JP2017187445A - 角速度センサおよびその感度調整方法 - Google Patents

角速度センサおよびその感度調整方法 Download PDF

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Abstract

【課題】感度調整段階を備える角速度センサの感度調整方法を提供する。【解決手段】錘部を有し、第1の軸方向と第2の軸方向とで異なる振動共振周波数で錘部を駆動させる駆動素子と、第1の軸回りの角速度に応じた第1の角速度信号を算出する算出部とを備える角速度センサの感度調整方法において、錘部を第1の軸方向に振動させ、錘部が第1の軸方向に駆動した場合の駆動素子の第1振動特性を検出する第1検出段階と、錘部を第2の軸方向に振動させ、錘部が第2の軸方向に駆動した場合の駆動素子の第2振動特性を検出する第2検出段階と、第1振動特性および第2振動特性に基づいて、角速度センサの感度を調整する感度調整段階とを備える方法を提供する。【選択図】図1

Description

本発明は、角速度センサおよびその感度調整方法に関する。
従来、振動型の角速度センサにおいて、製造プロセスのばらつき等によりセンサ感度にばらつきが生じることが知られている(例えば、特許文献1および2参照)。
特許文献1 特開平09−101157号公報
特許文献2 特開2014−178195号公報
しかしながら、従来の角速度センサは、工場出荷後に温度変化が生じた場合、センサ感度を一定に保つことができない。
本発明の第1の態様においては、錘部を有し、第1の軸方向と第2の軸方向とで異なる振動共振周波数で錘部を駆動させる駆動素子と、第1の軸回りの角速度に応じた第1の角速度信号を算出する算出部とを備える角速度センサの感度調整方法において、錘部を第1の軸方向に振動させ、錘部が第1の軸方向に駆動した場合の駆動素子の第1振動特性を検出する第1検出段階と、錘部を第2の軸方向に振動させ、錘部が第2の軸方向に駆動した場合の駆動素子の第2振動特性を検出する第2検出段階と、第1振動特性および第2振動特性に基づいて、角速度センサの感度を調整する感度調整段階とを備える方法を提供する。
本発明の第2の態様においては、錘部を有し、第1の軸方向に第1振動共振周波数で錘部を駆動させ、第2の軸方向に第1振動共振周波数と異なる第2振動共振周波数で錘部を駆動させる駆動素子と、錘部が第1の軸方向に駆動した場合の第1振動特性と、錘部が第2の軸方向に駆動した場合の第2振動特性とを検出する検出部と、第1振動特性および第2振動特性に基づいて、駆動素子および検出部のいずれかの感度を調整する感度調整部とを備える角速度センサを提供する。
なお、上記の発明の概要は、本発明の特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
角速度センサ100の構成の概要を示す。 実施例1に係る駆動素子90の上面図の一例を示す。 実施例1に係るセンサパッケージ200の断面図の一例を示す。 駆動共振周波数fおよび検出共振周波数fの関係の一例を示す。 角速度感度Sと、駆動共振周波数fおよび検出共振周波数fの差分の逆数との関係を示す。 センサパッケージ200の感度調整方法を説明するための図である。 角速度センサ100の動作の一例を示す。 角速度センサ100の駆動方法および検出方法の一例を示す。 角速度センサ100の詳細な信号波形の一例を示す。 角速度センサ100のタイミングチャートの一例を示す。 角速度センサ100のタイミングチャートの一例を示す。 角速度センサ100の構成の概要を示す。 演算部94における調整演算方式の一例を示す。 周波数検出回路85のカウント計算方法の一例を示す。 演算部94における調整演算方式の一例を示す。
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、角速度センサ100の構成の概要を示す。本例の角速度センサ100は、駆動素子90および信号処理部80を備える。
角速度センサ100は、駆動素子90が有する錘部を振動させることで、振動方向と直交する2軸方向の角速度を検出する。本例の角速度センサ100は、駆動素子90の錘部を異なる方向に振動させ、任意の1軸方向の角速度に対し2回の検出を行う。その後、角速度センサ100は、2回分の角速度の検出信号を演算することで、角速度を算出する。角速度センサ100は、印加角速度の変化に対して、錘部の振動方向の切り替えを十分に早くすることが好ましい。
駆動素子90は、予め定められた方向に振動可能な錘部を有する。駆動素子90は、第1の軸方向に第1振動共振周波数で錘部を駆動させる。また、駆動素子90は、第2の軸方向に第1振動共振周波数と異なる第2振動共振周波数で錘部を駆動させる。駆動素子90の錘部には、角速度センサ100に加わる角速度に応じたコリオリ力が生じる。駆動素子90は、当該コリオリ力に応じた検出信号を出力する。コリオリ力とは、駆動素子90の錘部の振動方向と垂直な方向に発生する、角速度センサ100に加わる角速度に比例した慣性力のことである。一例において、駆動素子90は、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)である。
信号処理部80は、駆動素子90が出力する検出信号に基づいて、角速度センサ100に印加された角速度を算出する。信号処理部80は、検出部81、算出部82および振動制御部83を備える。信号処理部80は、一例において、特定用途向け集積回路(ASIC:Application Specific Integrated Circuit)である。
検出部81は、駆動素子90の出力する検出信号を検出する。検出部81は、駆動素子90が有する錘部の振動特性Vを検出する。一例において、振動特性Vとは、錘部の振動共振周波数および振動共振周期の少なくとも一方を含む。検出部81は、駆動素子90が錘部を3軸方向に動作させる場合、3軸方向の振動共振周波数および振動共振周期をそれぞれ検出してよい。
例えば、検出部81は、駆動素子90の錘部が第1の軸方向に駆動した場合の第1振動特性Vc1と、錘部が第2の軸方向に駆動した場合の第2振動特性Vc2とを検出する。第1振動特性Vc1は、錘部が第1の軸方向に駆動した場合における、錘部の第1振動共振周波数および第1振動共振周期のいずれか1つを含む。第2振動特性Vc2は、錘部が第2の軸方向に駆動した場合における、錘部の第2振動共振周波数および第2振動共振周期のいずれか1つを含む。
また、検出部81は、駆動素子90の錘部が第3の軸方向に駆動した場合の第3振動特性Vc3を検出してもよい。第3振動特性Vc3は、錘部が第3の軸方向に駆動した場合における、錘部の第3振動共振周波数および第3振動共振周期のいずれか1つを含む。
算出部82は、検出部81が検出した検出信号を信号処理して、角速度センサ100に印加された角速度を算出する。算出部82は、駆動素子90の錘部の振動方向とは垂直な方向に発生するコリオリ力に基づいて、駆動素子90の角速度を算出する。一例において、算出部82は、感度調整部を有し、第1振動特性Vc1および第2振動特性Vc2に基づいて、駆動素子90および検出部81のいずれかの感度を調整する。
振動制御部83は、検出部81で検出した検出信号に基づいて、駆動素子90の錘部を振動させるための駆動信号を生成する。振動制御部83は、生成した駆動信号を駆動素子90に出力する。これにより、振動制御部83は、駆動素子90の駆動を制御する。一例において、振動制御部83は、駆動素子90が有する錘部の振動の開始および停止のタイミングを制御する。振動制御部83は、駆動素子90の錘部を3軸方向に駆動させてよい。
[実施例1]
図2は、実施例1に係る駆動素子90の上面図の一例を示す。図3は、実施例1に係るセンサパッケージ200の断面図の一例を示す。
センサパッケージ200は、角速度センサ100、パッケージ基板110およびケース120を備える。パッケージ基板110の上面には、信号処理部80および駆動素子90が順に積層される。但し、信号処理部80および駆動素子90の配置は、これに限られない。ケース120は、信号処理部80および駆動素子90を完全に覆うようにパッケージ基板110上に配置される。
駆動素子90は、支持部10、ダイヤフラム20、錘部30、駆動電極40、検出電極50、下部電極60及び圧電膜70を備える。本明細書において、駆動電極40及び検出電極50の形成される面をXY平面とし、錘部30が延伸する方向をZ軸方向とする。なお、本明細書において、X軸は第1の軸の一例であり、Y軸は第2の軸の一例であり、Z軸は第3の軸の一例である。
支持部10は、平面視で、角速度センサ100の外周に沿って形成される。平面視とは、Z軸方向に角速度センサ100を見た場合の視点を指す。支持部10は、半導体基板を加工することにより形成される。例えば、半導体基板は、Si−SiO−Siといった3層構造を有するSOI基板である。この場合、支持部10は、SOI基板におけるSi層を深堀エッチングすることにより形成される。
ダイヤフラム20は、外周が支持部10により支持されて形成された振動板である。ダイヤフラム20は、半導体基板を深堀エッチングすることにより、支持部10と錘部30との間に形成される。ダイヤフラム20は外周が支持部10に固定されており、駆動素子90に入力された駆動信号に応じて振動する。
錘部30は、駆動素子90に入力された駆動信号に応じて所定の方向に振動する。錘部30は、少なくとも2軸方向に振動される。錘部30は、平面視で外周がダイヤフラム20に固定されるので、ダイヤフラム20と一体となって振動する。錘部30は、支持部10及びダイヤフラム20と一体に形成されるのが好ましい。この場合、錘部30は、半導体基板を深堀エッチングすることにより、ダイヤフラム20に対し垂直な方向に延伸して形成される。また、錘部30は、駆動素子90の略中心に配置されるのが好ましい。本例の錘部30は、円柱形状を有するが、楕円柱その他の形状を有してよい。なお、支持部10は、錘部30の振動に応じて変位しないことが好ましい。これにより、錘部30は、安定して任意の方向に振動する。
下部電極60は、支持部10、ダイヤフラム20及び錘部30の上面に配置される。下部電極60は、接地される等により、予め定められた電位に設定される。これにより、駆動電極40と下部電極60との間、及び、検出電極50と下部電極60との間に電位差を発生させることができる。
圧電膜70は、下部電極60の上面において、XY平面に延伸して形成される。圧電膜70は、駆動電極40と下部電極60との間に設けられる。また、圧電膜70は、検出電極50と下部電極60との間に設けられる。圧電膜70は、駆動電極40に駆動信号を入力することにより、駆動電極40と下部電極60との間の電位差に応じた電圧が印加される。これにより、圧電膜70は、駆動電極40によって印加される電圧に応じて曲げられる。
なお、圧電膜70は、支持部10に近いほど振動時に加えられる応力が大きくなるので、支持部10の内周付近の圧電膜70には、大きな電流が発生する。したがって、検出電極50は、錘部30に近い位置に設けられるよりも、支持部10に近い位置に設けられた方が、より大きな信号として検出できる。
駆動電極40は、入力された駆動信号に応じて、錘部30を共振させる。駆動電極40は、4つの駆動電極40a、40b,40c,40dを有する。駆動電極40a,40bは、錘部30を挟んでX軸方向に配列されている。駆動電極40c,40dは、錘部30を挟んでY軸方向に配列されている。駆動電極40a,40b,40c,40dには、駆動信号DX1,DX2,DY1,DY2がそれぞれ入力される。また、駆動電極40は、平面視で錘部30の外周に対応する位置の近辺に配置される。錘部30の外周は、振動の固定端である支持部10の内周からの距離が最大となるので、錘部30の外周付近の圧電膜70には大きなモーメントが発生する。したがって、駆動電極40は、支持部10に近接して設けられる場合よりも、錘部30を効率的に振動させることができる。
検出電極50は、錘部30に発生したコリオリ力に対応した信号を出力する。本例の検出電極50は、発生したコリオリ力の大きさに応じた信号を電圧値として出力する。検出電極50は、平面視で支持部10の内周に対応する位置の近辺に配置される。検出電極50は、錘部30の変位に応じた検出信号を生成する。検出電極50は、4つの検出電極50a,50b,50c,50dを有する。検出電極50a,50bは、錘部30を挟んでX軸方向に配列されている。検出電極50c,50dは、錘部30を挟んでY軸方向に配列されている。検出電極50a,50b,50c,50dは、検出信号SX1,SX2,SY1,SY2をそれぞれ出力する。
以上の通り、本例の角速度センサ100は、錘部30の振動方向と垂直な方向に発生するコリオリ力を検出することにより、角速度センサ100に印加される角速度を算出する。また、角速度センサ100は、錘部30の振動方向を切り替えることにより、複数の回転軸の角速度を検出できる。具体的には、角速度センサ100は、錘部30を間欠に振動させて、第1の方向から第2の方向に振動方向を切り替える。角速度センサ100は、切り替え動作の繰返しによって、任意の時間における各回転軸の角速度を測定する。
図4は、駆動共振周波数fおよび検出共振周波数fの関係の一例を示す。縦軸は錘部30の変位を示し、横軸は錘部30の振動周波数を示す。差分Δfは、駆動共振周波数fと検出共振周波数fとの差分を示す。後述する通り、角速度センサ100は、差分Δfを用いて感度を調整する。
駆動共振周波数fとは、駆動軸において錘部30が共振する場合の共振周波数fである。駆動軸とは、錘部30が振動する方向に平行な軸である。駆動共振周波数fは、駆動素子90の構造や材料等に応じて変化する。
検出共振周波数fとは、検出軸の共振周波数fである。検出軸とは、角速度センサ100に印加される角速度に応じて生じるコリオリ力が発生する方向に平行な軸である。検出共振周波数fは、駆動素子90の構造や材料等に応じて変化する。
角速度センサ100は、測定ごとに、駆動軸と検出軸とを入れ替える。例えば、予め定められた軸の駆動時に駆動共振周波数fを測定すると、他の軸で駆動する際には、駆動共振周波数fが検出共振周波数fとなる。即ち、3軸分の駆動共振周波数fを測定すると、3軸分の検出共振周波数fが分かる。
図5は、角速度感度Sと、駆動共振周波数fおよび検出共振周波数fの差分の逆数との関係を示す。縦軸は角速度感度S[aF/deg/sec]を示し、横軸は1/|f−fxy|[1/Hz]を示す。
角速度感度Sは、駆動共振周波数fおよび検出共振周波数fの差分の逆数に比例する。言い換えると、角速度感度Sは、駆動共振周波数fと検出共振周波数fとの差分に反比例する。即ち、温度Tの場合、角速度感度Sは次式で示される。
Figure 2017187445
(T)は、温度Tにおける駆動共振周波数fを示す。fs(T)は、温度Tにおける検出共振周波数fを示す。
角速度感度Sが、駆動共振周波数fと検出共振周波数fとの差分に反比例する特性を利用することにより、角速度センサ100における回路の出力値AD(T)を調整した調整出力値AD'(T)を算出する。これにより、角速度センサ100は、温度Tでの感度を、基準時における基準温度Trefでの感度と同一に設定できる。例えば、基準時における基準温度Trefでの感度は、角速度センサ100の工場出荷時において、室温RTで測定される。
ここで、基準温度Trefを室温RTに設定した場合、温度Tでの調整出力値AD'(T)は、次式で示される。
Figure 2017187445
角速度センサ100は、工場出荷時に測定された駆動共振周波数f(RT)および検出共振周波数f(RT)を保存する。一例において、角速度センサ100は、工場出荷時に測定データを不揮発メモリに保存する。また、角速度センサ100は、室温での駆動共振周波数f(RT)と検出共振周波数f(RT)との差分を保存してもよい。角速度センサ100の使用時に、温度Tにおける駆動共振周波数f(T)と検出共振周波数f(T)を測定することにより、出力値AD(T)を調整して調整出力値AD'(T)が得られる。
なお、本例の角速度センサ100は、工場出荷時において、室温RTを基準温度Trefとして測定するが、特にこれに限られない。但し、角速度センサ100は、基準温度Trefを角速度センサ100の使用時の温度と近い温度に設定することにより、誤差が小さくなり、より正確に出力値を調整できる。
図6は、センサパッケージ200の感度調整方法を説明するための図である。本例のセンサパッケージ200は、回転テーブル300上に配置されている。
回転テーブル300は、Z軸回りに回転する平板のテーブルである。回転テーブル300は、基準温度Trefにおいて、任意の角速度Ω[dps]でZ軸回りに回転する。これにより、回転テーブル300は、センサパッケージ200に角速度Ωを加える。ここで、角速度センサ100の回路ゲインがαの場合の、角速度センサ100におけるAD出力は次式で示される。
Figure 2017187445
なお、本明細書において、AD出力とは、角速度センサ100に印加された角速度を算出するために、角速度センサ100が検出した検出信号をデジタル信号に変換した信号を示す。
また、温度Tにおける感度S(T)は、基準温度における感度をSとすると、次式で示される。
Figure 2017187445
Figure 2017187445
次に、角速度センサ100の使用時に、AD値に加えて駆動共振周波数fおよび検出共振周波数fを測定する。角速度センサ100は、工場出荷時の駆動共振周波数f(Tref)および検出共振周波数f(Tref)を記憶する。記憶した工場出荷時の駆動共振周波数f(Tref)、検出共振周波数f(Tref)およびαに基づいて、調整出力値AD'を計算すると次式で示される。
Figure 2017187445
このように、調整出力値AD'(T)は、基準時の感度S(Tref)を含む出力として表される。このように、本例の角速度センサ100は、工場出荷時の基準温度Trefで、駆動共振周波数f(Tref)と検出共振周波数f(Tref)との差分を保存しておけば、温度Tでの出力値AD(T)から、角速度感度Sを調整できる。そのため、角速度センサ100がメモリに保存するデータ量は少ない。
図7は、角速度センサ100の動作の一例を示す。図8は、角速度センサ100の駆動方法および検出方法の一例を示す。
X駆動時、角速度センサ100は、角速度ωおよび角速度ωを算出する。角速度センサ100は、X軸方向に振動する錘部30に対するZ軸方向のコリオリ力を検出することにより、角速度ωを算出する。この場合、角速度センサ100は、駆動電極40に駆動信号+DX1および−DX2を入力し、錘部30をX軸方向に振動させる。角速度センサ100は、角速度ωに応じて発生するコリオリ力に応じた検出信号SY1+SY2を検出電極50から出力する。そして、角速度センサ100は、検出信号SY1+SY2に基づいて、AD値としてADωを生成する。
同様に、角速度センサ100は、X軸方向に振動する錘部30に対するY軸方向のコリオリ力を検出することにより、角速度ωを算出する。この場合、角速度センサ100は、駆動電極40に駆動信号+DX1および−DX2を入力し、錘部30をX軸方向に振動させる。角速度センサ100は、角速度ωに応じて発生するコリオリ力に応じた検出信号SY1−SY2を検出電極50から出力する。そして、角速度センサ100は、検出信号SY1−SY2に基づいて、AD値としてADωを生成する。
Y駆動時、角速度センサ100は、角速度ωおよび角速度ωを算出する。角速度センサ100は、Y軸方向に振動する錘部30に対するX軸方向のコリオリ力を検出することにより、角速度ωを算出する。この場合、角速度センサ100は、駆動電極40に駆動信号+DY1および−DY2を入力し、錘部30をY軸方向に振動させる。角速度センサ100は、角速度ωに応じて発生するコリオリ力に応じた検出信号SX1−SX2を検出電極50から出力する。そして、角速度センサ100は、検出信号SX1−SX2に基づいて、AD値としてADωを生成する。
同様に、角速度センサ100は、Y軸方向に振動する錘部30に対するZ軸方向のコリオリ力を検出することにより、角速度ωを算出する。この場合、角速度センサ100は、駆動電極40に駆動信号+DY1および−DY2を入力し、錘部30をY軸方向に振動させる。角速度センサ100は、角速度ωに応じて発生するコリオリ力に応じた検出信号SX1+SX2を検出電極50から出力する。そして、角速度センサ100は、検出信号SX1+SX2に基づいて、AD値としてADωを生成する。
Z駆動時、角速度センサ100は、角速度ωおよび角速度ωを算出する。角速度センサ100は、Z軸方向に振動する錘部30に対するY軸方向のコリオリ力を検出することにより、角速度ωを算出する。この場合、角速度センサ100は、駆動電極40に駆動信号+DX1,+DX2,+DY1および+DY2を入力し、錘部30をZ軸方向に振動させる。角速度センサ100は、角速度ωに応じて発生するコリオリ力に応じた検出信号SY1−SY2を検出電極50から出力する。そして、角速度センサ100は、検出信号SY1−SY2に基づいて、AD値としてADωを生成する。
同様に、角速度センサ100は、Z軸方向に振動する錘部30に対するX軸方向のコリオリ力を検出することにより、角速度ωを算出する。この場合、角速度センサ100は、駆動電極40に駆動信号+DX1,+DX2,+DY1および+DY2を入力し、錘部30をZ軸方向に振動させる。角速度センサ100は、角速度ωに応じて発生するコリオリ力に応じた検出信号SX1−SX2を検出電極50から出力する。そして、角速度センサ100は、検出信号SX1−SX2に基づいて、AD値としてADωを生成する。
図9は、角速度センサ100の詳細な信号波形の一例を示す。角速度センサ100は、所定の軸での駆動から停止までの間に、起動区間、発振区間および停止区間の3つの区間を有する。同図は、駆動電圧および錘部30の変位の時間変化を示す。
起動区間において、振動制御部83は、錘部30に予め定められた駆動電圧VPLSの駆動信号を、予め定められたパルス周期TPLSで出力する。起動区間とは、錘部30が振動を開始してから共振するまでの区間である。振動制御部83は、駆動電圧VPLSの駆動信号を出力することにより、錘部30の振動を開始させる。振動制御部83は、錘部30が共振するまで、駆動電圧VPLSの駆動信号を出力する。一例において、振動制御部83は、当該起動区間の以前に検出した駆動共振周波数fで錘部30の駆動を開始させる。
発振区間において、角速度センサ100は、錘部30を駆動共振周波数fで振動させる。発振区間とは、錘部30が共振する区間である。錘部30は、発振区間において、共振周波数で振動する。振動制御部83は、錘部30の共振周波数に応じて駆動電圧を印加する。角速度センサ100は、錘部30が共振している発振区間において予め定められた振動特性Vを検出する。
停止区間において、角速度センサ100は、錘部30の振動を停止させる。一例において、振動制御部83は、錘部30の振動方向と反対方向の力が加わるように、駆動素子90に駆動信号を入力する。
角速度センサ100は、発振区間において得られた駆動共振周波数fに基づいて、起動区間における駆動電圧VPLSの大きさを決定する。一例において、角速度センサ100は、駆動共振周波数fに対応する駆動電圧VPLSを駆動電極に印加する。即ち、角速度センサ100は、起動区間の矩形波信号の周波数を駆動共振周波数fに追随させる。これにより、角速度センサ100は、起動区間を短縮できる。よって、角速度センサ100は、効率的に錘部30の振動を立ち上げることができる。
図10は、角速度センサ100のタイミングチャートの一例を示す。同図は、それぞれ錘部30の振動方向、錘部30の振動変位、検出部81により検出する共振周波数fの成分、信号処理部80により検出する角速度の成分および角速度感度Sの調整式について示す。本例の角速度センサ100は、X軸、Y軸、Z軸の順に錘部30を振動させるが特にこれに限られない。
本例の角速度センサ100は、第1検出段階D1、第2検出段階D2および第3検出段階D3を備える。また、本例の角速度センサ100は、第1検出段階D1、第2検出段階D2および第3検出段階D3の後に感度調整段階A1,A2、A3を備える。角速度センサ100は、複数の第1検出段階D1、複数の第2検出段階D2および複数の第3検出段階D3を繰返し実行してもよい。
第1検出段階D1は、錘部30をX軸方向に振動させ、錘部30がX軸方向に駆動した場合の駆動素子90の第1振動特性Vc1を検出する段階である。一例において、X駆動時、角速度センサ100は、X軸方向の共振周波数fを取得する。
第2検出段階D2は、錘部30をY軸方向に振動させ、錘部30がY軸方向に駆動した場合の駆動素子90の第2振動特性Vc2を検出する段階である。一例において、Y駆動時、角速度センサ100は、Y軸方向の共振周波数fを取得する。
第3検出段階D3は、錘部30をZ軸方向に振動させ、錘部30がZ軸方向に駆動した場合の駆動素子90の第3振動特性Vc3を検出する段階である。一例において、Z駆動時、角速度センサ100は、Z軸方向の共振周波数fを取得する。
第1算出段階C1は、X軸回りの角速度に応じた角速度信号ADωを算出する段階である。第1算出段階C1は、第2検出段階D2および第3検出段階D3に対応して実行される。
第2算出段階C2は、Y軸回りの角速度に応じた角速度信号ADωを算出する段階である。第2算出段階C2は、第3検出段階D3および第1検出段階D1に対応して実行される。
第3算出段階C3は、Z軸回りの角速度に応じた角速度信号ADωを算出する段階である。第3算出段階C3は、第1検出段階D1および第2検出段階D2に対応して実行される。
第1検出段階D1は、第2算出段階C2および第3算出段階C3を含む。即ち、第1検出段階D1において、角速度センサ100は、角速度の出力値ADωおよびADωを取得する。但し、角速度センサ100は、X駆動時に、出力値ADωおよびADωのいずれか一方を取得してもよい。なお、本明細書において、検出段階が算出段階を含むとは、任意の振動特性Vを検出する検出段階の実行中に、任意の軸回りの角速度を算出する算出段階を実行することを含んでよい。
第2検出段階D2は、第3算出段階C3および第1算出段階C1を含む。即ち、第2検出段階D2において、角速度センサ100は、角速度の出力値ADωおよびADωを取得する。但し、角速度センサ100は、Y駆動時に、出力値ADωおよびADωのいずれか一方を取得してもよい。
第3検出段階D3は、第1算出段階C1および第2算出段階C2を含む。即ち、第3検出段階D3において、角速度センサ100は、角速度の出力値ADωおよびADωを取得する。但し、角速度センサ100は、Z駆動時に、出力値ADωおよびADωのいずれか一方を取得してもよい。
感度調整段階では、角速度センサ100の感度が調整される。一例において、感度調整段階において、角速度センサ100は、第1振動特性Vc1と第2振動特性Vc2との差分に基づいて、感度を調整する。また、感度調整段階において、角速度センサ100は、第1温度における第1振動特性Vc1と第2振動特性Vc2との第1の差分Δfと、第2温度における第1振動特性Vc1と第2振動特性Vc2との第2の差分Δfとの比に基づいて、感度を調整してもよい。本例の感度調整段階は、第1調整段階A1、第2調整段階A2および第3調整段階A3を備える。
第1調整段階A1において、角速度センサ100は、調整出力値ADω'を算出するための角速度センサ100の感度を調整する。調整出力値ADω'は、次式で示される。
Figure 2017187445
即ち、本例の角速度センサ100は、温度Tにおける振動共振周波数fとfとの差分(即ち、第1の差分Δf)と、室温RTにおける振動共振周波数f(RT)とf(RT)との差分(即ち、第2の差分Δf)との比に基づいて、感度を調整する。これにより、角速度ωを算出するための角速度センサ100の感度が調整される。
第2調整段階A2において、角速度センサ100は、調整出力値ADω'を算出するための角速度センサ100の感度を調整する。調整出力値ADω'は、次式で示される。
Figure 2017187445
即ち、本例の角速度センサ100は、温度Tにおける振動共振周波数fとfとの差分(即ち、第3の差分Δf)と、室温RTにおける振動共振周波数f(RT)とf(RT)との差分(即ち、第4の差分Δf)との比に基づいて、感度を調整する。これにより、角速度ωを算出するための角速度センサ100の感度が調整される。
第3調整段階A3において、角速度センサ100は、調整出力値ADω'を算出するための角速度センサ100の感度を調整する。調整出力値ADω'は、次式で示される。
Figure 2017187445
即ち、本例の角速度センサ100は、温度Tにおける振動共振周波数fとfとの差分(即ち、第5の差分Δf)と、室温RTにおける振動共振周波数f(RT)とf(RT)との差分(即ち、第6の差分Δf)との比に基づいて、感度を調整する。これにより、角速度ωを算出するための角速度センサ100の感度が調整される。
一例において、感度調整段階は、第1振動特性Vc1および第2振動特性Vc2に基づいて、角速度センサ100の感度を調整する段階である。また、感度調整段階において、第1振動特性Vc1と第2振動特性Vc2との差分に基づいて、角速度センサ100の感度を調整してよい。本例の角速度センサ100は、角速度の出力値ADω,ADω,ADωを取得した後に、取得した共振周波数f,f,fに基づいて、調整出力値ADω',ADω',ADω'を算出する。
本例の角速度センサ100は、全ての角速度の出力値ADω,ADω,ADωを取得した後に角速度感度Sの調整を行う。即ち、第1算出段階C1〜第3算出段階C3を実行した後に、第1調整段階A1〜第3調整段階A3を実行している。但し、角速度センサ100は、角速度の出力値ADω,ADω,ADωを全て取得する前に、保存した角速度の出力値を用いて角速度感度Sを調整してよい。即ち、角速度センサ100は、各調整段階において、最新の角速度の出力値ADω,ADω,ADωを用いればよく、第1調整段階A1〜第3調整段階A3を実行するタイミングは本例に限られない。
また、本例の角速度センサ100は、各軸の駆動時に、それぞれ2軸分の角速度を測定しているが、1軸分ずつ角速度を測定してもよい。この場合、角速度センサ100は、各軸の駆動時において、それぞれ異なる軸回りの角速度を取得し、最終的に角速度の出力値ADω,ADω,ADωを得ることが好ましい。このように、角速度センサ100は、角速度感度Sを調整する前に、XYZの3軸の角速度を取得し、もしくは保存しておけばよい。
例えば、第1検出段階D1、第2検出段階D2および第3検出段階D3の順に検出段階が実行される場合、第1検出段階D1は、第2算出段階C2又は第3算出段階C3を含む。第2検出段階D2は、第3算出段階C3および第1算出段階C1の内、第1検出段階D1に含まれていない算出段階を含む。そして、第3検出段階D3は、第1算出段階C1および第2算出段階C2の内、第1検出段階D1および第2検出段階D2に含まれていない算出段階を含んでよい。これにより、角速度センサ100は、第1検出段階D1〜第3検出段階D3において、少なくとも出力値ADω,ADω,ADωを一度は算出できる。
更に、角速度センサ100は、第1検出段階D1において検出したX軸駆動時の振動特性Vcxに基づいて、後の第1検出段階D1で錘部30をX軸方向に振動させてよい。また、角速度センサ100は、第2検出段階D2において検出したY軸駆動時の振動特性Vcyに基づいて、後の第2検出段階D2で錘部30をY軸方向に振動させる。そして、角速度センサ100は、第3検出段階D3において検出したZ軸駆動時の振動特性Vczに基づいて、後の第3検出段階D3で錘部30をZ軸方向に振動させてよい。
図11は、角速度センサ100のタイミングチャートの一例を示す。角速度センサ100は、1周期において、XYZの3軸方向に錘部30を振動させる。本例の角速度センサ100は、Z軸駆動時に、第3検出段階D3により共振周波数fの測定のみを行い、角速度を取得していない。即ち、角速度センサ100は、第1検出段階D1〜第3検出段階D3のいずれかの検出段階において、第1算出段階C1〜第3算出段階C3を実行しなくてよい。本例の角速度センサ100は、各周期の3回目の測定を周波数測定だけ行い、角速度測定を行わない。
角速度センサ100は、第1検出段階D1〜第3検出段階D3のいずれか1つの検出段階において、第1算出段階C1〜第3算出段階C3を含まなくてもよい。例えば、本例の角速度センサ100は、第1検出段階D1に、第2算出段階C2および第3算出段階C3を含み、第2検出段階D2に、第3算出段階C3および第1算出段階C1を含む。但し、本例の角速度センサ100は、第3検出段階D3において、いずれの算出段階も含まない。なお、本例の角速度センサ100は、第3検出段階D3において、算出段階を省略したが、第1検出段階D1〜第3検出段階D3において、第1算出段階C1〜第3算出段階C3を少なくとも1回ずつ実行すれば、算出段階を適宜省略してもよい。
図12は、角速度センサ100の構成の概要を示す。本例の角速度センサ100は、信号処理部80および駆動素子90を備える。信号処理部80は、検出部81、算出部82、振動制御部83および制御ロジック93を備える。検出部81は、信号検出回路84および周波数検出回路85を有する。算出部82は、同期検波部86、90°移相部87、AD変換部88、記憶部89、感度調整部91およびインターフェース部92を有する。なお、制御ロジック93は、検出部81、算出部82および振動制御部83の動作を制御するロジック回路である。
振動制御部83は、駆動素子90の錘部30を予め定められた方向に振動させる。この場合、振動制御部83は、第1振動特性Vc1に基づいて、錘部30をX軸方向に振動させ、第2振動特性Vc2に基づいて、錘部30をY軸方向に振動させ、第3振動特性Vc3に基づいて、錘部30をZ軸方向に振動させる。
信号検出回路84は、駆動素子90の出力した検出信号を検出する。信号検出回路84は、検出した検出信号を振動制御部83、周波数検出回路85および同期検波部86に出力する。
周波数検出回路85は、錘部30がX軸方向に駆動した場合における、錘部30の第1振動共振周波数および第1振動共振周期の少なくとも1つを第1振動特性Vc1として検出する。また、周波数検出回路85は、錘部30がY軸方向に駆動した場合における、錘部30の第2振動共振周波数および第2振動共振周期の少なくとも1つを第2振動特性Vc2として検出する。更に、周波数検出回路85は、錘部30がZ軸方向に駆動した場合における、錘部30の第3振動共振周波数および第3振動共振周期の少なくとも1つを第3振動特性Vc3として検出する。
例えば、周波数検出回路85は、検出信号から錘部30の振動の共振周波数を検出する。より具体的には、周波数検出回路85は、錘部30の3軸方向の共振周波数f,f,fを検出する。周波数検出回路85は、検出した共振周波数を振動制御部83、90°移相部87および感度調整部91に出力する。
同期検波部86は、信号検出回路84が検出した検出信号および90°移相部87からの90°位相した参照信号により同期検波する。同期検波部86は、同期検波により復調した信号をAD変換部88に出力する。
AD変換部88は、入力されたアナログ信号をデジタル信号に変換する。例えば、AD変換部88は、角速度センサ100に印加された角速度の出力値ADを感度調整部91に出力する。
記憶部89は、駆動素子90の振動特性Vを記憶する。一例において、記憶部89は、不揮発性メモリを有する。これにより、記憶部89は、工場出荷時の駆動共振周波数f(Tref)および検出共振周波数f(Tref)を記憶してよい。
感度調整部91は、第1振動特性Vc1と第2振動特性Vc2との差分に基づいて、角速度センサ100の感度を調整する。また、感度調整部91は、第1温度における第1振動特性Vc1と第2振動特性Vc2との第1の差分Δfと、第2温度における第1振動特性Vc1と第2振動特性Vc2との第2の差分Δfとの比に基づいて、角速度センサ100の感度を調整してよい。本例の感度調整部91は、演算部94を有する。感度調整部91には、記憶部89に記憶された振動特性Vおよび角速度の出力値ADが入力される。
演算部94は、記憶された振動特性Vに基づいて、角速度の出力値ADを調整して、調整出力値AD'を生成する。即ち、感度調整部91は、本明細書に開示された演算処理を実行する。一例において、演算部94は、第1温度における第1振動特性Vc1と第2振動特性Vc2との第1の差分Δfと、第2温度における第1振動特性Vc1と第2振動特性Vc2との第2の差分Δfとの比に基づく演算を実行する。また、演算部94は、第1の差分Δfと第2の差分Δfとの比をADω、ADω、ADωの少なくとも1つに乗算してよい。感度調整部91は、演算部94を有することにより、角速度センサ100の感度を調整する。感度調整部91は、生成した調整出力値AD'をインターフェース部92に出力する。
インターフェース部92は、角速度センサ100の外部に、角速度センサ100の角速度に応じた信号を出力する。
図13は、演算部94における調整演算方式の一例を示す。本例の演算部94には、周波数検出回路85より共振周波数fおよびfが入力される。演算部94は、共振周波数fとfとの差分f−fを算出する。演算部94は、差分f−fを記憶部89に記憶された工場出荷時の室温での差分f(RT)−f(RT)で除する。また、演算部94は、差分f−fを差分f(RT)−f(RT)で除した値にAD変換部88が出力したX軸回りの角速度に対応した出力値ADωを乗算する。
図14は、周波数検出回路85のカウント計算方法の一例を示す。本例の周波数検出回路85は、駆動素子90の振動共振周期を算出する代わりに、錘部30の共振振動の周期に対応するクロック数をカウントしたカウント値countを計算する。言い換えると、周波数検出回路85は、錘部30の共振振動の1周期が何クロック分かを数える。
感度調整部91は、カウント値countを用いて、角速度センサ100の感度を調整する。即ち、振動共振周期のカウント値countは、駆動素子90の振動特性Vの一例である。このように、感度調整部91は、駆動素子90の振動特性Vとして、錘部30の振動共振周波数および振動共振周期を直接算出しなくとも角速度センサ100の感度を調整できる。
図15は、演算部94における調整演算方式の一例を示す。本例の感度調整部91は、周波数の値の替わりにカウンタにより測定したカウンタ値countを用いて演算を行う。この場合も、基本的な演算方法は図13に示した場合と同じである。
countは、X駆動時における錘部30の共振振動の1周期のカウント値countを示す。また、countは、Y駆動時における錘部30の共振振動の1周期のカウント値countを示す。
調整係数は、途中式の一部を省略することにより、次式の通り簡略化できる。
Figure 2017187445
よって、本例の演算部94は、錘部30の振動共振周波数を用いる場合と同様に演算できる。本例の演算部94には、周波数検出回路85よりcountおよびcountが入力される。演算部94は、countとcountとの差分count−countを算出する。演算部94は、差分count−countを記憶部89に記憶された工場出荷時の室温での差分count(RT)−count(RT)で除する。また、演算部94は、差分count−countを差分count(RT)−count(RT)で除した値にAD変換部88が出力したX軸回りの角速度に対応した出力値ADωを乗算する。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
10・・・支持部、20・・・ダイヤフラム、30・・・錘部、40・・・駆動電極、50・・・検出電極、60・・・下部電極、70・・・圧電膜、80・・・信号処理部、81・・・検出部、82・・・算出部、83・・・振動制御部、84・・・信号検出回路、85・・・周波数検出回路、86・・・同期検波部、87・・・90°移相部、88・・・AD変換部、89・・・記憶部、90・・・駆動素子、91・・・感度調整部、92・・・インターフェース部、93・・・制御ロジック、94・・・演算部、100・・・角速度センサ、110・・・パッケージ基板、120・・・ケース、200・・・センサパッケージ、300・・・回転テーブル

Claims (17)

  1. 錘部を有し、第1の軸方向と第2の軸方向とで異なる振動共振周波数で前記錘部を駆動させる駆動素子と、第1の軸回りの角速度に応じた第1の角速度信号を算出する算出部とを備える角速度センサの感度調整方法において、
    前記錘部を前記第1の軸方向に振動させ、前記錘部が前記第1の軸方向に駆動した場合の前記駆動素子の第1振動特性を検出する第1検出段階と、
    前記錘部を前記第2の軸方向に振動させ、前記錘部が前記第2の軸方向に駆動した場合の前記駆動素子の第2振動特性を検出する第2検出段階と、
    前記第1振動特性および前記第2振動特性に基づいて、前記角速度センサの感度を調整する感度調整段階と
    を備える方法。
  2. 前記第1振動特性は、前記錘部が前記第1の軸方向に駆動した場合における、前記錘部の第1振動共振周波数および第1振動共振周期のいずれか1つを含み、
    前記第2振動特性は、前記錘部が前記第2の軸方向に駆動した場合における、前記錘部の第2振動共振周波数および第2振動共振周期のいずれか1つを含む
    請求項1に記載の方法。
  3. 前記感度調整段階において、前記第1振動特性と前記第2振動特性との差分に基づいて、前記角速度センサの感度を調整する
    請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記感度調整段階において、第1温度における前記第1振動特性と前記第2振動特性との第1の差分と、第2温度における前記第1振動特性と前記第2振動特性との第2の差分との比に基づいて、前記角速度センサの感度を調整する
    を備える請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記第1の角速度信号を算出する第1算出段階と、
    第2の軸回りの角速度に応じた第2の角速度信号を算出する第2算出段階と、
    第3の軸回りの角速度に応じた第3の角速度信号を算出する第3算出段階と
    を備え、
    前記感度調整段階は、
    前記第1の差分と前記第2の差分との比を前記第1の角速度信号、前記第2の角速度信号および前記第3の角速度信号の少なくとも1つに乗算する乗算段階を有する
    請求項4に記載の方法。
  6. 前記錘部を前記第3の軸方向に振動させ、前記錘部が第3の軸方向に駆動した場合の第3振動特性を検出する第3検出段階を更に備え、
    前記感度調整段階は、
    前記第1の差分と前記第2の差分との比に基づいて、前記第3の角速度信号を算出するための前記角速度センサの感度を調整する第1調整段階と、
    前記第1温度における前記第2振動特性と前記第3振動特性との第3の差分と、前記第2温度における前記第2振動特性と前記第3振動特性との第4の差分との比に基づいて、前記第1の角速度信号を算出するための前記角速度センサの感度を調整する第2調整段階と、
    前記第1温度における前記第3振動特性と前記第1振動特性との第5の差分と、前記第2温度における前記第3振動特性と前記第1振動特性との第6の差分との比に基づいて、前記第2の角速度信号を算出するための前記角速度センサの感度を調整する第3調整段階と
    を備える
    請求項5に記載の方法。
  7. 前記第1検出段階は、前記第2算出段階および前記第3算出段階を含み、前記第2の角速度信号および前記第3の角速度信号を算出し、且つ、前記第1振動特性を検出し、
    前記第2検出段階は、前記第3算出段階および前記第1算出段階を含み、前記第3の角速度信号および前記第1の角速度信号を算出し、且つ、前記第2振動特性を検出し、
    前記第3検出段階は、前記第1算出段階および前記第2算出段階を含み、前記第1の角速度信号および前記第2の角速度信号を算出し、且つ、前記第3振動特性を検出する
    請求項6に記載の方法。
  8. 前記第1検出段階、前記第2検出段階および前記第3検出段階のいずれか1つの検出段階は、前記第1算出段階、前記第2算出段階および前記第3算出段階を含まない
    請求項7に記載の方法。
  9. 前記第1検出段階は、前記第2算出段階又は前記第3算出段階を含み、
    前記第2検出段階は、前記第3算出段階および前記第1算出段階の内、前記第1検出段階に含まれていない算出段階を含み、
    前記第3検出段階は、前記第1算出段階および前記第2算出段階の内、前記第1検出段階および前記第2検出段階に含まれていない算出段階を含む
    請求項6に記載の方法。
  10. 複数の前記第1検出段階、複数の前記第2検出段階および複数の前記第3検出段階を備え、
    前記第1検出段階において検出した前記第1振動特性に基づいて、後の第1検出段階で前記錘部を前記第1の軸方向に振動させ、
    前記第2検出段階において検出した前記第2振動特性に基づいて、後の第2検出段階で前記錘部を前記第2の軸方向に振動させ、
    前記第3検出段階において検出した前記第3振動特性に基づいて、後の第3検出段階で前記錘部を前記第3の軸方向に振動させ、
    請求項6から9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 錘部を有し、第1の軸方向に第1振動共振周波数で前記錘部を駆動させ、第2の軸方向に前記第1振動共振周波数と異なる第2振動共振周波数で前記錘部を駆動させる駆動素子と、
    前記錘部が前記第1の軸方向に駆動した場合の第1振動特性と、前記錘部が前記第2の軸方向に駆動した場合の第2振動特性とを検出する検出部と、
    前記第1振動特性および前記第2振動特性に基づいて、前記駆動素子および前記検出部のいずれかの感度を調整する感度調整部と
    を備える角速度センサ。
  12. 前記検出部は、
    前記錘部が前記第1の軸方向に駆動した場合における、前記錘部の第1振動共振周波数および第1振動共振周期の少なくとも1つを前記第1振動特性として検出し、
    前記錘部が前記第2の軸方向に駆動した場合における、前記錘部の第2振動共振周波数および第2振動共振周期の少なくとも1つを前記第2振動特性として検出する
    請求項11に記載の角速度センサ。
  13. 前記感度調整部は、前記第1振動特性と前記第2振動特性との差分に基づいて、前記角速度センサの感度を調整する
    請求項11又は12に記載の角速度センサ。
  14. 前記感度調整部は、第1温度における前記第1振動特性と前記第2振動特性との第1の差分と、第2温度における前記第1振動特性と前記第2振動特性との第2の差分との比に基づいて、前記角速度センサの感度を調整する
    を備える請求項11から13のいずれか一項に記載の角速度センサ。
  15. 第1の軸回りの角速度に応じた第1の角速度信号と、第2の軸回りの角速度に応じた第2の角速度信号と、第3の軸回りの角速度に応じた第3の角速度信号を算出する算出部を更に備え、
    前記感度調整部は、
    前記第1の差分と前記第2の差分との比を前記第1の角速度信号、前記第2の角速度信号および前記第3の角速度信号の少なくとも1つに乗算する演算部を有する
    請求項14に記載の角速度センサ。
  16. 前記検出部は、前記錘部が第3の軸方向に駆動した場合の第3振動特性を検出し、
    前記感度調整部は、
    前記第1の差分と前記第2の差分との比に基づいて、前記第3の角速度信号を算出するための前記角速度センサの感度を調整し、
    前記第1温度における前記第2振動特性と前記第3振動特性との第3の差分と、前記第2温度における前記第2振動特性と前記第3振動特性との第4の差分との比に基づいて、前記第1の角速度信号を算出するための前記角速度センサの感度を調整し、
    前記第1温度における前記第3振動特性と前記第1振動特性との第5の差分と、前記第2温度における前記第3振動特性と前記第1振動特性との第6の差分との比に基づいて、前記第2の角速度信号を算出するための前記角速度センサの感度を調整する
    請求項15に記載の角速度センサ。
  17. 前記錘部を予め定められた方向に振動させる振動制御部を更に備え、
    前記振動制御部は、
    前記第1振動特性に基づいて、前記錘部を前記第1の軸方向に振動させ、
    前記第2振動特性に基づいて、前記錘部を前記第2の軸方向に振動させ、
    前記第3振動特性に基づいて、前記錘部を前記第3の軸方向に振動させる
    請求項16に記載の角速度センサ。
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