JP2017191332A - 雑音検出装置、雑音検出方法、雑音低減装置、雑音低減方法、通信装置およびプログラム。 - Google Patents
雑音検出装置、雑音検出方法、雑音低減装置、雑音低減方法、通信装置およびプログラム。 Download PDFInfo
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Abstract
な対応を可能とする。
【解決手段】雑音検出装置100は、入力された音データを所定時間幅のフレームに区切
り、フレーム毎に突発音の検出および検出された突発音の周期性を判定することにより周
期性突発音を検出する。突発音は、ピーク位置における継続時間およびピークの変化量を
用いて検出する。突発音の周期性は、概形モデル化した突発音の波形における自己相関値
および波形の時間幅の等間隔性により判定する。雑音低減装置500は、検出した周期性
突発音に対して、フレーム毎の音声信号含有率に応じた音圧量調整を行い、雑音を低減す
る。通信装置200、600は、検出された周期性突発音に基づく報知および雑音低減さ
れた通話を行う。
【選択図】図1
Description
減装置、雑音低減方法、通信装置およびプログラムに関する。
環境下においては、雑音の発生を迅速に検出する必要性がある場面も発生する。
が開示されている。特許文献2には、包絡線に基づく突発性雑音を検出する装置が開示さ
れている。
、検出した雑音が通信装置のユーザに対する緊急状態を示す場合があり、迅速な対応が求
められる場合がある。また、検出した雑音に対応して、適切に雑音を低減した音声通信を
行う必要がある。
しているが、検出される雑音は、周辺環境やパワースペクトルを求める際の分析窓の位置
によっては、標準モデルとは異なることも多い。また、標準雑音との照合は、照合処理に
よる遅延を発生してしまう。また、特許文献2においては、突発音の信号成分に基づいて
突発音を低減しているが、検出される突発音は通話等の音声成分と構成周波数が重なって
おり、周波数成分のみでの突発音検出が困難であるとともに、突発音の低減とともに音声
成分も低減してしまう。
い遅延時間で検出し、周期性突発音に基づく適切な対応を可能とする、雑音検出装置、雑
音検出方法、雑音低減装置、雑音低減方法、通信装置およびプログラムを提供することを
目的とする。
ータに対して所定の時間幅のフレームに区切る処理を行うフレーム処理部(151)、前
記フレーム処理部により区切られたフレームにおける所定以上の振幅値となるピーク位置
を検出する振幅検出部(152)、前記振幅検出部において検出されたピーク位置におけ
るピークの継続時間およびピークの変化量を算出し、突発音を確定する突発音確定部(1
53)、前記突発音確定部により確定された突発音を概形モデル化する概形モデル化部(
154)、前記概形モデル化部によりモデル化された突発音の概形モデルと、前記音声信
号における過去の概形モデルとの相関値を算出し、前記相関値が所定以上であるか否かを
判断する相関値算出部(155)、前記相関値算出部により所定以上の相関値であると判
断された前記突発音の概形モデルと過去の概形モデルとの時間幅に基づき、周期性を備え
る周期性突発音が発生しているか否かを判断する周期性突発音判定部(156)、を備え
ることを特徴とする。
00)により検出された周期性突発音の音源情報を算出する突発音区間音圧算出部(25
1)、前記突発音区間音圧算出部(251)により算出された音源情報に基づき周期性突
発音に関する通知を行う通知部(290)、を備えることを特徴とする。
ームに区切る処理を行うフレーム処理ステップ(ステップS001)、前記フレーム処理
ステップにおいて区切られたフレームにおける所定以上の振幅値となるピーク位置を検出
する振幅検出ステップ(ステップS002、ステップS003)、前記振幅検出ステップ
において検出されたピーク位置におけるピークの継続時間およびピークの変化量を算出し
、突発音を確定する突発音確定ステップ(ステップS004、ステップS005)、前記
突発音確定ステップにおいて検出された突発音を概形モデル化する概形モデル化ステップ
(ステップS006)、前記概形モデル化ステップにおいて概形モデル化された突発音の
概形モデルと、前記音声信号における過去の概形モデルとの相関値を算出し、前記相関値
が所定以上であるか否かを判断する相関値算出ステップ(ステップS007、ステップS
008)、前記相関値算出ステップにおいて所定以上の相関値であると判断された前記突
発音の概形モデルと過去の概形モデルとの時間幅に基づき、周期性を備える周期性突発音
が発生しているか否かを判断する周期性突発音判定ステップ(ステップS009)、を備
えることを特徴とする。
ンピュータ(250)に、入力された音データに対して所定の時間幅のフレームに区切る
処理を行うフレーム処理ステップ、前記フレーム処理ステップにおいて区切られたフレー
ムにおける所定以上の振幅値となるピーク位置を検出する振幅検出ステップ、前記振幅検
出ステップにおいて検出されたピーク位置におけるピークの継続時間およびピークの変化
量を算出し、突発音を確定する突発音確定ステップ、前記突発音確定ステップにおいて検
出された突発音を概形モデル化する概形モデル化ステップ、前記概形モデル化ステップに
おいて概形モデル化された突発音の概形モデルと、前記音声信号における過去の概形モデ
ルとの相関値を算出し、前記相関値が所定以上であるか否かを判断する相関値算出ステッ
プ、前記相関値算出ステップにおいて所定以上の相関値であると判断された前記突発音の
概形モデルと過去の概形モデルとの時間幅に基づき、周期性を備える周期性突発音が発生
しているか否かを判断する周期性突発音判定ステップ、を実行させることを特徴とする。
間幅のフレームに区切る処理を行うフレーム処理部(551)、前記フレーム処理部によ
り区切られたフレームにおける突発音を検出する突発音検出部(552)、前記フレーム
処理部により区切られたフレームが音声区間であるか否かを判断し、音声区間である場合
は音声区間に含まれる音声成分包含量を算出する音声区間判定部(553)、前記突発音
検出部により検出された突発音が周期性を備えるか否かを判断する突発音周期性判定部(
554)、前記突発音周期性判定部により突発音が周期性を備えると判断された場合、前
記音声区間判定部による判定結果に基づき突発音の音圧量調整値を決定する音圧量調整値
決定部(555)、前記音圧量調整値決定部により決定された音圧量調整値によって突発
音の音圧量を調整することにより、突発音を低減する出力レベル調整部(556)、を備
えることを特徴とする。
音声に対して前記雑音低減装置(500)による雑音低減処理を行うことを特徴とする。
ームに区切る処理を行うフレーム処理ステップ(ステップS501)、前記フレーム処理
ステップにおいて区切られたフレームにおける突発音を検出する突発音検出ステップ(ス
テップS502)、前記フレーム処理ステップにおいて区切られたフレームが音声区間で
あるか否かを判断し、音声区間である場合は音声区間に含まれる音声成分包含量を算出す
る音声区間判定ステップ(ステップS503〜ステップS505)、前記突発音検出ステ
ップにおいて検出された突発音が周期性を備えるか否かを判断する突発音周期性判定ステ
ップ(ステップS506、ステップS507)、前記突発音周期性判定ステップにおいて
突発音が周期性を備えると判断された場合、前記音声区間判定ステップにおける判定結果
に基づき突発音の音圧量調整値を決定する音圧量調整値決定ステップ(ステップS508
〜ステップS512)、前記音圧量調整値決定ステップにおいて決定された音圧量調整値
によって突発音の音圧量を調整することにより、突発音を低減する出力レベル調整ステッ
プ(ステップS513)、を備えることを特徴とする。
ンピュータ(550)に、入力された音声信号に対して所定の時間幅のフレームに区切る
処理を行うフレーム処理ステップ、前記フレーム処理ステップにおいて区切られたフレー
ムにおける突発音を検出する突発音検出ステップ、前記フレーム処理ステップにおいて区
切られたフレームが音声区間であるか否かを判断し、音声区間である場合は音声区間に含
まれる音声成分包含量を算出する音声区間判定ステップ、前記突発音検出ステップにおい
て検出された突発音が周期性を備えるか否かを判断する突発音周期性判定ステップ、前記
突発音周期性判定ステップにおいて突発音が周期性を備えると判断された場合、前記音声
区間判定ステップにおける判定結果に基づき突発音の音圧量調整値を決定する音圧量調整
値決定ステップ、前記音圧量調整値決定ステップにおいて決定された音圧量調整値によっ
て突発音の音圧量を調整することにより、突発音を低減する出力レベル調整ステップ、を
実行させることを特徴とする。
基づく適切な対応を可能とする。
を用いて説明する。
された状態で、一例として工事現場や災害現場などの環境で用いられることがある。この
ような環境で用いられる通信装置は、例えば地盤圧縮機の動作音や酸素マスクのバイブレ
ーション音など持続性のある突発音により通話音声が阻害されることがある。また、それ
らの突発音の存在が通話者に対する危険を示す場合もある。
酸素ボンベの酸素残量が少なくなり圧力が低下すると、酸素マスク内の乱流に起因して酸
素マスクが振動し、周期的な突発音が発生する。このような状態においては、無線装置に
よる通話に周期的突発音が混入し、受話側による音声の聞き取りが困難になってしまう。
さらには、このような周期的突発音の発生が酸素残量の低下を示すため、迅速に把握また
は周囲への通知を行う必要がある。
、通信装置200等に搭載される。雑音検出装置100は、通信装置200等にモジュー
ルとして搭載されてもよく、通信装置200に備えられているCPU(Central Processi
ng Unit)等の処理および通信装置200の構成要素を用いて実現されてもよい。また、
PC(Personal Computer)や携帯端末等により実現されてもよい。
0、制御部150を備える。これら以外にも雑音検出装置100として機能するために必
要な構成要素を適宜備える。
るインターフェースである。具体的には、雑音検出装置100が単体で用いられる場合は
、各種入力端子やマイクロホンであり、雑音検出装置100が通信装置200に内蔵され
る場合は、通信装置200が備えるマイクロホン等から入力された音データが入力される
。入力部110は、入力される音のアナログ信号をデジタルの音データに変換するA/D
コンバータを備えていてもよく、入力される音データをデジタルデータとして制御部15
0に入力させる。
関する情報の具体例としては、雑音検出の有無、雑音検出による通知指示等である。出力
部120による出力形態や出力タイミング等は、制御部150により制御される。出力部
120は、雑音検出装置100が単体で用いられる場合は、音声または映像の出力を行う
各種インターフェースを備え、雑音検出装置100が通信装置200に内蔵される場合は
、通信装置200が備える出力インターフェースに情報を出力する。
、概形モデル波形等を記憶する。記憶部130は、制御部としてのCPUに付随している
RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)、その他の記憶素子であ
る。また、雑音検出装置100が通信装置200に内蔵されている場合は通信装置200
の記憶部として共用であってもよい。また、制御部150において実行される各種プログ
ラムも記憶部130に記憶される。
実行するCPUやDSP(Digital Signal Processor)等である。雑音検出装置100が
通信装置200に内蔵されている場合は、通信装置200の制御部250と共用であって
もよい。
いて制御部150は、フレーム処理部151、振幅検出部152、突発音確定部153、
概形モデル化部154、相関値算出部155、周期性突発音判定部156を実現する。
に対して、所定のサンプル数に従った時間幅で音データをフレームに区切る処理を行う。
成する複数のサンプル点より、振幅値が他のサンプル点と比較して高い値を示すサンプル
点の位置をピーク位置として検出する処理を行う。具体的には、振幅値が所定の閾値以上
である場合のピーク位置を検出する。
幅の高い信号が継続する期間と、ピーク位置を基準としたエネルギー変化量を算出し、検
出対象となる突発音を確定する処理を行う。
振幅波形から概形モデル波形を生成する処理を行う。
している過去のフレームにおける概形モデル波形との相関値を算出する処理を行う。また
、算出した相関値が所定以上の相関値であるか否かを判断する。
判断された概形モデル波形と過去の概形モデル波形との時間幅を算出し、概形モデル波形
が周期性を備えるか否か、すなわち突発音が周期性突発音であるか否かを判断する。また
、周期性突発音判定部156は周期性突発音の発生に伴う周期性突発音モードのオンオフ
を制御する。
説明する。
プル数の時間幅でフレーム化する処理を行う(ステップS001)。例えば酸素残量が少
なくなった際の酸素マスクが振動することによる周期的突発音は、最も音圧レベルが高い
ピーク位置の立ち上がりから立ち下がりまで約0.1secの時間幅を有する。従って、
このような周期性突発音の存在を検出するためには、各突発音の前後の突発音を含まない
区間を確保し、ピーク位置における振幅の変化量やエネルギー変化量の推移に基づき突発
音を検出する必要がある。このため、検出対象の突発音の存在を把握するための時間幅と
しては、ピーク位置の立ち上がりから立ち下がりまでの約0.1secに対して、0.3
secから0.5secであることが望ましい。
の突発音や雑音検出装置100を構成するシステムによって変更してもよい。検出対象の
突発音は、物体と物体とが衝突して発する打撃音である場合、衝突する物体によって突発
音の持続時間等が推定されるため、突発音の持続時間の数倍分をフレーム化の時間幅とし
て確保する。
を所定の閾値と比較し(ステップS002)、振幅値が閾値以上であるか否かを判断する
(ステップS003)。ステップS003において、振幅値が閾値以上であると判断され
た場合、振幅検出部152は時間軸上のピーク位置を検出する。
波形例であり、横軸が時間、縦軸が振幅を示している。図3(A)においては、振幅値が
大きい2箇所がそれぞれ突発音である。このように、突発音は他の区間に比べて振幅が大
きいという特徴を有するため、突発音の有無は、平均的な入力信号のエネルギーまたは振
幅値に基づき判断することができる。
)においてはThとして示される。閾値Thは、音データが入力されてから解析フレーム
までの平均値から求めるが、例えば解析フレームの中央値や突発音のデータに基づいて予
め設定された値であってもよい。
発する場合や、周辺雑音の振幅値に突発音の振幅値が加算される場合もある。このような
場合、振幅検出部152が比較する閾値Thは、周囲の雑音レベルに応じて調整されても
よい。
03:No)、解析対象となるフレームにおいて突発音は無いため、次のフレームを解析
対象としてステップS001の処理に戻る。
03:Yes)、突発音確定部153は、検出したピーク位置に基づき振幅の高い信号の
継続時間とピーク位置を基準としたエネルギー変化量を算出し、突発音を確定する(ステ
ップS004)。
用いて説明する。突発音は、上述したように他の区間に比べて振幅値が大きいが、図3(
B)のように振幅の大きい周辺雑音が存在する場合、振幅の大きい周辺雑音も突発音であ
ると判断されてしまう。図3(B)の波形は、突発音の周辺雑音として人の声による音声
が含まれている場合の波形である。
とを対比すると、音声は振幅のピークから急峻に振幅が低下しているのに対し、突発音の
振幅は振幅のピークからの継続時間が音声より長くなっていることが分かる。また、音声
の成分によっては継続時間が突発音の継続時間より長くなる場合もある。このような場合
においても、ステップS004の処理としては、検出対象の突発音の継続時間を基準とし
て継続時間を比較することにより、検出対象の突発音と周辺雑音としての突発性信号とを
区別することができる。
ピーク位置から所定の区間Int内における閾値Th以上の値の数を求める。区間Int
内における閾値Th以上の値が多いということは、振幅の継続時間が長いということを示
す。
、ピーク位置から区間Int内の最後のサンプル位置までの振幅の絶対値を加算し、エネ
ルギーを算出する。図3(B)に示すように、検出対象の突発音の振幅はピーク位置から
緩やかに減衰するが、周辺雑音としての突発性信号は急峻に減衰しているため、エネルギ
ー変化量に差が生じる。従って、突発音確定部153は、ステップS004において算出
した継続時間とエネルギー変化量各々が所定の閾値以上である場合(ステップS005:
Yes)、そのピーク位置における波形を突発音として確定する。所定の閾値以下である
場合(ステップS005:No)、突発音は検出されないため、次のフレームを解析対象
としてステップS001の処理に戻る。
析対象のフレームの境界に突発音がある場合、突発音の継続時間が隣接するフレームとで
分断されるなど、正確な検出ができない場合が生じるためである。具体的には、ステップ
S002からステップS005までの処理を、解析対象のフレームとその直前のフレーム
の一部のサンプル区間を含めて分析することにより可能とする。また、ステップS001
におけるフレーム化処理時に、隣接するフレーム同士オーバーラップする区間を設けたフ
レーム化処理としてもよい。この場合のオーバーラップ区間の時間幅は、検出対象の突発
音の継続時間以上の時間幅であることが好ましい。
短期時間分析である。
形に対して概形モデル化処理を行う(ステップS006)。具体的には、図4(A)に示
すように、入力波形を絶対値に変換する。さらに、図4(B)に示すように絶対値に変換
された波形に対してその振幅値にメディアンフィルターによる処理を行う。なお、振幅値
の概形モデル化処理は上記に限らず、移動平均を用いるなど、他の手法によっても可能で
ある。ステップS006において概形モデル化された波形のデータやピーク位置等は、逐
次記憶部130に記憶される。
cである。上述した短期時間分析により突発音が検出され、その後上述した周期となるフ
レーム数の時間幅内に突発音が検出されなかった場合は、検出された突発音は周期性突発
音ではないため、概形モデル化されたデータは記憶部130から消去してもよい。また、
上述した周期となるフレーム数内に突発音が検出された場合は、周期性突発音である可能
性が高いため、概形モデル化されたデータを所定のフレーム数分記憶部130に記憶する
。記憶するフレーム数は周期性突発音の周期等によって変更されてもよい。
5は、記憶部130に記憶されている過去のフレームにおける概形モデルとの相関値を算
出する(ステップS007)。具体的な処理としては、相関値算出部155は、式1に示
すような一般的な自己相関関数を用いて相関値を算出する。式1において、Nはサンプル
データ数、nは時系列サンプルを表す整数であり、mは時系列のサンプルシフト量を示し
、自己相関関数の結果Aを求める。
用いて説明する。相関値を算出する範囲は、図5(A)の枠で囲った範囲で示すように、
突発音の継続時間とし、これを相関範囲とする。この相関範囲を1サンプルずつずらしな
がらサンプル毎に相関値を算出する。この処理においては、全てのサンプルに対して相関
値を算出すると、演算量が多くなってしまうため、検出対象である周期性突発音の持続時
間分ずらしたサンプルから相関値を算出することにより、算出処理量の効率化を行うこと
ができる。具体例としては、一般的な酸素マスクが振動することにより発生する周期性突
発音の継続時間は約0.05secであるため、約0.05secに相当するサンプル数
分ずらした位置から相関値を算出する。
(B)に示す。図5(B)においては、各々の突発音の波形の後半部分において相関性の
高い形態があることが分かる。この相関値により各々の突発音は相関性があり、連続的に
相関性の高い突発音が存在することが分かる。
上であるか否かを判断する(ステップS008)。ここでいう所定の閾値とは、突発音の
波形同士に十分な相関性があり、同一の発生源による突発音であることが判断できる値と
する。ステップS008において、相関値が所定の閾値以上であると判断された場合(ス
テップS008:Yes)、過去のフレームにおいて同様の突発音が発生しているものと
みなし、次のステップへ移行する。ステップS008において、相関値が所定の閾値以上
ではないと判断された場合(ステップS008:No)、周期的な突発音ではないため、
ステップS001の処理に戻る。
プS008:Yes)、図5(B)に示すように解析対象の突発音と過去の突発音との距
離である時間幅を算出し(ステップS009)、算出した時間幅で周期性を有する周期性
突発音であると判断する。
出した突発音が周期性突発音であることを検出するための長期時間分析である。
雑音に検出対象の突発音以外の音で類似した波形概形を有する突発音が発生した場合、そ
のような偶発的な突発音を検出対象の周期性突発音であると判断してしまう場合もある。
以下の処理は周期性突発音をより正確に検出するための処理である。
を判断する(ステップS010)。周期性突発音モードとは、突発音が検出され且つその
突発音が周期性を有している場合のモードである。突発音が発生していてもその突発音が
周期性を有していない場合は、周期性突発音モードではない。また、突発音検出前の初期
値は、周期性突発音モードではない。
10:Yes)、周期性突発音判定部156は、解析中の突発音区間であるステップS0
09において算出した時間幅と、過去の突発音区間である時間幅とを比較する(ステップ
S011)。ステップS011における具体的な比較例としては、検出対象の周期性突発
音としてとりうる時間幅の下限値から上限値までの間の値であるか否かを判断する。他に
は、解析中の周期性突発音における記憶部130に記憶されている過去分の時間幅の最小
値から最大値まで、またはこれらの最小値および最大値に所定の係数を掛けた値の間など
である。
:Yes)、周期性突発音が継続しているため、周期性突発音モードを維持させる(ステ
ップS012)。ステップS011において、所定の範囲内ではないと判断された場合(
ステップS011:No)、周期性突発音が継続していないため、周期性突発音モードを
解除する(ステップS013)。ステップS011がNoである場合とは、周期性突発音
の周期性が消滅した場合であるが、ステップS013の処理前に、周期性が保たれていな
いと判定された結果の頻度や連続性をステップS013に移行する判断要素として加えて
もよい。
S10:No)、周期性突発音判定部156は突発音の周期性について判定する(ステッ
プS014)。突発音は、例えば過去に一回のみ周期性のある突発音が存在した場合であ
っても、その周期性は偶然発生している可能性もある。従って、ステップS014の判断
として、所定のフレーム以内に周期性のある突発音が所定回数存在するか否かを確認する
ことにより、突発音が周期性突発音であることを確認する。
の高い突発音が確認できた場合、周期性突発音モードとする。これは、突発音が存在し、
さらに所定の解析期間中に突発音が4回検出され、且つそれらの突発音の間隔が等間隔で
ある場合に相当する。等間隔であるか否かの判断は、ステップS011の判断と同一であ
ってもよい。このような突発音は偶発的に発生した確率が低いため、周期性を備えている
と判断することができる。等間隔である相関性の高い突発音の確認回数は、上記に限らず
4回以上であってもよい。
突発音が周期性を備える突発音である場合は周期性突発音モードとし(ステップS016
)、周期性を備える突発音ではない場合は周期性突発音モードではない状態が維持される
。
び周期性突発音モードを備え、突発音の振幅値、継続時間、自己相関値、周期性の時間幅
という特徴量に基づき、正確に周期性突発音を検出することができる。
る各種装置は、ノイズキャンセル処理や音声強調処理など必要な処理を行うことが可能で
ある。
説明する。本実施形態に係る通信装置200は、酸素マスクを装着した状態で使用される
通信装置を例として説明するが、他の実施可能な形態としてはこれに限らない。
クの振動による周期性突発音は、その酸素マスクを装着している人物が緊急を要する状態
であることを表す。また、酸素マスクを装着している複数の人物が存在する場合において
、いずれかの酸素マスクが周期性突発音を発生した場合、現場の状況や酸素マスクあるい
はヘルメット等の装着によって、周辺音を聞き取ることは困難である。このため、雑音検
出装置100が検出した周期性突発音に基づき、迅速な報知や対象人物の特定を行う必要
がある。
種無線通信装置や携帯電話等である。
音声出力部220、通信部230、表示部240、制御部250を備える。これら以外に
も例えば電源や操作部など通信装置200として機能するために必要な構成要素を適宜備
える。
の音信号を取得するためのマイクロフォンおよび雑音検出装置100による雑音を検出す
るためのマイクロフォンである。各々の目的のマイクロフォンは、共用されてもよく各々
備えられていてもよい。マイクロフォン210から入力された音声信号は、制御部250
によって通信部230により送信される搬送波に変調される。また、マイクロフォン21
0から入力された信号は、雑音検出装置100が備える入力部110に入力される。マイ
クロフォン210から入力された音声信号をデジタル信号の音声データに変換するA/Dコ
ンバータを備えてもよい。
を出力するためのスピーカまたはイヤホン等である。音声出力部220への音声出力は、
制御部250によって制御される。
御部253によって制御される。
0により制御される。
するCPUやDSP等であり、雑音検出装置100の制御部150と共用であってもよい
。
いて制御部250は、突発音区間音圧算出部251、通知制御部252、通信制御部25
3を備える。
検出した周期性突発音の音圧レベルや音圧レベルの変化量に基づき、周期性突発音の音源
情報を算出する。
に基づいた通知処理に関する制御を行う。
表示部240などを包括して通知部290とする。通知部290は、通知制御部252の
制御により上記構成要素の一部または全部を用いて通知を行い、通知の手法によっては他
の構成要素を含む。
場合における通信装置200の処理例について、図7から図10を用いて説明する。
振動による周期性突発音を、振動している酸素マスクの装着者またはその周囲で同様に酸
素マスクを装着している他の装着者などが使用している通信装置200が検出した場合の
処理例であるが、これに限定はされない。
いて突発音区間音圧算出部251は、検出した周期性突発音の音圧レベルを予め定められ
ている閾値と比較する(ステップS101)。比較する音圧レベルは、所定区間の平均値
や中央値などである。
上である場合(ステップS102:Yes)、周期性突発音の発生源が自身の酸素マスク
であるため、通知制御部252は、自身の異常発生を通知する(ステップS103)。
体的な例としては、通知制御部252の制御により通信制御部253および通信部230
を用いて、異常発生を知らせる無線送信を行う。異常発生を知らせる無線送信によって、
音声信号として異常の発生を通知したり、受信した周囲の通信装置が備えるLED等の光
源を点滅させ、視覚的に異常の発生を通知してもよい。さらには、自身の通信装置200
が備える表示部240や光源を用いて異常を視覚的に通知してもよい。異常発生を知らせ
る無線送信や表示においては、酸素量低下など具体的な異常内容が判別できることとして
もよい。
上ではない場合(ステップS102:No)、周期性突発音の発生源が自身の酸素マスク
ではなく周囲に存在する他者の酸素マスクであるため、通知制御部252は、周囲の他者
において異常が発生していることを通知する(ステップS104)。ステップS104に
おける他者の異常発生の通知においても、様々な手法が適用可能である。具体的な例とし
ては、ステップS103における例と同様であるが、異常発生を知らせる無線送信や表示
においては、具体的な異常内容に加えて他者に異常が発生していることを判別できること
としてもよい。
テップS105)。ステップS105の処理は、他者が周囲に複数存在する場合、どの他
者に異常が生じているかを明確にするためである。ステップS105の処理については後
述する。
252は、異常対象である他者の位置情報を通知する(ステップS106)。異常対象で
ある他者の位置情報の通知においても様々な手法が適用可能であり、位置情報の種類によ
っても異なる場合もあるが、無線送信による視覚的または聴覚的な通知、または表示部2
40や光源を用いる視覚的な通知が適切である。
者と自己との位置関係を取得する処理を説明するフローチャートである。図7におけるス
テップS101およびステップS102の処理により他者に異常が発生したと判断された
後、突発音区間音圧算出部251は周期性突発音の所定区間毎の音圧レベルの変化を判定
する(ステップS201)。
圧レベルより大きいと判断された場合(ステップS202:Yes)、通知制御部252
は異常が発生している他者が自己に近づいていると判断する(ステップS203)。この
ため、図7におけるステップS106においては、各種手法により異常が発生している他
者が自己に近づいていることを通知する。
圧レベルより小さいと判断された場合(ステップS202:No)、通知制御部252は
異常が発生している他者が自己から遠ざかっていると判断する(ステップS204)。こ
のため、図7におけるステップS106においては、各種手法により異常が発生している
他者が自己から遠ざかっていることを通知する。
っては、複数の音声区間において連続して音圧レベルの上昇または下降が確認されること
により判断してもよい。
きる。
図7におけるステップS101およびステップS102の処理により他者に異常が発生し
たと判断された後、通知制御部252は、音声出力部220による音声出力または表示部
240による表示を用いて、異常対象方向検出のための動作を行う指示を行う(ステップ
S211)。具体的には、通信装置200または通信装置200を保持した人物がその場
で360度回転するように指示する。
定区間毎の音圧レベル取得し(ステップS212)、周期性突発音の方向を判定する(ス
テップS213)。図10は、ステップS212の処理において取得した音圧レベルの例
である。図10においては、回転開始から終了までの角度を横軸とし、音圧レベルを縦軸
としており、180度の位置つまり回転開始時の向きにおいて後方向で最大の音圧レベル
を得ており、その方向に異常が発生した他者が存在していることが分かる。音圧レベルと
回転角度は、ステップS211における指示開始時間から概算してもよいが、通信装置2
00に加速度センサ等が備えられ、加速度センサの出力によって回転角度を取得してもよ
い。
13において判定した異常が発生している他者の方向を通知する。
ことができる。また、図8および図9において説明した他者の位置情報取得処理は他の位
置情報取得処理と組み合わせて実行されてもよい。
第三の処理例については、通信装置200の構成が一部異なってくる。このため、通信装
置200の構成ブロック図を図11を用いて説明する。図11の説明においては図6と共
通する部分の説明は省略する。
11および第2マイクロフォン212を備える。第1マイクロフォン211および第2マ
イクロフォン212は、機能としてはマイクロフォン210と同一であり、複数備えられ
ていることが異なる。
0において同一面またはほぼ対象となるように配置されている。このため、突発音1の発
生位置においては、第2マイクロフォン212には第1マイクロフォン211よりも時間
的に遅延した信号が入力される。同様に、突発音2の発生位置においては、第1マイクロ
フォン211には第2マイクロフォン212よりも時間的に遅延した信号が入力される。
値算出部254は、第1マイクロフォン211および第2マイクロフォン212から入力
された周期性突発音の相関値を求める。
について説明する。図11に示す通信装置200においても、図7に示す周期性突発音を
検出した場合における処理は同一である。
したと判断された後、相関値算出部254は、第1マイクロフォン211および第2マイ
クロフォン212のいずれかに入力された信号を基準として相関値を求める(ステップS
211)。
とする場合、式2を用いて相関値を算出する。式2においては、第1マイクロフォン21
1をマイク1、第2マイクロフォン212をマイク2として記載している。式2において
、Nはサンプルデータ数、nは時系列サンプルを表す整数であり、mは時系列のサンプル
シフト量を示し、自己相関関数の結果Aを求める。
生した場合は、第1マイクロフォン211に対して第2マイクロフォン212より先行し
て周期性突発音の信号が到着する。同様に突発音2の方向で周期性突発音が発生した場合
は、第2マイクロフォン212に対して第1マイクロフォン211より先行して周期性突
発音の信号が到着する。
11または第2マイクロフォン212を基準として相関値を求める。また、相関値算出部
254は、ステップS221で算出した相関値に基づき、相関が最も高い波形の時間幅か
ら周期性突発音の複数のマイクロフォン間の位相差を取得し、位相差より周期性突発音の
発生方向を判定する(ステップS222)。
106にて、指定された各種手法を用いて通知する。このような通知を行うことで、異常
が発生した他者の発見時間のさらなる短縮に繋げることができる。また、図13において
説明した他者の位置情報取得処理は他の位置情報取得処理と組み合わせて実行されてもよ
い。
期性突発音が発生していることや周期性突発音の発生源に関する情報を自身または周囲の
通信装置200へ通知することができる。
2を用いて説明する。
された状態で、一例として工事現場や災害現場などの環境で用いられる。一例としては上
述したように、消防士が火災現場における活動時に用いる酸素マスクが周期的な突発音を
発生し、受話側の音声の聞き取りが困難となる場合がある。
は、後述する通信装置600等に搭載される。雑音低減装置500は、通信装置等にモジ
ュールとして搭載されてもよく、通信装置600に備えられているCPU等の処理および
通信装置600の構成要素を用いて実現されてもよい。また、PCや携帯端末等により実
現されてもよい。
ており、同一の装置であってもよい。また、雑音低減装置500および雑音検出装置10
0は、通信装置600等の構成要素を用いて同時に実現されてもよい。
0、制御部550を備える。これら以外にも雑音低減装置500として機能するために必
要な構成要素を適宜備える。
ンターフェースであり、具体的な構成は入力部110と同様である。
ェースである。出力部520による出力形態や出力タイミング等は、制御部550により
制御される。出力部520は、雑音低減装置500が単体で用いられる場合は、雑音が低
減された音データの出力を行う各種インターフェースを備え、雑音低減装置500が通信
装置600に内蔵される場合は、通信装置600が備える通信部に雑音が低減された音デ
ータを出力する。
、概形モデル等を記憶する。記憶部530の具体的な構成は記憶部130と同様であり、
制御部550において実行される各種プログラムも記憶部530に記憶される。
実行するCPUやDSP等である。雑音低減装置500が通信装置600に内蔵されてい
る場合は、通信装置600の制御部650と共用であってもよい。
いて制御部550は、フレーム処理部551、突発音検出部552、音声区間判定部55
3、突発音周期性判定部554、音圧量調整値決定部555、出力レベル調整部556を
実現する。
た雑音を低減する対象の音データに対して、所定のサンプル数に従った時間幅で音データ
をフレームに区切る処理を行う。
ら、検出対象である突発音を検出する処理を行う。また、突発音検出部552は、検出さ
れた突発音に対して概形モデル化処理を行う。
が音声を含む音声区間であるか否かを判断する処理を行う。また、音声区間判定部553
は、音声区間に対して音声を包含する割合である音声包含量を算出する処理を行う。
る周期性突発音であるか否かを判断する処理を行う。
断された場合、音声区間判定部553による判定結果に基づき突発音の音圧量調整値を決
定する処理を行う。
によって突発音の音圧量を調整することにより、突発音を低減する処理を行う。
52が突発音を検出するための構成は問わないが、一例として図1に示す振幅検出部15
2、突発音確定部153および概形モデル化部154が突発音を検出するための機能であ
るため、各々と同様の機能である振幅検出部561、突発音確定部562および概形モデ
ル化部563を備える。
成する複数のサンプル点より、振幅値が他のサンプル点と比較して高い値を示すサンプル
点の位置をピーク位置として検出する処理を行う。具体的には、振幅値が所定の閾値以上
である場合のピーク位置を検出する。
幅の高い信号が継続する期間と、ピーク位置を基準としたエネルギー変化量を算出し、検
出対象となる突発音を確定する処理を行う。
振幅波形から概形モデル波形を生成する処理を行う。
て説明する。
プル数の時間幅でフレーム化する処理を行う(ステップS501)。ステップS501の
処理は、図2に示すステップS001の処理と同様である。例えば酸素残量が少なくなっ
た際の酸素マスクが振動することによる周期的突発音は、最も音圧レベルが高いピーク位
置の立ち上がりから立ち下がりまで約0.1secの時間幅を有する。従って、このよう
な周期性突発音の存在を検出するためには、各突発音の前後の突発音を含まない区間を確
保し、ピーク位置における振幅の変化量やエネルギー変化量の推移に基づき突発音を検出
する必要がある。このため、検出対象の突発音の存在を把握するための時間幅としては、
ピーク位置の立ち上がりから立ち下がりまでの約0.1secに対して、0.3secか
ら0.5secであることが望ましい。
ら突発音を検出し、検出された突発音の振幅値および波形の変化量から概形モデル化処理
を行う(ステップS502)。突発音検出部552による突発音の検出手法は様々な手法
が適用可能であるが、一例としては、図2に示すステップS002からステップS005
の処理を適用してもよい。また、突発音検出部552による突発音の概形モデル化処理に
ついても図2に示すステップS006の処理を適用してもよい。この場合、突発音検出部
552は、図15に示すように、振幅検出部152、突発音確定部562および概形モデ
ル化部154に対応する振幅検出部561、突発音確定部562および概形モデル化部5
63としての機能を備える。
1はステップS501においてフレーム化した音データの振幅値を所定の閾値と比較し(
ステップS602)、振幅値が閾値以上であるか否かを判断する(ステップS602)。
ステップS602において、振幅値が閾値以上であると判断された場合、振幅検出部56
1は時間軸上のピーク位置を検出する。
2:No)、解析対象となるフレームにおいて突発音は無いため、次のフレームを解析対
象としてステップS501の処理に戻る。
02:Yes)、突発音確定部562は、検出したピーク位置に基づき振幅の高い信号の
継続時間とピーク位置を基準としたエネルギー変化量を算出し、突発音を確定する(ステ
ップS603)。
、ピーク位置から区間Int内の最後のサンプル位置までの振幅の絶対値を加算し、エネ
ルギーを算出する。突発音確定部562は、ステップS603において算出した継続時間
とエネルギー変化量各々が所定の閾値以上である場合(ステップS604:Yes)、そ
のピーク位置における波形を突発音として確定する。所定の閾値以下である場合(ステッ
プS604:No)、突発音は検出されないため、次のフレームを解析対象としてステッ
プS501の処理に戻る。
形に対して概形モデル化処理を行う(ステップS605)。
明する概形モデル化処理は、ステップS605の処理を実行する概形モデル化部563に
おいて実施されるとともに、図2のステップS006の処理を実行する概形モデル化部1
54における概形モデル化処理に適用してもよい。なお、本実施形態においては、突発音
を低減する際にAGC(Automatic Gain Control)処理を用いるため、概形モデル化処理
においてAGC係数を用いる。AGC処理は周知の手法であるが、本実施形態においては
AGC係数を突発音の低減に応用し、入力された音データに含まれる突発音の感度を下げ
て出力することで、突発音を低減することを可能とする。
ら最大振幅値を検出する(ステップS701)。ステップS701の処理は、図19(A
)に示すように、突発音としての波形の開始位置から終了位置までの区間である突発音区
間における振幅の最大値を検出する。ここで検出する振幅の最大値は振幅の絶対値の最大
値であってもよい。
GC係数αpkを算出する(ステップS702)。ステップS702におけるAGC係数α
pkの算出は、式3を用いて求める。式3において、Igainは入力信号の振幅値でありステ
ップS701において検出した最大振幅値である。HgainはIgainに対してAGC処理を
行った後の目標とする振幅値であり、Mgainは所定の閾値である。
ましいが、予め設定された値であってもよい。AGC処理後の目標値であるHgainは、突
発音が存在しない区間の振幅値と同等となるように設定することが望ましいが、予め設定
された値であってもよい。
合にHgainとなるように調整するAGC係数αpkを算出する。
、突発音区間の各サンプル値に入力するとともに、突発音区間以外のAGC係数を1とし
て、図19(B)に示すような矩形波を作成する(ステップS703)。ステップS70
3で作成された矩形波を突発音の概形モデルとする。
第2の例は、第1の例として説明した図18のフローチャートにおけるステップS703
の処理が異なる。
いて、図20に示すように、突発音波形のピーク位置と突発音区間の前後のサンプル数か
ら三角波を作成する(ステップS703)。ここでいうピーク位置とは、ステップS70
1で検出された突発音区間の最大値の振幅値とサンプル位置を示す。
ンプル位置毎にAGC係数を求めて作成された三角波を突発音の概形モデルとする。
デル化処理の第3の例は、第1の例および第2の例として説明した図18のフローチャー
トにおけるステップS701の後にステップS710の処理が加えられることが異なる。
けるサンプル位置から突発音を区間分割し、分割した各々の区間における振幅の最大値を
検出する(ステップS710)。具体的には、図22(A)に示すように、ステップS7
01において検出した突発音を最大振幅値におけるサンプル位置を基準として、任意の複
数区間として突発音区間を分割する。図22(A)においては、最大値を基準として区間
幅tの分割区間a、分割区間bおよび分割区間cに突発音区間を分割している。
音区間終了位置までを任意の分割数で等分した区間幅tによる分割を行う。突発音の特性
としては、突発音区間の初期に最大振幅値が存在するため、突発音区間発生位置から最大
振幅値のサンプル位置までは区間分割する必要は無いが、突発音の特性によっては区間分
割する。
り各々の区間の最大振幅値におけるAGC係数を算出し、図22(B)に示すような波形
を突発音の概形波形とする。図22(B)に示す突発音の概形波形は波形を平滑化しても
よい。
判定部553はそのフレームが音声区間であるか否かを判断する(ステップS503)。
音声区間の判定処理とは、フレーム化された区間の音データに人の声の成分が含まれてい
る場合を音声区間とする処理である。
o)、つまり人の声の成分が含まれていないと判断された場合は、判断対象のフレームが
音声区間でないことを記憶し、ステップS506へ推移する。音声区間でないことの記録
としては、音声区間であるフレームに対して例えば「1」または「正」のフラグを付し、
音声区間ではないフレームに対してはフラグを付さないなどである。
s)、つまり人の声の成分が含まれていると判断された場合は、判断対象のフレームに対
して音声区間であることを示すフラグを付し、判断対象のフレームにおける音声成分の包
含量を算出し(ステップS505)、ステップS506へ推移する。
算出手法は任意であるが、具体例として本出願人による特開2012−128411号公
報に開示された技術等を適用することができる。
行して実行されてもよく、いずれかを先に処理してもよい。
びステップS503における音声区間判定結果に基づき、検出された突発音の周期性を検
出する(ステップS506)。ステップS506における突発音の周期性検出処理は、ス
テップS502における概形モデル化処理(ステップS605)による突発音の概形モデ
ル間の最大振幅値を示すピークの間隔を測定することにより求める。測定されたピークの
間隔が、許容された誤差範囲であり且つ所定回数に渡って連続している場合、検出された
突発音は周期性を備える周期性突発音であると判断できる。 また、ステップS506に
おける突発音の周期性検出は、突発音の概形モデルの自己相関を用いた、図2に示すステ
ップS008およびステップS009の処理を用いてもよい。
断された場合(ステップS507:Yes)、周期性突発音の持続性を示すフラグを付す
。具体的には突発音が周期性突発音であると判断された初回の突発音から、例えば「1」
または「正」のフラグを付し、突発音が検出されなくなるまで、または突発音が周期性突
発音ではないと判断されるまでフラグを維持する。
S502において突発音が検出されなかった場合であっても、検出対象のフレームに対し
てステップS503において音声区間であると判断されている場合は、ステップS506
の処理において突発音が周期性を備えるとする。これは、検出対象のフレームに含まれて
いる音声成分の影響により突発音が検出できない可能性があるためである。
07:No)、検出された突発音に周期性が無い、または周期性突発音が終了したために
、次のフレームを解析対象としてステップS501の処理に戻る。突発音が周期性を有さ
ない判断は、例えば突発音の概形モデルの相関値や時間幅による周期性検出に加えて、ス
テップS503における音声区間ではない場合が該当する。また、音声区間であっても音
声包含量が所定以下の場合に周期性を有さないと判断する対象としてもよい。ステップS
507がNoの場合に周期性突発音の持続性を示すフラグが付されている場合は、検出対
象のフレームよりフラグを消去する。
7:Yes)、ステップS508以降の周期性突発音の音圧量調整値を決定する処理に進
む。
れたフレームが音声区間であるか否かを判断する(ステップS508)。ステップS50
8の判断は、ステップS504において付されたフラグの有無により判断する。
o)、すなわち周期性突発音である突発音が含まれるフレームに音声成分が含まれていな
い場合は、検出された突発音の音圧を低減しても音声には影響が無い。このため、このよ
うなフレームにおいては、ステップS605において概形モデル化された波形に基づき音
圧量調整値を算出する(ステップS509)。
る概形モデル化波形をそのまま用いる。具体的には、図18および図21におけるステッ
プS703で作成されたAGCカーブをそのフレームにおける音圧量調整値とする。
s)、すなわち周期性突発音である突発音が含まれるフレームに音声成分が含まれている
場合は、含まれる音声成分の影響を加味して音圧量調整値を設定する。音圧量調整値決定
部555は、周期性突発音である突発音が含まれるフレームの音声成分の含有量が閾値以
上であるか否かを判断する(ステップS510)。
合(ステップS510:Yes)、突発音よりも音声成分が強くなることが考えられる。
ここで、ステップS605において概形モデル化された波形に基づき音圧量調整値を算出
すると、音声成分を大幅に減少させてしまう。ステップS511においては、概形モデル
化された波形に基づく音圧量調整ではなく、記憶部530に記憶されている過去に求めた
音圧量調整値を調整して用いる(ステップS511)。
ある場合は、周期性突発音であることを示すフラグが付されていても、上述したように音
声成分の影響により突発音が検出できない場合である。仮に検出できたとしても突発音よ
りも音声が強い可能性がある。このため、対象フレームの直近で更新された音圧量調整値
を記憶部530より読み出す。記憶部530から読み出す直近の音圧量調整値は、音声信
号が含まれていないフレームにおける音圧量調整値とする。この場合、音圧量調整値の最
大振幅値を、例えば2分の1、3分の1など音声信号が必要以上に低減されないように調
整する。音圧量調整値の調整は、予め定められた値であってもよく、音声成分の含有量に
基づき変更可能であってもよい。
合(ステップS510:No)、突発音が検出されているが音声信号も含まれている。こ
のため、音圧量調整値決定部555はステップS509と同様に対象となるフレームの概
形モデル化波形に基づいたAGCカーブを、音声信号が必要以上に低減されないように調
整した上で用いる(ステップS512)。ステップS512における音圧量調整値の調整
も、予め定められた値であってもよく、音声成分の含有量に基づき変更可能であってもよ
いが、ステップS511における調整に比して音圧調整t値の最大振幅値が小さくならな
いような調整である。
整値が決定した後、音圧量調整値決定部555は対象のフレームに対して音圧調整値に基
づき突発音を低減する処理を行う(ステップS513)。また、ステップS509、ステ
ップS511およびステップS512の処理において決定された音圧調整値は、対象のフ
レームに対応付けられて逐次記憶部530に記憶される。ここで記憶された音圧調整値は
次以降のフレームにおけるステップS511およびステップS512の処理時に用いられ
る。
あっても音声信号への影響を最小限としながら、周期性突発音を低減することができる。
。通信装置600は通信装置200と同様に各種無線通信装置や携帯電話等であり、通信
装置200と同一の装置であってもよい。この場合、通信装置600には雑音検出装置1
00による雑音検出機能およひ雑音低減装置500による雑音低減機能が搭載されること
となる。
0、音声出力部620、通信部630、表示部640、制御部650を備える。これら以
外にも例えば電源や操作部など通信装置600として機能するために必要な構成要素を適
宜備える。
の音信号を取得するためのマイクロフォンおよび雑音低減装置500による雑音を検出す
るためのマイクロフォンであり、マイクロフォン210と同様の構成である。各々の目的
のマイクロフォンは、共用されてもよく各々備えられていてもよい。マイクロフォン61
0から入力された信号は、制御部650によって通信部630により送信される搬送波に
変調される。通信部630によって送信されるデータは雑音低減装置500によって雑音
が低減されたデータである。
を出力するためのスピーカまたはイヤホン等であり、音声出力部220と同様の構成であ
る。
と同様の構成である。
。
するCPUやDSP等であり、制御部250の構成と同様である。また、雑音低減装置5
00の制御部550と共用であってもよい。
いて制御部650は、通信制御部653を備え、通信部630による無線通信に関する制
御を行う。
雑音低減処理による音声信号への影響を抑え、適切に雑音が低減された音声通信を行うこ
とができる。
御部、151 フレーム処理部、152 振幅検出部、153 突発音確定部、154
概形モデル化部、155 相関値算出部、156 周期性突発音判定部、200 通信装
置、210 マイクロフォン、211 第1マイクロフォン、212 第2マイクロフォ
ン、220 音声出力部、230 通信部、240 表示部、250 制御部、251
突発音区間音圧算出部、252 通知制御部、253 通信制御部、254 相関値算出
部、290 通知部、500 雑音低減装置、510 入力部、520 出力部、530
記憶部、550 制御部、551 フレーム処理部、552 突発音検出部、553
音声区間判定部、554 突発音周期性判定部、555 音圧量調整値決定部、556
出力レベル調整部、561 振幅検出部、562 突発音確定部、563 概形モデル化
部、600 通信装置、610 マイクロフォン、620 音声出力部、630 通信部
、640 表示部、650 制御部、653 通信制御部
Claims (5)
- 入力された音声信号に対して所定の時間幅のフレームに区切る処理を行うフレーム処理部、
前記フレーム処理部により区切られたフレームにおける突発音を検出する突発音検出部、
前記フレーム処理部により区切られたフレームが音声区間であるか否かを判断する音声区間判定部、
前記突発音検出部により検出された突発音が周期性を備えるか否かを判断する突発音周期性判定部、
前記突発音周期性判定部により突発音が周期性を備えると判断された場合、前記音声区間判定部による判定結果に基づき突発音の音圧量調整値を決定する音圧量調整値決定部、
を備えることを特徴とする雑音低減装置。 - 前記突発音検出部は、検出された突発音の波形を概形モデル化する概形モデル化部を備え、
前記音圧調整値決定部は、前記概形モデル化部により概形モデル化された突発音の波形、および前記音声区間判定部による判定結果に基づき突発音の音圧調整値を決定することを特徴とする、
請求項1に記載の雑音低減装置。 - 前記音声区間判定部は、前記フレームが音声区間である場合は音声区間に含まれる音声成分包含量を算出し、
前記音圧調整値決定部は、前記音声区間判定部により算出された音声成分包含量に基づいて前記音圧量調整値を決定することを特徴とする、
請求項1または請求項2に記載の雑音低減装置。 - 入力された音声信号に対して所定の時間幅のフレームに区切る処理を行うフレーム処理ステップ、
前記フレーム処理ステップにおいて区切られたフレームにおける突発音を検出する突発音検出ステップ、
前記フレーム処理ステップにおいて区切られたフレームが音声区間であるか否かを判断する音声区間判定ステップ、
前記突発音検出ステップにおいて検出された突発音が周期性を備えるか否かを判断する突発音周期性判定ステップ、
前記突発音周期性判定ステップにおいて突発音が周期性を備えると判断された場合、前記音声区間判定ステップにおける判定結果に基づき突発音の音圧量調整値を決定する音圧量調整値決定ステップ、
を含むことを特徴とする雑音低減方法。 - コンピュータに、
入力された音声信号に対して所定の時間幅のフレームに区切る処理を行うフレーム処理ステップ、
前記フレーム処理ステップにおいて区切られたフレームにおける突発音を検出する突発音検出ステップ、
前記フレーム処理ステップにおいて区切られたフレームが音声区間であるか否かを判断する音声区間判定ステップ、
前記突発音検出ステップにおいて検出された突発音が周期性を備えるか否かを判断する突発音周期性判定ステップ、
前記突発音周期性判定ステップにおいて突発音が周期性を備えると判断された場合、前記音声区間判定ステップにおける判定結果に基づき突発音の音圧量調整値を決定する音圧量調整値決定ステップ、
を実行させることを特徴とするプログラム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017122032A JP6489163B2 (ja) | 2017-06-22 | 2017-06-22 | 雑音低減装置、雑音低減方法およびプログラム。 |
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