JP2017188392A - 電池 - Google Patents

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Hiroya Umeyama
浩哉 梅山
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Abstract

【課題】釘刺試験で電池が高温になるのを防止できる電池を提供する。【解決手段】電池1は、電極体20とこれを収容する電池ケース10とを備える。電極体20は、第1活物質層23と第2活物質層33とがセパレータ41,43を介して対向した電極体本体部20aと、第1絶縁シート51、第1活物質層23に導通する第1金属箔53、第2絶縁シート55及び第2活物質層33に導通する第2金属箔57を含む電極体外側部20bとを有する。第1絶縁シート51は、針突き刺し試験を行ったときの厚み方向の最大伸びEaと最大突刺強度Taとの比Ea/Ta(mm/N)が、Ea/Ta≧1.8であり、かつ、シート厚みMa(μm)が、Ma≧60の絶縁フィルムからなる。【選択図】図6

Description

本発明は、第1電極板、第2電極板及びセパレータを有する電極体と、この電極体を収容する電池ケースとを備える電池に関する。
リチウムイオン二次電池などの電池においては、電池に釘を突き刺す釘刺試験を行ったときでも、電池が発煙したり発火しないことが求められる場合がある。この課題に対し、例えば特許文献1では、以下の対策を施している。即ち、特許文献1の電池は、正極板、第1セパレータ、負極板及び第2セパレータが積層され、扁平状に捲回された電極アセンブリ(電極体)を有する。この特許文献1では、電極体の最外郭部に、正極集電体の無地部(正極活物質層が存在しない部分)と、上記の第1セパレータと、負極集電体の無地部(負極活物質層が存在しない部分)と、上記の第2セパレータとを、この順で内側から積層した部分を設けている。
電極体の最外郭部をこのような構成とすることにより、電池に釘を突き刺したとき、最外郭部の正極集電体の無地部と負極集電体の無地部との間で、釘を通じた最初の短絡が生じて放電電流が流れる。このため、その後に、電極体の発電要素部(正極集電体の無地部よりも径方向内側部分。以下、電極体本体部ともいう)において、正極板と負極板とが釘を通じて短絡しても、これらに流れる放電電流は少なく発熱が少なくなる。これにより、釘刺試験で電池が高温に加熱するのを防止できると考えられている。
特開2015-090866号公報
しかしながら、電極体の最外郭部で生じる最初の短絡(正極集電体の無地部と負極集電体の無地部との短絡)において放電が十分になされる前に、電極体本体部で短絡(正極板と負極板との短絡)が生じる場合がある。すると、電極体本体部内で大電流が流れて発熱し熱暴走を引き起こすおそれがある。特に、ハイブリッドカーやプラグインハイブリッドカー、電気自動車などに搭載される車載用電池は、電池容量が大きいため、電極体の最外郭部における短絡で放電が十分になされる前に、電極体本体部内で短絡が生じて大電流が流れ発熱して、釘刺試験に合格しない場合がある。
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであって、釘刺試験で電池が高温になるのを防止できる電池を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明の一態様は、第1活物質層を含む一又は複数の第1電極板、第2活物質層を含む一又は複数の第2電極板及びセパレータを有する電極体と、この電極体を収容する電池ケースと、を備える電池であって、上記電極体は、上記第1電極板の上記第1活物質層と上記第2電極板の上記第2活物質層とが上記セパレータを介して対向した電極体本体部と、上記電極体本体部よりも外側に配置された第1絶縁シート、上記第1絶縁シートよりも外側に配置され、上記第1活物質層に導通する第1金属箔、上記第1金属箔の外側に配置された第2絶縁シート、及び、上記第2絶縁シートの外側に配置され、上記第2活物質層に導通する第2金属箔、を含む電極体外側部と、を有し、上記第1絶縁シートは、この第1絶縁シートに針を突き刺す針突き刺し試験を行ったときの厚み方向の最大伸びEa(mm)と最大突刺強度Ta(N)との比Ea/Ta(mm/N)が、Ea/Ta≧1.8であり、かつ、シート厚みMa(μm)が、Ma≧60の絶縁フィルムからなる電池である。
上述の電池では、電極体のうち電極体本体部の外側に上述の電極体外側部を設けている。この電極体外側部内に配置される第1絶縁シートは、上述のように、Ea/Ta≧1.8(mm/N)、かつ、Ma≧60(μm)であるため、釘を刺したときにセパレータに比して伸びやすく釘が貫通し難い。このため、電池に釘刺試験を行ったとき、電池に突き刺した釘の先端部が第1絶縁シートを貫通するのを抑制し、或いは貫通するまでの時間を遅らせることができる。これにより、電極体外側部内で生じる釘を通じた第1金属箔と第2金属箔の短絡で、適切に放電させることができるため、その後に、電極体本体部内において釘を通じて第1電極板と第2電極板が短絡しても、これらに流れる放電電流は少なく発熱が少なくなる。従って、この電池では、釘刺試験で電池が高温になるのを防止できる。
なお、「電極体本体部」としては、例えば、円筒状または扁平状の捲回型の電極体本体部、即ち、第1集電箔上に第1活物質層を有する帯状の第1電極板と、第2集電箔上に第2活物質層を有する帯状の第2電極板とを、帯状の一対のセパレータを介して互いに重ねて、軸線周りに円筒状または扁平状に捲回した電極体本体部が挙げられる。このような捲回型の電極体においては、電極体本体部に含まれる第1集電箔の一部を、電極体外側部の第1金属箔として用いてもよく、また、電極体本体部に含まれる第2集電箔の一部を、電極体外側部の第2金属箔として用いてもよい。
また、電極体本体部としては、積層型の電極体本体部、即ち、各々所定形状(例えば矩形状など)をなし、第1集電箔上に第1活物質層を有する複数の第1電極板及び第2集電箔上に第2活物質層を有する複数の第2電極板を、セパレータを介して交互に複数積層した電極体本体部が挙げられる。
また、「電極体外側部」としては、第1絶縁シート、第1金属箔、第2絶縁シート及び第2金属箔のみから構成される電極体外側部のほか、例えば、実施形態1で説明するように、上記の第2金属箔の外側に更に第3絶縁シートを有する形態の電極外側部や、上記の第2金属箔の外側に第1絶縁シート、第1金属箔などが更に積層された形態の電極外側部などが挙げられる。また、実施形態2で説明するように、上記の第1絶縁シートの内側で電極体本体部との間にセパレータを有する形態の電極外側部、或いは、実施形態2の変形形態で説明するように、上記の第1絶縁シートと第1金属箔との間にセパレータを有する形態の電極外側部なども挙げられる。
「第2絶縁シート」としては、例えば、セパレータと同じ材質の絶縁フィルムからなる絶縁シートが挙げられる。電極体が捲回型の場合には、実施形態2及びその変形形態で説明するように、電極体本体部に含まれるセパレータの一部を第2絶縁シートとして用いてもよい。
「電池ケース」としては、例えば、金属、ラミネートフィルム、樹脂からなる電池ケースが挙げられる。
「針突き刺し試験」は、JIS Z1707に準拠する。具体的には、図12及び図13に示すように、先端部MLSが半径0.5mmの半球状で胴体部MLKが直径1.0mmの円柱状をなす針MLを用いて行う。直径25mmの貫通孔CAh,CBhがそれぞれ設けられた上側固定板CA及び下側固定板CBと、直径43mm(内径41.5mm、外径44.5mm)の円環状パッキンPCを用意する。まず、下側固定板CBの上に、貫通孔CBhの中心と円環状パッキンPCの中心とが一致するように円環状パッキンPCを配置し、更にその上に絶縁シートの試験片FMを配置し、上側固定板CAとの間に挟んで、絶縁シートの試験片FMを固定する。そして、絶縁シートの試験片FMのうち、上側固定板CA及び下側固定板CBの貫通孔CAh,CBh並びに円環状パッキンPCの中央に位置する部位に、上記の針MLの先端部MLSを50mm/minの速度で垂直に突き刺す。
針MLの先端部MLSが絶縁シートの試験片FMを貫通するまでの間に測定された強度のうちの最大強度(N)を求める。5つの試験片FMについて同様に最大強度(N)を求め、その平均値を前述の「最大突刺強度Ta(N)」とする。
また、絶縁シートの試験片FMの厚み方向について測定した伸び、つまり、針MLの先端部MLSが絶縁シートの試験片FMを貫通するまでに針MLの先端部MLSが動いた距離(mm)を、5つの試験片FMについて測定し、その平均値を前述の「厚み方向の最大伸びEa(mm)」とする。
更に、上記の電池であって、前記電池ケースが前記第1電極板及び前記第2電極板と絶縁された形態を有する電池とするのが好ましい。
例えば、電池ケースが第2電極板と導通している形態の電池では、釘刺試験を行ったとき、釘を介して電池ケースと第1金属箔が短絡するため、電極体外側部において短絡直後の大電流放電により生じた熱は、電池ケースを介して電池外に放熱され易い。このため、電極体外側部から電極体本体部に伝わる熱が少なくて済む。
一方、電池ケースが第1電極板及び第2電極板と絶縁された形態の電池では、釘刺試験を行ったとき、電池ケースと第1金属箔或いは第2金属箔との間では短絡が生じずに、電極体内でのみ短絡が生じる。このため、電極体外側部において短絡直後の大電流放電により生じた熱は電池外に放熱され難く、電極体外側部から電極体本体部に伝わる熱が多くなる。
従って、特許文献1の電池では、電極体本体部内で生じた短絡で大電流が流れ発熱するのに加えて、電極体外側部から電極体本体部にも熱が伝わるため、電極体本体部が高温になりがちである。
これに対し、本発明の電極体は、前述の電極体外側部を有し、これに含まれる第1絶縁シートは、Ea/Ta≧1.8(mm/N)、かつ、Ma≧60(μm)であるため、釘を刺したときにセパレータに比して伸びやすく釘が貫通し難い。このため、電池に釘刺試験を行ったとき、釘が第1絶縁シートを貫通するのを抑制し、或いは貫通するまでの時間を遅らせることができる。これにより、電極体外側部内で生じる釘を通じた第1金属箔と第2金属箔との短絡で、適切に放電させることができるため、その後に電極体本体部内で短絡が生じても、放電電流は少なく発熱が少ない。このため、電極体外側部内の短絡で生じた熱が電極体本体部に伝わっても、電極体本体部は熱暴走を引き起こすほど高温にはならない。従って、この電池では、電池ケースが第1電極板及び第2電極板と絶縁されているにも拘わらず、釘刺試験で電池が高温になるのを防止できる。
更に、上記のいずれかに記載の電池であって、前記第2絶縁シートは、前記最大突刺強度Ta(N)が、Ta≦0.4の絶縁フィルムからなる電池とするのが好ましい。
この電池では、第2絶縁シートを、最大突刺強度Ta≦0.4(N)の絶縁フィルムとしているので、釘を刺したときにセパレータに比して容易に釘が貫通する。このため、電池に釘刺試験を行ったときに、容易に釘が第2絶縁シートを貫通して、早期に第1金属箔と第2金属箔とを短絡させて速やかに放電させることができる。これにより、その後に電極体本体部内で短絡が生じても、放電電流が更に少なく発熱が更に少なくなる。
実施形態1に係る電池の斜視図である。 実施形態1に係る電池を電池厚み方向に直交する(電池横方向及び電池縦方向に沿う)平面で切断した電池の縦断面図である。 実施形態1に係る電極体の斜視図である。 実施形態1に係り、正極板及び負極板をセパレータを介して互いに重ねた状態を示す、電極体本体部の展開図である。 実施形態1に係る電池のうち、電極体外側部近傍を示す部分拡大断面図である。 実施形態1に係り、電池に釘刺試験を行ったときの、電極体外側部近傍の様子を示す説明図である。 実施形態1に係る電池の製造方法のうち、正極板、負極板、セパレータ等を捲回して電極体を形成する様子を示す説明図である。 実施形態2に係る電池のうち、電極体外側部近傍を示す部分拡大断面図である。 実施形態2に係る電池の製造方法のうち、正極板、負極板、セパレータ等を捲回して電極体を形成する様子を示す説明図である。 変形形態に係る電池のうち、電極体外側部近傍を示す部分拡大断面図である。 変形形態に係る電池の製造方法のうち、正極板、負極板等、セパレータ等を捲回して電極体を形成する様子を示す説明図である。 針突き刺し試験を示す断面図である。 針突き刺し試験の上方から見た平面図である。
(実施形態1)
以下、本発明の第1の実施形態を、図面を参照しつつ説明する。図1及び図2に、本実施形態1に係るリチウムイオン二次電池(以下、単に「電池」ともいう)1の斜視図及び縦断面図を示す。また、図3に、電極体20の斜視図を、図4に、電極体20のうち電極体本体部20aの展開図を示す。また、図5に、電池1のうち電極体外側部20b近傍の部分拡大断面図を示す。なお、以下では、電池1の電池厚み方向BH、電池横方向CH及び電池縦方向DHを、図1、図2及び図5に示す方向と定めて説明する。
この電池1は、ハイブリッド自動車や電気自動車等の車両などに搭載される角型で密閉型のリチウムイオン二次電池である。電池1は、電池ケース10と、この内部に収容された電極体20と、電池ケース10に支持された正極端子部材70及び負極端子部材80等から構成される(図1及び図2参照)。また、電池ケース10内には、非水電解液19が収容されており、その一部は電極体20内に含浸され、残りは余剰液として電池ケース10の底部に溜まっている。
このうち電池ケース10は、直方体箱状で金属(本実施形態1ではアルミニウム)からなる。この電池ケース10は、後述する正極板21及び負極板31と電気的に絶縁されている。電池ケース10は、上側のみが開口した有底角筒状のケース本体部材11と、このケース本体部材11の開口を閉塞する形態で溶接された矩形板状のケース蓋部材13とから構成される。ケース蓋部材13には、アルミニウムからなる正極端子部材70がケース蓋部材13と絶縁された状態で固設されている。この正極端子部材70は、電池ケース10内で電極体20の正極板(第1電極板)21に接続し導通する一方、ケース蓋部材13を貫通して電池外部まで延びている。また、ケース蓋部材13には、銅からなる負極端子部材80がケース蓋部材13と絶縁された状態で固設されている。この負極端子部材80は、電池ケース10内で電極体20の負極板(第2電極板)31に接続し導通する一方、ケース蓋部材13を貫通して電池外部まで延びている。
電極体20(図2〜図5参照)は、扁平状をなし、横倒しにした状態で電池ケース10内に収容されている。電極体20の軸線方向の両端部(図2中、左右の端部)には、絶縁フィルムからなる絶縁フィルム包囲体17,17がそれぞれ被せられ、電極体20の両端部と電池ケース10とが絶縁フィルム包囲体17,17を介して絶縁されている。電極体20は、扁平状の電極体本体部20aと、この電極体本体部20aの径方向外周を全周にわたり覆う扁平筒状の電極体外側部20bとからなる。
このうち電極体本体部20aは、帯状の正極板21と帯状の負極板31とが、帯状の一対のセパレータ(第1セパレータ41及び第2セパレータ43)を介して互いに重ねられ(図4参照)、軸線AX周りに扁平状に捲回されてなる(図3参照)。この電極体本体部20aでは、正極板21の正極活物質層(第1活物質層)23と負極板31の負極活物質層(第2活物質層)33とが第1セパレータ41または第2セパレータ43を介して対向している(図5参照)。
具体的には、正極板21は、帯状のアルミニウム箔からなる正極集電箔(第1集電箔)22の両主面のうち、幅方向の一部でかつ長手方向に延びる領域上に、正極活物質層23,23を帯状に設けてなる(図3参照)。この正極活物質層23には、正極活物質粒子、導電材(導電助剤)及び結着剤が含まれる。正極板21のうち幅方向の片方の端部は、厚み方向に正極活物質層23が存在せず、正極集電箔22が厚み方向に露出した正極露出部21mとなっている。前述の正極端子部材70は、この正極露出部21mに溶接されている。
負極板31は、帯状の銅箔からなる負極集電箔(第2集電箔)32の両主面のうち、幅方向の一部でかつ長手方向に延びる領域上に、負極活物質層33,33を帯状に設けてなる(図3参照)。負極活物質層33には、負極活物質粒子、結着剤及び増粘剤が含まれる。負極板31のうち幅方向の片方の端部は、厚み方向に負極活物質層33が存在せず、負極集電箔32が厚み方向に露出した負極露出部31mとなっている。前述の負極端子部材80は、この負極露出部31mに溶接されている。
第1,第2セパレータ41,43は、それぞれ樹脂からなる多孔質の絶縁フィルムであり、帯状である。具体的には、これら第1,第2セパレータ41 43は、各々多孔質をなす、第1ポリプロピレン(PP)フィルムと、ポリエチレン(PE)フィルムと、第2ポリプロピレン(PP)フィルムと、これらのフィルムよりも耐熱性の高い多孔質耐熱層(HRL層)とが積層されて一体化された絶縁フィルムである。
一方、電極体外側部20b(図5参照)は、第1絶縁シート51、正極金属箔(第1金属箔)53、第2絶縁シート55、負極金属箔(第2金属箔)57及び第3絶縁シート59から構成される。このうち第1絶縁シート51は、電極体本体部20aの最外周に捲回された負極板31の径方向外側(図5中、上方)に積層され、電極体本体部20aの径方向外周を1周覆っている。この第1絶縁シート51は、パラフィンからなる絶縁フィルムであり、シート厚みMa(μm)が、Ma≧60(本実施形態1では、Ma=120μm)である。また、この第1絶縁シート51は、このシートに針を突き刺す前述の「針突き刺し試験」(図12及び図13参照)を行ったときの厚み方向の最大伸びEa(mm)と最大突刺強度Ta(N)との比Ea/Ta(mm/N)が、Ea/Ta≧1.8(本実施形態1では、比Ea/Ta=7.4mm/N)である。
正極金属箔53は、第1絶縁シート51の径方向外側に積層されている。即ち、正極金属箔53は、第1絶縁シート51の径方向外側に積層され、第1絶縁シート51を1周覆っている。この正極金属箔53は、前述の電極体本体部20aを構成する正極板21の正極集電箔22の一部である。即ち、帯状をなす正極板21の外周側の端部(図7参照)は、厚み方向に正極活物質層23が存在せず、正極集電箔22が厚み方向に露出した露出部となっており、この正極集電箔22の露出部が、正極金属箔53として上述のように電極体外側部20b内に配置されている。この正極金属箔53は、正極集電箔22の一部であるため、正極活物質層23と導通している。
第2絶縁シート55は、正極金属箔53の径方向外側に積層されている。即ち、第2絶縁シート55は、正極金属箔53の径方向外側に積層され、正極金属箔53を1周覆っている。この第2絶縁シート55は、前述の電極体本体部20aを構成する第1,第2セパレータ41,43とは、別部材である。第2絶縁シート55は、セルロース不織布からなる絶縁フィルムであり、シート厚みは20μmである。また、この第2絶縁シート55は、前述の「針突き刺し試験」を行ったときの最大突刺強度Ta(N)が、Ta≦0.4(本実施形態1では、Ta=0.4N)である。
負極金属箔57は、第2絶縁シート55の径方向外側に積層されている。即ち、負極金属箔57は、第2絶縁シート55の径方向外側に積層され、第2絶縁シート55を1周覆っている。この負極金属箔57は、前述の電極体本体部20aを構成する負極板31の負極集電箔32の一部である。即ち、帯状をなす負極板31の外周側の端部(図7参照)は、厚み方向に負極活物質層33が存在せず、負極集電箔32が厚み方向に露出した露出部となっており、この負極集電箔32の露出部が、負極金属箔57として上述のように電極体外側部20b内に配置されている。この負極金属箔57は、負極集電箔32の一部であるため、負極活物質層33と導通している。
第3絶縁シート59は、負極金属箔57の径方向外側に積層されている。即ち、第3絶縁シート59は、負極金属箔57の径方向外側に積層され、負極金属箔57を1周覆っている。この第3絶縁シート59は、電極体外側部20bの最外周をなし、電極体20の最外周をなす。この第3絶縁シート59は、電極体20が電池ケース10内に収容された状態で、電池ケース10のケース本体部材11に接する。この第3絶縁シート59は、前述の電極体本体部20aを構成する第1,第2セパレータ41,43とは、別部材である。第3絶縁シート59は、第2絶縁シート55と同様に、セルロース不織布からなる絶縁フィルムであり、シート厚みは20μmである。また、この第3絶縁シート59の最大突刺強度Ta(N)は、Ta≦0.4(本実施形態1では、Ta=0.4N)である。
なお、第1絶縁シート51、第2絶縁シート55及び第3絶縁シート59は、いずれも、第1,第2セパレータ41,43のような多孔質膜ではないため、これらのシート内に非水電解液19が含浸しない。従って、電極体20内に第1絶縁シート51、第2絶縁シート55及び第3絶縁シート59を配置しているにも拘わらず、余分に非水電解液19を必要としない。
次いで、上記電池1の製造方法について説明する。まず、正極板21、負極板31、第1,第2セパレータ41,43、第1絶縁シート51、第2絶縁シート55、第3絶縁シート59をそれぞれ用意する(図7参照)。なお、帯状の正極板21のうち、電極体20を形成したときに外周側に配置される一方の端部(正極金属箔53となる部分)には、正極活物質層23を形成せず、正極集電箔22が厚み方向に露出した状態としておく。また、帯状の負極板31のうち、電極体20を形成したときに外周側に配置される一方の端部(負極金属箔57となる部分)には、負極活物質層33を形成せず、負極集電箔32が厚み方向に露出した状態としておく。
そして、図7に示すように、正極板21、第2セパレータ43、負極板31、第1セパレータ41の順にこれらを重ね、巻き芯を用いて捲回していく。この捲回の最終段階においては、先に第1セパレータ41を切断して、正極板21のうち正極集電箔22が露出した部分(正極金属箔53)の径方向内側に第1絶縁シート51を挿入すると共に、第2セパレータ43を切断して、負極板31のうち負極集電箔32が露出した部分(負極金属箔57)の径方向内側に第2絶縁シート55を、径方向外側に第3絶縁シート59をそれぞれ挿入して捲回する。その後、正極板21及び負極板31を切断する。次に、この捲回体を扁平状に圧縮して電極体20を形成する(図3参照)。
次に、電池を組み立てる。具体的には、ケース蓋部材13に正極端子部材70及び負極端子部材80をそれぞれ固設する(図1及び図2参照)。更に、正極端子部材70及び負極端子部材80を電極体20にそれぞれ溶接する。その後、電極体20に絶縁フィルム包囲体17,17を被せて、これらをケース本体部材11内に挿入すると共に、ケース本体部材11の開口をケース蓋部材13で塞ぐ。そして、ケース本体部材11とケース蓋部材13とをレーザ溶接して電池ケース10を形成する。その後、非水電解液19を、ケース蓋部材13に設けられた注液孔13hから電池ケース10内に注液して電極体20内に含浸させた後、封止部材15で注液孔13hを封止する。その後、この電池について初充電や各種検査を行う。かくして、電池1が完成する。
以上で説明したように、電池1では、電極体20のうち電極体本体部20aの径方向外側に前述の電極体外側部20bを設けている。この電極体外側部20b内に配置される第1絶縁シート51は、前述のように、Ea/Ta≧1.8(mm/N)、かつ、Ma≧60(μm)であるため、釘NLを刺したときに第1,第2セパレータ41,43に比して伸びやすく釘NLが貫通し難い。このため、この電池1に釘刺試験を行ったとき(図6参照)、電池1に突き刺した釘NLの先端部NLSが第1絶縁シート51を貫通するのを抑制し、或いは貫通するまでの時間を遅らせることができる。これにより、電極体外側部20b内で生じる釘NLを通じた正極金属箔53と負極金属箔57との最初の短絡で、適切に放電させることができる。このため、その後に、電極体本体部20a内において、釘NLを通じて正極板21と負極板31とが短絡しても、これらに流れる放電電流は少なく発熱が少なくなる。従って、この電池1では、釘刺試験で電池1が高温になるのを防止できる。
また、本実施形態1では、電池ケース10が正極板21及び負極板31と絶縁されているので、電池1に釘刺試験を行ったとき、電池ケース10と正極金属箔53或いは負極金属箔57との間では短絡が生じずに、電極体20内でのみ短絡が生じる。このため、電極体外側部20bにおいて短絡直後の大電流放電により生じた熱は電池外に放熱され難く、電極体外側部20bから電極体本体部20aに伝わる熱が多くなる。但し、上述のように、釘刺試験を行ったとき、電極体外側部20b内で生じる最初の短絡で適切に放電させることができるため、その後に電極体本体部20a内で短絡が生じても、放電電流は少なく発熱が少ない。このため、電極体外側部20b内の短絡で生じた熱が電極体本体部20aに伝わっても、電極体本体部20aは熱暴走を引き起こすほど高温にはならない。従って、この電池1では、電池ケース10が正極板21及び負極板31と絶縁されているにも拘わらず、釘刺試験で電池1が高温になるのを防止できる。
更に、本実施形態1では、第2絶縁シート55及び第3絶縁シート59を、最大突刺強度Ta≦0.4(N)の絶縁フィルムとしているので、第1,第2セパレータ41,43に比して、釘NLを刺したときに容易に釘NLが貫通する。このため、電池1に釘刺試験を行ったときに、容易に釘NLが第2絶縁シート55及び第3絶縁シート59を貫通して、早期に正極金属箔53と負極金属箔57とを短絡させて速やかに放電させることができる。これにより、その後に電極体本体部20a内で短絡が生じても、放電電流が更に少なく発熱が更に少なくなる。
また、本実施形態1では、第2絶縁シート55及び第3絶縁シート59が、多孔質膜ではないため、これらのシート内部に非水電解液19が存在しない。このため、釘刺試験を行ったとき、電極体外側部20b内で生じる短絡で、接触抵抗が上がり難いので、より適切に放電させることができる。
(実施形態2)
次いで、第2の実施形態について説明する。実施形態1の電池1では、電極体20の電極体外側部20bを、その径方向内側から径方向外側に、第1絶縁シート51、正極金属箔53、第1,第2セパレータ41,43とは異なる第2絶縁シート55、負極金属箔57、及び、第1,第2セパレータ41,43とは異なる第3絶縁シート59によって形成した(図5参照)。
これに対し、本実施形態2の電池101では、電極体120の電極体外側部120bを、その径方向内側から径方向外側に、第1セパレータ141の一部からなる第4絶縁シート149、第1絶縁シート51、正極金属箔53、第2セパレータ143の一部からなる第2絶縁シート155、負極金属箔57、及び、第1セパレータ141の一部からなる第3絶縁シート159によって形成する(図8参照)。それ以外は、実施形態1と同様である。
本実施形態2の電極体120のうち電極体本体部120aは、実施形態1の電極体本体部20aと同様である。即ち、電極体本体部120aは、帯状の正極板21と帯状の負極板31とが、帯状の一対のセパレータ(第1セパレータ141及び第2セパレータ143)を介して互いに重ねられ、扁平状に捲回されてなる。なお、本実施形態2の第1,第2セパレータ141,143は、実施形態1の第1,第2セパレータ41,43と長手方向の長さが異なるのみであり、本実施形態2の第1,第2セパレータ141,143の方が長い(図9及び図7参照)。
一方、本実施形態2の電極体外側部120b(図8参照)は、第4絶縁シート149、第1絶縁シート51、正極金属箔53、第2絶縁シート155、負極金属箔57及び第3絶縁シート159から構成される。即ち、本実施形態2では、電極体本体部120aの最外周に捲回された負極板31と、実施形態1と同様な第1絶縁シート51との間に、1周にわたり第4絶縁シート149が配置されている。この第4絶縁シート149は、電極体本体部120aを構成する第1セパレータ141の一部からなる。
また、正極金属箔53と負極金属箔57との間に配置される第2絶縁シート155は、本実施形態2では、電極体本体部120aを構成する第2セパレータ143の一部(外周側の端部)からなる。なお、正極金属箔53及び負極金属箔57は、実施形態1の正極金属箔53及び負極金属箔57と同じである。
また、負極金属箔57の径方向外側で、電池ケース10との間に配置される第3絶縁シート159は、本実施形態2では、電極体本体部120aを構成する第1セパレータ141の一部(外周側の端部)からなる。
なお、このような電極体120は、次のようにして製造する(図9参照)。即ち、正極板21、第2セパレータ143、負極板31、第1セパレータ141の順にこれらを重ね、巻き芯を用いて捲回していく。そして、この捲回の最終段階において、正極板21のうち正極集電箔22が露出した部分(正極金属箔53)の径方向内側に第1絶縁シート51を挿入して捲回する。その後、正極板21、第2セパレータ143、負極板31及び第1セパレータ141をそれぞれ切断する。次に、この捲回体を扁平状に圧縮して電極体120を形成する。
本実施形態2の電池101も、電極体120のうち電極体本体部120aの径方向外側に電極体外側部120bを設け、この電極体外側部120b内に配置される第1絶縁シート51を、Ea/Ta≧1.8(mm/N)、かつ、Ma≧60(μm)からなる絶縁フィルムとしている。このため、実施形態1の電池1と同様に(図6参照)、この電池101に釘刺試験を行ったとき、電池101に突き刺した釘NLの先端部NLSが第1絶縁シート51を貫通するのを抑制し、或いは貫通するまでの時間を遅らせることができる。これにより、電極体外側部120b内で生じる釘NLを通じた正極金属箔53と負極金属箔57との最初の短絡で、適切に放電させることができる。このため、その後に、電極体本体部120a内において、釘NLを通じて正極板21と負極板31とが短絡しても、これらに流れる放電電流は少なく発熱が少なくなる。従って、この電池101でも、釘刺試験で電池101が高温になるのを防止できる。
(変形形態)
次いで、実施形態2の変形形態について説明する。実施形態2の電極体120の電極体外側部120bでは、第1絶縁シート51の径方向内側で、電極体本体部120aとの間に、第1セパレータ141の一部からなる第4絶縁シート149を配置した(図8参照)。
これに対し、本変形形態の電極体220の電極体外側部220bでは、第1絶縁シート51の径方向内側には、第4絶縁シートを配置せず、その代わりに第1絶縁シート51の径方向外側(第1絶縁シート51と正極金属箔53との間)に、第1セパレータ141の一部からなる第4絶縁シート149を配置している(図10参照)。それ以外は、実施形態2と同様である。
なお、この電極体220は、次のようにして製造する(図11参照)。即ち、正極板21、第2セパレータ143、負極板31、第1セパレータ141の順にこれらを重ね、巻き芯を用いて捲回していく。そして、この捲回の最終段階において、負極板31と第1セパレータ141との間に第1絶縁シート51を挿入して捲回する。その後、正極板21、第2セパレータ143、負極板31及び第1セパレータ141をそれぞれ切断する。次に、この捲回体を扁平状に圧縮して、電極体本体部220a及び電極体外側部220bからなる電極体220を形成する。
本変形形態の電池201も、電極体220のうち電極体本体部220aの径方向外側に電極体外側部220bを設け、この電極体外側部220b内に配置される第1絶縁シート51を、Ea/Ta≧1.8(mm/N)、かつ、Ma≧60(μm)からなる絶縁フィルムとしている。このような電池201でも、実施形態1,2で説明した釘刺試験を行ったときに、電池201が高温になるのを防止できる。
(実施例及び比較例)
次いで、本発明の効果を検証するために行った試験の結果について説明する。実施例1として、実施形態1の電池1を用意した。表1に示すように、この電池1では、電極体外側部120bを構成する第1絶縁シート51として、パラフィンからなり、前述の針突き刺し試験を行ったときの最大伸びEaと最大突刺強度Taとの比Ea/TaがEa/Ta=7.4mm/Nで、シート厚みMaがMa=120μmの絶縁フィルムを用いた。また、電極体外側部120bを構成する第2,第3絶縁シート55,59として、セルロール不織布からなり、前述の針突き刺し試験を行ったときの最大突刺強度TaがTa=0.4Nの絶縁フィルムを用いた。
Figure 2017188392
また、実施例2として、実施形態2の電池101を用意した。この電池101では、前述のように、第2,第3絶縁シート155,159が、第1,第2セパレータ141,143の一部からなる。つまり、第2,第3絶縁シート155,159は、PP層、PE層、PP層及び多孔質耐熱層(HRL層)からなる絶縁フィルムであり、前述の針突き刺し試験を行ったときの最大突刺強度TaがTa=2.1Nである。また、第1絶縁シート51は、実施形態1(実施例1)の電池1と同じである。
また、実施例3として、実施形態2(実施例2)に係る電池101の電極体外側部120bにおいて、第1絶縁シート51として、ポリプロピレンからなり、シート厚みMa=40μmの絶縁フィルムを2枚重ねて用いた。この2枚の絶縁フィルムからなる第1絶縁シートは、合計シート厚みMa=80μmで、2枚重ねて前述の針突き刺し試験を行ったとき、比Ea/Ta=1.8mm/Nである。それ以外は、実施形態2の電池101と同様とした。
また、実施例4として、実施形態2(実施例2)に係る電池101の電極体外側部120bにおいて、第1絶縁シート51として、ポリプロピレンからなり、前述の針突き刺し試験を行ったときの比Ea/Ta=2.9mm/Nで、シート厚みMa=60μmの絶縁フィルムを用いた。それ以外は、実施形態2の電池101と同様とした。
一方、比較例1として、電極体外側部を有しない電極体、即ち、第1〜第3絶縁シート、正極金属箔及び負極金属箔が無く、電極体本体部のみからなる電極体を用いた電池を用意した。それ以外は、実施形態1,2(実施例1,2)の電池1,101と同様とした。
また、比較例2として、実施形態2(実施例2)に係る電池101の電極体外側部120bにおいて、第1絶縁シート51として、ポリプロピレンからなり、前述の比Ea/Ta=1.7mm/Nで、シート厚みMa=50μmの絶縁フィルムを用いた。それ以外は、実施形態2(実施例2)の電池101と同様とした。
また、比較例3として、実施形態2(実施例2)に係る電池101の電極体外側部120bにおいて、第1絶縁シート51として、ポリプロピレンからなり、前述の比Ea/Ta=2.9mm/Nで、シート厚みMa=40μmの絶縁フィルムを用いた。それ以外は、実施形態2(実施例2)の電池101と同様とした。
実施例1〜3及び比較例1〜3の各電池について、釘刺試験を行った。具体的には、予め各電池をSOC100%に充電しておき、電池の幅広な側面の中央に、直径2.5mmの釘を5mm/secの速度で垂直に突き刺した。その結果、高温に発熱しなかった電池を「良好」、高温に発熱した電池を「不良」と判定した。その結果を表1に示す。
表1から判るように、比較例1〜3の各電池では、いずれも電池が高温になり「不良」であった。その理由は、以下であると考えられる。即ち、比較例1の電池では、電極体に電極体外側部が設けられておらず電極体本体部のみからなる。このため、釘刺試験を行ったとき、電極体(電極本体部)内の正極板21と負極板31とが釘を通じて短絡したため、電極体内で大電流が流れて発熱したと考えられる。
また、比較例2の電池では、第1絶縁シートの比Ea/Taが1.7mm/Nと小さいため、第1絶縁シートは伸び難く破れ易い。この電池では、釘刺試験を行ったとき、電極体外側部内で釘を通じて正極金属箔53と負極金属箔57が最初に短絡して、放電電流が流れる。しかし、電極体外側部における上記短絡において放電が十分になされる前に、釘が第1絶縁シートを貫通して、電極体本体部で短絡(釘を通じた正極板21と負極板31の短絡)が生じた。これにより、電極体本体部内で大電流が流れて発熱したと考えられる。
また、比較例3の電池では、第1絶縁シートのシート厚みMaが40μmと薄いため、第1絶縁シートは破れ易い。この電池では、釘刺試験を行ったとき、電極体外側部内で釘を通じて正極金属箔53と負極金属箔57が最初に短絡して、放電電流が流れる。しかし、電極体外側部における上記短絡において放電が十分になされる前に、釘が第1絶縁シートを貫通して、電極体本体部で短絡(釘を通じた正極板21と負極板31の短絡)が生じた。これにより、電極体本体部内で大電流が流れて発熱したと考えられる。
これらに対し、実施例1〜3の各電池では、いずれも釘刺試験において電池が高温にならず「良好」であった。実施例1〜3の各電池では、いずれも第1絶縁シート51に、比Ea/Taが1.8mm/N以上で、かつ、シート厚みMaが60μm以上の絶縁シートを用いているので、第1絶縁シートは伸びやすく破れ難い。このため、釘刺試験を行ったとき、釘が第1絶縁シートを貫通するのを抑制し、或いは貫通するまでの時間を遅らせることができる。これにより、電極体外側部内で生じる正極金属箔53と負極金属箔57の最初の短絡で、適切に放電させることができた。このため、その後に、電極体本体部内において正極板21と負極板31とが短絡しても、これらに流れる放電電流は少なく発熱が少なくなったと考えられる。
以上において、本発明を実施形態1,2及び変形形態に即して説明したが、本発明は上述の実施形態1,2及び変形形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることは言うまでもない。
例えば、実施形態1,2及び変形形態では、電極体として、扁平状捲回型の電極体20,120,220を例示したが、これに限られない。例えば、電極体を、円筒状捲回型の電極体や積層型の電極体としてもよい。
また、実施形態1,2及び変形形態では、電池ケースとして、金属からなる電池ケース10を例示したが、これに限られない。例えば、電池ケースを、ラミネートフィルムからなる電池ケースや、樹脂からなる電池ケースとしてもよい。
1,101,201 リチウムイオン二次電池(電池)
10 電池ケース
20,120,220 電極体
20a,120a,220a 電極体本体部
20b,120b,220b 電極体外側部
21 正極板(第1電極板)
22 正極集電箔(第1集電箔)
23 正極活物質層(第1活物質層)
31 負極板(第2電極板)
32 負極集電箔(第2集電箔)
33 負極活物質層(第2活物質層)
41,141 第1セパレータ(セパレータ)
43,143 第2セパレータ(セパレータ)
51 第1絶縁シート51
53 正極金属箔(第1金属箔)
55,155 第2絶縁シート
57 負極金属箔(第2金属箔)
59,159 第3絶縁シート
149 第4絶縁シート
70 正極端子部材
80 負極端子部材
NL 釘

Claims (1)

  1. 第1活物質層を含む一又は複数の第1電極板、第2活物質層を含む一又は複数の第2電極板及びセパレータを有する電極体と、この電極体を収容する電池ケースと、を備える電池であって、
    上記電極体は、
    上記第1電極板の上記第1活物質層と上記第2電極板の上記第2活物質層とが上記セパレータを介して対向した電極体本体部と、
    上記電極体本体部よりも外側に配置された第1絶縁シート、
    上記第1絶縁シートよりも外側に配置され、上記第1活物質層に導通する第1金属箔、
    上記第1金属箔の外側に配置された第2絶縁シート、及び、
    上記第2絶縁シートの外側に配置され、上記第2活物質層に導通する第2金属箔、を含む
    電極体外側部と、を有し、
    上記第1絶縁シートは、
    この第1絶縁シートに針を突き刺す針突き刺し試験を行ったときの厚み方向の最大伸びEa(mm)と最大突刺強度Ta(N)との比Ea/Ta(mm/N)が、Ea/Ta≧1.8であり、かつ、
    シート厚みMa(μm)が、Ma≧60の絶縁フィルムからなる
    電池。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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