以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
〔明視域表示装置100の機能構成例〕
図1は、本発明の一実施形態に係る明視域表示装置100の機能構成例を示すブロック図である。明視域表示装置100は、入力されたレンズ情報に基づいて、眼鏡レンズの明視域を算出し、算出した明視域をグラフィカルに表示する装置である。明視域表示装置100としては、例えば、明視域表示専用機、スマートフォン、携帯電話機、タブレット端末、パーソナルコンピュータ等を用いることができる。
図1に示すように、明視域表示装置100は、タッチパネル101、ディスプレイ102および入力情報記憶部110を備えている。また、明視域表示装置100は、その機能構成として、入力受付部111、明視域算出部112、明視域表示部113およびレンズ情報変更部114を備えている。なお、明視域表示部113は、バー表示部113a、第1の画像表示部113b、第2の画像表示部113c、第3の画像表示部113dおよび第4の画像表示部113eを備えている。
上記各機能ブロック111〜114は、ハードウェア、DSP(Digital Signal Processor)、ソフトウェアの何れによっても構成することが可能である。例えばソフトウェアによって構成する場合、上記各機能ブロック111〜114は、実際にはコンピュータのCPU、RAM、ROMなどを備えて構成され、RAMやROM、ハードディスクまたは半導体メモリ等の記録媒体に記憶されたプログラムが動作することによって実現される。
タッチパネル101は、各種情報(例えば、レンズ情報)を入力するための入力デバイスの一例である。タッチパネル101は、ディスプレイ102の表面に重ねて設けられている。ディスプレイ102は、各種情報(例えば、明視域の表示画面)を表示する。ディスプレイ102には、例えば液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等が用いられる。
入力受付部111は、タッチパネル101の操作による、眼鏡レンズ装着者の視力情報およびレンズ情報の入力を受け付ける。入力受付部111が入力を受け付けた視力情報およびレンズ情報は、入力情報記憶部110に記憶される。入力受付部111が入力を受け付けるレンズ情報には、眼鏡レンズのレンズ種類、処方度数、加入度数が含まれている。また、入力受付部111が入力を受け付ける視力情報には、年齢/調節力、裸眼度数が含まれている。
また、入力受付部111は、タッチパネル101の操作による、表示画面に表示された明視域表示バーの位置および長さの少なくともいずれか一方の変更操作の入力を受け付ける。また、入力受付部111は、既に入力されているレンズ情報(入力情報記憶部110に記憶されたレンズ情報)に対する直接の変更操作の入力を受け付ける。なお、明視域表示バーの変更操作の具体例については、図6および図7を用いて後述する。また、レンズ情報に対する直接の変更操作の具体例については、図3および図5を用いて後述する。
また、入力受付部111は、後述する第1〜第3の画像によって表される眼鏡レンズの明視域が、複数の距離域からなる場合、タッチパネル101の操作による、これら複数の距離域のうちの、表示対象とする距離域の切り替え操作の入力を受け付ける。なお、表示対象とする距離域の切り替え操作の具体例については、図3を用いて後述する。
明視域算出部112は、入力受付部111が視力情報およびレンズ情報の入力を受け付けると、当該視力情報およびレンズ情報に基づいて、従来知られている算出方法を用いて、眼鏡レンズの明視域を算出する。明視域算出部112によって算出される明視域には、距離範囲、左右方向の角度、上下方向の角度が含まれる。例えば、明視域の距離範囲における上限値(遠点)は、主に裸眼度数と処方度数とに基づいて算出される。また、明視域の距離範囲における下限値(近点)は、主に裸眼度数と処方度数と加入度数と調節力とに基づいて算出される。例えば、レンズの種類が「単焦点レンズ」である場合、裸眼度数と処方度数とに基づいて上限値(遠点)が算出され、さらに、この上限値と調節力とに基づいて下限値(近点)が算出される。また、レンズの種類が「遠近累進レンズ」,「中近累進レンズ(中間重視)」,「中近累進レンズ(近用重視)」である場合、裸眼度数と処方度数とに基づいて上限値(遠点)が算出され、さらに、この上限値と加入度数と調節力とに基づいて下限値(近点)が算出される。また、明視域の左右方向の角度および上下方向の角度は、レンズの種類に応じて算出される。これらの情報の算出は、例えば、経験則的に作成したテーブル情報、または、所定の関数式に基づいて行われる。
明視域算出部112は、レンズ情報として入力されたレンズの種類に応じて、1または複数の距離域からなる明視域を算出し得る。例えば、入力されたレンズの種類が単焦点レンズの場合、明視域算出部112は、1の距離域からなる明視域を算出する。一方、入力されたレンズの種類が累進レンズ(遠近両用、中近両用等)の場合、明視域算出部112は、複数の距離域(例えば、遠距離域、中距離域、近距離域)からなる明視域を算出する。この場合、明視域算出部112は、複数の距離域の各々について、少なくとも距離範囲、左右方向の角度、上下方向の角度を算出する。
明視域表示部113は、明視域算出部112によって算出された明視域をグラフィカルにディスプレイ102に表示させる。具体的には、バー表示部113aは、明視域表示部113によって算出された明視域の距離範囲を示す明視域表示バーを、表示画面に表示させる。
また、バー表示部113aは、タッチパネルによる明視域表示バーの変更操作に応じて、当該明視域表示バーの位置および長さの少なくともいずれか一方を変更する。例えば、明視域表示バーの遠距離域側の端部(本実施形態では左端(但し、厳密な左端に限らず、一定の幅があってもよい))が、タップ操作の後にスライド操作された場合、バー表示部113aは、近距離域側の端部の位置とともに、遠距離側の端部の位置を変更する。この場合、明視域表示バーは、長さが変更されることなく、全体の位置が変更されることとなる(図6参照)。
一方、明視域表示バーの近距離域側の端部(本実施形態では右端(但し、厳密な右端に限らず、一定の幅があってもよい))が、タップ操作の後にスライド操作された場合、バー表示部113aは、レンズ種類に応じて、遠距離側の端部(本実施形態では左端部)の位置を固定したまま、近距離域側の端部の位置を変更するか、または、遠距離域側の端部の位置とともに、近距離側の端部の位置を変更する。
例えば、レンズ種類が単焦点レンズの場合、バー表示部113aは、遠距離域側の端部の位置とともに、近距離側の端部の位置を変更する。この場合、明視域表示バーは、長さが変更されることなく、全体の位置が変更されることとなる(図7参照)。また、レンズ種類が累進レンズの場合、バー表示部113aは、遠距離側の端部の位置を固定したまま、近距離域側の端部の位置を変更する。この場合、明視域表示バーは、遠距離側の端部の位置が固定されたまま、全体の長さが変更されることとなる(図11および図12参照)。
また、第1の画像表示部113bは、明視域算出部112によって算出された明視域に関する、眼鏡レンズ装着者の視点から見た正面視の視野範囲(距離範囲及び左右方向の角度)を表す画像(以下、「第1の画像」と示す)を、上記表示画面に表示させる。また、第2の画像表示部113cは、明視域算出部112によって算出された明視域に関する、眼鏡レンズ装着者の上方から見た平面視の視野範囲(距離範囲及び左右方向の角度)を表す画像(以下、「第2の画像」と示す)を、上記表示画面に表示させる。また、第3の画像表示部113dは、明視域算出部112によって算出された明視域に関する、眼鏡レンズ装着者の視点から視認可能な高さ方向(距離範囲及び上下方向の角度)を側方から表す画像(以下、「第3の画像」と示す)を、上記表示画面に表示させる。
また、第4の画像表示部113eは、明視域算出部112によって算出された明視域に関する第4の画像を、上記表示画面における明視域表示バーと同列上に表示させる。第4の画像とは、眼鏡レンズ装着者の視点から見た正面視の視野範囲を表す、眼鏡レンズをイメージした円形の画像(第1の画像と同じ視野範囲を示す画像であって、第1の画像から背景画像を除いたものに相当する)であって、眼鏡レンズ装着者が正面をまっすぐ見たときの視線高さとなる中心位置に目のマーク(所定のマークの一例)を表示したものである。この目のマークにより、眼鏡レンズ装着者が正面をまっすぐ見たときにピントが合う距離域を容易に把握できるようになっている。
なお、第4の画像の表示位置は、明視域表示バーと同列上に限らない。但し、明視域表示バーおよび第4の画像を複数表示する場合に(図8参照)、各明視域表示バーに対応する第4の画像を容易に把握できるという観点から、第4の画像を明視域表示バーと同列上に表示することが好ましい。また、第4の画像において、目のマークの代わりに別のマーク(例えば、「+」マーク)を表示するようにしてもよい。但し、より直観的に把握できるという観点から、目のマークを用いることが好ましい。
明視域表示部113によって複数の距離域からなる明視域が算出された場合、バー表示部113aは、明視域表示バーを、距離域毎に区別して表示画面に表示させる。この場合、第1の画像表示部113b、第2の画像表示部113c、第3の画像表示部113d、第4の画像表示部113eの各々は、第1の画像、第2の画像、第3の画像、第4の画像の各々を、明視域表示バーと同様に距離域毎に区別して上記表示画面に表示させる。
本実施形態では、バー表示部113aは、明視域の各距離域を区別する方法として、距離域毎に表示色を異ならせて、明視域表示バーを表示画面に表示させる。これに応じて、第1の画像表示部113b、第2の画像表示部113c、第3の画像表示部113d、第4の画像表示部113eの各々は、明視域表示バーと同じ表示色を用いて、距離域毎に表示色を異ならせて、第1の画像、第2の画像、第3の画像、第4の画像の各々を表示画面に表示させる。本実施形態では、表示色の一例として、明視域表示バー、第1の画像、第2の画像、第3の画像、第4の画像のいずれにおいても、遠距離域に薄い青色を用い、中距離域に緑色を用い、近距離域に濃い青色を用いている。
また、明視域表示部113は、表示対象とする距離域の切り替え操作の入力を入力受付部111が受け付けた場合、その操作に応じて、表示対象とする距離域の切り替えを行う。例えば、全ての距離域を表示する旨の切り替え操作の入力を入力受付部111が受け付けた場合、明視域表示部113は、第1の画像,第2の画像,第3の画像の各々について、全ての距離域を表示する。一方、いずれか一の距離域を表示する旨の切り替え操作の入力を入力受付部111が受け付けた場合、明視域表示部113は、第1の画像,第2の画像,第3の画像の各々について、その一の距離域のみを表示する。
レンズ情報変更部114は、表示画面に表示された明視域表示バーの位置および長さの少なくともいずれか一方の変更操作の入力を、入力受付部111が受け付けた場合、当該変更操作による変更後の明視域表示バーが示す明視域の距離範囲に応じて、入力情報記憶部110に記憶されたレンズ情報を変更する。具体的には、レンズ情報変更部114は、明視域表示バーの遠距離域側の端部(本実施形態では左端)がタップ操作に続いてスライド操作された場合、そのスライド後の遠距離域側の端部の位置と裸眼度数とに応じて、入力情報記憶部110に記憶されたレンズ情報のうちの処方度数を変更する。また、レンズ情報変更部114は、明視域表示バーの近距離域側の端部(本実施形態では右端)がタップ操作に続いてスライド操作された場合、そのスライド後の近距離域側の端部の位置と遠距離域側の端部の位置と裸眼度数とに応じて、入力情報記憶部110に記憶されたレンズ情報のうちの加入度数を変更する。
また、レンズ情報変更部114は、入力受付部111がレンズ情報に対する直接の変更操作の入力を受け付けると、その操作内容に応じてレンズ情報を変更する。例えば、処方度数を増減する変更ボタン317(図3参照)の操作の入力を入力受付部111が受け付けた場合、入力受付部111は、レンズ情報のうちの処方度数を、操作内容に応じて増減する。また、複数のレンズの種類をリスト表示して、その中から他のレンズ種類を選択する操作の入力を入力受付部111が受け付けた場合、入力受付部111は、レンズ情報のうちのレンズ種類を、選択された他のレンズ種類に変更する。また、加入度数を増減する変更ボタン318(図3参照)の操作の入力を入力受付部111が受け付けた場合、入力受付部111は、レンズ情報のうちの加入度数を、操作内容に応じて増減する。
レンズ情報を変更する方法としては、上記のように明視域表示バーのスライド操作を介してレンズ情報変更部114によってレンズ情報を変更する方法と、ユーザがタッチパネル101の操作によりレンズ情報を直接変更する方法とがある。いずれかの方法により、レンズ情報が変更された場合、入力情報記憶部110に記憶されるレンズ情報は、変更後のレンズ情報へ更新される。また、明視域算出部112は、入力情報記憶部110に記憶された変更後のレンズ情報に基づいて明視域を再算出する。
そして、レンズ情報が直接変更された場合には、バー表示部113aが、明視域算出部112によって再算出された明視域の距離範囲を示す明視域表示バーを、表示画面に表示させる。さらに、第1の画像表示部113b、第2の画像表示部113c、第3の画像表示部113d、第4の画像表示部113eの各々が、明視域算出部112によって再算出された明視域に関する、第1の画像、第2の画像、第3の画像、第4の画像の各々を、表示画面に表示させる。
一方、明視域表示バーのスライド操作によってレンズ情報が変更された場合には、第1の画像表示部113b、第2の画像表示部113c、第3の画像表示部113d、第4の画像表示部113eの各々が、明視域算出部112によって再算出された明視域に関する、第1の画像、第2の画像、第3の画像、第4の画像の各々を、表示画面に表示させる。
また、レンズ情報変更部114は、入力受付部111が入力を受け付けたレンズ情報に対し、レンズ種類が遠近両用レンズに変更された場合、明視域算出部112によって算出される明視域の下限値が所定距離となるように、当該レンズ情報における加入度数を変更する。なお、一般的には、遠近両用レンズの場合、明視域の下限値が40cmとなるように、レンズ情報が処方されることが多い。このため、本実施形態では、上記所定距離を40cmとしているが、これに限らない。
〔明視域表示装置100による初期表示処理の一例〕
図2は、本発明の一実施形態に係る明視域表示装置100による初期表示処理の一例を示すフローチャートである。図2に示す処理は、例えば、ユーザによるタッチパネル101の操作により、当該処理にかかるアプリケーションが起動されてから最初にレンズ情報および視力情報が入力されたときに開始する。
まず、入力受付部111が、レンズ情報および視力情報の入力を受け付ける(ステップS202)。そして、入力情報記憶部110が、ステップS202で入力を受け付けたレンズ情報および視力情報を記憶する(ステップS204)。
次に、明視域算出部112が、ステップS204で記憶されたレンズ情報および視力情報に基づいて、眼鏡レンズの明視域を算出する(ステップS206)。そして、バー表示部113aが、ステップS206で算出された明視域の距離範囲を示す明視域表示バーを、距離域毎に表示色を異ならせて、表示画面に表示させる(ステップS208)。
また、第1の画像表示部113bが、ステップS206で算出された明視域に関する、眼鏡レンズ装着者の視点から見た正面視の視野範囲を表す第1の画像を、明視域表示バーと同じ表示色により距離域毎に表示色を異ならせて、表示画面に表示させる(ステップS210)。
また、第2の画像表示部113cが、ステップS206で算出された明視域に関する、眼鏡レンズ装着者の上方から見た平面視の視野範囲を表す第2の画像を、明視域表示バーと同じ表示色により距離域毎に表示色を異ならせて、表示画面に表示させる(ステップS212)。
また、第3の画像表示部113dが、ステップS206で算出された明視域に関する、眼鏡レンズ装着者の視点から視認可能な高さ方向を側方から表す第3の画像を、明視域表示バーと同じ表示色により距離域毎に表示色を異ならせて、表示画面に表示させる(ステップS214)。
さらに、第4の画像表示部113eが、ステップS206で算出された明視域に関する、眼鏡レンズ装着者の視点から見た正面視の視野範囲を簡易的に表す第4の画像を、明視域表示バーと同じ表示色により距離域毎に表示色を異ならせて、表示画面における明視域表示バーと同列上に表示させる(ステップS216)。そして、明視域表示装置100は、図2に示す一連の処理を終了する。
なお、上記ステップS208,S210,S212,S214,S216において、「距離域毎に表示色を異ならせる」という処理は、複数の距離域からなる累進レンズの場合に適用されるものであり、単一の距離域からなる単焦点レンズの場合には、このような処理は不要である。
〔明視域の表示例〕
図3は、本発明の一実施形態に係る明視域表示装置100による明視域の表示例を示す図である。図3に示す表示画面300は、明視域表示装置100のディスプレイ102に表示された表示画面の一例である。この表示画面300は、情報入力領域310、バー表示領域320、第1画像表示領域330、第2画像表示領域340および第3画像表示領域350を備えて構成されている。
情報入力領域310では、ユーザによるタッチパネル101の操作によるレンズ情報および視力情報の入力、ならびに、入力されたレンズ情報および視力情報の表示が可能となっている。情報入力領域310には、年齢/調節力入力欄311、裸眼度数入力欄312、処方度数入力欄313、レンズ種類入力欄314および加入度数入力欄315が設けられている。年齢/調節力入力欄311には、視力情報の年齢/調節力が入力される。裸眼度数入力欄312には、視力情報の裸眼度数が入力される。処方度数入力欄313には、レンズ情報の処方度数が入力される。レンズ種類入力欄314には、レンズ情報のレンズ種類が入力される。加入度数入力欄315には、レンズ情報の加入度数が入力される。情報入力領域310においてレンズ情報および視力情報が入力されると、明視域算出部112により、入力されたレンズ情報および視力情報に基づいて、眼鏡レンズの明視域が算出される。
また、情報入力領域310には、年齢/調節力変更ボタン316、処方度数変更ボタン317、加入度数変更ボタン318が設けられている。年齢/調節力変更ボタン316は、年齢/調節力入力欄311に入力された年齢/調節力の直接の変更操作(増減)に用いられる。また、処方度数変更ボタン317は、処方度数入力欄313に入力された処方度数の直接の変更操作(増減)に用いられる。また、加入度数変更ボタン318は、加入度数入力欄315に入力された加入度数の直接の変更操作(増減)に用いられる。
バー表示領域320には、明視域算出部112によって算出された明視域の距離範囲を示す横長形状の明視域表示バー321が、バー表示部113aによって表示される。ここで、図3の例では、レンズ種類入力欄314にレンズ種類として「遠近累進レンズ」が入力されている。このため、明視域表示バー321は、近距離域321A、中距離域321B、遠距離域321Cとから構成されている。近距離域321Aは、濃い青色(便宜上、左下がり斜線にて示されている)で示されている。また、中距離域321Bは、緑色(便宜上、ドットパターンにて示されている)で示されている。また、遠距離域321Cは、薄い青色(便宜上、右下がり斜線にて示されている)で示されている。このように、明視域表示バー321は、各距離域321A〜321Cで表示色を異ならせているため、各距離域321A〜321Cの距離範囲を容易且つ視覚的に把握できるようになっている。
バー表示領域320において、明視域表示バー321の隣(同列上)には、第4の画像表示部113eによって第4の画像322が表示されている。第4の画像322は、明視域表示バー321が示す眼鏡レンズの明視域に関する、眼鏡レンズ装着者の視点から見た正面視の視野範囲を、眼鏡レンズをイメージした円形で簡易的に表したものである。明視域表示バー321が遠距離域321A,中距離域321B,近距離域321Cを有しているのに応じて、第4の画像322は、遠距離域322Aと、中距離域322Bと、近距離域322Cとを有している。遠距離域322A,中距離域322B,近距離域322Cは、それぞれ、明視域表示バー321の遠距離域321A,中距離域321B,近距離域321Cと同じ表示色が用いられている。
第4の画像322には、その略中央に目のマークが表示されている。このマークは、眼鏡レンズ装着者が正面をまっすぐ見たときにピントが合う距離域を示すものである。例えば、図3に示す例では、第4の画像322では、目のマークがあるところの距離域は、遠距離域322Aとなっている。これは、眼鏡レンズ装着者の視線の高さが正面方向であったとき、遠距離域322Aにピントが合うことを意味する。
第1画像表示領域330には、明視域算出部112によって算出された明視域に関する、眼鏡レンズ装着者の視点から見た正面視の視野範囲(距離範囲および左右方向の角度)を表す第1の画像が、第1の画像表示部113bによって、あるシーンをイメージした背景画像に対して重ねて表示される。第1の画像は、明視域表示バー321と同様に、遠距離域331Aと、中距離域331Bと、近距離域331Cとを有して構成されている。遠距離域331A,中距離域331B,近距離域331Cは、それぞれ、明視域表示バー321の遠距離域321A,中距離域321B,近距離域321Cと同じ距離範囲を表しており、且つ、同じ表示色が用いられている。
なお、明視域表示装置100では、第1画像表示領域330に表示させることが可能な、6つのシーンの背景画像が用意されている。これに応じて、第1画像表示領域330の隣には、6つのシーンの背景画像の各々に対応する、6つのサムネイル画像371〜376が並べて表示されている。ユーザは、タッチパネル101の操作によって、サムネイル画像371〜376のうちのいずれかを選択することにより、第1画像表示領域330に表示させる背景画像を、選択されたサムネイル画像に対応する背景画像(すなわち、6つのシーンの背景画像のいずれか)とすることができる。
第2画像表示領域340には、明視域算出部112によって算出された明視域に関する、眼鏡レンズ装着者の上方から見た平面視の視野範囲(距離範囲および左右方向の角度)を表す第2の画像が、第2の画像表示部113cによって、あるシーンをイメージした平面的な画像に対して重ねて表示される。第2の画像は、明視域表示バー321と同様に、遠距離域341Aと、中距離域341Bと、近距離域341Cとを有して構成されている。遠距離域341A,中距離域341B,近距離域341Cは、それぞれ、明視域表示バー321の遠距離域321A,中距離域321B,近距離域321Cと同じ距離範囲を表しており、且つ、同じ表示色が用いられている。
第3画像表示領域350には、明視域算出部112によって算出された明視域に関する、眼鏡レンズ装着者の視点から視認可能な高さ方向(距離範囲および上下方向の角度)を側方から表す第3の画像が、第3の画像表示部113dによって表示される。第3の画像は、明視域表示バー321と同様に、遠距離域351Aと、中距離域351Bと、近距離域351Cとを有して構成されている。遠距離域351A,中距離域351B,近距離域351Cは、それぞれ、対応する視線方向を示す矢印形状を有している。具体的には、遠距離域351Aは、正面方向を示す矢印であり、中距離域351Bは、正面方向よりも下向きの矢印であり、近距離域351Cは、正面方向よりもさらに下向きの矢印である。また、遠距離域351A,中距離域351B,近距離域351Cは、それぞれ、明視域表示バー321の遠距離域321A,中距離域321B,近距離域321Cと同じ距離範囲を表しており、且つ、同じ表示色が用いられている。
第3画像表示領域350の隣には、第1画像表示領域330,第2画像表示領域340,第3画像表示領域350に表示させる第1の画像,第2の画像,第3の画像の表示対象とする距離域を切り替えるための、選択ボタン361,362,363,364が並べて表示されている。例えば、ユーザによるタッチパネル101の操作により、「ALL」と表記された選択ボタン361が選択された場合、第1の画像,第2の画像,第3の画像の各々について、全ての距離域(遠距離域、中距離域、近距離域)が表示対象とされる。
また、「UP/F」と表記された選択ボタン362が選択された場合、第1の画像,第2の画像,第3の画像の各々について、遠距離域(右下がり斜線で示されている部分)のみが表示対象とされる。また、「MID/M」と表記された選択ボタン363が選択された場合、第1の画像,第2の画像,第3の画像の各々について、中距離域(ドットパターンで示されている部分)のみが表示対象とされる。また、「DOWN/N」と表記された選択ボタン364が選択された場合、第1の画像,第2の画像,第3の画像の各々について、近距離域(左下がり斜線で示されている部分)のみが表示対象とされる。
例えば、図3の例では、明視域算出部112により、近距離域を33〜40cmとし、中距離域を40〜200cmとし、遠距離域を200〜∞cmとし、各距離域について距離範囲、左右方向の角度、上下方向の角度を含む、明視域が算出されている。これに応じて、明視域表示バー321、第1の画像、第2の画像、第3の画像の各々において、近距離域(33〜40cm)に対応する範囲が、近距離域に対応する色(濃い青色)で示されている。また、中距離域(40〜200cm)に対応する範囲が、中距離域に対応する色(緑色)で示されている。また、遠距離域(200〜∞cm)に対応する範囲が、遠距離域に対応する色(薄い青色)で示されている。
これにより、ユーザは、図3の表示画面300から、視線方向を正面方向とした場合には、遠距離域にピントを合わせることができること、ならびに、その距離範囲(200〜∞cm)および左右方向の範囲を、容易且つ直観的に把握することができる。また、視線方向を正面方向よりも下向きとした場合には、中距離域にピントを合わせることができること、ならびに、その距離範囲(40〜200cm)および左右方向の範囲を、容易且つ直観的に把握することができる。また、視線方向を正面方向よりもさらに下向きとした場合には、近距離域にピントを合わせることができること、ならびに、その距離範囲(33〜40cm)および左右方向の範囲を、容易且つ直観的に把握することができる。
このように、本実施形態の明視域表示装置100によれば、入力されたレンズ情報および視力情報に基づいて、眼鏡レンズの明視域を算出し、算出された明視域をグラフィカルに且つ距離域別に区別して表示する複数種類の表示画像(明視域表示バー,第1の画像,第2の画像,第3の画像,第4の画像)を、同一画面上に並べて表示することができる。これにより、ユーザは、複数種類の表示画像により、入力されたレンズ情報に対応する明視域を、様々な観点(距離範囲、眼鏡レンズ装着者の視点から見た正面方向の実際の見え方、眼鏡レンズ装着者の上方から見た平面視の視野範囲、眼鏡レンズ装着者の視点から視認可能な高さ方向等)から視覚的に確認することができる。特に、複数種類の表示画像の各々において、各距離域に対応する範囲を容易に識別できる。このため、本実施形態の明視域表示装置100によれば、眼鏡レンズの明視域について距離域毎にどのような見え方となるのかをより直観的に把握することができる。
〔明視域表示装置100による表示変更処理の一例〕
図4は、本発明の一実施形態に係る明視域表示装置100による表示変更処理の一例を示すフローチャートである。図4に示す処理は、例えば、図3に示すように、既に入力されたレンズ情報に基づく明視域の画像が表示画面に表示されたときに開始する。
まず、入力受付部111が、明視域表示バーの近距離域側の端部のタップ操作に続くスライド操作を受け付けたか否かを判断する(ステップS402)。ここで、明視域表示バーの近距離域側の端部のタップ操作に続くスライド操作を受け付けたと入力受付部111が判断した場合(ステップS402:Yes)、レンズ情報変更部114が、変更後の明視域表示バーの近距離域側の端部の位置および遠距離域側の端部の位置と、入力情報記憶部110に記憶されている視力情報の裸眼度数とに応じて、レンズ情報の加入度数を変更する(ステップS404)。また、明視域算出部112が、変更されたレンズ情報に基づいて、眼鏡レンズの明視域を算出する(ステップS410)。そして、明視域表示装置100は、ステップS422へ処理を進める。一方、明視域表示バーの近距離域側の端部のタップ操作に続くスライド操作を受け付けていないと入力受付部111が判断した場合(ステップS402:No)、明視域表示装置100は、ステップS406へ処理を進める。
ステップS406では、入力受付部111が、明視域表示バーの遠距離域側の端部のタップ操作に続くスライド操作を受け付けたか否かを判断する。ここで、明視域表示バーの遠距離域側の端部のタップ操作に続くスライド操作を受け付けたと入力受付部111が判断した場合(ステップS406:Yes)、レンズ情報変更部114が、変更後の明視域表示バーの遠距離域側の端部の位置と、入力情報記憶部110に記憶されている視力情報の裸眼度数とに応じて、レンズ情報の処方度数を変更する(ステップS408)。また、明視域算出部112が、変更されたレンズ情報に基づいて、眼鏡レンズの明視域を算出する(ステップS410)。そして、明視域表示装置100は、ステップS422へ処理を進める。一方、明視域表示バーの遠距離域側の端部のタップ操作に続くスライド操作を受け付けていないと入力受付部111が判断した場合(ステップS406:No)、明視域表示装置100は、ステップS412へ処理を進める。
ステップS412では、入力受付部111が、レンズ情報(処方度数、加入度数、レンズ種類のいずれか)を直接変更する操作を受け付けたか否かを判断する。ここで、レンズ情報を直接変更する操作を受け付けていないと入力受付部111が判断した場合(ステップS412:No)、明視域表示装置100は、ステップS402以降の処理を再度実行する。
一方、レンズ情報を直接変更する操作を受け付けたと入力受付部111が判断した場合(ステップS412:Yes)、レンズ情報変更部114が、レンズ情報のうちのレンズ種類が遠近両用レンズに変更されたか否かを判断する(ステップS414)。ここで、レンズ種類が遠近両用レンズに変更されていないとレンズ情報変更部114が判断した場合(ステップS414:No)、明視域表示装置100は、ステップS418へ処理を進める。一方、レンズ種類が遠近両用レンズに変更されたとレンズ情報変更部114が判断した場合(ステップS414:Yes)、レンズ情報変更部114が、明視域の下限値が40cmとなるように、レンズ情報の加入度数を変更する(ステップS416)。そして、明視域表示装置100は、ステップS418へ処理を進める。
ステップS418では、明視域算出部112が、変更されたレンズ情報に基づいて、眼鏡レンズの明視域を算出する。そして、バー表示部113aが、ステップS418で算出された明視域の距離範囲を示す明視域表示バーを、距離域毎に表示色を異ならせて、表示画面に表示させる(ステップS420)。そして、明視域表示装置100は、ステップS422へ処理を進める。
ステップS422では、第1の画像表示部113bが、ステップS410またはS418で算出された明視域に関する、眼鏡レンズ装着者の視点から見た正面視の視野範囲を表す第1の画像を、明視域表示バーと同じ表示色により距離域毎に表示色を異ならせて、表示画面に表示させる。
また、第2の画像表示部113cが、ステップS410またはS418で算出された明視域に関する、眼鏡レンズ装着者の上方から見た平面視の視野範囲を表す第2の画像を、明視域表示バーと同じ表示色により距離域毎に表示色を異ならせて、表示画面に表示させる(ステップS424)。
また、第3の画像表示部113dが、ステップS410またはS418で算出された明視域に関する、眼鏡レンズ装着者の視点から視認可能な高さ方向を側方から表す第3の画像を、明視域表示バーと同じ表示色により距離域毎に表示色を異ならせて、表示画面に表示させる(ステップS426)。
さらに、第4の画像表示部113eが、ステップS410またはS418で算出された明視域に関する、眼鏡レンズ装着者の視点から見た正面視の視野範囲を簡易的に表す第4の画像を、明視域表示バーと同じ表示色により距離域毎に表示色を異ならせて、表示画面における明視域表示バーと同列上に表示させる(ステップS428)。そして、明視域表示装置100は、図4に示す一連の処理を終了する。
なお、上記ステップS420,S422,S424,S426,S428において、「距離域毎に表示色を異ならせる」という処理は、複数の距離域からなる累進レンズの場合に適用されるものであり、単一の距離域からなる単焦点レンズの場合には、このような処理は不要である。
〔明視域表示装置100による明視域表示バーの変更例(第1例)〕
図5は、本発明の一実施形態に係る明視域表示装置100による明視域表示バーの変更例(第1例)を示す図である。図5(a)は、レンズ情報のレンズ種類に単焦点レンズが入力された例を示している。図5(b)は、レンズ情報のレンズ種類が遠近両用レンズに変更された例を示している。このように、既に入力済みのレンズ情報に対し、レンズ種類が遠近両用レンズに変更された場合、レンズ情報変更部114により、明視域算出部112によって算出される明視域の下限値が40cmとなるように、レンズ情報における加入度数が変更される。
例えば、図5に示す例では、ユーザによるタッチパネル101の操作により、レンズ種類が「単焦点レンズ」から「遠近累進レンズ」に変更されている。これに応じて、バー表示領域320に表示される明視域表示バーが、単焦点レンズ用の明視域表示バー323から、遠近累進レンズ用の明視域表示バー325へ変更されている。また、バー表示領域320において、眼鏡レンズ装着者の視点から見た正面視の視野範囲を、眼鏡レンズをイメージした円形で表すものとして、第4の画像324に代えて第4の画像326が表示されている。加えて、レンズ情報変更部114により、入力欄315において加入度数が「0.00D」から「+2.50D」に変更されており、これにより、明視域表示バー325によって示される明視域の下限値が40cmに設定されている。一般的には、遠近累進レンズの場合、明視域の下限値が40cmとなるように、レンズ情報が処方されることが多いからである。
〔明視域表示装置100による明視域表示バーの変更例(第2例)〕
図6は、本発明の一実施形態に係る明視域表示装置100による明視域表示バーの変更例(第2例)を示す図である。図6(a)は、表示画面300のバー表示領域320に表示された明視域表示バー323の変更前の状態を示している。図6(b)は、表示画面300のバー表示領域320に表示された明視域表示バー323の変更後の状態を示している。
図6(a)に示すように、レンズ種類として単焦点レンズが選択されている場合、ユーザが、タッチパネル101の操作により、明視域表示バー323の左端部をタップ操作に続いて右方向へスライド操作すると、明視域表示バー323は、図6(b)に示すように、全幅が変更されることなく、全体的に右方向へ移動する。この場合、レンズ情報変更部114によって、レンズ情報が移動後の明視域表示バー323が示す明視域に対応するものとなるように、レンズ情報の処方度数が変更される。
例えば、図6に示す例では、ユーザによるタッチパネル101の操作により、明視域表示バー323の左端が∞cmから200cmになるように、明視域表示バー323が全体的に右方向へ移動されている。これにより、レンズ情報変更部114によって、変更後の明視域表示バー323の遠距離域側の端部の位置(200cm)と、入力情報記憶部110に記憶されている視力情報の裸眼度数(−2.00D)とに応じて処方度数が変更され、情報入力領域310の入力欄313において、レンズ情報の処方度数が「−2.00D」から「−1.50」に変更されている。このとき、加入度数は変更されない。
〔明視域表示装置100による明視域表示バーの変更例(第3例)〕
図7は、本発明の一実施形態に係る明視域表示装置100による明視域表示バーの変更例(第3例)を示す図である。図7(a)は、表示画面300のバー表示領域320に表示された明視域表示バー323の変更前の状態を示している。図7(b)は、表示画面300のバー表示領域320に表示された明視域表示バー323の変更後の状態を示している。
図7(a)に示すように、レンズ種類として単焦点レンズが選択されている場合、ユーザが、タッチパネル101の操作により、明視域表示バー323の右端部をタップ操作に続いて右方向へスライド操作すると、明視域表示バー323は、図7(b)に示すように、全幅が変更されることなく、全体的に右方向へ移動する。この場合、レンズ情報変更部114によって、レンズ情報が移動後の明視域表示バー323が示す明視域に対応するものとなるように、レンズ情報の加入度数が変更される。
例えば、図7に示す例では、ユーザによるタッチパネル101の操作により、明視域表示バー323の右端がおよそ80cmからおよそ60cmになるように、明視域表示バー323が全体的に右方向へ移動されている。これにより、レンズ情報変更部114によって、変更後の明視域表示バー323の近距離域側の端部の位置(およそ60cm)および遠距離域側の端部の位置(200cm)と、入力情報記憶部110に記憶されている視力情報の裸眼度数(「−2.00D」)とに応じて加入度数が変更され、情報入力領域310の入力欄315において、レンズ情報の加入度数が「0.00D」から「+0.50D」に変更されている。このとき、処方度数は変更されない。
このように、本実施形態の明視域表示装置100は、ユーザのタッチパネル101の操作による明視域表示バーの直観的な操作により、明視域表示バーが示す明視域を、ユーザが所望する距離範囲を有するものへと容易に変更することができる。そして、情報入力領域310に表示されるレンズ情報を、変更後の明視域に対応するレンズ情報へと、自動的に変更して、ユーザに提示することができる。その際、タップ操作を行う位置により、変更したいレンズ情報(処方度数または加入度数)の選択を容易に行うことができる。これにより、ユーザにあった眼鏡レンズの提案を、容易且つ視覚的に行うことができる。
なお、図5〜図7の例において、図示は省略するが、レンズ情報が変更されたことに連動して、明視域算出部112により、当該変更後のレンズ情報に基づいて明視域が再算出される。また、図5の例においては、明視域表示部113により、バー表示領域320に表示される明視域表示バーが、再算出された明視域に対応するものへと自動的に変更される。さらに、図5〜図7の例において、明視域表示部113により、第1画像表示領域330,第2画像表示領域340,第3画像表示領域350(図3参照)に表示される第1の画像,第2の画像,第3の画像、およびバー表示領域320に表示される第4の画像が、再算出された明視域に対応するものへと自動的に変更される。これにより、ユーザは、変更後のレンズ情報にかかる眼鏡レンズの明視域を、容易且つ視覚的に把握することができる。
〔複数の明視域表示バーの表示例〕
図8は、本発明の一実施形態に係る明視域表示装置100による複数の明視域表示バーの表示例を示す図である。図8に示す表示画面800は、情報入力領域310に複数のレンズ情報および視力情報の組み合わせの入力ができるようになっている。明視域表示装置100では、ユーザがタッチパネル101により所定の操作を行うことで、図3に示すように、明視域表示バーとともに第1〜第3の画像を表示する表示モードと、図8に示すように、明視域表示バーとともに複数の入力情報を表示する表示モードとを切り替えることができるようになっている。図8に示す例では、情報入力領域310において、3つのレンズ情報および視力情報の組み合わせが入力されている。これに応じて、バー表示領域320において、3つの明視域表示バー801,802,803と、3つの第4の画像821,822,823とが表示されている。図8に例示する3つのレンズ情報および視力情報の組み合わせでは、レンズ種類が互いに異なり、その他(年齢/調節力、裸眼度数、処方度数および加入度数)については互いに同一である。
バー表示領域320の1行目(「SCENE1」と示された行)に表示されている明視域表示バー801は、情報入力領域310の1行目(「SCENE1」と示された行)に入力されたレンズ情報および視力情報に基づいて、明視域算出部112によって算出された明視域の距離範囲を表すものである。また、明視域表示バー801の隣(同列上)に表示されている第4の画像821は、明視域表示バー801が示す眼鏡レンズの明視域に関する、眼鏡レンズ装着者の視点から見た正面視の視野範囲を簡易的に表すものである。第4の画像821は、明視域表示バー801の遠距離域,中距離域,近距離域と同じ表示色により、遠距離域,中距離域,近距離域が識別可能に区別されて表示されている。
バー表示領域320の2行目(「SCENE2」と示された行)に表示されている明視域表示バー802は、情報入力領域310の2行目(「SCENE2」と示された行)に入力されたレンズ情報および視力情報に基づいて、明視域算出部112によって算出された明視域の距離範囲を表すものである。また、明視域表示バー802の隣(同列上)に表示されている第4の画像822は、明視域表示バー802が示す眼鏡レンズの明視域に関する、眼鏡レンズ装着者の視点から見た正面視の視野範囲を簡易的に表すものである。第4の画像822は、明視域表示バー802の遠距離域,中距離域,近距離域と同じ表示色により、遠距離域,中距離域,近距離域が識別可能に区別されて表示されている。
バー表示領域320の3行目(「SCENE3」と示された行)に表示されている明視域表示バー803は、情報入力領域310の3行目(「SCENE3」と示された行)に入力されたレンズ情報および視力情報に基づいて、明視域算出部112によって算出された明視域の距離範囲を表すものである。また、明視域表示バー803の隣(同列上)に表示されている第4の画像823は、明視域表示バー802が示す眼鏡レンズの明視域に関する、眼鏡レンズ装着者の視点から見た正面視の視野範囲を簡易的に表すものである。第4の画像823は、明視域表示バー803の遠距離域,中距離域,近距離域と同じ表示色により、遠距離域,中距離域,近距離域が識別可能に区別されて表示されている。
図8に示す、3つの明視域表示バー801,802,803は、レンズ種類以外のレンズ情報および視力情報(年齢/調節力、裸眼度数、加入度数および処方度数)が互いに同一であるために、明視域の全体の距離範囲が、互いに同一の33〜∞cmとなっている。一方、3つの明視域表示バー801,802,803は、レンズ種類が互いに異なるために、中距離域の距離範囲が互いに異なっている。
例えば、レンズ種類に「遠近累進レンズ」が入力された明視域表示バー801は、中距離域の距離範囲が、40〜200cmである。また、レンズ種類に「中近累進レンズ(中間重視)」が入力された明視域表示バー802は、中距離域の距離範囲が、40〜130cmである。また、レンズ種類に「中近累進レンズ(近用重視)」が入力された明視域表示バー802は、中距離域の距離範囲が、40〜100cmである。
また、情報入力領域310に入力された3つのレンズ情報において、レンズ種類が互いに異なることにより、3つの第4の画像821,822,823において、眼鏡レンズ装着者の視点から見た正面視の視野範囲が互いに異なっている。
例えば、第4の画像821は、「遠近累進レンズ」が選択された眼鏡レンズの明視域を表すものであるため、遠距離域の横幅が最も広くなっている。また、目のマークが表示されている位置(すなわち、眼鏡レンズ装着者が正面をまっすぐ見たときにピントが合う距離域)が、遠距離域となっている。
また、第4の画像822は、「中近累進レンズ(中間重視)」が選択された眼鏡レンズの明視域を表すものであるため、第4の画像821よりも遠距離域の横幅が狭くなっている。また、目のマークが表示されている位置が、中距離域となっている。
また、第4の画像823は、「中近累進レンズ(近用重視)」が選択された眼鏡レンズの明視域を表すものであるため、第4の画像822よりも遠距離域の横幅がさらに狭くなっている。また、目のマークが表示されている位置が、中距離域となっている。
このように、本実施形態の明視域表示装置100は、複数のレンズ情報および視力情報の組み合わせの入力を受け付けることで、複数の組み合わせに対応する複数の眼鏡レンズの明視域表示バーを、同一画面上に並べて表示することができる。これにより、ユーザは、複数の眼鏡レンズの明視域の距離範囲の比較を、容易且つ視覚的に行うことができる。特に、本実施形態の明視域表示装置100は、レンズ種類に応じて、中距離域の距離範囲が異なる明視域を算出することができるため、ユーザは、レンズ種類が変わると中距離域の距離範囲がどのように変化するかを、容易且つ視覚的に比較することができる。さらに、第4の画像821〜823により、第1〜第3の画像が表示されていない表示モード(図8参照)であっても、複数の眼鏡レンズの各々について、眼鏡レンズ装着者の視点から見た正面視の視野範囲や、眼鏡レンズ装着者が正面をまっすぐ見たときにピントが合う距離域を、容易且つ視覚的に把握することができる。
なお、図8に示す表示画面800では、3つの明視域表示バー801,802,803のいずれかを、ユーザがタッチパネル101の操作により選択できるようになっている。そして、いずれかの明視域表示バーが選択されると、その明視域表示バーとともに、その明視域表示バーに対応する眼鏡レンズの明視域に関する第1〜第3の画像を、同一の表示画面上に表示できるようになっている(図9および図10参照)。
〔第1〜第3画像の表示変更例〕
図9および図10は、本発明の一実施形態に係る明視域表示装置100による第1〜第3画像の表示変更例を示す図である。
図9に示す表示画面900は、図8に示す表示画面800において、3つの明視域表示バー801〜803のうちの、明視域表示バー801が選択された場合に表示される。この明視域表示バー801は、近距離域の距離範囲を33〜40cmとし、中距離域の距離範囲を40〜200cmとし、遠距離域の距離範囲を200〜∞cmとする眼鏡レンズに関するものである。これに応じて、表示画面900では、第1の画像,第2の画像,第3の画像のいずれも、近距離域の距離範囲、中距離域の距離範囲、遠距離域の距離範囲が、それぞれ、33〜40cm、40〜200cm、200〜∞cmを表すものとなっている。
一方、図10に示す表示画面1000は、図8に示す表示画面800において、3つの明視域表示バー801〜803のうちの、明視域表示バー802が選択された場合に表示される。この明視域表示バー802は、近距離域の距離範囲を33〜40cmとし、中距離域の距離範囲を40〜130cmとし、遠距離域の距離範囲を130〜∞cmとする眼鏡レンズに関するものである。これに応じて、表示画面1000では、第1の画像,第2の画像,第3の画像のいずれも、近距離域の距離範囲、中距離域の距離範囲、遠距離域の距離範囲が、それぞれ、33〜40cm、40〜130cm、130〜∞cmを表すものとなっている。
このように、本実施形態の明視域表示装置100は、対象とする眼鏡レンズの選択を切り替えることにより、第1画像表示領域330,第2画像表示領域340,第3画像表示領域350に表示させる第1の画像,第2の画像,第3の画像を、選択された眼鏡レンズに対応するものに切り替えて表示することができる。これにより、ユーザは、複数の眼鏡レンズで明視域がどのように変化するかを、容易且つ視覚的に比較することができる。
〔明視域表示装置100による明視域表示バーの変更例(第4例)〕
図11は、本発明の一実施形態に係る明視域表示装置100による明視域表示バーの変更例(第4例)を示す図である。図11(a)は、明視域表示バー801(図8参照)の変更前の状態を示している。図11(b)は、明視域表示バー801の変更後の状態を示している。明視域表示バー801は、レンズ種類が「遠近累進レンズ」である眼鏡レンズの明視域を表すものである。明視域表示バー801は、遠距離域801A、中距離域801Bおよび近距離域801Cを有して構成されている。
明視域表示バー801は、遠近累進レンズの明視域を表すものであるため、スライド操作によって全幅を変更することが可能である。例えば、図11(a)に示すように、ユーザが、タッチパネル101により、明視域表示バー801の右端部をタップ操作した後に左方向へスライド操作すると、明視域表示バー801は、左端の位置が固定されたまま、右端の位置が左方向へ移動する。これにより、図11(b)に示すように、明視域表示バー801は、変更前と比べて全幅が短くなる。このとき、明視域表示バー801は、遠近累進レンズであるため、全幅を変更しても、遠距離域801Aおよび近距離域801Cの幅は変更されず、中距離域801Bの幅のみが変更される。
〔明視域表示装置100による明視域表示バーの変更例(第5例)〕
図12は、本発明の一実施形態に係る明視域表示装置100による明視域表示バーの変更例(第5例)を示す図である。図12(a)は、明視域表示バー802(図8参照)の変更前の状態を示している。図12(b)は、明視域表示バー802の変更後の状態を示している。明視域表示バー802は、レンズ種類が「中近累進レンズ」である眼鏡レンズの明視域を表すものである。明視域表示バー802は、遠距離域802A、中距離域802Bおよび近距離域802Cを有して構成されている。
明視域表示バー802は、中近累進レンズの明視域を表すものであるため、スライド操作によって全幅を変更することが可能である。例えば、図12(a)に示すように、ユーザが、タッチパネル101により、明視域表示バー802の右端部をタップ操作した後に左方向へスライド操作すると、明視域表示バー802は、左端の位置が固定されたまま、右端の位置が左方向へ移動する。これにより、図12(b)に示すように、明視域表示バー802は、変更前と比べて全幅が短くなる。このとき、明視域表示バー802は、中近累進レンズであるため、全幅を変更しても、中距離域802Bの幅は変更されず、遠距離域802Aおよび近距離域802Cの幅が変更される。
このように、明視域表示バーの全幅が変更されることによって、明視域表示バーが示す明視域の距離範囲が変更されると、レンズ情報変更部114によって、その明視域表示バーに対応するレンズ情報が、変更後の距離範囲に対応するものに変更される。そして、明視域算出部112により、変更後のレンズ情報に基づいて明視域が再算出される。さらに、明視域表示部113により、第1画像表示領域330,第2画像表示領域340,第3画像表示領域350(図8〜11参照)の各々に表示される、第1の画像,第2の画像,第3の画像の各々が、再算出された明視域を表すものへと自動的に変更される。また、明視域表示部113により、バー表示領域320に表示される第4の画像も、再算出された明視域を表すものへと自動的に変更される。
なお、上記実施形態では、明視域表示バー、第1の画像、第2の画像、第3の画像、第4の画像のそれぞれについて、各距離域の表示色を異ならせることで各距離域を区別して表示するようにしているが、本発明はこれに限らない。例えば、各距離域の模様を異ならせることで各距離域を区別して表示するようにしてもよい。
また、累進レンズが選択されている場合であっても、明視域表示バー、第1の画像、第2の画像、第3の画像、第4の画像のそれぞれについて、各距離域を区別せずに表示するようにしてもよい。この場合であっても、これら複数の画像により、少なくとも明視域の全体の視野範囲を、容易且つ視覚的に把握することができる。但し、各距離域を区別して表示することで、全ての距離域を容易且つ視覚的に把握することができるようになる点で好ましい。
また、第1画像表示領域330に表示される背景画像において、第1の画像が示す明視域の範囲外となる部分を、ぼやかして表示するようにしてもよい。これにより、眼鏡レンズ装着者の視点から正面視したときの見え方を、実際の見え方により近づけることができる。
その他、上記各実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。