JP2017191086A - 放射線位置検出器及びpet装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ラジエータにおいて放射線が媒質と相互作用した位置及び時間を精度良く特定することができる放射線位置検出器及びPET装置を提供する。【解決手段】放射線位置検出器10は、入射した放射線と相互作用することによってチェレンコフ光を発生させる媒質からなるラジエータ12と、二次元に配列された複数の画素13bを有し、複数の画素13bがラジエータ12の裏面12bに対応するように配置された光検出器13と、光検出器13から出力された信号に基づいて、チェレンコフ光を検出した複数の画素13bの位置情報及びその時刻情報を取得し、取得した位置情報及び時刻情報、並びにラジエータ12におけるチェレンコフ光の伝播軌跡に基づいて、ラジエータ12におけるチェレンコフ光の発生個所の位置を求める制御部15と、を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、放射線位置検出器及びPET装置に関する。
従来、ラジエータ(媒質)に放射線が入射した際に発生するチェレンコフ光を検出することで、ラジエータにおいて放射線が媒質と相互作用した位置を検出する検出器が知られている。例えば非特許文献1には、立方体形状のラジエータの全6面が光検出器で覆われた検出器が開示されている。この検出器では、光検出器によって検出されたチェレンコフ光の到達時間及び到達場所の分布から、ラジエータにおいて放射線が媒質と相互作用した位置が決定される。
また、非特許文献2には、チェレンコフ光を利用したTOF−PET装置が開示されている。この装置では、セグメントに分割されたラジエータで発生したチェレンコフ光を検出することによって、高い時間分解能で放射線が相互作用したセグメントが決定される。
また、非特許文献3には、リングイメージ型のチェレンコフ検出器が開示されている。この検出器では、加速器によって運ばれる粒子の軌道上にラジエータが配置され、ラジエータの後方に光検出器が配置される。この検出器では、光検出器によって検出されるリングの大きさから粒子が識別される。
Somlai-Schweiger and S.I/Ziegler "Concept definitionandimplementation challenges of a Cherenkov-based detector block forPET",Medical Physics, vol.42(4), pp.1825-35, 2015 S.Korpar et al.,"Study of TOF PET using Cherenkovlight",Nucl. Instrum. Methods Phys. Res. Sect. A, vol.654, pp.532-538,2011 S.Iwata et al., "Development of Ring Imaging Cherenkovcounterfor Belle II experiment at super KEKB"Phys. Proc., vol.37,pp.820-829,2012
しかしながら、非特許文献1に記載された技術では、全6面が光検出器で覆われているので、検出される信号量が増加する。また、光検出器が備える固有の時間分解能が考慮されていない。そのため、この技術では、光検出器の有限の時間分解能のために、ラジエータにおいて放射線が媒質と相互作用した位置を精度良く検出することが困難である。
また、非特許文献2に記載された技術では、ラジエータをセグメントに分割することによって、どのセグメントで相互作用が生じたかを決定する。そのため、相互作用位置の情報がラジエータのセグメントのサイズによって制限される。この場合、空間分解能の向上が制限される虞がある。
また、非特許文献3に記載された技術は、粒子の識別を目的とするものであり、ラジエータにおける相互作用位置が固定されていることが前提となる。そのため、この技術に基づいて、放射線とラジエータとの相互作用の位置を検出することは困難である。
本発明は、ラジエータにおいて放射線が媒質と相互作用した位置及び時間を精度良く特定することができる放射線位置検出器及びPET装置を提供することを目的とする。
一形態の放射線位置検出器及びPET装置は、入射した放射線と相互作用することによってチェレンコフ光を発生させる媒質からなるラジエータと、二次元に配列された複数の画素を有し、複数の画素がラジエータの所定面に対応するように配置された光検出器と、光検出器から出力された信号に基づいて、チェレンコフ光を検出した複数の画素の位置情報及びその時刻情報を取得し、取得した位置情報及び時刻情報、並びにラジエータにおけるチェレンコフ光の伝播軌跡に基づいて、ラジエータにおけるチェレンコフ光の発生個所の位置を求める制御部と、を備える。
このような放射線位置検出器及びPET装置では、ラジエータ内に放射線が入射すると、放射線が媒質と相互作用して光電子が放出される。そして、光電子がラジエータ内でチェレンコフ光を放出した場合、チェレンコフ光は光検出器を構成する複数の画素によって検出される。指向性が高いチェレンコフ光は、セグメント化されていないラジエータ内で一方向に伝播する。そのため、チェレンコフ光を検出した複数の画素の位置情報及び時間情報から、チェレンコフ光の伝播軌跡を辿り、チェレンコフ光の発生個所の位置を求めることができる。この発生個所の位置は、光電子の発生位置、すなわち放射線の相互作用位置と略同じであると考えられる。したがって、求められたチェレンコフ光の発生個所の位置から、ラジエータにおいて放射線が媒質と相互作用した位置及び時間を精度良く特定することができる。
また、制御部は、媒質を構成する原子のうち最も光電効果を起こしやすい原子のK殻から光電子が放出された場合におけるチェレンコフ光の伝播軌跡を用いて、発生個所の位置を求めてもよい。チェレンコフ光の放出角度は、媒質の屈折率と、光電子を放出した原子のK殻の束縛エネルギーとによって決定される。そのため、最も光電効果を起こしやすい原子のK殻から光電子が放出されたものと仮定することによって、チェレンコフ光の放出角度を複数考慮する必要がなくなる。
また、チェレンコフ光の伝播軌跡は、放射線が媒質と相互作用することによって放出された光電子の軌跡を中心とした円錐形状であり、発生個所の位置は、円錐形状の頂点の位置であってもよい。チェレンコフ光の発生個所の位置を円錐形状の頂点の位置として求めることによって、ラジエータにおいて放射線が媒質と相互作用した位置を一意的に決定することができる。
また、制御部は、チェレンコフ光を検出した複数の画素にフィッティングする楕円に関する楕円情報に基づいて、円錐形状の頂点の位置を求めてもよい。チェレンコフ光は、光電子の進行軌跡を中心とした円錐状に広がる。これにより、光電子が光検出器に対して傾斜して進行する場合には、検出された複数の位置情報が示す位置は楕円の軌道上に配置される。そのため、実際に検出された複数の画素がフィッティングする楕円に関する情報を用いることによって、円錐形状の頂点の位置をより正確に求めることができる。
また、チェレンコフ光の伝播軌跡は、放射線が媒質と相互作用することによって放出された光電子の軌跡を中心とした円錐形状であり、制御部は、チェレンコフ光を検出した複数の画素の重心の位置を求めると共に、重心を中心とする楕円であって且つチェレンコフ光を検出した複数の画素にフィッティングする楕円に関する楕円情報に基づいて、円錐形状の頂点の位置を求め、所定面に平行な方向における重心の位置を、所定面に平行な方向における発生個所の位置とし、所定面に垂直な方向における頂点の位置を、所定面に垂直な方向における発生個所の位置としてもよい。これにより、放射線が媒質と相互作用することによって放出された光電子が直進しなかった場合であっても、ラジエータにおいて放射線が媒質と相互作用した位置及び時間を精度良く特定することができる。
また、制御部は、時刻情報に基づいて、所定期間にチェレンコフ光を検出した複数の画素が所定数よりも多い場合には発生個所の位置を求め、所定期間にチェレンコフ光を検出した複数の画素が所定数よりも少ない場合には発生個所の位置を求めなくてもよい。所定期間に検出されたチェレンコフ光は、同じ放射線に起因して放出されたと考えることができる。光検出器の位置情報からチェレンコフ光の伝播軌跡を辿る場合、チェレンコフ光を検出した画素の数が少ないと、相互作用位置を正確に特定することが難しい。そこで、チェレンコフ光を検出した画素が所定数よりも多い場合にチェレンコフ光の発生個所の位置を求め、チェレンコフ光を検出した画素が所定数よりも少ない場合にチェレンコフ光の発生個所の位置を求めないことによって、位置特定の精度を高めることができる。
また、放射線位置検出器及びPET装置は、所定面を除くラジエータの外面に設けられ、チェレンコフ光を吸収する光吸収層を更に備えてもよい。これにより、チェレンコフ光の媒質表面での反射を抑制し、ノイズを低減することができる。
一形態の放射線位置検出器及びPET装置によれば、ラジエータにおいて放射線が媒質と相互作用した位置及び時間を精度良く特定することができる。
図1の(a)は、第1実施形態のPET装置の概略図であり、図1の(b)は、PET装置における検出器リングの断面図である。 図2は、第1実施形態の放射線位置検出器の構成図である。 図3の(a)及び(b)は、媒質内で放出されるチェレンコフ光の一態様を説明するための模式図である。 図4の(a)及び(b)は、媒質内での放射線の相互作用位置を特定する原理を説明するための図である。 図5の(a)及び(b)は、媒質内での放射線の相互作用位置を特定する原理を説明するための図である。 図6は、第1実施形態の制御部での相互作用位置を特定する処理フローの一態様を示すフロー図である。 図7は、第2実施形態の放射線位置検出器の構成図である。 図8は、第2実施形態の制御部での相互作用位置を特定する処理フローの一態様を示すフロー図である。 図9の(a),(b),(c)及び(d)は、媒質内での放射線の相互作用位置を特定する原理を説明するための図である。 図10の(a)及び(b)は、媒質内で放出されるチェレンコフ光の他態様を説明するための模式図である。 図11は、第1実施形態の制御部での相互作用位置を特定する処理フローの他態様を示すフロー図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。便宜上、実質的に同一の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する場合がある。
[第1実施形態]
図1の(a)は、第1実施形態のPET(Positron Emission Tomography)装置の概略図である。図1の(b)は、PET装置の検出器リングの断面図である。図1の(a)及び(b)に示されるように、PET装置1は、被検体Tが載置されるベッド(図示せず)と、断面円形状の開口を有するガントリ2と、ガントリ2内の検出器リングで検出されたデータが転送される画像処理部3と、を備えている。また、PET装置1のガントリ2内の検出器リングにおいては、所定線L0を中心線とする円周上に、複数の放射線位置検出器10が互いに接触するようにリング状に配列されている。このPET装置1は、複数のスライス位置において被検体Tの断層像を取得するために、陽電子放出核種(陽電子を放出する放射性同位元素)で標識された薬剤が投与された被検体Tから放出されるγ線(放射線)を検出する装置である。
図2は、放射線位置検出器の構成を示すブロック図である。図2に示されるように、放射線位置検出器10は、ラジエータ12及び光検出器13を有する検出部11と、信号処理回路16、記憶媒体17及び位置算出回路18を有する制御部15と、を備えている。第1実施形態の放射線位置検出器10は、ラジエータ12内において、被検体Tから放出されたγ線が媒質と相互作用した位置を三次元的に決定する。
ラジエータ12は、入射したγ線と相互作用することによってチェレンコフ光を発生させる媒質からなる。ラジエータ12は、例えば、γ線が入射する表面12aと、表面12aに対向する裏面(所定面)12bと、表面12aと裏面12bとを接続する側面12cと、を有する平板状をなしている。第1実施形態のPET装置1では、複数の放射線位置検出器10における各ラジエータ12の表面12aが所定線L0に臨むように配置される。ラジエータ12内では、入射した放射線の相互作用によって光電効果が起こる。例えば、ラジエータ12に原子番号の大きな原子が含まれていると、光電効果が起こりやすい。また、ラジエータ12内におけるシンチレーション光の発生はノイズの原因となり得る。そこで、ラジエータ12は、原子番号の大きな原子を含み且つシンチレーション光を発生し難い媒質(例えば、鉛ガラス(SiO+PbO)、フッ化鉛(PbF)、PWO(PbWO)等)によって形成され得る。
ラジエータ12の裏面12bを除く外面である表面12a及び側面12cには、ラジエータ12内で発生した光を吸収する光吸収層12dが設けられている。光吸収層12dは、例えば表面12a及び側面12cに貼着されたブラックテープである。また、光吸収層12dは、表面12a及び側面12cに塗布された黒色の塗布膜であってもよい。
図3は、ラジエータ12内で放出されるチェレンコフ光の一態様を説明するための模式図である。図3の(a)には、ラジエータ12及び光検出器13が断面視で模式的に示されており、図3の(b)には、光検出器13が平面視で模式的に示されている。図3の(a)に示されるように、ラジエータ12の表面12aにγ線Gが入射すると、γ線Gがラジエータ12内で相互作用し、光電子Dが放出される。そして、この光電子Dによってラジエータ12内でチェレンコフ光Cが放出される。チェレンコフ光Cは、光電子Dの軌跡DTを中心として円錐状に広がる伝播軌跡CTを描く。光電子Dの軌跡DTが検出面13aに対して傾斜している場合、図3の(b)に示されるように、チェレンコフ光Cを検出する画素13bの位置Sを結ぶと楕円Nが形成される。
再び図2を参照する。光検出器13は、ラジエータ12の裏面12bに設けられており、ラジエータ12内で発生したチェレンコフ光を検出する。光検出器13は、光電変換を行う複数の画素13bが二次元に配列された検出面13aを有している。複数の画素13bは、ラジエータ12の裏面12bに対応している。より具体的には、光検出器13は、裏面12bと検出面13aとが互いに対面するように、ラジエータ12にカップリングされている。各画素13bは、検出面13aにおける画素13bの位置情報であるセグメントアドレス、及び、チェレンコフ光を検出した検出時刻を保持することができる。光検出器13は、セグメントアドレス、及び検出時刻を示す時刻情報をリストデータとして制御部15に出力する。各画素13bは、例えばSPAD(Single Photon Avalanche Diode)によって構成され得る。
制御部15は、信号処理回路16と、記憶媒体17と、位置算出回路18と、を有する。信号処理回路16は、光検出器13からリストデータを複数取得し、取得したリストデータを時刻情報に基づいてソートする。更に、信号処理回路16は、取得したリストデータが有効であるか否かを判定する。そして、リストデータが有効であると判定された場合、信号処理回路16は当該リストデータを記憶媒体17に記憶する。リストデータの有効性は、同じγ線に起因して放出されたチェレンコフ光を検出した画素13bのリストデータの数が所定数以上であるか否かによって判定される。例えば、所定の時間幅をもったタイムウィンドウ内に入るリストデータの数が所定数以上であるか否かによってリストデータの有効性を判定することができる。この場合、タイムウィンドウの時間幅は、同時刻にチェレンコフ光を検出した画素13bのみがタイムウィンドウ内に入るように設定されるものであり、例えば500psである。
位置算出回路18は、信号処理回路16によって有効であると判定された複数のリストデータを記憶媒体17から取得する。そして、ラジエータ12中におけるチェレンコフ光の伝播軌跡に基づいて、複数のリストデータからチェレンコフ光の発生個所の位置が算出される。位置算出回路18は、例えば演算処理が行われるCPU、RAM及びROMといったメモリにより構成される記憶装置、並びに、入出力装置等を含むコンピュータである。また、位置算出回路18は、FPGA(Field-Programmable Gate Array)回路で構成されてもよい。
ここで、ラジエータ12内においてγ線Gが媒質と相互作用した位置を決定する原理について説明する。位置算出回路18では、この決定原理に基づいて相互作用位置の算出が実行される。図3に示されるように、チェレンコフ光Cは、光電子Dの進行軌跡DTを中心として円錐状に広がる伝播軌跡CTを描く。このようなチェレンコフ光Cの放出角度θは、ラジエータ12の屈折率をnとし、ラジエータ12中での光電子の速度をβとすると、式(1)の関係を満たす。
第1実施形態では、ラジエータ12を構成する原子のうち最も光電効果を起こしやすい原子のK殻から光電子Dが放出された場合における、チェレンコフ光Cの伝播軌跡CTを用いて相互作用位置が算出される。入射したγ線GのエネルギーをEγ、電子の質量をm、光電効果を起こす原子のK殻の束縛エネルギーをEB.E.とすると、チェレンコフ光Cの放出角度θは、式(2)で示されるように、一定の角度となる。
そのため、チェレンコフ光Cを検出した画素13bの位置を示すセグメントアドレスに基づいて、当該チェレンコフ光Cの伝播軌跡CTを形成する円錐の形状を特定することができる。この円錐の頂点の位置は、チェレンコフ光Cの発生個所の位置Qであり、光電子Dの発生位置、すなわちγ線Gの相互作用位置と略同じである。
図4及び図5は、ラジエータ内でのγ線の相互作用位置を特定する原理を説明するための図である。以下の説明では、光検出器13の検出面13a上の任意の位置に原点を設定する。そして、検出面13a上に設定されたX軸及びY軸と、ラジエータ12側に延びるZ軸とによって構成される直交座標系によって相互作用位置を特定する。この場合、光検出器13の検出面13aの法線Hは、Z軸に沿っている。光電子Dが検出面13aの法線Hに対して所定の角度で入射した場合、光検出器13によって検出されるチェレンコフ光Cは、楕円Nを描く。図4の(a)には、光検出器13によって検出された楕円Nの長軸の軸線U及び法線Hに沿った平面が示されており、図4の(b)には、X−Y平面が示されている。
図4の(a)では、楕円Nの長軸に沿った検出面13aが実線で示されており、光電子Dの進行軌跡DTが破線で示されている。また、チェレンコフ光Cの伝播軌跡CTは二点鎖線で示されている。また、検出面13aの法線Hと光電子Dの進行軌跡DTとのなす角度はθであり、チェレンコフ光Cの放出角度はθである。図4の(a)では、チェレンコフ光Cの伝播軌跡CTのうち、発生個所の位置Qから検出面13aまでの距離が最も短い軌跡(以下、「短辺ST」という場合がある)と、発生個所の位置Qから検出面13aまでの距離が最も長い軌跡(以下、「長辺LT」という場合がある)と、が示されている。なお、これらの短辺STと長辺LTとの交点が発生個所の位置Qに相当し、ラジエータ12に入射したγ線Gは当該位置において相互作用をしている。
図4の(b)では、チェレンコフ光Cを検出した画素13bの位置にフィッティングする楕円Nが描かれている。この楕円Nは、円錐状をなすチェレンコフ光Cの伝播軌跡CTを角度θで切断した形状であり、長さをaとする長軸と、長さをbとする短軸と、を有する。また、図4の(b)では、楕円Nの長軸に沿った軸線Uと、短軸に沿った軸線Vと、が示されている。この場合、軸線UとX軸とのなす角は、角度θとなる。また、楕円Nの中心点の座標は(X、Y)で示される。
図4において、光電子Dの進行軌跡DTに垂直な仮想線であって、長辺LTと検出面13aとの交点を通る仮想線を線Kとする。ここで、線Kから発生個所の位置Qまでの距離をL1とする。また、光電子Dの進行軌跡DTの延長線と線Kとの交点から、短辺STの延長線又は長辺LTと線Kとの交点までの距離をRとする。また、光電子Dの進行軌跡DTの延長線と検出面13aとの交点から線Kまでの距離をL2とする。また、光電子Dの進行軌跡DTの延長線と検出面13aとの交点から、長辺LTと線Kとの交点までの距離をuとする。この場合、tanθ、L2、uは、それぞれ以下の式(3)、式(4)、式(5)によって表すことができる。


ここで、以下の式(6)に示されるようにPを定義すると、長軸の長さa及び短軸の長さbは、それぞれ式(7)、式(8)によって表される。


以上の式から、求める円錐形の頂点の位置、すなわちチェレンコフ光Cの発生個所の位置Qの座標(x,y,z)は、以下の式(9)、式(10)の2通りに決定される。

図5の(a)には、ラジエータ12及び光検出器13が断面視で模式的に示されており、図5の(b)には、光検出器13が平面視で模式的に示されている。図5の(a)に示されるように、式(9)、式(10)によって決定される発生個所の位置Qは、楕円Nの長軸方向の一方側と他方側との2か所に現れる。そのため、図5の(b)に示されるような楕円Nの形状のみからでは、楕円Nの長軸方向の一方側と他方側との2つの発生個所の位置Qの候補のうち、いずれが実際の発生個所の位置Qであるかを決めることは困難である。そこで、以下の式(11)を用いて、式(9)、式(10)に示される2通りの候補(vベクトル=(x,y,z))から一方を実際の発生個所の位置Qとして特定する。
ここで、「i」はi番目の光子を意味する。すなわち、tはi番目の光子を検出した画素13bの検出時刻を示すパラメータであり、rベクトルは、原点からi番目の光子を検出した画素13bまでのベクトルである。また、cは真空中での光速である。第1実施形態では、1つのイベントごとにτ分布を求め、その分散の値を比較し、分散が小さい方の候補を発生個所の位置Q、すなわち相互作用点として採用する。
次に、制御部15による処理フローについて説明する。図6は、制御部15での相互作用位置を特定する処理フローの一態様を示すフロー図である。まず、信号処理回路16が、光検出器13の各画素13bから出力されたリストデータを取得する(ステップS1)。リストデータは、画素13bがチェレンコフ光を検出した時刻を示す時刻情報と、当該画素13bの位置を示すセグメントアドレスと、を含んでいる。
信号処理回路16は、取得した複数のリストデータを時刻情報に基づいてソートする(ステップS2)。そして、信号処理回路16は、ソートされたリストデータからタイムウィンドウ内に入るリストデータ群を取得し、取得されたリストデータ群を構成するリストデータの数を判定する(ステップS3)。この場合、リストデータ群を構成する各リストデータにおける互いの時刻情報の差は、タイムウィンドウの時間幅に収まっている。ステップS3において、リストデータ群を構成するリストデータの数が所定数以上の場合には、これらのリストデータが記憶媒体17に転送され、記憶される(ステップS4)。また、リストデータ群を構成するリストデータの数が所定数未満の場合には、これらのリストデータは無効なデータとして処理される。この場合には、チェレンコフ光Cの発生個所の位置Qを求めない。一例として、ステップS3では、リストデータの数が5つ以上のときに有効なデータであると判定する。ただし、実際には、閾値は任意に決めることができる。
続いて、位置算出回路18によって、記憶媒体17に記憶されたリストデータ群に基づく楕円フィッティングが行われる(ステップS5)。すなわち、位置算出回路18は、リストデータ群を構成する各リストデータのセグメントアドレスが示す位置がフィッティングする楕円を導出する。第1実施形態では、リストデータ群を構成するリストデータの数が5つ以上であるため、楕円を一つに特定することができる。楕円フィッティングは、例えばロバスト推定を用いた近似によって求めることができる。位置算出回路18は、導出された楕円の情報から、楕円の中心(X,Y)の座標、長軸の長さa、短軸の長さb、及び、X軸に対する長軸の角度θを取得する。
そして、位置算出回路18は、取得された楕円の情報を用いて、上記の決定原理に基づいて円錐の頂点の座標を算出し(ステップS6)、この座標の位置を相互作用位置として出力する(ステップS7)。制御部15では、リストデータ数が5以上であるリストデータ群の全てにおいて相互作用点を出力する。相互作用点の座標情報と検出された時刻情報とが画像処理部3に転送されると、画像処理部3において断層像が生成される。
以上説明した放射線位置検出器10及びPET装置1では、ラジエータ12内にγ線Gが入射すると、ラジエータ12内でγ線Gが媒質と相互作用して光電子Dが放出される。そして、光電子Dがラジエータ12内でチェレンコフ光Cを放出した場合、チェレンコフ光Cは光検出器13を構成する複数の画素13bによって検出される。チェレンコフ光Cは指向性が高く、セグメント化されていないラジエータ12内で一方向に伝播する。そのため、チェレンコフ光Cを検出した複数の画素13bのセグメントアドレスから、チェレンコフ光Cの伝播軌跡CTを辿り、チェレンコフ光Cの発生個所の位置Qを求めることができる。この発生個所の位置Qは、光電子Dの発生位置、すなわちγ線Gの相互作用位置と略同じである。したがって、求められたチェレンコフ光Cの発生個所の位置Qから、ラジエータ12においγ線Gが媒質と相互作用した位置(三次元的な位置)及び時間を精度良く特定することができる。
また、制御部15は、ラジエータ12を構成する原子の種類のうちで最も光電効果を起こしやすい原子のK殻から光電子Dが放出された場合におけるチェレンコフ光Cの伝播軌跡CTを用いている。チェレンコフ光Cの放出角度θは、ラジエータ12の屈折率nと、光電子Dを放出した原子のK殻の束縛エネルギーと電子の質量とによって決定される。すなわち、同じラジエータ12内であっても、光電子Dを放出した原子によってチェレンコフ光Cの放出角度θは変化する。つまり、光電子Dを放出した原子の種類が異なる場合には、チェレンコフ光Cは異なる伝播軌跡を描く。第1実施形態では、最も光電効果を起こしやすい原子のK殻から全ての光電子Dが放出されたものと仮定することによって、チェレンコフ光Cの放出角度θを複数考慮する必要がなくなる。
また、チェレンコフ光Cの伝播軌跡CTは、γ線Gが媒質と相互作用することによって放出された光電子Dの軌跡を中心とした円錐形状(γ線Gが媒質と相互作用することによって放出された光電子が直進する間の軌跡を中心とした円錐形状)であり、発生個所の位置Qは円錐形状の頂点として特定される。チェレンコフ光Cの発生個所の位置Qを円錐形状の頂点の位置として求めることによって、相互作用の位置を一意的に決定することができる。
また、制御部15は、チェレンコフ光Cを検出した複数の画素13bにフィッティングする楕円に関する情報に基づいて、円錐形状の頂点の位置を求めている。チェレンコフ光Cは、光電子Dの進行軌跡DTを中心とした円錐状に広がる。これにより、光電子Dが光検出器13に対して傾斜して進行する場合には、検出された複数のセグメントアドレスが示す位置は楕円の軌道上に配置される。そのため、実際に検出されたセグメントアドレスの位置がフィッティングする楕円に関する情報を用いることによって、円錐形状の頂点の位置をより正確に求めることができる。
また、制御部15は、取得した時刻情報に基づいて、略同時刻である所定期間(上述した例では500ps)にチェレンコフ光Cを検出した複数の画素13b(すなわち、位置情報の数)が所定数以上の場合にはチェレンコフ光Cの発生個所の位置Qを求め、当該所定期間にチェレンコフ光Cを検出した複数の画素13bが所定数未満の場合にはチェレンコフ光Cの発生個所の位置Qを求めない。略同時刻である所定期間に検出されたチェレンコフ光Cは、同じγ線Gに起因して放出されたと考えることができる。複数の画素13bの位置情報からチェレンコフ光Cの伝播軌跡CTを辿る場合、位置情報の数が少ないと、相互作用位置を正確に特定することが難しい。そこで、検出された位置情報が所定数以上の場合にチェレンコフ光Cの発生個所の位置Qを求め、検出された位置情報が所定数未満の場合に位置情報を無効なデータとする(すなわち、チェレンコフ光Cの発生個所の位置Qを求めない)ことによって、位置特定の精度を高めることができる。
なお、制御部15は、取得した時刻情報に基づいて、所定期間にチェレンコフ光Cを検出した複数の画素13bが所定数を超える場合に発生個所の位置Qを求め、当該所定期間にチェレンコフ光Cを検出した複数の画素13bが所定数以下の場合に発生個所の位置Qを求めなくてもよい。つまり、制御部15は、取得した時刻情報に基づいて、所定期間にチェレンコフ光Cを検出した複数の画素13bが所定数よりも多い場合に発生個所の位置Qを求め、当該所定期間にチェレンコフ光Cを検出した複数の画素13bが所定数よりも少ない場合に発生個所の位置Qを求めなければよい。
また、ラジエータ12の裏面12bを除く表面12a及び側面12cには、光吸収層12dが設けられているので、媒質表面でのチェレンコフ光Cの反射を抑制し、ノイズを低減することができる。
[第2実施形態]
第2実施形態の放射線位置検出器110では、光検出器113を構成する画素113bがSiPM(Silicon Photomultiplier)によって構成される点で、第1実施形態の放射線位置検出器110と相違している。以下、主として第1実施形態と相違する点について説明し、同一の要素や部材については同一の符号を付して詳しい説明を省略する。
図7は、第2実施形態の放射線位置検出器の構成図である。図7に示されるように、放射線位置検出器110は、ラジエータ12及び光検出器113を有する検出部111と、信号処理回路116、記憶媒体17及び位置算出回路18を有する制御部115と、を備えている。光検出器113は、第1実施形態と同様にラジエータ12の裏面12bに設けられており、ラジエータ12内で放出されたチェレンコフ光を検出する。光検出器113は、光電変換を行う複数の画素113bがアレイ状に配置された検出面113aを有している。検出面113aを構成する各画素113bは、検出した光に応じたアナログ信号を制御部115に出力する。各画素113bは、例えばSiPMによって構成され得る。
制御部115は、信号処理回路116と、記憶媒体17と、位置算出回路18と、を有する。信号処理回路116は、光検出器113から出力されたアナログ信号をデジタル化することによって、チェレンコフ光を検出した画素113bのセグメントアドレスを取得する。また、信号処理回路116は、アナログ信号を取得した時刻を時刻情報として取得する。そして、信号処理回路116は、取得したセグメントアドレス及び時刻情報を含むリストデータが有効であるか否かを判定する。そして、リストデータが有効であると判定された場合には、当該リストデータを記憶媒体17に記憶する。リストデータの有効性の判断手法は、第1実施形態と同様である。
次に、制御部115による処理フローについて説明する。図8は、第2実施形態の制御部115での相互作用位置を特定する処理フローの一態様を示すフロー図である。まず、信号処理回路116は、光検出アレイの各画素113bから出力されたアナログ信号からセグメントアドレスを取得する(ステップS101)。次に、信号処理回路116は、時刻情報とセグメントアドレスとを含むリストデータを作成する(ステップS102)。
続いて、制御部115は、第1実施形態と同様にステップS2〜ステップS7の処理によって、相互作用位置を出力する(ステップS7)。制御部115では、リストデータ数が5以上であるリストデータ群の全てにおいて相互作用点を出力する。制御部115によって算出された相互作用点の座標情報と検出された時刻情報とは、画像処理部3に転送される。
以上説明した第2実施形態の放射線位置検出器110においても、第1実施形態と同様に、ラジエータ12内でγ線Gが媒質と相互作用した位置及び時間を精度良く特定することができる。
以上、本発明の第1及び第2実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成は上述した第1及び第2実施形態に限られるものではない。例えば、楕円の長軸方向の一方側と他方側との2つの発生個所の位置Qの候補のうちいずれが発生個所の位置Qであるかを決める方法として、式(11)を用いる例を示したが、これに限定されない。
図9は、式(9)、式(10)で示した2つの候補から発生個所の位置Qを決定する他の方法の原理を説明する図である。図9の(a)は、楕円の長軸方向の一方側(図面において下側)からチェレンコフ光Cが放出された状態を示す模式図である。図9の(b)は、図9の(a)の場合にチェレンコフ光Cを検出した画素の位置Sを示す模式図である。また、図9の(c)は、楕円の長軸方向の他方側(図面において上側)からチェレンコフ光Cが放出された状態を示す模式図である。図9の(d)は、図9の(c)の場合にチェレンコフ光を検出した画素の検出面13aにおける位置を示す模式図である。
ラジエータ12中を伝播する光子は、一定の確率で散乱又は吸収され得るため、チェレンコフ光Cの発生個所の位置Qから検出面13aまでの光路が短いほど、画素による検出の確率は高くなり、逆に、チェレンコフ光Cの発生個所の位置Qから検出面13aまでの光路が長いほど、画素による検出の確率は低くなる。それ故、図9の(b)及び(d)に示されるように、チェレンコフ光Cの伝播軌跡CTにおいて光路長が短い短辺ST側に配置された画素によって、より多くの光子が検出され得る。そこで、楕円の長軸の一方側と他方側とのいずれに近い側で、より多くの光子が検出されたかを判定することによって、2つの候補から発生個所の位置Qを決定することができる。すなわち、図9の(b)では楕円の下側にチェレンコフ光Cを検出した画素(図面では画素の位置Sとして示される)が偏っているので、図9の(a)のように、光電子Dが下から上に向かって放出されたものとして、チェレンコフ光Cの発生個所の位置Qを決定することができる。また、図9の(d)では楕円の上側にチェレンコフ光Cを検出した画素が偏っているので、図9の(c)のように、光電子Dが上から下に向かって放出されたものとして、チェレンコフ光Cの発生個所の位置Qを決定することができる。
また、ラジエータ12を構成する材料として、鉛ガラス(SiO+PbO)、フッ化鉛(PbF)、PWO(PbWO)を挙げたが、これらに限定されない。検出の対象となる放射線(γ線以外も含む)のエネルギーに応じて屈折率、密度等を考慮して上記以外の材料をラジエータ12として使用してもよい。
また、放射線位置検出器がPET装置に用いられる例を示したが、これに限定されない。上記の放射線位置検出器は、発光に対する時間の揺らぎが殆ど生じないため、TOF−PET装置に用いてもよい。
また、ラジエータ12の表面12a及び側面12cに光吸収層12dが形成されている例を示したがこれに限定されない。例えば、放出されるチェレンコフ光Cの拡がりに対してラジエータ12が十分に平面状に広い場合には、側面12cによる光の反射を考慮しなくてもよい。この場合、側面12cの光吸収層12dをなくして、表面12aのみに光吸収層12dを形成してもよい。
また、制御部15は、以下のように、チェレンコフ光Cの発生個所の位置Q(すなわち、光電子Dの発生位置、γ線Gの相互作用位置)を求めることができる(以下、「第1座標決定処理」という)。図10は、ラジエータ12内で放出されるチェレンコフ光の他態様を説明するための模式図である。図10の(a)には、ラジエータ12が断面視で模式的に示されており、図10の(b)には、光検出器13が平面視で模式的に示されている。
まず、図10の(b)に示されるように、制御部15が、チェレンコフ光Cを検出した複数の画素13bの位置Sについて重心Aの位置を求める。一例として、ラジエータ12の裏面12bに平行なX軸方向及びY軸方向における重心Aの位置(すなわち、重心AのX座標Xcm及びY座標Ycm)は、下記の式(12)で求めることができる。ここで、Nは、チェレンコフ光Cを検出した複数の画素13bの数であり、Eは、i番目の光子の検出エネルギーであり、X及びYは、それぞれ、i番目の光子を検出した画素13bのX座標及びY座標である。
続いて、制御部15が、重心Aを中心とする楕円Nであって且つチェレンコフ光Cを検出した複数の画素13bの位置Sにフィッティングする楕円Nを求める。そして、制御部15が、第1実施形態及び第2実施形態と同様に、楕円Nに関する楕円情報に基づいて、チェレンコフ光Cの伝播軌跡である円錐形状の頂点の位置を求める。ここでは、制御部15は、ラジエータ12の裏面12bに垂直なZ軸方向における円錐形状の頂点の位置(すなわち、円錐形状の頂点のZ座標)を求める。
続いて、制御部15が、重心AのX座標Xcm及びY座標Ycmを、X軸方向及びY軸方向におけるチェレンコフ光Cの発生個所の位置Q(すなわち、チェレンコフ光Cの発生個所のX座標及びY座標)とし、円錐形状の頂点のZ座標を、Z軸方向におけるチェレンコフ光Cの発生個所の位置Q(すなわち、チェレンコフ光Cの発生個所のZ座標)とする。
以上の第1座標決定処理によっても、ラジエータ12においてγ線Gが媒質と相互作用した位置及び時間を精度良く特定することができる。このような発生個所の位置Qの特定は、図10の(a)に示されるように、γ線Gが媒質と相互作用することによって放出された光電子Dが直進しなかった場合に、特に有効である。
また、制御部15は、上述した第1座標決定処理、又は、図6及び図8のステップS5及びステップS6に相当する第2座標決定処理を、以下のように、検出光子数に応じて実施することができる。図11は、第1実施形態の制御部での相互作用位置を特定する処理フローの他態様を示すフロー図である。なお、以下、第1実施形態の場合について説明するが、第2実施形態の場合についても同様である。
まず、信号処理回路16が、光検出器13の各画素13bから出力されたリストデータを取得する(ステップS1)。リストデータは、画素13bがチェレンコフ光を検出した時刻を示す時刻情報と、当該画素13bの位置を示すセグメントアドレスと、を含んでいる。続いて、信号処理回路16が、取得した複数のリストデータを時刻情報に基づいてソートする(ステップS2)。そして、信号処理回路16が、ソートされたリストデータからタイムウィンドウ内に入るリストデータ群を取得し、取得されたリストデータ群を構成するリストデータの数を判定する(ステップS3a)。ステップS3aにおいて、リストデータ群を構成するリストデータの数が第1閾値以上の場合には、これらのリストデータが記憶媒体17に転送され、記憶される(ステップS4)。また、リストデータ群を構成するリストデータの数が第1閾値未満の場合には、これらのリストデータは無効なデータとして処理される。
続いて、位置算出回路18が、検出光子数(すなわち、チェレンコフ光Cを検出した複数の画素13bの数)が第2閾値以上であるか否かを判定する(ステップS10)。ステップS10において、検出光子数が第2閾値以上の場合には、位置算出回路18が、図6及び図8のステップS5及びステップS6に相当する第2座標決定処理を実施する(ステップS11)。ステップS10において、検出光子数が第2閾値未満の場合には、位置算出回路18が、上述した第1座標決定処理を実施する(ステップS12)。なお、第1閾値と第2閾値とは、互いに独立して設定することができる。
1…PET装置、10…放射線位置検出器、12…ラジエータ(媒質)、12b…裏面(所定面)、12d…光吸収層、13…光検出器、13b…画素、15…制御部、C…チェレンコフ光、CT…伝播軌跡、D…光電子。

Claims (8)

  1. 入射した放射線と相互作用することによってチェレンコフ光を発生させる媒質からなるラジエータと、
    二次元に配列された複数の画素を有し、複数の前記画素が前記ラジエータの所定面に対応するように配置された光検出器と、
    前記光検出器から出力された信号に基づいて、前記チェレンコフ光を検出した複数の前記画素の位置情報及びその時刻情報を取得し、取得した前記位置情報及び前記時刻情報、並びに前記ラジエータにおける前記チェレンコフ光の伝播軌跡に基づいて、前記ラジエータにおける前記チェレンコフ光の発生個所の位置を求める制御部と、を備える、放射線位置検出器。
  2. 前記制御部は、前記媒質を構成する原子のうち最も光電効果を起こしやすい前記原子のK殻から光電子が放出された場合における前記チェレンコフ光の前記伝播軌跡を用いて、前記発生個所の前記位置を求める、請求項1に記載の放射線位置検出器。
  3. 前記チェレンコフ光の前記伝播軌跡は、前記放射線が前記媒質と相互作用することによって放出された光電子の軌跡を中心とした円錐形状であり、
    前記発生個所の前記位置は、前記円錐形状の頂点の位置である、請求項1又は2に記載の放射線位置検出器。
  4. 前記制御部は、前記チェレンコフ光を検出した複数の前記画素にフィッティングする楕円に関する楕円情報に基づいて、前記円錐形状の前記頂点の前記位置を求める、請求項3に記載の放射線位置検出器。
  5. 前記チェレンコフ光の前記伝播軌跡は、前記放射線が前記媒質と相互作用することによって放出された光電子の軌跡を中心とした円錐形状であり、
    前記制御部は、
    前記チェレンコフ光を検出した複数の前記画素の重心の位置を求めると共に、前記重心を中心とする楕円であって且つ前記チェレンコフ光を検出した複数の前記画素にフィッティングする前記楕円に関する楕円情報に基づいて、前記円錐形状の頂点の位置を求め、
    前記所定面に平行な方向における前記重心の位置を、前記所定面に平行な前記方向における前記発生個所の位置とし、前記所定面に垂直な方向における前記頂点の位置を、前記所定面に垂直な前記方向における前記発生個所の位置とする、請求項1又は2に記載の放射線位置検出器。
  6. 前記制御部は、前記時刻情報に基づいて、所定期間に前記チェレンコフ光を検出した複数の前記画素が所定数よりも多い場合には前記発生個所の前記位置を求め、前記所定期間に前記チェレンコフ光を検出した複数の前記画素が前記所定数よりも少ない場合には前記発生個所の前記位置を求めない、請求項1〜5のいずれか一項に記載の放射線位置検出器。
  7. 前記所定面を除く前記ラジエータの外面に設けられ、前記チェレンコフ光を吸収する光吸収層を更に備える、請求項1〜6のいずれか一項に記載の放射線位置検出器。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の放射線位置検出器を備える、PET装置。
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