JP2017197399A - 炭素循環利用システム - Google Patents

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Abstract

【課題】 ローエミッションの要求に応えながら水素需要を増大させるための炭素循環利用システムを提供する。【解決手段】 炭化水素の分解によって少なくとも炭素と水素とを生成する第1ユニット4と、炭素を酸化して炭素酸化物を生成する第2ユニット6と、炭素酸化物を水素と反応させて炭化水素を生成する第3ユニット8とを備えた炭素循環利用システム1である。固体炭素、一酸化炭素、二酸化炭素、炭化水素等の様々な形態の炭素を循環系内で循環させるとともに、各ユニットのいずれかを経由して適宜系外から取り込むことで系外への炭素排出を抑制する。【選択図】 図1

Description

本発明は、炭素循環利用システムに関するものである。
近年、低炭素排出(ローエミッション)が要求される時代趨勢のなかで、電気化学的反応による非常に高いエネルギー効率を利用した水素燃料電池車(FCV)が開発され、その普及のための水素供給インフラ(水素ステーション)の設置が急がれている。
水素ステーションとしては、改質原料を所定の場所に供給し適宜貯蔵しておいて水素をその場で生成・供給するオンサイト改質型と、水素を貯蔵し供給する場所としてのみ機能するオフサイト型とが存在するが、現在FCVをターゲットとしてオフサイト型およびオンサイト型のインフラ構築が既に始まっている。
しかしながら、水素の需要は、現時点では専ら水素ステーションにおけるFCVの燃料源としての利用に限定されている。この理由としては、水素が天然ガスなどの他の燃料と比べて爆発危険性が高く安全対策コストが高くなること、既存の燃焼装置や発電装置の多くは水素100%の燃料に対応できないため、多くの追加設備投資が必要になること等が挙げられる。こういった高純度水素の扱い難さも水素供給インフラの普及を妨げているという見方ができる。
ところで近年日本では、再生可能エネルギーの利用促進がエネルギー基本政策に盛り込まれ、特に太陽光発電は急速に拡大している。これに伴い、今後10年〜20年以内には、再生可能エネルギーによる余剰電力の活用の問題が顕在化するものと考えられる。
余剰電力の活用の問題に対して、ドイツやオランダでは、再生可能エネルギーにより発電した余剰電力から水素を製造し、天然ガスと混合して燃焼利用する方法が検討されており、ドイツのPower to Gasでは、再生エネルギーで製造した水素を2%の濃度で天然ガスに混合して供給・利用する実証が2015年に開始された(非特許文献1)。この方法は、水素を添加した分だけ天然ガスの使用に伴い発生するCOの低減が期待されるが、水素混合濃度が高くなると、天然ガスのパイプラインに接続されているガス利用機器が正常に作動しなくなる。このため、水素の添加濃度には限界があり、CO排出の抑制効果は不十分である。
ローエミッションの要求に対する1つの答えとして、メタネーション反応器とメタン熱分解反応器とを組み合わせた二酸化炭素固定システムが提案されている(特許文献1)。このシステムは、モノの生産、工場稼働といった企業の事業活動に資するものではなく、専らCO排出抑制のための追加的なコストとして位置づけられるものであるため、政策的な優遇やCSRのための潤沢な予算がない限り、企業が導入する際のインセンティブが相対的に弱く、水素の供給源にはなっても需要を増大させるものではない。また、生成する固体炭素は蓄積しつづけ循環利用されることはない。
特開2015−196619号公報
吉川、中部社研調査研究レポート「ドイツ・オランダにおける新しい水素供給への取り組みについて」、調査季報「中部圏研究」、Vol.194、2016年3月
以上のように、将来的には再生可能エネルギー由来の余剰電力によって水素の供給側が充分見込めるのに対して、ローエミッションの要求に応えながら水素需要側の増大が期待できるシステムが今日まで存在せず、望まれていた。
本発明の目的は、上記現状に鑑み、ローエミッションの要求に応えながら水素需要を増大させるための炭素循環利用システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するためになされた本発明の1つの側面は、炭化水素直接分解技術(Solid−CCS、Solid−CCR)をコア技術とし、これにメタネーション技術と炭素酸化技術とを組み合わせた炭素循環利用システムであって、炭化水素の分解によって少なくとも炭素と水素とを生成する第1ユニットと、炭素を酸化して炭素酸化物[COx]を生成する第2ユニットと、COxを水素と反応させて炭化水素を生成する第3ユニットとを備えた炭素循環利用システムである。本システムによれば、固体炭素、一酸化炭素、二酸化炭素、炭化水素等の様々な形態の炭素を循環系内で循環させるとともに、各ユニットのいずれかを経由して適宜系外から取り込むことで系外への炭素排出を抑制し、加熱や発電のための燃焼利用に適した水素リッチな炭化水素混合気を取り出すことができる。なお、本明細書において「炭素」または「生成炭素」とは、特に断らない限り固体炭素を意味し、「水素」とは、特に断らない限り水素ガスHを意味する。
上記システムにおいては、循環系外および/または第3ユニットと第1ユニットとが、既存のパイプラインもしくは動力運搬手段を介して直接または間接的に結合されているものであってもよい。本構成により、例えば炭素循環系外の揮発性炭化水素(メタンハイドレート、LNG等)を系内に導入して遠隔での水素生成のために輸送したり、系内のメタネーション反応等により生成した合成炭化水素を遠隔での水素生成のために輸送したりする際にローコストで利便性が高いシステムとなる。また、水素の専用パイプラインの敷設などのインフラ設置コストが低減でき、タンクローリー等による水素源の運搬が必要な従来の有機ハイドライドシステムに対してもローエミッションの観点で著しい優位性をもたらす。なお、本明細書において「結合されている」とは、物質および/または熱および/または情報のやりとりが可能なように構成されていることをいう。また本明細書において「循環系外」という場合、第1ユニット、第2ユニットおよび第3ユニットとこれらを結びつける要素以外の装置、装置部品、設備要素、輸送手段または物質の全てを含む。さらに本明細書において「直接または間接的に」とは、結合されている要素間に装置、設備、輸送手段等の中継要素が介在していない場合と介在している場合とを意味する。
上記システムにおいては、循環系外および/または第1ユニットと需要者とが、既存のパイプラインを介して直接または間接的に結合されていてもよい。本構成により、例えば循環系外および/または第1ユニットで生成した水素を炭化水素との混合気の形態で一定量パイプライン上に貯蔵可能となり、かつ需要者に安価な運搬コストで運搬することができる。
上記システムにおいては、循環系外と第1ユニットとが、動力運搬手段を介して直接または間接的に結合されていてもよい。本構成により、例えばパイプラインを利用した輸送に適さない炭素循環系外の炭化水素(プロパンガス、石油等の化石燃料由来の炭化水素等)をタンクローリー等の動力運搬手段により系内に導入することができる。
上記システムはさらに、第1ユニットで生成した水素を未反応の炭化水素から分離する精製器を備えたものであってもよい。純度99.99%以上の水素の生成が可能になることで、FCV向け水素ステーションの水素需要にも応えることができる。
上記システムはさらに、第1ユニットと需要者の燃焼器とが、直接または間接的に結合されていてもよい。需要者が自動車工場等である場合は、燃焼器による燃焼加熱だけではなく、燃焼器をガスタービン、コージェネエンジンまたはコンバインドサイクルと組み合わせて発電に、需要者が電力会社である場合は、燃焼器をガスタービンまたは蒸気タービンと組み合わせて火力発電に利用することで水素需要を増やせる。
上記システムにおいては、第1ユニットが、活性炭、カーボンブラック、ナノカーボン、Ni粉末触媒、Pt粉末触媒、Ru粉末触媒および炭素繊維からなる群より選択される少なくとも1つを触媒として備えたものであることが好ましい。
上記システムにおいては、第1ユニットが、活性炭と流動促進手段とを備えた流動床反応ユニットであることが好ましい。活性炭の表面積が大きく、触媒活性が高いという利点に加えて、流動する際に活性炭粒子が流動促進手段の作用によって触媒表面をできるだけ長時間露出させる。したがって生成炭素の付着等により触媒活性が損なわれないように維持することができる。
上記システムにおいては、第2ユニットと第3ユニットとが熱を融通できる程度に近接配置または統合されていることが好ましい。第2ユニットにおいて酸化反応に伴い発生する燃焼熱を第3ユニットにおいて利用することができるからである。
本発明の別の側面は、炭素系触媒を用いて炭化水素から固体炭素を生成する工程と炭素系触媒と炭素との混合物を酸素雰囲気下で加熱することによって炭素系触媒を分離する工程とを備えた炭素系触媒の再生方法である。この方法は炭化水素直接分解技術との親和性が高く、炭素系触媒の需要を拡大することができる。
本発明によれば、化石燃料である炭化水素から水素を取り出して加熱や発電のための燃焼利用に使用する一方、残った固体炭素を回収して、それを酸化し、再生エネルギーなどで製造した水素と反応させ、再度炭化水素を作り出すサイクルの構築によって、可能な限り化石燃料の消費と系外への炭素の排出を抑えつつ、企業の事業活動における水素の利用を促し、水素需要の増大が実現できる。また、本発明に係る炭素循環利用システムは炭素直接分解法を採用していることから、水素1モルあたりの標準生成エンタルピーの観点でも以下のような優位性がある。
第1の実施態様に係る炭素循環利用システムの構成図。 炭化水素改質装置および精製器の一態様の全体構成を示す模式図。 炭素酸化装置とその周辺部材の構成を示す模式図。 メタン製造装置とその周辺部材の構成を示す模式図。 第2の実施態様に係る炭素循環利用システムの構成図。 炭化水素改質装置および精製器の別態様の全体構成を示す模式図。 第3の実施態様に係る炭素循環利用システムの構成図。 メタン改質実証実験の装置構成を示す模式図。 メタン改質実証実験の電気炉周辺の写真。 メタン改質実証実験で使用したアルミナ繊維の筒の写真。 メタン改質実証実験で使用した活性炭の写真。 メタンの水素への転化率と接触時間との関係を示すグラフ。
本発明を実施するための形態について以下に図面を参照して説明する。
(第1実施形態−水素ステーションでのFCVへの水素供給)
図1は、本発明の炭素循環利用システム1のオンサイト改質型による実装例を示しており、基本的構成として、水素ステーション2に配置されたメタン改質器4、ガス会社3に設置された炭素酸化装置6およびメタン製造装置8、ならびに、これらを相互に結びつける動力運搬手段14、COx供給ライン17およびパイプライン5を備える。以下、各構成要素について詳細に説明する。
炭化水素改質装置4は、実用上、図2に示すような流動床反応ユニット12が採用される。流動床反応ユニット12は、メタンガス流入口21と生成ガス流出口23と触媒取出口25を有する容器外部に流動促進手段としてのバイブレータ26を備え、容器内部のガス流路の一定区間に、メタンの直接分解が可能な流動性の粉末状触媒22が充填されており、粉末状触媒22内には、容器外部から供給される熱源により触媒22を加熱するラジアントチューブバーナー24が挿入されている。粉末状触媒22としては、スーパーチャコール等の微粉末活性炭;カーボンブラック、カーボンナノホーン、カーボンナノチューブ等のナノカーボン;Ni粉末触媒;Pt粉末触媒;Ru粉末触媒;および炭素繊維を使用しうるが、触媒再生のし易さといった後工程での扱いやすさから炭素系触媒が好まれ、なかでも表面積の大きさと触媒活性の高さにより、微粉末活性炭が好適に採用される。
流動床反応ユニット12のメタンガス流入口21は、原料ガス投入ライン31を介して都市ガスパイプライン5と接続しており、原料ガス投入ライン31上のメタンガス流入口21付近には、予備加熱装置29が設けられている。
流動床反応ユニット12の生成ガス流出口23は、精製器9に接続している。精製器9としては、水素濃度70%以上の場合を想定して人工中空糸やパラジウム膜を使用しているが、パラジウム合金膜やニオブ系合金膜、ジルコニウム−ニッケルアモルファス合金等のアモルファス合金膜、圧力変動吸着装置[PSA]も使用可能である。なお圧力変動吸着装置[PSA]は、要求される水素濃度が例えば70%未満であっても使用可能である。精製器9には、排気口32と抽気口33があり、排気口32は、返送ライン28を介して予備加熱装置29に合流している。返送ライン28の途中には、循環ブロワ30が設置されている。一方抽気口33から延びる純水素ライン35上には、精製器9に近い側から順に圧縮器18、蓄圧器19およびディスペンサー20が設置されている。
流動床反応ユニット12の触媒取出口25からは、粉末状触媒22を取り出せるような構成になっており、取り出した粉末状触媒22は、タンクローリーのような動力運搬手段14により炭素酸化装置6との間で往復運搬される。
炭素酸化装置6は、図3に示すように、酸素取込口36と炭素受入口37と酸化ガス流出口38とを有し、内部に加熱装置34を備えた反応器であり、酸素取込口36付近にはフローコントローラ47、酸化ガス流出口38付近には流路にガスサンプラ88を挿入した状態のガス物性分析機器39を備える。反応器の構成としては、炭化水素改質装置4と同様の構造の流動床反応器を採用しうる。
炭素酸化装置6の酸素取込口36は、酸素供給ライン11を介してエレクトライザー10と接続されており、炭素酸化装置6の酸化ガス流出口38は、COx供給ライン17を介して、ガス会社3の敷地内で近接して設けられたメタン製造装置8と接続されている。本実施形態ではエレクトライザー10として、アルカリ水電解法を使用しているが、その他の電解器も採用しうる。
メタン製造装置8は、図4に示すように、水素供給口41とメタン排出口42とCOx導入口43を有し、内部に加熱装置44およびNi触媒45を備えた反応器であり、水素供給口41付近にはフローコントローラ57、COx導入口43付近には、フローコントローラ67、メタン排出口42近傍には流路にガスサンプラ88を挿入した状態のガス物性分析機器59を備える。
メタン製造装置8の水素供給口41は、水素供給ライン13を通じてエレクトライザー10と接続されており、メタン製造装置8のメタン排出口42は、合成メタン供給ライン16を介して都市ガスパイプライン5に合流している。なお、本実施態様において都市ガスパイプライン5は、炭素循環系外であるLNGタンク51にも気化器53を介して接続されている。
炭素酸化装置6およびメタン製造装置8のガス物性分析機器39,59でそれぞれ取得した各種ガス物性データ(例えば、温度、組成)は、中央演算処理装置[CPU]55にフィードバックされ、CPU55では、当該データに基づいて炭素酸化装置6およびメタン製造装置8内の最適な加熱温度および各種ガス流量を計算して加熱装置34、44の温度およびフローコントローラ47、57、67を調節可能に構成されている。ガス物性分析機器39,59としては、熱電対やガスクロマトグラフィーが代表的なものとして挙げられる。
以上の構成によれば、まず風力、太陽光、太陽熱といった再生可能エネルギーの余剰電力によりエレクトライザー10が駆動し、電気分解で生成した水素が、水素供給ライン13を経由して水素供給口41からメタン製造装置8に導入され、加熱装置44で200℃〜300℃に加熱されたNi触媒45によってメタンに転化しメタン排出口42から都市ガス13Aのパイプライン5に供給される。メタン製造装置8で生成するメタンは、純度100%であってもよいが、CPU55による各種ガスの供給量および温度の調節により、そして、LNGタンク51由来の都市ガス13Aとの混合により、都市ガス13Aのパイプライン5内に含まれる未反応の水素が10%未満の濃度になるように調整することで、都市ガス13Aおよび/または合成メタンと未反応水素との混合気であっても爆発の危険なく、都市ガス13Aと同様に水素ステーション2にガス輸送ができる。
都市ガスパイプライン5を流通する都市ガス13Aおよび/または合成メタンと水素との混合気はまず、需要者である水素ステーション2の原料ガス投入ライン31に引き込まれ、予備加熱装置29で所定温度に予熱されてからメタン改質器4の流動床反応ユニット12のメタンガス流入口21に導入され、ラジアントチューブバーナー24で所定温度に加熱された粉末状触媒22を一定流速で通過することで流動状態にさせる。粉末状触媒22が活性炭である場合、加熱温度は800〜1000℃、より好ましくは900℃〜1000℃の範囲に設定される。この過程で、メタンの所定割合が直接分解され、炭素と水素を生成する。このうち炭素は、最初はバイブレータ26の作用によって粉末状触媒22に付着しても分離されるが、長期間の運転に伴い、やがては粉末状触媒22に付着して混合物27として残る。水素は、未反応のメタンとともにそのまま生成ガス流出口23を出て精製器9に入る。精製器9としてパラジウム精製器を使用する場合、この時点で350〜450℃に加熱しておくとよい。
精製器9では、水素が抽気口33から出て純水素ライン35に入り、圧縮器18、蓄圧器19およびディスペンサー20を通って燃料電池車等に供給される一方、未反応のメタンは、循環ブロワ30を動力源として返送ライン28を通り、予備加熱装置29で上記同様に予備加熱されて再度炭化水素改質装置4内に入り改質される。
一方、流動床反応ユニット12の触媒取出口25から取り出した活性炭と生成炭素との混合物は、動力運搬手段14により、そのまま炭素酸化装置6に輸送され炭素受入口37から内部に投入される。
炭素酸化装置6では、エレクトライザー10における電気分解で生成した酸素が、酸素供給ライン11を経由して酸素取込口36から炭素酸化装置6に導入され、粉末状触媒22と生成炭素との混合物27は加熱装置34によって酸素雰囲気下で加熱処理される。これにより、生成炭素の炭素−炭素結合が切れて完全または不完全燃焼し、COxとして気化する一方、粉末状触媒22は酸化せずに残り、再生する。再生した粉末状触媒22は、動力運搬手段14で水素ステーション2の炭化水素改質装置4に返送される。
ここで酸化ガス流出口38から排出されるCOxとしては、一酸化炭素、二酸化炭素またはこれらの任意比率の混合気のいずれも包含される。一般に、COを出発原料としたメタネーション反応を行う場合、必要な水素のモル数は3モルである一方、COを出発原料としたメタネーション反応を行う場合、必要な水素のモル数は4モルであり、熱力学的にもCOの方がCOに比べて水素化されやすい傾向にはある。しかしながら、COxの組成および化学種(燃焼度とも読み替えられる)は、COが可燃性毒ガスであることも考慮したうえで、これを装置構成上または環境上許容しうるか、余剰電力によりエレクトライザー10で生成された酸素および後続のメタン製造装置8で使用する水素のその時々の供給量や貯蔵量がどの程度か等の要因に基づいてCPU55で最適化される。
炭素酸化装置6の酸化ガス流出口38から出たCOxは、COx供給ライン17内を通り、COx導入口43からメタン製造装置8に導入される。
(第2実施形態−都市ガス使用工場でのコージェネエンジン等での利用)
図5は、本発明の炭素循環利用システム101のオフサイト型による実装例を示している。第1実施形態と同様の構成については同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。図5から明白なように、炭素循環利用システム101の直接分解装置104は、ガス会社103の同一敷地内において、炭素酸化装置6およびメタン製造装置8と近接して設けられている。一方、需要者である都市ガス使用工場102では、パイプライン5から引き込まれた原料ガス投入ライン131が精製器9および定置式エネルギー機器111に直接連結されている。精製器9の抽気口33は、圧縮器18を介して燃焼器108に連結され、燃焼器108は、ガスタービン109および蒸気タービン110と接続されている。精製器9の排気口32は、分離メタンライン128を介して定置式エネルギー機器111に連結されている。定置式エネルギー機器111としては、各種ボイラ、給湯器、内部改質型燃料電池のほか、ガス空調、吸収冷温水器、冷凍機といった空調・冷熱システム等が例示される。
炭素循環利用システム101の直接分解装置104は、図6に示すように、粉末状触媒22中に流動促進手段として粉砕メディア123を混合し、電気ヒータ124が挿入された容器内部に充填している。また、メタン製造装置8を起点とする合成メタン供給ライン16は、都市ガスパイプライン5を経由することなく原料ガス投入ライン31と合流しており、予備加熱装置29の直前には、フローコントローラ77も設置されている。酸化ガス流出口38付近には流路にガスサンプラ88を挿入した状態のガス物性分析機器49を備えている。ガス物性分析機器49で取得した各種ガス物性データ(例えば、温度、組成)は、中央演算処理装置[CPU]55にフィードバックされ、CPU55では、当該データに基づいて予備加熱装置29およびフローコントローラ77を調節可能に構成されている。ガス物性分析機器77としては、上述した通りである。さらに、ガスサンプラ88の下流側には精製器59を備えている。精製器59の抽気口133からは純水素ライン135が延びており、パイプライン5に接続されている。
本構成によれば、直接分解装置104と炭素酸化装置6とをガス会社103の同一敷地内に設けたことにより、動力運搬手段14による運搬コストを劇的に低減することができるので、13Aガスまたは炭素循環利用システム101により生成したメタンと水素との混合気を客先102にて比較的安価に燃焼利用し発電することができ、水素需要を増大させることができる。
本構成によれば、原料ガス投入ライン31から流動床反応ユニット12内に流入した天然ガスが粉末状触媒22とともに粉砕メディア123を流動させ、粉末状触媒22の粒子同士の衝突、または、粉末状触媒22の粒子と粉砕メディア123との衝突によって、粉末状触媒22の触媒表面を常にフレッシュな状態に保つことができる。
本構成によれば、フローコントローラ77を設けたことで、パイプライン5への水素の供給量を精密に制御することができ、大元の供給源としてのガス会社103における13Aガスまたはメタンと水素との混合気の品質管理に適したものとなる。
本構成によれば、精製器9の排気口32を出た未反応のメタンは、返送されることなく分離メタンライン128を経由して定置式エネルギー機器111に送られ、以下の燃焼反応に利用される。
CH+2O→CO+2HO+840.2kJ
一方、精製器9の抽気口33から出た水素が純水素ライン35を経て燃焼器108で燃焼利用される。
2H+O→2HO+571.6kJ
燃焼ガスである過熱水蒸気は、ガスタービン109に送られて発電し、その後も蒸気タービン110の回転動力に使用され発電する(コンバインドサイクル発電)。以上のように、余剰電力をメタンまたは13Aガスと水素との混合気としてパイプライン5上に貯蔵しておけば、遠隔にある都市ガス使用工場102で、定置式エネルギー機器111やコージェネエンジン等を使用して需要時に燃焼させることにより、再度電気に変換して利用することができる。
(第3実施形態−液化石油ガスの運搬利用および部分酸化装置の組み込み)
図7は、本発明の炭素循環利用システム201のオンサイト型による実装例を示している。第1実施形態または第2実施形態と同様の構成については同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。図7に示すように、液化石油ガス備蓄タンク52が、動力運搬手段14を介して石油会社203敷地内にある部分酸化装置7および都市ガス使用工場202敷地内にある直接分解装置104にそれぞれ結合されている。
部分酸化装置7は、主に化石燃料に由来する重質油炭化水素に対して、後述の部分酸化反応をさせる装置であって、従来公知のものを使用することができるので説明を割愛する。部分酸化装置7の供給口には、エレクトライザー10の酸素供給ライン11が接続され、生成ガスライン217はメタン製造装置8に接続されている。なお、メタン製造装置8の合成メタン供給ライン216は動力運搬手段14を介して直接分解装置104に結合されている。
本構成によれば、部分酸化装置7における以下の部分酸化反応
+(n/2)O→nCO+(m/2)H
を利用して、備蓄タンク52由来のナフサ、重油等の重質油炭化水素やLPガス[プロパン]、エタン等から水素およびCOを製造して生成ガスライン217を介してメタン製造装置8に送りメタンの原料とする。部分酸化反応で生成した熱をメタン製造装置8で利用することもできる。その結果、従来部分酸化反応器や水蒸気改質器で生成していたCOの排出が抑えられる。
また、本構成によれば、LPガス[プロパン]、エタン等のメタン以外の炭化水素を直接分解装置4に導入することによってもエタン、メタン等のより低級の炭化水素を生成することができる。得られたより低級の炭化水素は、適宜燃焼器108、208や定置式エネルギー機器111で燃焼利用に供してもよいし、直接分解装置4でさらなる分解を経て、最終的に固体炭素を生成してもよい。
さらに本構成において、直接分解装置104で製造する水素/天然ガスの割合は、発熱量が571.6kJ〜840.2kJの範囲となるように、CPU55制御により、需要者の希望に応じて任意に設定することができる。
(固定床流通式管型反応器を使用した高温度域でのメタン直接分解実証実験)
本発明に係る炭素循環利用システムのコア技術であるメタン直接分解技術について、固定床流通式管型反応器を製作して実証実験を行った。実験装置は、図8に示す通りであり、マスフローコントローラにより一定流量に保たれたメタンガスは、電気炉によって加熱された反応管(容積:1.76ml)内を通過して改質され、改質ガスは、生成ガス管を通る間に冷却器によって冷却されたのち、一部を採取され、ガスクロマトグラフィー[GC]によって組成分析された。なお、反応管内には、加熱温度域において強度を維持可能な図9に示すアルミナ繊維(Al:72%、SiO:28%)の筒に封入された図10に示すペレット状の活性炭触媒(表面積:1000m/g、粒子径:3.35〜4.75mm、充填触媒質量:約0.55g)を中央に配置し、その前後に温度計測のための熱電対を配置した。触媒前後の熱電対による平均温度指示値がそれぞれ850℃、900℃、950℃、992℃になるように電気炉で加熱してマスフローコントローラで流量を変えながら転化率を測定した結果を図11に示す。なお、図中接触時間は、以下のように計算した。
(接触時間)=(触媒質量)*(反応器体積)/(体積流量)
水素及びメタンの定量は、既知の体積に対するGCのピーク面積をプロットして予め得ておいた検量線に基づいて行った。
図11から、固定床流通式の小型反応装置という条件ではあったが、900℃を超える加熱をすることにより、純粋なメタンガスを、50%を超える転化率で分解しうることが分かった。振動等の反応促進機能を付加することにより、60%を超える転化率も期待され、活性炭を触媒とするメタン直接分解技術が現時点の技術水準をもってしても、炭素排出を有意量削減するために有望な要素技術たりうることが実証された。今後は、実用化の観点から、流動床式反応器等における長期運転の実証機を製作し、固定床式反応器との比較検討のため、実験データの収集・解析を行う必要がある。次いで、炭素酸化技術やメタネーション技術と組み合わせた炭素循環利用システムの実用性を実証する必要がある。
なお、本発明の実施の形態は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、また、上記実施形態に説明される構成のすべてが本発明の必須要件であるとは限らない。本発明は、その技術的思想を逸脱しない範囲において、当該技術的範囲に属する限り種々の改変等の形態を採り得る。
例えば、上記第3実施形態で使用した部分酸化装置7を水蒸気改質装置に置き換えて、以下の水蒸気改質反応
+nHO→nCO+(n+m/2)H
CO+HO→CO+H
で代替することも可能であり、この場合、エレクトライザーからの酸素供給を要しない。
また、上記第1実施態様で説明した水素ステーションの総合エネルギー効率を高めるために、水素ガスタービンや水素ガスエンジンあるいは定置式水素燃料電池コージェネ(熱電供給システム)を核とする地域のエネルギーセンターと水素ステーションとが複合化した態様も本発明に含まれる。
本発明の炭素循環利用システムは、オンサイト改質型またはオフサイト型の水素ステーション、自動車工場、都市ガス使用工場等での加熱や燃焼利用等に好適に採用することができる。
1、101、201 炭素循環利用システム
2 水素ステーション
102、202 都市ガス使用工場
3、103、203 ガス会社、電力会社、石油会社等
4、104 直接分解装置
5 都市ガスパイプライン
6 炭素酸化装置
7 部分酸化装置
8 メタン製造装置
9、59 精製器
10 エレクトライザー
11 酸素供給ライン
12 流動床反応ユニット
13 水素供給ライン
14 動力運搬手段
16、216 合成メタン供給ライン
17 COx供給ライン
18 圧縮器
19 蓄圧器
20 ディスペンサー
21 メタンガス流入口
22 粉末状触媒
23 生成ガス流出口
24 ラジアントチューブバーナー
25 触媒取出口
26 バイブレータ
27 混合物
28 返送ライン
29 予備加熱装置
30 循環ブロワ
31、131 原料ガス投入ライン
32 排気口
33 抽気口
34、44 加熱装置
35、135、235 純水素ライン
36 酸素取込口
37 炭素受入口
38 酸化ガス流出口
39、49,59 ガス分析機器
40 反応器
41 水素供給口
42 メタン排出口
43 COx導入口
45 Ni触媒
51 LNGタンク
52 液化石油ガス備蓄タンク
53 気化器
55 中央演算処理装置(CPU)
47、57、67、77 フローコントローラ
88 ガスサンプラ
108、208 燃焼器
109 ガスタービン
110 蒸気タービン
111 定置式エネルギー機器
123 粉砕メディア
124 電気ヒータ
128 分離メタンライン
217 生成ガスライン

Claims (10)

  1. 炭化水素の分解によって少なくとも炭素と水素とを生成する第1ユニットと、
    炭素を酸化して炭素酸化物を生成する第2ユニットと、
    炭素酸化物を水素と反応させて炭化水素を生成する第3ユニットと
    を備えた炭素循環利用システム。
  2. 循環系外および/または第3ユニットと第1ユニットとが、既存のパイプラインもしくは動力運搬手段を介して直接または間接的に結合されている請求項1に記載の炭素循環利用システム。
  3. 循環系外および/または第1ユニットと需要者とが、既存のパイプラインを介して直接または間接的に結合されている請求項1に記載の炭素循環利用システム。
  4. 循環系外と第1ユニットとが、動力運搬手段を介して直接または間接的に結合されている請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の炭素循環利用システム。
  5. さらに、第1ユニットで生成した水素を未反応の炭化水素から分離する精製器を備えた請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の炭素循環利用システム。
  6. さらに、第1ユニットと需要者の燃焼器とが直接または間接的に結合されている請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の炭素循環利用システム。
  7. 第1ユニットが、活性炭、カーボンブラック、ナノカーボン、Ni粉末触媒Pt粉末触媒、Ru粉末触媒および炭素繊維からなる群より選択される少なくとも1つを触媒として備えた請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の炭素循環利用システム。
  8. 第1ユニットが、活性炭と流動促進手段とを備えた流動床反応ユニットである請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の炭素循環利用システム。
  9. 第2ユニットと第3ユニットとが熱を融通できる程度に近接配置または統合されている請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載の炭素循環利用システム。
  10. 炭素系触媒を用いて炭化水素から炭素を生成する工程と
    炭素系触媒と炭素との混合物を酸素雰囲気下で加熱することによって炭素系触媒を分離する工程とを備えた炭素系触媒の再生方法。

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