JP2017185616A - 切削工具 - Google Patents

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Abstract

【課題】環状溝の加工時における切削用チップの振動を抑制して環状溝の加工精度の向上を図る切削工具を提供する。
【解決手段】切削用チップ11(11A,11B)と、チップホルダ12(12A,12B)とを備え、チップホルダは、幅寸法より高さH1寸法が大きく設定されると共に切削送り方向Aに交差する第1取付面31及び第1取付面に交差する第2取付面32を有する本体部21と、基端部が本体部に接続されて先端部における高さ方向の上端部に切削用チップが幅方向における一方側に突出して装着されるチップ支持部22と、チップ支持部における高さ方向に沿って設けられる補強部23と、チップ支持部から突出した切削用チップを支持するチップ受部24とを有し、チップ受部が切削用チップから離間する方向に向けて細くなる先細形状をなすと共に、切削用チップによる切削送り方向の上流側に逃げ面42を形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、蒸気タービンやガスタービンなどの回転機械において、ロータに動翼を装着する環状溝を形成するための切削工具に関するものである。
一般的な蒸気タービンは、車室内にロータが回転自在に支持され、このロータに複数の動翼が多段にわたって固定される一方、車室に支持された翼環リングに静翼が多段にわたって固定され、多段の動翼と静翼が交互に配設されて構成されている。そのため、蒸気が内部車室に導入されると、この蒸気が多段の静翼と動翼に供給されることで、この多段の動翼を介してロータが回転し、このロータに連結された発電機が駆動する。
このような蒸気タービンにて、多数の動翼は、基端部がロータの外周部に設けられた環状溝に嵌合して固定されている。この環状翼として、T字形状をなすものがあり、翼溝は、基端部のT字形状をなす植え込み部がT字形状をなす環状溝に挿入され、スライドさせて植え込んでいる。
ところで、このロータの外周部にT字形状をなす環状溝を形成する場合、T字形状をなす環状溝は、外周部側の開口幅が狭く、中心部側の開口幅が広いことから、特殊な切削工具が必要となる。このような切削工具としては、例えば、下記特許文献1に記載されたものがある。下記特許文献1に記載された切削工具は、シャンクの先端部分にチップを設け、このチップは、T溝を切削するために稜線がシャンクの長手方向に沿うものとなっている。
特開2006−130608号公報
上述したロータの環状溝は、外周部側の開口幅が狭くて中心部側の開口幅が広いT字形状をなすことから、切削工具は、切削用チップが取付けられるシャンクの幅が狭いものとなる。すると、シャンクの剛性が低下し、切削工具によりロータの外周部を切削加工するとき、切削用チップが振動してしまい、環状溝の高精度な切削加工が困難となる。
本発明は上述した課題を解決するものであり、環状溝の加工時における切削用チップの振動を抑制して環状溝の加工精度の向上を図る切削工具を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するための本発明の切削工具は、切削用チップと、前記切削用チップを保持するチップホルダと、を備え、前記チップホルダは、幅寸法より高さ寸法が大きく設定されると共に切削送り方向に交差する第1取付面及び前記第1取付面に交差する第2取付面を有する本体部と、基端部が前記本体部に接続されて先端部における高さ方向の上端部に前記切削用チップが幅方向における一方側に突出して装着されるチップ支持部と、前記チップ支持部における高さ方向に沿って設けられる補強部と、前記チップ支持部から突出した前記切削用チップを支持するチップ受部と、を有し、前記チップ受部は、前記切削用チップから離間する方向に向けて細くなる先細形状をなすと共に、前記切削用チップによる切削送り方向の上流側に逃げ面が形成される、ことを特徴とするものである。
従って、切削用チップを保持するチップホルダは、本体部が第1取付面と第2取付面を介して取付けられることから、高精度な取付が可能となり、本体部の幅寸法より高さ寸法が大きいことから、剛性が向上して切削加工時に作用する応力による変形が抑制される。また、チップホルダは、チップ支持部が補強部により補強されることで、ねじれ剛性が向上して切削加工時に作用する応力による変形が抑制される。更に、切削用チップがチップ受部により安定して支持されることで、切削加工時に作用する応力による切削用チップの変形が抑制される。その結果、環状溝の加工時における切削用チップの振動を抑制して環状溝の加工精度を向上することができる。また、チップ受部が先細形状をなすことで、切削用チップからの応力を適正に受け止めることができ、切削用チップを安定して支持することができる。また、切削用チップによる切削送り方向の上流側に逃げ面が形成されることで、切削する回転体との干渉を防止することができる。
本発明の切削工具では、前記補強部は、前記切削用チップ側が凹となる湾曲形状をなすことを特徴としている。
従って、補強部が湾曲形状をなすことで、切削する回転体との干渉を防止することができる一方で十分な厚さを確保し、切削加工時におけるチップ支持部のねじれを抑制して加工精度を向上することができる。
本発明の切削工具では、前記補強部の前記本体部から突出した部分に前記第1取付面と平行な第3取付面を有し、前記第3取付面と前記第2取付面の交差部に切欠部が設けられることを特徴としている。
従って、第3取付面と第2取付面との交差部に切欠部を設けることで、チップホルダは、2個の取付面が加工装置の取付面に適正に接触することとなり、チップホルダの取付精度を向上することができる。
本発明の切削工具では、前記切削用チップは、前記チップ支持部の上端部に固定ピンにより固定されると共に、左右の側部が前記チップ支持部に設けられる左右のガイド面に支持されることを特徴としている。
従って、切削用チップが固定ピンにより固定されると共に左右のガイド面により支持されることで、切削用チップが3点支持されることなり、切削用チップを安定して支持することができる。
本発明の切削工具によれば、チップホルダに本体部とチップ支持部と補強部とチップ受部を設け、第1環状溝に対して第2環状溝と第3環状溝を形成することで環状溝を形成するので、環状溝の加工時における切削用チップの振動を抑制して環状溝の加工精度を向上することができる。また、切削用チップによる切削送り方向の上流側に逃げ面が形成されることで、切削する回転体との干渉を防止することができる。
図1は、本実施形態の切削工具を表す側面図である。 図2は、切削工具を表す平面図である。 図3は、切削工具を表す正面図である。 図4は、切削工具を表す斜視概略図である。 図5は、切削工具における第1切削用チップの取付状態を表す平面図である。 図6は、切削工具における第2切削用チップの取付状態を表す平面図である。 図7−1は、本実施形態の環状溝の加工方法を表す概略図である。 図7−2は、本実施形態の環状溝の加工方法を表す概略図である。 図7−3は、本実施形態の環状溝の加工方法を表す概略図である。 図7−4は、本実施形態の環状溝の加工方法を表す概略図である。 図8は、本実施形態の切削工具の第1変形実施形態を表す切削用チップの取付状態の平面図である。 図9は、本実施形態の切削工具の第2変形実施形態を表す切削用チップの取付状態の側面図である。
以下に添付図面を参照して、本発明に係る切削工具の好適な実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではなく、また、実施形態が複数ある場合には、各実施形態を組み合わせて構成するものも含むものである。
図1は、本実施形態の切削工具を表す側面図、図2は、切削工具を表す平面図、図3は、切削工具を表す正面図、図4は、切削工具を表す斜視概略図である。
蒸気タービンにて、ロータは、複数の動翼が多段にわたって固定され構成されており、この多数の動翼は、基端部がロータの外周部に設けられたT字形状断面をなす環状溝に嵌合して固定されている。本実施形態の切削工具は、このロータのT字形状断面をなす環状溝を切削加工するためのものである。
図1から図4に示すように、切削工具10は、図示しない加工装置に装着されるものであり、ロータ(回転体)Rの外周部にT字形状断面をなす環状溝G(図7−4参照)を切削加工するものであり、切削用チップ11と、この切削用チップ11を保持するチップホルダ12とを備えている。本実施形態では、切削工具10として、環状溝GにおけるロータRの回転軸心側を切削加工する切削工具10Aと、環状溝GにおけるロータRの外周部側を切削加工する切削工具10Bが設けられている。そのため、切削用チップ11として2種類の切削用チップ11A,11Bがあり、チップホルダ12として2種類のチップホルダ12A,12Bがある。
まず、切削工具10Aについて説明する。切削工具10Aは、切削用チップ11Aと、チップホルダ12Aとを備えている。チップホルダ12Aは、本体部21と、チップ支持部22と、補強部23と、チップ受部24とを備えている。
本体部21は、矩形のブロック形状をなし、幅W1、高さH1、長さL1に設定されており、幅W1の寸法より高さH1の寸法が大きく設定されている。本体部21は、加工装置に対して切削送り方向Aに交差(直交)する第1取付面31と、この第1取付面31に交差(直交)する第2取付面32が設けられている。第1取付面31は、本体部21の後部に形成され、第2取付面32は、本体部21の下部に形成されている。そのため、チップホルダ12は、加工装置に装着されるとき、第1取付面31により切削送り方向Aに対する位置決めがなされ、第2取付面32により高さ方向(鉛直方向)の位置決めがなされる。
また、加工装置に対して切削送り方向Aに交差(直交)する第3取付面33が補助取付面して設けられている。この第3取付面33は、本体部21におけるチップ支持部22側に形成されており、第1取付面31と平行をなしている。そのため、チップホルダ12は、加工装置に装着されるとき、第1取付面31により切削送り方向Aに対する位置決めがなされると、加工装置と第3取付面33との間に微小隙間が設けられるが、チップホルダ12Aの取付剛性を高めたいときには、加工装置と第3取付面33との微小隙間に調整用のシムプレート(図示略)を挿入することで微小隙間をなくすことができる。この場合、第1取付面31に代えて第3取付面33を採用し、第2取付面32と第3取付面33により位置決めするように構成してもよい。そして、第2取付面32と第3取付面33との交差部に切欠部34が設けられる。更に、チップホルダ12Aの取付剛性を高めたいときには、例えば、ねじなどにより各取付面31,32,33が加工装置に密着するように押圧してもよい。
また、本体部21は、一側部に第4取付面35が設けられ、他側部に取付面36が設けられている。更に、本体部21は、上部に取付押圧面37が設けられており、この取付押圧面37は、第2取付面32に対して切削送り方向Aに交差(直交)する水平方向に対して傾斜している。そのため、チップホルダ12は、加工装置に装着されるとき、固定治具38が取付押圧面37を押圧すると、取付面35が加工装置に押し付けられることにより切削送り方向Aに交差する水平方向の位置決めがなされる。
チップ支持部22は、矩形のブロック形状をなし、幅W2、高さH2、長さL2に設定されており、幅W2の寸法より高さH2の寸法が大きく設定されている。チップ支持部22は、基端部が本体部21に接続されている。実際には、本体部21とチップ支持部22とは一体に形成されている。ここで、チップ支持部22は、幅W2の寸法が本体部21の幅W1の寸法より小さく、高さH2の寸法が本体部21の高さH1の寸法より大きく、長さL2の寸法が本体部21の長さL1の寸法より小さく設定されている。
また、チップ支持部22は、先端部における高さ方向の上端部に切削用チップ11Aが幅方向における一方側に突出するように装着されている。この場合、チップ支持部22は、上端部が本体部21の上端部とほぼ同一高さに設定されるが、下端部が本体部21の下端部より下方に突出しており、この他壁部に上述した第3取付面33が形成されている。
補強部23は、本体部21とチップ支持部22との間であって、チップ支持部22における高さ方向に沿って設けられている。この補強部23は、切削用チップ11側が凹となる湾曲形状をなしている。即ち、本体部21とチップ支持部22とは、その幅W1,W2の寸法が相違することから、本体部21の取付面36側が段差のない平面によって連続する一方、本体部21の取付面35側に段差部41が形成されている。この段差部41は、上端部が第3取付面33より若干切削用チップ11に側に位置している。そして、段差部41は、上端部から下端部に向けて切削用チップ11A側に湾曲した形状をなすことから、本体部21とチップ支持部22との間で、且つ、チップ支持部22の下部に、本体部21の同じ幅W1の寸法で、上端部の寸法より長い所定長さL3を有する補強部23が形成されることとなる。
チップ受部24は、チップ支持部22から突出した切削用チップ11Aの下部を支持するものである。チップ受部24は、切削用チップ11から離間する方向、つまり、高さ方向の下方(図1の右方向)に向けて細くなる先細形状をなしている。本実施形態では、チップ受部24は、切削用チップ11の形状に合わせて水平断面が三角形状をなし、その頂点が下方に向かうに伴ってチップ支持部22の先端部側に変位することで、切削送り方向Aの上流側に逃げ面42が形成されている。
次に、切削工具10Bについて説明する。切削工具10Bは、切削用チップ11Bと、チップホルダ12Bとを備えている。但し、切削工具10Bは、切削工具10Aとほぼ同様の構成となっていることから、詳細な説明は省略する。切削工具10Aと切削工具10Bは、切削用チップ11A,11Bと、チップホルダ12A,12Bにおける切削用チップ11A,11Bの取付部の構成が相違していることから、その点について説明する。
図5は、切削工具における第1切削用チップの取付状態を表す平面図、図6は、切削工具における第2切削用チップの取付状態を表す平面図である。
図5に示すように、切削工具10Aにおいて、切削用チップ11Aは、中心部がチップホルダ12Aにおけるチップ支持部22の先端上端部に固定ピン51により固定されている。切削用チップ11Aは、先細形状をなす30度のチップ52を有し、面52a,52bの角部に刃部及びすくい面が設けられている。また、切削用チップ11Aは、支持部53を有し、2個の支持面53a,53bが設けられている。チップ支持部22は、切削用チップ11Aが嵌入する取付凹部54が形成され、切削用チップ11Aの支持面53a,53bを支持する左右のガイド面54a,54bが設けられている。この場合、切削用チップ11Aは、市販のものであり、一方の側のチップ52だけを使用し、他方側のチップの先端部を切断して支持部53として構成している。そのため、切削工具10Aにおける先端部の幅を小さくすることができる。
図6に示すように、切削工具10Bにおいて、切削用チップ11Bは、中心部がチップホルダ12Bにおけるチップ支持部22の先端上端部に固定ピン56により固定されている。切削用チップ11Bは、先細形状をなす30度のチップ57を有し、面57a,57bの角部に刃部及びすくい面が設けられている。また、切削用チップ11Bは、支持部58を有し、2個の支持面58a,58bが設けられている。チップ支持部22は、切削用チップ11Bが嵌入する取付凹部59が形成され、切削用チップ11Bの支持面58a,58bを支持する左右のガイド面59a,59bが設けられている。この場合、切削用チップ11Bは、市販のものであり、一方の側のチップ57だけを使用し、他方側のチップの先端部を切断して支持部58として構成している。そのため、切削工具10Bにおける先端部の幅を小さくすることができる。
ここで、上述した切削工具10によりロータRの外周部に環状溝を切削加工する本実施形態の環状溝の加工方法について説明する。図7−1から図7−4は、本実施形態の環状溝の加工方法を表す概略図である。
本実施形態の環状溝の加工方法は、図7−1から図7−4に示すように、幅が一定な第1環状溝G1を形成する工程と、第1環状溝G1におけるロータRの回転軸心方向の一方側で且つロータRの回転軸心側に第2環状溝G2を形成する工程と、第1環状溝G1におけるロータRの回転軸心方向の一方側でロータRの外周部側に第2環状溝G2に連続する第3環状溝G3を形成する工程とを有する。
また、本実施形態の環状溝の加工方法は、第1環状溝G1におけるロータRの回転軸心方向の一方側に第2環状溝G2及び第3環状溝G3を形成した後、第1環状溝G1におけるロータRの回転軸心方向の他方側に第2環状溝G2及び第3環状溝G3を形成する。
即ち、まず、図7−1に示すように、ロータRが回転している状態で、図示しない切削工具を切削送り方向Aの前進側に移動することにより、一定な幅を有する第1環状溝G1を形成する。次に、図7−2に示すように、切削工具10Aを用い、ロータRが回転している状態で、チップホルダ12Aのチップ支持部22を介して切削用チップ11Aを第1環状溝G1内に挿入する。そして、切削用チップ11Aを第1環状溝G1におけるロータRの回転軸心方向の一方側(図7−2にて、左方側)に寄せ、切削送り方向A1に移動することで、ロータRの回転軸心側に第1環状溝G1に連続する第2環状溝G2を形成する。この場合、切削用チップ11Aを切削送り方向A1に移動させた後、切削送り方向A1と逆方向に移動して所定の切り込み量を設定した後、再び、切削送り方向A1に移動することで第2環状溝G2を形成する。この切削用チップ11Aによる切削加工の繰り返しにより第1環状溝G1の壁面に第2環状溝G2を形成する。
続いて、図7−3に示すように、切削工具10Bを用い、ロータRが回転している状態で、チップホルダ12Bのチップ支持部22を介して切削用チップ11Bを第1環状溝G1内に挿入する。そして、切削用チップ11Bを第1環状溝G1におけるロータRの回転軸心方向の一方側(図7−3にて、左方側)に寄せ、切削送り方向A2に移動することで、ロータRの外周部側に第1環状溝G1及び第2環状溝G2に連続する第3環状溝G3を形成する。この場合、切削用チップ11Bを切削送り方向A2に移動させた後、切削送り方向A2と逆方向に移動して所定の切り込み量を設定した後、再び、切削送り方向A2に移動することで第3環状溝G3を形成する。この切削用チップ11Bによる切削加工の繰り返しにより第1環状溝G1の壁面に第3環状溝G3を形成する。
切削工具10A,10Bを用い、第1環状溝G1の一方側に第2環状溝G2と第3環状溝G3を形成すると、同様の加工方法により、図7−4に示すように、第1環状溝G1の他方側に第2環状溝G2と第3環状溝G3を形成することで、断面がT字形状をなす環状溝Gが形成される。なお、図示しないが、切削工具10A,10Bに対応して、左右対称となる2個の切削工具を用意しておき、この各切削工具により第1環状溝G1の他方側に第2環状溝と第3環状溝を形成する。
なお、上述の説明では、切削工具10として切削工具10A,10Bを設け、切削用チップ11として2種類の切削用チップ11A,11Bと、チップホルダ12として2種類のチップホルダ12A,12Bをそれぞれ設けたが、この構成に限定されるものではない。図8は、本実施形態の切削工具の第1変形実施形態を表す切削用チップの取付状態の平面図、図9は、本実施形態の切削工具の第2変形実施形態を表す切削用チップの取付状態の側面図である。
第1変形実施形態において、切削工具10Cは、切削用チップ11Cとチップホルダ12Cを有し、切削用チップ11Cは、中心部がチップホルダ12Aにおけるチップ支持部22の先端上端部に固定ピン61により固定されている。切削用チップ11Cは、先細形状をなす30度のチップ62を有し、2個の刃部62a,62bが設けられ、一方の刃部62aにすくい面が確保されている。また、切削用チップ11Cは、先細形状をなす30度のチップ63を有し、2個の刃部63a,63bが設けられている。この場合、切削用チップ11Cは、市販のものであり、両方のチップ62,63を使用可能となっている。そのため、チップ支持部22は、切削用チップ11Cが嵌入する取付凹部64が形成され、切削用チップ11Cの刃部63a,63bを支持する左右のガイド面64a,64bが設けられている。そして、チップ支持部22は、各ガイド面64a,64bの交差部に切欠部65が設けられている。この切削工具10Cは、環状溝の幅が大きいものに適用することができる。
また、第2変形実施形態において、切削工具10Dは、切削用チップ11Dとチップホルダ12Dを有し、切削用チップ11Dは、中心部がチップホルダ12Dにおけるチップ支持部22の先端上端部に固定ピン71により固定されている。切削用チップ11Dは、先細形状をなす30度のチップ72を有すると共に、支持部73を有している。チップ支持部22は、切削用チップ11Dが嵌入する取付凹部74が形成され、切削用チップ11Dの支持部73を支持する左右のガイド面74a,74bが設けられている。そして、チップ支持部22は、切削用チップ11Dの支持部73を支持するチップ支持部22における先端部側のガイド面74aの高さがガイド面74b側の高さより低く設定されている。そのため、チップ支持部22による切削用チップ11Dの支持剛性を高めることができる。
このように本実施形態の切削工具にあっては、切削用チップ11(11A,11B)と、チップホルダ12(12A,12B)とを備え、チップホルダ12(12A,12B)は、幅W1寸法より高さH1寸法が大きく設定されると共に切削送り方向Aに交差する第1取付面31及び第1取付面31に交差する第2取付面32を有する本体部21と、基端部が本体部21に接続されて先端部における高さ方向の上端部に切削用チップ11(11A,11B)が幅方向における一方側に突出して装着されるチップ支持部22と、チップ支持部22における高さ方向に沿って設けられる補強部23と、チップ支持部22から突出した切削用チップ11(11A,11B)を支持するチップ受部24とを有する。
従って、切削用チップ11(11A,11B)を保持するチップホルダ12(12A,12B)は、本体部21が第1取付面31と第2取付面32を介して加工装置に取付けられることから、高精度な取付が可能となり、本体部21の幅W1寸法より高さH1寸法が大きいことから、剛性が向上して切削加工時に作用する応力による変形が抑制される。また、チップホルダ12(12A,12B)は、チップ支持部22が補強部23により補強されることで、ねじれ剛性が向上して切削加工時に作用する応力による変形が抑制される。更に、切削用チップ11(11A,11B)がチップ受部24により安定して支持されることで、切削加工時に作用する応力による切削用チップ11(11A,11B)の変形が抑制される。その結果、環状溝Gの加工時における切削用チップ11(11A,11B)の振動を抑制して環状溝Gの加工精度を向上することができる。
本実施形態の切削工具では、補強部23は、切削用チップ11(11A,11B)側が凹となる湾曲形状をなしている。従って、補強部23が湾曲形状をなすことで、この補強部23が切削するロータRの外周部と同形状となり、補強部23とロータRとの干渉を防止することができる一方で、補強部23に十分な厚さを確保し、切削加工時におけるチップ支持部22のねじれを抑制して加工精度を向上することができる。
本実施形態の切削工具では、第2取付面32と第3取付面33の交差部に切欠部34を設けている。従って、チップホルダ12(12A,12B)は、2個の取付面32,33が加工装置の取付面に適正に接触することとなり、チップホルダ12(12A,12B)の取付精度を向上することができる。
本実施形態の切削工具では、チップ受部24は、切削用チップ11(11A,11B)から離間する方向に向けて細くなる先細形状をなすと共に、切削用チップ11(11A,11B)による切削送り方向Aの上流側に逃げ面42が形成されている。従って、チップ受部24が先細形状をなすことで、切削用チップ11(11A,11B)からの応力を適正に受け止めることができ、切削用チップ11(11A,11B)を安定して支持することができる。また、切削用チップ11(11A,11B)に逃げ面42が形成されることで、切削用チップ11(11A,11B)による切削加工で発生する切屑が詰まることなく安定して排出することができる。
本実施形態の切削工具では、切削用チップ11(11A,11B)は、チップ支持部22の上端部に固定ピン51により固定されると共に、左右の側部がチップ支持部22に設けられる左右のガイド面54a,54bに支持されている。従って、切削用チップ11(11A,11B)が3点支持されることとなり、切削用チップ11(11A,11B)を安定して支持することができる。
また、本実施形態の環状溝の加工方法にあっては、幅が一定な第1環状溝G1を形成する工程と、第1環状溝G1におけるロータRの回転軸心方向の一方側で且つロータRの回転軸心側に第2環状溝G2を形成する工程と、第1環状溝G1におけるロータRの回転軸心方向の一方側でロータRの外周部側に第2環状溝G2に連続する第3環状溝G3を形成する工程とを有する。
従って、第1環状溝G1に対して第2環状溝G2と第3環状溝G3を形成することで環状溝Gを形成することとなり、環状溝Gの加工時における切削用チップ11(11A,11B)の振動を抑制して環状溝Gの加工精度を向上することができる。
本実施形態の環状溝の加工方法では、第1環状溝GにおけるロータRの回転軸心方向の一方側に第2環状溝G2及び第3環状溝G3を形成した後、第1環状溝G1における回転体の回転軸心方向の他方側に第2環状溝G2及び第3環状溝G3を形成する。従って、断面がT字形状をなす環状溝Gを容易に短時間で、且つ、高精度に形成することができる。
10,10A,10B,10C,10D 切削工具
11,11A,11B,11C,11D 切削用チップ
12,12A,12B,12C,12D チップホルダ
21 本体
22 チップ支持部
23 補強部
24 チップ受部
31,32,33,35 取付面
34 切欠部
36 取付面
37 取付押圧面
38 固定治具
41 段差部
42 逃げ面
51,56,61,71 固定ピン
52,57,62,63,72 チップ
53,58 支持部
54,59,64,74 取付凹部
54a,54b,59a,59b,64a,64b,74a,74b ガイド面
A 切削送り方向
G 環状溝
G1 第1環状溝
G2 第2環状溝
G3 第3環状溝
R ロータ(回転体)

Claims (4)

  1. 切削用チップと、
    前記切削用チップを保持するチップホルダと、
    を備え、
    前記チップホルダは、
    幅寸法より高さ寸法が大きく設定されると共に切削送り方向に交差する第1取付面及び前記第1取付面に交差する第2取付面を有する本体部と、
    基端部が前記本体部に接続されて先端部における高さ方向の上端部に前記切削用チップが幅方向における一方側に突出して装着されるチップ支持部と、
    前記チップ支持部における高さ方向に沿って設けられる補強部と、
    前記チップ支持部から突出した前記切削用チップを支持するチップ受部と、
    を有し、
    前記チップ受部は、前記切削用チップから離間する方向に向けて細くなる先細形状をなすと共に、前記切削用チップによる切削送り方向の上流側に逃げ面が形成される、
    ことを特徴とする切削工具。
  2. 前記補強部は、前記切削用チップ側が凹となる湾曲形状をなすことを特徴とする請求項1に記載の切削工具。
  3. 前記補強部の前記本体部から突出した部分に前記第1取付面と平行な第3取付面を有し、前記第3取付面と前記第2取付面の交差部に切欠部が設けられることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の切削工具。
  4. 前記切削用チップは、前記チップ支持部の上端部に固定ピンにより固定されると共に、左右の側部が前記チップ支持部に設けられる左右のガイド面に支持されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の切削工具。
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