JP2017201440A - 手段別od交通量の実数推計方法、手段別od交通量の実数推計装置、手段別od交通量の実数推計プログラム、並びに情報記録媒体 - Google Patents

手段別od交通量の実数推計方法、手段別od交通量の実数推計装置、手段別od交通量の実数推計プログラム、並びに情報記録媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】手段別OD表を、パーソントリップ(PT)調査に比べて、格段安い費用で、精度良く作成する【解決手段】OD交通量推計装置50は、手段別の初期値OD表と、一部の手段についての一部の出発地における発生量及び一部の到着地における集中量それぞれの観測値と、モバイル移動データから得られる全移動手段のOD表と、を用いて、移動手段別の総トリップ数を推計する推計算出部12と、手段別の初期値OD表と、全移動手段のOD表と、推計された手段別総トリップ数と、発生量及び集中量の観測値と、を用いて、手段別ゾーン別の発生量及び手段別ゾーン別の集中量の集計表を作成する推計部14と、それら2つの集計表と、手段別の初期値OD表と、全移動手段のOD表と、を用い、3軸での平均成長率法を活用した現在パターン法を適用して手段別OD表の各トリップ数を推計するOD表推計部16と、を備える。【選択図】 図2

Description

本発明は、手段別OD交通量の実数推計方法、手段別OD交通量の実数推計装置、手段別OD交通量の実数推計プログラム、並びに情報記録媒体に係り、特に、パーソントリップOD交通量の実数推計及びバス交通あるいは鉄道交通における実数流動推計などを同時に行うのに好適な手段別OD交通量の実数推計方法、手段別OD交通量の実数推計装置、手段別OD交通量の実数推計プログラム、並びに手段別OD交通量の実数推計プログラムが記録された情報記録媒体に関する。
従来、交通計画を策定するための基礎データを収集する調査手法として、パーソントリップ(PT)調査が実施されてきた。これは、一日の交通行動を対象地域の住民にアンケートする方法で、対象地域の約3%〜10%程度の抽出率で実施していた。このため、多額の調査費用が必要となっている一方、最近、マンション等の立地により、回収率が低下し、調査精度に影響を及ぼしている。
かかる不都合を改善するものとして、「ゾーン別発生・集中交通量とOD交通量の高精度推定方法」が提案されている(特許文献1参照)。この他、広大対象地域(大規模道路網)への適用を目的として、大ゾーンの発生・集中交通量をその大ゾーンを代表するセントロイドで集約して扱う、より実用的で、高精度の大ゾーン間OD交通量の逆推定方法として、「セントロイドを用いた大ゾーン間OD交通量逆推定方法及びプログラム」が提案されている(特許文献2参照)。なお、ODとは、Origin(出発地)−Destinaion(目的地)の略語である。
また、近年、携帯電話の位置情報を使った交通系ICTの進展が著しく、このデータを活用して対象都市の交通行動を把握することが可能となった。特に、携帯電話事業者の運用データ等は、行政が行うパーソントリップ調査などの既存の統計等を空間的・時間的に補完するデータとしての活用が期待されている。
しかしながら、特許文献1に記載される発明及び特許文献2に記載される発明は、いずれも、自動車、徒歩、二輪車、バス、鉄道など、複数の移動手段についての手段別OD表を同時に作成する用途に適用することは不向きであった。また、携帯電話事業者の運用データを含む、携帯電話の位置情報などのデータからも、移動手段等の情報を得ることは困難である。
特開2007−128121号公報 特開2010−191890号公報
本発明は、上述した事情の下でなされたもので、その第1の態様によれば、予め取得された対象地域における移動手段別の複数の初期値OD表のデータと、少なくとも1つの移動手段についての少なくとも1つの出発地における発生量の観測値及び少なくとも1つの到着地における集中量の観測値と、モバイル移動データから得られる対象地域における全移動手段のOD表のデータと、を用いて、移動手段別の総トリップ数を推計する第1工程と、前記複数の初期値OD表のデータと、前記全移動手段のOD表のデータと、推計された前記移動手段別の総トリップ数と、前記発生量の観測値及び前記集中量の観測値と、を用いて、前記移動手段毎にゾーン別に発生量及び集中量を推計するとともに、移動手段別ゾーン別の発生量の集計表及び移動手段別ゾーン別の集中量の集計表を作成する第2工程と、作成された前記移動手段別ゾーン別の発生量の集計表及び前記移動手段別ゾーン別の集中量の集計表それぞれのデータと、前記複数の初期値OD表のデータと、前記全移動手段のOD表のデータと、を用い、各移動手段の出発地到着値間の将来交通量が、前記各移動手段の出発地の発生量の成長率と前記各移動手段の到着地の集中量の成長率と全移動手段の出発地到着地間のトリップ数の成長率との加算平均と、前記各移動手段の出発地到着地間の現況交通量との積に等しいとする、3軸での平均成長率法を活用した現在パターン法を適用して移動手段別OD表の各トリップ数を推計する第3工程と、を含む手段別OD交通量の実数推計方法が、提供される。
これによれば、パーソントリップ(PT)調査に比べて、格段安い費用で、精度良く、複数の移動手段についての手段別OD表を一度に作成することが可能になる。
本発明の第2の態様によれば、予め取得された対象地域における移動手段別の複数の初期値OD表のデータと、少なくとも1つの移動手段についての少なくとも1つの出発地における発生量の観測値及び少なくとも1つの到着地における集中量の観測値と、モバイル移動データから得られる対象地域における全移動手段のOD表のデータと、を用いて、移動手段別の総トリップ数を推計する手段別総トリップ数推計算出手段と、前記複数の初期値OD表のデータと、前記全移動手段のOD表のデータと、推計された前記移動手段別の総トリップ数と、前記発生量の観測値及び前記集中量の観測値と、を用いて、前記移動手段毎にゾーン別に発生量及び集中量を推計するとともに、移動手段別ゾーン別の発生量の集計表及び移動手段別ゾーン別の集中量の集計表を作成する手段別ゾーン別発生量及び集中量推計手段と、作成された前記移動手段別ゾーン別の発生量の集計表及び前記移動手段別ゾーン別の集中量の集計表それぞれのデータと、前記複数の初期値OD表のデータと、前記全移動手段のOD表のデータと、を用い、各移動手段の出発地到着値間の将来交通量が、前記各移動手段の出発地の発生量の成長率と前記各移動手段の到着地の集中量の成長率と全移動手段の出発地到着地間のトリップ数の成長率との加算平均と、前記各移動手段の出発地到着地間の現況交通量との積に等しいとする、3軸での平均成長率法を活用した現在パターン法を適用して移動手段別OD表の各トリップ数を推計する手段別OD表推計手段と、を備える手段別OD交通量の実数推計装置が、提供される。
これによれば、パーソントリップ(PT)調査に比べて、格段安い費用で、精度良く、複数の移動手段についての手段別OD表を同時に作成することが可能になる。
本発明の第3の態様によれば、第1の態様に係る手段別OD交通量の実数推計方法を、コンピュータに実行させるための手段別OD交通量の実数推計プログラムが、提供される。
本発明の第4の態様によれば、第3の態様に係る手段別OD交通量の実数推計プログラムが記録されたコンピュータによる読み取りが可能な情報記録媒体が、提供される。
一実施形態に係るOD交通量推計装置のハードウェア構成を概略的に示す図である。 一実施形態に係るOD交通量推計装置の機能構成を示す図である。 OD交通量推計装置で行なう手段別のOD表の作成の手順を説明するための前提と成るベース構成を示す模式図である。 図4(A)〜図4(D)は、それぞれ自動車、徒歩、バス、全手段の初期値OD表の一例を示す図である。 図5(A)〜図5(C)は、それぞれ自動車、徒歩、バスの推定値OD表(観測値以外は、空欄)の一例を示す図、図5(D)は、全手段のOD表の一例を示す図である。 図6(A)〜図6(D)は、手段別のOD表の作成の流れを示す模式図(その1、その2、その3、その4)である。 図7(A)〜図7(C)は、それぞれ、図5(A)〜図5(C)の推定値OD表の総トリップ数の欄に総トリップ数(具体的な値)が与えられた状態を示す図である。 図8(A)は、手段別ゾーン別の集中量(サンプル値)の集計表の一例を示す図、図8(B)は、手段別ゾーン別の発生量(サンプル値)の集計表の一例を示す図、図8(C)は、手段別ゾーン別の集中量(推定値)の集計表(合計欄及び観測値以外は、空欄)の一例を示す図、図8(D)は、手段別ゾーン別の発生量(推定値)の集計表(合計欄及び観測値以外は、空欄)の一例を示す図である。 図9(A)は、現況パターンのOD表を示す図、図9(B)は、将来パターンのOD表を示す図である。 図10(A)〜図10(E)は、平均成長率法を適用した繰り返し演算による、一部に0を含む、手段別ゾーン別の集中量(推定値)の集計表の作成について説明するための図(その1〜その5)である。 図11(A)〜図11(C)は、平均成長率法を適用した繰り返し演算による、一部に0を含む、手段別ゾーン別の発生量(推定値)の集計表の作成について説明するための図(その1〜その3)である。 図12(A)、図12(B)は、それぞれ、手段別ゾーン別の集中量(推定値)の集計表、手段別ゾーン別の発生量(推定値)の集計表の一例を示す図である。 図13(A)〜図13(C)は、2種類の集計表のデータ変換によって得られる、合計欄のみに値が与えられた手段別のOD表の一例を示す図、図13(D)は、全手段OD表の一例を示す図である。 図14(A)及び図14(B)は、3軸での平均成長率法を活用した現在パターン法を説明するための模式図である。 図15(A)は、手段別のゾーンi(i=1、2、3、4、5)の発生量の成長率Fsiの集計表の一例を示す図、図15(B)は、手段別のゾーンj(j=1、2、3、4、5)の集中量の成長率Gsjの集計表の一例を示す図、図15(C)は、全手段のゾーンij間のトリップ数の成長率Hijの集計表の一例を示す図である。 図16(A)〜図16(C)は、3軸での平均成長率法を活用した現在パターン法による繰り返し演算の過程で得られる手段別の推定値OD表の一例を示す図、図16(D)は、図16(A)〜図16(C)の手段別の推定値OD表から得られる全手段の推定値OD表の一例を示す図である。 図17(A)〜図17(C)は、3軸での平均成長率法を活用した現在パターン法による繰り返し演算により最終的に得られる手段別の推定値OD表の一例を示す図、図17(D)は、図17(A)〜図17(C)の手段別の推定値OD表から得られる全手段の推定値OD表の一例を示す図である。 CPUによって実行される処理アルゴリズムに対応するフローチャート(その1)である。 CPUによって実行される処理アルゴリズムに対応するフローチャート(その2)である。
以下、本発明の一実施形態について、図1〜図19に基づいて説明する。
図1には、一実施形態に係るOD交通量推計装置50のハードウェア構成が概略的に示されている。OD交通量推計装置50は、中央演算処理装置(Central Processing Unit:以下「CPU」と称する)51、メインメモリ52、ROM(Read Only Memory)53、RAM(Random Access Memory)54、ハードディスクドライブ(HDD)又はソリッドステートドライブ(SSD)などのストレージデバイス56、入力装置57及び表示装置58などを備えている。そして、それぞれは共通のバスBUSを介して接続されている。
CPU51は、OD交通量推計装置50の全体の動作を制御する。メインメモリ52は、プログラムやデータを一時的に蓄えておくための装置で、CPU51から直接アクセスできる装置である。
ROM53は、CPU51の駆動(起動)に用いられるIPL(Initial Program Loader)等のプログラムを記憶している。RAM54は、CPU51のワークエリアとして使用される。
ストレージデバイス56には、CPU51で解読可能なコードで記述されたプログラムが格納されている。なお、ストレージデバイス56に格納されているプログラムは、必要に応じてメインメモリ52にロードされ、CPU51により実行される。
入力装置57は、例えばキーボード、マウスなどの入力媒体(図示省略)を備え、ユーザから入力された各種情報(データを含む)をCPU51に通知する。なお、入力媒体からの情報はワイヤレス方式で入力されても良い。
表示装置58は、例えばCRT、液晶ディスプレイ(LCD)及びプラズマディスプレイパネル(PDP)などを用いた表示部(図示省略)を備え、各種情報を表示する。
次にOD交通量推計装置50の機能構成について説明する。図2には、OD交通量推計装置50の機能構成が示されている。各機能部は、前述のハードウェア構成における構成各部と後述するフローチャートで示される処理アルゴリズムに対応するプログラムとによって実現される。
OD交通量推計装置50は、第1の総トリップ数推計部12a及び第2の総トリップ数推計部12bを含む手段別総トリップ数の推計算出部12と、手段別ゾーン別発生量及び集中量推計部14と、手段別OD表推計部16と、を、備えている。
本実施形態に係るOD交通量推計装置50は、図3に模式的に示されるように、既知の全移動手段のOD表(本明細書では、適宜、全手段のOD表、又は全手段OD表とも称する、図3の最下段の色の付いた部分参照)のデータと、予め作成されたバス、徒歩、自動車の3つの移動手段それぞれについての移動手段別の初期値OD表のデータと、少なくとも1つの移動手段についての、少なくとも1つのゾーンの発生量、少なくとも1つのゾーンの集中量の観測値を用いて、所定の手法により、移動手段別のOD表のOD間のトリップ数を推定し、それぞれの移動手段のOD表(図3の上から1から3番目のブロック参照)を最終的に作成する。以下、これについて、詳述する。本明細書では、移動手段を、適宜、手段と略記する。
第1の総トリップ数推計部12aは、ICT(Information and Communication Technology)データの一種である携帯電話移動データ(モバイル移動データ)に基づいて作成された全手段OD表のデータと、自動車、徒歩、バス又は電車等の公共交通機関などの少なくとも1つの特定の移動手段についての、一部の出発地ゾーンについての発生量及び一部の到着地ゾーンについての集中量の観測値(実測値)と、予め作成された移動手段別の初期値OD表のデータと、に基づいて、観測値が得られた特定の移動手段の総トリップ数を推計する。なお、対象地域の実際の状況に応じて、バスの代わりに、電車、又は電車及びバスが手段とされ、徒歩の代わりに、二輪車(自転車を含む)、又は二輪車及び徒歩が手段とされても良い。
携帯電話移動データ(モバイル移動データ)としては、携帯電話事業者の運用データの入手が可能であれば、OD表の作成対象の地域の運用データを用いても良い。
全手段OD表は、上記の携帯電話移動データを用いて、予め作成され、その全手段OD表のデータがRAM54内に格納されている。
上記の発生量及び集中量の観測値として、例えば、手段バスについての、選択された出発地ゾーン内のバス停での一定期間内の乗車客数、及び選択された到着値ゾーン内のバス停での一定期間内の降車客数の実測値を用いることができる。本実施形態では、これらの乗車客数、降車客数の実測値が、後述するように、入力装置57を介して入力された後、観測値が得られた移動手段の総トリップ数を推計するための演算処理が開始されるが、ここでは、説明の便宜上、乗車客数、降車客数の実測値が、予め入力され、RAM54内の所定の格納領域に、ゾーン名称と対応付けて格納されているものとする。
手段別の初期値OD表、及び全手段の初期値OD表が予め作成され、そのデータが、RAM54内に格納されている。以下、これについて、詳述する。
本実施形態では、手段別の初期値OD表は、簡易なPT調査(例えば通常の1/100程度の小規模なPT調査)を実施し、下記式(1)で表される交通手段の分担率Prで表される交通手段分担モデルを作成する。
上のモデルを作成するため、非集計ロジットモデルであれば、極めて少ないサンプルデータがあれば、作成可能となっている。このモデルは、地点間の自動車、バス等の所要時間やバス等の運行本数を説明変数としている。このため、2地点間の手段別の所要時間等の交通条件を入力することが可能となれば、2地点間の手段別の割合を算出することが可能となる。
したがって、モデル式(1)に、現況の道路、バス等に関する交通条件を、説明変数として入力することで、コンピュータを用いて地点間の手段分担率を算出する。そして、この算出した地点間(ゾーン間)の手段分担率を、先に作成されている全手段OD表のデータに乗じることで、手段別の初期値OD表を作成する。作成された全ての手段別の初期値OD表のデータを用いて、全手段の初期値OD表を作成する。
このようにして手段別の初期値OD表、全手段の初期値OD表が作成され、RAM54内の所定の格納領域に格納されている。
なお、上記の交通手段分担モデルの作成の代わりに、例えば通常の1/10程度の比較的大規模なアンケート調査(PT)調査を実施し、地点間のサンプルデータを用いて、手段分担率を計算にて求め、その求めた手段分担率を全手段OD表のデータに乗じることで、手段別の初期値OD表を作成することとしても良い。
第2の総トリップ数推計部12bは、第1の総トリップ数推計部12aで求められた観測値が取得された移動手段による総トリップ数と、手段別の初期値OD表のデータとに基づいて、観測値が取得されなかった手段による総トリップ数を求める。
ここで、一例として、図4(A)〜図4(D)にそれぞれ示される、自動車、徒歩、バス及び全手段の初期値OD表、図5(C)に示されるバスの推定値OD表中の出発地ゾーン2、5における発生量の観測値(880、560)、及び到着地ゾーン1、2における集中量の観測値(1300、410)、並びに図5(D)に示される全手段OD表が、得られているものとして、第1の総トリップ数推計部12a及び第2の総トリップ数推計部12bの機能について説明する。ここで、推定値OD表とは、交通量の実数推定の結果に基づいて作成されるOD表を意味し、その一部の発生量、交通量として、前述の観測値が用いられる。
以下の説明では、各初期値OD表中の各ODペアのトリップ数、発生量、集中量等の値を、便宜上サンプル値と呼ぶ。
第1の総トリップ数推計部12aは、バスについての初期値OD表(図4(C))中の、前述の観測値が得られている出発地ゾーン2、5における、発生量のサンプル値(100、169)の合計値の、総トリップ数のサンプル値337に対する割合を求める。
(100+169)/337=0.798
ここで、総トリップ数は、各OD表の右端の合計欄の各値の合計である総発生量であり、かつ各OD表の下端の合計欄の各値の合計である総集中量に等しい。すなわち、総トリップ数は、OD表の右下の角の欄の値である。総トリップ数は、発生集中量とも呼ぶことができる。
次に、第1の総トリップ数推計部12aは、バスについての初期値OD表(図4(C))中の、前述の観測値が得られている到着地ゾーン1、2における、集中量のサンプル値(211、87)の合計値の、総トリップ数のサンプル値337に対する割合を求める。
(211+87)/337=0.884
次に、第1の総トリップ数推計部12aは、算出した2つの割合の合計を求める。
0.798+0.884=1.682
次に、第1の総トリップ数推計部12aは、対応する割合合計が、サンプル値と実数推定値(推計値)とで等しいものであると仮定して、バスの推定値OD表(図5(C))中の、総トリップ数(発生集中量)を求める。
総トリップ数={(880+560)+(1300+410)}/1.682=1872.222
これによって、図5(C)のバスの推定値OD表の右下の角の空欄に与えるべき値として1872が求められ、図7(C)に示されるように、上記空欄に総トリップ数1872が与えられた。図6(A)では最上部のバスの推定値OD表の手前の角の部分に色を付すことで、このことを表している。なお、図6(A)〜図6(D)には、手段別の推定値OD表が作成されるまでの過程が概念的に示されている。
第2の総トリップ数推計部12bは、第1の総トリップ数推計部12aで求められたバスの総トリップ数と、全手段OD表(図5(D))のデータと、手段別の初期値OD表のデータとに基づいて、観測値が取得されなかった手段における総トリップ数を、次のようにして求める。
全手段のOD表の総トリップ数−バスの総トリップ数=73590−1872.222=71718.778
次に、総トリップ数推計部12bは、徒歩における総トリップ数の割合(バス以外)、及び自動車における総トリップ数の割合(バス以外)を、次のようにして求める。
徒歩における総トリップ数の割合(バス以外)=徒歩の初期値OD表(図4(B))の総トリップ数/(徒歩の初期値OD表の総トリップ数+自動車の初期値OD表(図4(A))の総トリップ数)=2230/(2230+4110)=0.351735
自動車における総トリップ数の割合(バス以外)=自動車の初期値OD表の総トリップ数/(徒歩の初期値OD表の総トリップ数+自動車の初期値OD表の総トリップ数)=4110/(2230+4110)=0.648265
次に、第2の総トリップ数推計部12bは、徒歩の総トリップ数、自動車の総トリップ数を次のようにして推定する(求める)。
徒歩の総トリップ数(推定値)=71718.778×0.351735=25226
自動車の総トリップ数(推定値)=71718.778×0.648265=46492
このようにして図5(B)の徒歩の推定値OD表の右下の角の空欄及び図5(A)の自動車の推定値OD表の右下の角の空欄にそれぞれ与えるべき、徒歩の総トリップ数(推定値)及び自動車の総トリップ数(推定値)が、求められ、上記各空欄に与えられる(図7(B)、図7(A)参照)。なお、図6(B)では上から2段目のブロック(徒歩の推定値OD表)、上から3段目のブロック(自動車の推定値OD表)それぞれの手前の角の部分に色を付すことで、このことを表している。
手段別ゾーン別発生量及び集中量推計部14は、4種類の初期値OD表(図4(A)〜図4(D))のデータ、全手段OD表(図5(D))のデータと、及び手段別総トリップ数の推計算出部12で算出された手段別の総トリップ数及び前述の観測値とを用いて、所定の演算を行なって、手段毎に各出発地ゾーンにおける発生量及び各到着地ゾーンにおける集中量を求める。すなわち、図7(A)〜図7(C)の手段別の推定値OD表それぞれの各合計欄に与えるべき値を、求める。
具体的には、次の通りである。
a. まず、4種類の初期値OD表それぞれの合計欄の値のみを用いて、図8(A)に示されるように、横軸を到着地ゾーンとし、縦軸を手段とする手段別ゾーン(到着地ゾーン)別の集中量(サンプル値)の集計表、及び図8(B)に示されるように、横軸を手段とし、縦軸を出発地ゾーンとする手段別ゾーン(出発地ゾーン)別の発生量(サンプル値)の集計表を作成する。
b. 次に、全手段OD表(図5(D))のデータと、これまでに求めた値以外は空欄のままとなっている手段別の推定値OD表(図7(A)〜図7(C)参照)のデータとを用いて、上記の2つの集計表にそれぞれ対応する、手段別ゾーン別の集中量(推定値)の集計表(図8(C)参照)、及び手段別ゾーン別の発生量(推定値)の集計表(図8(D)参照)を作成する。図8(C)及び図8(D)から明らかなように、2つの推定値の集計表では、合計欄及び観測値以外は、空欄である。
c. 次に、現在パターン法により、手段別ゾーン別の集中量(推定値)の集計表を作成する。ここでは、現在パターン法として、一例として平均成長率法が用いられる。
ここで、平均成長率法について説明する。
現在パターン法では、図9(A)に示される現況パターンのOD表と、(図9(B)に示される将来パターンのOD表と、が設定される。
平均成長率法では、将来パターンのOD表中のXijと、現況パターンのOD表中のTijとの間には、次式のような関係が成立するものとしている。
ただし、Xij:ゾーンij間の将来交通量
ij:ゾーンij間の現況交通量
:ゾーンiの発生量の成長率
:ゾーンjの集中量の成長率
:ゾーンiの将来発生量
:ゾーンiの現況発生量
:ゾーンjの将来集中量
:ゾーンjの現況集中量
平均成長率法(現在パターン法の一種)では、TとX、UとYが一致(ほぼ一致を含む)するまで、上記式(2)により求めた左辺のXijを、右辺のTijと置き換える繰り返し演算を、X,Yをコントロール値として行なうことで、結果として、Xij(将来パターンのOD表中の各ODペアのトリップ数)を求める。
ただし、本実施形態では、バスの推定値OD表では、一部の出発地の発生量、一部の到着地の集中量については、観測値が得られているので、平均成長率法の開始に先立って、手段別ゾーン別発生量及び集中量推計部14は、図8(C)、図8(D)に示される2つの推定値の集計表中の観測値が与えられている欄(ODペアのトリップ数の欄)の値を0にする(図10(B)、図11(B)参照)。これとともに、各観測値にそれぞれ対応する、手段別ゾーン別の集中量(サンプル値)の集計表中の欄の値、及び手段別ゾーン別の発生量(サンプル値)の集計表中の欄の値を、それぞれ0に置き換える(図10(A)、図11(A)参照)。なお、図10(B)、図11(B)では、図8(C)、図8(D)中の空欄に相当する、値が定められていない各ODペアのトリップ数を全て0としている。
しかる後、手段別ゾーン別発生量及び集中量推計部14は、図10(A)に示される手段別ゾーン別の集中量(サンプル値)の集計表を現況パターンのOD表とみなし、図10(B)に示される手段別ゾーン別の集中量(推定値)の集計表を将来パターンのOD表であるとみなして、平均成長率法を適用した繰り返し演算により、一部に0を含む、手段別ゾーン別の集中量(推定値)の集計表を作成する。
具体的には、図10(A)の集計表のデータと、図10(B)の集計表のデータとを用いて、図10(C)に示されるような、補正値(平均成長率)に関する集計表を作成する。この図(C)の集計表の各欄は、上記式(2)の(F+G)/2に相当する平均成長率の値である。
例えば、図10(C)の集計表中の徒歩の到着地(ゾーン)1の欄の値は、次のように計算する。
(F1+G1)/2=(25226/2230+8740/794)/2=(11.312+11.008)/2=11.160
図10(C)の集計表中のその他の欄も同様にして求めた補正値(平均成長率)の値である。
次に、図10(C)の集計表のデータと、図10(A)の集計表のデータとを用いて、図10(D)に示されるような集計表を作成する。図10(D)の集計表中の各欄の値は、図10(A)の集計表の各欄の値に、図10(C)の集計表中の対応する欄の補正値(平均成長率)を乗じた値となっている。
例えば、図10(D)の集計表中の徒歩の到着地(ゾーン)1の欄の値は、次のように計算する。
394×11.160=4397
図10(D)の集計表中のその他の欄にも同様にして求めた値が与えられている。
図10(D)の集計表中の合計欄の値と、図10(B)の集計表中の対応する合計欄の値とを比較すると、互いに一致していない。例えば、図10(D)の到着地(ゾーン)1の集中量(合計欄の値)8861と、図10(B)の到着地(ゾーン)1の集中量(合計欄の値)8740とは一致しておらず、また、図10(D)の徒歩の合計欄の値24859と、図10(B)の徒歩の合計欄の値25226とは一致していない。
この場合、図10(D)の集計表のデータと、図10(B)の集計表のデータとを用いて、前述と同様にして、補正値(平均成長率)に関する集計表を新たに作成し、その新たに作成した集計表の補正値を用いて、図10(D)の集計表を補正した新たな手段別ゾーン別集中量の集計表を作成し、その新たな集計表の合計欄の値と、図10(B)の集計表の合計欄の値とを比較し、両者が一致していない場合には、最後に作成した最新の集計表の合計欄の値と、図10(B)の集計表の合計欄の値とが一致する(ほぼ一致する場合を含む)まで、補正値(平均成長率)に関する集計表の作成、及びその集計表の補正値を用いて直前に作成した手段別ゾーン別集中量の集計表を補正した新たな手段別ゾーン別集中量の集計表の作成を繰り返す。
このようにして、図10(E)に示されるような、一部の欄に0を含む手段別ゾーン別(到着地ゾーン別)集中量(推定値)の集計表が作成される。
次に、手段別ゾーン別発生量及び集中量推計部14は、手段別ゾーン別の発生量(サンプル値)の集計表(図11(A))を現況パターンのOD表とみなし、手段別ゾーン別の発生量(推定値)の集計表(図11(B))を将来パターンのOD表であるとみなして、前述と同様の平均成長率法による繰り返し演算により、一部の欄に0を含む、手段別ゾーン別(出発地ゾーン別)の発生量(推定値)の集計表を作成する。
これにより、図11(C)に示されるような一部に0を含む、手段別ゾーン別の発生量(推定値)の集計表が作成される。
次に、手段別ゾーン別発生量及び集中量推計部14は、作成された一部の欄に0を含む手段別ゾーン別の集中量(推定値)の集計表(図10(E))、一部に0を含む手段別ゾーン別の発生量(推定値)の集計表(図11(C))中の0を、それぞれ観測値に戻す。
これにより、図12(A)、図12(B)にそれぞれ示される、手段別ゾーン別の集中量(推定値)の集計表、手段別ゾーン別の発生量(推定値)の集計表が得られる。図6(C)では、バス、徒歩、自動車のそれぞれのブロックで、手前側の端部と右側の端部とにそれぞれ色を付して、このことを示している。
手段別OD表推計部16は、手段別ゾーン別発生量及び集中量推計部14によって作成された2種類の集計表、4種類の初期値OD表、モバイル移動データから得られた全手段OD表のデータを用いて、後述する3軸での平均成長率法を活用した現在パターン法により、以下の手順で手段別OD表を作成(推計)する、すなわち手段別OD表の実数推定を行なう。
手段別OD表推計部16は、最初に、手段別の初期値OD表を、現況パターンのOD表とみなして、3軸での平均成長率法を活用した現在パターン法を適用して、手段別のOD表(推定値)の作成を可能とするため、手段別ゾーン別発生量及び集中量推計部14によって作成された2種類の集計表を、手段別の初期値OD表に対応する形式に、データ変換する。これにより、図13(A)〜図13(C)に示されるように、合計欄のみに値が与えられた手段別のOD表が作成される。なお、図13(D)は、モバイル移動データから最初に取得された全手段OD表である。
次に、手段別OD表推計部16は、それぞれの手段について、手段別の初期値OD表(図4(A)、図4(B)、図4(C))を現況パターンのOD表とみなし、作成した手段別のOD表(図13(A)、図13(B)、図13(C))を将来パターンのOD表とみなして、次に説明する3軸での平均成長率法を活用した現在パターン法を適用して、手段別の推定値OD表を作成する。
図14(A)及び図14(B)に、3軸での平均成長率法を活用した現在パターン法を説明するための模式図が示されている。図14(A)は将来パターンの手段別OD表を示し、図14(B)は現況パターンの手段別OD表を示す。
図14(A)に示されるXsijと、図14(B)に示されるTsijとの間には、次式の関係が成立する。
ただし、
sij:手段sのゾーンij間の将来交通量
sij:手段sのゾーンij間の現況交通量
si:手段sのゾーンiの発生量の成長率
sj:手段sのゾーンjの集中量の成長率
ij:全手段のゾーンij間のトリップ数の成長率
si:手段sのゾーンiの将来発生量
si:手段sのゾーンiの現況発生量
sj:手段sのゾーンjの将来集中量
sj:手段sのゾーンjの現況集中量
ij:全手段のゾーンij間の将来トリップ数
ij:全手段のゾーンij間の現況トリップ数
である。
本実施形態で用いられる、3軸での平均成長率法を活用した現在パターン法では、TsiとXsi、UsjとYsj、及びVijとZijがそれぞれ一致(ほぼ一致を含む)するまで、上記式(3)により求めた左辺のXsijを、右辺のTsijと置き換える繰り返し演算を、Xsi、Ysj、Zijをコントロール値として行なうことで、結果として、Xsij(手段sのゾーンij間の将来交通量(手段sの将来パターンのOD表中の各ODペアのトリップ数))を求める。
3軸での平均成長率法を活用した現在パターン法による繰り返し演算は、具体的には、次のようにして行われる。
手段別OD表推計部16は、最初に、手段別の初期値OD表(図4(A)、図4(B)、図4(C))及び全手段の初期値OD表(図4(D))、並びに図13(A)〜図13(C)に示される合計欄のみに値が与えられた手段別のOD表、及び図13(D)の全手段OD表のデータを用いて、手段別のゾーンi(i=1、2、3、4、5)の発生量の成長率Fsiの集計表(図15(A))、手段別のゾーンj(j=1、2、3、4、5)の集中量の成長率Gsjの集計表(図15(B))、並びに全手段のゾーンij間のトリップ数の成長率Hijの集計表(図15(C))を作成する。
次に、手段別OD表推計部16は、これら3つの成長率の集計表のデータと、手段別の初期値OD表(図4(A)、図4(B)、図4(C))のデータとを用いて、上式(3)の演算により各ODペアのトリップ値Xsijを求めることで、手段別の推定値OD表(図16(A)〜図16(C))を作成し、その作成した手段別の推定値OD表のデータを用いて全手段の推定値OD表(16(D))を作成する。なお、3種類の成長率の集計表を作成することなく、手段別の初期値OD表(図4(A)、図4(B)、図4(C))及び全手段の初期値OD表(図4(D))、並びに図13(A)〜図13(C)に示される合計欄のみに値が与えられた手段別のOD表、及び図13(D)の全手段のOD表のデータを用いて、演算にて、図16(A)〜図16(D)のOD表を作成しても良い。
次いで、作成した手段別(全手段も含む)の4種類のOD表(図16(A)〜図16(D))と対応する、図13(A)〜図13(D)に示される手段別の4種類のOD表との合計欄の値同士を比較する。そして、作成した手段別の4種類のOD表(図16(A)〜図16(D))の合計欄の値が、図13(A)〜図13(D)に示される手段別の4種類のOD表との合計欄の値(コントロール値)と一致していない場合、作成した手段別の4種類のOD表(図16(A)〜図16(D))と、図13(A)〜図13(C)に示される合計欄のみに値が与えられた手段別のOD表、及び図13(D)の全手段のOD表のデータを用いて、前述と同様の手順に従う、新たな3種類の成長率の算出(成長率の集計表の作成)及びこれらの成長率を用いた各ODペアのトリップ数Xsijの算出による手段別(全手段も含む)の推定値OD表の作成を、作成した手段別の4種類の推定値OD表と、対応する図13(A)〜図13(D)に示される手段別の4種類のOD表との合計欄の値同士が一致(ほぼ一致)するまで、繰り返す。
このようにして、図17(A)、図17(B)、図17(C)にそれぞれ示される、徒歩についての推定値OD表、自動車についての推定値OD表、バスについての推定値OD表が、それぞれ得られ、これらの3つの手段別の推定値OD表から、図17(D)に示されるような、全手段の推定値OD表が得られる。
この図17(D)のOD表と、図13(D)に示されるOD表とを比較すると、各欄の値がほぼ等しいことが確認できる。これより、3軸での平均成長率法を活用した現在パターン法の適用により、手段別OD表のゾーンij間(すなわち出発地i、到着地jのODペア)のトリップ数の実数推定を正確に行うことができることがわかる。
上述した手段別OD表推計部16により、手段別のOD表のゾーンij間(すなわち出発地i、到着地jのODペア)のトリップ数の実数推定がなされることを、図6(D)では、バス、徒歩、自動車の各ブロックの手前側の端部と右側の端部を除く部分に色を付すことで示している。
これまでは、ハードウェアに模した図2の各機能部について説明したが、これらは、実際には、OD交通量推計装置50のCPU51が所定のソフトウェアプログラムを実行することによって実現される。以下では、これについて、図18及び図19に基づいて説明する。
図18及び図19には、CPU51によって実行される処理アルゴリズムに対応するフローチャート(その1、その2)がそれぞれ示されている。以下では、特に必要な場合を除き、CPU51に関する記載は省略する。前提として、前述の如く、全手段OD表は、上記の携帯電話移動データを用いて、予め作成され、その全手段OD表のデータがRAM54内に格納されている。また、手段別の初期値OD表、及び全手段の初期値OD表が予め作成され、そのデータが、RAM54内に格納されているものとする。
まず、ステップS102において、ユーザによる観測値の入力を促すため、表示装置58の表示部(表示画面)に、観測値、及びその観測値に対応する手段、並びにゾーンの情報の入力画面を表示した後、ステップS104に進み、観測値等のデータが入力されるのを待つ。ここで、入力画面には、入力終了ボタンも併せて表示される。そして、観測値、及びその観測値に対応する手段、並びにゾーンの情報が入力されると、ステップS106に進む。
ステップS106では、入力された観測値を、対応する手段の対応するゾーンの発生量又は集中量として、記憶する。ここで、ゾーンの情報が出発地ゾーンに関する情報の場合、そのゾーンの発生量として記憶し、ゾーンの情報が到着地ゾーンに関する情報の場合、そのゾーンの集中量として記憶する。
次のステップS108では、終了ボタンが押されたか否かを判断することで、観測値等の入力が終了したか否かを判断する。そして、この判断が否定された場合には、ステップS108の判断が肯定されるまで、ステップS102〜ステップS108のループの処理を繰り返す。
一方、終了ボタンが押され、ステップS108の判断が肯定されると、ステップS110に進む。ここでは、上記ステップS102〜ステップS108により、バスについて、出発地ゾーン2、5における発生量の観測値と、到着地ゾーン1、2における、集中量の観測値とが、得られているものとする。
ステップS110では、観測値が得られている手段(ここではバス)についての初期値OD表(図4(C))中の、前述の観測値が得られている出発地ゾーン2、5における、発生量のサンプル値(100、169)の合計値の、総トリップ数のサンプル値337に対する割合を求める。
(100+169)/337=0.798
次のステップS112では、観測値が得られている手段(ここではバス)についての初期値OD表(図4(C))中の、前述の観測値が得られている到着地ゾーン1、2における、集中量のサンプル値(211、87)の合計値の、総トリップ数のサンプル値337に対する割合を求める。
(211+87)/337=0.884
次のステップS114では、算出した2つの割合の合計を求める。
0.798+0.884=1.682
次のステップS116では、対応する割合合計が、サンプル値と実数推定値(推計値)とで等しいものであると仮定して、観測値が得られている手段(ここではバス)の推定値OD表中の、総トリップ数(発生集中量)を求める。
総トリップ数={(880+560)+(1300+410)}/1.682=1872.222
次のステップS118では、全手段のOD表から得られる全手段の総トリップ数と上記ステップS116で求めた観測値が得られている手段の総トリップ数との差から観測値が得られていない手段の総トリップ数を求める。
観測値が得られていない手段の総トリップ数=全手段のOD表の総トリップ数−バスの総トリップ数=73590−1872.222=71718.778
次のステップS120では、観測値が得られていない手段それぞれについて、総トリップ数の割合を、初期値OD表のサンプル値を用いて求める。
徒歩における総トリップ数の割合(バス以外)=徒歩の初期値OD表(図4(B))の総トリップ数/(徒歩の初期値OD表の総トリップ数+自動車の初期値OD表(図4(A))の総トリップ数)=2230/(2230+4110)=0.351735
自動車における総トリップ数の割合(バス以外)=自動車の初期値OD表の総トリップ数/(徒歩の初期値OD表の総トリップ数+自動車の初期値OD表の総トリップ数)=4110/(2230+4110)=0.648265
次のステップS122では、上記ステップS118で求めた観測値が得られていない手段の総トリップ数と、上記ステップS120で求めたそれぞれの手段における総トリップ数の割合との積を演算することで、観測値が得られていない各手段の総トリップ数を求める。
徒歩の総トリップ数(推定値)=71718.778×0.351735=25226
自動車の総トリップ数(推定値)=71718.778×0.648265=46492
次のステップS124では、4種類の初期値OD表それぞれの合計欄の値のみを用いて、手段別ゾーン別の集中量(サンプル値)の集計表(図8(A)参照)、及び手段別ゾーン別の発生量(サンプル値)の集計表(図8(B)参照)を作成する。
次のステップS126では、全手段のOD表(図5(D))のデータと、これまでに求めた値以外は空欄のままとなっている手段別のOD表(図7(A)〜図7(C)参照)のデータとを用いて、上記の2つの集計表にそれぞれ対応する、手段別ゾーン別の集中量(推定値)の集計表(図8(C)参照)、及び手段別ゾーン別の発生量(推定値)の集計表(図8(D)参照)を作成する。
次のステップS128では、作成した集中量(推定値)の集計表(図8(C)参照)及び発生量(推定値)の集計表(図8(D)参照)の中の各観測値を0に置き換える(図10(B)、図11(B)参照)とともに、各観測値にそれぞれ対応する手段別ゾーン別の集中量(サンプル値)の集計表中の欄の値、及び手段別ゾーン別の発生量(サンプル値)の集計表中の欄の値を、それぞれ0に置き換える(図10(A)、図11(A)参照)。
次のステップS130では、手段別ゾーン別の集中量(サンプル値)の集計表(図10(A))を現況パターンのOD表とみなし、手段別ゾーン別の集中量(推定値)の集計表(図10(B))を将来パターンのOD表であるとみなして、前述した平均成長率法による繰り返し演算により、一部の欄に0を含む手段別ゾーン別の集中量(推定値)の集計表(図10(E))を作成する。
次のステップS132では、手段別の各出発地における発生量(サンプル値)の集計表(図11(A))を現況パターンのOD表とみなし、手段別の各出発地における発生量(推定値)の集計表(図11(B))を将来パターンのOD表であるとみなして、平均成長率法による繰り返し演算により、一部の欄に0を含む、手段別の各出発地における発生量(推定値)の集計表(図11(C))を作成する。
次のステップS134では、作成された一部の欄に0を含む手段別ゾーン別の集中量(推定値)の集計表(図10(E))及び一部に0を含む手段別ゾーン別の発生量(推定値)の集計表(図11(C))中の0を、それぞれ観測値に戻す。これにより、図12(A)、図12(B)にそれぞれ示される、手段別ゾーン別の集中量(推定値)の集計表、手段別ゾーン別の発生量(推定値)の集計表が得られる。
次のステップS136では、ステップS134で作成された2種類の集計表を、手段別の初期値OD表に対応する形式に、データ変換する。これにより、図13(A)〜図13(C)に示されるように、合計欄のみに値が与えられた手段別のOD表が作成される。
次のステップS138では、各手段について、手段別の初期値OD表(図4(A)、図4(B)、図4(C))を現況パターンのOD表とみなし、データ変換により得られた手段別のOD表(図13(A)、図13(B)、図13(C))を将来パターンのOD表とみなして、先に説明した3軸での平均成長率法を活用した現在パターン法を適用して、手段別OD表を作成する。これにより、各手段についての推定値OD表が得られ、この各手段についての推定値OD表から、全手段についての推定値OD表が得られる。例えば、図17(A)、図17(B)、図17(C)にそれぞれ示される、徒歩についての推定値OD表、自動車についての推定値OD表、バスについての推定値OD表が、それぞれ得られ、これらの3つの手段別の推定値OD表から、図17(D)に示されるような、全手段の推定値OD表が得られる。
この図17(D)のOD表と、図13(D)に示されるOD表とを比較すると、各欄の値がほぼ等しいことが確認できる。これより、3軸での平均成長率法を活用した現在パターン法を適用により、手段別OD表のゾーンij間(すなわち出発地i、到着地j間)のトリップ数の実数推定を正確に行うことができることがわかる。
しかる後、本ルーチンの一連の処理を終了する。
これまでの説明から明らかなように、本実施形態では、CPU51がステップS110〜S116の処理を実行することで第1の総トリップ数推計部12aが実現され、CPU51がステップS118〜S122の処理を実行することで第2の総トリップ数推計部12bが実現され、CPU51がステップS124〜S134の処理を実行することで手段別ゾーン別発生量及び集中量推計部14が実現され、CPU51がステップS136〜S138の処理を実行することで手段別OD表推計部16が実現されている。しかし、これに限らず、上記各部を、マイクロプロセッサ等をそれぞれ含むハードウェアにより構成しても良い。
また、本実施形態では、第1の総トリップ数推計部12a及び第2の総トリップ数推計部12bを含む手段別総トリップ数の推計部12により手段別総トリップ数推計算出手段が構成されている。また、手段別ゾーン別発生量及び集中量推計部14により手段別ゾーン別発生量及び集中量推計手段が構成され、手段別のOD表の推計部16により手段別OD表推計手段が構成されている。
以上詳細に説明したように、本実施形態に係るOD交通量推計装置50及び手段別OD交通量の実数推計方法によると、ICTデータの一種である携帯電話移動データ(モバイル移動データ)から得られる全手段のOD表と、極小規模なアンケート調査とその調査結果を用いて交通手段分担モデルを作成し、該モデルを用いて算出した地点間(ゾーン間)の手段分担率を全手段OD表のデータに乗じることで得られる手段別の初期値OD表のデータと、特定の手段についての特定ゾーンの集中量及び発生量の観測値とを用いて、前述の手順により、手段別のOD表を作成することができ、PT調査に比べて格段安価に実現することができる。また、携帯電話移動データ(モバイル移動データ)は精度が高く、必要に応じて随時データ入手が可能で、その費用も経済的である。なお、手段別の初期値OD表は、小規模なアンケート調査に基づいて作成しても良い。
本実施形態に係るOD交通量推計装置50及び手段別OD交通量の実数推計方法は、全手段のOD表の作成に、モバイル移動データを用いる先進的手法であり、大規模なアンケート調査にもとづく従来手法を抜本的に変革することができる。
なお、前述したフローチャート(図18、図19)に対応するプログラムは、CD−ROM、DVD−ROMその他の情報記録媒体に格納しておいても良い。
以上説明したように、本発明の手段別OD交通量の実数推計方法、手段別OD交通量の実数推計装置及びプログラムは、OD交通量の実数流動推定に適用することができる。
12…手段別総トリップ数の推計算出部、12a…第1の総トリップ数推計部、12b…第2の総トリップ数推計部、14…手段別ゾーン別発生量及び集中量推計部、16…手段別OD表推計部、50…OD交通量推計装置。
本発明は、上述した事情の下でなされたもので、その第1の態様によれば、手段別総トリップ数推計算出手段が、モバイル移動データから得られる対象地域における全移動手段のOD表のデータと、簡易又は通常より小規模なパーソントリップ調査によって得られたデータを用いて算出された手段分担率を前記全移動手段のOD表のデータに乗じることで予め作成された対象地域における移動手段別の複数の初期値OD表のデータと、少なくとも1つの移動手段についての少なくとも1つの出発地における発生量の観測値及び少なくとも1つの到着地における集中量の観測値と、を用いて、移動手段別の総トリップ数を推計する第1工程と、手段別ゾーン別発生量及び集中量推計手段が、前記複数の初期値OD表のデータと、前記全移動手段のOD表のデータと、推計された前記移動手段別の総トリップ数と、前記発生量の観測値及び前記集中量の観測値と、を用いて、前記移動手段毎にゾーン別に発生量及び集中量を推計するとともに、移動手段別ゾーン別の発生量の集計表及び移動手段別ゾーン別の集中量の集計表を作成する第2工程と、手段別OD表推計手段が、作成された前記移動手段別ゾーン別の発生量の集計表及び前記移動手段別ゾーン別の集中量の集計表それぞれのデータと、前記複数の初期値OD表のデータと、前記全移動手段のOD表のデータと、を用い、各移動手段の出発地到着間の将来交通量が、前記各移動手段の出発地の発生量の成長率と前記各移動手段の到着地の集中量の成長率と全移動手段の出発地到着地間のトリップ数の成長率との加算平均と、前記各移動手段の出発地到着地間の現況交通量との積に等しいとする、3軸での平均成長率法を活用した現在パターン法を適用して移動手段別OD表の各トリップ数を推計する第3工程と、を含む手段別OD交通量の実数推計方法が、提供される。
本発明の第2の態様によれば、モバイル移動データから得られる対象地域における全移動手段のOD表のデータと、簡易又は小規模なPT調査によって得られたデータを用いて算出された手段分担率を前記全移動手段のOD表のデータに乗じることで予め作成された対象地域における移動手段別の複数の初期値OD表のデータと、少なくとも1つの移動手段についての少なくとも1つの出発地における発生量の観測値及び少なくとも1つの到着地における集中量の観測値と、を用いて、移動手段別の総トリップ数を推計する手段別総トリップ数推計算出手段と、前記複数の初期値OD表のデータと、前記全移動手段のOD表のデータと、推計された前記移動手段別の総トリップ数と、前記発生量の観測値及び前記集中量の観測値と、を用いて、前記移動手段毎にゾーン別に発生量及び集中量を推計するとともに、移動手段別ゾーン別の発生量の集計表及び移動手段別ゾーン別の集中量の集計表を作成する手段別ゾーン別発生量及び集中量推計手段と、作成された前記移動手段別ゾーン別の発生量の集計表及び前記移動手段別ゾーン別の集中量の集計表それぞれのデータと、前記複数の初期値OD表のデータと、前記全移動手段のOD表のデータと、を用い、各移動手段の出発地到着間の将来交通量が、前記各移動手段の出発地の発生量の成長率と前記各移動手段の到着地の集中量の成長率と全移動手段の出発地到着地間のトリップ数の成長率との加算平均と、前記各移動手段の出発地到着地間の現況交通量との積に等しいとする、3軸での平均成長率法を活用した現在パターン法を適用して移動手段別OD表の各トリップ数を推計する手段別OD表推計手段と、を備える手段別OD交通量の実数推計装置が、提供される。
ここで、一例として、図4(A)〜図4(D)にそれぞれ示される、自動車、徒歩、バス及び全手段の初期値OD表、図5(C)に示されるバスの推定値OD表中の出発地ゾーン2、5における発生量の観測値(880、560)、及び到着地ゾーン1、2における集中量の観測値(1300、410)、並びに図5(D)に示される全手段OD表が、得られているものとして、第1の総トリップ数推計部12a及び第2の総トリップ数推計部12bの機能について説明する。ここで、推定値OD表とは、交通量の実数推定の結果に基づいて作成されるOD表を意味し、その一部の発生量、集中量として、前述の観測値が用いられる。
本発明の第2の態様によれば、モバイル移動データから得られる対象地域における全移動手段のOD表のデータと、簡易又は通常より小規模なパーソントリップ調査によって得られたデータを用いて算出された手段分担率を前記全移動手段のOD表のデータに乗じることで予め作成された対象地域における移動手段別の複数の初期値OD表のデータと、少なくとも1つの移動手段についての少なくとも1つの出発地における発生量の観測値及び少なくとも1つの到着地における集中量の観測値と、を用いて、移動手段別の総トリップ数を推計する手段別総トリップ数推計算出手段と、前記複数の初期値OD表のデータと、前記全移動手段のOD表のデータと、推計された前記移動手段別の総トリップ数と、前記発生量の観測値及び前記集中量の観測値と、を用いて、前記移動手段毎にゾーン別に発生量及び集中量を推計するとともに、移動手段別ゾーン別の発生量の集計表及び移動手段別ゾーン別の集中量の集計表を作成する手段別ゾーン別発生量及び集中量推計手段と、作成された前記移動手段別ゾーン別の発生量の集計表及び前記移動手段別ゾーン別の集中量の集計表それぞれのデータと、前記複数の初期値OD表のデータと、前記全移動手段のOD表のデータと、を用い、各移動手段の出発地到着地間の将来交通量が、前記各移動手段の出発地の発生量の成長率と前記各移動手段の到着地の集中量の成長率と全移動手段の出発地到着地間のトリップ数の成長率との加算平均と、前記各移動手段の出発地到着地間の現況交通量との積に等しいとする、3軸での平均成長率法を活用した現在パターン法を適用して移動手段別OD表の各トリップ数を推計する手段別OD表推計手段と、を備える手段別OD交通量の実数推計装置が、提供される。

Claims (16)

  1. 予め取得された対象地域における移動手段別の複数の初期値OD表のデータと、少なくとも1つの移動手段についての少なくとも1つの出発地における発生量の観測値及び少なくとも1つの到着地における集中量の観測値と、モバイル移動データから得られる対象地域における全移動手段のOD表のデータと、を用いて、移動手段別の総トリップ数を推計する第1工程と、
    前記複数の初期値OD表のデータと、前記全移動手段のOD表のデータと、推計された前記移動手段別の総トリップ数と、前記発生量の観測値及び前記集中量の観測値と、を用いて、前記移動手段毎にゾーン別に発生量及び集中量を推計するとともに、移動手段別ゾーン別の発生量の集計表及び移動手段別ゾーン別の集中量の集計表を作成する第2工程と、
    作成された前記移動手段別ゾーン別の発生量の集計表及び前記移動手段別ゾーン別の集中量の集計表それぞれのデータと、前記複数の初期値OD表のデータと、前記全移動手段のOD表のデータと、を用い、
    各移動手段の出発地到着値間の将来交通量が、前記各移動手段の出発地の発生量の成長率と前記各移動手段の到着地の集中量の成長率と全移動手段の出発地到着地間のトリップ数の成長率との加算平均と、前記各移動手段の出発地到着地間の現況交通量との積に等しいとする、3軸での平均成長率法を活用した現在パターン法を適用して移動手段別OD表の各トリップ数を推計する第3工程と、を含む手段別OD交通量の実数推計方法。
  2. 前記第1工程は、
    前記全移動手段のOD表のデータと、前記発生量の観測値及び前記集中量の観測値と、前記複数の初期値OD表のデータとに基づいて、前記観測値が得られた移動手段の総トリップ数を推計する第1副工程と、
    前記第1副工程で推計された前記観測値が得られた移動手段の総トリップ数と、前記複数の初期値OD表のデータとに基づいて、観測値が取得されなかった移動手段による総トリップ数を推計する第2副工程と、を有含む請求項1に記載の手段別OD交通量の実数推計方法。
  3. 前記第1副工程では、前記観測値が得られた移動手段の初期値OD表中の、前記観測値が得られている出発地における、発生量のサンプル値の総トリップ数のサンプル値に対する第1の割合、及び前記観測値が得られている出発地における、集中量のサンプル値の総トリップ数のサンプル値に対する第2の割合を、それぞれ求め、求められた前記第1の割合と前記第2の割合との合計が、サンプル値と実数推定値とで等しいと仮定して、前記観測値が得られた移動手段の総トリップ数を推計する請求項2に記載の手段別OD交通量の実数推計方法。
  4. 前記第2副工程では、前記観測値が得られなかった各移動手段について、その移動手段の前記初期値OD表中の総トリップ数の、前記観測値が得られなかった全ての移動手段の前記初期値OD表中の総トリップ数の合計値に対する割合を求め、
    求められた前記割合と、前記全移動手段のOD表中の総トリップ数から推計された前記観測値が得られた移動手段の総トリップ数を引いた値との積を求めることで前記観測値が得られなかった各移動手段の総トリップ数を推計する請求項2又は3に記載の手段別OD交通量の実数推計方法。
  5. 前記第2工程では、前記移動手段別の初期値OD表の合計欄の値のみを用いて、移動手段別ゾーン別集中量のサンプル値の集計表及び移動手段別ゾーン別発生量のサンプル値の集計表を作成し、
    前記全移動手段のOD表のデータと、前記移動手段別の総トリップ数と、前記発生量の観測値及び前記集中量の観測値とを用いて、前記移動手段別ゾーン別集中量のサンプル値の集計表及び前記移動手段別ゾーン別発生量のサンプル値の集計表にそれぞれ対応する、合計欄及び前記観測値以外が空欄の移動手段別ゾーン別集中量の推定値の集計表及び移動手段別ゾーン別集中量の推定値の集計表を作成し、
    前記2つの前記推定値の集計表中の前記観測値の欄を空欄にするとともに、該観測値の欄に対応する前記2つの前記サンプル値の集計表の欄を0とする零置換処理を一旦行なった後、現在パターン法により、前記観測値の欄が0である前記2つの推定値の集計表を作成し、
    作成された前記観測値の欄が0である前記2つの推定値の集計表の前記0を前記観測値に戻して、再計算をして前記発生量の集計表及び前記集中量の集計表を作成する請求項1〜4のいずれか一項に記載の手段別OD交通量の実数推計方法。
  6. 前記第3工程では、作成された前記発生量の集計表及び前記集中量の集計表を、前記複数の移動手段別の初期値OD表に対応する形式にデータ変換して、合計欄のみに値が与えられた前記複数の移動手段別の初期値OD表に対応する複数の移動手段別の推定値のOD表を作成し、
    前記複数の移動手段別の初期値OD表を現況パターンのOD表とし、前記複数の移動手段別の推定値のOD表を将来パターンのOD表として、前記3軸での平均成長率法を活用した現在パターン法を適用して前記複数の移動手段別の推定値のOD表の各トリップ数を推計する請求項1〜5のいずれか一項に記載の手段別OD交通量の実数推計方法。
  7. 前記対象地域における移動手段別の複数の初期値OD表のデータは、サンプル調査によって取得される請求項1〜6のいずれか一項に記載の手段別OD交通量の実数推計方法。
  8. 予め取得された対象地域における移動手段別の複数の初期値OD表のデータと、少なくとも1つの移動手段についての少なくとも1つの出発地における発生量の観測値及び少なくとも1つの到着地における集中量の観測値と、モバイル移動データから得られる対象地域における全移動手段のOD表のデータと、を用いて、移動手段別の総トリップ数を推計する手段別総トリップ数推計算出手段と、
    前記複数の初期値OD表のデータと、前記全移動手段のOD表のデータと、推計された前記移動手段別の総トリップ数と、前記発生量の観測値及び前記集中量の観測値と、を用いて、前記移動手段毎にゾーン別に発生量及び集中量を推計するとともに、移動手段別ゾーン別の発生量の集計表及び移動手段別ゾーン別の集中量の集計表を作成する手段別ゾーン別発生量及び集中量推計手段と、
    作成された前記移動手段別ゾーン別の発生量の集計表及び前記移動手段別ゾーン別の集中量の集計表それぞれのデータと、前記複数の初期値OD表のデータと、前記全移動手段のOD表のデータと、を用い、
    各移動手段の出発地到着値間の将来交通量が、前記各移動手段の出発地の発生量の成長率と前記各移動手段の到着地の集中量の成長率と全移動手段の出発地到着地間のトリップ数の成長率との加算平均と、前記各移動手段の出発地到着地間の現況交通量との積に等しいとする、3軸での平均成長率法を活用した現在パターン法を適用して移動手段別OD表の各トリップ数を推計する手段別OD表推計手段と、を備える手段別OD交通量の実数推計装置。
  9. 前記手段別総トリップ数推計算出手段は、
    前記全移動手段のOD表のデータと、前記発生量の観測値及び前記集中量の観測値と、前記複数の初期値OD表のデータとに基づいて、前記観測値が得られた移動手段の総トリップ数を推計する第1の総トリップ数推計手段と、
    前記第1の総トリップ数推計手段で推計された前記観測値が得られた移動手段の総トリップ数と、前記複数の初期値OD表のデータとに基づいて、観測値が取得されなかった移動手段による総トリップ数を推計する第2の総トリップ数推計手段と、を有する請求項8に記載の手段別OD交通量の実数推計装置。
  10. 前記第1の総トリップ数推計手段は、前記観測値が得られた移動手段の初期値OD表中の、前記観測値が得られている出発地における、発生量のサンプル値の総トリップ数のサンプル値に対する第1の割合、及び前記観測値が得られている出発地における、集中量のサンプル値の総トリップ数のサンプル値に対する第2の割合を、それぞれ求め、求められた前記第1の割合と前記第2の割合との合計が、サンプル値と実数推定値とで等しいと仮定して、前記観測値が得られた移動手段の総トリップ数を推計する請求項9に記載の手段別OD交通量の実数推計装置。
  11. 前記第2の総トリップ数推計手段は、前記観測値が得られなかった各移動手段について、その移動手段の前記初期値OD表中の総トリップ数の、前記観測値が得られなかった全ての移動手段の前記初期値OD表中の総トリップ数の合計値に対する割合を求め、
    求められた前記割合と、前記全手段のOD表中の総トリップ数から推計された前記観測値が得られた移動手段の総トリップ数を引いた値との積を求めることで前記観測値が得られなかった各移動手段の総トリップ数を推計する請求項9又は10に記載の手段別OD交通量の実数推計装置。
  12. 前記手段別ゾーン別発生量及び集中量推計手段は、前記移動手段別の初期値OD表の合計欄の値のみを用いて、移動手段別ゾーン別集中量のサンプル値の集計表及び移動手段別ゾーン別発生量のサンプル値の集計表を作成し、
    前記全手段のOD表のデータと、前記移動手段別総トリップ数と、前記発生量の観測値及び前記集中量の観測値とを用いて、前記移動手段別ゾーン別集中量のサンプル値の集計表及び前記移動手段別ゾーン別発生量のサンプル値の集計表にそれぞれ対応する、合計欄及び前記観測値以外が空欄の移動手段別ゾーン別集中量の推定値の集計表及び移動手段別ゾーン別集中量の推定値の集計表を作成し、
    前記2つの前記推定値の集計表中の前記観測値の欄を空欄にするとともに、該観測値の欄に対応する前記2つの前記サンプル値の集計表の欄を0とする零置換処理を一旦行なった後、現在パターン法により、前記観測値の欄が0である前記2つの推定値の集計表を作成し、
    作成された前記観測値の欄が0である前記2つの推定値の集計表の前記0を前記観測値に戻して、再計算をして前記発生量の集計表及び前記集中量の集計表を作成する請求項8〜11のいずれか一項に記載の手段別OD交通量の実数推計装置。
  13. 前記手段別OD表推計手段は、作成された前記発生量の集計表及び前記集中量の集計表を、前記複数の移動手段別の初期値OD表に対応する形式にデータ変換して、合計欄のみに値が与えられた前記複数の移動手段別の初期値OD表に対応する複数の移動手段別の推定値のOD表を作成し、
    前記複数の移動手段別の初期値OD表を現況パターンのOD表とし、前記複数の移動手段別の推定値のOD表を将来パターンのOD表として、前記3軸での平均成長率法を活用した現在パターン法を適用して前記複数の移動手段別の推定値のOD表の各トリップ数を推計する請求項8〜12のいずれか一項に記載の手段別OD交通量の実数推計装置。
  14. 前記対象地域における移動手段別の複数の初期値OD表のデータは、サンプル調査によって取得される請求項8〜13のいずれか一項に記載の手段別OD交通量の実数推計装置。
  15. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の手段別OD交通量の実数推計方法を、コンピュータに実行させるための手段別OD交通量の実数推計プログラム。
  16. 請求項15に記載の手段別OD交通量の実数推計プログラムが記録されたコンピュータによる読み取りが可能な情報記録媒体。
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