JP2017202052A - 電気かみそり - Google Patents

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Abstract

【課題】ヘッド部に設けたモーターおよび内刃駆動構造を最適化して、ヘッド部および電気かみそりの全体を小形化しコンパクト化できる電気かみそりを提供する。【解決手段】グリップ3を含む本体ケース1とヘッド部2を備えており、ヘッド部2にロータリー式の内刃9と、内刃9を回転駆動するモーター8と、モーター8の回転動力を内刃9に伝動する内刃駆動構造が設けてある。モーター8はその回転中心軸が内刃9の回転中心軸と平行になる状態で横置き配置されて、ヘッド部2で固定支持されている。モーター8と内刃駆動構造の間に、内刃9および内刃駆動構造を上下フロート可能に支持するフロート構造を設け、内刃9および内刃駆動構造を、モーター8に対して上下フロートさせる。【選択図】図1

Description

本発明は、本体ケースの上部に設けたヘッド部の内部に、内刃を駆動するモーターが配置してある電気かみそりに関する。
この種の電気かみそりは、本出願人の提案に係る特許文献1の電気かみそりに開示されている。そこでは、本体ケースを含む卵形のグリップ部と、グリップ部とは別体のヘッド部で電気かみそりを構成している。ヘッド部は、グリップ部から連出した支持アームと、同アームの上端に設けた連結軸で左右揺動可能に支持されており、縦長卵形の本体ケースの中心軸線に対してヘッド中心軸線が前上がり傾斜する状態で支持してある。ヘッド部にはロータリー式の内刃とモーターが配置してあり、モーターの回転動力をギヤトレインに伝動したのち内刃に伝動している。モーターは、その中心軸線がヘッド中心軸線に沿う状態で縦置き配置してある。連結軸は支持アームで上下フロート可能に支持されて、ばねで押し上げ付勢されている。従って、ヘッドの全体は連結軸に同行して傾斜するヘッド中心軸に沿って上下フロートできる。なお、グリップ部の内部には、2次電池と制御基板が配置してある。
ロータリー式の電気かみそりにおいて、モーター中心軸線が内刃の回転中心軸線と平行になる状態でモーターを横置き配置し、さらに減速した動力を巻掛け伝動機構で内刃へ伝動することは、例えば本出願人の提案に係る特許文献2の電気かみそりに開示されている。そこでは、モーター、内刃駆動構造、内刃をかみそりヘッドに組み込んで、かみそりヘッドの全体を本体ケースで上下フロート自在に支持している。
特開2009−106461号公報(段落番号0030、図4) 特開2004−209116号公報(要約、図1)
特許文献1の電気かみそりによれば、ヘッドケースの内部にモーターおよびギヤトレインを集約配置して内刃を回転駆動している。換言すると、モーターおよびギヤトレインと内刃をヘッドケースに組み込んで、小型の電気かみそりユニットを構成し、これをグリップ部で支持して電気かみそり全体の小形化を実現している。しかし、モーターの中心を通る中心軸線が、内刃の回転中心軸に対して直交する状態で、モーターを縦置き配置するため、ヘッド部の傾動中心軸線方向の長さを小さくすることができず、ヘッド部を小形化しコンパクト化するうえで限界があった。また、ヘッドケースの左右幅は、内刃および外刃の左右幅によって決まるため、一定以下に小さくすることはできない。一方で、縦置き配置したモーターの左右幅は、ヘッドケースの左右幅に比べて充分に小さいため、モーターの左右にデッドスペースが生じるのを避けられず、このこともヘッド部を小形化するうえで障壁になっていた。
特許文献1の電気かみそりにおいて、特許文献2の電気かみそりのようにモーターを横置き配置すると、ヘッド部の傾動中心軸線方向の長さを小さくして、ヘッド部を小形化しコンパクト化できる。しかし、ヘッド部を上下フロートさせる場合には、特許文献1、2の電気かみそりと同様に、ヘッド部全体を上下フロート可能に支持して、重量の大きなモーターごとフロートさせる必要がある。そのため、ヘッド部のフロート動作が鈍重になり勝ちで、ヘッド部を肌面の変化に追随して軽快に上下フロートさせるのが難しい。
本発明の目的は、ヘッド部に設けたモーターおよび内刃駆動構造を最適化して、ヘッド部および電気かみそりの全体を小形化しコンパクト化できる電気かみそりを提供することにある。
本発明の目的は、電気かみそり全体の小形化を実現しながら、モーターを除く内刃駆動構造を内刃と共に上下フロートでき、これによりヘッド部を肌面の変化に追随して軽快に上下フロートさせて、ひげ剃り時の肌当りをソフトで柔軟なものにできる電気かみそりを提供することにある。
本発明に係る電気かみそりは本体ケース1とヘッド部2を備えており、ヘッド部2にロータリー式の内刃9と、内刃9を回転駆動するモーター8と、モーター8の回転動力を内刃9に伝動する内刃駆動構造が設けてある。モーター8はその回転中心軸が内刃9の回転中心軸と平行になる状態で横置き配置されて、ヘッド部2で固定支持されている。モーター8と内刃駆動構造の間に、内刃9および内刃駆動構造を上下フロート可能に支持するフロート構造を設ける。内刃9および内刃駆動構造を、モーター8に対して上下フロートすることを特徴とする。
ヘッド部2に、モーター8を支持する固定フレーム6と、内刃9および内刃駆動構造を支持して、固定フレーム6に対して上下フロートする可動フレーム7が設けてある。図1に示すように、可動フレーム7の上下フロート領域に臨んでモーター8を配置する。
図1に示すように内刃駆動構造は、可動フレーム7の上下に配置した複数の従動プーリー15・16と、モーター8の出力軸8aに固定される原動プーリー17と、これらのプーリー15・16・17に巻掛け装着される巻掛け伝動体18を含んで巻掛け伝動機構として構成する。可動フレーム7の上部に配置した従動プーリー15は終段伝動軸19に固定する。上下の従動プーリー15・16の間に原動プーリー17を配置して、モーター動力を巻掛け伝動体18と従動プーリー15・16を介して内刃9に伝動する。
巻掛け伝動機構は上下2個の従動プーリー15・16と、両従動プーリー15・16の中心どうしを結ぶプーリー中心軸線Pよりも後方に配置した原動プーリー17を備えている。上下の従動プーリー15・16の中心間距離をLとし、プーリー中心軸線Pから原動プーリー17の中心までの前後距離をmとするとき、不等式(m<L/2)を満足するように原動プーリー17を配置する。
従動プーリー15・16の中心間距離Lの上下中央を基準位置Qにして、原動プーリー17の中心位置が前記基準位置Qを含む中央領域Z内に配置されている。中央領域Zは、前記基準位置Qから上下方向へL/4だけ離れた領域内に設定する。
固定フレーム6と可動フレーム7の間にフロート構造を設ける。フロート構造は、両フレーム6・7の一方に固定した軸体21と、両フレーム6・7の他方に設けられて軸体21に対して相対移動可能に係合するフロート溝22・23と、可動フレーム7を押上げ付勢するフロートばね24を備えている。
フロート構造は、両フレーム6・7の一方の上下に固定した軸体21と、両フレーム6・7の他方の上下に設けられて軸体21に対して相対移動可能に係合するフロート溝22・23を備えている。少なくとも両フレーム6・7の下側に位置するフロート溝23を垂直線に対して傾斜させる。可動フレーム7の上下フロート動作に伴う巻掛け伝動体18のテンション力の増減変動を、可動フレーム7の姿勢変化に伴う従動プーリー15・16の位置変化で吸収し補正する。
図14に示すように内刃駆動構造は、モーター8の出力軸8aに固定される原動ベベルギヤ42と、終段伝動軸19に固定される終段ベベルギヤ43と、原動ベベルギヤ42に噛み合う第1中間ベベルギヤ44と、終段ベベルギヤ43に噛み合う第2中間ベベルギヤ45と、第1中間ベベルギヤ44の回転動力を第2中間ベベルギヤ45に伝動する中間ギヤ軸46を備えている。第1中間ベベルギヤ44から第2中間ベベルギヤ45に至る動力伝動経路に、可動フレーム7の上下フロート動作を吸収する非円形断面のスライド軸部47と、可動フレーム7の上下フロート動作に追随して弾性変形するフロート追随ばね48を配置する。可動フレーム7が内刃9と共に上下フロートするとき、第1中間ベベルギヤ44から第2中間ベベルギヤ45に至る動力伝動経路において、回転動力を伝動しながら可動フレーム7の上下フロートを吸収する。
ヘッド部2に、内刃駆動構造の回転動力で回転駆動される起毛ローラー11を設ける。図6に示すように、起毛ローラー11の周面に、肌面を同ローラー11のローラー中心軸線に沿って伸張変形させ、あるいは縮弛変形させる起毛体35を形成する。
起毛体35は、起毛ローラー11の周回方向へ連続し、ローラー中心軸線に対して傾斜する起毛要素36の一群で構成し、隣接する起毛要素36どうしは周方向の少なくとも1か所で一体化されて交差部37を構成している。交差部37に起毛ローラー11の回転方向に沿うひげ捕捉溝38を形成する。
起毛要素はローラー中心軸線に沿って山谷状に屈曲する起毛リブ36で構成する。隣接する起毛リブ36の山部と谷部が面一状の交差部37を構成している。交差部37に形成したひげ捕捉溝38の溝深さHを、起毛ローラー11の基部周面11bから起毛リブ36の突端面までの長さhより大きく設定する。
本発明に係る電気かみそりにおいては、モーター8をその回転中心軸が内刃9の回転中心軸と平行になる状態で横置き配置するので、モーターを縦置き配置していた従来の電気かみそりに比べて、ヘッド部2の上下寸法を小さくして、その分だけヘッド部2および電気かみそりの全体を小形化しコンパクト化できる。また、モーター8と内刃駆動構造の間にフロート構造を設けて、内刃9および内刃駆動構造を、モーター8に対して上下フロートさせるようにした。このように、モーター8を除く内刃駆動構造を内刃9と共に上下フロートさせると、モーターをヘッド部と共に上下フロートさせる従来の電気かみそりに比べて、フロート部分の全体重量を小さくできるので、ヘッド部2を肌面の変化に追随して軽快に上下フロートさせて、ひげ剃り時の肌当りをソフトで柔軟なものにできる。
ヘッド部2に、モーター8を支持する固定フレーム6と、内刃9および内刃駆動構造を支持する可動フレーム7を設け、可動フレーム7の上下フロート領域に臨んでモーター8を配置すると、可動フレーム7の上下フロート領域内にモーター8を集約配置できる。従って、ヘッド部2の上下寸法を小さくして、その分だけヘッド部2および電気かみそりの全体をさらに小形化しコンパクト化できる。
内刃駆動構造を、原動プーリー17および従動プーリー15・16と巻掛け伝動体18を伝動要素とする巻掛け伝動機構で構成し、モーター動力を巻掛け伝動体18と従動プーリー15・16を介して内刃9に伝動するようにした。こうした電気かみそりによれば、内刃駆動構造がギヤトレインを伝動要素にして構成してある場合に比べて、ひげ剃り時の電気かみそりの騒音量を減少して静音化できる。とくに、巻掛け伝動体18がタイミングベルトなどのゴムベルトである場合には、騒音量をさらに効果的に減少して静音化できる。
上下の従動プーリー15・16の中心間距離をLとし、プーリー中心軸線Pから原動プーリー17の中心までの前後距離をmとするとき、不等式(m<L/2)を満足するように原動プーリー17を配置した。つまり、各プーリー15・16・17を、その中心を結ぶ線が三角形になるように配置した。こうした、内刃駆動構造によれば、内刃9および内刃駆動構造が可動フレーム7と共に下降フロートするとき、上側の従動プーリー15は原動プーリー17に接近するのに対して、下側の従動プーリー16は原動プーリー17から遠ざかる向きに離れる。従って、上下フロートに伴う巻掛け伝動体18の張力の変動を最小限にし、上下フロート時にも内刃9を確実に回転駆動できる。
従動プーリー15・16の中心間距離Lの上下中央を基準位置Qにして、同位置Qから上下方向へL/4だけ離れた中央領域Z内に原動プーリー17の中心を位置させると、原動プーリー17を基準位置Qの近傍に位置させておくことができる。そのため、上下の従動プーリー15・16のいずれか一方と、原動プーリー17の中心間距離が小さくなりすぎるのを避けて、上下フロート時に各プーリー15・16・17の間で巻掛け伝動体18が緩む度合や、緊張する度合いを小さくして、好適に回転動力を伝動できる。
固定フレーム6と可動フレーム7の間に軸体21とフロート溝22・23を設け、可動フレーム7をフロートばね24で押上げ付勢するフロート構造によれば、内刃9および内刃駆動構造と可動フレーム7を固定フレーム6に対して上下フロートできる。また、上下フロート時には、左右の可動フレーム7が同時に上下フロートし、あるいは片方の可動フレーム7が上下フロートしてヘッド部2を左右傾動できるので、肌面の変化に応じて内刃9および外刃10を傾動させながらひげ切断を効果的に行える。さらに、フロート構造を相対的に上下動する軸体21とフロート溝22・23で構成するので、例えばリンクやアームをフロート要素とする場合に比べて、フロート構造を簡素化し、低コスト化できる。
上下一対の軸体21およびフロート溝22・23でフロート構造を構成し、少なくとも下側に位置するフロート溝23を垂直線に対して傾斜させると、フロート溝23の傾斜方向に応じて、上下フロート時の可動フレーム7を前傾させ、あるいは後傾させることができる。また、可動フレーム7を前傾ないし後傾させることにより、上下フロート時の巻掛け伝動体18を、各プーリー15・16・17間において弛緩させあるいは緊張させることができる。つまり、可動フレーム7の上下フロート動作に伴う巻掛け伝動体18のテンション力の増減変動を、可動フレーム7の姿勢変化に伴う従動プーリー15・16の位置変化で吸収し補正して、上下フロートに伴って巻掛け伝動体18の緊張状態が大きく変動するのを解消できる。従って、上下フロート時においても内刃9を確実に回転駆動できる。
4個のベベルギヤ42・43・44・45と中間ギヤ軸46を伝動要素にする内刃駆動構造において、第1中間ベベルギヤ44から第2中間ベベルギヤ45に至る動力伝動経路に、可動フレーム7の上下フロート動作を吸収する非円形断面のスライド軸部47と、可動フレーム7の上下フロート動作に追随して弾性変形するフロート追随ばね48を配置するようにした。こうした内刃駆動構造によれば、可動フレーム7が内刃9と共に上下フロートするとき、第1中間ベベルギヤ44から第2中間ベベルギヤ45に至る動力伝動経路において、回転動力を伝動しながら可動フレーム7の上下フロートを吸収できる。従って、第1中間ベベルギヤ44に伝動された回転動力を、第2中間ベベルギヤ45および終段ベベルギヤ43に確動的に伝動して、内刃9を安定した状態で回転駆動できる。
ヘッド部2に起毛ローラー11を設け、その周面に起毛体35を設けると、内刃9および外刃10でひげ切断を行う際に、回転駆動される起毛体35で、肌面をローラー中心軸線に沿って伸張変形させ、あるいは縮弛変形させながら起毛できる。従って、肌面に倒れ込んでいるひげやくせ毛を起毛して、ひげ切断を効果的に行うことができる。
ローラー中心軸線に対して傾斜する起毛要素36の一群で起毛体35を構成し、隣接する起毛要素36の交差部37にひげ捕捉溝38を形成すると、起毛要素36と接触したひげをひげ捕捉溝38で櫛削って外刃10に導入案内できるので、ひげ切断をさらに効果的に行うことができる。
山谷状に屈曲する起毛リブ36で起毛要素を構成し、隣接する起毛リブ36の山部と谷部に面一状の交差部37を設けると、起毛ローラー11が1回転する間に起毛リブ36および交差部37を、繰り返し肌面およびひげに接触させて起毛効果を向上できる。また、ひげ捕捉溝38の溝深さHを、起毛ローラー11の基部周面11bから起毛リブ36の突端面までの長さhより大きく設定しておくことにより、ひげ捕捉溝38で捕捉したひげが溝の外へはみ出るのを防ぎ、さらに複数のひげを同時に捕捉して外刃10に導入案内できるので、ひげ切断をさらに効果的に行うことができる。
実施例1に係る内刃駆動構造およびフロート構造を示す原理図である。 実施例1に係る電気かみそりの概略正面図である。 図5におけるA−A線断面図である。 図5におけるB−B線断面図である。 実施例1に係るフロート構造のフロート動作を示す概略側面図である。 実施例1に係る起毛ローラーの斜視図である。 実施例1に係る起毛ローラーの断面図である。 実施例1に係る起毛ローラーの展開図である。 実施例2に係る内刃駆動構造およびフロート構造を示す原理図である。 実施例3に係る内刃駆動構造およびフロート構造を示す原理図である。 実施例4に係る内刃駆動構造を示す縦断正面図である。 実施例5に係る起毛ローラーの斜視図である。 実施例5に係る起毛ローラーの正面図である。 図13におけるC−C線断面図である。 実施例6に係る内刃駆動構造およびフロート構造を示す縦断正面図である。 実施例7に係る内刃駆動構造を示す縦断正面図である。 実施例8に係る内刃駆動構造を示す縦断正面図である。 実施例9に係る内刃駆動構造を示す側面図である。 参考例1に係る内刃駆動構造およびフロート構造を示す縦断正面図である。 参考例2に係る内刃駆動構造およびフロート構造を示す縦断正面図である。
(実施例1) 図1ないし図8は、本発明に係る電気かみそりの実施例1を示す。本発明において、前後、左右、上下とは図2および図5に示す交差矢印と、交差矢印の近傍に表記した前後、左右、上下の表示に従うものとする。図2において、電気かみそりはグリップ3を含む本体ケース1と、本体ケース1の上部に配置したヘッド部2を備えている。本体ケース1の内部には2次電池4と、制御基板が配置してあり、本体ケース1の前面にはモーター8を起動するスイッチノブ5が設けてある。
ヘッド部2には、本体ケース1に連続する固定フレーム6と、固定フレーム6に対して上下フロートする左右一対の可動フレーム7が設けてあり、固定フレーム6にモーター8が固定され、可動フレーム7にロータリー式の内刃9と外刃10が装着してある。また、可動フレーム7の右側面にモーター8の回転動力を内刃9に伝動する内刃駆動構造が設けてある。さらに、固定フレーム6の上部後方には、内刃駆動構造の回転動力を利用して回転駆動される起毛ローラー11が設けてある。ヘッド部2を小形化しコンパクト化するために、モーター8は減速機8bを一体に備えた減速機付きモーターからなり、その回転中心軸が内刃9の回転中心軸と平行になる状態で横置き配置してある。内刃9は電鋳法で形成した目の粗い網刃状の切刃を備えており、切刃を支持する内刃軸(終段伝動軸)19の両端が後述する可動フレーム7で回転自在に軸支してある。外刃10は、電鋳法で形成した網目の小さな網刃からなり、可動フレーム7に着脱される外刃ホルダー12で逆U字状に保形してある(図5参照)。符号13は可動フレーム7に固定されるカバーであって、その一方は内刃駆動構造の外面を覆っている。
図3ないし図5に示すように内刃駆動構造は、可動フレーム7の上下に配置した2個の従動プーリー15・16と、モーター8の出力軸8aに固定した原動プーリー17と、これらのプーリー15・16・17に巻掛け装着したタイミングベルト(巻掛け伝動体)18で巻掛け伝動機構として構成してある。従動プーリー15・16および原動プーリー17は、それぞれタイミングプーリーからなり、上側の従動プーリー15は内刃9の内刃軸19の側端に固定され、下側の従動プーリー16のプーリー軸16aは可動フレーム7で回転自在に軸支してある。図1に示すように、原動プーリー17は上下の従動プーリー15・16の間に配置されて、各プーリー15・16・17の中心を結ぶ形状が三角形になるように配置してある。
ヘッド部2をフロート支持するために、固定フレーム6と可動フレーム7の間にフロート構造を設けている。フロート構造は、固定フレーム6の左右側枠に固定した上下一対のガイドピン(軸体)21と、4個の各ガイドピン21に対応して左右の可動フレーム7に形成したフロート溝22・23と、可動フレーム7を押上げ付勢する左右一対のフロートばね24を備えている。上側のフロート溝22が垂直の直線溝で形成してあるのに対して、下側のフロート溝23は前下がり傾斜状の湾曲溝で形成して、垂直線に対して傾斜させてある。また、可動フレーム7を貫通する出力軸8aの周りには、縦に長い長方形状の逃げ穴25が形成してあり、この逃げ穴25を設けることで、上下フロートする可動フレーム7が出力軸8aに接当干渉するのを避けている。
上記のように、可動フレーム7および内刃9と内刃駆動構造が上下フロートする場合には、各従動プーリー15・16と原動プーリー17の間のタイミングベルト18の張力が大小に変化する。これは、原動プーリー17の位置が常に一定で、その中心位置が変化しないのに対して、従動プーリー15・16の上下フロートに伴い、各プーリー15・16・17の間のタイミングベルト18の張力が変化するからである。こうしたタイミングベルト18の張力の変動を最小限にし、上下フロート時に内刃9を確実に回転駆動するために、各プーリー15・16・17の配置構造を以下のように設定している。
図1に示すように、上下の従動プーリー15・16の中心どうしを結ぶ垂直のプーリー中心軸線Pを想定するとき、原動プーリー17をプーリー中心軸線Pよりも後方に配置している。また、上下の従動プーリー15・16の中心間距離をLとし、プーリー中心軸線Pから原動プーリー17の中心までの前後距離をmとするとき、不等式(m<L/2)を満足するように原動プーリー17を配置している。
プーリー中心軸線Pから原動プーリー17の中心までの前後距離mが、L/2以上に設定してあると、原動プーリー17に対するタイミングベルト18の巻掛け角度が大きくなって、モーター8の回転動力をより確実にタイミングベルト18に伝動できる。反面、巻掛け伝動機構が占める空間の前後寸法が大きくなり、ヘッド部2が大形化してしまう。また、前後距離mが極端に小さいと、巻掛け伝動機構が占める空間の前後寸法を小さくできるものの、原動プーリー17に対するタイミングベルト18の巻掛け角度が小さくなるため、モーター8の回転動力を確実にタイミングベルト18に伝動できなくなる。原動プーリー17に対するタイミングベルト18の巻掛け角度は、実用上は45度〜90度の範囲内で選定することが好ましい。
上記のプーリー配置に加えて、プーリー中心軸線Pの上下中央を基準位置Qとするとき、原動プーリー17の中心位置が基準位置Qを含む中央領域Z内に位置するように原動プーリー17を配置している。中央領域Zは、前記基準位置Qから上下方向へL/4だけ離れた領域であって、この中央領域Z内に原動プーリー17の中心を位置させている。この実施例では、上下フロートする前の原動プーリー17の中心を、基準位置Qより下側の中央領域Zに位置させるようにした。
上記のように、従動プーリー15・16の中心間距離Lの上下中央を基準位置Qにして、同位置Qから上下方向へL/4だけ離れた中央領域Z内に原動プーリー17の中心を位置させると、原動プーリー17を基準位置Qの近傍に位置させておくことができる。そのため、上下の従動プーリー15・16のいずれか一方と、原動プーリー17の中心間距離が小さくなりすぎるのを避けて、上下フロート時に各プーリー15・16・17の間でタイミングベルト18が緩む度合や、緊張する度合いを小さくして、好適に回転動力を伝動できる。
図5(a)に示すように、常態における可動フレーム7はフロートばね24で押上げられていて、上下のフロート溝22・23の下端がガイドピン21で受止められている。この状態から可動フレーム7が下降フロートすると、図5(b)に示すように上側の従動プーリー15が原動プーリー17に接近し、下側の従動プーリー16は原動プーリー17から遠ざかる向きに離れる。つまり、上側の従動プーリー15と原動プーリー17の間のタイミングベルト18は緩んで張力(テンション力)が減少する傾向が生じ、下側の従動プーリー16と原動プーリー17のタイミングベルト18は緊張して張力が増加する傾向が生じる。
上記のような、タイミングベルト18の緩み量と緊張量は、原動プーリー17の中心位置がどこにあるかで、大きく異なってしまう。例えば、原動プーリー17の中心位置が、基準位置Qから下方向へL/4を越えて下方に位置している状態と、原動プーリー17の中心位置が基準位置Qの近傍にある状態では、内刃9が一定量だけ下降フロートした場合の、タイミングベルト18の緩み量が大きく異なる。前者の緩み量が、後者の緩み量よりはるかに大きくなってしまうのである。また、原動プーリー17の中心位置がどこにあるかで、タイミングベルト18の緊張量が大きく異なり、原動プーリー17の中心位置が上側の従動プーリー15に近づくほど、タイミングベルト18の緊張量が増加し、モーター8に作用する負荷が増加する。このように、緩み量が大きくなり、あるいは緊張量が大きくなる状況をできるだけ避けるために、原動プーリー17の中心を基準位置Qの近傍に位置させている。さらに、下降フロート時にタイミングベルト18が緩むことは避けられないので、従動プーリー16を前側に傾動させて、タイミングベルト18の緩みを補正している。
従って、上記の内刃駆動構造によれば、上下フロートに伴うタイミングベルト18の緩み度合いや緊張度合いを最小限にして、上下フロート時にも内刃9を確実に回転駆動できる。また、下側のフロート溝23が前下がり傾斜状の湾曲溝で形成してあるので、下降フロートしたときの可動フレーム7は後傾姿勢になって、下側の従動プーリー16を原動プーリー17からさらに離れる向き(斜め前向き)に変位させて、タイミングベルト18の張力の緩みをさらに抑止できる。なお、可動フレーム7が下降限界までフロートしたときの原動プーリー17の中心は、フロート前の基準位置Qを通る水平線上にある。
固定フレーム6には、起毛ローラー11を回転駆動するための駆動構造が設けてある。図1および図4に示すように、起毛ローラー11の駆動構造は、モーター8の出力軸8aに固定した原動ギヤ28と、中間ギヤ軸29に固定した従動ギヤ30と、中間ギヤ軸29およびローラー軸11aに固定した原動プーリー31および従動プーリー32と、これら両プーリー31・32に巻掛けたタイミングベルト33で構成する。図1に示すように、使用時の内刃9は反時計回転方向へ回転駆動されるのに対して、起毛ローラー11は時計回転方向へ回転駆動されて、ひげ切断時の肌面を内刃9から遠ざかる向きへ引っ張って起毛する。
図6ないし図8に示すように、起毛ローラー11は丸軸状のプラスチック成型品からなり、その中心に固定した左右のローラー軸11aが固定フレーム6で回転自在に軸支してある。起毛ローラー11の周面には、肌面をローラー中心軸線に沿って伸張変形させ、あるいは縮弛変形させる起毛体35が形成してある。起毛体35は、起毛ローラー11の周回方向へ連続し、ローラー中心軸線に対して傾斜する起毛要素36の一群で構成してあり、隣接する起毛要素36どうしが周方向の少なくとも1か所で一体化されて、面一状の交差部37を構成している。図6に示すように、この実施例では、ローラー中心軸線に沿って山谷状に屈曲する起毛リブ36で起毛要素を構成して、隣接する起毛リブ36の山部と谷部を一体化して交差部37をX字状に形成した。また、交差部37に起毛ローラー11の回転方向に沿うひげ捕捉溝38を形成して、肌面に倒れ込んでいるひげやくせ毛をひげ捕捉溝38で捕捉できるようにした。つまり、ひげ捕捉溝38は隣接する櫛刃の間の櫛刃溝と同様の起毛機能を発揮でき、さらに、起毛機能を発揮できない交差部37の表面にひげ捕捉溝38を設けることで起毛機会を増加して、起毛ローラー11による毛起こし効果を増強できる。
ひげ捕捉溝38で捕捉したひげが溝の外へはみ出るのを防ぎ、さらに複数のひげを同時に捕捉できるようにするために、図7に示すように、交差部37に形成したひげ捕捉溝の溝深さHを、起毛ローラー11の基部周面11bから起毛リブ36の突端面までの長さhより大きく設定している。図8に示すようにX字状の交差部37は、ローラー中心軸線方向に隣接する起毛リブ36の半ピッチおきに形成されるが、1ピッチ離れた交差部37に限ってひげ捕捉溝38を形成して、ひげ捕捉溝38が周方向へ直線列状に並ぶようにした。なお、必要があれば、起毛リブ36の半ピッチおきに形成される各交差部37にひげ捕捉溝38が形成してあってもよい。
以上のように構成した電気かみそりにおいては、モーター8を、その回転中心軸が内刃9の回転中心軸と平行となる状態で横置き配置し、しかもモーター8が可動フレーム7の上下フロート領域に臨むように配置した。こうした電気かみそりによれば、ヘッド部2の上下寸法を小さくし、さらに可動フレーム7の上下フロート領域内にモーター8を集約配置できるので、その分だけヘッド部2および電気かみそりの全体を小形化しコンパクト化できる。また。モーター8を支持する固定フレーム6と、内刃9および内刃駆動構造を支持する可動フレーム7の間にフロート構造を設けて、モーター8を除く内刃駆動構造を内刃9と共に上下フロートさせるようにした。従って、モーターを含むヘッド部の全体を上下フロートさせる従来の電気かみそりに比べて、可動部分の重量を小さくできるので、ヘッド部2を肌面の変化に追随して軽快に上下フロートさせて、ひげ剃り時の肌当りをソフトで柔軟なものにできる。さらに、内刃9を駆動する内刃駆動構造を巻掛け伝動機構として構成するので、内刃駆動構造がギヤトレインを伝動要素にして構成してある場合に比べて、ひげ剃り時の電気かみそりの騒音量を減少して静音化できる。
ひげ剃り時には、ローラー中心軸方向に隣接する起毛リブ36が協同して肌面を伸張変形させ、あるいは肌面を縮弛変形させて、肌面に倒れ込んでいるひげやくせ毛を強制的に起毛し、あるいはひげ捕捉溝38でひげを櫛削って外刃10に導入案内できるので、ひげ切断を効果的に行うことができる。
(実施例2) 図9は原動プーリー17の配置構造とフロート構造の一部を変更した実施例2を示している。そこでは、下降フロート前の状態における原動プーリー17の中心を、実施例1の場合に比べてより上側に設定して、基準位置Qを通る水平線上に位置させた。また、下側のフロート溝23を後下がり傾斜状の湾曲溝で形成して、可動フレーム7が下降フロートした場合に、可動フレーム7を前傾させるようにした。他は先の実施例と同じであるので、同じ部材に同じ符号を付してその説明を省略する。以下の実施例においても同じとする。
実施例2の巻掛け伝動機構において、可動フレーム7が下降フロートすると、実施例1の場合と同様に、上側の従動プーリー15が原動プーリー17に接近し、下側の従動プーリー16は原動プーリー17から遠ざかる向きに離れる。つまり、上側の従動プーリー15と原動プーリー17の間のタイミングベルト18は緩んで張力が減少する傾向が生じ、下側の従動プーリー16と原動プーリー17のタイミングベルト18は張力が増加する傾向が生じる。しかし、原動プーリー17の中心を、基準位置Qを通る水平線上に位置させているので、内刃9が一定量だけ下降フロートした場合の、タイミングベルト18の緩み量や、緊張量が大きくなるのを避けることができる。また、下側のフロート溝23が後下がり傾斜状の湾曲溝で形成してあるため、下降フロートしたときの可動フレーム7は前傾姿勢になって、上側の従動プーリー15を原動プーリー17からさらに離れる向き(斜め前向き)に変位させる。その結果、上側の従動プーリー15と原動プーリー17の間のタイミングベルト18が緩むのを吸収補正できる。従って、上下フロートに伴うタイミングベルト18の緩み度合いや緊張度合いを最小限にして、上下フロート時にも内刃9を確実に回転駆動できる。
(実施例3) 図10は原動プーリー17の配置構造とフロート構造の一部を変更した実施例3を示している。そこでは、下降フロート前の状態における原動プーリー17の中心を、実施例1の場合の中心位置と基準位置Qを通る水平線の間に設定して、水平線の下側近傍に近づけるようにした。また、下側のフロート溝23を上下対称形状の湾曲溝で形成して、下降フロート途中の可動フレーム7をストローク前半では後傾させ、ストローク後半において後傾姿勢を復帰させるようにした。
実施例3の巻掛け伝動機構において、可動フレーム7が下降フロートすると、実施例1の場合と同様に、上側の従動プーリー15が原動プーリー17に接近し、下側の従動プーリー16は原動プーリー17から遠ざかる向きに離れる。そのため、上側の従動プーリー15と原動プーリー17の間のタイミングベルト18は緩んで張力が減少する傾向が生じ、下側の従動プーリー16と原動プーリー17のタイミングベルト18は張力が増加する傾向が生じる。このとき、下降フロート前の原動プーリー17の中心が、基準位置Qを通る水平線の近傍に位置しているので、内刃9が一定量だけ下降フロートした場合の、タイミングベルト18の緩み量や、緊張量が大きくなるのを避けることができる。また、下降し終わった可動フレーム7の姿勢は、下降フロート前の姿勢と同じになる。その結果、上側の従動プーリー15と原動プーリー17の間のタイミングベルト18が緩んで張力が減少するのを極力避けて、下降フロート時にも内刃9を確実に回転駆動することができる。
なお、可動フレーム7が上下フロートするときの原動プーリー17の中心は、フロート前の基準位置Qを通る水平線と交差する状態で上下に変動する。実施例2および実施例3のフロート構造から理解できるように、上下のフロート溝22・23の傾斜方向と、傾斜の度合いを調整することにより、可動フレーム7が上下フロートするときのタイミングベルト18の張力変動を吸収し補正して、上下フロート時の内刃9を確実に回転駆動することができる。
(実施例4) 図11は内刃駆動構造の一部を変更した実施例4を示している。そこでは、内刃9を固定支持する内刃軸19aと、従動プーリー15を固定支持するプーリー軸19bで終段伝動軸19を構成する点が、実施例1の内刃駆動構造と異なる。内刃軸19aとプーリー軸19bは、内刃軸19aに設けた四角軸部19cと、プーリー軸19bに設けた断面四角形の連結穴19dを介して同行回転可能に連結してある。この実施例から理解できるように、終段伝動軸19は複数の軸で構成してあってもよい。
(実施例5) 図12ないし図14は起毛ローラー11の構造を変更した実施例5を示している。そこでは、ローラー軸11aに固定した多数個のディスク(起毛要素)36と、ローラー中心軸線に沿って隣接するディスク36どうしを連結する一対の捕捉枠39で起毛体35を構成した。図13に示すようにディスク36は、ローラー中心軸線に沿って交互に右傾しあるいは左傾する状態で設けてあり、隣接するディスク36どうしが周方向の1個所で一体化されて、捕捉枠39と共に交差部37を構成している。交差部37に臨む捕捉枠39には、起毛ローラー11の回転方向に沿うひげ捕捉溝38を形成して、肌面に倒れ込んでいるひげやくせ毛をひげ捕捉溝38で櫛削れるようにした。このように、隣接するディスク36をV字状あるいは逆V字状に連続させた起毛体35によれば、肌面をローラー中心軸線に沿って伸張変形させ、あるいは縮弛変形させて、肌面に倒れ込んでいるひげやくせ毛を効果的に起毛できる。また、隣接するディスク36でひげをひげ捕捉溝38に案内して櫛削ることができるので、全体としてひげ切断を効果的に行うことができる。
(実施例6) 図15はフロート構造を変更した実施例6を示している。そこでは、モーター8と内刃駆動構造の間にフロート構造を設けて、内刃9および内刃駆動構造をモーター8に対して上下フロートさせるようにした。また、モーター8の出力軸8aに固定される原動ベベルギヤ42と、内刃軸19に固定される終段ベベルギヤ43と、原動ベベルギヤ42に噛み合う第1中間ベベルギヤ44と、終段ベベルギヤ43に噛み合う第2中間ベベルギヤ45と、第1中間ベベルギヤ44の回転動力を第2中間ベベルギヤ45に伝動する中間ギヤ軸46などで内刃駆動構造を構成した。中間ギヤ軸46の上部に角軸状(非円形断面)のスライド軸部47を設けて、このスライド軸部47に第2中間ベベルギヤ45を相対スライド可能に連結した。第1中間ベベルギヤ44は、中間ギヤ軸46の中途部に固定し、第1、第2の中間ベベルギヤ44・45の間にフロート追随ばね48を配置した。各ベベルギヤ44・45の対向面には、中間ギヤ軸46に外嵌する状態でフロート追随ばね48を受止めるスラストリング49を設けた。この実施例におけるフロート構造は、図15に向かって左側の可動フレーム7および固定フレーム6に設けたガイドピン21およびフロート溝22・23と、相対スライドするスライド軸部47および第2中間ベベルギヤ45と、フロートばね24およびフロート追随ばね48で構成される。
実施例6のフロート構造によれば、可動フレーム7が内刃9と共に上下フロートするとき、スライド軸部47に連結した第2中間ベベルギヤ45が、中間ギヤ軸46に固定した第1中間ベベルギヤ44に対して上下移動して、上下フロート動作に追随できる。従って、ギヤを伝動要素とする内刃駆動構造であるにもかかわらず、内刃9および内刃駆動構造を可動フレーム7に同行して的確に上下フロートさせながら、上下動する内刃9を確実に回転駆動できる。
(実施例7) 図16はフロート構造を変更した実施例7を示している。そこでは、中間ギヤ軸46を、第1中間ベベルギヤ44が固定される原動側軸46aと、第2中間ベベルギヤ45が固定される従動側軸46bで構成した。また、従動側軸46bにスライド軸部47を設けて、原動側軸46aと従動側軸46bを相対スライド可能に連結し、スライド軸部47の下端と原動側軸46aの連結穴の底との間にフロート追随ばね48を配置した。
実施例7のフロート構造によれば、可動フレーム7が内刃9と共に上下フロートするとき、スライド軸部47が原動側軸46aに対して上下移動して、上下フロート動作に追随できる。従って、ギヤを伝動要素とする内刃駆動構造であるにもかかわらず、内刃9および内刃駆動構造を可動フレーム7に同行して的確に上下フロートさせながら、上下動する内刃9を確実に回転駆動できる。
(実施例8) 図17はフロート構造を変更した実施例8を示している。実施例6おいては、圧縮コイル形のフロート追随ばね48を、中間ギヤ軸46に外嵌する状態で第1、第2の中間ベベルギヤ44・45の間に配置したが、この実施例では、板ばねで形成したフロート追随ばね48で第2中間ベベルギヤ45を押上げ付勢した。詳しくは、カバー13の内面に締結固定される取付け座48aと、取付け座48aの上部に連続するばね腕48bでフロート追随ばね48を構成し、第2中間ベベルギヤ45の底に弾性変形した状態のばね腕48bを密着させるようにした。ばね腕48bの前後中央には、スライド軸部47の回転を許す逃げ溝が形成してある。
実施例6から実施例8で説明した実施例から理解できるように、スライド軸部47とフロート追随ばね48は、第1中間ベベルギヤ44から第2中間ベベルギヤ45に至る動力伝動経路に配置してあればよい。こうしたフロート構造によれば、可動フレーム7が内刃9と共に上下フロートするとき、第1中間ベベルギヤ44から第2中間ベベルギヤ45に至る動力伝動経路において、回転動力を伝動しながら可動フレーム7の上下フロートを吸収できる。従って、第1中間ベベルギヤ44に伝動された回転動力を、第2中間ベベルギヤ45および終段ベベルギヤ43に確動的に伝動して、内刃9を安定した状態で回転駆動できる。
(実施例9) 図18は内刃駆動構造を変更した実施例9を示している。この実施例における内刃駆動構造は、実施例1と同様に、2個の従動プーリー15・16と、モーター8の出力軸8aに固定した原動プーリー17と、これらのプーリー15・16・17に巻掛け装着したタイミングベルト18で巻掛け伝動機構として構成する。実施例1の内刃駆動構造と異なるのは、タイミングベルト18の対向する直線部のそれぞれを原動プーリー17に噛合させて、噛合部分を押えローラー50で押圧して、タイミングベルト18が原動プーリー17から分離するのを防止した。こうした内刃駆動構造によれば、従動プーリー15・16が可動フレーム7に同行して上下フロートする場合に、原動プーリー17より上側と下側のタイミングベルト18の移動量が同じになるので、タイミングベルト18の上下いずれかに緩みが生じ、あるいは緊張するのを解消できる。
(参考例1) 図19は参考例1に係る電気かみそりを示している。そこでは、モーター8をヘッド部2に縦置き配置し、その回転動力をモーター8の出力軸8aに固定した原動ベベルギヤ52と、原動プーリー軸53に固定した従動ベベルギヤ54で、横軸回りの回転動力に変換して、原動プーリー17に伝動する点が実施例1の電気かみそりと異なっている。他の構成は、実施例1と同じであるので、同じ部材に同じ符号を付してその説明を省略する。
上記のように、モーター8が縦置き配置してあると、モーター8を固定フレーム6と本体ケース1で協同して収容する必要があり、ヘッド部2を小形化するのが難しい。しかし、モーター8および原動プーリー軸53を除く内刃駆動構造を内刃9と共に上下フロートできるので、モーターを含むヘッド部の全体を上下フロートさせる従来の電気かみそりに比べて、可動部分の重量を小さくできる。従って、ヘッド部2を肌面の変化に追随して軽快に上下フロートさせて、ひげ剃り時の肌当りをソフトで柔軟なものにできる。
(参考例2) 図20は参考例2に係る電気かみそりを示している。そこでは、モーター8をヘッド部2に縦置き配置し、その回転動力をモーター8の出力軸8aに固定した原動ベベルギヤ52と、原動ギヤ軸55に固定した従動ベベルギヤ54で、横軸回りの回転動力に変換して、原動ベベルギヤ42に伝動する点が実施例6の電気かみそりと異なっている。他の構成は、実施例6と同じであるので、同じ部材に同じ符号を付してその説明を省略する。
上記のように、モーター8が縦置き配置してあると、モーター8を固定フレーム6と本体ケース1で協同して収容する必要があり、ヘッド部2を小形化するのが難しい。しかし、モーター8および原動ギヤ軸55を除く内刃駆動構造を内刃9と共に上下フロートできるので、モーターを含むヘッド部の全体を上下フロートさせる従来の電気かみそりに比べて、可動部分の重量を小さくできる。従って、ヘッド部2を肌面の変化に追随して軽快に上下フロートさせて、ひげ剃り時の肌当りをソフトで柔軟なものにできる。また、中間ベベルギヤ45がスライド軸部47と相対スライドして、上下フロート動作に追随するので、中間ギヤ軸46に伝動された回転動力を、中間ベベルギヤ45および終段ベベルギヤ43に確動的に伝動して、内刃9を安定した状態で回転駆動できる。
上記の実施例では、モーター8が減速機8bを一体に備えた減速機付きモーターである場合について説明したが、減速機8bを備えていないモーター8であってもよい。また、モーター8は、その中心がプーリー中心軸線Pより前側に位置する状態で配置してあってもよい。巻掛け伝動体18としては、タイミングベルト(シンクロベルト)以外に、Vリブドベルトやチェーンを適用できる。
1 本体ケース
2 ヘッド部
6 固定フレーム
7 可動フレーム
8 モーター
9 内刃
10 外刃
11 起毛ローラー
15・16 従動プーリー
17 原動プーリー
18 巻掛け伝動体(タイミングベルト)
21 軸体(ガイドピン)
22・23 フロート溝
24 フロートばね
35 起毛体
36 起毛要素(起毛リブ)
37 交差部
38 ひげ捕捉溝

Claims (11)

  1. 本体ケース(1)とヘッド部(2)を備えており、ヘッド部(2)にロータリー式の内刃(9)と、内刃(9)を回転駆動するモーター(8)と、モーター(8)の回転動力を内刃(9)に伝動する内刃駆動構造が設けてある電気かみそりであって、
    モーター(8)はその回転中心軸が内刃(9)の回転中心軸と平行になる状態で横置き配置されて、ヘッド部(2)で固定支持されており、
    モーター(8)と内刃駆動構造の間に、内刃(9)および内刃駆動構造を上下フロート可能に支持するフロート構造が設けてあり、
    内刃(9)および内刃駆動構造が、モーター(8)に対して上下フロートすることを特徴とする電気かみそり。
  2. ヘッド部(2)に、モーター(8)を支持する固定フレーム(6)と、内刃(9)および内刃駆動構造を支持して、固定フレーム(6)に対して上下フロートする可動フレーム(7)が設けられており、
    可動フレーム(7)の上下フロート領域に臨んでモーター(8)が配置してある請求項1に記載の電気かみそり。
  3. 内刃駆動構造が、可動フレーム(7)の上下に配置した複数の従動プーリー(15・16)と、モーター(8)の出力軸(8a)に固定される原動プーリー(17)と、これらのプーリー(15・16・17)に巻掛け装着される巻掛け伝動体(18)を含んで巻掛け伝動機構として構成されており、
    可動フレーム(7)の上部に配置した従動プーリー(15)が、同プーリー(15)の回転動力を内刃(9)に伝動する終段伝動軸(19)に固定されており、
    上下の従動プーリー(15・16)の間に原動プーリー(17)を配置して、モーター動力を巻掛け伝動体(18)と従動プーリー(15・16)を介して内刃(9)に伝動する請求項2に記載の電気かみそり。
  4. 巻掛け伝動機構が上下2個の従動プーリー(15・16)と、両従動プーリー(15・16)の中心どうしを結ぶプーリー中心軸線(P)よりも後方に配置した原動プーリー(17)を備えており、
    上下の従動プーリー(15・16)の中心間距離を(L)とし、プーリー中心軸線(P)から原動プーリー(17)の中心までの前後距離を(m)とするとき、不等式(m<L/2)を満足するように原動プーリー(17)が配置してある請求項2、または3に記載の電気かみそり。
  5. 従動プーリー(15・16)の中心間距離(L)の上下中央を基準位置(Q)にして、原動プーリー(17)の中心位置が前記基準位置(Q)を含む中央領域(Z)内に配置されており、
    中央領域(Z)が、前記基準位置(Q)から上下方向へ(L/4)だけ離れた領域内に設定してある請求項4に記載の電気かみそり。
  6. 固定フレーム(6)と可動フレーム(7)の間にフロート構造が設けられており、
    フロート構造が、前記両フレーム(6・7)の一方に固定した軸体(21)と、前記両フレーム(6・7)の他方に設けられて軸体(21)に対して相対移動可能に係合するフロート溝(22・23)と、可動フレーム(7)を押上げ付勢するフロートばね(24)を備えている請求項2から5のいずれかひとつに記載の電気かみそり。
  7. フロート構造が、前記両フレーム(6・7)の一方の上下に固定した軸体(21)と、前記両フレーム(6・7)の他方の上下に設けられて軸体(21)に対して相対移動可能に係合するフロート溝(22・23)を備えており、
    少なくとも両フレーム(6・7)の下側に位置するフロート溝(23)が垂直線に対して傾斜させてあり、
    可動フレーム(7)の上下フロート動作に伴う巻掛け伝動体(18)のテンション力の増減変動を、可動フレーム(7)の姿勢変化に伴う従動プーリー(15・16)の位置変化で吸収し補正している請求項4から6のいずれかひとつに記載の電気かみそり。
  8. 内刃駆動構造が、モーター(8)の出力軸(8a)に固定される原動ベベルギヤ(42)と、終段伝動軸(19)に固定される終段ベベルギヤ(43)と、原動ベベルギヤ(42)に噛み合う第1中間ベベルギヤ(44)と、終段ベベルギヤ(43)に噛み合う第2中間ベベルギヤ(45)と、第1中間ベベルギヤ(44)の回転動力を第2中間ベベルギヤ(45)に伝動する中間ギヤ軸(46)を備えており、
    第1中間ベベルギヤ(44)から第2中間ベベルギヤ(45)に至る動力伝動経路に、可動フレーム(7)の上下フロート動作を吸収する非円形断面のスライド軸部(47)と、可動フレーム(7)の上下フロート動作に追随して弾性変形するフロート追随ばね(48)が配置されており、
    可動フレーム(7)が内刃(9)と共に上下フロートするとき、第1中間ベベルギヤ(44)から第2中間ベベルギヤ(45)に至る動力伝動経路において、回転動力を伝動しながら可動フレーム(7)の上下フロートを吸収する請求項2に記載の電気かみそり。
  9. ヘッド部(2)に、内刃駆動構造の回転動力で回転駆動される起毛ローラー(11)が設けられており、
    起毛ローラー(11)の周面に、肌面を同ローラー(11)のローラー中心軸線に沿って伸張変形させ、あるいは縮弛変形させる起毛体(35)が形成してある請求項2から8のいずれかひとつに記載の電気かみそり。
  10. 起毛体(35)が、起毛ローラー(11)の周回方向へ連続し、ローラー中心軸線に対して傾斜する起毛要素(36)の一群で構成されて、隣接する起毛要素(36)どうしが周方向の少なくとも1か所で一体化されて交差部(37)を構成しており、
    前記交差部(37)に起毛ローラー(11)の回転方向に沿うひげ捕捉溝(38)が形成してある請求項9に記載の電気かみそり。
  11. 起毛要素がローラー中心軸線に沿って山谷状に屈曲する起毛リブ(36)で構成されて、隣接する起毛リブ(36)の山部と谷部が面一状の交差部(37)を構成しており、
    交差部(37)に形成したひげ捕捉溝(38)の溝深さ(H)が、起毛ローラー(11)の基部周面(11b)から起毛リブ(36)の突端面までの長さ(h)より大きく設定してある請求項10に記載の電気かみそり。
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