JP2017187306A - ガスセンサ素子及びガスセンサ - Google Patents

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健太郎 鎌田
知宏 若園
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知宏 若園
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将生 中川
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Abstract

【課題】測定対象ガス中の特定ガスの検出精度の高いガスセンサ素子及びそのガスセンサ素子を備えたガスセンサを提供すること。【解決手段】ガスセンサ素子7では、第2内側電極111の流路の方向における長さは、第1内側電極105の流路の方向における長さ以上であり、且つ、第2内側電極111の下流側の端部は、第1内側電極105の下流側の端部よりも下流側に配置されている。よって、測定室71内の導入された測定対象ガス中の酸素を十分に汲み出すことができる。つまり、センサセル121の第3内側電極117上に残留した酸素も十分にポンプアウトすることが可能であるので、NOxを検出する際の残留酸素による影響を低減でき、よって、NOxの濃度の検出精度が向上する。【選択図】図3

Description

本発明は、測定対象ガス中に含まれる特定ガスを検出するためのガスセンサ素子及びガスセンサ素子を備えたガスセンサに関する。
従来、測定対象ガス(例えば排気ガス等)に含まれる特定ガス(例えばNOx等)を検出するためのガスセンサ素子、及びそのガスセンサ素子を備えたガスセンサが知られている。
この種のガスセンサ素子としては、板型の固体電解質体と、固体電解質体の外面に形成された一対の電極とを有するセルを備えたものがある。
例えば、NOxを検出するガスセンサ素子では、セルとして、第1ポンプセル、第2ポンプセル、センサセルなどを備えたものが開示されている(例えば特許文献1参照)。
この特許文献1に記載のガスセンサ素子は、図13に示すように、ガスセンサ素子P1の先端側に開口部P2を有するとともに、開口部P2から測定対象ガス(G)が導入される測定室P3を有する。そして、測定室P3を挟んで、第1ポンプセルP4と第2ポンプセルP5とが対向して配置されている。
詳しくは、第1ポンプセルP4の測定室P3側の電極(第1内側電極)P6と第2ポンプセルP5の測定室P3側の電極(第2内側電極)P7とは、測定室P3を挟んで対向して配置されている。
なお、第1ポンプセルP4では、第1内側電極P6の反対側の電極(第1外側電極)P8は、基準酸素源(例えば大気)が導入される第1基準酸素室P9に配置されている。同様に、第2ポンプセルP5では、第2内側電極P7の反対側の電極(第2外側電極)P10は、基準酸素源が導入される第2基準酸素室P11に配置されている。
また、センサセルP12の測定室P3側の電極(第3内側電極)P13は、第1ポンプセルP4の第1内側電極P6と同じ側の表面に配置されており、第3内側電極P13と反対側の第3外側電極P14は、第1ポンプセルP4の第1外側電極P8と共通となっている。
そして、第1ポンプセルP4及び第2ポンプセルP5では、測定室P3に対して酸素の汲み入れ又は汲み出し(ポンピング)を行い、測定対象ガスの酸素濃度を調整する。このとき、センサセルP12には、酸素濃度が調整された測定対象ガスに含まれるNOx濃度に応じたセンサ電流(濃度電流)が流れるので、このセンサ電流に基づいて測定対象ガスにおけるNOx濃度を検出できる。
特開2013−88119号公報
しかしながら、上述した従来技術では、図13を上下方向から見た平面視で、第1ポンプセルP4の第1内側電極P6と第2ポンプセルP5の第2内側電極P7とが同じ位置に配置されているので、NOx濃度の精度が十分ではないという問題があった。
つまり、開口部P2から導入される測定対象ガスの流速等の影響によって、測定対象ガス中の酸素が、第1内側電極P6と第2内側電極P7との間の領域(ポンプアウト電極範囲)内で十分に汲み出し切れず(即ちポンプアウトしきれず)に、NOxを検知するためのセンサセルP12の第3内側電極P13近傍に、残余の酸素(残留酸素)が到達することがあった。
そのため、この残留酸素がセンサセルP12によって検知されてしまい、NOx濃度の検出精度が低下するという問題があった。
そこで、本発明は、測定対象ガス中の特定ガスの検出精度の高いガスセンサ素子、及びそのガスセンサ素子を備えたガスセンサを提供することを目的とする。
(1)本発明の第1局面のガスセンサ素子は、測定室と第1ポンプセルと第2ポンプセルとセンサセルとを備えている。
測定室には、開口部より測定対象ガスが導入される。
第1ポンプセルは、酸素イオン導電性を有する固体電解質体と固体電解質体上に形成された一対の第1電極とを有しており、一対の第1電極の一方の第1内側電極が測定室に露出している。そして、一対の第1電極への通電により、測定室に対する酸素の汲み出し又は汲み入れが行われる。
第2ポンプセルは、酸素イオン導電性を有する固体電解質体と固体電解質体上に形成された一対の第2電極とを有しており、一対の第2電極の一方の第2内側電極が測定室に露出している。そして、一対の第2電極への通電により、測定室に対する酸素の汲み出し又は汲み入れが行われる。
センサセルは、酸素イオン導電性を有する固体電解質体と、固体電解質体上に形成された一対の第3電極とを有しており、一対の第3電極の一方の第3内側電極が測定室に露出している。そして、一対の第3電極に流れる電流に基づいて、測定対象ガスに含まれる特定ガスを検出する。
また、このガスセンサ素子では、第1内側電極と第2内側電極とは、測定室を介して対向して配置されているとともに、第1内側電極と第3内側電極とは測定室に向いた同じ側の表面に配置されている。従って、第2内側電極と第3内側電極とは、測定室を介して反対側の表面に配置されている(例えば対向して配置されている)。
さらに、ガスセンサ素子を第1内側電極と第2内側電極とが対向する方向から見た場合に(平面視で)、第3内側電極は、第1内側電極に対して測定対象ガスが流れる流路の下流側に配置されている。つまり、測定対象ガスは、測定室内において、第1内側電極側から第3内側電極側に流れる。
ここで、対向する方向とは、測定室を挟んで第1内側電極と第2内側電極とが重ね合わされるように配置される方向(即ち積層方向)である。
しかも、第2内側電極の流路の方向における長さは、第1内側電極の流路の方向における長さ以上であり、且つ、第2内側電極の下流側の端部は、第1内側電極の下流側の端部よりも下流側に配置されている。
このように、本第1局面では、第2内側電極の流路の方向における長さは、第1内側電極の流路の方向における長さ以上であり、且つ、第2内側電極の下流側の端部は、第1内側電極の下流側の端部よりも下流側に配置されているので、測定室内に導入された測定対象ガス中の酸素を十分に汲み出すことができる。
つまり、仮に、センサセルの第3内側電極より上流側にて、第1ポンプセル及び第2ポンプセル(但し第1内側電極の下流側の端部より上流側の範囲の第2ポンプセル)によって、測定室より十分に酸素を汲み出すことができず、それによって、第3内側電極の近傍に規定以上の酸素が到達するような場合でも、本第1局面では、第2内側電極の下流側の端部は、第1内側電極の下流側の端部よりも下流側(即ち第3内側電極に近い側)に配置されているので、第2内側電極の下流側の端部近傍の電極部分によって、第3内側電極の近傍まで流入した酸素を十分に汲み出すことができる。
すなわち、本第1局面では、センサセルの第3内側電極上に残留した酸素も十分にポンプアウトすることが可能であるので、特定ガスを検出する際の残留酸素による影響を低減でき、よって、特定ガスの濃度等の検出精度が向上するという顕著な効果を奏する。
なお、ここで「特定ガスの検出」としては、特定ガスの有無の検出や特定ガスの濃度が挙げられる。
(2)本発明の第2局面では、前記第2内側電極の下流側の端部は、前記第3内側電極の上流側の端部と下流側の端部との間に配置されている。
本第2局面では、上述のように第2内側電極の下流側の端部が配置されているので、下流側における酸素を十分に汲み出すことができる。よって、特定ガスの検出精度が高いという利点がある。
(3)本発明の第3局面では、前記第2内側電極の下流側の端部は、前記第1内側電極の下流側の端部と前記第3内側電極の上流側の端部との間に配置されている。
本第3局面では、上述のように第2内側電極の下流側の端部が配置されているので、特定ガスの検出精度が高いという利点がある。つまり、第2内側電極の下流側の端部は、第3内側電極の部分に至らないように配置されているので、第2ポンプセルの動作がセンサセルによる特定ガスの検出に影響を及ぼしにくいという効果がある。
(4)本発明の第4局面では、前記第1内側電極の上流側の端部と前記第2内側電極の上流側の端部との位置が同じである。
本第4局面では、上述のように第1内側電極と第2内側電極との上流側の端部が配置されているので、測定室に導入された測定対象ガス中の酸素を汲み出す能力が高いという効果がある。よって、特定ガスの検出精度が高いという利点がある。
(5)本発明の第5局面は、前記第1〜第4局面のいずれかのガスセンサ素子を備えたガスセンサである。
このようなガスセンサ素子を備えたガスセンサは、測定対象ガス中の特定ガスの検出精度が高いという効果がある。
なお、上述した各局面において、各電極の長さは、ガスセンサ素子の測定対象ガスの流路の方向(即ち第1内側電極側から第3内側電極側への流路の方向)における最大の長さとする。また、各電極における上流側や下流側の端部も位置も、前記流路の方向における最大の長さの部分とする。
本発明のガスセンサ素子及びガスセンサによれば、測定対象ガス中の特定ガスの検出精度が高いという効果がある。
第1実施形態のNOxセンサを軸方向に沿って破断した状態を示す断面図である。 第1実施形態のガスセンサ素子の外観を示す斜視図である。 第1実施形態のガスセンサ素子の先端側を長手方向(Y軸方向)に沿って厚み方向(Z軸方向)に破断して示す断面図である。 第1実施形態のガスセンサ素子を分解して示す斜視図である。 第1実施形態のガスセンサ素子を駆動するための電気的構成を示す説明図である。 第2実施形態のガスセンサ素子の先端側を長手方向に沿って厚み方向に破断して示す断面図である。 第3実施形態のガスセンサ素子の先端側を長手方向に沿って厚み方向に破断して示す断面図である。 第4実施形態のガスセンサ素子の先端側を長手方向に沿って厚み方向に破断して示す断面図である。 第5実施形態のガスセンサ素子の先端側を長手方向に沿って厚み方向に破断して示す断面図である。 第6実施形態のガスセンサ素子の先端側を長手方向に沿って厚み方向に破断して示す断面図である。 第7実施形態のガスセンサ素子の先端側を長手方向に沿って厚み方向に破断し拡大して示す断面図である。 (a)は第8実施形態のガスセンサ素子の先端側を示す斜視図であり、(b)はガスセンサ素子の第4絶縁層を示す斜視図である。 従来技術のガスセンサ素子を示す説明図である。
以下、本発明が適用された実施形態について、図面を用いて説明する。
なお、以下に示す実施形態では、ガスセンサの一種であるNOxセンサを例に挙げる。具体的には、自動車や各種内燃機関における排気管に装着されるガスセンサであって、測定対象となる排気ガス中の特定ガス(窒素酸化物:NOx)を検出するガスセンサ素子(検出素子:NOxセンサ素子)が組み付けられて構成されるNOxセンサを例に挙げて説明する。
[1.第1実施形態]
[1−1.NOxセンサの全体構成]
まず、第1実施形態のガスセンサ素子が使用されるNOxセンサの全体の構成について、図1に基づいて説明する。
図1に示す様に、第1実施形態におけるNOxセンサ1は、排気管に固定するためのネジ部3が外表面に形成された筒状の主体金具5と、軸線O方向(NOxセンサ1の長手方向:図1の上下方向)に延びる板状形状のガスセンサ素子7と、ガスセンサ素子7の径方向周囲を取り囲むように配置される筒状のセラミックスリーブ9と、軸線O方向に貫通する貫通孔11の内壁面がガスセンサ素子7の後端部の周囲を取り囲む状態で配置される第1セパレータ13と、ガスセンサ素子7と第1セパレータ13との間に配置される6個(図1には2個のみ図示)の接続端子15、を主に備えている。
ガスセンサ素子7は、後に詳述する様に、長手方向に伸びる直方体形状(板型形状)に形成されており、その先端側(図1の下方:長手方向先端部)に、測定対象ガスに含まれる特定ガス(ここではNOx)を検出する検知部17を備える。また、ガスセンサ素子7は、後端側の外表面のうち表裏の位置関係となる第1主面21および第2主面23に、電極パッド25,26,27,28,29,30(詳細は、図2、図4参照)が形成されている。
接続端子15は、ガスセンサ素子7の電極パッド25,26,27,28,29,30にそれぞれ電気的に接続されるとともに、外部からNOxセンサ1の内部に配設される6本のリード線35(図1では2本のみ表示)にも電気的に接続されている。これにより、リード線35が接続される外部機器と電極パッド25,26,27,28,29,30との間に流れる電流の電流経路が形成される。
主体金具5は、軸線O方向に貫通する貫通孔37を有し、貫通孔37の径方向内側に突出する棚部39を有する略筒状形状に構成されている。この主体金具5は、検知部17を貫通孔37の先端よりも先端側に配置し、電極パッド25,26,27,28,29,30を貫通孔37の後端よりも後端側に配置する状態で、貫通孔37に挿通されたガスセンサ素子7を保持するよう構成されている。
また、主体金具5の貫通孔37の内部には、ガスセンサ素子7の径方向周囲を取り囲む状態で、環状形状のセラミックホルダ41、滑石リング43,45、及び上述のセラミックスリーブ9が、この順に先端側から後端側にかけて積層されている。
このセラミックスリーブ9と主体金具5の後端部47との間には、加締パッキン49が配置され、一方、セラミックホルダ41と主体金具5の棚部39との間には、滑石リング43,45やセラミックホルダ41を保持するための金属ホルダ51が配置されている。なお、主体金具5の後端部47は、加締パッキン49を介して、セラミックスリーブ9を先端側に押し付けるように、加締められている。
更に、主体金具5の先端部53の外周には、ガスセンサ素子7の突出部分を覆う金属製(例えば、ステンレスなど)の二重構造とされたプロテクタ55が溶接等によって取り付けられている。
一方、主体金具5の後端側外周には、外筒57が固定されており、外筒57の後端側の開口部には、グロメット59が配置されている。このグロメット59には、各電極パッド25,26,27,28,29,30とそれぞれ電気的に接続される各リード線35が挿通される各リード線挿通孔61が形成されている。
なお、第1セパレータ13の外周には、鍔部63が形成されており、鍔部63は、保持部材65を介して外筒57に固定されている。また、第1セパレータ13の後端側には、第1セパレータ13とグロメット59に狭持される第2セパレータ67が配置されており、接続端子15の後端側が第2セパレータ67内に挿入されている。
[1−2.ガスセンサ素子の構成]
次に、ガスセンサ素子7の構成について、図2〜図4に基づいて説明する。
なお、図2において、長手方向(Y軸方向)がNOxセンサ1の軸線O方向に沿う形態となる。また、図2のZ軸方向は、長手方向に垂直な積層方向(平面視の方向)であり、X軸方向は、長手方向及び積層方向に垂直な幅方向である。また、図3、図4において、左方向がガスセンサ素子7の先端側であり、右方向がガスセンサ素子7の後端側である。
<ガスセンサ素子の概略構成>
図2に示す様に、ガスセンサ素子7は、長手方向(Y軸方向)に延びる長尺で、直方体形状の板材である。
このガスセンサ素子7は、長手方向の先端側に、測定対象ガスに含まれる特定ガスを検出する検知部17を備えている。また、ガスセンサ素子7の先端には、後述するように、測定対象ガスを検知部17の内部の測定室71(図3参照)に導入する開口部73が設けられている。
図3に示すように、ガスセンサ素子7は、複数のセラミック層が積層された積層体である。
詳しくは、ガスセンサ素子7は、図3の上方より、第1絶縁層81、第2絶縁層83、第3絶縁層85、第1固体電解質層87、第4絶縁層89、第2固体電解質層91、第5絶縁層93、第6絶縁層95、第7絶縁層97が積層された構造を有する。
このうち、第1固体電解質層87と第2固体電解質層91との間には、長手方向に延びる開口部分89aを有する第4絶縁層89が配置されており、その開口部分89aが測定室71とされている。この測定室71の先端側領域は、多孔質の拡散抵抗体99が充填された開口部73を介して外部に繋がっており、外部から拡散抵抗体99を介して、測定対象ガス(G)である外気(ここでは排気ガス)がガスセンサ素子7の内部(即ち測定室71)に導入される。
なお、測定室71内では、同図の矢印方向に沿って測定対象ガスが流れる流路が形成される。
また、第2絶縁層83と第1固体電解質層87との間には、長手方向に延びて後端に達する開口部分85aを有する第3絶縁層85が配置されており、この開口部分85aが、後端側より大気が導入される第1基準酸素室101とされている。
同様に、第2固体電解質層91と第6絶縁層95との間には、長手方向に延びて後端に達する開口部分93aを有する第5絶縁層93が配置されており、この開口部分93aが、後端側より大気が導入される第2基準酸素室103とされている。
そして、後に詳述するように、第1固体電解質層87とその厚み方向(積層方向)の両側に形成された第1内側電極105及び第1外側電極107とによって、第1ポンプセル109が形成されている。
また、第2固体電解質層91とその厚み方向の両側に形成された第2内側電極111及び第2外側電極113とによって、第2ポンプセル115が形成されている。
さらに、第1ポンプセル109より後端側には、第1固体電解質層87とその厚み方向の両側に形成された第3内側電極117及び第3外側電極119とによって、センサセル121が形成されている。なお、第1外側電極107と第3外側電極119とは共通の電極であり、第1ポンプセル109とセンサセル121とは第1固体電解質層87を共有して各セルを形成する。
また、第6絶縁層95と第7絶縁層97との間には、タングステン等の導体によって形成された発熱抵抗体123を備えたヒータ125が配置されている。
ヒータ125は、外部から供給された電力によって発熱抵抗体123が発熱することで、ガスセンサ素子7(特に、検知部17)を所定の活性温度に昇温し、固体電解質体の酸素イオンの伝導性を高めて動作を安定化させるために用いられる。
なお、前記第1、第2固体電解質層87、91は、それぞれ、酸素イオン伝導性を有する固体電解質である例えばジルコニアを主成分に用いて形成された部材(固体電解質体)である。また、第1〜第7絶縁層81、83、85、89、93、95、97は、電気絶縁材料である例えばアルミナを主成分に用いて形成されており、気体等の流体の透過(流通)を防止できる程度に密に形成されている。拡散抵抗体99は、アルミナ等の多孔質物質を用いて形成され、気体の流通が可能になっている。
ここで、主成分とは「セラミック層中の主材料の含有量が50wt%以上であること」を指し、例えば、第1、第2固体電解質層87、91は、ジルコニアが50wt%以上含有されている。
<各セルの構成>
次に、各セル109、115、121の構成等を、図3及び図4に基づいて詳細に説明する。
上述したように、第1ポンプセル109は、固体電解質体からなる第1固体電解質層87と、これを挟持するように配置された一対の矩形状の電極、即ち第1内側電極105及び第1外側電極107とを備えている。
このうち、第1内側電極105は、測定室71に面している。この測定室71は、例えば厚さの薄い直方体形状(即ち板形状の空間)であり、平面視で(即ち第1内側電極105と第2内側電極111とが対向する方向である積層方向から見た場合に)、Y軸方向(図3の左右方向)に長い長方形である。
なお、第1内側電極105は、平面視で測定室71とほぼ同じ幅(X軸方向の幅)となるように形成されている。
一方、第1外側電極107は、第1固体電解質層87を挟んで第1内側電極105と対向するように配置されている。この第1外側電極107は平面視で長方形であり、その幅は第1内側電極105の幅と同じである。また、第1外側電極107の先端側は、第1内側電極105の先端側と同じ位置であるが、第1外側電極107の後端側は、第3外側電極119を兼ねるように、第1内側電極105の後端側よりも後端側に延びている。
なお、第1外側電極107の形状は、平面視で測定室71とほぼ同様な矩形形状である(図4参照)。つまり、第3絶縁層85の開口部分85aの先端側は測定室71と同じ矩形の平面形状となっており、その矩形部分に第1外側電極107が形成されている。
また、上述したように、センサセル121は、前記第1固体電解質層87と、これを挟持するように配置された一対の矩形状の電極、即ち第3内側電極117及び第3外側電極119とを備えている。
このうち、第3内側電極117は、第1内側電極105と同様に、測定室71に面している。つまり、第1内側電極105と第3内側電極117とは、第1固体電解質層87の同じ側の表面(図3の下面87a)において、Y軸方向に沿って並んで配置されている。
詳しくは、測定室71内において、先端側に第1内側電極105が配置され、所定の間隔127をあけて、後端側に第3内側電極117が配置されている。言い換えると、測定対象ガスが導入される流れ方向において、上流側に第1内側電極105が配置され、それより下流側に第3内側電極117が配置されている。
なお、第3内側電極117は、平面視で測定室71とほぼ同じ幅(X軸方向の幅)となるように形成されている。
この第3内側電極117の後端の位置は、第3外側電極119(即ち共通の第1外側電極107)の後端の位置と同じである。
さらに、上述したように、第2ポンプセル115は、第2固体電解質層91と、これを挟持するように配置された一対の矩形状の電極、即ち第2内側電極111及び第2外側電極113とを備えている。
このうち、第2内側電極111は、測定室71に面しており、平面視で測定室71とほぼ同じ幅(X軸方向の幅)となるように形成されている。
この第2内側電極111の先端の位置は、第1内側電極105の先端の位置と同じであり、第2内側電極111の後端の位置は、第3内側電極117の後端の位置と同じである。
一方、第2外側電極113の形状は、平面視で、第2内側電極111と同じであるので、その先端側及び後端側の位置も第2内側電極111と同じである。
なお、第2外側電極113の形状は、平面視で測定室71とほぼ同様な矩形形状である(図4参照)。つまり、第5絶縁層93の開口部分93aの先端側は測定室71と同じ矩形の平面形状となっており、その矩形部分に第2外側電極113が形成されている。
このように、本第1実施形態では、平面視で、第3内側電極117は、第1内側電極105に対して測定対象ガスが流れる流路の下流側(図3の右側)に配置されており、第2内側電極111の前記流路の方向(図3の左右方向)における長さは、第1内側電極105の流路の方向における長さ以上であり、且つ、第2内側電極111の下流側の端部は、第1内側電極105の下流側の端部よりも下流側に配置されている。
また、上述した各電極105、107(119)、111、113、117は、電極反応を良好に維持するために、気体を内部に流通可能な程度の多孔質状に形成されている。すなわち、測定対象ガスの気体(酸素やNOx等の気相)と電極(触媒相)と固体電解質(酸素イオン伝導相)とが接する三相界面を良好に形成する程度の多孔質状に形成されている。
また、各電極105、107(119)、111、113、117のうち、センサセル121の第3内側電極117は、他の電極105、107(119)、111、113、よりも高い触媒活性の材料(NOxの分解活性の高い材料)が使用されている。
詳しくは、第3内側電極117としては、白金及びロジウムを主成分とする材料が使用されており、第1内側電極105、第1外側電極107、第2内側電極111、第2外側電極113としては、白金及び金を主成分とする材料が用いられている。
<その他の構成>
図4に示すように、第1絶縁層81の後端側外表面には、3つの電極パッド25,26,27が形成されており、第7絶縁層97の後端側外表面にも、3つの電極パッド28,29,30が形成されている。
また、各電極105、107(119)、111、113、117および発熱抵抗体123は、各リード部131、133、135、137、139、141、143や、導電部145、147や、スルーホール149(総称)等によって、対応する電極パッド25,26,27,28,29,30と電気的に接続されている。
詳細には、第1電極パッド25は、複数のスルーホール149を介して、第1外側電極のリード部131に電気的に接続される。
第2電極パッド26は、複数のスルーホール149や導電部145を介して、第3内側電極117のリード部133に電気的に接続される。
第3電極パッド27は、複数のスルーホール149を介して、第1内側電極105のリード135及び第2内側電極111のリード部137に電気的に接続される。
第4電極パッド30は、複数のスルーホール149や導電部147を介して、第2外側電極113のリード部139に電気的に接続される。
第1ヒータ用電極パッド28は、スルーホール149を介して、発熱抵抗体123の一方のリード部141に電気的に接続される。
第2ヒータ用電極パッド29は、スルーホール149を介して、発熱抵抗体123の他方のリード部143に電気的に接続される。
前記電極パッド25,26,27,28,29,30は、いずれも白金を主成分として形成されている。また、発熱抵抗体123の両リード部141、143は、発熱抵抗体123と同じ材料からなる。
一方、前記各電極105、107(119)、111、113、117とそれらのリード部131、133、135、137、139とは、その構成が多少異なっている。
具体的には、リード部131、133、135、137、139は、白金を主成分とし、セラミック(例えばアルミナ)を含む材料から構成されている。
[1−3.ガスセンサ素子の製造方法]
次に、ガスセンサ素子7の製造方法について説明するが、基本的には、従来と同様な製造方法であるので、簡単に説明する。
ガスセンサ素子7を製造する場合、まず、公知のガスセンサ素子7の材料を作製する。
具体的には、各セル109、115、121の固体電解質体となる未焼成固体電解質シートや、各絶縁層81、83、85、89、93、95、97となる未焼成絶縁シートなどを作製する。
なお、拡散抵抗体99となるスラリーや、各電極105、107(119)、111、113、117、各リード部131、133、135、137、139、各導電部145、147、ヒータ125となる各ペースト等も、それぞれ作製する。
次に、各シートを貫通するように、開口部73、開口部分85a、89a、93a、スルーホール149となる貫通部分を形成する。
そして、これらのシートや材料を用いて、従来と同様に、焼成後にガスセンサ素子7となる未圧着積層体を作製する。
例えば、各シートに対して、各ペーストを用いてスクリーン印刷を行って、それぞれのパターンを形成する。つまり、対応する所定のシートに対して、各電極105、107(119)、111、113、117、各リード部131、133、135、137、139、各導電部145、147、ヒータ125を形成する位置に、スクリーン印刷によって、それぞれのパターンを形成する。そして、それらのパターンを形成したシートを積層する。
なお、これとは別に、積層する前には、開口部73となる位置に拡散抵抗体99のスラリーを充填する処理や、開口部分85a、89a、93aとなる位置にカーボンペーストを充填する等の処理を行う。
このようにして未圧着積層体が形成される。なお、この未圧着積層体には、電極パッド25,26,27,28,29,30となる未焼成電極パッドなどが形成されている。
そして、この未圧着積層体を加圧することにより、圧着された成形体を得る。
そして、加圧により得られた成形体を、所定の大きさで切断することにより、ガスセンサ素子7と大きさが同等の複数(例えば10個)の未焼成積層体を得る。
その後、この未焼成積層体を樹脂抜きし、さらに焼成温度1500℃にて、1時間で本焼成して、図2に示す様なガスセンサ素子7を得る。
このようにしてガスセンサ素子7を用いて、従来と同様にして、NOxセンサ1を作製する。
[1−4.NOx濃度の測定方法]
次に、NOxセンサ1にてNOx濃度を検出する方法について、図5に基づいて説明する。
図5に示すように、まず、測定対象ガスは、拡散律速を行う開口部73を介して測定室71内に導入される。
そして、第1電圧印加回路151により、第1ポンプセル109の第1内側電極105及び第1外側電極107、第2ポンプセル115の第2内側電極111及び第2外側電極113に対して、第1外側電極107、第2外側電極113が+極となるように電圧を印加する。
これにより、第1内側電極105、第2内側電極111にて、測定対象ガス中の酸素が還元されて酸素イオンとなって、測定室71から第1基準酸素室101、第2基準酸素室103に、酸素が汲み出される。
逆に、第1電圧印加回路151により、第1ポンプセル109の第1内側電極105及び第1外側電極107、第2ポンプセル115の第2内側電極111及び第2外側電極113に対して、第1内側電極105、第2内側電極111が+極となるように電圧を印加する。
これにより、第1外側電極107、第2外側電極113にて、大気中の酸素が還元されて酸素イオンとなって、第1基準酸素室101、第2基準酸素室103から測定室71に、酸素が汲み入れられる。
そして、第1、第2ポンプセル109、115に流れる電流が限界電流となるように、第1電圧印加回路151により印加する電圧を調節することにより、測定室71内の測定対象ガス中の酸素濃度を所定の低濃度にする。
一方、第2電圧印加回路153により、センサセル121の第3外側電極119が+極となるように所定の電圧を印加する。
ここで、第3内側電極117は、NOxを分解できる活性を有する電極であるので、測定対象ガス中の酸素やNOxが還元されて酸素イオンとなり、測定室71から第1基準酸素室101に酸素が汲み出される。
従って、測定対象ガス中にNOxが存在すると、NOx濃度に応じてセンサセル121に流れる電流(濃度電流)の電流値が増加するため、その電流値に基づいて、測定対象ガス中のNOx濃度を求めることができる。
なお、第1、第2ポンプセル109、115にて十分に酸素がポンピングされている場合には、酸素濃度は所定の低濃度となり、その酸素濃度による影響はごく僅かであるので実質的に、測定された電流値からNOx濃度を求めることができる。
[1−5.効果]
第1実施形態では、第2内側電極111の流路の方向(図3の左右方向)における長さは、第1内側電極105の流路の方向における長さ以上であり、且つ、第2内側電極111の下流側の端部は、第1内側電極105の下流側の端部よりも下流側に配置されているので、測定室71内の導入された測定対象ガス中の酸素を十分に汲み出すことができる。
例えば、従来では、センサセル121の第3内側電極117より上流側にて、第1ポンプセル109や第2ポンプセル115によって、測定室71より十分に酸素を汲み出すことができず、それによって、第3内側電極117の近傍に過剰な酸素が到達するおそれがある。
それに対して、本第1実施形態では、第2内側電極111の下流側の端部は、第1内側電極105の下流側の端部よりも下流側(即ち第3内側電極117に近い側)に配置されているので、第2内側電極111の下流側の端部近傍の電極部分によって、第3内側電極117の近傍まで流入した酸素を十分に汲み出すことができる。
すなわち、本第1実施形態では、センサセル121の第3内側電極117上に残留した酸素も十分にポンプアウトすることが可能であるので、NOxを検出する際の残留した酸素による影響を低減でき、よって、NOxの濃度の検出精度が向上するという顕著な効果を奏する。
[1−6.特許請求の範囲との対応関係]
ここで、特許請求の範囲と第1実施形態とにおける文言の対応関係について説明する。
NOxセンサ1、ガスセンサ素子7、測定室71、開口部73、第1ポンプセル109、第2ポンプセル115、センサセル121が、それぞれ、ガスセンサ、ガスセンサ素子、測定室、開口部、第1ポンプセル、第2ポンプセル、センサセルの一例に相当する。
また、第1内側電極105及び第1外側電極107、第2内側電極111及び第2外側電極113、第3内側電極117及び第4外側電極119が、それぞれ、第1電極、第2電極、第3電極の一例に相当する。さらに、第1固体電解質層87及び第2固体電解質層91が、固体電解質体の一例に相当する。
[2.第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明するが、前記第1実施形態と同様な内容の説明は省略する。なお、第1実施形態と同様な構成の番号については、第1実施形態と同様な番号を使用する。
図6に示すように、本第2実施形態のガスセンサ素子161は、前記第1実施形態と同様に、第1ポンプセル109及びセンサセル121等を備えているが、第2ポンプセル163の構成が異なっている。
具体的には、平面視で、第2ポンプセル163の第2内側電極165の後端の位置は、ポンプセル121の第3内側電極117の先端と後端との間にある。
なお、平面視で、第2ポンプセル163の第2内側電極165と第2外側電極167とは同様な平面形状である。
本第2実施形態は、第1実施形態と同様な効果を奏する。
[3.第3実施形態]
次に、第3実施形態について説明するが、前記第1実施形態と同様な内容の説明は省略する。なお、第1実施形態と同様な構成の番号については、第1実施形態と同様な番号を使用する。
図7に示すように、本第3実施形態のガスセンサ素子171は、前記第1実施形態と同様に、第1ポンプセル109及びセンサセル121等を備えているが、第2ポンプセル173の構成が異なっている。
具体的には、平面視で、第2ポンプセル173の第2内側電極175の後端の位置は、第1ポンプセル109の第1内側電極105の後端とセンサセル121の第3内側電極117の先端との間にある。
なお、平面視で、第2ポンプセル173の第2内側電極175と第2外側電極177とは同様な平面形状である。
本第3実施形態は、第1実施形態と同様な効果を奏する。また、上述のように第2ポンプセル173の第2内側電極175の後端の位置が設定されているので、第2ポンプセル173の動作が、センサセル121の動作に影響を与えにくい。そのため、NOx濃度の検出精度を向上できるという利点がある。
[4.第4実施形態]
次に、第4実施形態について説明するが、前記第1実施形態と同様な内容の説明は省略する。なお、第1実施形態と同様な構成の番号については、第1実施形態と同様な番号を使用する。
図8に示すように、本第4実施形態のガスセンサ素子181は、前記第1実施形態と同様に、第1ポンプセル109及びセンサセル121等を備えているが、第2ポンプセル183の構成が異なっている。
具体的には、平面視で、第2ポンプセル183の第2内側電極185の先端の位置は、第1ポンプセル109の第1内側電極105の先端より後端側にある。
なお、平面視で、第2ポンプセル183の第2内側電極185と第2外側電極187とは同様な平面形状である。
本第4実施形態は、第1実施形態とほぼ同様な効果を奏する。
[5.第5実施形態]
次に、第5実施形態について説明するが、前記第1実施形態と同様な内容の説明は省略する。なお、第1実施形態と同様な構成の番号については、第1実施形態と同様な番号を使用する。
図9に示すように、本第5実施形態のガスセンサ素子191は、前記第1実施形態と同様に、第2ポンプセル115を備えているが、第1ポンプセル193及びセンサセル195の構成が異なっている。
具体的には、平面視で、第1ポンプセル193の第1外側電極197とセンサセル195の第3外側電極199とは一体ではなく、分離されて形成されている。
なお、その他は、第1実施形態と同様である。
本第5実施形態は、第1実施形態とほぼ同様な効果を奏する。また、第1外側電極197と第3外側電極199とは分離されているので、第1ポンプセル193とセンサセル195との相互影響の低減や電極に使用する白金材料の低減という利点がある。
[6.第6実施形態]
次に、第6実施形態について説明するが、前記第1実施形態と同様な内容の説明は省略する。なお、第1実施形態と同様な構成の番号については、第1実施形態と同様な番号を使用する。
図10に示すように、本第6実施形態のガスセンサ素子201は、第1ポンプセル203、第2ポンプセル205、センサセル207の構造は、前記第1実施形態と同様であるが、その配置が異なっている。
つまり、第1実施形態とは、第1ポンプセル203及びセンサセル207と第2ポンプセル205との位置が、測定室71を中心にして、図10の上下に線対称となるように入れ替わっている。
詳しくは、第1ポンプセル203及びセンサセル207が、第2ポンプセル205よりもヒータ125に近い位置に配置されている。
本第6実施形態は、第1実施形態とほぼ同様な効果を奏する。また、センサセル207等がヒータ125に近い位置になっているので、センサセル207等が活性化温度に到達し易いという利点がある。
[7.第7実施形態]
次に、第7実施形態について説明するが、前記第1実施形態と同様な内容の説明は省略する。なお、第1実施形態と同様な構成の番号については、第1実施形態と同様な番号を使用する。
図11に拡大して示すように、本第7実施形態のガスセンサ素子211は、第1実施形態と同様に、第1ポンプセル109及び第2ポンプセル115を備えているが、センサセル213の構造が異なる。
具体的には、センサセル213の第3内側電極215を覆うように、多孔質の拡散制限層217が設けられている。
本第7実施形態は、第1実施形態とほぼ同様な効果を奏する。また、第3内側電極215を覆うように拡散制限層217が設けられているので、仮に測定室71内に多くの残留酸素がある場合でも、第1内側電極105の下流に流れた酵素が、第3内側電極215に到達する前に、第2内側電極111によりポンプアウトされ易くなり、その酸素が第3内側電極215に到達し難くなる。よって、NOxの検出精度が向上するという利点がある。また、第3内側電極215を被毒から保護することができ、NOxガスセンサ1の耐久性が向上するという利点がある。
[8.第8実施形態]
次に、第8実施形態について説明するが、前記第1実施形態と同様な内容の説明は省略する。なお、第1実施形態と同様な構成の番号については、第1実施形態と同様な番号を使用する。
図12に示すように、本第8実施形態のガスセンサ素子221は、測定対象ガスを測定室71に導入する開口部223、225が、幅方向(X軸方向)の両側に設けられている。
つまり、第4絶縁層227に、測定室71が設けられるとともに、測定室71の幅方向の両側に開口部223、225が設けられ、この開口部223、225には、第1実施形態と同様な拡散抵抗体229、231が充填されている。
なお、この場合も、測定室71内に導入された測定対象ガスは、前記第1実施形態と同様に、長手方向(Y軸方向)に沿って、先端側より後端側に供給される。
本第8実施形態は、第1実施形態とほぼ同様な効果を奏する。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、様々な態様にて実施することが可能である。
(1)例えば、各電極の平面形状(平面視での形状)としては、矩形形状が挙げられるが、それ以外の多角形や円や楕円形等の他の形状であってもよい。
なお、その場合には、各電極の長さは、先端側から後端側に向かう方向(ガスの流路の方向:Y軸方向)における最大の長さとする。
(2)また、各セルにおいて、内側電極と外側電極との平面形状は同じであっても、異なっていてもよい。例えば、Y軸方向における長さが異なっていてもよい。
(3)前記実施形態では、ガスセンサ素子の平面形状(平面視での形状)と同様な形状の固体電解質体の基板を用い、その固体電解質体の基板の厚さ方向の両側に電極を配置したが、それとは別に、絶縁基板に埋め込み式のセルを形成してもよい。
例えばアルミナ等の各絶縁基板の一部に開口部を設け、詳しくは第1ポンプセル、第2ポンプセル、センサセルとなる部分(少なくとも1つのセルとなる部分)に、板厚方向に貫通する開口部を設け、その開口部に固体電解質体を配置する。そして、この固体電解質体の両側に電極を配置する。
(4)上記実施形態では、ガスセンサとしてNOxセンサを例に挙げたが、本発明は、例えばアンモニアセンサ等の他のガスセンサにも適用することができる。
(5)なお、上述した各実施形態の構成要素を適宜組み合わせることも可能である。
1…ガスセンサ(NOxセンサ)
7、161、171、181、191、201、211、221…ガスセンサ素子(NOxセンサ素子)
71…測定室
73、223、225…開口部
109、193、203…第1ポンプセル
115、163、173、183、205…第2ポンプセル
121、195、207、213…センサセル
105…第1内側電極、
107、197…第1外側電極
111、165、175、185…第2内側電極
113、167、177、187…第2外側電極
117、215…第3内側電極
119、199…第3外側電極

Claims (5)

  1. 開口部より測定対象ガスが導入される測定室と、
    酸素イオン導電性を有する固体電解質体、及び該固体電解質体上に形成された一対の第1電極を有し、該一対の第1電極の一方の第1内側電極が前記測定室に露出し、前記一対の第1電極への通電により前記測定室に対する酸素の汲み出し又は汲み入れを行う第1ポンプセルと、
    酸素イオン導電性を有する固体電解質体、及び該固体電解質体上に形成された一対の第2電極を有し、該一対の第2電極の一方の第2内側電極が前記測定室に露出し、前記一対の第2電極への通電により前記測定室に対する酸素の汲み出し又は汲み入れを行う第2ポンプセルと、
    酸素イオン導電性を有する固体電解質体、及び該固体電解質体上に形成された一対の第3電極を有し、該一対の第3電極の一方の第3内側電極が前記測定室に露出し、前記一対の第3電極に流れる電流に基づいて、前記測定対象ガスに含まれる特定ガスを検出するセンサセルと、
    を備え、
    前記第1内側電極と前記第2内側電極とは、前記測定室を介して対向して配置されているとともに、前記第1内側電極と前記第3内側電極とは前記測定室に向いた同じ側の表面に配置されているガスセンサ素子であって、
    前記ガスセンサ素子を前記対向する方向から見た場合に、
    前記第3内側電極は、前記第1内側電極に対して前記測定対象ガスの流路の下流側に配置されており、
    前記第2内側電極の前記流路の方向における長さは、前記第1内側電極の前記流路の方向における長さ以上であり、
    且つ、前記第2内側電極の下流側の端部は、前記第1内側電極の下流側の端部よりも下流側に配置されていることを特徴とするガスセンサ素子。
  2. 前記第2内側電極の下流側の端部は、前記第3内側電極の上流側の端部と下流側の端部との間に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のガスセンサ素子。
  3. 前記第2内側電極の下流側の端部は、前記第1内側電極の下流側の端部と前記第3内側電極の上流側の端部との間に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のガスセンサ素子。
  4. 前記第1内側電極の上流側の端部と前記第2内側電極の上流側の端部との位置が同じであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のガスセンサ素子。
  5. 前記請求項1〜4のいずれか1項に記載のガスセンサ素子を備えたことを特徴とするガスセンサ。
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