JP2017192429A - 触媒フィルタ、脱臭装置及び空気清浄装置 - Google Patents

触媒フィルタ、脱臭装置及び空気清浄装置 Download PDF

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Abstract

【課題】高湿度環境下において、優れた脱臭性能及びオゾン分解性能を達成可能とする脱臭技術を提供する。【解決手段】本発明の触媒フィルタは、オゾンで処理された臭気ガスからオゾンの除去及び臭気成分の分解を促進するための触媒フィルタであって、二酸化マンガン、活性炭、アルミニウム又はマグネシウムとケイ素とを含む複合酸化物からなる無機系吸着剤、及びシリカを含む。【選択図】なし

Description

本発明は、脱臭技術に関する。
空気中には、硫黄化合物、アルデヒド類、脂肪酸及び窒素化合物などの臭気成分が含まれることがある。このような臭気成分を含んだガス(以下、臭気ガスという)の脱臭方法として、オゾン脱臭法及び吸着脱臭法が知られている。
オゾン脱臭法は、オゾンを酸化剤として用いて、臭気成分を無臭成分に酸化分解する方法である。オゾン脱臭法は、様々な臭気成分を分解できる点で優れている。しかしながら、オゾンは、刺激臭を有する有毒な気体であり、更に、金属を腐食させることがある。したがって、オゾン脱臭装置内部から外部へのオゾンの排出を防ぐ必要がある。特許文献1乃至3には、臭気ガスの流れ方向に沿って上流側にオゾン発生器を設置し、下流側にオゾン分解触媒を設置したオゾン脱臭装置が記載されている。
吸着脱臭法は、活性炭などの吸着剤に、臭気成分を吸着させることにより臭気ガスを脱臭する方法である。特許文献4及び5には、臭気成分を吸着させた吸着剤を加熱することにより、臭気成分の酸化分解を促進して、吸着剤の吸着力を再生させる技術が記載されている。特許文献6には、メルカプタン系臭気の分解により生成したジスルフィドをゼオライト及び活性炭に吸着させる技術が記載されている。
特開平11−33358号公報 特開2004−24472号公報 特開2002−224207号公報 特開平9−299461号公報 特開2001−321424号公報 特開平10−99690号公報
しかしながら、本発明者らは、高湿度環境下における脱臭性能及びオゾン分解性能について、改善の余地があると考えている。
そこで、本発明は、高湿度環境下において、優れた脱臭性能及びオゾン分解性能を達成可能とする脱臭技術を提供することを目的とする。
本発明の第1側面によると、オゾンで処理された臭気ガスからオゾンの除去及び臭気成分の分解を促進するための触媒フィルタであって、二酸化マンガン、活性炭、アルミニウム又はマグネシウムとケイ素とを含む複合酸化物からなる無機系吸着剤、及びシリカを含む触媒フィルタが提供される。
本発明の第2側面によると、臭気ガスが供給される処理室と、オゾンを前記処理室に供給し、前記臭気ガスに含まれる臭気成分の少なくとも一部を酸化分解させるオゾン発生器と、前記オゾンで処理された臭気ガスから前記オゾン及び臭気成分を除去する触媒フィルタとを備え、前記触媒フィルタは、第1側面に係る触媒フィルタを含む脱臭装置が提供される。
本発明の第3側面によると、第2側面に係る脱臭装置と1以上の集塵フィルタとを備え、前記集塵フィルタは、前記処理室に供給される前の前記臭気ガスから塵の少なくとも一部を除去するか、前記触媒フィルタに供給される前の前記臭気ガスから塵の少なくとも一部を除去するか、又は、前記触媒フィルタに供給された後、前記臭気成分の少なくとも一部と前記オゾンとが除去された前記臭気ガスから塵の少なくとも一部を除去する空気清浄装置が提供される。
本発明によると、高湿度環境下において、優れた脱臭性能及びオゾン分解性能を達成可能とする脱臭技術が提供される。
本発明の一態様に係る触媒フィルタを概略的に示す斜視図。 本発明の他の態様に係る脱臭装置を概略的に示す説明図。 相対湿度70%の条件下でのアセトアルデヒド出口濃度の一例を示すグラフ。 相対湿度70%の条件下でのオゾン出口濃度の一例を示すグラフ。 相対湿度90%の条件下でのアセトアルデヒド出口濃度の一例を示すグラフ。 相対湿度90%の条件下でのオゾン出口濃度の一例を示すグラフ。 アセトアルデヒドの変化量の一例を示すグラフ。 オゾンの変化量の一例を示すグラフ。 トリメチルアミン出口濃度の一例を示すグラフ。 アセトアルデヒド出口濃度の一例を示すグラフ。 オゾン出口濃度の一例を示すグラフ。 アセトアルデヒド出口濃度及びオゾン出口濃度の一例を示すグラフ。 二酸化マンガンの比表面積とオゾン除去率との関係の一例を示すグラフ。 二酸化マンガン含有量とアセトアルデヒド出口濃度との関係の一例を示すグラフ。 活性炭の塩素含有量と剥離量との関係の一例を示すグラフ。 活性炭含有量とアセトアルデヒド出口濃度との関係の一例を示すグラフ アセトアルデヒド出口濃度の一例を示すグラフ。 ゼオライト含有量とアセトアルデヒド出口濃度との関係の一例を示すグラフ。
以下、本発明の態様について説明する。
図1は、本発明の一態様に係る触媒フィルタを概略的に示す斜視図である。この触媒フィルタ1は、基材を含んでいる。基材としては、例えば、ポリウレタンフォーム、ポリオレフィンフォーム、セラミックフォーム、メタルフォーム、不織布又は抄紙を用いることができる。基材の構造としては、例えば、スポンジ状、コルゲート構造又はハニカム構造を挙げることができる。
この触媒フィルタ1は、二酸化マンガン、活性炭、アルミニウム又はマグネシウムとケイ素とを含む複合酸化物からなる無機系吸着剤、及びシリカを更に含んでいる。これらの成分は、基材に担持されている。
この触媒フィルタ1は、オゾンで処理された臭気ガスからオゾン及び臭気成分を除去するために用いられる。ここで、臭気ガスとは、典型的には、臭気成分を含む空気を意味する。臭気成分としては、例えば、硫黄化合物、アルデヒド類、脂肪酸、窒素化合物又はこれらの混合物を挙げることができる。硫黄化合物は、例えば、硫化水素、硫化メチル、二硫化メチル、メチルメルカプタン又はこれらの混合物である。アルデヒド類は、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アクロレイン、プロピルアルデヒド又はこれらの混合物である。脂肪酸は、例えば、酢酸、酪酸、プロピオン酸又はこれらの混合物である。窒素化合物は、例えば、アンモニア、メチルアミン、トリメチルアミン又はこれらの混合物である。
二酸化マンガンは、オゾン及び臭気成分の分解を促進する。二酸化マンガンは、粒子の形態にある。
この二酸化マンガンは、アモルファス構造を有するものであってもよく、結晶構造を有するものであってもよく、双方を含んでいてもよい。二酸化マンガンの結晶構造としては、例えば、アルファ型、ベータ型、ガンマ型、デルタ型を挙げることができる。二酸化マンガンとしては、アモルファス構造であるものが好ましい。二酸化マンガンがアモルファス構造を有すると、二酸化マンガンが結晶構造を有する場合と比較して、オゾン分解性能及び脱臭性能が高い傾向にある。
この二酸化マンガンの平均粒径は、好ましくは、0.5μm乃至20μmの範囲内にあり、より好ましくは、0.5μm乃至15μmの範囲内にある。この平均粒径が小さいと、オゾン分解性能及び脱臭性能が高い傾向にある。この平均粒径が大きいと、触媒フィルタ1から脱落しやすい傾向にある。
この平均粒径は、レーザ回折・散乱法によって求めた粒度分布において、体積積算値が50%となる粒径を意味している。レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置としては、株式会社堀場製作所製LA750等を使用することができる。測定サンプルとしては、二酸化マンガンを水中に分散させたものを用いることができる。
この二酸化マンガンの比表面積は、好ましくは、160m2/g乃至300m2/gの範囲内にあり、より好ましくは、180m2/g乃至250m2/gの範囲内にある。この比表面積が小さいと、オゾン分解性能及び脱臭性能が低い傾向にある。この比表面積が大きいと、オゾンとの接触確率が向上するため、二酸化マンガンの外表面に酸素欠陥部分が多くなり、オゾン分解性能及び脱臭性能が高くなる傾向にある。なお、この「比表面積」は、窒素BET(Brunauer, Emmet and Teller)法により求めた比表面積、すなわち、BET比表面積を意味している。この窒素BET法に基づく比表面積は、以下の方法により求めることができる。
先ず、77K(窒素の沸点)の窒素ガス中で、窒素ガスの圧力P(mmHg)を徐々に高めながら、各圧力P毎に、二酸化マンガンの窒素ガス吸着量(mL/mL)を測定する。次いで、圧力P(mmHg)を窒素ガスの飽和蒸気圧P0(mmHg)で除した値を相対圧力P/P0として、各相対圧力P/P0に対する窒素ガス吸着量をプロットすることにより吸着等温線を得る。次いで、この窒素吸着等温線とBET式とからBETプロットを算出し、このBETプロットを利用して比表面積を得る。なお、BETプロットの算出には、BET多点法を用いる。
この触媒フィルタ1の単位容積当りの二酸化マンガンの含有量は、好ましくは、1g/L乃至100g/Lの範囲内にあり、より好ましくは、34g/L乃至100g/Lの範囲内にあり、更に好ましくは、34g/L乃至73g/Lの範囲内にある。二酸化マンガンの含有量が少ないと、脱臭性能が低い傾向にある。二酸化マンガンの含有量が多いと、触媒フィルタ1から、二酸化マンガンが脱落しやすい傾向にある。
活性炭は、臭気成分を吸着する。また、活性炭は、オゾンの分解を促進する。活性炭は、粒子の形態にある。
この活性炭の原材料としては、例えば、木質系材料、ヤシ殻材料、石炭系材料、石油系材料、樹脂系材料又はこれらの混合物を用いることができ、木質系材料を用いることが好ましい。木質系材料としては、例えば、おが屑、木材チップ又はこれらの混合物を用いることができる。石炭系材料としては、例えば、亜炭、褐炭、瀝青炭又はこれらの混合物を用いることができる。石油系材料としては、例えば、オイルカーボン、石油ピッチ又はこれらの混合物を用いることができる。樹脂系材料としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂又はこれらの混合物を用いることができる。
この活性炭は、薬剤などを用いた化学処理又は表面処理がされていない未添着活性炭であることが好ましい。このような活性炭は、添着活性炭と比較して、吸着した臭気成分を脱着しやすい傾向にある。したがって、このような活性炭を用いると、添着活性炭を用いた場合と比較して、脱臭性能が高い傾向にある。
この活性炭の塩素含有量は、0.0125質量%以下であることが好ましく、0.007質量%以下であることがより好ましい。この塩素含有量が多いと、二酸化マンガンが、触媒フィルタ1から脱落しやすい傾向にある。
この活性炭の比表面積は、好ましくは、600m2/g乃至1500m2/gの範囲内にあり、より好ましくは、900m2/g乃至1200m2/gの範囲内にある。この比表面積が大きいと、臭気成分との接触効率が高くなり、脱臭性能が高くなるが、細孔径も大きくなるため、保持力が低下する傾向にある。この比表面積が小さいと、臭気成分と活性炭との接触効率が下がり、脱臭性能が低くなる傾向にある。なお、この比表面積は、二酸化マンガンの比表面積について説明したのと同様の方法により求めることができる。
この活性炭の全細孔容積は、好ましくは、0.2cm3/g乃至1.2cm3/gの範囲内にあり、より好ましくは、0.4cm3/g乃至0.9cm3/gの範囲内にある。この全細孔容積が大きいと、臭気成分を多く保持出来るため、臭気ガスに臭気成分が高濃度で含まれる場合、又は、臭気ガスの流量が多い場合においても、脱臭性能が高い傾向にある。この全細孔容積が小さいと、吸着飽和が起きやすく、臭気成分の濃度変動により、脱臭性能が低下する傾向にある。なお、この全細孔容積は、二酸化マンガンの比表面積について説明したのと同様の方法で得られた窒素吸着等温線において、相対圧力P/P0が1.0のときの窒素吸着量から算出した値である。
この活性炭の平均細孔径は、好ましくは、0.5nm乃至3nmの範囲内にあり、より好ましくは、1nm乃至2.5nmの範囲内にある。この平均細孔径が大きいと、分子径の小さい臭気成分に対する保持力が低下し、脱離し易くなるため、これらの臭気成分が、触媒フィルタ1から外部へと流出しやすい傾向にある。この平均細孔径が小さいと、臭気成分の保持力が強くなるが、細孔に臭気成分が入り難くなるため、脱臭性能が低くなる傾向にある。ここで、平均細孔径は、全細孔容積(V)をBET比表面積(SSA)で除した値に、4を乗じて得られる値(4×V/SSA)である。
この触媒フィルタ1の単位容積当りの活性炭の含有量は、好ましくは、2g/L以上であり、より好ましくは、15g/L以上であり、更に好ましくは、35g/L以上である。この含有量に上限値はないが、好ましくは、120g/L以下であり、より好ましくは、100g/L以下であり、更に好ましくは、50g/L以下である。活性炭の含有量が少ないと、脱臭性能及びオゾン分解性能が低い傾向にある。
アルミニウム又はマグネシウムとケイ素とを含む複合酸化物からなる無機系吸着剤は、臭気成分を吸着する。この無機系吸着剤は、粒子の形態にある。
アルミニウムとケイ素とを含む複合酸化物は、例えば、ゼオライトである。マグネシウムとケイ素とを含む複合酸化物は、例えば、セピオライトである。
この無機系吸着剤において、ケイ素とアルミニウム又はマグネシウムとの原子比は、好ましくは、10乃至100の範囲内にあり、より好ましくは、20乃至60の範囲内にある。この原子比が大きいと、耐水性が高い傾向にあるが、イオン交換機能が低下するため、極性を持つ臭気成分に対する脱臭性能が低下する傾向にある。この原子比が小さいと、親水性が高くなるため、親水性の臭気成分を吸着しにくくなる傾向にある。
この無機系吸着剤の比表面積は、好ましくは、200m2/g乃至700m2/gの範囲内にあり、より好ましくは、250m2/g乃至600m2/gの範囲内にある。この比表面積が大きいと、臭気成分との接触効率が高くなり、脱臭性能が高くなる傾向にある。この比表面積が小さいと、臭気成分との接触効率が下がり、脱臭性能が低くなる傾向にある。ここで、「比表面積」は、BET比表面積を意味している。なお、この比表面積は、二酸化マンガンの比表面積について説明したのと同様の方法により求めることができる。
この無機系吸着剤の全細孔容積は、好ましくは、0.2cm3/g乃至1.2cm3/gの範囲内にあり、より好ましくは、0.4cm3/g乃至0.9cm3/gの範囲内にある。この全細孔容積が大きいと、臭気成分を多く保持出来るため、臭気ガスに臭気成分が高濃度で含まれる場合、又は、臭気ガスの流量が多い場合においても、脱臭性能が高い傾向にある。この全細孔容積が小さいと、吸着飽和が起きやすく、臭気成分の濃度変動により、脱臭性能が低下する傾向にある。なお、この全細孔容積は、二酸化マンガンの比表面積について説明したのと同様の方法で得られた窒素吸着等温線において、相対圧力P/P0が1.0のときの窒素吸着量から算出した値である。
この無機系吸着剤の平均細孔径は、典型的には、活性炭の平均細孔径よりも小さい。この無機系吸着剤の平均細孔径は、好ましくは、0.3nm乃至1.5nmの範囲内にあり、より好ましくは、0.4nm乃至1.0nmの範囲内にある。この平均細孔径が大きいと、臭気成分を吸着しにくい傾向にある。この平均細孔径が小さいと、臭気成分の保持力が強く、それゆえ、臭気以外の成分、例えば水を吸着し易くなる傾向にある。なお、無機系吸着剤は、イオン交換機能により極性成分の吸着も期待できる。したがって、無機系吸着剤の細孔径が、上記の範囲内よりも大きい場合であっても、無機系吸着剤の吸着性能は低下しにくいと考えられる。ここで、平均細孔径は、全細孔容積(V)をBET比表面積(SSA)で除した値に、4を乗じて得られる値(4×V/SSA)である。
この触媒フィルタ1の単位容積当りの無機系吸着剤の含有量は、好ましくは、0.15g/L乃至20g/Lの範囲内にあり、より好ましくは、0.15g/L乃至15g/Lの範囲内にあり、更に好ましくは、6.3g/L乃至15g/Lの範囲内にある。この含有量が多い又は少ないと、脱臭性能が低い傾向にある。
シリカは、高湿度環境下における脱臭性能及びオゾン分解性能の低下を抑制する。また、シリカは、バインダの役割を果たす。すなわち、シリカは、二酸化マンガン、活性炭及び無機系吸着剤の結合をより強固にして触媒フィルタ1の耐久性を向上させる。シリカは、典型的には、1次粒子の凝集体である。
このシリカの1次粒子の平均粒径は、好ましくは、5nm乃至100nmの範囲内にあり、より好ましくは、8nm乃至50nmの範囲内にある。この平均粒径が大きいと、粒子間の隙間が大きくなるため、バインダ効果が低減する傾向にある。この平均粒径が小さいと、緻密になるため、バインダ効果は向上するが、触媒活性種がシリカに被覆されやすくなるため、浄化性能が低下する傾向にある。なお、この平均粒径は、二酸化マンガンの平均粒径について説明したのと同様の方法により求めることができる。
この触媒フィルタ1の単位容積当りのシリカの含有量は、好ましくは、0.15g/L乃至20g/Lの範囲内にあり、より好ましくは、6.3g/L乃至15g/Lの範囲内にあり、更に好ましくは、8g/L乃至13g/Lの範囲内にある。この含有量が多いと、脱臭性能が低い傾向にある。この含有量が少ないと、高湿度環境下における脱臭性能、オゾン分解性能及び耐久性が低い傾向にある。
この触媒フィルタ1の単位容積当りのシリカ以外のバインダの含有量は、5g/L以下であることが好ましい。この触媒フィルタ1にシリカ以外のバインダが含まれると、高湿度環境下におけるオゾン分解性能及び脱臭性能が低い傾向にある。シリカ以外のバインダとしては、例えば、アルミナを挙げることができる。
この触媒フィルタ1の単位容積当りの銅の含有量は、0.5g/L以下であることが好ましい。銅(Cu)、酸化銅(CuO)又は酸化銅以外の銅酸化物などは、オゾン及び臭気成分の分解を促進することが知られている。しかしながら、この触媒フィルタ1に銅が含まれていると、オゾン分解性能及び脱臭性能が低い傾向にある。これは、オゾンにより銅が酸化されると、銅の表面に酸化被膜が形成されることによると考えられる。すなわち、この酸化被膜に覆われた銅は、酸化被膜に覆われていない銅と比較して、オゾン分解性能が低い。したがって、銅が酸化被膜に覆われると、活性点が減少し、オゾン分解性能が低下すると考えられる。
この触媒フィルタ1の単位容積当りの有機酸の含有量は、0.5g/L以下であることが好ましい。有機酸は、pH調整剤として機能する。有機酸は、有機塩であってもよい。有機酸としては、例えば、酢酸、酢酸塩、シュウ酸、シュウ酸塩又はこれらの混合物を挙げることができる。しかしながら、この触媒フィルタ1に有機酸が含まれていると、オゾン分解性能及び脱臭性能が低い傾向にある。これは、有機酸が二酸化マンガンを被覆することにより、二酸化マンガンと臭気成分及びオゾンとの接触効率が低下するためと考えられる。
この触媒フィルタ1は、例えば、以下の方法によって得ることができる。
先ず、基材に塗布するスラリーを調製する。具体的には、二酸化マンガンと、活性炭と、無機系吸着剤と、シリカと、水とを混合し、十分に撹拌してスラリーを調製する。ここで、シリカとしては、シリカ粒子を水に分散させたシリカゾルを用いることが好ましい。なお、基材として、活性炭を漉き込んだ抄紙等又は活性炭を表面にコーティングした抄紙等を用いる場合、スラリーに添加する活性炭を省略してもよい。
次に、このスラリーのpHを、例えば、4乃至7の範囲内となるように調整する。スラリーのpHがこの範囲内にあると、スラリー中の成分の沈降を防止することができる。このようなスラリーを用いると、上記の成分を、均一に混合された状態で基材に担持させることができる。具体的には、このスラリーに、pH調整剤又はpHを調整したシリカゾルを加えて十分に撹拌する。pH調整剤としては、無機酸を用いることが好ましい。無機酸としては、例えば、硝酸を用いることができる。
次に、基材をスラリーを浸漬させた後、例えば、100℃乃至160℃の温度で基材を乾燥させる。このようにして、触媒フィルタ1を得る。なお、基材の単位容積当りのコート量は、例えば、5g/L乃至100g/Lの範囲内とする。ここで、基材の単位容積当りのコート量は、基材の単位容積当りの固形分量を意味している。
このような触媒フィルタ1を用いると、高湿度環境下において、優れた脱臭性能及びオゾン分解性能を達成することができる。この理由は、以下のとおりであると考えられる。
この触媒フィルタ1は、二酸化マンガンと、活性炭と、無機系吸着剤と、シリカとを含んでいる。そして、この触媒フィルタ1において、これらの成分はほぼ均一に混在している。したがって、この触媒フィルタ1に含まれる上述した成分の各々は、近傍に存在する可能性が高い。
この触媒フィルタ1にオゾンと臭気成分とを含むガスが供給されると、臭気成分の一部は、触媒フィルタ1上の活性炭及び無機系吸着剤に吸着される。そして、オゾンは、この触媒フィルタ1において、二酸化マンガンにより、酸素及び活性酸素へと分解される。この活性酸素により、上記の臭気成分は無臭成分へと酸化分解される。
ここで、活性炭は、細孔径が大きく、細孔容積も大きい。したがって、活性炭は、大量の臭気成分を吸着することができる。ただし、活性炭の表面は塩基性である。それゆえ、活性炭は、塩基性であり、分子量が比較的大きな臭気成分、例えば、トリメチルアミンなどの3級アミンを保持する力が弱い。
一方、無機系吸着剤は、固体酸として働き、静電力により、上述の臭気成分を保持する力が強い。しかしながら、無機系吸着剤は、細孔径が小さいため、大量の臭気成分を保持することが難しく、また、長時間にわたって臭気成分を保持することも難しい。それゆえ、無機系吸着剤は、活性炭と比較して臭気除去能力が低い。
この触媒フィルタ1では、活性炭と無機系吸着剤とを併用する。それゆえ、この触媒フィルタ1は、長時間にわたって臭気成分を保持することができる。その理由は、以下のとおりであると考えられる。
先ず、この触媒フィルタ1に臭気ガスが流入すると、臭気成分は、活性炭及び無機系吸着剤に吸着される。上記のとおり、活性炭は吸着特性が良いため、大量の臭気成分を吸着することができる。それゆえ、この触媒フィルタ1において、臭気ガスの流入側では、臭気成分は、主に活性炭に吸着される。そして、活性炭の細孔内の臭気成分の一部は、活性酸素と反応し、無臭成分へと分解される。分解されなかったその他の臭気成分の一部は、活性炭から脱離する。ここで、上述したように、活性炭は塩基性臭気成分を保持する力が弱い。したがって、塩基性臭気成分は活性炭から脱離しやすい。この活性炭から脱離した臭気成分、特に塩基性臭気成分は、固体酸であり且つ保持力が強い無機系吸着剤に吸着される。そして、無機系吸着剤の細孔内の臭気成分の一部は、活性酸素と反応し、無臭成分へと分解される。分解されなかったその他の臭気成分の一部は、無機系吸着剤から脱離する。この無機系吸着剤から脱離した臭気成分の一部は、再び、無機系吸着剤の近傍に存在し、吸着特性の良い活性炭に吸着される。
このように、臭気成分は、この触媒フィルタ1に流入してから流出するまでの間に、活性炭及び無機系吸着剤との間で吸着及び脱離を繰り返す。それゆえ、この触媒フィルタ1は、長時間にわたって臭気成分を保持することができる。また、この作用により、臭気成分は、活性炭又は無機系吸着剤の細孔内に保持される時間が長い。
したがって、活性炭と無機系吸着剤とを併用した場合、活性炭のみを用いた場合と比較して、臭気成分と活性酸素との反応性に優れている。
また、上述したように、活性炭は、無機系吸着剤と比較して、大量の臭気成分を吸着することができる。したがって、活性炭と無機系吸着剤とを併用した場合、無機系吸着剤のみを用いた場合と比較して、吸着飽和に達し難い。
そして、上述したように、この触媒フィルタ1において、二酸化マンガンは、活性炭及び無機系吸着剤の近傍に存在している可能性が高い。したがって、活性炭及び無機系吸着剤が脱着した臭気成分と、二酸化マンガンが生成した活性酸素とが反応しやすい。それゆえ、この触媒フィルタ1は、臭気成分を効率よく酸化分解することができる。
また、この触媒フィルタ1は、シリカを含んでいる。シリカは、上述した成分の少なくとも一部を被覆することにより、これらの表面状態を変化させ、上述した反応において、水分による影響を受けにくくさせると考えられる。それゆえ、この触媒フィルタ1は、高湿度環境下において、脱臭性能及びオゾン分解性能に優れている。
図2は、本発明の他の態様に係る脱臭装置を概略的に示す説明図である。
この脱臭装置10は、容器11を備えている。容器11は、一例によれば、給気口と排気口とが設けられた密閉容器である。ここでは、一例として、容器11の端部に、容器11内に臭気成分を含んだ臭気ガスを供給するための給気口IPを設け、容器11の他端部に、容器11内のガスを排気するための排気口OPを設けている。
脱臭装置10は、容器11内において、給気口IPと排気口OPとの間に、触媒フィルタ1を更に備えている。触媒フィルタ1は、容器11の内部空間を、給気口IPと隣り合った前室、及び、排気口OPと隣り合った後室に仕切っている。なお、この前室は、臭気ガスが供給される処理室である。
この脱臭装置10は、オゾン発生器12とファン13とを更に備えている。
オゾン発生器12は、処理室にオゾンを供給するか、又は、処理室内でオゾンを発生させる。ここでは、一例として、処理室内にオゾン発生器12が設けられている。オゾン発生器12としては、例えば、紫外線ランプを用いることができる。
ファン13は、給気口IPから排気口OPへと向かって気体の流れを発生させる。ここでは、一例として、ファン13は触媒フィルタ1と排気口OPとの間に位置している。
この脱臭装置10において、処理室と、触媒フィルタ1と、ファン13とは、臭気ガスの流れ方向に沿って、この順に配置していることが好ましい。
次いで、この脱臭装置10を用いた脱臭方法を、図2を用いて説明する。
臭気ガスは、ファン13により発生した気体の流れにより、給気口IPから処理室内に供給される。次いで、処理室において、臭気ガスに含まれる臭気成分の少なくとも一部は、オゾン発生器12から供給されたオゾンにより、無臭成分へと酸化分解される。次いで、オゾンと無臭成分と残りの臭気成分とは、触媒フィルタ1へ供給される。触媒フィルタ1は、オゾンで処理された臭気ガスから、オゾン及び臭気成分を除去する。すなわち、触媒フィルタ1は、オゾンを酸素と活性酸素とへ酸化分解する。そして、この活性酸素は、残りの臭気成分の一部を無臭成分へと酸化分解する。次いで、無臭成分は、排気口OPを介して容器11の外部へと排出される。
このような脱臭装置10を用いると、高湿度環境下において、優れた脱臭性能及びオゾン分解性能を達成することができる。それゆえ、この脱臭装置10では、処理室に供給するオゾンの量を少なくすることができる。したがって、この脱臭装置10では、この触媒フィルタ1の後段に、オゾン処理のための構成を設ける必要がない。また、この脱臭装置10は、湿度が高い室内、例えば、相対湿度が70%以上の室内においても、優れた脱臭性能を達成することができる。
この脱臭装置10は、例えば、空気清浄装置に用いることができる。
空気清浄装置は、この脱臭装置10と、1以上の集塵フィルタとを有している。この集塵フィルタは、例えば、給気口IPと処理室との間に位置していてもよい。この場合、集塵フィルタは、処理室に供給される前の臭気ガスから塵の少なくとも一部を除去する。また、この集塵フィルタは、処理室内に位置していてもよい。この場合、この集塵フィルタは、触媒フィルタ1に供給される前の臭気ガスから塵の少なくとも一部を除去する。更に、この集塵フィルタは、触媒フィルタ1と排気口OPとの間に位置していてもよい。この場合、この集塵フィルタは、触媒フィルタ1に供給された後、臭気成分の少なくとも一部とオゾンとが除去された臭気ガスから塵の少なくとも一部を除去する。集塵フィルタとしては、例えば、抄紙、不織布又はウレタンフォームを用いることができる。
このような空気清浄装置を用いると、高湿度環境下において、優れた脱臭性能及びオゾン分解性能を達成することができる。
以下、本発明の実施例について説明する。
<例1>
先ず、100質量部の二酸化マンガンと、20質量部のゼオライトと、100質量部のシリカゾルと、100質量部の純水とを混合し、十分に撹拌してスラリーを得た。ここでは、二酸化マンガンとして、アモルファス構造を有し、その比表面積が230m2/gであり、その平均粒径は9μmであるものを用いた。また、ゼオライトとしては、シリカとアルミナとのモル比が37であり、その比表面積は450m2/gであり、β型であるものを用いた。また、シリカゾルとしては、固形分量が40質量%であるものを用いた。
次いで、このスラリーに硝酸を添加して、このスラリーのpHを5.5に調整した。次いで、このスラリーに基材を浸漬させた。ここでは、基材として、活性炭を含浸させた抄紙をコルゲートハニカム構造に加工したものを用いた。なお、この基材の単位容積当りの活性炭の含有量は、50g/Lであり、この基材に含まれる活性炭は、木質系活性炭であった。
次いで、120℃の温度で基材を乾燥させて、触媒フィルタ1を得た。ここで、この触媒フィルタ1の単位容積当たりのコート量は、55g/Lであった。なお、この触媒フィルタ1の単位容積当りの二酸化マンガンの含有量は34g/Lであり、ゼオライトの含有量は6.3g/Lであり、シリカの含有量は14.7g/Lであった。以下、この触媒フィルタ1をフィルタF1という。
<例2>
100質量部のシリカゾルの代わりに、160質量部のアルミナゾルを用いたこと以外は、例1に記載したのと同様の方法により、触媒フィルタ1を得た。ここでは、アルミナゾルとして、日産化学工業株式会社製 AS−200を用いた。このアルミナゾルは、固形分量が25質量%であった。なお、このアルミナゾルに含まれるアルミナの量は、10質量%であった。以下、この触媒フィルタ1をフィルタF2という。
<性能評価A>
フィルタF1及びF2について、高湿度環境下における脱臭性能及びオゾン分解性能を評価した。具体的には、先ず、一辺が3cmの立方体となるように各フィルタの一部を切り出し、これをカラムにセットした。なお、カラム内の相対湿度は70%であった。次いで、このカラム内の相対湿度を70%に維持しながら、このカラムに60分間にわたって前処理ガスを流通させた。前処理ガスとしては、空気に10ppmのアセトアルデヒドを混入させたガスを用いた。なお、この前処理ガスの流量は5L/minであった。
次いで、このカラムに流通させるガスを、前処理ガスからオゾン含有ガスに切り替えて、90分間にわたってこのオゾン含有ガスを流通させた。なお、オゾン含有ガスとしては、上記の前処理ガスに5ppmのオゾンを混入させたガスを用いた。
上記試験開始から一定時間ごとに、このカラムの出口におけるアセトアルデヒド濃度とオゾン濃度とを測定した。
次いで、カラム内の相対湿度を70%から90%に変更したこと以外は、上記の相対湿度70%の試験について説明したのと同様の方法で試験を行い、カラム出口におけるアセトアルデヒド濃度とオゾン濃度とを測定した。
次いで、相対湿度90%の条件下で得られたアセトアルデヒド出口濃度から、相対湿度70%の条件下で得られたアセトアルデヒド出口濃度を減じた値を算出して、アセトアルデヒドの変化量とした。
また、相対湿度90%の条件下で得られたオゾン出口濃度から、相対湿度70%の条件下で得られたオゾン出口濃度を減じた値を算出して、オゾンの変化量とした。
この結果を表1及び図3乃至図8に示す。
上記表1において、「相対湿度70%」という見出しの下方の列のうち、「CH3CHO濃度(ppm)」と表記した列には、上記性能評価Aにおいて、相対湿度70%の条件下で得られた、フィルタF1及びF2に係る試験時間毎のアセトアルデヒド出口濃度を示している。「O3濃度(ppm)」と表記した列には、上記性能評価Aにおいて、相対湿度70%の条件下で得られた、フィルタF1及びF2に係る試験時間毎のオゾン出口濃度を示している。
また、上記表1において、「相対湿度90%」という見出しの下方の列のうち、「CH3CHO濃度(ppm)」と表記した列には、上記性能評価Aにおいて、相対湿度90%の条件下で得られた、フィルタF1及びF2に係る試験時間毎のアセトアルデヒド出口濃度を示している。「O3濃度(ppm)」と表記した列には、上記性能評価Aにおいて、相対湿度90%の条件下で得られた、フィルタF1及びF2に係る試験時間毎のオゾン出口濃度を示している。
更に、上記表1において、「変化量」という見出しの下方の列のうち、「CH3CHO濃度(ppm)」と表記した列には、上記性能評価Aで得られたフィルタF1及びF2に係るアセトアルデヒドの変化量を記載している。「O3濃度(ppm)」と表記した列には、上記性能評価Aで得られたフィルタF1及びF2に係るオゾンの変化量を記載している。
図3は、相対湿度70%の条件下でのアセトアルデヒド出口濃度の一例を示すグラフである。図3は、フィルタF1及びF2で得られたデータを利用して作成している。図3において、横軸は経過時間を示し、縦軸はカラムの出口におけるアセトアルデヒド濃度を示している。
図4は、相対湿度70%の条件下でのオゾン出口濃度の一例を示すグラフである。図4は、フィルタF1及びF2で得られたデータを利用して作成している。図4において、横軸は経過時間を示し、縦軸はカラムの出口におけるオゾン濃度を示している。
図5は、相対湿度90%の条件下でのアセトアルデヒド出口濃度の一例を示すグラフである。図5は、フィルタF1及びF2で得られたデータを利用して作成している。図5において、横軸は経過時間を示し、縦軸はカラムの出口におけるアセトアルデヒド濃度を示している。
図6は、相対湿度90%の条件下でのオゾン出口濃度の一例を示すグラフである。図6は、フィルタF1及びF2で得られたデータを利用して作成している。図6において、横軸は経過時間を示し、縦軸はカラムの出口におけるオゾン濃度を示している。
表1及び図3乃至図6に示すように、相対湿度70%及び90%の条件下において、フィルタF1のアセトアルデヒド出口濃度及びオゾン出口濃度は、フィルタF2のアセトアルデヒド出口濃度及びオゾン出口濃度よりも少なかった。
図7は、アセトアルデヒドの変化量の一例を示すグラフである。図7は、フィルタF1及びF2で得られたデータを利用して作成している。図7において、横軸は経過時間を示し、縦軸はアセトアルデヒドの変化量を記載している。
図8は、オゾンの変化量の一例を示すグラフである。図8は、フィルタF1及びF2で得られたデータを利用して作成している。図8において、横軸は経過時間を示し、縦軸はオゾンの変化量を記載している。
表1並びに図7及び図8に示すように、フィルタF1のアセトアルデヒドの変化量及びオゾンの変化量は、フィルタF2のアセトアルデヒドの変化量及びオゾンの変化量よりも少なかった。
表1及び図3乃至図8から明らかなように、バインダとしてシリカゾルを用いた場合、バインダとしてアルミナゾルを用いた場合と比較して、高湿度環境下において、オゾン分解性能及び脱臭性能が高い傾向にある。
<例3>
ゼオライトを用いなかったこと以外は、例1に記載したのと同様の方法により、触媒フィルタ1を得た。なお、この触媒フィルタ1の単位容積当たりのコート量は、50g/Lであった。以下、この触媒フィルタ1をフィルタF3という。
<例4>
活性炭を含有する基材を用いる代わりに、活性炭を含有しない基材を用いたこと以外は、例1に記載したのと同様の方法により、触媒フィルタ1を得た。なお、この触媒フィルタ1の単位容積当たりのコート量は、55g/Lであった。以下、この触媒フィルタ1をフィルタF4という。
<性能評価B>
フィルタF1、F3及びF4について、トリメチルアミン[(CH33N]の浄化性能を評価した。具体的には、アセトアルデヒドの代わりにトリメチルアミンを用いたこと以外は、性能評価Aにおいて相対湿度70%の条件下での試験について説明したのと同様の方法により、カラムの出口におけるトリメチルアミン濃度を測定した。なお、トリメチルアミンは塩基性の臭気成分である。
この結果を表2及び図9に示す。
表2において、「吸着剤」と記載した列には、各フィルタに含まれる吸着剤の種類を記載している。「(CH33N濃度(ppm)」と表記した列には、試験開始から150分経過したときのカラム出口におけるトリメチルアミン濃度を記載している。
図9は、トリメチルアミン出口濃度の一例を示すグラフである。図9は、フィルタF1、F3及びF4について得られたデータをもとに作成している。図9において、横軸は触媒フィルタ1の種類を示し、縦軸は試験開始から150分経過したときのカラム出口におけるトリメチルアミン濃度を示している。
表2及び図9に示すとおり、フィルタF1のトリメチルアミン出口濃度は、フィルタF3及びF4のトリメチルアミン出口濃度よりも低かった。すなわち、活性炭及び無機系吸着剤を併用すると、活性炭又は無機系吸着剤を単独で使用するよりも、脱臭性能が高い傾向にある。
<例5>
スラリーに50質量部の酸化銅を更に加えたこと以外は、例1に記載したのと同様の方法により、触媒フィルタ1を得た。なお、この触媒フィルタ1の単位容積当たりのコート量は、55g/Lであった、以下、この触媒フィルタ1をフィルタF5という。
<性能評価C>
フィルタF5について、アセトアルデヒド浄化性能及びオゾン分解性能を評価した。具体的には、性能評価Aにおいて相対湿度70%の条件下での試験について説明したのと同様の方法により、カラムの出口におけるアセトアルデヒド濃度及びオゾン濃度を測定した。
この結果を表3並びに図10及び図11に示す。
表3において、「CH3CHO濃度(ppm)」と記載した列には、性能評価Cにおいて得られた、フィルタF5に係る試験時間毎のアセトアルデヒド出口濃度を示している。「O3濃度(ppm)」と記載した列には、性能評価Cにおいて得られた、フィルタF5に係る試験時間毎のオゾン出口濃度を示している。
図10は、アセトアルデヒド出口濃度の一例を示すグラフである。図10は、フィルタF1及びF5で得られたデータを利用して作成している。図10において、横軸は経過時間を示し、縦軸はカラムの出口におけるアセトアルデヒド濃度を示している。
図11は、オゾン出口濃度の一例を示すグラフである。図11は、フィルタF1及びF5で得られたデータを利用して作成している。図11において、横軸は経過時間を示し、縦軸はカラムの出口におけるオゾン濃度を示している。
表1及び3並びに図10及び図11に示すとおり、フィルタF1のアセトアルデヒド出口濃度及びオゾン出口濃度は、フィルタF5のアセトアルデヒド出口濃度及びオゾン出口濃度よりも低かった。すなわち、酸化銅を含まない触媒フィルタ1の脱臭性能及びオゾン分解性能は、酸化銅を含む触媒フィルタ1の脱臭性能及びオゾン分解性能よりも高い傾向にある。
<例6>
アモルファス構造を有する二酸化マンガンを用いる代わりに、γ型構造を有する二酸化マンガンを用いたこと以外は、例1に記載したのと同様の方法により、触媒フィルタ1を得た。なお、この二酸化マンガンの比表面積は167m2/gであり、平均粒径は9μmであった。以下、この触媒フィルタ1をフィルタF6という。
<性能評価D>
フィルタF6について、アセトアルデヒド浄化性能及びオゾン分解性能を評価した。具体的には、性能評価Cについて説明したのと同様の方法により、試験開始から150分経過したときのカラム出口におけるアセトアルデヒド濃度及びオゾン濃度を測定した。
その結果、フィルタF6に係るアセトアルデヒド出口濃度は、1.04ppmであり、オゾン出口濃度は、0.25ppmであった。
図12は、アセトアルデヒド出口濃度及びオゾン出口濃度の一例を示すグラフである。図12は、フィルタF1及びF6について得られたデータをもとに作成している。図12において、横軸は浄化対象の種類を示し、縦軸は試験開始から150分経過したときのカラム出口におけるアセトアルデヒド濃度及びオゾン濃度を示している。
図12に示すように、フィルタF1のアセトアルデヒド出口濃度及びオゾン出口濃度は、フィルタF6のアセトアルデヒド出口濃度及びオゾン出口濃度よりも低かった。すなわち、アモルファス構造を有する二酸化マンガンを含む触媒フィルタ1の脱臭性能及びオゾン分解性能は、ガンマ型結晶構造を有する二酸化マンガンを含む触媒フィルタ1の脱臭性能及びオゾン分解性能よりも高い傾向にある。
<例7>
比表面積が230m2/gである二酸化マンガンを用いる代わりに、比表面積が289m2/gである二酸化マンガンを用いたこと以外は、例1に記載したのと同様の方法により、触媒フィルタ1を得た。なお、この二酸化マンガンはアモルファス構造であり、その平均粒径は9μmであった。以下、この触媒フィルタ1をフィルタF7という。
<例8>
比表面積が230m2/gである二酸化マンガンを用いる代わりに、比表面積が200m2/gである二酸化マンガンを用いたこと以外は、例1に記載したのと同様の方法により、触媒フィルタ1を得た。なお、この二酸化マンガンはアモルファス構造であり、その平均粒径は9μmであった。以下、この触媒フィルタ1をフィルタF8という。
<例9>
比表面積が230m2/gである二酸化マンガンを用いる代わりに、比表面積が194m2/gである二酸化マンガンを用いたこと以外は、例1に記載したのと同様の方法により、触媒フィルタ1を得た。なお、この二酸化マンガンはアモルファス構造であり、その平均粒径は9μmであった。以下、この触媒フィルタ1をフィルタF9という。
<例10>
比表面積が230m2/gである二酸化マンガンを用いる代わりに、比表面積が189m2/gである二酸化マンガンを用いたこと以外は、例1に記載したのと同様の方法により、触媒フィルタ1を得た。なお、この二酸化マンガンはアモルファス構造であり、その平均粒径は9μmであった。以下、この触媒フィルタ1をフィルタF10という。
<例11>
比表面積が230m2/gである二酸化マンガンを用いる代わりに、比表面積が185m2/gである二酸化マンガンを用いたこと以外は、例1に記載したのと同様の方法により、触媒フィルタ1を得た。なお、この二酸化マンガンはアモルファス構造であり、その平均粒径は9μmであった。以下、この触媒フィルタ1をフィルタF11という。
<例12>
比表面積が230m2/gである二酸化マンガンを用いる代わりに、比表面積が160m2/gである二酸化マンガンを用いたこと以外は、例1に記載したのと同様の方法により、触媒フィルタ1を得た。なお、この二酸化マンガンはアモルファス構造であり、その平均粒径は9μmであった。以下、この触媒フィルタ1をフィルタF12という。
<例13>
比表面積が230m2/gである二酸化マンガンを用いる代わりに、比表面積が154m2/gである二酸化マンガンを用いたこと以外は、例1に記載したのと同様の方法により、触媒フィルタ1を得た。なお、この二酸化マンガンはアモルファス構造であり、その平均粒径は9μmであった。以下、この触媒フィルタ1をフィルタF13という。
<例14>
比表面積が230m2/gである二酸化マンガンを用いる代わりに、比表面積が151m2/gである二酸化マンガンを用いたこと以外は、例1に記載したのと同様の方法により、触媒フィルタ1を得た。なお、この二酸化マンガンはアモルファス構造であり、その平均粒径は9μmであった。以下、この触媒フィルタ1をフィルタF14という。
<性能評価E>
フィルタF1及びF7乃至F14について、オゾン除去率を評価した。具体的には、先ず、一辺が10cmの立方体となるように各フィルタの一部を切り出し、これをカラムにセットした。なお、カラム内の相対湿度は50%であった。次いで、このカラム内の相対湿度を50%に維持しながら、このカラムに140時間にわたって処理ガスを流通させた。処理ガスとしては、空気に4ppmのオゾンを混入させたガスを用いた。なお、この処理ガスの流量は2.38m3/minであった。次いで、試験終了時のカラム出口におけるオゾン濃度を測定して、オゾン除去率を算出した。
この結果を表4及び図13に示す。
表4において、「二酸化マンガン比表面積(m2/g)」と記載した列には、各フィルタに含まれる二酸化マンガンの比表面積を記載している。「オゾン除去率(%)」と表記した列には、性能評価Eにより得られたオゾン除去率を記載している。
図13は、二酸化マンガンの比表面積とオゾン除去率との関係の一例を示すグラフである。図13は、フィルタF1及びF7乃至F14について得られたデータをもとに作成している。図13において、横軸は二酸化マンガンの比表面積を示し、縦軸はオゾン除去率を示している。
表4及び図13に示すとおり、フィルタF1及びF7乃至F12のオゾン除去率は、フィルタF13及びF14のオゾン除去率よりも高かった。すなわち、比表面積が160m2/g以上である二酸化マンガンを含む触媒フィルタ1は、それよりも小さい比表面積の二酸化マンガンを含む触媒フィルタ1と比較して、オゾン分解性能が高い傾向にある。
<例15>
二酸化マンガンの量を減少させたこと以外は、例1に記載したのと同様の方法により、触媒フィルタ1を得た。なお、この触媒フィルタ1の単位容積当りの二酸化マンガンの含有量は1g/Lであった。以下、この触媒フィルタ1をフィルタF15という。
<例16>
二酸化マンガンの量を増加させたこと以外は、例1に記載したのと同様の方法により、触媒フィルタ1を得た。なお、この触媒フィルタ1の単位容積当りの二酸化マンガンの含有量は73g/Lであった。以下、この触媒フィルタ1をフィルタF16という。
<例17>
二酸化マンガンの量を増加させたこと以外は、例1に記載したのと同様の方法により、触媒フィルタ1を得た。なお、この触媒フィルタ1の単位容積当りの二酸化マンガンの含有量は100g/Lであった。以下、この触媒フィルタ1をフィルタF17という。
<例18>
二酸化マンガンの量を減少させたこと以外は、例1に記載したのと同様の方法により、触媒フィルタ1を得た。なお、この触媒フィルタ1の単位容積当りの二酸化マンガンの含有量は0.3g/Lであった。以下、この触媒フィルタ1をフィルタF18という。
<例19>
二酸化マンガンの量を増加させたこと以外は、例1に記載したのと同様の方法により、触媒フィルタ1を得た。なお、この触媒フィルタ1の単位容積当りの二酸化マンガンの含有量は105g/Lであった。以下、この触媒フィルタ1をフィルタF19という。
<性能評価F>
フィルタF1及びF15乃至F19について、アセトアルデヒド浄化性能及びオゾン分解性能を評価した。具体的には、性能評価Cについて説明したのと同様の方法により、試験開始から3時間経過したときのカラム出口におけるアセトアルデヒド濃度及びオゾン濃度を測定した。
この結果を表5に示す。
表5において、「二酸化マンガン含有量(g/L)」と記載した列には、各フィルタの単位容積当りの二酸化マンガンの含有量を記載している。「CH3CHO濃度(ppm)」と表記した列には、試験開始から3時間経過したときのカラム出口におけるアセトアルデヒド濃度を記載している。「O3濃度(ppm)」と表記した列には、試験開始から3時間経過したときのカラム出口におけるオゾン濃度を記載している。
図14は、二酸化マンガン含有量とアセトアルデヒド出口濃度との関係の一例を示すグラフである。図14は、フィルタF1及びF15乃至F19について得られたデータをもとに作成している。図14において、横軸は触媒フィルタ1の単位容積当りの二酸化マンガンの含有量を示し、縦軸は試験開始から3時間経過したときのカラム出口におけるアセトアルデヒド濃度を示している。
表5及び図14に示すとおり、フィルタF1、F15乃至F17及びF19に係るアセトアルデヒド出口濃度は、フィルタF18に係るアセトアルデヒド出口濃度よりも低かった。すなわち、単位容積当りの二酸化マンガンの含有量が1g/L以上である触媒フィルタ1は、単位容積当りの二酸化マンガンの含有量が1g/Lよりも少ない触媒フィルタ1と比較して、脱臭性能が高い傾向にある。
ここで、フィルタF19においては、二酸化マンガンの一部が基材から脱落した。したがって、単位容積当りの二酸化マンガンの含有量が100g/Lよりも多い触媒フィルタ1は、単位容積当りの二酸化マンガンの含有量が100g/L以下である触媒フィルタ1と比較して、耐久性が低い傾向にある。
<例20>
先ず、木質系活性炭を準備した。具体的には、塩酸を用いてこの活性炭を洗浄した後、イオン交換水を用いてこの活性炭を更に洗浄した。次いで、この活性炭を乾燥させた。なお、この活性炭の塩素含有量は0.0025質量%であった。以下、この活性炭を活性炭C1という。
スラリーに活性炭C1を加えたこと、及び活性炭を含有する基材を用いる代わりに、活性炭を含まない基材を用いたこと以外は、例1に記載したのと同様の方法により、触媒フィルタ1を得た。なお、この触媒フィルタ1の単位容積当りの活性炭の含有量は50g/Lであった。以下、この触媒フィルタ1をフィルタF20という。
<例21>
先ず、木質系活性炭を準備した。具体的には、塩酸を用いてこの活性炭を洗浄した後、イオン交換水を用いてこの活性炭を更に洗浄した。次いで、この活性炭を乾燥させた。なお、この活性炭の塩素含有量は0.005質量%であった。以下、この活性炭をC2という。
活性炭C1の代わりに活性炭C2を用いたこと以外は、例20に記載したのと同様の方法により、触媒フィルタ1を得た。なお、この触媒フィルタ1の単位容積当りの活性炭の含有量は50g/Lであった。以下、この触媒フィルタ1をフィルタF21という。
<例22>
先ず、木質系活性炭を準備した。具体的には、塩酸を用いてこの活性炭を洗浄した後、イオン交換水を用いてこの活性炭を更に洗浄した。次いで、この活性炭を乾燥させた。なお、この活性炭の塩素含有量は0.0125質量%であった。以下、この活性炭をC3という。
活性炭C1の代わりに活性炭C3を用いたこと以外は、例20に記載したのと同様の方法により、触媒フィルタ1を得た。なお、この触媒フィルタ1の単位容積当りの活性炭の含有量は50g/Lであった。以下、この触媒フィルタ1をフィルタF22という。
<例23>
先ず、木質系活性炭を準備した。具体的には、塩酸を用いてこの活性炭を洗浄した後、イオン交換水を用いてこの活性炭を更に洗浄した。次いで、この活性炭を乾燥させた。なお、この活性炭の塩素含有量は0.0375質量%であった。以下、この活性炭をC4という。
活性炭C1の代わりに活性炭C4を用いたこと以外は、例20に記載したのと同様の方法により、触媒フィルタ1を得た。なお、この触媒フィルタ1の単位容積当りの活性炭の含有量は50g/Lであった。以下、この触媒フィルタ1をフィルタF23という。
<例24>
先ず、木質系活性炭を準備した。具体的には、塩酸を用いてこの活性炭を洗浄した後、イオン交換水を用いてこの活性炭を更に洗浄した。次いで、この活性炭を乾燥させた。なお、この活性炭の塩素含有量は0.075質量%であった。以下、この活性炭をC5という。
活性炭C1の代わりに活性炭C5を用いたこと以外は、例20に記載したのと同様の方法により、触媒フィルタ1を得た。なお、この触媒フィルタ1の単位容積当りの活性炭の含有量は50g/Lであった。以下、この触媒フィルタ1をフィルタF24という。
<例25>
先ず、木質系活性炭を準備した。具体的には、純水を用いてこの活性炭を洗浄した後、イオン交換水を用いてこの活性炭を更に洗浄した。次いで、この活性炭を乾燥させた。なお、この活性炭の塩素含有量は0.000質量%であった。以下、この活性炭をC6という。
活性炭C1の代わりに活性炭C6を用いたこと以外は、例20に記載したのと同様の方法により、触媒フィルタ1を得た。なお、この触媒フィルタ1の単位容積当りの活性炭の含有量は50g/Lであった。以下、この触媒フィルタ1をフィルタF25という。
<性能評価G>
フィルタF20乃至F25について、剥離量を測定した。具体的には、先ず、各フィルタの質量Aを測定した。次いで、各フィルタを落下装置にセットした。次いで、このフィルタを10cmの高さから落下させた。次いで、このフィルタの質量Bを測定した。フィルタ質量Aからフィルタ質量Bを減じた値を、剥離量(A−B)とした。
この結果を表6及び図15に示す。
表6において、「活性炭の塩素含有量(wt%)」と記載した列には、各フィルタに含まれる活性炭に係る塩素含有量を記載している。「剥離量(g)」と表記した列には、上記性能評価Gにより得られた剥離量を記載している。
図15は、活性炭の塩素含有量と剥離量との関係の一例を示すグラフである。図15は、フィルタF20乃至F25について得られたデータをもとに作成している。図15において、横軸は活性炭の塩素含有量を示し、縦軸は上記性能評価Gにより得られた剥離量を示している。
表6及び図15に示すとおり、フィルタF20乃至F22及びF25に係る剥離量は、フィルタF23及びF24に係る剥離量よりも少なかった。すなわち、塩素含有量が0.0125質量%以下である活性炭を含む触媒フィルタ1は、塩素含有量が0.0125質量%よりも多い活性炭を含む触媒フィルタ1と比較して、耐久性が高い傾向にある。
<例26>
活性炭の量を減少させたこと以外は、例25に記載したのと同様の方法により、触媒フィルタ1を得た。なお、この触媒フィルタ1の単位容積当りの活性炭の含有量は2g/Lであった。以下、この触媒フィルタ1をフィルタF26という。
<例27>
活性炭の量を減少させたこと以外は、例25に記載したのと同様の方法により、触媒フィルタ1を得た。なお、この触媒フィルタ1の単位容積当りの活性炭の含有量は15g/Lであった。以下、この触媒フィルタ1をフィルタF27という。
<例28>
活性炭の量を減少させたこと以外は、例25に記載したのと同様の方法により、触媒フィルタ1を得た。なお、この触媒フィルタ1の単位容積当りの活性炭の含有量は35g/Lであった。以下、この触媒フィルタ1をフィルタF28という。
<例29>
活性炭の量を増加させたこと以外は、例25に記載したのと同様の方法により、触媒フィルタ1を得た。なお、この触媒フィルタ1の単位容積当りの活性炭の含有量は100g/Lであった。以下、この触媒フィルタ1をフィルタF29という。
<例30>
活性炭の量を減少させたこと以外は、例25に記載したのと同様の方法により、触媒フィルタ1を得た。なお、この触媒フィルタ1の単位容積当りの活性炭の含有量は0.5g/Lであった。以下、この触媒フィルタ1をフィルタF30という。
<例31>
活性炭の量を増加させたこと以外は、例25に記載したのと同様の方法により、触媒フィルタ1を得た。なお、この触媒フィルタ1の単位容積当りの活性炭の含有量は120g/Lであった。以下、この触媒フィルタ1をフィルタF31という。
<性能評価H>
F25乃至F31について、アセトアルデヒド浄化性能及びオゾン分解性能を評価した。具体的には、性能評価Cについて説明したのと同様の方法により、試験開始から3時間経過したときのカラム出口におけるアセトアルデヒド濃度及びオゾン濃度を測定した。
また、フィルタF25乃至F31について、アセトン吸着力を測定した。具体的には、日本工業規格JISK1474:2007「活性炭試験方法」に記載された方法により測定した。なお、アセトンの希釈割合は1/1とした。
この結果を表7及び図16に示す。
更に、フィルタF4について、性能評価Cについて説明したのと同様の方法により、試験開始から3時間経過したときのカラム出口におけるアセトアルデヒド濃度を測定した。その結果、フィルタF4に係るアセトアルデヒド出口濃度は、3ppmであった。
表7において、「活性炭含有量(g/L)」と記載した列には、各フィルタの単位容積当りの活性炭の含有量を記載している。「CH3CHO濃度(ppm)」と表記した列には、試験開始から3時間経過したときのカラム出口におけるアセトアルデヒド濃度を記載している。「O3濃度(ppm)」と表記した列には、試験開始から3時間経過したときのカラム出口におけるオゾン濃度を記載している。「アセトン吸着力(g/L)」と表記した列には、性能評価Hで得られた触媒フィルタ1の単位容積当りのアセトン吸着力を記載している。
図16は、活性炭含有量とアセトアルデヒド出口濃度との関係の一例を示すグラフである。図16は、フィルタF1、F4及びF25乃至F31について得られたデータをもとに作成している。図16において、横軸は触媒フィルタ1の単位容積当りの活性炭の含有量を示し、縦軸は試験開始から3時間経過したときのカラム出口におけるアセトアルデヒド濃度を示している。
表7及び図16に示すとおり、フィルタF25乃至F29及びF31に係るアセトアルデヒド出口濃度は、フィルタF4及びF30に係るアセトアルデヒド出口濃度よりも低かった。すなわち、単位容積当りの活性炭の含有量が2g/L以上である触媒フィルタ1は、単位容積当りの活性炭の含有量が2g/Lよりも少ない触媒フィルタ1と比較して、脱臭性能が高い傾向にある。
また、表7に示すとおり、フィルタF25乃至F29及びF31に係るオゾン出口濃度は、フィルタF30に係るオゾン出口濃度よりも低かった。すなわち、単位容積当りの活性炭の含有量が15g/L以上である触媒フィルタ1は、単位容積当りの活性炭の含有量が15g/Lよりも少ない触媒フィルタ1と比較して、オゾン分解性能が高い傾向にある。
更に、表7に示すとおり、触媒フィルタ1の単位容積当りのアセトン吸着量が5g/L以上であると、触媒フィルタ1の単位容積当りのアセトン吸着量が5g/Lより少ない場合と比較して、脱臭性能が高い傾向にある。
そして、図16に示すとおり、フィルタF25に係るアセトアルデヒド出口濃度は、フィルタF1に係るアセトアルデヒド出口濃度よりも低かった。すなわち、活性炭を含有しない基材に、活性炭を含有するスラリーを含浸させる方法により得られた触媒フィルタ1は、活性炭を含有する基材に、活性炭を含有しないスラリーを含浸させる方法により得られた触媒フィルタ1よりも脱臭性能が高い傾向にある。
<例32>
コルゲートハニカム構造に加工した抄紙を基材として用いる代わりに、ポリウレタンフォームを基材として用いたこと以外は、例27に記載したのと同様の方法により、触媒フィルタ1を得た。なお、この触媒フィルタ1の単位容積当りの活性炭の含有量は15g/Lであった。以下、この触媒フィルタ1をフィルタF32という。
<性能評価I>
フィルタF32について、アセトアルデヒド浄化性能を評価した。具体的には、性能評価Cについて説明したのと同様の方法により、試験開始から3時間経過したときのカラム出口におけるアセトアルデヒド濃度を測定した。
その結果、フィルタF32に係るアセトアルデヒド出口濃度は、0.8ppmであった。
図17は、アセトアルデヒド出口濃度の一例を示すグラフである。図17は、フィルタF27及びF32について得られたデータをもとに作成している。図17において、横軸は触媒フィルタ1の種類を示し、縦軸は試験開始から3時間経過したときのカラム出口におけるアセトアルデヒド濃度を示している。
図17に示すように、フィルタF27のアセトアルデヒド出口濃度は、フィルタF32のアセトアルデヒド出口濃度よりも低かった。すなわち、基材にコルゲートハニカム構造に加工した抄紙を用いた触媒フィルタ1の脱臭性能は、基材にポリウレタンフォームに用いた触媒フィルタ1の脱臭性能よりも高い傾向にある。
<例33>
ゼオライトの量を減少させたこと以外は、例1に記載したのと同様の方法により、触媒フィルタ1を得た。なお、この触媒フィルタ1の単位容積当りのゼオライトの含有量は0.15g/Lであった。以下、この触媒フィルタ1をフィルタF33という。
<例34>
ゼオライトの量を増加させたこと以外は、例1に記載したのと同様の方法により、触媒フィルタ1を得た。なお、この触媒フィルタ1の単位容積当りのゼオライトの含有量は15g/Lであった。以下、この触媒フィルタ1をフィルタF34という。
<例35>
ゼオライトの量を増加させたこと以外は、例1に記載したのと同様の方法により、触媒フィルタ1を得た。なお、この触媒フィルタ1の単位容積当りのゼオライトの含有量は20g/Lであった。以下、この触媒フィルタ1をフィルタF35という。
<例36>
ゼオライトの量を減少させたこと以外は、例1に記載したのと同様の方法により、触媒フィルタ1を得た。なお、この触媒フィルタ1の単位容積当りのゼオライトの含有量は0.1g/Lであった。以下、この触媒フィルタ1をフィルタF36という。
<例37>
ゼオライトの量を増加させたこと以外は、例1に記載したのと同様の方法により、触媒フィルタ1を得た。なお、この触媒フィルタ1の単位容積当りのゼオライトの含有量は22g/Lであった。以下、この触媒フィルタ1をフィルタF37という。
<性能評価J>
フィルタF1及びF33乃至F37について、アセトアルデヒド浄化性能及びオゾン分解性能を評価した。具体的には、性能評価Cについて説明したのと同様の方法により、試験開始から3時間経過したときのカラム出口におけるアセトアルデヒド濃度及びオゾン濃度を測定した。
この結果を表8及び図18に示す。
表8において、「ゼオライト含有量(g/L)」と記載した列には、各フィルタの単位容積当りのゼオライトの含有量を記載している。「CH3CHO濃度(ppm)」と表記した列には、試験開始から3時間経過したときのカラム出口におけるアセトアルデヒド濃度を記載している。「O3濃度(ppm)」と表記した列には、試験開始から3時間経過したときのカラム出口におけるオゾン濃度を記載している。
図18は、ゼオライト含有量とアセトアルデヒド出口濃度との関係の一例を示すグラフである。図18は、フィルタF1及びF33乃至F37について得られたデータをもとに作成している。図18において、横軸は触媒フィルタ1の単位容積当りのゼオライトの含有量を示し、縦軸は試験開始から3時間経過したときのカラム出口におけるアセトアルデヒド濃度を示している。
表8及び図18に示すとおり、フィルタF1、F33乃至F35に係るアセトアルデヒド出口濃度は、フィルタF36及びF37に係るアセトアルデヒド出口濃度よりも低かった。すなわち、単位容積当りのゼオライトの含有量が0.15g/L乃至20g/Lの範囲内にある触媒フィルタ1は、単位容積当りのゼオライトの含有量が0.15g/Lよりも少ない触媒フィルタ1及び単位容積当りのゼオライトの含有量が20g/Lよりも多い触媒フィルタ1と比較して、脱臭性能が高い傾向にある。
1…触媒フィルタ、10…脱臭装置、11…容器、12…オゾン発生器、13…ファン、IP…給気口、OP…排気口。

Claims (12)

  1. オゾンで処理された臭気ガスからオゾンの除去及び臭気成分の分解を促進するための触媒フィルタであって、
    二酸化マンガン、活性炭、アルミニウム又はマグネシウムとケイ素とを含む複合酸化物からなる無機系吸着剤、及びシリカを含む触媒フィルタ。
  2. 前記触媒フィルタの単位容積当りの前記シリカの含有量は、0.15g/L乃至20g/Lの範囲内にある請求項1に記載の触媒フィルタ。
  3. 前記二酸化マンガンはアモルファス構造である請求項1又は2に記載の触媒フィルタ。
  4. 前記二酸化マンガンの比表面積は160m2/g乃至300m2/gの範囲内にある請求項1乃至3の何れか1項に記載の触媒フィルタ。
  5. 前記触媒フィルタの単位容積当たりの前記二酸化マンガンの含有量は1g/L乃至100g/Lの範囲内にある請求項1乃至4の何れか1項に記載の触媒フィルタ。
  6. 前記活性炭の塩素含有量は0.0125質量%以下である請求項1乃至5の何れか1項に記載の触媒フィルタ。
  7. 前記触媒フィルタの単位容積当たりの前記活性炭の含有量は2g/L以上である請求項1乃至6の何れか1項に記載の触媒フィルタ。
  8. 前記無機系吸着剤はゼオライト、セピオライト又はこれらの混合物である請求項1乃至7の何れか1項に記載の触媒フィルタ。
  9. 前記触媒フィルタの単位容積当たりの前記無機系吸着剤の含有量は0.15g/L乃至20g/Lの範囲内にある請求項1乃至8の何れか1項に記載の触媒フィルタ。
  10. 前記触媒フィルタの単位容積当りの銅の含有量は0.5g/L以下である請求項1乃至9の何れか1項に記載の触媒フィルタ。
  11. 臭気ガスが供給される処理室と、オゾンを前記処理室に供給し、前記臭気ガスに含まれる臭気成分の少なくとも一部を酸化分解させるオゾン発生器と、前記オゾンで処理された臭気ガスから前記オゾンを除去する触媒フィルタとを備え、
    前記触媒フィルタは、請求項1乃至10の何れか1項に記載の触媒フィルタを含む脱臭装置。
  12. 請求項11に記載の脱臭装置と1以上の集塵フィルタとを備え、
    前記集塵フィルタは、
    前記処理室に供給される前の前記臭気ガスから塵の少なくとも一部を除去するか、
    前記触媒フィルタに供給される前の前記臭気ガスから塵の少なくとも一部を除去するか、又は、
    前記触媒フィルタに供給された後、前記臭気成分の少なくとも一部と前記オゾンとが除去された前記臭気ガスから塵の少なくとも一部を除去する
    空気清浄装置。
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CN111495411A (zh) * 2020-04-30 2020-08-07 浙江师范大学 一种用于分解臭氧的催化剂及其制备方法

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