と計算式で抗シクロオキシゲナーゼ2(COX2)抑制活性比を求めたときに1以上となる、請求項1のアスコルビン酸誘導体。
(COX2抑制活性比の測定法)
ヒト由来表皮角化細胞に紫外線B波を照射後、被験物質を添加し、24時間後に、細胞を可溶化し、電気泳動法によりタンパク分離し、抗シクロオキシゲナーゼ2(COX2)モノクローナル抗体で反応処理した後、ウェスタンブロッティング法により、COX2発現相対値を求め、以下の計算式でCOX2抑制活性比を求めた。
COX2抑制活性比= a/b
a = 1/(本発明のCOX2発現相対値)
b = 1/(比較品のCOX2発現相対値)
但し、請求項1の液体クロマトグラフィーの自動積分法により測定するとき、ピーク面積比が、全体のピーク面積比の95%未満となる、請求項1の2-o-グルコピラノシル-3-o-エーテル結合型のアスコルビン酸誘導体を比較品とする。 - 以下の測定法と計算式でインターロイキン−6(IL-6)抑制活性比を求めたときに1以上となる、請求項1のアスコルビン酸誘導体。
(IL-6抑制活性比の測定法)
ヒト由来表皮角化細胞に被験物質を添加し、紫外線B波照射後、IL−6濃度を、ELISA法で測定し、以下の計算式でIL-6抑制活性比を求めた。
IL-6抑制活性比 = a/b
a = 1/(本発明のアスコルビン酸誘導体のIL-6濃度)
b = 1/(比較品のアスコルビン酸誘導体のIL-6濃度)
但し、請求項1の液体クロマトグラフィーの自動積分法により測定するとき、ピーク面積比が、全体のピーク面積比の95%未満となる、請求項1の2-o-グルコピラノシル-3-o-エーテル結合型のアスコルビン酸誘導体を比較品とする。 - 以下の測定法と計算式でインターロイキン−1β(IL−1β)抑制活性比を求めたときに1以上となる、請求項1のアスコルビン酸誘導体。
(IL-1β抑制活性比の測定法)
ヒト由来表皮角化細胞に紫外線B波照射後、被験物質を添加し、IL−1β濃度をELISA法を用いて測定し、以下の計算式でIL−1β抑制活性比を求めた。
IL-1β抑制活性比 = a/b
a = 1/(本発明のアスコルビン酸誘導体のIL-6濃度)
b = 1/(比較品のアスコルビン酸誘導体のIL-6濃度)
但し、請求項1の液体クロマトグラフィーの自動積分法により測定するとき、ピーク面積比が、全体のピーク面積比の95%未満となる、請求項1の2-o-グルコピラノシル-3-o-エーテル結合型のアスコルビン酸誘導体を比較品とする。 - 用途が、外用組成物、経口用組成物、注射用組成物から選択される、いずれかである、請求項1のアスコルビン酸誘導体を含有する組成物。
- p38ストレス応答性MAPキナーゼのリン酸化抑制作用、ラットクロトン油耳浮腫抑制作用、ラットカラゲニン足浮腫抑制、ラット肉芽増殖抑制作用、から選択される一種以上の抗炎症作用を有する、請求項1のアスコルビン酸誘導体を含有する組成物。
- 用途が医薬品、医薬部外品、医療用培養薬品、医療機器、医療用具、未承認医薬品、化粧品、特別保健用食品、食品、動物用薬品、飼料、樹脂製品、建築材料、感光材、塗料、肥料、雑貨品、衣料品、培養組成物、水処理剤、空気浄化剤から選択される、いずれかである、請求項1のアスコルビン酸誘導体を含有する組成物。
- ラメラ液晶をもつ乳化組成物である、請求項1のアスコルビン酸誘導体を含有する組成物。
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