JP7320078B2 - バイオセルロース繊維、それを含む止血用被覆材及び関連応用 - Google Patents
バイオセルロース繊維、それを含む止血用被覆材及び関連応用 Download PDFInfo
- Publication number
- JP7320078B2 JP7320078B2 JP2021564853A JP2021564853A JP7320078B2 JP 7320078 B2 JP7320078 B2 JP 7320078B2 JP 2021564853 A JP2021564853 A JP 2021564853A JP 2021564853 A JP2021564853 A JP 2021564853A JP 7320078 B2 JP7320078 B2 JP 7320078B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- biocellulose
- hours
- fiber
- based compound
- aluminum
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08B—POLYSACCHARIDES; DERIVATIVES THEREOF
- C08B15/00—Preparation of other cellulose derivatives or modified cellulose, e.g. complexes
- C08B15/02—Oxycellulose; Hydrocellulose; Cellulosehydrate, e.g. microcrystalline cellulose
- C08B15/04—Carboxycellulose, e.g. prepared by oxidation with nitrogen dioxide
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Biochemistry (AREA)
- Materials Engineering (AREA)
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Medicinal Chemistry (AREA)
- Polymers & Plastics (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Materials For Medical Uses (AREA)
- Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
Description
(1)多孔質ゼオライト材料は多孔質ゼオライトからなり、いかなる生体成分も添加されていないため、種間疾患伝播やアレルギーを回避できる。このような粉末を出血点に直接に施した後、一層の止血痂が傷口の表面に迅速に形成され、内部血液の溢出が阻止される。しかし、多孔質ゼオライトは、血液中の水分を吸収して大量に熱を放出するため、傷口の炎症につながる。そのため、止血過程における傷口へのダメージを低減するように、多孔質ゼオライト材料の発熱を制御する必要がある。そして、ゼオライト止血用パックの使用時、ゼオライト粒子が創傷面に残存し、分解もしないので、異物反応を起こしやすい。
(2)アメリカMedafor社製のTrauma DEXは、じゃがいもの澱粉を基材としたスポンジ状多糖系止血用材料である。このようなスポンジ状材料は出血点において血液中の水分を大量に吸収し、血小板と血液タンパク質の迅速な凝集を促進することにより、止血の目的を実現することができる。ただし、この材料は小さな創傷にしか適用できず、止血過程において温度上昇の現象を伴う。
(3)キトサンは、主にエビやカニの殻から抽出された、正帯電した多糖系止血用材料であり、負帯電した血球を吸引して血液凝固を促進することができる。また、血液と接した後、粘性があり、傷口にしっかりと粘着できる。キトサン特有の止血、製菌、生体相容性、傷口癒合の促進及びゲルを形成しやすい性質から、止血用材料としての良好性能が与えられている。ただし、キトサン材料の自身は溶解性が劣り、力学的性能を増強する余地がある。
(4)フィブリン被覆材の有効成分は、フィブリノーゲン粉末、トロンビンとカルシウムイオン等である。このような被覆材は人体に吸收される。その止血メカニズムは、血漿中の凝血タンパク質が溶解して、フィブリノーゲンとトロンビンの酵素反応で形成されたフィブリン層を損傷組織にしっかりと粘着させることを含む。一方、該材料は脆くて柔軟性に劣り、折れやすいため、その応用が大きく制限されている。
細菌発酵で得られたセルロースを、10~20wt%の水酸化ナトリウム溶液で10~30分間高温蒸煮すること、
直径20~50nm、長さ30~100μmの繊維を製造するように機械的に均質化すること、
を含む、上記バイオセルロース繊維の製造方法も提供する。
水1リットルごとに添加されるバイオセルロース繊維、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、ケイ素系化合物の対応するモル比が(0.001~0.2):(0.01~1):1となるように、本発明のバイオセルロース繊維、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、ケイ素系化合物を水と混合して、混合液を得ることと、
アルミニウム系化合物とケイ素系化合物とのモル比が(0.05~0.1):1となるように、上記混合液にアルミニウム系化合物を添加し、5時間~8時間ゆっくり撹拌して、混合ゲルを得ることと、
上記混合ゲルを5℃/分~10℃/分の昇温速度で170℃~175℃までゆっくり加熱し、6時間~24時間定温させることと、
上記得られたサンプルを脱イオン水で洗浄して、乾燥後、550℃~600℃まで加熱して炭化処理を行い、5時間~8時間定温させた後、冷却することでゼオライトモレキュラーシーブとバイオセルロース系ナノ炭素繊維複合材料を得ることと、
上記複合材料をバイオセルロース繊維、キトサン水溶液と混合させて、冷凍乾燥、滅菌(通常の滅菌でもよく、例えば、高圧蒸気滅菌または放射線照射滅菌でもよい)を経て、止血用被覆材を得ることと、
を含む、止血用被覆材の製造方法も提供する。本発明の止血用被覆材は、必要に応じて、カット(通常は滅菌前に行う)や包装されても良い。
本実施例の止血用被覆材の製造方法は、以下の通りである。
(1)バイオセルロース繊維、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、ケイ素系化合物を水と混合し、混合液を得た。但し、水1リットルに添加された、バイオセルロース繊維、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、ケイ素系化合物がそれらの対応モル比で0.001:0.01:1であった。その中、バイオセルロース繊維は、アセトバクターキシリナムとリゾビウムとを発酵させて得られたバイオセルロースを10wt%の水酸化ナトリウム溶液で10分間高温蒸煮処理した後、機械的に均質化させて得られたナノ繊維の直径20nm、長さ30μmのセルロース繊維であった。ケイ素系化合物とは、シリカゲルであった。
(2)アルミニウム系化合物とケイ素系化合物がモル比で0.05:1となるように上述混合液にアルミン酸ナトリウムを添加し、5時間ゆっくり撹拌して、混合ゲルを得た。
(3)上述混合ゲルをオートクレーブの中で、5℃/分の昇温速度で170℃までゆっくり加熱し、6時間定温させた;
(4)上述得られたサンプルを脱イオン水で洗浄し、-20℃で24時間冷凍させた後、24時間真空乾燥を行い、乾燥後のサンプルを雰囲気炉に入れて550℃まで加熱して炭化処理をした。5時間定温させた後、サンプルを雰囲気炉に室温までゆっくり冷却し、ゼオライトモレキュラーシーブとバイオセルロース系ナノ炭素繊維複合材料を得た。なお、炭化処理とは、窒素ガスの保護の下、材料を室温から550℃まで昇温することであった。そのうち、100~300℃区間の昇温速度は5℃/分であり、300~500℃区間の昇温速度は1℃/分であり、500~550℃区間の昇温速度は30℃/分であった。
(5)上述複合材料をバイオセルロース繊維、キトサン水溶液と混合させ、冷凍乾燥、カット、滅菌、包装を経て、最終的に迅速に止血でき且つ力学的性能も良好な止血用被覆材を得た。なお、キトサン水溶液は、分子量35万のキトサンから調製されたものであり、質量濃度が3wt%であった。
止血:ウサギ致命性大腿動脈出血傷口モデルを利用して止血用被覆材の効果を評価した。対照サンプルはガーゼとした。その結果、本発明の止血用被覆材は、1分内の止血率が100%であったが、ガーゼの8分内の止血率が37%であった。
製菌性:本実施例の止血用被覆材にはキトサンが含まれ、非溶出性製菌材料である。GB15979-2002《使い捨て衛生用品の衛生基準》の付録C5非溶出性抗(製)菌製品製菌性能の試験方法を参照し、基準に準ずると、テストサンプル組の製菌率と対照サンプル組の製菌率の差は26%を超え、製品が製菌性能を有することを表している。その結果、大腸菌(Escherichia coli ATCC8739)及び黄色ブドウ球菌(Staphylicoccus aureus ATCC6538)に対して、本発明の止血用被覆材の上記製菌率の差は、それぞれ90.09%と89.02%となっており、本発明の止血用被覆材が良好な製菌性能を有することが明らかになった。
生体相容性実験:GB/T 16886医療機器のバイオ学評価を参照して、止血用被覆材に対して、それぞれ細胞毒性、モルモット遅延型接触過敏、皮膚刺激等を評価した。生体相容性評価について、細胞内毒性試験は、GB/T 16886-5《医療機器バイオ学評価第5部:体外細胞毒性試験》に準じてテストを行った。モルモット遅延型接触過敏試験について、GB/T 16886-10《医療機器バイオ学評価第10部:刺激と遅延型過敏反応試験》に準じてテストを行い、最大限度試験Magnusson及びKligman法を用いた。皮膚刺激試験について、GB/T 16886-10《医療機器バイオ学評価第10部分:刺激と遅延型過敏反応試験》に準じてテストを行った。その結果、止血用被覆材の細胞毒性は2級未満であり、皮膚アレルギー反応や皮内刺激反応がなく、良好な生体安全性を有することが明らかになった。
皮膚刺激:サンプルを3匹ニュージーランド白兎の背部にそれぞれ貼り敷いて、1時間、24時間、48時間及び72時間経過後、皮膚紅斑及び浮腫等の反応状況を観察し、皮膚刺激反応の程度によってクラスに分けて採点した。サンプルの皮膚反応の結果観察を表3「サンプルの皮膚反応の結果観察」に示す。
本実施例の止血用被覆材の製造方法は、以下の通りである。
(1)バイオセルロース繊維、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、ケイ素系化合物を水と混合し、混合液を得た。但し、水1リットルに添加された、バイオセルロース繊維、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、ケイ素系化合物がそれらの対応モル比で0.001:0.05:1であった。その中、バイオセルロース繊維は、サルシナとシュードモナスとを発酵させて得られたバイオセルロースを12wt%の水酸化ナトリウム溶液で20分間高温蒸煮処理した後、機械的に均質化させて得られたナノ繊維の直径30nm、長さ40μmのセルロース繊維であった。ケイ素系化合物とは、ホワイトカーボンとシリカゲルであり、それらの質量比が1:1であった。
(2)アルミニウム系化合物とケイ素系化合物がモル比で0.06:1となるように上述混合液に水酸化アルミニウムを添加し、6時間ゆっくり撹拌して、混合ゲルを得た。
(3)上述混合ゲルをオートクレーブの中で、10℃/分の昇温速度で175℃までゆっくり加熱し、8時間定温させた;
(4)上述得られたサンプルを脱イオン水で洗浄し、-30℃で12時間冷凍させた後、48時間真空乾燥を行い、乾燥後のサンプルを雰囲気炉に入れて600℃まで加熱して炭化処理をした。6時間定温させた後、サンプルを雰囲気炉に室温までゆっくり冷却し、ゼオライトモレキュラーシーブとバイオセルロース系ナノ炭素繊維複合材料を得た。なお、炭化処理とは、真空保護の下、材料を室温から600℃まで昇温することであった。そのうち、100~300℃区間の昇温速度は10℃/分であり、300~500℃区間の昇温速度は5℃/分であり、500~600℃区間の昇温速度は25℃/分であった。
(5)上述複合材料をバイオセルロース繊維、キトサン水溶液と混合させ、冷凍乾燥、カット、高エネルギー射線による滅菌、包装を経て、最終的に迅速に止血でき且つ力学的性能も良好な止血用被覆材を得た。なお、キトサン水溶液は、分子量30万のキトサンから調製されたものであり、質量濃度が4wt%であった。
(1)バイオセルロース繊維、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、ケイ素系化合物を水と混合し、混合液を得た。但し、水1リットルに添加された、バイオセルロース繊維、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、ケイ素系化合物がそれらの対応モル比で0.2:1:1であった。その中、バイオセルロース繊維は、アセトバクターキシリナムとアクロモバクターとアルカリゲネスとを発酵させて得られたバイオセルロースを14wt%の水酸化ナトリウム溶液で30分間高温蒸煮処理した後、機械的に均質化させて得られたナノ繊維の直径40nm、長さ50μmのセルロース繊維であった。ケイ素系化合物とは、珪酸ナトリウムとオルトケイ酸ブチルであり、それらの質量比が1:1であった。
(2)アルミニウム系化合物とケイ素系化合物がモル比で0.07:1となるように上述混合液に硫酸アルミニウムを添加し、7時間ゆっくり撹拌して、混合ゲルを得た。
(3)上述混合ゲルをオートクレーブの中で、6℃/分の昇温速度で170℃までゆっくり加熱し、10時間定温させた;
(4)上述得られたサンプルを脱イオン水で洗浄し、-40℃で8時間冷凍させた後、48時間真空乾燥を行い、乾燥後のサンプルを雰囲気炉に入れて570℃まで加熱して炭化処理をした。7時間定温させた後、サンプルを雰囲気炉に室温までゆっくり冷却し、ゼオライトモレキュラーシーブとバイオセルロース系ナノ炭素繊維複合材料を得た。なお、炭化処理とは、アルゴンガスの保護の下、材料を室温から570℃まで昇温することであった。そのうち、100~300℃区間の昇温速度は6℃/分であり、300~500℃区間の昇温速度は4℃/分であり、500~570℃区間の昇温速度は28℃/分であった。
(5)上述複合材料をバイオセルロース繊維、キトサン水溶液と混合させ、冷凍乾燥、カット、高エネルギー射線による滅菌、包装を経て、最終的に迅速に止血でき且つ力学的性能も良好な止血用被覆材を得た。なお、キトサン水溶液は、分子量25万のキトサンから調製されたものであり、質量濃度が5wt%であった。
(1)バイオセルロース繊維、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、ケイ素系化合物を水と混合し、混合液を得た。但し、水1リットルに添加された、バイオセルロース繊維、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、ケイ素系化合物がそれらの対応モル比で0.005:0.03:1であった。その中、バイオセルロース繊維は、アエロバクターとアゾトバクターとを発酵させて得られたバイオセルロースを16wt%の水酸化ナトリウム溶液で15分間高温蒸煮処理した後、機械的に均質化させて得られたナノ繊維の直径50nm、長さ60μmのセルロース繊維であった。ケイ素系化合物とは、オルトケイ酸ブチルとオルトケイ酸イソプロピルであり、それらの質量比が1:1であった。
(2)アルミニウム系化合物とケイ素系化合物がモル比で0.08:1となるように上述混合液にアルミゾルとアルミニウムセカンダリーブトキシド(質量比で1:1)を添加し、8時間ゆっくり撹拌して、混合ゲルを得た。
(3)上述混合ゲルをオートクレーブの中で、8℃/分の昇温速度で170℃までゆっくり加熱し、12時間定温させた;
(4)上述得られたサンプルを脱イオン水で洗浄し、-50℃で24時間冷凍させた後、48時間真空乾燥を行い、乾燥後のサンプルを雰囲気炉に入れて550℃まで加熱して炭化処理をした。8時間定温させた後、サンプルを雰囲気炉に室温までゆっくり冷却し、ゼオライトモレキュラーシーブとバイオセルロース系ナノ炭素繊維複合材料を得た。なお、炭化処理とは、窒素ガスの保護の下、材料を室温から550℃まで昇温することであった。そのうち、100~300℃区間の昇温速度は10℃/分であり、300~500℃区間の昇温速度は3℃/分であり、500~550℃区間の昇温速度は26℃/分であった。
(5)上述複合材料をバイオセルロース繊維、キトサン水溶液と混合させ、冷凍乾燥、カット、高エネルギー射線による滅菌、包装を経て、最終的に迅速に止血でき且つ力学的性能も良好な止血用被覆材を得た。なお、キトサン水溶液は、分子量20万のキトサンから調製されたものであり、質量濃度が6wt%であった。
本実施例の止血用被覆材の製造方法は、以下の通りである。
(1)バイオセルロース繊維、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、ケイ素系化合物を水と混合し、混合液を得た。但し、水1リットルに添加された、バイオセルロース繊維、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、ケイ素系化合物がそれらの対応モル比で0.01:0.02:1であった。その中、バイオセルロース繊維は、アルカリゲネスを発酵させて得られたバイオセルロースを18wt%の水酸化ナトリウム溶液で28分間高温蒸煮処理した後、機械的に均質化させて得られたナノ繊維の直径50nm、長さ70μmのセルロース繊維であった。ケイ素系化合物とは、オルトケイ酸エチルとオルトケイ酸プロピルであり、それらの質量比が1:1であった。
(2)アルミニウム系化合物とケイ素系化合物がモル比で0.09:1となるように上述混合液にアルミニウムイソプロポキシドを添加し、5時間ゆっくり撹拌して、混合ゲルを得た。
(3)上述混合ゲルをオートクレーブの中で、7℃/分の昇温速度で175℃までゆっくり加熱し、24時間定温させた;
(4)上述得られたサンプルを脱イオン水で洗浄し、-60℃で24時間冷凍させた後、24時間真空乾燥を行い、乾燥後のサンプルを雰囲気炉に入れて600℃まで加熱して炭化処理をした。8時間定温させた後、サンプルを雰囲気炉に室温までゆっくり冷却し、ゼオライトモレキュラーシーブとバイオセルロース系ナノ炭素繊維複合材料を得た。なお、炭化処理とは、アルゴンガスの保護の下、材料を室温から600℃まで昇温することであった。そのうち、100~300℃区間の昇温速度は9℃/分であり、300~500℃区間の昇温速度は4℃/分であり、500~600℃区間の昇温速度は27℃/分であった。
(5)上述複合材料をバイオセルロース繊維、キトサン水溶液と混合させ、冷凍乾燥、カット、高エネルギー射線による滅菌、包装を経て、最終的に迅速に止血でき且つ力学的性能も良好な止血用被覆材を得た。なお、キトサン水溶液は、分子量15万のキトサンから調製されたものであり、質量濃度が7wt%であった。
(1)バイオセルロース繊維、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、ケイ素系化合物を水と混合し、混合液を得た。但し、水1リットルに添加された、バイオセルロース繊維、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、ケイ素系化合物がそれらの対応モル比で0.16:0.5:1であった。その中、バイオセルロース繊維は、アセトバクターキシリナム、アエロバクターとアゾトバクターを発酵させて得られたバイオセルロースを20wt%の水酸化ナトリウム溶液で10分間高温蒸煮処理した後、機械的に均質化させて得られたナノ繊維の直径50nm、長さ100μmのセルロース繊維であった。ケイ素系化合物とは、シリカゲル、ホワイトカーボン、オルトケイ酸メチルとオルトケイ酸ブチルであり、それらの質量比が1:1:1:1であった。
(2)アルミニウム系化合物とケイ素系化合物がモル比で0.1:1となるように上述混合液にアルミン酸ナトリウム、水酸化アルミニウム、硫酸アルミニウム(質量比で1:1:1)を添加し、6時間ゆっくり撹拌して、混合ゲルを得た。
(3)上述混合ゲルをオートクレーブの中で、5℃/分の昇温速度で170℃までゆっくり加熱し、24時間定温させた;
(4)上述得られたサンプルを脱イオン水で洗浄し、-80℃で24時間冷凍させた後、48時間真空乾燥を行い、乾燥後のサンプルを雰囲気炉に入れて600℃まで加熱して炭化処理をした。8時間定温させた後、サンプルを雰囲気炉に室温までゆっくり冷却し、ゼオライトモレキュラーシーブとバイオセルロース系ナノ炭素繊維複合材料を得た。なお、炭化処理とは、窒素ガスの保護の下、材料を室温から600℃まで昇温することであった。そのうち、100~300℃区間の昇温速度は7℃/分であり、300~500℃区間の昇温速度は3℃/分であり、600℃区間の昇温速度は27℃/分であった。
(5)上述複合材料をバイオセルロース繊維、キトサン水溶液と混合させ、冷凍乾燥、カット、高エネルギー射線による滅菌、包装を経て、最終的に迅速に止血でき且つ力学的性能も良好な止血用被覆材を得た。なお、キトサン水溶液は、分子量10万のキトサンから調製されたものであり、質量濃度が10wt%であった。
Claims (8)
- 水1リットルごとに添加されるバイオセルロース繊維、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、ケイ素系化合物の対応するモル比が(0.001~0.2):(0.01~1):1となるように、細菌発酵で得られたセルロースを10wt%~20wt%の水酸化ナトリウム溶液で蒸煮処理することにより得られたものであって直径が20nm~50nmであり、長さが30μm~100μmであるバイオセルロース繊維、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、ケイ素系化合物を水と混合して、混合液を得ることと、
アルミニウム系化合物とケイ素系化合物とのモル比が(0.05~0.1):1となるように、前記混合液にアルミニウム系化合物を添加し、5時間~8時間ゆっくり撹拌して、混合ゲルを得ることと、
前記混合ゲルを5℃/分~10℃/分の昇温速度で170℃~175℃までゆっくり加熱し、6時間~24時間定温させることと、
前記得られたサンプルを脱イオン水で洗浄して、乾燥後、550℃~600℃まで加熱して炭化処理を行い、5時間~8時間定温させた後、冷却することでゼオライトモレキュラーシーブとバイオセルロース系ナノ炭素繊維複合材料を得ることと、
前記複合材料をバイオセルロース繊維、キトサン水溶液と混合させて、冷凍乾燥、滅菌を経て、止血用被覆材を得ることと、
を含む、止血用被覆材の製造方法。 - 前記ケイ素系化合物はシリカゲル、ホワイトカーボン、ケイ酸ナトリウム、オルトケイ酸メチル、オルトケイ酸エチル、オルトケイ酸プロピル、オルトケイ酸イソプロピル及びオルトケイ酸ブチルのいずれか一種または数種を含む、請求項1に記載の方法。
- 前記アルミニウム系化合物は、アルミン酸ナトリウム、水酸化アルミニウム、硫酸アルミニウム、アルミゾル、アルミニウムイソプロポキシド及びアルミニウムセカンダリーブトキシドのいずれか一種または数種を含む、請求項1に記載の方法。
- 前記乾燥は、冷凍乾燥であり、前記冷凍乾燥は、サンプルを-20℃~-80℃で12時間~24時間冷凍させた後、24時間~48時間真空乾燥する、請求項1に記載の方法。
- 前記炭化処理とは、真空、アルゴンガス或は窒素ガスの保護の下、材料を室温から550℃~600℃まで昇温することであり、そのうち、100℃~300℃区間の昇温速度は5℃/分~10℃/分であり、300℃~500℃区間の昇温速度は1℃/分~5℃/分であり、500℃~600℃区間の昇温速度は30℃/分である、請求項1に記載の方法。
- 前記冷却とは、昇温終了後のサンプルを雰囲気炉或は活性化炉の中で室温までゆっくり冷却させることである、請求項1に記載の方法。
- 複合材料をバイオセルロース繊維、キトサン水溶液と混合させる際、キトサン、ゼオライトモレキュラーシーブ、バイオセルロース系炭素繊維とバイオセルロース繊維の混合質量比が1:(0.01~0.1):(0.01:0.1):(0.01~0.1)である、請求項1に記載の方法。
- 前記キトサン水溶液には、キトサンの質量濃度は3wt%~10wt%であり、前記キトサンの分子量は10万~35万である、請求項1に記載の方法。
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
PCT/CN2019/085277 WO2020220300A1 (zh) | 2019-04-30 | 2019-04-30 | 生物纤维素纤维、包含所述纤维的止血敷料与相关应用 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2022534860A JP2022534860A (ja) | 2022-08-04 |
JP7320078B2 true JP7320078B2 (ja) | 2023-08-02 |
Family
ID=73029621
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2021564853A Active JP7320078B2 (ja) | 2019-04-30 | 2019-04-30 | バイオセルロース繊維、それを含む止血用被覆材及び関連応用 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7320078B2 (ja) |
WO (1) | WO2020220300A1 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN114804142B (zh) * | 2022-04-27 | 2023-09-01 | 西安建筑科技大学 | 一种以碱性纸浆废液为模板制备煤矸石基zsm-5分子筛的方法 |
CN115721767B (zh) * | 2022-12-12 | 2024-03-12 | 广东省人民医院 | 一种抗菌促愈合富孔医用敷料及其制备方法 |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007144154A (ja) | 2005-11-07 | 2007-06-14 | Raymond J Huey | 凝血塊を形成するための分子篩材料の送出デバイス |
CN103806130A (zh) | 2014-02-24 | 2014-05-21 | 钟春燕 | 一种细菌纤维素基纳米活性碳纤维的制备方法 |
CN103820883A (zh) | 2014-02-24 | 2014-05-28 | 钟春燕 | 一种细菌纤维素基纳米碳纤维的制备方法 |
CN107737368A (zh) | 2017-10-31 | 2018-02-27 | 广州迈普再生医学科技有限公司 | 止血材料及其制备方法和应用 |
Family Cites Families (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4331556A (en) * | 1978-01-03 | 1982-05-25 | Kay Laboratories, Inc. | Heat storage material |
JPH10151184A (ja) * | 1996-11-25 | 1998-06-09 | Omikenshi Co Ltd | 機能性創傷被覆材 |
US20230213525A1 (en) * | 2016-03-30 | 2023-07-06 | Qualizyme Diagnostics Gmbh & Co Kg | Detecting microbial infection in wounds |
JP2018024967A (ja) * | 2016-08-09 | 2018-02-15 | 花王株式会社 | 微細セルロース繊維複合体 |
JPWO2018216474A1 (ja) * | 2017-05-24 | 2020-03-26 | 日本製紙株式会社 | 酸化セルロースナノファイバー、酸化セルロースナノファイバー分散液、および酸化セルロースナノファイバー分散液の製造方法 |
CN107376000B (zh) * | 2017-07-14 | 2019-08-06 | 广州迈普再生医学科技股份有限公司 | 微纤维态止血材料及其制备方法和止血制品 |
-
2019
- 2019-04-30 WO PCT/CN2019/085277 patent/WO2020220300A1/zh active Application Filing
- 2019-04-30 JP JP2021564853A patent/JP7320078B2/ja active Active
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007144154A (ja) | 2005-11-07 | 2007-06-14 | Raymond J Huey | 凝血塊を形成するための分子篩材料の送出デバイス |
CN103806130A (zh) | 2014-02-24 | 2014-05-21 | 钟春燕 | 一种细菌纤维素基纳米活性碳纤维的制备方法 |
CN103820883A (zh) | 2014-02-24 | 2014-05-28 | 钟春燕 | 一种细菌纤维素基纳米碳纤维的制备方法 |
CN107737368A (zh) | 2017-10-31 | 2018-02-27 | 广州迈普再生医学科技有限公司 | 止血材料及其制备方法和应用 |
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
Carbohydrate Polymers,2013年,Vol.94,pp.603-611 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
WO2020220300A1 (zh) | 2020-11-05 |
JP2022534860A (ja) | 2022-08-04 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Pan et al. | Mussel‐and barnacle cement proteins‐inspired dual‐bionic bioadhesive with repeatable wet‐tissue adhesion, multimodal self‐healing, and antibacterial capability for nonpressing hemostasis and promoted wound healing | |
Li et al. | Emerging materials for hemostasis | |
Lan et al. | Chitosan/gelatin composite sponge is an absorbable surgical hemostatic agent | |
Hou et al. | Influences of mesoporous zinc-calcium silicate on water absorption, degradability, antibacterial efficacy, hemostatic performances and cell viability to microporous starch based hemostat | |
EP1859816B1 (en) | The preparing method and the use of antiseptic medical dressing | |
CN105778126B (zh) | 一种京尼平交联生物凝胶及其制备方法与应用 | |
US20090232902A1 (en) | Nanometer mesoporous silica-based xerogel styptic material and its preparing process and application | |
CN102526794B (zh) | 钙络合型淀粉基微孔止血材料及其制备方法和应用 | |
CN107551312B (zh) | 一种絮状胶原止血纤维及其制备方法 | |
CN105688265A (zh) | 一种可吸收止血材料及其制备方法和用途 | |
Shahriari-Khalaji et al. | Cotton-based health care textile: A mini review | |
JP7320078B2 (ja) | バイオセルロース繊維、それを含む止血用被覆材及び関連応用 | |
CN107412843B (zh) | 一种具有抗菌性能的淀粉基微孔止血材料及其制备方法和应用 | |
CN106975098B (zh) | 一种复合多糖止血组合物及其制备方法与应用 | |
CN112553883B (zh) | 生物纤维素纤维、包含所述纤维的止血敷料与相关应用 | |
Si et al. | Dynamic dual-crosslinking antibacterial hydrogel with enhanced bio-adhesion and self-healing activities for rapid hemostasis in vitro and in vivo | |
Zhang et al. | Self-healing, antioxidant, and antibacterial Bletilla striata polysaccharide-tannic acid dual dynamic crosslinked hydrogels for tissue adhesion and rapid hemostasis | |
CN108815562A (zh) | 一种复合止血材料的制备方法 | |
EP3532026B1 (en) | Nanotechnology-based hemostatic dressings | |
Ren et al. | Improving the antibacterial property of chitosan hydrogel wound dressing with licorice polysaccharide | |
CN113425889A (zh) | 一种抗菌止血海绵及其制备方法和应用 | |
CN113616847A (zh) | 基于y分子筛载体的炉甘石止血复合物及其制备 | |
US20230041921A1 (en) | Nano fibrous polyelectrolyte complex for rapid control of hemorrhage | |
CN114681656A (zh) | 一种抗菌修复的可吸收复合多糖生物材料及其制备方法和应用 | |
CN116271204B (zh) | 一种黏土矿物基止血抗菌、促愈合水凝胶及其制备方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A524 | Written submission of copy of amendment under article 19 pct |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A525 Effective date: 20211029 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20220323 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20230125 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20230214 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20230508 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20230711 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20230721 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7320078 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |