JP2017186909A - 横軸ポンプ、横軸ポンプの摩耗検出方法 - Google Patents

横軸ポンプ、横軸ポンプの摩耗検出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 横軸ポンプにおいて、ポンプを分解することなく、ライナーリングの摩耗の検出を可能とすること。【解決手段】 横軸ポンプ10は、羽根車11と、羽根車11を収容するケーシング12と、ケーシング12の内周面上に羽根車11の外周面を取り囲むように配置されたライナーリング15と、を備える。羽根車11の外周面とライナーリング15の内周面との間には、環状の隙間17が形成されており、ケーシング12には、ライナーリング15に到達可能な貫通孔14が形成されており、ライナーリング15には、貫通孔14から延長された有底穴19が形成されている。【選択図】 図2

Description

本発明は、横軸ポンプおよび横軸ポンプの摩耗検出方法に関する。
上下水道、農業用等で使用されているポンプ設備において、健全な状態でポンプを使用するためには、ポンプを構成するライナーリング等の摩耗部品を、深刻な機能低下が発生する前に取り換える必要がある。
しかしながら、摩耗部品の状況を事前に把握するためには、工場持ち込み、あるいは現地にてポンプを分解し、すきまゲージ等を用いた計測を行う必要がある(例えば、非特許文献1参照)。
ポンプの分解には、(1)分解・復旧作業に加えて(2)分解前の水抜き作業や(3)消耗部品の手配及び取替え作業を行う必要があり、診断コストの増加や設備の停止期間の長期化による信頼性の低下等のリスクを伴う。また、コスト面の理由から分解を伴う診断は先延ばしされ、数十年放置されるケースも多く、性能面での信頼性低下に繋がっている。
農林水産省農村振興局整備部設計課、『農業水利施設の機能保全の手引き「ポンプ場(ポンプ設備)」』、平成25年4月
本発明は、以上のような点を考慮してなされたものであり、横軸ポンプにおいて、ポンプを分解することなく、ライナーリングの摩耗の検出を可能とすることを目的とする。
本発明による横軸ポンプは、
羽根車と、
前記羽根車を収容するケーシングと、
前記ケーシングの内周面上に前記羽根車の外周面を取り囲むように配置されたライナーリングと、
を備え、
前記羽根車の外周面と前記ライナーリングの内周面との間には、環状の隙間が形成されており、
前記ケーシングには、前記ライナーリングに到達可能な貫通孔が形成されており、
前記ライナーリングには、前記貫通孔から延長された有底穴が形成されている。
本発明によれば、ライナーリングの摩耗が有底穴の底まで進行すると、有底穴が無底穴となり、ライナーリングの内周面と羽根車の外周面との間の隙間は、ライナーリングの無底穴を介して外部と連通する。そのため、例えばライナーリングの内周面と羽根車の外周面との間の隙間が外部の圧力より正圧である場合、その圧力差により、隙間を流れる液体がライナーリングの無底穴を通って外部に流れ出す。従って、この場合には、外部に流れ出す液体を検知することで、ポンプを分解することなく、ライナーリングの摩耗が有底穴の底まで進行したことを検出することができる。
本発明による横軸ポンプにおいて、前記ケーシングまたは前記ライナーリングには、前記有底穴に連通する有底の筒体が、前記貫通孔の外側に突き出るように設けられていてもよい。
本発明による横軸ポンプにおいて、前記筒体は透明であってもよい。このような態様によれば、例えばライナーリングの内周面と羽根車の外周面との間の隙間が筒体の内部より負圧である場合、筒体の内部に、液体を、貫通孔の外側の高さ位置まで導入しておき、筒体の内部の液体が流出したことを光学的に検知することで、ライナーリングの摩耗が有底穴の底まで進行したことを検出することができる。一方、例えばライナーリングの内周面と羽根車の外周面との間の隙間が筒体の内部より正圧である場合、筒体の内部に、液体が、前記貫通孔の外側の高さ位置まで侵入したことを光学的に検知することで、前記ライナーリングの摩耗が前記有底穴の底まで進行したことを検出することができる。
すなわち、本発明による摩耗検出方法は、上述した特徴を有する横軸ポンプの摩耗検出方法であって、前記筒体の内部に、液体を、前記貫通孔の外側の高さ位置まで導入し、前記筒体の内部の液体が流出したことを光学的に検知することで、前記ライナーリングの摩耗が前記有底穴の底まで進行したことを検出する。
また、本発明による摩耗検出方法は、上述した特徴を有する横軸ポンプの摩耗検出方法であって、前記筒体の内部に、液体が、前記貫通孔の外側の高さ位置まで侵入したことを光学的に検知することで、前記ライナーリングの摩耗が前記有底穴の底まで進行したことを検出する。
本発明による横軸ポンプにおいて、前記筒体の内部には、液体が、前記貫通孔の外側の高さ位置まで導入されていてもよい。このような態様によれば、ライナーリングの摩耗を検出するために、筒体の内部に、液体を、貫通孔の外側の高さ位置まで導入する作業を省略できる。
本発明による横軸ポンプにおいて、前記筒体の内部には、水位検出用の電極が設けられていてもよい。このような態様によれば、例えばライナーリングの内周面と羽根車の外周面との間の隙間が筒体の内部より正圧である場合、その圧力差により、隙間を流れる液体がライナーリングの無底穴を通って筒体の内部に侵入し、電極に到達して電気信号が出力される。これにより、ライナーリングの摩耗が有底穴の底まで進行したことを、電気信号にて検出することができる。
本発明による横軸ポンプにおいて、前記ケーシングまたは前記ライナーリングには前記有底穴に連通する筒体が前記貫通孔の外側に突き出るように設けられており、前記筒体の端部には、圧力検知部が設けられていてもよい。このような態様によれば、ライナーリングの内周面と羽根車の外周面との間の隙間がライナーリングの無底穴を介して筒体の内部と連通することで、筒体の内部の圧力が変化して電気信号が出力される。したがって、ライナーリングの摩耗が有底穴の底まで進行したことを、電気信号にて検出することができる。
本発明による横軸ポンプにおいて、前記ケーシングには、前記ライナーリングに到達可能な第2貫通孔が形成されており、前記ライナーリングには、前記第2貫通孔から延長された第2有底穴が形成されており、前記第2有底穴の深さは、前記有底穴の深さとは異なってもよい。このような態様によれば、ライナーリングの摩耗の進行を段階的に検出することができる。
本発明によるライナーリングは、上記したいずれかの特徴を有する横軸ポンプに用いられるライナーリングであって、前記有底穴は、前記ケーシングに対するノックピン打ち込み部分に対して予め定められた角度位置に形成されている。
本発明によれば、ライナーリングの有底穴をケーシングの貫通孔に対して容易に位置合わせすることができる。
本発明によれば、横軸ポンプにおいて、ポンプを分解することなく、ライナーリングの摩耗を検出することができる。
図1は、第1の実施の形態による横軸ポンプを示す断面図である。 図2は、図1の横軸ポンプにおいて符号Aを付した一点鎖線で囲まれた領域を拡大して示す図である。 図3は、図1の横軸ポンプが備えるライナーリングの断面図である。 図4は、図2に対応する図面であって、第2の実施の形態による横軸ポンプの一部を拡大して示す図である。 図5は、図4の横軸ポンプが備えるライナーリングの断面図である。 図6は、図2に対応する図面であって、第3の実施の形態による横軸ポンプの一部を拡大して示す図である。 図7は、図2に対応する図面であって、第4の実施の形態による横軸ポンプの一部を拡大して示す図である。 図8は、図2に対応する図面であって、第5の実施の形態による横軸ポンプの一部を拡大して示す図である。 図9は、図8の横軸ポンプが備えるライナーリングの断面図である。 図10は、図2に対応する図面であって、第6の実施の形態による横軸ポンプの一部を拡大して示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、本発明を実施する場合の一例を示すものであって、本発明を以下に説明する具体的構成に限定するものではない。本発明の実施にあたっては、実施の形態に応じた具体的構成が適宜採用されてよい。
<第1の実施の形態>
図1は、本発明の第1の実施の形態による横軸ポンプを示す断面図である。なお、以下の説明では、横軸ポンプを単にポンプと呼ぶことがある。
図1に示すように、本実施の形態による横軸ポンプ10は、横軸渦巻きポンプであり、より詳しくは横軸渦巻両吸込ポンプである。横軸ポンプ10は、羽根車11と、羽根車11を収容するケーシング12と、ケーシング12の内周面上に羽根車11の外周面を取り囲むように配置されたライナーリング15と、を備えている。
このうちケーシング12は、上ケーシング12a及び下ケーシング12bの2つに分割可能である。上ケーシング12aと下ケーシング12bとは、互いに向かい合わされた状態で、ボルトを用いて互いに締結されている。
羽根車11は、略円板形状を有しており、図示された例では、中心軸線が左右方向と平行にされた姿勢にて、上ケーシング12aと下ケーシング12bとの間に配置されている。羽根車11の中心には、羽根車11の中心軸線に沿って左右両側に延びるように主軸16が設けられている。この主軸16は、ケーシング12上に軸受を介して両持ちで支持されている。
主軸16の一端部(図1における右端部)はケーシング12の外側まで延ばされて、回転動力を伝達する電動機(不図示)に接続されている。電動機からの回転動力により主軸16と羽根車11とがケーシング12の内側にて一体に回転されると、ケーシング12内の液体は、羽根車11の左右の吸込み口から吸い込まれて、羽根車11の外周の吐出し口から吐き出される。
図1に示すように、ライナーリング15は、金属製のリング状部材であり、羽根車11の吸込み口の外側を取り囲むように配置されている。ライナーリング15の材質としては、例えば銅合金やステンレスが用いられる。
横軸ポンプ10の組み立て方法を説明すると、まず、羽根車11の左右の吸込口の外側にライナーリング15が被せられ、羽根車11とライナーリング15とが一緒に下ケーシング12bの内側に収容される。ここで、ライナーリング15は、ケーシング12内にて回転しないように、ノックピンを用いて下ケーシング12bに対して固定される。次いで、上ケーシング12aが羽根車11を覆うように被せられ、上ケーシング12aと下ケーシング12bとがボルトを用いて互いに締結される。この状態では、主軸16は下ケーシング12b上に置かれて支持されており、主軸16に支持された羽根車11はケーシング12の内部にて所定の高さ位置に宙づりで位置決めされている。一方、ライナーリング15は、下ケーシング12b上に置かれて支持されている。従って、羽根車11の外周面とライナーリング15の内周面との間には、羽根車11の外径とライナーリング15の内径との差異に応じた環状の隙間17が形成される。
図2は、図1の横軸ポンプ10において符号Aを付した一点鎖線で囲まれた領域を拡大して示す図である。図2において、符号17は、羽根車11の外周面とライナーリング15の内周面との間に形成された隙間17を示している。摩耗前の隙間17の間隔は、例えば0.4mm〜0.5mmである。
本実施の形態では、図2に示すように、ケーシング12には、ライナーリング15に到達可能な貫通孔14が形成されている。また、ライナーリング15には、ケーシング12の貫通孔14から延長された有底穴18が形成されている。ケーシング12の貫通孔14は有底穴18の底にて閉止されているため、ライナーリング15の摩耗が有底穴18の底まで進行しない限り、横軸ポンプ10の運転中に貫通孔14から液漏れが生じることが防止されている。
図示された例では、貫通孔14は、上ケーシング12aに形成されている。貫通孔14は、鉛直上向きを12時(0時)方向として、10時〜2時方向の範囲に形成されていることがより好ましく、11時〜1時方向の範囲に形成されていることが更に好ましい。
ところで、ポンプ設備の摩耗部品には、通常、摩耗量の許容値(限界値)が予め定められており、摩耗量が許容値を超えた場合には摩耗部品を交換する必要がある。例えば、「背景技術」の欄で言及した『農業水利施設の機能保全の手引き「ポンプ場(ポンプ設備)」』では、ライナーリングの許容値として「インペラ(羽根車)との隙間が当初設計値の3倍まで」と定められている。図3において符号20を付した破線は、摩耗量の許容値に対応する高さ位置を示している。以下では、この破線20を、摩耗限界値線と呼ぶことがある。
図3に示すように、ライナーリング15の有底穴18は、有底穴18の底が摩耗限界値線20と一致するような深さに形成されている。これにより、ライナーリング15の摩耗が有底穴18の底まで進行したことを検出することで、ライナーリング15の摩耗量が許容値に達したと判定することができる。
本実施の形態では、図2に示すように、ケーシング12には貫通孔14を介して有底穴18に連通する有底の筒体19が、貫通孔14の外側に突き出るように設けられている。
ケーシング12に対する筒体19の取り付け態様は、特に限定されないが、例えば、貫通孔14の端部の内周面にネジ溝が形成されており、筒体19の端部の外周面に貫通孔14のネジ溝に対応するネジ山が設けられている。そして、筒体19の端部が貫通孔14の端部にねじ込まれることで、筒体19がケーシング12に対して水密に固定されている。
筒体19は、透明であることが好ましい。この場合、筒体19の内部に水が存在するかどうかを、目視などにより筒体19の外部から光学的に確認することができる。
本実施の形態では、ライナーリング15の有底穴18は、ケーシング12に対する回転防止用のノックピンの打ち込み部分に対して予め定められた角度位置(例えば90°離れた位置)に形成されている。これにより、横軸ポンプ10の組み立て時において、ライナーリング15をノックピンにて下ケーシング12bに対して固定する際に、ライナーリング15の有底穴18とケーシング12の貫通孔14とが自動的に位置合わせされる。従って、ケーシング12の貫通孔14とライナーリング15の有底穴18との位置合わせを極めて容易に行うことができる。
次にこのような構成からなる横軸ポンプ10の作用について説明する。
まず、ポンプ運転中にライナーリング15の内周面と羽根車11の外周面との間の隙間17が筒体19の内部より負圧になることが予想される場合、ポンプ運転前の準備工程として、筒体19の内部に、液体(例えば水)が、貫通孔14の外側の高さ位置まで導入される(図6参照)。一方、隙間17が筒体19の内部より正圧になることが予想される場合、筒体19の内部に液体が導入されずに気体(例えば空気)にて満たされる。
次に、ポンプ運転工程として、上述したように、電動機(不図示)からの回転動力により、主軸16と羽根車11とがケーシング12の内側にて一体に回転される。これにより、ケーシング12内の液体は、羽根車11の左右の吸込み口から吸い込まれて、羽根車11の外周の吐出し口から吐き出される。
羽根車11の外周面とライナーリング15の内周面との間には隙間17が形成されているため、羽根車11の回転中に羽根車11の外周面とライナーリング15の内周面とが直接擦れることはないが、その隙間17を流れる水流や水流の中に含まれる砂などの異物の影響を受けることにより、羽根車11の外周面とライナーリング15の内周面とは徐々に摩耗して隙間17が広くなる。隙間17が広くなるにつれて、隙間17からのリーク量が増大し、ポンプの性能低下につながる。従って、健全な状態でポンプを使用するためには、ライナーリング15等の摩耗部品を、深刻な機能低下が発生する前に取り換える必要がある。
本実施の形態では、ライナーリング15の摩耗が有底穴18の底まで進行すると、有底穴18が無底穴となり、ライナーリング15の内周面と羽根車11の外周面との間の隙間17は、ライナーリング15の無底穴を介してケーシング12の貫通孔14と連通する。
そのため、ライナーリング15の内周面と羽根車11の外周面との間の隙間17が筒体19の内部より負圧である場合、その圧力差により、筒体19の内部の液体は、ライナーリング15の無底穴を通って隙間17へと流れ出す。
この時、筒体19は貫通孔14の外部に突き出すように設けられているため、筒体19の内部から液体が流れ出したことは、筒体19の外部から目視などにより光学的に検知され得る。これにより、ポンプを分解することなく、ライナーリング15の摩耗が有底穴18の底まで進行したことを容易に検出することができる。
一方、ライナーリング15の内周面と羽根車11の外周面との間の隙間17が筒体19の内部より正圧である場合、その圧力差により、隙間17を流れる液体がライナーリング15の無底穴を通って筒体19の内部に流入する。
この時、筒体19は貫通孔14の外部に突き出すように設けられているため、筒体19の内部に液体が流入したことは、筒体19の外部から目視などにより光学的に検知され得る。これにより、ポンプを分解することなく、ライナーリング15の摩耗が有底穴18の底まで進行したことを容易に検出することができる。
以上のように、本実施の形態によれば、ライナーリング15の摩耗が有底穴18の底まで進行すると、有底穴18が無底穴となり、ライナーリング15の内周面と羽根車11の外周面との間の隙間17は、ライナーリング15の無底穴を介して外部と連通する。そのため、例えばライナーリング15の内周面と羽根車11の外周面との間の隙間17が外部の圧力より正圧である場合、その圧力差により、隙間17を流れる液体がライナーリング15の無底穴を通って外部に流れ出す。従って、この場合には、外部に流れ出す液体を検知することで、ポンプを分解することなく、ライナーリング15の摩耗が有底穴18の底まで進行したことを検出することができる。
さらに、ポンプ10を分解することなく、ライナーリング15の摩耗量を把握できることにより、以下のような極めて有利な効果を得ることができる。すなわち、
(1)点検作業の簡略化による診断コストの削減、
(2)整備時に必要な部品のみを交換することによる整備費の縮減、
(3)設備停止期間の短縮による設備の信頼性向上、
(4)簡易に測定が可能なため、測定頻度を増やすことによる機器の信頼性向上。
なお、上述の実施の形態に対して様々な変更を加えることが可能である。以下、図面を参照しながら、変形の一例について説明する。以下の説明および以下の説明で用いる図面では、上述した実施の形態と同様に構成され得る部分について、上述した実施の形態における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いるとともに、重複する説明を省略する。
<第2の実施の形態>
図4は、図2に対応する図面であって、第2の実施の形態による横軸ポンプ10の一部を拡大して示す図である。図5は、図4の横軸ポンプ10が備えるライナーリング15の断面図である。
図4に示すように、第2の実施の形態では、ライナーリング15には、貫通孔14を介して有底穴18に連通する有底の筒体19が、貫通孔14の外側に突き出るように設けられている。
ライナーリング15に対する筒体19の取り付け態様は、特に限定されないが、例えば、図5に示すように、有底穴18の端部の内周面にネジ溝が形成されており、筒体19の端部の外周面に有底穴18のネジ溝に対応するネジ山が設けられており、筒体19の端部が有底穴18の端部にねじ込まれることで、筒体19がライナーリング15に対して水密に固定される。
このような第2の実施の形態によれば、貫通孔14の内周面が液体に触れることがないため、貫通孔14の内周面に錆が生じることを防止できる。
<第3の実施の形態>
図6は、図2に対応する図面であって、第3の実施の形態による横軸ポンプ10の一部を拡大して示す図である。
図6に示すように、第3の実施の形態では、筒体19の内部には、液体Wが、貫通孔14の外側の高さ位置まで導入されている。ここで、筒体19は、第1の実施の形態と同様にケーシング12に対して固定されていてもよいし、第2の実施の形態と同様にライナーリング15に対して固定されていてもよい。
このような第3の実施の形態によれば、ライナーリング15の摩耗を検出するために、筒体19の内部に、液体を、貫通孔14の外側の高さ位置まで導入する作業を省略できる。
<第4の実施の形態>
図7は、図2に対応する図面であって、第4の実施の形態による横軸ポンプ10の一部を拡大して示す図である。
図7に示すように、第4の実施の形態では、筒体19の内部には、水位検出用の電極21が設けられている。図示された例では、電極21は、貫通孔14の外側の高さ位置に配置されているが、貫通孔14の内側の高さ位置に配置されていてもよい。電極21は、液体に接触すると通電して電気信号を出力するようになっている。
電極21には、警報装置22が電気的に接続されている。警報装置22は、例えば、ポンプ場内に設置された制御盤に設けられ得る。警報装置22は、電極21から出力された電気信号を受信すると、音や光にて警報を発したり、制御盤の表示部に文字や記号にて警報を表示したりするようになっている。
以上のような第4の実施の形態において、ポンプ運転中にライナーリング15の摩耗が有底穴18の底まで進行すると、有底穴18が無底穴となり、ライナーリング15の内周面と羽根車11の外周面との間の隙間17は、ライナーリング15の無底穴を介してケーシング12の貫通孔14と連通する。
そのため、ライナーリング15の内周面と羽根車11の外周面との間の隙間17が筒体19の内部より正圧である場合、その圧力差により、隙間17を流れる液体がライナーリング15の無底穴を通って筒体19の内部に流入する。
そして、筒体19の内部に流入した液体が電極21に到達すると、電極21は電気信号を出力し、電極21から電気信号を受信した警報装置22は、音や光にて警報を発したり、制御盤の表示部に文字や記号にて警報を表示する。これにより、作業者は、筒体19の内部の状況を目視にて頻繁に確認しなくても、ライナーリング15の摩耗が有底穴18の底まで進行したことに直ぐに気づくことができる。
<第5の実施の形態>
図8は、図2に対応する図面であって、第5の実施の形態による横軸ポンプ10の一部を拡大して示す図である。図9は、図8の横軸ポンプ10が備えるライナーリング15の断面図である。
図8に示すように、第5の実施の形態では、ケーシング12には、ライナーリング15に到達可能な第2貫通孔14bが形成されており、ライナーリング15には、第2貫通孔14bから延長された第2有底穴18bが形成されている。図示された例では、ケーシング12またはライナーリング15には第2有底穴18bに連通する有底の第2筒体19bが第2貫通孔14bの外側に突き出るように設けられている。
図9に示すように、第2有底穴18bの深さは、有底穴18の深さと異なっている。図示された例では、第2有底穴18bの深さは、有底穴18の深さより深くなっており、すなわち摩耗限界値線20よりも深くなっている。そのため、ライナーリング15の摩耗は、有底穴18の底に到達する前に、第2有底穴18bの底に到達することになる。
以上のような第5の実施の形態において、ポンプ運転中にライナーリング15の摩耗が第2有底穴18bの底まで進行すると、第2有底穴18bが無底穴となり、ライナーリング15の内周面と羽根車11の外周面との間の隙間17は、この無底穴を介して第2筒体19bと連通する。従って、隙間17から第2筒体19bへの液体の流入または第2筒体19bから隙間17への液体の流出を検知することで、ライナーリング15の摩耗が第2有底穴18bの底まで進行したことを検出することができる。
次いで、ライナーリング15の摩耗が有底穴18の底まで進行すると、有底穴18が無底穴となり、ライナーリング15の内周面と羽根車11の外周面との間の隙間17は、この無底穴を介してケーシング12の貫通孔14と連通する。従って、隙間17から貫通孔14への液体の流入または貫通孔14から隙間17への液体の流出を検知することで、ライナーリング15の摩耗が有底穴18の底まで進行したこと検出することができる。
このように第5の実施の形態によれば、ライナーリング15の摩耗の進行を段階的に(例えば、正常、注意、摩耗限界の順に)検出することができる。
なお、上述した実施の形態では、横軸ポンプ10に有底穴と貫通孔とからなる組が2組形成されていたが、これに限定されず、3組以上形成されていてもよい。この場合、ライナーリング15の摩耗の進行をより多段階にて検出することができる。
<第6の実施の形態>
図10は、図2に対応する図面であって、第6の実施の形態による横軸ポンプ10の一部を拡大して示す図である。
図10に示すように、第6の実施の形態では、ライナーリング15には、有底穴18に連通する無底の筒体23が、貫通孔14の外側に突き出るように設けられている。
ライナーリング15に対する筒体23の取り付け態様は、特に限定されないが、例えば、図10に示すように、有底穴18の端部の内周面にネジ溝が形成されており、筒体23の端部の外周面に有底穴18のネジ溝に対応するネジ山が設けられており、筒体23の端部が有底穴18の端部にねじ込まれることで、筒体23がライナーリング15に対して水密に固定される。
図10に示すように、貫通孔14の外側に突き出た筒体23の端部には、圧力検知部24が設けられている。圧力検知部24は、例えば圧力スイッチであり、筒体23内部の圧力変化により通電して電気信号を出力するようになっている。
図示された例では、圧力検知部24には、警報装置22が電気的に接続されている。警報装置22は、例えば、場内に設置された制御盤に設けられ得る。警報装置22は、圧力検知部24から出力された電気信号を受信すると、音や光にて警報を発したり、制御盤の表示部に文字や記号にて警報を表示したりするようになっている。
以上のような第6の実施の形態において、ポンプ運転中にライナーリング15の摩耗が有底穴18の底まで進行すると、有底穴18が無底穴となり、ライナーリング15の内周面と羽根車11の外周面との間の隙間17は、ライナーリング15の無底穴を介して筒体23の内部と連通する。
この時、筒体19の内部の気体は、ライナーリング15の無底穴を通って隙間17へと流出し、筒体19の内部の圧力が低下する。圧力検知部24は、筒体23内部の圧力変化により通電して電気信号を出力し、圧力検知部24から電気信号を受信した警報装置22は、音や光にて警報を発したり、制御盤の表示部に文字や記号にて警報を表示する。これにより、作業者は、筒体19の内部の状況を目視にて頻繁に確認しなくても、ライナーリング15の摩耗が有底穴18の底まで進行したことに直ぐに気づくことができる。
なお、本実施の形態の圧力検知部24は、圧力スイッチであったが、これに限定されず、市販の圧力計であって、筒体19の内部の圧力変化を数値にて表示し、表示された数値を作業者が目視にて確認するようになっていてもよい。
なお、上述した個々の実施の形態により開示する発明が限定されるものではない。各実施の形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
10 横軸ポンプ
11 羽根車
12 ケーシング
12a 上ケーシング
12b 下ケーシング
13 プラグ
14 貫通穴
15 ライナーリング
16 主軸
17 隙間
18 有底穴
19 有底の筒体
20 摩耗限界値線
21 電極
22 警報装置
23 筒体
24 圧力検知部

Claims (10)

  1. 羽根車と、
    前記羽根車を収容するケーシングと、
    前記ケーシングの内周面上に前記羽根車の外周面を取り囲むように配置されたライナーリングと、
    を備え、
    前記羽根車の外周面と前記ライナーリングの内周面との間には、環状の隙間が形成されており、
    前記ケーシングには、前記ライナーリングに到達可能な貫通孔が形成されており、
    前記ライナーリングには、前記貫通孔から延長された有底穴が形成されている
    ことを特徴とする横軸ポンプ。
  2. 前記ケーシングまたは前記ライナーリングには、前記有底穴に連通する有底の筒体が、前記貫通孔の外側に突き出るように設けられている
    ことを特徴とする請求項1に記載の横軸ポンプ。
  3. 前記筒体は透明である
    ことを特徴とする請求項2に記載の横軸ポンプ。
  4. 前記筒体の内部には、液体が、前記貫通孔の外側の高さ位置まで導入されている
    ことを特徴とする請求項3に記載の横軸ポンプ。
  5. 前記筒体の内部には、水位検出用の電極が設けられている
    ことを特徴とする請求項2に記載の横軸ポンプ。
  6. 前記ケーシングまたは前記ライナーリングには、前記有底穴に連通する無底の筒体が、前記貫通孔の外側に突き出るように設けられており、
    前記筒体の端部には、圧力検知部が設けられている
    ことを特徴とする請求項1に記載の横軸ポンプ。
  7. 前記ケーシングには、前記ライナーリングに到達可能な第2貫通孔が形成されており、
    前記ライナーリングには、前記第2貫通孔から延長された第2有底穴が形成されており、
    前記第2有底穴の深さは、前記有底穴の深さとは異なる
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の横軸ポンプ。
  8. 請求項3に記載の横軸ポンプの摩耗検出方法であって、
    前記筒体の内部に、液体を、前記貫通孔の外側の高さ位置まで導入し、
    前記筒体の内部の液体が流出したことを光学的に検知することで、前記ライナーリングの摩耗が前記有底穴の底まで進行したことを検出する
    ことを特徴とする摩耗検出方法。
  9. 請求項3に記載の横軸ポンプの摩耗把握方法であって、
    前記筒体の内部に、液体が、前記貫通孔の外側の高さ位置まで侵入したことを光学的に検知することで、前記ライナーリングの摩耗が前記有底穴の底まで進行したことを検出する
    ことを特徴とする摩耗検出方法。
  10. 請求項1〜7のいずれかに記載の横軸ポンプに用いられるライナーリングであって、
    前記有底穴は、前記ケーシングに対するノックピン打ち込み部分に対して予め定められた角度位置に形成されている
    ことを特徴とするライナーリング。
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