JP2017195910A - アブレーションカテーテル - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の処置対象部位に対して同時にアブレーションを実施することを可能にし、さらに、アブレーションの実施に際して処置対象部位に対して位置決めした各熱要素に位置ずれが発生するのを防止することを可能にして、施術時間の短縮化および効率的な熱焼灼を図りつつ、施術に伴って狭窄部が形成されるのを好適に防止できるアブレーションカテーテルを提供する。
【解決手段】アブレーションカテーテル100は、長尺状のシャフト部50と、シャフト部の先端側に複数設けられて、拡張および収縮変形可能な拡張変形部10、20、30と、複数の前記拡張変形部に設けられて、生体組織に対して熱的影響を与える少なくとも2つ以上の熱要素80と、を有し、複数の拡張変形部は、それぞれがシャフト部の軸方向の異なる位置に配置されており、かつ、それぞれがシャフト部の軸方向に対して交差する異なる方向へ個別に拡張変形可能に構成されている。
【選択図】図4

Description

本発明は、生体組織をアブレーションするための医療装置として用いられるアブレーションカテーテルに関する。
従来から所定の疾患に罹患した生体器官を局所的に処置してその治療を図る方法としてアブレーション治療が実施されている。アブレーション治療は、生体組織に対して熱エネルギー等を付与して疾患部位を焼灼や壊死させることにより、疾患により引き起こされる機能不全等の症状の回復を図る治療方法である。アブレーション治療は、例えば、頻脈性不整脈を治療するための心筋焼灼術や、近年注目されている腎交感神経焼灼術(腎交感神経アブレーション)などへの適用が試みられている。
アブレーション治療は、アブレーションカテーテルと呼ばれる医療装置を使用して行われる。アブレーションカテーテルには、一般的に、生体組織に対して熱エネルギー等を付与するための熱要素と、その熱要素を生体内の所望の位置へ送達させるための長尺状のシャフト部が備えられる。術者は、治療に際して、X線撮影等により予め取得した疾患部位周辺の画像を参考にし、手元でアブレーションカテーテルを操作して、処置対象部位となる生体組織へ熱要素を位置決めする作業を行う。そして、位置決めした後、熱要素から生体組織へ熱エネルギー等を付与してその処置を完了する。
例えば、処置対象部位が複数の箇所に存在する場合は、処置を行う度に各処置対象部位に対して熱要素を位置決めして配置しなければならないため、アブレーション治療に要する手間が掛かり、施術時間の長時間化に伴う患者への負担が問題となる。特に、腎交感神経焼灼術を実施する場合は、腎動脈の外表面上を不規則に走行する複数の腎交感神経に対して処置を実施するため、処置対象部位に対して熱要素を位置決めする作業がより一層煩雑なものとなる。仮に、腎動脈の同一の内周面の周方向(同一の直交断面上に位置する内周面の方向)に沿って間隔を狭めて複数回の処置を実施すれば、熱要素の位置決めに要する手間を省いて腎交感神経を効率よく処置することが可能になるとも考えられるが、このような処置を行うと、処置した部位が同一の内周面の周方向に沿って局所的に集中してしまうため、アブレーションによる組織の変性や壊死、腎動脈の血管壁の腫れ等の影響による狭窄部の形成が懸念される。
上記のような問題に関連して、例えば、下記特許文献1には、螺旋状に形成したカテーテル先端部の軸方向に位置をずらして複数の熱要素(電極)を配置することにより、複数の箇所に対して同時に処置を行うことができ、かつ、処置した部位が腎動脈の延伸方向および内周面の方向において互いに重なることを防止し得るアブレーションカテーテルが開示されている。
特開2012−110738号公報
上記従来のアブレーションカテーテルは、腎動脈の延伸方向において処置範囲を可変可能とするために、螺旋状に形成したカテーテル先端部を延伸方向に受動的(柔軟)に変形し得るように構成している。このため、カテーテル先端部に配置された熱要素は、処置対象部位に対して十分な保持力で保持されず、カテーテル先端部の変形に伴って位置ずれが容易に発生し得る。熱要素の位置ずれが発生すると、意図しない部位に対してアブレーションが実施され、また不十分な焼灼になるため、アブレーションを再度実施せざるを得ない。しかしながら、螺旋状のカテーテル先端部に配置された各々の熱要素を、既に処置がなされた部位を避けつつ、目的となる処置対象部位に対して精度よく再配置することは容易には行い得ない。このため、上記従来のアブレーションカテーテルを使用すると、むしろ、施術時間の長時間化や治療効果の半減といった問題や、狭窄部の形成といった問題が発生し易くなってしまうという課題がある。
そこで、本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、複数の処置対象部位に対して同時にアブレーションを実施することを可能にし、さらに、アブレーションの実施に際して処置対象部位に対して位置決めした各熱要素に位置ずれが発生するのを防止することを可能にして、施術時間の短縮化および効率的な熱焼灼を図りつつ、施術に伴って狭窄部が形成されるのを好適に防止できるアブレーションカテーテルを提供することを目的とする。
上記目的を達成するアブレーションカテーテルは、長尺状のシャフト部と、前記シャフト部の先端側に複数設けられて、拡張および収縮変形可能な拡張変形部と、複数の前記拡張変形部に設けられて、生体組織に対して熱的影響を与える少なくとも2つ以上の熱要素と、を有し、複数の前記拡張変形部は、それぞれが前記シャフト部の軸方向の異なる位置に配置されており、かつ、それぞれが前記シャフト部の軸方向に対して交差する異なる方向へ個別に拡張変形可能に構成されてなるアブレーションカテーテルである。
上記のように構成したアブレーションカテーテルは、少なくとも二つ以上の熱要素が配置された複数の拡張変形部がシャフト部の軸方向の異なる位置に配置されており、かつ、拡張変形部のそれぞれがシャフト部の軸方向に対して交差する異なる方向へ拡張変形可能に構成されているため、拡張変形部を生体器官内において拡張変形させた際に、各熱要素の間に適切な間隔を空けて処置対象部位に配置することができる。さらに、拡張変形部のそれぞれが個別に拡張変形して、各熱要素を処置対象部位に対して位置決めした状態で保持するため、処置を行う際に熱要素に位置ずれが発生するのを好適に防止することができる。このように、複数の処置対象部位に対して同時に処置を行うことができ、かつ、熱要素の不用意な位置ずれが発生するのを防止することができるため、施術時間の短縮化および効率的な熱焼灼を図りつつ、施術に伴って狭窄部が形成されるのを好適に防止することが可能になる。
複数の拡張変形部のそれぞれに熱要素が少なくとも一つずつ設けられるようにすれば、各々の拡張変形部に設けられた各熱要素を利用してアブレーションを実施することが可能になるため、より一層効率的に手技を行うことが可能になる。
シャフト部が複数のスリットが形成された管状部材により構成されており、複数の拡張変形部が管状部材においてスリットにより拡張変形が誘導される変形容易部により構成されるようにすれば、比較的簡素な構成の管状部材を加工することによって拡張変形部を容易に製作することが可能になるため、アブレーションカテーテルの製造コストの削減および製造作業の簡略化を図ることができる。
管状部材の周方向の対向する位置に対をなして形成した変形容易部を、管状部材の軸方向の異なる位置に複数組設けるようにすれば、複数の処置対象部位に対して各熱要素を好適に位置決めして配置することが可能な多方向への変形性を備える拡張変形部を管状部材に容易に形成することが可能になる。
管状部材を挿通する内管をさらに有し、内管は、ガイドワイヤが挿通可能なガイドワイヤ用ルーメンを有するようにすれば、複数の拡張変形部を処置対象部位へ送達する際に使用されるガイドワイヤ用ルーメンを確保することが可能になる。
拡張変形部が、拡張変形した際にシャフト部の軸方向に対して交差する平面をシャフト部の周囲に区画するように予め形状付けがなされた線状部材からなるようにすれば、拡張変形部が区画する平面が広がる面方向に沿って押し付け力を作用させることが可能になるため、各拡張変形部に配置された熱要素を処置対象部位に対して安定的に保持することが可能になる。これにより、熱要素に位置ずれが発生するのをより確実に防止することができる。
シャフト部の周方向に互いに60°の角度で交わる平面を区画する第1〜第3拡張変形部を有するようにすれば、第1〜第3拡張変形部に配置された熱要素のそれぞれを、シャフト部の軸方向および周方向において適切な間隔を空けて処置対象部位に配置することが可能になるため、施術に伴う狭窄部の形成のリスクをより一層低減することが可能になる。
複数の拡張変形部のうちの少なくとも一つは、シャフト部の軸方向に移動可能に配置されており、シャフト部には、拡張変形部の移動量を制限するストッパーが設けられているようにすれば、ガイドシース等の医療器具を使用して拡張変形部を処置対象部位へ送達する際に、ガイドシース等から拡張変形部へ押し引き力を伝達させて拡張変形部の拡張および収縮変形を補助することが可能になるため、拡張変形部をガイドシース内外へ円滑に移動させることが可能になる。
熱要素が、拡張変形部ごとに、シャフト部の周方向の異なる位置に複数配置されるようにすれば、処置対象部位を含む生体器官の同一の直交断面上に位置する内周面に対して、互いに適切な間隔を空けて複数の熱要素を配置することが可能になるため、施術時間のより一層の短縮化を図りつつ、施術に伴う狭窄部の形成のリスクを低減することが可能になる。
複数の拡張変形部に配置された複数の熱要素のそれぞれが、シャフト部の周方向における異なる位置に配置されるようにすれば、処置対象部位を含む生体器官の延伸方向において適切な間隔を確保しつつ、生体器官の同一の直交断面上に位置する内周面において適切な間隔を確保して各熱要素を処置対象部位に対して配置することが可能になるため、施術に伴う狭窄部の形成のリスクを大幅に低減することが可能になる。
複数の熱要素のそれぞれが、シャフト部の周方向において均等な間隔を空けて配置されるようにすれば、生体器官の同一の直交断面上に位置する内周面において均等な間隔で各熱要素を配置することが可能になるため、施術に伴う狭窄部の形成のリスクをより一層低減することが可能になる。
複数の拡張変形部を挿入可能なシースと、シースを軸方向へ進退移動させることによりシース内への複数の拡張変形部の挿入とシースの先端開口部からの複数の拡張変形部の突出を操作する操作部材が設けられた手元操作部と、をさらに有し、複数の拡張変形部のそれぞれが、シース内への挿入に伴い収縮変形し、シースの先端開口部からの突出に伴い拡張変形するようにすれば、処置対象部位へ拡張変形部を送達するまでの間は、拡張変形部を収縮してシース内に保持した状態とすることができ、処置対象部位に対して熱要素を配置する際は、シースから拡張変形部を突出させるだけの簡単な操作により拡張変形させることが可能になるため、使い勝手のよいデバイスとしてアブレーションカテーテルを構成することが可能になる。
本発明の第1実施形態に係るアブレーションカテーテルを備える治療システムを概略的に示す斜視図である。 第1実施形態に係るアブレーションカテーテルを示す図である。 図2に示す3A−3A線に沿う断面図である。 図4は、第1実施形態に係るアブレーションカテーテルの要部を示す図であり、(A)は、アブレーションカテーテルが備える拡張変形部が拡張した状態を示す概観斜視図、(B)は、拡張変形部が収縮した状態を示す概観斜視図である。 第1実施形態に係るアブレーションカテーテルの先端部を拡大して示す概観斜視図である。 図6は、第1実施形態に係るアブレーションカテーテルの各部の断面を示す図であり、(A)は、図5に示す6A−6A線に沿う断面図、(B)は、図5に示す6B−6B線に沿う断面図、(C)は、図5に示す6C−6C線に沿う断面図である。 図7は、第1実施形態に係るアブレーションカテーテルの各部の断面を示す図であり、(A)は、図5に示す7A−7A線に沿う断面図、(B)は、図5に示す7B−7B線に沿う断面図、(C)は、図5に示す7C−7C線に沿う断面図である。 図8は、拡張変形部の構成を説明するための図であって、(A)は、収縮した状態の拡張変形部を示す平面図、(B)は、拡張した状態の拡張変形部を示す平面図である。 図9は、第1実施形態に係るアブレーションカテーテルの使用例を説明するための図であって、(A)は、アブレーションカテーテルを処置対象部位へ送達するガイディングカテーテルを腎動脈内へ導入した際の様子を模式的に示す断面図、(B)は、ガイディングカテーテルを使用してアブレーションカテーテルを処置対象部位へ送達した際の様子を模式的に示す断面図である。 図10は、第1実施形態に係るアブレーションカテーテルの使用例を説明するための図であって、(A)は、腎動脈内においてアブレーションカテーテルが備える拡張変形部を拡張させた際の様子を模式的に示す断面図、(B)は、拡張変形部を拡張させた際の様子を模式的に示す斜視断面図である。 図11は、処置対象部位と各熱要素の位置関係を例示する図であり、(A)は、図10(A)に示す11A−11A線に沿う断面図、(B)は、図10(A)に示す11B−11B線に沿う断面図、(C)は、図10(A)に示す11C−11C線に沿う断面図である。 第1実施形態の第1変形例に係るアブレーションカテーテルを示す図である。 図13は、第1実施形態の第1変形例に係るアブレーションカテーテルの構成を説明するための図であり、図13(A)は、図12に示す13A−13A線に沿う断面図であり、図13(B)は、図12に示す13B−13B線に沿う断面図である。 図14は、第1施形態の第2変形例に係るアブレーションカテーテルを説明するための図であって、(A)は、第2変形例に係るアブレーションカテーテルの要部を示す概観斜視図、(B)は、拡張変形部を示す平面図である。 図15は、第1施形態の第3変形例に係るアブレーションカテーテルを説明するための図であって、(A)は、第3変形例に係るアブレーションカテーテルの要部を示す概観斜視図、(B)は、拡張変形部を示す平面図である。 図16は、第1施形態の第4変形例、他の変形例、さらに他の変形例に係るアブレーションカテーテルを説明するための図であって、(A)は、第4変形例に係るアブレーションカテーテルの要部を示す概観斜視図、(B)は、他の変形例に係るアブレーションカテーテルの要部を示す概観斜視図、(C)は、さらに他の変形例に係るアブレーションカテーテルの要部を示す概観斜視図である。 図17は、第1施形態の第5変形例に係るアブレーションカテーテルを説明するための図であって、(A)は、第5変形例に係るアブレーションカテーテルの要部を示す概観斜視図、(B)および(C)は、拡張変形部が備える拡張変形部が移動した際の様子を示す概観斜視図である。 第1実施形態の第5変形例に係るアブレーションカテーテルの先端部を拡大して示す概観斜視図である。 第1実施形態の第5変形例に係るアブレーションカテーテルの各部の断面を示す図である。 本発明の第2実施形態に係るアブレーションカテーテルを示す図である。 図20に示す21A−21A線に沿う断面図である。 図22は、第2実施形態に係るアブレーションカテーテルの要部を示す図であり、(A)は、アブレーションカテーテルが備える拡張変形部が拡張する前の状態を示す概観斜視図、(B)は、拡張変形部が拡張した状態を示す概観斜視図である。 図23は、第2実施形態に係るアブレーションカテーテルを使用した際の処置対象部位と各熱要素の位置関係を例示する図であり、(A)は、図22(B)に示す23A−23A線に対応した仮想断面図、(B)は、図22(B)に示す23B−23B線に対応した仮想断面図である。 図24は、第2施形態の変形例に係るアブレーションカテーテルを説明するための図であって、(A)は、変形例に係るアブレーションカテーテルの要部を示す概観斜視図、(B)は、変形例のアブレーションカテーテルの要部の側面図である。
以下、添付した図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。なお、以下の説明は特許請求の範囲に記載される技術的範囲や用語の意義を限定するものではない。また、図面の寸法比率は説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
<第1実施形態>
図10(A)に示すように、本実施形態に係るアブレーションカテーテル100は、大動脈から分岐して腎臓Rに向かう腎動脈RAの外周周囲を走行する腎交感神経RNをアブレーション(焼灼)するための医療装置として構成されている。図示例においては、右腎動脈に対する処置に適用した際の様子を示しているが、右腎動脈と同様に左腎動脈に対する処置に適用することも可能である。
図1、図2、図4に示すように、アブレーションカテーテル100は、概説すると、長尺状のシャフト部50と、シャフト部50の先端側に配置された複数の拡張変形部10、20、30と、拡張変形部10、20、30のそれぞれに配置された複数の熱要素80a、80b、80c、80d、80e、80f(説明の便宜上、各熱要素80a〜80fは、個別に表記する必要がある場合以外、簡略化して「熱要素80」と記載する)と、を有している。
明細書の説明においては、アブレーションカテーテル100の生体内に挿入される側を先端側と称し、アブレーションカテーテル100に設けられた手元操作部90側を基端側と称することにする。なお、先端側は、先端端部から基端側に亘る所定の範囲を意味するものであり、先端端部のみを意味するものではない。また、図中に付したX軸は、アブレーションカテーテル100のシャフト部50の軸方向(延伸方向)を示し、Y軸は、奥行き方向、Z軸は高さ方向を示す。明細書中における軸直交断面とは、シャフト部50に対して直交したYZ平面を意味する。
アブレーションカテーテル100の各部の構成について説明する。
アブレーションカテーテル100が備える熱要素80は、図1に示すエネルギー供給装置110から電気エネルギーを受給して、熱を生じさせることにより生体組織をアブレーションするものである。拡張変形部10、20、30のそれぞれは、熱要素80を介して生体組織をアブレーションする際に、熱要素80を処置対象部位に対してしっかりと押し付けて保持する機能を有する。図4に示すように、各拡張変形部10、20、30は、それぞれがシャフト部50の軸方向の異なる位置に配置されるように、シャフト部50の先端側から順に位置をずらして設置している。以下、説明の便宜上、最先端側に配置した拡張変形部から順に、第1拡張変形部10、第2拡張変形部20、第3拡張変形部30と称するものとする。
図1、図2に示すように、アブレーションカテーテル100の基端側には、手元操作部90を設けている。手元操作部90の基端部には、コネクタ96を取り付けている。コネクタ90は、熱要素80へ電気エネルギーを供給するための電気ケーブル111に備えられる電気コネクタ112と接続・分離可能に構成している。図4(A)、図5に示すように、熱要素80の各々は、所定のリード線70a〜70fに電気的に接続している(説明の便宜上、リード線70a〜70fは、個別に表記する必要がある場合以外、簡略化して「リード線70」と記載する。また、図5以外の図面においては、各リード線70a〜70f、各リード線70a〜70fを被覆するチューブ40および被覆部材41の詳細な図示を省略する。)。リード線70は、その基端部がコネクタ96に取り付けられている。熱要素80の各々は、コネクタ96および電気コネクタ112を介して電気ケーブル111に接続されると、通電可能な状態になる。
エネルギー供給装置110は、ケーブル121を介して、熱要素80へ生体組織をアブレーションするための高周波の電気エネルギーを供給する。エネルギー供給装置110には、制御部としての機能を備えるCPUが組み込まれており、熱要素80による加熱温度等を自動制御することが可能である。供給する電気エネルギーは、例えば、0.1W〜8.0Wに設定されるが、この値に限定されることはない。なお、アブレーションカテーテル100に熱電対等からなる測温部を備えさせることにより、測温部により計測した生体組織の温度に基づいて、熱要素80による加熱温度をフィードバック制御するように構成することも可能である。
図4(A)に示すように、熱要素80は、一つの拡張変形部ごとに、二つずつ配置されている。第1拡張変形部10に配置された熱要素80a、80bのそれぞれには、リード線70a、70bを接続している。第2拡張変形部20に配置された熱要素80c、80dのそれぞれには、リード線70c、70dを接続している。第3拡張変形部30に配置された熱要素80e、80fのそれぞれには、リード線70e、70fを接続している。したがって、各リード線70a〜70fを介して各熱要素80a〜80eに対して個別に電気エネルギーを供給することにより、各熱要素80a〜80eによるアブレーションの実施および停止を個別に制御することができる。各熱要素80a〜80eの動作制御は、例えば、エネルギー供給装置に組み込まれるCPU等によって制御することが可能である。
アブレーションカテーテル100が備える熱要素80は、モノポーラ電極として構成している。このため、図1に示すように、アブレーションカテーテル100を使用した処置を行う際には、対極板120が用いられる。対極板120は、エネルギー供給装置120に電気的に接続される。処置を行う際には、対極板120を処置対象者(患者等)の体表面に取り付けて、熱要素80、処置対象者、対極板120の間で疑似的な電流回路を形成する。これにより、処置対象部位の生体組織に対して電流を通電させることが可能になる。熱要素80は、例えば、通電により発熱するように構成されたアブレーション用の公知の電極チップにより構成することができる。なお、図1に示すように、エネルギー供給装置110、対極板120、アブレーションカテーテル100により、アブレーション治療を行うための治療システムが構築される。
図2に示すように、アブレーションカテーテル100には、各拡張変形部10、20、30を挿入可能なシース60が備えられている。シース60は、生体内にアブレーションカテーテル100を挿入する際に、各拡張変形部10、20、30が不用意に拡張変形するのを防止して、挿入作業を円滑に実施し得るようにするために設けている。
図2に示すように、シース60は、その基端部63が手元操作部90の内部に挿入して配置されている。また、基端部63は、所定の移動部材93に接続している、シース60は、移動部材93の軸方向に沿う移動に伴って進退移動可能に構成されている。
移動部材93は、手元操作部90の内部で移動可能に保持されており、当該移動部材93と組み合わせて使用される歯車92により進退移動がなされる。移動部材93には、歯車92と噛み合わされる歯部93aが形成されている。移動部材93と歯車93は、ラックピニオン機構を構成する。歯車93には、当該歯車93の回転を操作するための操作部材91が組み付けられている。操作部材91の上端部は、手元操作部90の上面側に形成した開口部94から露出して配置している。操作部材91を手指等で操作して、歯車93を回転させると、その回転に連動して、移動部材93が進退移動する。移動部材93が進退移動すると、移動部材93に接続されたシース60は、当該移動部材93の移動に応じて進退移動する。具体的には、操作部材91を矢印r1方向に回転させると、シース60は矢印a1で示すように先端側へ向けて前進し、操作部材91を矢印r2方向に回転させると、シース60は矢印a2で示すように基端側へ向けて後退する。
シース60を所定の距離だけ前進させると、各拡張変形部10、20、30がシース60により覆われて、シース60の内部に収容される。一方、各拡張変形部10、20、30をシース60内に収容した状態から、所定の距離だけシース60を後退させると、シース60の先端部61に形成された先端開口部61aから各拡張変形部10、20、30が突出する。後述するように、各拡張変形部10、20、30は、シース60からの突出に伴い自己拡張変形し得るように構成されているため、シース60の先端開口部61aからの突出と同時に拡張変形を開始する。なお、図2に示すように、各拡張変形部10、20、30を取り付けたシャフト部50は、その基端部53が手元操作部90の基端部に配置されたコネクタ96に固定されている。このため、操作部材91の操作に連動して各拡張変形部10、20、30が進退移動することはない。
シース60を構成する材料の材質は、特に制限はないが、例えば、ガイディングカテーテルなどに一般的に使用される樹脂材料などを使用することができる。一例として、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体等、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン、軟質ポリ塩化ビニル等の熱可塑性樹脂、シリコーンゴム、ラテックスゴム等の各種ゴム類、ポリウレタンエラストマー、ポリアミドエラストマー、ポリエステルエラストマー等の各種エラストマー、ポリアミド、結晶性ポリエチレン、結晶性ポリプロピレン等の結晶性プラスチックなどを使用することができる。また、補強体として、ステンレス鋼などで編み込まれたメッシュ構造などをシース60に入れ込むことも可能である。
図3に示すように、シース60は、ガイドワイヤ130が挿通されるガイドワイヤ用ルーメン66と、シャフト部50が挿通されるルーメン67とを有する。図2に示すように、手元操作部90の基端部側には、ガイドワイヤ130が導入可能なポート130を設けている。シース60のガイドワイヤ用ルーメン66には、ポート130から導入されたガイドワイヤ130が軸方向に沿って挿通される。つまり、アブレーションカテーテル100は、いわゆる、オーバーワイヤ型のカテーテルデバイスとして構成されている。
図3に示すように、リード線70の各々は、シース60のルーメン67内においてシャフト50の外周面に沿わせて配線している。また、それぞれのリード線70がばらけることのないように、リード線70の外周を覆うように所定のチューブ40を配置している。チューブ40には、例えば、電気絶縁性を備える熱収縮性の樹脂材料により構成されたものを使用することができる。チューブ40内にリード線70を配置した状態で、チューブ40の外表面から熱を付与して収縮させることでシャフト50の外周面からリード線70がずれるのを防止している。なお、シャフト部50が金属部材の場合、シャフト部50は、例えば、電気絶縁性を備える熱収縮性の樹脂材料により構成されたもので被覆することができる。これにより、各リード線70a〜70fは、電気絶縁性を備える樹脂材料により、シャフト部50に直接接触しないため、シャフト部50を通じて各リード線70a〜70fから漏電等が発生するのをより確実に防止することができ、使用時の安全性をより一層高めることが可能になる。
図4(A)、図5に示すように、シース60の先端開口部61aから導出した各リード線70a〜70fは、例えば、シャフト部50を沿わせつつ、各拡張変形部10、20、30の外面に沿わせるようにして、各熱要素80a〜80fまで配線することができる。
また、図4(A)、(B)に示すように、第1拡張変形部10、第2拡張変形部20、第3拡張変形部30のそれぞれは、拡張変形部10、20、30ごとに先端部および基端部の2箇所でシャフト部50に固定されている。
図5に示すように、各リード線70a〜70fのそれぞれには、各熱要素80a〜80fに接続される端部(先端部)以外の部分を被覆材41により被覆している。同様に、シャフト部50において第3拡張変形部30が配置された領域、および第2拡張変形部20が配置された領域には、被覆材41を被覆している。被覆材41としては、例えば、チューブ40と同様に電気絶縁性を備える公知の樹脂材料により構成されたものを使用することができる。
図6(A)に示すように、各リード線70a〜70eは、第3拡張変形部30よりも基端側においては、シャフト部50の外周面に沿わせて周方向に所定の間隔を空けて配置している。各リード線70a〜70fは、チューブ40により覆われている。
図7(A)に示すように、熱要素80eに接続されるリード線70eは、第3拡張変形部30の基端部付近まで配線されると、シャフト部50から分岐するようにして、第3拡張変形部30の外周面に沿わせて熱要素80e側へ配線される。図示省略するが、熱要素80fに接続されるリード線70fは、第3拡張変形部30の基端部付近まで配線されると、シャフト部50から分岐するようにして、第3拡張変形部30の外周面に沿わせて熱要素80f側へ向けて配線される。図6(B)に示すように、リード線70e、リード線70f以外の各リード線70a、70b、70c、70dは、シャフト部50の外周面に沿って先端側へ向けて配線される。なお、被覆材41は、当該被覆材41と各拡張変形部10、20、30との間、および、当該被覆材41とシャフト部50との間に、チューブ40とシャフト部50との間に形成されたルーメン47aに連通するルーメン47bを形成するように各部材の外周面を覆って配置される。
図7(B)に示すように、熱要素80cに接続されるリード線70cは、第2拡張変形部20の基端部付近まで配線されると、シャフト部50から分岐するようにして、第2拡張変形部20の外周面に沿って熱要素80c側へ配線される。図示省略するが、熱要素80dに接続されるリード線70dは、第2拡張変形部20の基端部付近まで配線されると、シャフト部50から分岐するようにして、第2拡張変形部20の外周面に沿って熱要素80d側へ向けて配線される。図6(C)に示すように、第1拡張変形部10に設けられた熱要素80a、80bのそれぞれに接続される各リード線70a、70bは、シャフト部50の外周面に沿って先端側へ向けて配線される。
図7(C)に示すように、熱要素80aに接続されるリード線70aは、第1拡張変形部10の基端部付近まで配線されると、シャフト部50から分岐するようにして、第1拡張変形部10の外周面に沿って熱要素80a側へ配線される。図示省略するが、熱要素80bに接続されるリード線70bは、第1拡張変形部10の基端部付近まで配線されると、シャフト部50から分岐するようにして、第1拡張変形部10の外周面に沿って熱要素80b側へ向けて配線される。
このように、各リード線70a〜70fのそれぞれを各拡張変形部10、20、30に沿わせて配線しているため、各熱要素80a〜80fへの接続を容易に行うことが可能になる。また、電気絶縁性を備える部材により各リード線70a〜70fを被覆しているため、各リード線70a〜70fから漏電等が発生するのをより確実に防止することができ、使用時の安全性をより一層高めることが可能になる。なお、リード線70の配線(取り回し)は、図5〜図7に示すようものに限定されることはなく、例えば、各拡張変形部10、20、30の内面側を沿わせるようにしてもよい。
シャフト部50は、シース60のルーメン67内を挿通する線状部材により構成している。シャフト部50は、例えば、生体内への導入性を考慮して、可撓性を備える材料で構成することが好ましい。一例として、ニッケル−チタン合金、銅−亜鉛合金等の超弾性合金、ステンレス鋼等の金属材料、比較的剛性の高い樹脂材料などの長尺状の線材に、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体などの樹脂材料を被覆して構成されたものをシャフト部50として使用することができる。
シャフト部50の先端側に配置された第1拡張変形部10、第2拡張変形部20、第3拡張変形部30のそれぞれは、拡張および収縮変形するように予め形状付けがなされており、いわゆる自己拡張性を備えるように構成されている。また、各拡張変形部10、20、30は、拡張変形した際に、シャフト部50の軸方向に対して交差する平面(シャフト部50の軸芯を通る平面)をシャフト部50の周囲に区画する線状部材により構成している。各拡張変形部10、20、30は、それぞれが別の線状部材により構成されているため、個別に拡張および収縮変形する。なお、本明細書における「線状部材」とは、拡張変形した際に所定の平面を区画するような形状付けを行うことが可能な一定の長さを有する部材を意味するものであり、断面形状や外形寸法等は特に限定されず、例えば、平板状や帯状のものも含まれ得る。
図8(A)には、第2拡張変形部20が収縮した際の様子が示され、図8(B)には、第2拡張変形部20が拡張した際の様子が示される。図8の各図は、図4(A)において破線で示す平面Aを平面視した際の第2拡張変形部20を示している。平面Aは、シャフト部50の軸方向と直交するZ軸方向に平行な平面(矢印8A方向から見た平面)である。
図8(A)に示すように、第2拡張変形部20は、シース60等により覆われて収縮した状態においては、所定の形状に撓んで、偏平な外形形状をなす。一方、図8(B)に示すように、拡張した際には、略円形の平面21を形成する(矢印eで拡張変形を示す)。第2拡張変形部20と同様に、第1拡張変形部10および第3拡張変形部30のそれぞれは、図4(A)に示すように完全に拡張した際には、略円形の平面を区画する。また、シース60等により覆われて収縮した状態においては、図4(B)の矢印sで示すように、それぞれが所定の形状に撓んで、偏平な外形形状をなす。各拡張変形部10、20、30は、それぞれに対して外部から負荷が作用していない状態で上記のような円形の平面を形成し得るように予め形状付けがなされている。
上記のような拡張変形を可能にするために、各拡張変形部10、20、30は、例えば、生体内で超弾性を示す合金等からなる線状部材により構成することができる。生体内で超弾性を示す合金とは、少なくとも生体温度(37℃付近)において、通常の金属が組成変形する領域まで変形(曲げ、引っ張り、圧縮)させても、ほぼ元の形に回復する性質を有するものであり、形状記憶合金、超弾性合金等とも言われるものである。形状記憶合金、超弾性合金としては、特に限定されないが、例えば、チタン系(Ti−Ni、Ti−Pd、Ti−Nb−Sn等)や、銅系の合金が好ましい。ただし、超弾性を示す合金等に限定されることはなく、例えば、ステンレス鋼(SUS304)、βチタン鋼、Co−Cr合金、ニッケルチタン合金等のバネ性を有する合金等を使用して各拡張変形部10、20、30を構成することも可能である。なお、各拡張変形部10、20、30が形状記憶合金や超弾性合金で構成されている場合、各拡張変形部10、20、30は、シース60から押し出された際、各拡張変形部10、20、30の拡張する力(形状記憶合金又は超弾性合金が元の形に復元する際に働く反発力)が血管壁側に向き、熱要素80を血管壁によりしっかりと密着させることができるため、これらの材料によって各拡張変形部10、20、30を構成することが好ましい。これにより、各拡張変形部10、20、30の熱要素80は、確実に血管壁と接触するため、効率的な熱焼灼を行うことができる。
各拡張変形部10、20、30を構成する線状部材をシャフト部50に取り付ける方法としては、例えば、各拡張変形部10、20、30の端部に線状部材の余剰部分を形成しておき、図4(A)に示すように、その余剰部分をシャフト部50に対して巻き付けて固定部56を形成する方法を選択することができる。シャフト部50に対する固定力を向上させるために、構成材料の種類に応じて、半田付け、接着材、溶着等を併用することも可能である。また、図4(A)に示すように、シャフト部50の先端部51に線状部材を巻き付けずに露出した状態にすることにより、シャフト部50の先端部51をガイドワイヤとして機能させることができる。これにより、アブレーションカテーテル100をオンザワイヤ型のカテーテルデバイスとして構成することが可能になるため、生体内での送達性をより一層向上させることが可能になる。
各拡張変形部10、20、30には、X線造影マーカーを設けることが可能である。X線造影マーカーは、例えば、熱要素80の位置を示す場所、各拡張変形部10、20、30の軸方向の位置を示す場所、シャフト部50の先端部51を示す場所などの任意の位置に形成することができる。X線造影マーカーは、例えば、白金、金、銀、チタン、タングステン等の金属、またはこれらの合金等のX線不透過材料を使用して形成することができる。
図11(A)〜(C)には、シャフト部50を先端部51側から正面視したときの各拡張変形部10、20、30の位置関係が示されている。
第1拡張変形部10と第2拡張変形部20との間の角度差θ21は、60°に設定しており、第1拡張変形部10と第3拡張変形部30との間の角度差θ22も60°に設定している。これにより、各拡張変形部10、20、30は、シャフト部50の軸周りの周方向(図11(A)中の矢印bで示す方向)に沿って、互いに均等に60°の角度差を設けて配置されている。つまり、各拡張変形部10、20、30が拡張した際に形成される平面は、互いに60°の角度で交わるため、それぞれにより形成される平面が同一平面上に重なることがない。
また、図11(A)に示すように、第1拡張変形部10に配置した熱要素80aおよび熱要素80bは、シャフト部50の軸周りの周方向の異なる位置に配置している。具体的には、熱要素80aおよび熱要素80bが対向した位置に配置されるように、周方向に180°の角度差を設けている。このため、第1拡張変形部10を腎動脈RA内において拡張させた際には、熱要素80aおよび熱要素80bは、腎動脈RAの内壁Wの同一の直交断面上に配置されるものの、内壁Wの周方向においては位置をずらして配置されることになる。同様に、図11(B)に示すように、第2拡張変形部20に配置した熱要素80cおよび熱要素80dの間には、シャフト部50の軸周りの周方向に180°の角度差を設けている(図8(B)に示す角度差θ1と同様)。また、同様に、図11(C)に示すように、第3拡張変形部30に配置した熱要素80eおよび熱要素80fの間には、シャフト部50の軸周りの周方向に180°の角度差を設けている。
このように、アブレーションカテーテル100においては、各拡張変形部10、20、30は、互いにシャフト部50の軸方向の異なる位置に配置されているため、第1拡張変形部10に配置された各熱要素80a、80bと、第2拡張変形部20に配置された各熱要素80c、80dと、第3拡張変形部30に配置された各熱要素80e、80fとは、それぞれ軸方向の異なる位置に配置される。さらに、各拡張変形部10、20、30は、シャフト部50の軸方向(軸芯)に対して交差する異なる方向へ拡張するため、第1拡張変形部10に配置された各熱要素80a、80bと、第2拡張変形部20に配置された各熱要素80c、80dと、第3拡張変形部30に配置された各熱要素80e、80fとは、シャフト部50の周方向の異なる位置に配置される。つまり、各熱要素80a〜80eは、シャフト部50を基準にして、その軸方向および周方向のいずれの方向においても互いに異なる位置(重なることのない位置)に配置されている。なお、各熱要素80の間には、例えば、軸方向に5mm以上の間隔を設けることが好ましい。5mm以上の間隔を設けることにより、アブレーションを実施した際に狭窄部が形成されるのをより一層確実に防止することが可能になるためである。
次に、図9〜図11を参照して、本実施形態に係るアブレーションカテーテル100の使用例を説明する。
まず、電気ケーブル111を介して、アブレーションカテーテル100とエネルギー供給装置110を接続する。そして、対極版120を患者の体表面に取り付ける。
次に、アブレーションカテーテル100を生体内に導入する。生体内へのアブレーションカテーテル100の導入は、周知の方法によって行うことができる。例えば、橈骨動脈や上腕動脈に所定のシース(図示せず)を取り付ける。次にシースを介してガイドワイヤ(図示せず)を腎動脈RA付近まで導入する。この後、図9(A)に示すようにガイドディングカテーテル130を挿入し、ガイディングカテーテル130の先端開口部131aを腎動脈RA内に配置する。ガイドワイヤは、ガイディングカテーテル130から適宜抜去する。なお、ガイドワイヤおよびガイディングカテーテル130は、大腿動脈や腋窪動脈などの血管から導入してもよい。
次に、図9(B)に示すように、アブレーションカテーテル100をガイディングカテーテル130に挿通させて、アブレーションカテーテル100の先端部を腎動脈RAへ導入する。この際、各拡張変形部10、20、30は収縮した状態にしてシース60内に収納する。なお、アブレーションカテーテル100を導入する際、シース60のガイドワイヤルーメン67にガイドワイヤ130を挿通させることにより、導入作業を円滑に行うことができる。アブレーションカテーテル100の導入後、ガイディングカテーテル130は、適宜抜去してもよいし、手技が完了するまで生体内に導入しておいてもよい。
アブレーションカテーテル100の先端部が腎動脈RA内に到達したら、ガイディングカテーテル130からアブレーションカテーテル100の先端部を突出させる。そして、図10(A)に示すように、シース60を矢印a2で示すように後退させて、シース60から各拡張変形部10、20、30を突出させる。各拡張変形部10、20、30は、シース60から突出すると同時に、拡張変形を開始する。図10(B)に示すように、各拡張変形部10、20、30は、腎動脈RAの延伸方向X’の異なる位置に配置された状態で、拡張変形し、それぞれが備える熱要素80を腎動脈RAの内壁Wに押し付ける。なお、X線撮影下において、熱要素80を配置する位置を予め定めておき、シース60から各拡張変形部10、20、30を突出させると同時に、熱要素80を処置対象となる腎交感神経RNに近接した位置に位置決めして配置するようにしてもよい。
図11(A)に示すように、第1拡張変形部10に配置された各熱要素80a、80bの各々は、第1拡張変形部10が拡張する方向に作用する押し付け力により、腎動脈RAの内壁Wに対して位置決めした状態でしっかりと保持される。また、図11(B)に示すように、第2拡張変形部20に配置された各熱要素80c、80dの各々は、第2拡張変形部20が拡張する方向に作用する押し付け力により、腎動脈RAの内壁Wに対して位置決めした状態でしっかりと保持される。また、図11(C)に示すように、第3拡張変形部30に配置された各熱要素80e、80fの各々は、第3拡張変形部30が拡張する方向に作用する押し付け力により、腎動脈RAの内壁Wに対して位置決めした状態でしっかりと保持される。
次に、エネルギー供給装置120から熱要素80へ高周波の電気エネルギーを供給して、熱要素80の近傍に位置する生体組織(内壁W)を加熱し、腎動脈Rの外周面に位置する腎交感神経RNをアブレーションする。腎交感神経RNを壊死、熱変質、剥離等させることにより、交感神経系を抑制することができ、治療抵抗性高血圧患者の血圧を低下させる効果を得ることができる。各拡張変形部10、20、30に配置した合計6つの熱要素80を使用して同時に6箇所に対してアブレーションを行うことができるため、施術時間の短縮化を図ることができる。この際、6つの熱要素80の各々へ高周波の電気エネルギーを選択的に順次供給して、1箇所ずつ6回のアブレーションを行ってもよい。各熱要素80のそれぞれを、腎動脈RAの延伸方向X’および内壁Wの周方向に適切な間隔を空けて配置しているため、アブレーションに伴って腎動脈RAに狭窄部が形成されるのを防止できる。
他の部位に対して処置を引き続き実施する場合は、シース60を操作して、シース60内に各拡張変形部10、20、30を一旦収容する。再び所定の位置まで各拡張変形部10、20、30を移動させた後、シース60から各拡張変形部10、20、30を突出させて拡張変形させる。以下、同様の手順を繰り返して手技を進める。左右一方の腎動脈RAに対する処置を終えた後、他方の腎動脈RAに対して連続して処置を実施してもよい。
全ての手技が完了した後、アブレーションカテーテル100を抜去する。
以上、本実施形態に係るアブレーションカテーテル100によれば、少なくとも2つ以上の熱要素80が配置された複数の拡張変形部10、20、30がシャフト部50の軸方向の異なる位置に配置されており、かつ、各拡張変形部10、20、30のそれぞれがシャフト部50の軸方向に対して交差する異なる方向へ拡張変形可能に構成されているため、各拡張変形部10、20、30を腎動脈RA内において拡張変形させた際に、各熱要素80a〜80fの間に適切な間隔を空けて処置対象部位に配置することができる。さらに、各拡張変形部10、20、30が個別に拡張変形して、熱要素80を処置対象部位に対して位置決めした状態で保持するため、処置を行う際に熱要素80に位置ずれが生じるのを好適に防止することができる。このように、複数の処置対象部位に対して同時に処置を行うことができ、かつ、熱要素80の不用意な位置ずれが発生するのを防止することができるため、施術時間の短縮化および効率的な熱焼灼を図りつつ、施術に伴って狭窄部が形成されるのを好適に防止することが可能になる。
また、複数の拡張変形部10、20、30のそれぞれに熱要素80が少なくとも一つずつ設けられているため、各々の拡張変形部10、20、30に設けられた各熱要素80を利用してアブレーションを実施することが可能になり、より一層効率的に手技を行うことができる。
また、各拡張変形部10、20、30が、拡張変形した際にシャフト部50の軸方向に対して交差する平面をシャフト部50の周囲に区画するように予め形状付けがなされた線状部材により構成されているため、各拡張変形部10、20、30が区画する平面が広がる面方向に沿って押し付け力を作用させることが可能になり、各拡張変形部10、20、30に配置された熱要素80を処置対象部位に対して安定的に保持することが可能になる。これにより、熱要素に位置ずれが発生するのをより確実に防止することができる。
また、シャフト部50の周方向に互いに60°の角度で交わる平面を区画する第1〜第3拡張変形部10、20、30を有するようにしているため、第1〜第3拡張変形部10、20、30に配置された熱要素80のそれぞれを、シャフト部50の軸方向および周方向において適切な間隔を空けて処置対象部位に対して配置することが可能になるため、施術に伴う狭窄部の形成のリスクをより一層低減することが可能になる。
また、熱要素80が、拡張変形部10、20、30ごとに、シャフト部50の周方向の異なる位置に複数配置されるようにしているため、処置対象部位を含む腎動脈RAの同一の直交断面上に位置する内周面に対して、互いに適切な間隔を空けて複数の熱要素80を配置することが可能になるため、施術時間のより一層の短縮化を図りつつ、施術に伴う狭窄部の形成のリスクを低減することが可能になる。
また、複数の拡張変形部10、20、30に配置された複数の熱要素80a〜80fのそれぞれが、シャフト部50の周方向における異なる位置に配置されるようにすれば、処置対象部位を含む腎動脈RAの延伸方向において適切な間隔を確保しつつ、腎動脈RAの同一の直交断面上に位置する内周面において適切な間隔を確保して各熱要素80a〜80fを処置対象部位に対して配置することが可能になるため、施術に伴う狭窄部の形成のリスクを大幅に低減することが可能になる。
また、複数の熱要素80a〜80fのそれぞれが、シャフト部50の周方向において均等な間隔を空けて配置されるようにすれば、腎動脈RAの同一の直交断面上に位置する内周面において均等な間隔で各熱要素80a〜80fを配置することが可能になるため、施術に伴う狭窄部の形成のリスクをより一層低減することが可能になる。
また、複数の拡張変形部10、20、30を挿入可能なシース60と、シース60を軸方向へ進退移動させることによりシース60内への各拡張変形部10、20、30の挿入とシース60の先端開口部61aからの各拡張変形部10、20、30の突出を操作する操作部材91が設けられた手元操作部90と、をさらに有しており、複数の拡張変形部10、20、30のそれぞれが、シース60内への挿入に伴い収縮変形し、シース60の先端開口部61aからの突出に伴い拡張変形するようにすれば、処置対象部位へ複数の拡張変形部10、20、30を送達するまでの間は、各拡張変形部10、20、30を収縮してシース60内に保持した状態とすることができ、処置対象部位に対して熱要素80を配置する際は、シース60から各拡張変形部10、20、30を突出させるだけの簡単な操作により拡張変形させることが可能になるため、使い勝手のよいデバイスとしてアブレーションカテーテル100を構成することが可能になる。
次に、上述した第1実施形態に係るアブレーションカテーテル100の変形例を説明する。各変形例の説明においては、既に説明した部材等と同様に構成し得るものについては同一の部材番号を付してその説明を省略する。また、特に言及をしていない構成等(例えば、リード線の配線等)については、前述した実施形態に係るアブレーションカテーテル100の各部と同様に構成することが可能である。
<第1変形例>
図12および図13には、第1変形例に係るアブレーションカテーテル200が示される。このアブレーションカテーテル200は、いわゆる、ラピッドエクスチェンジ型のカテーテルデバイスとして構成されている。このような点において、オーバーワイヤ型のカテーテルデバイスとして構成された前述のアブレーションカテーテル100と相違する。
図12に示すように、シース60の先端部61は、部分的に外径を大きく形成している。図13(B)に示すように、シース60の先端部61には、ガイドワイヤ用ルーメン66を形成している。図12、図13(A)に示すように、ガイドワイヤ用ルーメン66は、シース60の先端部61以外の部分には形成していない。
アブレーションカテーテル200をこのようなラピッドエクスチェンジ型のカテーテルとして構成した場合においても、前述した施術時間の短縮化および狭窄部の形成の防止といった効果が損なわれることはない。また、ラピッドエクスチェンジ型のカテーテルとして構成することにより、生体内における操作性の向上を図ることが可能になる。
<第2変形例>
図14(A)、(B)には、第2変形例に係るアブレーションカテーテル300が示される。このアブレーションカテーテル300は、第1拡張変形部310、第2拡張変形部320、第3拡張変形部330が拡張した際の形状が、前述したアブレーションカテーテル100の各拡張変形部10、20、30と相違する。
図14(B)は、図14(A)において破線で示す平面Aを矢印14B方向から平面視した際の第2拡張変形部320を示す図である。なお、各拡張変形部310、320、330の形状は略同一に形成しているため、第2拡張変形部320について説明し、その他の拡張変形部310、330の説明は省略する。
第2拡張変形部320は、先端側に湾曲した先端部321と、基端側に湾曲した基端部322と、先端部321と基端部322との間に伸びる一対の平坦部323a、323bとを有する長細いリング形状に形成している。円形に形成された拡張変形部10、20、30等に比して、シャフト部50の軸方向に伸長した形状を有しているため、シース60等を押し引き操作する際に生じる抵抗を比較的小さく抑えることが可能になる。このため、シース60内へ第2拡張変形部320を収容させる操作、および、シース60外へ第2拡張変形部320を突出させる操作を円滑に行うことが可能になる。
また、軸方向に伸びる平坦部323a、323bに熱要素80c、80dを配置することが可能になるため、各平坦部323a、323bの長さの範囲で各熱要素80c、80dの位置を比較的自由に変更することができ、様々な製品仕様に対応することが可能になる。特に、各熱要素80c、80d間の距離を大きくしたい場合などに容易に対応することが可能である。
各熱要素80c、80dは、例えば、平坦部323aの先端側および平坦部323bの後端側を結ぶ対角線d上に配置することができる。このように配置することにより、両者の間の距離を最も大きくすることができる。したがって、アブレーションにより狭窄部が形成されるリスクをより一層低減させることが可能になる。
<第3変形例>
図15(A)、(B)には、第3変形例に係るアブレーションカテーテル400が示される。このアブレーションカテーテル400は、第1拡張変形部410、第2拡張変形部420、第3拡張変形部430が拡張した際の形状が、前述したアブレーションカテーテル100の各拡張変形部10、20、30と相違する。
図15(B)は、図15(A)において破線で示す平面Aを矢印15B方向から平面視した際の第2拡張変形部420を示す図である。なお、各拡張変形部410、420、430の形状は略同一に形成しているため、第2拡張変形部420について説明し、その他の拡張変形部410、430の説明は省略する。
第2拡張変形部420の先端部および基端部には、それぞれの端部に向かって先細り形状となるテーパー部450を形成している。このようなテーパー部450を設けることにより、シース60等を押し引き操作する際に生じる摺動抵抗を比較的小さく抑えることが可能になる。このため、シース60内へ第2拡張変形部420を収容させる操作、および、シース60外へ第2拡張変形部420を突出させる操作を円滑に行うことが可能になる。
<第4変形例>
図16(A)には、第4変形例に係るアブレーションカテーテル500が示される。このアブレーションカテーテル500は、第1拡張変形部510、第2拡張変形部520、および第3拡張変形部530のそれぞれが、部分的に軸方向に重なるように配置されている点において、前述したアブレーションカテーテル100の各拡張変形部10、20、30と相違する。
第1拡張変形部510の基端部は、第2拡張変形部520の先端部と交差するように配置されており、第2拡張変形部520の基端部は、第3拡張変形部530の先端部と交差するように配置している。このように配置すると、第1拡張変形部510の基端部の回転動作が、第2拡張変形部520の先端部により所定の範囲内で規制され、第2拡張変形部520の基端部の回転動作が、第3拡張変形部530の先端部により所定の範囲内で規制される。シース60内外へ各拡張変形部510、520、530を移動させる際に不要な回転動作が生じるのを防ぐことが可能になるため、各拡張変形部510、520、530を収容する操作および突出させる操作を円滑に行うことが可能になる。また、ある一定の以上の外形寸法の拡張変形部を使用せざるを得ないような場合においても、図示するように各拡張変形部510、520、530を配置することにより、各熱要素80a〜80fの間の間隔の長短を比較的自由に調整することが可能になる。
図16(B)には、他の変形例に係るアブレーションカテーテル500’を示す。この変形例に示すように、第1拡張変形部510、第2拡張変形部520、第3拡張変形部530は、各拡張変形部510、520、530の1箇所でシャフト部50に固定されていてもよい。具体的には、第1拡張変形部510は、基端側(手元側)の1箇所がシャフト部50に固定されており、かつ、先端側の1箇所がシャフト部50に対して摺動可能に配置されている。例えば、第1拡張変形部510は、その一部に中空のリング部材550を有しており、シャフト部50に対して摺動可能にしておく。そして、第2拡張変形部520、第3拡張変形部530は、基端側(手元側)の1箇所でシャフト部50に固定されており、先端部はシャフト部50に対して固定されていない。このような構成にしておくことで、第1拡張変形部510、第2拡張変形部520、第3拡張変形部530は、シャフト部50に対して1箇所のみで固定されているため、シース60の先端開口部61aから突出させる際、又は、シース60の先端開口部61a内へ収納する際、各拡張変形部510、520、530が容易に拡張変形及び収縮変形することができる。また、第1拡張変形部510、第2拡張変形部520、第3拡張変形部530は、各拡張変形部510、520、530の基端側がシャフト部50に固定されているため、シース60の先端開口部61a内へ容易に収納することができる。なお、各拡張変形部510、520、530においてシャフト部50に固定される部位は、各拡張変形部510、520、530をシース60の先端開口部61aから抜去して拡張変形させる際に、シャフト部50の周方向に不用意に回転等しないように、シャフト部50に対してある程度の固定力で固定することが好ましい。
図16(C)には、さらに他の変形例に係るアブレーションカテーテル100’を示す。図4、図5に示すアブレーションカテーテル100においては、第1拡張変形部10、第2拡張変形部20、第3拡張変形部30は、各拡張変形部10、20、30の2箇所がシャフト部50に固定されているがこれに限定されない。図16(B)に示す変形例と同様に、例えば、第1拡張変形部10、第2拡張変形部20、第3拡張変形部30は、各拡張変形部10、20、30の1箇所でシャフト部50に固定されていてもよい。具体的には、第1拡張変形部10は、基端側(手元側)の1箇所がシャフト部50に固定されており、かつ、先端側の1箇所がシャフト部50に対して摺動可能に配置されている。例えば、第1拡張変形部10は、その一部に中空のリング部材150を有しており、シャフト部50に対して摺動可能にしておく。そして、第2拡張変形部20、第3拡張変形部30は、基端側(手元側)の1箇所でシャフト部50に固定されている。このような構成にしておくことで、第1拡張変形部10、第2拡張変形部20、第3拡張変形部30は、シャフト部50に対して1箇所のみで固定されているため、シース60の先端開口部61aから突出させる際、又は、シース60の先端開口部61a内へ収納する際、各拡張変形部10、20、30が容易に拡張変形及び収縮変形することができる。また、第1拡張変形部10、第2拡張変形部20、第3拡張変形部30は、各拡張変形部10、20、30の基端側がシャフト部50に固定されているため、シース60の先端開口部61a内へ容易に収納することができる。なお、各拡張変形部10、20、30においてシャフト部50に固定される部位は、各拡張変形部10、20、30をシース60の先端開口部61aから抜去して拡張変形させる際に、シャフト部50の周方向に不用意に回転等しないように、シャフト部50に対してある程度の固定力で固定することが好ましい。
<第5変形例>
図17には、第5変形例に係るアブレーションカテーテル600が示される。このアブレーションカテーテル600は、第1拡張変形部610および第2拡張変形部620のそれぞれが、シャフト部50の軸方向に沿って移動可能に構成されており、かつ、各拡張変形部610、620の移動量を制限するストッパー652a、652bが備えられている点において、前述したアブレーションカテーテル100と相違する。
アブレーションカテーテル600には、第1拡張変形部610と、第2拡張変形部620の二つの拡張変形部が備えられている。各拡張変形部610、620は、拡張変形した際に形成される平面が直交するように配置している。
アブレーションカテーテル600には、複数のリング部材651a、651bが備えられている。第1リング部材651aは、第1拡張変形部610の先端部と一体的に構成している。第2リング部材651bは、第1拡張変形部610の基端部および第2拡張変形部620の先端部と一体的に構成している。
シャフト部50は、各リング部材651a、651bを挿通している。各リング部材651a、651bは、シャフト部50に支持された状態で、シャフト部50の軸方向に沿って移動可能である。同様に、各リング部材651a、651bと一体的に構成された第1拡張変形部610および第2拡張変形部620は、シャフト部50の軸方向に沿って移動可能である。なお、後述するように、第2拡張変形部620の基端部は、所定のチューブ645内に配置した中空部材645と一体的に構成されており、チューブ645、中空部材645とともに軸方向に沿って移動可能である。
図17(B)に示すように、シース60内に各拡張変形部610、620を収容した状態から、シース60を基端側へ移動させると、各拡張変形部610、620は、シース60とともに一定の距離だけ後退するが、各リング部材651a、651bが各ストッパー652a、652bに突き当たると、それ以降の移動が制限される。各拡張変形部610、620の移動がストッパー652a、652bにより制限される一方で、シース60は、後退移動する。シース60のみを後退移動させることにより、シース60から各拡張変形部610、620を確実に突出させることが可能になる。
また、図17(C)に示すように、シース60内へ各拡張変形部610、620を収容するために、シース60を先端側へ移動させる際は、各拡張変形部610、620の移動が各ストッパー652a、652bにより制限されるため、シース60を前進させることにより、シース60内へ各拡張変形部610、620を容易に押し込むことが可能になる。
このように、各拡張変形部610、620を移動可能にし、さらに、各ストッパー652a、652bによって各拡張変形部610、620の移動を制限しながら、シース60を単独で押し引き操作可能に構成すると、シース60から各拡張変形部610、620へ押し引き力を伝達させて、各拡張変形部610、620の拡張および収縮変形を補助することが可能になる。このため、各拡張変形部610、620をシース60内外へ円滑に移動させることが可能になる。なお、本変形例に係るアブレーションカテーテル600では、各拡張変形部610、620が一旦拡張変形して内壁Wに対して押し付けられた状態において、シース60等からの押し引き力が伝達されていないにも関わらず各拡張変形部610、620が不用意に移動してしまうことのないように各拡張変形部610、620の拡張変形量(換言すると、拡張変形した際に生体組織に作用させる押し付け力)が適宜に調整され得る。
次に、図18、図19を参照して、本変形例に係るアブレーションカテーテル600におけるリード線70の配線を説明する。図18は、アブレーションカテーテル600の先端部を拡大して示す斜視図であり、図19は、アブレーションカテーテル600の各部の断面を示している。図19中の(A)は、図18に示す19A−19A線に沿う断面を示し、図19中の(B1)〜(B3)は、図18に示す19B−19B線に沿う断面を示し、図19中の(C1)〜(C3)は、図18に示す19C−19C線に沿う断面を示し、図19中の(D1)〜(D3)は、図18に示す19D−19D線に沿う断面を示し、図19中の(E1)〜(E3)は、図18に示す19E−19E線に沿う断面を示す。図19に示す一点鎖線C1は、シャフト部50の軸芯を通る中心軸を示している。
図18、図19(A)に示すように、第2拡張変形部620の基端側にはシャフト部50、所定の中空部材645、リード線70を覆うチューブ640を配置している。チューブ640としては、例えば、前述したチューブ40と同様に熱収縮性および電気絶縁性を備える樹脂材料により構成されたものを使用することができる。
シャフト部50は、中空部材645が備えるルーメン647b内に配置している。リード線70は、中空部材645とチューブ640との間に形成されたルーメン647a内に配置している。中空部材645は、第2拡張変形部620と一体的に構成されており、第2拡張変形部620の基部(軸部)を形成するものである。第2拡張変形部620を構成する線状部材の基端部は、中空部材645の外表面から円形をなすように二股状に分岐しており、図18に示すように、チューブ640の所定の位置を貫通して伸びている。なお、中空部材645は、第2拡張変形部620と同様の材質もので構成することができ、例えば、形状記憶合金や超弾性合金により構成することができる。
図18、図19(A)に示すように、リード線70のそれぞれは、第2拡張変形部620の基端部までは中空部材645の外周面に沿うように配線している。
図19(B1)〜(B3)に示すように、第1拡張変形部610に配置された熱要素80aに接続されるリード線70aおよび第2拡張変形部620に配置された熱要素80cに接続されるリード線70cは、第2拡張変形部620の基端部付近まで配線されると、第2拡張変形部620の外周方向の一側(図18中の紙面の奥側)に沿って配線される。一方、第1拡張変形部610に配置された熱要素80bに接続されるリード線70bおよび第2拡張変形部620に配置された熱要素80dに接続されるリード線70dは、第2拡張変形部620の基端部付近まで配線されると、第2拡張変形部620の外周方向の他側(図18中の紙面の手前側)に沿って配線される。
第1拡張変形部610においてリード線70が配線される部分、および、第2拡張変形部620においてリード線70が配線される部分は、被覆材641により被覆している。被覆材641は、当該被覆部材641と各拡張変形部610、620との間に、中空部材645とチューブ640との間に形成されたルーメン647aに連通するルーメン647cを形成するように各拡張変形部610、620の外周面を覆って配置される。リード線70は、このルーメン647cを挿通して各熱要素80に向けて配線している。なお、被覆材641は、例えば、前述した被覆材41と同様に熱収縮性および電気絶縁性を備える樹脂材料により構成されたものを使用することができる。
図18に示すように、第2拡張変形部620に配置された熱要素80cに接続されるリード線70cは、熱要素80c付近まで配線されると、被覆材641から導出されて、先端部が熱要素80cに接続される。同様にして、第2拡張変形部620に配置された熱要素80dに接続されるリード線70dは、熱要素80d付近まで配線されると、被覆材641から導出されて、先端部が熱要素80dに接続される。
図19(C1)〜(C3)に示すように、第2拡張変形部620の先端側においては、第1拡張変形部610の各熱要素80a、80bにそれぞれ接続される各リード線70a、70bは、第2拡張変形部620の外周面に沿って配線される。
図18に示すように、リード線70aは、第1拡張変形部610の基端部まで配線されると、第1拡張変形部610の外周方向の一側(図18中の紙面の上側)に沿って配線される。一方、リード線70bは、第1拡張変形部610の基端部まで配線されると、第1拡張変形部610の外周方向の他側(図18中の紙面の下側)に沿って配線される。なお、リング部材651bにおいて各リード線70a、70bが配線される部分は、被覆材641により被覆している。
図18に示すように、第1拡張変形部610に配置された熱要素80aに接続されるリード線70aは、熱要素80a付近まで配線されると、被覆材641から導出されて、先端部が熱要素80aに接続される。同様にして、第1拡張変形部610に配置された熱要素80bに接続されるリード線70bは、熱要素80b付近まで配線されると、被覆材641から導出されて、先端部が熱要素80bに接続される。
図19(E1)〜(E3)に示すように、第1拡張変形部610の先端側にはリード線70は配線されない。このため、第1拡張変形部610の先端部には、被覆材641を被覆していない。
このように、各リード線70a〜70dのそれぞれを各拡張変形部610、620に沿わせて配線しているため、各熱要素80a〜80dへの接続を容易に行うことが可能になる。また、電気絶縁性を備える部材により各リード線70a〜70dを被覆しているため、各リード線70a〜70dから漏電等が発生するのをより確実に防止することができ、使用時の安全性をより一層高めることが可能になる。なお、リード線70の配線(取り回し)は、図18、図19に示すようものに限定されることはなく、例えば、各拡張変形部610、620の内面側を沿わせるようにしてもよい。
本変形例において例示したストッパーの形状や個数は、特に限定されず、拡張変形部の移動を制限し得る限りにおいて変更することが可能である。また、拡張変形部は、複数個の内の少なくとも一つが移動可能であるかぎりにおいてその効果が発揮され得るため、移動可能に構成される拡張変形部の数は変更可能である。
以上説明した第1実施形態に係るアブレーションカテーテル、およびその各変形例は、それぞれを適宜に組み合わせることが可能である。また、拡張変形部の個数、拡張変形した際に形成される平面の形状、拡張変形部に配置される熱要素の個数や配置等も実施形態において説明した例に限定されることはなく、適宜変更することが可能である。例えば、アブレーションカテーテルに備えられる拡張変形部のそれぞれに熱要素を1つ以上設けた構成を示したが、熱要素の設置数は、1つのアブレーションカテーテルに対して少なくとも2つ以上で設置されていればよく、熱要素が設けられていない拡張変形部を付加することも可能である。また、例えば、拡張変形部が拡張変形した際に形成する平面の形状は、円形や図示した各形状に限定されるものではなく、矩形、楕円形、その他の幾何学的形状に形成され得るし、拡張変形部ごとに平面の形状を異なるにように構成してもよい。また、例えば、拡張変形部が円形のような点対称の形状でない場合、熱要素は、拡張変形部が拡張変形した際に、最も外方側へ拡張変形する部位に配置することができる。このように配置することにより、アブレーションを実施する際に熱要素に位置ずれが生じるのをより確実に防止することが可能になる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係るアブレーションカテーテル700を説明する。なお、上述したアブレーションカテーテル100の説明において、既に説明した部材等と同様に構成し得るものについては同一の部材番号を付してその説明を省略する。また、特に言及をしていない構成については、前述した実施形態に係るアブレーションカテーテル100の各部と同様に構成することが可能である。
図20〜図22に示すように、本実施形態に係るアブレーションカテーテル700は、シャフト部を構成する所定の管状部材750に拡張変形部710、720を形成している。このような点において、線状部材により構成された拡張変形部10、20、30を備える前述のアブレーションカテーテル100と相違する。
図22(A)に示すように、管状部材750は、当該管状部材750の軸方向の異なる位置に形成されたスリット712、722を有する。管状部材750は、例えば、前述したアブレーションカテーテル100の各拡張変形部10、20、30をなす線状部材と同様に、生体内で超弾性を示す合金等により構成することが可能である。本実施形態においては、ニッケルチタン合金製の中空部材により管状部材750を構成している。
スリット712が形成された部分から周方向にずれた位置に存在するスリット712が形成されていない部分、つまり、管状部材750の管壁が残された部分は、第1拡張変形部710をなす変形容易部711a、711bを構成する。同様に、スリット722が形成された部分から周方向にずれた位置に存在する管状部材750の管壁が残された部分は、第2拡張変形部720をなす変形容易部721a、721bを構成する。
スリット712は、管状部材750を幅方向(Y軸方向)に貫通しており、スリット712は、管状部材750を高さ方向(Z軸方向)に貫通している。つまり、スリット712とスリット722は、周方向に90°ずれた位置に形成している。
なお、スリット712、722は、図22(A)に示すような形状に限定されず、管状部材750の軸方向に交差するように設けてもよい。例えば、スリット712、722は、正面視において、長方形に限定されず、平行四辺形等であってもよい。スリット712、722の形状を変形することにより、変形容易部711a、711bの形状、長さを調整することができる。
第1拡張変形部710をなす変形容易部711a、711bは、互いに向い合うように対にして形成している。各変形容易711a、711bは、自然状態(外力が作用していない状態)で、図22(B)に示す拡張形状をなすように予め形状付けがなされている。各変形容易部711a、711bは、中央部分が最も拡張するような緩やかな山形形状に拡張変形する。また、各変形容易部711a、711bは、Z軸方向に対称な形状に拡張変形する。各変形容易部711a、711bは、シース60内に収容されている間は、図22(A)に示すように、略直線形状をなすように収縮する。
第2拡張変形部720をなす変形容易部721a、721bは、第1拡張変形部710をなす変形容易部711a、711bと略同一に形成されており、図22(B)に示す形状に自己拡張するように構成されている。各変形容易部721a、721bは、シース60内に収容されている間は、図22(A)に示すように、略直線形状をなすように収縮する。
管状部材750の先端部751および中間部755は、所定の内管740に対して拘束されていない。したがって、各変形容易部711a、711b、721a、721bが拡張変形した際は、管状部材750の先端部751が内管740の外表面に沿って基端側へ移動して、軸方向の長さが見かけ上短くなる。
図23(A)に示すように、腎動脈RA内において変形容易部711a、711bを拡張させると、各変形容易部711a、711bに配置された各熱要素80a、80bが内壁Wに押し付けられる。これにより、各熱要素80a、80bに位置ずれが生じるのを防止しながら、アブレーションを実施することが可能になる。なお、各変形容易部711a、711bが平板状の断面形状を有するため、各熱要素80a、80bを内壁Wに対して面でしっかりと押し付けることができ、位置ずれが発生するのをより確実に防止することができる。図23(B)に示すように、変形容易部721a、721bも同様に、各熱要素80c、80dを腎動脈RAの内壁Wに対して押し付けて保持する。
図22(A)に示すように、管状部材750には内管740を挿通している。なお、図22(A)、(B)においては、管状部材750と内管740の位置関係を明瞭に示すために、内管740を二点鎖線(仮想線)で図示している。図21に示すように、内管740には、ガイドワイヤ130を挿通させるためのガイドワイヤ用ルーメン747を形成している。
図22(A)に示すように、内管740の先端部741には、ガイドワイヤ130を突出させるための先端開口部741aを形成している。
各拡張変形部710、720を管状部材750の管壁の一部により構成しているため、管状部材750のルーメン757内に内管740を挿通させることができる。そして、この内管740のルーメンをガイドワイヤ用ルーメン747として利用している。このため、シース60内に別途にガイドワイヤ用ルーメン747を設ける必要がない。したがって、アブレーションカテーテル700においては、前述した実施形態に係るアブレーションカテーテル100と比較して、シース60を細径化することができる。
熱要素80aは、変形容易部711bにおいて最も外方側へ拡張変形する部分の外表面に配置している。熱要素80bは、変形容易部711aにおいて最も外方側へ拡張変形する部分の外表面に配置している。各熱要素80a、80bのそれぞれには、リード線70a、70bが接続される。図21に示すように、各リード線70a、70bは、例えば、シース60と管状部材750との間に形成されるルーメン67内に挿通して配置される。また、熱要素80aに接続されるリード線70aと熱要素80bに接続されるリード線70bは、例えば、拡張変形部710の外側または内側に沿わせて先端側へ案内するように配線される。
熱要素80cは、変形容易部721bにおいて最も外方側へ拡張変形する部分の外表面に配置している。熱要素80dは、変形容易部721aにおいて最も外方側へ拡張変形する部分の外表面に配置している。各熱要素80c、80dのそれぞれには、リード線70c、70dが接続される。図21に示すように、各リード線70c、70dは、例えば、シース60と管状部材750との間に形成されるルーメン67内に挿通して配置される。また、熱要素80cに接続されるリード線70cと熱要素80dに接続されるリード線70dは、例えば、拡張変形部720の外側または内側に沿わせて先端側へ案内するように配線される。
図20に示すように、管状部材750は、その基端部753がコネクタ96に固定されている。シース60は、進退移動することにより、管状部材750の先端部751に形成された各拡張変形部710、720を収容し、または突出させる。また、手元操作部90には、ガイドワイヤ130を導入するためのポート95と、ポート95と内管740のガイドワイヤルーメン747とを連通する連通路95aとが設けられている。
本実施形態に係るアブレーションカテーテル700によれば、前述したアブレーションカテーテル100と同様に、複数の処置対象部位に対して同時に処置を行うことができ、かつ、熱要素80の不用意な位置ずれが発生するのを防止することができるため、施術時間の短縮化を図りつつ、施術に伴って狭窄部が形成されるのを好適に防止することが可能になる。
また、シャフト部が、複数のスリット712、722が形成された管状部材750により構成されており、複数の拡張変形部210、220が、管状部材750においてスリット712、722により拡張変形が誘導される変形容易部711a、711b、721a、721bにより構成されているため、比較的簡素な構成の管状部材750を加工することにより拡張変形部710、720を容易に製作することができ、アブレーションカテーテル700の製造コストの削減および製造作業の簡略化を図ることができる。
また、管状部材750の周方向の対向する位置に対をなして形成した変形容易部711a、711b(721a、721b)を、管状部材750の軸方向の異なる位置に複数組設けているため、複数の処置対象部位に対して各熱要素80a〜80dを好適に位置決めして配置することが可能な多方向への変形性を備える拡張変形部710、720を管状部材750に容易に形成することができる。
管状部材750を挿通する内管740をさらに有し、内管740が、ガイドワイヤ130を挿通可能なガイドワイヤ用ルーメン747を有するため、複数の拡張変形部710、720を処置対象部位へ送達する際に使用されるガイドワイヤ用ルーメン747を確保することが可能になる。
次に、上述した第2実施形態に係るアブレーションカテーテル700の変形例を説明する。以下に説明する変形例においては、既に説明した部材等と同様に構成し得るものについては同一の部材番号を付してその説明を省略する。また、特に言及をしていない構成については、前述した実施形態に係るアブレーションカテーテル700の各部と同様に構成することが可能である。
<変形例>
前述したアブレーションカテーテル700が備える変形容易部711a、711bは、互いに軸方向の同じ位置において拡張するように形状付けがなされていたが、例えば、図24(A)、(B)に示すように、変形容易部711a、711bは、互いに軸方向の異なる位置で拡張するように構成するこが可能である。このように構成することにより、変形容易部711a、711bにそれぞれ配置された熱要素80a、80bの間の軸方向の間隔を広くすることが可能になるため、狭窄部の形成のリスクを低減することが可能になる。同様に、変形容易部721a、721bは、互いに軸方向の異なる位置で拡張するように構成することが可能である。なお、各熱要素80a、80b、80c、80dのそれぞれは、図示するように、各変形容易部711a、711b、721a、721bにおいて最も外方側へ拡張変形する部分の外表面に配置することができる。
上述した第2実施形態に係るアブレーションカテーテルおよびその変形例は、例示した構成のみに限定されることはない。例えば、スリットの形状や個数、変形容易部の形状、大きさ、変形する方向、個数、その他変形容易部に配置される熱要素の個数や配置等は、適宜変更することが可能である。また、アブレーションカテーテル700、800をラピッドエクスチェンジ型のカテーテルデバイスとして構成することも可能である。また、例えば、アブレーションカテーテルに備えられる変形容易部(拡張変形部)のそれぞれに熱要素を1つ以上設けた構成を示したが、熱要素の設置数は、1つのアブレーションカテーテルに対して少なくとも2つ以上で設置されていればよく、熱要素が設けられていない変形容易部を付加することも可能である。
以上、複数の実施形態および変形例を通じて本発明に係るアブレーションカテーテルを説明したが、本発明は実施形態において説明した構成のみに限定されることはなく、特許請求の範囲の記載に基づいて適宜変更することが可能である。
アブレーションの方法として、高周波電気エネルギーにより実施する方法を説明したが、例えば、マイクロ波エネルギー、超音波エネルギー、レーザー等のコヒーレント光、加熱した流体、冷却された流体等によって実施することが可能であるし、加熱のみならず、冷却によって実施することも可能である。
また、加熱要素80をモノポーラ電極により構成した例を説明したが、複数の加熱要素を使用してバイポーラ電極を構成するようにしてもよい。
また、アブレーションカテーテルを、治療抵抗性高血圧患者の血圧低下を目的する治療方法に適用した例を説明したが、例えば、心不全、腎疾患、慢性腎不全、交感神経機能亢進、糖尿病、代謝異常、不整脈、急性心筋梗塞、心腎症候群等の治療に適用することができる。また、治療対象となる疾患部位(処置対象部位)は、腎動脈のみに限定されず、例えば、頻脈性不整脈を治療するための心筋焼灼術等に適用することも可能である。
10、310、410、510、610、710 第1拡張変形部(拡張変形部)、
20、320、420、520、620、720 第2拡張変形部(拡張変形部)、
30、330、430、530、 第3拡張変形部(拡張変形部)、
50 シャフト部、
60 シース、
70、70a、70b、70c、70d、70e、70f リード線、
80、80a、80b、80c、80d、80e、80f 加熱要素、
90 手元操作部、
91 操作部材、
100、100’、200、300、400、500、500’、600、700、800 アブレーションカテーテル、
130 ガイドワイヤ、
651a 第1リング部材、
651b 第2リング部材、
652a、652b ストッパー、
711a、711b、721a、721b 変形容易部、
712、722 スリット、
740 内管、
747 ガイドワイヤ用ルーメン、
750 管状部材。

Claims (12)

  1. 長尺状のシャフト部と、
    前記シャフト部の先端側に複数設けられて、拡張および収縮変形可能な拡張変形部と、
    複数の前記拡張変形部に設けられて、生体組織に対して熱的影響を与える少なくとも2つ以上の熱要素と、を有し、
    複数の前記拡張変形部は、それぞれが前記シャフト部の軸方向の異なる位置に配置されており、かつ、それぞれが前記シャフト部の軸方向に対して交差する異なる方向へ個別に拡張変形可能に構成されてなる、アブレーションカテーテル。
  2. 複数の前記拡張変形部のそれぞれには前記熱要素が少なくとも一つずつ設けられている、請求項1に記載のアブレーションカテーテル。
  3. 前記シャフト部は、複数のスリットが形成された管状部材により構成されており、
    複数の前記拡張変形部は、前記管状部材において前記スリットにより拡張変形が誘導される変形容易部により構成されている、請求項1または請求項2に記載のアブレーションカテーテル。
  4. 前記管状部材の周方向の対向する位置に対をなして形成した前記変形容易部を、前記管状部材の軸方向の異なる位置に複数組設けてなる、請求項3に記載のアブレーションカテーテル。
  5. 前記管状部材を挿通する内管をさらに有し、
    前記内管は、ガイドワイヤが挿通可能なガイドワイヤ用ルーメンを有する、請求項3または請求項4に記載のアブレーションカテーテル。
  6. 前記拡張変形部は、拡張変形した際に前記シャフト部の軸方向に対して交差する平面を前記シャフト部の周囲に区画するように予め形状付けがなされた線状部材からなる、請求項1または請求項2に記載のアブレーションカテーテル。
  7. 前記シャフト部の周方向に互いに60°の角度で交わる前記平面を区画する第1〜第3拡張変形部を有してなる、請求項6に記載のアブレーションカテーテル。
  8. 複数の前記拡張変形部のうちの少なくとも一つは、前記シャフト部の軸方向に移動可能に配置されており、
    前記シャフト部には、前記拡張変形部の移動量を制限するストッパーが設けられている、請求項6または請求項7に記載のアブレーションカテーテル。
  9. 前記熱要素は、前記拡張変形部ごとに、前記シャフト部の周方向の異なる位置に複数配置されている、請求項1〜8のいずれか1項に記載のアブレーションカテーテル。
  10. 複数の前記拡張変形部に配置された複数の前記熱要素のそれぞれは、前記シャフト部の周方向における異なる位置に配置されている、請求項1〜9のいずれか1項に記載のアブレーションカテーテル。
  11. 複数の前記熱要素のそれぞれは、前記シャフト部の周方向において均等な間隔を空けて
    配置されている、請求項10に記載のアブレーションカテーテル。
  12. 複数の前記拡張変形部を挿入可能なシースと、
    前記シースを複数の前記拡張変形部に対して相対的に軸方向へ進退移動させることにより、前記シース内への複数の前記拡張変形部の挿入と前記シースの先端開口部からの複数の前記拡張変形部の突出を操作する操作部材が設けられた手元操作部と、をさらに有し、
    複数の前記拡張変形部のそれぞれは、前記シース内への挿入に伴い収縮変形し、前記シースの先端開口部からの突出に伴い拡張変形する、請求項1〜11のいずれか1項に記載のアブレーションカテーテル。
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