JP2017190691A - 学習装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】エンジンからの排気の一部を給気側に環流させる排気管流量を制御する技術を提供する。【解決手段】環流調整バルブ3は、車両の駆動力を発生させるエンジン1へ給気するための給気管4に、エンジン1からの排気の一部を還流させる量である排気環流量を調整する。開度制御部107は、環流調整バルブ3の開度を制御する。MAFセンサ9は、車両の外部から給気管4に吸い込む気体の流量であるMAF流量を計測する。判定部101は、車両の状態が、環流調整バルブ3の開度とMAF流量との関係を学習するための所定の学習条件を満たしているか否かを判定する。学習部102は、判定部101によって車両の状態が学習条件を満たしていると判定された場合、環流調整バルブ3の開度VとMAF流量Mとの関係を定める関数を算出して記憶する。【選択図】図1

Description

本発明は学習装置に関し、特に、エンジンからの排気の一部を給気側に環流させる排気管流の流量を制御するための学習装置に関する。
エンジンからの排気の一部を給気側に環流させる排気環流(Exhaust Gas Recirculation;EGR)は、特にディーゼルエンジンの排気を浄化する仕組みとして重要である。給気量に対する排気環流量の割合であるEGR率は、エンジンの燃費と排気の浄化とのバランスを取る上で重要な数量である。
本願の発明者は、車両外部からの給気量を示すMAF(MAss Flow)流量を計測するためのMAFセンサの個体ばらつきや経年変化の影響を補正することによって正確なMAF流量を取得する技術を過去に考案している(特許文献1参照)。
特許第5446610号公報
排気管流の量は、吸気管に環流させる排気の量を調整するバルブの開度によって制御する。しかしながら、仮に排気管流の量を精度よく制御できたとしても、それだけではEGR率を精度よく制御することはできない。EGR率は給気量に対する排気環流量の割合であるため、EGR率を制御するためには給気量を示すMAF流量の精度が重要となるからである。
特許文献1に記載の技術を用いることにより、MAF流量を精度よく求めることができる。そのため本願の発明者は、MAF流量の精度が高いことを前提とすることにより、EGR率の精度を高めることができる可能性について認識するに至った。
本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、エンジンからの排気の一部を給気側に環流させる排気管流量を制御する技術を提供することを目的とする。
本発明のある態様は、学習装置である。この装置は、車両の駆動力を発生させるエンジンへ給気するための給気管に、前記エンジンからの排気の一部を還流させる量である排気環流量を調整する環流調整バルブと、前記環流調整バルブの開度を制御する開度制御部と、前記車両の外部から前記給気管に吸い込む気体の流量であるMAF流量を計測するMAFセンサと、前記車両の状態が、環流調整バルブの開度とMAF流量との関係を学習するための所定の学習条件を満たしているか否かを判定する判定部と、前記判定部によって前記車両の状態が前記学習条件を満たしていると判定された場合、前記環流調整バルブの開度Vと前記MAF流量Mとの関係を定める関数を算出して記憶する学習部と、を備える。
前記学習部は、前記MAFセンサの出力値と前記エンジンが実際に吸入する気体の量との関係を定める関数であって予め学習によって求められている関数に基づいて、前記MAFセンサの出力値から前記MAF流量Mを取得してもよい。
前記開度制御部は、(1)前記環流調整バルブを閉じている場合における前記MAF流量MであるMmaxの値を取得し、(2)前記学習部が算出した関数に基づいて、前記環流調整バルブの開度VのときのMAF流量Mvを取得し、前記Mmaxから前記MAF流量Mvを減算した量を排気環流量Evとして取得し、(3)取得した前記排気環流量Evが制御目的の値となるように、前記環流調整バルブの開度Vを制御してもよい。
前記車両の走行距離を計測する距離計測部をさらに備えてもよく、前記学習部は、前回学習を実行してから前記車両が走行した走行距離が所定の距離よりも長くなった後に前記学習条件を満たした場合、前記関数を再計算して記憶してもよい。
前記学習部は、前記環流調整バルブの開度Vを第1の軸、前記MAF流量Mを第2の軸とする直交座標系にプロットした場合における前記開度Vと前記MAF流量Mとの関係を近似するK次多項式(Kは3以上の整数)の係数を算出してもよい。
前記学習条件は、(1)前記エンジンを搭載する車両が惰行運転(モータリング)中のとき、かつ(2)前記環流調整バルブを挟んで前後の気体の圧力差が所定値以下のときであってもよい。
本発明によれば、エンジンからの排気の一部を給気側に環流させる排気管流量を制御する技術を提供することができる。
本発明を適用する車両の主要部を模式的に示す図である。 実施の形態に係る学習部が実行する学習処理の流れを説明するためのフローチャートである。 実施の形態に係る学習部が取得した学習データを2次元直交座標系にプロットしたグラフを模式的に示す図である。 実施の形態に係る開度制御部が実行する環流調整バルブの制御処理を説明するための図である。 環流調整バルブの開度と排気環流量との関係を示すグラフを模式的に示す図である。
本発明の実施の形態の概要を述べる。本発明の実施の形態は、主に車両に搭載されるディーゼルエンジンに設けられたEGR機構におけるEGR率の精度を高めることを目的とする学習装置に関する。学習装置は、給気側に環流させる排気の量を調整するバルブの開度とそのときのMAF流量との関係を学習する。バルブを開けることによってMAF流量が減少するが、このMAF流量の減少分が、給気側に環流された排気の量に相当する。このため、バルブの開度とMAF流量との関係を学習することにより、バルブの開度と排気環流量との関係を求めることができる。なお、この学習装置における学習処理は、ECU(Engine Control Unit)によって実現される。
以下、実施の形態に係る学習装置が実行する学習処理の前提として、車両の主要部の概要についてまず説明する。
<車両の主要部の概要>
図1は、本発明を適用する車両の主要部を模式的に示す図である。
エンジン1は、燃料を給気と混合して燃焼させることにより車両の駆動力を発生する。なお、インジェクタ12が、エンジン1に燃料を噴射供給する。インジェクタ12がエンジン1に噴射供給する燃料の量は、制御部10が制御する。
以下本明細書において車両は例えばバスやトラック等の大型車両であり、エンジン1はディーゼルエンジンであることを前提とする。制御部10はECUであり、エンジン1を含め車両全体の動作を制御する。なお図1において、破線で示す矢印は、制御部10とその制御対象との間における制御信号や、制御部10が制御に用いるために各種センサが計測した計測データの流れを示す。
過給機2は、エンジン1からの排気によって駆動され、給気を圧縮してその圧力を高める。加給圧センサ14は、過給機2が圧縮した給気の過給圧を計測する。加給圧センサ14は、計測した過給圧を制御部10に出力する。
給気管4は過給機2のコンプレッサ出口からエンジン1まで延在し、給気スロットル5によって開閉される。環流調整バルブ3は、エンジン1へ給気するための給気管4に、エンジン1からの排気の一部を還流させる排気環流量を調整する。
排気管6は、過給機2のタービン出口から車両の外部まで延在する。排気スロットル7は、排気管6を開閉する。ダクト8は、外気から過給機2のコンプレッサ入口に至る位置に設置される。MAFセンサ9はダクト8に設置され、車両の外部から給気管4に吸い込む気体の流量であるMAF流量を計測する。
実施の形態に係る過給機2はVGS(Variable Geometry Turbocharger System)ターボとも呼ばれ、エンジン1の低回転時等において排気エネルギーが低いときでも効率よく過給することができる過給機である。このため過給機2を構成するタービンは、排気の流速を調整するためのノズルを備えるノズル付タービン15である。
回転数計測部13は、エンジン1の回転数を計測する。回転数計測部13は、計測した回転数を制御部10に出力する。また差圧センサ16は、環流調整バルブ3を挟んで前後の気体の圧力差を計測する。差圧センサ16は計測した圧力差を制御部10に出力する。
制御部10内のノズル制御部106は、過給機2を駆動させる排気の流速を調整するために、上述したノズル付タービン15のノズルの絞り量を制御する。また制御部10内の開度制御部107は、環流調整バルブ3の開度を制御する。
なお、これらの他にも車両には、既知のセンサ、アクチュエータ、制御器などが設けられるが、説明は省略する。
環流調整バルブ3は、例えば電力で駆動する電磁弁である。開度制御部107は、環流調整バルブ3を駆動するための駆動電流を調整することで、環流調整バルブ3の開度を制御する。ここで、車両がユーザに使用されるにしたがって経年変化し、同じ駆動電流であっても環流調整バルブ3の開度が変化する可能性がある。
環流調整バルブ3にはエンジン1が排気した排気ガスが流れる。排気ガスは、燃料と空気との混合が燃焼して生成された気体であるため、煤等が含まれる場合がある。煤等が車両の使用とともに環流調整バルブ3に固着することにより、環流調整バルブ3の動きのなめらかさが損なわれることもある。この結果、開度制御部107が設定する駆動電流が同一であったとしても、環流調整バルブ3の開度が大きくなって想定よりも多くの排気が環流されることも起こりうる。反対に、環流調整バルブ3の開度が小さくなると、開度制御部107が設定する駆動電流が同一であったとしても環流調整バルブ3の開度が小さくなって想定よりも少ない量の排気しか環流されなくなることも起こりうる。
排気ガスに含まれる煤の量は、燃焼に用いられた燃料によっても異なり、またエンジン1の動作のさせ方、すなわち燃料の燃焼のさせ方によっても変わると考えられる。
このように、駆動電流と排気環流量との関係は、車両の経年変化にしたがって徐々に変化し、またその変化の度合いも各車両の使用状況によっても変わってくる。この結果、車両の燃費や排ガスの浄化等の初期性能が維持できなくなりうる。
このような状況に対応するために、車両が満たすべき性能の基準に対して車両の初期性能が十分に高く設定される。より具体的には、万が一車両の初期性能が発揮できなくなったとしても基準を満たすことができるように設計される。しかしながら、このような対応は車両のコスト高の要因となり得る。
そこで実施の形態に係る学習部102は、環流調整バルブ3の開度Vと、MAF流量Mとの関係を定める関数を算出して記憶する。開度制御部107は、学習部102が算出した関数に基づいて、環流調整バルブ3を開くことによって減少したMAF流量の減少量から、環流調整バルブ3の開度Vとそのときの排気環流量Evとの関係を求める。このため、開度制御部107は、目標とするEGR率となるように、環流調整バルブ3の開度Vを制御することができる。
なお、開度制御部107は、MAFセンサ9の出力値とエンジン1が実際に吸入する気体の量との関係を定める関数であって予め学習によって求められている関数に基づいて、MAFセンサ9から実際のMAF流量Mを取得する。このため開度制御部107は、信頼性の高いMAF流量に基づいて排気環流量Evを取得することができる。
以下、実施の形態に係る学習部102が実行する学習についてより詳細に説明する。
<学習のフロー>
図2は、実施の形態に係る学習部102が実行する学習処理の流れを説明するためのフローチャートである。本フローチャートにおける処理は、例えばエンジン1を搭載する車両が始動したときに開始する。
判定部101は、エンジン1を搭載する車両の状態が、学習部102が排気環流量に関する学習を実行するための所定の学習実行条件を満たしているか否かを判定する(S2)。「所定の学習実行条件」は、学習部102による学習結果が信頼できる結果となるための条件である。具体的には車両が安定状態となる条件である。
判定部101は、少なくとも以下に列記する全ての条件が満たされたときに学習実行条件が成立したと判断する。
(条件1)エンジン1を搭載する車両が惰行運転中のときであること。
車両が惰行運転中は燃料カットされるため、エンジン1の排気が安定している。このため、環流調整バルブ3を開弁することによるMAF流量の変化を学習するのに適している。反対に、エンジン1で燃料が燃焼している場合には排気環流量が安定しないため、学習には適しない。
(条件2)環流調整バルブ3を挟んで前後の気体の圧力差が所定値以下のときであること。
環流調整バルブ3の前後の圧力差が大きいときは排気環流量が安定しないため学習には適しない。なお、所定値の具体的な値はエンジン1によって異なるため、これらの性能等を考慮して実験により定めればよい。
判定部101は、車両の状態が学習実行条件を満たしていないと判定している間は(S4のNo)、ステップS2に戻って学習実行条件の判定を継続する。判定部101が、車両の状態が学習実行条件を満たしていると判定した場合(S4のYes)、学習部102は、環流調整バルブ3の開度Vを設定し(S6)、開度制御部107に環流調整バルブ3を制御させる。
学習部102は、MAFセンサ9が計測したMAF流量Mを取得し(S8)、記憶部105に格納する。開度Vと、MAF流量Mとの組み合わせが、学習部102の学習データとなる。開度VとMAF流量Mとをそれぞれ2次元直交座標系におけるX座標、Y座標と見なすと、開度VとMAF流量Mとの一つの組み合わせは、2次元直交座標系における1点となる。
詳細は後述するが、実施の形態に係る学習部102は、開度VとMAF流量Mとの関係を、3次多項式を用いて近似する。3次多項式は4つの係数によって一意に定まるため、学習部102は環流調整バルブ3の開度Vの設定値を変更し、学習データを少なくとも4点取得すれば、3次多項式を特定できる。
学習データが揃っていない場合(S10のNo)、学習部102はステップS6に戻って、ステップS6からステップS10までの学習データ取得処理を継続する。学習データが全て揃うと(S10のYes)、学習部102は開度VとMAF流量Mとの関係を表す3次多項式の係数を決定し(S12)、記憶部105に記憶させる(S14)。学習部102が3次多項式の係数を決定し終えると、本フローチャートにおける処理は終了する。
なお、一例として、学習部102は環流調整バルブ3が完全に閉じた状態、すなわち環流調整バルブ3の開度が0%の状態から、環流調整バルブ3が全開の状態、すなわち環流調整バルブ3の開度が100%の状態となるまで10%ずつ大きくなるように環流調整バルブ3の開度Vを設定する。また学習部102は、同一の環流調整バルブ3の開度Vに対して10個の学習データを取得する。この場合、学習部102は110点の学習データを取得することになる。
図3は、実施の形態に係る学習部102が取得した学習データを2次元直交座標系にプロットしたグラフを模式的に示す図である。より具体的には、図3は、環流調整バルブ3の開度VをX軸、MAF流量MをY軸としてプロットしたグラフを示す。また図3において、符号Fで示す曲線は3次関数であり、環流調整バルブ3の開度VとそのときのMAF流量Mとの関係を表す近似曲線Fである。
環流調整バルブ3の開度Vが大きくなるほど、エンジン1からの排気が給気側に環流する量が多くなる。エンジン1の気筒内の容積は一定であるため、給気側に環流する排気の量が多くなるとその分だけMAF流量Mが減少する。このため図3に示すように、開度VとMAF流量Mとは負の相関を持つ。
いま図3における近似曲線Fが4つの係数A、B、C、及びDを用いて以下の式(1)で表せるとする。
Y(X)=AX+BX+CX+D (1)
ここでXは環流調整バルブ3の開度Vであり、YはMAF流量Mを表す。学習部102は、取得した学習データから、近似曲線Fを特定する4つの係数を算出する。以下、学習部102が実行する係数算出処理について説明する。
<近似曲線Fの係数算出処理>
学習部102は、取得した学習データを表現する近似曲線Fの係数を、最小二乗法を用いて算出する。
いま、環流調整バルブ3の開度Vの値をXn、Xnに対応するMAF流量Mの値をYnとする。nは1以上N以下の自然数であり、N点の学習データそれぞれに一意に定められたインデックスである。上記の例では、学習部102は110点の学習データを取得するため、nは1から110の間のいずれかの整数値となる。Xn、Ynを式(1)に代入すると、以下の式(2)を得る。
Figure 2017190691
式(2)を行列を用いて書き直すと以下の式(3)を得る。
Figure 2017190691
式(3)において、左辺はMAFセンサ9が計測したMAF流量Mを並べた列ベクトルであり、既知である。また右辺第1項は、環流調整バルブ3の開度Vを用いて構成される行列であり、既知である。右辺第2項は、近似曲線Fを特定する4つの係数を並べた列ベクトルであり、未知である。式(3)からA、B、C、及びDを求める問題は、未知数の数が4であり式の数が110である優決定問題となる。
MAF流量Mを並べた列ベクトルをT、環流調整バルブ3の開度Vを用いて構成される行列をR、4つの係数を並べた列ベクトルをmとすると、式(3)は以下の式(4)となる。
T=Rm (4)`
ベクトルmは、環流調整バルブ3の開度Vを用いてMAF流量Mを説明するためのモデルパラメータとも言える。
mが適切に設定されれば、TとRmとの誤差が小さくなる。そこでTとRmと誤差を並べた列ベクトルeを、以下の式(5)で定義する。
e=T−Rm (5)
ベクトルeは、環流調整バルブ3の開度VでMAF流量Mを説明するためのモデルのモデル化誤差とも言える。
式(5)で示される誤差ベクトルeの2ノルムの2乗、すなわちeeを最小にするという意味での最適解moptは最小二乗解として周知であり、以下の式(6)で得られる。
Figure 2017190691
ここで、「T」はベクトル又は行列の転置を表し、「−1」は逆行列を表す。ベクトル及び行列の要素を用いて式(6)を書き下すと以下の式(7)を得る。
Figure 2017190691
式(7)を用いることにより、学習部102は、環流調整バルブ3の開度Vを第1の軸(X軸)、MAF流量Mを第2の軸(Y軸)とする直交座標系にプロットした場合における、MAF流量Mと環流調整バルブ3の開度Vとの関係を近似する3次多項式の係数を算出することができる。学習部102は、式(7)に基づいて算出した4つの係数A、B、C、及びDを、記憶部105に格納して記憶させる。
<近似曲線Fを用いた排気環流量の制御>
図4は、実施の形態に係る開度制御部107が実行する環流調整バルブ3の制御処理を説明するための図である。上述したように、環流調整バルブ3が開弁して排気が給気側に環流した分だけ、MAF流量Mが減少する。図4において、一点鎖線で示す線は、MAF流量Mの最大値であるMmaxを示す。環流調整バルブ3が閉じているとき、エンジン1の給気は全て吸気管4からの空気で賄われるため、開度制御部107が環流調整バルブ3の開度Vを0に設定した時のMAF流量Mが、Mmaxとなる。
そこで開度制御部107は、環流調整バルブ3を閉じている場合におけるMAF流量MであるMmaxの値を取得する。続いて開度制御部107は学習部102が算出した関数に基づいて、環流調整バルブ3の開度VのときのMAF流量Mvを取得する。開度制御部107はさらに、MAF流量MvをMmaxから減算した量を、環流調整バルブ3の開度Vのときの排気環流量Evとして取得する。
これにより、開度制御部107は、環流調整バルブ3の開度Vと排気環流量Evとの関係を取得することができる。図5は、開度制御部107が取得した環流調整バルブ3の開度Vと排気環流量Evとの関係を示すグラフを模式的に示す図である。開度制御部107は、取得した排気環流量Evが制御目的の値となるように、環流調整バルブの開度Vを制御する。なお、Ev/MvがEGR率となる。
学習部102は、判定部101によって車両の状態が学習実行条件を満たしていると判定されるたびに、近似曲線Fの係数を学習によって更新していく。これにより、車両の経年変化等の要因で環流調整バルブ3の性能が変化したとしても、開度制御部107はEGR率を精度よく制御することができる。結果として、車両の初期性能を維持することができる。
<実施の形態の効果>
以上説明したように、本発明の実施の形態に係る学習装置によれば、エンジンからの排気の一部を給気側に環流させる排気管流量を制御する技術を提供することができる。
特に、開度制御部107は学習部102の学習によって得られた結果、環流調整バルブ3の開度VとMAF流量Mとの現状の関係を表す近似曲線Fにしたがって排気環流量Evを制御するため、排気環流機構の初期性能を維持することができる。
また開度制御部107は、MAFセンサ9の出力値とエンジン1が実際に吸入する気体の量との関係を定める関数であって予め学習によって求められている関数に基づいてMAF流量Mを取得する。このため、開度制御部107が排気環流量Evの算出に用いるMAF流量Mの精度が高いため、排気環流量Evも高い精度で算出することができる。
また、本発明の実施の形態に係る学習装置は、あらかじめ車両が安定する状態を学習実行条件としておき、車両状態が学習実行条件を満たすとき学習部102が学習を実行する。このため、学習部102はMAF流量Mと環流調整バルブ3の開度Vとの関係を正確に求めることができる。
さらに、本発明の実施の形態に係る学習装置において、学習部102は学習を実行するたびに近似曲線Fを定める係数を更新する。このため、環流調整バルブ3の経時変化やユーザが使用する燃料の相違等を吸収することができる。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。以下そのような変形例を説明する。
<第1の変形例>
上記では、学習部102が、判定部101によって車両の状態が学習実行条件を満たしていると判定されるたびに近似曲線Fの係数を学習によって更新する場合について説明した。しかしながら、学習部102による学習実行条件は上述した(条件1)、(条件2)に限られず、さらに条件を追加してもよい。例えば(条件1)、(条件2)に加えて、車両の走行距離に関する条件を追加してもよい。追加された条件に関する判定処理も、判定部101が実行する。
この場合、学習部102は、前回学習を実行してから車両が走行した走行距離が所定の距離よりも長くなった後に、車両の状態が上述の(条件1)、(条件2)に示す学習実行条件を満たした場合、近似曲線Fを決定する関数の係数を再計算して記憶部105に記憶させてもよい。なお車両の走行距離は、図示しない距離計測部を設けることで計測すればよい。
なお所定の距離は、想定される車両の使用態様等を考慮して定めればよいが、例えば500kmである。これにより、短期間のうちに学習部102が幾度も近似曲線Fの係数を再計算することを抑制できる。
また学習部102は、車両の走行距離に関する条件の追加に代えて、あるいはこれに加えて、車両の走行時間に関する条件を追加してもよい。この場合、学習部102は、前回学習を実行してから車両のエンジン1が動作した時間が所定の時間(例えば1ヶ月間)よりも長くなることも、学習実行の条件とする。これにより、短期間のうちに学習部102が幾度も近似曲線Fの係数の再計算を実行することを抑制できる。
<第2の変形例>
上記では、学習部102は学習によって算出した近似曲線Fの係数を記憶部105に記憶させる場合について説明した。ここで学習部102は、記憶部105に記憶させた係数を上書き、車両の性能の時間変動をモニタすることができる。
<第3の変形例>
上記では、近似曲線Fを3次の多項式で近似する場合について説明した。しかしながら、近似する多項式の次数は3次に限らず、K次(Kは3以上の整数)であってもよい。近似する多項式の次数は、環流調整バルブ3の開度VとMAF流量Mとの関係を表すグラフの形状や学習部102の処理性能等を考慮して実験により定めればよい。
1・・・エンジン
2・・・過給機
3・・・環流調整バルブ
4・・・給気管
5・・・給気スロットル
6・・・排気管
7・・・排気スロットル
8・・・ダクト
9・・・MAFセンサ
10・・・制御部
12・・・インジェクタ
13・・・回転数計測部
14・・・加給圧センサ
15・・・ノズル付タービン
16・・・差圧センサ
101・・・判定部
102・・・学習部
105・・・記憶部
106・・・ノズル制御部
107・・・開度制御部

Claims (6)

  1. 車両の駆動力を発生させるエンジンへ給気するための給気管に、前記エンジンからの排気の一部を還流させる量である排気環流量を調整する環流調整バルブと、
    前記環流調整バルブの開度を制御する開度制御部と、
    前記車両の外部から前記給気管に吸い込む気体の流量であるMAF流量を計測するMAFセンサと、
    前記車両の状態が、環流調整バルブの開度とMAF流量との関係を学習するための所定の学習条件を満たしているか否かを判定する判定部と、
    前記判定部によって前記車両の状態が前記学習条件を満たしていると判定された場合、前記環流調整バルブの開度Vと前記MAF流量Mとの関係を定める関数を算出して記憶する学習部と、
    を備えることを特徴とする学習装置。
  2. 前記学習部は、前記MAFセンサの出力値と前記エンジンが実際に吸入する気体の量との関係を定める関数であって予め学習によって求められている関数に基づいて、前記MAFセンサの出力値から前記MAF流量Mを取得する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の学習装置。
  3. 前記開度制御部は、
    (1)前記環流調整バルブを閉じている場合における前記MAF流量MであるMmaxの値を取得し、
    (2)前記学習部が算出した関数に基づいて、前記環流調整バルブの開度VのときのMAF流量Mvを取得し、前記Mmaxから前記MAF流量Mvを減算した量を排気環流量Evとして取得し、
    (3)取得した前記排気環流量Evが制御目的の値となるように、前記環流調整バルブの開度Vを制御する、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の学習装置。
  4. 前記車両の走行距離を計測する距離計測部をさらに備え、
    前記学習部は、前回学習を実行してから前記車両が走行した走行距離が所定の距離よりも長くなった後に前記学習条件を満たした場合、前記関数を再計算して記憶する、
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の学習装置。
  5. 前記学習部は、前記環流調整バルブの開度Vを第1の軸、前記MAF流量Mを第2の軸とする直交座標系にプロットした場合における前記開度Vと前記MAF流量Mとの関係を近似するK次多項式(Kは3以上の整数)の係数を算出する、
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の学習装置。
  6. 前記学習条件は、(1)前記エンジンを搭載する車両が惰行運転中のとき、かつ(2)前記環流調整バルブを挟んで前後の気体の圧力差が所定値以下のときである、
    ことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の学習装置。
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