JP2017187371A - 気象予測装置及び風力発電所 - Google Patents

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Abstract

【課題】数時間先の風速を高い精度で予測する。
【解決手段】本発明の気象予測装置1は、対象地点における過去の気象観測値、及び、対象地点以外の1又は複数の参照地点における過去の気象観測値が格納される記憶部15と、対象地点及び参照地点の過去の気象観測値を入力変数とし、対象地点における将来の気象予測値を出力変数とする予測モデルに対して、対象地点及び参照地点の過去の気象観測値を使用して学習することにより、予測モデルのパラメータを最適化するモデル最適化部22と、パラメータが最適化された予測モデルを使用し、対象地点における将来の気象予測値を算出する予測値算出部23と、を備えることを特徴とする。
【選択図】図5

Description

本発明は、気象予測装置及び風力発電所に関する。
風力発電機は、枯渇の可能性がある化石エネルギーではなく、自然界に存在する再生可能な風力エネルギーを電力エネルギーに変換する。風力発電機は、地球温暖化の主因となる二酸化炭素を殆ど発生させないので、地球規模の環境問題を解決する手段として世界中で導入されつつある。日本においても、電力会社が有する既存の電力系統に対して、電力会社以外の事業者が有する風力発電機を連系する(接続する)試みが既に始まっている。
事業者と電力会社との間の取り決めの一形態として、電力会社は、事業者に対して“出力一定化制御”を要求する場合がある。例えば、ある電力会社は、風力発電機の事業者に対して以下を要求している。
・風力発電機とともに蓄電池を併設し、蓄電池出力を制御することによって、風力発電に起因する出力変動をほぼゼロとすること。
・風力発電機と蓄電池との合成出力の目標値からの偏差を、合成出力の最大値の2%以内とすること。
一般に、既存の電力系統の規模が小さい地域(人口過疎地など)においては、電力の需給をバランスさせるために既存の電力系統の供給力を機動的に調整すること(いわゆる“下げ代”の確保)が難しい。そのような地域において、前記の要求はより切実になる。このような要求を満足させるためには、蓄電池を増設すればよい。しかしながら、蓄電池の増設は大きな費用及びスペースを必要とする。そこで、風力発電機の発電量を正確に予測することが肝要となってくる。
特許文献1の発電量予測装置は、過去のデータにおける異なる時刻間の統計的相関に基づいて、又は、異なる発電機間の統計的相関に基づいて発電機の発電量を予測する。このとき、発電量予測装置は、分散共分散を作成する。
特許文献2の風車発電システムは、過去の風向に基づいて将来の風向を予測し、その風向に風車を向ける。このとき、風車発電システムは、埋め込み定理に基づき状態空間内にアトラクタ(風向の軌跡)を再構成し、再構成されたアトラクタに基づいて、決定論的非線形手法によって風向を予測する。
特開2011−200040号公報 特開2005−98181号公報
特許文献1の発電量予測装置は、過去のデータがガウシアン分布に従うとの仮定のもとで乱数を発生させて風速を予測するが、予測の精度が低い。特許文献2の風車発電システムは、過去データの平均的な風向を予測値として出力するに過ぎず、やはり精度が低いうえ、そもそも風速を予測することを前提としていない。そして、特許文献1の発電量予測装置及び特許文献2の風車発電システムの両者ともに、数分程度の将来の風速・風向を予測する場合であれば精度が高くても、10分を超える将来の風速・風速を予測する場合は、精度が大幅に低下する。
前記した出力一定化制御において電力が供給過剰となった場合、電力会社は、風力発電機を連係する事業者に対し、出力を抑制する旨の遠方指令を送信する実験が行なわれている。このようなレベルでの出力制御を行なうためには、数時間先の風速を正確に予測しなければならない。また、風力発電の供給過剰分に見合う火力発電等の下げ代の準備をするためにも、数時間先の風速を正確に予測しなければならない。予測の精度が向上すれば、蓄電池の放充電サイクル数も減少し、蓄電池容量も低減できる。さらに、風力発電の不足分を補うために火力等の化石エネルギーを待機させておく量が減少し、二酸化炭素の排出量は減少する。
そこで、本発明は、数時間先の風速を高い精度で予測することを目的とする。
本発明の気象予測装置は、対象地点における過去の気象観測値、及び、対象地点以外の1又は複数の参照地点における過去の気象観測値が格納される記憶部と、対象地点及び参照地点の過去の気象観測値を入力変数とし、対象地点における将来の気象予測値を出力変数とする予測モデルに対して、対象地点及び参照地点の過去の気象観測値を使用して学習することにより、予測モデルのパラメータを最適化するモデル最適化部と、パラメータが最適化された予測モデルを使用し、対象地点における将来の気象予測値を算出する予測値算出部と、を備えることを特徴とする。
その他の手段については、発明を実施するための形態のなかで説明する。
本発明によれば、数時間先の風速を高い精度で予測することができる。
気象データの構造を説明する図である。 パラメータの最適化を説明する図である。 地点ごとの重みを説明する図である。 時点ごとの重みを説明する図である。 気象予測装置の構成を説明する図である。 処理手順のフローチャートである。 風速の時系列の波形である。 風速及び風向の時系列の波形である。 各地点の位置関係を示す図である。 振舞が異なる風速の時系列の波形である。 ケースごとに予測誤差等を比較した表である。 (a)は、時系列変動が大きい場合の風速の波形である。(b)は、時系列変動が小さい場合の風速の波形である。 (a)は、風速の時系列変動が大きい場合の最適化されたパラメータである。(b)は、風速の時系列変動が小さい場合の最適化されたパラメータである。 (a)及び(b)は、他地点カバー率のグラフである。 ケースごとに予測値と観測値とを比較した表である。
以降、本発明を実施するための形態(“本実施形態”という)を、図等を参照しながら詳細に説明する。
3つの地点を想定し、それぞれを地点A、地点B及び地点Cとする。地点Aには、風力発電機が配置されている。風力発電機は、自然の風力エネルギーを電力エネルギーに変換する設備であり、通常屋外に配置された風車と風車の回転力を利用する発電機とを有する。地点B及び地点Cのそれぞれには、パイロットプラントが配置されている。パイロットプラントとは、実用プラント(実際の風力発電所)を建設するに先立ち、その設計に必要なデータを収集するための試験的プラント(例えば鉄塔)である。なお、“対象地点”には地点Aが相当し、“参照地点”には地点A以外の地点が相当する。
(予測モデル)
本実施形態の予測モデル(式1)は、地点A、地点B及び地点Cにおいて過去に観測された気象データ(観測値)を入力変数として、地点Aにおける将来の気象データ(予測値)を出力変数とする数理モデルである。
t+1
(s+st−1t−1+st−2t−2+・・・)
+w(s+st−1t−1+st−2t−2+・・・)
+w(s+st−1t−1+st−2t−2+・・・)
(式1)
式1において、t+1、t、t−1、t−2、・・・は時点である。時点の数は特に限定されていない。時点又は時点の数を“期”と呼ぶ場合がある。
、Y及びZ(i<t+1)は、それぞれ、地点A、地点B及び地点Cにおける気象データの観測値である。X(i=t+1)は、地点Aにおける気象データの予測値である。気象データとは、センサによって観測できる自然界のあらゆる物理量であり、典型的には、風速(m/秒)である。
、a、a、・・・、b、b、b、・・・、c、c、c、・・・は、パラメータである。詳細は後記するが、本実施形態の気象予測装置は、過去の観測値を使用して機械学習することによって、パラメータの値を最適化する。
、w及びwは、地点ごとの重みである。0≦w≦1、0≦w≦1、0≦w≦1、及び、w+w+w=1が成立するものとする。
、st−1、st−2、・・・は、過去の時点ごとの重みである。0≦s≦1、0≦st−1≦1、0≦st−2≦1、・・・、及び、s+st−1+st−2+・・・=1が成立するものとする。
つまり、過去のすべての観測値に対して、3つの値(パラメータ、場所ごとの重み及び時点ごとの重み)が乗算される。
(ベクトル自己回帰モデル)
仮に式1の右辺が“w(s+st−1t−1+st−2t−2+・・・)”だけである場合、この予測モデルを自己回帰(AR:Auto-regressive)タイプと呼ぶ。ARタイプの予測モデルに対しては、単一の入力変数が時系列で入力される。つまり、ARタイプの予測モデルは、例えば、ある地点の過去の風速を使用して当該地点の将来の風速を予測するためのものである。これに対して、本実施形態の予測モデルは、多変数を入力変数とするベクトル自己回帰(VAR:Vector Auto-regressive)タイプである。VARタイプの予測モデルは、風速を含む多くの種類の気象データを入力でき、また、これらを地点ごとにも入力できる。
(パラメータ)
そのうち、パラメータa、a、a、・・・、b、b、b、・・・、c、c、c、・・・は、機械学習の結果、様々な値に最適化される。例えば、地点Bにおける時点tの気象データ“Y”が、地点Aにおける時点t+1の気象データ“Xt+1”に大きな影響を与える場合、パラメータ“b”の値の絶対値が大きくなり、他のパラメータの値は“0”に近くなる。例えば、過去の時点の数が4つであり、地点の数が3つである予測モデルにおいては、パラメータは4×3=12個存在し、その12個のそれぞれが機械学習の結果異なる値に最適化される。
(地点ごとの重み及び時点ごとの重み)
パラメータが機械学習によって最適化される対象であるのに対して、地点ごとの重み及び時点ごとの重みは機械学習とは直接関係がなく、ユーザ又は気象予測装置が設定する値である。時点の数がどのように変化しても、地点ごとの重み“w”の値は、地点ごと固定される。地点の数がどのように変化しても、時点ごとの重み“s”の値は、時点ごとに固定される。
(パラメータと重み)
重みもまたパラメータと同様、入力変数に対して乗算される“係数”であることには違いない。したがって、重みもまた機械学習の対象となり得る。しかしながら、本実施形態においては、重みを機械学習の対象とすることは想定していない。むしろ“地点ごと又は時点ごとに値が固定される”という縦横の拘束を受ける係数を“重み”とし、当該拘束を受けない係数を“パラメータ”として区別している。
前記した式1の予測モデルは、単純な線形のモデルであるが、予測モデルは、非線形を含むあらゆる形態を取ることが可能であり、ホワイトノイズのような定数項を含んでもかまわない。入力変数の地点の数が“3”でなくとも、“2”以上であればよい。要するに、予測モデルは、以下の条件をすべて満たしておればどのようなものでもよい。
・風力発電機の地点(対象地点)及びパイロットプラントの地点(参照地点)の過去の気象観測値を入力変数とし、対象地点における将来の気象予測値を出力変数とすること。
・入力変数のそれぞれに対するパラメータが機械学習の対象となり、入力変数のそれぞれに対して地点ごとかつ時点ごとに重みが定義できること。
(気象データ)
図1は、気象データの構造を説明する図である。地点A、地点B及び地点Cのそれぞれにおいて、風速、風向、気温、相対湿度、気圧、日照時間及び降水量が観測される。このうち、風速は、2次元風速計によって計測される。つまり風速は、南北方向の風速成分と、東西方向の風速成分とが合成されるベクトルの長さ(m/秒)である。風速の実際の時系列の波形は、1地点の場合図7に示したようになり、4地点の場合、図8の符号52、53、54及び55のようになる。
風向は、2次元風向計によって計測される。風向の実際の時系列の波形は、図8の符号51)に示したようになる。通常、北に0度(360度)を割り当て、東に90度を割り当て、南に180度を割り当て、西に270度を割り当てる。すると、風向(風上の方角)は、0度〜360度の範囲で定義される。但しこのままでは、風速及び風向を同じ時系列のグラフとして表現する場合、縦軸の“m/秒”及び“度”が、しばしば重なる。そこで、風向(0度〜360度)を“36”で除算し、さらに除算結果に例えば“20”を加算する。すると、風向は、20〜30の範囲に正規化され重なりは殆ど解消される。図8では、風向の右目盛0度〜360度が、風速の左目盛20〜30(m/秒)に対応している。図1の気温以下の気象データについては、詳しい説明を省略する。
図1の気象データの横軸は、時点である。気象予測装置のユーザは、時点の刻み幅を、10分、1時間、1日等任意に設定することができる。いま、地点A、地点B及び地点Cのそれぞれにおいて、時点7までの各種気象データが既に観測されているとする。そして、時点8における風速を予測する必要があるとする。このとき、気象予測装置は、予測モデルに対して、最大7×7×3=147個の気象データの値(網掛けした“・・”)を入力し、気象データの値(例えば時点8の地点Aの風速)を出力させる。もちろん、気象予測装置は、例えば、各地点の風速(7×3=21個)のみを入力してもよい。
(パラメータの機械学習)
図2は、パラメータの機械学習を説明する図である。説明の単純化のため、気象データとして代表的に“風速”のみを用いる予測モデルを想定する。図2では、地点A、地点B及び地点Cのそれぞれにおいて、少なくとも時点1から時点14までの風速が既に観測されているとする。気象予測装置は、次の処理を実行する。
(1)学習機会1において、すべての地点ごとの重み“w”及びすべての時点ごとの重み“s”に“1”を代入する。
(2)風速の観測値X、X、・・・、X、Y、Y、・・・、Y、Z、Z、・・・、Zを予測モデルに入力する。
(3)パラメータa、a、・・・、a、b、b、・・・、b、c、c、・・・、cの値をランダムに発生させ、パラメータ値の組合せとする。
(4)パラメータ値の組合せを予測モデルに代入し、Xを出力させる。
(5)予測値として出力されたXと観測値としてのXとの差異を算出する。
(6)差異を最小にするパラメータ値の組合せを特定し、特定した組合せを暫定候補1とする。
(7)学習機会2において、前記(1)〜(6)を繰り返す。
ただし、繰り返し処理中の(2)においては、風速の観測値X、X、・・・、X、Y、Y、・・・、Y、Z、Z、・・・、Zを予測モデルに入力する。(4)においては、Xを出力させる。(5)においては、予測値として出力されたXと観測値としてのXとの差異を算出する。(6)においては、特定した組合せを暫定候補2とする。学習機会3〜7においても同様の処理を繰り返す。
(8)暫定候補1〜7のうち、差異が最も小さいものを最終候補とする。
(地点ごとの重み)
図3は、地点ごとの重みを説明する図である。いま、気象予測装置が、時点1〜時点7における風速その他の観測値を予測モデルに入力し、時点8における風速の予測値Xを出力させる例を考える。気象予測装置は、地点A以外の各地点の時点1〜時点7における観測値と、地点Aの時点1〜時点7における観測値との類似度を算出する。
類似度を算出する最も簡単な例は、例えば、直近の時点7の風向同士の差分を類似度(値が小さいほど類似している)とする方法である。地点Bの風向と地点Aの風向との差分は、20−20=0である(北風で一致)。地点Cの風向と地点Aの風向との差分は、25−20=5である(南風と北風で相反)。このとき、気象予測装置は、地点Bの地点ごとの重み“w”を“0.8”とする。そして、地点A及び地点Cの地点ごとの重み“w”及び“w”を両者とも“0.1”とする。地点Bは、地点Aの風上になっている可能性が高い。この例では、w=wとしたが、必ずそうでなくてもよい。w=wでなくても、w>wであればよい。前記以外のより複雑な例として、気象予測装置は、風向以外の1又は複数の気象データ同士を比較してもよいし、時点1〜時点7における気象データの値の時系列変化(波形)同士を比較してもよい。
(時点ごとの重み)
図4は、時点ごとの重みを説明する図である。今度もまた、気象予測装置が、時点1〜時点7における風速その他の観測値を予測モデルに入力し、時点8における風速の予測値Xを出力させる例を考える。気象予測装置は、地点Aの時点7における観測値と、地点Aの時点1〜時点6における各観測値との類似度を算出する。前記の風向同士の差分の例をそのまま利用すれば、時点4及び時点7において、差分(類似度)は“0”となり、その他の時点において、差分は“5”となる。このとき、気象予測装置は、時点4及び時点7の時点ごとの重み“s”及び“s”を両者とも“0.25”とする。そして、他の時点の時点ごとの重みをすべて“0.1”とする。
この例では、s=sとしたが、必ずそうでなくてもよい。s=sでなくても、s>s=s=s=s=sであればよい。前記以外のより複雑な例として、気象予測装置は、時点ごとに1又は複数の気象データがなすベクトル同士を比較してもよい。さらに、風上の地点Qが特定できている場合は、気象予測装置は、地点Qの時点7における観測値と、地点Qの時点1〜時点6における観測値との類似度を算出してもよい。
(気象予測装置の構成)
図5に沿って、気象予測装置1の構成を説明する。気象予測装置1は、一般的なコンピュータであり、中央制御装置11、キーボード等の入力装置12、ディスプレイ等の出力装置13、主記憶装置14及び補助記憶装置15を有する。これらの装置は、バスで相互に接続されている。補助記憶装置15は、気象データ31、パラメータ32、地点ごとの重み33、時点ごとの重み34及び予測モデル35を格納している。
主記憶装置14における、観測値受信部21、モデル最適化部22及び予測値算出部23は、プログラムである。以降、“○○部は”と主体を記した場合は、中央制御装置11が、補助記憶装置15から各プログラムを読み出し、主記憶装置14にロードしたうえで、各プログラムの機能(詳細後記)を実現するものとする。
風力発電所WFは、風力発電機WG及び気象予測装置1を有する。風力発電所WFは、気象予測装置1を使用し気象予測装置1から将来の気象データの予測値を受け取る。風力発電所WFは、予測された気象データに基づいて、風力発電機WGを制御する。風力発電機WGには蓄電設備(図示せず)が接続されている。
(処理手順)
図6に沿って、処理手順を説明する。ステップS101が開始される前提として、気象予測装置1の観測値受信部21は、定期的に観測値を受信しているものとする。具体的には、観測値受信部21は、風力発電所WF及びパイロットプラント(図示せず)からネットワーク(図示せず)等を介してリアルタイムで気象データを受信する。そして、受信の都度、観測値受信部21は、受信した気象データを地点ごと、気象データの種類(風速、風向、・・・)ごとに時系列で記憶するものとする。
ステップS101において、気象予測装置1のモデル最適化部22は、パラメータを更新する必要があるか否かを判断する。具体的には、モデル最適化部22は、前回ステップS101の処理を実行した時点以降において少なくとも1度観測値受信部21が観測値を受信したか否かを判断する。少なくとも1度受信した場合(ステップS101“YES”)、ステップS103に進み、それ以外の場合(ステップS101“NO”)、ステップS102に進む。
ステップS102において、モデル最適化部22は、ユーザから開始指示を受け付けたか否かを判断する。具体的には、モデル最適化部22は、ユーザが入力装置12を介して“予測処理を開始する”旨の指示を入力するのを受け付けた場合(ステップS102“YES”)、ステップS103に進む。それ以外の場合は、そのまま待機する。
ステップS103において、モデル最適化部22は、パラメータを最適化する。具体的には、第1に、モデル最適化部22は、補助記憶装置15から気象データ31を読み出す。
第2に、モデル最適化部22は、前記した図2の方法で、パラメータの値の組合せ(前記の最終候補)を特定し、特定した組合せをパラメータ32(図5)として補助記憶装置15に記憶する。
ステップS104において、モデル最適化部22は、地点ごとの重みを決定する。具体的には、モデル最適化部22は、前記した図3の方法で、地点ごとの重みを算出し、算出した地点ごとの重みを、地点に関連付けたうえで、地点ごとの重み33(図5)として補助記憶装置15に記憶する。なお、補助記憶装置15は、前記の類似度に関連付けて地点ごとの重みの値が記憶されたテーブルを記憶しているものとする。なお、モデル最適化部22は、出力装置13に気象データ31(図1)を表示したうえで、ユーザが地点ごとの重みを、入力装置12を介して入力するのを受け付けてもよい。
ステップS105において、モデル最適化部22は、時点ごとの重みを決定する。具体的には、モデル最適化部22は、前記した図4の方法で、時点ごとの重みを算出し、算出した時点ごとの重みを、時点に関連付けたうえで、時点ごとの重み34(図5)として補助記憶装置15に記憶する。なお、補助記憶装置15は、前記の類似度に関連付けて時点ごとの重みの値が記憶されたテーブルを記憶しているものとする。なお、モデル最適化部22は、出力装置13に気象データ31(図1)を表示したうえで、ユーザが時点ごとの重みを、入力装置12を介して入力するのを受け付けてもよい。
ステップS106において、気象予測装置1の予測値算出部23は、予測値を算出する。具体的には、第1に、予測値算出部23は、予測モデルのパラメータに対してステップS103の“第2”において最適化したパラメータ値を代入する。
第2に、予測値算出部23は、予測モデルの地点ごとの重みに対してステップS104において決定した地点ごとの重みの値を代入する。
第3に、予測値算出部23は、予測モデルの時点ごとの重みに対してステップS105において決定した時点ごとの重みの値を代入する。
第4に、予測値算出部23は、予測モデルに気象データを入力する。ここで入力する気象データは、例えば、地点A、地点B及び地点Cの直近の過去7期における風速である。
第5に、予測値算出部23は、予測モデルに予測値を出力させる。ここで出力させるデータは、例えば、地点Aにおける将来(次の期)の風速の予測値である。
第6に、予測値算出部23は、“第5”において出力させた予測値を出力装置13に表示する。
第7に、予測値算出部23は、発電量換算式に対して風速の予測値を適用することによって発電量を算出し、出力装置13に表示する。なお、補助記憶装置15は、風速と発電量との関係を定義する発電量換算式を記憶しているものとする。
その後処理手順を終了する。
以降、検定の手法と結果を説明する。検定の目的は、主として他地点のデータを使用することの有効性を確認し、予測に向かない振舞(詳細後記)をするデータの影響を確認することである。
(検定1)
検定1では、VARタイプの予測モデルを使用した気象予測装置の予測精度を見て行く。地点として、4つの地点A、地点B、地点C及び地点Dを採用した。このうち、地点Aには風力発電機が配置されている。地点B、地点C及び地点Dには、パイロットプラントが配置されている。これらの実際の位置関係は図9の通りである。そして、このうち地点A、地点C及び地点Dにおける風速の時系列の波形は、図10の通りである。なお、図10の風速の目盛は、風向も勘案した正負値になっている。
図10において、枠61で囲んだ期間に注目すると、地点Aの波形と地点Dの波形とは、よく似ている。それに対して、地点Aの波形と地点Cの波形とは、全く異なる。気象分野において風の動きを一般的に“振舞”と呼ぶことがある。つまり、地点Aと地点Cとでは、枠61の期間中、振舞が明らかに異なっている。そこで、枠61の期間中において予測誤差(予測値と観測値との差分)を地点ごとに比較した。
枠61の期間の長さは500分である。500分の期間において、風速は10分ごとに50期分観測されている。検定においては、地点Aにおける3期先(30分先)の風速を予測することとした。そして、3期先の風速を予測するために、50期分の風速のうち直前の連続する20期分を使用する(予測モデルの入力変数とする)こととした。つまり、検定1においては、第1〜第20期分を使用して予測した場合、第2〜第21期分を使用して予測した場合、・・・、第31〜第50期分を使用して予測した場合というように、予測誤差が計31回分算出されることになる。予測誤差は、平均誤差(31個の予測誤差の平均値)及び標準偏差(31個の予測誤差の標準偏差)の2つの指標で評価した。
比較対象となるケースは、以下の6つである(図11も参照)。
(ケ―ス1)ARタイプの予測モデルを使用して、地点Aの風速に基づき地点Aの風速を予測する。
(ケース2)VARタイプの予測モデルを使用して、地点A及び地点Cの風速に基づき地点Aの風速を予測する。
(ケース3)VARタイプの予測モデルを使用して、地点A及び地点Dの風速に基づき地点Aの風速を予測する。
(ケース4)VARタイプの予測モデルを使用して、地点A、地点C及び地点Dの風速に基づき地点Aの風速を予測する。
(ケース5)VARタイプの予測モデルを使用して、地点A、地点C及び地点Dの風速に基づき地点Aの風速を予測する。このとき、図2に示したように観測値を更新し、時点ごとの重みを使用した。
(ケース6)VARタイプの予測モデルを使用して、地点A、地点C及び地点Dの風速に基づき地点Aの風速を予測する。このとき、地点ごとの重みを使用した。
図11は、検定1の結果である。これを見ると以下のことがわかる。
・ケース1とケース2との比較
平均誤差は、ケース1の方が小さい。標準誤差も、ケース1の方が小さい。VARタイプの予測モデルの予測誤差がより大きいということになり、一見意外ではあるが、これは、地点Cの振舞が、地点Aの振舞とは明らかに異なることに起因すると思われる。
・ケース1とケース3との比較
平均誤差は、ケース3の方が小さい。標準偏差は、ケース1の方が小さい。この結果だけからは何とも言えない。
・ケース1とケース4との比較
平均誤差は、ケース4の方が小さい。標準誤差も、ケース4の方が小さい。したがって、ARタイプの予測モデルを使用する場合に比して、VARタイプの予測モデルを使用する場合のほうが予測誤差は小さいことがわかる。地点Aとは振舞の異なる地点Cの影響が、振舞が類似する地点Dによって治癒されている。このように、予測に向かないデータが存在していても、予測に向くデータが存在していれば、パラメータが自動的に最適化されて、予測に向くデータ(地点D)の影響が大きくなると考えられる。つまり、地点Aと振舞が類似する地点を特定できることが重要である。
・ケース4とケース5との比較
標準偏差は、ケース5の方が小さい。したがって、観測値を更新したうえでパラメータを最適化すること、及び、時点ごとの重みを使用すると予測誤差が小さくなることがわかる。つまり、観測値を取得する時点を増加させることが重要である。
・ケース4とケース6との比較
標準偏差は、ケース6の方が小さい。したがって、地点ごとの重みを使用すると予測誤差が小さくなることがわかる。なお、“<1.57”は、その値が1.57を下回ることを意味する。
以上を総合すると、VARタイプの予測モデル及び複数地点のデータを使用すると予測誤差が小さくなること、複数地点のなかに地点Aとは振舞の異なる地点が含まれていてもかまわないことがわかる。さらに、観測値を更新し、地点ごとの重み及び時点ごとの重みを使用すると予測誤差が小さくなることがわかる。
(検定2)
検定2では、実際に最適化されたパラメータを見て行く。地点Aにおいて風速の時系列変動が大きい場合、風速の波形は図12(a)に示されたようになる。地点Aにおいて風速の時系列変動が小さい場合、風速の波形は図12(b)に示されたようになる。気象予測装置1が、VARタイプの予測モデル並びに地点A、地点B、地点C及び地点Dの風速のデータを用いて予測モデルのパラメータを最適化させた結果が図13(a)及び図13(b)である。予測モデルは、地点A、地点B、地点C及び地点Dの過去の風速の観測値(直前の連続する20期分)を入力とし、地点Aの将来の風速の予測値を出力する。
図13(a)は、地点Aにおいて風速の時系列変動が大きい場合の結果(最適化されたパラメータ値)であり。図13(b)は、地点Aにおいて風速の時系列変動が小さい場合の結果である。
・図13(a)のパラメータ71aが“0.4267”であるのに対して、図13(b)のパラメータ71bは、“0.8348”である。このことから、地点Aにおける風速の変動が小さい場合に、地点Aの予測値に対する地点Aの直近の観測値による影響がより大きくなることがわかる。“0.4267”及び“0.8348”は、他と比して際立って高い値であり、この例では、仮にARタイプの予測モデルが使用されたとしても予測精度は充分高かったと思われる。
図13(a)において、4期前の地点Bのパラメータ72は“0.1499”となっており、この値は比較的大きい。この時点において、地点Bから地点Aに向かって風が吹いていた(地点Bが地点Aの風上であった)ことが考えられる。
(検定3)
検定3では、ある地点の風上の他の地点の風速が当該地点の風速に与える影響、及び、当該地点の風上ではない他の地点の風速が当該地点に与える影響を見て行く。検定2と同様に、VARタイプの予測モデルに対して4地点(地点A、地点B、地点C及び地点D)の風速の観測値を20期分入力する例を考える。
次に記すのは、“他地点カバー率算出アルゴリズム”(単に“アルゴリズム”ともいう)である。
for(tin tstart:tend){
Count=0
if(max(|a1|,…, |an|)<α((max(|b1|,…, |bn|)
+ max(|c1|,…, |cn|) + max(|d1|,…, |dn|))){
Count= Count + 1
}
}
ここで、a等は地点Aの各時点のパラメータであり、b等は地点Bの各時点のパラメータであり、c等は地点Cの各時点のパラメータであり、d等は地点Dの各時点のパラメータである。“max( )”は、( )内の複数の値のうちの最大値を取得する関数である。当該関数は、過去20期のパラメータのうち、絶対値が最大であるものを、地点ごとに取得する。
“tstart”は、最初の期であり、“tend”は、最後の期である。“tend−tstart”の値は、“20”に比して充分に大きくなっている。いま仮に100期分の観測値があるとすると、連続する20期分の観測値が81通り存在することになる。したがって、アルゴリズムは、81回繰り返されることになる。この繰り返し処理の各回において、if文の中の不等式が満たされれば“Count”の値(初期値は“0”である)が“1”ずつインクリメントされ、if文の中の不等式が満たされなければ“Count”の値は変化しない。
いま、倍率係数αに“1.00”を代入し、アルゴリズムの繰り返し処理が終了した時点での“Count”の値を取得する。次に、倍率係数αを“0.01”だけ増加させ、“1.01”とする。そして再度、倍率係数αに“1.01”を代入し、アルゴリズムの繰り返し処理が終了した時点での“Count”の値を取得する。このような処理を、倍率係数αを増加させながら繰り返す。例えば“Count”の値が“35”であるとする。このとき、“35/81×100=43.2%”を他地点カバー率と呼ぶ。
他地点カバー率は、αの値(100個ある)のそれぞれについて算出される。換言すれば、他地点カバー率は、“地点A以外の地点のパラメータの絶対値の最大値の和のα倍が、地点Aのパラメータの絶対値の最大値を超えるようなケースが、すべてのケースのうちの何%を占めるか”を示している。つまり他地点カバー率が高いほど、地点A自身の単独の観測値よりも、地点A以外の複数の地点の観測値の方が、地点Aの風速の予測に対して大きく寄与していることを意味している。
図14(a)及び図14(b)は、他地点カバー率算出アルゴリズムを使用した結果である。図14(a)及び図14(b)の横軸は倍率係数であり、縦軸は他地点カバー率である。図14(a)は、地点A及び地点Bの観測値を使用した結果であり、アルゴリズムのif文の中の不等式の右辺には、地点C及び地点Dについての項がない。図14(b)は、地点A、地点B、地点C及び地点Dの観測値を使用した結果であり、アルゴリズムのif文の中の不等式は、前記した通りのものである。
図14(a)に注目する。他地点カバー率のグラフ(連続ドット)81は、地点Bが地点Aの風上にあり、かつ、地点Aの風速の変動が大きい場合のグラフである。グラフ82は、地点Bが地点Aの風上になく、かつ、地点Aの風速の変動が小さい場合のグラフである。グラフ82は、他地点カバー率がほぼ“0”%付近で推移している。つまり、地点Aの風速は、地点Bの影響を殆ど受けていない。風力発電機がある地点Aの風速に対し、地点Aの風上にない地点Bは殆ど影響を与えない。グラフ81は、緩やかな右上りの形状を示し、地点Aの風速に対し、地点Aの風上の地点Bは相当の影響を与えている。
図14(b)に注目する。グラフ83は、地点Bが地点Aの風上にあり、かつ、地点Aの風速の変動が大きい場合のグラフである。グラフ84は、地点Bが地点Aの風上になく、かつ、地点Aの風速の変動が小さい場合のグラフである。一見して明らかなように、図14(b)の他地点カバー率は、図14(a)の他地点カバー率に比して飛躍的に向上している。特に倍率係数αが“1”である場合であっても、他地点カバー率は相当に高い。このことは、地点Bが地点Aの風上である場合でも風上ではない場合でも、地点Aの風速の予測に対し、地点C及び地点Dは相当の影響を与えていることを意味する。
図14(a)及び図14(b)のいずれもが、過去において地点Aの風上になった地点の重みの値を大きくすることに意味があることを示している。
(検定4)
検定4では、重みを使用することによる効果を再度見て行く。既存の風力発電所の風速を予測する検定を行なった。当該風力発電所は、我が国の日本海側の地点Eに立地し、定格出力が2MWである風力発電機を7基有し、合計最大出力は、14MWである。その結果は、図15に示す通りである。比較対象となるケースは、以下の4つである(図15も参照)。
(ケース11)風速の観測値である。
(ケース12)VARタイプの予測モデルを使用して、地点B、地点C、地点D及び地点Eの風速に基づき地点Eの30分先の風速を予測する。但し、場所ごとの重みも時点ごとの重みも使用しない。
(ケース13)VARタイプの予測モデルを使用して、地点B、地点C、地点D及び地点Eの風速に基づき地点Eの30分先の風速を予測する。但し、場所ごとの重み及び時点ごとの重みを使用している。
(ケース14)気象庁の“全球数値予報モデル GSM(登録商標)”を使用して地点Eの風速を予測する。同モデルは、http://www.jmbsc.or.jp/hp/online/f-online0a.htmlから配信されている。
網掛けの数値は、ケース12、ケース13及びケース14の予測値のうち、ケース11の観測値との差分が最も小さいものである。さらに予測精度が±20%である出現頻度割合も比較した。この出現頻割合は、予測値と観測値との差分が観測値の−20%〜+20%の範囲に収まる時点が、全体の何%を占めるかを示している。ケース12、ケース13及びケース14の出現頻度割合のうちで、ケース13の出現頻度割合が“93%”と最大であった。以上から、ケース13(重み使用)が最も高精度で風速を予測できることがわかった。地点ごとの重み及び時点ごとの重みの値をさらに見直すことで、ケース13の結果は、さらに高精度なものになり得ると思われる。
なお、図にはないが、パラメータをリアルタイムに更新していくと、そうでない場合に比して、予測精度が5%以上向上することが確認されている。
(重み付けの工夫)
以下のことが経験的に分っている。
・我が国の日本海側においては、過去において西風(西から吹く風)が吹いた時点の重みの値を大きくすると予測の精度が向上する。
・我が国の太平洋側においては、過去において東風が吹いた時点の重みの値を大きくすると予測の精度が向上する。
・過去において風速及び風向の両者が類似している時点の重みの値を大きくすると予測の精度が向上する。
・海岸沿いの地点の風力を予測する場合は、過去において海側から風力発電機のある地点に向かって風が吹いた時点の重みの値を大きくし、海側の地点の重みの値を大きくすると予測の精度が向上する。このことは、パイロットプラントが風力発電機の風上にあり、かつ、風力発電機との間に障害物が少ないことが理想であることを意味する。
(最適化の拡張)
前記では、気象予測装置1が最適化する対象はパラメータである例を説明した。しかしながら、気象予測装置1は、地点ごとの重み、時点ごとの重み及びパラメータを含むすべての“係数”をランダムに又は所定の規則に則って発生させ、過去の観測値を使用し機械学習を行うことによって、すべての係数を最適化してもよい。すると、例えば風上の地点の地点ごとの重みの値が大きくなり、振舞が類似する過去の時点の時点ごとの重みの値が大きくなる。
(実施形態の効果)
本実施形態の気象予測装置は、以下の効果を奏する。
(1)ある地点の風速等を、それ以外の地点の風速等を使用して高い精度で予測することができる。
(2)リアルタイムで観測値が更新されて行く場合、風速等をより高い精度で予測することができる。
(3)風力発電機の発電量を高い精度で予測することができる。
(4)高い精度での予測に相応しい地点及び時点を特定することができる。
(5)風速、風向、気圧等の入手しやすいデータに基づいて、高い精度での予測に相応しい地点及び時点を自動的に特定することができる
(6)風力発電機とともに蓄電設備を備える事業者が予測結果を使用することができる。
(7)特に巨大な経営規模で運営される風力発電所が予測結果を使用することができる。
なお、本発明は前記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、前記した実施例は、本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明したすべての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
また、前記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウエアで実現してもよい。また、前記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウエアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、又は、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしもすべての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆どすべての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
1 気象予測装置
11 中央制御装置
12 入力装置
13 出力装置
14 主記憶装置(記憶部)
15 補助記憶装置(記憶部)
21 観測値受信部
22 モデル最適化部
23 予測値算出部
31 気象データ
32 パラメータ
33 地点ごとの重み
34 時点ごとの重み
35 予測モデル
WF 風力発電所

Claims (7)

  1. 対象地点における過去の気象観測値、及び、前記対象地点以外の1又は複数の参照地点における過去の気象観測値が格納される記憶部と、
    前記対象地点及び前記参照地点の前記過去の気象観測値を入力変数とし、前記対象地点における将来の気象予測値を出力変数とする予測モデルに対して、前記対象地点及び前記参照地点の前記過去の気象観測値を使用して学習することにより、前記予測モデルのパラメータを最適化するモデル最適化部と、
    前記パラメータが最適化された予測モデルを使用し、前記対象地点における将来の気象予測値を算出する予測値算出部と、
    を備えることを特徴とする気象予測装置。
  2. 前記気象予測装置は、
    前記対象地点及び前記参照地点の気象観測値をリアルタイムで受信する観測値受信部を備え、
    前記モデル最適化部は、
    前記対象地点及び前記参照地点の気象観測値がリアルタイムで受信される都度、前記予測モデルのパラメータを更新すること、
    を特徴とする請求項1に記載の気象予測装置。
  3. 前記対象地点は、
    風力発電機が設置される地点であり、
    前記気象観測値及び前記気象予測値は、
    風速であり、
    前記予測値算出部は、
    所定の換算ルールを使用し、前記算出した気象予測値を前記風力発電機の発電量に換算すること、
    を特徴とする請求項2に記載の気象予測装置。
  4. 前記予測モデルは、
    前記対象地点及び前記参照地点ごとに又は過去の時点ごとに値が変化する重みを、前記入力変数に対して乗算するものであること、
    を特徴とする請求項3に記載の気象予測装置。
  5. 前記モデル最適化部は、
    風速、風向、気圧、降水量、気温、相対湿度及び日照時間のうちの少なくとも1つに応じて、前記重みの値を算出すること、
    を特徴とする請求項4に記載の気象予測装置。
  6. 前記風力発電機は、
    蓄電設備を備えていること、
    を特徴とする請求項3ないし請求項5のいずれか1項に記載の気象予測装置。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の気象予想装置を使用する風力発電所。
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