JP2017200467A - 薬剤用容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】フィルムの上層を下層から容易に剥離できる薬剤用容器を提供すること。
【解決手段】容器本体14と、容器本体14の上端に形成された鍔部16と、鍔部16に固着されて容器本体14の凹部12を閉塞する封止用のフィルム18と、鍔部16にフィルムが固着される固着部30と、を備え、フィルム18は、鍔部16に固着される下層22と、該下層22から剥離可能な上層24と、の二層構造であり、且つ把持部26を備え、把持部26をフィルム剥離方向に引っ張ることでフィルム18の上層24を下層22から剥離可能な薬剤用容器10であって、固着部30の外側の縁部30bに、把持部26の引っ張り時にフィルム18の下層22が破断される破断部28を備える。
【選択図】図3

Description

本発明は、薬剤用容器に関する。
従来の揮散性薬剤を収容する薬剤用容器としては、皿状の容器に薬剤を収容し、該容器の上部開口をフィルムで閉塞したものが知られている(特許文献1参照)。
この薬剤用容器において、フィルムは、二層構造であり、上層は薬剤非透過性を有し、下層は薬剤透過性を有する。上層は所定の引っ張り力で下層から層間剥離可能に構成されている。そして、フィルムの下層が容器本体の上部に形成された鍔部に固着されることで、薬剤を収容した容器の上部開口が閉塞されている。
フィルムの上層が容器本体の上部開口を閉塞することで、薬剤用容器の搬送、保管時に、容器本体内の薬剤が外部に揮散されることを防いでいる。
薬剤使用時に、フィルムの上層が下層から剥離される。薬剤非透過性の上層が剥離されることで、薬剤透過性の下層が外部に露出し、容器本体内の薬剤の揮散成分が下層を透過して揮散する。
特開2013−14524号公報
図15の(a),(b)に示す従来の二層構造のフィルムは、容器本体内に収容した薬剤が漏れることを防止するために、溶着等の強い固着力で容器本体に固着されている。図15の(a),(b)において格子状のハッチング部分は固着部30を表す。固着部30は、フィルム18の上層24と、下層22とが、容器本体の鍔部16に一体に固着された部分である。固着部30において、下層22は、剥離できないように鍔部16に固着されているが、上層24は所定の力で下層22から剥離可能である。
図15の(a),(b)に示すように、薬剤使用時に、フィルム18の上層24を下層22から剥離するために把持部26をフィルム剥離方向Eに引っ張った際、把持部26の引っ張りに伴い、固着部30の外側の縁部30bの下層22が伸びて行く。フィルム剥離方向Eは、固着部30の面に略垂直な剥離方向と、把持部26を略180度折り返して剥離する方向との間の任意の方向である。
また、引っ張り力は、固着部30の延在方向(図15の(a)におけるB,C方向)に沿って伝わって行くので、引っ張りに伴い、引っ張り力が作用する固着部30の面積が増加する。これに伴い、固着部30の外側の縁部30bの下層22の伸び部22aの領域も増加する。つまり、引っ張り力が作用している固着部30の全域にわたって固着部30の外側の縁部30bの下層22が伸びており、上層24と下層22との剥離が始まらない状態にある。そして、図15の(b)に示すように、下層22の伸び部22aが伸び切ってD部で引き千切れたところで上層24と下層22の剥離が始まる。
つまり、把持部26と、固着部30の外側の縁部30bの下層22との間が切断されることで、上層24と下層22とが剥離される。したがって、これまで上層24を下層22から剥離するには、下層22の伸び部22aが伸び切って千切れるまでの、強い引っ張り力が必要であるという課題があった。
本発明は、前述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、フィルムの上層を下層から容易に剥離できる薬剤用容器を提供することにある。
本発明に係る上記目的は、下記構成により達成される。
(1) 薬剤が収容される凹部を有する容器本体と、
前記容器本体の上端に形成された鍔部と、
前記凹部を閉塞する封止用のフィルムと、
前記鍔部に前記フィルムが固着される固着部と、
を備え、
前記フィルムは、前記鍔部に固着される下層と、該下層から剥離可能な上層と、の二層構造であり、且つ把持部を備え、
前記把持部をフィルム剥離方向に引っ張ることで前記フィルムの前記上層を前記下層から剥離可能な薬剤用容器であって、
前記固着部の外側の縁部に、前記把持部の引っ張り時に前記フィルムの前記下層が破断される破断部を備えることを特徴とする薬剤用容器。
(2) 前記破断部は、切欠、スリット、孔のいずれか、又はこれらの組み合わせであることを特徴とする上記(1)に記載の薬剤用容器。
(3) 前記固着部の平面形状は、前記把持部の先端を向いた角部を有し、該角部の角度は60度〜160度であることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の薬剤用容器。
(4) 前記固着部の平面形状は、前記把持部の先端を向いた角部を有し、該角部を形成する辺の長さは5mm〜25mmであることを特徴とする上記(1)〜(3)の何れかに記載の薬剤用容器。
(5) 前記フィルムの前記上層は薬剤非透過性であり、前記下層は薬剤透過性であることを特徴とする上記(1)〜(4)の何れかに記載の薬剤用容器。
上記(1)の構成によれば、フィルムの把持部をフィルム剥離方向に引っ張った際に、鍔部に固着されているフィルムの下層が、固着部の外側の縁部に備えた破断部で破断され、引っ張り力が上層と下層との剥離に有効に作用し、上層が下層から容易に剥離される。
上記(2)の構成によれば、破断部を一般的な加工方法で切欠、スリット、孔のいずれか、又はこれらの組み合わせに形成することができる。
上記(3)の構成によれば、把持部を引っ張った際に、固着部の角部の先端に引っ張り力が集中するので、フィルムの下層が引き千切れ易くなり上層を下層から容易に剥離することができる。
なお、角部の角度が60度未満であると、把持部を引っ張って剥離を開始した際に、上層の全域が下層から剥離せず、上層における把持部の延長線上の部分だけが下層から剥離される。また、角部の角度が160度超であると、剥離に要する引っ張り力が大きくなるため好ましくない。
上記(4)の構成によれば、固着部の角部の先端から短い距離でフィルムの下層が破断されるので、フィルムの上層を下層から容易に剥離することができる。
上記(5)の構成によれば、薬剤非透過性の上層の剥離の有無により、揮散性薬剤の揮散開始時期を調整できる。薬剤非透過性とは、下層と比較し、明らかに薬剤を透過しないことを示す。また、薬剤透過性の下層により、揮散性の薬剤を収容した薬剤用容器の外部へ薬剤が漏れ出すことがなく、最後まで薬剤を揮散させることができる。
本発明における二層構造のフィルムは、上層と下層との二層に剥離可能な構成のものを意味するが、三層以上の多層構造であっても最終的に上層と下層との二層に剥離可能なものも含む。
本発明の薬剤用容器は、薬剤を収容できるものであればよく、容器本体は皿状、箱状、ボトル状等、いかなる形状であってもよい。
本発明の薬剤用容器は、容器本体内に収容した薬剤の量を外部から視認できるように、透明又は半透明であることが好ましいが、これに限定されない。
本発明の薬剤用容器に収容される薬剤は、いかなるものであってもよい。収容される薬剤としては、殺虫剤、防虫剤、忌避剤、除菌剤、香料、溶剤、色素等が挙げられる。
本発明の薬剤用容器に収容される薬剤の形態は、昇華性の固体、液体を担持した固体、液体、ゲル、顆粒、粉体等が挙げられる。
殺虫剤、防虫剤としては、例えば、アリルイソチオシアネート、パラジクロロベンゼン、ナフタリン、ショウノウ、ピネン、リナロール、ジクロルボス、フェニトロチオン、イソボルニルチオシアノアセテート、イソボルニルチオシアノエチルエーテル、トランスフルトリン、メトフルトリン、プロフルトリン、エンペントリン等が挙げられる。
忌避剤としては、例えば、ディート、ジ−n−ブチルサクシネート、ヒドロキシアニソール、ロテノン、エチル−ブチルアセチルアミノプロピオネート、イカリジン(ピカリジン)、IR3535、p−メンタン−3,8−ジオール等が挙げられる。なお、防虫剤や忌避剤には香料として使用できる成分も含まれる。
殺菌剤(抗菌剤)としては、例えば、二酸化塩素、ヨウ素、チモール、イソプロピルメチルフェノール、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒド、エタノール、プロピルアルコール、フェノール、クレゾール、フェノキシエタノール等が挙げられる。
香料としては、例えば、ハッカ油、ペパーミント油、スペアミント油、イグサ、ヒノキ、レモン油、オレンジ油、ラベンダー油等の精油、α−ピネン、β−ピネン、リモネン、メントール、シトラール、シトロネラール、ゲラニオール等の香気成分等が挙げられる。
溶剤としては、例えば、水、エタノール、プロパノール、ベンジルアルコールエチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、エチレングリコールモノメチルエーテル、流動パラフィン、ミリスチン酸イソプロピル等が挙げられる。
色素としては、青色1号、青色2号、赤色102号、赤色106号、赤色227号、赤色230号の(1)、黄色4号、黄色5号、黄色202号の(1)、緑色3号、緑色201号、緑色204号、橙色205号、等の法定色素、クロロフィル、リボフラビン、アンナット、アントシアニン等の天然色素等が挙げられる。
これらの成分は、1種単独で使用されても、また2種以上を任意に組み合わせて使用することもできる。薬剤として殺虫剤、防虫剤、忌避剤、除菌剤、香料等を使用し、その薬剤揮散の制御や、内容物の安定化のために溶剤を加えたり、内容物の視認性を高めるために色素などを加えて調整することができる。
本発明の薬剤用容器によれば、小さい力でフィルムの上層を下層から容易に剥離することができる。
以上、本発明について簡潔に説明した。以下、さらに本発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を、添付の図面を参照して説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る薬剤用容器の斜視図である。 図2は、図1のA−A断面図である。 図3の(a)は、本発明の第1実施形態に係る薬剤用容器を水平状態に置いた時の平面図、図3の(b)はその要部拡大平面図である。 図4は、破断部の変形例を表す薬剤用容器の要部平面図である。 図5は、破断部の他の変形例を表す薬剤用容器の要部平面図である。 図6は、本発明の第1実施形態に係る薬剤用容器を薬剤揮散装置に装着し、本第1実施形態の薬剤用容器をインジケータとして装着する場合の装着部の斜視図である。 図7は、図6の装着部の側面図である。 図8の(a)は、比較例である薬剤用容器の平面図、図8の(b)はその要部拡大図である。 図9の(a)は本発明の第2実施形態に係る薬剤用容器を鉛直方向に沿って立てた状態における正面図、図9の(b)はその右側面図、図9の(c)はその上面図、図9の(d)はその下面図である。 図10の(a)は本発明の第2実施形態に係る薬剤用容器を水平状態に置いた時の平面図、図10の(b)は図10の(a)のB−B断面図、図10の(c)は図10の(b)に示した薬剤用容器におけるフィルムの剥離過程を示す断面図である。 図11の(a)は本発明の第3実施形態に係る薬剤用容器を水平状態に置いた時の平面図、図11の(b)はその右側面図、図11の(c)はその下面図である。 図12の(a)は本発明の第4実施形態に係る薬剤用容器を水平状態に置いた時の平面図、図12の(b)は図12の(a)のC−C断面図である。 図13の(a)は本発明の第5実施形態に係る薬剤用容器を水平状態に置いた時の平面図、図13の(b)は図13の(a)のD−D断面図である。 図14の(a)は本発明の第6実施形態に係る薬剤用容器を水平状態に置いた時の平面図、図14の(b)は図14の(a)のE−E断面図である。 図15は、フィルムの剥離過程の斜視図であり、(a)は下層が引き千切れる前の状態の斜視図、(b)は下層が引き千切れた状態の斜視図である。
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は本発明の第1実施形態に係る薬剤用容器の斜視図、図2は図1のA−A断面図、図3の(a)は、本発明の第1実施形態に係る薬剤用容器を水平状態に置いた時の平面図、図3の(b)はその要部拡大平面図である。
薬剤用容器10は、薬剤20を収容するための平面視で略六角形状の凹部12を有する容器本体14と、容器本体14の上端(凹部12の開口端縁)に形成された鍔部16と、鍔部16に固着されて容器本体14の凹部12を閉塞する封止用のフィルム(後述する蓋材に相当)18と、を備えている。
容器本体14は、凹部12を有する皿状であり、浅底部14aの一部に深底部14bを有する。容器本体14は、薬剤非透過性の素材で形成されている。凹部12内には、揮散性の薬剤(液体)20が収容されている。凹部12は、薬剤20を収容した状態で、フィルム18により閉塞されている。なお、容器本体14が深底部14bを有するので、図2に示すように薬剤20を主に深底部14bに収容して、薬剤20の液面とフィルム18との間に所定の空隙Sがあるようにすることができる。そのため、規定量の薬剤充填時に、薬剤20が容器本体14からこぼれるおそれがない。また、容器本体14を図1に示すように鉛直方向に沿って縦に設置する際に、深底部14bを浅底部14aよりも上にすると、薬剤20の液の鉛直面方向の表面積が大きくなり、後述するインジケータとして利用した際に、薬剤20を容易に視認することができる。
フィルム18は、全周囲が所定の幅で熱溶着により鍔部16に固着されて、固着部30が形成されている。図3において、熱溶着されている部分は格子状のハッチングで示されている部分である。
フィルム18は、図2に示すように、鍔部16に固着される下層22と、下層22から剥離可能な上層24と、の二層構造である。上層24は、下層22と比較して明らかに揮散性薬剤が透過しない薬剤非透過性の素材からなり、下層22は、揮散性薬剤が透過可能な薬剤透過性の素材からなる。固着部30において、下層22は、剥離できないように鍔部16に固着されているが、上層24は所定の力で下層22から剥離可能である。また、フィルム18は、舌片状の把持部26を備えている。固着部30の外側の縁部30bには、把持部26の引っ張り時にフィルム18の下層22が破断される破断部28(図3参照)を備えている。本実施形態では、破断部28は切欠である。破断部28は、把持部26の両側に設けられることが好ましいが、把持部26の片側だけに設けられてもよい。
フィルム18と鍔部16との固着部30の平面形状は、把持部26の先端を向いた角部30aを有する形状である。角部30aの角度θ(図3の(b)参照)は、60度〜160度が好ましく、更に90度〜130度が好ましく、特に120度程度が好ましい。破断部28は、固着部30の角部30aの先端から所定長さの部分に形成されている。角部30aを構成する辺である固着部30の外側の縁部30bの長さ(以下、シールエッジ長さとする。)は、5mm〜25mmが好ましく、更に10mm〜20mmが好ましく、特に12〜15mmがより好ましい。本実施形態の場合、シールエッジ長さは、角部30aから破断部28の始端部28aまでの長さである。
そして、把持部26をフィルム剥離方向に引っ張ることでフィルム18の上層24を下層22から剥離可能になっている。
フィルム18は、薬剤非透過性の素材からなる上層24と、薬剤透過性の素材からなる下層22とが剥離可能に一体に形成されている。上層24と下層22は単一の素材による層である必要はなく、用途や内容物に合わせ、複数の素材を積層してもよい。なお、複数の素材を積層する場合、下層22は薬剤透過性の素材のみからなり、上層24は、少なくとも一層が薬剤非透過性の素材からなればよく、薬剤透過性の素材を薬剤非透過性の素材に積層して用いてもよい。具体的には、例示の限りではないが、上層24には、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアクリロニトリル(PAN)、アルミニウム箔、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ナイロン、無機(アルミニウム、アルミナ、酸化ケイ素等)蒸着フィルム、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)等の薬剤非透過性の単一のフィルムや、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)等の薬剤透過性のフィルムと上記薬剤非透過性のフィルムが少なくとも一層積層されたフィルムを用いることができる。また、下層22には、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、エチレン―メタクリル酸共重合樹脂フィルム(EMAA)等の薬剤透過性の単一のフィルム、あるいはこれら薬剤透過性のフィルムが積層されたフィルムを用いることができる。なお、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)等の薬剤透過性のフィルムは、フィルム厚を厚くして薬剤透過性を低下させることで、薬剤非透過性のフィルムとして用いることもできる。
容器本体14内の薬剤20を揮散させるには、フィルム18の上層24を下層22から剥離して、下層22を露出させる必要がある。
従来技術を示す図15において、フィルム剥離方向Eは、固着部30の面に略垂直な剥離方向と、把持部26を略180度折り返して剥離する方向との間の任意の方向である。把持部26を摘んでフィルム18をフィルム剥離方向Eに引っ張ると、固着部30では下層22の一部が伸びた状態になり、伸びた部分で上層24と下層22とがつながった状態になっている(図15参照)。見た目では、固着部30と上層24との間に下層22の膜が張った状態になっている。下層22の伸び部22aは、把持部26の引っ張りに伴い、固着部30の延在方向(図15の(a)におけるB,C方向)に沿って増えて行くので、剥離に要する引っ張り力も大きくなる傾向にある。
ところが、本第1実施形態では、固着部30の角部30aから所定長さの部分に破断部28が形成されているので、固着部30に沿って伝わる引っ張り力が破断部28で遮断される。そのため、引っ張り力が下層22の伸び部22aを破断するのに有効に作用し、下層22の伸び部22aが容易に破断される。この結果、引っ張り力は、破断部28の辺の延長方向(引っ張り方向)に沿って有効に作用する。下層22の伸び部22aが破断されると、上層24は固着部30における下層22から円滑に剥離され、以降、上層24と下層22とは円滑に剥離され、下層22が外気に露呈する。これにより、容器本体14内の薬剤20が下層22を通して揮散可能になる。
上記第1実施形態では、破断部28が切欠であったが、図4に示すように、破断部28Aはスリットであってもよい。
図4に示す変形例では、把持部26の両側にそれぞれ破断部28Aとしてのスリットが形成されている。破断部28Aとしてのスリットは、固着部30の外側の縁部30bに達するように形成されている。これにより、固着部30の外側の縁部30bは、破断部28Aとしてのスリットにより一部が切り欠かれた形状になっている。把持部26をフィルム剥離方向に引っ張ることにより、固着部30におけるフィルム18の下層22は、破断部28Aの延長線上で破断され、上層24と下層22とを容易に剥離することができる。破断部28Aは、直線状のスリットという単純な形状であるので、破断部28Aの形成が極めて容易である。
また、図5に示す他の変形例では、図4における破断部28Aとしてのスリットの代わりに、破断部28Bとしての複数の孔が固着部30に形成されている。複数の孔のうち、1つの孔は、固着部30の外側の縁部30bに形成され、固着部30の外側の縁部30bの一部が孔により切り欠かれた形状になっている。本変形例では、孔は固着部30の外側の縁部30b以外の部分にも形成されているが、孔は固着部30の外側の縁部30bに少なくとも一つ形成されていればよい。孔の形状は、円形、三角形、四角形、多角形、帯形、等、如何なる形状であってもよい。他の構成は、図4に示した構成と同じである。把持部26をフィルム剥離方向に引っ張ることにより、固着部30におけるフィルム18の下層22は、固着部30の外側の縁部30bにおける破断部28B(孔)を起点に、破断され、上層24と下層22とを容易に剥離することができる。破断部28Bは、単純な形状であるので、形成が極めて容易である。
図3に示した第1実施形態並びに図4及び図5に示した変形例は、平面視で、把持部26が鍔部16よりも外方に張り出した構成であるが、把持部26は、その先端が鍔部16の先端と同じ位置にあるか、鍔部16の先端よりも内方に凹んで位置する形状であってもよい。
本第1実施形態の薬剤用容器10は、揮散性の薬剤を収容するものであれば如何なるものであってもよいが、単に薬剤を収容するだけの容器ではなく、例えば他の薬剤を揮散する装置(以下、薬剤揮散装置とする)において薬剤収容量の指標となるインジケータとして用いてもよい。
以下、一例として、本第1実施形態の薬剤用容器10を、薬剤揮散装置におけるインジケータとして利用する場合について説明する。
図6は薬剤揮散装置に設けられたインジケータ装着部の斜視図、図7はインジケータ装着部の側面図である。図6において、薬剤揮散装置は、設置状態では矢印Fの基端側が下方であり先端側が上方である。
薬剤揮散装置は、図示しないが揮散性の薬剤を収容した容器と、インジケータ装着部を有する容器54(以下、薬剤揮散装置の容器54という)と、インジケータとしての薬剤用容器10(以下、インジケータ10という)と、を備えている。
揮散性の薬剤を収容した容器は、薬剤揮散装置の容器54とは別に設けているが、両者を同一の容器としてもかまわない。また、揮散性の薬剤を収容した容器は、揮散性の薬剤を外部に揮散させるために少なくとも1つの開口を有する。容器に収容される薬剤の形態は、昇華性の固体、液体を担持した固体、液体、ゲル、顆粒、粉体等のいずれであってもよい。
インジケータ10は、上述の第1実施形態である薬剤用容器10である。インジケータ10は、フィルム18の上層24を下層22から剥離した状態で、底面側を正面にして(内方に向けて)深底部14bを上にして薬剤揮散装置の容器54に縦に装着される。容器本体14は、透明又は半透明に形成され、内部の薬剤20を視認できるようになっている。また、フィルム18の下層22も透明又は半透明に形成され、内部の薬剤20を視認できるようになっている。
インジケータ10を、深底部14b側を上にして薬剤揮散装置のインジケータ装着部62に縦向きに装着すると、水平状態では主に深底部14bに収容されていた薬剤20は、浅底部14aに溜まる。すると、薬剤20の液の鉛直面方向の表面積が大きくなり、また薬剤20の上方には、空隙が形成されるので、後述する窓部55を介して薬剤20の液面を容易に視認できる。また、薬剤20の減り具合も容易に視認できる。
容器本体14は、インジケータ装着部62への圧入部56を、深底部14bに隣接して備えている。圧入部56は、深底部14bの両端にそれぞれ形成されている(図1参照)。
薬剤揮散装置は、容器本体14の圧入部56を保持するインジケータ装着部62を薬剤揮散装置の容器54の壁面54aの内面に備えている。インジケータ装着部62は、断面L字状の一対の保持枠64が対向して設けられている。容器本体14を矢印F方向に沿って一対の保持枠64間に挿入し、一対の保持枠64により圧入部56を保持することで、インジケータ10を装着することができる(図7参照)。保持枠64は、インジケータ10の圧入部56を壁面54aとの間で圧入状態に挟持してインジケータ10を保持している。壁面54aには、インジケータ10内の薬剤20を目視するための円形の窓部55が形成されている。
インジケータ10に収容された薬剤20は、薬剤揮散装置の容器54内に収容された薬剤の減少量に応じて揮散するように成分及び充填量が調整されている。
図9の(a)〜(d)は本発明の第2実施形態に係る薬剤用容器を鉛直方向に沿って立てた状態における正面図、その右側面図、その上面図、及びその下面図である。図10の(a)は本発明の第2実施形態に係る薬剤用容器を水平状態に置いた時の平面図、図10の(b)は図10の(a)のB−B断面図、図10の(c)は図10の(b)に示した薬剤用容器におけるフィルムの剥離過程を示す断面図である。なお、本第2実施形態に係る薬剤用容器10Aにおける上記薬剤用容器10と同様の構成部材に関しては、同符号を付して詳細な説明を省略する。
本第2実施形態の薬剤用容器10Aは、上記第1実施形態の薬剤用容器10に比較して小型の凹部12Aを有する容器本体14Aと、容器本体14Aの上端(凹部12Aの開口端縁)に形成された鍔部16と、鍔部16に固着されて容器本体14Aの凹部12Aを閉塞する封止用のフィルム18Aと、を備えている。
容器本体14Aは、凹部12Aを有する皿状であり、浅底部14aの一部に矩形状の深底部14bを有する。浅底部14aは、深底部14bが形成された側から反対側に向かって次第に深さが浅くなるテーパ状に形成されている。容器本体14Aは、薬剤非透過性の素材で形成されている。凹部12A内には、揮散性の薬剤20が収容されている。凹部12Aは、薬剤20を収容した状態で、フィルム18Aにより閉塞されている。
なお、容器本体14Aが深底部14bを有するので、図10に示すように薬剤20を主に深底部14bに収容して、薬剤20の液面とフィルム18Aとの間に所定の空隙Sがあるようにすることができる。そのため、規定量の薬剤充填時に、薬剤20が容器本体14Aからこぼれるおそれがない。また、容器本体14Aを図9に示すように鉛直方向に沿って縦に設置する際に、深底部14bを浅底部14aよりも上にすると、薬剤20の液の鉛直面方向の表面積が大きくなり、上述したインジケータとして利用した際に、薬剤20を容易に視認することができる。
フィルム18Aは、全周囲が所定の幅で熱溶着により鍔部16に固着されて、固着部30が形成されている。図10において、熱溶着されている部分は格子状のハッチングで示されている部分である。
フィルム18Aは、図10の(b)に示すように、鍔部16に固着される下層22と、下層22から剥離可能な上層24と、の二層構造である。固着部30において、下層22は、剥離できないように鍔部16に固着されているが、上層24は所定の力で下層22から剥離可能である。
薬剤用容器10Aのフィルム18Aは、上記第1実施形態の薬剤用容器10のフィルム18と同様に、舌片状の把持部26を備えている。また、把持部26に対応する鍔部16の一縁部には、固着部30より外側へ延出された舌片部17が突設されている。そして、本第2実施形態の把持部26は、該把持部26に対応するフィルム18Aの先端側がこの舌片部17の先端部に熱溶着されて構成されている。更に、この把持部26の舌片部17におけるフィルム18Aが熱溶着された先端部と固着部30との間には、舌片部17の先端側を切り離し可能とするためのスリット(切欠き溝)27が舌片部17の幅方向に沿って円弧状に形成されている。
なお、本発明における把持部は、フィルム18(18A)の先端側が舌片部17の先端部に熱溶着された本実施形態の把持部26の構成に限らず、固着部30より外側へ延出されたフィルム18(18A)の先端部のみにより構成されるものでもよい。
図10の(a)に示すように、固着部30の外側の縁部30bには、把持部26の引っ張り時にフィルム18Aの下層22が破断される破断部28を備えている。本第2実施形態では、上記第1実施形態と同様に破断部28は切欠である。
フィルム18Aと鍔部16との固着部30の平面形状は、上記第1実施形態の薬剤用容器10と同様に、把持部26の先端を向いた角部30aを有する形状である。破断部28は、固着部30の角部30aの先端から所定長さの部分に形成されている。
そして、把持部26がフィルム剥離方向に引っ張られることでフィルム18の上層24が下層22から剥離されるようになっている。
具体的には、把持部26を摘み、フィルム剥離方向に引っ張ることで、スリット27で破断された舌片部17の先端部が鍔部16の一縁部から切り離され、把持部26が剥離方向にめくり上げられる。
従って、本第2実施形態に係る薬剤用容器10Aによれば、フィルム18Aの把持部26をフィルム剥離方向に引っ張った際に、把持部26に引っ張られたフィルム18Aの下層22が、固着部30の外側の縁部30bに備えた破断部28で破断され、引っ張り力が把持部26に引っ張られた上層24と鍔部16に固着された下層22との剥離に有効に作用し、図10の(c)に示すように、上層24が下層22から容易に剥離される。
即ち、上述した第1及び第2実施形態の薬剤用容器10,10Aから明らかなように、把持部26の引っ張り時にフィルム18(18A)の下層22が破断される破断部28を固着部30の外側の縁部30bに設けることで、容器本体14(14A)の形状に関わらず、上層24を下層22から容易に剥離することができる。そこで、図11〜図14に示すように、下記実施形態に係る薬剤用容器10B〜10Eは種々の形状を採りうる。なお、下記実施形態に係る薬剤用容器10B〜10Eにおける上記薬剤用容器10と同様の構成部材に関しては、同符号を付して詳細な説明を省略する。
図11の(a)〜(c)は本発明の第3実施形態に係る薬剤用容器を水平状態に置いた時の平面図、その右側面図、およびその下面図である。
本第3実施形態の薬剤用容器10Bは、凹部12Bを有する容器本体14Bと、容器本体14Bの上端(凹部12Bの開口端縁)に形成された鍔部16と、鍔部16に固着されて容器本体14Bの凹部12Bを閉塞する封止用のフィルム18Bと、を備えている。
本第3実施形態に係る容器本体14Bは、凹部12Bを有する皿状であり、浅底部14aの中央部に矩形状の深底部14bを有する以外は、上記第1実施形態の容器本体14と同じ構成である。
容器本体14Bの深底部14bは、薬剤用容器10Bが上記薬剤揮散装置のインジケータ装着部62に装着される際の挿入方向(図11中、上下方向)に沿う浅底部14aの略中央部に形成されている。そして、インジケータ装着部62への圧入部56が、深底部14bの両端に隣接してそれぞれ形成されている(図11参照)。薬剤非透過性の素材で形成された容器本体14Bの凹部12B内には、揮散性の薬剤20が収容されている。凹部12Bは、薬剤20を収容した状態で、フィルム18Bにより閉塞されている。
本第3実施形態の薬剤用容器10Bは、上記第1実施形態の薬剤用容器10と同様に、フィルム18Bが舌片状の把持部26を備えている。また、固着部30の外側の縁部30bには、把持部26の引っ張り時にフィルム18Bの下層22が破断される破断部28を備えている。
従って、本第3実施形態に係る薬剤用容器10Bにおいても、フィルム18Bの把持部26をフィルム剥離方向に引っ張った際に、把持部26に引っ張られたフィルム18Bの下層22が、固着部30の外側の縁部30bに備えた破断部28で破断され、引っ張り力が把持部26に引っ張られた上層24と鍔部16に固着された下層22との剥離に有効に作用するので、上層24を下層22から容易に剥離することができる。
また、本第3実施形態に係る薬剤用容器10Bは、上記薬剤揮散装置のインジケータ装着部62に対して上下2方向から装着することができる。
図12の(a)は本発明の第4実施形態に係る薬剤用容器を水平状態に置いた時の平面図、図12の(b)は図12の(a)のC−C断面図である。
本第4実施形態の薬剤用容器10Cは、薬剤20を収容するための平面視で略五角形状の凹部12Cを有する容器本体14Cと、容器本体14Cの上端(凹部12Cの開口端縁)に形成された鍔部16と、鍔部16に固着されて容器本体14Cの凹部12Cを閉塞する封止用のフィルム18Cと、を備えている。
容器本体14Cは、凹部12Cを有する皿状であり、浅底部14aの一部に矩形状の深底部14bを有する。容器本体14Cは、薬剤非透過性の素材で形成されている。
そして、フィルム18Cの把持部26と、鍔部16の一縁部に突設される舌片部17とが、上記薬剤揮散装置のインジケータ装着部62に装着される際の挿入方向(図12の(a)中、上下方向)に沿う中央部に設けられている。
従って、本第4実施形態に係る薬剤用容器10Cにおいても、フィルム18Cの把持部26をフィルム剥離方向に引っ張った際に、把持部26に引っ張られたフィルム18Cの下層22が、固着部30の外側の縁部30bに備えた破断部28で破断され、引っ張り力が把持部26に引っ張られた上層24と鍔部16に固着された下層22との剥離に有効に作用するので、上層24を下層22から容易に剥離することができる。
図13の(a)は本発明の第5実施形態に係る薬剤用容器を水平状態に置いた時の平面図、図13の(b)は図13の(a)のD−D断面図である。
本第5実施形態の薬剤用容器10Dは、薬剤20を収容するための平面視で略円形状の凹部12Dを有する容器本体14Dと、容器本体14Dの上端(凹部12Dの開口端縁)に形成された鍔部16と、鍔部16に固着されて容器本体14Dの凹部12Dを閉塞する封止用のフィルム18Dと、を備えている。
容器本体14Dは、凹部12Dを有する皿状であり、浅底部14aの中央部に円形状の深底部14bを有する。容器本体14Dは、薬剤非透過性の素材で形成されている。
そして、フィルム18Dの把持部26と、鍔部16の一縁部に突設される舌片部17とが、上記薬剤揮散装置のインジケータ装着部62に装着される際の挿入方向(図13中、上下方向)に沿う中央部に設けられている。
従って、本第5実施形態に係る薬剤用容器10Dにおいても、フィルム18Dの把持部26をフィルム剥離方向に引っ張った際に、把持部26に引っ張られたフィルム18Dの下層22が、固着部30の外側の縁部30bに備えた破断部28で破断され、引っ張り力が把持部26に引っ張られた上層24と鍔部16に固着された下層22との剥離に有効に作用するので、上層24を下層22から容易に剥離することができる。
図14の(a)は本発明の第6実施形態に係る薬剤用容器を水平状態に置いた時の平面図、図14の(b)は図14の(a)のE−E断面図である。
本第6実施形態の薬剤用容器10Eは、凹部12Eを有する容器本体14Eと、容器本体14Eの上端(凹部12Eの開口端縁)に形成された鍔部16と、鍔部16に固着されて容器本体14Eの凹部12Eを閉塞する封止用のフィルム18Eと、を備えている。
本第6実施形態に係る薬剤用容器10Eは、フィルム18Eに設けられた舌片状の把持部26Eが、該把持部26Eに対応するフィルム18Eの先端側が舌片部17Eの先端部に熱溶着されて構成されており、摘み易いように大型化された以外は、上記第1実施形態の薬剤用容器10と同じ構成である。
従って、本第6実施形態に係る薬剤用容器10Eにおいても、フィルム18Eの把持部26Eをフィルム剥離方向に引っ張った際に、把持部26Eに引っ張られたフィルム18Eの下層22が、固着部30の外側の縁部30bに備えた破断部28で破断され、引っ張り力が把持部26Eに引っ張られた上層24と鍔部16に固着された下層22との剥離に有効に作用する。そこで、上層24を下層22から容易に剥離することができる。
更に、フィルム18Eの把持部26Eは、円形に膨出した先端部形状を有しているので、把持部26Eをフィルム剥離方向に引っ張る際に摘まみ易く、上層24を下層22からさらに容易に剥離することができる。
なお、上記各実施形態においては、薬剤用容器10(10A〜10E)が、揮散性の薬剤を収容する容器(薬剤揮散具)や、薬剤揮散装置において薬剤収容量の指標となるインジケータとして用いられる場合を例に説明したが、本発明の薬剤用容器はこれに限定されるものではない。例えば、本発明の薬剤用容器は、消臭剤を収容した消臭装置に組み合わせて使用される芳香剤を収容した芳香剤容器として用いたり、芳香剤を収容した芳香装置に組み合わせて使用される消臭剤を収容した消臭剤容器として用いたりすることもできる。
[実施例1]
シールエッジ長さと剥離強度の関係を調べた。
容器本体14と、容器本体14の凹部12を閉塞する封止用のフィルム18を熱溶着し、図1〜図3のような薬剤用容器を作製した。固着部30の角部30aの角度は120度とした。なお、凹部12には揮散性の薬剤20として香料を収容している。以下、薬剤用容器を薬剤揮散具として説明する。
シールエッジ長さとして、固着部30が角部30aの先端から27mmの長さを有する破断部28のない比較例の薬剤揮散具(図8参照)と、角部30aの先端から破断部28までの長さが15mmである本発明実施形態の薬剤揮散具(図3参照)とを用意した。
作製した2種の薬剤揮散具に対して、複数の試験者により蓋材(フィルム18)の剥離しやすさを、下記の5段階で評価した。
評点
5:簡単に剥がせる
4:剥がせる
3:どちらとも言えない
2:やや固いが剥がせる
1:固くて剥がせない
試験者ごとの評点の平均値を表1に示す。
Figure 2017200467
表1の結果から明らかなように、シールエッジ長さを15mmとすることで、剥離強度の顕著な低減が確認された。
[実施例2]
シールエッジ長さと剥離強度の関係を、試験機を用いた引っ張り強度測定にて評価を行った。
容器本体14と、容器本体14の凹部12を閉塞する封止用のフィルム18を熱溶着し、図1〜図3のような薬剤用容器を作製した。固着部30の角部30aの角度は120度とした。なお、凹部12には揮散性の薬剤20として香料を収容している。以下、薬剤用容器を薬剤揮散具として説明する。
シールエッジ長さとして、固着部30が角部30aの先端から27mmの長さを有する破断部28のない比較例の薬剤揮散具(図8参照)と、角部30aの先端から破断部28までの長さが10mm、15mm、20mm、25mmである本発明実施形態の各薬剤揮散具(図3参照)とを用意した。
薬剤揮散具の把持部26を粘着テープで帯片の一端に固定し、この帯片の他端を引っ張り試験機(島津製作所製オートグラフ AGS−G)に固定した。また、薬剤揮散具の容器本体14を両面テープを用いて硬板に固定し、硬板を垂直に立て、引っ張り試験機に固定した。このとき、引っ張り試験機が帯片を引っ張る向きと薬剤揮散具の剥離方向とが同一方向となるように設置した。剥離方向に沿って、1000mm/分の速度で引っ張り、層間剥離時の最大強度を測定した。測定は3回行い、その平均値を算出した。また、比較例の測定値を100%とし、破断部28を設けた本発明実施形態の引っ張り強度の百分率(%)を算出した。結果を表2に示す。
Figure 2017200467
表2の結果より、角部30aの先端からのシールエッジ長さを25mm以下とすることで、剥離強度を低減できることが分かり、15mm以下とすることで、剥離強度を大幅に低減できることが分かった。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
10 薬剤用容器(インジケータ)
12 凹部
14 容器本体
14a 浅底部
14b 深底部
16 鍔部
18 フィルム
20 薬剤
22 下層
24 上層
26 把持部
28,28A,28B 破断部
30 固着部
30b 縁部
54 薬剤揮散装置の容器
55 窓部
56 圧入部
62 インジケータ装着部

Claims (5)

  1. 薬剤が収容される凹部を有する容器本体と、
    前記容器本体の上端に形成された鍔部と、
    前記凹部を閉塞する封止用のフィルムと、
    前記鍔部に前記フィルムが固着される固着部と、
    を備え、
    前記フィルムは、前記鍔部に固着される下層と、該下層から剥離可能な上層と、の二層構造であり、且つ把持部を備え、
    前記把持部をフィルム剥離方向に引っ張ることで前記フィルムの前記上層を前記下層から剥離可能な薬剤用容器であって、
    前記固着部の外側の縁部に、前記把持部の引っ張り時に前記フィルムの前記下層が破断される破断部を備えることを特徴とする薬剤用容器。
  2. 前記破断部は、切欠、スリット、孔のいずれか、又はこれらの組み合わせであることを特徴とする請求項1に記載の薬剤用容器。
  3. 前記固着部の平面形状は、前記把持部の先端を向いた角部を有し、該角部の角度は60度〜160度であることを特徴とする請求項1又は2に記載の薬剤用容器。
  4. 前記固着部の平面形状は、前記把持部の先端を向いた角部を有し、該角部を形成する辺の長さは5mm〜25mmであることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の薬剤用容器。
  5. 前記フィルムの前記上層は薬剤非透過性であり、前記下層は薬剤透過性であることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の薬剤用容器。
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