JP2017199606A - 荷電粒子線装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】任意の方位角の二次粒子を検出可能な荷電粒子線装置を提供する。
【解決手段】荷電粒子源101と、試料18を載置する試料台19と、対物レンズ17を含み、荷電粒子源から放出された荷電粒子線103を試料に照射する荷電粒子線光学系と、荷電粒子線を照射することにより試料から放出される二次粒子20aを検出する複数の検出器11a、11bと、試料から放出された二次粒子の検出方位角を、磁気的、電気的或いは機械的に変更する回転手段12と、を有する荷電粒子線装置とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、荷電粒子線装置に関する。
荷電粒子線装置の一つである走査電子顕微鏡は、加熱型または電界放出型の電子源から放出された電子を加速し、静電レンズ、あるいは磁界レンズを用いて細い電子ビーム(一次電子線)とし、観察する試料上に一次電子線を二次元走査し、一次電子線の照射によって試料から二次的に発生する二次電子あるいは後方散乱電子(反射電子)等の二次粒子を検出し、検出された信号強度を一次電子線の走査と同期して走査されるブラウン管等の表示装置の輝度変調入力とすることで二次元の走査像を得る装置である。
半導体デバイスの製造プロセスにおいて、歩留まりの向上と製造プロセスの安定稼働を実現するためには、製造プロセスの不具合により発生する欠陥の発生状況をインラインで観察し,原因を解明して製造プロセスにフィードバックすることが必要となっている。微小欠陥の観察はプロセス管理で求められる主要技術の一つであり,これまで光学顕微鏡を用いて評価されてきた。しかし、昨今の半導体デバイスのパターンサイズの微細化に伴い、デバイス特性に悪影響を及ぼす欠陥サイズも微細化しており、走査電子顕微鏡による評価が重要となってきている。このため、高分解能で欠陥のレビューが可能な走査電子顕微鏡が製品化されている。この装置では、微小異物やスクラッチ等の凹凸を検出するために、横から光を照射したときに生ずる陰影と等価な走査電子顕微鏡像の陰影像の取得が重要となっている。
走査電子顕微鏡を用いて陰影像を取得するための基本原理について図2A、図2Bを用いて説明する。ここでは、試料の窪みを例として、電子線を走査したときに左右に設置した検出器で得られる信号プロファイルがどのように変わるか説明する。図2Aでは窪みの左側に検出器33が設置されている。一次電子線32を走査すると、検出器33の方向に放出された二次電子34が検出される。しかし、窪み内の左側では一部の二次電子35が検出器33に到達する前に窪み壁面に衝突するため、検出されない。この時に得られる信号プロファイル36は窪みの左側は暗く、右側は明るく観察される。一方、窪みの右側に検出器37が設置されている場合、検出器37の方向に放出された二次電子38が検出されるものの、窪み内の右側で発生した一部の二次電子39は窪み壁面に衝突するため検出されない。この時に得られる信号プロファイル40は、前述とは反対に、窪みの右側は暗く、左側は明るく観察される。したがって、観察対象が凹んでいる場合は、観察対象の検出器側が暗くなり、反対側が明るくなる。一方、観察対象が出っ張っている場合は、観察対象の検出器側が明るくなり、反対側が暗くなる。このように、検出器の配置と信号プロファイルの明暗の関係を調べることで、観察対象の試料形状が出っ張っているのか凹んでいるのかを判別することが可能となる。
検出器は1個であっても、その検出器を用いて形成される二次電子像に現れる明暗から試料の一方向についての凹凸情報が得られるが、検出器を光軸に対して軸対称に一対配置することで、より正確に試料の一方向についての凹凸情報を得ることができる。さらに、光軸に対して軸対称に複数対の検出器を配置すると、試料表面の凹凸情報を複数方向から得ることが可能となる。
このような原理をもとに、試料の凹凸情報を得る技術が、特許文献1および特許文献2に開示されている。特許文献1では、高分解能を達成するために磁界漏洩型対物レンズを使用し、対物レンズの電子源側に検出器を配置し、試料と対物レンズの間の電界を制御することで、試料面に対して小さな角度をなす方向に放出された反射電子を検出し、試料の凹凸判定を行っている。特許文献2では、環状の検出器を用い、内側環状帯で反射電子、外側環状帯で二次電子を検出している。そして、外側環状帯を扇形に四分割して二次電子放出の方位角を選別することで陰影像を得、試料片の表面形状と材料の特徴を測定している。特許文献3は観察対象の三次元形状を定量的に解析する技術に関し、四個の独立した検出器を光軸に対して軸対称に設置し、各検出器で得られた信号プロファイルを組み合わせて解析することにより、ラインパターンのエッジの幅及び傾斜角を測定している。
特開2001−110351号公報 特開平8−273569号公報 特開2013−2872号公報
上記従来技術により、走査電子顕微鏡においても光学顕微鏡と同じように陰影像を取得できるようになり、欠陥の凹凸判定やパターンの形状計測ができるようになった。
しかしながら、上記従来技術では各検出器で検出される電子の方位角成分は固定されているため、観察対象となる欠陥形状が変わったときに、現行の検出器の配置が観察に最適な条件ではなくなる場合がある。図3A、図3Bに、一次電子線の光軸に軸対称に二台の検出器が配置された例を示す。図3Aに示すように、縦方向に形成されたパターン41を高精度で観察するには、パターンに垂直となるように検出器42a、42bを配置することが最適となる。しかし、図3Bに示すように、傾いたライン43の場合には、42a、42bの配置よりも、ラインに垂直となるように検出器44a、44bを配置する方がより強調された陰影像を得ることができる。このように、パターンごとに最適な検出器の配置、すなわち検出する方位角成分が異なりうる。
そこで、発明者等は検出器を増やした場合について検討を行った。しかしながら、検出器を増やしてもパターンにより好適な検出器配置が異なることが判った。例えば、四台の検出器45a〜45dが一次電子の光軸に対して均等に配置された走査電子顕微鏡について、以下に示す二つのパターンを例として最適な検出器配置を図4A、図4Bに示す。図4Aは半導体のリソグラフィ工程で作製されたラインパターン、図4Bは半導体前工程の配線形成工程で作製されたVia in Trenchパターン(以下、VITパターンという)である。図4Aは特許文献3に記載されている検出器配置である。ラインパターンでは、パターンに垂直な成分をなるべく多く検出することが高精度な計測に必要となる。パターンの左側のエッジに対しては、左下検出器45aと左上検出器45bで得られる信号を合成して得た左画像を用い、一方、パターンの右側のエッジに対しては、右上検出器45cと右下検出器45dで得られる信号を合成して得た右画像を用いることで、パターンの形状の高精度な計測が可能となる。パターンが横向きである場合は、左上検出器45bと右上検出器45cで得られる信号を合成して得た上画像と、左下検出器45aと右下検出器45dで得られる信号を合成して得た下画像を用いて計測する。しかしながらこの構成は、溝の中に作製された穴の形状が観察対象の一つであるVITパターンに対しては最適な配置とはいえない。
一方、VITパターンに対しては、図4Bに示す検出器配置が好適となることが判った。すなわち、検出器46b、46dをトレンチの延在方向(紙面上下)に、それに直交する方向(紙面左右)に検出器46a、46cをそれぞれ配置し、上側検出器46bと下側検出器46dを用いることにより、溝の中から放出された電子を効率よく検出することが可能となり、溝の中の穴を高精度に計測することができる。但し、図4Bに示す検出器配置では、ラインパターンの左エッジ計測には検出器46a、右エッジ計測には検出器46cしか用いることができず、得られる信号量は図4Aでの検出器配置の半分となり、S/Nが低下するため、ラインパターンに対しては好適な配置とはならない。
このように、計測ターゲットごとに最適な検出器の配置が異なるのに対し、従来技術では検出器の配置、すなわち検出する方位角成分が固定されていたため、各種評価パターンに対して必ずしも最適な評価ができていなかったものと考えられる。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、VITパターン及びラインパターンの観察・評価の両立が可能な荷電粒子線装置を提供することにある。
上記目的を達成するための一実施形態として、荷電粒子源と、
試料を載置する試料台と、
対物レンズを含み、前記荷電粒子源から放出された荷電粒子を荷電粒子線として前記試料に照射する荷電粒子線光学系と、
前記荷電粒子線を照射することにより前記試料から放出される二次粒子を検出する複数の検出器と、
前記試料から放出された前記二次粒子の前記検出器における検出方位角を、磁気的、電気的或いは機械的に変更する回転手段と、
を有することを特徴とする荷電粒子線装置とする。
また、他の実施形態として、荷電粒子源と、
試料を載置する試料台と、
前記荷電粒子源から放出された荷電粒子を荷電粒子線として前記試料に照射する荷電粒子線光学系と、
前記荷電粒子線の光軸に対して対称な位置に配置され、前記荷電粒子線を照射することにより前記試料から放出される二次粒子を検出する複数の検出器と、
前記試料から放出された前記二次粒子の前記検出器における検出方位角を変更する回転手段と、
前記二次粒子の検出角度の指定を行う画面を表示するモニタに接続され、前記各構成要素を制御する制御部と、
を有することを特徴とする荷電粒子線装置とする。
本発明によれば、VITパターン及びラインパターンの観察・評価の両立が可能な荷電粒子線装置を提供することができる。
第一の実施例に係る走査電子顕微鏡の概略構成断面図(一部ブロック図)である。 走査電子顕微鏡による陰影像の形成原理を説明するための図の一例である。 走査電子顕微鏡による陰影像の形成原理を説明するための図の他の例である。 垂直ラインパターンにおける二台の検出器の最適配置の例である。 傾斜ラインパターンにおける二台の検出器の最適配置の例である。 四台の検出器を用いた場合のラインパターンにおける検出器の最適配置の例である。 四台の検出器を用いた場合のVITパターンにおける検出器の最適配置の例である。 図1に示す走査電子顕微鏡において、対物レンズの一部の磁路を加速電極として使用した例を示す概略要部断面図(一部ブロック図)である。 従来の検出器へ向かう2次粒子の軌道の一例を示す上面図である。 従来の検出アクセプタンスの例である。 図1に示す走査電子顕微鏡における検出器へ向かう2次粒子の軌道の一例を示す上面図である。 図1に示す走査電子顕微鏡における検出アクセプタンスの例である。 図1に示す走査電子顕微鏡において、一次電子線の光軸とコイルの間に磁気シールドを配置した例を示す概略要部断面図(一部ブロック図)である。 図1に示す走査電子顕微鏡において、反射板を設置して、二次粒子が反射板に衝突することで発生した二次粒子を検出する例を示す概略要部断面図(一部ブロック図)である。 第一の実施例に係る走査電子顕微鏡を用いて、方位角の回転角度を指定するGUIの一例を示す図である。 第一の実施例に係る走査電子顕微鏡を用いて、方位角の回転角度を指定して画像を取得するフローチャートである。 図1に示す走査電子顕微鏡において、切り欠きをもつ磁極でコイルを覆った例を示す概略要部断面図(一部ブロック図)である。 第一の実施例に係る走査電子顕微鏡において、四台の検出器を配置し、検出器の間に電極を配置したときの二次電子の軌道の一例を示す上面図である。 第一の実施例に係る走査電子顕微鏡において、四台の検出器を配置し、検出器の間に電極を配置したときの検出アクセプタンスの例である。 第二の実施例に係る走査電子顕微鏡の概略要部断面図(一部ブロック図)である。 第二の実施例係る走査電子顕微鏡における回転制御電極の形状の一例を示す平面図である。 第三の実施例に係る走査電子顕微鏡の概略要部断面図(一部ブロック図)である。 第四の実施例に係る走査電子顕微鏡の概略要部断面図(一部ブロック図)である。
以下、本発明の実施例について、図を用いて説明する。なお、実施例では電子顕微鏡を例に説明するが、イオン顕微鏡等への適用も可能である。また、図2A、図2B以降の図において、図1と同じ機能部分には図1と同じ番号を付し、重複する説明を省略する。
図1は本発明の第1の実施例に係る走査電子顕微鏡の概略図である。本実施例では、半導体ウエハなどの大型試料に対して、ウエハに形成されたパターンの測長、形成されたパターン上の欠陥や異物の検査を行うことを目的とし、一次電子線のエネルギーを数10eVから数keVの低入射エネルギーとした場合の構成を用いている。ただし、本実施例と同様に複数の検出器を備えた電子顕微鏡であれば対象としている試料や目的、入射エネルギーが大きくても適用が可能である。
装置内の電圧や電流の設定は制御テーブル31に保存された条件を装置全体の制御演算装置28が読み出し、符号21から27の各制御部を用いて行う。オペレータが測定条件を変更するように指示した場合には自動で制御テーブル31を読み出し、制御パラメータの変更を行う。なお、符号21は電子銃制御部、符号22は集束レンズ制御部、符号23は走査偏向器制御部、符号24はコイル制御部、符号25は対物レンズ制御部、符号26は加速電極制御部、符号27は試料ホルダ制御部を示す。
電界放出陰極101と引出電極102の間に引出電圧を印加すると、放出電子(一次電子線)103が放出される。放出電子103は引出電極102と接地電位にある陽極104の間でさらに加速される。陽極104を通過した電子ビームのエネルギーは電子銃(電界放出陰極101と引出電極102とを含む)の加速電圧と一致する。陽極104を通過した一次電子ビームは集束レンズ105で集束され、上走査偏向器109、下走査偏向器110で走査偏向を受けた後、対物レンズ17で試料上に細く絞られる。対物レンズ17は対物レンズコイル14と上側磁極15と下側磁極16から構成され、対物レンズコイル14で発生した磁界を上下磁極のギャップから漏洩させて光軸上に集中させ、電子ビーム103を収束させる。磁界レンズの強度は対物レンズコイル14の電流量を変化させることで調整する。試料ホルダ19には負の電圧が印加されている。対物レンズ17を通過した一次電子ビームは、対物レンズ17と試料18の間に作られた減速電界で減速され、試料18に到達する。この構成では、対物レンズ17を通過するときの一次電子のエネルギーは試料18に入射するエネルギーよりも高くなっている。この結果、最終的なエネルギーの一次電子ビームを対物レンズ17に通す場合に比較すると、対物レンズ17での色収差が減少し、より細い電子ビームが得られて高い分解能を達成する。
対物レンズ17の一次電子ビームの開き角は集束レンズ105の下方に置かれた絞り106で決められる。絞り106のセンタリングは調整つまみ107で行う。図では機械的な調節を行っているが、絞り106の前後に静電偏向器または磁界偏向器を設け、電子ビームを偏向させて調整してもよい。電子ビームは上走査偏向器109と下走査偏向器110で試料上を走査されるが、このとき上走査偏向器109と下走査偏向器110の偏向方向と強度は走査した電子ビームが常に対物レンズ17の中央を通るように調整されている。
一次電子線103が試料18に照射されると、二次粒子20aと20bが発生する。二次粒子は広いエネルギー分布を有する。試料に入射した一次電子が固体表面の原子により弾性散乱され、試料表面から放出される電子がある。これは反射電子と呼ばれ、一次電子線と同等、あるいはある程度高いエネルギーを有する。一方、試料に入射した一次電子が試料内の原子と相互作用し、試料内の電子が励起されて運動エネルギーを得て外部に放出される電子がある。これは二次電子と呼ばれ、一般的に0eVから50eV程度までの範囲のエネルギーを有する。以下、本実施例では二次電子と反射電子を総称して二次粒子と呼ぶ。
対物レンズ17と試料18の間に作られた一次電子線103に対する減速電界は、試料18で発生した二次粒子20aと20bに対しては加速電界として働き、対物レンズ17の通路内に吸引され、加速電極13による加速電界と対物レンズ17の磁界でレンズ作用を受けながら装置の上方に昇っていく。レンズ磁界により二次粒子はエネルギーに依存した回転を生じるが、対物レンズ17と試料18の間に作られた加速電界により高速にレンズ磁界内を通過させることで、エネルギーによる回転角の差を低減させ、検出器において試料での方位角情報を保存している。
ここで、加速電極13は特別に電極を設置せず、図5に示すように対物レンズ17の上側磁極15を加速電極13aとして使用し、加速電極13aに独立して電圧を印加してもよい。なお、加速電極13aのみに電圧を印加するため、空間を空けるか絶縁体を間に挟むことで下側磁極16と絶縁する。
加速された二次粒子20aと20bのうち、試料18の面に対して小さな角度をなす方向に放出した二次粒子20aは、光軸から離れる方向に放出された後に対物レンズ17の漏洩磁場によって光軸側に引き戻され、対物レンズ17を通過して光軸から離れた位置に配置された検出器11aと11bにより検出される。図では検出器は一次電子線の光軸に対して軸対称に二台設置しているが、複数台設置してもよい。一方、試料18の面に対して大きな角度をなす方向に放出した二次粒子20bは、一次電子線103とほぼ同じ軌道を通るため、検出器11aと11bでは検出できず、反射板108に衝突する。反射板では二次粒子20bの衝突によって再び二次粒子20cが発生する。発生した二次粒子20cは、反射板108よりも試料側に配置された検出器11cで検出される。なお、反射板108の代わりにマイクロチャンネルプレートや半導体検出器を用いて直接二次粒子を検出してもよい。検出器11cに到達した二次粒子は、輝度変調入力信号となり画像として構成され、モニタ30に表示されて記録装置29に保存される。
検出器11aと11bで検出される仰角成分は、検出器11aと11bの設置位置、試料ホルダ19に印加する電圧、加速電極13の電圧、加速電圧を調整することによって制御される。検出器11aと11bにて検出された試料像は、図2A、図2Bに示したように試料18の凹凸に応じて明暗の陰影がついた像となる。
本実施例に係る走査電子顕微鏡の特徴は、対物レンズ17と検出器11aと11bの間に設置したコイル12である。この機能について図6A乃至図6Dを用いて説明する。図6A、図6Cは電子源側から見た配置であり、機能を説明しやすいように検出器と二次粒子の軌道のみを記載している。ここでは、光軸に軸対称に四台の検出器47a〜47dをX軸およびY軸から45°傾けて設置している。試料から放出された二次粒子は対物レンズ17の磁界によってローレンツ力を受けて回転するが、本説明では考慮しない。また、X軸からの傾きを方位角θ、Z軸からの傾きを仰角φと定義する。
まずは、本実施例の特徴であるコイル12を設置しない場合の二次粒子の軌道と検出アクセプタンスを図6Aと図6Bに示す。検出器47a〜47dでは、45度、135度、225度、315度方向に向かった二次粒子48a〜48dを検出する。試料から放出された二次粒子は、方位角方向の全方位に広がっており、一台の検出器で検出できる方位角の範囲は、検出器周りの電界によって決まる。ここで、一台の検出器で90°分の範囲の方位角を検出でき、四台の検出器で全ての方位角成分を検出できると仮定すると、検出アクセプタンスは図6Bのようになる。検出器47aでは45°±45°、検出器47bでは135°±45°、検出器47cでは225°±45°、検出器47dでは315°±45°の二次粒子を検出している。0度からα度の仰角成分は、試料18の面に対して大きな角度をなす方向に放出した二次粒子20bに該当し、検出器47a〜47dでは検出されない成分である。また、β度から90度の仰角成分は、試料18の面に対して特に小さな角度をなす方向に放出した二次粒子に該当し、試料や対物レンズへの衝突により検出器47a〜47dでは検出されない成分である。
次に、本実施例の特徴であるコイル12を設置し、二次粒子が45度回転するようにコイルに直流電流を流した場合の二次粒子の軌道と検出アクセプタンスを図6Cと図6Dに示す。ここでは、反時計回りに直流電流を流し、紙面の奥から手前に向かって磁界を発生させている。検出器47a〜47dでは、0度、90度、180度、270度方向に向かった二次粒子49a〜49dを検出する。四台の検出器で全ての方位角成分を検出できると仮定すると、検出アクセプタンスは図6Dとなる。検出器47aでは0°±45°、検出器47bでは90°±45°、検出器47cでは180°±45°、検出器47dでは270°±45°の二次粒子を検出し、コイル12の設置前に較べて各検出器で検出される方位角成分を45度回転させることができる。この検出器配置は図4Aに示すラインパターンに最適な検出器配置であるが、コイル12に直流電流を流して磁場を発生させることで、図4Bに示すVITパターンに最適な検出器配置と同等の機能を得ることができる。ここでは、二次粒子が45度回転する場合の結果を述べたが、コイル12に流す直流電流の向きや大きさを調整することで、二次粒子を回転させる方向や大きさを制御でき、様々な観察対象に対して最適な条件での観察が可能となる。これにより、VITパターン、及びラインパターンの観察が両立可能なだけでなく、任意の方位角の二次粒子を検出することができる。例えば、ランダムな方向を有するスクラッチ等の観察も可能となる。なお、このとき発生する磁場は二次粒子を回転させる効果をもつが、同時に一次電子ビームを回転させる。したがって、回転角度を変える、すなわちコイル12に流す直流電流の向きや大きさを変えるときは一次電子ビームの偏向の回転や倍率を連動させて回転させない場合と同じビーム条件となるように補正する。
図7は本実施例の他の例を示す概略図である。電界放出陰極101から下走査偏向器110までの構成は図1と同じであるため、図7には検出器11aと11bより下方の構成を記載した。コイル12で発生した磁界は、磁極を設けていないため一次電子線103の光軸まで広がっており、一次電子線103の特性や軌道を変化させる。この影響をなるべく小さくするために、図7に示すように光軸とコイル12の間に磁性材で作製された磁気シールド50を配置し、磁界の光軸への漏れ出しを抑制する。
図8は本実施例の他の例を示す概略図である。電界放出陰極101から下走査偏向器110までの構成は図1と同じであるため、図8には検出器11aと11bより下方の構成を記載した。検出器11aと11bで検出される二次粒子20aの放出仰角は、加速電圧や加速電極13の電圧、試料ホルダ19の電圧に依存する。これらの電圧が大きくなると、二次粒子の光軸からの広がりは小さくなり、試料18の面に対して大きな角度をなす方向に放出した二次粒子20bの軌道に近づく。分解能を向上させるためにこれらの電圧を大きくする必要がある場合は、新たに反射電極51を設置し、二次粒子20aを反射電極51に衝突させて新たな二次粒子20dを発生させる。検出器11aと11bの前面に+10kV程度の高電圧を印加して二次粒子20dを引き込むことで、二次粒子20dの検出効率を向上させることができる。なお、反射電極51は磁性材で作製し、コイル12で発生した磁界の光軸への漏れを抑制するために、磁性材で構成して図7で記載した磁気シールド50と同等の効果を持たせてもよい。
装置のオペレータが二次粒子の検出角度の指定を行うGUI(Graphical User Interface)の一例を図9に、このGUIを用いて指定した分だけ方位角を回転させて画像取得するフローチャートを図10に示す。ここでは、四台の検出器を軸対称に設置した場合のGUIの例を示す。GUIはモニタ30に表示され、オペレータがモニタ上で操作を行う。4台の検出器から出力される陰影像52a〜52dが、GUI画面上に表示されている。陰影像52a、52b、52c、52dはそれぞれ図6Cの検出器47b、47a、47d、47cに相当する。方位角の回転角は−90°から+90°まで可変であり、回転角はスライダー53を用いて指定してもよいし、角度指定ボックス54内で直接指定してもよい。図中の陰影像はホールパターンを示し、回転角度が反時計回りに45°であるときの各検出器の陰影像を示している。
まず、オペレータが図9のGUI上で所望の回転となるように、スライダー53、あるいは角度指定ボックス54を用いて回転角度を指定する(S1001)。次に、装置が自動でこの回転角を満たすコイル12の電流量を制御テーブル31から自動で選択し(S1002)、コイル制御部24でコイル12に流す電流量の向きや大きさを調整する(S1003)。加速電圧、加速電極13、試料ホルダ19の電圧条件ごとの回転角度とコイル12の電流量の関係は、制御テーブル31にあらかじめ保存しておく。この関係は電磁界計算と電子の軌道計算を用いたシミュレーション結果をもとに作成しても良いし、実験結果をもとに作成しても良い。最後に、検出方位角が回転した画像を取得する(S1004)。これにより、試料の形状に応じて検出する二次粒子の方位角を任意に選択して画像を得ることが可能である。
図11は本実施例の他の例を示す概略図である。電界放出陰極101から下偏向器10までの構成は図1と同じであるため、図11には検出器11aと11bより下方の構成を記載した。図1と全体の構成は同じであるが、コイル12が光軸に向いた位置にギャップをもつ磁極55で覆われている。コイル12に電流を流して発生した磁力線はギャップから空間に漏れ出し、回転対称な磁界を作る。コイル12が磁極で覆われない構造に較べ、磁力線がギャップから集中して漏れ出すため、少ない電流量で狭い範囲に大きな磁界を発生させることができる。大きな磁界ほど二次粒子を大きく回転させることができるため、コイル12単体で使用する場合に較べて大きな効果が得られる。しかし、図11のように磁極を設けると、磁界が強くなり二次粒子の回転作用を大きくすることができるが、同時に一次電子線に対する回転作用も大きくなる。この場合、図7に示すような磁気シールド50を磁極55と光軸の間に設け、光軸への磁場の漏れを減らすことにより一次電子線に対する回転作用を抑制することができる。
図12Aは、本走査電子顕微鏡において、四台の検出器を配置し、検出器の間に電極を配置したときの二次電子の軌道の一例を示す上面図である。また、図12Bは本構成で得られる検出アクセプタンスである。図12Aは電子源側から見た配置である。検出器47a〜47dは光軸に軸対称に四台設置されており、各検出器の間に電極56が設置されている。電極56と検出器47a〜47dが形成する電場は、試料から放出された二次粒子の方位角方向に作用する。したがって、電極56に印加する電圧を制御することで、隣接する検出器間に飛行する二次粒子を、検出器方向に偏向させたり、検出器から遠ざかる方向に偏向させることができる。図6Bと図6Dに示すように、全ての方位角成分を検出できるように装置が設計されている場合は、電極56に正の電圧を印加することで、二次粒子を検出器から遠ざかる方向に偏向し、一台の検出器で検出できる方位角を制限するように使用することができる。一方、装置の設計上、一台の検出器で90°成分を検出できない場合は、電極56に負の電圧を印加して二次粒子を検出器に向かう方向に偏向し、一台の検出器で検出できる方位角を広げるように使用することができる。また、正の電圧を印加することで、検出できる方位角をさらに制限するように使用してもよい。
このように、検出器間に電極を設置することで、一台の検出器で検出できる方位角を制御できるようになった。一台の検出器で検出できる方位角成分をθ°±θ°と記述すると、電極56ではθの大きさを制御することになる。本実施例の特徴である回転手段(コイル12及びコイル制御部24)はθを制御しており、回転手段と電極56の組み合わせにより、検出できる方位角の中心角および幅を任意に設定することができ、観察対象に応じてこれらを制御することで、高精度な観察が可能となる。ここで、図12Aでは軸対称に四台の検出器を配置した例を示したが、四台より多くても少なくてもよい。電極56に該当する電極は検出器と同数個配置してもよいし、多くても少なくてもよい。また、このとき、電極に印加する電圧は、全て同一の電圧を印加してもよいし、各々で変えても良い。もし、同一の電圧を印加する場合は、一体化した電極としてもよい。
以上、本実施例によれば、VITパターン及びラインパターンの観察・評価の両立が可能な荷電粒子線装置を提供することができる。また、試料の形状に応じて検出する二次粒子の方位角を任意に選択して画像を得ることが可能である。また、二次粒子の加速電極として対物レンズの上側磁極を用いることにより新たな加速電極の設置を省くことができる。また、光軸とコイル12との間に磁気シールドを配置することにより、コイル12の磁界の光軸への漏れ出しを抑制することができる。また、試料面に対して小さな角度をなす方向に放出された二次粒子の衝突により新たな二次粒子を発生させるための反射板を配置することにより二次粒子の検出効率を向上させることができる。また、光軸に向いた位置にギャップを有しコイル12を覆う磁極を配置することにより、二次粒子を大きく回転させることができる。また、検出器の間に電極を配置することにより、一台の検出器で検出できる二次粒子の方位角を制限、或いは広げることができる。
第2の実施例について図13と図14を用いて説明する。なお、実施例1に記載され本実施例に未記載の事項は特段の事情がない限り、本実施例にも適用することができる。
実施例1では磁界により二次粒子を回転させる例について説明したが、本実施例では電界により二次粒子を回転させる例について説明する。図13は本実施例に係る走査電子顕微鏡の概略図である。電界放出陰極101から下走査偏向器110までの構成は図1と同じであるため、図13には検出器11aと11bより下方の構成を記載した。一次電子線103の照射により試料18から放出された二次粒子は、対物レンズ17と試料18の間に作られた加速電界により対物レンズ17の通路内に吸引され、加速電極13による加速電界と対物レンズ17の磁界でレンズ作用を受けながら装置の上方に昇っていく。対物レンズ17の上方には、回転制御電極58が設置されている。回転制御電極58に電圧を印加することで回転して昇ってきた二次粒子の軌道を変化させ、各検出器で検出される方位角を変化させる。回転制御電極58は、例えば図14に示すように、スクリュー型の構造を持ち、一次電子線103が通過するための中心穴60と二次粒子を通過させるためのメッシュ(網目)61を備えている。メッシュ61はスクリューの羽根の領域に等電位を与えるために使用しているが、等電位が必要でない場合は設けなくてもよい。また、光軸と回転制御電極58との間にシールド電極57を設けており、回転制御電極58で形成される電界の光軸への漏れ出しを抑え、一次電子線への影響を低減している。
回転制御電極制御部59は、二次粒子に対して所望の回転量を得るために必要な電圧を制御テーブル31から読み出し、回転制御電極58に印加する機能を持つ。加速電圧、加速電極13、試料ホルダ19の電圧条件ごとの回転角度と回転制御電極58の電圧の関係は、制御テーブル31にあらかじめ保存しておく。この関係は電磁界計算と電子の軌道計算を用いたシミュレーション結果をもとに作成しても良いし、実験結果をもとに作成しても良い。
本実施例では、四台の検出器を配置した場合の回転制御電極58の構造として、4枚の羽根をもつスクリュー型をあげたが、検出器の台数に合わせて羽根の枚数を変えることができる。例えば、二台の検出器を用いた場合には、2枚の羽根をもつスクリュー型の回転制御電極58を配置する。なお、本実施例では電界で二次粒子を回転させるためにスクリュー型の回転制御電極58をあげたが、二次粒子を回転させることができれば他の電極形状でもよい。
以上、本実施例においても、VITパターン及びラインパターンの観察・評価の両立が可能な荷電粒子線装置を提供することができる。また、試料の形状に応じて検出する二次粒子の方位角を任意に選択して画像を得ることが可能である。また、光軸と回転制御電極58との間にシールド電極を配置することにより、回転制御電極58の電界の光軸への漏れ出しを抑制することができる。
第3の実施例について図15を用いて説明する。なお、実施例1又は2に記載され本実施例に未記載の事項は本実施例にも適用することができる。
実施例1および実施例2では、試料18から放出された二次粒子20aを、磁界または電界を用いて回転させて検出器11aと11bで検出する例について説明した。本実施例では検出器11aと11b、あるいは試料ホルダ19を光軸に対して機械的に回転させることで、検出される二次粒子の方位角を回転させる例について説明する。図15は本実施例に係る走査電子顕微鏡の概略図である。電界放出陰極101から下走査偏向器110までの構成は図1と同じであるため、図15にはこれらの構造の記載は省略した。
実施例1および実施例2で説明した構成では、検出器11aと11bや試料ホルダ19は固定されている。したがって、検出器11aと11bで検出される方位角成分は、加速電圧、加速電極13、試料ホルダ19の電圧条件によって決まる。ここで、検出器11aと11bを保持している部材を、光軸を中心にして機械的に回転させる検出器回転モータ62、あるいは、試料ホルダ19を光軸に対して機械的に回転させる試料ホルダ回転モータ63を備えることで二次粒子の検出方位角を回転させる。これらの回転モータを備えることで、実施例1で記載したコイル12や磁極55、または、実施例2で記載した回転制御電極58を配置しなくても、検出方位角を回転させることができる。
以上、本実施例においても、VITパターン及びラインパターンの観察・評価の両立が可能な荷電粒子線装置を提供することができる。また、試料の形状に応じて検出する二次粒子の方位角を任意に選択して画像を得ることが可能である。また、回転モータ62或いは63を設けることにより、電子光学系を変更することなくVITパターン及びラインパターンの観察・評価の両立が可能となる。
第4の実施例について図16を用いて説明する。なお、実施例1乃至実施例3の何れかに記載され本実施例に未記載の事項は特段の事情がない限り、本実施例にも適用することができる。
図16は本実施例に係る走査電子顕微鏡の概略図である。図16に示すように本実施例では、実施例1の図1における検出器11aと11bの代わりに、下走査偏向器110とコイル12の間に4分割された環状検出器64を配置している。なお、電界放出陰極101から下走査偏向器110までの構成は図1と同じであるため、図16にはこれらの構造の記載は省略した。環状検出器64は、マイクロチャンネルプレートや半導体検出器である。試料から放出された二次粒子は、対物レンズ17と試料18の間に作られた加速電界により対物レンズ17の通路内に吸引され、加速電極13による加速電界と対物レンズ17の磁界でレンズ作用を受けながら装置の上方に昇っていく。その後、二次粒子20aはコイル12による回転作用を受け、環状検出器64にて検出される。コイル12に流す電流量を変化させることで、二次粒子20aの回転量は変化し、環状検出器64の区切られた各部分で検出される二次粒子の方位角成分を制御することができる。なお、本実施例では4分割した環状検出器64を記載したが、分割数はこれよりも多くても少なくてもよい。
以上、本実施例においても、VITパターン及びラインパターンの観察・評価の両立が可能な荷電粒子線装置を提供することができる。また、試料の形状に応じて検出する二次粒子の方位角を任意に選択して画像を得ることが可能である。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることも可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
101…電界放出陰極、102…引出電極、103…放出電子(一次電子線)、104…陽極、105…集束レンズ、106…絞り、107…調整つまみ、108…反射板、109…上走査偏向器、110…下走査偏向器、11a,11b,11c…検出器、12…コイル、13,13a…加速電極、14…対物レンズコイル、15…上側磁極、16…下側磁極、17…対物レンズ、18…試料、19…試料ホルダ、20a,20b,20c…二次粒子、21…電子銃制御部、22…集束レンズ制御部、23…走査偏向器制御部、24…コイル制御部、25…対物レンズ制御部、26…加速電極制御部、27…試料ホルダ制御部、28…装置全体の制御部、29…記録装置、30…モニタ、31…制御テーブル、32…一次電子線、33…検出器、34…二次粒子、35…窪みに衝突する二次粒子、36…信号プロファイル、37…検出器、38…二次粒子、39…窪みに衝突する二次粒子、40…信号プロファイル、41…ラインパターン、42a,42b…検出器、43…傾いたのラインパターン、44a,44b…検出器、45a,45b,45c,45d…45°回転させて配置した4台の検出器、46a,46b,46c,46d…ラインの延在方向及びそれに直交する方向に配置した4台の検出器、47a,47b,47c,47d…45°回転させて配置した4台の検出器、48a,48b,48c,48d…45°、135°、225°、315°の方向に放出された二次粒子、49a,49b,49c,49d…0°、90°、180°、270°の方向に放出された二次粒子、50…磁気シールド、51…反射電極、52a,52b,52c,52d…陰影画像、53…スライダー、54…角度指定ボックス、55…磁極、56…方位角制御電極、57…シールド電極、58…回転制御電極、59…回転制御電極制御部、60…中心穴、61…メッシュ、62…検出器回転モータ、63…試料ホルダ回転モータ、64…環状検出器。

Claims (14)

  1. 荷電粒子源と、
    試料を載置する試料台と、
    対物レンズを含み、前記荷電粒子源から放出された荷電粒子を荷電粒子線として前記試料に照射する荷電粒子線光学系と、
    前記荷電粒子線を照射することにより前記試料から放出される二次粒子を検出する複数の検出器と、
    前記試料から放出された前記二次粒子の前記検出器における検出方位角を、磁気的、電気的或いは機械的に変更する回転手段と、
    を有することを特徴とする荷電粒子線装置。
  2. 請求項1記載の荷電粒子線装置において、
    前記回転手段は、前記検出方位角を磁気的に変更する手段であり、前記対物レンズと前記複数の検出器との間に配置されたコイルを含むことを特徴とする荷電粒子線装置。
  3. 請求項2記載の荷電粒子線装置において、
    前記コイルを内包し、前記荷電粒子線の光軸の方向にギャップを有する磁極が更に配置されていることを特徴とする荷電粒子線装置。
  4. 請求項2記載の荷電粒子線装置において、
    前記荷電粒子線の光軸と前記コイルとの間に、磁気シールドが更に配置されていることを特徴とする荷電粒子線装置。
  5. 請求項1記載の荷電粒子線装置において、
    前記複数の検出器は、前記荷電粒子線の光軸に対して軸対称となるように配置されていることを特徴とする荷電粒子線装置。
  6. 請求項1記載の荷電粒子線装置において、
    前記対物レンズは、上側磁極と下側磁極とを有し、
    前記上側磁極は、前記試料から放出された前記二次粒子を前記複数の検出器の方向へ加速する電極を兼ねていることを特徴とする荷電粒子線装置。
  7. 請求項1記載の荷電粒子線装置において、
    前記光軸と前記複数の検出器との間に、前記二次粒子が衝突することにより新たな二次粒子が発生する反射電極が更に配置されていることを特徴とする荷電粒子線装置。
  8. 請求項1記載の荷電粒子線装置において、
    前記複数の検出器の間に、前記二次粒子の方位角方向に作用する電極が更に配置されていることを特徴とする荷電粒子線装置。
  9. 請求項1記載の荷電粒子線装置において、
    前記回転手段は、前記検出方位角を電気的に変更する手段であり、前記対物レンズと前記複数の検出器との間に配置された回転制御電極であることを特徴とする荷電粒子線装置。
  10. 請求項9記載の荷電粒子線装置において、
    前記回転制御電極は、網目状電極であり、
    前記光軸と前記網目状電極との間に、電界シールドが更に配置されていることを特徴とする荷電粒子線装置。
  11. 請求項1記載の荷電粒子線装置において、
    前記回転手段は、前記検出方位角を機械的に変更する手段であり、前記複数の検出器を機械的に回転する手段、或いは前記試料台を機械的に回転する手段であることを特徴とする荷電粒子線装置。
  12. 請求項1記載の荷電粒子線装置において、
    前記複数の検出器は、複数に分割された環状検出器であることを特徴とする荷電粒子線装置。
  13. 荷電粒子源と、
    試料を載置する試料台と、
    前記荷電粒子源から放出された荷電粒子を荷電粒子線として前記試料に照射する荷電粒子線光学系と、
    前記荷電粒子線の光軸に対して対称な位置に配置され、前記荷電粒子線を照射することにより前記試料から放出される二次粒子を検出する複数の検出器と、
    前記試料から放出された前記二次粒子の前記検出器における検出方位角を変更する回転手段と、
    前記二次粒子の方位角の回転角度の指定を行う画面を表示するモニタに接続され、前記各構成要素を制御する制御部と、
    を有することを特徴とする荷電粒子線装置。
  14. 請求項13記載の荷電粒子線装置において、
    前記制御部に接続され、前記モニタから指定された前記回転角度に基づいて前記回転手段を制御するためのデータが保存された制御テーブルが更に配置されていることを特徴とする荷電粒子線装置。
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