JP2017190861A - ブレーキ装置及び駆動装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】所望の方向への大型化を抑制すること。
【解決手段】実施形態のブレーキ装置は、第1の摩擦体と、第2の摩擦体と、アーマチュアと、付勢体と、筒体とを備える。第1の摩擦体は、車輪を駆動する駆動源から延びるシャフトとともに回転する。第2の摩擦体は、シャフトの回転軸の方向に第1の摩擦体に重ねて配置され、取付部材に取り付けられ回転が規制される。アーマチュアは、磁性を有し、回転軸の方向に沿って取付部材との間に、第1の摩擦体及び第2の摩擦体を挟む位置に配置される。付勢体は、回転軸の方向に沿って、アーマチュアを取付部材側へ付勢する。筒体は、磁力によりアーマチュアを回転軸の方向に進退させ、回転軸に直交する断面における第1の方向の長さは、断面において第1の方向に直交する第2の方向の長さよりも短く形成される。
【選択図】図1
【解決手段】実施形態のブレーキ装置は、第1の摩擦体と、第2の摩擦体と、アーマチュアと、付勢体と、筒体とを備える。第1の摩擦体は、車輪を駆動する駆動源から延びるシャフトとともに回転する。第2の摩擦体は、シャフトの回転軸の方向に第1の摩擦体に重ねて配置され、取付部材に取り付けられ回転が規制される。アーマチュアは、磁性を有し、回転軸の方向に沿って取付部材との間に、第1の摩擦体及び第2の摩擦体を挟む位置に配置される。付勢体は、回転軸の方向に沿って、アーマチュアを取付部材側へ付勢する。筒体は、磁力によりアーマチュアを回転軸の方向に進退させ、回転軸に直交する断面における第1の方向の長さは、断面において第1の方向に直交する第2の方向の長さよりも短く形成される。
【選択図】図1
Description
本発明は、ブレーキ装置及び駆動装置に関する。
従来、電動の台車やロボット等の車輪のブレーキとして用いられるブレーキ装置に関する技術が知られている。例えば、ブレーキ装置を有する電動の台車等は、種々の場所において用いられるため、路面との距離を充分に取ることができることが望まれる。
上記の従来技術では、例えば、手動解放装置が大きく、路面との距離を充分に取ることができないため、電動の台車やロボットの車輪に取り付けることが困難な場合がある。また、例えば、ブレーキ装置は、モータのシャフトと同軸に設けられた場合、ブレーキ装置と路面との間の距離が近くなる。そのため、例えば、路面からの距離を広くするために、ブレーキ装置における所望の方向への大型化を抑制することが望まれる。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、所望の方向への大型化を抑制することができるブレーキ装置及び駆動装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の一態様に係るブレーキ装置は、車輪を駆動する駆動源から延びるシャフトとともに回転する第1の摩擦体と、前記シャフトの回転軸の方向に前記第1の摩擦体に重ねて配置され、取付部材に取り付けられ回転が規制される第2の摩擦体と、磁性を有し、前記回転軸の方向に沿って前記取付部材との間に、前記第1の摩擦体及び前記第2の摩擦体を挟む位置に配置されるアーマチュアと、前記回転軸の方向に沿って、前記アーマチュアを前記取付部材側へ付勢する付勢体と、磁力により前記アーマチュアを前記回転軸の方向に進退させ、前記回転軸に直交する断面における第1の方向の長さは、前記断面において前記第1の方向に直交する第2の方向の長さよりも短く形成される筒体と、を備える。
本発明の一態様によれば、所望の方向への大型化を抑制することができる。
以下、実施形態に係るブレーキ装置について図面を参照して説明する。実施形態におけるブレーキ装置100は、駆動装置2のブレーキ機構として用いられる場合を例示する。また、実施形態におけるブレーキ装置100を含む駆動装置2は、電動の台車1の駆動機構として用いられる場合を例示する。なお、以下に説明する実施形態によりブレーキ装置100及び駆動装置2の用途が限定されるものではない。例えば、駆動装置2は、電動の台車1に限らず、例えばロボットや車いす等、目的に応じてどのような装置の駆動機構として用いられてもよい。また、図面は模式的なものであり、各要素の寸法の関係、各要素の比率などは、現実と異なる場合があることに留意する必要がある。図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。
(実施形態)
まず、図1〜図3を用いて、ブレーキ装置100の構成の概要を説明する。図1は、実施形態に係るブレーキ装置を用いた電動の台車を示す斜視図である。図2は、実施形態に係るブレーキ装置を用いた電動の台車を示す側面図である。図3は、実施形態に係るブレーキ装置を用いた電動の台車を示す側断面図である。具体的には、図3は、後述するブレーキ装置100の第2の方向D2(図1及び図6参照)の長さL2(以下、「第2の長さL2」ともいう)の中心における電動の台車1の側断面図である。
まず、図1〜図3を用いて、ブレーキ装置100の構成の概要を説明する。図1は、実施形態に係るブレーキ装置を用いた電動の台車を示す斜視図である。図2は、実施形態に係るブレーキ装置を用いた電動の台車を示す側面図である。図3は、実施形態に係るブレーキ装置を用いた電動の台車を示す側断面図である。具体的には、図3は、後述するブレーキ装置100の第2の方向D2(図1及び図6参照)の長さL2(以下、「第2の長さL2」ともいう)の中心における電動の台車1の側断面図である。
本実施形態に係る電動の台車1は、駆動装置2と、タイヤ3と、載置台4と、支持板5とを有する。なお、以下の説明では、電動の台車1のタイヤ3が接地する面を接地面とし、接地面に直交する方向を鉛直方向と記載する場合がある。例えば、図8においては、接地面は、XZ平面に沿う平面となる。
図1に示すように、載置台4は、支持板5により、ブレーキ装置100とタイヤ3との間に取り付けられ、載置面をY軸正方向に向けて配置される。図3に示すように、駆動装置2は、タイヤ3を駆動する駆動部6と、ブレーキ装置100とを有する。
まず、駆動部6の構成を簡単に説明する。図3に示す例では、駆動部6は、シャフト61と、モータハウジング62と、ホイール64と、駆動源としてのモータ65と、軸受66とを有する。シャフト61は、モータ65の回転軸に取り付けられる基部611を有する。シャフト61は、基部611の一端部にギア部612を有し、他端側に螺合部613を有する。また、シャフト61は、他端側に螺合部613に連続して挿通部614を有する。
モータ65は、ステータ651と、ロータ652とを備える。シャフト61の基部611は、モータハウジング62内においてモータ65のロータ652に取り付けられる。これにより、シャフト61は、モータ65の回転に応じてシャフト61の回転軸を中心に回転する。また、シャフト61の基部611には、軸受66が設けられる。
また、シャフト61のギア部612は、ギア部63のギア631に噛み合う。なお、ギア部63は、遊星歯車機構等、どのような構成であってもよい。また、ギア部63のギア631は、ホイール64のギア部641の内歯642に噛み合う。また、ホイール64には、タイヤ3が取り付けられる。これにより、ホイール64が回転することによりタイヤ3が回転する。なお、駆動部6は、シャフト61を回転させることにより、タイヤ3を回転させる構成であれば、どのような構成であってもよい。
次に、ブレーキ装置100の構成について説明する。図1に示すように、ブレーキ装置100は、タイヤ3外に配置される。具体的には、図3に示すように、ブレーキ装置100は、螺合部613及び挿通部614側に配置される。また、ブレーキ装置100は、第1ケース7と、第2ケース8と、筒体9と、切換機構10(図1参照)と、取付部材20とを有する。
切換機構10は、例えば手動レバーであり、レバー部11と、後述するプランジャ30の端部32に螺合する受部12とを有する。切換機構10の受部12は、円筒状に形成され、第2ケース8内に配置される。また、受部12内には溝121が形成され、受部12の周壁の一部は、レバー部11の一端に連続する。また、レバー部11は、第2ケース8の開口部分から突出する。例えば、電動の台車1の操作者は、レバー部11を手動により操作することにより、ブレーキの解除等を行う。
なお、切換機構10は、受部12が回動することにより、プランジャ30を後述するアーマチュア40に押圧する第1状態と、プランジャ30によるアーマチュア40への押圧を解放する第2状態と、受部12の位置が第1状態と第2状態との間に位置し、非通電時には、後述するばね部材50によりアーマチュア40を取付部材20側へ付勢し、通電時には筒体9の磁力によりアーマチュア40をプランジャ30側へ吸引する第3状態とを切り換えるが、詳細は後述する。
また、図3に示すように、筒体9は、シャフト61の回転軸の方向に貫通した中空孔93が形成され、磁力によりアーマチュア40をシャフト61の回転軸の方向に進退させるが、詳細は後述する。図1に示すように、取付部材20は、板状に形成され支持板5に固定されており、ブレーキ機構として機能するが詳細は後述する。また、ブレーキ装置100は、プランジャ30と、アーマチュア40とを有する。
プランジャ30は、基部31が筒体9の中空孔93内に配置され、中空孔93から突出しねじ加工がされた端部32を有する。例えば、端部32は、ねじ山321が形成される。また、プランジャ30の中央部は、基部31と端部32とが並ぶ方向(図3中では左右方向)に貫通したシャフト61の挿通部614が挿通される。
また、プランジャ30は、レバー部11の操作により受部12が回転する際に、プランジャ30が回転しないように、回り止め機構を有する。プランジャ30は、基部31と端部32との間に回転規制部33を有する。例えば、回転規制部33は、平面視において六角形状に形成されており、回転規制部33が筒体9に固定され、六角形状の貫通孔を有する規制部材35に挿入されることにより、プランジャ30の回り止め機構が実現される。なお、プランジャ30の回り止め機構は、レバー部11の操作により受部12が回転する際に、プランジャ30が回転しなければ、どのような構成であってもよい。
アーマチュア40は、板状に形成され、磁性を有する。アーマチュア40は、シャフト61の回転軸の方向に沿って取付部材20との間に、後述する第1の摩擦体21を挟む位置に配置され、プランジャ30に固定される。なお、アーマチュア40は、プランジャ30と一体であってもよい。例えば、プランジャ30とアーマチュア40とは、一体成型されてもよい。また、図3に示すように、滑り軸受601がプランジャ30の先端部分(端部32)に配置される。このように、滑り軸受601は、プランジャ30の軸方向の移動を可能にした状態で、プランジャ30を支持する。そのため、滑り軸受601により、プランジャ30のガタつき防止や滑りを良くすることができる。また、図3に示すように、転がり軸受602が挿通部614の先端部に配置される。
ここで、図4を用いてブレーキ機構の要部について説明する。図4は、実施形態に係るブレーキ装置の要部を示す斜視図である。ブレーキ装置100は、第1の摩擦体21をアーマチュア40と取付部材20との間で押圧することによる摩擦でブレーキ機構を実現する。第1の摩擦体21は、アーマチュア40と取付部材20との間に配置される。
取付部材20は、中央部に形成される貫通孔201にシャフト61が挿通される。また、取付部材20には、周端部に複数の突出部202が形成される。なお、取付部材20に形成される複数の突出部202は、取付部材20と一体で形成されても、別体で形成されてもよい。
第1の摩擦体21は、外径が取付部材20の貫通孔201の径よりも大きい円板状に形成される。また、第1の摩擦体21は、シャフト61とともに回転する規制部材211に取り付けられる。規制部材211は、シャフト61の螺合部613に螺合され、ねじ210によりシャフト61に固定されることにより、シャフト61とともに回転する。これにより、規制部材211がシャフト61に対して回転するのを防ぎ、シャフト61から抜け落ちることを抑制する。図4に示す例では、第1の摩擦体21は、平面視において中央部に例えば六角形状の貫通孔212が形成されており、貫通孔212に規制部材211が挿入される。これにより、第1の摩擦体21は、シャフト61とともに回転し、軸方向には相対的な変位が可能なようにシャフト61に固定される。なお、貫通孔212及び規制部材211の形状は、第1の摩擦体21とシャフト61とがともに回転すれば、どのような形状であってもよい。
アーマチュア40は、第1の摩擦体21を、取付部材20との間に挟むように配置される。また、アーマチュア40は、周端部に形成される複数の切欠溝41と中央部に形成される貫通孔42とを有する。なお、アーマチュア40の貫通孔42の径は、第1の摩擦体21の外径よりも小さく形成される。
ここで、アーマチュア40の切欠溝41は、取付部材20の突出部202に対応する位置に設けられており、各切欠溝41に対応する突出部202が嵌る。このように、アーマチュア40は、シャフト61の回転軸の方向に第1の摩擦体21に重ねて配置され、取付部材20に対して、軸方向の相対的な変位は可能だが、周方向の相対的な変位は規制される。ここに、アーマチュア40が取付部材20側へ第1の摩擦体21を押圧することにより、第1の摩擦体21の摩擦によるブレーキ機構が実現される。なお、ブレーキ装置100は、1つの摩擦体(第1の摩擦体21)が用いられる構成であり、アーマチュア40及び取付部材20が第2の摩擦体として機能する。
また、筒体9は、中空孔93の周方向に沿って内部に空洞が形成されるフィールド91と、フィールド91の空洞内に設けられるコイル92とを有する。また、筒体9は、磁力によりアーマチュア40をシャフト61の回転軸の方向(図3中では左右方向)に進退させる。また、筒体9は、図1に示すように、シャフト61の回転軸に直交する断面における第1の方向D1(図1及び図6参照)の長さL1(以下、「第1の長さL1」ともいう)が、断面において第1の方向D1に直交する第2の方向D2の第2の長さL2よりも短く形成される。
このように、接地面(XZ平面)に沿う方向が長く、鉛直方向(Y軸方向)が短い略矩形状の外形を有する筒体9を用いることにより、同等出力トルクのブレーキの場合、接地面との距離が大きくなる。これにより、ブレーキ装置100が用いられる電動の台車1等や車両は、走行できる路面の範囲が広くなる。
次に、図5を用いて、筒体9の第1の方向D1における厚みの関係を説明する。図5は、実施形態に係るブレーキ装置の筒体の第1の方向D1における内壁及び外壁の厚みを示す斜視図である。具体的には、図5は、ブレーキ装置100の筒体9の要部の断面を示す斜視図である。図5に示す例においては、筒体9は、第1の方向D1において、フィールド91の空洞の内周面と中空孔93の外周面との間(内壁)の第1の厚みT1は、筒体9の外周面とフィールド91の空洞の外周面との間(外壁)の第2の厚みT2よりも厚く形成される。
このように、筒体9は、例えば、第1の厚みT1は厚く、第2の厚みT2は薄く形成される。これにより、ブレーキ装置100は、厚くしたフィールドの内壁により、同等の入力電力の場合に吸引力を増大させることができる。つまり、外壁の厚みについては、ある程度薄く形成しても吸引力には影響がないが、内壁の厚みについては、厚くすることで吸引力を増大させることができる。なお、これは外壁と内壁の軸断面積(A−A断面における断面積)を同等にすればよい。また、アーマチュア40の外形をフィールド91と同じ形状にし、第1の摩擦体21の直径をアーマチュア40の両直辺間の距離と同じ寸法にしてもよい。また、フィールド91の外形を円から上下共に削って平らにし、内側の平均壁厚を外側より厚くしてもよい。なお、図5における内壁のA−A断面積及び外壁のA−A断面積は、内壁及び外壁の厚さを説明するために、分割された断面図となっているが、これらの断面積が同等ということは、分割されていない状態における内壁の軸断面積と外壁の軸断面積も同等であることは言うまでもない。
また、ブレーキ装置100は、付勢体としてのばね部材50と、センサ部70を有する。
ばね部材50は、例えば筒体9の中央部に配置される。図3に示す例においては、ばね部材50は、筒体9の中空孔93内に配置される。例えば、ばね部材50には、コイルばねが用いられる。また、ばね部材50は、シャフト61の回転軸の方向に沿って、アーマチュア40を取付部材20側へ付勢する。図3の例では、ばね部材50は、プランジャ30の基部31の先端に設けられたフランジ部311をシャフト61の回転軸の方向に沿って、取付部材20側へ付勢することにより、アーマチュア40を取付部材20側へ付勢する。このように、ブレーキ装置100は、プランジャ30が1つのばね部材50の中心を貫く形で構成し、ばね部材50を囲むように筒体9が配置される。これにより、ブレーキ装置100は、ばね部材50を筒体9の中心に配置することにより、小型化することができる。
また、センサ部70は、シャフト61の回転軸上に配置される磁石71と磁気センサの回路等が実装される基板72とを有し、駆動源であるモータ65のロータ652の角度位置を検知する磁気センサとして機能する。例えば、磁石71には、永久磁石が用いられる。なお、センサ部70は、パッキン73により防水加工されるが、この点についての詳細は後述する。図3に示すように、磁石71は、プランジャ30に挿通されたシャフト61の挿通部614の先端に配置される。また、基板72は、磁石71に対向する位置に配置される。図3に示す例では、基板72は、第1ケース7内の左側端面に配置される。また、基板72は、磁石71の回転による磁束変化を検知する。これにより、センサ部70は、磁石71の回転による磁束変化を電気信号に変換して出力する。このように、電動の台車1の駆動装置2においては、モータ65とブレーキ装置100が同軸に配置され、ブレーキ装置100(プランジャ30)を貫通したシャフト61の端部に取付けられた磁石71から発生した磁束を検出してモータ65のロータ652の角度位置が検出される。
センサ部70は、シャフト61の回転軸上に配置される。これにより、例えば、従来、モータのロータ(回転子)の角度位置を測定し、電動機器を制御するには、角度センサを設けるだけのスペースとコストが必要であったが、シャフト61の挿通部614の先端にセンサ部70を配置することにより、ブレーキ機構の周辺にスペースを設ける必要がなく、また部品点数の削減となり、コストの増大を抑制しつつ、回転角の検知を行うことができる。また、センサ部70をモータ65や筒体9等から離れた位置に配置することにより、モータ65や筒体9からの磁束や熱がセンサ部70に与える影響を抑制することができる。なお、ブレーキ装置100は、モータ65としてステッピングモータ等の角度検出が不要なモータが用いられる場合、センサ部70を有しなくてもよい。
ここで、図6及び図7を用いてブレーキ装置100を有する電動の台車1において、切替機構10のレバー部11が手動操作されることにより変更される各状態について説明する。図6は、実施形態に係る切替機構の各状態におけるレバー部の位置を示す正面図である。図7は、実施形態に係る切替機構の各状態におけるプランジャの位置を示す断面図である。例えば、図7中の電動の台車1−2の断面図は、図7中に図示する第2の方向D2に沿う断面図であり、接地面とは反対側から見た図である。また、他の電動の台車1−1、1−3についても同様である。
また、図6及び図7に示す電動の台車1−1〜電動の台車1−3は、切替機構10のレバー部11の位置に応じた切替機構10の各状態における電動の台車1を示す。具体的には、図7は、図6中のブレーキ装置100の第2の方向D2の第2の長さL2の中心における電動の台車1の断面図である。なお、電動の台車1−1〜電動の台車1−3を区別しない場合、電動の台車1と記載する。また、図6に示す例では、レバー部11が接地面側に傾く場合を第1状態とし、レバー部11が接地面から離れる向きに傾く場合を第2状態とする場合を例示するが、レバー部11の傾きと各状態との対応はどのような関係であってもよく、適宜設定可能であってもよい。例えば、レバー部11が接地面側に傾く状態が第2状態であり、レバー部11が接地面から離れる向きに傾く状態が第1状態であってもよい。
まず、切替機構10の第1状態について説明する。電動の台車1−1は、プランジャ30をアーマチュア40に押圧する第1状態に対応する。図6に示すように、電動の台車1−1において、切替機構10のレバー部11は、接地面に近づく方向に傾けられており、この状態における切替機構10の受部12とプランジャ30の端部32との関係により、プランジャ30をアーマチュア40に押圧する。
具体的には、図7に示すように、受部12の溝121のアーマチュア40からシャフト61の回転軸の方向に遠い側の面が、端部32のねじ山321に当接する。これにより、プランジャ30が取付部材20側へ移動し、アーマチュア40に押圧する。なお、第1状態において、ブレーキ装置100に通電されている状態であっても、受部12によりプランジャ30のシャフト61の回転軸の方向における位置が規制されているため、プランジャ30によるアーマチュア40への押圧は解放されない。すなわち、この状態においては、モータ65が回転不可能(例えばブレーキ装置100により回転が規制された状態)となるため、電動の台車1等の停止状態を確実に保持することができる、パーキングブレーキとして機能する。このパーキングブレーキを用いれば、例えば急勾配を有する路面であっても電動の台車1等を停止させることができる。なお、この状態においては、コイル92に通電しても、アーマチュア40はシャフト61の回転軸の方向に移動することができないため、電動の台車1等の車輪は回転しない。
次に、切替機構10の第2状態について説明する。電動の台車1−2は、プランジャ30によるアーマチュア40への押圧を解放する第2状態に対応する。図6に示すように、電動の台車1−2において、切替機構10のレバー部11は、接地面から離れる方向に傾けられており、この状態における切替機構10の受部12とプランジャ30の端部32との関係により、プランジャ30によるアーマチュア40への押圧を解放する。
具体的には、図7に示すように、受部12の溝121のアーマチュア40からシャフト61の回転軸の方向に近い側の面が、端部32のねじ山321に当接する。これにより、プランジャ30が取付部材20から離れる方向へ移動し、プランジャ30によるアーマチュア40への押圧を解放する。なお、第2状態において、ブレーキ装置100に通電されていない状態であっても、受部12によりプランジャ30のシャフト61の回転軸の方向における位置が規制されているため、プランジャ30によるアーマチュア40への押圧は行われない。すなわち、この状態においては、モータ65の回転が自由になるため、手動で電動の台車1等を押して移動できる、手動解放状態として機能する。この手動解放状態を用いれば、例えばバッテリ切れや電源とブレーキ装置間の配線の断線等により、車輪がロックした場合であっても、手動で電動の台車1等を押して自由に移動させることができる。
次に、切替機構10の第3状態について説明する。電動の台車1−3は、ブレーキ装置100への通電有無に応じてアーマチュア40による第1の摩擦体21への押圧と解放とを切り替える第3状態に対応する。図6に示すように、電動の台車1−3において、切替機構10のレバー部11は、接地面に平行な方向に傾けられており、この状態における切替機構10の受部12とプランジャ30の端部32との関係により、ブレーキ装置100への通電有無に応じてアーマチュア40による第1の摩擦体21への押圧と解放とを切り替える。具体的には、電動の台車1−3においては、受部12の位置が第1状態と第2状態との間に位置し、非通電時には、後述するばね部材50によりアーマチュア40を取付部材20側へ付勢し、通電時には筒体9の磁力によりアーマチュア40をプランジャ30側へ吸引する第3状態とを切り換える。すなわち、この状態においては、モータ65の回転を、ブレーキ装置100への通電状態により切り替えることができるため、電動の台車1等の走行を制御することができる。なお、この第3状態におけるブレーキは、一般的に無励磁作動ブレーキ(負作動電磁ブレーキ)という。
ここで、図3及び図7に示すように、受部12の溝121におけるシャフト61の回転軸の方向の幅は、端部32のねじ山321におけるシャフト61の回転軸の方向の幅よりも広く形成される。すなわち、プランジャ30は、切替機構10の受部12内において、シャフト61の回転軸の方向に所定の範囲内で移動可能である。そのため、アーマチュア40は、筒体9の磁力により吸引されることにより、切替機構10の第3状態において、プランジャ30の端部32をアーマチュア40への押圧方向とは反対方向に偏移させる。これにより、アーマチュア40による第1の摩擦体21への押圧が解放される。このように、レバー部11による受部12の回転により、プランジャ30が軸方向に移動でき、且つ、一定のトルクを超える際に第1の摩擦体21とアーマチュア40が相対移動できるように、受部12の溝121と端部32のねじ山321との間に、シャフト61の回転軸の方向に隙間があるように構成にする。
図7に示す例では、ブレーキ装置100に通電されていない状態における第3状態を示す。そのため、電動の台車1−3においては、ばね部材50の付勢力により、アーマチュア40は付勢される。また、例えば、電動の台車1−3において、ブレーキ装置100のコイル92に通電されている状態である場合、ばね部材50の付勢力よりも強い力で筒体9に吸引されるため、アーマチュア40による第1の摩擦体21への押圧は解放される。
このように、ブレーキ装置100は、所望のタイミングにおいてブレーキ状態を切り替え可能にし、摩擦トルクの大きさを調整することができる。例えば、ブレーキ装置100は、切替機構10により、非通電の際に負作動電磁ブレーキのロックを手動で解除することができる。そのため、ブレーキ装置100により、負作動ブレーキを電動車椅子や電動補助車に応用しやすくなる。また、ブレーキ装置100は、受部12の溝121と端部32のねじ山321との間に、シャフト61の回転軸の方向の隙間を設けることにより、一定のトルクを超えると、摩擦板同士(アーマチュア40と第1の摩擦体21)間の滑りになり、破損を抑制することができる。また、ブレーキ装置100は、手動操作部分が受部12の溝121と端部32のねじ山321とのネジ機構により構成されることにより、レバー部11の操作を軽くて滑らかにすることができる。
また、例えば、ブレーキ装置100は、インホイールモータのブレーキ機構の電動及び手動の切り替えをワンタッチで容易に切り替えることができる。そのため、ブレーキ装置100は、ブレーキの強度に関わらず、作業・用途に応じた機能を実現することができ、作業効率を向上できる。また、ブレーキ装置100は、バッテリ切れや電源とブレーキ機構間の配線の断線等による車輪のロックを解除し、手動で動かすことができるため、緊急時の制動力の解除が可能となる。また、ブレーキ装置100は、ブレーキ機構が小型化したことで、地面とブレーキ機構との距離を十分に取ることができ、直接車輪に取り付けることが可能となる。また、ブレーキ装置100は、第3状態においては、コイル92に印加する電流の大きさによって吸引力が変わるため、電流の大小により電動の台車1の走行速度を制御することが可能となる。そのため、ブレーキ装置100を用いた電動の台車1では、例えば、下り坂や右左折走行時の速度制御が可能となる。
なお、ブレーキ装置は、実施形態のブレーキ装置100に限らず、種々の態様であってもよい。この点について、以下図面に基づいて説明する。
(変形例1)
例えば、ブレーキ装置は、2種類の形状の摩擦体を複数積層させてなる多板式であっても良い。そこで、図8及び図9を用いて変形例1に係る電動の台車1Aに用いられるブレーキ装置100Aについて説明する。図8は、変形例1に係るブレーキ装置を用いた電動の台車を示す断面図である。図9は、変形例1に係るブレーキ装置を示す分解斜視図である。
例えば、ブレーキ装置は、2種類の形状の摩擦体を複数積層させてなる多板式であっても良い。そこで、図8及び図9を用いて変形例1に係る電動の台車1Aに用いられるブレーキ装置100Aについて説明する。図8は、変形例1に係るブレーキ装置を用いた電動の台車を示す断面図である。図9は、変形例1に係るブレーキ装置を示す分解斜視図である。
なお、変形例1において、実施形態中の構成と対応する構成は、符号の末尾に「A」を付し、実施形態と異なる点について以下説明する。なお、実施形態と同様の構成については、実施形態と同じ符号を付し、適宜説明を省略する。すなわち、変形例1において、実施形態と同様の構成については、「***」を「***A」と読み替えるものとする。例えば、変形例1中のタイヤ3Aは実施形態中のタイヤ3と同様の構成であり、説明を省略する。
図8及び図9に示す変形例1に係るブレーキ装置100Aは、ブレーキ機構の構成及びばね部材50Aの配置位置において、実施形態に係るブレーキ装置100と相違する。そのため、以下ブレーキ装置100と相違する点について説明する。
ブレーキ装置100Aは、複数の第1の摩擦体21Aと、複数の第2の摩擦体22Aとを有する。図9に示すように、ブレーキ装置100Aは、例えば3つの第1の摩擦体21Aと3つの第2の摩擦体22Aとを有する。具体的には、3つの第1の摩擦体21Aと3つの第2の摩擦体22Aとは、取付部材20Aとアーマチュア40Aとの間に交互に重ねて設けられる。摩擦体の数については限定されるものではなく、第1の摩擦体21Aと第2の摩擦体22Aとは、必ずしも同じ枚数でなくてもよい。第1の摩擦体21Aが第2の摩擦体22Aよりも1枚多く設けられてもよいし、1枚少なく設けられてもよい。なお、第2の摩擦体22Aの枚数は、第1の摩擦体21Aの枚数より1枚多いことが好ましい。この場合、アーマチュア40Aと取付部材20Aとが第2の摩擦体の役割を果たし、第1の摩擦体21Aを挟むことにより、効率的に摩擦力を生じさせることが可能となる。
また、第2の摩擦体22Aは、周端部に形成される複数の挿通孔221Aと中央部に形成される貫通孔22Aとを有する。第2の摩擦体22Aの貫通孔22Aには、シャフト61Aが挿通される。なお、第2の摩擦体22Aの貫通孔222Aの径は、第1の摩擦体21Aの外径よりも小さく形成される。
ここで、第2の摩擦体22Aの挿通孔221Aは、取付部材20Aの突出部202Aに対応する位置に設けられており、各挿通孔221Aに対応する突出部202Aが挿通される。このように、第2の摩擦体22Aは、シャフト61Aの回転軸の方向に第1の摩擦体21Aに重ねて配置され、取付部材20Aに取り付けられ回転が規制される。
また、第2の摩擦体22Aは、中央部に開口を有する複数の板ばね223Aを有する。各板ばね223Aは、開口を挿通孔221Aに重ねて設けられる。板ばね223Aにより、アーマチュア40Aにより押圧されていない間は、各第2の摩擦体22Aの間には、シャフト61Aの回転軸の方向に間隔があけられる。これにより、ブレーキ装置100Aは、ブレーキ解除中における第1の摩擦体21Aや第2の摩擦体22Aによる摩擦の影響を抑制できる。
また、アーマチュア40Aは、プランジャ30Aに固定され、第1の摩擦体21A及び第2の摩擦体22Aを、取付部材20Aとの間に挟むように配置される。また、アーマチュア40Aは、周端部に形成される複数の挿通孔41Aと中央部に形成される貫通孔42Aとを有する。
ここで、アーマチュア40Aの挿通孔41Aは、取付部材20Aの突出部202Aに対応する位置に設けられており、各挿通孔41Aに対応する突出部202Aが挿通される。このように、アーマチュア40Aは、シャフト61Aの回転軸の方向に第1の摩擦体21A及び第2の摩擦体22Aに重ねて配置され、取付部材20Aに取り付けられ回転が規制される。ここに、アーマチュア40Aが取付部材20A側へ第1の摩擦体21A及び第2の摩擦体22Aを押圧することにより、第1の摩擦体21A及び第2の摩擦体22Aの摩擦によるブレーキ機構が実現される。
また、筒体9Aは、図9に示すように、シャフト61Aの回転軸に直交する断面における第1の方向D11の第1の長さが、断面において第1の方向D11に直交する第2の方向D12の第2の長さよりも短く形成される。また、筒体9Aは、フィールド91Aの第2の方向D12における両端部に複数の挿入孔94Aを有する。具体的には、筒体9Aは、フィールド91Aのアーマチュア40Aに対向する面における第2の方向D12の両端部に複数の挿入孔94Aを有する。
また、ばね部材50Aは、シャフト61Aの回転軸から第2の方向D12に離れる位置に配置される。図9に示す例では、6つのばね部材50Aが、第2の方向D12の両端部に配置される。具体的には、第2の方向D12の各端部に例えば3つのばね部材50Aが配置される。例えば、各ばね部材50Aは、筒体9Aのフィールド91Aの第2の方向D12における両端部に設けられた挿入孔94A内に配置される。
このように、ブレーキ装置100Aは、ばね部材50Aを筒体9Aの中空孔93A内ではなく、フィールド91Aの第2の方向D12における両端部に設けた挿入孔94Aに配置する。これにより、ブレーキ装置100Aは、接地面(XZ平面)に沿う方向に離れる位置にばね部材50Aを配置し、第1の方向D11への長さの増大を抑制することにより、鉛直方向(Y軸方向)を短くすることが可能となる。したがって、ブレーキ装置100Aは、同等出力トルクのブレーキの場合、接地面との距離が大きくなる。これにより、ブレーキ装置100Aが用いられる電動の台車1A等や車両は、例えば凹凸のある路面にも対応可能となる。
(変形例2)
上述した例において、ブレーキ装置100及びブレーキ装置100Aが、摩擦体の接触(面接触)によるブレーキ機構を有する場合を示したが、ブレーキ機構は、接触による機構に限らず、例えば歯車等の波板部材の噛み合い等の種々のブレーキ機構が用いられてもよい。この点について、図10〜図12を用いて変形例2に係るブレーキ装置100Bについて説明する。図10は、変形例2に係るブレーキ装置を示す断面図である。図11は、変形例2に係るブレーキ装置を示す分解斜視図である。図12は、変形例2に係るブレーキ装置の要部を示す斜視図である。
上述した例において、ブレーキ装置100及びブレーキ装置100Aが、摩擦体の接触(面接触)によるブレーキ機構を有する場合を示したが、ブレーキ機構は、接触による機構に限らず、例えば歯車等の波板部材の噛み合い等の種々のブレーキ機構が用いられてもよい。この点について、図10〜図12を用いて変形例2に係るブレーキ装置100Bについて説明する。図10は、変形例2に係るブレーキ装置を示す断面図である。図11は、変形例2に係るブレーキ装置を示す分解斜視図である。図12は、変形例2に係るブレーキ装置の要部を示す斜視図である。
なお、変形例2において、実施形態や変形例1中の構成と対応する構成は、符号の末尾に「B」を付し、実施形態や変形例1と異なる点について以下説明する。なお、実施形態や変形例1と同様の構成については、実施形態と同じ符号を付し、適宜説明を省略する。すなわち、変形例2において、実施形態や変形例1と同様の構成については、「***」や「***A」を「***B」と読み替えるものとする。例えば、変形例2中の筒体90Bは変形例1中の筒体90Aと同様の構成であり、説明を省略する。
図10〜図12に示す変形例2に係るブレーキ装置100Bは、ブレーキ機構の構成及びセンサ部を有しない点において、実施形態に係るブレーキ装置100や変形例1に係るブレーキ装置100Aと相違する。そのため、以下ブレーキ装置100やブレーキ装置100Aと相違する点について説明する。
図10に示すように、ブレーキ装置100Bは、第1の摩擦体21Bをアーマチュア40Bと取付部材20Bとの間に配置する。
取付部材20Bは、中央部に形成される貫通孔201Bにシャフト61Bが挿通される。また、取付部材20Bには、周端部に複数の突出部202Bが形成される。
第1の摩擦体21Bは、外径が取付部材20Bの貫通孔201Bの径よりも大きい円板状に形成される。また、第1の摩擦体21Bは、シャフト61Bの螺合部613Bに螺合され、ねじ210Bによりシャフト61Bに固定されることにより、シャフト61Bとともに回転する規制部材211Bに取り付けられる。第1の摩擦体21Bは、平面視において中央部に例えば六角形状の貫通孔212Bが形成されており、貫通孔212Bに規制部材211Bが挿入される。これにより、第1の摩擦体21Bは、シャフト61Bとともに回転する。なお、貫通孔212B及び規制部材211Bの形状は、第1の摩擦体21Bとシャフト61Bとがともに回転すれば、どのような形状であってもよい。また、第1の摩擦体21Bは、周端部に沿って形成される複数の凹部213Bを有する。
また、アーマチュア40Bは、第1の摩擦体21Bを取付部材20Bとの間に挟むように配置される。また、アーマチュア40Bは、周端部に形成される複数の挿通孔41Bと中央部に形成される貫通孔42Bとを有する。また、アーマチュア40Bは、第1の摩擦体21Bと対向する面側に突出する複数の凸部43Bを有する。
ここで、アーマチュア40Bの挿通孔41Bは、取付部材20Bの突出部202Bに対応する位置に設けられており、各挿通孔41Bに対応する突出部202Bが挿通される。このように、アーマチュア40Bは、シャフト61Bの回転軸の方向に第1の摩擦体21Bに重ねて配置され、取付部材20Bに取り付けられ回転が規制される。また、アーマチュア40Bの凸部43Bは、第1の摩擦体21Bの凹部213Bに噛み合う。ここに、アーマチュア40Bが取付部材20B側へ第1の摩擦体21B及び第2の摩擦体22Bを押圧することにより、第1の摩擦体21B及びアーマチュア40Bの噛み合いによるブレーキ機構が実現される。なお、ブレーキ装置100Bは、1つの摩擦体(第1の摩擦体21B)が用いられる構成であり、アーマチュア40Bが第2の摩擦体として機能する場合を示したが、第2の摩擦体はアーマチュア40Bとは別体であってもよい。
また、ブレーキ装置100Bは、センサ部を有しないため、センサ部を収納する第1ケースも有しなくてもよい。例えば、ブレーキ装置100Bは、ステッピングモータ等の角度検出が不要なモータのブレーキ装置として用いられる。また、プランジャ30B内にシャフト61Bは挿通されないため、シャフト61Bは、螺合部613Bが先端となり、挿通部を有しない。また、螺合部613Bには、抜け止め機構としてのCリング615Bやワッシャ616Bが設けられる。また、第1の摩擦体の波状部分と第2の摩擦体の波状部分とは、対向して噛み合えばよく、一方の波上部分が円環状、もう一方の波上部分が一部円環状をなしているものであってもよい。
(変形例3)
例えば、ブレーキ装置は、実施形態のブレーキ装置100に示すような単板式のブレーキ装置であっても、ばね部材は、筒体の中央部ではなく、シャフトの回転軸から第2の方向に離れる位置に配置されてもよい。そこで、図13を用いて変形例3に係る電動の台車1Cに用いられるブレーキ装置100Cについて説明する。図13は、変形例3に係るブレーキ装置を示す分解斜視図である。
例えば、ブレーキ装置は、実施形態のブレーキ装置100に示すような単板式のブレーキ装置であっても、ばね部材は、筒体の中央部ではなく、シャフトの回転軸から第2の方向に離れる位置に配置されてもよい。そこで、図13を用いて変形例3に係る電動の台車1Cに用いられるブレーキ装置100Cについて説明する。図13は、変形例3に係るブレーキ装置を示す分解斜視図である。
なお、変形例3において、実施形態や変形例1、2中の構成と対応する構成は、符号の末尾に「C」を付し、実施形態や変形例1、2と異なる点について以下説明する。なお、実施形態や変形例1、2と同様の構成については、実施形態と同じ符号を付し、適宜説明を省略する。すなわち、変形例3において、実施形態や変形例1、2と同様の構成については、「***」や「***A」や「***B」を「***C」と読み替えるものとする。例えば、変形例3中の切換機構10Cは実施形態中の切換機構10と同様の構成であり、説明を省略する。
図13に示す変形例3に係るブレーキ装置100Cは、第1の摩擦体の貫通孔の形状及びばね部材50Cの配置位置において、実施形態に係るブレーキ装置100と相違する。そのため、以下ブレーキ装置100と相違する点について説明する。
第1の摩擦体21Cは、平面視において中央部に歯車形状の貫通孔212Cが形成されており、貫通孔212Cに例えば歯車形状を有する規制部材211Cが挿入される。これにより、第1の摩擦体21Cは、シャフト61Cとともに回転する。なお、貫通孔212C及び規制部材211Cの形状は、第1の摩擦体21Cとシャフト61Cとがともに回転すれば、どのような形状であってもよい。
また、筒体9Cは、図13に示すように、シャフト61Cの回転軸に直交する断面における第1の方向D21の第1の長さが、断面において第1の方向D21に直交する第2の方向D22の第2の長さよりも短く形成される。また、筒体9Cは、フィールド91Cの第2の方向D22における両端部に複数の挿入孔94Cを有する。具体的には、筒体9Cは、フィールド91Cのアーマチュア40Cに対向する面における第2の方向D22の両端部に複数の挿入孔94Cを有する。
また、ばね部材50Cは、シャフト61Cの回転軸から第2の方向D22に離れる位置に配置される。図13に示す例では、6つのばね部材50Cが、第2の方向D22の両端部に配置される。具体的には、第2の方向D22の各端部に3つのばね部材50Cが配置される。例えば、各ばね部材50Cは、筒体9Cのフィールド91Cの第2の方向D22における両端部に設けられた挿入孔94C内に配置される。
このように、ブレーキ装置100Cは、ばね部材50Cを筒体9Cの中空孔93C内ではなく、フィールド91Cの第2の方向D22における両端部に設けた挿入孔94Cに配置する。これにより、ブレーキ装置100Cは、接地面(XZ平面)に沿う方向に離れる位置にばね部材50Cを配置し、第1の方向D21への長さの増大を抑制することにより、鉛直方向(Y軸方向)を短くすることが可能となる。したがって、ブレーキ装置100Cは、同等出力トルクのブレーキの場合、接地面との距離が大きくなる。これにより、ブレーキ装置100Cが用いられる電動の台車1C等や車両は、走行できる路面の範囲が広くなる。
(変形例4)
例えば、ブレーキ装置は、センサ部が第1ケース内に配置される場合、第1ケースに防水や防塵のための機構を有してもよい。そこで、図14〜図16を用いて変形例4に係る電動の台車1Dに用いられるブレーキ装置100Dについて説明する。図14及び図15は、変形例4に係るブレーキ装置を用いた電動の台車を示す分解斜視図である。図14は、電動の台車1Dのブレーキ装置100D側から見た分解斜視図である。図15は、電動の台車1Dのタイヤ3D側から見た分解斜視図である。図16は、変形例4に係るブレーキ装置を用いた電動の台車を示す断面図である。
例えば、ブレーキ装置は、センサ部が第1ケース内に配置される場合、第1ケースに防水や防塵のための機構を有してもよい。そこで、図14〜図16を用いて変形例4に係る電動の台車1Dに用いられるブレーキ装置100Dについて説明する。図14及び図15は、変形例4に係るブレーキ装置を用いた電動の台車を示す分解斜視図である。図14は、電動の台車1Dのブレーキ装置100D側から見た分解斜視図である。図15は、電動の台車1Dのタイヤ3D側から見た分解斜視図である。図16は、変形例4に係るブレーキ装置を用いた電動の台車を示す断面図である。
なお、変形例4において、実施形態や変形例1〜3中の構成と対応する構成は、符号の末尾に「D」を付し、実施形態や変形例1〜3と異なる点について以下説明する。なお、実施形態や変形例1〜3と同様の構成については、実施形態と同じ符号を付し、適宜説明を省略する。すなわち、変形例4において、実施形態や変形例1〜3と同様の構成については、「***」や「***A」〜「***C」を「***D」と読み替えるものとする。例えば、変形例4中の筒体9Dは実施形態中の筒体9と同様の構成であり、説明を省略する。
図14に示す変形例4に係るブレーキ装置100Dは、第1ケース7D内にセンサ部70Dを有する。センサ部70Dは、シャフト61Dの回転軸上に配置される磁石71Dと磁気センサの回路等が実装される基板72Dとを有し、駆動源であるモータ65Dのロータ652Dの角度位置を検知する磁気センサとして機能する。図16に示すように、磁石71Dは、プランジャ30Dに挿通されたシャフト61Dの挿通部614Dの先端に配置される。また、基板72Dは、磁石71Dに対向する位置に配置される。図16に示す例では、基板72Dは、第1ケース7D内の左側端面に配置される。また、基板72Dは、磁石71Dの回転による磁束変化を検知する。これにより、センサ部70Dは、磁石71Dの回転による磁束変化を電気信号に変換して出力する。
ここで、センサ部70Dは、第1ケース7D内に配置されるが、第1ケース7Dの開口部分は、第2ケース8Dの一面により覆われる。そのため、第1ケース7Dの開口部分と第2ケース8Dの一面との間から水分や埃等が第1ケース7D内に入る場合がある。このような第1ケース7D内に入った水分や埃等は、センサ部70Dの検知に影響を与える。そのため、ブレーキ装置100Dは、第1ケース7Dの開口部分の外周端にパッキン73Dを設けることにより、第1ケース7Dの開口部分と第2ケース8Dの一面との間から水分や埃等が第1ケース7D内に入ることを抑制する。これにより、ブレーキ装置100Dは、センサ部70Dに与える影響を抑制する。
このように、ブレーキ装置100Dは、第1ケース7Dと第2ケース8Dとの間にパッキン73Dを配置することにより、センサ部70Dの基板72Dの防水や防塵が保たれる。なお、実施形態に係るブレーキ装置100や変形例1に係るブレーキ装置100Aもパッキンを有し、ブレーキ装置100Dと同様の構成を有する。また、変形例2に係るブレーキ装置100Bや変形例3に係るブレーキ装置100Cにセンサ部や第1ケースが用いられる場合、上述したブレーキ装置100Dと同様にパッキンが配置されてもよい。
(変形例5)
上述した例においては、切換機構の手動操作を受け付ける部分としてレバーを有する場合を示したが、手動操作はレバーに限らず種々の構成が適宜採用されてもよい。例えば、切換機構の手動操作を受け付ける部分は、ワイヤ部材であってもよい。そこで、図17〜図19を用いて変形例5に係る電動の台車1Eに用いられるブレーキ装置100Eについて説明する。図17及び図18は、変形例5に係るブレーキ装置を用いた電動の台車を示す斜視図である。具体的には、図17は、ブレーキ装置100Eの第2ケース8Eからのワイヤ部材11Eの露出態様を示す斜視図である。具体的には、ブレーキ装置100Eの第1ケース7E及び第2ケース8Eの一面を除き第2ケース8E内の構成を示す斜視図である。図19は、変形例5に係るブレーキ装置を用いた電動の台車を示す断面図である。
上述した例においては、切換機構の手動操作を受け付ける部分としてレバーを有する場合を示したが、手動操作はレバーに限らず種々の構成が適宜採用されてもよい。例えば、切換機構の手動操作を受け付ける部分は、ワイヤ部材であってもよい。そこで、図17〜図19を用いて変形例5に係る電動の台車1Eに用いられるブレーキ装置100Eについて説明する。図17及び図18は、変形例5に係るブレーキ装置を用いた電動の台車を示す斜視図である。具体的には、図17は、ブレーキ装置100Eの第2ケース8Eからのワイヤ部材11Eの露出態様を示す斜視図である。具体的には、ブレーキ装置100Eの第1ケース7E及び第2ケース8Eの一面を除き第2ケース8E内の構成を示す斜視図である。図19は、変形例5に係るブレーキ装置を用いた電動の台車を示す断面図である。
なお、変形例5において、実施形態や変形例1〜4中の構成と対応する構成は、符号の末尾に「E」を付し、実施形態や変形例1〜4と異なる点について以下説明する。なお、実施形態や変形例1〜4と同様の構成については、実施形態と同じ符号を付し、適宜説明を省略する。すなわち、変形例5において、実施形態や変形例1〜4と同様の構成については、「***」や「***A」〜「***D」を「***E」と読み替えるものとする。例えば、変形例5中の筒体9Eは実施形態中の筒体9と同様の構成であり、説明を省略する。
切換機構10Eは、ワイヤによる手動操作を受け付ける機構であり、ワイヤ部材11Eと、プランジャ30Eの端部32Eに螺合する受部12Eとを有する。切換機構10Eの受部12Eは、有底円筒状に形成され、第2ケース8E内に配置される。また、受部12E内には溝121Eが形成され、受部12Eの周壁には一対の係止部122Eが設けられる。図18に示すように、係止部122Eには、受部12Eの外周壁に受部12Eの中心を挟む位置に一対設けられる。図19に示すように、各係止部122Eには、各ワイヤ部材11Eの先端部111Eが挿入されることにより、ワイヤ部材11Eが係止される。例えば、電動の台車1Eの操作者は、ワイヤ部材11Eを引くことにより受部12Eを回転させ、切換機構10Eの状態を第1状態〜第3状態のうち、所望の状態に変更する。上記のようなワイヤ部材11Eで操作する切替機構10Eは、電動補助車や電動アシスト付きの手押し車等に適用されることが好ましい。例えば、このようなワイヤ部材11Eで操作する切替機構10Eは、ブレーキ装置100Eが設けられた箇所から離れた位置でブレーキ装置100Eの状態を切り替えることができる。そのため、ブレーキ装置100Eの操作者は、電動補助車に座った状態や手押し車を押している状態で、ブレーキ装置100Eの状態を切り替え可能とすることができる。すなわち、切替機構10Eにワイヤ部材11Eが用いられることにより、ブレーキ装置100Eの操作者の利便性が向上する。
(変形例6)
上述した例においては、ブレーキ装置がシャフトの回転軸上に配置される場合を示したが、ブレーキ装置はシャフトの回転軸上以外に配置されてもよい。例えば、ブレーキ装置は、車輪を駆動する駆動源から延びるシャフトと異なる軸棒であって、シャフトの回転により回転する軸棒を有してもよい。この点について、図20及び図21を用いて変形例6に係るブレーキ装置100Fについて説明する。図20は、変形例6に係るブレーキ装置を用いた電動の台車を示す斜視図である。図21は、変形例6に係るブレーキ装置を用いた電動の台車を示す断面図である。
上述した例においては、ブレーキ装置がシャフトの回転軸上に配置される場合を示したが、ブレーキ装置はシャフトの回転軸上以外に配置されてもよい。例えば、ブレーキ装置は、車輪を駆動する駆動源から延びるシャフトと異なる軸棒であって、シャフトの回転により回転する軸棒を有してもよい。この点について、図20及び図21を用いて変形例6に係るブレーキ装置100Fについて説明する。図20は、変形例6に係るブレーキ装置を用いた電動の台車を示す斜視図である。図21は、変形例6に係るブレーキ装置を用いた電動の台車を示す断面図である。
なお、変形例6において、実施形態や変形例1〜5中の構成と対応する構成は、符号の末尾に「F」を付し、実施形態や変形例1〜5と異なる点について以下説明する。なお、実施形態や変形例1〜5と同様の構成については、実施形態と同じ符号を付し、適宜説明を省略する。すなわち、変形例6において、実施形態や変形例1〜5と同様の構成については、「***」や「***A」〜「***E」を「***F」と読み替えるものとする。例えば、変形例6中のタイヤ3Fは実施形態中のタイヤ3と同様の構成であり、説明を省略する。
図20及び図21に示す変形例6に係るブレーキ装置100Fは、シャフトと異なる軸棒を有する点において、他のブレーキ装置100〜ブレーキ装置100Eと相違する。そのため、以下他のブレーキ装置100〜ブレーキ装置100Eと相違する点について説明する。
図21に示すように、ブレーキ装置100Fは、第3ケース80F内にギア81Fやギア82Fや軸棒67Fを配置する。また、第3ケース80F内には、シャフト61Fの取付部613Fが挿入され、取付部613Fにギア81Fが取り付けられる。また、ギア81Fは、ギア82Fと噛み合う。また、ギア82Fは、軸棒67Fの基部671Fの周壁に形成されたギアと噛み合う。これにより、軸棒67Fは、モータ65Fの駆動に応じて回転するシャフト61Fとともに回転する。軸棒67Fの基部671Fに連続する先端部672Fは第3ケース80F外に突出し、規制部材211Fが取り付けられる。また、第1の摩擦体21Fが規制部材211Fに取り付けられ第1の摩擦体21Fは、軸棒67Fとともに回転する。また、例えば、モータ65Fでは、ステータ651Fの外周側にロータ652Fに配置される。このように、駆動装置2Fに用いられるモータ65Fは、アウターロータ型であってもよい。
このように、電動の台車1Fの駆動装置2Fにおいては、モータ65Fの出力軸(シャフト61F)とブレーキの軸(軸棒67F)とを別体として設け、ブレーキ装置100F用のギアボックス(第3ケース80F)を設けた。これにより、モータの出力軸とブレーキの軸とが同軸であるブレーキに比べて、より強いブレーキを実現できる。すなわち、ブレーキ装置100Fにおいては、ブレーキ装置100Fの軸棒67Fとモータ65Fとともに回転するシャフト61Fとの間に複数のギアを介することにより、ブレーキ機構のトルクを増幅させることができる。
(変形例7)
上述した例においては、ブレーキ装置がシャフトの回転軸上に配置される場合を示したが、ブレーキ装置はシャフトの回転軸上以外に配置されてもよい。例えば、ブレーキ装置は、車輪を駆動する駆動源から延びるシャフトと異なる軸棒であって、シャフトの回転により回転する軸棒を有してもよい。この点について、図22及び図23を用いて変形例7に係るブレーキ装置100Gについて説明する。図22は、変形例7に係るブレーキ装置を用いた電動の台車を示す斜視図である。図23は、変形例7に係るブレーキ装置を用いた電動の台車を示す分解斜視図である。
上述した例においては、ブレーキ装置がシャフトの回転軸上に配置される場合を示したが、ブレーキ装置はシャフトの回転軸上以外に配置されてもよい。例えば、ブレーキ装置は、車輪を駆動する駆動源から延びるシャフトと異なる軸棒であって、シャフトの回転により回転する軸棒を有してもよい。この点について、図22及び図23を用いて変形例7に係るブレーキ装置100Gについて説明する。図22は、変形例7に係るブレーキ装置を用いた電動の台車を示す斜視図である。図23は、変形例7に係るブレーキ装置を用いた電動の台車を示す分解斜視図である。
なお、変形例7において、実施形態や変形例1〜6中の構成と対応する構成は、符号の末尾に「G」を付し、実施形態や変形例1〜6と異なる点について以下説明する。なお、実施形態や変形例1〜6と同様の構成については、実施形態と同じ符号を付し、適宜説明を省略する。すなわち、変形例7において、実施形態や変形例1〜6と同様の構成については、「***」や「***A」〜「***F」を「***G」と読み替えるものとする。例えば、変形例7中のタイヤ3Gは実施形態中のタイヤ3と同様の構成であり、説明を省略する。
図22及び図23に示す変形例7に係るブレーキ装置100Gは、シャフトと異なる軸棒を有する点において、他のブレーキ装置100〜ブレーキ装置100Eと相違する。また、変形例7に係るブレーキ装置100Gは、第3ケース内のギアの構成において、変形例6に係るブレーキ装置100Fと相違する。そのため、以下他のブレーキ装置100〜ブレーキ装置100Fと相違する点について説明する。
図23に示すように、センサ部70Gとブレーキ装置100Gが並列に配置される。また、センサ部70Gの磁石71Gは、シャフト61Gの先端部614Gに配置される。また、ブレーキ装置100Gは、第3ケース80Gとその蓋部801G内にギア81Gやギア82Gや83Gや軸棒67Gを配置する。また、第3ケース80G内には、シャフト61Gの取付部613Gが挿入され、取付部613Gにギア81Gが取り付けられる。また、ギア81Gは、ギア82G及びギア83Gと噛み合う。また、ギア82G及びギア83Gは、軸棒67Gの基部671Gの周壁に形成されたギアと噛み合う。これにより、軸棒67Gは、モータ65Gの駆動に応じて回転するシャフト61Gとともに回転する。軸棒67Gの基部671Gに連続する先端部672Gは第3ケース80G外に突出し、規制部材211Gが取り付けられる。また、第1の摩擦体21Gが規制部材211Gに取り付けられ第1の摩擦体21Gは、軸棒67Gとともに回転する。
このように、電動の台車1Gの駆動装置2Gにおいては、モータ65Gとブレーキ装置100Gが並列に配置され、同軸に配置され、各々別の軸(シャフト65Gと軸棒67G)が設けられる。また、センサ部70Gの磁石71Gは、トルク増幅ギアボックス(第3ケース80G)を貫通したシャフト61Gの先端部614Gに取り付けられる。これにより、モータ65Gの軸であるシャフト61Gの先端部614Gに取付けられた磁石71Gから発生した磁束を検出してモータ65Gの回転子(ロータ)の角度位置が検出される。また、ブレーキ装置100Gにおいては、ブレーキ装置100Gの軸棒67Gとモータ65Gとともに回転するシャフト61Gとの間に複数のギアを介することにより、ブレーキ機構のトルクを増幅させることができる。
(変形例8)
また、上述した実施形態及び変形例1〜7の各種構成を適宜組み合わせたブレーキ装置が用いられてもよい。この点について、図24及び図25を用いて変形例8に係るブレーキ装置100Hについて説明する。図24は、変形例8に係るブレーキ装置を用いた電動の台車を示す斜視図である。図25は、変形例8に係るブレーキ装置を示す分解斜視図である。
また、上述した実施形態及び変形例1〜7の各種構成を適宜組み合わせたブレーキ装置が用いられてもよい。この点について、図24及び図25を用いて変形例8に係るブレーキ装置100Hについて説明する。図24は、変形例8に係るブレーキ装置を用いた電動の台車を示す斜視図である。図25は、変形例8に係るブレーキ装置を示す分解斜視図である。
なお、変形例8において、実施形態や変形例1〜7中の構成と対応する構成は、符号の末尾に「H」を付し、実施形態や変形例1〜7と異なる点について以下説明する。なお、実施形態や変形例1〜7と同様の構成については、実施形態と同じ符号を付し、適宜説明を省略する。すなわち、変形例8において、実施形態や変形例1〜7と同様の構成については、「***」や「***A」〜「***G」を「***H」と読み替えるものとする。例えば、変形例8中のタイヤ3Hは実施形態中のタイヤ3と同様の構成であり、説明を省略する。
以下、図24及び図25に示す変形例8に係るブレーキ装置100Hの構成を説明する。なお、図25に示す分解図中の配置は、ブレーキ装置100Hの各構成を図示するための配置であり、ブレーキ装置100Hにおける位置関係を示すものではない。例えば、プランジャ30Hのフランジ部311Hやアーマチュア40Hは、ブレーキ装置100Hにおいて筒体9Hと第1の摩擦体21Hとの間に位置する。
また、図25に示すように、ブレーキ装置100Hは、変形例4に係るブレーキ装置100Dと同様に、第1ケース7H内にセンサ部70Hを有する。センサ部70Hは、シャフト61Hの回転軸上に配置される磁石(図示省略)と磁気センサの回路等が実装される基板72Hとを有し、駆動源であるモータ65Hのロータ652Hの角度位置を検知する磁気センサとして機能する。また、センサ部70Hの磁石は、変形例4に係る磁石71Dと同様に、プランジャ30Hに挿通されたシャフト61Hの挿通部614Hの先端に配置される。また、ブレーキ装置100Hは、第1ケース7Hの開口部分の外周端にパッキン73Hを設けることにより、第1ケース7Hの開口部分と第2ケース8Hの一面との間から水分や埃等が第1ケース7H内に入ることを抑制する。これにより、ブレーキ装置100Hは、センサ部70Hに与える影響を抑制することができる。
また、ブレーキ装置100Hは、第1の摩擦体21Hを有する。ブレーキ装置100Hは、実施形態に係るブレーキ装置100と同様に、第1の摩擦体21Hをアーマチュア40Hと取付部材20Hとの間で押圧することによる摩擦でブレーキ機構を実現する。第1の摩擦体21Hは、アーマチュア40Hと取付部材20Hとの間に配置される。これにより、ブレーキ装置100Hは、いわゆる単板式のブレーキ機構を採用することにより、コストを抑制できる。
また、第1の摩擦体21Hは、変形例3に係るブレーキ装置100Cと同様に、平面視において中央部に歯車形状の貫通孔212Hが形成される。また、第1の摩擦体21Hは、例えば歯車形状を有し、ねじ210Hによりシャフト61Hに固定された規制部材211Hが貫通孔212Hに挿入される。これにより、第1の摩擦体21Hは、シャフト61Hとともに回転する。
また、図25に示すように、ばね部材50Hは、変形例1に係るブレーキ装置100Aと同様に、筒体9Hの両端部に配置される。例えば、6つのばね部材50Hが、筒体9Hの両端部に配置される。具体的には、筒体9Hの両端部に例えば3つのばね部材50Hが配置される。例えば、各ばね部材50Hは、筒体9Hのフィールド91Hの両端部に設けられた挿入孔(図示省略)内に配置される。また、筒体9Hは、上述したばね部材50Hが配置可能な形状(例えば矩形状)に形成される。これにより、ブレーキ装置100Hは、複数のばね部材50Hの付勢力により強いブレーキを実現することができる。
また、例えば、アーマチュア40Hは、プランジャ30Hに固定される。また、プランジャ30Hのフランジ部311Hは、取付部材20Hの突出部202Hが挿通される挿通孔312Hを有する。ここで、フランジ部311Hの挿通孔312Hは、取付部材20Hの突出部202Hに対応する位置に設けられており、各挿通孔312Hに対応する突出部202Hが挿通される。
また、ブレーキ装置100Hにおいては、第1ケース7Hや第2ケース8Hの平面視における外形が略楕円形に形成されており、平面視における第1ケースや第2ケースの外形が矩形に形成される場合に比べて、コストを抑制することができる。上記のような構成を採用することで、他のブレーキ装置100、100A〜100Gと比較して、コストとブレーキの強さのバランスが取れたブレーキ装置100Hを実現することが可能となる。
また、上記実施の形態により本発明が限定されるものではない。上述した各構成素を適宜組み合わせて構成したものも本発明に含まれる。また、さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。よって、本発明のより広範な態様は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。なお、駆動装置の駆動源として用いられるモータは、上述したブレーキ装置が適用可能であれば、どのようなモータであってもよく、ダイレクトドライブ型モータやアキシャルギャップ型等、どのような種類であってもよい。
1 電動の台車
2 駆動装置
3 タイヤ
4 載置台
6 駆動部
61 シャフト
65 モータ
100 ブレーキ装置
9 筒体
10 切換機構
11 レバー部
12 受部
20 取付部材(第2の摩擦体の例)
21 第1の摩擦体
30 プランジャ
40 アーマチュア(第2の摩擦体の例)
50 ばね部材
70 センサ部
2 駆動装置
3 タイヤ
4 載置台
6 駆動部
61 シャフト
65 モータ
100 ブレーキ装置
9 筒体
10 切換機構
11 レバー部
12 受部
20 取付部材(第2の摩擦体の例)
21 第1の摩擦体
30 プランジャ
40 アーマチュア(第2の摩擦体の例)
50 ばね部材
70 センサ部
Claims (15)
- 車輪を駆動する駆動源から延びるシャフトとともに回転する第1の摩擦体と、
前記シャフトの回転軸の方向に前記第1の摩擦体に重ねて配置され、取付部材に取り付けられ回転が規制される第2の摩擦体と、
磁性を有し、前記回転軸の方向に沿って前記取付部材との間に、前記第1の摩擦体及び前記第2の摩擦体を挟む位置に配置されるアーマチュアと、
前記回転軸の方向に沿って、前記アーマチュアを前記取付部材側へ付勢する付勢体と、
磁力により前記アーマチュアを前記回転軸の方向に進退させ、前記回転軸に直交する断面における第1の方向の長さは、前記断面において前記第1の方向に直交する第2の方向の長さよりも短く形成される筒体と、
を備えるブレーキ装置。 - 車輪を駆動する駆動源から延びるシャフトと異なる軸棒であって、前記シャフトの回転により回転する軸棒とともに回転する第1の摩擦体と、
前記軸棒の回転軸の方向に前記第1の摩擦体に重ねて配置され、取付部材に取り付けられ回転が規制される第2の摩擦体と、
磁性を有し、前記回転軸の方向に沿って前記取付部材との間に、前記第1の摩擦体及び前記第2の摩擦体を挟む位置に配置されるアーマチュアと、
前記回転軸の方向に沿って、前記アーマチュアを前記取付部材側へ付勢する付勢体と、
磁力により前記アーマチュアを前記回転軸の方向に進退させ、前記回転軸に直交する断面における第1の方向の長さは、前記断面において前記第1の方向に直交する第2の方向の長さよりも短く形成される筒体と、
を備えるブレーキ装置。 - 前記付勢体は、前記回転軸から前記第2の方向に離れる位置に配置される請求項1または請求項2に記載のブレーキ装置。
- 前記付勢体は、前記筒体の中央部に配置される請求項1または請求項2に記載のブレーキ装置。
- 前記筒体は、前記回転軸の方向に貫通した中空孔が形成され、前記中空孔の周方向に沿って内部に前記中空孔の周囲に空洞が形成されるフィールドと、前記フィールドの前記空洞内に設けられるコイルとを有し、
前記回転軸の方向に直交する断面内の前記第1の方向において、前記フィールドの空洞の内周面と前記中空孔の外周面との間の第1の厚みは、前記筒体の外周面と前記フィールドの空洞の外周面との間の第2の厚みよりも厚く形成される請求項1〜4のいずれか1項に記載のブレーキ装置。 - 前記筒体の前記中空孔内に配置され、前記中空孔から突出しねじ加工がされた端部を有するプランジャと、
前記プランジャを前記アーマチュアに押圧する第1状態と、前記プランジャによる前記アーマチュアへの押圧を解放する第2状態とを切り換え可能な切換機構と、
をさらに備える請求項5に記載のブレーキ装置。 - 前記切換機構は、前記プランジャの前記端部に螺合する受部を有し、前記受部が回動することにより、前記プランジャを前記アーマチュアに押圧する前記第1状態と、前記プランジャによる前記アーマチュアへの押圧を解放する前記第2状態と、前記受部の位置が前記第1状態と前記第2状態との間に位置し、非通電時には前記付勢体により前記アーマチュアを前記取付部材側へ付勢し、通電時には前記筒体の磁力により前記アーマチュアを前記プランジャ側へ吸引する第3状態と、を切り換えるレバーまたはワイヤ部材である請求項6に記載のブレーキ装置。
- 前記プランジャは、前記レバーまたは前記ワイヤ部材の受部内において、前記回転軸の方向に所定の範囲内で移動可能であり、
前記アーマチュアは、前記筒体の磁力により吸引されることにより、前記レバーまたは前記ワイヤ部材の前記第3状態において、前記プランジャの前記端部を前記アーマチュアへの押圧方向とは反対方向に偏移させる請求項7に記載のブレーキ装置。 - 前記回転軸上に配置され、前記駆動源の角度位置を検知する磁気センサ、
をさらに備える請求項1〜8のいずれか1項に記載のブレーキ装置。 - 前記磁気センサの基板の周囲を囲むパッキン、
をさらに備える請求項9に記載のブレーキ装置。 - 前記第2の摩擦体は前記アーマチュア及び前記取付部材のうち少なくとも一方と一体に形成される
請求項1〜10のいずれか1項に記載のブレーキ装置。 - 前記第1の摩擦体及び前記第2の摩擦体の各々は、複数設けられ、
前記複数の第1の摩擦体と複数の第2の摩擦体とは、交互に重ねて設けられる請求項1〜10のいずれか1項に記載のブレーキ装置。 - 前記第1の摩擦体と前記第2の摩擦体とは、互いに噛み合う構造を有する請求項1〜12のいずれか1項に記載のブレーキ装置。
- 請求項1〜13のいずれか1項に記載されたブレーキ装置と、
駆動源と、
を備える駆動装置。 - ブレーキ装置と駆動源との間に減速機構を含む請求項14に記載の駆動装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016082477A JP2017190861A (ja) | 2016-04-15 | 2016-04-15 | ブレーキ装置及び駆動装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2016082477A JP2017190861A (ja) | 2016-04-15 | 2016-04-15 | ブレーキ装置及び駆動装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2017190861A true JP2017190861A (ja) | 2017-10-19 |
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ID=60085825
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JP2016082477A Pending JP2017190861A (ja) | 2016-04-15 | 2016-04-15 | ブレーキ装置及び駆動装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019158047A (ja) * | 2018-03-14 | 2019-09-19 | ミネベアミツミ株式会社 | 車輪モジュール、移動機構、および、車輪モジュールの制御方法 |
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-
2016
- 2016-04-15 JP JP2016082477A patent/JP2017190861A/ja active Pending
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