JP2017195714A - 電力変換装置及び電力変換装置の制御方法 - Google Patents

電力変換装置及び電力変換装置の制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】放熱性の劣化よって過渡熱インピーダンスが変動してもスイッチング素子の温度推定誤差が大きくならず、以て高温状態下でも半導体素子における熱応力による疲労破壊が起きない電力変換装置とその制御方法を提供する。【解決手段】電力変換装置がスイッチング動作していないときに、半導体素子を加熱して第1の熱損失を求め、その後、加熱を停止させて半導体素子の電圧/電流−温度特性を用いて半導体素子の2端子間の電圧/電流から半導体素子の温度を求めるとともにこの温度と初期温度と第1の熱損失とから半導体素子の過渡熱インピーダンスを算出し、さらに電力変換装置をスイッチング動作させて半導体素子の第2の熱損失を算出し、この第2の熱損失と過渡熱インピーダンスと初期温度とから動作中温度を算出し、この動作中温度が設定値を超えないように半導体素子の出力を制限する。【選択図】図2

Description

本発明は、電力変換装置とその制御方法に関し、特に半導体素子の過昇温防止を図る電力変換装置とその制御方法に関するものである。
従来の電力変換装置では、そこに使用される半導体素子、例えばSiC−MOSFETの熱破壊を防止するために、温度センサがSiC−MOSFETに内蔵されていたが、例えば、温度センサが内蔵される部分だけ面積が増加するため、半導体素子の基材コストが高くなっていた。
そこで、SiC−MOSFETへ温度センサを内蔵せずに、熱損失と過渡熱インピーダンスから素子温度を推定し、過熱保護する方法が用いられている。
このような電力変換装置としてのインバータ装置の過熱保護方法としては、スイッチング素子の発熱量と過渡熱インピーダンスから、素子ジャンクション(接合)温度の上昇を算出し、それが設定値を超えないようにインバータ出力を制御するものがある(例えば、特許文献1参照)。
特許第3430773号公報
電力変換装置におけるスイッチング素子の放熱構造は、熱応力による疲労破壊が起こり、放熱性を劣化させるものである。上記の特許文献1に示す方法では、過渡熱インピーダンスは固定となっているが、実際は放熱性の劣化よって過渡熱インピーダンスは変動するため、スイッチング素子の温度推定誤差が大きくなる。
その結果、過熱保護が機能しなくなり、電力変換装置が破壊される要因となっている。特にSiC−MOSFETは、200℃以上の高温状況下で動作するため、熱応力による疲労破壊が顕著である。
本発明は、斯かる従来技術の課題を解決するために為されたもので、放熱性の劣化よって過渡熱インピーダンスが変動してもスイッチング素子の温度推定誤差が大きくならず、以て高温状態下でも半導体素子における熱応力による疲労破壊が起きない電力変換装置とその制御方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明に係る電力変換装置は、半導体素子でスイッチング回路を構成する電力変換装置において、前記半導体素子の2端子間に並列接続された電源及びセンサと、前記2端子間の電圧又は電流と温度間の特性、及び前記半導体素子の熱損失テーブルを予め記憶した記憶装置と、前記電力変換装置のスイッチング動作前に、前記半導体素子に熱損失が発生する電流が前記電源から前記半導体素子へ供給されるように前記電源を制御するとともに、このときの前記半導体素子の第1の熱損失を前記熱損失テーブルから求め、そして、前記半導体素子に熱損失が発生しない電流が前記電源から前記半導体素子へ供給されるように前記電源を制御するとともに、このときの前記センサで検出した電圧又は電流から前記特性に基づいて温度を求め、この求めた温度と初期温度と前記第1の熱損失とから過渡熱インピーダンスを算出し、前記電力変換装置のスイッチング動作開始後に、第2の熱損失を前記熱損失テーブルから求め、前記過渡熱インピーダンスと前記第2の熱損失と前記初期温度とから前記半導体素子の動作中温度を算出し、前記半導体素子の動作中温度が設定値を超えないように前記半導体素子の出力を制限する制御装置とを備えている。
また、上記の目的を達成するため、本発明に係る電力変換装置の制御方法は、半導体素子でスイッチング回路を構成する電力変換装置の制御方法において、前記電力変換装置のスイッチング動作前に、前記半導体素子に熱損失が発生する電流が前記半導体素子の2端子間に並列接続された電源から前記半導体素子へ供給されるように前記電源を制御し、このときの前記半導体素子の第1の熱損失を、記憶装置に記憶された熱損失テーブルから求め、前記半導体素子に熱損失が発生しない電流が前記電源から前記半導体素子へ供給されるように前記電源を制御し、このときに前記半導体素子の2端子間に並列接続されたセンサで検出した電圧又は電流から前記記憶装置に記憶された電圧又は電流と温度間の特性に基づいて温度を求め、前記温度と初期温度と前記第1の熱損失とから過渡熱インピーダンスを算出し、前記電力変換装置のスイッチング動作開始後に、第2の熱損失を前記熱損失テーブルから求め、前記過渡熱インピーダンスと前記第2の熱損失と前記初期温度とから前記半導体素子の動作中温度を算出し、そして、前記半導体素子の動作中温度が設定値を超えないように前記半導体素子の出力を制限するものである。
本発明によれば、電力変換装置がスイッチング動作していないときに、半導体素子を加熱して第1の熱損失を求め、その後、加熱を停止させて半導体素子の電圧/電流−温度特性を用いて半導体素子の2端子間の電圧/電流から半導体素子の温度を求めるとともにこの温度と第1の熱損失から半導体素子の過渡熱インピーダンスを算出し、さらに電力変換装置をスイッチング動作させて半導体素子の第2の熱損失を算出し、この第2の熱損失と過渡熱インピーダンスとから動作中温度を算出し、この動作中温度が設定値を超えないように半導体素子の出力を制限するように構成したので、放熱性の劣化に応じて変化する過渡熱インピーダンスを用いることで、スイッチング素子温度の推定精度を向上させることができるため、信頼性の高い電力変換装置を得ることができる。
本発明に係る電力変換装置の構造を示した断面図である。 本発明に係る電力変換装置及びその制御方法の実施の形態1を示す回路図である。 本発明に係る電力変換装置及びその制御方法で使用される半導体素子における電圧の温度依存性を示す特性グラフ図である。 本発明に係る電力変換装置及びその制御方法で使用される半導体素子における電流の温度依存性を示す特性グラフ図である。 本発明に係る電力変換装置及びその制御方法の実施の形態1の処理動作を示すフローチャートである。 本発明に係る電力変換装置及びその制御方法の実施の形態2を示す回路図である。 本発明に係る電力変換装置及びその制御方法の実施の形態3を示す回路図である。 本発明に係る電力変換装置及びその制御方法の実施の形態4を示す回路図である。
以下、本発明に係る電力変換装置及びその制御方法の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
実施の形態1.
電力変換装置とは、電力を制御するためのスイッチング回路を有する装置であり、電動車両に搭載されているモータ駆動用インバータ、高電圧から低電圧へ変換する降圧コンバータ、及び外部電源設備に接続して車載電池を充電する充電器等の電動パワーコンポーネントが該当する。
スイッチング回路は、半導体素子で構成されている。図1に示すように半導体素子は、例えば、MOSFET、IGBT、又はダイオードであり、基板は、シリコンの他に、窒化ケイ素、窒化ガリウム等の次世代半導体が使用されている。
半導体素子3a,3bは、例えば、はんだ6aを用いて、銅パターン4aにダイボンドされており、この銅パターン4aは、絶縁基板5により絶縁基板5の下側の銅パターン4bと絶縁されている。銅パターン4bは、冷却用ヒートシンク7に、例えば、はんだ6bで接合されている。
スイッチング回路3は、図2に示すように、例えば、2個のSiC−MOSFET3a及び3bで縦続接続されたもので、一方のSiC−MOSFET3aのドレイン−ソース端子間には、定電流源11と電圧センサ12が並列接続されている。なお、以下、SiC−MOSFET3aを例に採って説明するが、SiC−MOSFET3bの場合も全く同様である。
またSiC−MOSFET3aの両端子は、電流センサ13を介して、スイッチング回路3の電源である高圧バッテリ15に接続されており、この高圧バッテリ15は電圧センサ16に並列接続されている。電流センサ13は、電力変換装置のパワー系回路に実装されており、高圧バッテリ15からSiC−MOSFET3aに通電する電流値を測定する。
さらに、電圧センサ12で検出された電圧信号は、例えば、マイコンである制御装置20の入力信号として送られる。この制御装置20は、記憶装置30を内蔵しており、その出力信号は、SiC−MOSFET3a及び3bのゲートに接続されている。また、制御装置20は、定電流源11を制御するための出力信号も発生する。記憶装置30は制御装置20に外付けされたものでも構わない。
以下、半導体素子3a,3bがSiC−MOSFETである場合を例に取って説明する。
図1に示すように、SiC−MOSFET3aは、ドレイン、ソース、及びゲートに端子1が接続されている。SiC−MOSFET3aには、温度センサは内蔵されていない。
過渡熱インピーダンスZthは、下記の式(1)に示す通り、時間をパラメータとしており、その時定数は、オン抵抗電力損失を示す定常熱抵抗Rthと熱容量Cthとの積で決まり、定常熱抵抗Rthに収束する。この定常熱抵抗Rthとは、熱的に飽和した状態の放熱構造における熱抵抗であり、tは時間である。
Zth(t)=Rth*(1−exp(−t/Rth/Cth))・・・式(1)
上記の過渡熱インピーダンスZthは、スイッチング動作をしていない状態におけるSiC−MOSFET3aの基準温度である初期温度T0と温度T1(t)と第1の熱損失Q1とを用いて、次式により求められることが知られている。
Zth(t)=(T1(t)−T0)/Q1・・・・・・式(2)
すなわち、過渡熱インピーダンスZthは、電力変換装置がスイッチング動作していない時、例えば電力変換装置の立ち上げ時、又は立ち下げ時に、上記の式(2)により求める。放熱構造の疲労破壊は徐々に進展し、電力変換装置の動作中には大きく変化しないものと想定して、電力変換装置がスイッチング動作していない時に、半導体素子を加熱することによって求めた第1の熱損失Q1と、その後に加熱を停止させたときの温度と基準温度(初期温度)との差から過渡熱インピーダンスZthを算出する。例えば、測定頻度は1日に1回とする。
また、SiC−MOSFET3aがスイッチング動作している時の過渡的な温度T2(t)は、下記の式(3)に示す通り、半導体素子としてのSiC−MOSFET3aの第2の熱損失Q2と過渡熱インピーダンスZthとの積に基準温度(初期温度)T0を加えた値として算出される。
T2(t)=T0+Q2*Zth(t)
=T0+Q2*Rth*(1−exp(−t/Rth/Cth))
・・・・・・式(3)
SiC−MOSFET3aの熱損失情報(Q)と過渡熱インピーダンス情報(Zth)は、制御装置20内の記憶装置30に格納される。制御装置20は、電力変換装置の動作条件に応じて、それらの熱損失情報と過渡熱インピーダンス情報を記憶装置30から取り出し、SiC−MOSFET3aの温度T2(t)を、上記の式(3)から算出する。制御装置20は、この推定温度T2(t)が設定値(閾値)を超えると、SiC−MOSFET3a及び3bのゲートに制御信号を与えてゲートを閉じ、電流値を下げることで、SiC−MOSFET3aの熱損失を低減する。
電力変換装置は、SiC−MOSFET3aのON/OFFの繰り返しによって温度が変動するため、放熱部材の線膨張係数差が大きい箇所では熱応力が発生し、SiC−MOSFET3aの放熱構造の劣化が進み、放熱性能が悪化する。放熱構造は熱応力で数年に亘って疲労破壊が進み、その結果として放熱経路の断面積が小さくなり、過渡熱インピーダンスZthは徐々に増大して行く。
上記の従来技術のように過渡熱インピーダンスを一定とすると、SiC−MOSFET3aの実際の温度は、上記の式(3)の推定温度T2(t)より高くなってしまい、推定温度T2(t)が閾値を超える前に熱破壊を起こし、重大な事故を引き起こすおそれがある。
このような課題を解決するためには、放熱構造の疲労破壊に応じて、過渡熱インピーダンスZthを測定し、記憶装置30の情報を更新して行く必要がある。
SiC−MOSFET3aのドレイン−ソースの2端子間に、定電流源11により高い定電流を流してSiC−MOSFET3aを加熱した際に印加された電圧は、図3に示すように、温度依存性が認められる。この温度依存性は、基材又はデバイス構造によって異なる。図3に示す温度と電圧の相関関係の傾きを測定して記憶装置30に記憶しておくことで、端子間の測定電圧に基づいて、SiC−MOSFET3aの過渡的な温度変化を検出することが可能である。
このため、制御装置20は、定電流源11からの電流値を大きな定電流から熱損失が生じない程度の定電流に切り替えて、SiC−MOSFET3aの発熱を止め、図4に示すように、温度変化に応じて変化するSiC−MOSFET3aのソースとドレイン間の端子電圧を、定常状態に達するまで測定する。なお、図4に示す時間−電圧変化を、図5に示す時間−温度変化に変換することができる。
その他にも、SiC−MOSFET3a、3bのゲートをONに開いて(これはスイッチング動作ではない。)、高圧バッテリ15により高い定電流を流して、SiC−MOSFET3a、3bを加熱することも可能である。そして、SiC−MOSFET3a、3bのゲートをOFFに閉じることで発熱を止め、定電流源11からの熱損失が生じない程度の定電流をSiC−MOSFET3aの逆導通用ダイオードを介して通電し、温度変化に応じて変化するSiC−MOSFET3aのソースとドレイン間の端子電圧を、電圧センサ12で定常状態に達するまで測定する。
ここで、図5のフローチャートに沿って、より具体的に説明する。
図2に示すように、SiC−MOSFET3aを構成するSiC−MOSFET3aのソース−ドレイン間端子間に定電流源11と電圧センサ12が並列して接続されている。制御装置20は、電力変換装置の立ち上げ時又は立ち下げ時に、SiC−MOSFET3a、3bのゲートを閉めてOFFにする。すなわち、制御装置20はSiC−MOSFET3aをスイッチング動作させずに、定電流源11を制御して、SiC−MOSFET3aのソースからドレインに大きな定電流を流させることでSiC−MOSFET3aを発熱させる(図5のステップS1)。このように、熱損失をSiC−MOSFET3aに発生させることにより、チップ温度を上昇させる。
このときの熱損失は、電圧センサ12によって測定された電圧等から求めることができることはよく知られている。すなわち、熱損失Q1は、電圧センサ12で測定された電圧値、電流センサ13で測定された電流値、及び/又はSiC−MOSFET3aにおけるスイッチング速度、電力変換装置の駆動周波数の動作条件と熱損失Qとの関係を記憶したSiC−MOSFET3aの熱損失テーブルから電力変換装置の不動作時の熱損失Q1(第1の熱損失Q1)及び動作時の熱損失Q2(第2の熱損失Q2)をそれぞれ算出することができる。
他にも、温度センサ2が実装される箇所の温度とSiC−MOSFET3aの熱損失Qの関係を記憶したSiC−MOSFET3aの熱損失テーブルに基づいて、温度センサ2で検出される温度から熱損失Qを推定することも可能である。いずれの場合も公知技術である。
次に、定電流源11によりソースからドレインへ熱損失が生じない程度の小さな定電流に切り替え、このときのソース−ドレイン間電圧を電圧センサ12により測定する(同ステップS2)。SiC−MOSFET3aのソース−ドレイン間の電圧は、過渡熱インピーダンスZthの時定数より小さい刻み時間、例えば、数十μs〜数百μsで測定する。
このようにして測定した電圧に基づき、図3に示す電圧−温度変化の傾きから、スイッチング不動作時の温度T1を求めることができる(同ステップS3)。
従って、過渡熱インピーダンスZthは、上記の式(2)で示すように、その電圧−温度変化における「温度」と基準温度(初期温度)との差を、上記の発熱時の第1の熱損失Q1で割ることで求めることができる(同ステップS4)。
このようにして時間刻みで求めた過渡熱インピーダンスZthは、記憶装置30に格納され、電力変換装置のスイッチング動作時の半導体素子温度の推定に使用される。
なお、過渡熱インピーダンスZthに曲線をフィッティングさせることで抽出した定常熱抵抗Rthと熱容量Cthを記憶装置30に格納してもよい。
次に、電力変換装置のスイッチング動作を開始させ、この動作中の第2の熱損失Q2を、上記のとおり、スイッチング動作時の電圧センサ12で測定された電圧値、電流センサ13で測定された電流値、及び/又はSiC−MOSFET3aにおけるスイッチング速度、電力変換装置の駆動周波数の動作条件と熱損失Qの関係を示す熱損失テーブルから算出する(同ステップS5)。
そして、上記の式(3)に基づき、記憶装置30に格納した過渡熱インピーダンスZthとSiC−MOSFET3aの熱損失Q2との積と基準温度T0との和でSiC−MOSFET3aの温度T2(t)を求める(同ステップS6)。
このように、SiC−MOSFET3aの放熱構造における過渡熱インピーダンスZthを定期的に算出して記憶し、この記憶した過渡熱インピーダンスZthを更新することで、放熱構造の劣化を考慮した温度推定が可能となり、推定精度が向上する。
基準温度T0は、放熱構造に搭載された温度センサ2で検出される。温度センサ2の実装部は、図1に示すように、例えば、半導体素子3aが実装される絶縁基板5の上の銅パターン4aの上にある。この他、ヒートシンク7の冷媒流路部でもよい。
なお、SiC−MOSFET3aのドレイン−ソース端子間の印加電圧と半導体素子温度との相関関係があれば、温度センサ2の基準温度T0は不要となり、測定電圧から半導体素子温度を推定することが可能である。
そして、ステップS6で求めたSiC−MOSFET3aのスイッチング動作中の温度T2(t)が設定値を超えると(同ステップS7)、制御信号によりゲートを閉じて、電力変換装置に通電する電流値を低減することで、過昇温による破壊を防止することができる(同ステップS8)。また、過渡熱インピーダンスZthが閾値を超えるか否かで故障診断が可能となる。また、電流変換装置がスイッチング動作していないタイミングで、ステップS1に戻り、過渡熱インピーダンスを再測定する(同ステップS9)。
また、ドレイン−ソース間の電圧センサ12により、ドレインとソースの短絡時に発生する電圧変化を検出することで、ドレインとソースの短絡破壊保護が可能となる。
IGBTの場合は、熱損失コレクタとエミッタ間に大電流を流して発熱させた後に、微小電流に切り替えてコレクタ−エミッタの2端子間の電圧変化を測定することで、IGBTの温度推定が可能である。
ダイオードの場合は、アノード−カソード間に端子を接続し、アノードからカソードへ大電流を通電して熱損失を発生させた後に、微小電流に切り替えてアノード−カソード端子間の電圧変化を測定することで、ダイオードの温度推定が可能である。
実施の形態2.
次に、図6に示す本発明の実施の形態2を、上記の実施の形態1と異なる箇所のみについて説明する。
この実施の形態では、SiC−MOSFET3aのドレイン−ソースの端子間に定電圧源18と電流センサ19が並列して接続されており、定電圧源18を用いて、ソース−ドレイン間に一定電圧を印加させることで発熱させ、熱損失Qが生じない程度の一定電圧に切り替えることで、SiC−MOSFET3aのソースからドレインへ流れる電流を電流センサ19で測定する。そして、この電流の温度特性からチップ温度を推定する。
この場合、図3と同様に、電流−温度特性を測定して記憶装置30に記憶しておき、電流変化を温度変化に変換し、その温度変化を発熱時の所定の熱損失Qで割ることで過渡熱インピーダンスZthが求められる。
その他に、高圧バッテリ15を用い、SiC−MOSFET3a、3bのゲートを開いてソース−ドレイン間に一定電圧を印加させることで、SiC−MOSFET3aを加熱することも可能である。そして、SiC−MOSFET3a、3bのゲートを閉じることで発熱を止め、定電圧源18からの熱損失が生じない程度の一定電圧を印加し、温度変化に応じて変化するSiC−MOSFET3aのソースからドレインへ流れる電流を、電流センサ19で定常状態に達するまで測定する。
実施の形態3.
次に、図7に示す本発明の実施の形態3を、上記の実施の形態1と異なる箇所のみについて説明する。
この実施の形態では、SiC−MOSFET3aのゲート−ソース間に定電流源11及び電圧センサ12が並列に接続されている。定電流源11からゲート−ソース間に大きい定電流を通電させることで発熱させる。
制御装置20は、定電流源11を用いてゲートからソースへ熱損失Qが生じない程度に一定電流を流すことで、ゲート−ソース間の印加電圧を電圧センサ12により測定する。そして、この電圧の温度特性(図3参照。)からチップ温度を推定する。
その他にも、SiC−MOSFET3a、3bのゲートを開いてSiC−MOSFET3a、3bに高圧バッテリ15により高い定電流をドレインからソースへ流し、SiC−MOSFET3aを加熱することも可能である。そして、SiC−MOSFET3a、3bのゲートを閉じることで発熱を止め、定電流源11からの熱損失が生じない程度の定電流を通電し、温度変化に応じて変化するSiC−MOSFET3aのゲートとソース間の端子電圧を、電圧センサ12で定常状態に達するまで測定する。
実施の形態4.
次に、図8に示す本発明の実施の形態4を、上記の実施の形態1と異なる箇所のみについて説明する。
この実施の形態では、SiC−MOSFET3aのゲート−ソース間に定電圧源18及び電流センサ19が並列に接続されている。定電圧源18からゲート−ソース間に一定電圧を印加させることで発熱させる。
制御装置20は、定電圧源18を用いてソースからゲートへ熱損失Qが生じない程度の一定電圧に切り替えることで、ゲートからソースへ流れる電流を電流センサ19により測定する。そして、この電流の温度特性からチップ温度を推定する。
その他に、SiC−MOSFET3a、3bのゲートを開いて高圧バッテリ15からソース−ドレイン間に一定電圧を印加させることで、SiC−MOSFET3aを加熱することも可能である。そして、SiC−MOSFET3a、3bのゲートを閉じることで発熱を止め、定電圧源18から熱損失が生じない程度の一定電圧を印加し、温度変化に応じて変化するSiC−MOSFET3aのゲートからソースへ流れる電流を、電流センサ19で定常状態に達するまで測定する。
1 端子、2 温度センサ、3 スイッチング回路、3a,3b 半導体素子、4a,4b 銅パターン、5 絶縁基板、6a,6b はんだ、7 ヒートシンク、11 定電流源、12,16 電圧センサ、13,19 電流センサ、15 高圧バッテリ、18 定電圧源、20 制御装置、30 記憶装置。

Claims (13)

  1. 半導体素子でスイッチング回路を構成する電力変換装置において、
    前記半導体素子の2端子間に並列接続された電源及びセンサと、
    前記2端子間の電圧又は電流と温度間の特性、及び前記半導体素子の熱損失テーブルを予め記憶した記憶装置と、
    前記電力変換装置のスイッチング動作前に、前記半導体素子に熱損失が発生する電流が前記電源から前記半導体素子へ供給されるように前記電源を制御するとともに、このときの前記半導体素子の第1の熱損失を前記熱損失テーブルから求め、そして、前記半導体素子に熱損失が発生しない電流が前記電源から前記半導体素子へ供給されるように前記電源を制御するとともに、このときの前記センサで検出した電圧又は電流から前記特性に基づいて温度を求め、この求めた温度と初期温度と前記第1の熱損失とから過渡熱インピーダンスを算出し、前記電力変換装置のスイッチング動作開始後に、第2の熱損失を前記熱損失テーブルから求め、前記過渡熱インピーダンスと前記第2の熱損失と前記初期温度とから前記半導体素子の動作中温度を算出し、前記半導体素子の動作中温度が設定値を超えないように前記半導体素子の出力を制限する制御装置とを備えた
    電力変換装置。
  2. 前記電源は定電流源であり、前記センサは電圧センサである
    請求項1に記載の電力変換装置。
  3. 前記電源は定電圧源であり、前記センサは電流センサである
    請求項1に記載の電力変換装置。
  4. 前記電源は第1及び第2の電源で構成され、前記第1の電源は前記スイッチング回路の高圧バッテリであり、前記第2の電源は定電流源であり、前記センサは電圧センサであり、
    前記制御装置は、前記半導体素子のゲートをONにした状態で前記高圧バッテリから前記半導体素子へ電流が供給されることにより熱損失が発生するように制御し、その後、前記半導体素子のゲートをOFFにした状態で前記半導体素子に熱損失が発生しない電流が前記定電流源から前記半導体素子へ供給されるように前記定電流源を制御する
    請求項1に記載の電力変換装置。
  5. 前記電源は第1及び第2の電源で構成され、前記第1の電源は前記スイッチング回路の高圧バッテリであり、前記第2の電源は定電圧源であり、前記センサは電流センサであり、
    前記制御装置は、前記半導体素子のゲートをONにした状態で前記高圧バッテリから前記半導体素子へ電流が供給されることにより熱損失が発生するように制御し、その後、前記半導体素子のゲートをOFFにした状態で前記半導体素子に熱損失が発生しない電流が前記定電圧源から前記半導体素子へ供給されるように前記定電圧源を制御する
    請求項1に記載の電力変換装置。
  6. 前記制御装置は、前記過渡熱インピーダンスの変動に基づいて前記半導体素子における放熱パスの劣化を検出する
    請求項1、4、又は5に記載の電力変換装置。
  7. 前記半導体素子における放熱パス上に温度センサが実装されており、
    前記制御装置は、前記温度として、前記特性から算出する代わりに、前記温度センサの出力を用いる
    請求項1に記載の電力変換装置。
  8. 前記半導体素子が実装されている絶縁基板上に温度センサが実装されており、
    前記制御装置は、前記温度として、前記特性から算出する代わりに、前記温度センサの出力を用いる
    請求項1に記載の電力変換装置。
  9. 前記半導体素子がヒートシンクを用いて冷却されており、前記ヒートシンクを通過する冷媒の通路に温度センサが実装されており、
    前記制御装置は、前記温度として、前記特性から算出する代わりに、前記温度センサの出力を用いる
    請求項1に記載の電力変換装置。
  10. 前記半導体素子はMOS−FETであり、前記2端子はゲートとソース、又はドレインとソースである
    請求項1から9のいずれか一項に記載の電力変換装置。
  11. 前記半導体素子はIGBTであり、前記2端子はゲートとエミッタ、又はエミッタとコレクタである
    請求項1から9のいずれか一項に記載の電力変換装置。
  12. 前記半導体素子はダイオードであり、前記2端子はアノードとカソードである
    請求項1から9のいずれか一項に記載の電力変換装置。
  13. 半導体素子でスイッチング回路を構成する電力変換装置の制御方法において、
    前記電力変換装置のスイッチング動作前に、前記半導体素子に熱損失が発生する電流が前記半導体素子の2端子間に並列接続された電源から前記半導体素子へ供給されるように前記電源を制御し、
    このときの前記半導体素子の第1の熱損失を、記憶装置に記憶された熱損失テーブルから求め、
    前記半導体素子に熱損失が発生しない電流が前記電源から前記半導体素子へ供給されるように前記電源を制御し、
    このときに前記半導体素子の2端子間に並列接続されたセンサで検出した電圧又は電流から前記記憶装置に記憶された電圧又は電流と温度間の特性に基づいて温度を求め、
    前記温度と初期温度と前記第1の熱損失とから過渡熱インピーダンスを算出し、
    前記電力変換装置のスイッチング動作開始後に、第2の熱損失を前記熱損失テーブルから求め、
    前記過渡熱インピーダンスと前記第2の熱損失と前記初期温度とから前記半導体素子の動作中温度を算出し、そして、
    前記半導体素子の動作中温度が設定値を超えないように前記半導体素子の出力を制限する
    電力変換装置の制御方法。
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