JP2017197614A - 共重合体、医療デバイスおよびその製造方法、医療デバイス用湿潤剤および化合物 - Google Patents

共重合体、医療デバイスおよびその製造方法、医療デバイス用湿潤剤および化合物 Download PDF

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Abstract

【課題】表面処理により、コンタクトレンズのような医療デバイスに、こすり洗いによっても低下することのない易滑性を付与できるような高分子、また、前記高分子を形成するモノマーとしての化合物、また、上記高分子を表面に有し、易滑性が付与された医療デバイス、さらに、上記高分子が含まれてなる湿潤剤の提供。【解決手段】構成単位として式[I]で表される化合物と特定の不飽和化合物を含む共重合体。[R1〜R3は夫々独立にH又はアルキル基;R4はアルキル基又は特定のエーテル結合を含む置換基;m及びnは、夫々独立に0〜6の整数;Zは、ビニル基又はアリル基を含むラジカル重合可能な重合性基]【選択図】なし

Description

本発明は、特定の化合物、および上記化合物と(メタ)アクリロイル基を有する化合物とを構成単位として含み、湿潤剤にも用いられ得る共重合体、ならびに当該湿潤剤を用いて得られる医療デバイスおよびその製造方法に関する。
人体の一部と直接接触する医療デバイスは、その表面に生体適合性を有する必要がある。生体適合性の発現には水、タンパク質、脂質などの物質の付着が制御されていることが重要とされている。
医療デバイスの中でも、眼用レンズ、特にコンタクトレンズにおいては、装用者にとって、レンズ表面と角膜やまぶた間の摩擦力増大によって引き起こされるレンズ挿入直後の初期不快感が問題の1つに挙げられており、装用感の悪化のみならず、角膜損傷のリスクを高める恐れがあるとされている。
例えば、高含水率のソフトコンタクトレンズは、少量の架橋剤存在下、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)のような親水性モノマーを重合することにより形成される含水ゲル(ハイドロゲル)により作られており、アクリル酸などの酸性成分を共重合することで水濡れ性を高めてはいるが、レンズ表面の易滑性には乏しいという問題がある。
また、低含水性あるいは非含水性のソフトコンタクトレンズは、疎水性のモノマーを用いることが多いために、易滑性はおろか水濡れ性さえも乏しいことから、親水性を付与する表面改質処理が必須とされている。
レンズ表面の易滑性を高めることは、レンズ挿入直後の初期不快感の軽減に繋がることから、様々な高分子によるレンズ表面への易滑性付与が考えられている。
特許文献1には、親水性高分子であるポリビニルピロリドン(PVP)をブリスターパック中に封入された包装溶液に添加し、これにコンタクトレンズを浸漬させて蒸気滅菌することで、高含水性レンズ表面に易滑性を付与する方法が開示されている。
特許文献2には、ヒドロキシル官能基化ポリ(ビニルピロリドン)あるいはポリ(ビニルピロリドン−co−アリルアルコール)と無水コハク酸との反応によって生じる酸末端PVPを含む包装溶液にコンタクトレンズを浸漬し、蒸気滅菌することで、シリコーンヒドロゲルレンズ表面に易滑性を付与する方法が開示されている。
ところで、ホスホリルコリン類似基含有化合物は、生体膜に由来するリン脂質類似構造に起因して、血液適合性、補体非活性化、生体物質非吸着性などの生体適合性に優れ、しかも非常に親水性が高く、保湿性が高いなどの優れた性質を有することが知られている。そこで、ホスホリルコリン類似基を有する、生体関連材料の開発を目的とした化合物の合成およびその用途に関する研究開発が活発に行われている。
例えば、特許文献3には、両性電解質化合物、およびそれを含むポリマーが記載され、コンタクトレンズの形成に用いることにより、コンタクトレンズ中の水分含量が増加し、親水性を示すことが開示されている。
特許文献4には、ホスホリルコリン類似構造を有する化合物、およびそれを含む化粧料が記載され、良好な水溶性と安全性を併せ持ち、かつ優れた界面活性能を有し、使用感に優れた化粧料を提供する方法が開示されている。
特表2008‐532060号公報 特表2011‐512546号公報 特表2014−520191号公報 特表2012−201617号公報
上記特許文献1の発明では、レンズ表面は長期に亘り易滑性を維持するものの、ソフトコンタクトレンズ用洗浄液を用いたこすり洗いをすると易滑性が低下することから、使い捨てコンタクトレンズには適用できるが、連続装用レンズには適用できないという課題がある。
上記特許文献2の発明では、酸末端PVPを含む包装溶液に浸漬し、蒸気滅菌したコンタクトレンズの易滑性について具体的な記載があるわけではなく、まして上記こすり洗いの後も易滑性が保持されているとは期待し難い。また、具体的な酸末端PVPの調製に際しては、高分子であるヒドロキシル官能化ポリ(ビニルピロリドン)およびポリ(ビニルピロリドン−co−アリルアルコール)と無水コハク酸を反応させることにより酸末端PVPを調製しており、かかるポリマー中の水酸基と酸無水物との反応においては、酸末端の導入数の制御が難しいと考えられる。
上記特許文献3の発明では、両性電解質化合物を含む材料からなるコンタクトレンズの水分含量が増加することの記載があり、また、表面をコーティングした医療用デバイスのタンパク質吸着を抑制するものの、易滑性については具体的な記載があるわけではなく、特許文献2の発明と同様、上記こすり洗いの後も易滑性が保持されているとは期待し難い。
上記特許文献4の発明では、ホスホリルコリン類似構造を有する化合物を医療用デバイス表面にコーティングすることについて記載はない。また、ホスホリルコリン類似構造を有する化合物は、非重合性の化合物であることから、高分子とすることが難しく、医療用デバイス表面へのコーティングに適用できないおそれが考えられる。
本発明では、上記従来技術とは異なるアプローチにて、表面処理により、コンタクトレンズのような医療デバイスに、こすり洗いによっても低下することのない易滑性を付与できるような高分子、また、上記高分子を形成するモノマーとしての化合物、また、上記高分子を表面に有し、易滑性が付与された医療デバイス、さらに、上記高分子が含まれてなる湿潤剤を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は下記の構成を有する。すなわち、
1.構成単位として一般式[I]で表される化合物と一般式[III]で表される化合物とを含む、共重合体。
Figure 2017197614
[式[I]中、R、RおよびRは、それぞれ独立に水素原子またはアルキル基を表す。Rは、アルキル基または一般式[II]で表される置換基を表す。mおよびnは、それぞれ独立して0〜6の整数を表す。Zは、ビニル基またはアリル基を含むラジカル重合可能な重合性基を表す。]
Figure 2017197614
[式[II]中、(A)p−Rは(CO)p−R、(CO)p−Rまたは(CO)p−Rを表す。pは1〜10の整数を表す。Rはアルキル基を表す。]
Figure 2017197614
[式[III]中、Rは、水素原子またはメチル基を表す。Rはアルキル基を表す。Xは、酸素原子またはNRを表し、Rは水素原子またはアルキル基を表す。]
2.Zが(メタ)アクリロイル基である、上記1記載の共重合体。
3.mが0または1である、上記1または2に記載の共重合体。
4.nが1である、上記1〜3のいずれか一項に記載の共重合体。
5.上記1〜4のいずれか一項に記載の共重合体を、医療デバイス基材の表面上の少なくとも一部に有してなる、医療デバイス。
6.前記医療デバイスが眼用レンズである、上記5記載の医療デバイス。
7.前記眼用レンズがコンタクトレンズである、上記6記載の医療デバイス。
8.上記1〜4のいずれか一項に記載の共重合体を含有する、医療デバイス用湿潤剤。
9.前記医療デバイスが眼用レンズである、上記8記載の医療デバイス用湿潤剤。
10.前記眼用レンズがコンタクトレンズである、上記9記載の医療デバイス用湿潤剤。
11.前記医療デバイス用湿潤剤が、コンタクトレンズ用外部湿潤剤である、上記10記載の医療デバイス用湿潤剤。
12.医療デバイス基材と上記8〜11のいずれか一項に記載の医療デバイス用湿潤剤とを容器中に入れ、加熱処理する工程を経て得られる、医療デバイスの製造方法。
13.一般式[I]で表される化合物と一般式[III]で表される化合物とを共重合して得られる、共重合体の製造方法。
Figure 2017197614
[式[I]中、R、RおよびRは、それぞれ独立に水素原子またはアルキル基を表す。Rは、アルキル基または一般式[II]で表される置換基を表す。mおよびnは、それぞれ独立して0〜6の整数を表す。Zは、ビニル基またはアリル基を含むラジカル重合可能な重合性基を表す。]
Figure 2017197614
[式[II]中、(A)p−Rは(CO)p−R、(CO)p−Rまたは(CO)p−Rを表す。pは1〜10の整数を表す。Rはアルキル基を表す。]
Figure 2017197614
[式[III]中、Rは、水素原子またはメチル基を表す。Rはアルキル基を表す。Xは、酸素原子またはNRを表し、Rは水素原子またはアルキル基を表す。]
14.一般式[IV]で表される化合物。
Figure 2017197614
[式[IV]中、R、RおよびRは、それぞれ独立に水素原子またはアルキル基を表す。Rはアルキル基を表す。(A)p−Rは(CO)p−R、(CO)p−Rまたは(CO)p−Rを表す。mおよびnは、それぞれ独立して0〜6の整数を表す。pは1〜10の整数を表す。Zは、ラジカル重合可能なビニル基またはアリル基を含む重合性基を表す。]
15.Zが(メタ)アクリロイル基である、上記14記載の化合物。
16.mが0または1である、上記14または15に記載の化合物。
17.nが1である、上記14〜16のいずれか一項に記載の化合物。
本発明に係る共重合体は、表面処理によってコンタクトレンズのような医療デバイスの表面に親水性を付与でき、また、こすり洗いによっても低下することのない易滑性を付与できる。本発明では、上記共重合体を表面に有し、易滑性が付与された医療デバイスを提供でき、また、上記共重合体が含まれてなる湿潤剤を提供できる。また、本発明に係る化合物は親水性に優れたモノマーであり、アクリレート化合物もしくはアクリルアミド化合物などとの共重合により、上記の通り表面処理に優れた共重合体とすることができる。
本発明の共重合体は、構成単位として、一般式[I]で表される化合物と一般式[III]で表される化合物とを含んでいる。
Figure 2017197614
[式[I]中、R、RおよびRは、それぞれ独立に水素原子またはアルキル基を表す。Rは、アルキル基または一般式[II]で表される置換基を表す。mおよびnは、それぞれ独立して0〜6の整数を表す。Zは、ビニル基またはアリル基を含むラジカル重合可能な重合性基を表す。]
Figure 2017197614
[式[II]中、(A)p−Rは(CO)p−R、(CO)p−Rまたは(CO)p−Rを表す。pは1〜10の整数を表す。Rはアルキル基を表す。]
Figure 2017197614
[式[III]中、Rは、水素原子またはメチル基を表す。Rはアルキル基を表す。Xは、酸素原子またはNRを表し、Rは水素原子またはアルキル基を表す。]
、RおよびRは、それぞれ独立に水素原子またはアルキル基を表す。アルキル基は、直鎖状でも分岐状でもよく、炭素数1〜6のアルキル基が好ましい。
は、アルキル基または一般式[II]で表される置換基を表す。Rがアルキル基の場合、直鎖状でも分岐状でもよく、炭素数1〜6のアルキル基が好ましい。
が一般式[II]で表される置換基の場合、(A)p−Rは(CO)p−R、(CO)p−Rまたは(CO)p−Rを表す。この場合、本発明に係る化合物として、一般式[I]で表される化合物は以下の一般式[IV]で表され、この化合物においては、式[IV]に示すとおり、分子内に陽イオンであるアンモニウムイオンと、陰イオンであるリン酸イオンとを有するベタイン構造によって高い親水性が得られるだけでなく、上記アルキレンオキシド基による親水性の向上が期待できる。
Figure 2017197614
また、pは1〜10の整数を表す。Rはアルキル基を表し、直鎖状でも分岐状でもよく、炭素数1〜6のアルキル基が好ましい。
上記したようにR、R、R、RおよびRが炭素数1〜6のアルキル基の場合、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、2−プロピル基、ブチル基、2−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、2−ペンチル基、3−ペンチル基、ヘキシル基などが挙げられる。
mおよびnは、それぞれ独立して0〜6の整数を表すが、mの値は0または1が好ましく、また、nの値は1がより好ましい。
Zは、ビニル基またはアリル基を含むラジカル重合可能な重合性基を表す。好ましくは(メタ)アクリロイル基である。
ビニル基またはアリル基を含むラジカル重合可能な重合性基とは、例えば、ラジカル開始剤などのラジカル源に暴露させた際に、付加重合を起こすことが可能なビニル基またはアリル基を含む官能基を指す。かかる重合性基としては、例えば、ビニル基、アリル基、ビニルオキシ基、アリルオキシ基、ビニルカルバメート基、アリルカルバメート基、ビニルカーボネート基、アリルカーボネート基、アクリロイル基、メタクリロイル基、スチリル基などが挙げられる。これらのうち、アクリロイル基、メタクリロイル基が好ましい。
はアルキル基を表し、直鎖状でも分岐状でもよく、炭素数1〜10のアルキル基が好ましい。例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、2−プロピル基、ブチル基、2−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、2−ペンチル基、3−ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基などが挙げられる。
Xは、酸素原子またはNRを表し、Rは水素原子またはアルキル基を表す。Rがアルキル基の場合、直鎖状でも分岐状でもよく、炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、2−プロピル基、ブチル基、2−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、2−ペンチル基、3−ペンチル基、ヘキシル基などが挙げられる。
好適な一般式[I]で表される化合物の具体例としては、2−((3−(メタ)アクリルアミドプロピル)ジメチルアミノ)エチルメチルホスフェート、2−((3−(メタ)アクリルアミドプロピル)ジメチルアミノ)エチルエチルホスフェート、2−((3−(メタ)アクリルアミドプロピル)ジメチルアミノ)エチルプロピルホスフェート、2−((3−(メタ)アクリルアミドプロピル)ジメチルアミノ)エチルイソプロピルホスフェート、2−((3−(メタ)アクリルアミドプロピル)ジメチルアミノ)エチルブチルホスフェート、2−((3−(メタ)アクリルアミドプロピル)ジメチルアミノ)エチル(2−(2−メトキシエトキシ)エチル)ホスフェート、2−((3−(メタ)アクリルアミドプロピル)ジメチルアミノ)エチル(2−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)エチル)ホスフェート、2−((3−(メタ)アクリルアミドプロピル)ジメチルアミノ)エチル2,5,8,11−テトラオキサトリデカン−13−イルホスフェート、2−((3−(メタ)アクリルアミドプロピル)ジメチルアミノ)エチル2,5,8,11,14−ペンタオキサヘキサデカン−16−イルホスフェート、2−((3−(メタ)アクリルアミドプロピル)ジメチルアミノ)エチル2,5,8,11,14,17−ヘキサオキサノナデカン−19−イルホスフェート、2−((3−(メタ)アクリルアミドプロピル)ジメチルアミノ)エチル2,5,8,11,14,17,20−ヘプタオキサドコサン−22−イルホスフェート、2−((3−(メタ)アクリルアミドプロピル)ジメチルアミノ)エチル2,5,8,11,14,17,20,23−オクタオキサペンタコサン−25−イルホスフェート、などが挙げられる。
好適な一般式[III]で表される化合物の具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、tert-ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリレート化合物;N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−tert-ブチル(メタ)アクリルアミド、N−ペンチル(メタ)アクリルアミド、N−ヘキシル(メタ)アクリルアミド、N、N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−エチル(メタ)アクリルアミド、N、N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−ブチル(メタ)アクリルアミドなどの(メタ)アクリルアミド化合物が挙げられる。
また、好適な一般式[IV]で表される化合物の具体例としては、一部が上記一般式[I]で表される化合物の好適な具体例と重複するが、2−((3−(メタ)アクリルアミドプロピル)ジメチルアミノ)エチル(2−(2−メトキシエトキシ)エチル)ホスフェート、2−((3−(メタ)アクリルアミドプロピル)ジメチルアミノ)エチル(2−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)エチル)ホスフェート、2−((3−(メタ)アクリルアミドプロピル)ジメチルアミノ)エチル2,5,8,11−テトラオキサトリデカン−13−イルホスフェート、2−((3−(メタ)アクリルアミドプロピル)ジメチルアミノ)エチル2,5,8,11,14−ペンタオキサヘキサデカン−16−イルホスフェート、2−((3−(メタ)アクリルアミドプロピル)ジメチルアミノ)エチル2,5,8,11,14,17−ヘキサオキサノナデカン−19−イルホスフェート、2−((3−(メタ)アクリルアミドプロピル)ジメチルアミノ)エチル2,5,8,11,14,17,20−ヘプタオキサドコサン−22−イルホスフェート、2−((3−(メタ)アクリルアミドプロピル)ジメチルアミノ)エチル2,5,8,11,14,17,20,23−オクタオキサペンタコサン−25−イルホスフェートなどが挙げられる。
なお、(メタ)アクリレートとは、アクリレートおよびメタクリレートの両方を表すものである。(メタ)アクリルアミドとは、アクリルアミドおよびメタクリルアミドの両方を表すものである。
本発明における共重合体は、前述の一般式[I]で表される化合物と、前述の一般式[III]で表される化合物とを構成単位としている。これらは線状または枝分かれ、ランダム共重合体、交互共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体とすることができるが、特に限定されるものではない。また、本発明の効果が得られなくなるものではない限り、他に添加剤などを含むものであってもよい。
本発明における共重合体中の前述の一般式[I]で表される化合物と前述の一般式[III]で表される化合物のそれぞれの含有率は、特に限定されるものではないが、一般式[I]で表される化合物の含有率が1〜60モル%であることが好ましく、一般式[III]で表される化合物の含有率が40〜99モル%であることが好ましく、一般式[I]で表される化合物の含有率が5〜50モル%であることがより好ましく、一般式[III]で表される化合物の含有率が50〜95モル%であることがより好ましい。上記上限及び下限のいずれを組合わせた範囲であってもよい。
本発明の共重合体を重合により得る際には、重合を促進するために重合開始剤を加えてもよい。好適な開始剤としては、過酸化物やアゾ化合物等の熱重合開始剤、光重合開始剤(紫外光、可視光又は組み合わせの場合がある)又はそれらの混合物が挙げられる。熱重合を行う場合は、所望の反応温度に対して最適な分解特性を有する熱重合開始剤を選択して使用する。一般的には10時間半減期温度が40℃〜120℃のアゾ系開始剤又は過酸化物系開始剤が好ましい。光重合開始剤としてはカルボニル系化合物、過酸化物、アゾ化合物、硫黄化合物、ハロゲン化合物、金属塩等が挙げられる。
熱重合開始剤の具体例としては、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオン酸)ジメチル、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、tert−ブチルヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、ジ−tert−ブチルペルオキシド、過酸化ベンゾイルなどが挙げられる。
光重合開始剤の具体例としては、芳香族α‐ヒドロキシケトン、アルコキシオキシベンゾイン、アセトフェノン、アシルホスフィンオキシド、ビスアシルホスフィンオキシド、及び第三級アミン+ジケトン、これらの混合物などが挙げられる。光重合開始剤の例としては、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシド(DMBAPO)、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド(“イルガキュア”(登録商標)819)、2,4,6−トリメチルベンジルジフェニルホスフィンオキシド及び2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ベンゾインメチルエーテル、及びカンファーキノンとエチル4−(N,N−ジメチルアミノ)ベンゾエートとの組合せが挙げられる。
市販の可視光開始剤としては、“イルガキュア”(登録商標)819、“イルガキュア”(登録商標)1700、“イルガキュア”(登録商標)1800、“イルガキュア”(登録商標)1850(以上、BASF製)、及びルシリンTPO開始剤(BASF製)が挙げられる。市販の紫外光開始剤としては、“ダロキュア”(登録商標)1173及び“ダロキュア”(登録商標)2959(BASF製)が挙げられる。
これらの重合開始剤は単独でも混合してもよく、使用量は、得ようとする共重合体の目標分子量により適宜調整されるべきものであるが、少なすぎると重合が開始せず、多すぎると分子量が低くなりやすく、再結合停止が起こりやすくなって、所望の分子量の高分子を得ることが困難であるため、重合混合物に対し最大で5質量%までが好ましい。
ここで、重合混合物とはポリマーを重合する際のモノマーを含んだ反応溶液を指し、重合するモノマーと重合溶媒と重合開始剤を含む溶液を指す。この重合混合物には連鎖移動剤を含んでも良い。
本発明の共重合体を重合により得る際には、重合溶媒を使用できる。溶媒は、有機系、無機系溶媒のいずれであってもよい。溶媒の例としては、水;メタノール、エタノール、プロパノール、2-プロパノール、ブタノール、2-ブタノール、tert-ブタノール、tert-アミルアルコール、3,7-ジメチル-3-オクタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール及びポリエチレングリコール等のアルコール系溶媒;ベンゼン、トルエン及びキシレン等の芳香族炭化水素系溶媒;ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、石油エーテル、ケロシン、リグロイン及びパラフィン等の脂肪族炭化水素系溶媒;シクロペンタン、シクロヘキサン及びエチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン及びメチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、乳酸エチル、安息香酸メチル及び二酢酸エチレングリコール等のエステル系溶媒;ジエチルエーテル、tert-ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル及びポリエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル系溶媒が挙げられる。これらの溶媒は単独あるいは混合して使用できる。これらの中で、ラジカル重合を阻害しにくいという観点から、好ましくは水、メタノール、tert−ブタノール、tert−アミルアルコール、3,7−ジメチル−3−オクタノール、テトラヒドロフラン、およびこれらの混合溶媒である。
重合溶媒を使用する場合の重合混合液におけるモノマー濃度は、低すぎると十分な分子量が得られず、高すぎると重合熱で暴走する危険性があることから、10質量%〜80質量%が好ましく、15質量%〜65質量%がより好ましい。上記上限及び下限のいずれを組合わせた範囲であってもよい。
本発明にしたがって得られた共重合体は、蒸留、カラムクロマトグラフィー、沈殿、共重合体が不溶な溶媒による洗浄、GPCによる分留など、従来のポリマー単離手段を用いて精製してもよい。
本発明における共重合体は、質量平均分子量が低すぎると、十分な易滑性が得られないことがある。また、質量平均分子量が高すぎると、共重合体を含む溶液の粘度が高くなりすぎて操作性が失われることがある。易滑性と操作性の観点から、共重合体の質量平均分子量は、1,000〜5,000,000ダルトンが好ましく、5,000〜3,000,000ダルトンがより好ましく、10,000〜1,000,000ダルトンがさらに好ましい。上記上限及び下限のいずれを組合わせた範囲であってもよい。
本発明の医療デバイスは、医療デバイス基材の表面上の少なくとも一部に、前述の一般式[I]で表される化合物と前述の一般式[III]で表される化合物とを構成単位とする前述の共重合体を有してなるものである。
かかる医療デバイスを構成する基材としては、本発明の共重合体との間に強固な密着性を得るために、ケイ素原子を含むことが好ましい。具体的には、ケイ素原子を基材に1質量%以上含むことが好ましい。ケイ素原子の含有量(質量%)は、乾燥状態の基材質量を基準(100質量%)として算出される。基材のケイ素原子含有率は、2質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましく、7質量%以上がさらに好ましく、10質量%以上が最も好ましい。また、ケイ素原子の含有率が大きすぎる場合は引張弾性率が大きくなる場合があり好ましくないことがあるため、基材のケイ素原子含有率は、70質量%以下が好ましく、60質量%以下がより好ましく、50質量%以下が最も好ましい。特に医療デバイスがコンタクトレンズ用途である場合には硬すぎない様にするため、36質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましく、26質量%以下がさらに好ましい。なお、上限値と下限値はどれとどれを組み合わせても良い。また、上記ケイ素原子は、シロキサニル基として存在してもよい。上記シロキサニル基と、末端に(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、(メタ)アクリルアミド基等のラジカル重合可能な官能基とを有するモノマーを重合した化合物を好適に用いることができ、両末端にメタクリロイルオキシ基を有するポリジメチルシロキサン等のシロキサン化合物が例示される。かかるケイ素原子含有化合物に、N,N−ジメチルアクリルアミドなどの(メタ)アクリルアミド類、N−ビニルピロリドンなどのN−ビニルアミド類、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類およびそのアルキルエーテル類、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートメチルエーテルなどのポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート類およびそのメチルエーテル類等の親水性化合物、および必要に応じてポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートなどのジ(メタ)アクリレート類、N,N−メチレンビスアクリルアミド、多官能性(メタ)アクリレート等の架橋性化合物を混合し、共重合物を得て基材とすることもできる。また、医療デバイスを低含水性にする場合には、かかるケイ素原子含有化合物に、アクリル酸ブチルやアクリル酸エチルヘキシル等のアルキル(メタ)アクリレート類を用いることもできる。
医療デバイスとしては、眼用レンズ、内視鏡、カテーテル、輸液チューブ、気体輸送チューブ、ステント、シース、カフ、チューブコネクター、アクセスポート、排液バッグ、血液回路、創傷被覆材、インプラント及び各種薬剤担体が挙げられるが、好ましくは、眼用レンズである。眼用レンズとしては、ソフトコンタクトレンズ、ハードコンタクトレンズ、ハイブリッドコンタクトレンズなどのコンタクトレンズ、強膜レンズ、眼内レンズ、人工角膜、角膜インレイ、角膜オンレイ、メガネレンズなどが挙げられる。医療デバイスが眼用レンズである場合、好ましくはコンタクトレンズである。
本発明における共重合体は、共有結合、水素結合、静電相互作用、疎水性相互作用、鎖の絡み合い、ファン・デル・ワールス力の、少なくとも1つ以上の相互作用により、医療デバイス表面に結合および/または内部に浸潤している。これらの相互作用は、共重合体を医療デバイス表面近傍で安定化させ、医療デバイスの易滑性を向上させる。医療デバイスが眼用レンズ、特にコンタクトレンズの場合、快適な装用感に有利に働く。
本発明の医療デバイス用湿潤剤は、上記共重合体を含有するものであり、上記共重合体を溶液に溶解させたものなどとして用いることができる。
湿潤剤とは、固体の表面を濡れやすくする作用を増大させる界面活性剤のことであり、質量平均分子量は特に限定されないが、少なくとも1,000ダルトン以上の質量平均分子量を有するポリマーが好ましい。
本発明の共重合体を、特に外部湿潤剤に含有させて用いることが好ましい。外部湿潤剤とは、湿潤剤の1種で、例えば、重合後の医療デバイス表面に物理的に接触させることで、医療デバイス表面をコーティングするための湿潤剤を指す。
湿潤剤は、医療デバイスの保存に用いられるいずれの水性溶液であってもよい。例えば、塩水、他の緩衝液および脱イオン水が挙げられるが、これらに限定されない。好ましい水溶液は、塩を含有する食塩水溶液であり、塩としては、例えば、塩化ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、リン酸水素ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、または同酸の対応するカリウム塩が挙げられるが、これらに限定されない。これらの成分を混合すると一般には酸およびその共役塩基を含む緩衝液を形成するが、緩衝液は酸や塩基を加えても、pHには比較的小さな変化しか起こらないので、好適に用いることができる。緩衝液はさらに、2−(N−モルホリノ)エタンスルホン酸(MES)、水酸化ナトリウム、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−2,2’,2’’−ニトリロトリエタノール、N−トリス(ヒドロキシメチル)メチル−2−アミノエタンスルホン酸、クエン酸、クエン酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、酢酸、酢酸ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸など、およびそれらの組合せをさらに含んでいてもよい。好ましくは、ホウ酸緩衝生理食塩水溶液もしくはリン酸緩衝生理食塩水溶液が選択され得る。溶液はまた、粘度調整剤、抗菌剤、高分子電解質、安定剤、キレート剤、酸化防止剤、およびこれらの組合せなどの公知の追加成分を含んでいてもよい。
本発明の共重合体が含まれてなる医療デバイス用湿潤剤を、医療デバイス表面に物理的に接触させることで、医療デバイス表面をコーティングすることができる。例えば、容器の内に、湿潤剤と眼用レンズを封入し、加熱処理する工程を経ることにより、眼用レンズの表面をコーティングすることができる。
好適な加熱処理としては、約120℃の温度で約30分間行われる、従来の加熱殺菌サイクルが挙げられるが、これに限定されず、オートクレーブ内で実行してもよい。加熱殺菌が使用され得ない場合には、包装されたレンズは、個別に加熱処理してもよい。個別の加熱処理の好適な温度としては、少なくとも約40℃以上が挙げられ、好ましくは約50℃から湿潤剤の溶媒となる溶液の沸点の間が挙げられる。好適な加熱処理時間としては、少なくとも約10分が挙げられ、10分間から1時間が好ましい。温度が高いほど、より少ない処理時間で済むことが可能である。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。
<分析方法および評価方法>
(1)NMR測定
日本電子(株)製JNM−EX270核磁共鳴装置を用いて測定した。約5mgの測定対象化合物を、約0.6mLの重水素化溶媒に溶解した溶液を測定サンプルとして、1H−NMRを測定した。
(2)FT−IR
Nicolet社製FT−IR Avatar 360を用い、ATR法にて測定した。
(3)ポリマーの分子量測定
島津製作所製 Prominence GPCシステムを用いて測定した。装置構成は以下の通りである。ポンプ:LC−20AD、オートサンプラ:SIL−20AHT、カラムオーブン:CTO−20A、検出器:RID−10A、カラム:東ソー社製GMPWXL(内径7.8mm×30cm、粒子径13μm)。溶出溶媒として、水/メタノール=1/1(0.1N硝酸リチウム添加)、またはN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)を使用し、流速:0.5mL/分、測定時間:30分で測定した。サンプル濃度は0.2質量%とし、サンプル注入量を20μLとした。検量線はAgilent社製PEG/PEO標準サンプル(0.1kD〜1258kD)を用いて算出したデータから求めた。
(4)易滑性評価
実施例、比較例で得られたコンタクトレンズを蒸気滅菌した後、包装溶液から引き上げ、人指で5回擦った時の感応評価を下記5段階の評価により行って、易滑性(初期易滑性)とした。
5:非常に優れた易滑性がある。
4:5と3の中間程度の易滑性がある。
3:中程度の易滑性がある。
2:易滑性がほとんど無い(3と1の中間程度)。
1:易滑性が無い。
(5)コート液の透明性
実施例で得られた共重合体の10質量%メタノール溶液を、RO水で1質量%溶液に希釈して作製したコート液について、目視による透明性評価を下記5段階の評価により行って、コート液の透明性とした。
5:透明である。
4:5と3の中間程度の透明性がある。
3:中程度の透明性がある。
2:透明性がほとんど無い(3と1の中間程度)。
1:白濁して、透明性が無い。
<化合物の合成>
合成例1
2−((3−アクリルアミドプロピル)ジメチルアミノ)エチルメチルホスフェート(以下、AmAP−1)の合成:
Figure 2017197614
滴下ロート、塩化カルシウム乾燥管、窒素導入管、温度計を備えた500mL三ツ口フラスコに窒素気流下、無水メタノール(11.34g、354mmol)、無水テトラヒドロフラン(THF、250mL)、トリエチルアミン(TEA、39.24g、388mmol)を加え、撹拌しながら−25℃に冷却した。滴下ロートに2−クロロ−2−オキソ−1,3,2−ジオキサホスホラン(COP、50.00g、350mmol)と無水THF(10mL)の混合溶液を加え、反応溶液の温度を−20℃以下に保ちながら、約1.3時間かけて滴下した。滴下後、冷却下にて1時間攪拌したのち、室温にて3時間攪拌を続けた。窒素バッグ中にて、反応液を減圧ろ過してTEA塩酸塩を除去した。ろ液を一晩静置した後、析出したTEA塩酸塩を減圧ろ過して除去し、減圧濃縮して、無色液体56.44gを得た。この液体を減圧蒸留(b.p.:104〜106℃/1.0〜1.5Torr)して、2−メトキシ−2−オキソ−1,3,2−ジオキサホスホランを12.58g得た(収率26%)。
冷却管、塩化カルシウム乾燥管、窒素導入管、温度計を備えた100mL三ツ口フラスコに窒素気流下、上記2−メトキシ−2−オキソ−1,3,2−ジオキサホスホラン(12.28g、89.9mmol)、無水アセトニトリル(50mL)、N−(3−(ジメチルアミノ)プロピル)アクリルアミド(DMAPAm、42.96g、275mmol)を加え、55℃にて17時間加熱攪拌した。反応液を室温まで冷却した後、無水アセトン500mLに加えて数分間撹拌し、上澄み液と沈殿物(沈殿物1)をデカンテーションで分離した。上記上澄み液を減圧濃縮し、残渣(黄色油状物)を酢酸エチル約400mLに懸濁させた後、上澄み液と沈殿物(沈殿物2)をデカンテーションで分離した。上記沈殿物1および沈殿物2をメタノール33.97gに溶解し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル73g、溶出溶媒:アセトン/メタノール(体積比=1/0、10/1、5/1、4/1、2/1))にて精製して、AmAP−1を13.19g得た(収率70%)。
1H-NMR(CD3OD)δppm:1.98(m, 2H, -CONHCH2CH2CH2N(CH3)2-), 3.09(s, 9H, N(CH3)2及びPOCH3), 3.33(m, 4H, -CH2N(CH3)2CH2-), 4.12(4H, P(=O)-O-CH2-及び-CONHCH2-), 5.61(dd, 1H, CH2=CH), 6.20(m, 2H, CH2=CH-).
FT-IR v max/cm-1:3249 (NH), 1664 (C=O), 1626 (C=C), 1223 (P-O), 1049 (P-O-C).
合成例2
2−((3−アクリルアミドプロピル)ジメチルアミノ)エチルイソプロピルホスフェート(以下、AmAP−2)の合成:
Figure 2017197614
滴下ロート、塩化カルシウム乾燥管、窒素導入管、温度計を備えた200mL三ツ口フラスコに窒素気流下、イソプロピルアルコール(12.67g、211mmol)、無水THF(120mL)、TEA(18.12g、179mmol)を加え、撹拌しながら−45℃に冷却した。滴下ロートに2−クロロ−2−オキソ−1,3,2−ジオキサホスホラン(COP、25.18g、177mmol)と無水THF(20mL)の混合溶液を加え、反応溶液の温度を−35℃以下に保ちながら、約1時間かけて滴下した。滴下後、冷却下にて1時間攪拌したのち、室温にて2時間攪拌を続けた。窒素バッグ中にて、反応液を減圧ろ過してTEA塩酸塩を除去した。TEA塩酸塩を無水THF約50mLで3回洗浄した。ろ液をあわせて、冷蔵庫で一晩保存した。翌日、ろ液を冷たいまま減圧ろ過してTEA塩酸塩を除去した後、減圧濃縮し、真空ポンプの減圧下で2時間減圧乾燥させ、無色透明の液体として2−イソプロポキシ−2−オキソ−1,3,2−ジオキサホスホランを27.36g得た(収率94%)。
冷却管、塩化カルシウム乾燥管、窒素導入管、温度計を備えた200mL三ツ口フラスコに窒素気流下、上記2−イソプロポキシ−2−オキソ−1,3,2−ジオキサホスホラン(27.02g、163mmol)、無水アセトニトリル(90mL)、DMAPAm(28.30g、181mmol)を加え、70℃にて22.5時間加熱攪拌した。反応液を室温まで冷却した後、減圧濃縮した。残渣の黄色油状物を無水メタノール約30mLに溶解させた後、無水ジエチルエーテル400mLに加えて数分間撹拌し、上澄み液をデカンテーションで除去した。上記操作を3回繰り返し、残った黄色油状物に無水メタノールを加えて溶解した後、減圧濃縮し、真空ポンプの減圧下で乾燥させて、AmAP−2を黄色油状物として37.19g得た(収率70%)。
1H-NMR(CD3OD)δppm:1.26(s, 6H, -CH(CH3)2), 2.04(m, 2H, -CONHCH2CH2CH2-), 3.18(s, 6H, -N+(CH3)2-), 3.33(m, 2H, -CONHCH2-), 3.35(m, 4H, -CH2N+(CH3)2CH2-), 4.22(m, 2H, -CH2O-POCH<), 4.44(m, 1H, -CH2O-POCH<), 5.67(dd, 1H, CH2=CH-), 6.26(m, 2H, CH2=CH-).
FT-IR v max/cm-1:3238 (NH), 1665 (C=O), 1627 (C=C), 1237 (P-O), 1076 (P-O-C).
合成例3
2−((3−アクリルアミドプロピル)ジメチルアミノ)エチル(2−(2−メトキシエトキシ)エチル)ホスフェート(以下、AmAP−3)の合成:
Figure 2017197614
滴下ロート、塩化カルシウム乾燥管、窒素導入管、温度計を備えた300mL三ツ口フラスコに窒素気流下、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(21.06g、175mmol)、無水THF(120mL)、TEA(18.07g、179mmol)を加え、撹拌しながら−30℃に冷却した。滴下ロートに2−クロロ−2−オキソ−1,3,2−ジオキサホスホラン(COP、25.25g、177mmol)と無水THF(10mL)の混合溶液を加え、反応溶液の温度を−20℃〜−30℃に保ちながら、約1時間かけて滴下した。滴下後、冷却下にて1時間攪拌したのち、室温にて3時間攪拌を続けた。窒素バッグ中にて、反応液を減圧ろ過してTEA塩酸塩を除去した。TEA塩酸塩を無水THF約100mLで3回洗浄した。ろ液と洗浄液をあわせた溶液を、冷蔵庫で一晩保存した。翌日、冷却した溶液を減圧ろ過してTEA塩酸塩を除去した後、減圧濃縮し、真空ポンプの減圧下で3時間減圧乾燥させて、無色透明の液体として2−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)−2−オキソ−1,3,2−ジオキサホスホランを39.92g得た(収率100%)。
冷却管、塩化カルシウム乾燥管、窒素導入管、温度計を備えた200mL三ツ口フラスコに窒素気流下、上記2−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)−2−オキソ−1,3,2−ジオキサホスホラン(39.88g、176mmol)、無水アセトニトリル(90mL)、DMAPAm(30.30g、194mmol)を加え、70℃にて20時間加熱攪拌した。反応液を室温まで冷却した後、減圧濃縮した。残渣の黄色油状物を無水メタノール約30mLに溶解させた後、無水ジエチルエーテル400mLに加えて数分間撹拌し、上澄み液をデカンテーションで除去した。上記操作を3回繰り返し、残った黄色油状物に無水メタノールを加えて溶解した後、減圧濃縮し、真空ポンプの減圧下で乾燥させて、一般式[IV]を満たすAmAP−3を黄色油状物として45.14g得た(収率66%)。
1H-NMR(CD3OD)δppm:2.00(m, 2H, -CONHCH2CH2CH2-), 3.14(s, 6H, -N+(CH3)2-), 3.32(s, 3H, CH3O-), 3.27〜3.67(m, 10H, -CONHCH2-, -CH2N+ (CH3)2CH2-, -POCH2CH2O-CH2CH2OCH3), 3.95(m, 2H, -POCH2CH2-), 4.26(m, 4H, -CH2CH2OP(=O)(-O-) OCH2CH2-), 5.64(dd, 1H, CH2=CH-), 6.22(m, 2H, CH2=CH-).
FT-IR v max/cm-1:3268 (NH), 1665 (C=O), 1626 (C=C), 1239 (P-O), 1057 (P-O-C).
合成例4
2−((3−アクリルアミドプロピル)ジメチルアミノ)エチル2,5,8,11−テトラオキサトリデカン−13−イルホスフェート(以下、AmAP−4)の合成:
Figure 2017197614
滴下ロート、塩化カルシウム乾燥管、窒素導入管、温度計を備えた300mL三ツ口フラスコに窒素気流下、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル(36.51g、175mmol)、無水THF(150mL)、TEA(18.09g、179mmol)を加え、撹拌しながら−30℃に冷却した。滴下ロートに2−クロロ−2−オキソ−1,3,2−ジオキサホスホラン(COP、25.12g、176mmol)と無水THF(10mL)の混合溶液を加え、反応溶液の温度を−20℃〜−30℃に保ちながら、約1時間かけて滴下した。滴下後、冷却下にて1時間攪拌したのち、室温にて3時間攪拌を続けた。窒素バッグ中にて、反応液を減圧ろ過してTEA塩酸塩を除去した。TEA塩酸塩を無水THF約100mLで3回洗浄した。ろ液をあわせて、冷蔵庫で一晩保存した。翌日、ろ液を冷たいまま減圧ろ過してTEA塩酸塩を除去した後、減圧濃縮し、真空ポンプの減圧下で3時間減圧乾燥させて、無色透明の液体として2−(2,5,8,11−テトラオキサトリデカン−13−イルオキシ)−2−オキソ−1,3,2−ジオキサホスホランを56.68g得た(収率100%)。
冷却管、塩化カルシウム乾燥管、窒素導入管、温度計を備えた200mL三ツ口フラスコに窒素気流下、上記2−(2,5,8,11−テトラオキサトリデカン−13−イルオキシ)−2−オキソ−1,3,2−ジオキサホスホラン(56.61g、180mmol)、無水アセトニトリル(90mL)、DMAPAm(30.95g、198mmol)を加え、70℃にて18時間加熱攪拌した。反応液を室温まで冷却した後、減圧濃縮した。残渣の黄色油状物を無水メタノール約30mLに溶解させた後、無水ジエチルエーテル400mLに加えて数分間撹拌し、上澄み液をデカンテーションで除去した。上記操作を3回繰り返し、残った黄色油状物に無水メタノールを加えて溶解した後、減圧濃縮し、真空ポンプの減圧下で乾燥させて、一般式[IV]を満たすAmAP−4を黄色油状物として49.64g得た(収率58%)。
1H-NMR(CD3OD)δppm:1.97(m, 2H, -CONHCH2CH2CH2-), 3.11(s, 6H, -N+(CH3)2-), 3.32(s, 3H, CH3O-), 3.33〜3.70(m, 18H, -CONHCH2-, -CH2N+ (CH3)2CH2-, -POCH2CH2O(CH2CH2)3OCH3), 3.98(m, 2H,-POCH2CH2-), 4.22(m, 4H, -CH2CH2OP(=O)(-O-) OCH2CH2-), 5.67(dd, 1H, CH2=CH-), 6.24(m, 2H, CH2=CH-).
FT-IR v max/cm-1:3242 (NH), 1665 (C=O), 1628 (C=C), 1239 (P-O), 1049 (P-O-C).
合成例5
2−((3−アクリルアミドプロピル)ジメチルアミノ)エチル2,5,8,11,14,17,20−ヘプタオキサドコサン−22−イルホスフェート(以下、AmAP−5)の合成:
Figure 2017197614
滴下ロート、塩化カルシウム乾燥管、窒素導入管、温度計を備えた300mL三ツ口フラスコに窒素気流下、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル350(61.33g、175mmol)、無水THF(150mL)、TEA(18.08g、179mmol)を加え、撹拌しながら−30℃に冷却した。滴下ロートに2−クロロ−2−オキソ−1,3,2−ジオキサホスホラン(COP、25.12g、176mmol)と無水THF(20mL)の混合溶液を加え、反応溶液の温度を−20℃〜−30℃に保ちながら、約1時間かけて滴下した。滴下後、冷却下にて1時間攪拌したのち、室温にて3時間攪拌を続けた。窒素バッグ中にて、反応液を減圧ろ過してTEA塩酸塩を除去した。TEA塩酸塩を無水THF約100mLで3回洗浄した。ろ液をあわせて、冷蔵庫で一晩保存した。翌日、ろ液を冷たいまま減圧ろ過してTEA塩酸塩を除去した後、減圧濃縮し、真空ポンプの減圧下で3時間減圧乾燥させて、無色透明の液体として2−((ω−メトキシ)ポリエトキシ)−2−オキソ−1,3,2−ジオキサホスホランを80.44g得た(収率100%)。
冷却管、塩化カルシウム乾燥管、窒素導入管、温度計を備えた200mL三ツ口フラスコに窒素気流下、上記2−((ω−メトキシ)ポリエトキシ)−2−オキソ−1,3,2−ジオキサホスホラン(80.21g、176mmol)、無水アセトニトリル(100mL)、DMAPAm(30.24g、198mmol)を加え、70℃にて24.5時間加熱攪拌した。反応液を室温まで冷却した後、減圧濃縮した。残渣の黄色油状物を無水メタノール約30mLに溶解させた後、無水ジエチルエーテル400mLに加えて数分間撹拌し、上澄み液をデカンテーションで除去した。上記操作を3回繰り返し、残った黄色油状物に無水メタノールを加えて溶解した後、減圧濃縮し、真空ポンプの減圧下で乾燥させて、一般式[IV]を満たすAmAP−5を黄色油状物として55.70g得た(収率51%)。
1H-NMR(CD3OD)δppm:1.92(m, 2H, -CONHCH2CH2CH2-), 3.26(s, 6H, -N+(CH3)2-), 3.30(s, 3H, CH3O-), 3.40〜3.66(m, 30H, -CONHCH2-, -CH2N+ (CH3)2CH2-, -POCH2CH2-(O CH2CH2)6OCH3), 3.94(m, 2H, -POCH2CH2-), 4.19(m, 4H, -CH2CH2OP(=O)(-O-) OCH2CH2-), 5.61(dd, 1H, CH2=CH-), 6.20(m, 2H, CH2=CH-).
FT-IR v max/cm-1:3247 (NH), 1666 (C=O), 1626 (C=C), 1243 (P-O), 1035 (P-O-C)
合成例6
2−アクリルアミドエチル(2−(エチルジメチルアンモニオ)エチル)ホスフェート(以下、AmPA)の合成:
Figure 2017197614
滴下ロート、塩化カルシウム乾燥管、窒素導入管、温度計を備えた300mL三ツ口フラスコに窒素気流下、N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド(HEAA、20.33g、176mmol)、無水THF(150mL)、TEA(18.39g、182mmol)を加え、撹拌しながら−25℃に冷却した。滴下ロートに2−クロロ−2−オキソ−1,3,2−ジオキサホスホラン(COP、25.14g、176mmol)と無水THF(10mL)の混合溶液を加え、55分間かけて滴下した。滴下後、−2℃へ昇温しながら1時間攪拌したのち、室温にて一晩攪拌を続けた。反応溶液を−5℃まで冷却した後、窒素バッグ中にて、反応液を減圧ろ過してTEA塩酸塩を除去した。ろ液を室温にて1時間静置した後、析出した白色沈殿物を減圧ろ過して除去した。得られたろ液に、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT、0.154g、mmol)および4−メトキシフェノール(MEHQ、0.151g、mmol)を添加した後、減圧濃縮して溶媒を除去、真空ポンプの減圧下で3時間減圧乾燥させて、淡黄色油状物として中間体N−(2−((2−オキシド−1,3,2−ジオサフォスフォラン−2−イル)オキシ)エチル)アクリルアミドを42.32g得た。
塩化カルシウム乾燥管を装着した冷却管、窒素導入管、温度計を備えた300mL三ツ口フラスコに窒素気流下、上記中間体N−(2−((2−オキシド−1,3,2−ジオサフォスフォラン−2−イル)オキシ)エチル)アクリルアミド(39.01g、176mmol)、無水ジクロロメタン(100mL)、無水アセトニトリル(50mL)、ジメチルエチルアミン(38.71g、529mmol)を加え、44〜45℃にて18時間加熱攪拌した。反応液を室温まで冷却した後、窒素バッグ中にて、反応液を減圧ろ過してジメチルエチルアミン塩酸塩を除去した。ろ液を無水アセトン(350mL)に注ぎ込み、析出した淡黄色沈殿物をデカンテーションにより得た。得られた淡黄色油状物を無水メタノール(約150mL)に溶解させた後、無水アセトン(約200mL)に加え、上澄み液をデカンテーションで除去した。得られた黄色油状物に無水アセトン(200mL)を加え、冷蔵庫内にて一晩静置した後、沈殿物をメタノール(約50mL)に溶解し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:アセトン/メタノール(体積比=1/0、20/1、10/1、5/1、1/1、0/1))にて精製して、AmPAを1.36g得た(収率2.62%)。得られたAmPAは、27質量%メタノール溶液とした。
1H-NMR(CD3OD)δppm 1.36(3H, NCH2CH3), 3.10(6H, EtN(CH3)2-), 3.47(2H, NCH2CH3), 3.50(2H, P-OCH2CH2NMe2Et), 3.92(2H, CONH-CH2CH2O-), 4.03, 4.21(各2H, -CH2CH2-O-P-O-CH2CH2-), 5.64(1H), 6.20(2H)(CH2=CH-)

<共重合モノマーの合成>
合成例7
N−ブチルアクリルアミド(以下、BAAm)の合成:
Figure 2017197614
滴下ロート、塩化カルシウム乾燥管、窒素導入管、温度計を備えた500mL四ツ口フラスコに窒素気流下、n−ブチルアミン(36.57g、500mmol)、無水ジクロロメタン(CHCl、280mL)、TEA(55.66g、550mmol)を加え、撹拌しながら−5℃に冷却した。滴下ロートにアクリル酸クロリド(47.61g、526mmol)と無水ジクロロメタン(50mL)の混合溶液を加え、約1時間かけて滴下した。滴下後、無水ジクロロメタン(70mL)を添加し、室温にて16時間攪拌した。反応液を減圧ろ過してTEA塩酸塩を除去した。ろ液を減圧濃縮した後、残渣に酢酸エチル(350mL)を加え、析出したTEA塩酸塩を減圧ろ過にて除去した。ろ液を減圧濃縮して得られた黄色液体(69.52g)を、減圧蒸留にて精製(b.p.:99〜102℃/1.5Toor)して、BAAm50.04gを無色液体として得た(収率78%)。
精製したBAAmに重合禁止剤BHTを500ppm添加して、冷蔵保管した。
1H-NMR(CDCl3)δppm:0.91(t, 3H, -CONHCH2CH2CH2CH3), 1.34(sixt, 2H, -CONHCH2CH2CH2CH3), 1.49(quint, 2H, -CONHCH2CH2CH2CH3), 3.31(q, 2H, -CONHCH2CH2CH2CH3), 5.85(br.s, 1H, -CONHCH2-), 5.59(dd, 1H, CH2=CH-), 6.12(dd, 1H, CH2=CH-), 6.28(d, 1H, CH2=CH-).

<共重合体の合成>
実施例1
ポリ(AmAP−1/BMA)(20/80)の合成:
合成例1記載のAmAP−1を、メタクリル酸ブチル(BMA)と共重合した(重合モル比20/80)。
冷却管、塩化カルシウム乾燥管、窒素導入管、温度計を備えた100mL三ツ口フラスコに窒素気流下、AmAP−1(48質量%メタノール溶液6.08g、10.0mmol)、BMA(5.70g、40mmol)、無水メタノール(10mL)、無水THF(15mL)、2,2‘−アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN、81.8mg、0.499mmol)を加え、オイルバス中、62℃にて13.5時間加熱撹拌した。AIBN(24.1mg、0.145mmol)を追加し、62℃にてさらに8.5時間加熱撹拌した後、室温まで冷却した。反応溶液をヘキサン300mLに加え、ポリマーを析出させた後、上澄み液をデカンテーションで除去した。沈殿物にメタノール/THF混合溶媒(体積比1/1)20mLを加えて溶解させ、ヘキサン300mLに加えてポリマーを析出させ後、上澄み液をデカンテーションで除去した(この操作を3回繰り返し行った)。得られた沈殿物をメタノール/THF混合溶媒に溶解させた後、減圧濃縮により溶媒を除去し、真空ポンプの減圧下にて真空乾燥させて、共重合体であるポリ(AmAP−1/BMA)(20/80)を6.83g得た(収率79%)。
実施例2
ポリ(AmAP−2/BMA)(30/70)の合成:
合成例2記載のAmAP−2を、BMAと共重合した(重合モル比30/70)。
実施例1と同じ三ツ口フラスコに窒素気流下、AmAP−2(50質量%メタノール溶液4.84g、15.0mmol)、BMA(4.98g、35mmol)、無水メタノール(8mL)、無水THF(15mL)、AIBN(81.9mg、0.499mmol)を加え、オイルバス中、62℃にて14時間加熱撹拌した。AIBN(24.5mg、0.149mmol)を追加し、62℃にてさらに8.5時間加熱撹拌した後、室温まで冷却した。その他は実施例1と同じ操作を行って、共重合体であるポリ(AmAP−2/BMA)(30/70)を5.42g得た(収率55%)。
実施例3
ポリ(AmAP−3/BMA)(10/90)の合成:
合成例3記載のAmAP−3を、BMAと共重合した(重合モル比10/90)。
実施例1と同じ三ツ口フラスコに窒素気流下、AmAP−3(54質量%メタノール溶液3.55g、5.0mmol)、BMA(6.39g、45mmol)、無水メタノール(13mL)、無水THF(15mL)、AIBN(84.0mg、0.512mmol)を加え、オイルバス中、62℃にて11時間加熱撹拌した。AIBN(24.3mg、0.145mmol)を追加し、62℃にてさらに11.5時間加熱撹拌した後、室温まで冷却した。その他は実施例1と同じ操作を行って、共重合体であるポリ(AmAP−3/BMA)(10/90)を4.52g得た(収率54%)。
実施例4
ポリ(AmAP−4/BMA)(10/90)の合成:
合成例4記載のAmAP−4を、BMAと共重合した(重合モル比10/90)。
実施例1と同じ三ツ口フラスコに窒素気流下、AmAP−4(60質量%メタノール溶液3.93g、5.0mmol)、BMA(6.39g、45mmol)、無水メタノール(13mL)、無水THF(15mL)、AIBN(82.9mg、0.505mmol)を加え、オイルバス中、62℃にて16時間加熱撹拌した。AIBN(25.9mg、0.158mmol)を追加し、62℃にてさらに7時間加熱撹拌した後、室温まで冷却した。その他は実施例1と同じ操作を行って、共重合体であるポリ(AmAP−4/BMA)(10/90)を5.08g得た(収率58%)。
実施例5
ポリ(AmAP−5/BMA)(10/90)の合成:
合成例5記載のAmAP−5を、BMAと共重合した(重合モル比10/90)。
実施例1と同じ三ツ口フラスコに窒素気流下、AmAP−5(60質量%メタノール溶液5.10g、5.0mmol)、BMA(6.39g、45mmol)、無水メタノール(12mL)、無水THF(15mL)、AIBN(81.9mg、0.499mmol)を加え、オイルバス中、62℃にて13.5時間加熱撹拌した。AIBN(24.1mg、0.147mmol)を追加し、62℃にてさらに8.5時間加熱撹拌した後、室温まで冷却した。その他は実施例1と同じ操作を行って、共重合体であるポリ(AmAP−5/BMA)(10/90)を3.86g得た(収率41%)。
実施例6
ポリ(AmAP−2/BAAm)(10/90)の合成:
合成例2記載のAmAP−2を、合成例7記載のBAAmと共重合した(重合モル比10/90)。
実施例1と同じ三ツ口フラスコに窒素気流下、AmAP−2(50質量%メタノール溶液1.47g、2.28mmol)、BAAm(2.36g、18.5mmol)、無水メタノール(5.44g)、無水THF(6.01g)、AIBN(33.9mg、0.206mmol)を加え、オイルバス中、62℃にて16時間加熱撹拌した。AIBN(10.2mg、0.062mmol)を追加し、62℃にてさらに7.5時間加熱撹拌した後、室温まで冷却した。反応溶液をヘキサン400mLに加え、ポリマーを析出させた後、上澄み液をデカンテーションで除去した。得られた沈殿物をメタノール100mLに溶解させた後、減圧濃縮により溶媒を除去し、真空ポンプの減圧下にて真空乾燥させて、共重合体であるポリ(AmAP−2/BAAm)(10/90)を2.89g得た(収率93%)。
実施例7
ポリ(AmAP−2/BAAm)(30/70)の合成:
合成例2記載のAmAP−2を、合成例7記載のBAAmと共重合した(重合モル比30/70)。
実施例1と同じ三ツ口フラスコに窒素気流下、AmAP−2(50質量%メタノール溶液4.07g、12.6mmol)、BAAm(1.84g、14.5mmol)、無水メタノール(19.75g)、AIBN(34.3mg、0.209mmol)を加え、オイルバス中、62℃にて12.5時間加熱撹拌した。AIBN(10.5mg、0.064mmol)を追加し、62℃にてさらに8時間加熱撹拌した後、室温まで冷却した。反応溶液をヘキサン400mLに加え、ポリマーを析出させた後、上澄み液をデカンテーションで除去した。沈殿物にアセトン400mLを加えてポリマーを懸濁させた後、上澄み液をデカンテーションで除去した。得られた沈殿物をメタノール150mLに溶解させた後、減圧濃縮により溶媒を除去し、真空ポンプの減圧下にて真空乾燥させて、共重合体であるポリ(AmAP−2/BAAm)(30/70)を2.71g得た(収率70%)。
実施例8
ポリ(AmAP−2/BAAm)(50/50)の合成:
合成例2記載のAmAP−2を、合成例7記載のBAAmと共重合した(重合モル比50/50)。
実施例1と同じ三ツ口フラスコに窒素気流下、AmAP−2(50質量%メタノール溶液6.64g、10.3mmol)、BAAm(1.31g、10.3mmol)、無水メタノール(26.25g)、AIBN(33.8mg、0.206mmol)を加え、オイルバス中、62℃にて14.5時間加熱撹拌した。AIBN(10.7mg、0.206mmol)を追加し、62℃にてさらに7.5時間加熱撹拌した後、室温まで冷却した。反応溶液をヘキサン450mLに加え、ポリマーを析出させた後、上澄み液をデカンテーションで除去した。沈殿物にアセトン500mLを加えて懸濁させた後、上澄み液をデカンテーションで除去した。得られた沈殿物をメタノール100mLに溶解させた後、減圧濃縮により溶媒を除去し、真空ポンプの減圧下にて真空乾燥させて、共重合体であるポリ(AmAP−2/BAAm)(10/90)を2.76g得た(収率59%)。
実施例9
ポリ(AmAP−3/BAAm)(10/90)の合成:
合成例3記載のAmAP−3を、合成例7記載のBAAmと共重合した(重合モル比10/90)。
実施例1と同じ三ツ口フラスコに窒素気流下、AmAP−3(54質量%メタノール溶液1.79g、2.50mmol)、BAAm(2.88g、35mmol)、無水メタノール(9.58g)、無水THF(5.00g)、AIBN(41.2mg、0.251mmol)を加え、オイルバス中、62℃にて14.5時間加熱撹拌した。AIBN(12.7mg、0.077mmol)を追加し、62℃にてさらに7.5時間加熱撹拌した後、室温まで冷却した。反応溶液をヘキサン400mLに加え、ポリマーを析出させた後、上澄み液をデカンテーションで除去した。沈殿物にメタノール100mLを加えて溶解させた後、減圧濃縮により溶媒を除去し、真空ポンプの減圧下にて真空乾燥させて、共重合体であるポリ(AmAP−3/BAAm)(10/90)を3.64g得た(収率94%)。
実施例10
ポリ(AmAP−3/BAAm)(30/70)の合成:
合成例3記載のAmAP−3を、合成例7記載のBAAmと共重合した(重合モル比30/70)。
実施例1と同じ三ツ口フラスコに窒素気流下、AmAP−3(54質量%メタノール溶液5.31g、7.50mmol)、BAAm(2.24g、17.6mmol)、無水メタノール(10.49g)、無水THF(7.50g)、AIBN(40.9mg、0.249mmol)を加え、オイルバス中、62℃にて14.5時間加熱撹拌した。AIBN(12.3mg、0.075mmol)を追加し、62℃にてさらに7.5時間加熱撹拌した後、室温まで冷却した。反応溶液をヘキサン400mLに加え、ポリマーを析出させた後、上澄み液をデカンテーションで除去した。沈殿物にアセトン100mLを加えて溶解させ、上澄み液をデカンテーションで除去した。得られた沈殿物をメタノール100mLに溶解させた後、減圧濃縮により溶媒を除去し、真空ポンプの減圧下にて真空乾燥させて、共重合体であるポリ(AmAP−3/BAAm)(30/70)を3.41g得た(収率66%)。
実施例11
ポリ(AmAP−4/BAAm)(10/90)の合成:
合成例4記載のAmAP−4を、合成例7記載のBAAmと共重合した(重合モル比10/90)。
実施例1と同じ三ツ口フラスコに窒素気流下、AmAP−4(60質量%メタノール溶液1.57g、2.00mmol)、BAAm(2.29g、18.0mmol)、無水メタノール(5.99g)、無水THF(6.00g)、AIBN(32.8mg、0.200mmol)を加え、オイルバス中、62℃にて15.5時間加熱撹拌した。AIBN(9.5mg、0.058mmol)を追加し、62℃にてさらに7.5時間加熱撹拌した後、室温まで冷却した。反応溶液をヘキサン400mLに加え、ポリマーを析出させた後、上澄み液をデカンテーションで除去した。得られた沈殿物を真空ポンプの減圧下にて真空乾燥させて、共重合体であるポリ(AmAP−4/BAAm)(10/90)を3.41g得た(収率100%)。

実施例12
ポリ(AmAP−4/BAAm)(30/70)の合成:
合成例4記載のAmAP−4を、合成例7記載のBAAmと共重合した(重合モル比30/70)。
実施例1と同じ三ツ口フラスコに窒素気流下、AmAP−4(60質量%メタノール溶液4.71g、6.00mmol)、BAAm(1.78g、13.9mmol)、無水メタノール(10.02g)、無水THF(6.54g)、AIBN(32.8mg、0.200mmol)を加え、オイルバス中、62℃にて16時間加熱撹拌した。AIBN(9.5mg、0.058mmol)を追加し、62℃にてさらに7.5時間加熱撹拌した後、室温まで冷却した。反応溶液をヘキサン400mLに加え、ポリマーを析出させた後、上澄み液をデカンテーションで除去した。得られた沈殿物を真空ポンプの減圧下にて真空乾燥させて、共重合体であるポリ(AmAP−4/BAAm)(30/70)を4.49g得た(収率97%)。
実施例13
ポリ(AmAP−5/BAAm)(10/90)の合成:
合成例5記載のAmAP−5を、合成例7記載のBAAmと共重合した(重合モル比10/90)。
実施例1と同じ三ツ口フラスコに窒素気流下、AmAP−5(60質量%メタノール溶液2.10g、2.06mmol)、BAAm(2.30g、18.1mmol)、無水メタノール(7.25g)、無水THF(6.00g)、AIBN(24.5mg、0.200mmol)を加え、オイルバス中、62℃にて15.5時間加熱撹拌した。AIBN(10.1mg、0.062mmol)を追加し、62℃にてさらに7.5時間加熱撹拌した後、室温まで冷却した。反応溶液をヘキサン400mLに加え、ポリマーを析出させた後、上澄み液をデカンテーションで除去した。得られた沈殿物を真空ポンプの減圧下にて真空乾燥させて、共重合体であるポリ(AmAP−5/BAAm)(10/90)を3.33g得た(収率93%)。
実施例14
ポリ(AmAP−5/BAAm)(30/70)の合成:
合成例5記載のAmAP−5を、合成例7記載のBAAmと共重合した(重合モル比30/70)。
実施例1と同じ三ツ口フラスコに窒素気流下、AmAP−5(60質量%メタノール溶液6.13g、10.0mmol)、BAAm(1.79g、14.1mmol)、無水メタノール(10.23g)、無水THF(9.14g)、AIBN(33.0mg、0.201mmol)を加え、オイルバス中、62℃にて16.5時間加熱撹拌した。AIBN(9.4mg、0.057mmol)を追加し、62℃にてさらに7.5時間加熱撹拌した後、室温まで冷却した。反応溶液をヘキサン400mLに加え、ポリマーを析出させた後、上澄み液をデカンテーションで除去した。得られた沈殿物を真空ポンプの減圧下にて真空乾燥させて、共重合体であるポリ(AmAP−5/BAAm)(30/70)を5.21g得た(収率95%)。
比較例1
ポリ(AmPA/BMA)(10/90)の合成:
合成例6記載のAmPAをBMAと共重合した(重合モル比10/90)。
実施例1と同じ三ツ口フラスコに窒素気流下、AmPA(27質量%メタノール溶液5.00g、4.6mmol)、BMA(5.90g、35mmol)、無水メタノール(10mL)、無水THF(13.8mL)、AIBN(74.2mg、0.452mmol)を加え、オイルバス中、62℃にて15.5時間加熱撹拌した。AIBN(23.8mg、0.145mmol)を追加し、62℃にてさらに8.5時間加熱撹拌した後、室温まで冷却した。その他は実施例1と同じ操作を行って、共重合体であるポリ(AmPA/BMA)(10/90)を5.23g得た(収率72%)。

実施例1〜14および比較例1で合成した共重合体の質量平均分子量(Mw)および重合前、重合後のモル分率を表1に示す。なお、これらの共重合体は、得られた後、10質量%の濃度にてメタノールに溶解させた。
Figure 2017197614
<コンタクトレンズ基材の作製>
製造例1
式(M1)で表される両末端にメタクリロイル基を有するポリジメチルシロキサン(FM7726、JNC株式会社、Mw 30,000)(28質量部)、式(M2)で表されるシリコーンモノマー(7質量部)、トリフルオロエチルアクリレート(ビスコート(登録商標)3F、大阪有機化学工業株式会社)(57.9質量部)、2−エチルへキシルアクリレート(東京化成工業株式会社)(7質量部)およびジメチルアミノエチルアクリレート(株式会社興人)(0.1質量部)と、これらの混合物の総質量に対し、光開始剤イルガキュア(登録商標)819(長瀬産業株式会社)(5000ppm)、紫外線吸収剤(RUVA-93、大塚化学)(5000ppm)、着色剤(RB246、Arran chemical)(100ppm)とを準備して、さらにt−アミルアルコール(10質量部)を準備して、これら全てを混合し、撹拌した。撹拌された混合物をメンブレンフィルター(孔径:0.45μm)でろ過して不溶分を除いてモノマー混合物を得た。
透明樹脂(ベースカーブ側の材質:ポリプロピレン、フロントカーブ側の材質:ポリプロピレン)製のコンタクトレンズ用モールドに上記モノマー混合物を注入し、光照射(波長405nm(±5nm)、照度:0〜0.7mW/cm2、30分間)して重合した。
重合後に、フロントカーブとベースカーブを離型したモールドごと、60℃の100質量%イソプロピルアルコール水溶液中に1.5時間浸漬して、モールドからコンタクトレンズ形状の成型体を剥離した。それによって得られた成型体を、60℃に保った大過剰量の100質量%イソプロピルアルコール水溶液に2時間浸漬して残存モノマーなどの不純物を抽出した。その後、室温(23℃)中で12時間乾燥させてコンタクトレンズ基材とした。
Figure 2017197614
<易滑性の評価>
実施例15
実施例1で得られた共重合体の10質量%メタノール溶液を、RO水で1質量%溶液に希釈して、コート液とした。製造例1で作製したコンタクトレンズ基材を、前記コート液2.5mLに浸漬し、室温にて80rpmで1.5時間震とうさせた後、コート液から取り出し、上記評価方法にて易滑性を評価した。
実施例16〜27
実施例1で得られた共重合体を、表2の通りに実施例2〜14で得られた共重合体にそれぞれ変える以外は、実施例15と同様にして、易滑性を評価した。
比較例2
実施例1で得られた共重合体を、表2の通りに比較例1で得られた共重合体に変える以外は、実施例15と同様にして、易滑性を評価した。
比較例3
実施例1で得られた共重合体を、表2の通りになしとする以外は実施例15と同様にして、易滑性を評価した。
実施例15〜27および比較例2〜3の易滑性評価を表2に示す。
Figure 2017197614
本発明に係る共重合体は、眼用レンズ、内視鏡、カテーテル、輸液チューブなどの医療デバイスの易滑性向上に用いることができる。

Claims (17)

  1. 構成単位として、一般式[I]で表される化合物と一般式[III]で表される化合物とを含む、共重合体。
    Figure 2017197614
    [式[I]中、R、RおよびRは、それぞれ独立に水素原子またはアルキル基を表す。Rは、アルキル基または一般式[II]で表される置換基を表す。mおよびnは、それぞれ独立して0〜6の整数を表す。Zは、ビニル基またはアリル基を含むラジカル重合可能な重合性基を表す。]
    Figure 2017197614
    [式[II]中、(A)p−Rは(CO)p−R、(CO)p−Rまたは(CO)p−Rを表す。pは1〜10の整数を表す。Rはアルキル基を表す。]
    Figure 2017197614
    [式[III]中、Rは、水素原子またはメチル基を表す。Rはアルキル基を表す。Xは、酸素原子またはNRを表し、Rは水素原子またはアルキル基を表す。]
  2. Zが(メタ)アクリロイル基である、請求項1記載の共重合体。
  3. mが0または1である、請求項1または2に記載の共重合体。
  4. nが1である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の共重合体。
  5. 前記請求項1〜4のいずれか一項に記載の共重合体を、医療デバイス基材の表面上の少なくとも一部に有してなる、医療デバイス。
  6. 前記医療デバイスが眼用レンズである、請求項5記載の医療デバイス。
  7. 前記眼用レンズがコンタクトレンズである、請求項6記載の医療デバイス。
  8. 前記請求項1〜4のいずれか一項に記載の共重合体を含有する、医療デバイス用湿潤剤。
  9. 前記医療デバイスが眼用レンズである、請求項8記載の医療デバイス用湿潤剤。
  10. 前記眼用レンズがコンタクトレンズである、請求項9記載の医療デバイス用湿潤剤。
  11. 前記医療デバイス用湿潤剤が、コンタクトレンズ用外部湿潤剤である、請求項10記載の医療デバイス用湿潤剤。
  12. 医療デバイス基材と請求項8〜11のいずれか一項に記載の医療デバイス用湿潤剤とを容器中に入れ、加熱処理する工程を経て得られる、医療デバイスの製造方法。
  13. 一般式[I]で表される化合物と一般式[III]で表される化合物とを共重合して得られる、共重合体の製造方法。
    Figure 2017197614
    [式[I]中、R、RおよびRは、それぞれ独立に水素原子またはアルキル基を表す。Rは、アルキル基または一般式[II]で表される置換基を表す。mおよびnは、それぞれ独立して0〜6の整数を表す。Zは、ビニル基またはアリル基を含むラジカル重合可能な重合性基を表す。]
    Figure 2017197614
    [式[II]中、(A)p−Rは(CO)p−R、(CO)p−Rまたは(CO)p−Rを表す。pは1〜10の整数を表す。Rはアルキル基を表す。]
    Figure 2017197614
    [式[III]中、Rは、水素原子またはメチル基を表す。Rはアルキル基を表す。Xは、酸素原子またはNRを表し、Rは水素原子またはアルキル基を表す。]
  14. 一般式[IV]で表される化合物。
    Figure 2017197614
    [式[IV]中、R、RおよびRは、それぞれ独立に水素原子またはアルキル基を表す。Rはアルキル基を表す。(A)p−Rは(CO)p−R、(CO)p−Rまたは(CO)p−Rを表す。mおよびnは、それぞれ独立して0〜6の整数を表す。pは1〜10の整数を表す。Zは、ラジカル重合可能なビニル基またはアリル基を含む重合性基を表す。]
  15. Zが(メタ)アクリロイル基である、請求項14記載の化合物。
  16. mが0または1である、請求項14または15に記載の化合物。
  17. nが1である、請求項14〜16のいずれか一項に記載の化合物。
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