JP2017190256A - 炭酸カルシウム複合体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の炭酸カルシウム複合体は、カルサイト型炭酸カルシウムと、
カルサイト型炭酸カルシウムの外周に形成される水酸アパタイト層、とからなり、リンの重量に対する吸油量が、15ml/g以上である
【選択図】なし
Description
前記カルサイト型炭酸カルシウムの外周に形成される水酸アパタイト層、とからなり、
リンの重量に対する吸油量が、15ml/g以上である。
実施の形態1における炭酸カルシウム複合体は、カルサイト型炭酸カルシウムと、カルサイト型カルシウムの外周に形成される水酸アパタイト層からなる。図1は、本発明の実施の形態1における炭酸カルシウム複合体の模式図である。図1に示される通り、炭酸カルシウム複合体1は、カルサイト型炭酸カルシウム2と、この外周に形成される水酸アパタイト層3と、からなる。
実施の形態1における炭酸カルシウム複合体は、次のような製造方法によって製造される。図2は、本発明の実施の形態1における炭酸カルシウム複合体の製造工程の工程図である。以下に、図2を用いて、製造工程の概要を説明する。なお、各工程の詳細については、必要に応じて、本発明の炭酸カルシウム複合体の吸油量への好影響などを説明する際に、追加して説明する。
上述の吸油量を実現するためには、炭酸カルシウム複合体を構成する炭酸カルシウムの結晶子サイズが、X線回折で測定した結果として、70nm以下であることが好ましい。図1のように、炭酸カルシウム複合体1は、粒状の炭酸カルシウム2と、外周に形成される水酸アパタイト層3とからなる。
ここで、炭酸カルシウム複合体1における炭酸カルシウム2の結晶子サイズを70nm以下にするには、上述した水酸化カルシウム水懸濁液に二酸化炭素ガスを添加する炭酸化工程における水酸化カルシウム水懸濁液の温度である開始温度を、75℃以下にする。
第1添加工程において、正リン酸および正リン酸塩の少なくとも一方を水酸化カルシウム水懸濁液に添加することにより、炭酸カルシウム複合体のリン1gあたりの吸油量を、15ml/g以上にできる。
第1添加工程に続いて、第2添加工程が実施される。第2添加工程は、第1添加工程の終了した水酸化カルシウム水懸濁液に、正リン酸を添加する。この第2添加工程によって、炭酸カルシウムの外周に、水酸アパタイト層が形成される。
上述したように、水酸化カルシウム水懸濁液に、第1添加工程および第2添加工程のそれぞれで、正リン酸や正リン酸塩が添加される。すなわち、製造される炭酸カルシウム複合体は、カルシウムとリンを含む。
炭酸カルシウム複合体は、全体の重量に対する吸油量を、150ml/100g以上である。リン1gあたりの吸油量が、15ml以上であることで、高コストで貴重なリンに対する吸油量を高めることができる。これに合わせて、炭酸カルシウム複合体全体での吸油量を、150ml/100g以上とできることで、高い吸油量を有する炭酸カルシウム複合体を実現できる。
炭酸カルシウム(カルサイト型炭酸カルシウムである)の結晶子サイズは、(104)面反射によりJADEを用いて測定した。リガク社製のX線回折装置MultiFlexを用いた測定条件を下記に示す。
単色化:モノクロメーター(Kα線)
電圧:40kV
電流:30mA
(104)面反射:ピークトップ10000カウント以上
炭酸カルシウム複合体の吸油量が、本発明の炭酸カルシウム複合体の重要な要素である。この吸油量は、次の条件で測定された。
本発明の炭酸カルシウム複合体は、高価で希少な物質であるリン1gあたりでの吸油量を高める(15ml/g以上)を実現する。このため、このリン1gあたりの吸油量を測定する必要があり、次の条件で測定した。
炭酸化工程の所定時の時期に乳液をサンプリングし、1mol/Lの塩酸滴定により炭酸化率を測定する。フェールフタレイン指示薬により、水酸化カルシウムと反応する塩酸量を求める。次いで、メチルオレンジ指示薬により、炭酸カルシウムと反応する塩酸量を求める。滴定した塩酸総量に対する炭酸カルシウムと反応した塩酸量を100分率(%)で求めて、炭酸化率とする。
実施例等における炭酸カルシウム複合体のそれぞれは、必要となる条件を変えること以外においては、次のような基本的な製造工程で製造される。
基本的な炭酸カルシウム複合体の製造方法で説明した製造方法において、炭酸化工程を開始する際の炭酸化開始温度を変えながら炭酸カルシウム複合体を製造する。このように炭酸化開始温度を変えながら製造することで、製造される炭酸カルシウム複合体の結晶子サイズがさまざまに変更できる。この結晶子サイズの異なる炭酸カルシウム複合体の実施例、比較例の吸油量を、上述した方法で測定することで、結晶子サイズと吸油量との関係(結晶子サイズによって吸油量が増加しうること)を、実験その1では確認した。
実施例1は、基本的な炭酸カルシウム複合体の製造方法で製造され、炭酸化工程を開始する際の炭酸化開始温度を、5℃として炭酸化工程が実現された。この5℃の炭酸化開始温度での炭酸化工程を含んで製造された炭酸カルシウム複合体が実施例1である。
実施例2は、基本的な炭酸カルシウム複合体の製造方法で製造され、炭酸化工程を開始する際の炭酸化開始温度を、10℃として炭酸化工程が実現された。この10℃の炭酸化開始温度での炭酸化工程を含んで製造された炭酸カルシウム複合体が実施例2である。
実施例3は、基本的な炭酸カルシウム複合体の製造方法で製造され、炭酸化工程を開始する際の炭酸化開始温度を、15℃として炭酸化工程が実現された。この15℃の炭酸化開始温度での炭酸化工程を含んで製造された炭酸カルシウム複合体が実施例3である。
実施例4は、基本的な炭酸カルシウム複合体の製造方法で製造され、炭酸化工程を開始する際の炭酸化開始温度を、20℃として炭酸化工程が実現された。この20℃の炭酸化開始温度での炭酸化工程を含んで製造された炭酸カルシウム複合体が実施例4である。
実施例5は、基本的な炭酸カルシウム複合体の製造方法で製造され、炭酸化工程を開始する際の炭酸化開始温度を、25℃として炭酸化工程が実現された。この25℃の炭酸化開始温度での炭酸化工程を含んで製造された炭酸カルシウム複合体が実施例5である。
実施例6は、基本的な炭酸カルシウム複合体の製造方法で製造され、炭酸化工程を開始する際の炭酸化開始温度を、30℃として炭酸化工程が実現された。この30℃の炭酸化開始温度での炭酸化工程を含んで製造された炭酸カルシウム複合体が実施例6である。
実施例7は、基本的な炭酸カルシウム複合体の製造方法で製造され、炭酸化工程を開始する際の炭酸化開始温度を、35℃として炭酸化工程が実現された。この35℃の炭酸化開始温度での炭酸化工程を含んで製造された炭酸カルシウム複合体が実施例7である。
実施例8は、基本的な炭酸カルシウム複合体の製造方法で製造され、炭酸化工程を開始する際の炭酸化開始温度を、40℃として炭酸化工程が実現された。この40℃の炭酸化開始温度での炭酸化工程を含んで製造された炭酸カルシウム複合体が実施例8である。
実施例9は、基本的な炭酸カルシウム複合体の製造方法で製造され、炭酸化工程を開始する際の炭酸化開始温度を、50℃として炭酸化工程が実現された。この50℃の炭酸化開始温度での炭酸化工程を含んで製造された炭酸カルシウム複合体が実施例9である。
実施例10は、基本的な炭酸カルシウム複合体の製造方法で製造され、炭酸化工程を開始する際の炭酸化開始温度を、60℃として炭酸化工程が実現された。この60℃の炭酸化開始温度での炭酸化工程を含んで製造された炭酸カルシウム複合体が実施例10である。
実施例11は、基本的な炭酸カルシウム複合体の製造方法で製造され、炭酸化工程を開始する際の炭酸化開始温度を、70℃として炭酸化工程が実現された。この70℃の炭酸化開始温度での炭酸化工程を含んで製造された炭酸カルシウム複合体が実施例11である。
実施例12は、基本的な炭酸カルシウム複合体の製造方法で製造され、炭酸化工程を開始する際の炭酸化開始温度を、75℃として炭酸化工程が実現された。この75℃の炭酸化開始温度での炭酸化工程を含んで製造された炭酸カルシウム複合体が実施例12である。
比較例1は、基本的な炭酸カルシウム複合体の製造方法で製造され、炭酸化工程を開始する際の炭酸化開始温度を、95℃として炭酸化工程が実現された。この95℃の炭酸化開始温度での炭酸化工程を含んで製造された炭酸カルシウム複合体が比較例1である。
実験その2は、第1添加工程(炭酸化工程に合わせて正リン酸を加える工程)で添加される、正リン酸の添加量による違いを実験した。上述した基本的な炭酸カルシウム複合体の製造方法で説明した製造方法において、第1添加工程で添加する正リン酸の量(水酸化カルシウム水懸濁液に対する量)を変えながら炭酸カルシウム複合体を製造した。このように量を変えながら製造することで、製造される炭酸カルシウム複合体の吸油量が変化することを確認し、第1添加工程で添加される正リン酸の量の最適値を確認した。
実施例13は、基本的な炭酸カルシウム複合体の製造方法で製造され、第1添加工程で、水酸化カルシウム水懸濁液に対して正リン酸は、添加されていない。
実施例14は、基本的な炭酸カルシウム複合体の製造方法で製造され、第1添加工程で、水酸化カルシウム水懸濁液に対して3wt%の正リン酸が添加された。3wt%の正リン酸が添加される第1添加工程を含んで製造された炭酸カルシウム複合体が実施例14である。
実施例15は、基本的な炭酸カルシウム複合体の製造方法で製造され、第1添加工程で、水酸化カルシウム水懸濁液に対して4wt%の正リン酸が添加された。4wt%の正リン酸が添加される第1添加工程を含んで製造された炭酸カルシウム複合体が実施例15である。
実施例3は、基本的な炭酸カルシウム複合体の製造方法で製造され、第1添加工程で、水酸化カルシウム水懸濁液に対して5wt%の正リン酸が添加された。4wt%の正リン酸が添加される第1添加工程を含んで製造された炭酸カルシウム複合体が実施例3である(実験その1で説明した実施例3である)。
実施例16は、基本的な炭酸カルシウム複合体の製造方法で製造され、第1添加工程で、水酸化カルシウム水懸濁液に対して6wt%の正リン酸が添加された。6wt%の正リン酸が添加される第1添加工程を含んで製造された炭酸カルシウム複合体が実施例16である。
実施例17は、基本的な炭酸カルシウム複合体の製造方法で製造され、第1添加工程で、水酸化カルシウム水懸濁液に対して8wt%の正リン酸が添加された。8wt%の正リン酸が添加される第1添加工程を含んで製造された炭酸カルシウム複合体が実施例17である。
実施例18は、基本的な炭酸カルシウム複合体の製造方法で製造され、第1添加工程で、水酸化カルシウム水懸濁液に対して10wt%の正リン酸が添加された。10wt%の正リン酸が添加される第1添加工程を含んで製造された炭酸カルシウム複合体が実施例18である。
比較例2は、基本的な炭酸カルシウム複合体の製造方法で製造され、第1添加工程で、水酸化カルシウム水懸濁液に対して15wt%の正リン酸が添加された。15wt%の正リン酸が添加される第1添加工程を含んで製造された炭酸カルシウム複合体が比較例2である。
比較例3は、基本的な炭酸カルシウム複合体の製造方法で製造され、第1添加工程で、水酸化カルシウム水懸濁液に対して30wt%の正リン酸が添加された。30wt%の正リン酸が添加される第1添加工程を含んで製造された炭酸カルシウム複合体が比較例3である。
実験その3は、第1添加工程(炭酸化工程に合わせて正リン酸を加える工程)の添加タイミングによる違いを実験した。上述した基本的な炭酸カルシウム複合体の製造方法で説明した製造方法において、第1添加工程で添加する正リン酸の添加タイミングを変えながら炭酸カルシウム複合体を製造した。このようにタイミングを変えながら製造することで、炭酸化工程と第1添加工程との最適なタイミング関係を確認した。
実施例3は、基本的な炭酸カルシウム複合体の製造方法で製造され、炭酸化工程での水酸化カルシウム水懸濁液の炭酸化率が0%のタイミングで、第1添加工程が実施された。この炭酸化率0%のタイミングで第1添加工程が実施されて製造された炭酸カルシウム複合体が、実施例3である(実験その1で説明した実施例3である)。
実施例19は、基本的な炭酸カルシウム複合体の製造方法で製造され、炭酸化工程での水酸化カルシウム水懸濁液の炭酸化率が20%のタイミングで、第1添加工程が実施された。この炭酸化率20%のタイミングで第1添加工程が実施されて製造された炭酸カルシウム複合体が、実施例19である。
実施例20は、基本的な炭酸カルシウム複合体の製造方法で製造され、炭酸化工程での水酸化カルシウム水懸濁液の炭酸化率が50%のタイミングで、第1添加工程が実施された。この炭酸化率50%のタイミングで第1添加工程が実施されて製造された炭酸カルシウム複合体が、実施例20である。
実施例21は、基本的な炭酸カルシウム複合体の製造方法で製造され、炭酸化工程での水酸化カルシウム水懸濁液の炭酸化率が75%のタイミングで、第1添加工程が実施された。この炭酸化率75%のタイミングで第1添加工程が実施されて製造された炭酸カルシウム複合体が、実施例21である。
実施例22は、基本的な炭酸カルシウム複合体の製造方法で製造され、炭酸化工程での水酸化カルシウム水懸濁液の炭酸化率が100%のタイミングで、第1添加工程が実施された。この炭酸化率100%のタイミングで第1添加工程が実施されて製造された炭酸カルシウム複合体が、実施例22である。
最初に用意される水酸化カルシウム水懸濁液は、炭酸化工程で炭酸化され、炭酸カルシウム水懸濁液となる。このため、第2添加工程では、炭酸カルシウム水懸濁液となったものに、正リン酸が添加される。このため、ここでは、第2添加工程での工程管理温度は、水酸化カルシウム水懸濁液の炭酸化が終了した炭酸カルシウム水懸濁液におけるものとして説明する。
実験その4は、第2添加工程(水酸アパタイト層を形成するための正リン酸の添加工程)での、炭酸カルシウム水懸濁液の工程管理温度の違いを実験した。上述した基本的な炭酸カルシウム複合体の製造方法で説明した製造方法において、工程管理温度を変えながら炭酸カルシウム複合体を製造した。このように工程管理温度を変えながら製造することで、吸油量の基準を実現するための、工程管理温度の最適範囲を確認した。
実施例23は、基本的な炭酸カルシウム複合体の製造方法で製造され、第2添加工程を開始する際の、炭酸カルシウム水懸濁液の工程管理温度を25℃として第2添加工程が実施された。工程管理温度を25℃として第2添加工程が実施されて製造された炭酸カルシウム複合体が、実施例23である。
実施例24は、基本的な炭酸カルシウム複合体の製造方法で製造され、第2添加工程を開始する際の、炭酸カルシウム水懸濁液の工程管理温度を45℃として第2添加工程が実施された。工程管理温度を45℃として第2添加工程が実施されて製造された炭酸カルシウム複合体が、実施例24である。
実施例25は、基本的な炭酸カルシウム複合体の製造方法で製造され、第2添加工程を開始する際の、炭酸カルシウム水懸濁液の工程管理温度を55℃として第2添加工程が実施された。工程管理温度を55℃として第2添加工程が実施されて製造された炭酸カルシウム複合体が、実施例25である。
実施例3は、実験その1、その3で説明した通りの結果である。実施例3は、炭酸カルシウム水懸濁液の工程管理温度を65℃として製造された炭酸カルシウム複合体である。
実施例26は、基本的な炭酸カルシウム複合体の製造方法で製造され、第2添加工程を開始する際の、炭酸カルシウム水懸濁液の工程管理温度を75℃として第2添加工程が実施された。工程管理温度を75℃として第2添加工程が実施されて製造された炭酸カルシウム複合体が、実施例26である。
実施例27は、基本的な炭酸カルシウム複合体の製造方法で製造され、第2添加工程を開始する際の、炭酸カルシウム水懸濁液の工程管理温度を85℃として第2添加工程が実施された。工程管理温度を85℃として第2添加工程が実施されて製造された炭酸カルシウム複合体が、実施例27である。
実験その5は、最終的に製造される炭酸カルシウム複合体のカルシウムとリンのモル比率(Ca/P)の違いによる結果を実験した。上述した基本的な炭酸カルシウム複合体の製造方法において、モル比率を変えるように添加する正リン酸の量を調整して、複数の実施例等の炭酸カルシウム複合体を製造した。
比較例4は、基本的な炭酸カルシウム複合体の製造方法で製造され、製造された炭酸カルシウム複合体において、カルシウムとリンのモル比率(Ca/P)が、1.68である、炭酸カルシウム複合体である。
実施例28は、基本的な炭酸カルシウム複合体の製造方法で製造され、製造された炭酸カルシウム複合体において、カルシウムとリンのモル比率(Ca/P)が、1.82である、炭酸カルシウム複合体である。
実施例29は、基本的な炭酸カルシウム複合体の製造方法で製造され、製造された炭酸カルシウム複合体において、カルシウムとリンのモル比率(Ca/P)が、1.92である、炭酸カルシウム複合体である。
実施例30は、基本的な炭酸カルシウム複合体の製造方法で製造され、製造された炭酸カルシウム複合体において、カルシウムとリンのモル比率(Ca/P)が、2.01である、炭酸カルシウム複合体である。
実施例31は、基本的な炭酸カルシウム複合体の製造方法で製造され、製造された炭酸カルシウム複合体において、カルシウムとリンのモル比率(Ca/P)が、2.21である、炭酸カルシウム複合体である。
実施例32は、基本的な炭酸カルシウム複合体の製造方法で製造され、製造された炭酸カルシウム複合体において、カルシウムとリンのモル比率(Ca/P)が、2.40である、炭酸カルシウム複合体である。
実施例33は、基本的な炭酸カルシウム複合体の製造方法で製造され、製造された炭酸カルシウム複合体において、カルシウムとリンのモル比率(Ca/P)が、2.59である、炭酸カルシウム複合体である。
実施例3は、基本的な炭酸カルシウム複合体の製造方法で製造され、製造された炭酸カルシウム複合体において、カルシウムとリンのモル比率(Ca/P)が、2.60である、炭酸カルシウム複合体である。
実施例34は、基本的な炭酸カルシウム複合体の製造方法で製造され、製造された炭酸カルシウム複合体において、カルシウムとリンのモル比率(Ca/P)が、3.00である、炭酸カルシウム複合体である。
実施例35は、基本的な炭酸カルシウム複合体の製造方法で製造され、製造された炭酸カルシウム複合体において、カルシウムとリンのモル比率(Ca/P)が、3.20である、炭酸カルシウム複合体である。
実施例36は、基本的な炭酸カルシウム複合体の製造方法で製造され、製造された炭酸カルシウム複合体において、カルシウムとリンのモル比率(Ca/P)が、5.00である、炭酸カルシウム複合体である。
実施例37は、基本的な炭酸カルシウム複合体の製造方法で製造され、製造された炭酸カルシウム複合体において、カルシウムとリンのモル比率(Ca/P)が、8.00である、炭酸カルシウム複合体である。
実施例38は、基本的な炭酸カルシウム複合体の製造方法で製造され、製造された炭酸カルシウム複合体において、カルシウムとリンのモル比率(Ca/P)が、15.0である、炭酸カルシウム複合体である。
実施例39は、基本的な炭酸カルシウム複合体の製造方法で製造され、製造された炭酸カルシウム複合体において、カルシウムとリンのモル比率(Ca/P)が、25.0である、炭酸カルシウム複合体である。
比較例5は、基本的な炭酸カルシウム複合体の製造方法で製造され、製造された炭酸カルシウム複合体において、カルシウムとリンのモル比率(Ca/P)が、30.0である、炭酸カルシウム複合体である。
発明者は、製造した炭酸カルシウム複合体の物性も確認した。図3は、本発明の実施の形態2における実施例3の炭酸カルシウム複合体のSEM写真である。図3から明らかな通り、実施例3の炭酸カルシウム複合体の外周には、水酸アパタイト層が形成されている。更に、この水酸アパタイト層は、鱗片形状を有している。
(X線回折での確認)
図4は、本発明の実施例3の炭酸カルシウム複合体のX線回折結果を示す図面である。本結果から分かるとおり、炭酸カルシウム複合体は、CaCO3およびCa5(PO4)3(OH)のそれぞれにピークを有しており、炭酸カルシウムと水酸アパタイト層を有していることが確認された。本発明の実施例は、炭酸カルシウムと水酸アパタイト層を備える構造を有することが確認された。
実施の形態1、2で説明された炭酸カルシウム複合体が添加されることで、様々な組成物が実現できる。炭酸カルシウム複合体は、充填剤などとして添加されて、様々な組成物を実現できる。
2 炭酸カルシウム
3 水酸アパタイト層
Claims (13)
- カルサイト型炭酸カルシウムと、
前記カルサイト型炭酸カルシウムの外周に形成される水酸アパタイト層、とからなり、
リンの重量に対する吸油量が、15ml/g以上である、炭酸カルシウム複合体。 - カルシウムとリン(Ca/P)のモル比率が、1.8〜25である、請求項1記載の炭酸カルシウム複合体。
- 前記炭酸カルシウム複合体全体の重量に対する吸油量が、150ml/100g以上である、請求項1または2記載の炭酸カルシウム複合体。
- 前記炭酸カルシウムは、X線回折で測定した結晶子サイズが70nm未満である、請求項1から3のいずれか記載の炭酸カルシウム複合体。
- 前記炭酸カルシウムは、水酸化カルシウム水懸濁液に二酸化炭素ガスを添加する炭酸化工程を一部に含む製造工程で製造された、請求項1から4のいずれか記載の炭酸カルシウム複合体。
- 前記二酸化炭素ガスを添加する前から前記炭酸化工程が終了するまでのいずれかの時点において、前記水酸化カルシウム水懸濁液に対して15wt%未満の正リン酸および正リン酸塩の少なくとも一方を加える第1添加工程を、更に備える前記製造工程で製造された、請求項5記載の炭酸カルシウム複合体。
- 前記第1添加工程の後で、前記水酸化カルシウム水懸濁液に、正リン酸を添加する第2添加工程を更に備え、前記第2添加工程は、前記水酸アパタイト層を形成する、請求項6記載の炭酸カルシウム複合体。
- 前記第2添加工程開始時の、前記水酸化カルシウム水懸濁液の工程管理温度が、25℃以上85℃以下である、請求項7記載の炭酸カルシウム複合体。
- 前記水酸アパタイト層は、鱗片形状を有する、請求項1から9のいずれか記載の炭酸カルシウム複合体。
- 請求項1から10のいずれか記載の炭酸カルシウム複合体が添加された組成物。
- 前記組成物は、顔料、化粧料、美容剤、歯磨き剤、塗料、研磨剤および研磨助剤のいずれかである、請求項9記載の組成物。
- カルサイト型炭酸カルシウムと、
前記カルサイト型炭酸カルシウムの外周に形成される水酸アパタイト層、とからなる炭酸カルシウム複合体の製造方法であって、
水酸化カルシウム水懸濁液に二酸化炭素ガスを添加する炭酸化工程と、
前記二酸化炭素ガスを添加する前から前記炭酸化工程が終了するまでのいずれかの時点において、前記水酸化カルシウム水懸濁液に対して15wt%未満の正リン酸および正リン酸塩の少なくとも一方を加える第1添加工程と、
前記第1添加工程の後で、前記水酸化カルシウム水懸濁液に、正リン酸を添加する第2添加工程と、を備え、
リンの重量に対する吸油量が、15ml/g以上である炭酸カルシウム複合体の製造方法。 - 前記第2添加工程開始時の、前記水酸化カルシウム水懸濁液の工程管理温度が、25℃以上85℃以下である、請求項12記載の炭酸カルシウム複合体の製造方法。
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