JP2017186212A - 石英ルツボ製造用モールド及び該モールドの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】保持体自体に高断熱素材を埋設するような特別な加工を施す必要がなく、特に内側部材上部におけるアーク加熱時の熱効率を向上させた石英ルツボ製造用モールド及び該モールドの製造方法を提供する。【解決手段】本発明の石英ルツボ製造用モールドは、シリカ原料粉末が押し付けられる内側部材12と、前記内側部材を保持する保持体14とを備えた石英ルツボ製造用モールドであって、前記内側部材12の内周面全周囲において、口元部から下方に所定の長さ寸法Hを有してSiOあるいはSiO2からなるベーパ層が形成されている。【選択図】図2

Description

本発明は、石英ルツボ製造用モールド及び該モールドの製造方法に関し、CZ法等の引き上げ法によるシリコン単結晶インゴットを製造する際に用いられる石英ルツボ製造用モールド及び該モールドの製造方法に関する。
シリコン単結晶の製造においては、チョクラルスキー法(CZ法)が広く用いられている。この方法は、ルツボ内に収容された原料シリコン融液の表面に種結晶を接触させ、ルツボを回転させるとともに、前記種結晶を反対方向に回転させながら上方へ引上げることにより、種結晶の下端に単結晶インゴットを育成していくものである。
上記方法において、原料シリコン融液を収容するためのルツボには、石英ルツボが用いられている。この石英ルツボは、一般的には2層構造であり、外層が不透明層、内層が透明層から構成されている。
前記外層の不透明層は、合成シリカガラスに比べて、純度は低いものの、耐熱性に優れた天然シリカ原料により形成されている。一方、前記内層の透明層は、引上げられるシリコン単結晶インゴットに対する不純物汚染の抑制のため、高純度の合成シリカ原料により形成され、また、前記単結晶インゴットの結晶化率の向上等の観点から、ルツボ内表面は平滑に形成されている。
この石英ルツボの製造方法として、例えば特許文献1、2に記載されているような回転モールド法が知られている。この回転モールド法は、合成シリカ原料、天然シリカ原料の原料粉末を、回転するモールドの側壁及び底面に夫々の原料粉末層を形成し、前記アークで加熱溶融して、石英ルツボを製造する方法である。
この特許文献2に示された石英ルツボ製造装置を図4に示すと共に、図4に基づいて石英ルツボの製造方法を説明する。
石英ルツボ製造装置のルツボ成形用モールド11は、原料粉末層が形成される内側部材12と、前記内側部材12を保持する保持体14とを備えている。また、前記内側部材12には貫通穴12aが形成され、前記内側部材12と保持体14との間には、貫通穴12aが連通する通気路13が形成されている。更に、前記通気路13は開口部16を介して、ポンプ等の減圧機構18に接続されている。
そして、図示しない回転駆動源を稼働して回転軸15を矢印の方向に、ルツボ成形用モールド11を高速で回転させつつ、ルツボ成形用モールド11内の上部から、初めに天然シリカ原料粉末を装填し、さらにその内表面に合成シリカ原料粉末を装填する。
初めに供給された天然シリカ原料粉末は、遠心力(また図示しないが特許文献1に示される内枠)によって、ルツボ成形用モールド11の内側部材12に押圧され、一つの天然シリカ原料粉末層10bが形成される。
そして、この天然シリカ原料粉末に続いて、合成シリカ原料粉末がルツボ成形用モールド11内に供給され、遠心力(また図示しないが特許文献1に示される内枠)によって天然シリカ原料粉末層10bに押圧され、一つの合成シリカ原料粉末層10aが形成される。
即ち、全体としてルツボ形状の2層のシリカ粉成形体10が形成される。
その後、減圧機構18の作動により、内側部材12の貫通穴12a、通気部13を介して、シリカ粉成形体10を減圧すると共に、カーボン電極17に通電してアーク放電させ、シリカ粉成形体10の内側から加熱し、シリカ粉成形体10を内側から順次溶融する。
その後、冷却することにより、図5に示すような内面側には実質的に無気泡化状態で酸素過剰欠陥が抑制された透明シリカガラス層2が形成され、外表側には多数の気泡が存在する不透明シリカガラス層3が形成された、2重層構造の石英ルツボ1が製造される。
また、この製造された石英ルツボ1の上部には、図5に示すように、外径が口元部(上端部)に行くにしたがって徐々に小さくなる薄肉部1Aが形成される。この薄肉部1Aを有する石英ルツボ1をシリコン単結晶の引上げ工程で用いると、石英ルツボ1の上部は変形し易いため、内側に倒れ易いという問題があった。そのため、前記した石英ルツボ1の薄肉部1Aを除去しなければならず、コストが嵩むという問題があった。
更に、特許文献3では、石英ルツボ1の前記薄肉部1Aの形成を抑制した石英ルツボ製造用モールドが提案されている。
この提案された石英ルツボ製造用モールド31(図4の保持体14に相当)は、図6に示すように、その上部領域に高断熱素材32を埋設したものである。
この石英ルツボ製造用モールド31(図4の保持体14に相当)によれば、モールド上部の断熱性(保温性)が向上するため、アーク加熱時の均熱性、熱効率が向上し、前記石英ルツボ1の薄肉部1Aの発生を抑制することができる。
特開2000−169164号公報 特開2014−65621号公報 特開2011−126726号公報
ところで、前記したような石英ルツボ製造用モールド(保持体に相当)の上部領域に高断熱素材を埋設したものにあっては、保持体自体に高断熱素材を埋設する特別な加工を行う必要性があり、保持体の製作に時間と費用がかかるという技術的課題があった。
また、石英ルツボ製造用モールド(保持体)の内側には内側部材が配置されている。即ち、シリカ粉成形体と高断熱素材の間には距離があり、そのため、断熱効果が劣り、アーク加熱時の熱効率が劣るという技術的課題があった。
特に、前記内側部材と保持体との間には、貫通穴が連通する通気路が形成されているため、アーク加熱時の熱効率が劣るという技術的課題があった。
本発明は、上記技術的課題を解決するためになされたものであり、保持体自体に高断熱素材を埋設するような特別な加工を施す必要がなく、特に内側部材上部におけるアーク加熱時の熱効率を向上させた石英ルツボ製造用モールド及び該モールドの製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するためになされた石英ルツボ製造用モールドは、シリカ原料粉末が押し付けられる内側部材と、前記内側部材を保持する保持体とを備えた石英ルツボ製造用モールドであって、前記内側部材の内周面全周囲において、口元部から下方に所定の長さ寸法を有してSiOあるいはSiOからなるベーパ層が形成されていることを特徴としている。
このように、本発明にかかる石英ルツボ製造用モールドの内側部材の内周面には、口元部から下方に所定の長さ寸法を有したSiOあるいはSiOからなるベーパ層が形成されている。このベーパ層は、シリカ粉成形体と内側部材との間に位置し、断熱材として機能する。
その結果、モールド上部の断熱性(保温性)が向上し、アーク加熱時の均熱性、熱効率を向上させることができ、石英ルツボの上部に発生する薄肉部の発生を抑制することができる。その結果、石英ルツボの切断除去する部分を減少させることができ、製造コストの低減を図ることができる。
ここで、前記ベーパ層が口元部から下方に少なくとも390mmの長さ寸法で、かつ厚さ寸法が100μm以上1mm未満に形成されていることが望ましい。
前記ベーパ層が口元部から下方に少なくとも390mmの長さ寸法に形成されているのは、石英ルツボの薄肉部が発生する領域に対応する領域が、内側部材上部の口元部から下方390mmの長さ寸法の領域のためである。
また、ベーパ層の厚さが100μm未満の場合には、期待した断熱効果を得ることができず、一方、ベーパ層の厚さが1mm以上の場合にはベーパ層が剥離する虞があり、好ましくない。
尚、前記ベーパ層とは、合成シリカ原料粉末あるいは天然シリカ原料粉末を1400℃以上に加熱し、気化させ、冷却により再結晶化したSiOあるいはSiOからなる層をいう。
上記目的を達成するためになされた石英ルツボ製造用モールドの製造方法は、内側部材と、前記内側部材を保持する保持体とを備えた石英ルツボ製造用モールドの製造方法において、前記内側部材の内周面全周囲における、前記内側部材の口元部から下方に所定の長さ寸法の領域に、酸水素火炎溶融法によって、SiOあるいはSiOからなるベーパ層を形成する工程と含むことを特徴としている。
このように酸水素火炎溶融法によって、内側部材の内周面全周囲に、口元部から下方に所定の長さ寸法を有したSiOあるいはSiOからなるベーパ層を形成することができる。このベーパ層は、シリカ粉成形体と内側部材との間に位置し、断熱材として機能する。
ここで、前記多孔質層が、酸水素火炎溶融法によって形成されるSiOあるいはSiOからなるベーパ層であって、前記ベーパ層が口元部から下方に少なくとも390mmの長さ寸法で、かつ厚さ寸法が100μm以上1mm未満に形成されていることが望ましい。
本発明によれば、保持体自体に高断熱素材を埋設するような特別な加工を施す必要がなく、特に内側部材上部におけるアーク加熱時の熱効率を向上させた石英ルツボ製造用モールド及び該モールドの製造方法を得ることができる。
図1は、本発明にかかる石英ルツボ製造用モールドの実施形態を示す断面図である。 図2は、図1に示したX部分の拡大断面図である。 図3は、図1に示したベーパ層を形成するためのベーパ層形成装置の概略構成を示す図である。 図4は、従来の石英ルツボ製造用モールド(石英ルツボ製造装置)を示す断面図である。 図5は、従来の石英ルツボ製造用モールド(石英ルツボ製造装置)によって製造された石英ルツボを示す断面図である。 図6は、従来の石英ルツボ製造用モールド(保持体)を示す断面図である。
本発明にかかる石英ルツボ製造用モールドの一実施形態を、図1及び図2に基づいて説明する。
石英ルツボ製造用モールド11は、従来の場合と同様に、内側部材12と、前記内側部材12を保持する保持体14とを備えている。また内側部材12には通気部12aが形成され、前記内側部材12と保持体14との間には、通気部12aが連通する通気路13が形成されている。更に、前記通気路13は開口部16を介して、ポンプ等の減圧機構18に接続されている。
また、前記内側部材12の内周面12bの口元部(上端部)12cから下方に所定の長さ寸法Hを有したSiOあるいはSiOからなるベーパ層Vが、前記内周面12bの全周囲に形成されている。
このベーパ層Vは、天然シリカ粉末あるいは合成シリカ粉末を、1400℃以上で加熱、気化させ、冷却により再結晶化したものであり、多孔質層である。このベーパ層Vが多孔質層であるため、より断熱効果を得ることができる。
このベーパ層Vの気孔率、平均気孔径は、特に限定されるものではないが、気孔率が30〜70%、平均気孔径が0.01〜10μmのものが、断熱効果に優れ、好ましい。また、ベーパ層VがSiOあるいはSiOからなり、製造される石英ルツボと同質であるため、石英ルツボに対して、不純物等に面において悪影響を与えるものでない。
また、前記ベーパ層Vの長さ寸法Hは、口元部(上端部)12cから少なくとも390mmを有する。尚、口元部(上端部)12cから390mmの領域には、通気部12aは形成されていない。
前記内側部材12の内周面12bの口元部(上端部)12cから下方に少なくとも390mmの長さ寸法に形成したのは、石英ルツボの薄肉部1Aが発生する領域に対応させるためである。したがって、必要に応じて、ベーパ層Vの長さ寸法Hを390mm以上としても良い。
また、SiOあるいはSiOからなるベーパ層Vの厚さWは、100μm以上1mm未満になされている。
前記ベーパ層Vの厚さWが100μm未満の場合には、期待した断熱効果を得ることができず、一方、ベーパ層の厚さWが1mm以上の場合にはベーパ層が剥離する虞があり、好ましくないためである。
前記ベーパ層Vの形成方法については特に限定されるものではないが、例えば、図3に示したベーパ層形成装置20によって形成することができる。
このベーパ層形成装置20は、酸水素火炎溶融法によって、内側部材の口元部(上端部)から所定の長さ寸法Hの領域に、前記ベーパ層Vを形成するものである。
図3に示すベーパ層形成装置20は、シリカ原料粉末が貯蔵される原料タンク21と、前記原料タンク21からのシリカ原料粉末の供給を制御する制御部22と、前記原料タンク21から下部にシリカ原料粉末を落下させるための原料輸送部24と、前記原料輸送部24を落下してきたシリカ原料粉末を加熱するバーナ26と、前記バーナ26の側方に位置し、シリカ原料粉末を溶融する溶融炉27とにより構成されている。
また、前記原料輸送部24には、酸素ガス供給口23が設けられ、また、前記バーナ26には、水素ガス供給口25が設けられている。
尚、少なくともシリカ原料粉末と接触する原料タンク21、原料輸送部24、バーナ26の壁部を、炭化ケイ素、または、炭化ケイ素とシリコンとの焼結体により形成することが望ましい。これにより、シリカ原料粉末と該装置部材の接触摩擦による静電気の発生を低減させることができ、かつ、その接触部分の摩耗による不純物の混入を防止することができる。この場合、前記シリカ原料粉末と接触する壁部には、アース線28を設けて接地するのが望ましい。わずかな静電気の発生に対しても、帯電防止策を万全なものとするため、アース接地することが好ましい。
前記ベーパ層形成装置20を用いてベーパ層Vを形成するには、まず、シリカ原料粉末を原料タンク21に入れる。そして、制御部22において原料供給量を制御して、シリカ原料粉末を原料輸送部24へ落下させる。途中、酸素ガス供給口23より、酸素ガスを流入させ、シリカ原料粉末とともにバーナ26へ送出させる。バーナ26には、水素ガス供給口25より、水素ガスを流入させ、点火して酸素ガスと反応させる。前記バーナ26を通過したシリカ原料粉末は、酸水素火炎中を通過する際、その反応熱を受け、溶融炉27において溶融される。
そして、溶融した原料シリカは、回転している内側部材12の上に堆積する。内側部材12は回転するため、堆積した原料シリカは冷却され、ベーパ層Vを形成する。
前記内側部材12は回転するため、堆積したベーパ層上に、更にベーパ層が堆積し、所定の厚さのベーパ層Vが形成される。
このように、ベーパ層形成装置20を用いてベーパ層Vを形成することにより、従来のように、保持体自体に高断熱素材を埋設するような特別な加工を施す必要がなく、容易に、SiOあるいはSiOからなる多孔質層からなる断熱材を形成することができる。
尚、ベーパ層を形成する方法としては、前記ベーパ層形成装置20を用いる方法に限定されるものではなく、例えば、ベーパ層を形成する方法としてルツボのダミー溶融を行う方法を用いても良い。
このダミー溶融とは、製品にならない高さの低いシリカ粉成形体10を形成、すなわち前記内側部材12のベーパ層Vを形成する部分には天然シリカ原料粉および合成シリカ原料粉を堆積させずにシリカ粉成形体10を形成し、その後カーボン電極に通電してアーク放電し、シリカ粉成形体10を内側から加熱して高さの低いルツボを溶融する方法である。溶融中にベーパ層Vを形成する部分は露出しており、ルツボ溶融の加熱によって気化したシリカが内側部材12のベーパ層形成部に堆積することでベーパ層Vを形成する方法である。
次に、前記ベーパ層Vが形成された内側部材を備える石英ルツボ製造用モールドを用いて、石英ルツボを製造する方法について、図1、図4に基づいて説明する。
石英ルツボの製造方法は、基本的には従来の場合と同様であり、図示しない回転駆動源を稼働して回転軸15を矢印の方向に、ルツボ成形用モールド11を高速で回転させつつ、ルツボ成形用モールド11内の上部から、初めに天然シリカ原料粉末を装填し、さらにその内表面に合成シリカ原料粉末を装填する。
初めに供給された天然シリカ原料粉末は、図4に示すように、遠心力(また図示しないが特許文献1に示される内枠)によってルツボ成形用モールド11の内側部材12に押圧され、一つの天然シリカ原料粉末層10bが形成される。
そして、この天然シリカ原料粉末に続いて、合成シリカ原料粉末がルツボ成形用モールド11内に供給され、遠心力(また図示しないが特許文献1に示される内枠)によって天然シリカ原料粉末層10bに押圧され、一つの合成シリカ原料粉末層10aが形成され、全体としてルツボ形状の2層のシリカ粉成形体10が形成される。
その後、減圧機構18の作動により、内側部材12の通気部12a、通気路13を介して減圧すると共に、カーボン電極17に通電してアーク放電させ、シリカ粉成形体10の内側から加熱し、シリカ粉成形体10を内側から順次溶融する。
このシリカ粉成形体10の内側から加熱し、シリカ粉成形体10を内側から順次溶融する際、ベーパ層Vが形成された領域は、断熱性(保温性)が向上し、熱効率が向上している。そのため、シリカ粉成形体10を内側から順次溶融すると、より外側まで溶融するため、ベーパ層Vの形成領域に対応する石英ルツボの領域は、従来に比べて肉厚に形成される。即ち、石英ルツボ1の上部に発生していた薄肉部1Aの発生を抑制することができ、石英ルツボ1の側面(胴部)の肉厚を略均一になすことができる。
このように、ベーパ層Vはシリカ粉成形体10と内側部材12との間に位置し、断熱材として機能するため、モールド上部の断熱性(保温性)が向上し、アーク加熱時の均熱性、熱効率を向上させることができ、石英ルツボ1の上部に発生していた薄肉部1Aの発生を抑制することができる。その結果、石英ルツボの切断除去する部分を減少でき、製造コストの低減を図ることができる。
しかも、シリカ粉成形体10とベーパ層Vは接しているため、より断熱効果を得ることができ、アーク加熱時の熱効率をより向上させることができる。
尚、口径が大きい石英ルツボを製造する際、シリカ粉成形体10の上部はカーボン電極7からの距離がより離れ、アーク放電による熱量が減少する。そのため、本発明にかかる石英ルツボ製造用モールドは、大口径の石英ルツボを製造する際に、より好適に用いられる。
(実施例1)
図3に示すベーパ層形成装置を用いて、内側部材に長さ寸法H450mm、厚さW200μmのベーパ層Vを形成した。
そして、図1に示した本発明にかかる石英ルツボ製造用モールドを用いて、外径が811mm、厚みが13.5mmの32インチ用石英ルツボを製造した。
その結果、石英ルツボの上部に発生する薄肉部の発生は認められず、石英ルツボの側面(胴部)の肉厚を略均一になすことができた。
(実施例2)
図3に示すベーパ層形成装置を用いて、内側部材に長さ寸法H400mm、厚さW500μmのベーパ層Vを形成した。
そして、図1に示した本発明にかかる石英ルツボ製造用モールドを用いて、実施例1と同一条件で、外径が812mm、厚みが14.5mmの32インチ用石英ルツボを製造した。
その結果、石英ルツボの上部に発生する薄肉部の発生は認められず、石英ルツボの側面(胴部)の肉厚を略均一になすことができた。
(実施例3)
図3に示すベーパ層形成装置を用いて、内側部材に長さ寸法Hを450mm、厚さWを700μmのベーパ層Vを形成した。
そして、図1に示した本発明にかかる石英ルツボ製造用モールドを用いて、実施例1と同一条件で、外径が813mm、厚みが15mmの32インチ用石英ルツボを製造した。
その結果、石英ルツボの上部に発生する薄肉部の発生は認められず、石英ルツボの側面(胴部)の肉厚を略均一になすことができた。
(比較例1)
図3に示すベーパ層形成装置を用いて、内側部材に長さ寸法Hを450mm、厚さWを、1mmのベーパ層Vを形成した。
その結果、前記ベーパ層Vの剥離が確認され、ベーパ層Vを形成することができなかった。
(比較例2)
図3に示すベーパ層形成装置を用いて、内側部材に長さ寸法Hを450mm、厚さWを、90μmのベーパ層Vを形成した。
そして、図1に示した本発明にかかる石英ルツボ製造用モールドを用いて、実施例1と同一条件で、外径が811mm、厚みが12mmの32インチ用石英ルツボを製造した。
その結果、石英ルツボの上部に薄肉部が発生し、石英ルツボの側面(胴部)の肉厚を略均一になすことができなかった。
(比較例3)
図3に示すベーパ層形成装置を用いて、内側部材に長さ寸法Hを200 mm、厚さWを500μmのベーパ層Vを形成した。
そして、図1に示した本発明にかかる石英ルツボ製造用モールドを用いて、実施例1と同一条件で、外径が812mm、厚みが13mmの32インチ用石英ルツボを製造した。
その結果、石英ルツボの上部に薄肉部が発生し、石英ルツボの側面(胴部)の肉厚を略均一になすことができなかった。
1 石英ルツボ
1A 薄肉部
2 透明シリカガラス層
3 不透明シリカガラス層
10 シリカ粉成形体
10a 合成シリカ原料粉末層
10b 天然シリカ原料粉末層
11 ルツボ成形用モールド
12 内側部材
12a 通気部(貫通穴)
12b 内周面
12c 口元部(上端部)
14 保持体
20 ベーパ層形成装置
V ベーパ層
H ベーパ層の口元部(上端部)からの長さ寸法
W ベーパ層の厚さ

Claims (4)

  1. シリカ原料粉末が押し付けられる内側部材と、前記内側部材を保持する保持体とを備えた石英ルツボ製造用モールドであって、
    前記内側部材の内周面全周囲において、口元部から下方に所定の長さ寸法を有してSiOあるいはSiOからなるベーパ層が形成されていることを特徴とする石英ルツボ製造用モールド。
  2. 前記ベーパ層が口元部から下方に少なくとも390mmの長さ寸法で、かつ厚さ寸法が100μm以上1mm未満に形成されていることを特徴とする請求項1記載の石英ルツボ製造用モールド。
  3. 内側部材と、前記内側部材を保持する保持体とを備えた石英ルツボ製造用モールドの製造方法において、
    前記内側部材の内周面全周囲における、前記内側部材の口元部から下方に所定の長さ寸法の領域に、酸水素火炎溶融法によって、SiOあるいはSiOからなるベーパ層を形成する工程と含むことを特徴とする石英ルツボ製造用モールドの製造方法。
  4. 前記ベーパ層が口元部から下方に少なくとも390mmの長さ寸法で、かつ厚さ寸法が100μm以上1mm未満に形成されていることを特徴とする請求項3記載の石英ルツボ製造用モールドの製造方法。
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