JPH0712949A - 粒子軌跡検出装置 - Google Patents

粒子軌跡検出装置

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JPH0712949A
JPH0712949A JP15683593A JP15683593A JPH0712949A JP H0712949 A JPH0712949 A JP H0712949A JP 15683593 A JP15683593 A JP 15683593A JP 15683593 A JP15683593 A JP 15683593A JP H0712949 A JPH0712949 A JP H0712949A
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JP
Japan
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particle
detection
signal
time
optical
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JP15683593A
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Yasuhiko Haren
康彦 波連
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、簡易な構成により、測定時間分解
能の向上及びデッドタイムの低減を実現し、軌跡の測定
精度を向上することを目的とする。 【構成】 衝突トリガ信号を送出する衝突トリガ信号送
出手段と、各粒子検出器から受信する電気的な粒子検知
信号を粒子検知光信号に変換して送出する電気/光変換
手段と、粒子検知光信号を粒子検知電気信号に変換して
送出する光/電気変換手段と、衝突トリガ信号を受信す
ると粒子検知電気信号を経過時刻に比例偏向して通過さ
せる時間/位置変換手段と、偏向された粒子検知電気信
号を受信した検出面に対応する位置信号を送出する位置
信号検出手段と、位置信号に対応する経過時刻に基づい
て各粒子検出器の粒子検知時刻データを算出する検知時
刻算出手段と、算出された粒子検知時刻データ及び各粒
子検出器の配置位置データに基づいて微小粒子の軌跡を
算出する粒子軌跡算出手段とを備えた粒子軌跡検出装
置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高エネルギー物理学実
験で粒子の軌跡の検出に利用される粒子軌跡検出装置に
係わり、特に各粒子検出器による検出時刻を位置情報に
変換することにより、時間分解能を向上し得る粒子軌跡
検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、高エネルギー物理学分野における
例えば加速器衝突実験では、荷電粒子を衝突させて生成
される微小粒子の軌跡とエネルギー量とを求め、該生成
粒子の種類及び軌跡を判定する粒子軌跡検出装置が用い
られている。
【0003】図4はこの種の粒子軌跡検出装置の構成を
示すブロック図である。この粒子軌跡検出装置は、複数
のワイヤ1aが内部に並設されたワイヤ検出器1を有
し、各ワイヤ1aが荷電粒子の衝突時の生成粒子を検出
して電気信号に変換すると共に、該電気信号をプリアン
プ2及びアンプ3を介してディスクリミネータ(弁別装
置)4に送出する。ディスクリミネータ4は、この電気
信号を所定の電圧レベルと比較し、この電圧レベルより
も該電気信号のレベルが高いとき、該電気信号を時間/
電圧変換器(T/AC)5に送出する。なお、プリアン
プ2、アンプ3ディスクリミネータ及び時間/電圧変換
器5は各ワイヤ1a毎に設けられている一方、トリガ信
号発生システム6は、衝突時に衝突開始タイミング信号
を時間/電圧変換器5に送出する。時間/電圧変換器5
は、衝突開始タイミング信号を受けると、経過時間の計
測を開始し、ディスクリミネータ4から受ける電気信号
を該経過時間に比例した電圧信号に変換すると共に、該
電圧信号をマルチプレクサ7を介してA/D変換器8に
送出する。
【0004】A/D変換器8はこの電圧信号をディジタ
ル信号に変換し、該ディジタル信号はメモリ情報として
メモリ9に格納される。なお、アンプ3、ディスクリミ
ネータ4、時間/電圧変換器5、マルチプレクサ7、A
/D変換器8及びメモリ9は信号処理部10を構成し、
信号処理部10の処理精度は主に時間/電圧変換器5及
びA/D変換器8に依存している。また、信号処理部1
0に接続された上位計算機(図示せず)は、メモリ9か
らメモリ情報を読出し、生成粒子の軌跡及び種類を解析
している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら以上のよ
うな粒子軌跡検出装置では、軌跡の測定精度を上げるた
めに時間/電圧変換器5の測定時間分解能やA/D変換
器8の性能を向上させることが必要であるが、これらの
性能には限界があるため、軌跡の測定精度の向上が望め
ないという問題がある。
【0006】また、軌跡の測定密度を濃くするために
は、チャネル数を増加させると共に、他チャネルの信号
を処理する必要があり、信号処理部10内の回路構成が
複雑になる問題がある。
【0007】さらに、入力信号が多くなると、ディジタ
ル変換完了するまでの時間が長くなるため、測定実験に
支障をきたすデッドタイムが発生するという問題があ
る。本発明は上記実情を考慮してなされたもので、簡易
な構成により、測定時間分解能の向上及びデッドタイム
の低減を実現し、軌跡の測定精度を向上し得る粒子軌跡
検出装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に対応する発明
は、複数の荷電粒子を所定の衝突タイミングで衝突させ
て微小粒子を生成し、前記微小粒子を複数の粒子検出器
で検知し、前記各粒子検出器の粒子検知時刻に基づいて
当該微小粒子の軌跡を検出する粒子軌跡検出装置におい
て、前記所定の衝突タイミングで衝突トリガ信号を送出
する衝突トリガ信号送出手段と、前記各粒子検出器に個
別に接続され、該各粒子検出器から受信する電気的な粒
子検知信号を光学的な粒子検知光信号に変換して送出す
る電気/光変換手段と、この電気/光変換手段から送出
された粒子検知光信号を電気的な粒子検知電気信号に変
換して送出する光/電気変換手段と、前記衝突トリガ信
号送出手段から衝突トリガ信号を受信すると、前記光/
電気変換手段から個別に送出される粒子検知電気信号を
夫々経過時刻に比例するように偏向して通過させる時間
/位置変換手段と、同一平面上に並設された複数の検出
面を有し、前記時間/位置変換手段により偏向された粒
子検知電気信号を前記検出面のうちのいずれかが受信す
る毎に、当該受信した検出面の位置に対応する位置信号
を送出する位置信号検出手段と、この位置信号検出手段
から各位置信号が送出されると、該位置信号に対応する
前記経過時刻に基づいて、前記各粒子検出器の前記粒子
検知時刻データを算出する検知時刻算出手段と、この検
知時刻算出手段により算出された粒子検知時刻データ及
び前記各粒子検出器の配置位置データに基づいて、前記
微小粒子の軌跡を算出する粒子軌跡算出手段とを備えた
粒子軌跡検出装置である。
【0009】また、請求項2に対応する発明は、複数の
粒子検出器で粒子を検知し、前記各粒子検出器の粒子検
知時刻に基づいて当該粒子の軌跡を検出する粒子軌跡検
出装置において、前記各粒子検出器に接続され、これら
粒子検出器から受信する粒子検知信号に基づいて検知ト
リガ信号を送出する検知トリガ信号送出手段と、前記各
粒子検出器に個別に接続され、該各粒子検出器から順次
粒子検知信号を受信すると、該粒子検知信号を少なくと
も前記検知トリガ信号が送出されるまでの所定時間だけ
個別に遅延させて各々粒子遅延信号として送出する複数
の遅延信号送出手段と、前記検知トリガ信号送出手段か
ら検知トリガ信号を受信すると、前記各遅延信号送出手
段から個別に送出される粒子遅延信号を夫々経過時刻に
比例するように偏向して通過させる時間/位置変換手段
と、同一平面上に並設された複数の検出面を有し、前記
時間/位置変換手段により偏向された粒子遅延信号を前
記検出面のうちのいずれかが受信する毎に、当該受信し
た検出面の位置に対応する位置信号を送出する位置信号
検出手段と、この位置信号検出手段から各位置信号が送
出されると、該位置信号に対応する前記経過時刻に基づ
いて、前記各粒子検出器の前記粒子検知時刻データを算
出する検知時刻算出手段と、この検知時刻算出手段によ
り算出された粒子検知時刻データ及び前記各粒子検出器
の配置位置データに基づいて、前記粒子の軌跡を算出す
る粒子軌跡算出手段とを備えた粒子軌跡検出装置であ
る。
【0010】
【作用】従って、請求項1に対応する発明は以上のよう
な手段を講じたことにより、衝突トリガ信号送出手段が
所定の衝突タイミングで衝突トリガ信号を送出し、電気
/光変換手段が各粒子検出器から受信する電気的な粒子
検知信号を光学的な粒子検知光信号に変換して送出し、
光/電気変換手段がこの電気/光変換手段から送出され
た粒子検知光信号を電気的な粒子検知電気信号に変換し
て送出し、時間/位置変換手段が、衝突トリガ信号送出
手段から衝突トリガ信号を受信すると、光/電気変換手
段から個別に送出される粒子検知電気信号を夫々経過時
刻に比例するように偏向して通過させ、位置信号検出手
段が時間/位置変換手段により偏向された粒子検知電気
信号を検出面のうちのいずれかが受信する毎に当該受信
した検出面の位置に対応する位置信号を送出し、検知時
刻算出手段が、位置信号検出手段から各位置信号が送出
されると、該位置信号に対応する経過時刻に基づいて各
粒子検出器の粒子検知時刻データを算出し、粒子軌跡算
出手段が検知時刻算出手段により算出された粒子検知時
刻データ及び各粒子検出器の配置位置データに基づいて
微小粒子の軌跡を算出するので、簡易な構成により、測
定時間分解能の向上及びデッドタイムの低減を実現し、
軌跡の測定精度を向上することができる。
【0011】また、請求項2に対応する発明は、検知ト
リガ信号送出手段が各粒子検出器から受信する粒子検知
信号に基づいて検知トリガ信号を送出し、複数の遅延信
号送出手段が該各粒子検出器から受信した粒子検知信号
を少なくとも検知トリガ信号が送出されるまでの所定時
間だけ個別に遅延させて各々粒子遅延信号として送出
し、時間/位置変換手段が、検知トリガ信号送出手段か
ら検知トリガ信号を受信すると、各遅延信号送出手段か
ら個別に送出される粒子遅延信号を夫々経過時刻に比例
するように偏向して通過させ、遅延信号検出手段が時間
/位置変換手段により偏向された粒子遅延信号を検出面
のうちのいずれかが受信する毎に当該受信した検出面の
位置に対応する位置信号を送出し、検知時刻算出手段
が、遅延信号検出手段から各位置信号が送出されると、
該位置信号に対応する経過時刻に基づいて各粒子検出器
の粒子検知時刻データを算出し、粒子軌跡算出手段が検
知時刻算出手段により算出された粒子検知時刻データ及
び各粒子検出器の配置位置データに基づいて粒子の軌跡
を算出するので、請求項1に対応する発明の作用に加
え、例えば宇宙線に含まれる粒子のようにいつ検知され
るか分からない粒子であっても、その軌跡を精度良く検
出することができる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。図1は本発明の第1の実施例に係る粒子軌
跡検出装置の構成を示すブロック図である。この粒子軌
跡検出装置は、複数のワイヤ(粒子検出器)11aを内
部に並設しているワイヤ検出器11を有し、各ワイヤ1
1aが荷電粒子の衝突時の生成粒子を検知して電気的な
粒子検知信号を発生し、該粒子検知信号をプリアンプ1
2を介して電気/光変換手段としての電気/光変換部
(E/O)13に個別に送出する機能をもっている。
【0013】電気/光変換部13は、プリアンプ12か
ら受けた粒子検知信号を光学的な粒子検知光信号に変換
し、該粒子検知光信号を光ファイバケーブル14を個別
に通してストリーク管15に送出する機能をもってい
る。
【0014】ストリーク管15は、各光ファイバケーブ
ル14から個別に受ける粒子検知光信号をスリット16
及びレンズ17を介して光/電気変換手段としての光電
変換面18に夫々導き、光電変換面18により該粒子検
知光信号を電気的な粒子検知電気信号に変換して加速電
極19により加速して2つの偏向電極20a,20b間
を通してマイクロチャネルプレート(MCP)21に送
出する機能をもっている。
【0015】一方、計算機22は、荷電粒子の衝突タイ
ミングを制御する機能をもち、且つ、荷電粒子の衝突開
始時に衝突タイミング信号をトリガ信号発生器23に送
出する機能をもっている。
【0016】トリガ信号発生器23は計算機22から衝
突開始タイミング信号を受けると、衝突トリガ信号をス
トリーク管15内の掃引電圧発生器24に送出するもの
である。なお、計算機22の一機能及びトリガ信号発生
器23は衝突トリガ信号送出手段を構成している。
【0017】掃引電圧発生器24は、トリガ信号発生器
23から衝突トリガ信号を受けると、経過時間に比例し
て電圧値が高くなるように掃引電圧を偏向電極20a,
20bに印加するものであって、偏向電極20a,20
b間を通過してマイクロチャネルプレート21に到達す
る粒子検知電気信号を当該経過時間に比例して縦方向に
偏向させる機能をもっている。なお、掃引電圧発生器2
4及び偏向電極20a,20bは時間/位置変換手段を
構成している。
【0018】位置信号検出手段としてのマイクロチャネ
ルプレート21は、縦方向を偏向強度,横方向を各ワイ
ヤ11aからの信号経路(チャネル:CH)に夫々対応
させるように同一平面上に並設された複数の検出面を有
し、偏向電極20a,20b間で縦に偏向された粒子検
知電気信号を検出面のうちのいずれかが受信する毎に、
当該受信した検出面の位置に対応する位置信号を送出し
てストリーク管15外のメモリ25に記憶させるもので
ある。
【0019】メモリ25は、マイクロチャネルプレート
21の各検出面に対応するように2次元的に構成されて
“1”,“0”により位置情報を記憶可能であり、該マ
イクロチャネルプレート21の検出面から受ける位置信
号が各検出面に対応して記憶されるものである。なお、
ストリーク管15及びメモリ25は信号処理部26を構
成している。
【0020】また、検知時刻算出手段及び粒子軌跡算出
手段としての計算機22は、このメモリ25に記憶され
た位置信号に基づいて、各ワイヤ11aにおける粒子検
知時刻を算出し、該粒子検知時刻に基づいて粒子の軌跡
を算出する機能をもっている。
【0021】次に、このように構成された粒子軌跡検出
装置の動作を説明する。いま、例えば粒子の加速器衝突
実験が開始されるとする。計算機22は、荷電粒子をワ
イヤ検出器11内で所定の衝突タイミングで衝突させる
ように加速器(図示せず)を制御すると共に、所定の衝
突タイミングで衝突タイミング信号をトリガ信号発生器
23に送出する。
【0022】加速器で加速された荷電粒子はワイヤ検出
器11内で衝突して微小粒子を生成する。この微小粒子
は各ワイヤ11aにより検知され、各ワイヤ11aは粒
子検知信号を発生する。この粒子検知信号は、プリアン
プにより増幅され、且つ電気/光変換部13によって粒
子検知光信号に変換されると共に、光ファイバケーブル
14を通してストリーク管15に送出される。
【0023】一方、トリガ信号発生器23は、衝突タイ
ミングに衝突タイミング信号を受けると、衝突トリガ信
号を掃引電圧発生器24に送出し、掃引電圧発生器24
は、衝突トリガ信号を受けると、経過時間に比例して電
圧値が高くなる掃引電圧を偏向電極20a,20bに印
加する。なお、これにより偏向電極20a,20b間に
は、衝突タイミングから時間の経過に比例して強度が高
くなるように電界が形成される。
【0024】ストリーク管15では、粒子検知光信号を
光電変換面18によって粒子検知電気信号に変換し、該
粒子検知電気信号を偏向電極20a,20b間を通して
偏向させてマイクロチャネルプレート21に到達させ
る。なお、各粒子検知電気信号は夫々対応するワイヤ1
1aが該粒子検知信号を発生した時刻から一定の時間後
に偏向電極を通過するため、粒子検知信号の発生時刻の
遅れに比例して大きく縦に偏向されてマイクロチャネル
プレート21に到達される。
【0025】マイクロチャネルプレート21では、粒子
検知電気信号を検出した検出面が位置信号を送出してメ
モリ25に位置信号を“1”として記憶させる。次に、
他のワイヤ11aに対応する他の粒子検知電気信号が前
述した粒子検知電気信号に対して横方向に平行に偏向電
極間に入射され、該偏向電極により、マイクロチャネル
プレート21の当該他のワイヤ11aに対応する横位置
のうちの偏向強度に対応する縦位置の検出面に到達する
ように偏向される。当該他の粒子検知信号はマイクロチ
ャネルプレート21により、メモリ25に位置信号とし
て記憶される。
【0026】以下、同様にして各ワイヤ11aで発生し
た粒子検知信号が全て発生時刻に対応する位置信号とし
てメモリに記憶されると、粒子検知信号の測定が終了す
る。一方、計算機22は、メモリに記憶された各位置信
号に基づいて個別に衝突タイミングからの掃引電圧発生
器24における経過時刻を求めると共に、該経過時刻に
基づいて各ワイヤ11aにおける粒子検知時刻データを
求める。
【0027】続いて計算機22は、各ワイヤ11aにお
ける粒子検知時刻データ及び予め保持する各ワイヤ11
aの配置位置データに基づいて、所定の演算を行い、生
成粒子の軌跡を求める。
【0028】上述したように第1の実施例によれば、ト
リガ信号発生器23及び掃引電圧発生器24により偏向
電極20a,20bに対して荷電粒子の衝突タイミング
から経過時刻に比例する電極電圧を印加し、各ワイヤ1
1aから発生した粒子検知信号がストリーク管15内で
粒子検知電気信号として偏向電極20a,20b間を通
過すると、該粒子検知電気信号が経過時間に比例偏向さ
れてマイクロチャネルプレート21の検出面に到達し、
位置信号に変換されてメモリ25に記憶される。
【0029】これにより、計算機22がメモリ25の各
位置信号から対応する上記経過時間に基づいて各ワイヤ
11aの粒子検知時刻データを算出すると共に、該粒子
検知時刻データ及び各ワイヤ11aの配置位置データに
基づいて微小粒子の軌跡を算出するので、簡易な構成に
より、測定時間分解能の向上及びデッドタイムの低減を
実現し、軌跡の測定精度を向上することができる。
【0030】また、従来とは異なり、A/D変換器8や
時間/電圧変換器5を用いない構成なので、これらA/
D変換器8や時間/電圧変換器5の性能限界とは関係な
く、時間分解能を上げて軌跡の測定精度を向上させるこ
とができる。
【0031】すなわち、時間分解能は、粒子検知電気信
号が偏向電極20a,20bを通過する際の時刻を空間
的な位置に変換しているためにマイクロチャネルプレー
ト21上の位置で決まるが、これは極めて精度が良いも
のである。例えば、この時間分解能は、1(ps)以下
までも実現可能である。
【0032】また、マイクロチャネルプレート21で得
られる位置信号は、“1”,“0”の内容で順次メモリ
25に記憶されるので、ディジタル変換処理にかかる時
間を大幅に削減することができ、連続的に発生する微小
粒子に対しても信号処理を実行することができる。
【0033】さらに、測定チャネル数を増加しても、複
雑な電子回路を構成することなく、信号を処理できるの
で、他チャネルの信号を処理してもディジタル変換を完
了させるまでの測定周期のデッドタイムを大幅に短縮す
ることができる。
【0034】次に、本発明の第2の実施例に係る粒子軌
跡検出装置について説明する。図2はこの粒子軌跡検出
装置の構成を示すブロック図であり、図1と同一部分に
は同一符号を付してその詳しい説明を省略し、ここでは
異なる部分についてのみ述べる。
【0035】この粒子軌跡検出装置は、水槽31の内壁
に取付けられた複数の光電変換器(粒子検出器)32が
個別にアンプ33を介して対応する遅延回路部(遅延信
号送出手段)34に接続され、且つ各々のアンプ33が
電流和回路部35に接続されている。電流和回路部35
は比較器36を介してストリーク管15に接続されてい
る。なお、電流和回路部35及び比較器36は検知トリ
ガ信号送出手段を構成している。また、各遅延回路部3
4は個別に電気/光変換回路部(E/O)37を介して
ストリーク管15に接続されている。ストリーク管15
はメモリ25を介して検知時刻算出手段及び粒子軌跡算
出手段としての計算機38に接続されている。
【0036】ここで、遅延回路部34は、各光電変換器
32から順次粒子検知信号を受けると、該粒子検知信号
を少なくとも検知トリガ信号が送出されるまでの所定時
間だけ個別に遅延させて各々粒子遅延信号として電気/
光変換回路部37に送出するものである。
【0037】一方、電流和回路部35は、各光電変換器
32からアンプを介して粒子検知信号を受けると、これ
らの粒子検知信号の和を求めて比較器36に送出するも
のである。
【0038】また、比較器36は、電流和回路部35か
ら受けた粒子検知信号の和が所定値を越えたとき、検知
トリガ信号をストリーク管15内の掃引電圧発生器24
に送出するものである。
【0039】次に、以上のように構成された粒子軌跡検
出装置の動作を説明する。いま、宇宙線計測実験が行わ
れ、宇宙線が水槽31内に入射したとする。宇宙線に含
まれる荷電粒子は水槽31内を移動中にチェレンコフ光
を発生させる。水槽31内の各光電変換器32は各々該
チェレンコフ光を検出し、該粒子検知信号を各アンプ3
3を個別に介して各遅延回路34及び電流和回路部35
に送出する。
【0040】電流和回路部35は各粒子検知信号の和を
求めて比較器36に送出し、比較器36は各粒子検知信
号の和を所定値と比較して必要なイベントか否かを判定
し、この場合、所定値を越えるのでイベントであると判
定して検知トリガ信号をストリーク管15内の掃引電圧
発生器24に送出する。
【0041】掃引電圧発生器24は検知トリガ信号を受
信すると、この受信時からの経過時間に比例して電圧値
が高くなるように電極電圧を偏向電極20a,20bに
印加する。
【0042】一方、各遅延回路34は、各光電変換器3
2から順次粒子検知信号を受けると、該粒子検知信号を
個別に遅延させて各々粒子遅延信号として電気/光変換
回路部37に送出する。電気/光変換回路部37は粒子
遅延信号を光学的な粒子遅延光信号に変換し、該粒子遅
延光信号をストリーク管15のスリットに入射する。
【0043】以下、前述した通り、順次粒子遅延光信号
が粒子遅延電気信号に変換されて偏向電極20a,20
bにより偏向されてマイクロチャネルプレート21に到
達される。
【0044】マイクロチャネルプレート21は粒子遅延
電気信号を検出した検出面の位置に対応する位置信号を
送出してメモリ25に記憶させる。計算機38は、測定
終了後、メモリ25に記憶された位置信号を読出し、該
位置信号に基づいて個別に検知トリガ信号の受信からの
掃引電圧発生器24における経過時刻を求めると共に、
該経過時刻に基づいて各光電変換器32における粒子検
知時刻データを求める。
【0045】続いて計算機38は、各光電変換器32に
おける粒子検知時刻データ及び予め保持する各光電変換
器32の配置位置データに基づいて、所定の演算を行
い、入射した宇宙線に含まれる粒子の軌跡を求める。
【0046】上述したように第2の実施例によれば、電
流和回路部35及び比較器36が各光電変換器32から
受信する粒子検知信号に基づいて検知トリガ信号を送出
し、各遅延回路部34及び電気/光変換回路部37が夫
々対応する粒子検知信号を所定時間だけ個別に遅延させ
て粒子遅延光信号としてストリーク管15に送出し、ス
トリーク管15内の掃引電圧発生器24が検知トリガ信
号を受信すると、粒子遅延光信号が変換された粒子遅延
電気信号を夫々経過時刻に比例するように偏向して通過
させ、マイクロチャネルプレート21が該偏向された粒
子遅延電気信号を検出面のうちのいずれかが受信する毎
に対応する位置信号を送出してメモリ25に記憶させ
る。
【0047】これにより、計算機38がメモリ25内の
各位置信号を読出し、各位置信号に対応する上記経過時
刻に基づいて各光電変換器32の粒子検知時刻データを
算出すると共に、算出された粒子検知時刻データ及び各
光電変換器32の配置位置データに基づいて粒子の軌跡
を算出するので、第1の実施例の効果に加え、例えば宇
宙線に含まれる粒子のようにいつ検知されるか分からな
い粒子であっても、その軌跡を精度良く検出することが
できる。
【0048】次に、本発明の第3の実施例に係る粒子軌
跡検出装置について説明する。図3はこの粒子軌跡検出
装置に適用されるストリーク管の構成を示す図であり、
図1と同一部分には同一符号を付してその詳しい説明は
省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0049】すなわち、本実施例装置は、図1に示す装
置のストリーク管15に代えて、該ストリーク管15の
マイクロチャネルプレート21の上部にマイクロチャネ
ルプレート21aを積層配置し、このマイクロチャネル
プレート21aに対応して掃引電圧発生器24により印
加される電極電圧の設定を変えたストリーク管41を設
けている。
【0050】ここで、掃引電圧発生器24は電極電圧
を、図3の右側に示すように、0(V)からマイクロチ
ャネルプレート21の上部に到達する電圧V1まで変化
させ、一定時間保持したのち、マイクロチャネルプレー
ト21aの上部に到達する電圧V2まで変化させてい
る。
【0051】従って、連続的に発生し、高速で処理すべ
き信号に対して各マイクロチャネルプレート21,21
aを切換えて測定を行うことができる。上述したように
第3の実施例によれば、2段に積層されたマイクロチャ
ネルプレート21,21aを設け、且つ掃引電圧発生器
24の電圧設定を2段階としているので、一方のマイク
ロチャネルプレート21がある微小粒子の位置信号を送
出するときに他方のマイクロチャネルプレート21aが
他の微小粒子の偏向された粒子検知電気信号を受信でき
るので、読出しのデッドタイムなしで複数の微小粒子に
より連続的に発生する各信号の処理を実行することがで
きる。
【0052】なお、上記第2の実施例では、宇宙線計測
実験の場合を説明したが、これに限らず、陽子崩壊実験
に適用しても、本発明を同様に実施して同様の効果を得
ることができる。
【0053】また、上記第3の実施例では、マイクロチ
ャネルプレートを2段に配置した場合について説明した
が、これに限らず、マイクロチャネルプレートを3段以
上に配置した構成としても、本発明を同様に実施して同
様の効果を得ることができる。その他、本発明はその要
旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、衝
突トリガ信号送出手段により衝突トリガ信号を送出し、
電気/光変換手段及び光/電気変換手段により各粒子検
出器から受信する電気的な粒子検知信号を伝送し、時間
/位置変換手段により、衝突トリガ信号を受信すると、
光/電気変換手段から送出される粒子検知電気信号を経
過時刻に比例するように偏向して通過させ、位置信号検
出手段により偏向された粒子検知電気信号を検出面のう
ちのいずれかが受信する毎に当該受信した検出面に対応
する位置信号を送出し、検知時刻算出手段により、各位
置信号を受けると、該位置信号に対応する経過時刻に基
づいて各粒子検出器の粒子検知時刻データを算出し、粒
子軌跡算出手段により粒子検知時刻データ及び各粒子検
出器の配置位置データに基づいて微小粒子の軌跡を算出
するので、簡易な構成により、測定時間分解能の向上及
びデッドタイムの低減を実現し、軌跡の測定精度を向上
できる粒子軌跡検出装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係る粒子軌跡検出装置
の構成を示すブロック図。
【図2】本発明の第2の実施例に係る粒子軌跡検出装置
の構成を示すブロック図。
【図3】本発明の第3の実施例に係る粒子軌跡検出装置
に適用されるストリーク管の構成を示す図。
【図4】従来の粒子軌跡検出装置の構成を示すブロック
図。
【符号の説明】
11…ワイヤ検出器、11a…ワイヤ、12…プリアン
プ、13…電気/光変換部、14…光ファイバケーブ
ル、15…ストリーク管、16…スリット、17…レン
ズ、18…光電変換面、19…加速電極、20a,20
b…偏向電極、21…マイクロチャネルプレート、22
…計算機、23…トリガ信号発生器、24…掃引電圧発
生器、25…メモリ、26…信号処理部。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の荷電粒子を所定の衝突タイミング
    で衝突させて微小粒子を生成し、前記微小粒子を複数の
    粒子検出器で検知し、前記各粒子検出器の粒子検知時刻
    に基づいて当該微小粒子の軌跡を検出する粒子軌跡検出
    装置において、 前記所定の衝突タイミングで衝突トリガ信号を送出する
    衝突トリガ信号送出手段と、 前記各粒子検出器に個別に接続され、該各粒子検出器か
    ら受信する電気的な粒子検知信号を光学的な粒子検知光
    信号に変換して送出する電気/光変換手段と、 この電気/光変換手段から送出された粒子検知光信号を
    電気的な粒子検知電気信号に変換して送出する光/電気
    変換手段と、 前記衝突トリガ信号送出手段から衝突トリガ信号を受信
    すると、前記光/電気変換手段から個別に送出される粒
    子検知電気信号を夫々経過時刻に比例するように偏向し
    て通過させる時間/位置変換手段と、 同一平面上に並設された複数の検出面を有し、前記時間
    /位置変換手段により偏向された粒子検知電気信号を前
    記検出面のうちのいずれかが受信する毎に、当該受信し
    た検出面の位置に対応する位置信号を送出する位置信号
    検出手段と、 この位置信号検出手段により位置信号が送出されると、
    該位置信号に対応する前記経過時刻に基づいて、前記各
    粒子検出器の前記粒子検知時刻データを算出する検知時
    刻算出手段と、 この検知時刻算出手段により算出された粒子検知時刻デ
    ータ及び前記各粒子検出器の配置位置データに基づい
    て、前記微小粒子の軌跡を算出する粒子軌跡算出手段と
    を備えたことを特徴とする粒子軌跡検出装置。
  2. 【請求項2】 複数の粒子検出器で粒子を検知し、前記
    各粒子検出器の粒子検知時刻に基づいて当該粒子の軌跡
    を検出する粒子軌跡検出装置において、 前記各粒子検出器に接続され、これら粒子検出器から受
    信する粒子検知信号に基づいて検知トリガ信号を送出す
    る検知トリガ信号送出手段と、 前記各粒子検出器に個別に接続され、該各粒子検出器か
    ら順次粒子検知信号を受信すると、該粒子検知信号を少
    なくとも前記検知トリガ信号が送出されるまでの所定時
    間だけ個別に遅延させて各々粒子遅延信号として送出す
    る複数の遅延信号送出手段と、 前記検知トリガ信号送出手段から検知トリガ信号を受信
    すると、前記各遅延信号送出手段から個別に送出される
    粒子遅延信号を夫々経過時刻に比例するように偏向して
    通過させる時間/位置変換手段と、 同一平面上に並設された複数の検出面を有し、前記時間
    /位置変換手段により偏向された粒子遅延信号を前記検
    出面のうちのいずれかが受信する毎に、当該受信した検
    出面の位置に対応する位置信号を送出する位置信号検出
    手段と、 この位置信号検出手段から各位置信号が送出されると、
    該位置信号に対応する前記経過時刻に基づいて、前記各
    粒子検出器の前記粒子検知時刻データを算出する検知時
    刻算出手段と、 この検知時刻算出手段により算出された粒子検知時刻デ
    ータ及び前記各粒子検出器の配置位置データに基づい
    て、前記粒子の軌跡を算出する粒子軌跡算出手段とを備
    えたことを特徴とする粒子軌跡検出装置。
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