JP2017204360A - 燃料電池スタック - Google Patents

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Abstract

【課題】マニホールドと燃料電池セルとの絶縁性を確保する。【解決手段】燃料電池スタック100は、マニホールド2と、絶縁性部材3と、燃料電池セル1とを備えている。マニホールド2は、内部空間及び貫通孔を有する。貫通孔は、内部空間と外部とを連通する。絶縁性部材3は、貫通孔内に配置されている。また、絶縁性部材3は、マニホールド2に固定される。燃料電池セル1は、ガス流路121を有する。このガス流路は、貫通孔を介して内部空間と連通する。燃料電池セルの幅方向の両端部122は、絶縁性部材3上に載置される。【選択図】図2

Description

本発明は、燃料電池スタックに関するものである。
燃料電池スタックは、マニホールドと、複数の燃料電池セルと、を備えている。マニホールドは内部空間を有している。また、マニホールドは、複数の貫通孔が形成された天板を有している。この天板に形成された貫通孔は、マニホールドの内部空間と外部とを連通している。各燃料電池セルは、この貫通孔に挿入されている。そして、各燃料電池セルは、各挿入孔に挿入された状態で、接合材によってマニホールドの天板に接合されている。
特開2015−144114号公報
本発明の課題は、燃料電池スタックにおいて、マニホールドと燃料電池セルとの絶縁を確保することにある。
本発明のある側面に係る燃料電池スタックは、マニホールドと、絶縁性部材と、燃料電池セルとを備えている。マニホールドは、内部空間及び貫通孔を有する。貫通孔は、内部空間と外部とを連通する。絶縁性部材は、貫通孔内に配置されている。また、絶縁性部材は、マニホールドに固定される。燃料電池セルは、ガス流路を有する。このガス流路は、貫通孔を介して内部空間と連通する。燃料電池セルの幅方向の両端部は、絶縁性部材上に載置される。
従来の燃料電池スタックでは、接合材によって燃料電池セルを支持している。このため、燃料電池セルの重みによって接合材にクラックが発生するおそれがある。この接合材のクラックを防止するため、例えば、マニホールドによって燃料電池セルを下方から支持する構成が考えられる。しかしながら、この構成では、マニホールドと燃料電池セルとの絶縁を十分に確保できない可能性がある。これに対して、本発明に係る燃料電池スタックでは、燃料電池セルが絶縁性部材上に支持されている。燃料電池セルとマニホールドとの間に絶縁性部材が介在しているため、燃料電池セルからマニホールドへリーク電流が流れることを抑制できる。このため、燃料電池セルとマニホールドとの絶縁を確保することができる。
好ましくは、絶縁性部材は、幅方向において間隔をあけて配置される一対のベース部を有している。
好ましくは、絶縁性部材は、燃料電池セルの幅方向に延びて前記一対のベース部を連結する連結部を有する。この構成によれば、絶縁性部材の取り扱い性を向上させることができる。
好ましくは、絶縁性部材は、支持壁部を有する。この支持壁部は、ベース部上に配置されており、燃料電池セルの近位端部を囲むように構成されている。この構成によれば、燃料電池セルの近位端部が支持壁部に囲まれているため、燃料電池セルとマニホールドとが接触することをより確実に防止することができる。
燃料電池スタックは、第1接合材と第2接合材とをさらに備えていてもよい。第1接合材は、絶縁性部材のベース部とマニホールドとを接合する。第2接合材は、絶縁性部材の支持壁部と燃料電池セルとを接合する。この構成によれば、燃料電池セルをマニホールドに固定するための接合材が、第1接合材と第2接合材とに分かれているため、燃料電池セルから接合材を介してマニホールドにリーク電流が流れることをより確実に防止することができる。
燃料電池スタックは、燃料電池セルとマニホールドとを接合する第1接合材をさらに備えていてもよい。
好ましくは、絶縁性部材は、絶縁性セラミックスから構成される。
好ましくは、燃料電池セルの近位端部は、貫通孔よりも遠位側に位置する。すなわち、燃料電池セルの近位端部は、貫通孔内に挿入されていない。燃料電池セルを貫通孔内に挿入する場合、ガスシール性の観点から、通常、貫通孔の内壁面と燃料電池セルの側面との隙間を小さくするとともに、この隙間に接合材を充填させることが好ましい。しかし、このように構成すると、接合材を介して、燃料電池セルからマニホールドへとリーク電流が流れてしまうおそれがある。これに対して、燃料電池セルの近位端部を貫通孔よりも遠位側に位置することによって、接合材を介して燃料電池からマニホールドへとリーク電流が流れることをより確実に防止することができる。
好ましくは、燃料電池セルは、発電素子部と、電解質とを有する。電解質は、発電素子部と電気的に接続されており、燃料電池セルの近位端部へ延びるような構成とすることができる。この場合、電解質は、貫通孔よりも遠位側に位置することが好ましい。なお、燃料電池セルの近位端部には電解質以外の緻密膜によって覆われていてもよい。
好ましくは、マニホールドは、貫通孔の内壁面から内側に突出する支持部を有する。そして、絶縁性部材は、支持部上に載置される。
本発明によれば、接合材にクラックが発生することを抑制することができる。
燃料電池スタックの斜視図。 燃料電池スタックの断面図。 天板の平面図。 図3のIV−IV線断面図。 絶縁性部材の平面図。 燃料電池セルの斜視図。 絶縁性部材と燃料電池セルとの配置関係を示す平面図。 燃料電池セルの拡大断面図。 燃料電池セルの近位端部を示す断面図。 変形例に係る天板を示す平面図。 変形例に係る絶縁性部材を示す平面図。 変形例に係る絶縁性部材と燃料電池セルとの配置関係を示す平面図。 変形例に係る燃料電池スタックの断面図。 変形例に係る絶縁性部材の平面図。 変形例に係る燃料電池スタックの断面図。
以下、本発明に係る燃料電池スタックの実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、以下の説明において、特に断りの無い限り、幅方向とは、燃料電池セルの幅方向(y軸方向)を意味する。また、近位とは、マニホールドに近い位置を意味し、遠位とは、近位とは逆の位置、すなわち、マニホールドから遠い位置を意味する。
[燃料電池スタック]
図1及び図2に示すように、燃料電池スタック100は、マニホールド2と、複数の燃料電池セル1と、複数の絶縁性部材3と、接合材4とを備えている。
[マニホールド]
マニホールド2は、各燃料電池セル1にガスを分配するように構成されている。マニホールド2は、中空状であり、内部空間を有している。マニホールド2の内部空間には、導入管201を介して燃料ガスなどのガスが供給される。マニホールド2は、この内部空間と外部とを連通する複数の貫通孔26(図3参照)を有している。
マニホールド2は、各燃料電池セル1を支持している。マニホールド2は、マニホールド本体21と、天板22とを備えている。マニホールド本体21と天板22とは、互いに接合されている。なお、マニホールド本体21と天板22とは、一体的に形成されていてもよい。
マニホールド本体21は、直方体状であって、上面が開口した内部空間を有する。詳細には、マニホールド本体21は、底壁23と、側壁24と、フランジ部25とを有している。底壁23は、平面視(x軸方向視)が矩形状である。側壁24は、底壁23の周縁部から上方に延びている。フランジ部25は、側壁24の上端部から外方に延びる部分である。
マニホールド本体21は、1つの部材によって構成されている。すなわち、底壁23と側壁24とフランジ部25とは、1つの部材によって構成されている。例えば、マニホールド本体21は、耐熱性を有するような金属によって形成される。より具体的には、マニホールド本体21は、フェライト系ステンレス鋼、オーステナイト系ステンレス鋼、及びNi基合金よりなる群から選ばれる少なくとも1種から形成されている。
天板22は、マニホールド本体21の上面を塞ぐように、マニホールド本体21上に配置されている。詳細には、天板22は、フランジ部25上に配置されている。マニホールド2の内部空間を密閉するため、天板22が全周に亘ってマニホールド本体21と接合されている。天板22は、例えば、溶接によってマニホールド本体21に接合されている。
図3に示すように、天板22は、複数の貫通孔26を有している。各貫通孔26は、マニホールド2の幅方向(y軸方向)に延びている。また、各貫通孔26は、マニホールド2の長手方向(z軸方向)において、互いに間隔をあけて配置されている。
各貫通孔26内には、後述する絶縁性部材3が配置される。詳細には、図3及び図4に示すように、天板22は、貫通孔26の内壁面から内側に突出する複数の支持部27を有する。各貫通孔26に一対の支持部27が形成されている。各支持部27は、貫通孔26の両端部から互いに向かって突出している。すなわち、各支持部27は、幅方向(y軸方向)に延びている。この各支持部27上に、絶縁性部材3が載置される。なお、支持部27が内側に突出しているため、貫通孔26内に段差部28が形成されている。この段差部28によって、絶縁性部材3が支持されている。
天板22は、例えば、導電性を有するような金属によって形成される。より具体的には、天板22は、フェライト系ステンレス鋼、オーステナイト系ステンレス鋼、及びNi基合金よりなる群から選ばれる少なくとも1種から形成されている。なお、マニホールド本体21と天板22とは、互いに材質が異なっていてもよい。
[絶縁性部材]
図2に示すように、各絶縁性部材3は、マニホールド2の各貫通孔26内に配置されている。絶縁性部材3の上面は、天板22の上面と同じ位置、又は天板22の上面よりも遠位側に位置していることが好ましい。絶縁性部材3は、マニホールド2に固定されている。詳細には、絶縁性部材3は、天板22に固定されている。絶縁性部材3は、例えば、絶縁性セラミックスから構成されている。より具体的には、絶縁性部材3は、MgO(酸化マグネシウム)、Al(酸化アルミニウム)、2MgO・SiO(フォルステライト)、MgO・SiO(ステアタイト)、MgAl(マグネシアアルミナスピネル)、又は結晶化ガラスなどから構成されている。
図5に示すように、絶縁性部材3は、一対のベース部31と、連結部32とを有している。ベース部31と連結部32とは、一つの部材によって構成されている。各ベース部31は、幅方向において、互いに間隔をあけて配置されている。なお、図2に示すように、各ベース部31の間隔d1は、後述する燃料電池セル1の幅方向の両端部に位置する各ガス流路121の端と端との距離d2よりも大きいことが好ましい。また、絶縁性部材3の長さd3は、貫通孔26の長さd4と略同じとすることが好ましい。
連結部32は、一対のベース部31を連結している。連結部32は、幅方向(y軸方向)に延びている。また、連結部32は、貫通孔26の内壁面に沿って延びている。貫通孔26の幅d5は、連結部32の幅d6よりも大きい。このため、絶縁性部材3が貫通孔26内に配置された状態でも、マニホールド2の内部空間と外部とは連通されている。
[燃料電池セル]
図1及び図2に示すように、各燃料電池セル1は、マニホールド2から遠位側に延びている。本実施形態では、各燃料電池セル1は、マニホールド2から上方に延びている。なお、燃料電池セル1の近位端部101は、貫通孔26よりも遠位側に位置している。すなわち、燃料電池セル1の近位端部101は、貫通孔26内に挿入されていない。
各燃料電池セル1は、マニホールド2の長手方向(z軸方向)に沿って、互いに間隔をあけて配置されている。各燃料電池セル1は、集電部材302(図9参照)を介して互いに電気的に接続されている。集電部材302は、各燃料電池セル1の間に配置されており、隣り合う各燃料電池セル1を接続している。集電部材302は、導電性を有する材料から形成されている。例えば、集電部材302は、酸化物セラミックスの焼成体又は金属などによって形成されている。
図6に示すように、燃料電池セル1は、複数の発電素子部11と、支持基板12とを備えている。各発電素子部11は、支持基板12の両面に支持されている。なお、各発電素子部11は、支持基板12の片面のみに支持されていてもよい。各発電素子部11は、燃料電池セル1の長手方向において、互いに間隔をあけて配置されている。すなわち、本実施形態に係る燃料電池セル1は、いわゆる横縞型の燃料電池セルである。各発電素子部11は、電気的接続部17(図8参照)によって互いに電気的に接続されている。
支持基板12は、燃料電池セル1の長手方向に延びる複数のガス流路121を内部に有している。ガス流路121は、マニホールド2の貫通孔26を介して、マニホールド2の内部空間と連通している。
支持基板12の長手方向(x軸方向)は、燃料電池セル1の長手方向と同じ方向である。各ガス流路121は、互いに実質的に平行に延びている。各ガス流路121は、燃料電池セル1の長手方向の両端部において開口している。各ガス流路121は、燃料電池セル1の幅方向(y軸方向)の両端部122に形成されていない。図7に示すように、このガス流路121が形成されていない燃料電池セル1の幅方向の両端部122は、絶縁性部材3上に載置されている。詳細には、燃料電池セル1の幅方向の両端部122は、絶縁性部材3のベース部31上に載置されている。このため、ガス流路121は、絶縁性部材3のベース部31によって塞がれない。また、各ガス流路121は、絶縁性部材3の連結部32によっても塞がれないように構成されている。
図8に示すように、支持基板12は、複数の第1凹部123を有している。各第1凹部123は、支持基板12の両面に形成されている。各第1凹部123は支持基板12の長手方向において互いに間隔をあけて配置されている。
支持基板12は、電子伝導性を有さない多孔質の材料によって構成される。支持基板12は、例えば、CSZ(カルシア安定化ジルコニア)から構成され得る。或いは、支持基板12は、NiO(酸化ニッケル)とYSZ(8YSZ)(イットリア安定化ジルコニア)とから構成されてもよいし、NiO(酸化ニッケル)とY(イットリア)とから構成されてもよいし、MgO(酸化マグネシウム)とMgAl(マグネシアアルミナスピネル)とから構成されてもよい。支持基板12の気孔率は、例えば、20〜60%程度である。
各発電素子部11は、燃料極13、電解質14、及び空気極15を有している。また、各発電素子部11は、反応防止膜16をさらに有している。燃料極13は、電子伝導性を有する多孔質の材料からなる焼成体である。燃料極13は、燃料極集電部131と燃料極活性部132とを有する。
燃料極集電部131は、第1凹部123内に配置されている。詳細には、燃料極集電部131は、第1凹部123内に充填されており、第1凹部123と同様の外形を有する。各燃料極集電部131は、第2凹部131a及び第3凹部131bを有している。燃料極活性部132は、第2凹部131a内に配置されている。詳細には、燃料極活性部132は、第2凹部131a内に充填されている。
燃料極集電部131は、例えば、NiO(酸化ニッケル)とYSZ(8YSZ)(イットリア安定化ジルコニア)とから構成され得る。或いは、燃料極集電部131は、NiO(酸化ニッケル)とY(イットリア)とから構成されてもよいし、NiO(酸化ニッケル)とCSZ(カルシア安定化ジルコニア)とから構成されてもよい。燃料極集電部131の厚さ、並びに第1凹部123の深さは、50〜500μm程度である。
燃料極活性部132は、例えば、NiO(酸化ニッケル)とYSZ(8YSZ)(イットリア安定化ジルコニア)とから構成され得る。或いは、燃料極活性部132は、NiO(酸化ニッケル)とGDC(ガドリニウムドープセリア)とから構成されてもよい。燃料極活性部132の厚さは、5〜30μmである。
電解質14は、燃料極13上を覆うように配置されている。詳細には、電解質14は、あるインターコネクタ171から他のインターコネクタ171まで長手方向に延びている。すなわち、燃料電池セル1の長手方向において、電解質14とインターコネクタ171とが交互に配置されている。
電解質14は、イオン伝導性を有し且つ電子伝導性を有さない緻密な材料からなる焼成体である。電解質14は、例えば、YSZ(8YSZ)(イットリア安定化ジルコニア)から構成され得る。或いは、電解質14は、LSGM(ランタンガレート)から構成されてもよい。電解質14の厚さは、例えば、3〜50μm程度である。
反応防止膜16は、緻密な材料からなる焼成体であり、平面視(z軸方向視)において、燃料極活性部132と略同一の形状であり、燃料極活性部132と略同じ位置に配置されている。反応防止膜16は、電解質14内のYSZと空気極15内のSrとが反応して電解質14と空気極15との界面に電気抵抗が大きい反応層が形成される現象の発生を抑制するために設けられている。反応防止膜16は、例えば、GDC=(Ce,Gd)O(ガドリニウムドープセリア)から構成され得る。反応防止膜16の厚さは、例えば、3〜50μm程度である。
空気極15は、反応防止膜16上に配置されている。空気極15は、電子伝導性を有する多孔質の材料からなる焼成体である。空気極15は、例えば、LSCF=(La,Sr)(Co,Fe)O(ランタンストロンチウムコバルトフェライト)から構成され得る。或いは、空気極15は、LSF=(La,Sr)FeO(ランタンストロンチウムフェライト)、LNF=La(Ni,Fe)O(ランタンニッケルフェライト)、又は、LSC=(La,Sr)CoO(ランタンストロンチウムコバルタイト)等から構成されてもよい。空気極15は、LSCFからなる第1層(内側層)とLSCからなる第2層(外側層)との2層によって構成されてもよい。空気極15の厚さは、例えば、10〜100μmである。
電気的接続部17は、隣り合う発電素子部11を電気的に接続するように構成されている。電気的接続部17は、インターコネクタ171及び空気極集電膜172を有する。インターコネクタ171は、第3凹部131b内に配置されている。詳細には、インターコネクタ171は、第3凹部131b内に埋設(充填)されている。インターコネクタ171は、電子伝導性を有する緻密な材料からなる焼成体である。インターコネクタ171は、例えば、LaCrO(ランタンクロマイト)から構成され得る。或いは、インターコネクタ171は、(Sr,La)TiO(ストロンチウムチタネート)から構成されてもよい。インターコネクタ171の厚さは、例えば、10〜100μmである。
空気極集電膜172は、隣り合う発電素子部11のインターコネクタ171と空気極15との間を延びるように配置される。例えば、図8の左側に配置された発電素子部11の空気極15と、図8の右側に配置された発電素子部11のインターコネクタ171とを電気的に接続するように、空気極集電膜172が配置されている。空気極集電膜172は、電子伝導性を有する多孔質の材料からなる焼成体である。
空気極集電膜172は、例えば、LSCF=(La,Sr)(Co,Fe)O(ランタンストロンチウムコバルトフェライト)から構成され得る。或いは、空気極集電膜172は、LSC=(La,Sr)CoO(ランタンストロンチウムコバルタイト)から構成されてもよい。或いは、空気極集電膜172は、Ag(銀)、Ag−Pd(銀パラジウム合金)から構成されてもよい。空気極集電膜172の厚さは、例えば、50〜500μm程度である。
図9に示すように、燃料電池セル1の近位端部101は、緻密膜18によって覆われている。詳細には、緻密膜18は、支持基板12を覆っている。緻密膜18は、発電素子部11と電気的に接続されている。詳細には、緻密膜18は、電気的接続部17と電気的に接続されている。緻密膜18は、空気極集電膜172と支持基板12との間から近位側に向かって延びている。
緻密膜18は、緻密膜18の内側の空間を流れる燃料ガスと緻密膜18の外側の空間を流れる空気との混合を防止するガスシール機能を発揮する。このガスシール機能を発揮するため、この緻密膜18の気孔率は、例えば、10%以下である。また、緻密膜18は、絶縁性セラミックスで構成されている。
具体的には、緻密膜18は、上述した電解質14と反応防止膜16とによって構成することができる。電解質14は、支持基板12を覆っており、インターコネクタ171から支持基板12の近位端近傍まで延びている。反応防止膜16は、電解質14を覆っている。なお、燃料電池セル1の長さ方向(x軸方向)において、電解質14の方が反応防止膜16よりも長い。このため、電解質14の両端部は、反応防止膜16に覆われていない。
[接合材]
接合材4は、燃料電池セル1をマニホールド2に固定する。詳細には、接合材4は、絶縁性部材3上に配置された燃料電池セル1を、マニホールド2に接合している。接合材4は、燃料電池セル1の近位端部101とマニホールド2の天板22とを接合している。また、接合材4は、電解質14と接触している。なお、燃料電池セル1がマニホールド2に固定された状態において、貫通孔26とガス流路121とが連通している。
接合材4は、例えば、結晶化ガラスである。結晶化ガラスとしては、例えば、SiO−B系、SiO−CaO系、又はSiO−MgO系が採用され得る。なお、本明細書では、結晶化ガラスとは、全体積に対する「結晶相が占める体積」の割合(結晶化度)が60%以上であり、全体積に対する「非晶質相及び不純物が占める体積」の割合が40%未満のガラスを指す。なお、接合材4の材料として、非晶質ガラス、ろう材、又はセラミックス等が採用されてもよい。具体的には、接合材4は、SiO−MgO−B−Al系及びSiO−MgO−Al−ZnO系よりなる群から選ばれる少なくとも一種である。
[発電方法]
以上のように構成された燃料電池スタック100は、次のようにして発電する。マニホールド2を介して各燃料電池セル1のガス流路121内に燃料ガス(水素ガス等)を流すとともに、支持基板12の両面を酸素を含むガス(空気等)に曝すことにより、電解質14の両側面間に生じる酸素分圧差によって起電力が発生する。この燃料電池スタック100を外部の負荷に接続すると、空気極15において下記(1)式に示す電気化学反応が起こり、燃料極13において下記(2)式に示す電気化学反応が起こり、電流が流れる。
(1/2)・O+2e→O …(1)
+O →HO+2e …(2)
[変形例]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
変形例1
上記実施形態では、天板22は、複数の貫通孔26を有していたが、図10に示すように、天板22は、1つの貫通孔26を有していてもよい。この場合、支持部27は、貫通孔26の内壁面から内側に突出するとともに、天板22の長手方向(z軸方向)に延びている。また、この場合において、図11に示すように、絶縁性部材3は、各ベース部31が天板22の長手方向に延びていることが好ましい。各ベース部31には、複数の燃料電池セル1の両端部122が載置される。また、各ベース部31は、2本の連結部32によって連結されている。なお、上記実施形態と同様に、1本の連結部32によって各ベース部31を連結していてもよい。
変形例2
上記実施形態では、燃料電池セル1は、複数の発電素子部11を有している横縞型であったが、燃料電池セル1は、長手方向に延びる一つの発電素子部を有するような縦縞型であってもよい。
変形例3
図12に示すように、絶縁性部材3は、連結部32を有していなくてもよい。すなわち、絶縁性部材3は、幅方向に互いに離れた一対のベース部31のみを有する構成であってもよい。
変形例4
図13に示すように、絶縁性部材3は、支持壁部33をさらに有していてもよい。支持壁部33は、ベース部31上に配置されている。ベース部31と支持壁部33とは一体的に形成されている。支持壁部33は、燃料電池セル1の近位端部101を囲むように構成されている。なお、変形例4に係る絶縁性部材3において、連結部32は有していなくてもよい。
この場合において、燃料電池セル1をマニホールド2に固定するための接合材4は、第1接合材41と、第2接合材42とを有している。第1接合材41は、絶縁性部材3のベース部31とマニホールド2とを接合している。詳細には、第1接合材41は、ベース部31と、天板22とを接合している。
第2接合材42は、絶縁性部材3の支持壁部33と、燃料電池セル1とを接合している。詳細には、燃料電池セル1の近位端部101が支持壁部33で囲まれた空間内に挿入されている。そして、この空間内に挿入された燃料電池セル1の外周面と支持壁部33とを第2接合材42によって接合する。
第1接合材41と第2接合材42とは、互いに間隔をあけて配置されている。すなわち、第1接合材41と第2接合材42とは、互いに接触していない。このため、燃料電池セル1からマニホールド2へ第1及び第2接合材41、42を介してリーク電流が流れることを防止することができる。
変形例5
図14に示すように、絶縁性部材3の連結部32に、貫通孔321が形成されていてもよい。絶縁性部材3上に燃料電池セル1を載置した際、燃料電池セル1のガス流路121と絶縁性部材3の貫通孔321とが連通するような位置に貫通孔321は形成されている。この結果、燃料電池セル1のガス流路121は、絶縁性部材3の貫通孔321を介して、マニホールド2の内部空間と連通する。
変形例6
上記実施形態では、絶縁性部材3の上面は、天板22の上面と同じ位置、又は天板22の上面よりも遠位側に位置していたが、特にこれに限定されない。例えば、図15に示すように、絶縁性部材3の上面は、天板22の上面おりも近位側に位置していてもよい。この場合、燃料電池セル1の近位端部101は、天板22の貫通孔26内に挿入されている。
100 :燃料電池スタック
1 :燃料電池セル
11 :発電素子部
14 :電解質
101 :近位端部
121 :ガス流路
122 :両端部
2 :マニホールド
26 :貫通孔
27 :支持部
3 :絶縁性部材
31 :ベース部
32 :連結部
33 :支持壁部
4 :接合材
41 :第1接合材
42 :第2接合材

Claims (10)

  1. 内部空間、及び前記内部空間と外部とを連通する貫通孔、を有するマニホールドと、
    前記貫通孔内に配置され、前記マニホールドに固定される絶縁性部材と、
    前記貫通孔を介して前記内部空間と連通するガス流路を有し、幅方向の両端部が前記絶縁性部材上に載置される燃料電池セルと、
    を備える、燃料電池スタック。
  2. 前記絶縁性部材は、前記幅方向において間隔をあけて配置される一対のベース部を有している、
    請求項1に記載の燃料電池スタック。
  3. 前記絶縁性部材は、前記燃料電池セルの幅方向に延びて前記一対のベース部を連結する連結部を有する、
    請求項2に記載の燃料電池スタック。
  4. 前記絶縁性部材は、前記ベース部上に配置されて前記燃料電池セルの近位端部を囲むように構成された支持壁部を有する、
    請求項2又は3に記載の燃料電池スタック。
  5. 前記絶縁性部材のベース部と前記マニホールドとを接合する第1接合材と、
    前記絶縁性部材の支持壁部と前記燃料電池セルとを接合する第2接合材と、
    をさらに備える、請求項4に記載の燃料電池スタック。
  6. 前記燃料電池セルと前記マニホールドとを接合する第1接合材をさらに備える、
    請求項1〜4のいずれかに記載の燃料電池スタック。
  7. 前記絶縁性部材は、絶縁性セラミックスから構成される、
    請求項1から6のいずれかに記載の燃料電池スタック。
  8. 前記燃料電池セルの近位端部は、前記貫通孔よりも遠位側に位置する、
    請求項1から7のいずれかに記載の燃料電池スタック。
  9. 前記燃料電池セルは、発電素子部と、前記発電素子部と電気的に接続されて前記燃料電池セルの近位端部へ延びる電解質とを有し、
    前記電解質は、前記貫通孔よりも遠位側に位置する、
    請求項1から8のいずれかに記載の燃料電池スタック。
  10. 前記マニホールドは、前記貫通孔の内壁面から内側に突出する支持部を有し、
    前記絶縁性部材は、前記支持部上に載置される、
    請求項1から9のいずれかに記載の燃料電池スタック。
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