JP2017185649A - 包装材料用多層フィルム、包装袋及び包装体 - Google Patents

包装材料用多層フィルム、包装袋及び包装体 Download PDF

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Abstract

【課題】 耐衝撃性と剛性に優れる包装材料用多層フィルムを提供する。
【解決手段】 包装材料用多層フィルム31は、発泡樹脂層である第一の樹脂層32と非発泡樹脂層である第二の樹脂層33とが交互に10層以上積層された積層体を含み、第一の樹脂層32は発泡セル52を含み、発泡セル52は長径方向の平均径が0.5μm以上5μm以下であり、積層体の平均密度が500kg/m以上である。第一の樹脂層32の耐衝撃性の低下や剛性の不足等を、第二の樹脂層33で補うことにより、耐衝撃性と剛性に優れる包装材料用多層フィルム31を得ることができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、包装材料用多層フィルム、包装袋及び包装体に関する。
包装材料には一般的にポリエチレンやポリプロピレンといった、他の積層基材との密着性やヒートシール性が良い安価なフィルムが使用されている。包装材料に求められる物性としては、内容物充填時の充填適性、包装材料に外力が加わった際の耐衝撃性、包装材料を開封する際の開封性、そして店頭で視認性を良くしたり、使用時にしっかりと包装形状を保ったりするための剛性等が挙げられる。
近年では、包装材料のコストを下げるために、諸々の物性値はそのままに包装材料の厚みを薄くする試みが取り組まれているが、フィルムの厚みを薄くすると、特に剛性や耐衝撃性の面で支障が生じることが多く、課題となっている。
従来、高い剛性のフィルムを得るために、特許文献1の様に、基材となる中心層を挟む形で、基材層上下に基材層より高密度の材料を用いてフィルムを製膜することによって、剛性を得る方法が提案されている。
特許第1726952号明細書
一般に材料の密度と包装材に必要な性能との関係は、密度が高いと剛性が高いものが得られる一方、衝撃に脆くなるという関係にある。また、密度が低いと高い衝撃特性が得られる一方、剛性が著しく低下してしまう関係にある。
特許文献1では、高剛性の包装材料を得るために高い剛性層と基材層との3層構成となっている。そのため、フィルムの耐衝撃性能が失われ、剛性と耐衝撃性との両立が困難であるという問題がある。
そこで本発明は、剛性と耐衝撃安定性とに優れた包装材料用多層フィルム、包装袋及び包装体を提供することを目的としている。
本発明の一態様によれば、発泡樹脂層である第一の樹脂層と非発泡樹脂層である第二の樹脂層とが交互に10層以上積層された積層体を含み、第一の樹脂層は発泡セルを含み、この発泡セルは長径方向の平均径が0.5μm以上5μm以下であり、積層体の平均密度が500kg/m以上である包装材料用多層フィルムが提供される。
本発明の一態様によれば、包装材料用多層フィルムを、包装材料として用いる際に十分な剛性や耐衝撃性を持たせる事ができ、包装体として使用した際に、従来使用されている同種のフィルムに対して高い機能性を得ることができる。
本発明の一実施形態に係る包装材料用多層フィルムの一例を示す概略図である。 第一の樹脂層の一例を示す概略図である。
以下に、本発明の一実施形態に係る包装材料用多層フィルムについて説明する。
なお、本発明は、以下に記載する実施形態に限定され得るものではなく、当業者の知識に基づいて設計の変更等の変形を加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施形態も本発明の実施形態の範囲に含まれ得るものである。
以下に示す各図は模式的に示した図であり、各部の大きさや形状等は理解を容易にするために適宜誇張して示している。
初めに、本発明の一実施形態の特徴について説明する。
<全体構成>
図1に示すように、本発明の一実施形態における包装材料用多層フィルム31は、第一の樹脂層32と第二の樹脂層33とが交互に積層された構成となっている。また、第一の樹脂層32及び第二の樹脂層33は、少なくともそれぞれ5層以上積層されており、計10層以上が交互に積層されている。
本発明の一実施形態における包装材料用多層フィルム31において、図2に示すように、第一の樹脂層32に含まれる第一の樹脂51中には、発泡セル52が含有されている。第一の樹脂層32が発泡セル52を含有することによって、耐衝撃性を高めることができる。
ここで、所望の耐衝撃性を得るために、発泡セルを含有させることで熱可塑性樹脂の性質を変化させることは一般的によく知られている。これは、発泡セルが衝撃を吸収していることによるものと考えられている。しかしながら、発泡セルが含有された熱可塑性樹脂は、包装材料として求められる部分的な衝撃(耐突刺し性)に対しては、亀裂が発泡セルを伝わって伝播しやすく、また、衝撃により発泡セルの粒径分だけ樹脂層の厚みが薄くなる等の理由のため優れていない。
また、発泡セルを含有する樹脂からなるフィルムの膜厚が薄い場合、特に発泡セル径が性能に大きな影響を与え、含有する発泡セルのセル径が小さい場合には改質効果が見られず、反対に、含有する発泡セルのセル径が大きい場合には衝撃を受けたときに、発泡セルが亀裂を生じる起点となる場合があり、そのため耐衝撃性が低下したり剛性が不足したりするといった問題が発生する。
本発明の一実施形態における包装材料用多層フィルム31は、発泡セル52を含有した第一の樹脂層32と発泡セルを含まない第二の樹脂層33とを交互に10層以上積層し、且つ、第一の樹脂層32に含まれる発泡セル52のセル径を規定し、さらに、第一の樹脂層32と第二の樹脂層33とが交互に積層された積層体の平均密度を規定したため、発泡セル52を含有する第一の樹脂層32に生じる耐衝撃性の低下や剛性の不足等を、第二の樹脂層33によって補うことができ、包装材料用多層フィルム31としての耐衝撃性の低下や剛性の不足等の発生を防止することができる。
以下では本発明の一実施形態における包装材料用多層フィルム31における各部の詳細を説明する。
<第一の樹脂層>
第一の樹脂層32を構成する樹脂塑性物としては、熱可塑性樹脂であれば使用する事が可能である。特に一般的な包装材料として使用されるためには、適度な柔軟性を持ち、且つ加工性が良い必要がある。この事から第一の樹脂51に用いる樹脂には、オレフィンをベースとした、超低密度ポリエチレン(ULDPE、VLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)及びホモポリマー、ランダムコポリマー、ブロックランダムコポリマーを持つポリプロピレン及び上記オレフィンと酢酸ビニルを共重合して得られるエチレン酢酸ビニルコポリマーやオレフィンの側鎖を変性して得られる、エチレン−メチルアクリレート共重合(EMA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン−ブチルアクリレート共重合体(EBA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)等のうち単体、又は複数を選択して適宜使用する事ができる。
本発明の一実施形態における発泡セル52は、長径方向の平均径が0.5μm以上5μm以下であることが好ましい。発泡セル52の長径方向の平均径が0.5μmより小さいと耐衝撃性の向上が見られず、5μmより大きいと衝撃を受けたときに発泡セル52が亀裂を生じる起点となる場合があり、耐衝撃性が低下する。なお、ここでいう、長径方向とは、発泡セル52の長軸が延びる方向のことをいう。長径方向の平均径とは、長径方向のセル径の平均値をいい、長径方向のセル径とは、長軸が延びる方向における発泡セル52の長さをいう。発泡セル52が球体である場合には、発泡セル52の中心を通るセル径の平均値を長径方向の平均径とする。
発泡セル52の長径方向の平均径は、走査型電子顕微鏡写真(SEM)を用いて倍率5000倍で撮影する。そのうち、200個以上の発泡セルの長径方向のセル径を計測し、その平均値を求めることで算出する。なお、発泡セルの平均径は、SEMに限らず、透過型電子顕微鏡(TEM)や光学顕微鏡でも観察でき、観察倍率は任意に設定することができる。
第一の樹脂層32の密度は70kg/m以上400kg/m以下が好ましい。第一の樹脂層32の密度が70kg/mより小さいと、第一の樹脂51中に含まれる発泡セル52が多すぎるため、発泡セル52同士の距離が近くなり、発泡セル52壁の破損が発生しやすくなることで、衝撃性低下が生じたり剛性不足が生じたりするといった問題が生じる。第一の樹脂層32の密度が400kg/mより大きいと、第一の樹脂51中に含まれる発泡セル52が少なすぎるため、耐衝撃性の向上が見られない。
なお、第一の樹脂層32の密度は、JIS K 7222に準拠して測定を行う。
本発明の一実施形態における発泡セル52は、その製造方法に制限はなく、発泡成形法として知られている方法を適応することが可能であり、公知の各種発泡剤が使用できる。発泡剤は溶剤型発泡剤、ガス状発泡剤、或いは分解型発泡剤のいずれであってもよい。
溶剤型発泡剤、又はガス状発泡剤は、押出機のシリンダ部分から注入して溶融樹脂組成物に吸収又は溶解させ、シリンダ中で蒸発させることで発泡剤として機能する物質であって、炭酸ガス、又はプロパン、ブタン、ネオペンタン、ヘプタン、イソヘキサン、ヘキサン、イソヘプタン、ヘプタン等の低沸点脂肪族炭化水素や、フロンガスで代表される低沸点のフッ素含有炭化水素等が使用される。
分解型発泡剤は、樹脂組成物に予め配合されて押出機へ供給され、押出機のシリンダ温度条件下で発泡剤が分解して炭酸ガス、又は窒素ガス等の気体を発生する化合物であって、無機系の発泡剤であっても有機系の発泡剤であってもよく、また気体の発生を促す有機酸等を併用添加してもよい。
分解型発泡剤の具体例として、無機系発泡剤としては、重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、亜硝酸アンモニウム、クエン酸、クエン酸ナトリウム等を挙げることができる。
有機系発泡剤としては、N,N′−ジニトロソテレフタルアミド、N,N′−ジニトロソペンタチレンテトラミン等のN−ニトロソ化合物;アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、アゾシクロヘキシルニトリル、アゾジアミノベンゼン、バリウムアゾジカルボキシレート等のアゾ化合物;ベンゼンスルフォニルヒドラジド、トルエンスルフォニルヒドラジド、p,p′−オキシビス(ベンゼンスルフェニルヒドラジド)、ジフェニルスルフォン−3,3′−ジスルフォニルヒドラジド等のスルフォニルヒドラジド化合物;カルシウムアジド、4,4′−ジフェニルジスルフォニルアジド、p−トルエンスルフォニルアジド等のアジド化合物等を挙げることができる。
<第二の樹脂層>
包装材料用多層フィルム31のもう一方の構成要素である第二の樹脂層33に使用する樹脂としては、第一の樹脂層32に使用可能な熱可塑性樹脂のうち、包装材料用多層フィルムとして必要な特性をもった樹脂を適宜選定することができる。
すなわち、第二の樹脂層33を構成する樹脂塑性物としては、熱可塑性樹脂であれば使用する事ができる。特に一般的な包装材料として使用されるためには適度な柔軟性を持ち、且つ加工性が良い必要がある事から第二の樹脂層33に用いる樹脂には、オレフィンをベースとした、超低密度ポリエチレン(ULDPE、VLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)及びホモポリマー、ランダムコポリマー、ブロックランダムコポリマーを持つポリプロピレン及び上記オレフィンと酢酸ビニルを共重合して得られるエチレン酢酸ビニルコポリマーやオレフィンの側鎖を変性して得られる、エチレン−メチルアクリレート共重合(EMA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン−ブチルアクリレート共重合体(EBA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)等のうち単体又は複数を選択し適宜使用する事ができる。
さらに、ガスバリヤ性に優れた樹脂層等の機能層を、交互に積層される第一の樹脂層32と第二の樹脂層33との間、又はベース基材と接着される側の表層に積層することもできる。なお、所望の物性を得るために第一の樹脂層32と第二の樹脂層33として、同種の樹脂を選択してもよいし、異なる樹脂を用いてもかまわない。
<包装材料用多層フィルムの層構成>
包装材料用多層フィルム31は、第一の樹脂層32と第二の樹脂層33が少なくともそれぞれ5層以上交互に積層された計10層以上で構成されている。積層数が増加するほど剛性や耐衝撃性の安定した向上が望めるためである。
また、最表面は発泡セル52の含まれていない第二の樹脂層33となるように積層することで、包装材料として使用されるときのヒートシール時に、発泡セル52が密着性を阻害しないため好ましい。なお、ここでいう最表面とは、包装材料用多層フィルム31の、ベース基材と接着される層とは逆側の層の表面のことをいう。また、ベース基材と接着される層は、第一の樹脂層32であっても第二の樹脂層33であってもよい。
第一の樹脂層32と第二の樹脂層33とが交互に積層された包装材料用多層フィルム31はフィルム全体の平均密度が500kg/m以上680kg/m以下となることが好ましく、500kg/m以上675kg/m以下となることがより好ましい。平均密度が500kg/m以上でないと剛性が不十分となり、包装材料用多層フィルム31を包装体として使用する際に剛性がなく、使用に耐えられないためである。また、680kg/m以下とすることで良好なヒートシール性を得られる。
第一の樹脂層32と第二の樹脂層33とが交互に積層された包装材料用多層フィルム31に関しては、一般的な包装材料で使用される厚みであれば特に限られるものではないが、包装材料用多層フィルム31の厚みは50μmより大きく200μmより小さい範囲で使用する事が好ましい。包装材料用多層フィルム31の厚みが50μm以下であると、一般的にシール樹脂が不足し包装材としてのヒートシール性が低く不具合が発生する場合がある。また、包装材料用多層フィルム31の厚みが200μm以上であると、材料コストが非常に高いものとなってしまう。
また、第一の樹脂層32と第二の樹脂層33それぞれの膜厚は、特に限られるものではないが、それぞれ5μm以上であることが好ましい。膜厚が5μmよりも薄膜になると、第一の樹脂層32に含有される発泡セル52が露出し、そのため、第一の樹脂層32と第二の樹脂層33との層間の密着性が弱まると共に点欠陥が発生するためである。膜厚が厚くなるとフィルムとしての信頼性は増すが、樹脂の使用量が多くなりコストの面では不利となるため、第一の樹脂層32及び第二の樹脂層33の膜厚は、信頼性とコストの両面を考慮して適宜設定することができる。
第一の樹脂層32と第二の樹脂層33は同一の熱可塑性樹脂を使用しても良いが、必要な特性をもった樹脂を適宜選定することができる。
<その他添加剤>
フィルム成型時の加工適性、またフィルムを使用する際の生産性向上のため、包装材料用多層フィルム31に、一般的に使用する添加材料を適宜添加する事ができる。例えば、フィラー等のブロッキング防止剤、滑り性を向上させるための滑剤、また加工安定性を付与するための酸化防止剤、剥離帯電防止のための帯電防止剤等を、ベース基材全体に対して、重量比で1%未満の割合で添加する事ができる。
フィラー等のブロッキング防止剤として、例えば、アクリル系粒子、スチレン粒子、スチレンアクリル粒子及びその架橋体、ポリウレタン系粒子、ポリエステル系粒子、シリコン系粒子、フッ素系粒子、これらの共重合体、パイロフィライト、タルク、スメクタイト、バーミキュライト、雲母、緑泥岩、カオリン鉱物、セピオライトなどの粘土化合物粒子、シリカ、酸化チタン、アルミナ、シリカアルミナ、ジルコニア、酸化亜鉛、酸化ストロンチウム、水酸化アルミニウム、炭酸ストロンチウム、塩化ストロンチウム、硫酸ストロンチウム、硝酸ストロンチウム、水酸化ストロンチウム、ガラス粒子等を適宜使用する事ができる。
滑り性向上のための滑剤としては、例えばショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル等を使用することができ、さらに合成樹脂系としては流動パラフィン、パラフィンワックス、合成ポリエチレンワックスなどの炭化水素系、ステアリン酸、ステアリルアルコール等の脂肪酸系、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド等の脂肪酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド等のアルキレン脂肪酸アミド等を好適に使用することができる。
滑り性向上のための滑剤については、添加量が増加した場合に巻取保管時や包装材料として使用される際の他基材との積層工程において、滑り性が不安定となってしまうため、本実施形態では、滑剤を使用する場合には、使用樹脂の重量に対して100ppm以下で使用する事が好ましい。
包装材料用多層フィルム31成型時のハンドリング性を向上させるために、上述した添加剤を添加することのほか、フィルム表面に凹凸形状を付与することでハンドリング性を向上させるようにしてもよい。
<包装袋>
本発明の一実施形態における包装材料用多層フィルム31を用いて、端部をヒートシール等で封止することで包装袋を得ることができる。包装袋としては、スタンディングパウチや、包装袋、口栓付きパウチ、ラミチューブ、バックインボックス等が挙げられるが、この他に様々な用途に使用することができる。
<包装体>
また、本発明の一実施形態における包装材料用多層フィルム31を用いた包装袋に内容物を充填することにより包装体を得ることができる。包装体の内容物は特に制限されない。例えば、内容物が液状であってもよいし、固形状であってもよいし、粉末状やペースト状であってもよい。さらに、包装体の大きさや形状は特に制限されず、内容物に応じて適宜決定すればよい。
<樹脂層の製造方法>
本発明の一実施形態における第一の樹脂層32及び第二の樹脂層33を作製する方法は特に制限されるものではなく、公知の方法を使用する事ができる。例えば、単軸スクリュー押出機、2軸スクリュー押出機、多軸スクリュー押出機等の一般的な混和機を用いた溶融混練方法、各成分を溶解又は分散混合後、溶剤を加熱除去する方法等を用いる事ができる。作業性を考慮した場合、単軸スクリュー押出機又は2軸スクリュー押出機を使用する事が好ましい。単軸押出機を用いる場合には混練性が高いミキシングエレメントを持つスクリューを用いることが好ましい。2軸混練装置については、同方向回転2軸スクリュー押出機、異方向回転2軸スクリュー押出機を用いることができ、またスクリュー形状もフルフライトスクリュー、ニーディングディスクタイプのいずれでもよく、特に限定されるものでは無い。
第一の樹脂層32と第二の樹脂層33との積層方法に関しても特に制限されるものではなく、公知の方法を用いる事ができる。例えば、第一の樹脂層32と第二の樹脂層33とをそれぞれ製膜したものにそれぞれのフィルムの融点以上の熱を加え、加圧する事によりラミネートする手法、また、第一の樹脂層32と第二の樹脂層33とをそれぞれ異なる押出機で加熱し、溶融した状態で積層しフィルムを得る方法等を使用する事ができる。
このように、本発明の一実施形態における包装材料用多層フィルム31は、第一の樹脂層32に含まれる発泡セル52の長径方向の平均径を0.5μm以上5μm以下とすることで、耐衝撃性を確保することができる。また、発泡セル52の長径方向の平均径を、衝撃を受けたときに亀裂が生じることを抑制可能な範囲に設定することで、耐衝撃性の向上及び発泡セルに亀裂が生じることによる耐衝撃性の低下を防止することができる。さらに、発泡セル52を含む第一の樹脂層32と発泡セルを含まない第二の樹脂層33とを交互に積層し、且つ10層以上積層し、この積層体の平均密度を500kg/m以上することで、第一の樹脂層32に生じる耐衝撃性の低下や剛性の不足等を、第二の樹脂層33によって補うことができる。そのため、包装材料用多層フィルム31としての耐衝撃性の低下や剛性の不足等の派生を防止することができる。
したがって、この包装材料用多層フィルム31を最内側に備える包装袋を作成することによって、剛性及び耐衝撃性に優れた包装袋を実現することができ、また、この包装袋に内容物を充填させることによって、剛性及び耐衝撃性に優れた包装体を実現することができる。
以上、本発明の一実施形態を例示したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本実施形態の技術的思想を逸脱しない限り、包装材料としての用途を考慮し、要求されるその他の物性である引裂き性、滑り性等を向上する目的で、他の層を任意に形成できることはいうまでもない。
以下に、本発明の一実施形態に係る包装材料用フィルムについて、具体的な実施例及び比較例を挙げて説明する。なお、本発明は下記実施例によって制限されるものではない。
<実施例1>
第一の樹脂層32の主材料の樹脂として株式会社プライムポリマー社製直鎖状低密度ポリエチレン(品名SP4030)を用い、240℃の雰囲気中、22MPaの圧力で二酸化炭素ガスを注入し、二酸化炭素ガスを十分飽和させた後、Tダイから押出し、第一の樹脂層32の発泡セル52の長径方向の平均径を0.5μm、見かけ密度を70kg/m、厚み10μmのフィルムを製膜した。発泡セル52の長径方向の平均径は、日立ハイテクロノジーズ社製走査型電子顕微鏡写真(SEM)を用いて倍率5000倍で撮影し、上述した手法で計測した。
第二の樹脂層33の主材料としては株式会社プライムポリマー社製直鎖状低密度ポリエチレン(品名SP4030)を用いた。単軸押出機に投入し、240℃に加熱、溶融し、Tダイにて10μmのフィルムを製膜した。
それぞれ製膜した第一の樹脂層32と第二の樹脂層33に150℃の熱を加え、第一の樹脂層32と第二の樹脂層33とを交互に5層ずつ積層し加圧する事によりラミネートしていき、合計10層積層された、総膜厚が100μm、密度504kg/mの包装材料用多層フィルムを得た。
<実施例2>
炭酸ガス含浸時の温度、圧力、時間を適宜調整し、第一の樹脂層32の見かけ密度を400kg/mとしたこと以外は実施例1と同様に行い、第一の樹脂層32と第二の樹脂層33とが合計10層交互に積層された、総膜厚が100μm、密度669kg/mの包装材料用多層フィルム31を得た。
<実施例3>
炭酸ガス含浸時の温度、圧力、時間を適宜調整し、第一の樹脂層32の発泡セル52の長径方向の平均径を5μmとしたこと以外は実施例1と同様に行い、第一の樹脂層32と第二の樹脂層33とが交互に合計10層積層された、総膜厚が100μm、密度504kg/mの包装材料用多層フィルムを得た。
<実施例4>
炭酸ガス含浸時の温度、圧力、時間を適宜調整し、第一の樹脂層32の発泡セル52の長径方向の平均径を5μm、見かけ密度を400kg/mとしたこと以外は実施例1と同様に行い、第一の樹脂層32と第二の樹脂層33とが交互に合計10層積層された、総膜厚が100μm、密度669kg/mの包装材料用多層フィルムを得た。
<実施例5>
Tダイから押出しした後の引取り条件を適宜調整し、第一の樹脂層32の厚みを5μm、第二の樹脂層33の厚みを5μmとし、第一の樹脂層32と第二の樹脂層33とを交互に合計20層積層したこと以外は実施例1と同様に行い、第一の樹脂層32と第二の樹脂層33とが交互に合計20層積層された、総膜厚が100μm、密度504kg/mの包装材料用多層フィルムを得た。
<比較例1>
炭酸ガス含浸時の温度、圧力、時間を適宜調整し、第一の樹脂層32の発泡セル52の長径方向の平均径を0.3μm、見かけ密度を250kg/mとしたこと以外は実施例1と同様に行い、第一の樹脂層32と第二の樹脂層33とが交互に合計10層積層された、総膜厚が100μm、密度594kg/mの包装材料用多層フィルムを得た。
<比較例2>
炭酸ガス含浸時の温度、圧力、時間を適宜調整し、第一の樹脂層32の発泡セル52の長径方向の平均径を6μm、見かけ密度を250kg/mとしたこと以外は実施例1と同様に行い、第一の樹脂層32と第二の樹脂層33とが交互に合計10層積層された、総膜厚が100μm、密度594kg/mの包装材料用多層フィルムを得た。
<比較例3>
炭酸ガス含浸時の温度、圧力、時間を適宜調整し、第一の樹脂層32の発泡セル52の長径方向の平均径を2μm、見かけ密度を60kg/mとしたこと以外は実施例1と同様に行い、第一の樹脂層32と第二の樹脂層33とが交互に合計10層積層された、総膜厚が100μm、密度499kg/mの包装材料用多層フィルムを得た。
<比較例4>
炭酸ガス含浸時の温度、圧力、時間を適宜調整し、第一の樹脂層32の発泡セル52の長径方向の平均径を2μm、見かけ密度を250kg/mとし、Tダイから押出しした後の引取り条件を適宜調整し、第一の樹脂層32の厚みを12.5μm、第二の樹脂層33の厚みを12.5μmとし、第一の樹脂層32と第二の樹脂層33とを交互に合計8層積層したこと以外は実施例1と同様に行い、第一の樹脂層32と第二の樹脂層33とが交互に合計8層積層された、総膜厚が100μm、密度594kg/mの包装材料用多層フィルムを得た。
<比較例5>
炭酸ガス含浸時の温度、圧力、時間を適宜調整し、第一の樹脂層32の発泡セル52の長径方向の平均径を2μm、見かけ密度を250kg/mとし、Tダイから押出しした後の引取り条件を適宜調整し、第一の樹脂層32の厚みを100μmとし、第二の樹脂層を設けずに総膜厚が100μm、密度250kg/mの包装材料用フィルムを得た。
<比較例6>
Tダイから押出した後の引取り条件を適宜調整し、第二の樹脂層33の厚みを100μmとし、第一の樹脂層を設けずに総膜厚が100μm、密度938kg/mの包装材料用フィルムを得た。
<評価試験>
次に、このようにして作製した実施例及び比較例における包装材料用多層フィルムについて、評価試験を行った。
具体的には、実施例1〜実施例5及び比較例1〜比較例6で得られた包装材料用フィルムに関して、曲げ剛性評価試験及び耐衝撃性評価試験を実施した。
<曲げ剛性評価試験>
曲げ剛性評価試験では、東洋精機製作所社製のループステフネステスタを用いて、圧縮速度3.3mm/sec、サンプル幅を15mm、ループ長を85mmとし、曲げ応力を評価した。曲げ応力が20mN/15mm以上となったものを○とし、下回ったものを×とした。
<耐衝撃性評価試験>
耐衝撃性評価試験では、JISK7124−1自由落下のダート法による衝撃試験方法、第1部ステアケース法のA法を用いてテスター産業株式会社製ダートインパクトテスター(型番IM−302)を用いて評価した。耐衝撃性の評価として、50%破壊重量が500g以上のものを○、下回ったものを×とした。
<評価試験結果>
実施例1〜実施例5及び比較例1〜比較例6に記載の包装材料用多層フィルムに関して物性評価を実施した結果を表1に記載する。
Figure 2017185649
表1より、実施例1から実施例5は、剛性及び耐衝撃性が良好であることが確認できた。
一方、比較例1は発泡セル径が本発明の一実施形態における包装材料用多層フィルムにおける発泡セル径の範囲である、0.5μm以上5μm以下という範囲外の0.5μm未満であるためセル径が小さく耐衝撃性の向上が見られない。比較例2は発泡セル径が本発明の一実施形態における包装材料用多層フィルムにおける発泡セル径の範囲外の6μmであるため、亀裂の起点となり耐衝撃性悪化がみられる。比較例3は全体の密度が本発明の一実施形態における包装材料用多層フィルムにおける密度の範囲である500kg/m以上という範囲外の499kg/mであるため剛性が不足している。比較例4は積層数が本発明の一実施形態における包装材料用多層フィルムにおける積層数の範囲である10層以上という範囲外の8層であるため、耐衝撃性が良好でない。比較例5は、包装材料用多層フィルムが発泡セルを含んだ第一の樹脂層32のみで構成され、第二の樹脂層33を含んでいないため、剛性と耐衝撃性とが共に良好ではない。さらに、比較例6は発泡セルを含んだ第一の樹脂層32を含んでいないため、耐衝撃性が良好でない。
以上より、本発明の一実施形態における包装材料用多層フィルムは、剛性や耐衝撃性の安定した向上が見られることが確認された。
31 包装材料用多層フィルム
32 第一の樹脂層
33 第二の樹脂層
51 第一の樹脂
52 発泡セル

Claims (6)

  1. 発泡樹脂層である第一の樹脂層と非発泡樹脂層である第二の樹脂層とが交互に10層以上積層された積層体を含み、
    前記第一の樹脂層は発泡セルを含み、当該発泡セルは長径方向の平均径が0.5μm以上5μm以下であり、
    前記積層体の平均密度が500kg/m以上であることを特徴とする包装材料用多層フィルム。
  2. 前記積層体の平均密度が500kg/m以上680kg/m以下であることを特徴とする請求項1に記載の包装材料用多層フィルム。
  3. 前記第一の樹脂層及び前記第二の樹脂層のそれぞれは、ポリエチレン、ポリプロピレン及びその側鎖を変性したもののうちの少なくとも一種類以上を含むことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の包装材料用多層フィルム。
  4. 請求項1から請求項3の何れか一項に記載の包装材料多層用フィルムを備えた包装袋であって、
    前記包装材料多層用フィルムが最内側となるように製袋されていることを特徴とする包装袋。
  5. 前記包装材料多層用フィルムの最内側は前記第一の樹脂層であることを特徴とする請求項4に記載の包装袋。
  6. 請求項4又は請求項5に記載の包装袋に内容物が充填されてなることを特徴とする包装体。
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