JP2017206047A - 乗員保護装置 - Google Patents

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Takuya Nezaki
琢也 根崎
中島 敦
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Abstract

【課題】車両用シートに着座する乗員の肩部を拘束するまでの時間を短縮し、かつ、保護性能を向上させることができる乗員保護装置を提供する。
【解決手段】乗員保護装置20は、反力部材22と、移動手段24と、サイドエアバッグ装置26とを含んで構成されている。反力部材22は、車両用シート10のシートバック部14の少なくとも側面上部にシート前方側へ移動可能に設けられ、プレート状に構成されている。移動手段24は、側面衝突を検知又は予知する検知信号に基づいて反力部材22をシート前方側へ移動させ、反力部材22の部位を乗員の肩部側方に位置させる。サイドエアバッグ装置26は、反力部材22よりもシート幅方向内側においてシートバック部14の側部14Aに設けられ、検知部からの検知信号に基づいて、肩部側方と反力部材22との間でサイドエアバッグをシート前方側へ展開させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、乗員保護装置に関する。
特許文献1には、乗員保護装置が開示されている。この乗員保護装置は、側突センサ又は側突予知センサから信号を受けて、車両用シートに着座状態の乗員の肩部側方にヘッドレスト又はシートバック側部から繰り出される肩部拘束部材を備えている。
特開2010−125942号公報
上記乗員保護装置では、乗員の肩部を拘束するまでの時間を短縮し、更に保護性能を向上させるには、改善の余地があった。
本発明は上記事実を考慮し、車両用シートに着座する乗員の肩部を拘束するまでの時間を短縮し、かつ、保護性能を向上させることができる乗員保護装置を得ることが目的である。
請求項1に記載された発明に係る乗員保護装置は、車両用シートのシートバック部の側面にシート前方側へ移動可能に設けられると共に、シート幅方向を厚さ方向とするプレート状に構成され、移動後の状態では乗員のシート幅方向外側に位置する肩部の側方に位置する部位を有する反力部材と、側面衝突を検知又は予知する検知部からの検知信号に基づいて、反力部材をシート前方側へ移動させ、部位を肩部の側方に位置させる移動手段と、反力部材よりもシート幅方向内側においてシートバック部の側部に設けられ、検知部からの検知信号に基づいて、肩部の側方と当該肩部の側方に位置する部位との間でサイドエアバッグをシート前方側へ展開させるサイドエアバッグ装置と、を備えている。
上記乗員保護装置では、車両用シートのシートバック部の側面にプレート状に構成された反力部材が設けられ、反力部材よりもシート幅方向内側においてシートバック部の側部にサイドエアバッグ装置が設けられる。反力部材は、シート前方側へ移動可能に設けられると共に、移動後の状態では乗員のシート幅方向外側に位置する肩部の側方に位置する部位を有する。移動手段は、反力部材をシート前方側へ移動させ、反力部材の部位を肩部の側方に位置させる。
ここで、側面衝突を検知又は予知する検知部からの検知信号に基づいて、移動手段は、反力部材をシート前方側へ移動させ、反力部材の部位を乗員の肩部の側方に位置させ、かつ、サイドエアバッグ装置は、肩部の側方と当該肩部の側方に位置する反力部材の部位との間でサイドエアバッグをシート前方側へ展開させる。このため、車両用シートに着座状態の乗員の肩部に近い位置に反力部材が移動し、この反力部材と乗員の肩部との間にサイドエアバッグが展開されるので、反力部材によりサイドエアバッグの反力を早期に得て乗員の肩部を拘束することができる。
請求項1に記載された発明に係る乗員保護装置は、車両用シートに着座する乗員の肩部を拘束するまでの時間を短縮し、かつ、保護性能を向上させることができるという優れた効果を有する。
第1実施の形態に係る乗員保護装置及びこの乗員保護装置が適用された車両用シートの斜視図である。 図1に示される乗員保護装置の分解斜視図である。 図1及び図2に示される乗員保護装置及び車両用シートをシート幅方向外側から見た側面図である。 (A)は図1〜図3に示される乗員保護装置の作動前(通常時)の要部拡大断面図(図1に示されるA−A線で切った要部拡大断面図)であり、(B)は乗員保護装置の作動後(側面衝突時又は側面衝突予知時)の要部拡大断面図である。 (A)は図4(A)に対応するシート幅方向外側から見た乗員保護装置の作動前の要部拡大側面図であり、(B)は図4(B)に対応する乗員保護装置の作動後の要部拡大側面図である。 図1に示される乗員保護装置のサイドエアバッグ装置の平断面図(図1に示されるB−B線で切った平断面図)である。 (A)は図1に示される作動前の乗員保護装置、車両用シート及び車両用シートに着座する乗員をシート前面側から見た正面図であり、(B)はシート幅方向外側から見た側面図である。 (A)は図7(A)に対応する作動後の乗員保護装置、車両用シート及び乗員の正面図であり、(B)は図7(B)に対応する側面図である。 (A)は第2実施の形態に係る作動前の乗員保護装置及びこの乗員保護装置が適用された車両用シートをシート幅方向外側から見た側面図であり、(B)は作動後の側面図である。 (A)は図9(A)に示される作動前の乗員保護装置の要部の構成を示す概略構成図であり、(B)は図9(B)に示される作動後の乗員保護装置の要部の構成を示す概略構成図である。 (A)は第2実施の形態の第1変形例に係る作動前の乗員保護装置の要部の構成を示す概略構成図であり、(B)は作動後の乗員保護装置の要部の構成を示す概略構成図である。 (A)は第2実施の形態の第2変形例に係る作動前の乗員保護装置の要部の構成を示す概略構成図であり、(B)は作動後の乗員保護装置の要部の構成を示す概略構成図である。 (A)は第3実施の形態に係る乗員保護装置をシート幅方向外側から見た概略側面図であり、(B)は(A)に示される乗員保護装置をシート前面側から見た正面図である。
(第1実施の形態)
以下、図1〜図8を用いて、本発明の第1実施の形態に係る乗員保護装置について説明する。なお、図中、適宜示される矢印FRはシート前方側を示し、矢印INはシート幅方向内側を示す。また、矢印UPはシート上方側を示している。
[車両用シート10の構成]
図1に示されるように、本実施の形態に係る乗員保護装置20が適用される車両用シート10は、自動車等の車両の運転席又は助手席として構成されている。ここで、図1に示される車両用シート10は左ハンドル車の運転席である。助手席の車両用シートは、運転席の車両用シート10に対して、実質的に同一構成とされているので、説明を省略する。
車両用シート10は、乗員が着座するシートクッション部12と、シートクッション部12のシート後端部に設けられたシートバック部14とを備えている。シートバック部14は、背もたれとして使用され、シートクッション部12にシート前後方向の角度を調整可能なリクライニング装置16を介して設けられている。シートバック部14の上端部にはヘッドレスト18が装着されている。ヘッドレスト18は、乗員の頭部(後頭部)の位置に対応して上下方向に高さの調整が可能とされ、頭部を支持する構成とされている。車両用シート10は図示を省略した車両の室内床面に固定されている。
[乗員保護装置20の構成]
図1に示されるように、乗員保護装置20は、反力部材22と、移動手段24と、サイドエアバッグ装置26とを含んで構成されている。さらに、乗員保護装置20は、図示を省略した車両の例えばパワーユニットに内蔵される制御装置としてのエンジンコントロールユニット(以下、単に「ECU」という)28と、側面衝突検知部30と、側面衝突予知部32とを備えて構築されている。
詳しく説明すると、図1及び図2に示されるように、乗員保護装置20の反力部材22は、シートバック部14のシート幅方向外側の側面に設けられている。車両を基準とすると、反力部材22はシートバック部14の車両幅方向外側に設けられている。反力部材22は、シート幅方向を厚さ方向とするプレート状に構成され、シートバック部14のシート上下方向を長手方向とし、シート前後方向を幅方向として形成されている。反力部材22は、ここでは、シート幅方向外側から見て(側面視において)、シートバック部14の側面の形状と実質的に同様な形状に形成されている。
図2に示されるように、反力部材22の下部22Aには厚さ方向に貫通する回転軸穴22Cが形成されている。シートクッション部12のシートフレーム12Aのシート後端部にはリクライニング装置16の管状に構成されたセンターパイプ16Aがシート幅方向に貫通されている。回転軸穴22Cはセンターパイプ16Aに回転自在に支持されている。このため、センターパイプ16Aを回転中心として、反力部材22が矢印Cに示されるシート前方側へ回転し、移動可能とされている(図1参照)。反力部材22の上部22Bは、移動後の状態では、車両用シート10に着座する乗員の肩部の側方に位置する部位として構成され、上部22Bはシート幅方向外側から見て肩部を覆う構成とされている。
図2及び図3に示されるように、反力部材22の下端部22Dには上方側へ凹む凹状部位22Eが形成されている。凹状部位22Eのシート後方側の壁は第1回転制限部22Fとして構成されている。第1回転制限部22Fは、乗員保護装置20の作動前(通常時)において、シートフレーム12Aからシート幅方向外側へ突出するピン状の被回転制限部12Bに当接されている。被回転制限部12Bに第1回転制限部22Bが当接されることにより、反力部材22のシート後方側への回転が制限される。凹状部位22Eのシート前方側の壁は第2回転制限部22Gとして構成されている。乗員保護装置20の作動前において、第2回転制限部22Gにより反力部材22のシート前方側への回転が制限されている。つまり、第1回転制限部22F及び第2回転制限部22Gにより、シートバック部14に対する反力部材22のシート前後方向の回転が制限されている。なお、リクライニング装置16によるシートバック部14のシート前後方向の回転に追従して、反力部材22は回転する構成とされている。
また、反力部材22の回転軸穴22Cの上方には、シート幅方向外側へ突出する係止部22Hが設けられている。ここでは、係止部22Hは反力部材22に一体に形成されている。係止部22Hには弾性部材40の径方向外側の一端部40Aが係止されている。本実施の形態において、弾性部材40として渦巻きばねが使用されている。弾性部材40は反力部材22よりもシート幅方向外側においてセンターパイプ16Aに取り付けられ、弾性部材40の他端部40Bはセンターパイプ16Aに差し込まれて係止されている。反力部材22は、例えば剛性が高い鋼板をベース部材として用いて形成されている。さらに、シート前方側へ移動したときに少なくとも乗員の肩部の側方に位置する上部22Bの表面には、ベース部材に比べて軟らかい樹脂材が形成されている。
図2及び図3に示されるように、移動手段24は、反力部材22の回転軸穴22Cと、センターパイプ16Aと、弾性部材40と、起動装置42とを含んで構成されている。弾性部材40は、シートバック部14に対して、常時、反力部材22をシート前方側へ付勢させている。
起動装置42は、図2及び図4(A)に示されるように、シートフレーム12Aのシート幅方向内側に装着されている。起動装置42は、図2及び図3に示されるように被回転制限部12Bよりもシート前方側に配設され、図4(A)及び図4(B)に示されるようにシート幅方向外側から内側へ移動可能とされるトリガーピン42Aを備えている。トリガーピン42Aは、図4(A)及び図5(A)に示されるように、乗員保護装置20の作動前においてシートフレーム12Aからシート幅方向外側へ突出され、反力部材22の第2回転制限部22Gに当接されている。これにより、反力部材22のシート前方側への移動が制限されている。
一方、図4(B)及び図5(B)に示されるように、乗員保護装置20が作動されると、トリガーピン42Aのシート幅方向外側への突出が解除され、かつ、トリガーピン42Aの第2回転制限部22Gとの当接が解除される。これにより、反力部材22は弾性部材40の付勢力によりシート前方側へ移動(回転)する。反力部材22は第2回転制限部22Gが被回転制限部12Bに当接するまでシート前方側へ移動し、当接された時点において反力部材22の移動が停止する。
ここで、起動装置42として電磁ソレノイドが使用されている。起動装置42は、ここでは図1等に示されるECU28に接続され、ECU28により作動される。また、ECU28ではなく、起動装置42は専用の制御装置により作動させてもよい。
サイドエアバッグ装置26は、図1、図2及び図6に示されるように、シートバック部14のシート幅方向の側部14Aに設けられている。詳しく説明すると、サイドエアバッグ装置26は、シートバック部14の内部に配設されたシートフレーム14Bのシート幅方向外側に取り付けられている。ここで、図6において、シートバック部14の輪郭形状が一点鎖線により示されている。シートクッション並びにシート表皮は図示を省略している。サイドエアバッグ装置26は、インフレータ26Aと、インフレータ26Aが作動されることによりシート前方側へ展開されるサイドエアバッグ26B(図8(A)及び図8(B)参照)とを含んで構成されている。図1に示されるように、インフレータ26Aは、ECU28に接続され、ECU28により作動される。
図1に示されるように、側面衝突検知部30は、例えば図示を省略したセンターピラー、サイドドア等に装着されている。側面衝突検知部30として、圧力センサ又は加速度センサが使用されている。側面衝突検知部30はECU28に接続され、側面衝突検知部30により側面衝突が検知されると、この検知信号がECU28に送信される。ECU28は、検知信号に基づいて、乗員保護装置20を作動させる。
側面衝突予知部32は、例えばサイドドア等に装着されている。側面衝突予知部32として、ミリ波レーダ、ステレオカメラ、赤外線レーザレーダ及び超音波ソナーのいずれか1つが少なくとも使用されている。側面衝突予知部32はECU28に接続され、側面衝突予知部32により側面衝突の予知が検知されると、この検知信号がECU28に送信される。ECU28では、検知信号に基づいて、乗員保護装置20を作動させる。
[本実施の形態の作用及び効果]
本実施の形態に係る乗員保護装置20では、図1〜図6に示されるように、車両用シート10のシートバック部14の側面にプレート状に構成された反力部材22が設けられる。加えて、乗員保護装置20では、反力部材22よりもシート幅方向内側においてシートバック部14の側部14Aにサイドエアバッグ装置26が設けられる。反力部材22は、シート前方側へ移動可能に設けられると共に、移動後の状態では乗員のシート幅方向外側に位置する肩部の側方に位置する上部(部位)22Bを有する(図8(B)参照)。移動手段24は、反力部材22をシート前方側へ移動させ、反力部材22の上部22Bを肩部の側方に位置させる。
図7(A)及び図7(B)には、車両用シート10に乗員50が着座し、作動前の乗員保護装置20が示されている。反力部材22は、シートバック部14の側面に沿って配置されている。
ここで、図1に示されるように、本実施の形態に係る乗員保護装置20は側面衝突検知部30及び側面衝突予知部32を備えているので、まず最初に側面衝突予知部32により側面衝突の予知が検知される。この検知信号に基づいて、ECU28は、図8(A)及び図8(B)に示されるように、移動手段24を作動させる。移動手段24では、図2〜図5に示されるように、起動装置42のトリガーピン42Aと反力部材22の第2回転制限部22Gとの当接が解除されるので、弾性部材40によりセンターパイプ16Aを回転中心として反力部材22がシート前方側へ移動する。反力部材22のシート前方側への移動は第2回転制限部22Gが被回転制限部12Bに当接した時点において停止される。図8(B)に示されるように、反力部材22の上部22Bが、丁度、乗員50のシート幅方向外側の肩部(左肩部)50Sの側方に位置した時点において、反力部材22の移動が停止される。
次に、図1に示される側面衝突検知部30により側面衝突が検知される。この検知信号に基づいて、サイドエアバッグ装置26では、図6に示されるインフレータ26Aが作動され、図8(A)及び図8(B)に示されるように、サイドエアバッグ26Bがシート前方側へ展開される。このサイドエアバッグ26Bは、乗員50の肩部50Sの側方とこの肩部50Sの側方に位置する反力部材22の上部22Bとの間において展開される。
移動手段24による反力部材22の移動速度は、機械的動作であるために、サイドエアバッグ装置26のサイドエアバッグ26Bの展開速度よりも遅い。そこで、乗員保護装置20は、側面衝突予知部32からの検知信号に基づいて、サイドエアバッグ装置26の作動タイミングよりも先に移動手段24により反力部材22を移動させる。これにより、反力部材22の上部22Bが肩部50Sの側方の位置へ移動したタイミングを見計らって、狙い通りにサイドエアバッグ26Bを展開させることができ、サイドエアバッグ26Bの反力を早期に得て肩部50Sを拘束することができる。
なお、乗員保護装置20が側面衝突検知部30のみ備えているとき、側面衝突検知部30からの検知信号に基づいて、反力部材22の移動開始タイミングと、サイドエアバッグ26Bの展開開始タイミングとが同時とされる。このとき、反力部材22の移動速度はサイドエアバッグ26Bの展開速度よりも遅いが、サイドエアバッグ26Bの展開完了までに反力部材22の上部22Bが肩部50Sの側方に位置するまで移動される。このため、反力部材22によりサイドエアバッグ26Bの反力を早期に得て肩部50Sを拘束することができる。
図8(A)には車両52のサイドドアのドアトリム54が示されている。反力部材22に比べてドアトリム54は肩部50Sからシート幅方向外側へ遠い距離にあるので、サイドエアバッグ26Bのドアトリム54による反力に比べて、サイドエアバッグ26Bの反力部材22による反力は早期に得られる。
従って、乗員保護装置20によれば、車両用シート10に着座する乗員50の肩部50S(助手席に着座する乗員の場合は右肩部)を拘束するまでの時間を短縮し、かつ、ライドダウン効果を高めて保護性能を向上させることができる。
また、本実施の形態に係る乗員保護装置20では、側面衝突が検知されたとき、又は側面衝突の予知が検知されたときに、プレート状に構成された反力部材22をシート前方側へ移動させる簡易な構成とされているので、装置全体を簡易に構築することができる。
[変形例]
上記乗員保護装置20において、移動手段24の起動装置42に電磁ソレノイドが使用されている。変形例では、起動装置42は、マイクロガスジェネレータを備え、このマイクロガスジェネレータを作動させてトリガーピン42Aを移動させる。
(第2実施の形態)
図9及び図10を用いて、本発明の第2実施の形態に係る乗員保護装置20について説明する。なお、本実施の形態並びに後述する第3実施の形態において、第1実施の形態に係る乗員保護装置20及び車両用シート10と同一又は実質的に同一の構成要素には同一符号を付け、重複する説明は省略する。
[乗員保護装置20の構成]
本実施の形態に係る乗員保護装置20では、図9(A)及び図9(B)に示されるように、反力部材22がシート前方側へスライドする構成とされている。詳しく説明すると、乗員保護装置20は、反力部材22と、移動手段24と、第1実施の形態と同一構成のサイドエアバッグ装置26(図1、図6等参照)とを含んで構成されている。
反力部材22は、第1実施の形態の反力部材22と同様に、シートバック部14の側面に配設され、シート上下方向を長手方向とし、シート幅方向を厚さ方向とするプレート状に形成されている。図10(A)に示されるように、反力部材22において上部22Bの内部にはシート前後方向に延設されたシリンダ部22Iが設けられ、下部22Aの内部にはシリンダ部22Iと同一構成のシリンダ部22Jが設けられている。シリンダ部22I、22Jのシート前方側から見た断面形状はここではシート上下方向を長手方向とする矩形状とされ、反力部材22の厚みが薄くされている。なお、シリンダ部22I、22Jのシート前方側から見た断面形状は、楕円状、円形状等の形状であってもよい。
移動手段24は、図10(A)に示されるように、反力ベース部材24Aと、上記シリンダ部22I、22Jと、ピストン部24B、24Cと、流体供給路24Eと、流体供給源24Fとを含んで構成されている。反力ベース部材24Aは、シートバック部14の側面にシート上下方向に沿って延設され、側部14Aの図示を省略したシートフレーム14B(図6参照)に取付けられている。反力ベース部材24Aの平面形状は、特に限定されるものではないが、矩形状、シート後方側を円弧状とするU字形状に形成されている。
ピストン部24Bは、反力ベース部材24Aの上部22Bにおいてシート前方側端部からシート前方側へ立設された支持部24Gを介して設けられ、シリンダ部22I内をシート前後方向へ摺動する構成とされている。ピストン部24Bのシート前方側端部には流体噴射口24Hが設けられている。この流体噴射口24Hは、ピストン部24B内及び支持部24G内をシート前後方向へ延設され、かつ、反力ベース部材24Aをシート上下方向へ延設される流体供給路24Eに接続されている。同様に、ピストン部24Cは、反力ベース部材24Aの下部22Aにおいてシート前方側端部からシート前方側へ立設された支持部24Gを介して設けられ、シリンダ部22J内をシート前後方向へ摺動する構成とされている。また、ピストン部24Cのシート前方側端部には流体噴射口24Hが設けられている。この流体噴射口24Hは、ピストン部24C内及び支持部24G内をシート前後方向へ延設され、かつ、反力ベース部材24Aをシート上下方向へ延設される流体供給路24Eに接続されている。
流体供給路24Eは流体供給源24Fに接続されている。流体供給源24Fは、第1実施の形態において図1を用いて説明したECU28に接続され、側面衝突検知部30からの検知信号又は側面衝突予知部32からの検知信号に基づいてECU28により作動される。
図9(B)及び図10(B)に示されるように、流体供給源24Fから流体が流体供給路24Eへ供給されると、この流体は流体噴射口24Hからシリンダ部22I内、シリンダ部22J内へそれぞれ噴射される。これにより、乗員保護装置20では、ピストン部24B、24Cに対してシリンダ部22I、24Jがシート前方側へ移動するので、反力部材22をシート前方側へ移動させることができる。ここで、流体供給源24Fから供給される流体として高圧空気が使用されている。また、流体として不活性ガスを使用することができる。
[本実施の形態の作用及び効果]
本実施の形態に係る乗員保護装置20では、図9及び図10に示されるように、車両用シート10のシートバック部14の側面にプレート状に構成された反力部材22が設けられる。加えて、乗員保護装置20では、反力部材22よりもシート幅方向内側においてシートバック部14の側部14Aにサイドエアバッグ装置26(図1及び図6参照)が設けられる。反力部材22はシート前方側へ移動可能とされ、移動手段24は反力部材22をシート前方側へ移動させる。
ここで、図1に示される側面衝突予知部32により側面衝突の予知が検知されると、この検知信号に基づいて、ECU28は、図10(A)及び図10(B)に示されるように、移動手段24を作動させる。さらに、側面衝突検知部30により側面衝突が検知されると、この検知信号に基づいて、ECU28は、図8(A)及び図8(B)に示されるように、サイドエアバッグ装置26を作動させる。このため、乗員保護装置20では、第1実施の形態に係る乗員保護装置20と同様に、車両用シート10に着座する乗員50の肩部50Sを拘束するまでの時間を短縮し、かつ、ライドダウン効果を高めて保護性能を向上させることができる。
また、本実施の形態に係る乗員保護装置20は、第1実施の形態に係る乗員保護装置20に対して移動手段24の構成要素が少ないので、簡易に構成することができる。
[第1変形例]
第2実施の形態の第1変形例に係る乗員保護装置20では、図11(A)に示されるように、移動手段24は電磁ソレノイド24I、24Kを含んで構成されている。詳しく説明すると、移動手段24は、反力ベース部材24Aと、電磁ソレノイド24I、24Kとを含んで構成されている。
電磁ソレノイド24Iは反力部材22の上部22Bに内蔵され、電磁ソレノイド24Iのスライドピン24Jのシート後方側端は反力ベース部材24Aに接続されている。同様に、電磁ソレノイド24Kは反力部材22の下部22Aに内蔵され、電磁ソレノイド24Kのスライドピン24Lのシート後方側端は反力ベース部材24Aに接続されている。電磁ソレノイド24I、24Kは、いずれもECU28に接続され、第1実施の形態において説明した側面衝突検知部30からの検知信号又は側面衝突予知部32からの検知信号に基づいてECU28により作動される(図1参照)。
図11(B)に示されるように、ECU28により電磁ソレノイド24I及び電磁ソレノイド24Kが作動されると、それぞれのスライドピン24J及びスライドピン24Lがシート後方側へ伸びる。これにより、乗員保護装置20では、反力部材22をシート前方側へ移動させることができる。
第1変形例に係る乗員保護装置20では、第2実施の形態に係る乗員保護装置20により得られる作用効果と同様の作用効果を得ることができる。また、第1変形例に係る乗員保護装置20では、第2実施の形態に係る乗員保護装置20に対して移動手段24の構成要素が少ないので、更に簡易に構成することができる。
[第2変形例]
第2実施の形態の第2変形例に係る乗員保護装置20では、図12(A)に示されるように、移動手段24は弾性部材24O、24Pを含んで構成されている。詳しく説明すると、移動手段24は、反力ベース部材24Aと、シリンダ部22I、22Jと、ピストン部24B、24Cと、弾性部材24O、24Pと、起動装置24M、22Nと、係止部22M、22Nとを含んで構成されている。
第2実施の形態に係る乗員保護装置20と同様に、シリンダ部22Iは反力部材22の上部22Bに設けられている。ピストン部24Bはシリンダ部22I内をシート前後方向へ摺動する構成とされている。ピストン部24Bのシート後方側は支持部24Gを介して反力ベース部材24Aに接続されている。シリンダ部22Iの内部においてピストン部24Bのシート前方側には弾性部材24Oが設けられている。弾性部材24Oとして、ここではコイルスプリングが使用されている。乗員保護装置20の作動前において、コイルスプリングは圧縮された状態にある。
一方、シリンダ部22Jは反力部材22の下部22Aに設けられている。ピストン部24Cはシリンダ部22J内をシート前後方向へ摺動する構成とされている。ピストン部24Cは支持部24Gを介して反力ベース部材24Aに接続されている。シリンダ部22Iの内部においてピストン部24Cのシート前方側には弾性部材24Pが設けられている。弾性部材24Pは弾性部材24Oと同一構成とされている。
反力ベース部材24Aの上端部には起動装置24Mが設けられ、反力ベース部材24Aの下端部には起動装置24Nが設けられている。第2変形例では、起動装置24M、24Nのそれぞれとして、電磁ソレノイドが使用されている。起動装置24Mでは、乗員保護装置20の作動前において、スライドピンがシート上方側へ突出され、このスライドピンが反力部材22の上部22Bのシート後方端部に設けられた係止部22Mに係止されている。また、起動装置24Nでは、乗員保護装置20の作動前において、スライドピンがシート下方側へ突出され、このスライドピンが反力部材22の下部22Aのシート後方端部に設けられた係止部22Nに係止されている。ここで、係止部22M、22Nのそれぞれとして、シート上下方向を板厚方向とする板状部材に、板厚方向へ貫通する貫通孔を形成したものが使用されている。スライドピンは貫通孔に挿入されることにより係止される。起動装置24M、24Nは、それぞれECU28に接続され、第1実施の形態において説明した側面衝突検知部30からの検知信号又は側面衝突予知部32からの検知信号に基づいてECU28により作動される(図1参照)。
図12(B)に示されるように、ECU28により起動装置24M、24Nが作動されると、起動装置24Mのスライドピンと係止部22Mとの係止が解除され、かつ起動装置24Nのスライドピンと係止部22Nとの係止が解除される。これにより、ピストン部24B、24Cを起点として弾性部材24O、24Pがシート前方側へ伸びて反力部材22をシート前方側へ移動させることができる。
第2変形例に係る乗員保護装置20では、第2実施の形態に係る乗員保護装置20により得られる作用効果と同様の作用効果を得ることができる。また、第2変形例に係る乗員保護装置20では、第2実施の形態に係る乗員保護装置20に対して、高圧空気を使用せずに単純な機械的構成により移動手段24が構築されているので、簡易に構成することができる。
(第3実施の形態)
図13を用いて、本発明の第3実施の形態に係る乗員保護装置20について説明する。
[乗員保護装置20の構成]
図13(A)及び図13(B)に示されるように、本実施の形態に係る乗員保護装置20では、作動前において、シートバック部14の側面(図1参照)に設けられた収納部60に反力部材22が収納されている。収納部60は、シート上下方向を長手方向とし、シート前後方向を幅方向とし、シート幅方向を厚さ方向とする矩形状に形成されている。この収納部60には、シート前方側が開口され、シート幅方向外側から見て反力部材22よりも若干大きい相似形に形成された収納空間62Aが設けられている。この収納空間62Aに反力部材22が収納され、かつ、収納空間62Aからシート前方側へ反力部材22を移動させることができる。
反力部材22の上部22Bには、シート上方側へ突出し、かつ、シート前後方向へ延設されたガイド部位22Rが一体に形成されている。収納部60の収納空間62Aの内部には、ガイド部位22Rに対応する位置にシート前後方向に延設されたガイド溝62Rが形成されている。一方、反力部材22の下部22Aには、シート下方側へ突出し、かつ、シート前後方向へ延設され、ガイド部位22Rと一対をなすガイド部位22Qが一体に形成されている。同様に、収納空間62Aの内部には、ガイド部位22Qに対応する位置にシート前後方向に延設されたガイド溝62Qが形成されている。ガイド部位22R、22Qがガイド溝62R、62Qにガイドされて、反力部材22をシート前方側へ移動させることができる。
収納空間62Aのシート後方側には、シート上下方向に沿って複数の流体噴出口62Bが設けられている。流体噴出口62Bは、収納部60に埋設された流体供給路62Cを介して流体供給源24Fに接続されている。流体供給源24Fは、第2実施の形態の流体供給源24F(図10参照)と同様にECU28に接続され、ECU28により作動される。流体供給源24Fが作動されると、流体噴出口62Bから収納空間62Aへ流体が噴出され、この流体により収納部60からシート前方側へ反力部材22が押し出される。
第3実施の形態に係る乗員保護装置20では、第2実施の形態に係る乗員保護装置20により得られる作用効果と同様の作用効果を得ることができる。また、第3実施の形態に係る乗員保護装置20では、反力部材22が収納部60に収納され、例えば収納部60の意匠が車両用シート10(図1参照)の意匠と同一に、又は関連性を持って形成されることにより、反力部材22を目立たなくして車両用シート10や車室内装の意匠を高めることができる。
(上記実施の形態の補足説明)
本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。例えば、上記実施の形態では、シートバック部の側部に沿ってシート上下方向の全域に反力部材が設けられている。これに対して、本発明では、反力部材は、シートバック部の側面上部に設けられ、乗員の肩部の側方に位置する部分に移動する構成としてもよい。また、本発明は、車両の後部座席としての車両用シートに適用される乗員保護装置としてもよい。
10 車両用シート
14 シートバック部
20 乗員保護装置
22 反力部材
24 移動手段
26 サイドエアバッグ装置
28 エンジンコントロールユニット(ECU)
30 側面衝突検知部
32 側面衝突予知部

Claims (1)

  1. 車両用シートのシートバック部の側面にシート前方側へ移動可能に設けられると共に、シート幅方向を厚さ方向とするプレート状に構成され、移動後の状態では乗員のシート幅方向外側に位置する肩部の側方に位置する部位を有する反力部材と、
    側面衝突を検知又は予知する検知部からの検知信号に基づいて、前記反力部材をシート前方側へ移動させ、前記部位を前記肩部の側方に位置させる移動手段と、
    前記反力部材よりもシート幅方向内側において前記シートバック部の側部に設けられ、前記検知部からの検知信号に基づいて、前記肩部の側方と当該肩部の側方に位置する前記部位との間でサイドエアバッグをシート前方側へ展開させるサイドエアバッグ装置と、
    を備えた乗員保護装置。
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