JP2017198588A - パターン検査装置 - Google Patents
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Abstract
【目的】電子ビームを用いたパターン検査においてステップアンドリピート動作に起因する検査を行えない時間を短縮することが可能なパターン検査装置を提供する。【構成】本発明の一態様のパターン検査装置100は、複数の電子ビームにより構成されるマルチビームを用いて、パターンが形成された基板上を走査する電子ビームカラム102と、基板を載置する、移動可能なXYステージ105と、基板にマルチビームを照射することに起因して基板から放出される2次電子群を検出する検出器222と、ステージの移動に追従するように、検出器を移動させる駆動機構134と、を備えたことを特徴とする。【選択図】図1
Description
本発明は、パターン検査装置に関する。例えば、電子ビームを照射して放出されるパターン像の2次電子画像を取得してパターンを検査する検査装置に関する。
近年、大規模集積回路(LSI)の高集積化及び大容量化に伴い、半導体素子に要求される回路線幅はますます狭くなってきている。これらの半導体素子は、回路パターンが形成された原画パターン(マスク或いはレチクルともいう。以下、マスクと総称する)を用いて、いわゆるステッパと呼ばれる縮小投影露光装置でウェハ上にパターンを露光転写して回路形成することにより製造される。
そして、多大な製造コストのかかるLSIの製造にとって、歩留まりの向上は欠かせない。しかし、1ギガビット級のDRAM(ランダムアクセスメモリ)に代表されるように、LSIを構成するパターンは、サブミクロンからナノメータのオーダーになっている。近年、半導体ウェハ上に形成されるLSIパターン寸法の微細化に伴って、パターン欠陥として検出しなければならない寸法も極めて小さいものとなっている。よって、半導体ウェハ上に転写された超微細パターンの欠陥を検査するパターン検査装置の高精度化が必要とされている。その他、歩留まりを低下させる大きな要因の一つとして、半導体ウェハ上に超微細パターンをフォトリソグラフィ技術で露光、転写する際に使用されるマスクのパターン欠陥があげられる。そのため、LSI製造に使用される転写用マスクの欠陥を検査するパターン検査装置の高精度化が必要とされている。
検査手法としては、拡大光学系を用いて半導体ウェハやリソグラフィマスク等の基板上に形成されているパターンを所定の倍率で撮像した光学画像と、設計データ、あるいは試料上の同一パターンを撮像した光学画像と比較することにより検査を行う方法が知られている。例えば、パターン検査方法として、同一マスク上の異なる場所の同一パターンを撮像した光学画像データ同士を比較する「die to die(ダイ−ダイ)検査」や、パターン設計されたCADデータをマスクにパターンを描画する時に描画装置が入力するための装置入力フォーマットに変換した描画データ(設計パターンデータ)を検査装置に入力して、これをベースに設計画像データ(参照画像)を生成して、それとパターンを撮像した測定データとなる光学画像とを比較する「die to database(ダイ−データベース)検査」がある。かかる検査装置における検査方法では、検査対象基板はステージ上に載置され、ステージが動くことによって光束が試料上を走査し、検査が行われる。検査対象基板には、光源及び照明光学系によって光束が照射される。検査対象基板を透過あるいは反射した光は光学系を介して、センサ上に結像される。センサで撮像された画像は測定データとして比較回路へ送られる。比較回路では、画像同士の位置合わせの後、測定データと参照データとを適切なアルゴリズムに従って比較し、一致しない場合には、パターン欠陥有りと判定する。
上述したパターン検査装置では、レーザ光を検査対象基板に照射して、その透過像或いは反射像を撮像することにより、光学画像を取得する。これに対して、電子ビームによるマルチビームを検査対象基板に照射して、検査対象基板から放出される各ビームに対応する2次電子を検出して、パターン像を取得する検査装置の開発も進んでいる(例えば、特許文献1参照)。かかるマルチビームを含む電子ビームを用いたパターン検査装置では、検査対象基板の小領域毎にビームを走査して2次電子を検出する。その際、ビームを走査している間は検査対象基板の位置を固定し、走査終了後に次の領域へと検査対象基板の位置を移動させる、いわゆるステップアンドリピート動作が行われる。パターン検査では、検査対象基板のほぼ全面を検査する必要があるので、かかる検査対象基板は、通常、モータ等で駆動される重量の重いステージ上に配置される。かかる重いステージでは、移動後に減衰させることが難しい。さらに、かかるステージは上述したように検査対象基板のほぼ全面を検査する必要があるので長いストロークで移動する。かかる長いストロークで移動するステージでは、移動後に減衰させるための減衰機構も大きな機構が必要となる。よって、重量が重く、かつ長いストロークで移動するステージを短期間で減衰させるためには、さらに大きな減衰機構が必要となる。しかし、限られた空間の中で大きな減衰機構を配置することは難しい。そのため、限られた空間に配置可能な減衰機構を用いることになるが、かかる場合、ステップ動作後にステージを所定の位置精度内に停止するように収束させる静定に時間がかかる。かかる静定時間が例えば20ms必要であったとすると、ステップアンドリピート動作を行う回数×20msの時間が実際の検査を行っていない無駄な時間として必要になるといった問題があった。一方で、検査時間の短縮が求められている。
そこで、本発明の一態様は、電子ビームを用いたパターン検査においてステップアンドリピート動作に起因する検査を行えない時間を短縮することが可能なパターン検査装置を提供する。
本発明の一態様のパターン検査装置は、
複数の電子ビームにより構成されるマルチビームを用いて、パターンが形成された基板上を走査するカラムと、
基板を載置する、移動可能なステージと、
基板にマルチビームを照射することに起因して基板から放出される2次電子群を検出する検出器と、
ステージの移動に追従するように、検出器を移動させる駆動部と、
を備えたことを特徴とする。
複数の電子ビームにより構成されるマルチビームを用いて、パターンが形成された基板上を走査するカラムと、
基板を載置する、移動可能なステージと、
基板にマルチビームを照射することに起因して基板から放出される2次電子群を検出する検出器と、
ステージの移動に追従するように、検出器を移動させる駆動部と、
を備えたことを特徴とする。
また、ステージはステップアンドリピート動作を行い、
ステップアンドリピート動作におけるステージが停止する場合に静定するまでのステージの振動に追従するように検出器を移動させると好適である。
ステップアンドリピート動作におけるステージが停止する場合に静定するまでのステージの振動に追従するように検出器を移動させると好適である。
また、ステージの振動を測定するレーザ干渉装置をさらに備え、
駆動部は、レーザ干渉装置によって測定された振動データを用いて、検出器を移動させると好適である。
駆動部は、レーザ干渉装置によって測定された振動データを用いて、検出器を移動させると好適である。
本発明の一態様のパターン検査装置は、
複数の電子ビームにより構成されるマルチビームを用いて、パターンが形成された基板上を走査するカラムと、
基板を載置する、移動可能なステージと、
基板にマルチビームを照射することに起因して基板から放出される2次電子群を検出する複数の検出器と、
ステージの移動に追従するように、複数の検出器を移動させる複数の駆動部と、
複数の検出器によって検出された各データを合成し、パターンの画像を生成する画像生成部と、
を備えたことを特徴とする。
複数の電子ビームにより構成されるマルチビームを用いて、パターンが形成された基板上を走査するカラムと、
基板を載置する、移動可能なステージと、
基板にマルチビームを照射することに起因して基板から放出される2次電子群を検出する複数の検出器と、
ステージの移動に追従するように、複数の検出器を移動させる複数の駆動部と、
複数の検出器によって検出された各データを合成し、パターンの画像を生成する画像生成部と、
を備えたことを特徴とする。
本発明の一態様によれば、電子ビームを用いたパターン検査においてステップアンドリピート動作に起因する検査を行えない時間を短縮できる。よって、検査時間を短縮できる。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1におけるパターン検査装置の構成を示す構成図である。図1において、基板に形成されたパターンを検査する検査装置100は、マルチ電子ビーム検査装置の一例である。検査装置100は、光学画像取得部150、及び制御系回路160(制御部)を備えている。光学画像取得部150は、電子ビームカラム102(電子鏡筒)、検査室103、検出回路106、チップパターンメモリ123、ステージ駆動機構142、及びレーザ測長システム122を備えている。電子ビームカラム102内には、電子銃201、照明レンズ202、成形アパーチャアレイ部材203、ブランキングアパーチャアレイ機構204、縮小レンズ205、制限アパーチャ部材206、対物レンズ207、偏向器208、複数の検出器222,224、複数の検出器ステージ130,132、及び複数の駆動機構134,136が配置されている。
図1は、実施の形態1におけるパターン検査装置の構成を示す構成図である。図1において、基板に形成されたパターンを検査する検査装置100は、マルチ電子ビーム検査装置の一例である。検査装置100は、光学画像取得部150、及び制御系回路160(制御部)を備えている。光学画像取得部150は、電子ビームカラム102(電子鏡筒)、検査室103、検出回路106、チップパターンメモリ123、ステージ駆動機構142、及びレーザ測長システム122を備えている。電子ビームカラム102内には、電子銃201、照明レンズ202、成形アパーチャアレイ部材203、ブランキングアパーチャアレイ機構204、縮小レンズ205、制限アパーチャ部材206、対物レンズ207、偏向器208、複数の検出器222,224、複数の検出器ステージ130,132、及び複数の駆動機構134,136が配置されている。
検査室103内には、少なくともXY方向に移動可能なXYステージ105が配置される。XYステージ105上には、検査対象となる複数のチップパターンが形成された基板101が配置される。基板101には、上述したように、露光用マスクやシリコンウェハ等の半導体基板が含まれる。基板101は、例えば、パターン形成面を上側に向けてXYステージ105に配置される。また、XYステージ105上には、検査室103の外部に配置されたレーザ測長システム122から照射されるレーザ測長用のレーザ光を反射するミラー216が配置されている。検出器222,224は、電子ビームカラム102の外部で検出回路106に接続される。検出回路106は、チップパターンメモリ123に接続される。
制御系回路160では、コンピュータとなる制御計算機110が、バス120を介して、位置回路107、比較回路108、展開回路111、参照回路112、ステージ制御回路114、レンズ制御回路124、ブランキング制御回路126、偏向制御回路128、検出位置制御回路140、磁気ディスク装置等の記憶装置109、モニタ117、メモリ118、及びプリンタ119に接続されている。また、チップパターンメモリ123は、比較回路108に接続されている。また、XYステージ105は、制御計算機110の制御の下にステージ制御回路114により駆動される。X方向、Y方向、θ方向に駆動する3軸(X−Y−θ)モータの様な駆動系によって移動可能となっている。これらの、図示しないXモータ、Yモータ、θモータは、例えばステップモータを用いることができる。XYステージ105は、XYθ各軸のモータによって水平方向及び回転方向に移動可能である。そして、XYステージ105の移動位置はレーザ測長システム122により測定され、位置回路107に供給される。レーザ測長システム122は、ミラー216からの反射光を受光することによって、レーザ干渉法の原理でXYステージ105の位置を測長する。
複数の検出器222,224は、XYステージ105上方で、後述するマルチビームの光路を取り囲むように、かつ、それぞれ検出面がXYステージ105上に配置される基板101表面と光軸との交点に向かって、複数の検出器ステージ130,132のうちの対応する検出器ステージ上に配置される。例えば、それぞれ検出面が、XYステージ105上に配置される基板101表面と例えば15°〜75°の角度を持って斜めに配置される。より好ましくは、30°〜60°の角度を持って斜めに配置される。例えば、45°の角度を持って斜めに配置される。
ここでは、一例として、2つの検出器222,224を示しているが、これに限るものではなく、さらに、多くの検出器を配置してもよい。2つの検出器222,224を配置する場合には、マルチビームの光路を挟んで対向する位置、或いは、マルチビームの光軸を支点に90°回転した位置に配置されると良い。
また、複数の検出器222,224を載置した複数の検出器ステージ130,132は、制御計算機110の制御の下に検出位置制御回路140により駆動される。図1の例では、検出器ステージ130上に検出器222が配置され、検出器ステージ132上に検出器224が配置される。複数の検出器ステージ130,132は、それぞれ載置した検出器の検出面に対して、平行な2次元方向(X方向、Y方向、θ方向)に駆動する3軸(X−Y−θ)駆動系を有する対応する駆動機構134(或いは136)によって移動可能となっている。また、駆動機構134,136は、後述するようにXYステージ105を停止させる際の静定中に生じる振動の最大振幅の2倍と同程度のストローク、或いは最大振幅の2倍+α程度のストローク、検出器ステージ130,132を駆動できればよい。また、検出器222,224はマルチビームの1回の照射により照射可能な照射領域と同程度の領域で2次電子を検出できればよい。よって、検出器222,224の検出面は基板101面に比べて十分小さくできる。よって、検出器ステージ130,132の大きさもXYステージ105に比べて十分小さくできる。よって、複数の駆動機構134,136の各軸の駆動系もXYステージ105の駆動機構142に比べて十分小型化できる。よって、検出器ステージ130,132の停止時の静定中の振動は無視できる。複数の駆動機構134,136の各軸の駆動系は、それぞれ、例えばピエゾ素子を用いることができる。ピエゾ素子を用いることで高速応答に対応できる。
上述した例では、複数の駆動機構134,136が、それぞれ3軸方向に駆動できる場合を示したが、これに限るものではない。後述するように、パターン検査のステップアンドリピート動作におけるステップ方向にXYステージ105が移動した場合に、XYステージ105を停止させる際の静定中に生じる振動は、その多くはステップ方向及びステップ方向とは逆方向に生じる。よって、基板101へのビーム照射位置は、振動方向とは逆の方向に振幅分だけずれることになる。よって、2次電子群300が放出される位置も同様に振動方向とは逆の方向に振幅分だけずれることになる。よって、検出器222,224においてもかかるずれと同様にずれた位置で検出する必要がある。そのため、かかる2次電子群300が放出される位置のずれ方向と同様に検出位置がずれ検出面に沿ってずれる方向に検出器222,224をずらすことができる1軸駆動ができればよい。
電子銃201には、図示しない高圧電源回路が接続され、電子銃201内の図示しないカソードとアノード間への高圧電源回路からの加速電圧の印加と共に、所定のバイアス電圧の印加と所定の温度のカソードの加熱によって、カソードから放出された電子群が加速させられ、電子ビームとなって放出される。照明レンズ202、縮小レンズ205、及び対物レンズ207は、例えば電子レンズが用いられ、共にレンズ制御回路124によって制御される。ブランキングアパーチャアレイ機構204には、後述するように複数の個別ブランキング機構がブランキング基板上に配置され、各個別ブランキング機構への制御信号は、ブランキング制御回路126から出力される。偏向器208は、少なくとも4極の電極群により構成され、偏向制御回路128によって制御される。
基板101が複数のチップ(ダイ)パターンが形成された半導体ウェハである場合には、かかるチップ(ダイ)パターンのパターンデータが検査装置100の外部から入力され、記憶装置109に格納される。
ここで、図1では、実施の形態1を説明する上で必要な構成を記載している。検査装置100にとって、通常、必要なその他の構成を備えていても構わない。
図2は、実施の形態1における成形アパーチャアレイ部材の構成を示す概念図である。図2において、成形アパーチャアレイ部材203には、2次元状の横(x方向)n列×縦(y方向)m列(n,mは一方が1以上の整数、他方が2以上の整数)の穴(開口部)22が所定の配列ピッチでマトリクス状に形成されている。図2では、例えば、横縦(x,y方向)に32×32列の穴22が形成される。各穴22は、共に同じ寸法形状の矩形で形成される。或いは、同じ外径の円形であっても構わない。これらの複数の穴22を電子ビーム200の一部がそれぞれ通過することで、マルチビーム20が形成されることになる。ここでは、横縦(x,y方向)が共に2列以上の穴22が配置された例を示したが、これに限るものではない。例えば、横縦(x,y方向)どちらか一方が複数列で他方は1列だけであっても構わない。また、穴22の配列の仕方は、図2のように、横縦が格子状に配置される場合に限るものではない。例えば、縦方向(y方向)k段目の列と、k+1段目の列の穴同士が、横方向(x方向)に寸法aだけずれて配置されてもよい。同様に、縦方向(y方向)k+1段目の列と、k+2段目の列の穴同士が、横方向(x方向)に寸法bだけずれて配置されてもよい。或いは、その他の構成であってもよい。
図3は、実施の形態1におけるブランキングアパーチャアレイ機構の一部を示す上面概念図である。なお、図3において、電極24,26と制御回路41の位置関係は一致させて記載していない。ブランキングアパーチャアレイ機構204は、図3に示すように、図2に示した成形アパーチャアレイ部材203の各穴22に対応する位置にマルチビームのそれぞれのビームの通過用の通過孔25(開口部)が図示しない基板(例えばシリコン基板)上に開口される。そして、基板上の各通過孔25の近傍位置に、該当する通過孔25を挟んでブランキング偏向用の電極24,26の組(ブランカー:ブランキング偏向器)がそれぞれ配置される。また、各通過孔25の近傍には、各通過孔25用の例えば電極24に偏向電圧を印加する制御回路41(ロジック回路)が配置される。各ビーム用の2つの電極24,26の他方(例えば、電極26)は、グランド接続される。また、各制御回路41は、制御信号用の数ビット、例えば5〜10ビットの配線が接続される。各制御回路41は、例えば数ビットの配線の他、クロック信号線および電源用の配線等が接続される。マルチビームを構成するそれぞれのビーム毎に、電極24,26と制御回路41とによる個別ブランキング機構47が構成される。ブランキング制御回路126から各制御回路41用の制御信号が出力される。各制御回路41内には、図示しないシフトレジストが配置され、例えば、n×m本のマルチビームの1列分の制御回路内のシフトレジスタが直列に接続される。そして、例えば、n×m本のマルチビームの1列分の制御信号がシリーズで送信され、例えば、n回のクロック信号によって各ビームの制御信号が対応する制御回路41に格納される。
各通過孔を通過する電子ビーム20は、それぞれ独立に対となる2つの電極24,26に印加される電圧によって偏向される。かかる偏向によってブランキング制御される。マルチビームのうちの対応ビームをそれぞれブランキング偏向する。このように、複数のブランカーが、成形アパーチャアレイ部材203の複数の穴22(開口部)を通過したマルチビームのうち、それぞれ対応するビームのブランキング偏向を行う。個別ブランキング制御を行うことで、異常ビームを検査から排除できる。
なお、図3の例では個別ブランキング機構47を示しているが、これに限るものではない。マルチビーム20全体を一括してブランキング制御する機構であっても構わない。
次に検査装置100における光学画像取得部150の動作について説明する。電子銃201(放出部)から放出された電子ビーム200は、照明レンズ202によりほぼ垂直に成形アパーチャアレイ部材203全体を照明する。成形アパーチャアレイ部材203には、矩形の複数の穴(開口部)が形成され、電子ビーム200は、すべての複数の穴が含まれる領域を照明する。複数の穴の位置に照射された電子ビーム200の各一部が、かかる成形アパーチャアレイ部材203の複数の穴をそれぞれ通過することによって、例えば矩形形状の複数の電子ビーム(マルチビーム)20a〜eが形成される。かかるマルチビーム20a〜eは、ブランキングアパーチャアレイ機構204のそれぞれ対応するブランカー(第1の偏向器:個別ブランキング機構)内を通過する。かかるブランカーは、それぞれ、個別に通過する電子ビーム20を偏向する(ブランキング偏向を行う)。
ブランキングアパーチャアレイ機構204を通過したマルチビーム20a〜eは、縮小レンズ205によって、縮小され、制限アパーチャ部材206に形成された中心の穴に向かって進む。ここで、ブランキングアパーチャアレイ機構204のブランカーによって偏向された電子ビーム20は、制限アパーチャ部材206の中心の穴から位置がはずれ、制限アパーチャ部材206によって遮蔽される。一方、ブランキングアパーチャアレイ機構204のブランカーによって偏向されなかった電子ビーム20は、図1に示すように制限アパーチャ部材206の中心の穴を通過する。かかる個別ブランキング機構のON/OFFによって、ブランキング制御が行われ、ビームのON/OFFが制御される。このように、制限アパーチャ部材206は、個別ブランキング機構によってビームOFFの状態になるように偏向された各ビームを遮蔽する。そして、ビーム毎に、ビームONになってからビームOFFになるまでに形成された、制限アパーチャ部材206を通過したビームにより、1回分のショットのビームが形成される。制限アパーチャ部材206を通過したマルチビーム20は、対物レンズ207により焦点が合わされ、所望の縮小率のパターン像となり、偏向器208によって、制限アパーチャ部材206を通過した各ビーム(マルチビーム20全体)が同方向に一括して偏向され、各ビームの基板101上のそれぞれの照射位置に照射される。一度に照射されるマルチビーム20は、理想的には成形アパーチャアレイ部材203の複数の穴の配列ピッチに上述した所望の縮小率を乗じたピッチで並ぶことになる。このように、電子ビームカラム102は、一度に2次元状のn×m本のマルチビーム20を基板101に照射する。基板101の所望する位置にマルチビーム20が照射されたことに起因して基板101から放出される、マルチビーム20の各ビームに対応する2次電子の束となる2次電子群300は、複数の検出器222,224に入射することによって検出される。言い換えれば、マルチビーム20の各ビームについて、1本のビームが照射された基板101の1か所の位置から放出された2次電子群300を複数の検出器222,224によって検出する。これにより、基板101の各位置の検出データの情報量を増やすことができる。
図4は、実施の形態1におけるスキャン動作の一例を説明するための概念図である。図4に示すように、基板101の検査領域30には、例えば、x,y方向に向かってアレイ状にそれぞれ所定の幅で複数のチップ32(ダイ)が形成される。各チップ32は、例えば、30mm×25mmのサイズで基板101上に形成される。パターン検査は、チップ32毎に実施されることになる。各チップ32の領域は、例えば、一回のマルチビーム20全体の照射で照射可能な照射領域34と同じx,y方向幅で複数の単位検査領域33に仮想分割される。まず、XYステージ105を移動させて、第1番目のチップ32の4つ角のいずれか(例えば左上端)の単位検査領域33の位置に一回のマルチビーム20の照射で照射可能な照射領域34が位置するように調整し、スキャン動作が開始される。実施の形態1では、例えば、ステップアンドリピート動作を繰り返すことで、照射領域34を例えばx方向に照射領域34の幅で順次ずらしながら各単位検査領域33をマルチビーム20により走査していく。y方向に同じ段のx方向に並ぶすべての単位検査領域33の走査が終了したら、ステージ位置をy方向に移動させて、y方向に同じ次の段のx方向に並ぶ各単位検査領域33をマルチビーム20により同様に走査していく。かかる動作を繰り返し、1つのチップ32の領域の走査が終了したら、XYステージ105を移動させて、次のチップ32の4隅のいずれか(例えば左上端)の単位検査領域33の位置に一回のマルチビーム20の照射で照射可能な照射領域34が位置するように調整し、同様の動作を行う。かかる動作を繰り返すことで、すべてのチップ32について走査していく。
図5は、実施の形態1におけるマルチビームの照射領域と測定用画素との一例を示す図である。図5において、チップ32の領域は、例えば、マルチビームのビームサイズでメッシュ状の複数のメッシュ領域に分割される。かかる各メッシュ領域が、測定用画素36(単位照射領域)となる。そして、照射領域34内に、1回のマルチビーム20の照射で照射可能な複数の測定用画素28(1ショット時のビームの照射位置)が示されている。言い換えれば、隣り合う測定用画素28間のピッチがマルチビームの各ビーム間のピッチPとなる。図5の例では、隣り合う4つの測定用画素28で囲まれると共に、4つの測定用画素28のうちの1つの測定用画素28を含む正方形の領域で1つのグリッド29を構成する。図5の例では、各グリッド29は、4×4画素で構成される場合を示している。
図6は、実施の形態1におけるスキャン動作の細部の一例を説明するための概念図である。図6では、ある1つの単位検査領域33(照射領域34)を走査する場合の一例を示している。1つの照射領域34内には、x,y方向に(2次元状に)n1×m1個のグリッド29が配列されることになる。n×m個のマルチビーム20がすべて使用される場合には、n1×m1個のグリッド29は、n×m個のグリッド29になる。1つの単位検査領域33にマルチビーム20が照射可能な位置にXYステージ105を移動させたら、その位置でXYステージ105を停止させ、当該単位検査領域33を照射領域34として当該単位検査領域33内を走査(スキャン動作)する。マルチビーム20を構成する各ビームは、互いに異なるいずれかのグリッド29を担当することになる。そして、各ショット時に、各ビームは、担当グリッド29内の同じ位置に相当する1つの測定用画素28を照射することになる。図6の例では、各ビームは、1ショット目に担当グリッド29内の最下段の右から1番目の測定用画素36を照射する。そして、偏向器208によってマルチビーム20全体を一括してy方向に1測定用画素36分だけビーム偏向位置をシフトさせ、2ショット目に担当グリッド29内の下から2段目の右から1番目の測定用画素36を照射する。同様に、3ショット目に担当グリッド29内の下から3段目の右から1番目の測定用画素36を照射する。4ショット目に担当グリッド29内の下から4段目の右から1番目の測定用画素36を照射する。次に、偏向器208によってマルチビーム20全体を一括して最下段の右から2番目の測定用画素36の位置にビーム偏向位置をシフトさせ、同様に、y方向に向かって、測定用画素36を順に照射していく。かかる動作を繰り返し、1つのビームで1つのグリッド29内のすべての測定用画素36を順に照射していく。1回のショットでは、成形アパーチャアレイ部材203の各穴22を通過することによって形成されたマルチビームによって、最大で各穴22と同数の複数のショットに応じた2次電子の束による2次電子群300が一度に検出される。
以上のように、マルチビーム20全体では、単位検査領域33を照射領域34として走査することになるが、各ビームは、それぞれ対応する1つのグリッド29を走査することになる。そして、XYステージ105が停止した状態で、1つの単位検査領域33の走査(スキャン)が終了すると、隣接する次の単位検査領域33にステップ動作をして、XYステージ105が停止した状態で、かかる隣接する次の単位検査領域33の走査(スキャン)を行う。かかるステップアンドリピート動作を繰り返し、各チップ32の走査を進めていく。マルチビーム20のショットにより、その都度、照射された測定用画素36から2次電子群300が周囲上方に放出され、複数の検出器222,224にて検出される。複数の検出器222,224の各検出器は、各測定用画素36から周囲上方に放出された2次電子群300のうち、同じ方向に放出された2次電子群300を測定用画素36毎(或いはグリッド29毎)に検出する。
以上のようにマルチビーム20を用いて走査することで、シングルビームで走査する場合よりも高速にスキャン動作(測定)ができる。
なお、上述した例では、1画素36毎にビームのON/OFFを行っている場合を説明したが、これに限るものではない。グリッド29毎に、同じグリッド29を対応する1つのビームが走査する間、連続ビームで走査しても構わない。言い換えれば、ステップ動作の間はビームOFFにすればよい。
図7は、実施の形態1の比較例における画像検出機構の構成の一例を示す図である。図7において、基台中にステージ305が配置され、ステージ305は、ステージ駆動装置342によってステップアンドリピート動作に合わせて移動させられる。また、ステージ305の位置は、ステージ305上のミラー312を用いたレーザ干渉計322で測定する。そして、ステージ305停止中にカラム302からステージ305上の検査対象基板301に電子ビームを照射し、検査対象基板301からの2次電子を画像検出器322で検出する。図7において、画像検出器322は固定されている。
図8は、実施の形態1の比較例におけるステージ位置分布を示す図である。実施の形態1の比較例における検査対象基板301は、上述したように、重量の重いステージ305上に配置される。さらに、かかるステージ305は上述したように検査対象基板301のほぼ全面を検査する必要があるので長いストロークで移動する。このような、重量が重く、かつ長いストロークで移動するステージ305では、図8に示すように、ステップ動作後にステージ305を所定の位置精度内に停止するように収束させる静定に時間がかかる。よって、上述したように、比較例では、ステップアンドリピート動作を行う回数×静定時間が実際の検査を行っていない実際の検査を行っていない無駄な時間として必要になるといった問題があった。
図9は、実施の形態1における画像検出機構の構成の一例を示す図である。図9では、図1に示した構成の一部を示している。上述したように、実施の形態1では、各チップ32内のビーム走査について、単位検査領域33毎に、XYステージ105はステップアンドリピート動作を行う。注目する単位検査領域33が照射領域34に入る位置でXYステージ105を停止させ、電子ビームカラム102(カラム)は、複数の電子ビームにより構成されるマルチビーム20を用いて、パターンが形成された基板101上を走査する。そして、複数の検出器222,224が、基板101にマルチビーム101を照射することに起因して基板101から放出される2次電子群を検出する。但し、実施の形態1では、図8に示した比較例とは異なり、静定時間中にスキャン動作を開始する。そのために、実施の形態1では、複数の駆動機構134,136が、XYステージ105の移動に追従するように、複数の検出器222,224のうち、それぞれ対応する検出器222(或いは検出器224)を移動させる。具体的には、複数の駆動機構134,136が、ステップアンドリピート動作におけるXYステージ105が停止する場合に静定するまでのXYステージ105の振動に追従するように複数の検出器222,224のうち、それぞれ対応する検出器222(或いは検出器224)を移動させる。XYステージ105の振動は、レーザ測長システム122(レーザ干渉装置)によって測定される。測定されたXYステージ105の振動データ(位置情報)は、位置回路107に出力される。そして、位置回路107から検出位置制御回路140に出力される。検出位置制御回路140は、複数の駆動機構134,136がレーザ測長システム122によって測定された振動データを用いて、XYステージ105の振動に追従するように複数の検出器222,224のうち、それぞれ対応する検出器222(或いは検出器224)を移動させるように複数の駆動機構134,136を制御する。
例えば、複数の検出器222,224が光軸を挟んでx方向に対向する位置に配置され、XYステージ105のステップ動作が−x方向に移動する場合について説明する。XYステージ105が−x方向に−x1だけ振動した場合、マルチビームの照射位置は設計上の照射位置よりもx方向にx1だけずれることになる。放出される2次電子が示す情報も当然設計上の照射位置よりもx方向にx1だけずれた位置の情報になる。光軸よりもx方向側に配置される検出器222は、固定されたままだと設計上の照射位置の情報としてかかる2次電子を検出してしまう。そのため、駆動機構134は、図9(図1)中において、検出器ステージ130を斜め上方に移動させることで検出器222の検出位置を検出面に沿って斜め下方にx1だけずれさせる。これにより、検出器222は、検出面に沿って設計上の照射位置よりも斜め下方(検出面のx方向)にx1だけずれた位置で2次電子を検出できる。他方、光軸よりも−x方向側に配置される検出器224は、固定されたままだと設計上の照射位置の情報としてかかる2次電子を検出してしまう。そのため、駆動機構136は、図1中において、検出器ステージ132を斜め下方に移動させることで検出器224の検出位置を検出面に沿って斜め上方にx1だけずれさせる。これにより、検出器224は、検出面に沿って設計上の照射位置よりも斜め上方(検出面のx方向)にx1だけずれた位置で2次電子を検出できる。
逆に、XYステージ105がx方向にx2だけ振動した場合、マルチビームの照射位置は設計上の照射位置よりも−x方向にx2だけずれることになる。放出される2次電子が示す情報も当然設計上の照射位置よりも−x方向にx2だけずれた位置の情報になる。光軸よりもx方向側に配置される検出器222は、固定されたままだと設計上の照射位置の情報としてかかる2次電子を検出してしまう。そのため、駆動機構134は、図9(図1)中において、検出器ステージ130を斜め下方に移動させることで検出器222の検出位置を検出面に沿って斜め上方に−x2だけずれさせる。これにより、検出器222は、検出面に沿って設計上の照射位置よりも斜め上方(検出面の−x方向)に−x2だけずれた位置で2次電子を検出できる。他方、光軸よりも−x方向側に配置される検出器224は、固定されたままだと設計上の照射位置の情報としてかかる2次電子を検出してしまう。そのため、駆動機構136は、図1中において、検出器ステージ132を斜め上方に移動させることで検出器224の検出位置を検出面に沿って斜め下方に−x2だけずれさせる。これにより、検出器224は、検出面に沿って設計上の照射位置よりも斜め下方(検出面の−x方向)に−x2だけずれた位置で2次電子を検出できる。
図10は、実施の形態1における検出器の位置とステージの位置と基板位置との関係を示すタイムチャート図である。ステップ移動の終了位置までXYステージ105が到達すると、XYステージ105は、駆動機構142等によって停止するために減衰させられる。その際、図10(b)に示すように、XYステージ105は、振動する。かかる振動時間が静定時間となる。しかし、実施の形態1では、図10(a)に示すように、XYステージ105の振動に追従するように複数の検出器222,224が移動する。複数の検出器222,224は、振動によってずれる基板101上の照射位置から放出される2次電子を検出器でも同様にずれた位置で検出するように複数の検出器222,224の配置位置に応じて所定の方向に移動する。その結果、XYステージ105と検出器222との間の相対位置(及びXYステージ105と検出器224との間の相対位置)は、停止状態を保つことができる。よって、図10(c)に示すように、XYステージ105の停止時の静定開始時点からスキャン動作(画像取得)ができる。このように、スキャン動作(画像取得)時間をXYステージ105の停止時の静定時間に重ねることができる。よって、ステップアンドリピート動作に起因する検査を行えない時間を短縮できる。
マルチビームスキャン及び2次電子検出工程として、以上のように、光学画像取得部150は、複数の電子ビームが所定のピッチPで配置されたマルチビーム20を用いて、複数の図形パターンが形成された被検査基板101上を走査し、マルチビーム20が照射されたことに起因して被検査基板101から放出される、2次電子群300を検出する。走査(スキャン)の仕方、及び2次電子群300の検出の仕方は上述した通りである。検出器222,224によって検出された各測定用画素36からの2次電子群300の検出データは、測定順に検出回路106に出力される。検出回路106内では、図示しないA/D変換器によって、アナログの検出データがデジタルデータに変換され、チップパターンメモリ123に格納される。そして、1つのチップ32分の検出データが蓄積された段階で、チップパターンデータとして、位置回路107からの各位置を示す情報と共に、比較回路108に転送される。
一方、マルチビームスキャン及び2次電子検出工程と並行或いは前後して、参照画像が作成される。
参照画像作成工程として、展開回路111及び参照回路112といった参照画像作成部は、基板101が半導体基板の場合には、半導体基板に露光用マスクのマスクパターンを露光転写する際の基板上の露光イメージが定義された露光イメージデータに基づいて、複数の画素36で構成されるグリッド29の測定画像(光学画像)に対応する領域の参照画像を作成する。露光イメージデータの代わりに、複数の図形パターンを基板101に露光転写する露光用マスクを形成するための元になる描画データ(設計データ)を用いても良い。展開回路111及び参照回路112といった参照画像作成部は、基板101が露光用マスクの場合には、複数の図形パターンを基板101に形成するための元になる描画データ(設計データ)に基づいて、複数の画素36で構成されるグリッド29の測定画像(光学画像)に対応する領域の参照画像を作成する。光学画像は、グリッド29単位の画像よりも解像度を粗くして、グリッド29を1つの画素とする単位検査領域33単位の画像を作成してもよい。かかる場合、参照画像も同様に、グリッド29単位の画像よりも解像度を粗くして、グリッド29を1つの画素とする単位検査領域33単位の画像を作成すればよい。グリッド29を1つの画素とする場合には、グリッド29内のパターンが占める占有率を階調値にすればよい。
具体的には、以下のように動作する。まず、展開回路111は、記憶装置109から制御計算機110を通して描画データ(或いは露光イメージデータ)を読み出し、読み出された描画データ(或いは露光イメージデータ)に定義された各照射領域34の各図形パターンを2値ないしは多値のイメージデータに変換して、このイメージデータが参照回路112に送られる。
ここで、描画データ(或いは露光イメージデータ)に定義される図形は、例えば長方形や三角形を基本図形としたもので、例えば、図形の基準位置における座標(x、y)、辺の長さ、長方形や三角形等の図形種を区別する識別子となる図形コードといった情報で各パターン図形の形、大きさ、位置等を定義した図形データが格納されている。
かかる図形データとなる描画データ(或いは露光イメージデータ)が展開回路111に入力されると図形ごとのデータにまで展開し、その図形データの図形形状を示す図形コード、図形寸法などを解釈する。そして、所定の量子化寸法のグリッドを単位とするマス目内に配置されるパターンとして2値ないしは多値の設計画像データを展開し、出力する。言い換えれば、設計データを読み込み、検査領域を所定の寸法を単位とするマス目として仮想分割してできたマス目毎に設計パターンにおける図形が占める占有率を演算し、nビットの占有率データを出力する。例えば、1つのマス目を1画素として設定すると好適である。そして、1画素に1/28(=1/256)の分解能を持たせるとすると、画素内に配置されている図形の領域分だけ1/256の小領域を割り付けて画素内の占有率を演算する。そして、8ビットの占有率データとして参照回路112に出力する。かかるマス目は、測定用画素36と同サイズにすればよい。なお、グリッド29を画素とする場合には、かかるマス目は、グリッド29と同サイズにすればよい。
次に、参照回路112は、送られてきた図形のイメージデータである設計画像データに適切なフィルタ処理を施す。検出回路106から得られた光学画像としての測定データは、電子光学系によってフィルタが作用した状態、言い換えれば連続変化するアナログ状態にあるため、画像強度(濃淡値)がデジタル値の設計側のイメージデータである設計画像データにもフィルタ処理を施すことにより、測定データに合わせることができる。このようにしてグリッド29の測定画像(光学画像)と比較する設計画像(参照画像)を作成する。作成された参照画像の画像データは比較回路108に出力され、比較回路108内に出力された参照画像は、それぞれメモリに格納される。
図11は、実施の形態1における比較回路の内部構成を示す図である。図11において、比較回路108内には、磁気ディスク装置等の記憶装置50,52、合成部54、位置合わせ部58、及び比較部60が配置される。合成部54、位置合わせ部58、及び比較部60といった各「〜部」は、処理回路を含み、その処理回路には、電気回路、コンピュータ、プロセッサ、回路基板、量子回路、或いは、半導体装置等が含まれる。また、各「〜部」は、共通する処理回路(同じ処理回路)を用いてもよい。或いは、異なる処理回路(別々の処理回路)を用いても良い。合成部54、位置合わせ部58、及び比較部60内に必要な入力データ或いは演算された結果はその都度図示しないメモリに記憶される。
転送された検出器222(224)毎のチップパターンデータは、位置回路107からの各位置を示す情報と共に、記憶装置50に一時的に格納される。同様に、参照画像データは、設計上の各位置を示す情報と共に、記憶装置52に一時的に格納される。ここで、実施の形態1では、基板101上の同じ位置から放出される2次電子群300を複数の検出器222,224で検出している。そこで、合成部54(画像生成部)は、複数の検出器222,224によって検出された各データを合成し、パターンの画像を生成する。1つの検出器で検出されたデータよりも情報量が多いため、高精度な2次元画像を作成できる。或いは、情報量が多いため、3次元画像を作成してもよい。光学画像が3次元画像である場合には、参照画像も同様に3次元画像にすればよい。
次に、位置合わせ部58は、画素36より小さいサブ画素単位で、光学画像(測定画像)と参照画像を位置合わせする。例えば、最小2乗法で位置合わせを行えばよい。
そして、比較部60は、当該光学画像と参照画像とを画素36毎に比較する。比較部60は、所定の判定条件に従って画素36毎に両者を比較し、例えば形状欠陥といった欠陥の有無を判定する。例えば、画素36毎の階調値差が判定閾値Thよりも大きければ欠陥と判定する。そして、比較結果が出力される。比較結果は、記憶装置109、モニタ117、メモリ118、或いはプリンタ119より出力されればよい。グリッド29を画素する画像の場合は、画素36をグリッド29と読み替えればよい。
以上のように、実施の形態1によれば、電子ビームを用いたパターン検査においてステップアンドリピート動作に起因する検査を行えない時間を短縮できる。よって、検査時間を短縮できる。
以上の説明において、一連の「〜回路」は、処理回路を含み、その処理回路には、電気回路、コンピュータ、プロセッサ、回路基板、量子回路、或いは、半導体装置等が含まれる。また、各「〜回路」は、共通する処理回路(同じ処理回路)を用いてもよい。或いは、異なる処理回路(別々の処理回路)を用いても良い。プロセッサ等を実行させるプログラムは、磁気ディスク装置、磁気テープ装置、FD、或いはROM(リードオンリメモリ)等の記録媒体に記録されればよい。
以上、具体例を参照しつつ実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。上述した例では、基板101上の同じ位置から放出される2次電子群300を複数の検出器222,224で検出する場合を説明したが、これに限るものではない。基板101上の各位置の情報量が少なくなっても構わない場合や、基板101上の同じ位置から放出される2次電子群300を光学系の磁場や電場等で一方向に誘導できる場合等には、1つの検出器で検出してもよい。
また、装置構成や制御手法等、本発明の説明に直接必要しない部分等については記載を省略したが、必要とされる装置構成や制御手法を適宜選択して用いることができる。
その他、本発明の要素を具備し、当業者が適宜設計変更しうる全てのパターン検査装置及び方法は、本発明の範囲に包含される。
20 マルチビーム
22 穴
24,26 電極
25 通過孔
29 グリッド
30 検査領域
32 チップ
33 単位検査領域
34 照射領域
28,36 画素
41 制御回路
47 個別ブランキング機構
50,52 記憶装置
54 合成部
58 位置合わせ部
60 比較部
100 検査装置
101 基板
102 電子ビームカラム
103 検査室
106 検出回路
107 位置回路
108 比較回路
109 記憶装置
110 制御計算機
111 展開回路
112 参照回路
114 ステージ制御回路
117 モニタ
118 メモリ
119 プリンタ
122 レーザ測長システム
120 バス
123 チップパターンメモリ
124 レンズ制御回路
126 ブランキング制御回路
128 偏向制御回路
130,132 検出器ステージ
134,136 駆動機構
140 検出位置制御回路
142 駆動機構
150 光学画像取得部
160 制御系回路
200 電子ビーム
201 電子銃
202 照明レンズ
203 成形アパーチャアレイ部材
204 ブランキングアパーチャアレイ機構
205 縮小レンズ
206 制限アパーチャ部材
207 対物レンズ
208 偏向器
216 ミラー
222,224 検出器
300 2次電子群
301 基板
302 カラム
305 ステージ
312 ミラー
322 検出器
332 レーザ干渉計
342 ステージ駆動装置
22 穴
24,26 電極
25 通過孔
29 グリッド
30 検査領域
32 チップ
33 単位検査領域
34 照射領域
28,36 画素
41 制御回路
47 個別ブランキング機構
50,52 記憶装置
54 合成部
58 位置合わせ部
60 比較部
100 検査装置
101 基板
102 電子ビームカラム
103 検査室
106 検出回路
107 位置回路
108 比較回路
109 記憶装置
110 制御計算機
111 展開回路
112 参照回路
114 ステージ制御回路
117 モニタ
118 メモリ
119 プリンタ
122 レーザ測長システム
120 バス
123 チップパターンメモリ
124 レンズ制御回路
126 ブランキング制御回路
128 偏向制御回路
130,132 検出器ステージ
134,136 駆動機構
140 検出位置制御回路
142 駆動機構
150 光学画像取得部
160 制御系回路
200 電子ビーム
201 電子銃
202 照明レンズ
203 成形アパーチャアレイ部材
204 ブランキングアパーチャアレイ機構
205 縮小レンズ
206 制限アパーチャ部材
207 対物レンズ
208 偏向器
216 ミラー
222,224 検出器
300 2次電子群
301 基板
302 カラム
305 ステージ
312 ミラー
322 検出器
332 レーザ干渉計
342 ステージ駆動装置
Claims (4)
- 複数の電子ビームにより構成されるマルチビームを用いて、パターンが形成された基板上を走査するカラムと、
前記基板を載置する、移動可能なステージと、
前記基板に前記マルチビームを照射することに起因して前記基板から放出される2次電子群を検出する検出器と、
前記ステージの移動に追従するように、前記検出器を移動させる駆動部と、
を備えたことを特徴とするパターン検査装置。 - 前記ステージはステップアンドリピート動作を行い、
前記ステップアンドリピート動作における前記ステージが停止する場合に静定するまでの前記ステージの振動に追従するように前記検出器を移動させることを特徴とする請求項1記載のパターン検査装置。 - 前記ステージの振動を測定するレーザ干渉装置をさらに備え、
前記駆動部は、前記レーザ干渉装置によって測定された振動データを用いて、前記検出器を移動させることを特徴とする請求項2又は3記載のパターン検査装置。 - 複数の電子ビームにより構成されるマルチビームを用いて、パターンが形成された基板上を走査するカラムと、
前記基板を載置する、移動可能なステージと、
前記基板に前記マルチビームを照射することに起因して前記基板から放出される2次電子群を検出する複数の検出器と、
前記ステージの移動に追従するように、前記複数の検出器を移動させる複数の駆動部と、
前記複数の検出器によって検出された各データを合成し、前記パターンの画像を生成する画像生成部と、
を備えたことを特徴とするパターン検査装置。
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