JP2017192560A - ポリ−γ−グルタミン酸を用いたシート状止血材およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 シート状止血材において、フィブリノゲンを用いる必要なしに良好な止血性能を実現し、さらに、良好な柔軟性および取扱性を実現する。【解決手段】 シート状止血材は、少なくともポリ−γ−グルタミン酸(γ−PGA)で構成され、さらに糖類およびコラーゲンの少なくとも一方が添加されたシートを接着層として備えている。【選択図】 なし
Description
本発明は、局所止血に好適に用いることが可能な、ポリ−γ−グルタミン酸を用いたシート状止血材と、このシート状止血材の製造方法とに関する。
例えば外科手術等で局所的な出血が生じたときには、止血処置の方法法の一つとしてシート状止血材の使用が知られている。シート状止血材は、生体内で分解可能な医療用材料をシート状に成形することにより構成される。シート状止血材に用いられる材料としては、代表的には、動物性タンパク質由来の材料(動物性材料)、多糖類由来の材料(多糖類材料)、合成高分子由来の材料(高分子材料)等が挙げられる。動物性材料としては、代表的にはフィブリン、コラーゲン等が挙げられ、多糖類材料としては、代表的にはセルロース系、デンプン系等が挙げられ、高分子材料としては、ポリアクリル酸系等が知られている。
市販されている代表的なシート状止血材としては、動物性材料を用いた「タコシール」(登録商標、CSLベーリング株式会社)、並びに、多糖類材料を用いた「サージセル」(登録商標、ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社)が知られている。タコシールは、ヒト由来のフィブリノゲンおよびトロンビンを含む、やや固めのスポンジ状シートであり、接着力が高く、止血性能に優れる。サージセルは、木材パルプに由来する再生酸化セルロース製であり、ガーゼタイプ、綿タイプ、ニットタイプ(ニューニット)がある。特にニットタイプは、シート状止血材として好適に用いられている。
さらに、最近では、特許文献1または2に開示されるように、シート状止血材の柔軟性を向上させることも提案されている。これら特許文献に記載されるシート状止血材は、ポリ乳酸等の生分解性ポリマー繊維からなる繊維成形体に、フィブリノゲンが固定化されたシートと、同じく生分解性ポリマー繊維からなる繊維成形に、トロンビンが固定化されたシートからなっている。フィブリノゲンおよびトロンビンをそれぞれ別の繊維成形体に担持することで、止血性の向上が図られている。また、繊維成形体の嵩密度の疎密を変化させたり(特許文献1)、嵩密度の異なる繊維構造体層を複合化して繊維成形体を形成したり(特許文献2)することで、基材である繊維成形体の柔軟性を向上している。
ところで最近では、腹腔鏡下手術に際しての止血処置に、シート状止血材の使用が検討されている。しかしながら、従来のシート状止血材は、腹腔鏡下手術に用いるには、その柔軟性または取扱性(もしくはその両方)が十分ではなかった。
腹腔鏡下手術では、まず、トロッカーと呼ばれる筒状部を有する器具を先に腹部に挿入し、このトロッカーに腹腔鏡および手術器具を挿入する。腹腔鏡で撮影された術野(手術する箇所)はモニターに拡大して表示されるので、術者はモニターを観察しながら手術器具を駆使して手術を行う。トロッカーの内径は、通常、5〜12mm程度であるため、シート状止血材は、このような小さな穴に挿入できるように、折り畳んだり丸めたりできる程度の柔軟性が要求される。また、腹腔鏡下手術に用いられる手術器具は、トロッカーを介して腹腔内の小さな空間で操作されることになる。そのため、シート状止血材には、良好な取扱性も要求される。
前述したタコシールは、良好な止血性能を有しているものの、前記の通りやや固いスポンジ状であるため、トロッカー内に挿入できるような柔軟性がない。また、タコシールとともに特許文献1および2に開示されるシート状止血材は、いずれもフィブリノゲンを含んでいる。フィブリノゲンは、トロンビンの作用によりフィブリンとなり、このフィブリンが生化学的に反応して止血が実現される。そのため、フィブリノゲンを含むシート状止血材は、腹腔内で一度貼り付ければ強固に固定されてしまい、剥離して貼り直すことが困難となる。腹腔鏡下手術においては、トロッカーを介して手術器具を駆使することで手術を行う必要があるため、術者自身の手で行う通常の手術とは異なり、適切な位置に止血材を貼り付けられない場合も多い。したがって、フィブリノゲン系のシート状止血材は、腹腔鏡下手術に用いる際に、十分な取扱性を有しているとは言い難い。
ここで、前述したサージセルニューニットは、酸化セルロース系のシート状止血材であり、タコシールに比べて柔軟性があり、また、フィブリノゲンを用いていないので強固に貼り付けられることがない。しかしながら、サージセルは、血液と接触してゼラチン状の凝血塊を形成することにより、止血を実現している。そのため、止血部位に貼り付けた後には凝血塊が形成されるまで数分間押えている必要がある。それゆえ、サージセルニューニットも、腹腔鏡下手術に用いるために十分な取扱性を有しているとは言い難い。
また、フィブリノゲン系のシート状止血材は、ヒト由来成分を用いた製剤(血液製剤)であるため、感染症等のリスクが生じる。そのため、使用に際しては、被使用者(患者)との間でヒト由来製剤(血液製剤)であることのリスク説明および同意書を取り交わす必要がある。さらに、フィブリノゲンは反応性のタンパク質であり、トロンビンは酵素であるため、タコシールの場合では、10℃以下の低温保存が必要となる。サージセルは、主成分が酸化セルロースであるが、25℃以下での保存が必要となっている。それゆえ、従来の市販されているシート状止血材は、いずれも輸送および保存に制約が生じるという点で、十分な取扱性を有しているとは言い難い。
本発明はこのような課題を解決するためになされたものであって、シート状止血材において、フィブリノゲンを用いる必要なしに良好な止血性能を実現し、さらに、良好な柔軟性および取扱性を実現することを目的とする。
本発明に係るシート状止血材は、前記の課題を解決するために、少なくともポリ−γ−グルタミン酸で構成され、さらに糖類が添加されたシートを接着層として備える構成である。
前記構成によれば、接着層が、ポリ−γ−グルタミン酸(γ−PGA)を主成分として糖類が添加されたシートにより構成されている。実質的にγ−PGAのみで構成されるγ−PGAシートは柔軟性を有さず、変形させようとすると破損してしまうが、糖類を含むγ−PGAシートは良好な柔軟性を発揮することができる。それゆえ、接着層のγ−PGAにより、フィブリノゲン等の動物性材料を用いることなく、生体組織に対する良好な接着性と良好な止血性能とを実現することができるとともに、シート状止血材を丸めたり折り曲げたりしても、接着層の破損を有効に抑制することができる。
さらに、γ−PGAは、生化学的な反応を伴うことなしに良好な接着性を有しているので、従来のシート状止血材に比べて生体組織への貼り直しが可能になる。また、接着層がγ−PGAであるため、従来のシート状止血材に比べて室温で長期間の保存が可能となる。つまり、前記構成によれば、良好な柔軟性、貼り直し、および室温保存という特性を有しているので、良好な取扱性を実現することができる。
前記構成のシート状止血材においては、前記糖類は、単糖、オリゴ糖、および多糖の少なくともいずれかである構成であってもよい。
また、前記構成のシート状止血材においては、前記糖類は、前記シートの全重量に対して10〜90重量%の範囲内となるように添加されている構成であってもよい。
また、前記構成のシート状止血材においては、さらに、前記シートにコラーゲンが添加されている構成であってもよい。
さらに、本発明には、少なくともポリ−γ−グルタミン酸で構成され、さらにコラーゲンが添加されたシートを接着層として備える構成のシート状止血材も含まれる。
また、本発明に係るシート状止血材の製造方法は、前記の課題を解決するために、ポリ−γ−グルタミン酸に糖類およびコラーゲンの少なくとも一方を添加してシート状に成形することにより、接着層を形成する工程を含む構成である。
本発明では、以上の構成により、シート状止血材において、フィブリノゲンを用いる必要なしに良好な止血性能を実現することができ、さらに、良好な柔軟性および取扱性を実現することができる、という効果を奏する。
本発明に係るシート状止血材は、少なくともポリ−γ−グルタミン酸で構成され、さらに糖類が添加されたシートを接着層として備える構成である。以下、本発明の代表的な実施の形態を具体的に説明する。
[シート状止血材]
本発明に係るシート状止血材は、前記の通り、ポリ−γ−グルタミン酸(γ−PGA)を主成分とし、糖類が添加されたγ−PGAシート(糖類添加γ−PGAシート)を接着層として備えていればよい。糖類をγ−PGAに添加してシート化することにより、生体組織への接着性を損なうことなく、γ−PGAシートに柔軟性を付与することができる(後述する実施例参照)。
本発明に係るシート状止血材は、前記の通り、ポリ−γ−グルタミン酸(γ−PGA)を主成分とし、糖類が添加されたγ−PGAシート(糖類添加γ−PGAシート)を接着層として備えていればよい。糖類をγ−PGAに添加してシート化することにより、生体組織への接着性を損なうことなく、γ−PGAシートに柔軟性を付与することができる(後述する実施例参照)。
シート状止血材は、糖類添加γ−PGAシートのみで構成される単層シートであればよいが、必要に応じて、他の層が積層された2層以上の多層構造シートであってもよい。他の層としては、例えば、シート状止血材の強度を向上させる強化層、糖類添加γ−PGAシートの一方の面を被覆することにより、他方の面のみを接着面(貼付面)とする被覆層等が挙げられるが特に限定されない。
他の層は、γ−PGAと同様に、生体適合性および生体分解性を有していればよく、その具体的な材質は特に限定されない。代表的な他の層としては、例えば被覆層であれば架橋コラーゲン(C−Col)を挙げることができる。また、他の層を積層する方法も特に限定されず、公知の方法を好適に用いることができる。
本発明に係るシート状止血材の大きさおよび厚さについても特に限定されず、シート状止血材の使用条件等に応じて適宜設定することができる。本発明に係るシート状止血材は、腹腔鏡下手術に好適に用いることができるが、この場合には、トロッカー通過性も考慮して縦横数cm程度の大きさを有していればよい。また、腹腔鏡下手術以外の手術に用いる場合、もしくは、外傷の応急的な止血時等には、前述した縦横数cm程度よりも大きいものを用いることができる。
本発明に係るシート状止血材は、接着層が糖類添加γ−PGAシートにより構成されているため、室温で保存することが可能である。ここでいう室温は、日本薬局方で適宜される1〜30℃の範囲内を差す。シート状止血材において止血性能を示す接着層(糖類添加γ−PGAシート)は、γ−PGAを主成分とし糖類を副成分とするが、γ−PGAも糖類も室温の範囲内でも安定して保存することができる。当然のことながら、必要に応じて低温で安定に保存することも可能である。
なお、フィブリノゲン系のシート状止血材、例えば、タコシール(登録商標)は10℃以下の低温保存が必要となる。また、酸化セルロース系のシート状止血材、例えば、サージセル(登録商標)ニューニットは25℃以下での保存が必要となっている。常温は15〜25℃の範囲内であるが、夏季には、通常、気温が25℃を超えることが多い。それゆえ、25℃以下で保存が必要であるということは、室温での保存は、実質的に困難であることを意味する。
本発明に係るシート状止血材の製造方法は特に限定されず、γ−PGAに少なくとも糖類を添加してシート状に成形する(糖類添加γ−PGAシートを成形する)ことにより、接着層を形成する工程を含む製造方法であればよい。接着層以外に他の層を備える場合には、接着層となる糖類添加γ−PGAシートと他の層となるシートとを積層して、圧着等の公知の手法により固着すればよい。γ−PGAに糖類を添加する方法、並びに、糖類を添加したγ−PGAをシート状に成形する方法も特に限定されず、公知の方法を好適に用いることができる。
また、本発明に係るシート状止血材は、少なくとも接着層を備えていればよく、この接着層は、糖類添加γ−PGAシートは、少なくともγ−PGAおよび糖類で構成されるγ−PGA組成物を成形することにより得られるシートである。それゆえ、本発明に係るシート状止血材の製造方法は、γ−PGA組成物を調製してシート状に成形する方法であるということもできる。つまり、本発明では、γ−PGA組成物をシート状に成形することで、シート状止血材を容易に製造することができるので、複雑な製造過程を経ることがない。また、例えばキャスト法でγ−PGA組成物をシート状に成形するのであれば、液状のγ−PGA組成物の液量を調整するだけで糖類添加γ−PGAシートの厚さを制御することが可能となる。
[ポリ−γ−グルタミン酸]
接着層である糖類添加γ−PGAシートは、γ−PGAを主成分とし糖類を副成分とするものであればよい。接着層に用いられるγ−PGAは、グルタミン酸がγ位のカルボキシル基とα位のアミノ基とでペプチド結合し、直鎖状に連なったポリマーおよびその塩が含まれる。γ−PGAの塩の例としては、ポリ−γ−グルタミン酸ナトリウムが挙げられる。本実施の形態において用いる「ポリ−γ−グルタミン酸(γ−PGA)」という用語には、基本的に「ポリ−γ−グルタミン酸および/またはその塩」を含むものとする。
接着層である糖類添加γ−PGAシートは、γ−PGAを主成分とし糖類を副成分とするものであればよい。接着層に用いられるγ−PGAは、グルタミン酸がγ位のカルボキシル基とα位のアミノ基とでペプチド結合し、直鎖状に連なったポリマーおよびその塩が含まれる。γ−PGAの塩の例としては、ポリ−γ−グルタミン酸ナトリウムが挙げられる。本実施の形態において用いる「ポリ−γ−グルタミン酸(γ−PGA)」という用語には、基本的に「ポリ−γ−グルタミン酸および/またはその塩」を含むものとする。
接着層として用いられるγ−PGAとしては、具体的には特に限定されないが、例えば、特定の範囲内の分子量を有するものを好適に用いることができる。γ−PGAの好ましい分子量の範囲としては、重量平均分子量Mwが20万〜1300万の範囲内を挙げることができ、より好ましくは30万〜1000万の範囲内を挙げることができる。γ−PGAの重量平均分子量Mwが下限の20万を下回れば(20万未満であれば)、接着層もしくはシート状止血材の構成にもよるが、貼付面における良好な接着性を実現できない可能性がある。なお、γ−PGAの重量平均分子量Mwの上限は特に限定されないものの、通常、1300万以下となる。これは、従来公知の製造方法では、重量平均分子量Mwが1300万を超えるものを製造することが困難であると考えられているためである。
また、接着層として用いられるγ−PGAとしては、その動粘度νが特定の範囲内にあるものを好適に用いることができる。γ−PGAの好ましい動粘度νとしては、0.05質量%の濃度で蒸留水に溶解させた際の37℃での動粘度νが、例えば2cSt〜15cStの範囲内を挙げることができ、より好ましくは2.5cSt〜8cStの範囲内を挙げることができる。γ−PGAの動粘度νが下限の2cStを下回れば(2cSt未満であれば)、接着層もしくはシート状止血材の構成にもよるが、貼付面における良好な接着性を実現できない可能性がある。なお、γ−PGAの動粘度νの上限は特に限定されないものの、通常、15cSt以下となる。これは、従来公知の製造方法では、動粘度νが15cStを超えるものを製造することが困難であると考えられているためである。
本発明で接着層に用いられるγ−PGAは、その重量平均分子量Mwが前述した範囲内にあるか、または、その動粘度νが、前述した所定条件における動粘度の範囲内にあるか、もしくは、重量平均分子量Mwおよび動粘度νの双方が前述した範囲内にあればよい。もちろん、接着層もしくはシート状止血材の構成または使用条件等によっては、γ−PGAの重量平均分子量Mwおよび動粘度νの少なくとも一方が前述した範囲内から外れてもよいことは言うまでもない。
このようなγ−PGAの入手方法は特に限定されない。例えば、前述した重量平均分子量Mwおよび動粘度νの少なくとも一方を満たすγ−PGAは、食品添加物等として市販されており、生体(人体を含む)に対する安全性は十分に確保されている。また、例えば、バチルス・スブチリス等のバチルス属由来の微生物を用いた公知の方法によりγ−PGAを容易に生産することができる。
[糖類およびその他の成分]
糖類添加γ−PGAシートに含まれる糖類は、カルボニル基を有する多価アルコール(単糖)、もしくは、その重合体(オリゴ糖または多糖)であればよい。単糖、オリゴ糖、多糖の具体的な種類は特に限定されず、公知の化合物を好適に用いることができる。特に、本発明では、シート状止血材は、生体内に導入して生体組織等に貼り付けて用いられるので、糖類についても、生体に不適合な性質を有するものでない限り、γ−PGAに添加することができる。
糖類添加γ−PGAシートに含まれる糖類は、カルボニル基を有する多価アルコール(単糖)、もしくは、その重合体(オリゴ糖または多糖)であればよい。単糖、オリゴ糖、多糖の具体的な種類は特に限定されず、公知の化合物を好適に用いることができる。特に、本発明では、シート状止血材は、生体内に導入して生体組織等に貼り付けて用いられるので、糖類についても、生体に不適合な性質を有するものでない限り、γ−PGAに添加することができる。
具体的には、単糖としては、例えば、グルコース、ガラクトース、フルクトース、マンノース等のヘキソース(六炭糖);アラビオース、キシロース、リボース等のペントース(五炭糖);グルコサミン、ガラクトサミン、N−アセチルグルコサミン、N−アセチルガラクトサミン、シアル酸等のアミノ糖もしくはその誘導体;ソルビトール、キシリトール等の糖アルコール;等を挙げることができる。
また、オリゴ糖としては、例えば、トレハロース、マルトース、スクロース、ラクトース、メリビオース等の二糖;ラフィノース等の三糖;スタキオース等の四糖;等が挙げられる。
また、多糖としては、例えば、アミロース、アミロペクチン、デキストラン、デキストリン、イコデキストリン等のグルカン;グリコサミノグリカン類として、ヒアルロン酸、アルギン酸、ヘパラン硫酸、コンドロイチン硫酸、コンドロイチン、デルマタン硫酸、ケラト硫酸、ヘパリン等のグリコサミノグリカン;アルギン酸およびその塩、イヌリン、カルボキシメチルセルロース、ペクチン、キチン、キトサン、カラギーナン、フコイダン等の食物繊維系の非グルカン系多糖類;等が挙げられる。
これら単糖、オリゴ糖、多糖は、いずれも1種類のみが糖類添加γ−PGAシートに添加されてもよいし、複数種類が適宜組み合わせられて糖類添加γ−PGAシートに添加されてもよい。ここでいう複数種類は、単糖同士、オリゴ糖同士、多糖同士の組合せであってもよいし、単糖およびオリゴ糖、単糖および多糖、オリゴ糖および多糖の組合せであってもよい。
これら糖類の添加量は特に限定されないが、一般的には、糖類添加γ−PGAシートの全重量に対して10〜90重量%の範囲内であればよい。糖類の添加量が10重量%未満であれば、糖類の種類もしくはγ−PGAの条件(分子量等)にもよるが、糖類添加γ−PGAシートの柔軟性が十分得られず、反ったり破損したりするおそれがある。また、糖類の添加量が90重量%を超えれば、糖類の種類もしくはγ−PGAの条件(分子量等)にもよるが、糖類添加γ−PGAシートの接着性(接着層としての機能)が十分に得られないおそれがある。
さらに、糖類添加γ−PGAシートには、γ−PGAおよび糖類以外に他の成分が含まれてもよい。γ−PGA以外の成分(他の成分)としては、生体適合性および生体分解性を有し、γ−PGAに配合したときに糖類添加γ−PGAシートの接着性を妨げず、かつ、糖類の添加による糖類添加γ−PGAシートの柔軟性を妨げないものであればよい。具体的には、例えば、他の成分としては、コラーゲン、グリセリン、ポリエチレングリコール、公知の添加剤(色素等)等を挙げることができるが、特に限定されない。これら他の成分は1種類のみであってもよいし、2種類以上を適宜組み合わせて用いてもよい。また、他の成分の添加量も特に限定されず、糖類添加γ−PGAシートの接着性および柔軟性を妨げない範囲内であればよい。
本発明に係るシート状止血材の取扱性を向上させる観点では、前述した他の成分の中でも特にコラーゲンが好ましい。糖類添加γ−PGAシートにコラーゲンを添加することにより、当該糖類添加γ−PGAシート(接着層)を丸めたり折り曲げたりして変形させても破損を有効に抑制することができる。しかも、コラーゲンを添加した糖類添加γ−PGAシート(接着層)は、変形させても元の形状に復元されやすくなる。
それゆえ、本発明に係るシート状止血材が、コラーゲンを添加した糖類添加γ−PGAシートを接着層として備えていれば、例えば、腹腔鏡下手術を行う際に平面状のシート状止血材を丸めてトロッカーに挿入しても、トロッカーを通過した後には、シート状止血材は元の平面形状に容易に復元される。したがって、シート状止血材を所望の形状に変形させた後に物理的な力を加えて元の形状に戻す作業が最小限に抑えられるので、シート状止血材の取扱性を格段に向上することができる。
なお、本発明に係るシート状止血材は、その取扱性の向上に着目した場合には、接着層として、コラーゲンのみを添加し糖類を添加しないγ−PGAシート(コラーゲン添加γ−PGAシート)を備える構成であってもよい。つまり、本発明には、少なくともポリ−γ−グルタミン酸で構成され、さらにコラーゲンが添加されたシートを接着層として備える構成のシート状止血材も含まれる。
ここで、コラーゲン添加γ−PGAシートの製造方法、並びに、コラーゲン添加γ−PGAシートを接着層として備えるシート状止血材の製造方法は、糖類添加γ−PGAシートの製造方法と同様であるため、その具体的な説明は省略する。例えば、コラーゲンの添加量は特に限定されないものの、糖類添加γ−PGAシートに対する糖類の添加量と同様に、コラーゲン添加γ−PGAシートの全重量に対して10〜90重量%の範囲内であればよい。
このように、本発明に係るシート状止血材は、その接着層が、γ−PGAを主成分として糖類が添加された糖類添加γ−PGAシートにより構成されている。実質的にγ−PGAのみで構成されるγ−PGAシートは柔軟性を有さず、変形させようとすると破損してしまうが、糖類を含むγ−PGAシートは良好な柔軟性を発揮することができる。
それゆえ、接着層のγ−PGAにより、フィブリノゲン等の動物性材料を用いることなく、生体組織に対する良好な接着性と良好な止血性能とを実現することができるとともに、シート状止血材を丸めたり折り曲げたりしても、接着層の破損を有効に抑制することができる。さらに、γ−PGAは、生化学的な反応を伴うことなしに良好な接着性を有しているので、従来のシート状止血材に比べて生体組織への貼り直しが可能になる。また、接着層がγ−PGAであるため、従来のシート状止血材に比べて室温で長期間の保存が可能となる。
また、本発明に係る他のシート状止血材は、その接着層が、γ−PGAを主成分としてコラーゲンが添加されたコラーゲン添加γ−PGAシートにより構成されてもよい。これにより、シート状止血材の取扱性を向上することができる。もちろん、本発明に係るシート状止血材は、その接着層が、γ−PGAを主成分として、糖類およびコラーゲンの双方が添加されたγ−PGAシートであってもよいことは言うまでもない。
本発明について、実施例および比較例に基づいてより具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。当業者は本発明の範囲を逸脱することなく、種々の変更、修正、および改変を行うことができる。なお、以下の実施例および比較例におけるシート状止血材の評価は次に示すようにして行った。
(シート状態の評価)
実施例または比較例で作製されたシート状止血材(糖類添加γ−PGAシートまたはγ−PGAシート)について、目視により反り等を確認するとともに折り曲げを試みた。
実施例または比較例で作製されたシート状止血材(糖類添加γ−PGAシートまたはγ−PGAシート)について、目視により反り等を確認するとともに折り曲げを試みた。
(トロッカー通過性の評価)
実施例または比較例で3.0cm×2.5cmのシート状止血材(糖類添加γ−PGAシートまたはγ−PGAシート)を作製し、これをロール状に丸め、直径5mmのトロッカー(コヴィディエンジャパン株式会社製、製品名ステップシステム バーサステップ 5MM)に通過できるか否かを評価した。
実施例または比較例で3.0cm×2.5cmのシート状止血材(糖類添加γ−PGAシートまたはγ−PGAシート)を作製し、これをロール状に丸め、直径5mmのトロッカー(コヴィディエンジャパン株式会社製、製品名ステップシステム バーサステップ 5MM)に通過できるか否かを評価した。
(実施例1)
1重量%γ−PGA溶液に対してグルコース(Glu )を添加することにより、1重量%γ−PGAおよび1重量%グルコースのγ−PGA−糖溶液(1%γ−PGA1% Glu溶液)を調製した。このγ−PGA−糖溶液を、基材であるステンレス板上に展開して乾燥すること(キャスト法)により、本実施例1に係るシート状止血材である糖類添加γ−PGAシート(γ−PGA50重量%、 Glu50重量%)を得た。
1重量%γ−PGA溶液に対してグルコース(Glu )を添加することにより、1重量%γ−PGAおよび1重量%グルコースのγ−PGA−糖溶液(1%γ−PGA1% Glu溶液)を調製した。このγ−PGA−糖溶液を、基材であるステンレス板上に展開して乾燥すること(キャスト法)により、本実施例1に係るシート状止血材である糖類添加γ−PGAシート(γ−PGA50重量%、 Glu50重量%)を得た。
この糖類添加γ−PGAシートについて、前述した方法によりシート状態およびトロッカー通過性をそれぞれ評価した。シート状態の結果を表1に、トロッカー通過性の結果を表2に示す。
(実施例2)
1重量%γ−PGA溶液に対して2重量%となるようにグルコースを添加することにより、1重量%γ−PGAおよび2重量%グルコースのγ−PGA−糖溶液(1%γ−PGA2% Glu溶液)を調製した以外は、前記実施例1と同様にして本実施例2に係るシート状止血材である糖類添加γ−PGAシート(γ−PGA33.3重量%、 Glu66.7重量%)を作製した。
1重量%γ−PGA溶液に対して2重量%となるようにグルコースを添加することにより、1重量%γ−PGAおよび2重量%グルコースのγ−PGA−糖溶液(1%γ−PGA2% Glu溶液)を調製した以外は、前記実施例1と同様にして本実施例2に係るシート状止血材である糖類添加γ−PGAシート(γ−PGA33.3重量%、 Glu66.7重量%)を作製した。
この糖類添加γ−PGAシートについて、前述した方法によりシート状態およびトロッカー通過性をそれぞれ評価した。シート状態の結果を表1に、トロッカー通過性の結果を表2に示す。
(実施例3)
1重量%γ−PGA溶液に対して1重量%となるようにスクロース(Suc )を添加することにより、1重量%γ−PGAおよび1重量%スクロースのγ−PGA−糖溶液(1%γ−PGA1% Suc溶液)を調製した以外は、前記実施例1と同様にして本実施例3に係るシート状止血材である糖類添加γ−PGAシート(γ−PGA50重量%、Suc 50重量%)を作製した。
1重量%γ−PGA溶液に対して1重量%となるようにスクロース(Suc )を添加することにより、1重量%γ−PGAおよび1重量%スクロースのγ−PGA−糖溶液(1%γ−PGA1% Suc溶液)を調製した以外は、前記実施例1と同様にして本実施例3に係るシート状止血材である糖類添加γ−PGAシート(γ−PGA50重量%、Suc 50重量%)を作製した。
この糖類添加γ−PGAシートについて、前述した方法によりシート状態およびトロッカー通過性をそれぞれ評価した。シート状態の結果を表1に、トロッカー通過性の結果を表2に示す。
(実施例4)
1重量%γ−PGA溶液に対して1重量%のヒアルロン酸(HA)を添加することにより、1重量%γ−PGAおよび1重量%ヒアルロン酸のγ−PGA−糖溶液(1%γ−PGA1%HA溶液)を調製した以外は、前記実施例1と同様にして本実施例4に係るシート状止血材である糖類添加γ−PGAシート(γ−PGA50重量%、HA50重量%)を作製した。
1重量%γ−PGA溶液に対して1重量%のヒアルロン酸(HA)を添加することにより、1重量%γ−PGAおよび1重量%ヒアルロン酸のγ−PGA−糖溶液(1%γ−PGA1%HA溶液)を調製した以外は、前記実施例1と同様にして本実施例4に係るシート状止血材である糖類添加γ−PGAシート(γ−PGA50重量%、HA50重量%)を作製した。
この糖類添加γ−PGAシートについて、前述した方法によりシート状態およびトロッカー通過性をそれぞれ評価した。シート状態の結果を表1に、トロッカー通過性の結果を表2に示す。
(実施例5)
γ−PGA60重量%、HA40重量%となるようにγ−PGA−HA水溶液を調製し、矩形状の金属製容器中に所定量充填し、−20℃で約12時間凍結した。得られた凍結物を凍結乾燥機(東京理化器械株式会社製、製品名FDU−2100)中において、約24時間、減圧下(約13Pa(1Torr)以下)で凍結乾燥した。これにより、スポンジ状シートとして構成される糖類添加γ−PGAシートを作製した。この糖類添加γ−PGAシートの一面に被覆層として架橋コラーゲン(C−Col)シートを積層して圧着した。なお、糖類添加γ−PGAシートと架橋コラーゲンシートとの重量比は70:30とした。これにより、本実施例5に係る二層構造のシート状止血材を作製した。
γ−PGA60重量%、HA40重量%となるようにγ−PGA−HA水溶液を調製し、矩形状の金属製容器中に所定量充填し、−20℃で約12時間凍結した。得られた凍結物を凍結乾燥機(東京理化器械株式会社製、製品名FDU−2100)中において、約24時間、減圧下(約13Pa(1Torr)以下)で凍結乾燥した。これにより、スポンジ状シートとして構成される糖類添加γ−PGAシートを作製した。この糖類添加γ−PGAシートの一面に被覆層として架橋コラーゲン(C−Col)シートを積層して圧着した。なお、糖類添加γ−PGAシートと架橋コラーゲンシートとの重量比は70:30とした。これにより、本実施例5に係る二層構造のシート状止血材を作製した。
このシート状止血材を用いて動物実験により接着性および止血性能を確認した。実験動物としてブタを用い、このブタの胸部を持続麻酔下で切開し、心臓を露出させた。そして、心筋部分を一部切開して出血させ、本実施例5に係るシート状止血材を貼り付けるとともに、その後の出血の状況を確認した。
(比較例1)
γ−PGA−糖溶液ではなく1重量%γ−PGA溶液を用いた以外は、前記実施例1と同様にして本比較例1に係るシート状止血材であるγ−PGAシート(γ−PGA100重量%)を作製した。このγ−PGAシートについて、前述した方法によりシート状態およびトロッカー通過性をそれぞれ評価した。シート状態の結果を表1に、トロッカー通過性の結果を表2に示す。
γ−PGA−糖溶液ではなく1重量%γ−PGA溶液を用いた以外は、前記実施例1と同様にして本比較例1に係るシート状止血材であるγ−PGAシート(γ−PGA100重量%)を作製した。このγ−PGAシートについて、前述した方法によりシート状態およびトロッカー通過性をそれぞれ評価した。シート状態の結果を表1に、トロッカー通過性の結果を表2に示す。
(比較例2)
比較例2に係るシート状止血材として、3.0cm×2.5cmのタコシール(登録商標、CSLベーリング株式会社)を用いて、前述したようにトロッカー通過性を評価した。その結果を表2に示す。
比較例2に係るシート状止血材として、3.0cm×2.5cmのタコシール(登録商標、CSLベーリング株式会社)を用いて、前述したようにトロッカー通過性を評価した。その結果を表2に示す。
(実施例および比較例の比較)
表1から明らかなように、実施例1〜4に係るシート状止血材であれば、反りおよび折曲時の割れが無く、良好な柔軟性を有していた。これに対して、比較例1に係るシート状止血材では、反りも割れも生じた。したがって、単糖(グルコース)、オリゴ糖(スクロース)、および多糖(ヒアルロン酸)のいずれの糖類であっても、γ−PGAに添加してシート(シート)を形成することにより、当該シートに柔軟性を付与することができる。また、実施例5の結果、本発明に係る糖類添加γ−PGAシートであれば、生体組織に貼り付けて軽く押えるだけで、良好な接着性および止血性能が実現できることが確認された。
表1から明らかなように、実施例1〜4に係るシート状止血材であれば、反りおよび折曲時の割れが無く、良好な柔軟性を有していた。これに対して、比較例1に係るシート状止血材では、反りも割れも生じた。したがって、単糖(グルコース)、オリゴ糖(スクロース)、および多糖(ヒアルロン酸)のいずれの糖類であっても、γ−PGAに添加してシート(シート)を形成することにより、当該シートに柔軟性を付与することができる。また、実施例5の結果、本発明に係る糖類添加γ−PGAシートであれば、生体組織に貼り付けて軽く押えるだけで、良好な接着性および止血性能が実現できることが確認された。
さらに、表2から明らかなように、実施例1〜4に係るシート状止血材であれば、例えばロール状にすることでトロッカーを容易に通過できることがわかる。一方、糖類を添加しないγ−PGAシート(比較例1)は、柔軟性がなく折り曲げると割れてしまい、ロール状にできなかった。また、タコシール(比較例2)では、潰したロール状とすることでかろうじてトロッカーを通過できるものの破損してしまった。
このように、本発明に係るシート状止血材は、従来のものに比べて、フィブリノゲンを用いることなく止血性能および接着性能に優れるとともに、良好な柔軟性および取扱性を実現することができる。
なお、本発明は前記実施の形態の記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示した範囲内で種々の変更が可能であり、異なる実施の形態や複数の変形例にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施の形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は、シート状止血材およびその製造方法の分野に広く好適に用いることができる。
Claims (6)
- 少なくともポリ−γ−グルタミン酸で構成され、さらに糖類が添加されたシートを接着層として備えることを特徴とする、
シート状止血材。 - 前記糖類は、単糖、オリゴ糖、および多糖の少なくともいずれかであることを特徴とする、
請求項1に記載のシート状止血材。 - 前記糖類は、前記シートの全重量に対して10〜90重量%の範囲内となるように添加されていることを特徴とする、
請求項1または2に記載のシート状止血材。 - さらに、前記シートにコラーゲンが添加されていることを特徴とする、
請求項1から3のいずれか1項に記載のシート状止血材。 - 少なくともポリ−γ−グルタミン酸で構成され、さらにコラーゲンが添加されたシートを接着層として備えることを特徴とする、
シート状止血材。 - ポリ−γ−グルタミン酸に糖類およびコラーゲンの少なくとも一方を添加してシート状に成形することにより、接着層を形成する工程を含むことを特徴とする、
シート状止血材の製造方法。
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-
2016
- 2016-04-20 JP JP2016084552A patent/JP2017192560A/ja active Pending
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KR20210096204A (ko) | 2018-12-14 | 2021-08-04 | 가부시끼가이샤 비엠지 | 2반응제형의 시트형 조직 접착 보강재 |
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