JP2017198551A - 被曝線量計測システム、被曝線量計測方法、及びプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】いつ、どこで、だれが、どのくらいの放射線に被曝したかを分析、判断でき、より高度な放射線管理が行える被曝線量計測システム、被曝線量計測方法、及びプログラムを提供する。
【解決手段】被曝線量計測システム1は、線量計11と、測位装置12と、被曝線量解析装置13とを備える。線量計11は、作業員10の受ける放射線量を計測し、被曝線量の経時変化データを生成する。測位装置12は、作業員10の位置を測位し、測位位置の経時変化データを生成する。被曝線量解析装置13は、被曝線量の経時変化データと測位位置の経時変化データとを関連付けて被曝線量の解析を行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、被曝線量計測システム、被曝線量計測方法、及びプログラムに関する。
従来の放射線管理における作業員の被曝線量データは、個人線量計によって計測した被曝線量の積算値を用いることが一般的である(例えば特許文献1)。しかし、この手法では「いつ、どこで、だれが、どのくらい」の放射線に被曝したか、分析、判断することが困難である。一方、除染除去物や比較的高い放射能を有する放射性廃棄物を取り扱う可能性がある中間貯蔵施設では、作業員の被曝線量管理の観点から、より高度な放射線管理を求められる。
特開2014−199190号公報
特許文献1に示されるものでは、個々の作業員の被曝量や累積被曝線量のみが管理されている。この場合、その作業員が、いつ、どこで、どのように被曝したかを判定することは困難である。
上述の課題を鑑み、本発明は、いつ、どこで、だれが、どのくらいの放射線に被曝したかを分析、判断でき、より高度な放射線管理が行える被曝線量計測システム、被曝線量計測方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
上述の課題を解決するために、本発明の一態様に係る被曝線量計測システムは、作業員の受ける放射線量を計測し、被曝線量の経時変化データを生成する線量計と、前記作業員の位置を測位し、測位位置の経時変化データを生成する測位装置と、前記被曝線量の経時変化データと前記測位位置の経時変化データとを関連付けて被曝線量の解析を行う被曝線量解析装置と、を備えることを特徴とする。
本発明の一態様に係る被曝線量計測方法は、作業員の受ける放射線量を計測して被曝線量の経時変化データを生成するとともに、前記作業員の位置を測位して測位位置の経時変化データを生成する工程と、前記被曝線量の経時変化データ及び前記測位位置の経時変化データを被曝線量解析装置に転送する工程と、前記被曝線量解析装置で、前記被曝線量の経時変化データと前記測位位置の経時変化データとを関連付けて被曝線量の解析を行う工程と、を備えるようにしたことを特徴とする。
本発明の一態様に係るプログラムは、被曝線量の経時変化データ及び測位位置の経時変化データを読み出すステップと、前記被曝線量の経時変化データと前記測位位置の経時変化データとを関連付けて被曝線量の解析を行うステップと、被曝量の解析結果を表示するステップと、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、作業終了時に異常に高い線量に曝された作業員がいた場合、その作業員の測位位置の経時変化データと被曝線量の経時変化データから、「いつ・どこで・だれが・どのくらい」の放射線に被曝したかを確認することができる。このような分析により、放射性物質による局所的汚染場所等を迅速に推定することが可能となる。
本発明の第1の実施形態に係る被曝線量計測システムの概略構成図である。 本発明の第1の実施形態に係る被曝線量計測システムにおける線量計の一例を示すブロック図である。 本発明の第1の実施形態に係る被曝線量計測システムにおける測位装置の一例を示すブロック図である。 本発明の第1の実施形態に係る被曝線量計測システムにおいて被曝線量解析装置の一例を示すブロック図である。 本発明の第1の実施形態に係る被曝線量計測システムにおいて線量計から被曝線量解析装置に被曝線量の経時変化データを転送する際の処理を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施形態に係る被曝線量計測システムにおいて測位装置から被曝線量解析装置に測位位置の経時変化データを転送する際の処理を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施形態に係る被曝線量計測システムにおける被曝線量の経時変化データのデータベースの一例の説明図である。 本発明の第1の実施形態に係る被曝線量計測システムにおける測位位置の経時変化データのデータベースの一例の説明図である。 本発明の第1の実施形態に係る被曝線量計測システムにおいて被曝線量解析を行う際の処理を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施形態に係る被曝線量計測システムにおける計測時刻と、被曝線量と、測位位置との関係を示すデータベースの一例の説明図である。 本発明の第1の実施形態に係る被曝線量計測システムにおいて被曝線量解析装置の表示装置に表示される被曝線量の可視化画面の一例の説明図である。 本発明の第1の実施形態に係る被曝線量計測システムにおいて被曝線量解析装置の表示装置に表示される被曝線量の可視化画面の別の一例である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係る被曝線量計測システム1の概略構成を示すものである。
図1に示すように、本発明の第1の実施形態に係る被曝線量計測システム1は、線量計11と、測位装置12と、被曝線量解析装置13とから構成される。線量計11及び測位装置12は、作業員10が携帯している。なお、ここでは、1人の作業員10と、1つの線量計11及び1つの測位装置12のみ図示しているが、作業員10は、複数人おり、線量計11及び測位装置12は、複数の作業員10がそれぞれ携帯しているものとする。
線量計11は、作業員10の受ける外部の放射線量を計測し、被曝線量の経時変化データを生成する。線量計11全体は、作業員10が容易に携帯できるように、小型、軽量化されている。線量計11としては、例えば、図2に示すように、半導体検出器を用いた構成のものが用いられる。
図2は、線量計11の一例を示すブロック図である。図2に示すように、線量計11は、半導体検出器21と、分析部22と、コントローラ23と、表示部24と、警告部25と、メモリ26と、時計27と、インターフェース28とを備えている。
半導体検出器21は、例えばシリコン半導体検出器であり、入射した放射線に応じて、空乏層内に電子・ホール対を生成する。分析部22は、空乏層内に生成された電子・ホール対を分析して、放射線を検出する。コントローラ23は、分析部22の検出出力に基いて、放射線の線量率や積算線量を計算する。コントローラ23としては、例えばマイクロプロセッサが用いられる。表示部24は、例えば液晶ディスプレイからなり、放射線の線量率や積算線量を表示する。警告部25は、被曝の危険性があるとき等に、警報音を発生する。メモリ26は、不揮発性のメモリであり、時計27からの時刻情報に基いて、一定時間毎の被曝線量の経時変化データを記憶する。インターフェース28は、線量計11と被曝線量解析装置13との間で、データの授受を行う。インターフェース28は、LAN(Local Area Network)等の有線インターフェースでも良いし、無線LANやBluetooth(登録商標)等の無線インターフェースでも良い。また、インターフェース28は、赤外線通信を行うものでも良い。
このように、本実施形態では、線量計11は、表示部24を有しており、作業員10が表示部24の表示を見て、放射線の線量率や積算線量を確認できる。また、本実施形態では、線量計11は、警告部25を有しており、放射線漏れ等の事故に対して、素早く対処できる。更に、本実施形態では、線量計11は、一定時間毎の被曝線量の経時変化データをメモリ26に記憶する機能を有している。なお、上述の例では、線量計11として、半導体検出器を用いる構成としているが、ガイガーカウンタやシンチレーションカウンタ等、他の検出器を用いる構成としても良い。
図1において、測位装置12は、作業員10の位置を測位し、測位位置の経時変化データを生成する。測位装置12としては、例えば、PDR(歩行者自律航法:Pedestrian Dead-Reckoning)が用いられる。PDRは、自立型センサーにより加速度、角速度、磁気などを検知し、基準点からの歩行者の相対位置を精度良く計測する技術である。
図3は、測位装置12の一例を示すブロック図である。図3に示すように、測位装置12は、加速度センサ31と、角速度センサ32と、磁気センサ33と、コントローラ34と、メモリ35と、時計36と、インターフェース37とを備えている。
加速度センサ31は、X軸方向と、Y軸方向と、Z軸方向との三軸の加速度を検出する。角速度センサ32は、ピッチ方向と、ヨー方向と、ロール方向の三軸の角速度を検出する。磁気センサ33は、前後方向と、左右方向と、上下方向との三軸の地磁気を検出する。コントローラ34は、加速度センサ31、角速度センサ32、及び磁気センサ33の検出出力を用いて、作業員10の基準点からの相対位置を自律的に測位する。コントローラ34としては、例えばマイクロプロセッサが用いられる。メモリ35は、不揮発性のメモリであり、時計36からの時刻情報に基いて、一定時間毎に測位データを取得し、この一定時間毎の測位データを記憶する。インターフェース37は、測位装置12と被曝線量解析装置13との間で、データの授受を行う。インターフェース37は、LAN等の有線インターフェースでも良いし、無線LANやBluetooth(登録商標)等の無線インターフェースでも良い。また、インターフェース37は、赤外線通信を行うものでも良い。
このように、本実施形態では、測位装置12として、PDRを用いている。PDRを用いると、屋内でも、作業員10の現在地を測位できる。更に、本実施形態では、測位装置12は、一定時間毎の測位位置の経時変化データをメモリ35に記憶する機能を有している。
なお、測位装置12としては、小型、軽量化されており、ネームプレートと一体化して作業員10に装着できるようなものを用いることができる。また、測位装置12としては、汎用の携帯端末を用いても良い。また、上述の例では、測位装置12として、PDRを用いたが、GPS( Global Positioning System)や屋内GPS、ビーコンのような定置式の測位装置を用いても良い。また、線量計11と測位装置12とを一体化して構成しても良い。
図1において、被曝線量解析装置13は、線量計11から被曝線量の経時変化データを取り込むとともに、測位装置12から測位位置の経時変化データを取り込む。そして、被曝線量解析装置13は、被曝線量の経時変化データと測位位置の経時変化データとを関連付けて、被曝線量の解析を行う。被曝線量解析装置13としては、例えば、パーソナルコンピュータが用いられる。
図4は、被曝線量解析装置13として用いられるパーソナルコンピュータの一例を示すブロック図である。図4において、CPU(Central Processing Unit)41は、バス42に接続される。CPU41は、コマンドを解釈して、実行を行う。このバス42に、ROM(Read Only Memory)43、RAM(Random Access Memory)44が接続される。ROM43には、BIOS( Basic Input/Output System )等のブートプログラムが記憶されている。RAM44は、メインメモリとして用いられる。
また、バス42には、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等の補助記憶装置45や光ディスクドライブ46が接続される。補助記憶装置45には、OSやアプリケーションのプログラムが記録される他、画像ファイル、音声ファイル、テキストファイル、その他、各種のファイルが記録される。
また、バス42には、グラフィックス処理部47を介して、液晶ディスプレイ等の表示装置48が接続される。また、バス42には、通信インターフェース49が接続される。通信インターフェース49としては、LAN等の有線インターフェース、無線LANやBluetooth(登録商標)等の無線インターフェース、赤外線インターフェース等がある。さらに、バス42には、キーボード51やマウス52等の入力装置が接続される。
本実施形態では、図4に示したパーソナルコンピュータに、通信プログラム61と、被曝線量解析プログラム62とがインストールされる。通信プログラム61は、線量計11や測位装置12との間で、被曝線量の経時変化データや測位位置の経時変化データをやり取りするものである。被曝線量解析プログラム62は、被曝線量の経時変化データと測位位置の経時変化データとを関連付けて、放射線量の解析を行うものである。
放射被曝線量解析を行う場合には、まず、線量計11と被曝線量解析装置13とが接続され、線量計11から被曝線量解析装置13に、被曝線量の経時変化データが転送される。また、測位装置12と被曝線量解析装置13とが接続され、測位装置12から被曝線量解析装置13に、測位位置の経時変化データが転送される。
図5は、線量計11から被曝線量解析装置13に被曝線量の経時変化データを転送する際の処理を示すフローチャートである。
(ステップS101)CPU41は、通信インターフェース49に線量計11が接続されたか否かを判定する。CPU41は、通信インターフェース49に線量計11が接続されたと判定すると(ステップS101:Yes)、処理をステップS102に進める。
(ステップS102)CPU41は、線量計11に、被曝線量の経時変化データの転送要求を送信する。線量計11は、測位位置の経時変化データの転送要求を受信すると、メモリ26から被曝線量の経時変化データを読み出し、被曝線量解析装置13に送信する。
(ステップS103)CPU41は、線量計11から被曝線量の経時変化データを受信する。
(ステップS104)CPU41は、この被曝線量の経時変化データを補助記憶装置45に保存する。
図6は、測位装置12から被曝線量解析装置13に測位位置の経時変化データを転送する際の処理を示すフローチャートである。
(ステップS201)CPU41は、通信インターフェース49に測位装置12が接続されたか否かを判定する。CPU41は、通信インターフェース49に測位装置12が接続されたと判定すると(ステップS201:Yes)、処理をステップS202に進める。
(ステップS202)CPU41は、測位装置12に、測位位置の経時変化データの転送要求を送信する。測位装置12は、測位位置の経時変化データの転送要求を受信すると、メモリ35から測位位置の経時変化データを読み出し、被曝線量解析装置13に送信する。
(ステップS203)CPU41は、測位装置12から測位位置の経時変化データを受信する。
(ステップS204)CPU41は、この測位位置の経時変化データを補助記憶装置45に保存する。
なお、上述の例では、線量計11や測位装置12を被曝線量解析装置13に接続して、被曝線量の経時変化データや測位位置の経時変化データを、線量計11や測位装置12から被曝線量解析装置13に転送しているが、線量計11や測位装置12に無線LANを介してネットワークに接続できる機能をもたせ、線量計11からの被曝線量の経時変化データや測位装置12からの測位位置の経時変化データをネットワーク上のサーバ(クラウド上)に転送し、ネットワーク上のサーバを介して、被曝線量の経時変化データや測位位置の経時変化データを被曝線量解析装置13に転送するようにしても良い。
線量計11から被曝線量解析装置13に被曝線量の経時変化データを転送すると、補助記憶装置45には、被曝線量の経時変化データのデータベースが構築される。図7は、被曝線量の経時変化データのデータベースの一例である。図7に示すように、被曝線量の経時変化データのデータベースには、計測時刻と、被曝線量とが対応付けて記憶される。なお、線量計11の時計27の時刻と、被曝線量解析装置13でデータ管理する際の時計の時刻の表記とが異なる場合には、線量計11から被曝線量解析装置13に被曝線量の経時変化データを転送する際に、時刻の変換を行う必要がある。例えば、線量計11の時計27がUNIX(登録商標)時間なら、線量計11から被曝線量解析装置13に被曝線量の経時変化データを転送する際に、UNIX(登録商標)時間からカレンダー時間への変換を行う。
また、測位装置12から被曝線量解析装置13に測位位置の経時変化データを転送すると、補助記憶装置45には、測位位置の経時変化データのデータベースが構築される。図8は、測位位置の経時変化データのデータベースの一例である。図8に示すように、測位位置の経時変化データのデータベースには、計測時刻と、測位位置とが対応付けて記憶される。なお、前述と同様に、測位装置12の時計36の時刻と、被曝線量解析装置13でデータ管理する際の時計の時刻の表記とが異なる場合には、測位装置12から被曝線量解析装置13に測位位置の経時変化データを転送する際に、時刻の変換を行う必要がある。
図9は、被曝線量解析装置13で被曝線量解析を行う際の処理を示すフローチャートである。
(ステップS301)CPU41は、解析命令が入力されたか否かを判定する。CPU41は、解析命令が入力されたと判定すると(ステップS301:Yes)、処理をステップS302に進める。
(ステップS302)CPU41は、補助記憶装置45から、図7に示すような被曝線量の経時変化データのデータベースと、図8に示すような測位位置の経時変化データのデータベースとを読み出す。
(ステップ303)CPU41は、被曝線量の経時変化データのデータベースと測位位置の経時変化データのデータベースとを関連させて、図10に示すような、計測時刻と、被曝線量と、測位位置との関係を示すデータベースを構築する。
(ステップS304)CPU41は、計測時刻と、被曝線量と、測位位置ととの関係を示すデータベースから、解析命令に応じて必要なデータを取り出し、解析処理を行う。
(ステップS305)CPU41は、解析結果を、表示装置48に表示する。
なお、図7に示す計測時刻と線量との関係を示すデータベース及び図8に示す計測時刻と測位位置との関係を示すデータベースは、各作業員毎に構築される。したがって、作業員がN人であれば、図7及び図8に示すようなデータベースがN人分構築されることになる。同様に、図10に示すようなデータベースは、作業員がN人であれば、N人分構築されることになる。
このように、本発明の第1の実施形態に係る被曝線量計測システム1では、図7に示す被曝線量の経時変化データのデータベースと、図8に示す測位位置の経時変化データのデータベースとを関連付けることで、図10に示すように、計測時刻と、測位位置と、被曝線量ととの関係を示すデータベースが構築できる。これにより、「いつ・どこで・だれが・どのくらい」の放射線に被曝したかを、分析・判断することが可能になる。また、作業員がいつ、どこにいて、どのくらいの放射線に被曝したかを、画面上に表示して、被曝線量の経時変化を可視化することができる。
ここで、図7に示す被曝線量の経時変化データのデータベースと、図8に示す測位位置の経時変化データのデータベースとを関連付ける際には、計測時刻が鍵となる。したがって、線量計11からの被曝線量の経時変化データと、測位装置12からの測位位置の経時変化データとで、計測時刻を同期させておくことが望まれる。なお、線量計11からの被曝線量の経時変化データと、測位装置12からの測位位置の経時変化データとで計測時刻のタイミングが異なっている場合には、最も近い時刻のものを鍵として、関連付ければ良い。
図11は、被曝線量解析装置13の表示装置48に表示される被曝線量の可視化画面の一例である。この例は、作業員の位置と、被曝線量とを、時系列で可視化して、被曝線量解析装置13の表示装置48に表示したものである。すなわち、図11(A)、図11(B)、及び図11(C)では、それぞれ、午前9時、午前10時、午前11時に、作業員A〜Dがいた位置がプロットされている。各プロット位置には、そのときの各作業員の被曝線量が示されている。なお、被曝線量は、色や濃淡により、視覚的にわかりやすく表示しても良い。このように、作業員の位置と、被曝線量とを、時系列で可視化すると、各作業員の被曝線量だけでなく、いつ、どの位置で、線量の増加があったかを一瞥してわかる。
図12は、被曝線量解析装置13の表示装置48に表示される被曝線量の可視化画面の別の一例である。この例は、作業員が滞在していたエリアを時系列ごとに色や濃淡で視覚的に分かりやすく図示するとともに、その図の上に被曝線量率の経時変化を重ね合わせたものである。これにより、各作業員の被曝線量だけでなく、いつ、どのエリアで、被曝線量の増減があったかを一瞥して分かる。
以上説明したように、本実施形態では、作業終了時に異常に高い線量に曝された作業員がいた場合、その作業員の測位位置の経時変化データと被曝線量の経時変化データとを関連付けることで、「いつ・どこで・だれが・どのくらい」の放射線に被曝したかを確認することができる。また、被曝線量解析により、被曝線量の積算値による放射線管理だけでなく、放射性物質による局所的汚染場所等を迅速に推定することが可能となる。また、本発明では、従来から存在する一般的な空間線量の分布ではなく,作業員の行動パターンから最も被曝量が多いエリアを特定できるため、作業員の行動の効率化による被曝線量の低減や、作業員が集中しやすい場所に線量の高い資材等を置かないといった、作業改善に繋げることができる。
なお、被曝線量計測システム1の全部または一部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより各部の処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
1…被曝線量計測システム,11…線量計,12…測位装置,13…被曝線量解析装置

Claims (7)

  1. 作業員の受ける放射線量を計測し、被曝線量の経時変化データを生成する線量計と、
    前記作業員の位置を測位し、測位位置の経時変化データを生成する測位装置と、
    前記被曝線量の経時変化データと前記測位位置の経時変化データとを関連付けて被曝線量の解析を行う被曝線量解析装置と、
    を備えることを特徴とする被曝線量計測システム。
  2. 前記測位装置は、歩行者自律航法で作業員の位置を測位することを特徴とする請求項1に記載の被曝線量計測システム。
  3. 前記線量計は、所定時間毎の作業員の被曝線量の経時変化データを記憶するメモリを有することを特徴とする請求項1又は2に記載の被曝線量計測システム。
  4. 前記測位装置は、所定時間毎の作業員の測位位置の経時変化データを記憶するメモリを有することを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の被曝線量計測システム。
  5. 前記被曝線量解析装置は、作業員の位置と、被曝線量とを、時系列で可視化して表示することを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の被曝線量計測システム。
  6. 作業員の受ける放射線量を計測して被曝線量の経時変化データを生成するとともに、前記作業員の位置を測位して測位位置の経時変化データを生成する工程と、
    前記被曝線量の経時変化データ及び前記測位位置の経時変化データを被曝線量解析装置に転送する工程と、
    前記被曝線量解析装置で、前記被曝線量の経時変化データと前記測位位置の経時変化データとを関連付けて被曝線量の解析を行う工程と
    を備えるようにしたことを特徴とする被曝線量計測方法。
  7. 被曝線量の経時変化データ及び測位位置の経時変化データを読み出すステップと、
    前記被曝線量の経時変化データと前記測位位置の経時変化データとを関連付けて被曝線量の解析を行うステップと、
    被曝量の解析結果を表示するステップと、
    を含むコンピュータにより実行可能なプログラム。
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