JP2017193603A - 室温硬化性樹脂組成物、室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物及び物品 - Google Patents
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Abstract
Description
なお、本発明に関連する先行技術文献として特許文献1〜4(特開平07−133430号公報、特開2004−035631号公報、特開2007−321123号公報、特開2010−280742号公報)がある。
〔1〕
下記一般式(1)
で表されるシラン変性ポリブタジエン化合物を含むことを特徴とする室温硬化性樹脂組成物。
〔2〕
(A)〔1〕記載の一般式(1)で表されるシラン変性ポリブタジエン化合物:0.1〜30質量部と、
(B)分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合した水酸基又は加水分解性基含有シリル基を有し、該ケイ素原子結合水酸基又は加水分解性基含有シリル基で分子鎖両末端が封鎖され、主鎖が基本的にジオルガノシロキサン単位の繰返しからなる直鎖状構造のジオルガノポリシロキサン:100質量部と、
(C)硬化触媒:0.01〜15質量部と
を含有するものであることを特徴とする室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
〔3〕
更に、(D)加水分解性シラン及び/又はその部分加水分解縮合物を(B)成分100質量部に対して0.1〜30質量部含有する〔2〕記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
〔4〕
更に、(E)充填剤を(B)成分100質量部に対して1〜1,000質量部含有する〔2〕又は〔3〕記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
〔5〕
更に、(F)前記(A)成分以外の接着促進剤を(B)成分100質量部に対して0.2〜30質量部含有する〔2〕〜〔4〕のいずれかに記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
〔6〕
前記シラン変性ポリブタジエン化合物の数平均分子量が1,000以上であることを特徴とする〔2〕〜〔5〕のいずれかに記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
〔7〕
〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の組成物の硬化物をコーティング層、接着層又はシーリング層とした物品。
本発明の室温硬化性樹脂組成物は、下記一般式(1)で表されるシラン変性ポリブタジエン化合物(即ち、重合性ビニル単量体の側鎖置換基として加水分解性シリルエチレン基を含有するポリブタジエン化合物)を含むことを特徴とする。
0.05≦g/(e+f+g)<1.0 ・・・(i)
上式の通り、加水分解性シリル基を含有する単位が全単位当たり5モル%以上含有していることが好ましい。更には、10モル%以上含有していることが好ましく、特にモル25%以上含有していることが好ましい。5モル%未満の場合は、室温硬化性樹脂組成物が十分な接着性を発揮しない場合がある。
0.3≦g/(f+g)≦1.0 ・・・(ii)
上式の通り、加水分解性シリル基を含有する単位が加水分解性シリル基を含有する単位と末端ビニル基を含有する単位の和に対して30モル%以上含有していることが好ましい。特に50モル%以上含有していることが好ましく、30モル%未満の場合は、室温硬化性樹脂組成物が十分な接着性を発揮しない場合がある。
下式(3)で表されるケイ素原子に結合した加水分解性基(−OR1)とケイ素原子に結合した水素原子(SiH基)とを分子中に有するオルガノハイドロジェンシラン等の有機ケイ素化合物を
白金化合物含有触媒と助触媒の存在下でヒドロシリル化することにより得られる。
(A)上記一般式(1)で表されるシラン変性ポリブタジエン化合物
(B)分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合した水酸基又は加水分解性基含有シリル基を有し、該ケイ素原子結合水酸基又は加水分解性基含有シリル基で分子鎖両末端が封鎖され、主鎖が基本的にジオルガノシロキサン単位の繰返しからなる直鎖状構造のジオルガノポリシロキサン
(C)硬化触媒
(D)前記(A)成分以外の加水分解性シラン及び/又はその部分加水分解縮合物
(E)充填剤
(F)接着促進剤
本発明の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物に用いられる(A)成分は、上述した、上記一般式(1)で表される、ポリブタジエンのビニル基の一部がアルコキシシランで変性された化合物である。シラン変性ポリブタジエン化合物は、室温硬化性樹脂組成物(室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物)の接着性を向上させるものであり、室温硬化性樹脂組成物(室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物)の接着促進剤として作用するものである。
(B)成分であるオルガノポリシロキサンは、本発明の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の主剤(ベースポリマー)であり、分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合した水酸基又は加水分解性基含有シリル基を有し、該ケイ素原子結合水酸基(即ち、シラノール基)又は加水分解性基含有シリル基で分子鎖両末端が封鎖され、主鎖が基本的にジオルガノシロキサン単位の繰返しからなる直鎖状構造のジオルガノポリシロキサンである。このようなジオルガノポリシロキサンとして、具体的には、下記一般式(4)又は(5)で表される分子鎖末端が水酸基又は加水分解性基で封鎖されたジオルガノポリシロキサンが用いられる。
(C)成分は硬化触媒であり、この組成物を硬化させるために使用される。硬化触媒としては、有機金属触媒を用いることが好ましい。有機金属触媒としては、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジオクトエート等のアルキル錫エステル化合物、テトライソプロポキシチタン、テトラn−ブトキシチタン、テトラキス(2−エチルヘキソキシ)チタン、ジプロポキシビス(アセチルアセトナト)チタン、チタニウムイソプロポキシオクチレングリコール等のチタン酸エステル又はチタンキレート化合物、ナフテン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、亜鉛−2−エチルオクトエート、鉄−2−エチルヘキソエート、コバルト−2−エチルヘキソエート、マンガン−2−エチルヘキソエート、ナフテン酸コバルト、アルコキシアルミニウム化合物、アルミニウムキレート化合物等の有機金属化合物、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノアルキル基置換アルコキシシラン、ヘキシルアミン、リン酸ドデシルアミン等のアミン化合物及びその塩、ベンジルトリエチルアンモニウムアセテート等の第4級アンモニウム塩、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、シュウ酸リチウム等のアルカリ金属の低級脂肪酸塩、ジメチルヒドロキシルアミン、ジエチルヒドロキシルアミン等のジアルキルヒドロキシルアミン、テトラメチルグアニジルプロピルトリメトキシシラン、テトラメチルグアニジルプロピルメチルジメトキシシラン、テトラメチルグアニジルプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン等のグアニジル基を含有するシラン又はシロキサン、N,N,N',N',N'',N''−ヘキサメチル−N'''−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]−ホスホリミディックトリアミド等のホスファゼン塩基を含有するシラン又はシロキサン等が例示されるが、これらはその1種に限定されず、2種以上の混合物として使用してもよい。
(D)成分である加水分解性(オルガノ)シラン及び/又はその部分加水分解縮合物は、必要に応じて添加してもよい任意成分であり、前記(A)成分と同様に架橋剤として作用し得るものである。この(D)成分中の加水分解性基としては、例えば、ケトオキシム基、アルコキシ基、アセトキシ基等のアシルオキシ基、イソプロペノキシ基等のアルケニルオキシ基などが挙げられ、アルコキシ基、イソプロペノキシ基が好ましい。なお、本発明において、部分加水分解縮合物とは、加水分解性シラン化合物同士が部分的に加水分解・縮合して生成する、分子中に少なくとも2個、好ましくは3個以上の残存加水分解性基を有するオルガノシロキサンオリゴマーを意味する。また、(D)成分は、後述する(F)成分とも異なるものである。
(E)成分は充填剤であり、この組成物から形成される硬化物に十分な機械的強度を与えるために必要に応じて使用される任意成分である。この充填剤としては公知のものを使用することができ、例えば表面疎水化処理又は無処理の(即ち、疎水性又は親水性の)、焼成シリカ、煙霧質シリカ(ヒュームドシリカ)、シリカエアロゲル等の乾式シリカ、沈降シリカ、ゾル−ゲル法シリカ等の湿式シリカ、けいそう土、中空シリカなどのシリカ系微粉末、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化チタンなどの金属酸化物、あるいはこれらの表面をシラン化合物等で疎水化処理したもの、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛などの金属炭酸塩、アスベスト、ガラスウール、カーボンブラック、微粉マイカ、溶融シリカ粉末、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレンなどの合成樹脂粉末等の1種又は2種以上が使用される。
(F)成分は、(A)成分とは別に必要に応じて配合される接着促進剤であり、この接着促進剤としては、通常、シランカップリング剤(例えば、(メタ)アクリロキシ官能性基、エポキシ官能性基、アミノ官能性基、メルカプト官能性基、ハロゲン原子等の官能性基含有一価炭化水素基(いわゆるカーボンファンクショナル基)を含有する加水分解性オルガノシラン化合物及びこれらの反応物など)を挙げることができ、特にγ−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−2−(アミノエチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン等のアミノシラン類、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシシラン類、イソシアネートシラン等から選ばれる1種又は2種以上を配合することが好ましい。
シラン変性ポリブタジエン化合物1の合成
撹拌機、還流冷却器、滴下ロート及び温度計を備えた1Lセパラブルフラスコに、B−1000(日本曹達社製、数平均分子量 1100、1,2−ビニル構造単位量:90モル%、2,3−ビニル構造(トランス1,4構造)単位数:10モル%)100g、トルエン200g、白金−1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体のトルエン溶液(白金原子として1.6×10-4モル)、酢酸1.0g(1.6×10-2モル)を納め、トリエトキシシラン263g(1.6モル)を内温75〜85℃で2時間かけて滴下した。その後、80℃で1時間撹拌した。更に、減圧濃縮、濾過することで、粘度が11000mPa・sの褐色透明液体を得た。得られた反応物をGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフ)で分子量を測定した結果、数平均分子量は3900であった。
シラン変性ポリブタジエン化合物2の合成
撹拌機、還流冷却器、滴下ロート及び温度計を備えた1Lセパラブルフラスコに、B−1000(日本曹達社製、数平均分子量 1100、1,2−ビニル構造単位量:90モル%、2,3−ビニル構造(トランス1,4構造)単位数:10モル%)100g、トルエン200g、白金−1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体のトルエン溶液(白金原子として0.8×10-4モル)、酢酸0.5g(0.8×10-2モル)を納め、トリエトキシシラン132g(0.8モル)を内温75〜85℃で2時間かけて滴下した。その後、80℃で1時間撹拌した。更に、減圧濃縮、濾過することで、粘度が8000mPa・sの褐色透明液体を得た。得られた反応物をGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフ)で分子量を測定した結果、数平均分子量は2500であった。
粘度50,000mPa・sの分子鎖両末端が水酸基(シラノール基)で封鎖されたジメチルポリシロキサン60質量部(以下、部と示す)と、粘度100mPa・sの分子鎖両末端がトリメチルシリル基で封鎖されたジメチルポリシロキサン25部と、表面疎水化処理シリカ10部を加えて常圧下にて30分混合した後、減圧下にて再度15分混合した。合成例1のシラン変性ポリブタジエン化合物1を0.5部と、メチルトリ(メチルエチルケトオキシム)シラン4部、アミノプロピルトリエトキシシラン0.5部を添加し、常圧下にて10分混合した後、減圧下で30分混合した。減圧混合終了後、ジブチル錫ジラウレート0.1部を加え、減圧下に60分混合して組成物1を得た。
合成例1のシラン変性ポリブタジエン化合物1の添加部数を1.0部とした以外は実施例1と同様にして組成物2を調製した。
合成例1のシラン変性ポリブタジエン化合物に変えて合成例2のシラン変性ポリブタジエン化合物2を0.5部添加した以外は実施例1と同様にして組成物3を調製した。
合成例2のシラン変性ポリブタジエン化合物2の添加部数を1.0部とした以外は実施例1と同様にして組成物4を調製した。
シラン変性ポリブタジエン化合物を添加しなかった以外は実施例1と同様にして組成物5を調製した。
合成例1のシラン変性ポリブタジエン化合物1の添加部数を0.05部とした以外は実施例1と同様にして組成物6を調製した。
合成例2のシラン変性ポリブタジエン化合物2の添加部数を0.05部とした以外は実施例1と同様にして組成物7を調製した。
実施例1〜4及び比較例1〜3で調製された各組成物を板状の被着体(材質:ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン、ブチルゴム、アクリル、ガラス、アルマイト)に塗布し、23℃、50%RHで7日間養生後、接着性を確認した。
これらの結果を下記表1に示した。
合成例2のシラン変性ポリブタジエン化合物2の添加部数を1.0部とした以外は実施例3と同様にして組成物4を調製した。
合成例2のシラン変性ポリブタジエン化合物2の添加部数を0.05部とした以外は実施例3と同様にして組成物7を調製した。
Claims (7)
- (A)請求項1記載の一般式(1)で表されるシラン変性ポリブタジエン化合物:0.1〜30質量部と、
(B)分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合した水酸基又は加水分解性基含有シリル基を有し、該ケイ素原子結合水酸基又は加水分解性基含有シリル基で分子鎖両末端が封鎖され、主鎖が基本的にジオルガノシロキサン単位の繰返しからなる直鎖状構造のジオルガノポリシロキサン:100質量部と、
(C)硬化触媒:0.01〜15質量部と
を含有するものであることを特徴とする室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。 - 更に、(D)加水分解性シラン及び/又はその部分加水分解縮合物を(B)成分100質量部に対して0.1〜30質量部含有する請求項2記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
- 更に、(E)充填剤を(B)成分100質量部に対して1〜1,000質量部含有する請求項2又は3記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
- 更に、(F)前記(A)成分以外の接着促進剤を(B)成分100質量部に対して0.2〜30質量部含有する請求項2〜4のいずれか1項に記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
- 前記シラン変性ポリブタジエン化合物の数平均分子量が1,000以上であることを特徴とする請求項2〜5のいずれか1項に記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の組成物の硬化物をコーティング層、接着層又はシーリング層とした物品。
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