JP2017198357A - 空気調和装置の室外機 - Google Patents

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Abstract

【課題】腐食モニタリング部材を筐体の内部から取り出すこと無しに、筐体の内部の金属部材の腐食状態を筐体の外部から容易に常時モニタリングすることができる空気調和装置の室外機を提供すること。
【解決手段】空気調和装置の室外機10aは、外郭を構成する筐体1と、筐体の内部に設けられた金属部材と、筐体の内部に設けられた金属部材と同じ金属材料を含む腐食モニタリング部材50と、腐食モニタリング部材の腐食状態が筐体の外部から見えるように構成された報知部60と、を備えたものである。
【選択図】図7

Description

本発明は、空気調和装置の室外機に関し、特に金属部材の腐食状態をモニタリングする技術に関するものである。
空気調和装置の室外機は、腐食に厳しい塩害環境の屋外に設置されることがあり、その場合、室外機の筐体の外部だけでなく、筐体の内部に位置する伝熱管などの金属部材も厳しい腐食環境にさらされる。そのため、室外機の筐体の外部の腐食状態に加えて、室外機の筐体の内部に位置する金属部材の腐食状態もモニタリングし、室外機を効率的にメンテナンスすることが求められるようになってきた。
従来、室外機に搭載された金属部材の腐食状態を検出するために、金属部材を模擬した腐食モニタリング部材を用意し、その腐食モニタリング部材の腐食状態を観察する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1には、電子機器などの対象機器の腐食環境をモニタリングするための腐食モニタリング部材として、透明な基板上に膜厚を連続的または段階的に変化させて形成した金属薄膜からなる腐食環境モニタリング装置が示されている。この装置は、対象機器の測定箇所の近傍に設置して使用する。設置した腐食環境モニタリング装置の金属薄膜上には、腐食に伴って腐食生成物が形成される。この腐食生成物の厚さの違いに起因した変色を観察することで、腐食状態を把握できるとされている。また、変色を厚みの異なる金属薄膜でモニタリングするため、腐食生成物の生成速度も把握できるとされている。
特開平10−90165号公報
室外機に搭載されている室外熱交換器の伝熱フィンは外気と熱交換するため、その大部分が室外機の筐体の外部から目視で確認できる位置に配置されている。一方で、伝熱フィンが設けられていない伝熱管は、室外機の筐体の外部から目視で確認できない位置に配置されている。このような筐体の内部に位置し、伝熱フィンが設けられていない伝熱管に代表される金属部材の腐食状態を正確に把握したい場合には、その金属部材の近傍に腐食環境モニタリング装置を設置し、金属部材と腐食環境モニタリング装置とを同じ腐食環境に置いた方がよい。
しかし、所望の金属部材の近傍に配置して腐食環境モニタリング装置が筐体の内部に位置する事になると、室外機の筐体の外部から腐食環境モニタリング装置を確認することができない。そのため、筐体の内部から腐食環境モニタリング装置を取り出して観察する必要があり、腐食状態を常時モニタリングすることが困難である。
また、室外機の筐体の腐食環境モニタリング装置の近傍となる位置に開口窓、透明窓などを設けて、筐体の内部の腐食環境モニタリング装置を確認したり、筐体にある既存の隙間から筐体の内部の腐食環境モニタリング装置を確認したりするなどの対応が考えられる。しかし、筐体の内部は光に乏しく暗いために、腐食環境モニタリング装置の観察が困難である。また、単に腐食環境モニタリング装置が見えるだけでは、腐食環境モニタリング装置の表面に発生した僅かな腐食痕などの詳細な腐食状態の把握が困難である。
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたもので、腐食モニタリング部材を筐体の内部から取り出すこと無しに、筐体の内部の金属部材の腐食状態を筐体の外部から容易に常時モニタリングすることができる空気調和装置の室外機を提供することを目的としている。
本発明に係る空気調和装置の室外機は、外郭を構成する筐体と、前記筐体の内部に設けられた金属部材と、前記筐体の内部に設けられた前記金属部材と同じ金属材料を含む腐食モニタリング部材と、前記腐食モニタリング部材の腐食状態が前記筐体の外部から見えるように構成された報知部と、を備えたものである。
本発明に係る空気調和装置の室外機によれば、筐体の内部に設けられた腐食モニタリング部材の腐食状態が、筐体の外部から見えるように構成された報知部を備えているため、腐食モニタリング部材を筐体の内部から取り出すこと無しに、腐食モニタリング部材の腐食状態をモニタリングすることができる。また、腐食モニタリング部材は、金属部材と同じ金属材料を含んでいるため、腐食モニタリング部材の腐食状態をモニタリングすることで、金属部材の腐食状態をモニタリングすることができる。以上より、腐食モニタリング部材を筐体の内部から取り出すこと無しに、筐体の内部の金属部材の腐食状態を筐体の外部から容易に常時モニタリングすることができる。
本発明の実施の形態1に係る空気調和装置の冷媒回路の構成例を示す図である。 本発明の実施の形態1に係る空気調和装置の室外熱交換器の構成例を示す模式図である。 本発明の実施の形態1に係る空気調和装置の室外機を示す外観模式図である。 本発明の実施の形態1に係る空気調和装置の室外機の断面構造を示す模式図である。 本発明の実施の形態1に係る空気調和装置の室外機の前面と左側面とがなす角部を拡大した断面模式図である。 本発明の実施の形態1に係る空気調和装置の室外機を左側面から見た模式図である。 本発明の実施の形態1に係る腐食モニタリング部材の設置方法を説明するための図である。 図5とは別の設置方法を説明するための図である。 本発明の実施の形態1に係る空気調和装置の室外機の筐体の内部の伝熱管近傍に腐食モニタリング部材を設けた室外機の断面構造を示す模式図である。 本発明の実施の形態1に係る空気調和装置の室外機の腐食モニタリング部材と第一検出報知部および第二検出報知部との位置関係を補足説明する第一の図である。 本発明の実施の形態1に係る空気調和装置の室外機の腐食モニタリング部材と第一検出報知部および第二検出報知部との位置関係を補足説明する第二の図である。 本発明の実施の形態2に係る腐食モニタリング部材の設置方法を説明するための図である。 本発明の実施の形態2に係る空気調和装置の室外機の筐体の内部の伝熱管近傍に腐食モニタリング部材を設けた室外機の断面構造を示す模式図である。 本発明の実施の形態2に係る空気調和装置の室外機の腐食モニタリング部材と第一検出報知部および第二検出報知部との位置関係を補足説明する第一の図である。 本発明の実施の形態2に係る空気調和装置の室外機の腐食モニタリング部材と第一検出報知部および第二検出報知部との位置関係を補足説明する第二の図である。 本発明の実施の形態3に係る空気調和装置の室外機を示す外観模式図である。 本発明の実施の形態3に係る空気調和装置の室外機の断面構造を示す模式図である。 本発明の実施の形態4に係る空気調和装置の室外機を示す外観模式図である。 本発明の実施の形態4に係る空気調和装置の室外機の断面構造を示す模式図である。 本発明の実施の形態4に係る腐食モニタリング部材の設置方法を説明するための図である。 本発明の実施の形態5に係る空気調和装置の室外機を示す外観模式図である。 本発明の実施の形態5に係る空気調和装置の室外機の断面構造を示す模式図である。 本発明の実施の形態6に係る空気調和装置の室外機の断面構造を示す模式図である。 本発明の実施の形態7に係る空気調和装置の室外機の断面構造を示す模式図である。 本発明の実施の形態8に係る空気調和装置の室外機の断面構造を示す模式図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、以下に説明する実施の形態によって本発明が限定されるものではない。また、以下の図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。
実施の形態1.(ビル用マルチ3面吸込み)
図1は、本発明の実施の形態1に係る空気調和装置の冷媒回路200の構成例を示す図である。なお、冷媒回路200は基本的な要素を用いて説明するが、熱交換器の数を限定するものではなく、また、付属要素、付属配管などがあってもよい。
また、以下の説明において、理解を容易にするために方向を表す用語(例えば「上」、「下」、「右」、「左」、「前」、「後」等)を適宜用いるが、これは説明のためのものであって、これらの用語は本願発明を限定するものではない。また、本実施の形態1では、室外機を正面視した状態において、「上」、「下」、「右」、「左」、「前」、「後」を使用する。そして、後述する実施の形態2〜8についても同様である。
以下、図1を用いて本実施の形態1に係る空気調和装置の冷媒回路200の構成例を説明する。
本実施の形態1に係る冷媒回路200は、圧縮機201、マフラー202、四方弁203、室外熱交換器100、キャピラリ205、ストレーナ206、電磁膨張弁207、ストップバルブ208a、室内熱交換器209、ストップバルブ208b、補助マフラー210、アキュムレータ(図示せず)、が配管220で順次接続され、構成されている。また、この冷媒回路200内に各種の冷媒が充填圧力まで充填されることにより、冷凍サイクルが構成されている。
なお、流路切替手段として四方弁203の代わりに、二方弁または三方弁などを組み合わせて構成してもよい。
次に、本実施の形態1に係る空気調和装置の冷房運転時の動作について説明する。
四方弁203により冷房運転に切り替えた場合を考える。冷媒は圧縮機201により圧縮されて高温高圧のガス冷媒となった後、四方弁203を介して室外熱交換器100に流入する。室外熱交換器100に流入した高温高圧のガス冷媒は、室外熱交換器100を通過する室外空気と熱交換して高圧の液冷媒となる。
室外熱交換器100から流出した高圧の液冷媒は、キャピラリ205および電磁膨張弁207で減圧され、低圧の気液二相の冷媒となって室内熱交換器209に流入する。室内熱交換器209に流入した低圧の気液二相の冷媒は、室内熱交換器209を通過する室内空気と熱交換して低温低圧のガス冷媒となって圧縮機201に流れ込む。
次に、本実施の形態1に係る空気調和装置の暖房運転時の動作について説明する。
四方弁203により暖房運転に切り替えた場合を考える。冷媒は圧縮機201により圧縮されて高温高圧のガス冷媒となった後、四方弁203を介して室内熱交換器209に流入する。室内熱交換器209に流入した高温高圧のガス冷媒は、室内熱交換器209を通過する室内空気と熱交換して高圧の液冷媒となる。
室内熱交換器209から流出した高圧の液冷媒は、電磁膨張弁207およびキャピラリ205で減圧され、低圧の気液二相の冷媒となり、室外熱交換器100に流入する。室外熱交換器100に流入した低圧の気液二相の冷媒は、室外熱交換器100を通過する室外空気と熱交換して低温低圧のガス冷媒となって圧縮機201に吸入される。
図2は、本発明の実施の形態1に係る空気調和装置の室外熱交換器100の構成例を示す模式図である。
以下、図2を用いて本実施の形態1に係る空気調和装置の室外熱交換器100の構成例を説明する。
室外熱交換器100は、フィンアンドチューブ型熱交換器であり、伝熱フィン3と、伝熱管4と、分配器5と、ヘッダ6とを備えている。
伝熱管4は、直管部4aと、隣接する直管部4a同士を連結するヘアピン部4bとで構成されており、一端が分配器5に接続されており、他端がヘッダ6に接続されている。伝熱フィン3は、ろう付けまたは伝熱管4の拡管などにより、伝熱管4に接合されている。
なお、近年では熱交換効率の向上および低コスト化の観点から、伝熱管4にアルミニウム製の扁平管が用いられるようになり、この場合はアルミニウム製の伝熱フィン3と扁平管とをろう付けして接合する場合が多い。アルミニウム製の伝熱管4はその表面に亜鉛犠牲層を形成し、その亜鉛犠牲層を犠牲的に腐食させることで、腐食による貫通孔発生を防止しており、これにより伝熱管4からの冷媒漏れを防止することができる。
この室外熱交換器100は、図2中の矢印300で示す向きに冷媒が流れる。冷房運転の場合、圧縮機201から高温高圧のガス冷媒が分配器5を介して伝熱フィン3が接合されている伝熱管4に流れ込み、空気と熱交換する。空気と熱交換した冷媒は、ヘッダ6を介してキャピラリ205および電磁膨張弁207に流れ込む。なお、室外熱交換器100は、分配器5、ヘッダ6の有無にかかわらず、冷媒回路を構成することができる。
---(ビル用マルチ室外機の構成例)---
図3は、本発明の実施の形態1に係る空気調和装置の室外機10aを示す外観模式図であり、図4Aは、本発明の実施の形態1に係る空気調和装置の室外機10aの断面構造を示す模式図である。なお、図4Aは、室外機10aの伝熱フィン3を含む横断面を天面側から見た模式図である。また、図4Aにおいて、室外機10aの筐体1の前面21、裏面22、左側面23、右側面24とするが、これらの面は説明の都合上便宜的なもので、実際の設置向きとは無関係である。
次に、図3、図4Aを用いて、室外機10aの筐体1の内部における室外熱交換器100の構造を説明する。
図3に示すように、本実施の形態1に係る室外機10aは、ビル用マルチエアコンの外観例である。室外機10aは外郭を構成する略直方体形状の筐体1を備えており、筐体1の内部には平面視してU字形状の室外熱交換器100が配置されている。また、筐体1の前面21以外の3つの側面には外側開口2が設けられており、室外熱交換器100の構成要素である伝熱フィン3は外側開口2から見える位置に配置されている。
つまり、伝熱フィン3は、外側開口2を介して筐体1の外部から見える位置に配置されている。筐体1は、ピラー、パネル、各種板金(図示せず)で構成されている。また、筐体1の天面には、その内部にファン(図示せず)を有するファン部9が設けられている。そして、伝熱フィン3よりも外側に設けられている外側開口2から取り入れた空気を、室外熱交換器100を通過した後にファン部9から排出する。
以降の説明でも同様であるが、室外機10aの筐体1を構成する各面のピラー、パネル、あるいは外側開口2、ファン部9などの形状は特に限定しない。外側開口2は複数の開口、スリットなどで構成してもよい。また、各面のアスペクト比を限定するものではない。さらに、ファン部9はその構造、数を限定するものではない。
室外機10aは、筐体1の内部に室外熱交換器100が配置されているため、室外熱交換器100の構成要素である伝熱フィン3、伝熱管4、分配器5、および、ヘッダ6も筐体1の内部に配置されている。また、室外機10aの筐体1の内部には、圧縮機201などを内蔵した内部筐体8が前面21側に設置されている。この内部筐体8には、図1で示した四方弁203など、その他機器が配置されている。
---(進歩性主張のための緒言)---
室外機10aを構成する金属部材は、金属表面に水膜が形成されると大気環境下で腐食が進行しうる。また、室外機10aは塩害環境の屋外にも設置されるため、雨水、海水飛沫を含む風雨にさらされ、腐食因子を含む水が付着しうる。室外機10aを構成する金属部材のうち、特に内部に冷媒が流れる金属部材の腐食状態をモニタリングしたい場合が多い。
図4Bは、本発明の実施の形態1に係る空気調和装置の室外機10aの前面21と左側面23とがなす角部を拡大した断面模式図である。なお、図4Bには、室外機10aの筐体1の外部から室外機10aの筐体1の内部へと流れ込む空気流れを矢印301で示している。
外側開口2から入った空気は伝熱フィン3を通過するが、筐体1に遮られ室外機10aの筐体1の外部から見えない位置にある領域80、つまり、伝熱フィン3が接合されていない部分の直管部4aおよびヘアピン部4bが位置する領域80では、空気流れが乏しい。そのため、この領域80の水膜は、十分な空気流れがある伝熱フィン3の水膜よりも滞留しやすくなる。なお、これは前面21と右側面24とからなる角部においても同様である。
図4Cは、本発明の実施の形態1に係る空気調和装置の室外機10aを左側面23から見た模式図である。
室外機10aの筐体1の内部において、領域80は、高さ方向の全体にわたって筐体1に遮られている。そのため、領域80に位置する伝熱管4は、十分な空気流れがある領域に位置する伝熱フィン3よりも、水膜が滞留しやすくなる。特に、伝熱フィン3が接合されていない部分の直管部4aおよびヘアピン部4bは、伝熱フィン3が接合されていないために、水膜に直接曝されることになる。したがって、室外熱交換器100の伝熱フィン3よりも、室外機10aの筐体1の内部かつ外部から見えない位置にある、伝熱フィン3が接合されていない部分の直管部4aおよびヘアピン部4bの腐食状態をモニタリングしたい場合が多い。
また、海塩粒子などを含んだ水、雨水、結露水などは上部から下部に流れ落ちるため、室外機10aの底面に近い伝熱管4ほど腐食が進行しやすい場合がある。さらに、風で巻き上げられた砂塵、有機物などがファン部9、外側開口2などから室外機10aの筐体1の内部に入り、それらが室外機10aの底に溜まる場合があり、その近傍の伝熱管4にそれらが付着しうる。そして、伝熱管4に付着した砂塵、有機物などにおいては水分の凝縮が起こりやすくなる。
以上のことから、腐食モニタリング部材を設置する場合、腐食状態をモニタリングしたい位置に設置すればよいが、好ましくは、筐体1の内部に位置し、室外機10aの天面よりも下部で、室外機10aの底面よりも上部に位置する、伝熱フィン3が接合されていない部分の直管部4aまたはヘアピン部4bに設置するのがよい。さらに好ましくは、伝熱フィン3が接合されていない部分の直管部4aおよびヘアピン部4bのうち、最も室外機10aの底面に近い直管部4aまたはヘアピン部4bに設置するのがよい。
ところで、上述のように伝熱フィン3が接合されていない部分の直管部4aまたはヘアピン部4bに腐食モニタリング部材を設置して、腐食モニタリング部材が室外機10aの筐体1の内部に位置することになると、腐食モニタリング部材が筐体1に遮られるため、室外機10aの筐体1の外部から腐食モニタリング部材の腐食状態を確認できない。
そのため、筐体1の内部から腐食モニタリング部材を取り出して観察する必要があり、腐食状態を常時モニタリングすることが困難となる。外側開口2から室外機10aの筐体1の内部を覗いても、室外機10aの筐体1の内部は暗いために、腐食モニタリング部材を設置した直管部4aまたはヘアピン部4bを観察することができない。
また、室外機10aの筐体1の腐食環境モニタリング部材の近傍となる位置に開口窓、透明窓などを設けて、筐体1の内部の腐食モニタリング部材を観察するなどの対応が考えられるが、前述のように筐体1の内部は光に乏しく暗いために、腐食モニタリング部材の観察が困難である。仮にこのような対応で、単に腐食環境モニタリング装置が見えたとしても、腐食モニタリング部材の表面に発生した僅かな腐食痕などの把握が困難である。
あるいは、室外機10aの筐体1の内部に設置した腐食モニタリング部材が筐体1の外部から容易に見えるように室外機10aの筐体1に開口窓を設けると、室外機10aに必要な所定強度を維持できないばかりか、室外機10aの筐体1の内部機器の保護ができず、さらには安全上好ましくない。また、室外機10aの筐体1に透明窓を設ける対応では、コストの増大を招くことになる。
このように、室外機10aの筐体1の内部に設置した腐食モニタリング部材は、筐体1の外部から容易に腐食状態をモニタリングすることが難しく、また、室外機10aの筐体1に開口窓、透明窓などを設ける構成では、所定の強度が維持できず、コスト増大を招かざるを得なかった。
発明者らは鋭意検討を重ねた結果、腐食状態をモニタリングするための腐食モニタリング部材を、暗い室外機10aの筐体1の内部に設置する場合でも、腐食モニタリング部材を筐体1の内部から取り出すことなく筐体1の外部から詳細な腐食状態を常時モニタリングすることができ、かつ、室外機10aの強度維持と安全性とを確保しつつ、コストの増大を招かない後述の室外機10aを構成するに至った。
---(3面吸込みビル用マルチに腐食モニタリング部材を備えた構成例)---
-(腐食モニタリング部材の説明)-
図5は、本発明の実施の形態1に係る腐食モニタリング部材50の設置方法を説明するための図であり、図6は、図5とは別の設置方法を説明するための図である。
なお、図5(a)は伝熱管4が扁平管である場合の側面図を示しており、図5(b)は伝熱管4が扁平管である場合の正面図を示しており、図5(c)は伝熱管4が円管である場合の側面図を示しており、図5(d)は伝熱管4が円管である場合の正面図を示している。また、図6は、図5とは別の設置方法を説明するための図である。また、図6(a)は伝熱管4が扁平管である場合の側面図を示しており、図6(b)は伝熱管4が扁平管である場合の正面図を示しており、図6(c)は伝熱管4が円管である場合の側面図を示しており、図6(d)は伝熱管4が円管である場合の正面図を示している。
図5および図6に示す伝熱管4は、伝熱フィン3が接合されていない部分の直管部4aおよびヘアピン部4bであり、アルミニウムまたはアルミニウム合金製の扁平管または円管である。この伝熱管4の室外熱交換器100における位置は、室外機10aの天面よりも下部で、かつ、室外機10aの底面よりも上部であればよい。
腐食モニタリング部材50は、室外機10aの筐体1の内部に位置する伝熱管4の腐食状態をモニタリングするための部材である。その材質は腐食状態を把握したい伝熱管4と同様の材質で構成するのがよい。これは、腐食状態を把握したい伝熱管4と同様の腐食進行を腐食モニタリング部材50で実現するためである。腐食モニタリング部材50の形状は特に限定しないが、例えば略直方体、板状などである。
また、冷媒回路200を構成する他の機器に影響を与えない程度の大きさで構成するのが望ましい。伝熱管4と同様の材質を用いる観点からは、伝熱管4を加工して腐食モニタリング部材50を構成し、その幅aを伝熱管4の幅と同等に設定するのが経済的であり、幅aは300mm以下に設定するとよい。また、腐食モニタリング部材50の厚さtも伝熱管4と同等以下に設定するのが好ましく、30mm以下に設定するとよい。腐食モニタリング部材50の長さwは特に限定しないが、腐食状態を把握したい伝熱管4の領域幅に設定するとよい。
腐食モニタリング部材50は、固定部材51にて伝熱管4に固定されている。なお、固定部材51の材質、形状は特に限定しないが、腐食モニタリング部材50の腐食状態のモニタリングを妨げない位置で、図5に示すように伝熱管4の直管部4a、または図6に示すように伝熱管4のヘアピン部4bに固定するのがよい。
固定部材51として、腐食モニタリング部材50および伝熱管4との接触腐食を回避するため、樹脂材料で構成した結束バンドなどを適用するとよい。また、固定部材51のみで腐食モニタリング部材50を伝熱管4に固定することが難しい場合は、補助部材52を併用して固定するとよい。
なお、図5では、直管部4aの上部に腐食モニタリング部材50を設置した例を示しているが、直管部4aの下部に腐食モニタリング部材50を設置してもよい。また、図6では、ヘアピン部4bの上部に腐食モニタリング部材50を設置した例を示しているが、ヘアピン部4bの下部に腐食モニタリング部材50を設置してもよい。
このように設置した腐食モニタリング部材50の腐食状態は、腐食モニタリング部材50の外表面55の変色、あるいは、腐食痕または孔食痕の発生位置の変化などから把握することができる。特に、外表面55側に時間の経過と共に腐食が進行する様子が外観観察から把握できる構成にしておけば、腐食状態を容易に観察することができる。
例えば、アルミニウムまたはアルミニウム合金が露出した領域と亜鉛犠牲層を表面に形成した領域とを外表面55に共存させる。この構成では、亜鉛犠牲層を形成した領域が、アルミニウムまたはアルミニウム合金が露出した領域よりも優先的に腐食する。すなわち、亜鉛犠牲層を表面に形成した領域でアノード反応が起こり、腐食が進行する一方、アルミニウムまたはアルミニウム合金が露出した領域ではカソ―ド反応となり、腐食が抑制される。
しかし、時間の経過と共に腐食が進行し亜鉛犠牲層が腐食すると、アルミニウムまたはアルミニウム合金が露出した領域の腐食抑制効果が低下する。こうなると、亜鉛犠牲層を表面に形成した領域から離れた位置のアルミニウムまたはアルミニウム合金が露出した領域に腐食痕または孔食痕が生じるようになり、この腐食痕または孔食痕の発生位置が時間の経過と共に亜鉛犠牲層を形成した領域に近づいていく。また、腐食痕または孔食痕が発生する領域も、時間の経過と共に拡大する。このような腐食痕または孔食痕の発生位置の変化および発生領域の拡大を、外観観察によりモニタリングすることで、腐食状態を容易に把握することができる。
-(室外機を含めた全体構成の説明)-
図7は、本発明の実施の形態1に係る空気調和装置の室外機10aの筐体1の内部の伝熱管4近傍に腐食モニタリング部材50を設けた室外機10aの断面構造を示す模式図である。なお、図7は、室外機10aの腐食モニタリング部材50を含む横断面を天面側から見た模式図である。また、図7において、室外機10aの筐体1の前面21、裏面22、左側面23、右側面24とするが、これらの面は説明の都合上便宜的なもので、実際の設置向きとは無関係である。
図7に示すように、前面21側の角部に位置している伝熱フィン3が接合されていない部分の伝熱管4には、図5および図6に示したように腐食モニタリング部材50が設置されている。なお、図7では腐食モニタリング部材50を最下部の直管部4aまたはヘアピン部4bに設置した例で示している。
また、筐体1には、第一開口である第一検出報知部60と、第二開口である第二検出報知部61とが設けられている。なお、第一検出報知部60と第二検出報知部61との組み合わせは、本実施の形態1に係る報知部の一例である。また、第一検出報知部60および第二検出報知部61は様々な構成を採れるが、本実施の形態1では、第一検出報知部60および第二検出報知部61をそれぞれ開口で構成した場合で説明する。
これら開口は、外側開口2とは別の開口である。これらのうち第一検出報知部60は筐体1の前面21に、第二検出報知部61は筐体1の左側面23および右側面24に、それぞれ設けられている。
第一検出報知部60および第二検出報知部61は、筐体1の側面の腐食モニタリング部材50を挟む位置に設けられている。つまり、第一検出報知部60と第二検出報知部61とを結ぶ領域である光経路上に腐食モニタリング部材50が配置されている。そのため、第二検出報知部61から入った光が、腐食モニタリング部材50を経由して、第一検出報知部60に至るように構成されている。
また、室外機10aの筐体1の内部の他機器は、以下で説明する第一検出報知部60と第二検出報知部61とを結ぶ領域である光経路と干渉しないように配置されている。また、筐体1の内部の前面21側かつ右側面24側には、圧縮機201などを内蔵した内部筐体8aが配置されているが、その内部筐体8aは、前面21側から右側面24側にかけて角部が切り欠けられており、第二検出報知部61から入った光が、腐食モニタリング部材50を経由して、第一検出報知部60に至るのを妨げない形状を有している。
-(腐食モニタリング部材と検出報知部との位置関係の説明)-
図8は、本発明の実施の形態1に係る空気調和装置の室外機10aの腐食モニタリング部材50と第一検出報知部60および第二検出報知部61との位置関係を補足説明する第一の図である。なお、図8の矢印90は、光を示している。
以下、図8を用いて腐食モニタリング部材50と第一検出報知部60および第二検出報知部61との水平方向の位置関係について説明する。
図8は、室外機10aの腐食モニタリング部材50、第一検出報知部60、および、第二検出報知部61を含む横断面を天面側から見た模式図であり、腐食モニタリング部材50、第一検出報知部60、および、第二検出報知部61周辺を拡大した図である。
前述のように、腐食モニタリング部材50の外表面55の変色、あるいは、腐食痕または孔食痕の発生位置の変化などの外観観察から腐食状態をモニタリングするため、室外機10aは、少なくとも第二検出報知部61から筐体1の内部に入り、腐食モニタリング部材50の水平方向全域を経由した光が、第一検出報知部60から見えるように構成されている。
すなわち、第一検出報知部60および第二検出報知部61の開口幅lは、少なくとも、第一検出報知部60および第二検出報知部61の中心を結ぶ直線に対して垂直な方向に沿った腐食モニタリング部材50の幅に設定するのがよい。開口幅lをこれよりも小さくすると、腐食モニタリング部材50の水平方向全域を観察することができない。
なお、開口幅lはこれに限定されるものではなく、室外機10aの筐体1に必要な所定強度を下回らない必要最小限の範囲で大きく設定することができる。そして、開口幅lを前記必要最小限の範囲で大きく設定することにより、第二検出報知部61から腐食モニタリング部材50を経由して第一検出報知部60に至る光量を増やすことができる。
図9は、本発明の実施の形態1に係る空気調和装置の室外機10aの腐食モニタリング部材50と第一検出報知部60および第二検出報知部61との位置関係を補足説明する第二の図である。なお、図9の矢印90は、光を示している。
以下、図9を用いて腐食モニタリング部材50と第一検出報知部60および第二検出報知部61との垂直方向の位置関係について説明する。
図9は、室外機10aの腐食モニタリング部材50、第一検出報知部60、および、第二検出報知部61を含む縦断面を側面側から見た模式図であり、腐食モニタリング部材50、第一検出報知部60、および、第二検出報知部61周辺を拡大した図である。なお、図9では腐食モニタリング部材50を、図5に示すように扁平管に設けた場合について説明する。
腐食モニタリング部材50は、幅a、厚さtで構成されている。伝熱管4の厚さはTであり、そのピッチはdである。さらに、腐食モニタリング部材50と筐体1の左側面23または右側面24との間の距離はbであり、腐食モニタリング部材50と筐体1の前面21との間の距離はcである。ただし、これら距離b、cは左側面23側と右側面24側とで異なって構成してもよい。さらに、筐体1は厚さhで構成されている。
前述のように、腐食モニタリング部材50の外表面55の変色、あるいは、腐食痕または孔食痕の発生位置の変化などの腐食状態を外観観察によりモニタリングするため、室外機10aは、少なくとも第二検出報知部61から筐体1の内部に入り、腐食モニタリング部材50の外表面55の全域を反射した光が、第一検出報知部60に至るように構成されている。
すなわち、第二検出報知部61は、腐食モニタリング部材50の外表面55の高さ位置よりも上側に向かって幅Bに設定するのがよく、第二検出報知部61の幅Bは、(b+h)tanθ、tanθ=(d−t−T)/aを満たす。また、第一検出報知部60は、腐食モニタリング部材50の外表面55の高さ位置よりも上側に向かって幅Cに設定するのがよく、第一検出報知部60の幅Cは、(a+c+h)tanθを満たす。
室外機10aをこのように構成することで、筐体1の左側面23または右側面24の第二検出報知部61から入った光が、腐食モニタリング部材50の外表面55全域を経由し、この光が筐体1の前面21の第一検出報知部60に至る。ここで、第二検出報知部61の幅Bおよび第一検出報知部60の幅Cをこれよりも小さく設定すると、第二検出報知部61から入って腐食モニタリング部材50で反射した光が、伝熱管4または筐体1の影になったり、モニタリングすべき領域の反射光の光量が不十分となったりする。そのため、腐食モニタリング部材50の外表面55の全域を効率的に観察することができない。
なお、第二検出報知部61の幅Bおよび第一検出報知部60の幅Cは、これに限定されるものではなく、室外機10aの筐体1に必要な所定強度を下回らない必要最小限の範囲で大きく設定することができる。そして、第二検出報知部61の幅Bおよび第一検出報知部60の幅Cを前記必要最小限の範囲で大きく設定することにより、第二検出報知部61から腐食モニタリング部材50を経由して第一検出報知部60に至る光量を増やすことができる。
以上のように、腐食モニタリング部材50を挟む位置に第一開口である第一検出報知部60と、第二開口である第二検出報知部61とを設け、腐食モニタリング部材50の後方に位置する第二検出報知部61から腐食モニタリング部材50の外表面55全域の腐食状態を反映した光が、全て前方の第一検出報知部60に通じる構成にした。
このため、室外機10aの筐体1の内部に腐食モニタリング部材50を配置した場合であっても、腐食モニタリング部材50を筐体1の内部から取り出すこと無しに、室外機10aの筐体1の内部の伝熱管4の腐食状態を筐体1の外部から容易に常時モニタリングすることができる。
なお、本実施の形態1では、扁平管に補助部材52を用いない例で説明したが、補助部材52を用いる場合は、その厚さを扁平管厚さTに含めて構成することができる。また、腐食モニタリング部材50を最上部の伝熱管4に設置した場合は、ピッチdの代わりに伝熱管4から筐体1の天面までの距離を採用することができる。また、図6に示すように、腐食モニタリング部材50を伝熱管4近傍に設置した場合は、筐体1の左側面23または右側面24の第二検出報知部61から入った光が、隣接する伝熱管4と干渉しない場合がある。この場合は、室外機10aの筐体1の所定強度を下回らない範囲の大きさで、第一検出報知部60および第二検出報知部61を構成することができる。
---(効果とまとめ)---
以上、本実施の形態1の室外機10aでは、室外機10aの筐体1の内部の伝熱管4の腐食状態を把握するための腐食モニタリング部材50を筐体1の内部に備え、腐食モニタリング部材50を挟む位置に第一開口である第一検出報知部60と、第二開口である第二検出報知部61とを構成した。そして、この第二検出報知部61としての開口から腐食モニタリング部材50の外表面55に導入した光を前方の第一検出報知部60に至るように構成してある。
そのため、暗い室外機10aの筐体1の内部に腐食モニタリング部材50を配置した場合であっても、腐食モニタリング部材50を筐体1の内部から取り出すこと無しに、室外機10aの筐体1の内部に搭載した金属部材の詳細な腐食状態を筐体1の外部から容易に常時モニタリングすることができる。また、必要最小限の範囲で開口を構成したので、室外機10aの筐体1に必要な所定の強度を維持し、室外機10aの筐体1の内部機器の保護と安全性とを確保しつつ、腐食状態をモニタリングすることができる。
本実施の形態1では、第一検出報知部60および第二検出報知部61が開口である例について説明したが、それに限定されず、開口の代わりに、透明窓、光を筐体1の外部に向けて放出する発散凸レンズなどを用いて第一検出報知部60および第二検出報知部61を構成することができる。また、第一検出報知部60および第二検出報知部61は外側開口2とは別の開口を有する例について説明したが、腐食状態を把握したい部位によっては、外側開口2から室外機10aの筐体1の内部に導入される光を利用してもよい。
さらに、室外熱交換器100がフィンアンドチューブ型熱交換器である例について説明したが、それに限定されず、コルゲート型熱交換器など他の形状の熱交換器を用いてもよい。また、室外熱交換器100を複数重ねて構成して筐体1の内部に設置した室外機10aにも適用できる。
また、分配器5、ヘッダ6との接続位置、数を限定するものではない。さらに、筐体1に遮られた領域80において、内部に冷媒が流れる金属材料として伝熱管4の腐食状態をモニタリングする例について説明したが、扁平管と円管とをつなぐジョイント配管、その他冷媒回路を構成するその他のアルミニウムまたはアルミニウム製の配管、あるいは銅配管、その他金属部材の腐食状態をモニタリングする場合にも適用できる。
腐食モニタリング部材の材質は、モニタリングする金属部材と同じ材料で構成することができる。また、筐体1の前面21側から腐食状態をモニタリングする例について説明したが、左側面23側または右側面24側から腐食状態をモニタリングしてもよい。
また、室外機10aの筐体1の内部部材として、内部筐体8がある例について説明したが、この内部筐体8が無い場合にも適用できる。また、1つの室外機10aに2つの腐食モニタリング部材50を構成する例について説明したが、筐体1の内部に設置する腐食モニタリング部材50の数を限定するものではない。また、腐食モニタリング部材50の外観観察から腐食状態を把握する例について説明したが、筐体1の内部の腐食因子付着量などをモニタリングするための部材としても使用できる。
本構成は、例えば水系配管の腐食状態をモニタリングするために配管を透明部材で構成し、配管の内部に腐食モニタリング部材を備える構成などとは異なる。
実施の形態2.(実施の形態1とはモニタリング部材の使い方と設置向きとが異なる)
以下、本発明の実施の形態2について説明するが、実施の形態1と重複するものについては(一部の)説明を省略し、特に断らない限り実施の形態1と同じ部分または相当する部分には同じ符号を付す。
本実施の形態2に係る空気調和装置の室外機10bは、実施の形態1に係る室外機10bとほぼ同様の構成であるが、腐食モニタリング部材50の使い方とその設置向きとが異なる。
-(腐食モニタリング部材の説明)-
図10は、本発明の実施の形態2に係る腐食モニタリング部材50の設置方法を説明するための図である。なお、図10(a)は伝熱管4の平面図を示しており、図10(b)は伝熱管4の側面図を示しており、図10(c)は伝熱管4の正面図を示している。
図10に示す伝熱管4は、伝熱フィン3が接合されていない部分の直管部4aおよびヘアピン部4bであり、アルミニウムまたはアルミニウム合金製の扁平管の例を示している。なお、図10には記載しないが、実施の形態1と同様に伝熱管4が円管でもよい。
この伝熱管4の室外熱交換器100における位置は、室外機10bの天面よりも下部で、かつ、室外機10bの底面よりも上部であればよく、特に限定しないが、実施の形態1と同様に、最下部の伝熱管4に設置した場合で説明する。
腐食モニタリング部材50は、室外機10bの筐体1の内部に位置する伝熱管4の腐食状態をモニタリングするための部材である。その材質は腐食状態を把握したい伝熱管4と同様の材質で構成するのがよい。これは、腐食状態を把握したい伝熱管4と同様の腐食進行を、腐食モニタリング部材50で実現するためである。腐食モニタリング部材50の形状は特に限定しないが、例えば略直方体、板状などである。
また、腐食モニタリング部材50は、冷媒回路200を構成する他の機器に影響を与えない程度の大きさで構成するのが望ましい。伝熱管4と同様の材質を用いる観点からは、伝熱管4を加工して腐食モニタリング部材50を構成し、その幅aを伝熱管4の高さと同等に設定するのが経済的であり、幅aは300mm以下に設定するとよい。また、腐食モニタリング部材50の厚さtも伝熱管4の厚さと同等以下に設定するのが好ましく、30mm以下に設定するとよい。腐食モニタリング部材50の長さwは特に限定しないが、腐食状態を把握したい伝熱管4の領域幅に設定するとよい。
腐食モニタリング部材50は、固定部材51および補助部材52にて伝熱管4に固定されている。本実施の形態2では、実施の形態1とは異なり、腐食モニタリング部材50の外表面55が、扁平管の面に対して垂直となる向きに固定されている。また、外表面55が、以下で説明する第一検出報知部60と第二検出報知部61とを結ぶ直線に対して垂直となる向きに固定されている。
なお、固定部材51および補助部材52の材質、形状は特に限定しないが、腐食モニタリング部材50の腐食状態のモニタリングを妨げない位置で伝熱管4に固定するのがよい。固定部材51として、腐食モニタリング部材50および伝熱管4との接触腐食を回避するため、樹脂材料で構成した結束バンドなどを適用するとよい。
このように設置した腐食モニタリング部材50の腐食状態は、実施の形態1と同様に、腐食モニタリング部材50の外表面55の変色、あるいは、腐食痕または孔食痕の発生位置の変化などから把握してもよいが、本実施の形態2では、腐食モニタリング部材50の厚さtを例えば50μmなどと薄く構成し、時間の経過と共に腐食が進行し、腐食モニタリング部材50に発生する貫通孔の発生領域から腐食状態を把握するのがよい。
すなわち、アルミニウムまたはアルミニウム合金が露出した領域と亜鉛犠牲層を表面に形成した領域とを外表面55に共存させ、時間の経過と共に亜鉛犠牲層を表面に形成した領域から離れた位置の、アルミニウムまたはアルミニウム合金が露出した領域に、腐食痕または孔食痕が生じるように構成する。
この腐食痕または孔食痕の発生位置が、時間の経過と共に亜鉛犠牲層を形成した領域に近づき、腐食痕または孔食痕の発生領域も時間の経過と共に拡大するため、腐食モニタリング部材50の厚さtを薄くしておけば、孔食が発生した領域に貫通孔が生じることになる。このような腐食痕または孔食痕の発生位置の変化および発生領域の拡大を貫通孔から把握することで、腐食状態を知ることができる。
-(室外機を含めた全体構成の説明)-
図11は、本発明の実施の形態2に係る空気調和装置の室外機10bの筐体1の内部の伝熱管4近傍に腐食モニタリング部材50を設けた室外機10bの断面構造を示す模式図である。なお、図11は、室外機10bの腐食モニタリング部材50を含む横断面を天面側から見た模式図である。また、図11において、室外機10bの筐体1の前面21、裏面22、左側面23、右側面24とするが、これらの面は説明の都合上便宜的なもので、実際の設置向きとは無関係である。
本実施の形態2に係る室外機10bの構成は実施の形態1に係る室外機10aとほぼ同様であるが、図10に示したように、腐食モニタリング部材50の設置向きが異なる。
筐体1には、第一開口である第一検出報知部60と、第二開口である第二検出報知部61とが設けられている。なお、第一検出報知部60と第二検出報知部61との組み合わせは、本実施の形態2に係る報知部の一例である。また、本実施の形態2では、第一検出報知部60および第二検出報知部61をそれぞれ開口で構成した場合で説明する。
これら開口は、外側開口2とは別の開口である。これらのうち第一検出報知部60は筐体1の前面21に、第二検出報知部61は筐体1の左側面23および右側面24に、それぞれ設けられている。
第一検出報知部60および第二検出報知部61は、筐体1の側面の腐食モニタリング部材50を挟む位置に設けられている。つまり、第一検出報知部60と第二検出報知部61とを結ぶ領域である光経路上に腐食モニタリング部材50が配置されている。そのため、第二検出報知部61から入った光が、腐食モニタリング部材50を経由して、第一検出報知部60に至るように構成されている。
また、室外機10bの筐体1の内部の他機器は、第一検出報知部60と第二検出報知部61とを結ぶ領域である光経路と干渉しないように配置されている。また、筐体1の内部の前面21側かつ右側面24側には、圧縮機201などを内蔵した内部筐体8aが配置されているが、その内部筐体8aは、前面21側から右側面24側にかけて角部が切り欠けられており、第二検出報知部61から入った光が、腐食モニタリング部材50を経由して、第一検出報知部60に至るのを妨げない形状を有している。
-(腐食モニタリング部材と検出報知部の位置関係の説明)-
図12は、本発明の実施の形態2に係る空気調和装置の室外機10bの腐食モニタリング部材50と第一検出報知部60および第二検出報知部61との位置関係を補足説明する第一の図である。なお、図12の矢印90は、光を示している。
以下、図12を用いて腐食モニタリング部材50と第一検出報知部60および第二検出報知部61との水平方向の位置関係について説明する。
図12は、室外機10bの腐食モニタリング部材50、第一検出報知部60、および、第二検出報知部61を含む横断面を天面側から見た模式図であり、腐食モニタリング部材50、第一検出報知部60、および、第二検出報知部61周辺を拡大した図である。
本実施の形態2に係る室外機10bは、実施の形態1と同様に、少なくとも第二検出報知部61から筐体1の内部に入り、腐食モニタリング部材50の水平方向全域を経由した光が、第一検出報知部60から見えるように構成されている。
すなわち、第一検出報知部60および第二検出報知部61の開口幅lは、少なくとも、第一検出報知部60および第二検出報知部61の中心を結ぶ直線に対して垂直な方向に沿った腐食モニタリング部材50の長さwに設定するのがよい。室外機10bをこのように構成することで、筐体1の左側面23または右側面24の第二検出報知部61から入った光が、腐食モニタリング部材50の表面に発生した貫通孔を通過し、そこから出てくる光を筐体1の前面21の第一検出報知部60から検出することができる。
なお、開口幅lをこれよりも小さくすると、腐食モニタリング部材50の水平方向全域を観察することができない。また、開口幅lはこれに限定されるものではなく、室外機10bの筐体1に必要な所定強度を下回らない必要最小限の範囲で大きく設定することができる。そして、開口幅lを前記必要最小限の範囲で大きく設定することにより、第二検出報知部61から腐食モニタリング部材50を経由して第一検出報知部60に至る光量を増やすことができる。
図13は、本発明の実施の形態2に係る空気調和装置の室外機10bの腐食モニタリング部材50と第一検出報知部60および第二検出報知部61との位置関係を補足説明する第二の図である。なお、図13の矢印90は、光を示している。
以下、図13を用いて腐食モニタリング部材50と第一検出報知部60および第二検出報知部61との垂直方向の位置関係について説明する。
図13は、室外機10bの腐食モニタリング部材50、第一検出報知部60、および、第二検出報知部61を含む縦断面を側面側から見た模式図であり、腐食モニタリング部材50、第一検出報知部60、および、第二検出報知部61周辺を拡大した図である。
本実施の形態2に係る室外機10bは、実施の形態1と同様に、少なくとも第二検出報知部61から筐体1の内部に入り、腐食モニタリング部材50を経由した光が、第一検出報知部60に至るように構成されている。
すなわち、第二検出報知部61の幅Bおよび第一検出報知部60の幅Cは、腐食モニタリング部材50の幅aに設定するのがよい。室外機10bをこのように構成することで、筐体1の左側面23または右側面24の第二検出報知部61から入った光が、腐食モニタリング部材50の表面に発生した貫通孔を通過し、そこから出てくる光を筐体1の前面21の第一検出報知部60から検出することができる。
なお、第二検出報知部61の幅Bおよび第一検出報知部60の幅Cをこれよりも小さく設定すると、腐食モニタリング部材50の全域を観察することができない。なお、第二検出報知部61の幅Bおよび第一検出報知部60の幅Cはこれに限定されるものではなく、室外機10bの筐体1に必要な所定強度を下回らない必要最小限の範囲で大きく設定することができる。そして、第二検出報知部61の幅Bおよび第一検出報知部60の幅Cを前記必要最小限の範囲で大きく設定することにより、第二検出報知部61から腐食モニタリング部材50を経由して第一検出報知部60に至る光量を増やすことができる。
以上のように、腐食モニタリング部材50を挟む位置に第一開口である第一検出報知部60と、第二開口である第二検出報知部61とを設け、腐食モニタリング部材50の後方に位置する第二検出報知部61から腐食モニタリング部材50の貫通孔を通過した光が、全て前方の第一検出報知部60に通じる構成にした。
このため、室外機10bの筐体1の内部に腐食モニタリング部材50を配置した場合であっても、腐食モニタリング部材50を筐体1の内部から取り出すこと無しに、室外機10bの筐体1の内部の伝熱管4の腐食状態を筐体1の外部から容易に常時モニタリングすることができる。
---(効果とまとめ)---
以上、本実施の形態2に係る室外機10bでは、室外機10bの筐体1の内部の伝熱管4の腐食状態を把握するための腐食モニタリング部材50を筐体1の内部に備え、腐食モニタリング部材50を挟む位置に第一開口である第一検出報知部60と、第二開口である第二検出報知部61とを構成した。そして、この第二検出報知部61としての開口から腐食モニタリング部材50を経由した光が、全て前方の第一検出報知部60に至るように構成してある。
そのため、暗い室外機10bの筐体1の内部に腐食モニタリング部材50を配置した場合であっても、腐食モニタリング部材50を筐体1の内部から取り出すこと無しに、室外機10bの筐体1の内部に搭載した金属部材の詳細な腐食状態を筐体1の外部から容易に常時モニタリングすることができる。また、必要最小限の範囲で開口を構成したので、室外機10bの筐体1に必要な所定の強度を維持し、室外機10bの筐体1の内部機器の保護と安全性とを確保しつつ、腐食状態をモニタリングすることができる。
本実施の形態2では、腐食モニタリング部材50の外表面55を、扁平管の面に対して垂直となる向きに構成した例で説明したが、垂直となる向きに限定されるものではなく、腐食モニタリング部材50を経由した光が、隣接する伝熱管4およびその他の部材と干渉しない範囲で扁平管の面に対する腐食モニタリング部材の外表面55の向きに角度を持たせて構成してもよい。
本実施の形態2では、第一検出報知部60および第二検出報知部61が開口である例について説明したが、それに限定されず、開口の代わりに、透明窓、発散凸レンズなどを用いて第一検出報知部60および第二検出報知部61を構成することができる。また、第一検出報知部60および第二検出報知部61は外側開口2とは別の開口を有する例について説明したが、腐食状態を把握したい部位によっては、外側開口2から室外機10aの筐体1の内部に導入される光を利用してもよい。
実施の形態3.(4面吸込みビル用マルチの例)
以下、本発明の実施の形態3について説明するが、実施の形態1および2と重複するものについては(一部の)説明を省略し、特に断らない限り実施の形態1および2と同じ部分または相当する部分には同じ符号を付す。
本実施の形態3に係る空気調和装置の室外機10cは、実施の形態1に係る室外機10aとほぼ同様であるが、室外熱交換器100の構成が異なる。
図14は、本発明の実施の形態3に係る空気調和装置の室外機10cを示す外観模式図である。
図14に示すように、本実施の形態3に係る室外機10cは、ビル用マルチエアコンの外観例である。室外機10cは外郭を構成する略直方体形状の筐体1を備えており、筐体1の内部には室外熱交換器100が配置されている。また、筐体1の前面21、裏面22、左側面23、右側面24、つまり四つの側面の全てに外側開口2が設けられており、室外熱交換器100の構成要素である伝熱フィン3は外側開口2から見える位置に配置されている。つまり、伝熱フィン3は、外側開口2を介して筐体1の外部から見える位置に配置されている。
本実施の形態3では、外側開口2が筐体1の四つの側面の全てに設けられており、室外機10cの四つの側面のいずれの方向からも伝熱フィン3が見える点が、実施の形態1および2に係る室外機10a、10bとは異なる。筐体1は、ピラー、パネル、各種板金(図示せず)で構成されている。また、筐体1の天面には、その内部にファン(図示せず)を有するファン部9が設けられている。そして、伝熱フィン3よりも外側に設けられている外側開口2から取り入れた空気を、室外熱交換器100を通過した後にファン部9から排出する。
図15は、本発明の実施の形態3に係る空気調和装置の室外機10cの断面構造を示す模式図である。なお、図15は、室外機10cの腐食モニタリング部材50を含む横断面を天面側から見た模式図である。また、図15において、室外機10cの筐体1の前面21、裏面22、左側面23、右側面24とするが、これらの面は説明の都合上便宜的なもので、実際の設置向きとは無関係である。
室外機10cは、筐体1の内部に2つの室外熱交換器100が配置されているため、室外熱交換器100の構成要素である伝熱フィン3、伝熱管4、分配器5、および、ヘッダ6も筐体1の内部に配置されている。2つの室外熱交換器100は、平面視して略L字状を有しており、筐体1の前面21と左側面23とがなす角部、および、裏面22と右側面24とがなす角部には、伝熱フィン3が接合されていない部分の直管部4aおよびヘアピン部4bが配置されている。
図15に示すように、前面21側の角部に位置している伝熱フィン3が接合されていない部分の伝熱管4には、図5、図6、および図10に示したような態様で腐食モニタリング部材50が設置されている。この伝熱管4の室外熱交換器100における位置は、室外機10cの天面よりも下部で、かつ、室外機10cの底面よりも上部であればよい。なお、図15では、腐食モニタリング部材50を最下部の直管部4aまたはヘアピン部4bに設置した例で示している。
また、筐体1には、第一開口である第一検出報知部60と、第二開口である第二検出報知部61とが設けられている。なお、第一検出報知部60と第二検出報知部61との組み合わせは、本実施の形態3に係る報知部の一例である。また、本実施の形態3では、第一検出報知部60および第二検出報知部61をそれぞれ開口で構成した場合で説明する。
これら開口は、外側開口2とは別の開口である。これらのうち第一検出報知部60は筐体1の前面21および裏面22に、第二検出報知部61は筐体1の左側面23および右側面24にそれぞれ設けられている。
第一検出報知部60および第二検出報知部61は、筐体1の腐食モニタリング部材50を挟む位置に設けられている。つまり、第一検出報知部60と第二検出報知部61とを結ぶ領域である光経路上に腐食モニタリング部材50が配置されている。そのため、第二検出報知部61から入った光が、腐食モニタリング部材50を経由して、第一検出報知部60に至るように構成されている。
なお、腐食モニタリング部材50と第一検出報知部60および第二検出報知部61との位置関係は、図8、図9、図12および図13に例示したように構成することができる。すなわち、実施の形態1および2で説明したように、腐食モニタリング部材50の外表面55からの反射光、および、腐食モニタリング部材50に発生した貫通孔を通過する光を第一検出報知部60側から観察できるように、第一検出報知部60および第二検出報知部61は設けられている。
また、室外機10cの筐体1の内部の他機器は、第一検出報知部60と第二検出報知部61とを結ぶ領域である光経路と干渉しないように配置されている。また、筐体1の内部の右側面24側には、圧縮機201などを内蔵した内部筐体(図示せず)が配置されているが、その内部筐体は、第二検出報知部61から入った光が、腐食モニタリング部材50を経由して、第一検出報知部60に至るのを妨げない形状を有している。
以上のように、腐食モニタリング部材50を挟む位置に第一開口である第一検出報知部60と、第二開口である第二検出報知部61とを設け、腐食モニタリング部材50の後方に位置する第二検出報知部61から腐食モニタリング部材50を経由した光が、全て前方の第一検出報知部60に通じる構成にした。
このため、室外機10cの筐体1の内部に腐食モニタリング部材50を配置した場合であっても、腐食モニタリング部材50を筐体1の内部から取り出すこと無しに、室外機10cの筐体1の内部の伝熱管4の腐食状態を筐体1の外部から容易に常時モニタリングすることができる。
---(効果とまとめ)---
以上、本実施の形態3に係る室外機10cでは、室外機10cの筐体1の内部の伝熱管4の腐食状態を把握するための腐食モニタリング部材50を筐体1の内部に備え、腐食モニタリング部材50を挟む位置に第一開口である第一検出報知部60と、第二開口である第二検出報知部61とを構成した。そして、この第二検出報知部61としての開口から腐食モニタリング部材50を経由した光が、全て前方の第一検出報知部60に至るように構成してある。
そのため、暗い室外機10cの筐体1の内部に腐食モニタリング部材50を配置した場合であっても、腐食モニタリング部材50を筐体1の内部から取り出すこと無しに、室外機10cの筐体1の内部に搭載した金属部材の詳細な腐食状態を筐体1の外部から容易に常時モニタリングすることができる。また、必要最小限の範囲で開口を構成したので、室外機10cの筐体1に必要な所定の強度を維持し、室外機10cの筐体1の内部機器の保護と安全性とを確保しつつ、腐食状態をモニタリングすることができる。
本実施の形態3では、第一検出報知部60および第二検出報知部61が開口である例について説明したが、それに限定されず、開口の代わりに、透明窓、発散凸レンズなどを用いて第一検出報知部60および第二検出報知部61を構成することができる。また、第一検出報知部60および第二検出報知部61は外側開口2とは別の開口を有する例について説明したが、腐食状態を把握したい部位によっては、外側開口2から室外機10aの筐体1の内部に導入される光を利用してもよい。
実施の形態4.(L字型熱交換器のPAC、RAC)
以下、本発明の実施の形態4について説明するが、実施の形態1〜3と重複するものについては(一部の)説明を省略し、特に断らない限り実施の形態1〜3と同じ部分または相当する部分には同じ符号を付す。
本実施の形態4に係る空気調和装置の室外機10dは、実施の形態1に係る室外機10aとほぼ同様であるが、室外熱交換器100の配置および構成が異なる。
図16は、本発明の実施の形態4に係る空気調和装置の室外機10dを示す外観模式図である。なお、図16(a)はパッケージエアコンの室外機の外観を示しており、図16(b)は、ルームエアコンの室外機の外観を示している。
図16に示すように、本実施の形態4に係る室外機10dは、パッケージエアコン、ルームエアコンなどに代表されるものであり、外郭を構成する略直方体形状の筐体1を備えており、筐体1の内部には室外熱交換器100が配置されている。また、筐体1の左側面23および裏面22に外側開口2が設けられており、室外熱交換器100の構成要素である伝熱フィン3は外側開口2から見える位置に配置されている。つまり、伝熱フィン3は、外側開口2を介して筐体1の外部から見える位置に配置されている。
本実施の形態4では、外側開口2が筐体1の左側面23および裏面22に設けられており、室外機10dの左側面23および裏面22から伝熱フィン3が見える点が、実施の形態1〜3に係る室外機10a〜10cとは異なる。筐体1は、ピラー、パネル、各種板金(図示せず)で構成されている。また、筐体1の前面21には、その内部にファン(図示せず)を有するファン部9が設けられている。そして、伝熱フィン3よりも外側に設けられている外側開口2から取り入れた空気を、室外熱交換器100を通過した後にファン部9から排出する。
図17は、本発明の実施の形態4に係る空気調和装置の室外機10dの断面構造を示す模式図である。なお、図17は、室外機10dの腐食モニタリング部材50を含む横断面を天面側から見た模式図である。また、図17において、室外機10dの筐体1の前面21、裏面22、左側面23、右側面24とするが、これらの面は説明の都合上便宜的なもので、実際の設置向きとは無関係である。
室外機10dは、筐体1の内部に室外熱交換器100が配置されているため、室外熱交換器100の構成要素である伝熱フィン3、伝熱管4、分配器5、および、ヘッダ6も筐体1の内部に配置されている。室外熱交換器100は平面視して略L字状を有しており、筐体1の前面21と左側面23とがなす角部、および、裏面22と右側面24とがなす角部には、伝熱フィン3が接合されていない部分の直管部4aおよびヘアピン部4bが配置されている。
図17に示すように、筐体1の前面21側の角部に位置している伝熱フィン3が接合されていない部分の伝熱管4には、図5、図6、および図10に示したような態様で腐食モニタリング部材50が設置されている。この伝熱管4の室外熱交換器100における位置は、室外機10dの天面よりも下部で、かつ、室外機10dの底面よりも上部であればよい。なお、図17では、腐食モニタリング部材50を最下部の直管部4aまたはヘアピン部4bに設置した例で示している。また、筐体1の内部の右側面24側には、圧縮機201などを含む機械室8bが設けられている。
また、筐体1には、第一開口である第一検出報知部60と、第二開口である第二検出報知部61とが設けられている。なお、第一検出報知部60と第二検出報知部61との組み合わせは、本実施の形態4に係る報知部の一例である。また、本実施の形態4では、第一検出報知部60および第二検出報知部61をそれぞれ開口で構成した場合で説明する。
これら開口は、外側開口2とは別の開口である。これらのうち第一検出報知部60は筐体1の前面21および右側面24に、第二検出報知部61は筐体1の左側面23および裏面22に、それぞれ設けられている。
第一検出報知部60および第二検出報知部61は、筐体1の腐食モニタリング部材50を挟む位置に設けられている。つまり、第一検出報知部60と第二検出報知部61とを結ぶ領域である光経路上に腐食モニタリング部材50が配置されている。そのため、第二検出報知部61から入った光が、腐食モニタリング部材50を経由して、第一検出報知部60に至るように構成されている。
なお、腐食モニタリング部材50と第一検出報知部60および第二検出報知部61との位置関係は、図8、図9、図12および図13に例示したように構成することができる。すなわち、実施の形態1および2で説明したように、腐食モニタリング部材50の外表面55からの反射光、および、腐食モニタリング部材50に発生した貫通孔を通過する光を第一検出報知部60側から観察できるように、第一検出報知部60および第二検出報知部61は設けられている。
-(腐食モニタリング部材の説明)-
図18は、本発明の実施の形態4に係る腐食モニタリング部材50の設置方法を説明するための図である。なお、図18(a)は伝熱管4の側面図を示しており、図18(b)は伝熱管4の正面図を示している。
本実施の形態4では、筐体1の裏面22と右側面24とがなす角部に位置する、伝熱フィン3が接合されていない部分の直管部4aまたはヘアピン部4bの腐食状態をモニタリングする際、図5、図6、および図10に示したような態様で腐食モニタリング部材50を設置すると、機械室8bに位置する配管が、第一検出報知部60と第二検出報知部61とを結ぶ領域である光経路に干渉する場合がある。
このような室外機10dには、図18に示すように、固定部材51および補助部材52を用いて、伝熱管4の上部から位置をずらして、つまり伝熱管4近傍に腐食モニタリング部材50を配置するのがよい。図18では、腐食モニタリング部材50の外表面55の腐食状態を観察する例を示しているが、腐食モニタリング部材50の透過光を観察する例のように、腐食モニタリング部材50を扁平管の面に対して垂直に備えてもよい。
以上のように、腐食モニタリング部材50を挟む位置に第一開口である第一検出報知部60と、第二開口である第二検出報知部61とを設け、腐食モニタリング部材50の後方に位置する第二検出報知部61から腐食モニタリング部材50を経由した光が、全て前方の第一検出報知部60に通じる構成にした。
このため、室外機10dの筐体1の内部に腐食モニタリング部材50を配置した場合であっても、腐食モニタリング部材50を筐体1の内部から取り出すこと無しに、室外機10dの筐体1の内部の伝熱管4の腐食状態を筐体1の外部から容易に常時モニタリングすることができる。
---(効果とまとめ)---
以上、本実施の形態4に係る室外機10dでは、室外機10dの筐体1の内部の伝熱管4の腐食状態を把握するための腐食モニタリング部材50を筐体1の内部に備え、腐食モニタリング部材50を挟む位置に第一開口である第一検出報知部60と、第二開口である第二検出報知部61とを構成した。そして、この第二検出報知部61としての開口から腐食モニタリング部材50を経由した光が、全て前方の第一検出報知部60に至るように構成してある。
そのため、暗い室外機10dの筐体1の内部に腐食モニタリング部材50を配置した場合であっても、腐食モニタリング部材50を筐体1の内部から取り出すこと無しに、室外機10dの筐体1の内部に搭載した金属部材の詳細な腐食状態を筐体1の外部から容易に常時モニタリングすることができる。また、必要最小限の範囲で開口を構成したので、室外機10dの筐体1に必要な所定の強度を維持し、室外機10dの筐体1の内部機器の保護と安全性とを確保しつつ、腐食状態をモニタリングすることができる。
本実施の形態4では、第一検出報知部60および第二検出報知部61が開口である例について説明したが、それに限定されず、開口の代わりに、透明窓、発散凸レンズなどを用いて第一検出報知部60および第二検出報知部61を構成することができる。また、第一検出報知部60および第二検出報知部61は外側開口2とは別の開口を有する例について説明したが、腐食状態を把握したい部位によっては、外側開口2から室外機10aの筐体1の内部に導入される光を利用してもよい。
実施の形態5.(室外熱交換器を斜めに配置したビル用マルチエアコン)
以下、本発明の実施の形態5について説明するが、実施の形態1〜4と重複するものについては(一部の)説明を省略し、特に断らない限り実施の形態1〜4と同じ部分または相当する部分には同じ符号を付す。
本実施の形態5に係る空気調和装置の室外機10eは、実施の形態1に係る室外機10aとほぼ同様であるが、室外熱交換器100の配置および構成が異なる。
図19は、本発明の実施の形態5に係る空気調和装置の室外機10eを示す外観模式図である。
図19に示すように、本実施の形態5に係る室外機10eは、ビル用マルチエアコンの室外機、氷蓄熱装置の熱源ユニットなどであり、外郭を構成する略直方体形状の筐体1を備えており、筐体1の内部には室外熱交換器100が配置されている。この室外熱交換器100は、筐体1の内部で垂直方向に対して斜めに傾けて設置されている。また、筐体1の前面21および裏面22に外側開口2が設けられており、室外熱交換器100の構成要素である伝熱フィン3は外側開口2から見える位置に配置されている。つまり、伝熱フィン3は、外側開口2を介して筐体1の外部から見える位置に配置されている。
本実施の形態5では、外側開口2が筐体1の前面21および裏面22に設けられており、室外機10eの前面21および裏面22から伝熱フィン3が見える点、および、室外熱交換器100が筐体1の内部で斜めに設置されている点が、実施の形態1〜4に係る室外機10a〜10dとは異なる。筐体1は、ピラー、パネル、各種板金(図示せず)で構成されている。また、筐体1の天面には、その内部にファン(図示せず)を有するファン部9が設けられている。そして、伝熱フィン3よりも外側に設けられている外側開口2から取り入れた空気を、室外熱交換器100を通過した後にファン部9から排出する。
図20は、本発明の実施の形態5に係る空気調和装置の室外機10eの断面構造を示す模式図である。なお、図20は、室外機10eの腐食モニタリング部材50を含む横断面を天面側から見た模式図である。また、図20において、室外機10eの筐体1の前面21、裏面22、左側面23、右側面24とするが、これらの面は説明の都合上便宜的なもので、実際の設置向きとは無関係である。
室外機10eは、筐体1の内部に室外熱交換器100が配置されているため、室外熱交換器100の構成要素である伝熱フィン3、伝熱管4、分配器5、および、ヘッダ6も筐体1の内部に配置されている。室外熱交換器100は、筐体1の内部で垂直方向に対して斜めに傾けて設置されている。また、サイドプレート70により室外熱交換器100が筐体1に固定されている。筐体1の裏面22と左側面23とがなす角部、および、裏面22と右側面24とがなす角部、つまり、室外熱交換器100の左右端部には、伝熱フィン3が接合されていない部分の直管部4aおよびヘアピン部4bが配置されている。
なお、図20に示すように、筐体1の裏面22と左側面23とがなす角部、および、裏面22と右側面24とがなす角部に、伝熱フィン3が接合されていない部分の伝熱管4が配置されている場合を示してあるが、室外機10eの内部における伝熱フィン3が接合されていない部分の伝熱管4の位置はこれに限定されない。
図20に示すように、筐体1の裏面22側の角部に位置している伝熱フィン3が接合されていない部分の伝熱管4には、図5、図6、図10、および図18に示したような態様で腐食モニタリング部材50が設置されている。この伝熱管4の室外熱交換器100における位置は、室外機10eの天面よりも下部で、かつ、室外機10eの底面よりも上部であればよい。なお、図20では、腐食モニタリング部材50を最下部の直管部4aまたはヘアピン部4bに設置した例で示している。
また、筐体1には、第一開口である第一検出報知部60と、第二開口である第二検出報知部61とが設けられている。なお、第一検出報知部60と第二検出報知部61との組み合わせは、本実施の形態5に係る報知部の一例である。また、本実施の形態5では、第一検出報知部60および第二検出報知部61をそれぞれ開口で構成した場合で説明する。
これら開口は、外側開口2とは別の開口である。これらのうち第一検出報知部60は筐体1の裏面22に、第二検出報知部61は筐体1の左側面23および右側面24にそれぞれ設けられている。
第一検出報知部60および第二検出報知部61は、筐体1の腐食モニタリング部材50を挟む位置に設けられている。つまり、第一検出報知部60と第二検出報知部61とを結ぶ領域である光経路上に腐食モニタリング部材50が配置されている。そのため、第二検出報知部61から入った光が、腐食モニタリング部材50を経由して、第一検出報知部60に至るように構成されている。また、サイドプレート70の壁面には、この光の通過を妨げない位置に開口が設けられている。
なお、腐食モニタリング部材50と第一検出報知部60および第二検出報知部61との位置関係は、図8、図9、図12および図13に例示したように構成することができる。すなわち、実施の形態1および2で説明したように、腐食モニタリング部材50の外表面55からの反射光、および、腐食モニタリング部材50に発生した貫通孔を通過する光を第一検出報知部60側から観察できるように、第一検出報知部60および第二検出報知部61は設けられている。
以上のように、腐食モニタリング部材50を挟む位置に第一開口である第一検出報知部60と、第二開口である第二検出報知部61とを設け、腐食モニタリング部材50の後方に位置する第二検出報知部61から腐食モニタリング部材50を経由した光が、全て前方の第一検出報知部60に通じる構成にした。
このため、室外機10eの筐体1の内部に腐食モニタリング部材50を配置した場合であっても、腐食モニタリング部材50を筐体1の内部から取り出すこと無しに、室外機10eの筐体1の内部の伝熱管4の腐食状態を筐体1の外部から容易に常時モニタリングすることができる。
---(効果とまとめ)---
以上、本実施の形態5に係る室外機10eでは、室外機10eの筐体1の内部の伝熱管4の腐食状態を把握するための腐食モニタリング部材50を筐体1の内部に備え、腐食モニタリング部材50を挟む位置に第一開口である第一検出報知部60と、第二開口である第二検出報知部61とを構成した。そして、この第二検出報知部61としての開口から腐食モニタリング部材50を経由した光が、全て前方の第一検出報知部60に至るように構成してある。
そのため、暗い室外機10eの筐体1の内部に腐食モニタリング部材50を配置した場合であっても、腐食モニタリング部材50を筐体1の内部から取り出すこと無しに、室外機10eの筐体1の内部に搭載した金属部材の詳細な腐食状態を筐体1の外部から容易に常時モニタリングすることができる。また、必要最小限の範囲で開口を構成したので、室外機10eの筐体1に必要な所定の強度を維持し、室外機10eの筐体1の内部機器の保護と安全性とを確保しつつ、腐食状態をモニタリングすることができる。
本実施の形態5では、第一検出報知部60および第二検出報知部61が開口である例について説明したが、それに限定されず、開口の代わりに、透明窓、発散凸レンズなどを用いて第一検出報知部60および第二検出報知部61を構成することができる。また、第一検出報知部60および第二検出報知部61は外側開口2とは別の開口を有する例について説明したが、腐食状態を把握したい部位によっては、外側開口2から室外機10aの筐体1の内部に導入される光を利用してもよい。
実施の形態6.(光源を用いる例)
以下、本発明の実施の形態6について説明するが、実施の形態1〜5と重複するものについては(一部の)説明を省略し、特に断らない限り実施の形態1〜5と同じ部分または相当する部分には同じ符号を付す。
本実施の形態6に係る空気調和装置の室外機10fは、実施の形態1に係る室外機10aとほぼ同様であるが、第二検出報知部61として光源を設けた点が異なる。
図21は、本発明の実施の形態6に係る空気調和装置の室外機10fの断面構造を示す模式図である。なお、図21は、室外機10fの腐食モニタリング部材50を含む横断面を天面側から見た模式図である。また、図21において、室外機10fの筐体1の前面21、裏面22、左側面23、右側面24とするが、これらの面は説明の都合上便宜的なもので、実際の設置向きとは無関係である。
室外機10fは、筐体1の内部に室外熱交換器100が配置されているため、室外熱交換器100の構成要素である伝熱フィン3、伝熱管4、分配器5、および、ヘッダ6も筐体1の内部に配置されている。筐体1の前面21と左側面23とがなす角部、および、前面21と右側面24とがなす角部には、伝熱フィン3が接合されていない部分の直管部4aおよびヘアピン部4bが配置されている。
また、伝熱フィン3に外気が流れ込むように、伝熱フィン3が配置されている筐体1の裏面22、左側面23、右側面24に外側開口2が設けられており、室外熱交換器100の構成要素である伝熱フィン3は外側開口2から見える位置に配置されている。また、図21に示すように、筐体1の前面21側の角部に位置している伝熱フィン3が接合されていない部分の伝熱管4には、図5、図6、図10および図18に示したような態様で腐食モニタリング部材50が設置されている。この伝熱管4の室外熱交換器100における位置は、室外機10fの天面よりも下部で、かつ、室外機10fの底面よりも上部であればよい。なお、図21では、腐食モニタリング部材50を最下部の直管部4aまたはヘアピン部4bに設置した例で示している。
また、筐体1には、開口である第一検出報知部60が設けられている。また、例えば筐体1の左側面23の内側と、筐体1の内部の前面21側かつ右側面24側に配置された内部筐体8aの右側面とに、第二検出報知部61が設けられている。この第二検出報知部61は、例えば光を放出する光源で構成することができる。
なお、第一検出報知部60と第二検出報知部61との組み合わせは、本実施の形態6に係る報知部の一例である。また、本実施の形態6では、第一検出報知部60を開口で構成し、第二検出報知部61を光源で構成した場合で説明する。なお、第一検出報知部60は外側開口2とは別の開口である。また、第一検出報知部60は筐体1の前面21および右側面24に設けられている。
第一検出報知部60および第二検出報知部61は、筐体1の腐食モニタリング部材50を挟む位置に設けられている。つまり、第一検出報知部60と第二検出報知部61とを結ぶ領域である光経路上に腐食モニタリング部材50が配置されている。そのため、第二検出報知部61から出た光が、腐食モニタリング部材50を経由して、第一検出報知部60に至るように構成されている。すなわち、図8、図9、図12および図13に例示した第二検出報知部61を、開口から光源に置き換えて構成することができる。
また、光源の幅が腐食モニタリング部材50の幅aまたは長さwよりも小さい場合には、光源から出て腐食モニタリング部材50の全域を経由した光が全て第一検出報知部60に至るように、第一検出報知部60を構成することができる。すなわち、腐食モニタリング部材50の外表面55からの反射光、および、腐食モニタリング部材50に発生した貫通孔を通過する光を第一検出報知部60側から観察できるように、第一検出報知部60および第二検出報知部61は設けられている。なお、第二検出報知部61に係る光源は可視光を含み、第一検出報知部60から腐食状態を目視で確認するのに十分な光量を有する光源であれば、その種類を限定しない。
以上のように、腐食モニタリング部材50を挟む位置に開口である第一検出報知部60と、光を放出する光源である第二検出報知部61とを設け、腐食モニタリング部材50の後方に位置する第二検出報知部61から出て腐食モニタリング部材50を経由した光が、全て前方の第一検出報知部60に通じる構成にした。
このため、室外機10fの筐体1の内部に腐食モニタリング部材50を配置した場合であっても、腐食モニタリング部材50を筐体1の内部から取り出すこと無しに、室外機10fの筐体1の内部の伝熱管4の腐食状態を筐体1の外部から容易に常時モニタリングすることができる。
---(効果とまとめ)---
以上、本実施の形態6に係る室外機10fでは、室外機10fの筐体1の内部の伝熱管4の腐食状態を把握するための腐食モニタリング部材50を筐体1の内部に備え、腐食モニタリング部材50を挟む位置に開口である第一検出報知部60と、光を放出する光源である第二検出報知部61とを構成した。そして、この第二検出報知部61としての光源から腐食モニタリング部材50を経由した光が、全て前方の第一検出報知部60に至るように構成してある。
そのため、暗い室外機10fの筐体1の内部に腐食モニタリング部材50を配置した場合であっても、腐食モニタリング部材50を筐体1の内部から取り出すこと無しに、室外機10fの筐体1の内部に搭載した金属部材の詳細な腐食状態を筐体1の外部から容易に常時モニタリングすることができる。また、必要最小限の範囲で開口を構成したので、室外機10fの筐体1に必要な所定の強度を維持し、室外機10fの筐体1の内部機器の保護と安全性とを確保しつつ、腐食状態をモニタリングすることができる。
なお、本実施の形態6では、第一検出報知部60が開口である場合について説明したが、それに限定されず、開口の代わりに、透明窓、発散凸レンズなどを用いて第一検出報知部60を構成することができる。また、第二検出報知部61が光源である場合について説明したが、第一検出報知部60を光源で、第二検出報知部を開口で構成してもよい。また、本実施の形態6に係る室外機10fは、実施の形態1に示したビル用マルチエアコンの例を用いて説明したが、パッケージエアコン、ルームエアコンなど、その他の室外機にも適用することができる。
実施の形態7.(光検出部を使用する例)
以下、本発明の実施の形態7について説明するが、実施の形態1〜6と重複するものについては(一部の)説明を省略し、特に断らない限り実施の形態1〜6と同じ部分または相当する部分には同じ符号を付す。
本実施の形態7に係る空気調和装置の室外機10gは、実施の形態1に係る室外機10aとほぼ同様であるが、第一検出報知部60として表示部、出力部、および、光検出部を設けた点が異なる。
図22は、本発明の実施の形態7に係る空気調和装置の室外機10gの断面構造を示す模式図である。なお、図22は、室外機10gの腐食モニタリング部材50を含む横断面を天面側から見た模式図である。また、図22において、室外機10gの筐体1の前面21、裏面22、左側面23、右側面24とするが、これらの面は説明の都合上便宜的なもので、実際の設置向きとは無関係である。
本実施の形態7に係る室外機10gの各構成要素は、実施の形態1とほぼ同様であるが、第一検出報知部60を表示部60a、出力部60b、光検出部60cで構成した点が異なる。光検出部60cは、例えばフォトダイオードなどの光検出器、光センサなどで構成することができる。なお、第一検出報知部60の表示部60aは、筐体1の前面21に設置されているが、この場所に限定するものではない。
また、第一検出報知部60と第二検出報知部61との組み合わせは、本実施の形態7に係る報知部の一例である。また、本実施の形態7では、第一検出報知部60を表示部60a、出力部60b、および、光検出部60cで構成し、第二検出報知部61を開口で構成した場合で説明する。なお、第二検出報知部61は外側開口2とは別の開口である。また、第二検出報知部61は筐体1の左側面23および右側面24に設けられている。
第一検出報知部60の光検出部60cは、筐体1の内部の左側面23側と右側面24側とにそれぞれ設けられており、筐体1の左側面23および右側面24に設けられた第二検出報知部61とで腐食モニタリング部材50を挟む位置にそれぞれ配置されている。つまり、第一検出報知部60の光検出部60cと第二検出報知部61とを結ぶ領域である光経路上に腐食モニタリング部材50が配置されている。
そのため、第二検出報知部61から入った光が、腐食モニタリング部材50を経由して、第一検出報知部60の光検出部60cに至るように構成されている。すなわち、図8、図9、図12および図13に例示した第一検出報知部60を、開口から光検出部60cに置き換えて構成することができる。
実施の形態1で説明したように、腐食モニタリング部材50の外表面55の変色、腐食痕または孔食痕の発生位置の変化、あるいは、発生領域の拡大などをモニタリングする場合、光検出部60cで画像データを取得し、各画素の輝度、RGBの変化などから腐食痕または孔食痕の面積、数に関する数値データ、腐食が発生した領域面積値などを検出することができる。
このような光検出部60cの検出結果を、出力部60bを介して表示部60aに表示することで、腐食状態を筐体1の外部から常時モニタリングすることができ、腐食状態の変化も容易に把握することができる。また、実施の形態2で説明したように、腐食モニタリング部材50に腐食に伴い発生した貫通孔を通過した光を検出する場合、光検出部60cで透過光の強度、透過光が生じた領域面積を検出の上、数値化することができる。
そして、出力部60bを介した表示部60aから腐食状態を筐体1の外部から常時モニタリングすることができる。さらには、あらかじめ腐食状態と経過時間との関係を腐食加速試験などから把握し、その数値データを光検出部60cに内蔵したメモリに保存しておけば、検出した腐食状態の数値データとの演算により、腐食寿命に対する現状の腐食進行度合いを容易に出力することができる。
また、その出力は表示部60aに表示でき、室外機10gの筐体1を解体することなく、室外機10gの筐体1の内部の伝熱管4の腐食寿命に対する現状の腐食進行度合いを把握することができる。さらには、表示部60aにはリモート環境にあるコンピュータと双方向通信ができる送信部60dを備えてもよい。
すなわち、表示部60aにアンテナ部、信号変換部などを内蔵し、把握した腐食状態の数値データを信号変換部にて所定の周波数帯の電気信号へ変換し、アンテナを経由してリアルタイムでリモート環境へ無線送信できる機能、インターネットに接続してデータ通信ができる機能などを備えておけば、リモート環境から室外機10gの筐体1の内部の伝熱管4の腐食状態を容易に常時モニタリングすることができる。
さらに、モニタリング結果に基づいて、リモート環境から空調機器の運転停止などができるように構成してもよい。これを利用すれば、的確な時期にメンテナンス作業を実施でき、現場作業負荷を低減することができる。また、当然ながら、第二検出報知部61は開口以外にも、透明窓、光を放出する光源などで構成することができる。また、室外機10gの筐体1の内部に内部筐体8aを備えてもよい。
以上のように、腐食モニタリング部材50を挟む位置に第一検出報知部60の光検出部60cと、開口である第二検出報知部61とを設け、腐食モニタリング部材50の後方に位置する第二検出報知部61から腐食モニタリング部材50を経由した光が、全て前方の第一検出報知部60に通じる構成にした。
また、検出データを、出力部60bを介して表示部60aに表示する構成としたため、室外機10gの筐体1の内部に腐食モニタリング部材50を配置した場合であっても、腐食モニタリング部材50を筐体1の内部から取り出すこと無しに、室外機10gの筐体1の内部の伝熱管4の腐食状態を筐体1の外部から容易に常時モニタリングすることができる。
---(効果とまとめ)---
以上、本実施の形態7に係る室外機10gでは、室外機10gの筐体1の内部の伝熱管4の腐食状態を把握するための腐食モニタリング部材50を筐体1の内部に備え、腐食モニタリング部材50を挟む位置に第一検出報知部60の光検出部60cと、開口である第二検出報知部61とを構成した。そして、この第二検出報知部61としての開口から腐食モニタリング部材50を経由した光が、前方の第一検出報知部60に至るように構成してある。
そして、第一検出報知部60は、表示部60a、出力部60b、および、光検出部60cで構成してあるため、暗い室外機10gの筐体1の内部に腐食モニタリング部材50を配置した場合であっても、腐食モニタリング部材50を筐体1の内部から取り出すこと無しに、室外機10gの筐体1の内部に搭載した金属部材の詳細な腐食状態を筐体1の外部から容易に常時モニタリングすることができる。
なお、本実施の形態7では、第二検出報知部61が開口である場合について説明したが、それに限定されず、開口の代わりに、透明窓、発散凸レンズなどを用いて第二検出報知部61を構成することができる。また、第一検出報知部60を表示部60a、出力部60b、および、光検出部60cで構成した場合について説明したが、第二検出報知部61を表示部60a、出力部60b、および、光検出部60cで構成し、第一検出報知部60を開口で構成してもよい。また、本実施の形態7に係る室外機10fg、実施の形態1に示したビル用マルチエアコンの例を用いて説明したが、パッケージエアコン、ルームエアコンなど、その他の室外機にも適用することができる。
実施の形態8.(反射光を利用する例)
以下、本発明の実施の形態8について説明するが、実施の形態1〜7と重複するものについては(一部の)説明を省略し、特に断らない限り実施の形態1〜7と同じ部分または相当する部分には同じ符号を付す。
本実施の形態8に係る空気調和装置の室外機10hは、実施の形態1に係る室外機10aとほぼ同様であるが、第二検出報知部61として光を反射させる反射部材を設けた点が異なる。
図23は、本発明の実施の形態8に係る空気調和装置の室外機10hの断面構造を示す模式図である。なお、図23は、室外機10hの腐食モニタリング部材50を含む横断面を天面側から見た模式図である。また、図23において、室外機10hの筐体1の前面21、裏面22、左側面23、右側面24とするが、これらの面は説明の都合上便宜的なもので、実際の設置向きとは無関係である。
本実施の形態8に係る室外機10hの各構成要素は、実施の形態1とほぼ同様であるが、第二検出報知部61を反射部材で構成した点が異なる。反射部材は、例えば鏡などで構成することができる。また、第一検出報知部60と第二検出報知部61との組み合わせは、本実施の形態8に係る報知部の一例である。また、本実施の形態8では、第一検出報知部60を開口で構成し、第二検出報知部61を反射部材で構成した場合で説明する。なお、第一検出報知部60は外側開口2とは別の開口である。また、第一検出報知部60は筐体1の左側面23および右側面24に設けられている。
また、第二検出報知部61は、筐体1の内部の前面21側に設けられており、室外機10hの天面に設けられたファン部9から室外機10hの筐体1の内部に導入された光が、腐食モニタリング部材50に向けて反射する角度に向けて設置されている。
第一検出報知部60および第二検出報知部61は、筐体1の腐食モニタリング部材50を挟む位置に設けられている。つまり、第一検出報知部60と第二検出報知部61とを結ぶ領域である光経路上に腐食モニタリング部材50が配置されている。そのため、第二検出報知部61で反射した光が、腐食モニタリング部材50を経由して、第一検出報知部60に至るように構成されている。すなわち、図8、図9、図12および図13に例示した第二検出報知部61を、開口から反射部材に置き換えて構成することができる。
室外機10hをこのように構成することで、第二検出報知部61で反射して腐食モニタリング部材50を経由した光が、第一検出報知部60に通じる構成にした。そのため、光を第一検出報知部60で検出することができる。
以上のように、腐食モニタリング部材50を挟む位置に開口である第一検出報知部60と、反射部材である第二検出報知部61とを設け、腐食モニタリング部材50の後方に位置する第二検出報知部61で反射して腐食モニタリング部材50を経由した光が、全て前方の第一検出報知部60に通じる構成にした。
このため、室外機10hの筐体1の内部に腐食モニタリング部材50を配置した場合であっても、腐食モニタリング部材50を筐体1の内部から取り出すこと無しに、室外機10hの筐体1の内部の伝熱管4の腐食状態を筐体1の外部から容易に常時モニタリングすることができる。
---(効果とまとめ)---
以上、本実施の形態8に係る室外機10hでは、室外機10hの筐体1の内部の伝熱管4の腐食状態を把握するための腐食モニタリング部材50を筐体1の内部に備え、腐食モニタリング部材50を挟む位置に開口である第一検出報知部60と、反射部材である第二検出報知部61とを構成した。そして、この第二検出報知部61はファン部9からの光を腐食モニタリング部材50に向けて反射させ、腐食モニタリング部材50を経由した光を、第一検出報知部60から確認することができるように構成してある。
そのため、暗い室外機10hの筐体1の内部に腐食モニタリング部材50を配置した場合であっても、腐食モニタリング部材50を筐体1の内部から取り出すこと無しに、室外機10hの筐体1の内部に搭載した金属部材の詳細な腐食状態を筐体1の外部から容易に常時モニタリングすることができる。
なお、本実施の形態8では、ファン部9からの光を筐体1の内部に導入する例で説明したが、筐体1の内部に導入する光として、外側開口2からの光を使用できるように第二検出報知部61を備えてもよい。また、第二検出報知部61に係る反射部材として鏡の例で説明したが、それに限定されず、冷媒回路を構成する機器の外表面を鏡面加工して第二検出報知部61として使用することができる。
また、本実施の形態8では、第一検出報知部60が開口である場合について説明したが、それに限定されず、開口の代わりに、透明窓、発散凸レンズ、光検出器およびその表示部などを用いて第一検出報知部60を構成することができる。また、第二検出報知部61を反射部材で構成した場合について説明したが、第一検出報知部60を反射部材で構成し、第二検出報知部61を開口で構成してもよい。また、筐体1の内部に内部筐体8aを備えた室外機10hにも適用することができる。また、本実施の形態8に係る室外機10hは、実施の形態1に示したビル用マルチエアコンの例を用いて説明したが、パッケージエアコン、ルームエアコンなど、その他の室外機にも適用することができる。
1 筐体、2 外側開口、3 伝熱フィン、4 伝熱管、4a 直管部、4b ヘアピン部、5 分配器、6 ヘッダ、8 内部筐体、8a 内部筐体、8b 機械室、9 ファン部、10a 室外機、10b 室外機、10c 室外機、10d 室外機、10e 室外機、10f 室外機、10g 室外機、10h 室外機、21 前面、22 裏面、23 左側面、24 右側面、50 腐食モニタリング部材、51 固定部材、52 補助部材、55 外表面、60 第一検出報知部、60a 表示部、60b 出力部、60c 光検出部、60d 送信部、61 第二検出報知部、70 サイドプレート、80 領域、90 矢印、100 室外熱交換器、200 冷媒回路、201 圧縮機、202 マフラー、203 四方弁、205 キャピラリ、206 ストレーナ、207 電磁膨張弁、208a ストップバルブ、208b ストップバルブ、209 室内熱交換器、210 補助マフラー、220 配管、300 矢印、301 矢印。

Claims (8)

  1. 外郭を構成する筐体と、
    前記筐体の内部に設けられた金属部材と、
    前記筐体の内部に設けられた前記金属部材と同じ金属材料を含む腐食モニタリング部材と、
    前記腐食モニタリング部材の腐食状態が前記筐体の外部から見えるように構成された報知部と、を備えた
    ことを特徴とする空気調和装置の室外機。
  2. 前記金属部材および前記腐食モニタリング部材は、アルミニウムまたはアルミニウム合金である金属材料を含む
    ことを特徴とする請求項1に記載の空気調和装置の室外機。
  3. 前記報知部は、
    前記筐体に設けられた第一開口と第二開口とを備え、
    前記第一開口と前記第二開口とは、前記腐食モニタリング部材を挟む位置にそれぞれ設けられている
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の空気調和装置の室外機。
  4. 前記報知部は、
    前記筐体に設けられた開口と、
    前記筐体の内部に設けられ前記腐食モニタリング部材に光を放出する光源と、を備え、
    前記開口と前記光源とは、前記腐食モニタリング部材を挟む位置にそれぞれ設けられている
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の空気調和装置の室外機。
  5. 前記報知部は、
    前記筐体に設けられた開口、または、前記筐体の内部に設けられ前記腐食モニタリング部材に光を放出する光源と、
    前記筐体の内部に設けられ光を検出する光検出部と、
    前記光検出部の検出結果を前記筐体の外部に表示する表示部と、を備え、
    前記開口と前記光検出部とは、前記腐食モニタリング部材を挟む位置にそれぞれ設けられている
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の空気調和装置の室外機。
  6. 前記報知部は、前記腐食モニタリング部材の腐食状態に関するデータを外部へ送信する送信部を備えている
    ことを特徴とする請求項5に記載の空気調和装置の室外機。
  7. 前記報知部は、
    前記筐体に設けられた開口と、
    前記筐体の内部に設けられ光を反射させる反射部材と、を備え、
    前記開口と前記反射部材とは、前記腐食モニタリング部材を挟む位置にそれぞれ設けられており、
    前記反射部材は、前記腐食モニタリング部材に向けて光が反射するように配置されている
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の空気調和装置の室外機。
  8. 前記報知部は、
    前記筐体に設けられた開口と、
    前記腐食モニタリング部材からの光を前記筐体の外部に向けて放出する発散凸レンズと、を備え、
    前記開口と前記発散凸レンズとは、前記腐食モニタリング部材を挟む位置にそれぞれ設けられている
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の空気調和装置の室外機。
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