JP2017190924A - セラミックパイプ材の連続乾燥装置 - Google Patents
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セラミック成型品の乾燥装置の従来技術として乾燥台車にセラミック円筒材(例えば土管等)を搭載してこれを乾燥炉に入れて乾燥させるものがある(例えば特許文献1)。これは比較的大径のセラミック円筒材をローラに載せ、これをローラで回転させながら乾燥させるものであり、セラミック円筒材がローラとローラとの間の隙間から自重で垂れ下がって変形してしまうことを防止するものである。
そしてまた先行技術として、セラミックパイプ材pをローラに搭載しこれをローラで回転させることによってセラミックパイプ材の曲がりを矯正し矯正されたセラミックパイプ材pを乾燥させるセラミックパイプ材の連続乾燥装置がある(特願2016−670号明細書)。
この先行技術のセラミックパイプ材の連続乾燥装置はローラチエンコンベアによる支持ローラ13を備えているものであり、多数のローラ14を同時に自転させる自転駆動機構を備えているものである(図1乃至図4)。
そしてこの先行技術は、セラミックパイプ材pをローラチエンコンベアで搬送して乾燥炉11aを通過させ、その間に所定の乾燥がなされるように搬送速度、乾燥温度を調整し制御するものであり、支持ローラ13の一端でシュータs1を用いてセラミックパイプ材pを連続的に投入し、他端でシュータs2を用いて連続的に取り出すことにより、セラミックパイプ材の乾燥作業を連続的に行うことができる。
支持ローラ13のローラ14は乾燥炉11aを通過するとき自転駆動機構によって駆動されてセラミックパイプ材pを回転させるので、乾燥の初期段階においてセラミックパイプ材pはその曲がりを確実に矯正された後に乾燥され硬化されることになる。
上記セラミックパイプ材の連続乾燥装置(以下、単に連続乾燥装置ともいう)の全長は乾燥処理されるセラミックパイプ材の大きさ、乾燥条件等に応じて適宜選択される。
乾燥炉11aのヒータ12は熱風加熱器であり支持ローラ13の上方に図示されているが、実際は乾燥炉11aの長手方向(支持ローラ13の走行方向)に熱風が流れる配置になっており、そしてその熱風の温度と風量が適宜に調整される。
なお、乾燥炉11a内の温度は50〜90℃であり、乾燥処理されるセラミックパイプ材pの物性やサイズ、乾燥条件、乾燥速度等に応じて調整される。
先行技術のセラミックパイプ材の連続乾燥装置は多数のローラ14、循環チエン32、ガイドレール31等による支持ローラ13を有し、当該支持ローラ13は駆動チエン23及びその被動スプロケット20を介してモータM1によって駆動される。そして循環チエン32は駆動スプロケット21、被動スプロケット22に巻き掛けられていて上記駆動スプロケット21によって駆動される。
多数のローラ14、循環チエン32によるローラチエンコンベアはその上辺部が乾燥炉の投入口側から取り出し口側に向かって走行し(図1の矢印方向)、下辺部が取り出し口側から投入口側に向かって走行する。
そしてまた、タイミングベルト43、タイミングベルト44、被動プーリ40、駆動プーリ41、3つのアイドルプーリ42、駆動モータM2による自転駆動機構(図2)により、多数のローラ14がガイドレール31(図1)上で同時に駆動される。
支持ローラ13の説明に先だって、まずローラ14の構造を説明する。
ローラ14はロール14aとその両端のベアリング14d,14dと左右のローラ軸14b,14bと右端の歯付きプーリ14cで構成されている。
ロール14aの左右両側に左右のローラ軸14bがあるが、その一方がベアリング14dを介してロール14aの一端を回転自在に支持し、他方はベアリング14dを介して歯付きプーリ14cを回転自在に支持している。そして、上記歯付きプーリ14cがロール14aの他端に固定されており、両ローラ軸14b,14bが循環チエン32のチエンピン(チエンスリーブ32b)に嵌められて支持されている(図4)。
以上のようにして、左右のローラ軸14b,14bがチエンスリーブ32bに嵌入されていて左右の循環チエン32,32に支持されていて当該ローラ軸にロール14aと歯付きプーリ14cが回転自在に支持されている。
次に、支持ローラ13の構造について説明する。
支持ローラ13は多数のローラ14と左右の循環チエン32によるローラチエンコンベアを備えており、当該ローラチエンコンベアの循環チエン32は通常のリンクチエンはである。そして上記循環チエン32はチエンスリーブ32bを備えており、一つおきのチエンスリーブ32bにローラ軸14bが挿入されて組み付けられている。
そして循環チエン32の上辺部がガイドレール31に乗り上げこれに支持されガイドされ、このときローラ14は左右の循環チエン32を介してガイドレール31,31に支持されガイドされる。
なお、左右の循環チエン32、32間の内幅(この例では1014mm)とロール14aの長さ(800mm)の差は小さく、したがって、ロール14aと循環チエン32との間の隙間が狭く、その結果、ローラ軸14bの長さは短かい。
以上が先行技術によるセラミックパイプ材の連続乾燥装置の具体的な構造である。
ところで、先行技術のセラミックパイプ材の連続乾燥装置におけるロール14aはセラミックパイプ材pによる強い研磨作用を受けるので、表面を硬質メッキ(例えばクロムメッキ)で被覆する等の耐摩処置がされている。しかし、ロール表面が種々の原因で微小に損傷されるのが避けられず、ロール表面の被腹層の一部が損傷されると当該損傷部分から腐食が進んでロール表面が著しく損傷されることになる。そしてロール表面が著しく損傷されるとこれによって軟質状態のセラミックパイプ材(乾燥初期段階におけるもの)の表面が損傷されることになり、その結果、乾燥工程でセラミックパイプ材が不良品になる。したがって、ロール表面が著しく損傷したときはそのローラ14を直ちに取り替えなければならない。
したがって、ローラを取り替えるにはローラチエンコンベアを取り外し分解しなければならず、このために、取り替えるローラ14が一つの場合でもその取り替え作業が大がかりになり、多くの手数と長い時間を要することになる。そしてまた、この取り替えのためのチエンコンベアの分解組み立て作業において無傷の他のロール表面が損傷されることもある。
セラミックパイプ材の連続乾燥装置におけるローラチエンコンベアは、一部のローラ14だけを取り替えることが多く、その度に連続乾燥装置を停止させることになる。したがって、ローラ14を取り替えるための稼働停止時間を短くするには個々のローラ14だけを簡単容易に取り外せるようにすることが必要である。
(a)ローラ14の一方のローラ軸14bに軸継ぎ手を介して短軸14b’が着脱自在に連結されており、
(b)上記短軸14b’が循環チエンのチエンスリーブに嵌入されていること。
好ましい実施態様は次の(1)、(2)、(3)のとおりである。
(1)上記軸継ぎ手が二つ割りの円筒状継ぎ手部材によるものであること。
(2)上記軸継ぎ手がロール軸に摺動自在に嵌合された中間軸によるものであること。
(3)上記軸継ぎ手が上記短軸14b’の一部をローラ軸14bの一部に嵌合させて直接連結しているものであること。
ローラチエンコンベアの各ローラは一方のローラ軸14bに軸継ぎ手を介して短軸を連結して構成されており、そして当該短軸が一方の循環チエン32のチエンスリーブ32bに嵌入されて支持されているから、上記軸継ぎ手を外すことによってローラ軸14bが一方の循環チエン32から分離される。
そして軸継ぎ手が外されてローラ軸14bが短軸14b’から分離されれば短軸14b’をローラ軸14bに対して上下方向にずらすことができるので、ローラ14を引っ張って他方のローラ軸14bを反対側の循環チエン32のチエンスリーブ32bから引き抜いてローラ14を循環チエン32,32から取り外すことができる。
また、上記と逆の手順でローラ14を循環チエン32,32に組み付けることができるのでこの組み付け作業は容易である。
したがって、左右の循環チエン32,32から特定のローラ14だけを容易に取り外すことができまた容易に組み付けることができる。
したがって、別体のものであるときは上記軸継ぎ手は上記(1)(2)に適うものであればフランジ継ぎ手でもよい。
また、軸継ぎ手がローラ軸14bと短軸14b’を直接連結するものであるときは、軸方向に相対的に少し移動させることで両軸が互いに分離される構造であればよい。
実施例におけるローラ14の左側(図5における左側)のローラ軸14bに軸継ぎ手80によって短軸14b’が連結されている。短軸14b’は循環チエン32のチエンスリーブ32bに嵌入されて支持されており、他方のローラ軸14bは他方の循環チエン32のチエンスリーブ32bに嵌入されて支持されている。
軸継ぎ手80は円筒状の継ぎ手であり、二つ割りの継ぎ手部材81,81と4つのネジ82,82によるものであり、4つのネジ82を締め付けることで両継ぎ手部材81,81でローラ軸14bと短軸14b’とを把持することができる。そして、軸継ぎ手80によってローラ軸14bと短軸14b’とが同心状に連結される。
一例をいえば、ローラ軸14b,短軸14b’の外径は8mm、短軸14b’の長さは50mm、円筒状の軸継ぎ手80の外径は45mm、その長さは80mmである。
軸継ぎ手80を外した状態(図9(a))で、短軸14b’を矢印(1)のように下方に押し下げてローラ軸14bから下方にずらし(図9(b))、その後、ローラ14を左方(図9(b)における矢印(2)の方向)に引っ張って反対側のローラ軸14bを他方の循環チエン32のチエンスリーブ32bから引き抜く。これによってローラ14が左右の循環チエン32,32から外される。
そして、上記と逆の手順で新たなローラを循環チエン32,32に組み付けることができる。
〔変更例1〕
変更例1の軸継ぎ手80aは図7に示すものであり、二つ割りの継ぎ手部材85,85のテーパーネジ面87にネジリング86のテーパーネジ面を螺合させて締め付けることによってローラ軸14bと短軸14b’とが連結される。そして、ネジリング86を継ぎ手部材85,85のテーパーネジ面87から外せば軸継ぎ手80aはローラ軸14b、短軸14b’から外される。
変更例2の軸継ぎ手80bは図8に示されているものであり、この軸継ぎ手80bは継ぎ手スリーブ88と2つのネジ89によるものであり、継ぎ手スリーブ88の左右両端部に半径方向のネジ穴88aがあってこのネジ穴88aにネジ89がねじ込まれている。
継ぎ手スリーブ88にローラ軸14bと短軸14b’を挿入して、両端部のネジ89,89を締めて固定している。両端のネジ89,89は同じ方向のネジ穴に螺合されているので、ネジ89を締め付けてその先端をローラ軸14bと短軸14b’の外周面を強く押えつけることによって継ぎ手スリーブ88を介して両軸が同心状に連結される。
両ネジ89,89を緩め、継ぎ手スリーブ88を軸方向にスライドさせてローラ軸14b又は短軸14b’から外せば両軸の連結が外されるから、短軸14b’をローラ軸14に対して下方に押し下げることができる。
変更例3の軸継ぎ手90は図10に示されているものであり、中間軸91、コイルバネ94によるものである。上記中間軸91の両端に角軸部91a,91bがあり、当該角軸部91a,91bを短軸14b’の角穴92とローラ軸14bの角穴93にそれぞれ摺動自在に嵌合させている。
ローラ軸14bの角穴93にコイルバネ94が内装されており、当該コイルバネ94によって中間軸91が押されて短軸14b’に押しつけられている。
中間軸91の角軸部91a,91bと角穴92,93との嵌合によって短軸14b’とローラ軸14bが同心状に連結される。
上記コイルバネ94に抗して中間軸91をスライドさせて角軸部91aを角穴92から外すことによって短軸14b’をローラ軸14bから分離すことができる。
コイルバネ94に抗して中間軸91を軸方向にスライドさせれば中間軸91が短軸14b’から分離されるのでローラ軸14bを短軸14b’から切り離すことができ、また短軸14b’の角穴92に角軸91aを嵌入させればローラ軸14bが短軸14b’に連結される。したがって、極めて簡単容易な操作でローラ軸14bと短軸14b’とが分離可能に連結される。
〔変更例4〕
変更例4は短軸14b’をローラ軸14bに直接連結している形式のものである。その短軸14b’は中心穴14hを有しローラ軸14bはその端部が比較的短い小径部14bsになっており、上記小径部14bsを短軸14b’の中心穴14hに挿入してネジ14wによって固定するものである(図11,図11−1)。
ネジ14wを緩めローラ14を右方に押して小径部14bsを短軸14b’の中心穴14hから引き抜き、そして短軸14b’をローラ軸14bに対して下方にずらし、この状態でローラ14を左方に引っ張って他方側のローラ軸14bを他方のチエンスリーブ32bから引き抜いてローラ14を取り外す。
上記のようにローラ14を取り外す操作において一旦これを右方に押して短軸14b’の中心穴14hからローラ軸14bの小径部14bsを引き抜いて分離させるとき、他方側のローラ軸14bをチエンスリーブ32bに対して少し押し込みながらローラ14を右方向に移動させることになる。
この場合は、短軸14b’を左方に引っ張ってチエンスリーブ32bから容易に引き抜くことができるように短軸14b’に工夫を講じる必要があるが、両軸を分離させるための操作はローラ14を移動させる場合に比して簡単容易である。
11a:乾燥炉
12:ヒータ
13:支持ローラ
14:ローラ
14a:ロール
14b:ローラ軸
14b’:短軸
14c:歯付きプーリ
14d:ベアリング
14h:中心穴
14w:ネジ
20:被動スプロケット
21:駆動スプロケット
22:被動スプロケット
23:駆動チエン
24:駆動軸
24a:アイドル軸
31:ガイドレール
31a:補助ガイドレール
32:循環チエン
32a:チエンリンク
32b:チエンスリーブ
40:被動プーリ
40a:中間軸
41:駆動プーリ
42:アイドルプーリ
43:タイミングベルト
44:タイミングベルト
51:駆動プーリ
52:被動プーリ
61:ラックギア
62:ピニオン
71:車輪
72:帯状ガイドレール
80,80a,80b:軸継ぎ手
81,85:半割の継ぎ手部材
82,89:ネジ
86:ネジリング
87:テーパー状ネジ面
88:継ぎ手スリーブ
90:軸継ぎ手
91:中間軸
92,93:角孔
94:コイルバネ
c:隙間
f:枠体
p:セラミックパイプ材
s1:シュータ(投入装置)
s2:シュータ(取り出し装置)
M1,M2:モータ
m1,m2:モータM1,M2の駆動プーリ
Claims (4)
- 一定間隔で近接して配置された多数のローラと一対の循環チエンとによるローラチエンコンベア、当該ローラチエンコンベアの循環駆動機構、ローラの自転駆動機構、循環チエンの上辺部を支持しガイドするガイドレーレを備えている、セラミックパイプ材の連続乾燥装置において、
ローラ14の一方のローラ軸14bに軸継ぎ手を介して短軸が着脱自在に固着されており、
上記短軸が循環チエンのチエンスリーブに嵌入れていることを特徴とするセラミックパイプ材の連続乾燥装置。 - 上記軸継ぎ手は二つ割りの円筒状継ぎ手部材によるものであることを特徴とする請求項1のセラミックパイプ材の連続乾燥装置。
- 上記軸継ぎ手はロール軸に対して軸方向に摺動自在に嵌合された中間軸によるものであることを特徴とする請求項1のセラミックパイプ材の連続乾燥装置。
- 上記軸継ぎ手はロール軸の一部を短軸の一部に勘合させて直接連結しているものであることを特徴とする請求項1のセラミックパイプ材の連続乾燥装置。
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