JP2017205002A - モーター駆動式の走行装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】予期せぬ車体の動きを抑制して安全にブレーキを解除できるモーター駆動式走行装置を提供する。【解決手段】車体と、ブレーキとして車体の制動を行い得る走行駆動用のモーターと、走行する車体にブレーキをかける電磁ブレーキと、モーターにより走行駆動するか制動を行うかを切換える動作切換回路と、モーターおよび電磁ブレーキのブレーキ解除に係る操作を受付けるブレーキ解除スイッチと、ブレーキ解除スイッチが操作されている間その操作に応答してモーターおよび電磁ブレーキを制御するブレーキ制御回路とを備えるモーター駆動式走行装置。【選択図】図4

Description

この発明は、モーター駆動式の走行装置に関し、より詳細には電磁ブレーキに通電してブレーキを解除する際に、予期せぬ車体の動きを抑制して安全にブレーキを解除できるモーター駆動式の走行装置に関する。
自律走行装置やロボット装置などは、電源が切れて駆動源であるモーターが停止した場合に、車体やアーム等が予期せぬ動きをして周囲の人に危険がおよぶことのないように考慮されている。具体的には、駆動用の電源が切れるとブレーキが作動する電磁ブレーキを搭載したものが知られている。駆動用の電源が入っている間はモーターが動作し、かつ電磁ブレーキによるブレーキは解除されている(例えば、特許文献1、2参照)。
特開2011−1346400号公報 特開2006−263894号公報
自律走行装置か人が運転する走行装置かを問わず、モーター駆動式の走行装置では例えば故障やバッテリーの残容量が少なくなってモーターが停止し、その際に安全のため電磁ブレーキがはたらいて走行装置が停止することがある。この状況下にある走行装置を手押しで、走行路の傍らや作業用のスペースまで移動させたい場合がある。ところが、手押しで車体を移動させるために電磁ブレーキに電源を入れると、バッテリーの残容量でモーターが回転して車体が動き、周囲のユーザーに危険が及ぶ可能性がある。
安全のために、電磁ブレーキに電源を入れてブレーキを解除した場合は同時にモーターを電源から遮断するように回路を構成することが考えられる。しかしそれでも、例えば走行装置が斜面で停止している場合に車体のスイッチを押して電磁ブレーキに通電しブレーキを解除すると、車体の傍でスイッチを押した人に向かって車体が動く可能性があり、危険である。人の体重を超える程の車体重量があればなおさら危険である。予期せぬ車体の動きで傍にいる人が転倒したり巻き込まれたりして負傷する危険がある。
この発明は、以上のような事情を考慮してなされたものであって、予期せぬ車体の動きを抑制して安全にブレーキを解除できるモーター駆動式走行装置を提供するものである。
この発明は、車体と、ショートブレーキまたは発電ブレーキとして車体の制動を行い得る走行駆動用のモーターと、前記モーターと別に前記車体を制動する電磁ブレーキと、前記モーターにより走行駆動するか制動を行うかを切換える動作切換回路と、前記モーターおよび前記電磁ブレーキのブレーキ解除に係る操作を受付けるブレーキ解除スイッチと、前記ブレーキ解除スイッチが操作されている間その操作に応答して前記モーターおよび前記電磁ブレーキを制御するブレーキ制御回路とを備えるモーター駆動式の走行装置を提供する。
この発明によるモーター駆動式の走行装置において、前記ブレーキ制御回路は、前記ブレーキ解除スイッチが操作されている間その操作に応答して前記モーターおよび前記電磁ブレーキを制御するので、ユーザーは電磁ブレーキを解除する際の予期せぬ車体の動きを抑制して安全にブレーキを解除できる。
この発明のモーター駆動式走行装置の一態様である自律走行車両の外観を示す側面図である。 図1に示す自律走行型車両の概略構成を示すブロック図である。 図2に示す自律走行型車両のブレーキ解除に係る構成の詳細を示すブロック図である。 図3に示すブレーキ解除スイッチの操作に応答してシステムコントローラがブレーキを解除する動作を示す説明図である。 図3に示すモータードライバの基本的構成を示す説明図である。(直流ブラシモーターの場合) 図3に示すモータードライバの基本的構成を示す説明図である。(直流ブラシレスモーターの場合) 図5に示すモータードライバがショートブレーキを作動させる状態を示す説明図である。 図6に示すモータードライバがショートブレーキを作動させる状態を示す説明図である。 図5に示すモータードライバが発電ブレーキを作動させる状態を示す説明図である。 図6に示すモータードライバが発電ブレーキを作動させる状態を示す説明図である。 図2に示す自律走行型車両のブレーキ解除に係る図3と異なる構成例を示すブロック図である。 図9に示すブレーキ解除スイッチに対する操作に応答してシステムコントローラがブレーキを解除する動作を示す説明図である。(実施の形態2) ブレーキ解除スイッチに対する操作に応答してシステムコントローラがブレーキを解除する動作を示す説明図である。(実施の形態3) 図1と異なり車体の前部と後部にブレーキ解除スイッチが設けられた例を示す側面図である。(実施の形態6) 図2に示す自律走行型車両のブレーキ解除に係る構成例を示すブロック図である。(実施の形態7) 図13に示す電磁ブレーキ解除スイッチおよびショートブレーキ解除スイッチに対する操作に応答してシステムコントローラがブレーキを解除する動作を示す説明図である。 この発明に係る自律走行車両の図1と異なる態様を示す左側面図である。 この発明に係る自律走行車両の図1および図15と異なる態様を示す左側面図である。
以下、図面を用いてこの発明をさらに詳述する。なお、以下の説明は、すべての点で例示であって、この発明を限定するものと解されるべきではない。
(実施の形態1)
≪モーター駆動式走行装置としての自律走行車両≫
図1は、この発明のモーター駆動式走行装置の一態様である自律走行車両の外観を示す側面図である。図2は、図1に示す自律走行型車両の概略構成を示すブロック図である。
図1に示すように、自律走行型車両1は、主として、電動車台部10と、電動車台部10上に設けられたカバー18および昇降機構部50と、昇降機構部50の先端部に設けられた撮像部としての監視カメラ60を備える。また、前部のバンパー130Fおよび後部のバンパー130Tを備える。
電動車台部10の前端部上には距離検出部12が設けられ、電動車台部10の後端部上にはWi‐Fiアンテナ71および警告灯72が設けられている。電動車台部10の左右側面および後端面にはCCDカメラ73が設けられている。昇降機構部50の先端部における監視カメラ60の後方位置にはGPSアンテナ74が設けられている。また、側面のCCDカメラ73の近傍に、ブレーキ解除スイッチ120が設けられている。
距離検出部12は、移動する前方領域や路面の状態を確認する機能を有し、光を出射する発光部と、光を受光する受光部と、前記前方空間の所定の複数の測点に向けて前記光が出射されるように、光の出射方向を走査させる走査制御部とを備える。
距離検出部12としては、所定の距離測定領域内の2次元空間または3次元空間に、レーザーを出射し、前記距離測定領域内の複数の測点における距離を測定するLIDAR(Light Detection and Ranging、あるいはLaser Imaging Detection and Ranging:ライダー)を用いることができる。
電動車台部10は、車台本体11と、車台本体11の前後左右に設けられた4つの車輪(図1に示す前輪31L、31Rおよび図2に示す後輪32Lを含む)を備える。さらに、左右一対の前輪31Lおよび前輪31Rをそれぞれ個別に回転駆動する2つのモーター41L、41R(図2参照)と、それらのモーター41L、41Rに電力を供給するバッテリー40(図1、2に図示せず)と、距離検出部12と、システムコントローラ100(図2参照)とを備える。
システムコントローラ100は、この自律走行型車両1の有する走行機能や監視機能などを実行する部分であり、ハードウェア資源としてはCPUを中心としてメモリー、入出力インターフェイス回路、タイマー回路、通信インターフェイス回路などで構成される。
そして、システムコントローラ100はこの発明に係るブレーキ制御回路100bの機能を包含する。ブレーキ制御回路100bは、動作切換回路102Lおよび動作切換回路102Rを制御する。
この自律走行型車両1は、走行すべき領域の地図情報と移動経路情報とを予め記憶し、監視カメラ60、距離検出部12およびGPS(Global Positioning System)から取得した情報を利用して、障害物を避けながら、所定の経路を走行するよう構成されている。
走行中、自律走行型車両1は、特に、監視カメラ60や距離検出部12等を利用して、指示者の姿勢を認識して、その姿勢に予め対応づけられた指示に基づいて、電動車台部10の進行方向前方の状態を確認しながら自走する。例えば、前方に、障害物や段差等が存在することを検出した場合には、障害物に衝突することなどを防止するために、静止、回転、後退、前進等の動作を行って進路を変更し、指示に対応する機能を実行する。
速度センサ101Lおよび101Rは、モーター41Lおよび41Rの回転速度および回転方向をそれぞれ計測し、速度情報としてシステムコントローラ100に送る。なお、電磁ブレーキ103Lおよび103Rが解除された状態で車体が外力で移動する場合、駆動輪の回転に伴ってモーター41Lおよび41Rの軸が回転する。速度センサ101Lおよび101Rは、外力によって移動する車体の速度および方向を検出する。
システムコントローラ100は、モーター41Lおよび41Rの回転速度を、駆動輪である前輪31Lおよび31Rの直径と駆動系の減速ギア比とに基づいて、自律走行型車両1の走行速度に変換する。そして、動力制御やブレーキ制御によって自律走行型車両1の走行を制御する。
図1に示す自律走行型車両1は、一例で車体の全長が約1.4メートル、全幅が約0.85メートル、車輪の径が約0.4メートル、車体重量が約200キログラム、モーター41Lおよび41Rの定格出力がそれぞれ400ワットである。
≪ブレーキ解除に係る構成≫
続いて、自律走行型車両1におけるブレーキ解除について説明する。
図3は、図2に示す自律走行型車両1のブレーキ解除に係る構成の詳細を示すブロック図である。図2において前輪、モーター、動作切換回路、電磁ブレーキ等は左右1対で構成されるが、図3には対をなす構成要素のうちの左の1組だけを代表で示している。右の1組は省略しているが、左と同様の構成である。左の1組だけを代表で図示している点は、図9および図13も同様である。
なお、自律走行装置に限らず、人が運転するモーター駆動式の走行装置でも、上述のような電磁ブレーキが搭載され、手押し等の際にブレーキ解除スイッチでブレーキを解除する場合が考えられる。
図3に示すように、モーター41Lは、モーター電源リレー121Lおよびモータードライバ122Lを介してバッテリー40に接続されている。電磁ブレーキ103Lは、ブレーキ電源リレー123Lおよびブレーキドライバ124Lを介してバッテリー40に接続されている。
ブレーキ制御回路100bは、モーター電源リレー121L、モータードライバ122L、ブレーキ電源リレー123Lおよびブレーキドライバ124Lのブレーキ解除に係る動作を制御する。
ブレーキ解除スイッチ120は、電磁ブレーキ103Lが作動して自律走行型車両1が停止した状態において、ユーザーの操作によりブレーキを解除するためのスイッチである。
図3のブレーキ解除スイッチ120は多段スイッチである。ここでいう多段スイッチとは、カメラのシャッターボタンに用いられているような機構を想定している。カメラのシャッターボタンは一般に、指で浅く押すとフォーカスが固定され、指を離すと固定されていたフォーカスが解除される。フォーカスが固定された状態からさらに深く押し込むとシャッターが作動する。
多段スイッチとは、このように操作量に応じて複数段階の状態をとるスイッチである。ただし、シャッターボタンのようなプッシュ式のスイッチに限定されるものでない。例えば、ロータリー式あるいはレバー式など、他のタイプのスイッチであってもよい。なお、この実施形態における多段スイッチは、操作をやめると可逆的に元の状態に戻る自己復帰型のスイッチであることが安全上極めて好ましい。以下、プッシュ式のスイッチを代表例として説明する。
図4は、図3に示すブレーキ解除スイッチ120に対する操作に応答してシステムコントローラ100がブレーキを解除する動作を示す説明図である。ブレーキ解除スイッチ120は、2段階の操作を受付けるものとしている。なお、図4でブレーキ解除スイッチの縦軸は操作量を示している。図4に示すように、ブレーキ解除スイッチがオフの状態から浅く押されて第1段階の操作を受付けると、システムコントローラ100はその操作に応答してモーター電源リレー121Lをオフしてモーター41Lおよびモータードライバ122Lをバッテリー40から切り離す。さらに、モータードライバ122Lを制御してショートブレーキがかった状態にする(ショートブレーキについては後述するが、モーターを発電機として機能させモーター軸に制動をかける手法である)。また、ブレーキ電源リレー123Lおよびブレーキドライバ124Lをオンして電磁ブレーキ103Lに通電し、作動中の電磁ブレーキを解除する。
ブレーキ解除スイッチ120が、その状態からさらに深く押し込まれて第2段階(最終段階)の操作を受付けると、システムコントローラ100はモータードライバ122Lを制御してショートブレーキを解除する。
自律走行型車両1を手押しするためにブレーキ解除スイッチ120を操作するユーザーの視点からすると、手押しを始めようとしてブレーキ解除スイッチ120を軽く押した最初の段階(第1段階)においては、電磁ブレーキ103Lが解除されるもののショートブレーキがかかって車体が動きにくい状態になる。
その状態から車体を大きく動かそうとしてさらにブレーキ解除スイッチ120を深く押し込むと(第2段階の操作)ショートブレーキが解除され、軽い力で車体を動かすことができるようになる。
斜面でブレーキを解除する場合等、ブレーキを解除すると自重で車体が予期せずに動く虞がある。その場合、手押しするユーザーはブレーキ解除スイッチの120を操作して、第1段階のショートブレーキによる制動が行われた状態で、あるいは第1段階のショートブレーキによる制動と第2段階のブレーキ解除の状態とを適宜切り替えつつ手押しすればよい。ユーザーはブレーキ解除スイッチ120の操作によって自重で斜面を下る車体の加速を抑制し、手押しする者や車体の周囲に居る者に危険が及ばないようにできる。
一方、自律走行型車両1を水平面で長い距離手押しする場合は、ブレーキ解除スイッチ120を深く押し込んで(第2段階の操作)ブレーキ解除状態とすることで、楽に手押しができる。
以上のように、状況に応じてユーザーがブレーキ解除スイッチ120の操作量を調整して、ブレーキの解除を調整できる。
多段スイッチを用いることで、ブレーキ解除スイッチ120の操作量と制動力とが連動し、段階的に制動力が弱くなるためユーザーは直感的に制動力を調整できる。
≪モータードライバ、ショートブレーキおよび発電ブレーキについて≫
図5および図6は、モータードライバ122Lの基本的構成を示す説明図である。
図5は直流ブラシモーターのドライバとして多用されるフルブリッジ回路の構成を示している。図5でTr1〜Tr4は、スイッチとして機能するトランジスタ素子を示している。システムコントローラ100は、各トランジスタ素子のオンおよびオフを制御する。例えば、モーター41Lを正転させる場合はTr1とTr4とをオンしてTr2とTr3とをオフする。逆転させる場合は、Tr1とTr4とをオフしてTr2とTr3とをオンする。なお、Tr4(またはTr1)をモーター41Lの機械的な応答時間よりも十分短い周期でオンおよびオフさせてそのデューティー比(1周期内のオン期間の割合)を制御することによりモーター41Lの正転時の回転速度が制御できる。PWM(Pulse Width Modulation)制御と呼ばれる手法である。逆転時はTr3(またはTr2)をオンおよびオフさせる。
図6は、直流ブラシレスモーターのドライバ構成である三相フルブリッジ回路の構成を示している。システムコントローラ100は、Tr1〜Tr6の6個のトランジスタ素子のオンおよびオフを制御してインバータ回路として動作させる。各トランジスタ素子のオンおよびオフのタイミングは、ホール素子等を用いてモーター41Lのローターの位置(回転角度)を検出し、検出されたローター位置に基づいてシステムコントローラ100が決定する。
ここで、モーターのショートブレーキについて述べておく。ショートブレーキはモーターを発電機として機能させてモーター軸にブレーキをかける手法として知られている。発電機として動作する際にモーターの端子を外部で短絡(ショート)させることによって、モーターの巻き線回路に短絡電流が流れてモーター自身でエネルギーを消費する。即ち、モーター軸が回転する機械的エネルギーを電気エネルギーに変換したうえで熱に変換して消費する。これが、ショートブレーキと呼ばれる所以である。
ショートブレーキと似たものに発電ブレーキがある。モーター端子を外部で短絡するショートブレーキに代えて、発電ブレーキはモーター端子間に抵抗を接続し、その抵抗でエネルギーを消費する。接続する抵抗の値によって電流の大きさが変わるので、抵抗値の選択により制動力を選択することができる。なお、ショートブレーキに比べて発電ブレーキは回路を流れる電流が抵抗分だけ小さくなるので、制動力はショートブレーキよりも弱くなる。
図7Aおよび図7Bは、ショートブレーキを作動させる際のモータードライバの制御を示す説明図である。図7Aは図5に対応し、直流ブラシモーターのショートブレーキを示す。図7Bは図6に対応し、直流ブラシレスモーターのショートブレーキを示す。
図7Aに示すように、直流ブラシモーターの場合はシステムコントローラ100がTr1とTr2とをオフしてTr3とTr4とをオンする。モーター41Lで発生した電力がモーター41Lで消費するようにモーター41Lの巻き線とTr3とTr4とを経て短絡電流が流れ、モーター41Lに制動力がはたらいてモーター軸が回転しにくくなる。
Tr3(またはTr4)をモーター41Lの機械的な応答時間よりも十分短い周期でオンおよびオフさせてそのデューティー比を制御すると短絡電流の平均値(時間平均)が変わり、制動力が変わる。これは、発電ブレーキで抵抗値を変えることに相当する。
図7Bに示すように、直流ブラシレスモーターの場合、システムコントローラ100がTr1、Tr2およびTr3をオフする。そして、Tr4、Tr5およびTr6をローターの位置に応じてオンする。これによって、短絡電流がモーター41Lの巻き線と、Tr4、Tr5およびTr6の何れか(ローターの位置に応じた何れか2つのトランジスタ素子)を経て流れ、モーター41Lでエネルギーが消費されてモーター41Lが回転しにくくなる。
モーター41Lの機械的な応答時間よりも十分短い周期でTr4、Tr5およびTr6をオンおよびオフさせてそのデューティー比を制御すると短絡電流の平均値が変わり、ブレーキの強さが変わる。これは、発電ブレーキで抵抗値を変えることに相当する。
以上、ショートブレーキについて述べた。
発電ブレーキの場合は、図8Aおよび図8Bに示すように、モーター41Lの駆動時はスイッチTrBをオンし、スイッチTrAをオフしてバッテリー40の電圧をモーター41Lの端子に印加する。一方、ブレーキ動作中はモーター41Lが発電した電力を消費する抵抗Rをモーター41Lの端子間に挿入する。具体的には、抵抗Rに電流が流れるようにスイッチTrAをオンし、バッテリー40からの電流が抵抗Rに流れないようにスイッチTrBをオフする。これにより、モーター41Lから発生したエネルギーを抵抗Rで消費され、モーター軸に制動がかかる。
(実施の形態2)
実施の形態1では、ブレーキ解除スイッチ120が2段階の操作を受付ける多段スイッチであるとして説明した。これに限らず、ブレーキ解除スイッチ120が少なくとも3段階の操作量を検出する多段スイッチであってもよい。システムコントローラ100は、操作量が第1段階から次の段階へ進むにつれてモーターによる制動力を弱めるように制御してもよい。
図9は、図2に示す自律走行型車両1のブレーキ解除に係る構成例であって、図3と異なる例を示すブロック図である。図3と異なる点は、システムコントローラ100がタイマー回路100tを含むことである。タイマー回路100tは、ショートブレーキの際、トランジスタ素子のデューティー比を制御するために用いられる。
また、図9は図3にない傾斜センサ109を有する。ただし、傾斜センサ109はこの実施形態における必須の構成要素ではない。傾斜センサ109を用いる態様については、実施の形態5で述べる。
図10は、図9に示すブレーキ解除スイッチ120の操作に応答してシステムコントローラ100がブレーキを解除する動作を示す説明図である。図4と異なり、図10におけるシステムコントローラ100は、ショートブレーキの作動中にトランジスタ素子を短い周期でオンおよびオフさせている。そして、ブレーキ解除スイッチ120の操作量に応じてオンおよびオフのデューティー比を変えている。操作量が第1段階から次の段階へ進むにつれてデューティー比を小さくして(1周期内のオンの割合を小さくして)、次第に制動力を弱めている。
(実施の形態3)
実施の形態1、2で、ブレーキ解除スイッチ120は多段スイッチであるが、それに代えて通常のオンオフ・スイッチを適用する態様も考えられる。
この実施形態で、ブレーキ解除スイッチ120それ自体はオンおよびオフの何れかの状態をとる単純なスイッチである。
ただし、この実施形態においてシステムコントローラ100は、タイマー回路100tを用いてブレーキ解除スイッチ120が押されている期間(オンの期間)を計測する。そして、オン期間の長さに応じて短絡電流を流すトランジスタ素子のデューティー比を変化させる。
図11は、この実施形態においてブレーキ解除スイッチ120に対する操作に応答してシステムコントローラ100がブレーキを解除する動作を示す説明図である。図11に示すように、システムコントローラ100は、ブレーキ解除スイッチ120がオンの状態を継続している期間、短絡電流を流すトランジスタ素子のデューティー比を次第に、つまり段階的に小さくして制動力を弱くする。この制御によって、ブレーキ解除スイッチ120が押された直後は、ユーザーが車体を手押しで動かすために大きな力を必要とする。しかし、ブレーキ解除スイッチ120のオン期間が続くと徐々に小さな力で車体が動かせるようになる。すなわち、一定の力で車体を手押しすることで、車体が時間と共に徐々に動かせるようになり、ゆっくりと加速して移動させることができる。
さらに、オン状態のブレーキ解除スイッチ120をオフにした場合に、トランジスタ素子のデューティー比を次第に大きくして制動力を徐々に強めるようにしてもよい。
(実施の形態4)
実施の形態3で述べたような、時間の経過と共に制動力を弱めるPWM制御を、実施の形態1や2の多段スイッチと組み合わせてもよい。両者を組み合わせることで、ブレーキ解除スイッチ120スイッチの操作量に応じて複数の段階の制動力を得、かつ、操作量が次の段階(例えば第1段階から第2段階および/または第2段階から第1段階)へ進む際に制動力を徐々に変化させて、車体を滑らかに加速あるいは減速させることが可能である。
(実施の形態5)
この実施形態では、図9に示す傾斜センサ109で自律走行型車両1の走行方向における車体の傾き(水平面に対する傾きの度合い)を計測し、傾きの大きさ(傾きの度合い)に応じてショートブレーキの制動力を補正する。
この態様によれば、システムコントローラ100は、斜面の途中で停止している自律走行型車両1を手押しするためにブレーキを解除する場合、水平面で停止している場合に比べてトランジスタ素子をオンおよびオフするデューティー比を小さくし、ショートブレーキの制動力を強くする。詳細には、第1段階をはじめ最終段階未満の操作量におけるトランジスタ素子のオンオフのデューティー比(即ちショートブレーキの制動力)を、車体が水平面にある場合に比べて斜面にある場合は強くする。これによって、自重によって車体が斜面を下ろうとするのを抑制する。
この態様によれば、走行方向における車体の傾き度合いが大きいほど、車体が斜面を下ろうとするのを強い制動力で抑制できる。よって、予期せぬ車体の動きを抑制して安全にブレーキを解除できる。
(実施の形態6)
図1に示す自律走行型車両1において、ブレーキ解除スイッチ120は電動車台部10の側面に配置されている。これに代えて、車体の前部と後部にブレーキ解除スイッチ120を設けてもよい。
図12は、図1と異なり車体の前部にブレーキ解除スイッチ120Fが設けられ、車体の後部にブレーキ解除スイッチ120Tが設けられた自律走行車両の外観を示す側面図である。図12に示す自律走行型車両1は、車体の前部にブレーキ解除スイッチ120Fを備えると共に、同じ機能を有するブレーキ解除スイッチ120Tを車体の後部に備える。
この態様によれば、斜面で停止している自律走行型車両1のブレーキを解除する場合、ユーザーは2つあるブレーキ解除スイッチ120Fおよび120Tのうち、斜面のより上側にある方を操作してブレーキを解除できる。車体の前後何れか一方の側にのみブレーキ解除スイッチ120が配置されていると、斜面の下側にユーザーが回り込んでブレーキを解除せざるを得ない状況が起こり得る。そのような操作は、ブレーキを解除した際に車両が自重で斜面を下ろうとすることがあり、ユーザーが車体に接触する危険を伴う。車体の前部と後部、即ち反対の側にそれぞれブレーキ解除スイッチ120を配置することにより、危険を回避できる。
車体が前進もしくは後進している状態で停止する場合が多いことを考慮すると、斜面で停止した場合を考慮して、ブレーキ解除スイッチ120を車体の前部と後部に配置することが好ましい。
さらに、ブレーキ制御回路100bは、速度センサ101Lおよび101Rで前輪31Lおよび前輪31Rの回転速度および回転方向をそれぞれ検出する。ブレーキが解除された状態で外力によって前輪31Lおよび31Rが回転しようとする場合、ブレーキ制御回路100bは、速度センサ101Lおよび101Rでその回転の開始を検出して動作切換回路102Lおよび102Rを制御し、モーター41Lおよび41Rに制動をかける。
即ち、停止状態でブレーキ解除スイッチ120Fまたは120Tが操作されてブレーキが解除され、ブレーキが解除された状態で前輪31Lまたは31Rが回転し始めた場合、ブレーキ制御回路100bは、その回転方向が回転を許容する方向であればそのまま回転させる。しかし、回転を阻止すべき方向であれば、動作切換回路102Lおよび102Rを制動に切換えて前輪31Lおよび31Rの回転を阻止する。
ここで、例えば、車体前部に配置されたブレーキ解除スイッチ120Fが操作された場合に、前輪31Lおよび31Rの回転を許容する方向が、車体が前進する方向か後退する方向かは、設計者が予め設定する。その設定は、ブレーキ解除スイッチ120Fを操作するユーザーが自律走行型車両1の車体を押して移動させることを前提とするのか、車体を引っ張って移動させることを前提とするのかによる。
好ましくは、ブレーキ解除スイッチ120Fおよび120Tの近傍に取っ手部が配置される。その取っ手部の形状および配置が、ユーザーが車体を押すことを前提に設計されたものであれば、例えば車体前部のブレーキ解除スイッチ120Fが操作された場合に許容する回転方向は、車体が後退する回転方向である。また、車体後部のブレーキ解除スイッチ120Tが操作された場合に許容する回転方向は、車体が前進する回転方向である。それらと逆方向の回転は阻止するように設定される。
一方、取っ手部が、車体を引っ張ることを前提に設計されたものであれば、例えば車体前部のブレーキ解除スイッチ120Fが操作された場合に許容する回転方向は、車体が前進する回転方向である。また、車体後部のブレーキ解除スイッチ120Tが操作された場合に許容する回転方向は、車体が後退する回転方向である。それらと逆方向の回転は阻止するように設定される。
このようにすれば、傾斜面を上る途中で停止した状態の自律走行型車両1を、下り方向から上り方向へユーザーが車体を押して移動させようとする際、ユーザーが車体後部、即ち下り側にあるブレーキ解除スイッチ120Tを押してブレーキ解除すると、その瞬間は自重で車体が下り側に後退しようとする。その状態を放置すると、後退する自律走行型車両1がユーザーを轢いてしまう恐れがある。
この実施形態によれば、ブレーキ制御回路100bは、ブレーキ解除スイッチ120Tが操作された場合に、車体を前進させる方向の車輪回転は許容するが、車体を後退させる方向の車輪の回転は阻止するように設定される。よって、ブレーキが解除された直後は、下り方向に車体が若干後退するとしても、すぐにモーターによる制動力が働く。一方、ユーザーが下り方向から車体を押して前進させる際には、前進方向の車輪の回転が許容されるので、ユーザーは一人であっても安全に車体を移動させることができる。
一方、車体を引っ張って移動させることを前提としている場合、ブレーキ制御回路100bは、車体前方のブレーキ解除スイッチ120Fが操作された場合に車体を前進させる方向の車輪回転は許容するが、車体を後退させる方向の車輪の回転は阻止するように設定される。
(実施の形態7)
ブレーキ解除スイッチ120として多段スイッチを用いる態様や1個のオンオフ・スイッチを適用する態様について述べたが、多段スイッチに代えて複数のオンオフ・スイッチを用いる態様も考えられる。
この実施形態では、実施の形態1における操作の各段階(第1段階、第2段階)に対応してオンオフ・スイッチを用いる態様を説明する。
図13は、図2に示す自律走行型車両1のブレーキ解除に係る図3、図9と異なる構成例を示すブロック図である。図14は、図13に示す電磁ブレーキ解除スイッチ120aおよびショートブレーキ解除スイッチ120bに対する操作に応答してシステムコントローラがブレーキを解除する動作を示す説明図である。
この実施形態で、ブレーキ解除スイッチ120は、2つのオンオフ・スイッチから構成される。電磁ブレーキ解除スイッチ120aとショートブレーキ解除スイッチ120bである。
ここで電磁ブレーキ解除スイッチ120aのみが押されると、システムコントローラ100はショートブレーキがかかった状態で電磁ブレーキ103Lを解除する。
さらに、ショートブレーキ解除スイッチ120bが押されると、システムコントローラ100はショートブレーキを解除する。
しかし、ショートブレーキ解除スイッチ120bのみが押された場合、システムコントローラ100は何もしない。即ち、電磁ブレーキ103Lもショートブレーキも解除しない。ブレーキ解除スイッチ120の操作手順を誤っても、ユーザーに危険がおよばないようにするためである。
ブレーキ解除スイッチ120に多段スイッチを用いた場合、ショートブレーキの解除状態は、特段の表示等を設けないかぎりユーザーにわからない。そのため、車体を手押しし易い状態か否かをユーザーが認識することが難しい。
この態様によれば、操作の各段階に対応したスイッチを設けることで、ユーザーがブレーキ解除の状態を容易に認識できる。複数人で車体を手押しする場合などは、ブレーキの状況を各人が認識できることが好ましく、そういう状況に適しているといえる。
2段階の多段スイッチに対応する態様を述べたが、それより多い段階の場合も各段階対応する数のスイッチを設けてもよい。しかし、操作すべきスイッチの数があまりに多くなると現実的でなく、また、実施の形態2で述べたように第2段階から最終段階まではショートブレーキの制動力を変化させるだけであるなら、ショートブレーキに関しては1つの多段階スイッチを用いてもよい。即ち、電磁ブレーキ解除スイッチ120aはオンオフ・スイッチを用い、ショートブレーキ解除スイッチ120bは1個の多段階スイッチを用いてもよい。
(実施の形態8)
図15は、この発明に係る自律走行車両の図1と異なる態様を示す左側面図である。図15において図1に対応する構成要素には図1と同じ符号を付している。
図1では、自律走行車両の前輪31L、後輪32Lの何れにもタイヤ付きホイールが用いられていた。これに対して図15に示すこの実施形態の自律走行型車両1の場合、後輪32Lとしてオムニホイール(登録商標)が用いられている。図示しない右側面の後輪32Rも同様である。
左右の後輪32Lおよび32Rをオムニホイールにすることにより、旋回時に左右の後輪32Lおよび32Rは車軸を回転させることなく左右方向へスムーズに移動することができる。よって、図15に示す自律走行型車両1は、タイヤ付きホイールの左右の前輪31Lおよび31Rを相互に逆方向に同じ回転数で回転させると、平面視で左の前輪31Lと右の前輪31Rとの中間点を旋回軸として小さなトルクでもスムーズに定置旋回できる。
自律走行型車両1は、モーター41Lと41Rとによって前輪31Lと31Rを同方向に回転させて前進あるいは後退することに加え、前輪31Lと31Rを互いに逆方向に回転させて右回りあるいは左回りに定置旋回できる。
なお、図15の自律走行型車両1において、左右の後輪32Lおよび32Rとして、オムニホールの代わりにメカナムホイール(登録商標)を用いてもよい。
また、図15では、駆動輪が左右の前輪31Lおよび31Rで従動輪が左右の後輪32Lおよび32Rであって後輪がオムニホイールであるが、駆動輪が後輪32Lおよび32Rであってタイヤ付きホイールで、従動輪が前輪31Lおよび31Rであってオムニホイールであってもよい。
図12と同様に自律走行型車両1は、車体の前部にブレーキ解除スイッチ120Fが配置され、車体の後部にブレーキ解除スイッチ120Tが設けられている。さらに、車体の左側面にブレーキ解除スイッチ120Lが配置され、図15に図示しない車体の右側面にブレーキ解除スイッチ120Rが配置されている。
ブレーキ制御回路100bは、速度センサ101Lおよび101Rで前輪31Lおよび前輪31Rの回転速度および回転方向をそれぞれ検出する。ブレーキが解除された状態で外力によって前輪31Lおよび31Rが互いに回転しようとする場合、ブレーキ制御回路100bは、速度センサ101Lおよび101Rでそれぞれの車輪が回転し始めたことおよびその方向を検出する。そして動作切換回路102Lおよび102Rを制御し、モーター41Lおよび41Rに制動をかける。
この実施形態で、停止状態でブレーキ解除スイッチ120Fまたは120Tが操作されてブレーキが解除された場合の制御は実施の形態6と同様である。この実施の形態ではさらに、ブレーキが解除された状態で前輪31Lまたは31Rが互いに逆方向に回転し始めた場合、ブレーキ制御回路100bは、その回転方向が回転を許容する方向であればそのまま回転させて車体を旋回させる。一方、回転を阻止すべき方向であれば、動作切換回路102Lおよび102Rを制動に切換えて前輪31Lおよび31Rに制動をかけて車体の旋回を阻止する。
ここで、例えば、車体左側面に配置されたブレーキ解除スイッチ120Lが操作された場合に、前輪31Lおよび31Rの回転を許容する方向が、平面視で車体が時計回りに旋回する方向か反時計回りに旋回する方向かは、設計者が予め設定する。その設定は、ブレーキ解除スイッチ120Lを操作するユーザーが自律走行型車両1の車体側部を押して旋回させることを前提とするのか、車体側部を引っ張って旋回させることを前提とするのかによる。
好ましくは、ブレーキ解除スイッチ120Lおよび120Rの近傍に、対応する取っ手部がそれぞれ配置される。その取っ手部の形状および配置が、ユーザーが車体を押すことを前提に設計されたものであれば、例えば車体左側面のブレーキ解除スイッチ120Lが操作された場合に許容する旋回方向は以下のとおりである。車体の左側面が押されることによってオムニホイールの後輪が左右方向へ移動する方向、即ち、平面視で車体が反時計回りに旋回する方向が許容される。詳細には、左側の前輪31Lが後退し右側の前輪31Rが前進する方向である。車体右側面のブレーキ解除スイッチ120Rが操作された場合に許容する旋回方向は、平面視で車体が時計回りに旋回する方向である。詳細には、左側の前輪31Lが前進し右側の前輪31Rが後退する方向である。それらと逆方向の回転は阻止するように設定される。
一方、取っ手部が、車体を引っ張ることを前提に設計されたものであれば、例えば車体左側面のブレーキ解除スイッチ120Lが操作された場合に許容する旋回方向次のとおりである。車体の左側面が引っ張られることによってオムニホイールの後輪が左右方向へ移動する方向、即ち、平面視で時計回りに旋回する方向が許容される。詳細には、左側の前輪31Lが前進し右側の前輪31Rが後退する方向である。車体右側面のブレーキ解除スイッチ120Rが操作された場合に許容する旋回方向は、車体が平面視で反時計回りに旋回する方向である。詳細には、左側の前輪31Lが後退し右側の前輪31Rが前進する方向である。それらと逆方向の旋回は阻止するように設定される。
この実施形態によれば、ブレーキ制御回路100bは、ブレーキ解除スイッチ120Lが操作された場合に、ユーザーが車体の側部を押してあるいは引っ張って旋回させる方向の車輪回転は許容するが、逆方向の旋回は阻止するように設定される。一方、ユーザーが下り方向から車体を押して前進させる際には、前進方向の車輪の回転が許容されるので、ユーザーが一人で車体を移動させても危険ではない。
一方、車体を引っ張って移動させることを前提としている場合、ブレーキ制御回路100bは、車体前方のブレーキ解除スイッチ120Fが操作された場合に車体を前進させる方向の車輪回転は許容するが、車体を後退させる方向の車輪の回転は阻止するように設定される。
この実施形態によれば、自律走行型車両1が傾斜面で停止した場合でも、ユーザーが車体の側部を押してあるいは引っ張って車体を旋回させる方向の車輪回転は許容するが、逆方向に車体を旋回させる車輪回転は阻止されるので、ユーザーが一人で車体を旋回させても危険ではない。
(実施の形態9)
図15に示す自律走行型車両1は、前後左右のブレーキ解除スイッチ120F、120T、120L、120Rの近傍に、ユーザーが手を引っ掛けて車体を引っ張るためのそれぞれに対応する取っ手部131F、131T、131L、131Rを有している(車体右側方の取っ手部131Rは図15に不図示)。
ブレーキ解除スイッチの近傍に、対応する取っ手部が配置されているので、ユーザーは何れかのブレーキ解除スイッチを操作する際に、操作をしながら自律走行型車両1の車体に力をかけて引っ張り易く、一人でブレーキ解除スイッチを操作しながら車体を移動あるいは旋回させることも容易でありかつ危険ではない。
図15は、自律走行型車両1の車体に取っ手部およびそれに対応するブレーキ解除スイッチが配置されているが、変形例として前後左右の全部または一部のブレーキ解除スイッチおよび/または取っ手部がバンパーに配置されてもよい。対応するブレーキ解除スイッチおよび取っ手部のいずれか一方が車体に配置され、他方がバンパーに配置されてもよいが、両者が近傍に配置されることが好ましい。
また、図15に示す態様の他、取っ手部の実施形態として種々の形状や形態が考えられる。例えば、車体の一部に凹部が形成され、その凹部に手を引っ掛けて車体を引っ張るようなものも考えられる。
さらなる変形例を図16に示す。図16は、バンパーが取っ手部の機能を兼ねる態様である。即ち、ブレーキ解除スイッチ120Tは後部のバンパー130Tが車体と対向する側に配置されている。ユーザーは、後部のバンパー130Tと車体との間に手を引っ掛けて車体を引っ張ることができる。前部についても同様である。前部のブレーキ解除スイッチ120Fは前部のバンパー130Fが車体と対向する側に配置されている。ただし、図16では前部のバンパー130Fに隠れてブレーキ解除スイッチ120Fが図示されていない。
以上に述べたように、
(i)この発明によるモーター駆動式の走行装置は、車体と、ショートブレーキまたは発電ブレーキとして車体の制動を行い得る走行駆動用のモーターと、前記モーターと別に前記車体を制動する電磁ブレーキと、前記モーターにより走行駆動するか制動を行うかを切換える動作切換回路と、前記モーターおよび前記電磁ブレーキのブレーキ解除に係る操作を受付けるブレーキ解除スイッチと、前記ブレーキ解除スイッチが操作されている間その操作に応答して前記モーターおよび前記電磁ブレーキを制御するブレーキ制御回路とを備えることを特徴とする。
この発明において、電磁ブレーキは、走行駆動用のモーターによる制動とは別に、車体の走行にブレーキをかけるものである。その具体的な一態様としては、電磁ブレーキであって、通電されている間はブレーキが解除され、通電されなくなるとブレーキがかかるものが挙げられる。
また、モーターは、車体を走行させるための駆動源となるものである。その具体的な態様は、例えば、電池を電源とする直流のブラシモーターやブラシレスモーターである。ショートブレーキは、モーターの端子を短絡してモーターの巻き線に電流を流すことにより、モーターの軸回転を電気エネルギーに変換しその電気エネルギーを短絡回路で消費させてブレーキとして機能させるものである。発電ブレーキはモーターの端子間に抵抗を接続して巻き線と抵抗を流れる回路で電気エネルギーを消費させてブレーキとして機能させるものである。一般にショートブレーキは発電ブレーキに比べて大きな電流が流れるので強い制動力が得られる。一方、発電ブレーキはモーター端子間に挿入する抵抗の大きさを変えることによって種々の制動力が得られる。ただし、ショートブレーキであってもモータードライバのスイッチング素子をPWB制御することによって発電ブレーキと同様に種々の制動力が得られる。
また、動作切換回路は、モーターを車体の走行駆動に用いるかショートブレーキ等により制動に用いるかを切換える回路である。その具体的な態様は、例えば、ブリッジ型のモータードライバ回路である。モーターが直流ブラシモーターであればフルブリッジ回路で構成でき、三相ブラシレスモーターであればブリッジ型のインバータ回路で構成できる。
ブレーキ解除スイッチは、上述の電磁ブレーキに通電することによってブレーキを解除するためのスイッチである。
ブレーキ制御回路は、電磁ブレーキおよびモーターのブレーキ動作を制御するものである。その具体的な態様は、例えば、コンピューターを用いた制御回路である。
さらに、この発明の好ましい態様について説明する。
(ii)前記ブレーキ解除スイッチは操作量に応じて少なくとも2段階の切換を行う多段スイッチであり、前記ブレーキ制御回路は、前記ブレーキ解除スイッチへの第1段階の操作に応答して前記電磁ブレーキのブレーキを解除すると共に前記モーターによる制動を実施し、最終段階の操作に応答して前記モーターによる制動を解除してもよい。
このようにすれば、前記ブレーキ解除スイッチへの第1段階の操作では、前記電磁ブレーキのブレーキを解除すると共に前記モーターによる制動が行われるので、ユーザーは電磁ブレーキを解除する際の予期せぬ車体の動きを抑制して安全にブレーキを解除できる。
(iii)前記ブレーキ解除スイッチは、少なくとも3段階の切換を行うものであり、前記ブレーキ制御回路は、前記ブレーキ解除スイッチの操作量が第1段階から段階を増すにつれて前記モーターによる制動力が弱まるように制御してもよい。
このようにすれば、ブレーキ解除スイッチの操作量が第1段階から最終段階にかけて増すにつれてモーターによる制動力が弱まるので、ユーザーはスイッチの操作量を調整しながらブレーキを徐々に解除できる。よって、予期せぬ車体の動きを抑制して安全にブレーキを解除できる。
(iv)前記ブレーキ制御回路は、前記モーターに流れる電流の大きさの時間平均を制御することによって制動力を制御するものであってもよい。
このようにすれば、平均電流を変えることで制動力の強弱を調整できる。
(v)前記ブレーキ解除スイッチが、前記多段スイッチに代えて1段階のスイッチであり、前記ブレーキ制御回路は前記ブレーキ解除スイッチの操作に応答して前記電磁ブレーキのブレーキを解除すると共に前記モーターによる制動を実施し、時間の経過と共に前記モーターによる制動力を段階的に弱めるように制御してもよい。
このようにすれば、ブレーキ解除スイッチに多段階スイッチを用いなくても、ブレーキを徐々に解除できる。よって、予期せぬ車体の動きを抑制して安全にブレーキを解除できる。
(vi)前記車体の走行方向における傾きの度合いを検出する傾斜センサをさらに備え、 前記ブレーキ制御回路は、前記傾斜センサが検出した車体の傾き度合いが大きいほど前記モーターによる制動力を強くするように制御してもよい。
このようにすれば、斜面の途中で車体が停止している場合に、走行方向における車体の傾き度合いが大きいほど、自重で車体が斜面を下ろうとするのを強い制動力で抑制できる。よって、予期せぬ車体の動きを抑制して安全にブレーキを解除できる。
(vii)前記ブレーキ解除スイッチは、少なくとも車体の前部と後部とに配置された自己復帰型のスイッチであり、前記ブレーキ制御回路は、何れかのブレーキ解除スイッチが受け付けた操作に応答して前記モーターおよび前記電磁ブレーキを制御してもよい。
このようにすれば、車体の前部と後部の両方にブレーキ解除スイッチが配置されているので、斜面の途中で車体が停止している場合に斜面の上側のブレーキ解除スイッチを操作することによって安全にブレーキを解除できる。
(viii)前記ブレーキ解除スイッチは、前記多段スイッチに代えて少なくとも第1スイッチと第2スイッチを含む複数のスイッチからなり、前記ブレーキ制御回路は、前記第1スイッチが受け付けた操作に応答して前記電磁ブレーキのブレーキを解除すると共に前記モーターによる制動を実施し、その後、前記第2スイッチが受け付けた操作に応答して前記モーターによる制動を解除するものであってもよい。
この場合、各スイッチのオンおよびオフの状態が目視で確認できることが好ましい。このようにすれば、ブレーキ解除の各段階の操作を異なるスイッチで行うので、例えば複数の者が協働して走行装置を手押しで移動させる場合でも、それぞれの者は各スイッチの状態を見てブレーキ解除の操作の段階を確認ながらブレーキ解除および手押しによる走行装置の移動作業を行える。
(ix)前記ブレーキ解除スイッチは、車体が移動可能な複数の方向に対応して異なる箇所にそれぞれ配置され、前記ブレーキ制御回路は、何れのブレーキ解除スイッチが操作されたかに応じて、ブレーキを解除して車体を移動可能とする方向を限定してもよい。
例えば、坂道で下り方向から上り方向へユーザーが車体を押して移動させる際、ブレーキ解除ボタンを押して全ての車輪のブレーキが解除されると、自重で車体が下り方向へ移動しようとするので、下り方向で車体を押す人を轢いてしまう虞がある。
上記構成によれば、例えば、上り方向に対応したブレーキ解除スイッチが操作されるとブレーキ制御回路は、下り方向への車体の移動を阻止するが上り方向へは車体が移動可能なように制御する。このようにすれば、ユーザーは例えば傾斜面で車体が停止した状態にあって下り方向から車体を押して上り方向へ移動させる場合でも、車体を安全かつスムーズに移動させることが可能であって、一人で車体を動かすことも危険ではない。
(x)前記車体を走行させる車輪およびその車輪の回転速度および回転方向を検出する速度センサをさらに備え、前記ブレーキ解除スイッチは、前記車体の少なくとも前方および後方にそれぞれ配置され、前記ブレーキ制御回路は、前記モーターの駆動が停止しかつ何れかのブレーキ解除スイッチが操作されてブレーキが解除され車輪が回転しようとするとき、前方のブレーキ解除スイッチが操作されている場合は車体を前進させる方向の車輪の回転を阻止し車体の後退のみ許容し、後方のブレーキ解除スイッチが操作されている場合は車体を前進させる方向の車輪の回転を阻止し車体の後退のみ許容するように制御するか、若しくは、前方のブレーキ解除スイッチが操作されている場合は車体を後退させる方向の車輪の回転を阻止し車体の前進のみ許容し、後方のブレーキ解除スイッチが操作されている場合は車体を後退させる方向の車輪の回転を阻止し車体の前進のみ許容するように制御してもよい。
上記構成によれば、例えば、ブレーキ制御回路は操作されたブレーキ解除スイッチと反対の方向へ車体が進むことのみを許容する。具体的には、例えば、後側のブレーキ解除スイッチが操作された場合に車体の前進のみを許容し、後退を阻止する。よって、坂道でユーザーが下り方向から車体を押して前進させる場合、下り方向への車体の後退は阻止され、上り方向のみに車を前進させることができる。ただし、車輪の回転を検知してモーターによる制動か行われるまでの間に車体は多少下り方向へ動くことはある。このようにすれば、ユーザーは例えば傾斜面で車体が停止した状態にあっても、車体を安全かつスムーズに移動させることが可能であって、一人で動かすことも危険ではない。
一方、ユーザーが車体を押すのではなく引っ張って移動させる態様も考えられる。車体を引っ張って移動させることを前提にした場合、ブレーキ制御回路は操作されたブレーキ解除スイッチの方向へ車体が進むことのみ許容するように制御すればよい。
車体を押して移動させることを前提とするか、引っ張って移動させることを前提とするかは、設計者が決める事項である。
(xi)前記ブレーキ解除スイッチは、さらに前記車体の左側方および右側方にそれぞれ配置され、前記ブレーキ制御回路は、前記モーターの駆動が停止しかつ何れかのブレーキ解除スイッチが操作されてブレーキが解除され車輪が回転しようとするとき、車体右側方のブレーキ解除スイッチが操作されている場合は車体右側を押して車体が旋回する方向または車体右側を引っ張って車体が旋回する方向の何れか一方向の車輪の回転のみを許容して逆方向の車輪の回転を阻止し、車体左側方のブレーキ解除スイッチが操作されている場合は車体左側を押して車体が旋回する方向または車体左側を引っ張って車体が旋回する方向の何れか一方向の車輪の回転のみを許容して逆方向の車輪の回転を阻止するように制御してもよい。
このようにすれば、前進、後退のみならず旋回についてもユーザーは例えば傾斜面で車体が停止した状態にあっても、車体を安全かつスムーズに旋回させることが可能であって、一人で旋回させることも危険ではない。
(xii)前記ブレーキ制御回路は、前記モーターを用いた制動によって前記車輪の回転を阻止してもよい。
(xiii)衝突から前記車体を保護するバンパーと、ユーザーが押すかまたは引いて前記車体を移動させるために前記車体または前記バンパーに配置される取っ手部とをさらに備え、前記ブレーキ解除スイッチは、前記取っ手部またはその近傍に配置されてもよい。
このようにすれば、ユーザーは取っ手部を持って力をかけ、車体を容易に移動させることができる。また、取っ手部の近傍にブレーキ解除ボタンが配置されるので、一人でもブレーキ解除ボタンを操作しながら取っ手部を持ち、容易かつ安全に車体を移動させることができる。
(xiv)衝突から前記車体を保護すべく車体の外側に配置されるバンパーをさらに備え、前記ブレーキ解除スイッチは、前記バンパーの車体側に配置されてもよい。
このようにすれば、ユーザーはバンパーを持って引っ張り、車体を容易に移動させることができる。また、バンパーの車体側にブレーキ解除ボタンが配置されるので、一人でもブレーキ解除ボタンを操作しながらバンパーを持ち、容易かつ安全に車体を移動させることができる。
この発明の好ましい態様には、上述した複数の態様のうちの何れかを組み合わせたものも含まれる。
前述した実施の形態の他にも、この発明について種々の変形例があり得る。それらの変形例は、この発明の範囲に属さないと解されるべきものではない。この発明には、請求の範囲と均等の意味および前記範囲内でのすべての変形とが含まれるべきである。
1:自律走行型車両、 10:電動車台部、 11:車台本体、 12:距離検出部、 18:カバー、 31L,31R:前輪、 32L,32R:後輪、 40:バッテリー、 41L,41R:モーター、 50:昇降機構部、 60:監視カメラ、 71:Wi‐Fiアンテナ、 72:警告灯、 73:CCDカメラ、 74:GPSアンテナ
100:システムコントローラ、 100b:ブレーキ制御回路、 100t:タイマー回路、 101L,101R:速度センサ、 102L,102R:動作切換回路、 103L,103R:電磁ブレーキ、 109:傾斜センサ、 120,120F,120T,120L,120R:ブレーキ解除スイッチ、 120a:電磁ブレーキ解除スイッチ、 120b:ショートブレーキ解除スイッチ、 121L:モーター電源リレー、 122L:モータードライバ、 123L:ブレーキ電源リレー、 124L:ブレーキドライバ、 130F,130T:バンパー、 131F,131T,131L:取っ手部

Claims (14)

  1. 車体と、
    ショートブレーキまたは発電ブレーキとして車体の制動を行い得る走行駆動用のモーターと、
    前記モーターと別に前記車体を制動する電磁ブレーキと、
    前記モーターにより走行駆動するか制動を行うかを切換える動作切換回路と、
    前記モーターおよび前記電磁ブレーキのブレーキ解除に係る操作を受付けるブレーキ解除スイッチと、
    前記ブレーキ解除スイッチが操作されている間その操作に応答して前記モーターおよび前記電磁ブレーキを制御するブレーキ制御回路とを備えるモーター駆動式の走行装置。
  2. 前記ブレーキ解除スイッチは操作量に応じて少なくとも2段階の切換を行う多段スイッチであり、
    前記ブレーキ制御回路は、前記ブレーキ解除スイッチへの第1段階の操作に応答して前記電磁ブレーキのブレーキを解除すると共に前記モーターによる制動を実施し、最終段階の操作に応答して前記モーターによる制動を解除する請求項1に記載の走行装置。
  3. 前記ブレーキ解除スイッチは、少なくとも3段階の切換を行うものであり、
    前記ブレーキ制御回路は、前記ブレーキ解除スイッチの操作量が第1段階から段階を増すにつれて前記モーターによる制動力が弱まるように制御する請求項1または2に記載の走行装置。
  4. 前記ブレーキ制御回路は、前記モーターに流れる電流の大きさの時間平均を制御することによって制動力を制御する請求項3に記載の走行装置。
  5. 前記ブレーキ制御回路は前記ブレーキ解除スイッチの操作に応答して前記電磁ブレーキのブレーキを解除すると共に前記モーターによる制動を実施し、時間の経過と共に前記モーターによる制動力を段階的に弱めるように制御する請求項1に記載の走行装置。
  6. 前記車体の走行方向における傾きの度合いを検出する傾斜センサをさらに備え、
    前記ブレーキ制御回路は、前記傾斜センサが検出した車体の傾き度合いが大きいほど前記モーターによる制動力を強くするように制御する請求項1〜5の何れか一つに記載の走行装置。
  7. 前記ブレーキ解除スイッチは、少なくとも車体の前部と後部とに配置された自己復帰型のスイッチであり、
    前記ブレーキ制御回路は、何れかのブレーキ解除スイッチが受け付けた操作に応答して前記モーターおよび前記電磁ブレーキを制御する請求項1〜6の何れか一つに記載の走行装置。
  8. 前記ブレーキ解除スイッチは、少なくとも第1スイッチと第2スイッチを含む複数のスイッチからなり、
    前記ブレーキ制御回路は、前記第1スイッチが受け付けた操作に応答して前記電磁ブレーキのブレーキを解除すると共に前記モーターによる制動を実施し、その後、前記第2スイッチが受け付けた操作に応答して前記モーターによる制動を解除する請求項1に記載の走行装置。
  9. 前記ブレーキ解除スイッチは、車体が移動可能な複数の方向に対応して異なる箇所にそれぞれ配置され、
    前記ブレーキ制御回路は、何れのブレーキ解除スイッチが操作されたかに応じて、ブレーキを解除して車体を移動可能とする方向を限定する請求項1〜6の何れか一つに記載の走行装置。
  10. 前記車体を走行させる車輪およびその車輪の回転速度および回転方向を検出する速度センサをさらに備え、
    前記ブレーキ解除スイッチは、前記車体の少なくとも前方および後方にそれぞれ配置され、
    前記ブレーキ制御回路は、前記モーターの駆動が停止しかつ何れかのブレーキ解除スイッチが操作されてブレーキが解除され車輪が回転しようとするとき、前方のブレーキ解除スイッチが操作されている場合は車体を前進させる方向の車輪の回転を阻止し車体の後退のみ許容し、後方のブレーキ解除スイッチが操作されている場合は車体を前進させる方向の車輪の回転を阻止し車体の後退のみ許容するように制御するか、若しくは、前方のブレーキ解除スイッチが操作されている場合は車体を後退させる方向の車輪の回転を阻止し車体の前進のみ許容し、後方のブレーキ解除スイッチが操作されている場合は車体を後退させる方向の車輪の回転を阻止し車体の前進のみ許容するように制御する請求項9に記載の走行装置。
  11. 前記ブレーキ解除スイッチは、さらに前記車体の左側方および右側方にそれぞれ配置され、
    前記ブレーキ制御回路は、前記モーターの駆動が停止しかつ何れかのブレーキ解除スイッチが操作されてブレーキが解除され車輪が回転しようとするとき、車体右側方のブレーキ解除スイッチが操作されている場合は車体右側を押して車体が旋回する方向または車体右側を引っ張って車体が旋回する方向の何れか一方向の車輪の回転のみを許容して逆方向の車輪の回転を阻止し、車体左側方のブレーキ解除スイッチが操作されている場合は車体左側を押して車体が旋回する方向または車体左側を引っ張って車体が旋回する方向の何れか一方向の車輪の回転のみを許容して逆方向の車輪の回転を阻止するように制御する請求項10に記載の走行装置。
  12. 前記ブレーキ制御回路は、前記モーターを用いた制動によって前記車輪の回転を阻止する請求項9〜11の何れか一つに記載の走行装置。
  13. 衝突から前記車体を保護するバンパーと、
    ユーザーが押すかまたは引いて前記車体を移動させるために前記車体または前記バンパーに配置される取っ手部とをさらに備え、
    前記ブレーキ解除スイッチは、前記取っ手部またはその近傍に配置される請求項1〜112の何れか一つに記載の走行装置。
  14. 衝突から前記車体を保護すべく車体の外側に配置されるバンパーをさらに備え、
    前記ブレーキ解除スイッチは、前記バンパーの車体側に配置される請求項1〜12の何れか一つに記載の走行装置。
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WO2022107618A1 (ja) * 2020-11-17 2022-05-27 株式会社デンソー 電力変換装置及び電力変換システム

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