JP2017188972A - ジャンプスタータ、及びジャンプスタータの充電方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単な機構の追加又は改変により、外部電源の充電に頼ることなく、連続したジャンプスタートが可能なリチウムイオン電池からなるジャンプスタータを提供する。【解決手段】ジャンプスタータ1は、リチウムイオン電池からなる蓄電池20と、蓄電池20からの電流をジャンプスタート用端子31に通電する出入力回路部30と、全体の動作を制御する制御部40とから構成される。出入力回路部30ではこれに加え、ジャンプスタートしたエンジンに同期して稼働開始する車載オルタネータから流入する逆電流を直ちに遮断することなく、制御部40の制御によってジャンプスタータ1への所定量の逆電流の流入を許容する。この逆電流を蓄電池20に導くことで、蓄電池20への充電が可能となる。制御部40は、前記所定量の逆電流の流入を経過時間や蓄電池20の充電度に基づいて遮断するよう制御し、蓄電池発火などのトラブルを回避して安全を確保する。【選択図】図1
Description
本発明は、バッテリ上がりとなった車両に対し外部から電気を供給して当該車両のエンジンを起動させる補助電源装置、通称ジャンプスタータ、並びにジャンプスタータの充電方法に関する。
車両に搭載されたバッテリが過放電となってエンジンの再起動が不能となった場合、すなわち車両がバッテリ上がりとなった場合、当該バッテリにケーブルを介して外部から電流を流し、エンジンを起動させるための外部補助電源装置、通称ジャンプスタータ(以下、「ジャンプスタータ」と呼ぶ。)が使用されている。一旦エンジンが再起動すると、車両に搭載されたオルタネータ(発電機)が稼働して発電を開始し、これによってその後は必要な電力が供給されてバッテリが充電されるため、ジャンプスタータは直ちに取り外されても支障は生じない。すなわち、ジャンプスタータは基本的に、短時間のみの電力供給を行えばその機能を全うする装置である。
ジャンプスタートには各種手段が用いられるが、シンプルな方法として知られているのは、車両から取り外された別のバッテリ、あるいは別の車両に搭載されたままのバッテリを使用し、これをバッテリ上がりの車両に搭載されたバッテリにつないでエンジンを起動させる方法である。しかしながらこの方法は簡便ではあるものの、整備工場や車両展示場などでの業務用としての使用、あるいはドライブ用などには不向きでもあることから、外部電源としてジャンプスタート用に特別に準備されたジャンプスタータが用いられている。
旧来から知られた多くのジャンプスタータは鉛蓄電池が使用され、これは安価で安全性も比較的高いという利点はあるが、サイズが大きくて重量がかさばるなどの欠点があった。蓄電池としては他にニッケル・カドニウム蓄電池、ニッケル水素蓄電池なども知られているが、昨今普及し始めているものにリチウムイオン電池がある。リチウムイオン電池の特性として、鉛蓄電池と比較してはるかに小型、軽量にでき、大電流も得られるという利点が挙げられる。その反面、取扱いには十分な注意を必要とし、特に過充電した場合には電解液の酸化・結晶構造の破壊等の要因によって発熱、出火、ときには爆発する危険性をはらむ。過放電や衝撃を与えた場合にも同様な事態が起こり得る。それでもリチウムイオン電池が具えるその利便性の故に、既に市場においてはジャンプスタータとしても広く使用されるようになっている。なお、リチウムイオン電池は陽極と陰極の間をリチウムイオンが移動することで充電と放電とが可能であり、放電のみを行う一次電池であるリチウム電池と区別して正式には「リチウムイオン二次電池」と呼ばれるが、本明細書ではこれを単に「リチウムイオン電池」と呼ぶものとする。
リチウムイオン電池の中には、その一形態としてリチウムポリマ電池が知られている。これは、電池内に使用される電解質をゲル状の導電性ポリマに置き換えたもので、これによって電池全体のケースを金属製からフィルム層状のものに代えられることになり、電池全体がより小型、軽量となり、形状の自由度も高まるなどのさらなるメリットが得られる。加えて、電解質に揮発性が高く引火性の有機溶媒を用いるリチウムイオン電池と比べて安全性が幾分高まるとされる。しかしながら、出火、爆発などの危険性は残るために過充電、過放電などが禁物であることに変わりはなく、取扱いには同様な注意を要する。
リチウムポリマ電池はジャンプスタータとして利用されているほか、小型、軽量の利点を生かしてスマートフォン、携帯電話用の電池、さらにはラジコン飛行機、ドローンなどの電力供給装置としても広く使用されるようになっている。以下、本明細書では、特記ない限りリチウムイオン電池にはこのリチウムポリマ電池をも含むものとする。リチウムイオン電池にはこの他にも、陽極、陰極電解質などの材質、性状などにより、例えばチタン酸リチウムイオン電池なども実用化されており、本明細書のリチウムイオン電池には、これら他の形式のリチウムイオン電池をも包含するものとする。
一般にリチウムイオン電池の1セル当りの定格電圧は約3.7Vであり(チタン酸リチウムイオン電池は約2.4V)、放電終了時の電圧は約3V、充電完了時の電圧は約4.2Vである。エネルギ密度は100〜150Wh/kgとなり、これは鉛蓄電池の約5倍にも相当する。バイクや車両に使用されるバッテリ電圧は一般に12Vであるから、リチウムイオン電池を用いてジャンプスタータにするには、リチウムイオン電池のセルを3個または4個直列につないで使用すればよい(3個のフル充電で4.2×3=12.6V、4個の定格電圧で3.7×4=14.8V)。さらに大型車両には24Vのバッテリ電圧を使用するものがあり、これに対応するジャンプスタータはセルを6個(4.2×6=25.2V)、7個(3.7×7=25.9V)、もしくは8個(3.7×8=29.6)直列に配置すればよい。本願発明者らが行ったテストによれば、3個のセルを用いた12V用のリチウムポリマ電池を備えるジャンプスタータでは4000ccのガソリンエンジンの起動が楽に可能であった。機械的負荷が高いジーゼルエンジンでは3000cc級までの起動が可能である。上記の1セル当り2.4Vのチタン酸リチウムイオン電池では、5個、10個を直列に配置することによって、それぞれ12V用(2.4V×5)、24V用(2.4V×10)のジャンプスタータを構成することができる。なお、これらのリチウムイオン電池の配置個数は例示であって、古いバイクなどでは定格6Vのものもあるため、車両側のバッテリ電圧に応じてその数は適切に選択すればよい。
上述のように、リチウムイオン電池を使用することで鉛蓄電池とは比較にならない小型・軽量のジャンプスタータの実現が可能となるが、そのためには上述したリチウムイオン電池の弱点ともいえる安全対策への対応が不可欠となる。ジャンプスタータとして使用された際に発火や爆発が起きると、車両の燃料系統が近くに存在していることから大惨事にもなり兼ねない。従来技術においても、そのための安全対策が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。図3は、特許文献1に開示されたジャンプスタータ(同文献の呼称は「車両用補助給電装置」)の概略回路図を示している。以下、図3を参照してその概要を説明する。
図3において、当該ジャンプスタータ100は、図の左側に表示の充電回路部110と、中央部に表示されたリチウムイオン電池からなる蓄電池120及び制御部140と、右側に表示の出力回路部130とから主に構成されている。充電回路部110には、外部電源入力端子111(DC12VまたはAC100V)が接続されている。外部電源からの電流は、外部電源入力端子111から充電回路部110を経て制御部140に流れ、内部にある充電制御部141に制御されて蓄電池120に送られる。充電回路部110内には第1の検出部112と、電流遮断機能を果たす第1のMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Transistor)113とが設けられている。入力側に異常が見られた場合には検出部112がこれを検出し、充電制御部141の指令に基づいてMOSFET 113が動作して電流を直ちに遮断するよう構成されている。これにより、充電時における過剰電流の流入や過充電ほかに起因する異常事態の発生を回避し、蓄電池120ならびにジャンプスタータ100を安全に保護している。
一方、図の右側に表示された出力回路部130にはジャンプスタート出力端子131(12V/4.5Ah)が接続され、蓄電池120からのジャンプスタート用電流が、制御部140の出力制御部142に制御されて出力回路部130を経由してジャンプスタート出力端子131へ、さらにはバッテリ上がりとなった図示しない車載バッテリへと供給される。出力回路部130内には第2の検出部132と第2のMOSFET 133とが設けられ、出力側に異常が見られた場合には検出部132がこれを検出し、出力制御部142の指令に基づいてMOSFET 133が動作して出力電流を直ちに遮断するよう構成されている。出力回路部130にはさらなる機能として、出力端子131を介してジャンプスタータ1へ逆流してくる逆電流を検出してこれを遮断する機能を備えるが、これに関しては以下に詳述する。これらの機能により、ジャンプスタート時における車載バッテリ側への過放電、車両側からの電流の逆流ほかに起因する異常事態の発生を回避し、蓄電池120ならびにジャンプスタータ100を安全に保護している。
図4は、一般的なジャンプスタータの使用状況を示している。図においてジャンプスタータ100は、一般にブースターケーブルと呼ばれる電源ケーブル120を介して車載バッテリ200の陰極、陽極にそれぞれ接続される。通常、2本のケーブルの色が赤(陽極用)と黒(陰極用)に色分けされ、使用者の注意を喚起して逆接続などによる万一のトラブル発生を回避している。接続が完了するとジャンプスタータ100のスイッチ145が押され、これに合わせて運転席のエンジンスタータが操作されることでジャンプスタータ100を利用したエンジン起動が可能となる。
ジャンプスタータ100の使用により、一旦車両のエンジンが起動するとエンジンに同期して車載のオルタネータも起動することになり、発電が開始される。通常の車両使用状態であれば、このオルタネータで発電された電流は車載バッテリへの充電用として供給されるが、ジャンプスタート時には図4に示すように車載バッテリに電源ケーブル120を介してジャンプスタータ100も接続されているため、オルタネータの発電により生じた電流は電源ケーブル120からジャンプスタート用端子131(図3参照)を介して逆電流となって出力回路部130経由でジャンプスタータ100の蓄電池120(同)にも流れる。この逆電流の流入が放置されるとリチウムイオン電池が過充電されて発火、爆発等の事故の原因となり得る。そこで図3に示す従来技術では、出力制御部142の制御に基づき出力回路部130の検出部132と遮断器(第2のMOSFET 133)とによりこの逆電流を防ぐ機能を果たすものとしている。本明細書では、バッテリ上がりとなった車両側からジャンプスタータ―1へと逆流する電流を「逆電流」と呼ぶものとする。
この出力回路側における安全対策について特許文献1では具体的に、「…車載バッテリに電力が供給されてジャンプスタートが行われた車両は、エンジンが起動されるのに伴い、車両の発電機(注:オルタネータ)が起動されると、車両の発電機から車両用補助給電装置(注:ジャンプスタータ)に向けて大きな電流(過電流)が供給される。車両用補助給電装置は、検出部によりその過電流が検出されると、リレー回路等で構成された保護回路によって、電流経路を遮断(電流切断)して、その過電流をシャットダウン(カットオフ)する。」と記載され、これに対して特許文献1に係る発明では「…従来よりも、電流切断の反応時間の短縮が可能な車両用補助給電装置を提供する」として第2のMOSFET 133を備えた上記出力回路部130を設けるものとしている。
特許文献1では、このようにエンジン起動により車載のオルタネータから逆流してくる「大きな電流(過電流)」を「異常電流」であると捉え、この「異常電流」を検出部で検知してこれを直ちに遮断するよう構成されている。このような対応策は、何もこの特許文献1に限ることなく、「逆流保護」と称して特にはリチウムイオン電池を装備した従来技術におけるジャンプスタータでは共通した蓄電池保護対策であった。特許文献1は、この際の「電流切断の反応時間の短縮」を図ることを目的としている。また、当該ジャンプスタータ100の蓄電池の充電に関しては、図3の左側に表示された充電回路110の入力端子111を介してもっぱら外部電源を利用して行うものとしているが、このような方式も従来技術には共通するものであった。なお、特許文献1に示された回路図には、この他にパソコン用、シガープラグ用の出力端子、サイドライトやそのスイッチ、充電レベルを示すパイロットランプなどの付属器具が設けられているが、図3ではこれらの表示は省略している。
しかしながら、これら従来技術で知られたリチウムイオン電池を備えたジャンプスタータには改善の余地があった。ジャンプスタートの際には大量の電力が消費されるため、ジャンプスタータの蓄電池1回の充電で通常は数台から十数台まで(エンジンの種類、排気量等によって異なる)の車両をジャンプスタートするのが限度となり、その後は出力低下してエンジン再起動は不能となる。繰り返し使用のためには再充電が必要とされるが、この充電の間は当然ながらジャンプスタータの使用はできず、また利用者も充電のための手間と時間を取られることになる。外部電源から離れた遠隔地での繰り返し作業において出力低下した場合には、ジャンプスタータの使用そのものができなくなるなどの問題があった。
したがって本発明は、かかる従来技術にある問題点を解消し、ジャンプスタータへの簡単な機構の追加もしくは改変により、外部電源による充電に頼らなくても連続した繰り返しのジャンプスタートが可能となる機能を備えた、特にはリチウムイオン電池からなるジャンプスタータを提供することを目的としている。
本発明は、ジャンプスタータを使用してエンジンを起動させた直後に稼働し、発電を始める車両に搭載されたオルタネータから逆流してくる逆電流を、火災等の危険を排除しつつリチウムイオン電池の充電用に利用することによって、リチウムイオン電池からなるジャンプスタータであっても充電の手間を掛けることなく連続した繰り返しの使用を可能にし、上記課題を解消するものである。具体的には、以下の内容を含む。
すなわち、本発明に係る一つの態様は、バッテリ上がりとなった車両のエンジンを起動させるためのリチウムイオン電池からなる蓄電池を備えたジャンプスタータであって、ジャンプスタート後に車両側から流入する逆電流を直ちに遮断することなく、蓄電池の充電に必要な所定量の流入を許容した後に該逆電流が遮断される手段を備えていることを特徴とするジャンプスタータに関する。
前記ジャンプスタータは、前記所定量の流入を許容した後に逆電流が遮断される手段として、ジャンプスタート時からの所定時間経過時、または蓄電池のフル充電時のいずれかに基づいて遮断するよう制御する制御部を備えること、あるいは車両側のオルタネータの出力電圧よりも高い充電完了電圧の蓄電池を備えることができる。
本発明に係る他の態様は、バッテリ上がりとなった車両のエンジンを起動させるためのジャンプスタータであって、リチウムイオン電池からなる蓄電池と、該蓄電池に接続され、蓄電池からの電流をジャンプスタート用端子に通電させる出力回路部と、蓄電池および出力回路部に接続され、ジャンプスタータ全体の動作を制御する制御部とを備え、前記出力回路部が、ジャンプスタート時に蓄電池からジャンプスタート用端子へのジャンプスタート用電流の通電を許容することに加え、制御部の制御により、エンジンの起動後に稼働開始する車両のオルタネータからジャンプスタート用端子を介して流入する逆電流を直ちに遮断することなく、蓄電池の充電に必要な所定量を限度に当該逆電流の蓄電池への流入を許容した後に遮断するよう形成された出力回路部であることを特徴とするジャンプスタータに関する。
前記ジャンプスタータには、蓄電池と制御部とに接続された、前記リチウムイオン電池の各セルの充電量を検出する充電センサを設け、出入力回路部には、各セルがフル充電となった旨の充電センサからの信号に基づく制御部からの指令に基づいて前記逆電流の流入を遮断する遮断器を設け、これによって蓄電池の過充電を防止するようにしてもよい。
前記ジャンプスタータには、ジャンプスタート用の電流を通電させた後、もしくは前記オルタネータからの逆電流を流入させた後、所定時間経過後に前記制御部に信号を送るタイマ回路がさらに設けられ、前記出力回路部には、該タイマ回路の前記信号に基づく制御部からの指令に基づいて前記逆電流の流入を遮断する遮断器が備えられ、これによって蓄電池の過充電を防止するようにしてもよい。
本発明に係るさらに他の態様は、バッテリ上がりとなった車両のエンジンを起動させるためのジャンプスタータであって、前記車両のオルタネータの出力電圧よりも高い充電完了電圧のリチウムイオン電池からなる蓄電池と、ジャンプスタートのための前記蓄電池からの出力時と、前記蓄電池を充電するための入力時とで共用される出入力端子と、前記蓄電池と前記出入力端子との間を結ぶ配線と、以上の各要素を収納するケースとからなることを特徴とするジャンプスタータに関する。
以上述べた各ジャンプスタータには、温度・電圧を表示するモニタ、アラーム、USB端子、サイドライトの内の少なくともいずれか1つがさらに設けられてもよい。
本発明に係るさらに他の態様は、バッテリ上がりの車両のエンジンを起動させるためのジャンプスタータの充電方法であって、車両のバッテリに接続されたジャンプスタータからの電流の通電によってエンジンが起動した後、該車両のオルタネータの稼働開始によりジャンプスタータへ流入する逆電流を直ちに遮断することなく、所定量を限度に該逆電流の流入を許容し、当該逆電流を利用してジャンプスタータの蓄電池を充電することを特徴とするジャンプスタータの充電方法に関する。
前記逆電流の所定量の許容は、逆電流の流入を所定時間のみ許容すること、ジャンプスタータの蓄電池がフル充電されるまで許容すること、ジャンプスタータにオルタネータの発電電位よりも高い充電完了電圧の蓄電池を使用し、該蓄電池がオルタネータの発電電位に至るまでの逆電流流入を許容すること、のいずれかとすることができる。
本発明の実施により、小型・軽量、比較的大容量であるリチウムイオン電池の利点を生かしつつ、火災等のトラブルを発生させることなく安全に配慮された繰り返し使用が可能なジャンプスタータを提供することができる。特に、車両整備工場、車両展示場など、バッテリ上がりの車両のエンジンを起動させる頻度が高い環境においては、一々充電するための手間や待ち時間に煩わされることなく、連続した使用が可能となって作業性を大幅に改善させるというメリットを得ることができる。
本発明の第1の実施の形態に係るリチウムイオン電池を使用したジャンプスタータについて、図面を参照して説明する。図1は、本実施の形態に係るジャンプスタータ1の回路図の概要を示している。同図において、ジャンプスタータ1は、充電回路部10と、リチウムイオン電池からなる蓄電池20と、出力回路部30と、制御部40とから主に構成されている。まず充電回路部10において、その入力側には外部電源入力端子11(例えば、DC12VまたはAC100V用)がつなげられ、その出力側は蓄電池20に接続されている。充電回路部10はさらに、後述する制御部40の充電制御部41につながれ、自身の動作が制御されている。充電回路部10には第1の検出部12と第1の遮断器(スイッチ)13が設けられ、第1の検出部12にて過充電等の異常事態を検出した場合には充電制御部41の指令に基づいて遮断器13が動作し、入力電流を遮断することによって発火の危険性のあるリチウムイオン電池からなる蓄電池20ならびにジャンプスタータ1を保護している。検出部12による異常事態の検出には、図示しない電圧・電流センサ、温度センサなどが使用可能である。
次に、出力回路部30は、入力側が畜電池20に、出力側がジャンプスタート出力端子31(例えば、12V、24V用)にそれぞれ接続され、蓄電池20からの電流を出力回路部30経由でジャンプスタート出力端子31に流すよう構成されている。出力回路部30はさらに、後述する制御部40の出力制御部42につながれ、自身の動作が制御されている。出力回路部30には、第2の検出部32と、第2の遮断器(スイッチ)33とが含まれており、これによって蓄電池20の過放電などの異常事態が発生するとそれを第2の検出部32が検出し、出力制御部42の指令に基づいて第2の遮断器33が動作して出入力電流を遮断するよう構成され、蓄電池20ならびにジャンプスタータ1を保護している。第2の検出部32による異常事態の検出には、電圧・電流センサ、温度センサなどが使用可能である。これに加えて出力回路部30では、車両側から流入する逆電流を検出してこれを遮断する機能をも備えているが、本実施の形態に係るその特有な機能に関しては後述する。
次に、制御部40には充電制御部41と出力制御部42が含まれ、それぞれ充電回路部10、出力回路部30を制御して充電、出力の動作を適切に制御し、ジャンプスタートを安全に機能させるよう装置全体を制御している。これまでの各構成要素については、基本的に図3に示す従来技術に係るジャンプスタータ100と同様である。これに対して図1に示す本実施の形態に係るジャンプスタータ1では、蓄電池20を構成するリチウムイオン電池の各セルの充電状態を検出し、この検出結果の信号を制御部40へ送信するよう構成された充電センサ(バランサ)50を備えていることを特徴としている。制御部40では、充電センサ50からの信号によって蓄電池20がフル充電となったことを認識すると出力回路部30の第2の遮断器33に指令を出し、逆電流の通電を遮断するよう構成されている。すなわち、ここで遮断する電流は、車両側から逆流する電流であり、車両側に通電する場合における異常事態に対応した遮断動作は、従来技術におけると同様に出力回路部30の検出部32の検出結果に基づく。換言すれば、本実施の形態に係る出力制御部42は、こと逆電流の遮断に関しては、充電制御部41と同等の機能を果たすものとなる。
本発明の骨子は、ジャンプスタートにより稼働を始めた車載オルタネータからの逆電流が検出された際、従来技術のようにこれを直ちに遮断することなく、一定の条件下でジャンプスタータ1への逆電流の流入を許容し、これを蓄電池20の充電用として積極的に有効利用することにある。逆電流ではあってもこれを従来技術における「外部電源」からの電流と同様に捉えることが可能であり、つまり逆電流を蓄電池20充電用の電流と見れば、充電回路系との間に何ら差異がないものとなる。定格電圧12Vの車両の車載オルタネータの出力電圧は通常約14.5Vであるから、12Vの蓄電池20への充電は十分に可能である。逆電流の流入を自由にしておけば過充電により蓄電池20を発火させるなどの事故原因となり得るが、その危険性は従来技術における外部電源から充電する場合においても状況に変わりはない。従来技術では、これを充電回路部10における制御によって適切に防いでいることから、従来技術の充電回路系に設けられていた安全対策と同様な対策を、ジャンプスタートをするための出力回路系にも設けておけば、安全対策上は何らの問題もなく蓄電池20の充電が可能になる。本実施の形態では、出力回路系に蓄電池20の充電レベルを検出する充電センサ50を設けることでその機能を果たすものとしている。
具体的動作としては、例えば蓄電池20がリチウムイオン電池の3個のセルから成る場合、充電センサ50は個々のセルにおける充電レベルをそれぞれ検出し、その結果に基づいて各セル間の充電レベルのバランスを取る。一例として3個の内の1個のセルがフル充電となった場合、出力制御部42からの指令でそのセルへの充電はストップして残りのセルへの充電に切り替えて充電を継続する。同様な動作を繰り返すことで、全てのセルがフル充電となるようリチウムイオン電池全体でのバランスをとる。その結果、各セルがフル充電となったときに充電センサ50がそれを検出し、出力制御部42からの指令によって出力回路部30の遮断器33を動作させて逆電流を遮断する。これにより、発火などの要因を排除しつつ、逆電流による充電によって蓄電池20をフル充電させることが可能となる。なお、ここでいう「フル充電」とは、必ずしも100%の完全な充電を意味するものでなくとも、ジャンプスタートの機能が果たせる限り90%とか95%などの予め定められた閾値に達するレベルの充電であってもよい。
このような充電センサ(バランサ)50を利用した充電制御の対策は、従来技術で用いられることはあっても、その機能は充電回路系のみに限定されていた。なぜなら、従来技術における充電は外部電源のみに頼っており、フル充電の検出はもっぱら充電回路部10にのみ必要とされていたからである。従来技術では、車両のオルタネータ側から出力回路部30に流入する逆電流はあくまでも「異常電流」であって、特許文献1が示すように、安全対策上これをいかに瞬時に遮断するかのみが追求され、逆電流を有効活用するとの発想はなかったからである。本実施の形態では、出力回路部30においても充電センサ50によりフル充電の検出し、これに基づく逆電流の遮断機能を持たせることで、安全に配慮しつつ逆電流の有効利用を図るものである。
なお、従来技術においても出力回路部30の第2の検出部32の要素として充電センサが用いられるケースもあったが、それはジャンプスタート時の過放電による蓄電池20へのトラブルを回避するためであった。ただし、そのような充電センサを既に備えている場合には、既存の充電センサをそのまま流用し、逆電流が検出されても直ちにそれを遮断することなく、逆電流の流入を許容し、既存の充電センサがフル充電を検出して初めて逆電流を遮断するようにしてもよい。これは、制御部40にある出力制御部42のロジックを変更することで容易に実施することができる。その際には、図1に示す第2の検出部32が充電センサ50の機能を満たしていることから、重複して充電センサ50を設ける必要はない。なお、出力端子31から車両側に過剰な電流が流れることによる過放電の場合に、検出部32がこれを検出し、電流を遮断する機能は従来通り出力回路部30に残される。
図1では、充電センサ50を充電回路部10の第1の検出部12とも接続している。これは、従来技術でも外部電源を利用した充電時における過充電を回避するために第1の検出部12においても既に同様の充電センサを備えている例があるため、その場合には1つの充電センサ50を充電回路系と出力回路系にて共用できることを示すものである。このようなケースにおいても、制御部40におけるロジックを若干変更することで対応が可能である。
本実施の形態に係るジャンプスタータ1によれば、リチウムイオン電池の小型・軽量で持ち運びや使用が容易であるという特性をそっくり維持したままで、さらにジャンプスタート後の逆電流を利用して蓄電池20を充電することが可能となる。これによって、従来技術では望みえなかった台数の車両に対して繰り返しのジャンプスタートが可能となり、特には事業用として使用する際の作業性を大幅に改善でき、充電の手間を省けるなどのメリットが生ずる。
図1に示すジャンプスタータ1の例では、従来技術と同様に外部電源入力端子11、充電回路部10が設けられているが、上述した車載オルタネータからの充電を行うものとすればこれらは必ずしも必要ではなくなる。しかしながら、ジャンプスタータ1を長期間使用しない場合の自然放電や、想定以上の繰り返し使用などによる出力低下も考えられるため、これら充電回路系も残しておくことが便利である。さらに発展させれば、図1に示す充電回路部10と出力回路部30とを1つにまとめ、電流の流入と流出とに基づいて電流の遮断機能を切り替えて制御するよう制御部40のロジックを変更することで、1つの検出部、1つの遮断器のみで、従来通り外部電源を利用した充電に加え、本実施の形態に示す逆電流による充電をも可能としたジャンプスタータを実施することができる。これに関しては後の実施の形態にてさらに詳述する。
なお、図1には表示されていないが、ジャンプスタータ1には、パソコン用や携帯電話充電用の他の出力端子、あるいは照明用のサイドランプ、セルごとの充電レベルを示すパイロットランプやモニタ、異常事態を知らせるワーニング機能、USB接続端子(USB端子を介して充電、出力を可能にする)等の他の機能を追加して設けることは自由である。また、以下に示す各実施の形態をも含めて、本明細書では対象物品の名称を「ジャンプスタータ」と呼んでいるが、その用途はジャンプスタートのみには限定されず、補助電源としてその他の用途にも幅広く利用することも勿論可能である。
次に、本発明の第2の実施の形態に係るジャンプスタータにつき、図面を参照して説明する。本実施の形態においても、ジャンプスタート後の車載オルタネータからの逆電流を蓄電池の充電に利用するとの基本思想は先の実施の形態と同様である。図2は、本実施の形態に係るジャンプスタータ2の回路図を示している。図2において、本実施の形態に係るジャンプスタータ2は、先の実施の形態における充電センサ50に代えて、もしくはこれに加えて、制御部40にタイマ回路43を設けたことを特徴としている。その他の構成は、図1に示す先の実施の形態のジャンプスタータ1と基本的に同様でよい。
本実施の形態では、充電に必要な所定量の逆電流をジャンプスタータ2へ流入させ、その後に遮断する機能を、出力制御部40にあるタイマ回路43で果たすものとしている。タイマ回路43は、ジャンプスタータ2のスイッチ45をONにするとクロック機能動作を開始する。一定時間出力回路30を経由して蓄電池20から車両側へ電流が流され、ジャンプスタートにより車両エンジンが再起動すると、これと同期して車載のオルタネータが発電を開始する。発電により生じた電流は、同じ経路を通ってジャンプスタート出力端子31から逆流し、この逆電流によって蓄電池20が充電される。タイマ回路34は、この逆電流による蓄電池20の充電までをカバーできるよう、ジャンプスタートの動作開始後に予め定められた時間が経過すると信号を発し、これを受けた出力制御部42からの指令によって第2の遮断器33が動作し、車両側からの逆電流を遮断するよう構成されている。
蓄電池20が過充電となって発火等を生じるおそれを回避するには、適切なタイミングでこの逆電流を遮断してやればよい。本願発明者らの行った実験によれば、ジャンプスタータ1のスイッチ45を操作した後、約10秒間接続状態を維持した後に逆電流を遮断すればほぼその適切なタイミングとなる。その間のジャンプスタートと、その後の逆電流による蓄電池20の充電により、以降のバッテリ上がりの車両の再起動に対してジャンプスタータ2を連続して有効に使用することができるようになる。
タイマ回路34が動作を開始するタイミングとして、ジャンプスタータ2のスイッチ45をONにするタイミングに代えて、蓄電池20からジャンプスタートのための電流が流れ出すタイミング、あるいはエンジン再起動後に逆電流が流入し始めたタイミングをそれぞれ検出部32で検出し、これらをタイマ回路34起動のためのトリガーとして利用してもよい。この場合の逆電流の通電維持時間は、5秒〜10秒ほどの間とすることが好ましい。なお、ジャンプスタータ2に充電量を示すモニタが設けられている場合には、予め設定したタイマ時間が不足したことによる充電量の不足をこれで把握することができ、再度スイッチ45のON−OFF動作を行ってマニュアル操作で充電量の不足を補うことも可能である。
なお、図2に示す例では、タイマ回路43を制御部40に設けるものとしているが、タイマ回路43は、出力回路部30に設けられてもよく、あるいは上述したタイマ機能による逆電流の制御ができるかぎり、その他の部位に設けられてもよい。
次に、本発明の第3の実施の形態に係るジャンプスタータについて説明する。本実施の形態においても、ジャンプスタート後の車載オルタネータからの逆電流を蓄電池の充電に利用するとの基本思想は先の2つの実施の形態と同様である。ただし、充電後に逆電流を遮断するための手段が先の実施の形態と異なる。本実施の形態では、ジャンプスタータに備わる蓄電池の充電完了電圧を、ジャンプスタートする車両のオルタネータが発電する電位よりも高く設定して余裕を持たせ、遮断器を使用するまでもなく逆電流の流入を遮断しようとするものである。
具体的には、例えば車両で利用される定格電圧が12Vであるとした場合、その車両のオルタネータの発電する電位は上述のように約14.5Vである。これに対し、ジャンプスタータの蓄電池として1セル当り充電完了電圧4.2V(定格3.6V)のリチウムイオン電池を4個使用すれば、その充電完了電圧は16.8V(4.2V×4)となる。充電量は基本的に充電電圧と比例するため、ジャンプスタート後にオルタネータからの逆電流で充電されても、その最大電圧はオルタネータの出力電圧14.5Vを越えることはない。すなわち、蓄電池の充電完了電圧をこの14.5Vより高くしておけば、オルタネータの出力電圧に到達した時点で逆電流の流入が止まるため、蓄電池が過充電されることにはならない。これにより、ジャンプスタート後の車両から流れる逆電流を利用して蓄電池の充電を行っても、蓄電池を安全に保護しつつジャンプスタートを行うことができる。
このようにして充電されたジャンプスタータを利用してジャンプスタートさせる場合、ジャンプスタータの出力電圧は基本的に最大でもオルタネータの出力電圧を越えないことから、そのまま使用しても車両側の電気系統に問題を生じさせることは通常起こり得ない。しかしながら、蓄電池の充電完了電圧が高く設定されており、また充電にはオルタネータからの逆電流以外の手段の利用も考え得るため、ジャンプスタート時に何らかの要因によって車両側の定格電圧12V(もしくはオルタネータの出力電圧14.5V)を越えた高電圧で電流が流れ、車両の電気系や制御系を破壊するなどの悪影響が出る怖れも考えられる。かかる万一の事態を防ぐため、出力側においては例えば13V以下となるよう一定電圧に減圧してジャンプスタートするよう予め構成しておくことが考えられる。このような機能を果たすものとして、整流ダイオード、スイッチングレギュレータ、ツェナーダイオードなど従来技術で知られた各種手段の利用が考えられる。あるいは、ジャンプスタート時に流れる電流は一般に150Aほどであるから、例えば200Aヒューズを出力回路系に追加して過剰電流を遮断する方法も考えられる。
なお、以上は定格電圧12Vの車両の例を述べているが、定格電圧24Vの車両に対してもこれに見合った同等な対策が可能である。具体的には、定格電圧24Vの車両に使用されるオルタネータの出力電圧は通常29Vであるから、これに対して充電完了電圧4.2Vのリチウム電池のセルを7個(29.4V)もしくは8個(33.6V)直列に配置した蓄電池をジャンプスタータ用として使用すればよい。
本実施の形態では、上述のように蓄電池の充電完了電圧がオルタネータの出力電圧よりも高く設定されているため、車載オルタネータから逆流してくる逆電流は蓄電池の電圧がオルタネータの出力電圧に至った時点で遮断される。これにより、第1、第2の実施の形態で示したような充電センサ50(図1)やタイマ回路43(図2)が必ずしも必要なくなるため、これらを省略することでジャンプスタータの構造を簡略化することができる。さらに加えて、先の第1の実施の形態に係る段落[0039]で述べたように、本発明では充電回路部10、出力回路部30を1つにまとめて共用することが可能になることから、これらを組み合わせればより一層構造が簡略化された極めて小型、軽量のジャンプスタータの実現も可能となる。
具体的には、図1に示すようなスイッチ45までも省略してジャンプスタータと車載バッテリとの接続と同時に通電可能となる構成とし、車載のバッテリの出力電圧よりも高い充電完了電圧のリチウムイオン電池からなる蓄電池と、入力と出力とが共用となる出入力端子と、この両者を結ぶ配線とをケース内に配したジャンプスタータとすれば、従来技術には見られない最小、最軽量のジャンプスタータの実現が可能である。操作性や安全性を考慮してスイッチや遮断装置などを追加することは勿論可能であるが、これらが追加されたとしても入力端子と出力端子を別々に備える従来技術に係るジャンプスタータよりもはるかに小型、軽量化が可能となることには変わりはない。
以上、本発明の各実施の形態に係るジャンプスタータについて説明してきたが、本発明はさらに、上記各実施の形態に示すような形式のジャンプスタータを使用するジャンプスタータの充電方法をも包含している。当該ジャンプスタータの充電方法によれば、ジャンプスタートのために車両のバッテリに配線された電源ケーブルをそのままの状態に維持し、エンジンが起動した車両のオルタネータの作動により発電されて流入する逆電流を所定量通電させ、これを利用してジャンプスタータの蓄電池を充電することを特徴としている。この際、ジャンプスタータの蓄電池はリチウムイオン電池に限定されず、他の形式のバッテリであっても適用は可能である。前記所定量の逆電流の流入は、ジャンプスタータが備える蓄電池の各セルがフル充電となるまでの間、あるいは予め適切に設定された時間が経過するまでの間に基づいて制御することができる。ジャンプスタータの蓄電池の充電完了電圧を車両のオルタネータの出力電圧よりも高くして一定以上の逆電流を阻止するようにしてもよい。
本発明に係るジャンプスタータは、車両の整備、販売を行う産業分野、運転者の緊急時の支援を行うサービス事業分野、当該ジャンプスタータを製造、販売する産業分野において広く利用することができる。
1、2、3.ジャンプスタータ、 10.充電回路部、 11.外部電源入力端子、 12.第1の検出部、 13.第1の遮断器、 20.蓄電池、 30.出力回路部、 31.ジャンプスタート出力端子、出入力端子、 32.第2の検出部、 33.第2の遮断器、 40.制御部、 41.充電制御部、 42.出力制御部、 43.タイマ回路、 45.スイッチ、 50.充電センサ(バランサ)。
Claims (9)
- バッテリ上がりとなった車両のエンジンを起動させるためのリチウムイオン電池からなる蓄電池を備えたジャンプスタータにおいて、
ジャンプスタート後に車両側から流入する逆電流を直ちに遮断することなく、前記蓄電池の充電に必要な所定量の流入を許容した後に該逆電流が遮断される手段を備えていることを特徴とするジャンプスタータ。 - 前記ジャンプスタータが、所定量の流入を許容した後に逆電流が遮断される前記手段として、ジャンプスタート時からの所定時間経過時、または蓄電池のフル充電時のいずれかに基づいて遮断するよう制御する制御部を備えていること、あるいは車両側のオルタネータの出力電圧よりも高い充電完了電圧の蓄電池を備えていることを特徴とする、請求項1に記載のジャンプスタータ。
- バッテリ上がりとなった車両のエンジンを起動させるためのジャンプスタータにおいて、
リチウムイオン電池からなる蓄電池と、
前記蓄電池に接続され、該蓄電池からの電流をジャンプスタート用端子に通電させる出力回路部と、
前記蓄電池および出力回路部に接続され、ジャンプスタータ全体の動作を制御する制御部と、を備え、
前記出力回路部が、ジャンプスタート時に前記蓄電池から前記ジャンプスタート用端子へのジャンプスタート用電流の通電を許容することに加え、前記制御部の制御により、エンジンの起動後に稼働開始する前記車両のオルタネータから前記ジャンプスタート用端子を介して流入する逆電流を直ちに遮断することなく、前記蓄電池の充電に必要な所定量を限度に当該逆電流の前記蓄電池への通電を許容した後に遮断するよう形成された出力回路部であることを特徴とするジャンプスタータ。 - 前記ジャンプスタータが、前記蓄電池と前記制御部とに接続され、前記リチウムイオン電池の各セルの充電量を検出する充電センサを備え、
前記蓄電池の過充電を防止するため、前記出入力回路部が、前記各セルがフル充電となった旨の前記充電センサからの信号に基づく前記制御部からの指令に応じて前記逆電流の流入を遮断する遮断器を備えている、請求項3に記載のジャンプスタータ。 - 前記ジャンプスタータが、ジャンプスタート用の電流を通電させた後、もしくは前記オルタネータからの逆電流を流入させた後、所定時間経過後に前記制御部に信号を送るタイマ回路をさらに備え、
前記蓄電池の過充電を防止するため、前記出力回路部が、前記タイマ回路の信号に基づく前記制御部からの指令に応じて前記逆電流の流入を遮断する遮断器を備えている、請求項3に記載のジャンプスタータ。 - バッテリ上がりとなった車両のエンジンを起動させるためのジャンプスタータにおいて、
前記車両のオルタネータの出力電圧よりも高い充電完了電圧のリチウムイオン電池からなる蓄電池と、
ジャンプスタートのための前記蓄電池からの出力時と、前記蓄電池を充電するための入力時とで共用される出入力端子と、
前記蓄電池と前記出入力端子との間を結ぶ配線と、
上記各要素を収納するケースと、からなることを特徴とするジャンプスタータ。 - 前記ジャンプスタータが、前記蓄電池の温度・電圧を表示するモニタ、アラーム、USB端子、サイドライトの内の少なくともいずれか1つをさらに備える、請求項1から請求項6のいずれか一に記載のジャンプスタータ。
- バッテリ上がりの車両のエンジンを起動させるためのジャンプスタータの充電方法において、
前記車両のバッテリに接続されたジャンプスタータからの電流の通電によってエンジンが起動した後、該車両のオルタネータの稼働開始によりジャンプスタータへ逆流する逆電流を直ちに遮断することなく、所定量を限度に該逆電流の流入を許容し、当該逆電流を利用してジャンプスタータの蓄電池を充電することを特徴とするジャンプスタータの充電方法。 - 前記逆電流の所定量の許容が、逆電流の流入を所定時間のみ許容すること、ジャンプスタータの蓄電池がフル充電されるまで許容すること、ジャンプスタータに前記オルタネータの発電電位よりも高い充電完了電圧の蓄電池を使用し、該蓄電池が前記オルタネータの発電電位に至るまでの逆電流流入を許容することのいずれかである、請求項8に記載のジャンプスタータの充電方法。
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