本発明に係る基材処理装置の実施形態を図面に基づいて説明するが、本発明は図面に基づいて説明する以下の実施形態のみに限定されるものではない。
〈第一番目の実施形態〉
本発明に係る基材処理装置を電子デバイス製造装置に適用した場合の第一番目の実施形態を図1,2及び図3A〜3Mに基づいて以下に説明する。
図1において、110は圧胴、120は供給胴、130は版胴、140はコータ胴、150は排出胴、160は排出テーブル、191はインクジェット装置、192は絶縁インキ供給装置である。
前記圧胴110は、回転可能に支持されると共に、可撓性を有する基材であるシートを保持する保持面である有効面を外面の周方向へ六つ具備できる径サイズ(六倍径)をなしているものの、三つの有効面110a〜110cだけを周方向で等間隔で具備するいわゆるスケルトン型をなしている。
そして、前記圧胴110は、各有効面110a〜110cにおいて、シートの搬送方向前方側(先端側)を着脱可能に把持するくわえ爪装置111A〜111Cと、シートの搬送方向後方側(末端側)を着脱可能に吸引保持する吸引ヘッド112A〜112C(例えば、前記特許文献2等参照)とをそれぞれ有している。前記吸引ヘッド112A〜112Cは、それぞれバルブ218A〜218Cを介して吸引ポンプ217に接続している(図2参照)。
基材供給手段である前記供給胴120は、前記圧胴110に対接するように回転可能に支持され、有効面を外面の周方向へ二つ具備できる径サイズ(二倍径)をなしているものの、一つの有効面120aだけを具備すると共に、当該有効面120aにおいて、シートの搬送方向前方側(先端側)を着脱可能に把持するくわえ爪装置121を有しており、回転する前記圧胴110の前記有効面110a〜110cに対して一つおきにシートを供給して保持させることができるようになっている。
基材排出手段である前記排出胴150は、前記圧胴110と前記供給胴120との対接位置、すなわち、当該圧胴110の、当該供給胴120からのシートを保持する保持位置よりも当該圧胴110の回転方向(シートの搬送方向)下流側で当該圧胴110に対接するように回転可能に支持され、有効面を外面の周方向へ二つ具備できる径サイズ(二倍径)をなしているものの、一つの有効面150aだけを具備すると共に、当該有効面150aにおいて、シートの搬送方向前方側(先端側)を着脱可能に把持するくわえ爪装置151を有している。
前記版胴130は、前記圧胴110と前記供給胴120との対接位置、すなわち、当該圧胴110の、当該供給胴120からのシートを保持する保持位置よりも当該圧胴110の回転方向(シートの搬送方向)下流側と、当該圧胴110と前記排出胴150との対接位置、すなわち、当該圧胴110の、当該排出胴150へシートを離脱させる離脱位置よりも当該圧胴110の回転方向(シートの搬送方向)上流側との間に回転可能に配設され、当該圧胴110に対接する作動位置と当該圧胴110から離反した退避位置との間を直線的にスライド移動できるようにガイドレール(図示省略)を介して支持されている。
そして、前記版胴130は、第一の機能層であるゲート層(G層)に対応するパターンを形成された第一の版面であるG層用の版面Pgと、第三の機能層であるソース&ドレイン層(SD層)に対応するパターンを形成された第二の版面であるSD層用の版面Psdとを周方向へ並べるように形成した二倍サイズの版Pを保持する保持面である有効面130aを外面に具備する径サイズ(二倍径)をなすと共に、当該版Pの一端側(先端側)と他端側(末端側)とを着脱可能に保持する版保持装置131を有している。
第一の機能性インキ供給手段である前記インクジェット装置191は、前記退避位置に位置する前記版胴130の前記版Pの前記版面Pg,Psdに対して、G層及びSD層をなす材料からなる第一の機能性インキである導電インキを噴射して供給することができるようになっている。
前記コータ胴140は、前記圧胴110と前記版胴130との対接位置よりも当該圧胴110の回転方向(シートの搬送方向)下流側と、当該圧胴110と前記排出胴150との対接位置、すなわち、当該圧胴110の、当該排出胴150へシートを離脱させる離脱位置よりも当該圧胴110の回転方向(シートの搬送方向)上流側との間に回転可能に配設され、シートのサイズに対応するサイズのシリコン樹脂製のブランケットBを外周に巻き付けられると共に(一倍径)、当該圧胴110に対接する作動位置と当該圧胴110から離反した退避位置との間を直線的にスライド移動できるようにガイドレール(図示省略)を介して支持されている。
第二の機能性インキ供給手段である前記絶縁インキ供給装置192は、前記退避位置に位置する前記コータ胴140の前記ブランケットB上に、第二の機能層であるゲート・インシュレータ層(GI層)をなす材料からなる第二の機能性インキである絶縁インキを送出して供給することができるようになっている。
前記排出テーブル160は、シートのサイズよりも大きいサイズをなして前記排出胴150の下方に配設され、先端側(図1中、右側)が当該排出胴150に対向する受取位置と当該排出胴150の接線方向で水平方向に沿って離反した離脱位置との間を直線的にスライド移動できるようにガイドレール(図示省略)を介して支持されている。
前記排出テーブル160の先端側(図1中、右側)には、当該排出テーブル160の表面側(上面側)と裏面側(下面側)とを連通する連通孔160aが複数形成されている。前記排出テーブル160の裏面(下面)の先端側(図1中、右端側)には、サクションボックス161が前記連通孔160aを覆うように取り付けられている。
他方、エアコンプレッサ162の送出口は、二つの開閉バルブ163,164の一方の口163a,164aに分岐してそれぞれに接続している。一方の前記開閉バルブ163の他方の口163bは、三方バルブ165の一つの口165aに接続している。前記三方バルブ165の残りの一つの口165bは、伸縮性及び可撓性を有するフレキシブルホース166を介して前記サクションボックス161の下部に連結されている。
他方の前記開閉バルブ164の他方の口164bは、エゼクタ167の受入口167aに接続している。前記エゼクタ167の吸引口167cは、前記三方バルブ165の残りの他方の口165cに接続している。前記エゼクタ167の送出口167bは、サイレンサ168を介して系外へ連絡している。
つまり、前記エアコンプレッサ162を作動させると共に、前記開閉バルブ163を閉鎖し、前記開閉バルブ164を開放し、前記三方バルブ165の前記口165b,165cのみを連通させるように当該三方バルブ165を切り換えると、上記エアコンプレッサ162で圧縮された空気1が、上記開閉バルブ164を介して前記エゼクタ167の前記受入口167aから前記送出口167bを流通して前記サイレンサ168を介して系外へ放出されることにより、当該エゼクタ167の前記吸引口167cから前記三方バルブ165を介して前記サクションボックス161の内部を吸引して、前記連通孔160aを介して前記排出テーブル160の先端側の表面(上面)を吸引する(図3J参照)ことができる一方、前記開閉バルブ163を開放し、前記開閉バルブ164を閉鎖し、前記三方バルブ165の前記口165a,165bのみを連通させるように当該三方バルブ165を切り換えると、上記エアコンプレッサ162で圧縮された空気1が、上記開閉バルブ163及び上記三方バルブ165を介して前記サクションボックス161の内部に送給され、前記連通孔160aを介して前記排出テーブル160の先端側の表面(上面)に空気1を噴出する(図3L参照)ことができるようになっているのである。
図2に示すように、前記圧胴110を独立回転駆動させるモータ201と、前記供給胴120を独立回転駆動させるモータ202と、前記版胴130を独立回転駆動させるモータ203と、前記コータ胴140を独立回転駆動させるモータ204と、前記排出胴150を独立回転駆動させるモータ205とは、制御手段である制御装置200の出力部にそれぞれ電気的に接続している。前記制御装置200の出力部は、前記インクジェット装置191及び前記絶縁インキ供給装置192へ電気的に接続している。
また、前記制御装置200の出力部は、前記圧胴110の前記くわえ爪装置111A〜111Cと前記供給胴120の前記くわえ爪装置121との対向の際、当該圧胴110の当該くわえ爪装置111A〜111Cの開閉を切り換えるように、当該くわえ爪装置111A〜111Cを開閉させるカムフォロア用のカムの軌道を切り換えるアクチュエータ211と、当該供給胴120の当該くわえ爪装置121の開閉を切り換えるように、当該くわえ爪装置121を開閉させるカムフォロア用のカムの軌道を切り換えるアクチュエータ212とに対して、それぞれ電気的に接続している(カム軌道切換機構に関しては、前記特許文献2に記載の「印刷胴」及び「給紙側渡胴」のカム軌道切換機構(特に図5)参照)。
また、前記制御装置200の出力部は、前記圧胴110の前記くわえ爪装置111A〜111Cと前記排出胴150の前記くわえ爪装置151との対向の際、当該くわえ爪装置111A〜111Cの開閉を切り換えるように、当該くわえ爪装置111A〜111Cを開閉させるカムフォロア用のカムの軌道を切り換えるアクチュエータ213と、当該くわえ爪装置151の開閉を切り換えるように、当該くわえ爪装置151を開閉させるカムフォロア用のカムの軌道を切り換えるアクチュエータ214とに対して、それぞれ電気的に接続している(カム軌道切換機構に関しては、前記特許文献2に記載の「第2の排紙側渡胴」及び「紙取胴」のカム軌道切換機構(特に図4)参照)。
また、前記制御装置200の出力部は、前記吸引ポンプ217と前記バルブ218A〜218Cとに対して、それぞれ電気的に接続すると共に、前記版胴130を前記ガイドレールに沿ってスライド移動させるアクチュエータ215と、前記コータ胴140を前記ガイドレールに沿ってスライド移動させるアクチュエータ216とに対して、それぞれ電気的に接続している。
また、前記制御装置200の出力部は、前記エアコンプレッサ162と、前記開閉バルブ163,164と、前記三方バルブ165とに対して、それぞれ電気的に接続している。
他方、前記制御装置200の入力部には、前記圧胴110の回転位相を検出するロータリエンコーダ221と、前記供給胴120の回転位相を検出するロータリエンコーダ222と、前記版胴130の回転位相を検出するロータリエンコーダ223と、前記コータ胴140の回転位相を検出するロータリエンコーダ224と、前記排出胴150の回転位相を検出するロータリエンコーダ225とがそれぞれ電気的に接続されている。
また、前記制御装置200の入力部には、前記離脱位置に位置した前記排出テーブル160上のシートの有無を検知するシート検知センサ226が電気的に接続されている。
つまり、前記制御装置200は、前記ロータリエンコーダ221〜225及び前記シート検知センサ226からの情報に基づいて、前記モータ201〜205の回転作動、前記インクジェット装置191及び前記絶縁インキ供給装置192の作動、前記アクチュエータ211〜216,219の伸縮作動、前記バルブ163〜165,218A〜218Cの開閉作動等をそれぞれ制御することができるようになっている(詳細は後述する)。
なお、本実施形態においては、前記圧胴110、前記版胴130、前記コータ胴140、前記インクジェット装置191、前記絶縁インキ供給装置192等により、シートに対して処理を施す処理部を構成し、前記サクションボックス161、前記エアコンプレッサ162、前記開閉バルブ163,164、前記三方バルブ165、前記フレキシブルホース166、前記エゼクタ167、前記サイレンサ168等により、保持手段を構成している。
このような本実施形態に係る電子デバイス製造装置によるTFTの製造方法を図3A〜3Mに基づいて次に説明する。
当初、前記版胴130及び前記コータ胴140は、前記圧胴110から離反する前記退避位置に位置し、前記排出テーブル160は、先端側が前記排出胴150に対接する前記受取位置に位置すると共に、前記バルブ163〜165,218A〜218Cは、閉鎖状態となっている。
そして、前記制御装置200を作動させると、当該制御装置200は、前記エアコンプレッサ162及び前記吸引ポンプ217を作動させると共に、前記胴110,120,130,140を所定の周期で回転させるように、前記ロータリエンコーダ221〜225からの情報に基づいて、前記モータ201〜205の作動を制御する。
前記供給胴120の前記くわえ爪装置121に一枚目のシートS1の先端側をくわえさせて当該供給胴120の前記有効面120a上にシートS1を保持させて搬送させると、前記制御装置200は、前記ロータリエンコーダ221,222からの情報に基づいて、当該供給胴120の当該くわえ爪装置121が前記圧胴110の前記くわえ爪装置111Aと対向するときに、当該供給胴120の当該くわえ爪装置121から当該圧胴110の当該くわえ爪装置111AへシートS1の先端側をくわえ替えさせるように、前記アクチュエータ211,212の作動を制御する(図3A参照)と共に、当該圧胴110の前記吸引ヘッド112Aが当該供給胴120の当該有効面120aと対向するときに、当該圧胴110の当該くわえ爪装置111Aに先端側をくわえられたシートS1の末端側を当該吸引ヘッド112Aに吸引保持させるように、前記バルブ218Aを開放制御する。これにより、シートS1は、前記供給胴120の前記有効面120aから前記圧胴110の前記有効面110a上に供給されて密着保持される。
また、これと併せて、前記制御装置200は、前記版胴130の前記版Pの前記版面Pgに導電インキIcを供給するように、前記ロータリエンコーダ221,223からの情報に基づいて、前記インクジェット装置191を作動制御する。
続いて、前記制御装置200は、前記版胴130の前記版Pの前記版面Pgに供給された導電インキIcを前記圧胴110の前記有効面110a上のシートS1に転写させるように、前記ロータリエンコーダ221,223からの情報に基づいて、前記アクチュエータ215の作動を制御して、当該版胴130を前記作動位置に移動させる。これにより、シートS1上には、G層が形成される(図3B参照)。
このとき、前記供給胴120は、前記くわえ爪装置121がシートをくわえることなく空の状態で前記圧胴110の前記くわえ爪装置111Bと対向するため、前記制御装置200は、前記ロータリエンコーダ221,222からの情報に基づいて、当該胴110,120でシートを受け渡すことなく当該くわえ爪装置121,111Bを干渉させないように前記アクチュエータ211,212の作動を制御すると共に、前記バルブ218Aの閉鎖状態をそのまま維持するように当該バルブ218Aの作動を制御する。
そして、前記版胴130が、前記圧胴110の前記有効面110a上のシートS1に導電インキIcを転写し終えると、前記制御装置200は、前記ロータリエンコーダ221,223からの情報に基づいて、当該版胴130を前記退避位置に移動させるように前記アクチュエータ215の作動を制御する。
また、これと併せて、前記制御装置200は、前記コータ胴140の前記ブランケットBに絶縁インキIiを供給するように、前記ロータリエンコーダ221,224からの情報に基づいて、前記絶縁インキ供給装置192を作動制御する。
続いて、前記制御装置200は、前記コータ胴140の前記ブランケットBに供給された絶縁インキIiを前記圧胴110の前記有効面110a上のシートS1に転写させるように、前記ロータリエンコーダ221,224からの情報に基づいて、前記アクチュエータ216の作動を制御して、当該コータ胴140を前記作動位置に移動させる。これにより、シートS1のG層上には、GI層が形成される(図3C参照)。
そして、前記コータ胴140が、前記圧胴110の前記有効面110a上のシートS1に絶縁インキIiを転写し終えると、前記制御装置200は、前記ロータリエンコーダ221,224からの情報に基づいて、当該コータ胴140を前記退避位置に移動させるように前記アクチュエータ216の作動を制御する。
このようにして前記圧胴110の前記有効面110a上でG層及びGI層を形成されたシートS1の先端側をくわえる前記くわえ爪装置111Aが前記排出胴150の前記くわえ爪装置151と対向するとき、前記制御装置200は、前記ロータリエンコーダ221,225からの情報に基づいて、当該排出胴150の当該くわえ爪装置151を当該圧胴110の当該くわえ爪装置111Aに干渉させることなく当該圧胴110の当該くわえ爪装置111Aから当該排出胴150の当該くわえ爪装置151へシートS1の先端側をくわえ替えさせずに当該圧胴110の前記有効面110a上にシートS1を保持したまま通過させるように、前記アクチュエータ211,214の作動を制御すると共に、前記バルブ218Aの開放状態をそのまま維持するように当該バルブ218Aの作動を制御する。
このとき、前記供給胴120は、前記くわえ爪装置121が次のシートS2の先端側をくわえて前記有効面120aに保持した状態でシートS2を搬送してくることから、前記制御装置200は、前記ロータリエンコーダ221,222からの情報に基づいて、当該供給胴120の当該くわえ爪装置121が前記圧胴110の前記くわえ爪装置111Cと対向するときに、当該供給胴120の当該くわえ爪装置121から当該圧胴110の当該くわえ爪装置111CへシートS2の先端側をくわえ替えさせるように、前記アクチュエータ211,212の作動を制御する(図3D参照)と共に、当該圧胴110の前記吸引ヘッド112Cが当該供給胴120の当該有効面120aと対向するときに、当該圧胴110の当該くわえ爪装置111Cに先端側をくわえられたシートS2の末端側を当該吸引ヘッド112Cに吸引保持させるように、前記バルブ218Cを開放制御する。これにより、シートS2は、前記供給胴120の前記有効面120aから前記圧胴110の前記有効面110c上に供給されて密着保持される。
また、これと併せて、前記制御装置200は、前記版胴130の前記版Pの前記版面Pgに導電インキIcを供給するように、前記ロータリエンコーダ221,223からの情報に基づいて、前記インクジェット装置191を作動制御する。
続いて、前記制御装置200は、前記版胴130の前記版Pの前記版面Pgに供給された導電インキIcを前記圧胴110の前記有効面110c上のシートS2に転写させるように、前記ロータリエンコーダ221,223からの情報に基づいて、前記アクチュエータ215の作動を制御して、当該版胴130を前記作動位置に移動させる。これにより、シートS2上には、G層が形成される(図3E参照)。
また、これと併せて、前記制御装置200は、前記コータ胴140の前記ブランケットBに絶縁インキIiを供給するように、前記ロータリエンコーダ221,224からの情報に基づいて、前記絶縁インキ供給装置192を作動制御する。
このとき、前記圧胴110の前記有効面110aにシートS1を保持させている前記くわえ爪装置111Aが、シートを保持していない前記供給胴120の前記くわえ爪装置121と対向するため、前記制御装置200は、前記ロータリエンコーダ221,222からの情報に基づいて、当該胴110,120でシートを受け渡すことなく当該くわえ爪装置121,111Aを干渉させないように前記アクチュエータ211,212の作動を制御すると共に、前記バルブ218Aの開放状態をそのまま維持するように当該バルブ218Aの作動を制御する。
そして、前記版胴130が、前記圧胴110の前記有効面110c上のシートS2に導電インキIcを転写し終えると、前記制御装置200は、前記ロータリエンコーダ221,223からの情報に基づいて、当該版胴130を前記退避位置に移動させるように前記アクチュエータ215の作動を制御すると共に、前記版胴130の前記版Pの前記版面Psdに導電インキIcを供給するように、前記インクジェット装置191を作動制御する(図3F参照)。
続いて、前記制御装置200は、前記コータ胴140の前記ブランケットBに供給された絶縁インキIiを前記圧胴110の前記有効面110c上のシートS2に転写させるように、前記ロータリエンコーダ221,224からの情報に基づいて、前記アクチュエータ216の作動を制御して、当該コータ胴140を前記作動位置に移動させる。これにより、シートS2のG層上には、GI層が形成される。
そして、前記コータ胴140が、前記圧胴110の前記有効面110c上のシートS2に絶縁インキIiを転写し終えると、前記制御装置200は、前記ロータリエンコーダ221,224からの情報に基づいて、当該コータ胴140を前記退避位置に移動させるように前記アクチュエータ216の作動を制御する(図3G参照)。
また、これと併せて、前記制御装置200は、前記版胴130の前記版Pの前記版面Psdに供給された導電インキIcを前記圧胴110の前記有効面110a上のシートS1に転写させるように、前記ロータリエンコーダ221,223からの情報に基づいて、前記アクチュエータ215の作動を制御して、当該版胴130を前記作動位置に移動させる。これにより、シートS1のGI層上には、SD層が形成される。
そして、前記版胴130が、前記圧胴110の前記有効面110a上のシートS1に導電インキIcを転写し終えると、前記制御装置200は、前記ロータリエンコーダ221,223からの情報に基づいて、当該版胴130を前記退避位置に移動させるように前記アクチュエータ215の作動を制御する(図3H参照)。
このとき、前記圧胴110の前記有効面110c上でG層及びGI層を形成されたシートS2の先端側をくわえる前記くわえ爪装置111Cが前記排出胴150の前記くわえ爪装置151と対向するとき、前記制御装置200は、前述したシートS1の場合と同様に、前記ロータリエンコーダ221,225からの情報に基づいて、当該排出胴150の当該くわえ爪装置151を当該圧胴110の当該くわえ爪装置111Cに干渉させることなく当該圧胴110の当該くわえ爪装置111Cから当該排出胴150の当該くわえ爪装置151へシートS2の先端側をくわえ替えさせずに当該圧胴110の前記有効面110c上にシートS2を保持したまま通過させるように、前記アクチュエータ211,214の作動を制御すると共に、前記バルブ218Cの開放状態をそのまま維持する。
くわえて、前記供給胴120は、前記くわえ爪装置121が更に次のシートS3の先端側をくわえて前記有効面120aに保持した状態でシートS3を搬送してくることから、
前記制御装置200は、前記ロータリエンコーダ221,222からの情報に基づいて、当該供給胴120の当該くわえ爪装置121が前記圧胴110の前記くわえ爪装置111Bと対向するときに、当該供給胴120の当該くわえ爪装置121から当該圧胴110の当該くわえ爪装置111BへシートS3の先端側をくわえ替えさせるように、前記アクチュエータ211,212の作動を制御すると共に、当該圧胴110の前記吸引ヘッド112Bが当該供給胴120の当該有効面120aと対向するときに、当該圧胴110の当該くわえ爪装置111Bに先端側をくわえられたシートS3の末端側を当該吸引ヘッド112Bに吸引保持させるように、前記バルブ218Bを開放制御する。これにより、シートS3は、前記供給胴120の前記有効面120aから前記圧胴110の前記有効面110b上に供給されて密着保持される。
他方、前記圧胴110の前記有効面110a上でG層,GI層,SD層をそれぞれ形成されたシートS1は、前記コータ胴140から絶縁インキIiを転写されることなくそのまま通過する。
そして、前記圧胴110の前記有効面110a上に保持されたシートS1の先端側をくわえる前記くわえ爪装置111Aが前記排出胴150の前記くわえ爪装置151と対向すると、前記制御装置200は、前記ロータリエンコーダ221,225からの情報に基づいて、当該圧胴110の当該くわえ爪装置111Aから当該排出胴150の当該くわえ爪装置151へシートS1の先端側をくわえ替えさせるように、前記アクチュエータ211,214の作動を制御すると共に(図3I参照)、当該圧胴110の前記吸引ヘッド112Aが当該排出胴150の当該有効面150aと対向するときに吸引を停止するように、前記バルブ218Aを閉鎖制御する。これにより、G層、GI層、SD層をそれぞれ形成されたシートS1は、前記圧胴110の前記有効面110aから離脱され、前記排出胴150に受け渡される。
このとき、前記圧胴110の前記有効面110cにシートS2を保持させている前記くわえ爪装置111Cが、シートを保持していない前記供給胴120の前記くわえ爪装置121と対向するため、前記制御装置200は、前記ロータリエンコーダ221,222からの情報に基づいて、シートS1の場合と同様に、当該胴110,120でシートを受け渡すことなく当該くわえ爪装置121,111Cを干渉させないように前記アクチュエータ211,212の作動を制御すると共に、前記バルブ218Cの開放状態をそのまま維持するように当該バルブ218Cの作動を制御する。
また、前記圧胴110の前記有効面110bに保持されたシートS3は、前記有効面110a,110cに保持されたシートS1,S2の場合と同様にして、前記版胴130の前記版Pの前記版面Pgから導電インキIcが転写される。
そして、前記排出胴150にシートS1が受け渡されると、前記制御装置200は、前記ロータリエンコーダ221,225からの情報に基づいて、前記開閉バルブ163を閉鎖制御し、前記開閉バルブ164を開放制御し、前記三方バルブ165の前記口165b,165cのみを連通させるように当該三方バルブ165の作動を制御する。これにより、前記エアコンプレッサ162で圧縮された空気1が、前記開閉バルブ164を介して前記エゼクタ167の前記受入口167aから前記送出口167bを流通して前記サイレンサ168を介して系外へ放出され、当該エゼクタ167の前記吸引口167cから前記三方バルブ165を介して前記サクションボックス161の内部が吸引され、前記連通孔160aを介して前記排出テーブル160の表面(上面)の先端側が吸引される(図3J参照)。
続いて、前記排出胴150の前記くわえ爪装置151が前記排出テーブル160と対向して、当該くわえ爪装置151が開放されると、前記制御装置200は、前記ロータリエンコーダ221,225からの情報に基づいて、当該排出テーブル160を当該排出胴150の周速度と同一速度で前記受取位置から前記離脱位置へ向けてスライド移動させるように前記アクチュエータ219の作動を制御する。これにより、シートS1は、先端側を前記排出テーブル160に吸引保持されて前記排出胴150から当該排出テーブル160上に保持替えされ、当該排出テーブル160上に移し替えられる(図3K参照)。
このようにして前記排出テーブル160が前記離脱位置へ移動すると、前記制御装置200は、前記ロータリエンコーダ221,225からの情報に基づいて、当該排出テーブル160を当該離脱位置に位置付けるように前記アクチュエータ219の作動を制御すると共に、前記開閉バルブ163を開放制御し、前記開閉バルブ164を閉鎖制御し、前記三方バルブ165の前記口165a,165bのみを連通させるように当該三方バルブ165の作動を制御する。これにより、前記エアコンプレッサ162で圧縮された空気1が、前記開閉バルブ163及び前記三方バルブ165を介して前記サクションボックス161の内部に送給され、前記連通孔160aを介して前記排出テーブル160の表面(上面)の先端側から噴出し、当該排出テーブル160上に移載されたシートS1の先端側を吸引保持から開放すると共に浮き上がらせて、当該排出テーブル160上からシートS1を離脱させ、系外へ搬出する(図3L参照)。
前記排出テーブル160上からシートS1が取り除かれると、前記制御装置200は、前記シート検知センサ226からの情報に基づいて、前記排出テーブル160の前記連通孔160aでの空気1の流出入を停止させるように、前記バルブ163〜165を閉鎖制御すると共に、前記排出テーブル160を前記受取位置に戻すように、前記アクチュエータ219の作動を制御する。
他方、前記圧胴110の前記有効面110bに保持されたシートS3は、前記有効面110a,110cに保持されたシートS1,S2の場合と同様にして、前記コータ胴140の前記ブランケットBから絶縁インキIiが転写されることにより、G層上にGI層が形成され、前記圧胴110の前記有効面110cに保持されたシートS2は、前記有効面110aに保持されたシートS1の場合と同様にして、前記版胴130の前記版Pの前記版面Psdから導電インキIcが転写されることにより、GI層上にSD層が形成される(図3M参照)。
くわえて、前記供給胴120は、前記くわえ爪装置121が更に次のシートS4の先端側をくわえて前記有効面120aに保持した状態でシートS4を搬送してくることから、前記制御装置200は、前記ロータリエンコーダ221,222からの情報に基づいて、当該供給胴120の当該くわえ爪装置121が前記圧胴110の前記くわえ爪装置111Aと対向するときに、当該供給胴120の当該くわえ爪装置121から当該圧胴110の当該くわえ爪装置111AへシートS4の先端側をくわえ替えさせるように、前記アクチュエータ211,212の作動を制御すると共に、当該圧胴110の前記吸引ヘッド112Aが当該供給胴120の当該有効面120aと対向するときに、当該圧胴110の当該くわえ爪装置111Aに先端側をくわえられたシートS4の末端側を当該吸引ヘッド112Aに吸引保持させるように、前記バルブ218Aを開放制御する。これにより、シートS4は、前記供給胴120の前記有効面120aから前記圧胴110の前記有効面110a上に供給されて密着保持される。
以下、上述した作動を繰り返すことにより、シートにG層,GI層,SD層を順次積層したTFTを連続して製造することができる。
つまり、本実施形態に係る電子デバイス製造装置では、前記排出胴150に保持されたシートの先端側を前記排出テーブル160の表面(上面)の先端側に吸引保持させるように当該排出胴150から当該排出テーブル160上に受け渡すと共に、当該排出胴150の周速度と同一の速度で当該排出テーブル160をスライド移動させることにより、当該排出テーブル160の上面にシートを末端側まで全長にわたって載せ替えできるようにしたのである。
したがって、本実施形態に係る電子デバイス製造装置によれば、シートの末端側(尻側)を搬送中にバタつかせることがないので、シートを傷付けることなく排出することが確実にできる。
また、前記排出テーブル160が前記離脱位置に位置したときに、前記エアコンプレッサ162で圧縮した空気1を当該排出テーブル160の表面(上面)の先端側から噴出させるようにしたので、当該排出テーブル160上に移載されたシートの先端側を吸引保持から開放すると共に浮き上がらせることができ、当該排出テーブル160上からシートを容易に離脱させて系外へ迅速に搬出することができる。
また、回転可能な前記圧胴110の前記有効面110a〜110cに保持したシートに対して前記装置191,192により前記インキIc,Iiを転写して各層を積層するようにしたので、シートに各層を形成する都度の高精度な位置合わせを容易に行うことができる。
また、二つの前記版面Pg,Psdを有する前記版Pを一つの前記版胴130に装着したことから、一つの前記インクジェット装置191で二つの前記版面Pg,Psdに導電インキIcを供給することができるので、非常に高価な当該インクジェット装置191の設置数を削減することができ、低コスト化及び省スペース化を図ることができる。
また、三つの前記有効面110a〜110cを有する前記圧胴110に対して、前記供給胴120が一つおきにシートを供給して保持させることから、当該供給胴120から次々に供給するシートに対して各層を順次形成することが効率よくでき、TFTを同時に複数製造することが省スペースで非常に効率よくできる。
〈第二番目の実施形態〉
本発明に係る基材処理装置を電子デバイス製造装置に適用した場合の第二番目の実施形態を図4〜6及び図7A〜7Fに基づいて以下に説明する。ただし、前述した実施形態と同様な部分については、前述した実施形態の説明で用いた符号と同様な符号を用いることにより、重複する説明を省略する。
図4,5に示すように、前記排出テーブル160の前記離脱位置の上方には、当該排出テーブル160の移動方向(図4中、左右方向,図5中、紙面垂直方向)と直交する水平方向(図4中、紙面垂直方向,図5中、左右方向)に沿って長手方向を向けるように配設された一対のガイドレール171の先端寄り(図5中、左端寄り)が位置している。前記ガイドレール171には、当該ガイドレール171の長手方向に沿ってスライド移動可能なスライダ172がそれぞれ設けられている。
前記スライダ172の下部には、軸方向に伸縮可能なアクチュエータ173の基端側(図4,5中、上端側)がそれぞれ取り付けられている。前記アクチュエータ173の先端側(図4,5中、下端側)は、一枚の支持板174の上面に各々連結されており、当該支持板174は、当該アクチュエータ173の伸縮により、昇降移動することができるようになっている。前記支持板174の下面の四隅近傍には、吸引ヘッド175がそれぞれ取り付けられている。
前記ガイドレール171の基端寄り(図5中、右端寄り)の下方位置には、脚部10aを有するパレット10を介してシート(基材)を積載する基材積載手段であるシート積載装置180が配設されている。
前記シート積載装置180は、スプロケット181と、エンドレスチェーン182と、支持ブラケット183と、受取テーブル184と、繰出テーブル185と、アクチュエータ186とを主に備えている。
前記スプロケット181は、前記ガイドレール171の基端寄り(図5中、右端寄り)に前記支持板174が位置したときの当該支持板174の四隅の下方位置において、当該ガイドレール171の長手方向に沿って軸方向を向けると共に上下一対となるようにそれぞれ配設されている。
前記エンドレスチェーン182は、上下一対の前記スプロケット181間に掛け渡されるようにしてそれぞれ配設されている。
前記支持ブラケット183は、前記ガイドレール171の長手方向で対をなす前記エンドレスチェーン182間を連結するように当該ガイドレール171の長手方向に沿って長手方向を向けて配設されると共に、当該エンドレスチェーン182の走行方向に沿って一定の間隔で当該エンドレスチェーン182に複数取り付けられており、前記排出テーブル160の移動方向(図4中、左右方向)で対向する組同士により、パレット10の端部寄りの下面を支承することができるようになっている。
前記受取テーブル184は、下方に位置する前記スプロケット181よりも下方に配設されて基端側(図5中、右端側)を上下方向へ移動できるように支持体189の一方側(図5中、左側)に支持されている。
前記繰出テーブル185は、前記支持体189の他方側(図5中、右側)に基端側(図5中、左端側)を上下方向へ移動できるように支承されている。
前記アクチュエータ186は、前記繰出テーブル185の先端側(図5中、右側)に先端(図5中、左端)を位置させるように前記ガイドレール171の長手方向に沿って軸方向を向けて配設され、最上段で水平方向へ配向された前記支持ブラケット183の高さ位置に対応する高さ位置に位置付けられている。
また、図6に示すように、制御手段である制御装置300の出力部には、前述した実施形態の場合と同様に、前記部材162〜165,191,192,201〜205,211〜219が電気的に接続されると共に、前記アクチュエータ173,186と、前記スプロケット181を回転させるモータ301と、前記受取テーブル184を昇降移動させるモータ302と、前記繰出テーブル185を昇降移動させるモータ303と、前記ガイドレール171に沿って前記スライダ172をスライド移動させるアクチュエータ311と、前記吸引ヘッド175へ接続された吸引ポンプ312と、前記吸引ヘッド175と前記吸引ポンプ312との間を断接するバルブ313とが電気的に接続されている。
他方、前記制御装置300の入力部には、前述した実施形態の場合と同様に、前記ロータリエンコーダ221〜226が電気的に接続されると共に、前記モータ301〜303の回転位相を検出するロータリエンコーダ321〜323と、最上段の前記支持ブラケット183上のパレット10の有無を検知する最上段パレット検知センサ324と、最上段の下方の次の段(二段目)の前記支持ブラケット183上のパレット10の有無を検知する二段目パレット検知センサ325と、最上段の前記支持ブラケット183上のパレット10上のシートSの有無を検知するシート検知センサ326と、前記受取テーブル184上の最上段のパレット10の位置を検知するパレット受取位置検知センサ327と、前記繰出テーブル185上の最上段のパレット10の位置を検知するパレット繰出位置検知センサ328とが電気的に接続されている。
なお、本実施形態においては、前記ガイドレール171、前記スライダ172、前記アクチュエータ173、前記支持板174、前記吸引ヘッド175、前記アクチュエータ311、前記吸引ポンプ312、前記バルブ313等により、基材移載手段であるシート移載装置170を構成している。
このような本実施形態に係る電子デバイス製造装置によるTFTの製造方法を図7A〜7Fに基づいて次に説明する。
前述した実施形態の場合と同様にして、G層,GI層,SD層を形成されたシートS1を上面に載せた前記排出テーブル160が前記離脱位置へ移動すると、前記制御装置300は、前述した実施形態の場合と同様に、当該排出テーブル160の表面から空気1を噴出させて、シートS1の吸引保持を解除すると共にシートS1の先端側を浮き上らせる一方、さらに、前記シート検知センサ226からの情報をトリガとして、シートS1を当該排出テーブル160からパレット10上へ移載する移載作業を開始する。
具体的には、前記制御装置300は、前記吸引ポンプ312を作動させる一方、前記吸引ヘッド175を前記離脱位置の前記排出テーブル160上に位置させるように、前記アクチュエータ311の作動を制御して、当該吸引ヘッド175を当該排出テーブル160上のシートS1に当接させるように、前記アクチュエータ173を伸長制御した後、当該吸引ヘッド175内に空気1を吸い込ませるように、前記バルブ313の作動を制御する(図7A参照)。これにより、前記排出テーブル160上のシートS1は、前記吸引ヘッド175に吸引保持される。
そして、前記制御装置300は、シートS1を前記排出テーブル160上から引き上げるように、前記アクチュエータ173を収縮制御して、前記吸引ヘッド175を当初位置、すなわち、前記支持ブラケット183上に支持されているパレット10の上方に位置させるように、前記アクチュエータ311の作動を制御し、上記シートS1を上記パレット10上に位置させるように、上記アクチュエータ173を伸長制御してから、当該吸引ヘッド175内への空気1の吸い込みを停止させるように、前記バルブ313の作動を制御した後、当該吸引ヘッド175を当初位置に戻すように、すなわち、シートS1から引き離すように、前記アクチュエータ173を収縮制御する(図7B参照)。これにより、シートS1は、前記排出テーブル160上からパレット10上に移載される。
なお、前記排出テーブル160上からパレット10上へのシートS1の移載中、これと並行して、前記制御装置300は、前述した実施形態の場合と同様にして、前記シート検知センサ226からの情報に基づいて、前記排出テーブル160の表面からの空気1の噴出を停止させると共に、当該排出テーブル160を前記受取位置に戻す。
このようにしてパレット10上にシートS1が移載されると、前記制御装置300は、前記シート検知センサ326からの情報をトリガとして、シートS1の積載作業を開始する。
具体的には、前記制御装置300は、上記シートS1を載置された最上段のパレット10を下方の次の段(二段目)に移動させるように、前記ロータリエンコーダ321からの情報に基づいて、前記モータ301の作動を制御し、前記二段目パレット検知センサ325で二段目にパレット10が位置したことを検知すると共に、前記最上段パレット検知センサ324で最上段にパレット10がないことを検知すると、当該パレット検知センサ324,325からの情報に基づいて、前記繰出テーブル185上に積載されている最上段のパレット10を、最上段の前記支持ブラケット183上に配設するように、前記アクチュエータ186を伸長制御する(図7C参照)。
続いて、前記制御装置300は、前記最上段パレット検知センサ324で最上段にパレット10が位置したことを検知すると、前記アクチュエータ186を当初の状態に戻すように収縮制御する。そして、前記制御装置300は、前記繰出テーブル185上で当初最上段に位置していたパレット10の位置にパレット10がないことを前記パレット繰出位置検知センサ328で検知すると、当該繰出テーブル185上で最上段になった当初二段目のパレット10を、当初最上段に位置していたパレット10の位置に位置させるように、前記ロータリエンコーダ323からの情報に基づいて、前記モータ303を作動制御する。
その後、前記制御装置300は、上述したシートS1の場合と同様に作動することにより、前記排出テーブル160上のシートS2を最上段のパレット10上に移載する(図7D参照)。
そして、上述した作動を繰り返していくと、最下段に位置する前記支持ブラケット183に支持されたパレット10が受取テーブル184上に移載される(図7E参照)。上記受取テーブル184上にパレット10が移載されて、前記パレット受取位置検知センサ327がパレット10を検知すると、前記制御装置300は、一つのパレット10の高さ分だけ当該受取テーブル184を下方へ移動させるように、前記ロータリエンコーダ322からの情報に基づいて、前記モータ302を作動制御する。
これを繰り返していくことにより、前記受取テーブル184上にパレット10が複数積載される(図7F参照)。そして、前記受取テーブル184上にパレット10が所定数積載されたら、これらパレット10を当該受取テーブル184上から搬出し、当該受取テーブル184を当初の位置に戻すように、前記モータ302を作動制御する。
また、前記繰出テーブル185上のパレット10をすべて繰り出したことを前記パレット繰出位置検知センサ328が検知すると、前記制御装置300は、前記ロータリエンコーダ323からの情報に基づいて、当該繰出テーブル185を当初の下方位置へ戻すように、前記モータ303を作動制御する。そして、上記繰出テーブル185上に新たなパレット10を所定数積載する。
したがって、本実施形態に係る電子デバイス製造装置においては、前述した実施形態の場合と同様な効果と併せて、TFTを連続的に製造しながら積載することが自動的にできる。
〈他の実施形態〉
なお、前述した実施形態においては、前記離脱位置に位置した前記排出テーブル160上からシートが取り除かれると、前記シート検知センサ226からの情報に基づいて、前記制御装置200が、前記バルブ163〜165の閉鎖制御及び前記アクチュエータ219の作動制御を実施するようにしたが、他の実施形態として、例えば、第一番目の実施形態において、前記シート検知センサ226に代えて、戻りスイッチを設け、作業者が、前記離脱位置に位置した前記排出テーブル160上からシートを取り除いた後に、当該戻りスイッチを操作することにより、前記制御装置200が、前記バルブ163〜165の閉鎖制御及び前記アクチュエータ219の作動制御を実施するようにすることも可能である。
また、前述した実施形態においては、シートの先端側を着脱可能に把持する前記くわえ爪装置151を前記排出胴150に設けるようにしたが、当該くわえ爪装置151に代えて、他の実施形態として、例えば、シートの先端側を着脱可能に吸引保持する吸引保持手段を排出胴に設けるようにすることも可能である。
このとき、前記排出テーブル160に排出胴からシートを受け渡すにあたって、当該排出胴の上記吸引保持手段の吸引力を当該排出テーブル160の前記保持手段の吸引力よりも小さくなるように制御するとよい。
また、前述した実施形態においては、前記排出テーブル160に表面側(上面側)と裏面側(下面側)とを連通する連通孔160aを複数形成し、当該排出テーブル160の裏面(下面)に前記サクションボックス161を取り付けるようにしたが、他の実施形態として、例えば、排出テーブルに表面側(上面側)と側面側や先端面側(前面側)や末端面側(後面側)等とを連通する連通孔を複数形成し、当該排出テーブルの側面や先端面(前面)や末端面(後面側)等にサクションボックスを取り付けるようにすることも可能である。
また、前述した実施形態においては、前記排出テーブル160の先端側のみに前記連通孔160aを複数形成することにより、シートの先端側のみを吸引して当該排出テーブル160上に吸引保持するようにしたが、他の実施形態として、例えば、前記排出テーブル160の表面全体にわたって前記連通孔160aを複数形成することにより、シートを前面にわたって吸引して当該排出テーブル160上に吸引保持するようにすることも可能であり、シートの少なくとも先端側を吸引して排出テーブル上に吸引保持するようにすれば、排出胴から排出テーブル上にシートを受け渡した直後からシートを排出テーブル上にしっかりと保持することができ、排出テーブルでシートを搬送するときのシートの乱れを防ぐことができる。
また、前述した実施形態においては、前記排出テーブル160に形成された前記連通孔160aから空気1を吸引して、当該排出テーブル160上にシートを吸引保持するようにしたが、他の実施形態として、例えば、排出テーブルの先端側にくわえ爪装置を設けることにより、排出テーブル上でシートの先端側をくわえ保持(把持)するようにすることも可能である。
また、前述した実施形態においては、前記版胴130の前記版Pの前記版面Pg,Psdに前記インクジェット装置191により導電インキIcを供給するようにしたが、他の実施形態として、例えば、インキ壺から移しローラ等を介してインキを版胴に供給するインキ装置や、インキ皿からインキを版胴に直接供給するインキ装置や、インキ皿からファニシャローラやインキ出しローラやインキ着けローラ等を介してインキを版胴に間接的に供給するインキ装置等を適用することも可能である。
また、前述した実施形態においては、前記圧胴110の前記有効面110a〜110cに保持されたシートに対して、前記版胴130の前記版Pの前記版面Pg,Psdに供給された導電インキIcを直接的に転写するようにしたが、他の実施形態として、例えば、前記圧胴110及び前記版胴130に対して対接離反移動できるように当該圧胴110と当該版胴130との間にブランケット胴を回転可能に配設することにより、当該版胴130の前記版Pの前記版面Pg,Psdに供給された導電インキIcを当該ブランケット胴に一旦転写してから上記圧胴110の前記有効面110a〜110cに保持されたシートに転写するオフセット方式とすることも可能である。
また、前述した実施形態においては、二つの前記版面Pg,Psdを形成した二倍サイズの前記版Pを保持する前記有効面130aを具備する径サイズ(二倍径)の前記版胴130を適用した場合について説明したが、本発明はこれに限らず、必要に応じて、例えば、三つの版面を形成した三倍サイズの版を保持する有効面を具備する径サイズ(三倍径)の版胴を適用することも可能である。
また、前述した実施形態においては、前記吸引ポンプ217に接続した前記吸引ヘッド112A〜112Cを前記圧胴110の前記有効面110a〜110cに設けることにより、シートの搬送方向後方側(末端側)を当該有効面110a〜110cに着脱可能に吸引保持するようにしたが、他の実施形態として、例えば、上記吸引ヘッド112A〜112C等に代えて、前記圧胴110の前記有効面110a〜110c上にシリコンゴム等からなるラバーシートを取り付けておくことにより、シートの搬送方向後方側(末端側)を当該有効面110a〜110cに対して着脱可能に密着保持できるようにしても、前述した実施形態と同様な作用効果を得ることができる。
また、前述した実施形態においては、三つの前記有効面110a〜110cを有する前記圧胴110を適用した場合について説明したが、本発明はこれに限らず、三つ以上の奇数個(例えば、五つや七つ)の有効面(保持面)を有する圧胴であれば、前述した実施形態の場合と同様にして適用可能である。しかしながら、前述した実施形態のように、三つの前記有効面110a〜110cを有する前記圧胴110であれば、最も省スペース化を図ることができるので、非常に好ましい。
また、前述した実施形態においては、TFT等を製造する電子デバイス製造装置に適用した場合について説明したが、本発明はこれに限らず、可撓性を有する基材に処理を施す処理部を備えた基材処理装置であれば、前述した実施形態の場合と同様な作用効果を得ることができる。