図1は、本実施形態にかかる組電池システムを電動フォークリフトに搭載する場合における電動フォークリフトの電気系統の概要構成を示すブロック図である。電動フォークリフトの電気系統10は、大別すると、電動フォークリフトの駆動用の電力を供給するバッテリパック装置11(電源装置または電源制御装置の一例)と、バッテリパック装置11の充電およびバッテリパック装置11からの給電を受けた動作を行うフォークリフト電気系統部12と、を備えている。
バッテリパック装置11は、複数の組電池モジュール13が並列接続されたバッテリパックモジュール14と、各組電池モジュール13の充放電制御を行う電池管理装置(BMU:Battery Management Unit)15と、バッテリパック装置11全体の制御を行う電池制御装置(BCU:Battery Control Unit)16と、バッテリパックモジュール14の過電圧を検出した場合にオン状態となる電源遮断制御用リレーユニット17と、当該電源遮断制御用リレーユニット17がオン状態になった際に流れる突入電流を防止する電流制限抵抗18と、電源遮断制御用リレーユニット17が動作してバッテリパックモジュール14から過電流が流れることにより溶断されるヒューズ素子19と、オペレータがキー操作をお子案ってキースイッチ25(後述する)がオフ状態となった場合にバッテリパックモジュール14から後述するインバータモータ22への電力の供給を遮断するリレー111と、バッテリパックモジュール14からインバータモータ22への突入電流によるリレー111の溶着を防止するためのMCCB(Molded Case Circuit Breaker)112と、フォークリフト電気系統部12からバッテリパックモジュール14への電流の逆流を防止する逆流防止ダイオード113と、電流制限抵抗114と、フォークリフト電気系統部12が有する充電部28による充電を許可する充電制御信号を出力する出力端子115と、を備えている。
フォークリフト電気系統部12は、フォークリフト電気系統部12全体を制御する車両制御部(ETC)21と、車両制御部21の制御下で駆動されるインバータモータ22と、車両制御部21の制御下でバッテリパック装置11からの電力をインバータモータ22に供給するコンタクタ23と、オペレータが正しい運転操作位置(例えば、正しい着座位置)にいることを検出してオン状態となるインターロックスイッチ24と、オペレータのキー操作によりオン状態となるキースイッチ25と、ヘッドランプ、警告ホーン、ウインカー(方向指示器)等の補機を備えた補機群26と、オペレータのキー操作により補機群26に駆動用の電力を供給する補機群用スイッチ27と、外部の商用電源(例えば、三相交流電源)が接続されて、バッテリパック装置11から出力された充電制御信号に従ってバッテリパック装置11を構成しているバッテリパックモジュール14の充電を行う充電部28と、過電圧が発生した場合に、インバータモータ22に流れた過電流により溶断されるヒューズ素子29と、を備えている。
ここで、電動フォークリフトの電気系統10の概要動作について説明する。通常動作状態においては、オペレータが正しい運転操作位置に至ると、インターロックスイッチ24がオン状態となる。補機群用スイッチ27は、常にオン状態であり、ヘッドランプ、警告ホーン、ウインカー(方向指示器)等の補機の操作が可能となっている。
続いてオペレータがキー操作を継続すると、キースイッチ25がオン状態となる。キースイッチ25がオン状態となると第2配線W2から車両制御部21に電力が供給され、すなわち、インターロックスイッチ24およびキースイッチ25がオン状態となると、インバータモータ22が駆動可能な状態となるので、車両制御部21は、コンタクタ23をオン状態として、バッテリパック装置11のバッテリパックモジュール14から第1配線W1を介してインバータモータ22に対して電力を供給するとともに、バッテリパック装置11のバッテリパックモジュール14から第1配線W1とは別系統の第2配線W2を介して補機群26に対して電力を供給する。
この結果、インバータモータ22は駆動状態となり、電動フォークリフトは駆動され、オペレータにより操作されることとなる。
また、充電動作状態においては、充電部28に外部の商用電源(例えば、三相交流電源)が接続されて、バッテリパック装置11を構成しているバッテリパックモジュール14の充電を行う。この場合において、バッテリパック装置11全体の制御は、電池制御装置16によって行われ、組電池モジュール13の充放電制御は、電池管理装置15により行われる。具体的には、充電部28は、出力端子115を介して、電池管理装置15からバッテリパックモジュール14に対する充電を許可する充電制御信号が入力されてから所定時間、バッテリパックモジュール14に対する充電を行う。なお、電池管理装置15は、バッテリパックモジュール14の電池電圧が過充電状態に至るとされる所定電圧である最大充電電圧となった場合、充電制御信号を、バッテリパックモジュール14に対する充電の禁止を表す信号に変換して出力端子115から出力可能である。
オペレータがキー操作を行い、キースイッチ25がオフ状態なり、インバータモータ22の駆動が停止した場合、電池制御装置16は、リレー111をオフ状態として、バッテリパックモジュール14からインバータモータ22への電力の供給を遮断する。インバータモータ22の駆動が停止している間、MCCB112(短絡部の一例)は、リレー111が有するバッテリパックモジュール14側の端子111bとインバータモータ22側の端子111cとを短絡させて、リレー111のバッテリパックモジュール14側の端子111bとインバータモータ22側の端子111c間を同電位にする。これにより、ランプ、ホーン等の補機群26に対して電力供給が可能となる。
さらに、何らかの理由により第1配線W1(インバータモータ22)および組電池モジュール13の少なくとも一方に過電圧が発生した場合には、電池制御装置16は、電源遮断制御用リレーユニット17を構成する二つのリレーユニットをオン状態とする。電源遮断制御用リレーユニット17を構成する二つのリレーユニットがオン状態となると、ヒューズ素子19は、当該リレーユニットがオン状態になることにより流れる過電流により溶断される。
この結果、電池制御装置16に対する電源供給も遮断され、電源遮断制御用リレーユニット17を構成する二つのリレーユニットは再びオフ状態となる。したがって、過電圧を遮断するコンタクタ等を設ける必要が無いので、バッテリパック装置11の小型化および軽量化を図ることができる。よって、この構成を採用することにより、リレー111およびMCCB112を削減することも可能である。
ところで、上記バッテリパック装置11の構成において、組電池モジュール13は、最大充電電圧60V、最小放電電圧30Vの鉛蓄電池を置き換えることを考えると、例えば、48V、400Ahの性能を有するリチウムイオン電池として機能することが望まれる。そこで、本実施形態は、20Ah−2.8Vのリチウムイオン電池を二次電池として用いて、組電池モジュール13を構成している。
ここで、バッテリパック装置11を構成しているリチウムイオン電池の構成について説明する。従来、鉛蓄電池を用いた平均作動電圧が48Vの中大型機器では、最大充電電圧が60V、最小放電電圧がそのモータの下限性能の30V程度まで稼動することが要求されていた。
これを従来の代表的なリチウムイオンバッテリで置き換えて最大充電電圧を合わせたとすると、最小放電電圧は、42V程度となり、稼働電圧範囲が異なってしまい、単純には置き換えることはできなかった。
そこで、本実施形態においては、稼働電圧範囲が従来の鉛蓄電池と同様になるようにリチウムイオン電池を設計し、これを用いてバッテリパック装置11を構成している。すなわち、放電終止電圧に相当する下限SOC(State Of Charge)が鉛蓄電池と同等のリチウムイオン電池を設計し、バッテリパック装置11を構成している。この結果、本実施形態のバッテリパック装置11によれば、鉛蓄電池とそっくり置き換えることが可能となっている。
図2は、本実施形態のバッテリパック装置の電気系統の詳細な構成を示すブロック図である。バッテリパック装置11は、上述したように、バッテリパックモジュール14と、電池管理装置15と、電池制御装置16と、電源遮断制御用リレーユニット17と、電流制限抵抗18と、ヒューズ素子19と、リレー111と、MCCB112と、逆流防止ダイオード113と、電流制限抵抗114と、出力端子115と、を備えている。
リレー111は、バッテリパックモジュール14(二次電池の一例)と当該バッテリパックモジュール14から電力が供給されて駆動するインバータモータ22(主負荷部の一例)との間に接続される。そして、リレー111は、電池制御装置16に制御され、オペレータがキー操作を行ってキースイッチ25がオフ状態となり、インバータモータ22の駆動が停止した場合に、バッテリパックモジュール14からインバータモータ22への電力の供給を遮断する。
具体的には、リレー111は、一次側コイル111a、バッテリパックモジュール14側に接続された端子111b、インバータモータ22側に接続された端子111cおよびスイッチ111dを有している。一次側コイル111aは、インターロックスイッチ24およびキースイッチ25がオン状態となりインバータモータ22が駆動可能な状態となった場合に、電池制御装置16により電圧が印加され、スイッチ111dをオン状態にする。これにより、バッテリパックモジュール14側の端子111bとインバータモータ22側の端子111cとが接続され、バッテリパックモジュール14からインバータモータ22に対して電力が供給される。
一方、一次側コイル111aは、キースイッチ25がオフ状態となりインバータモータ22の駆動が停止した場合に、電池制御装置16による電圧の印加が停止され、スイッチ111dをオフ状態にする。これにより、バッテリパックモジュール14側の端子111bとインバータモータ22側の端子111cとの接続が解除され、バッテリパックモジュール14からインバータモータ22に対する電力の供給が遮断される。
MCCB112は、リレー111に並列接続され、インバータモータ22の駆動が停止している間、バッテリパックモジュール14側の端子111bとインバータモータ22側の端子111cとを短絡させる。これにより、インバータモータ22の駆動が停止している間、バッテリパックモジュール14側の端子111bとインバータモータ22側の端子111cとを同電位に維持することができる。
後述するが、本実施形態では、MCCB112は、インバータモータ22の駆動が停止している間、バッテリパックモジュール14からの電力を補機群26に供給するため、バッテリパックモジュール14側の端子111bとインバータモータ22側の端子111cとを同電位に維持できない場合がある。その場合、MCCB112は、インバータモータ22の駆動が停止している間、バッテリパックモジュール14の電池電圧を端子111cに印加して、リレー111によって接続する端子111b,111c間の電位差を所定値以下に維持する。ここで、所定値とは、キースイッチ25がオン状態となりインバータモータ22が駆動可能な状態になってスイッチ111dがオン状態となった場合に、端子111b,111cに突入電流が流れるに至る電位差よりも小さい値である。
本実施形態では、インバータモータ22の駆動が停止している間に端子111bと端子111cとを短絡させる短絡部の一例としてMCCB112を用いているが、インバータモータ22の駆動が停止している間に、バッテリパックモジュール14側の端子111bとインバータモータ22側の端子111cとを短絡させるものであれば良い。例えば、MCCB112の代わりにヒューズ等をリレー111に並列接続して、インバータモータ22の駆動が停止している間、バッテリパックモジュール14側の端子111bとインバータモータ22側の端子111cとを短絡させても良い。
従来のバッテリパック装置11においては、インバータモータ22を駆動するのに先立って、プリチャージ回路を用いて、リレー111のインバータモータ22側の端子111cに電圧を印加することにより、バッテリパックモジュール14側の端子111bとインバータモータ22側の端子111c間を同電位とする。しかしながら、バッテリパック装置11内にプリチャージ回路を設けると、バッテリパック装置11の小型化および軽量化を図ることができない、という課題がある。
そこで、本実施形態では、MCCB112が、インバータモータ22の駆動が停止している間、端子111bと端子111c間を短絡させて、端子111bと端子111cとを同電位(若しくは、端子111bと端子111cとの電位差を所定値以下)に維持することにより、プリチャージ回路を設けることなく、インバータモータ22の駆動が停止している間、端子111bと端子111cとを同電位に維持することができるので、バッテリパック装置11の小型化および軽量化を図ることができる。
また、MCCB112は、リレー111を介したバッテリパックモジュール14からインバータモータ22への電力の供給が停止している間、バッテリパックモジュール14からの電力を補機群26(副負荷部の一例)に供給する。本実施形態では、MCCB112は、キースイッチ25がオフ状態となりかつ補機群用スイッチ27およびインターロックスイッチ24がオン状態となっている場合に、第2配線W2を介して補機群26に対してバッテリパックモジュール14からの電力を供給する。これにより、インバータモータ22の駆動が停止している間においても、補機群用スイッチ27がオン状態になっていれば、補機群26の操作が可能となる。
また、MCCB112は、バッテリパックモジュール14に過電圧が発生した場合に、バッテリパックモジュール14から補機群26への電力の供給を遮断する。これにより、インバータモータ22の駆動が停止している間に、バッテリパックモジュール14に過電圧が発生した場合に、補機群26に過電流が流れて、当該補機群26が破損するのを防止する。
さらに、MCCB112は、電池管理装置15によりバッテリパックモジュール14の過放電状態が検知された場合に、電池管理装置15から補機群26への電力の供給の遮断を指示するトリップ信号が入力され、バッテリパックモジュール14から補機群26への電力の供給を遮断する。これにより、インバータモータ22の駆動が停止している間の補機群26による電力の消費により、バッテリパックモジュール14が過放電状態となり、バッテリパックモジュール14が破損するのを防止できる。
なお、本実施形態では、MCCB112は、バッテリパックモジュール14に過電圧が発生していない場合若しくは電池管理装置15からトリップ信号が入力されていない場合には、常にオン状態となってバッテリパックモジュール14から補機群26への電力の供給が行われているが、オペレータが手動でMCCB112をオン状態にして、バッテリパックモジュール14から補機群26へ電力を供給できるようにしても良い。
出力端子115は、電池管理装置15から出力された充電制御信号を、フォークリフト電気系統部12が有する充電部28に出力する。具体的には、出力端子115は、バッテリパックモジュール14の電池電圧が最大充電電圧より低い場合、バッテリパックモジュール14に対する充電を許可するハイレベルの充電制御信号を充電部28に出力する。そして、出力端子115は、バッテリパックモジュール14の電池電圧が最大充電電圧となった場合には、充電制御信号が、バッテリパックモジュール14に対する充電を禁止するロウレベルに変換された信号を出力可能である。
出力端子115は、バッテリパックモジュール14の組電池モジュール13に用いられた二次電池が鉛蓄電池である場合、バッテリパックモジュール14に対する充電を許可する充電制御信号を出力し続ける。図3は、本実施形態にかかるバッテリパック装置におけるインバータモータに電力を供給する配線のコネクタの接続例を示す図である。本実施形態では、バッテリパックモジュール14の組電池モジュール13に用いられた二次電池が鉛蓄電池である場合、出力端子115には、図3に示すように、インバータモータ22に電力を供給する第1配線W1のコネクタが接続される。これにより、出力端子115から、バッテリパックモジュール14に対する充電を許可するハイレベルの充電制御信号が出力され続ける。
一方、組電池モジュール13に用いられた二次電池がリチウムイオン電池である場合、出力端子115には、電池管理装置15から出力された充電制御信号を伝送する配線のコネクタが接続される。これにより、バッテリパックモジュール14の電池電圧が最大充電電圧となった場合に、充電部28による充電のモードを定電流充電から定電圧充電に切り替えることができるので、最大充電電圧を超えてバッテリパックモジュール14が充電されるのを防止できる。
鉛蓄電池を使用した組電池システムでは、その駆動能力(例えば、組電池システムから電力を供給可能な時間、組電池システムから供給可能な電力の大きさなど)を向上させるために、鉛蓄電池をリチウムイオン電池に置き換えることが望まれている。しかしながら、鉛蓄電池とリチウムイオン電池とはその充電特性が異なるため、組電池システムに使用された鉛蓄電池をリチウムイオン電池に置き換え可能とするためには、組電池システムに使用された電池の種類に応じて、充電電圧等の設定など充電方法を変更する必要が発生し、鉛蓄電池またはリチウムイオン電池への置き換えが容易に行えない、という課題がある。
そこで、本実施形態では、バッテリパックモジュール14に対する充電を許可する充電制御信号を、バッテリパックモジュール14に対する充電を禁止する信号に変換して出力端子115から出力可能とすることにより、バッテリパックモジュール14の二次電池を充電特性が異なる二次電池に置き換えても、同じ充電部28を用いて充電特性に応じたバッテリパックモジュール14に対する充電を行うことができる。
また、バッテリパックモジュール14に対する充電を禁止する充電制御信号を出力する必要がない二次電池(例えば、鉛蓄電池など)に置き換えられた場合には、バッテリパックモジュール14に対する充電を許可する状態(ハイレベルの状態)を維持し続ける信号(本実施形態では、第1配線W1のコネクタから出力される信号)のコネクタを出力端子115に接続するだけで、置き換えられた二次電池の充電特性に合った充電方法で充電を行うことができる。
ヒューズ素子19は、バッテリパックモジュール14(組電池の一例)と当該バッテリパックモジュール14からの電力の供給を受けて駆動するインバータモータ22(負荷部の一例)との間に接続されている。本実施形態では、ヒューズ素子19は、定格(500Ah)以上の電流が流れた場合に溶断する。
電源遮断制御用リレーユニット17は、インバータモータ22に並列接続されているスイッチ部の一例である。本実施形態では、電源遮断制御用リレーユニット17は、直列接続された2つの第1リレー17aおよび第2リレー17b(スイッチの一例)を有する。より具体的には、電源遮断制御用リレーユニット17は、バッテリパックモジュール14の高電位側に接続された第1リレー17aおよびバッテリパックモジュール14の低電位側に接続された第2リレー17bを有する。
第1リレー17aは、電池制御装置16からの駆動信号により駆動電流を流す一次側コイル17cと、第1リレー17aの高電位側の端子と低電位側の端子とを接続するスイッチSW1と、を有している。また、第2リレー17bは、電池制御装置16からの駆動信号により駆動電流を流す一次側コイル17dと、第2リレー17bの高電位側の端子と低電位側の端子とを接続するスイッチSW2と、を有している。さらに、第1リレー17aの一次側コイル17cの駆動素子(PMOSトランジスタ168a)は、ヒューズ素子19を介してバッテリパックモジュール14に接続されている。
このように、第1,2リレー17a,17bが有する一次側コイル17c,17dを駆動する駆動素子(PMOSトランジスタ168a)が、ヒューズ素子19を介してバッテリパックモジュール14に接続されることにより、インバータモータ22および組電池モジュール13の少なくとも一方に過電流が流れてヒューズ素子19が溶断された際に、一次側コイル17c,17dに電圧が印加されなくなってスイッチSW1,SW2がオフ状態となり、第1,2リレー17a,17bに過電流が流れ続けることを防止できるので、第1,2リレー17a,17bが連続動作して、バッテリパックモジュール14が過放電状態となることを防止できる。
電流制限抵抗18は、電源遮断制御用リレーユニット17とヒューズ素子19との間に接続され、電源遮断制御用リレーユニット17がオン状態となった際に第1,2リレー17a,17bに突入電流が流れるのを防止する。本実施形態では、電流制限抵抗18を用いているが、第1,2リレー17a,17bに流れる突入電流を防止可能な抵抗であれば良く、例えば、配線抵抗を電流制限抵抗18として用いても良い。
次に、電池制御装置16の詳細な構成について説明する。電池制御装置16は、バッテリパック装置11全体の制御を行うものであり、大別すると、フォークリフト電気系統部12への電力の供給を制御する電源制御回路161と、電源遮断制御用リレーユニット17を制御するコンタクタ制御回路162と、を有している。
電源制御回路161は、オペレータのキー操作によりキースイッチ25がオン状態になったか否かを検出するキー操作監視部163、キースイッチ25がオン状態になった後、補機群26への電力の供給を制御する電流遮断部164、バッテリパックモジュール14の電池電圧(本実施形態では、48V)を電池制御装置16および電池管理装置15の駆動用の電圧(本実施形態では、12V)に変換して電池制御装置16および電池管理装置15に印加する定電圧回路165と、第2配線W2を介して補機群26に流れる電流(以下、負荷電流という)を検出する負荷電流監視部166と、を有している。
キー操作監視部163は、キースイッチ25がオン状態になってハイレベルのキー入力信号が入力された場合にオン状態となるNPNトランジスタ163dと、NPNトランジスタ163dがオン状態となった場合にロウレベルがゲートに印加されてオン状態となるPMOSトランジスタ163eと、NPNトランジスタ163dのベースに印加する定電圧を得るためのツェナーダイオード163cと、電流制限抵抗163bと、フォークリフト電気系統部12への電流の逆流を防止する逆流防止ダイオード163aと、を備えている。また、NPNトランジスタ163dには、キースイッチ25がオフ状態になった後、後述する負荷電流監視部166により負荷電流が検出された場合には、負荷電流監視部166によりハイレベルがベースに印加されてオン状態となる。
また、キー操作監視部163は、キースイッチ25がオフ状態となった場合に、リレー111をオフ状態にして、バッテリパックモジュール14からインバータモータ22への電力の供給を遮断する。本実施形態では、キー操作監視部163は、キースイッチ25がオフ状態となった場合、リレー111の一次側コイル111aへの電圧の印加を停止することにより、リレー111をオフ状態とする。
電流遮断部164は、キー操作監視部163のPMOSトランジスタ163eがオン状態となった場合にハイレベルがゲートに印加されてオン状態となるNMOSトランジスタ164c、NMOSトランジスタ164cがオン状態となった場合にロウレベルがゲートに印加されてオン状態となるPMOSトランジスタ164dと、電流制限抵抗164a,164bと、を備えている。
負荷電流監視部166は、補機群用スイッチ27がオン状態となって補機群26に負荷電流が流れた場合にロウレベルがベースに印加されてオン状態となるPNPトランジスタ166cと、電流制限抵抗166aと、補機群26からバッテリパック装置11への電流の逆流を防止する逆流防止ダイオード166bと、を備えている。
コンタクタ制御回路162は、インバータモータ22およびバッテリパックモジュール14に過電圧が発生したことを検出した場合に電源遮断制御用リレーユニット17を動作させるBCU制御部167と、組電池モジュール13に過電圧が発生したことを検出した場合に電源遮断制御用リレーユニット17を動作させるとともに電源遮断用リレーユニット17が動作したことを電池管理装置15に通知するBMU制御部168と、を有している。
BCU制御部167は、バッテリパックモジュール14の電池電圧が過電圧に至る所定電圧以上となった場合にロウレベルをPMOSトランジスタ167bのゲートに印加するオペアンプ167aと、オペアンプ167aによってロウレベルがゲートに印加された場合にオン状態となるPMOSトランジスタ167bと、を備えている。
BMU制御部168は、電池管理装置15により組電池モジュール13の組電池電圧が過電圧に至る所定の電圧範囲である組電池電圧範囲外となったことが検出された場合に、電池管理装置15によりロウレベルがゲートに印加されてオン状態となるPMOSトランジスタ168aを備えている。
また、BMU制御部168は、第1リレー17aと第2リレー17bとの間の電圧を検出する検出回路168bと、電源遮断制御用リレーユニット17から検出回路168bの電流の流れ込みを防止するダイオード168cと、を備えている。本実施形態では、検出回路168bは、第1,2リレー17a,17bがオフ状態になっている場合にはハイインピーダンスになっていることを検出し、第1,2リレー17a,17bがオン状態になっている場合にはロウレベルを検出し、その検出結果を電池管理装置15に送る。
次に、電池管理装置15の詳細な構成について説明する。電池管理装置15は、電池制御装置16を介してバッテリパックモジュール14の電力が供給されて駆動し、バッテリパックモジュール14の電池電圧、組電池モジュール13が有する二次電池のセル電圧および組電池モジュール13の組電池電圧を検出する。
本実施形態では、電池管理装置15は、電池制御装置16の定電圧回路165により電圧が印加されて電池管理装置15の各部にバッテリパックモジュール14の電力を供給する電源回路151と、バッテリパックモジュール14に対する充電を禁止する充電制御信号を出力可能な信号出力部152と、組電池モジュール13の組電池電圧が組電池電圧範囲外となって過電圧の発生を検知した場合に、BMU制御部168のPMOSトランジスタ168aのゲートにロウレベルを印加する強制遮断部153と、組電池モジュール13が有する二次電池のセル電圧が過放電状態に至るとされる所定のセル電圧である放電終止セル電圧以下となった場合に電流遮断部164を制御して補機群26への電力の供給を遮断する電源オフ部154と、検出回路168bによる第1リレー17aと第2リレー17bとの間の電圧の検出結果に基づいて電源遮断制御用リレーユニット17の異常を検出する異常検出部155と、を備えている。
信号出力部152は、バッテリパックモジュール14の電池電圧が最大充電電圧となった場合にロウレベルがゲートに印加されてオン状態となるPMOSトランジスタ152aを有している。
強制遮断部153は、組電池モジュール13の組電池電圧が組電池電圧範囲外となって過電圧が検出された場合に、ゲートにロウレベルが印加されてオン状態となるPMOSトランジスタ153aを有している。
電源オフ部154は、組電池モジュール13が有する二次電池のセル電圧が放電終止セル電圧以下となった場合に、ベースにロウレベルが印加されてオフ状態となるNPNトランジスタ154aを有している。また、電源オフ部154(検知部の一例)は、組電池モジュール13の二次電池のセル電圧が放電終止セル電圧以下となって過放電状態を検知した場合、MCCB112にトリップ信号を入力して、バッテリパックモジュール14から補機群26への電力の供給を遮断する。
異常検出部155は、電池制御装置16からの電流の流れ込みを防止するダイオード155aと、検出回路168bによる電圧の検出結果が出力される出力部155bと、検出回路168bによる電圧の検出結果を得るための定電圧が印加される端子155cと、を有している。異常検出部155は、端子155cがロウレベルであるかハイインピーダンスであるかを判別することにより(すなわち、検出回路168bによる電圧の検出結果に基づいて)、電源遮断制御用リレーユニット17の異常を検出する。
ここで、電池制御装置16および電池管理装置15の動作の流れについて説明する。オペレータがキー操作を行い、キースイッチ25がオン状態となった場合の動作について説明する。キースイッチ25がオン状態になると、電池制御装置16のキー操作監視部163には、フォークリフト電気系統部12からハイレベルのキー入力信号が入力される。キー入力信号がハイレベルになると、キー操作監視部163は、リレー111をオン状態にして、第1配線W1を介して、バッテリパックモジュール14からインバータモータ22へ電力が供給される。
また、キー入力信号がハイレベルになると、キー操作監視部163のNPNトランジスタ163dがオン状態となるとともに、キー操作監視部163のPMOSトランジスタ163eのゲートにロウレベルが印加されて、PMOSトランジスタ163eもオン状態となる。
PMOSトランジスタ163eがオン状態となると、電流遮断部164のNMOSトランジスタ164cのゲートにハイレベルが印加されて、NMOSトランジスタ164cがオン状態となる。NMOSトランジスタ164cがオン状態となると、電流遮断部164のPMOSトランジスタ164dのゲートにロウレベルが印加されて、PMOSトランジスタ164dもオン状態となる。PMOSトランジスタ164dがオン状態になると、第2配線W2を介して、バッテリパックモジュール14から補機群26へ電力が供給される。
さらに、PMOSトランジスタ163eがオン状態となると、バッテリパックモジュール14から定電圧回路165に電池電圧が印加される。定電圧回路165は、バッテリパックモジュール14の電池電圧を、電池制御装置16および電池管理装置15の駆動用の電圧に変換して電池制御装置16および電池管理装置15の各部に印加することにより、電池制御装置16および電池管理装置15に電力を供給する。
電流遮断部164のPMOSトランジスタ164dがオン状態となって補機群26への電力が開始されると、負荷電流監視部166のPNPトランジスタ166cのベースにロウレベルが印加されてPNPトランジスタ166cがオン状態となる。PNPトランジスタ166cがオン状態となると、補機群用スイッチ27がオフ状態となって補機群26に負荷電流が流れなくなるまで、キー操作監視部163のNPNトランジスタ163dのベースにハイレベルを印加し続けて、バッテリパックモジュール14から補機群26への電力の供給を維持する。すなわち、負荷電流監視部166は、一旦、キー入力信号がハイレベルとなって補機群26への電力の供給が開始されると、その後、キー入力信号がロウレベルとなっても補機群26への電力の供給を継続する。
定電圧回路165により電圧が印加されると、電池管理装置15の電源回路151は、電池管理装置15の各部に電力を供給する。そして、電池管理装置15は、バッテリパックモジュール14の電池電圧の検出および組電池モジュール13が有する二次電池のセル電圧の検出を開始する。
電池制御装置16のBCU制御部167は、フォークリフト電気系統部12への電力の供給が行われている間、バッテリパックモジュール14の電池電圧が所定電圧以上となったか否か(インバータモータ22に過電圧が発生したか否か)を検出する。バッテリパックモジュール14の電池電圧が所定電圧以上となった場合(インバータモータ22に過電圧が発生したことが検出された場合)、BCU制御部167のオペアンプ167aは、BCU制御部167のPMOSトランジスタ167bのゲートにロウレベルを印加して、PMOSトランジスタ167bをオン状態にする。電池制御装置16は、PMOSトランジスタ167bがオン状態になると、電源遮断制御用リレーユニット17をオン状態にして過電流をヒューズ素子19に流してヒューズ素子19を溶断する。
また、電池管理装置15の強制遮断部153は、フォークリフト電気系統部12への電力の供給が行われている間、組電池モジュール13の組電池電圧が組電池電圧範囲外となったか否か(組電池モジュール13に過電圧が発生したか否か)を判断する。組電池モジュール13の組電池電圧が組電池電圧範囲外となった場合(組電池モジュール13に過電圧が発生したことが検出された場合)、強制遮断部153のPMOSトランジスタ153aは、ゲートにロウレベルが印加されてオン状態となる。電池管理装置15は、PMOSトランジスタ153aがオン状態になると、電源遮断制御用リレーユニット17をオン状態にして過電流をヒューズ素子19に流してヒューズ素子19を溶断する。すなわち、電池制御装置16および電池管理装置15は、インバータモータ22および組電池モジュール13の少なくとも一方に過電圧が検出された場合に、電源遮断制御用リレーユニット17をオン状態にして過電流をヒューズ素子19に流してヒューズ素子19を溶断する。
本実施形態では、PMOSトランジスタ167bまたはPMOSトランジスタ153aがオン状態になると、第1,2リレー17a,17bの一次側コイル17c,17dにバッテリパックモジュール14の電池電圧が印加され、スイッチSW1,2がオン状態となり、第1配線W1に流れる過電流がヒューズ素子19に流れてヒューズ素子19を溶断する。
これにより、インバータモータ22および組電池モジュール13の少なくとも一方に過電圧が印加された場合に、バッテリパックモジュール14とインバータモータ22との接続を遮断することができるので、バッテリパックモジュール14の破損を防止できる。また、過電圧が印加された場合にバッテリパックモジュール14とインバータモータ22との接続を遮断する遮断素子としてヒューズ素子19を用いているため、当該遮断素子として継電器を用いる場合と比べてバッテリパック装置11の小型化、コスト削減および消費電力の低下を図ることができる。
また、本実施形態では、一次側コイル17c,17dを駆動する駆動素子(PMOSトランジスタ168a)がヒューズ素子19を介してバッテリパックモジュール14に接続されているため、ヒューズ素子19が溶断すると、一次側コイル17c,17dに電圧が印加されなくなってスイッチSW1,SW2がオフ状態となり、第1,2リレー17a,17bに電流が流れ続けることを防止できるので、バッテリパックモジュール14が過放電状態になることはない。
異常検出部155は、強制遮断部153によって一次側コイル17cおよび一次側コイル17dを交互にオン状態とすることで故障判定を行う。PMOSトランジスタ153aがオフ状態またはオン状態であるにも関わらず、検出回路168bから所定信号が入力されて端子155cが所定信号以外の信号になった場合には、第1リレー17aおよび第2リレー17bが故障しているため、電源遮断制御用リレーユニット17の異常を検出する。
一方、異常検出部155は、BCU制御部167および強制遮断部153によって過電圧が検出されてPMOSトランジスタ167bおよびPMOSトランジスタ153aがオン状態であるにも関わらず、検出回路168bがハイインピーダンスとなり端子155cもハイインピーダンスとなった場合には、第1リレー17aおよび第2リレー17bの両方または第2リレー17bのみが故障してオフ状態となっているため、電源遮断制御用リレーユニット17の異常を検出する。これにより、電源遮断制御用リレーユニット17の故障を検出することができるので、バッテリパック装置11の安全性を向上させることができる。
さらに、電池管理装置15の電源オフ部154は、フォークリフト電気系統部12への電力の供給が行われている間、組電池モジュール13が有する二次電池のセル電圧が放電終止セル電圧以下となったか否かを判断する。組電池モジュール13が有する二次電池の過放電セル電圧以下となった場合、電源オフ部154のNPNトランジスタ154aは、ベースにハイレベルが印加されてオン状態となる。NPNトランジスタ154aがオン状態となると、電池制御装置16の電流遮断部164のNMOSトランジスタ164cのゲートにロウレベルが印加されてオフ状態となる。NMOSトランジスタ164cがオフ状態になると、電流遮断部164のPMOSトランジスタ164dのゲートがハイインピーダンスとなりオフ状態となるため、補機群26への電力の供給が遮断される。
これにより、ランプ等の補機群26の消し忘れ等により組電池モジュール13が有する二次電池のセル電圧が放電終止セル電圧以下となった場合に、補機群26への電力の供給を遮断できるので、組電池モジュール13が有する二次電池が過放電状態となることを防止できる。
次に、オペレータがキー操作を行い、キースイッチ25がオフ状態となった場合の動作について説明する。キースイッチ25がオフ状態になると、電池制御装置16のキー操作監視部163には、フォークリフト電気系統部12からロウレベルのキー入力信号が入力される。キー入力信号がロウレベルになると、キー操作監視部163は、リレー111をオフ状態にして、第1配線W1を介したバッテリパックモジュール14からインバータモータ22への電力の供給を遮断する。
また、キー入力信号がロウレベルになると、キー操作監視部163のNPNトランジスタ163dは、負荷電流監視部166のPNPトランジスタ166cによってベースにハイレベルが印加され続けるため、オン状態に維持される。したがって、キースイッチ25がオフ状態になっても、補機群用スイッチ27がオン状態にある場合には、バッテリパックモジュール14から補機群26へ電力が供給される。すなわち、電池制御装置16は、キースイッチ25がオフ状態となってインバータモータ22が駆動可能な状態にない場合にも、補機群26に対してバッテリパックモジュール14の電力を供給する。
その後、バッテリパックモジュール14の電池電圧が放電終止電圧以下となり、電流遮断部164のPMOSトランジスタ164dを介して供給される電力の電圧が低下すると、電流遮断部164のNMOSトランジスタ164cのゲートにロウレベルが印加されてNMOSトランジスタ164cがオフ状態なる。NMOSトランジスタ164cがオフ状態となるとPMOSトランジスタ164dもオフ状態となるため、バッテリパックモジュール14から補機群26への電力の供給が遮断される。すなわち、電池制御装置16は、バッテリパックモジュール14の電池電圧が放電終止電圧以下となった場合に補機群26への電力の供給を遮断する。
電動フォークリフトには、キースイッチがオフ状態になっている場合でもランプやホーン等の副負荷部を駆動可能な状態とすることが規格により定められている。そのため、電動フォークリフトでは、インバータモータや制御部などの主負荷部に電力を供給する主配線から分岐する配線を設けて、副負荷部に電力を供給することにより、キースイッチがオフ状態になっても副負荷部を駆動可能としている。しかしながら、キースイッチがオフ状態にある場合に副負荷部が駆動し続けると、電動フォークリフトが駆動電源として使用する組電池が過放電状態となり、組電池に劣化や故障が生じて交換が必要になる、という課題がある。
そこで、本実施形態では、電池制御装置16が、バッテリパックモジュール14の電池電圧が放電終止電圧以下となった場合に補機群26への電力の供給を遮断することにより、ランプ等の補機群26の消し忘れ等によりバッテリパックモジュール14の電池電圧が放電終止電圧以下となった場合に、補機群26への電力の供給を遮断できるので、バッテリパックモジュール14が過放電状態となることを防止できる。
次に、オペレータがキー操作を行い、補機群用スイッチ27がオフ状態となった場合の動作について説明する。補機群用スイッチ27がオフ状態となると、負荷電流監視部166によって補機群26に流れる負荷電流を検出することができなくなる。負荷電流が検出されなくなると、負荷電流監視部166のPNPトランジスタ166cがオフ状態となる。
PNPトランジスタ166cがオフ状態になると、キー操作監視部163のNPNトランジスタ163dおよびPMOSトランジスタ163eがオフ状態となるため、バッテリパックモジュール14から定電圧回路165に電池電圧が印加されなくなる。これにより、定電圧回路165により電源回路151に電圧が印加されなくなり、電池管理装置15への電力の供給が遮断される。すなわち、電池制御装置16は、負荷電流が検出されなくなった場合、電池管理装置15への電力の供給を遮断する。
これにより、フォークリフト電気系統部12から、補機群用スイッチ27がオフ状態になったことを通知する信号をバッテリパック装置11に送るための信号線を新たに設けることなく、電池管理装置15への電力の供給を遮断できる。また、補機群用スイッチ27がオフ状態になった場合、電池管理装置15において電力が消費されなくなるので、バッテリパックモジュール14の消費電力を削減できる。
次に、充電部28によりバッテリパックモジュール14への充電が行われている場合の動作について説明する。充電部28によりバッテリパックモジュール14への充電が行われている間、電池管理装置15は、バッテリパックモジュール14の電池電圧および組電池モジュール13が有する二次電池のセル電圧を検出する。
そして、信号出力部152は、検出したバッテリパックモジュール14の電池電圧が最大充電電圧となった場合または検出したセル電圧が最大充電セル電圧となった場合に、PMOSトランジスタ152aのゲートにロウレベルを印加してPMOSトランジスタ152aをオン状態として、バッテリパックモジュール14への充電を禁止する充電制御信号を出力可能な状態となる。ここで、組電池モジュール13が有する二次電池がリチウムイオン電池である場合には、信号出力部152は、出力端子115を介して、バッテリパックモジュール14への充電を禁止する充電制御信号を出力する。
このように、本実施形態のバッテリパック装置11によれば、バッテリパックモジュール14と当該バッテリパックモジュール14から電力が供給される駆動するインバータモータ22との間に接続され、インバータモータ22の駆動が停止した場合に、バッテリパックモジュールからインバータモータ22への電力の供給を遮断するリレー111と、インバータモータ22の駆動が停止している間、リレー11によって接続するバッテリパックモジュール14側の端子111bとインバータモータ22側の端子111c間を短絡させることにより、プリチャージ回路を設けることなく、インバータモータ22の駆動が停止している間、端子111bと端子111cとを同電位に維持することができるので、バッテリパック装置11の小型化および軽量化を図ることができる。
本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。