以下、図面を参照し、本発明の一実施形態の操作量変換機構を説明する。以下の説明では、アクセルペダル(操作部材)と、スロットルバルブの開度を調整する開閉機構(被操作部材)とを有する、車両の速度制御装置に操作量変換機構を適用した場合を例にあげて説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
図1に示されるように、本実施形態の操作量変換機構1は、操作部材M1および被操作部材M2の間に設けられ、入力側となる操作部材M1からの操作力を出力側となる被操作部材M2に伝達している。詳細は後述するが、本実施形態の操作量変換機構1は、操作部材M1の操作量に対する被操作部材M2の操作量を、操作部材M1の操作過程において変化させる。本実施形態では、操作部材M1はアクセルペダルであり、被操作部材M2は、スロットルバルブの開度を調整する開閉機構である。しかし、操作部材M1および被操作部材M2は、操作部材M1の操作量に対する被操作部材M2の操作量を操作部材M1の操作過程において変化させることができれば、特に限定されない。たとえば、操作部材M1をブレーキペダル等とし、被操作部材M2をブレーキ機構等としてもよい。また、操作部材M1および被操作部材M2は、車両以外の用途に用いられる部材としてもよい。
図1〜図3に示されるように、本実施形態の操作量変換機構1は、操作側ワイヤ2と、操作側ワイヤ2が接続され、回転することにより操作側ワイヤ2を巻取り及び繰り出しする操作側巻取り部材3とを備えている。また、図1〜図3に示されるように、本実施形態の操作量変換機構1は、被操作側ワイヤ4と、被操作側ワイヤ4が接続され、操作側巻取り部材3の回転に連動して回転することにより被操作側ワイヤ4を巻取り及び繰り出しする被操作側巻取り部材5とを備えている。本実施形態では、操作量変換機構1は、図1〜図3に示されるように、操作側巻取り部材3と被操作側巻取り部材5とを収容するハウジングHを有している。
操作側ワイヤ2は、操作部材M1の操作により、操作量を変換する巻き取り部材(例えば、操作側巻取り部材3)を操作するワイヤである。操作側ワイヤ2は、操作部材M1により操作されることにより、操作側巻取り部材3および被操作側巻取り部材5を介して、被操作側ワイヤ4に操作力を伝達する。操作側ワイヤ2の一端2aは操作部材M1に直接または間接的に接続する。なお、本明細書において、「一端2aは操作部材M1に接続する」には、図1に示されるように、操作側ワイヤ2の一端2a側が操作部材M1に伝動機構(後述する操作力入力側ワイヤ6や、操作力入力側プーリ7など)を介して間接的に接続されるものだけでなく、操作側ワイヤ2の一端2aが直接操作部材M1に接続されているものも含む。操作側ワイヤ2の他端2bは、操作側巻取り部材3に接続されている。本実施形態では、図1に示されるように、操作量変換機構1は、操作側ワイヤ2と操作部材M1との間に、一端6aが操作部材M1に接続する操作力入力側ワイヤ6と、操作力入力側ワイヤ6の他端6bが接続し、操作側ワイヤ2の一端2aが接続する操作力入力側プーリ7とを備えている。本実施形態では、操作側ワイヤ2の一端2aは操作部材M1に操作力入力側ワイヤ6および操作力入力側プーリ7を介して間接的に接続されている。操作側ワイヤ2と操作部材M1とが、操作力入力側ワイヤ6および操作力入力側プーリ7を介して被操作部材M2に接続される場合、操作部材M1と操作量変換機構1とを離れた位置に設けることができる。また、操作側ワイヤ2と操作部材M1と操作力入力側ワイヤ6との操作力入力側プーリ7への巻取り量の比を変えることができ、操作部材M1の少ない操作量であっても、操作側ワイヤ2の操作量を大きくすることができる。なお、本実施形態において示される、伝動機構としての操作力入力側ワイヤ6や、操作力入力側プーリ7は、本発明において必須ではなく、任意に設けられる。操作部材M1から操作側ワイヤ2に操作力を伝達する伝動機構としては、他の伝動機構を用いてもよく、たとえば、操作力入力側ワイヤ6に代えて、ロッドやベルト等を用いてもよく、操作力入力側プーリ7に代えて、ギヤ等を用いてもよい。
操作力入力側ワイヤ6は、操作部材M1が操作されたときに、操作力入力側プーリ7を回転させる。操作力入力側ワイヤ6は、図1〜図3に示されるように、たとえばインナーケーブル61と、インナーケーブル61が挿通されるアウターケーシング62とを備えたコントロールケーブルとすることができる。本実施形態では、操作部材M1とハウジングHとの間に、アウターケーシング62が設けられ、操作力入力側ワイヤ6の他端6b側のアウターケーシング62の端部62aは、ハウジングHに設けられたアウターケーシング固定部Haに取り付けられている。
操作力入力側プーリ7は、操作力入力側ワイヤ6の操作により回転し、その回転力により、操作側ワイヤ2を操作する。本実施形態では、操作力入力側プーリ7は、図1〜図3に示されるように、操作側巻取り部材3、被操作側巻取り部材5、操作力伝達側プーリ9とともに、ハウジングHに収容されている。本実施形態では、操作力入力側プーリ7は、図1〜図3に示されるように、ハウジングHに設けられた、回転軸となる軸部Hbに回転可能に取り付けられている。
本実施形態では、図2および図3に示されるように、操作側ワイヤ2の一端2a側の一部と、操作力入力側ワイヤ6の他端6b側の一部とが、操作力入力側プーリ7の外周に設けられた巻回溝71a、72aにそれぞれ巻回されている。操作力入力側プーリ7の形状は特に限定されないが、本実施形態では、操作力入力側プーリ7は、それぞれが径の異なる巻回溝71a、72aを有する小径部71および大径部72を有している。本実施形態では、図2に示されるように、操作力入力側プーリ7の小径部71に操作力入力側ワイヤ6が巻回され、大径部72に操作側ワイヤ2が巻回されている。本実施形態では、操作力入力側プーリ7の小径部71および大径部72は、回転中心が同軸上になるように形成されている。本実施形態では、操作部材M1によって操作力入力側ワイヤ6が操作されて小径部71が回転することにより、大径部72も共に軸部Hb周りに回転する。大径部72に巻回された操作側ワイヤ2の操作量は、小径部71の径と大径部72の径との比に応じて、小径部71に巻回された操作力入力側ワイヤ6の操作量よりも大きくなる。
被操作側ワイヤ4は、操作側巻取り部材3および被操作側巻取り部材5を介して操作側ワイヤ2と連動し、被操作部材M2を操作する。図1に示されるように、被操作側ワイヤ4の一端4aは被操作部材M2に直接または間接的に接続する。なお、本明細書において、「一端4aは被操作部材M2に接続する」には、図1に示されるように、被操作側ワイヤ4の一端4a側が被操作部材M2に伝動機構を介して間接的に接続されるものだけでなく、被操作側ワイヤ4の一端4aが直接被操作部材M2に接続されているものも含む。被操作側ワイヤ4の他端4bは、被操作側巻取り部材5に接続されている。本実施形態では、図1に示されるように、操作量変換機構1は、被操作側ワイヤ4と被操作部材M2との間には、一端8aが被操作部材M2に接続する操作力伝達側ワイヤ8と、操作力伝達側ワイヤ8の他端8bが接続し、被操作側ワイヤ4の一端4aが接続する操作力伝達側プーリ9とを備えている。本実施形態では、被操作側ワイヤ4の一端4aは、操作力伝達側ワイヤ8および操作力伝達側プーリ9を介して被操作部材M2に間接的に接続されている。被操作側ワイヤ4と被操作部材M2とが、操作力伝達側ワイヤ8および操作力伝達側プーリ9を介して接続される場合、被操作部材M2と操作量変換機構1とを離れた位置に設けることができる。そのため、操作量変換機構1による被操作部材M2の遠隔操作が可能となり、操作量変換機構1のレイアウトの自由度を高めることができる。なお、本実施形態において示される、伝動機構としての操作力伝達側ワイヤ8や、操作力伝達側プーリ9は、本発明においては必須ではなく、任意に設けられる。被操作側ワイヤ4から被操作部材M2に操作力を伝達する伝動機構としては、他の伝動機構が用いられてもよく、たとえば、操作力伝達側ワイヤ8に代えて、ロッドやベルト等を用い、操作力伝達側プーリ9に代えて、ギヤ等を用いてもよい。
操作力伝達側ワイヤ8は、被操作側ワイヤ4が操作されたときに、被操作部材M2へと被操作側ワイヤ4の操作力を伝達する。操作力伝達側ワイヤ8は、たとえば図1〜図3に示されるように、インナーケーブル81とインナーケーブル81が挿通されるアウターケーシング82とを備えたコントロールケーブルとすることができる。本実施形態では、被操作部材M2とハウジングHとの間に、アウターケーシング82が設けられ、操作力伝達側ワイヤ8の他端8b側のアウターケーシング82の端部82aは、ハウジングHに設けられたアウターケーシング固定部Hcに取り付けられている。
操作力伝達側プーリ9は、被操作側ワイヤ4が操作されたときに回転し、その回転力により、操作力伝達側ワイヤ8を操作する。本実施形態では、操作力伝達側プーリ9は、図1〜図3に示されるように、操作側巻取り部材3、被操作側巻取り部材5、操作力入力側プーリ7とともに、ハウジングHに収容されている。本実施形態では、操作力伝達側プーリ9は、図1〜図3に示されるように、ハウジングHに設けられた、回転軸となる軸部Hdに回転可能に取り付けられている。
本実施形態では、図2および図3に示されるように、被操作側ワイヤ4の一端4a側の一部と、操作力伝達側ワイヤ8の他端8b側の一部とが、操作力伝達側プーリ9の外周に設けられた巻回溝91a、92aに巻回されている。操作力伝達側プーリ9の形状は特に限定されないが、本実施形態では、操作力伝達側プーリ9は、それぞれが径の異なる巻回溝91a、92aを有する小径部91および大径部92を有している。本実施形態では、操作力伝達側プーリ9の小径部91に操作力伝達側ワイヤ8が巻回され、大径部92に被操作側ワイヤ4が巻回されている。本実施形態では、図2に示されるように、操作力伝達側プーリ9の小径部91および大径部92は、回転中心が同軸上になるように形成されている。被操作側ワイヤ4が操作され、大径部92が回転するときに、小径部91も共に軸部Hd周りに回転する。小径部91に巻回された操作力伝達側ワイヤ8の操作量は、小径部91および大径部92の径の比に応じて、大径部92に巻回された被操作側ワイヤ4の操作量よりも小さくなる。なお、本実施形態では、操作力伝達側プーリ9は、操作力入力側プーリ7と同様の構成としているが、操作力伝達側プーリ9および操作力入力側プーリ7とは異なる構成としても構わない。
また、本実施形態では、図2に示されるように、操作力入力側プーリ7には、操作側ワイヤ2を操作側巻取り部材3へと繰り出す方向に、操作力入力側プーリ7の回転を補助する付勢を行う操作側付勢部材SP1が設けられている。また、操作力伝達側プーリ9には、被操作側ワイヤ4を巻取る方向に、操作力伝達側プーリ9の回転を補助する付勢を行う被操作側付勢部材SP2が設けられている。操作側付勢部材SP1および被操作側付勢部材SP2により、操作部材M1の操作によって初期状態から回転した操作力入力側プーリ7および操作力伝達側プーリ9を、操作部材M1の操作を解除したときに初期状態に戻すことができる。また、操作側付勢部材SP1および被操作側付勢部材SP2により、操作側ワイヤ2と被操作側ワイヤ4が弛み無く維持され、操作側巻取り部材3および被操作側巻取り部材5から、操作側ワイヤ2および被操作側ワイヤ4が外れることを防止することができる。本実施形態では、操作側付勢部材SP1および被操作側付勢部材SP2として、軸部Hb、Hdの周囲に設けられるトーションバネが用いられている。しかし、操作側付勢部材SP1および被操作側付勢部材SP2は、操作力入力側プーリ7および操作力伝達側プーリ9をそれぞれ所望の方向に付勢することができれば、その種類は特に限定されるものではない。
操作側巻取り部材3は、操作部材M1の操作に応じて回転し、操作側ワイヤ2を巻取り及び繰り出しする部材である。本実施形態では、操作側巻取り部材3は、図1〜図3に示されるように、ハウジングHに設けられた、回転軸となる軸部Heに回転可能に取り付けられている。
操作側巻取り部材3は、図4に示されるように、操作側巻取り部材3の回転での回転半径が長径となる操作側長径部31aと回転半径が操作側長径部31aに比べて短径となる操作側短径部31bとにより構成されて、操作側ワイヤ2が非円形に巻回される操作側巻回部31を有している。ここで、「操作側ワイヤ2が非円形に巻回される」とは、操作側ワイヤ2の巻回軌跡が円形以外で、操作側ワイヤ2が繰り出し及び巻取りされる部位(図3の参照符号P1参照。以下、繰り出し地点P1と呼ぶ)における回転中心Xからの距離が、操作側巻取り部材3の回転に伴い、長径および短径となるように操作側ワイヤ2が巻回されることをいう。
操作側長径部31aは、操作側巻回部31のうち、操作側ワイヤ2の繰り出し地点P1における回転半径が長径となる部位である。より具体的には、操作側長径部31aは、操作側巻回部31のうち、回転半径が最も大きい地点L1(図4参照。以下、長径部頂部という)を中心とした所定の領域をいう。また、操作側短径部31bは、操作側巻回部31のうち、操作側ワイヤ2の繰り出し地点P1における回転半径が短径となる部位である。より具体的には、操作側短径部31bは、操作側巻回部31のうち、回転半径が最も小さい地点S1(図4参照。以下、短径部頂部という)を中心とした所定の領域をいう。なお、操作側長径部31aおよび操作側短径部31bのそれぞれの長さ(所定の領域)は、後述する入力側と出力側との間での操作量の所望の変化量に応じて適宜設定することができる。なお、本実施形態では、操作側長径部31aおよび操作側短径部31bは、図4に示されるように、操作側ワイヤ2の巻回方向(周方向)にそれぞれ2つ交互に設けられている。
操作側長径部31aの最大径D1と操作側短径部31bの最小径D2との関係は、入力側と出力側との間での操作量の所望の変化量に応じて適宜設定することができるが、たとえば、操作側長径部31aの最大径D1が操作側短径部31bの最小径D2の1.5〜5倍、より好ましくは、2〜4倍とすることができる。
操作側巻取り部材3は、操作側巻回部31に、操作部材M1により操作される操作側ワイヤ2の操作量に相当する長さ以上の操作側ワイヤ2を巻回できるように構成されている。操作側巻取り部材3は、図4に示されるように、操作側巻回部31に巻回された操作側ワイヤ2の他端2bを係合するワイヤエンド係合部32を有している。本実施形態では、ワイヤエンド係合部32は、操作側巻取り部材3の操作側短径部31bの位置に設けられているが、ワイヤエンド係合部32を設ける位置は特に限定されず、たとえば操作側長径部31aに設けてもよい。
本実施形態では、操作側ワイヤ2が操作側巻回部31に巻回される巻回軌跡が楕円状となるように構成されている。操作側ワイヤ2の巻回軌跡が楕円状であることにより、入力側と出力側との間の操作量の変化を容易に大きくすることができる。ここで、「巻回軌跡が楕円状」とは、巻回された操作側ワイヤ2の巻回軌跡が、楕円もしくは楕円に近い形状(略楕円)となること、または、楕円もしくは略楕円の周の少なくとも一部となることをいう。なお、略楕円には、たとえば、異なる曲率の円弧を組み合わせたものなども含まれる。本実施形態では、図3および図4に示されるように、操作側巻取り部材3は、操作側巻回部31が楕円を形成するように連続した溝状に形成されている。しかし、操作側巻取り部材3の形状は特に限定されず、操作側巻回部31が操作量に対応する長さを有する楕円弧を有する形状(部分楕円状)に形成されていてもよいし、複数の楕円扇状の部分を組み合わせて形成された形状とされていてもよい。
つぎに、被操作側巻取り部材5について説明するが、被操作側巻取り部材5は、操作側巻取り部材3と同様の構成とすることができるため、その説明は一部省略する。なお、本実施形態では、被操作側巻取り部材5は、操作側巻取り部材3と同じ形状および大きさで示されているが、被操作側巻取り部材5は操作側巻取り部材3と異なる形状としてもよいし、異なる大きさとしてもよい。
被操作側巻取り部材5は、操作側巻取り部材3と連動して回転し、被操作側ワイヤ4を巻取り及び繰り出しする部材である。本実施形態では、図1〜図3に示されるように、操作側巻取り部材3の回転軸と、被操作側巻取り部材5の回転軸とが、同軸上に設けられている。これにより、操作側巻取り部材3および被操作側巻取り部材5に必要なスペースをコンパクトにすることができ、操作側巻取り部材3と被操作側巻取り部材5との連動が正確になる。この場合、操作側巻取り部材3と被操作側巻取り部材5とは、互いに係合または固定されるか、一体的に形成され、一方が回転すると、他方が連動して同方向に回転する。なお、操作側巻取り部材3および被操作側巻取り部材5を、ギヤ等の図示しない連動機構で接続して連動させて、異なる回転軸周りに回転するように構成してもよい。
被操作側巻取り部材5は、図5に示されるように、被操作側巻取り部材5の回転での回転半径が長径となる被操作側長径部51aと回転半径が被操作側長径部51aに比べて短径となる被操作側短径部51bとにより構成されて、被操作側ワイヤ4が非円形に巻回される被操作側巻回部51を有している。ここで、「被操作側ワイヤ4が非円形に巻回される」とは、被操作側ワイヤ4の巻回軌跡が円形以外で、被操作側ワイヤ4が繰り出し及び巻取りされる部位(図3の参照符号P2参照。以下、巻取り地点P2と呼ぶ)における被操作側巻回部51の回転中心Xからの距離が、被操作側巻取り部材5の回転に伴い、長径および短径となるように被操作側ワイヤ4が巻回されることをいう。特に、長径における径方向と短径における径方向とが交わる角度が直角若しくはそれ以上であることが好ましい。
被操作側巻取り部材5は、図5に示されるように、被操作側巻回部51に巻回された被操作側ワイヤ4の他端4bを係合するワイヤエンド係合部52を有している。本実施形態では、ワイヤエンド係合部52は、被操作側巻取り部材5の被操作側短径部51bの位置に設けられているが、ワイヤエンド係合部52を設ける位置は特に限定されず、たとえば被操作側長径部51aに設けてもよい。
本実施形態では、被操作側ワイヤ4が被操作側巻回部51に巻回される巻回軌跡が楕円状となるように構成されている。巻回軌跡が楕円状であることにより、入力側と出力側との間の操作量の変化を容易に大きくすることができる。なお、操作側ワイヤ2の巻回軌跡と被操作側ワイヤ4の巻回軌跡とは、少なくとも一方が楕円状であればよい。
操作側巻取り部材3および被操作側巻取り部材5は、本実施形態では、図3に示されるように、回転中心Xと操作側長径部31aの長径部頂部L1とを結ぶ直線、および、回転中心Xと被操作側長径部51aの長径部頂部L2とを結ぶ直線が交差するように(本実施形態では、略直交するように)配置されている。しかし、操作側巻取り部材3および被操作側巻取り部材5の配置関係は図示するものに限定されず、後述する操作側ワイヤ2と被操作側ワイヤ4の繰り出し、巻取りフェーズを有するものであれば異なる配置関係とすることができる。たとえば、操作側ワイヤ2および被操作側ワイヤ4のいずれか一方の延びる方向を変えることにより(たとえば、被操作側ワイヤ4が、被操作側巻取り部材5から図3中、下方に延びるようにすることにより)、操作側巻取り部材3および被操作側巻取り部材5を、一方の部材の長径部と他方の部材の短径部とが重なるように配置することができる。また、入力および出力における操作量を微調整できるように、操作側巻取り部材3および被操作側巻取り部材5のうちの少なくとも一方を、他方に対して相対的に回転できるようにして、操作側巻取り部材3および被操作側巻取り部材5の互いに対する角度を調整できるようにしてもよい。
本実施形態では、上述したように、操作側長径部31aおよび操作側短径部31bを有する操作側巻取り部材3と、被操作側長径部51aおよび被操作側短径部51bを有する被操作側巻取り部材5とが連動するように構成されている。そして、操作側巻取り部材3と被操作側巻取り部材5との連動は操作側長径部31aでの操作側ワイヤ2の巻取り及び繰り出しの際に、被操作側短径部51bでの被操作側ワイヤ4の繰り出し及び巻取りが行われるフェーズを含んでいる。
本実施形態では、それぞれが長径部と短径部とを有する2つの巻取り部材を用いることにより、操作部材M1側から入力された操作量と、被操作部材M2側へと出力される操作量との間の変化量を大きくすることができる。つまり、入力側と出力側との間の操作量の変化量を大きくするために、1つの巻取り部材のみでの操作量の変化に依存するのではなく、操作側巻取り部材3および被操作側巻取り部材5の2つの部材を用い、さらにはその組合わせ方を工夫している。そのため、入力側での操作量の変化と出力側での操作量の変化とにより全体としての操作量の変化量を大きくするために、操作量を変換する巻き取り部材の大きさ(長径部の径)を大きくする必要がなく、操作量変換機構1をコンパクトにすることができる。
図3を参照して、より詳細に説明すると、まず操作側ワイヤ2と操作側巻取り部材3との関係で見た場合、操作部材M1の操作によって操作側ワイヤ2が図3の左側に所定量引き操作された場合、操作側巻取り部材3から操作側ワイヤ2が繰り出される。操作側巻取り部材3は、操作側長径部31aと操作側短径部31bとを有しており、操作側長径部31aの回転半径は、操作側短径部31bの回転半径よりも大きい。操作側ワイヤ2が引き操作されたときに、回転半径が大きい操作側長径部31aから繰り出される場合は、一定の長さの繰り出し量に対する操作側巻取り部材3の回転量は比較的小さくなる。一方、回転半径が小さい操作側短径部31bから操作側ワイヤ2が繰り出される場合は、一定の長さの繰り出し量に対する操作側巻取り部材3の回転量は大きくなる。したがって、図3に示される、操作側巻取り部材3の初期位置において、操作側長径部31aから操作側ワイヤ2が一定速度で繰り出される場合、操作側巻取り部材3の回転量は、最初は小さく、その後、操作側短径部31bから操作側ワイヤ2が繰り出されるときに、操作側巻取り部材3の回転量が大きくなる。操作側巻取り部材3が回転すると、被操作側巻取り部材5は、操作側巻取り部材3と連動するため、操作側巻取り部材3と同じ回転量で回転する。なお、長径部から繰り出されるとは、長径部となる巻取り部材の外周の領域にワイヤが接した状態でワイヤが繰り出されることをいい、短径部から繰り出されるとは、短径部となる巻取り部材の外周の領域にワイヤが接した状態でワイヤが繰り出されることをいう。
つぎに、被操作側巻取り部材5と被操作側ワイヤ4との関係で見た場合、被操作側巻取り部材5が、図3の状態から反時計回りに所定量回転した場合、被操作側巻取り部材5によって、被操作側ワイヤ4が巻き取られる。被操作側巻取り部材5は、被操作側長径部51aと被操作側短径部51bとを有しており、被操作側長径部51aの回転半径は被操作側短径部51bの回転半径よりも大きい。被操作側巻取り部材5が所定量だけ回転したときに、回転半径が大きい被操作側長径部51aによって被操作側ワイヤ4が巻き取られる場合、被操作側ワイヤ4が巻き取られる量は大きくなる。一方、回転半径が小さい被操作側短径部51bによって被操作側ワイヤ4が巻き取られる場合は、被操作側ワイヤ4が巻き取られる量が小さくなる。したがって、図3に示される被操作側巻取り部材5の初期位置において、被操作側長径部51aから被操作側短径部51bに向かって被操作側ワイヤ4が巻き取られる場合、被操作側ワイヤ4の巻取り量は、被操作側短径部51bで巻き取られる段階では小さく、その後、被操作側長径部51aで巻き取られる段階で巻取り量が大きくなる。
以上のように、図3の実施形態においては、操作量変換機構1は、操作側長径部31aから操作側ワイヤ2が繰り出され、且つ被操作側長径部51aに被操作側ワイヤ4が巻き取られる状態から始まって、図3の状態から操作側巻取り部材3が回転して操作側長径部31aから操作側ワイヤ2が繰り出され、且つ被操作側短径部51bに被操作側ワイヤ4が巻き取られる状態となり(図6C〜F参照)、操作側ワイヤ2および被操作側ワイヤ4の全体の繰り出し、巻取り過程において、操作側巻取り部材3の回転量が小さく、かつ、被操作側巻取り部材5の巻取り量が小さくなるフェーズを含んでいる。これにより、操作側ワイヤ2の操作量に対して、被操作側ワイヤ4の引き量が相乗的に小さくなっている。また、操作側ワイヤ2および被操作側ワイヤ4の全体の繰り出し、巻取り過程の中で、操作側巻取り部材3の回転量が大きく、かつ、被操作側巻取り部材5の巻取り量が大きくなるフェーズを含んでいる。これにより、操作側ワイヤ2の操作量に対して、被操作側ワイヤ4からの出力を相乗的に大きくすることができる。したがって、入力側と出力側との間の操作量の変化量を大きくすることができる。要するには、操作側ワイヤ2の繰り出し位置が操作側長径部31aから操作側短径部31bに移動し、被操作側ワイヤ4の巻取り位置が被操作側長径部51aから被操作側短径部51aに移行することに伴い、繰り出しと巻き取りとの速度変化がそれぞれ生じることを用いて、巻き取りの速度変化と繰り出しの速度変化とが重なって生じるように、操作側巻取り部材3と被操作側巻取り部材5とを組み合わせることで、操作部材M1の操作量に対する被操作部材M2の操作量の大きな変化を生じさせている。このような操作量の変化を生じさせることができれば、繰り出し位置と巻き取り位置との短径と長径との組み合わせを適宜用いることもできる。このような、2つの巻取り部材のワイヤの巻取りと繰り出しに関与する長径と短径との組合せについては、一方の巻取り部材の長径が関与するときに他方の巻取り部材の長径が関与する作動状態から一方の巻取り部材の長径が関与するときに他方の巻取り部材の短径が関与する作動状態へと遷移する組合せや、一方の巻取り部材の短径が関与するときに他方の巻取り部材の長径が関与する作動状態から一方の巻取り部材の長径が関与するときに他方の巻取り部材の短径が関与する作動状態へと遷移する組合せとすることができる。当然のことながら、一方の巻取り部材の短径が関与するときに他方の巻取り部材の短径が関与する作動状態へとなるように2つの巻取り部材を組み合わせることができる。
なお、上記実施形態では、最初に出力を小さくし、その後出力を大きくする例を説明したが、たとえば、操作側巻取り部材3の初期位置において、操作側短径部31bから操作側ワイヤ2が繰り出されるようにし、被操作側巻取り部材5の初期位置において、被操作側長径部51aにより巻き取るようにすることにより、最初に出力を大きく、つぎに出力を小さくすることもできる。
以下、図6A〜図6Mを参照し、具体的な実施形態に基づいて、操作量変換機構1の動作を説明する。図6Aは、本実施形態の操作量変換機構の初期位置を示し、図6A以降は、操作側巻取り部材3および被操作側巻取り部材5が、前の図番の図面から15°ずつ反時計回りに回転した状態を示している。なお、図6A〜図6Mに示す状態はあくまで一例であり、本発明を限定するものではない。
図6Aに示される操作量変換機構1の初期位置では、楕円状に形成された操作側巻取り部材3および被操作側巻取り部材5は、それぞれの楕円の長軸が互いに直交し、かつ、両楕円の面が略平行となるように設けられている。操作側巻取り部材3および被操作側巻取り部材5は、操作力入力側プーリ7および操作力伝達側プーリ9の間に配置されている。操作側巻取り部材3は、図6Aに示されるように、初期位置において繰り出し地点P1が操作側長径部31aに位置し、操作側長径部31aから操作側ワイヤ2が操作力入力側プーリ7に向かって繰り出されている。被操作側巻取り部材5は、巻取り地点P2が被操作側長径部51aに位置し、被操作側長径部51aから操作力伝達側プーリ9に向かって被操作側ワイヤ4が延びている。本実施形態では、図6Aに示される初期位置において、操作側巻取り部材3が、繰り出し地点P1となる長径部頂部L1と操作側巻取り部材3の回転中心Xとを結ぶ線分が、操作側巻取り部材3の回転中心Xと操作力伝達側プーリ9の回転中心とを結ぶ線分に対して鋭角(約45°)となるように配置されている。また、被操作側巻取り部材5は、巻取り地点P2となる長径部頂部L2と被操作側巻取り部材5の回転中心Xとを結ぶ線分が、被操作側巻取り部材5の回転中心Xと操作力入力側プーリ7の回転中心とを結ぶ線分に対して鋭角(約45°)となるように配置されている。操作側巻取り部材3および被操作側巻取り部材5はX字状に配置されて、操作側ワイヤ2と被操作側ワイヤ4が交差している。
図6Aに示す状態から、操作部材M1(図1参照)を引き操作すると、図6Bに示されるように、操作力入力側ワイヤ6によって、操作力入力側プーリ7の小径部71が反時計回りに回転し、同時に大径部72も反時計回りに回転する。本実施形態では、大径部72は小径部71の約2倍の径を有しているため、操作部材M1による操作力入力側ワイヤ6の引き操作量の約2倍の長さの操作側ワイヤ2が大径部72に巻き取られる。操作側ワイヤ2が大径部72に巻き取られると、操作側巻取り部材3が、図6B〜図6Mに示されるように、軸部Heの回転中心Xを中心として反時計回りに回転する。操作側巻取り部材3が回転すると、被操作側巻取り部材5も同方向に連動して回転する。被操作側巻取り部材5が反時計回りに回転すると、被操作側巻取り部材5に被操作側ワイヤ4が巻き取られる。被操作側ワイヤ4が巻き取られると、操作力伝達側プーリ9の大径部92から被操作側ワイヤ4が繰り出されながら、操作力伝達側プーリ9が回転する。操作力伝達側プーリ9が回転すると、小径部91も回転するので、小径部91に接続された操作力伝達側ワイヤ8が引き操作され、被操作部材M2(図1参照)が引き操作される。
この一連の動作の中で、まず、操作側巻取り部材3側のみに着目して説明する。図6B〜図6Fの状態では、操作側巻取り部材3から繰り出される操作側ワイヤ2の繰り出し地点P1は、図6Aに示される初期位置の繰り出し地点P1とほぼ変わっていない。すなわち、操作側巻取り部材3は、図6Bの状態から図6Fの状態まで、操作側長径部31aから操作側ワイヤ2が繰り出された状態で回転する、長径部繰り出しフェーズとなっている。図6Bの状態から図6Fの状態までは、操作側巻取り部材3は、操作側ワイヤ2の繰り出し地点P1における回転半径Rb〜Rfはほぼ操作側長径部31aの最大径のまま回転する。そのため、操作側ワイヤ2が同じ量だけ操作された場合、回転半径が小さい操作側短径部31bから操作側ワイヤ2が繰り出される場合よりも、操作側巻取り部材3の回転量は小さくなる。
操作側巻取り部材3は、そのまま回転していくと、図6G〜図6Jに示されるように、操作側巻取り部材3の操作側短径部31bから操作側ワイヤ2が繰り出されながら回転する、短径部繰り出しフェーズとなる。図6G〜図6Jでは、繰り出し地点P1における回転半径はRg〜Rjとなっており、操作側長径部31aにおける回転半径よりも相対的に短くなっている。操作側ワイヤ2が操作側短径部31bから繰り出されるとき、操作側ワイヤ2が同じ量だけ操作された場合、回転半径が大きい操作側長径部31aから操作側ワイヤ2が繰り出される場合よりも、操作側巻取り部材3の回転量は大きくなる。その後、操作側巻取り部材3は、図6K〜図6Mに示されるように、再び長径部繰り出しフェーズとなり180°回転する。
以上の動作の場合の操作側ワイヤ2の操作量と操作側巻取り部材3の回転量との関係を図7に概略的に示す。図7から分かるように、操作側巻取り部材3は、長径部繰り出しフェーズPaにおいては、操作側ワイヤ2の操作量に対して操作側巻取り部材3の回転量が小さく、短径部繰り出しフェーズPbにおいては、操作側ワイヤ2の操作量に対して操作側巻取り部材3の回転量が大きくなっている。
つぎに、被操作側巻取り部材5側のみに着目して説明する。被操作側巻取り部材5が操作側巻取り部材3に連動して回転すると、被操作側巻取り部材5は、図6B〜図6Fの状態では、被操作側短径部51bに被操作側ワイヤ4が巻き取られる、短径部巻取りフェーズとなっている。この短径部巻取りフェーズでは、図6B〜図6Fに示されるように、被操作側ワイヤ4の巻取り地点P2における回転半径が、R2b〜R2fとなっており、いずれも被操作側長径部51aにおける回転半径よりも短くなっている。そのため、短径部巻取りフェーズにおいては、被操作側巻取り部材5が同じ回転量である場合、回転半径が大きい被操作側長径部51aで被操作側ワイヤ4を巻き取る巻取り量よりも、被操作側ワイヤ4の巻取り量が小さくなる。
被操作側巻取り部材5は、そのまま回転していくと、図6G〜図6Mに示されるように、被操作側巻取り部材5の被操作側長径部51aに被操作側ワイヤ4が巻き取られながら回転する、長径部巻取りフェーズとなっている。長径部巻取りフェーズでは、図6G〜図6Mに示されるように、被操作側巻取り部材5は、巻取り地点P2における回転半径R2g〜R2mがほぼ被操作側長径部51aの最大径のまま回転する。被操作側ワイヤ4が被操作側長径部51aに巻き取られるとき、被操作側巻取り部材5が同じ回転量である場合、回転半径が小さい被操作側短径部51bで被操作側ワイヤ4を巻き取る巻取り量よりも、被操作側ワイヤ4の巻取り量が大きくなる。
このときの被操作側巻取り部材5の回転量と、被操作側ワイヤ4の巻取り量との関係を図8に示す。図8から分かるように、被操作側ワイヤ4の巻取り量は、短径部巻取りフェーズPcにおいては、被操作側巻取り部材5の回転量に対して被操作側ワイヤ4の巻取り量が小さく、長径部巻取りフェーズPdにおいては、被操作側巻取り部材5の回転量に対して被操作側ワイヤ4の巻取り量が大きくなっている。
図7および図8に示されるように、図6Bから図6Fまでの状態では、操作側巻取り部材3は、長径部繰り出しフェーズPaであるため、操作側ワイヤ2の操作量に対する回転量が小さい。一方、被操作側巻取り部材5は、短径部巻取りフェーズPcであるため、被操作側巻取り部材5(操作側巻取り部材3)の回転量に対する被操作側ワイヤ4の巻取り量が小さい。したがって、この領域は、被操作側巻取り部材5の回転量が小さく、かつ、単位回転量当たりの被操作側ワイヤ4の巻取り量も小さい領域となる。したがって、被操作側ワイヤ4の巻取り量が相乗的に低く抑えられ、被操作部材M2の操作量が相乗的に低く抑えられる。
また、図6G〜図6Jまでの状態では、操作側巻取り部材3は、短径部繰り出しフェーズPbであるため、操作側ワイヤ2の操作量に対する回転量が大きい。一方、被操作側巻取り部材5は、長径部巻取りフェーズPdであるため、被操作側巻取り部材5(操作側巻取り部材3)の回転量に対する被操作側ワイヤ4の巻取り量が大きい。したがって、この領域は、被操作側巻取り部材5の回転量が大きく、かつ、単位回転量当たりの被操作側ワイヤ4の巻取り量も大きい領域となる。したがって、被操作側ワイヤ4の巻取り量が相乗的に大きくなり、被操作部材M2の操作量が相乗的に大きくなる。
図9は、操作側ワイヤ2の操作量と、被操作側ワイヤ4の巻取り量との関係を概略的に示している。なお、図9中、参照符号F1で示す線は、操作側ワイヤ2の操作量と被操作側ワイヤ4の巻取り量とが同じであるときの関係を示している。参照符号F2で示す線は、操作部材M1と被操作部材M2との間に、1つだけ楕円状の巻取り部材が設けられたときの関係を示している。参照符号F3は、本実施形態の操作量変換機構1における、操作側ワイヤ2の操作量と、被操作側ワイヤ4の巻取り量との関係を示している。本実施形態の操作量変換機構1によれば、上述したように、被操作側ワイヤ4の巻取り量を、相乗的に小さくするフェーズと、相乗的に大きくするフェーズを含んでいる。したがって、図9に示されるように、操作部材M1と被操作部材M2との間に、1つだけ楕円状の巻取り部材が設けられたときと比較して、操作側ワイヤ2の操作量と被操作側ワイヤ4の操作量との間の変化量を大きくすることができる。1つだけ楕円状の巻取り部材が設けられた構造で、操作量の変化を大きくしようとすると、楕円状の巻取り部材を長軸方向に長くするか、短軸方向を短くする必要がある。しかし、楕円状の巻取り部材を長軸方向に長くすると巻取り部材が大型化し、装置の大型化につながる。また、巻取り部材を短軸方向に短くすると、巻取り部材の強度が弱くなったり、ワイヤの端部を固定する場所の確保も難しくなったりする。本実施形態では、操作側巻取り部材3および被操作側巻取り部材5の2つの巻取り部材を用いることにより、巻取り部材を大きくすることなく、図9に示すようなプロファイルを有する大きな変化量を得ることができるため、操作量変換機構1の小型化が可能となる。また、操作側巻取り部材3および被操作側巻取り部材5を短軸方向に短くする必要がなく、巻取り部材の強度が安定し、操作側ワイヤ2、被操作側ワイヤ4の端部2b、4bを固定する場所が制限されにくい。