図1はこの発明の一実施例の冷却装置を示す概略図である。この実施例の冷却装置10は、保水体12と、その保水体12を囲繞する包み部材14を備える。なお、冷却装置10の全体の形状やサイズ(寸法)は、必要な冷却能力、冷却する対象物、冷却する態様等に応じて任意に設計され得ることを予め指摘しておく。
保水体12は、外部から水を取り込む(吸水する)ことができ、その取り込んだ(吸水した)水を保持しておくことができる部材であり、材質や形状は任意であるが、一例として、連続した気泡(保水部)を有し、保持した水が表面に露出する、そのような部材である。この実施例では、保水体12として、たとえばPVA(ポリビニルアルコール)樹脂のような極細化学繊維(マイクロファイバ)を用いて作った吸水性部材((超)吸水タオルまたは保水タオルなど)が用いられる。
なお、この保水体12の保水性能は、一例として体積含水率で表すことができるが、この実施例の保水体12としては、30%以上の体積含水率を持つ吸水性材料を用いる。
さらに、包み部材14は、実施例では透湿防水生地で作られる。透湿防水生地とは、水蒸気の分子より大きく水の分子より小さい孔をもつ素材であり、分子の大きさの違いを利用することによって、水は通さないが水蒸気(湿気)だけを通す機能を持った生地である。たとえば、表面のナイロンなどと裏面のウレタンまたはナイロンなどを貼り合わせることによって形成され得る。一般的に水蒸気の大きさは約0.0004μm、水滴の大きさは約100‐3000μmであり、一方、透湿防水生地の孔の大きさは約0.1‐5μmであるため、水蒸気は外部に放出し、水は外部へ漏出することはない。
透湿防水生地の一種に撥水性生地がある。撥水性生地とは、たとえばナイロン製の平織の布の一面または両面に撥水加工を施した生地である。撥水加工は、布を撥水加工剤で処理し、繊維表面を疎水化する方法である。包み部材14の透湿防水生地はこの撥水性生地であってもよい。
このような透湿防水生地の性能は、また、pF値として定義することができる。ここで「pF値」とは、土壌学における数値であり、水が毛管力によって引き付けられている強さの程度を表す値のことであり、実施例で用いる透湿防水生地は、4.2以下のpF値を有する。
実施例においては、包み部材14の透湿防水生地として、一例として、テクノロン5000(TEC‐5000)(商品名)が利用できる。
さらに、包み部材14は、実施例では透湿防水生地で作られる。このような包み部材14は、保水体12の出し入れのため、または水を包み部材14内に注入するための開閉部16を有する。この開閉部16は、実施例では、たとえば「ジョイロン」(YKK株式会社の商品名)のようなレールファスナである。しかしながら、これに限定されるものではなく、水密的に開閉できるものであれば、任意の開閉手段を利用することができる。
このような冷却装置10においては、まず、保水体12に保水(吸水)させて、開閉部16から包み部材14の中へ保水体12を入れる。この場合、開閉部16は、包み部材14へ出し入れするための出し入れ口として機能するする開口である。また、この場合、保水体12を包み部材14から取り出せるので、必要に応じて保水体12を洗浄して、清潔に保つことができる。
あるいは、開閉部16を少し開けて、その開閉部16から水を包み部材14の中へ水を入れて、保水体12に吸水させるようにしてもよい。この場合、開閉部16は、注水口として機能する開口である。ただし、注水口として機能させる場合、開閉部16は小さくてもよい。
つまり、開閉部16は、保水体12に吸水させるための開口である。
この実施例の冷却装置10では、包み部材14が透湿防水生地で作られているので、包み部材14の中に直接水を入れても、包み部材14から水が漏れたりすることがない。
保水体12に保持されている水の分子どうしが衝突することによって、さらに包み部材14の外部からのエネルギを受けることによって、水が蒸発する。常温の水が蒸発するときの蒸発潜熱は、1グラム当たりおよそ539kcalであることが知られているが、保水体12内の水がこのようにして蒸発することによって潜熱が奪われるので、この保水体12の温度が低くなる。したがって、冷却装置10自体の温度が低下する。そして、冷却装置10に接近または密着した物(図示せず)があれば、保水体12の温度低下で、その物が冷却される。
なお、保水体12から蒸発した水蒸気は、図2に示すように包み部材14を通って、外部に放出される。ただし、包み部材14が透湿防水生地で作られているので、保水体12から水が離脱しても、その水が包み部材14の外へ出ることはない。
図1の実施例において、保水体12が包み部材14で覆われているため、保水体12が受ける熱エネネギ(=照射エネルギIE−反射エネルギRE)は減少する。したがって、保水体12の冷却効果が一層助長される。つまり、包み部材14の表面が濡れ色(表面が水で満たされた状態)ではないため、光エネルギの反射が高められるので、包み部材14を透過する光エネルギが小さくなり、保水体12が受けるエネルギが減少するのである。
包み部材14は透湿防水生地で作られているため、包み部材14の外表面は乾燥している。つまり、包み部材14の表面は濡れ色ではないため、比表面積が大きく、空気への顕熱移動が効率的に行われ、冷却効果は損なわれにくい。
さらに、包み部材14の表面には水がないので、包み部材14の熱容量は小さい。つまり、包み部材14に顕熱を溜めないので、空気中への顕熱移動が速やかに行われ、冷却効果が大きい。
図1実施例の効果を図3に示すグラフで説明する。図3のグラフは、図1の実施例の冷却装置10を含む空間を、一例として、ハロゲンランプによって、650W/m2の光エネルギを照射した結果を示す。ちなみに、真夏の12時のエネルギが900w/m2程度である。
図3の太い一点鎖線である線A1が図1の実施例の冷却装置10の包み部材14の表面の温度を示し、やや細い一点鎖線である線A2が保水体12の温度である。線Bが冷却装置10を配置した空間の温度を示し、線Cが湿度を示し、線Dが、比較のために置かれたコンクリート平板の表面温度を示している。
線Dで示すように、コンクリート平板の表面温度は、照射開始から急激に上昇し、周囲温度よりはるかに高くなった。これに対して、冷却装置10および保水体12の温度は、線A1および線A2で示すように、照射初期においては上昇するが、およそ20分経過すると、それぞれ35度および33度ぐらいで安定し、300分経過後再び温度上昇が生じる。これは、保水体12に保持した水の量が蒸発によって失われ、蒸発潜熱が徐々に小さくなってきたことを示している。
このように、エネルギ照射に伴ってコンクリート平板の温度は上昇するのに対し、冷却装置10や保水体12の温度はほぼ一定を維持しているので、実施例の冷却装置10において冷却効果が発揮されていることがわかる。
図3に示す線E1が、ナイロン製の撥水性生地で包み部材14を製作したときの冷却装置10の表面温度であり、線E2が保水体12の温度を示す。線E1およびE2からわかるように、撥水性生地で作った包み部材14を用いた冷却装置10でも線Dで示すコンクリート平板の温度に比べてはるかに低温である。ここで、図3の線F1およびF2は、撥水性生地との比較のために実験で使用した、撥水加工をしていないナイロン製の布で包み部材14を形成した場合の冷却装置10の表面および保水体12の温度を示す。線E1およびE2およびF1およびF2の比較からわかるように、ナイロン製の撥水性生地で作った包み部材14を用いた冷却装置10と、撥水加工なしのナイロン製の布で作った包み部材14を用いた冷却装置10では、5°程度の温度差があり、撥水性生地を透湿防水生地の包み部材14として使用した冷却装置10も顕著な冷却効果を示す。
ただし、線A1およびA2で示す透湿防水性生地の場合と、線E1およびE3で示す撥水性生地の場合で温度差があるが、これは、主として、実験に用いた両生地の厚みや材料の違いによる熱容量等の差に起因するものであるが、撥水性生地の場合でも顕著な冷却効果が発揮されていることは容易に理解できる。
さらに、上述の実施例では保水体12として吸水タオルのような化学繊維製の吸水部材を利用した。しかしながら、保水体12として、本件発明者等が提案した保水成形体が利用されてもよい。その保水成形体は、たとえば特許第5084501号公報に記載されている。たとえば、セメントを硬化させたセメントゲルによって作られた板状ブロックの中に形成された貯水部分に水保持されるため、保水性成形体を保水体12として使用することができる。
ここで、発明者等は、普通の布で保水バンドを挟み、その状態で水に浸して使用する、特許文献1の保冷バンドを想定した実験を行った。
実験では、図1実施例の冷却装置10で保水体12として使用するPVAシートをそのままむき出しにした状態の比較例と、図1実施例のように、PVAシートのような保水体12を透湿防水生地の包み部材14で包んだ冷却装置10のそれぞれのPVAシートの蒸発速度を比較した。比較例は、保水体の水が直接外気に接しているという点で、保水バンドの水が本体バンドを通して外気に接している特許文献1と同等ということができる。
図4は、図1実施例のように、給水したPVAの保水体12の上に透湿防水生地の包み部材14を被せて照射試験を行った場合の、包み部材14の表面温度の推移(実線)と、比較例として給水したPVAのみの表面温度(点線)を示す。照射器具は消費電力500Wのハロゲンランプを使用し、照射強度は650W/m2である。
図4を見ると、比較例では、実験開始から約15分間は急激に35.5℃程度まで昇温し、そこから実験開始から約200分後まで降下(このときの温度は約33.5℃)した後、急激に再度昇温している。
これに対して、実施例においては、実験開始から15分間は急激に33.5℃程度まで昇温するが、その後は概ね一定温度で実験開始から約300分後まで推移した後、急激に再度昇温している。
このような差が生じる理由について、まず比較例の場合では、実験開始初期における吸水したPVAシートの表面は、PVAシートが満水なので濡れ色が濃いために光を吸収し易く、また比表面積も小さいために空気中への熱移動も少ないと考えられる。ところが、時間の経過とともに、乾燥が進み徐々に濡れ色が薄くなっていき、光の反射率が増加する。同時に、比表面積も増加していき、空気中への熱移動も多くなっていく。このため、水分が少なくなって再度急激な昇温となる直前が最も低温を示すものと考えられる。
このような推移傾向は多くの材料で見られるが、日常の体験としては、手を水で洗った後そのまま放置しておくと、最初は水の温度を感じているが、乾いてくるとさらに冷たさを感じるようになる。これも同じ現象だと考えられる。
次に、実施例の場合においては、吸水したPVA(保水体)が満水であっても、光エネルギを受けるのは乾いた(水に濡れていない)包み部材14の表面なので、常に乾き色で比表面積も変化しない。つまり、反射率も空気中への熱移動率も変化しない。このために、水分が少なくなって再度急激な昇温となるまで一定温度を示すものと考えられる。
これらのことは蒸発速度からも分かるので、参考のために図5、図6に示しておく。図5が比較例の蒸発速度を示し、図6が実施例の蒸発速度を示す。このような蒸発速度の違いについては、上述した理由によるものと考えられるので、ここでの説明は省略する。
以上のように、実施例のように透湿防水生地からなる包み部材14で保水体12を被覆した場合は、特許文献1の保冷バンドに相当する比較例の場合よりも、光エネルギを受けた場合において低温を維持することに優れている。ただし、この効果を発揮させるためには、とにかく表面が乾燥していることが重要なので、保水体の水が包み部材14の外の外気と接触しないことがポイントである。逆にいえば、特許文献1のように保水した水が外気に接触する場合には、低温維持に難点がある。
そして、実施例では、包み部材14は透湿防水生地であるので、保水体12の水が包み部材14の表面に漏れることがないので、上述のような低温持続効果に優れているだけでなく、使用者が自分の体に実施例の冷却装置10を当てても、表面が乾いていて、べっとりとした不快感を生じることがない。
図1実施例のような冷却装置10はさまざま用途に利用できる。たとえば、湿布や熱さまし用の冷却シートなどとして利用できる他、必要な変更を加えてさまざまに利用できる。
図7は冷却装置10を枕として使用する実施例を示す。この実施例では、冷却装置10は、図1実施例と同様に、透湿防水性能を有する包み部材14の中に、保水体12とその保水体12の下に配置された弾性体18を収容する。実施例の弾性体18は、たとえばポリオレフィン系樹脂からなる立体網状構造体である。図7実施例では、冷却装置10の上側(保水体12側)の上面に人間の頭を載せて使用する。上述のように冷却装置10は冷却効果を有し、冷却装置10自体の温度が低下するので、枕として利用する場合、頭も冷やされる。したがって、夏用枕として、あるいは水枕として利用できる。
なお、睡眠用枕として使用する場合、必要な持続時間に応じて保水体12の吸水(保水)容量を決定すればよく、保水体12の厚みを大きくする必要がある場合など、場合によっては、弾性体18と保水体12を兼用させることも可能である。
包み部材14の防水性能の程度によっては包み部材14の表面に湿気を感じることもあるので、図7実施例のように冷却装置10を枕として利用する場合、図8に示すように、たとえばゴムや軟質プラスチックなどからなる遮水膜20を配置するようにしてもよい。つまり、人間の頭が当たる、冷却装置10の包み部材14の下にそのような遮水膜20を設けることによって、包み部材14その部分の表面に湿気が付着するのを防止することができ、人に与える可能性がある不快感を防止する。
図8の実施例ではまた、布団やベッドと接する側の包み部材14の部分14aを防水生地(透湿機能を持たない)で作ることが考えられる。この実施の例では、透湿機能を持たない防水部分14aによって、布団やベッドに水蒸気が伝わらないので、布団やベッドの枕の下が濡れることがない。
図8実施例のように、包み部材14の全部が透湿機能を持っている必要はなく、全体に必要な機能は防水機能であり、透湿機能は必要な場所にのみ持たせておればよい。
図9は図7または図8に示す実施例の冷却装置10の1つの利用例を示す。この実施例では、冷却装置10の包み部材14に適宜肩掛け用のバンド22を取り付け、それを用いて、冷却装置10をリュックサックのように背中に背負う。このとき、弾性体18が背中側になるようにする。図8の実施例の冷却装置10の場合、
この図9の実施例では、冷却装置10の保水体12による冷却効果によって、背中が冷やされる。
図10に示す実施例の冷却装置10では、保水体12に透孔ないしスリット12aを形成するとともに、下面に蒸れ防止用のメッシュ部材24を設けた。メッシュ部材24としては、一例として、東洋紡株式会社製の「アイスマックス」(商品名)のように、高熱伝導性素材が利用できる。
図10の実施例は、衣料や帽子さらには靴の素材として利用できる。このような素材として好適するように、メッシュ部材24によってべたつきを緩和するようにするとともに、保水体12の透孔ないしスリット12aによって包み部材14内の湿度が100%にならないようにしている。
図10の実施例の冷却装置10も、図9のような背負い型の冷却装置として利用することができる。
図11‐図13はこの発明の他の実施例の冷却装置10を示す。この実施例の冷却装置10は、長手の袋状の包み部材14を含み、包み部材14の一方端は開口された開放端26として形成される。包み部材14の他方端は、折り返して縫い合わされた輪状部28として形成される。そして、包み部材14の中には図12に示すような保水体12が、その一方端32において、芯材30とともに、縫い込まれる。これは、包み部材14の一方端が開放端26であるため、そこからの保水体12の脱落を防止するためである。
この実施例の冷却装置10では、包み部材14の開放端26から包み部材14の内部に水を注ぎ、保水体12に十分保水させる。この実施例の冷却装置10では保水体12が縫い込まれているので、保水体12を取り出して吸水させることはできない。そこで、包み部材14の内部に水を注入することによって、保水体12に吸水させるようにしている。その意味で、開放端26は、注水口として機能する。
そして、たとえば図13に示すように、輪状部28に、開放端26から包み部材14を通して、環状にし、たとえば首などの冷却したい場所に装着する。
図11‐13の実施例では、包み部材14の一方端を注水口として開放しているが、この部分を図1実施例のように水密的な開閉部として形成し、出し入れ口または注水口として機能させるようにしてもよい。
図14の実施例では、冷却装置10は有底中空筒(円筒、角筒)状の包み部材14を有し、その中空部を規定する内面部分14a(内周面および底部内面を含む)は、たとえばゴムやプラスチックのような防水生地で形成され、外周面が透湿防水生地で形成される。包み部材14の外周面には、包み部材14内に収納する保水体12を出し入れするための開閉部16が形成される。そして、包み部材14の筒状部および底部に、筒状部および底部に個別のまたは一体的な保水体12を収容する。
図14の実施例では、上で説明した保水体12による冷却効果によって、中空部内の温度上昇が抑制されるので、その中空部に物を収納してクーラーボックスのように使用することが考えられる。
なお、図14の実施例は、収容部に収容するものに応じて、化粧ポーチ、ワインクーラー、PETボトルクーラーなどとしても利用可能である。
図15の実施例では、立体網状構造体のような弾性体18によって中実筒状(円筒、角筒)に形成され、その弾性体18を包み込むように包み部材14が形成される。包み部材14の側面部14aは防水生地で形成し、上面および底面を透湿防水生地で形成する。上面および底面にそれぞれ開閉部16を設け、包み部材14の側面部14aと弾性体18との間に、保水体12をそれぞれ収容する。
この実施例でも、保水体12による図1実施例と同様の冷却効果によって、冷却装置10の全体が冷却される。
図15の実施例は、一例として、クッション(アウトドア用、インドア用)、抱き枕などとして利用できるし、立体網状構造体のような弾性体18に代えて別の物を収容することもできる。そうすれば、その物も冷却できる。たとえば、寝袋、レジャーシートなどのアウトドア用品が考えられる。
図16および図17に示す実施例では、冷却装置10が、庇や壁として利用される。たとえば、デッキの上に設けた庇を適宜のサイズ、形状の冷却装置10で形成し、その庇の下方の一面を覆う壁も冷却装置10で形成する。
この実施例でも実施例装置10は、保水体12とそれを囲繞する包み部材14を含み、必要に応じて、立体網状構造体のような弾性体18を用いる。
図17で示すように、冷却装置10の近傍には点滴灌水チューブ34を配置する。このチューブ34は、図17に示すように、包み部材14の内部の保水体12に水を点滴するためのものである。冷却装置10は、図10において点滴灌水チューブ34を設けた側が上になるように配置される。点滴灌水チューブ34は、包み部材14に形成された孔(図示せず)を通って包み部材14内部に、軸方向が図17の紙面に直交する方向に延びるように導入され、チューブの軸方向に間隔を隔てて形成された点滴孔(図示せず)から水を滴下し、保水体12の上端から水を供給する。したがって、この実施例では、冷却装置10の保水体12中に水が保持され続けるため、冷却装置10の冷却効果が持続する。
そして、庇や壁がクールオーニングやクールウォールとして機能するので、そこに存在する人は涼しさを感じることができる。
なお、図16および図17に示す実施例では点滴灌水チューブ34によって保水体12に水を供給するが、余剰水は、下側に配置される水抜き36から排出される。
なお、包み部材14は、全体が透湿防水性能を有する生地で形成されてもよく、前述のように一部が透湿防水生地で形成されてもよい。一部が透湿防水生地の場合、別の部分は情報の実施例のように防水生地で形成される。なぜなら、包み部材14内の保水体12から離脱した水が外部に漏れるのを防止する必要があるからである。ただし、包み部材14内の発生した水蒸気は透湿防水部分から外部に放出されることによって、冷却効果が持続するので、透湿防水生地の部分の割合が大きいことに越したことはない。
いずれの場合も、包み部材14は、全体として防水性能を持ち、少なくとも一部が透湿性能を持つものである。
なお、上で挙げた具体的数値は、いずれも単なる一例であり、製品の仕様などの必要に応じて適宜変更可能である。