JP2017184690A - 多価不飽和脂肪酸ポリケチドシンターゼ及びその利用 - Google Patents

多価不飽和脂肪酸ポリケチドシンターゼ及びその利用 Download PDF

Info

Publication number
JP2017184690A
JP2017184690A JP2016078016A JP2016078016A JP2017184690A JP 2017184690 A JP2017184690 A JP 2017184690A JP 2016078016 A JP2016078016 A JP 2016078016A JP 2016078016 A JP2016078016 A JP 2016078016A JP 2017184690 A JP2017184690 A JP 2017184690A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
seq
protein
sequence represented
amino acid
acid sequence
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016078016A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6816970B2 (ja
Inventor
徹 大利
Toru Otoshi
徹 大利
佐藤 康治
Koji Sato
康治 佐藤
祥平 林
Shohei Hayashi
祥平 林
哲朗 氏原
Tetsuro Ujihara
哲朗 氏原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyowa Hakko Bio Co Ltd
Original Assignee
Kyowa Hakko Bio Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyowa Hakko Bio Co Ltd filed Critical Kyowa Hakko Bio Co Ltd
Priority to JP2016078016A priority Critical patent/JP6816970B2/ja
Publication of JP2017184690A publication Critical patent/JP2017184690A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6816970B2 publication Critical patent/JP6816970B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Enzymes And Modification Thereof (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Abstract

【課題】本発明の課題は、多価不飽和脂肪酸を合成する活性が向上した多価不飽和脂肪酸ポリケチドシンターゼを提供すること、また、該多価不飽和脂肪酸ポリケチドシンターゼを用いた効率的な多価不飽和脂肪酸の製造法を提供することにある。【解決手段】本発明によれば、多価不飽和脂肪酸ポリケチドシンターゼのアシルキャリアー蛋白質ドメインの数を増加させることにより、多価不飽和脂肪酸を合成する活性を向上させることができる。また、該多価不飽和脂肪酸ポリケチドシンターゼを用いることにより、効率的に多価不飽和脂肪酸を製造することができる。【選択図】なし

Description

本発明は、ドコサヘキサエン酸、エイコサペンタエン酸などの多価不飽和脂肪酸を合成する活性が向上した多価不飽和脂肪酸ポリケチドシンターゼ、該酵素をコードするDNA、該DNAで形質転換した微生物、該微生物を利用した多価不飽和脂肪酸の製造方法に関する。
ドコサヘキサエン酸(以下、DHAという。)、エイコサペンタエン酸(以下、EPAという。)、アラキドン酸(以下、ARAという。)、ドコサペンタエン酸(以下、DPAという。)などの多価不飽和脂肪酸(以下、PUFAという。)は、不飽和結合を複数有する脂肪酸であり、様々な生理機能が知られている。
PUFAの生合成経路としては、好気経路と、多価不飽和脂肪酸ポリケチドシンターゼ(以下、PUFA-PKSという。)による経路の二種類が知られている。好気経路は、脂肪酸合成酵素によって合成されたパルミチン酸などの長鎖脂肪酸に、複数の不飽和化酵素、鎖伸長酵素が作用することで、二重結合の導入、炭素鎖の伸長がなされてPUFAが合成される経路で、古くから多くの生物で知られている合成経路である(非特許文献1)。一方、PUFA-PKSは、アセチルCoAを出発物質としてPUFAを合成する酵素であり、一部の海洋性細菌やラビリンチュラ類真核生物に存在することが示されている(非特許文献2、 非特許文献3)。
PUFA-PKSは、ポリケチドシンターゼと類似の構造からなり、3つ又は4つの蛋白質から構成される蛋白質複合体である。各蛋白質には、PUFAの合成に関わる複数の機能ドメインが存在している。例えば脂肪酸の蛋白質への保持に関わるアシルキャリアー蛋白質(以下、ACPという。)ドメイン、マロニルACPとアシルACPの縮合に関わるβ-ケトアシル-アシルキャリアー蛋白質シンターゼ(以下、KSという。)ドメイン、縮合により生成するケト基を還元するケトレダクターゼ(以下、KRという。)ドメインなどが挙げられる。これらの機能ドメインは、PUFAの合成に必須のものであり、これらの一部を欠く複合酵素では、所望の活性を得ることが出来ないことが知られている(非特許文献4)。
ACPドメインは、ホスホパンテテイニル基を介してチオエステル結合によりアシル基と結合し、脂肪酸合成の場として機能する、典型的には80個から100個のアミノ酸残基からなる低分子ポリペプチドである。PUFA-PKSには、一般的に4個から多い時には10個ものACPドメインがタンデムに並んだ構造が存在している。この構造は、一般的に1つのACPドメインが反応の場となる他のポリケチドシンターゼや脂肪酸合成酵素とは異なる、PUFA-PKSの特徴である。
これまでに、Shewanella属の細菌やストラメノパイル類の真核生物からPUFA-PKSをコードする遺伝子をクローニングし、異種生物で発現させ、PUFAを生産する検討がなされている(非特許文献2、非特許文献5)。このうち、Shewanella oneidensis MR-1由来のPUFA-PKSは、EpaA、EpaB、EpaC、EpaDの4つの蛋白質からなり、さらに、EpaE遺伝子にコードされたホスホパンテテイン転移酵素がACPドメインを活性化することが知られている(非特許文献6)。このPUFA-PKSは、EPAを生産することが確認されている。
また、ストラメノパイル類の真核生物であるSchizochytrium sp. ATCC20888由来のPUFA-PKSは、OrfA、OrfB、OrfCの3つの蛋白質からなる(非特許文献2)。ホスホパンテテイン転移酵素は知られていないものの、シアノバクテリアであるAnabaena(Nostoc) sp. PCC7120由来のHetIが、OrfAのACPドメインを活性化することが知られている(非特許文献5)。
PUFAは生体において様々な重要な役割を果たしているため、PUFA-PKS活性が向上したPUFA-PKSを取得することが出来れば、微生物や油料種子植物などの生物を用いて、PUFAを効率的かつ効果的に生産させることができ、有用である。しかしながら、これまでに知られているPUFA-PKSはその活性が十分ではなく、より高い活性を有する酵素が求められていた。
このような背景のもと、発明者らは、PUFA-PKSのACPドメインの数を増加させることにより、PUFA-PKS活性が大幅に増強することを見出し、本願発明を完成させるに至った。ACPドメインはその数がPUFA-PKS活性の強さに影響することが報告されているが(非特許文献7)、非特許文献7では、ACPドメインが1個又は2個少ない変異型酵素のPUFA-PKS活性が、野生型酵素のそれと比較してわずかな減少であるのに対し、3個以上少ない変異型酵素のPUFA-PKS活性は、顕著に減少することが示されている。
Ann. Rev. Biochem., Vol. 52, p537, 1983 Science, Vol. 293, p290, 2001 PLoS One, Vol. 6, e20146, 2011 Appl. Environ. Microbiol., Vol. 73, p665, 2007 Plant Physiol. and Biochem., Vol. 47, p472, 2009 Biotechnol. Bioprocess Eng., Vol. 11, p510, 2006 Methods Enzymol., Vol. 459, p79, 2009
本発明の課題は、高活性型のPUFA-PKS、該酵素をコードするDNA、該DNAで形質転換した微生物、該微生物を用いた発酵法によるPUFAの製造方法を提供することにある。
本発明は、以下の(1)〜(17)に関する。
(1)多価不飽和脂肪酸(以下、PUFAという。)を合成する活性(以下、PUFA-PKS活性という。)を有する、アシルキャリアー蛋白質(以下、ACPという。)ドメイン、β-ケトアシル-アシルキャリアー蛋白質シンターゼ(以下、KSという。)ドメイン、及びケトレダクターゼ(以下、KRという。)ドメインを含む蛋白質複合体において、元となる該蛋白質複合体に含有されるACPドメインと同一のACPドメインを、元となる該蛋白質複合体に含有されるACPドメイン数より多く保有するACPドメイン増加型蛋白質複合体。
(2)ACPドメインの数が、元となる蛋白質複合体のACPドメイン数より1〜10多い上記(1)に記載のACPドメイン増加型蛋白質複合体。
(3)元となる蛋白質複合体のACPドメイン領域に、直列的にACPドメインが連結されている、上記(1)又は(2)に記載のACPドメイン増加型蛋白質複合体。
(4)ACPドメイン、KSドメイン、KRドメイン、鎖伸長因子ドメイン、デヒドラターゼドメイン、エノイルレダクターゼドメイン、アシル転移酵素ドメイン、マロニル-CoA:ACPアシル転移酵素ドメイン及びホスホパンテテイン転移酵素から構成される上記(1)〜(3)のいずれか1に記載のACPドメイン増加型蛋白質複合体。
(5)PUFAが、ドコサヘキサエン酸(以下、DHAという。)、エイコサペンタエン酸(以下、EPAという。)、ドコサペンタエン酸(以下、DPAという。)、又はアラキドン酸(以下、ARAという。)である上記(1)〜(4)のいずれか1に記載のACPドメイン増加型蛋白質複合体。
(6)元となる蛋白質複合体が、以下の[1]〜[4]のいずれかに記載の蛋白質を含有することを特徴とする上記(1)に記載のACPドメイン増加型蛋白質複合体。
[1]配列番号2で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、又は配列番号2で表わされるアミノ酸配列と95%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつ、配列番号8で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号10で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、及び配列番号12で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質と協働してPUFA-PKS活性を有する相同蛋白質
[2]配列番号14で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、又は配列番号14で表わされるアミノ酸配列と95%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつ、配列番号20で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号22で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号24で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質及び配列番号26で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質と協働してPUFA-PKS活性を有する相同蛋白質
[3]配列番号28で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、又は配列番号28で表わされるアミノ酸配列と95%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつ、配列番号34で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号36で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号38で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質及び配列番号40で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質と協働してPUFA-PKS活性を有する相同蛋白質
[4]配列番号42で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、又は配列番号42で表わされるアミノ酸配列と95%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつ、配列番号48で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号50で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号52で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質及び配列番号54で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質と協働してPUFA-PKS活性を有する相同蛋白質
(7)以下の[5]〜[12]のいずれかに記載の蛋白質を含有する上記(1)に記載のACPドメイン増加型蛋白質複合体。
[5]配列番号4で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質
[6]配列番号6で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質
[7]配列番号16で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質
[8]配列番号18で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質
[9]配列番号30で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質
[10]配列番号32で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質
[11]配列番号44で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質
[12]配列番号46で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質
(8)元の蛋白質複合体が、以下の[13]〜[16]のいずれかに記載の蛋白質複合体である請求項1に記載のACPドメイン増加型蛋白質複合体。
[13]上記(6)[1]に記載の蛋白質、配列番号8で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号10で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、及び配列番号12で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質からなる蛋白質複合体
[14]上記(6)[2]に記載の蛋白質、配列番号20で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号22で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号24で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質及び配列番号26で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質からなる蛋白質複合体
[15]上記(6)[3]に記載の蛋白質、配列番号34で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号36で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号38で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質及び配列番号40で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質からなる蛋白質複合体
[16]上記(6)[4]に記載の蛋白質、配列番号48で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号50で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号52で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質及び配列番号54で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質からなる蛋白質複合体
(9)以下の[17]〜[24]のいずれかである上記(1)に記載のACPドメイン増加型蛋白質複合体。
[17]配列番号4で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号8で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号10で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、及び配列番号12で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質からなる蛋白質複合体
[18]配列番号6で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号8で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号10で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、及び配列番号12で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質からなる蛋白質複合体
[19]配列番号16で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号20で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号22で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号24で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質及び配列番号26で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質からなる蛋白質複合体
[20]配列番号18で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号20で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号22で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号24で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質及び配列番号26で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質からなる蛋白質複合体
[21]配列番号30表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号34で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号36で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号38で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質及び配列番号40で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質からなる蛋白質複合体
[22]配列番号32で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号34で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号36で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号38で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質及び配列番号40で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質からなる蛋白質複合体
[23]配列番号44で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号48で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号50で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号52で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質及び配列番号54で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質からなる蛋白質複合体
[24]配列番号46で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号48で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号50で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号52で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質及び配列番号54で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質からなる蛋白質複合体
(10)以下の[25]〜[34]のいずれかに記載のDNA。
[25]上記(1)〜(6)のいずれかに記載される、元となる蛋白質複合体に含有されるACPドメインと同一のACPドメインを、元となる該蛋白質複合体に含有されるACPドメイン数より多く保有するACPドメインを有する蛋白質をコードするDNA
[26]上記(7)[5]〜[12]のいずれかに記載の蛋白質をコードするDNA
[27]配列番号3で表わされる塩基配列を含むDNA、又は配列番号3で表わされる塩基配列と95%以上の同一性を有する塩基酸配列からなり、かつ、配列番号8で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号10で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、及び配列番号12で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質と協働してPUFA-PKS活性を有する蛋白質をコードするDNA
[28]配列番号5で表わされる塩基配列を含むDNA、又は配列番号5で表わされる塩基配列と95%以上の同一性を有する塩基酸配列からなり、かつ、配列番号8で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号10で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、及び配列番号12で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質と協働してPUFA-PKS活性を有する蛋白質をコードするDNA
[29]配列番号15で表される塩基配列を含むDNA、又は配列番号15で表わされる塩基配列と95%以上の同一性を有する塩基配列からなり、かつ、配列番号20で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号22で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号24で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質及び配列番号26で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質と協働してPUFA-PKS活性を有する蛋白質をコードするDNA
[30]配列番号17で表される塩基配列を含むDNA、又は配列番号17で表わされる塩基配列と95%以上の同一性を有する塩基配列からなり、かつ、配列番号20で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号22で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号24で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質及び配列番号26で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質と協働してPUFA-PKS活性を有する蛋白質をコードするDNA
[31]配列番号29で表される塩基配列を含むDNA、又は配列番号29で表わされる塩基配列と95%以上の同一性を有する塩基配列からなり、かつ、配列番号34で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号36で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号38で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質及び配列番号40で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質と協働してPUFA-PKS活性を有する蛋白質をコードするDNA
[32]配列番号31で表される塩基配列を含むDNA、又は配列番号31で表わされる塩基配列と95%以上の同一性を有する塩基配列からなり、かつ、配列番号34で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号36で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号38で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質及び配列番号40で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質と協働してPUFA-PKS活性を有する蛋白質をコードするDNA
[33]配列番号43で表される塩基配列を含むDNA、又は配列番号43で表わされる塩基配列と95%以上の同一性を有する塩基配列からなり、かつ、配列番号48で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号50で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号52で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質及び配列番号54で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質と協働してPUFA-PKS活性を有する蛋白質をコードするDNA
[34]配列番号45で表される塩基配列を含むDNA、又は配列番号45で表わされる塩基配列と95%以上の同一性を有する塩基配列からなり、かつ、配列番号48で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号50で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号52で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質及び配列番号54で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質と協働してPUFA-PKS活性を有する蛋白質をコードするDNA
(11)以下の[35]〜[43]のいずれかに記載のDNA群。
[35]上記(10)[25]のDNA、及び該DNAにコードされる蛋白質と協働してPUFA-PKS活性を有する蛋白質をコードするDNAを含むDNA群
[36]上記(7)[5]の蛋白質をコードするDNA、又は上記(10)[27]のDNA、並びに配列番号7で表される塩基配列を含むDNA、配列番号9で表される塩基配列を含むDNA、及び配列番号11で表される塩基配列を含むDNAからなるDNA群
[37]上記(7)[6]の蛋白質をコードするDNA、又は上記(10)[28]のDNA、並びに配列番号7で表される塩基配列を含むDNA、配列番号9で表される塩基配列を含むDNA、及び配列番号11で表される塩基配列を含むDNAからなるDNA群
[38]上記(7)[7]の蛋白質をコードするDNA、又は上記(10)[29]のDNA、並びに配列番号19で表される塩基配列を含むDNA、配列番号21で表される塩基配列を含むDNA、配列番号23で表される塩基配列を含むDNA、及び配列番号25で表される塩基配列を含むDNAからなるDNA群
[39]上記(7)[8]の蛋白質をコードするDNA、又は上記(10)[30]のDNA、並びに配列番号19で表される塩基配列を含むDNA、配列番号21で表される塩基配列を含むDNA、配列番号23で表される塩基配列を含むDNA、及び配列番号25で表される塩基配列を含むDNAからなるDNA群
[40]上記(7)[9]の蛋白質をコードするDNA、又は上記(10)[31]のDNA、並びに配列番号33で表される塩基配列を含むDNA、配列番号35で表される塩基配列を含むDNA、配列番号37で表される塩基配列を含むDNA、及び配列番号39で表される塩基配列を含むDNAからなるDNA群
[41]上記(7)[10]の蛋白質をコードするDNA、又は上記(10)[32]のDNA、並びに配列番号33で表される塩基配列を含むDNA、配列番号35で表される塩基配列を含むDNA、配列番号37で表される塩基配列を含むDNA、及び配列番号39で表される塩基配列を含むDNAからなるDNA群
[42]上記(7)[11]の蛋白質をコードするDNA、又は上記(10)[33]のDNA、並びに配列番号47で表される塩基配列を含むDNA、配列番号49で表される塩基配列を含むDNA、配列番号51で表される塩基配列を含むDNA、及び配列番号53で表される塩基配列を含むDNAからなるDNA群
[43]上記(7)[12]の蛋白質をコードするDNA、又は上記(10)[34]のDNA、並びに配列番号47で表される塩基配列を含むDNA、配列番号49で表される塩基配列を含むDNA、配列番号51で表される塩基配列を含むDNA、及び配列番号53で表される塩基配列を含むDNAからなるDNA群
(12)上記(1)〜(9)のいずれか1に記載のACPドメイン増加型蛋白質複合体を生産する微生物。
(13)上記(10)又は(11)に記載のDNAを有する微生物。
(14)微生物が、さらに、当該微生物が元来保有するアシルCoAデヒドロゲナーゼの活性が低下、又は喪失した微生物である、上記(12)又は(13)に記載の微生物。
(15)微生物が、エシェリヒア属に属する微生物である、上記(12)〜(14)のいずれか1に記載の微生物。
(16)上記(12)〜(15)のいずれかに記載の微生物を培地に培養し、培養物中にPUFA、又はPUFA含有組成物を生成、蓄積させ、該培養物からPUFA、又はPUFA含有組成物を採取することを特徴とする、PUFA、又はPUFA含有組成物の製造方法。
(17)PUFAが、DHA、EPA、DPA及びARAからなる群より選ばれるPUFAである、上記(16)に記載の製造方法。
本発明により、高活性型のPUFA-PKS、該酵素をコードするDNA、該DNAで形質転換した微生物、該微生物を用いた発酵法によるPUFAの製造法が提供される。
Shizochytorium sp. ATCC2088及びShewanella oneidensis MR-1が有するPUFA-PKSのドメイン構造を表わす。ACP : acyl carrier protein (アシルキャリアープロテイン)ドメイン、AT : acyltransferase (アシルトランスフェラーゼ、アシル転移酵素)ドメイン、CLF : chain length factor (鎖伸長因子)ドメイン、DH : dehydratase (デヒドラターゼ、脱水酵素)ドメイン、ER : enoyl reductase (エノイルレダクターゼ、エノイル還元酵素)ドメイン、KR : ketoreductase (ケトレダクターゼ、ケト還元酵素)ドメイン、 KS : 3-ketoacyl synthase (3-ケトアシル合成酵素)ドメイン、 MAT : malonyl-CoA:ACP acyltransferase (マロニル-CoA:ACPアシル転移酵素)ドメイン
1 本発明のACPドメイン増加型蛋白質複合体
1.1 本発明のACPドメイン増加型蛋白質複合体の例-1
本発明は、PUFA-PKS活性を有する、ACPドメイン、KSドメイン、及びKRドメインを含む蛋白質複合体において、元となる該蛋白質複合体に含有されるACPドメインと同一のACPドメインを、元となる該蛋白質複合体に含有されるACPドメイン数より多く保有するACPドメイン増加型蛋白質複合体(以下、本発明のACPドメイン増加型蛋白質複合体という。)に関する。
PUFA-PKS活性とは、アセチルCoAを出発物質としてPUFAを合成する活性のことをいい、PUFA-PKS活性を有する蛋白質複合体は、PUFA-PKSともいう。
本発明のACPドメイン増加型蛋白質複合体が合成するPUFAとしては、PUFA 1分子が有する炭素原子の数が18〜30個、好ましくは、19〜23個、より好ましくは20〜22個であり、かつ、1分子中に2〜10個、好ましくは3〜8個、より好ましくは4〜6個の二重結合を有するPUFAを、好ましくは、DHA、EPA、DPA及びARAからなる群より選ばれるPUFAを、より好ましくはDHA又はEPAを挙げることができる。
本発明のACP増加型蛋白質複合体がPUFA-PKS活性を有することは、後述の5に記載の方法により、本発明のACPドメイン増加型蛋白質複合体をコードするDNAで形質転換した微生物を造成し、6に記載の方法により、該微生物を培地に培養し、培養物中にPUFAを生成、蓄積させ、該培養物中に蓄積したPUFAを、ガスクロマトグラフィーで測定することにより、確認することができる。
ACPドメインとは、PUFA-PKS活性を有する蛋白質複合体を構成する蛋白質が有するドメインであり、ホスホパンテテイニル基を介してチオエステル結合によりアシル基と結合し、脂肪酸合成の場として機能する、PUFA-PKS活性に必須のドメインをいう。
KSドメインとは、PUFA-PKS活性を有する蛋白質複合体を構成する蛋白質が有するドメインであり、マロニルACPとアシルACPの縮合に関わるドメインをいう。
KRドメインとは、PUFA-PKS活性を有する蛋白質複合体を構成する蛋白質が有するドメインであり、縮合により生成するケト基の還元に関わるドメインをいう。
ドメインとは、蛋白質中の連続するアミノ酸配列からなる一部分であって、当該蛋白質において、特定の生物学的活性又は機能を有する領域である。
本明細書において「元となる蛋白質複合体」とは、本発明のACP増加型蛋白質複合体において、ACPドメインを増加させる前の蛋白質複合体のことをいう。
本発明のACPドメイン増加型蛋白質複合体において、元となる蛋白質複合体と比較して増加しているACPドメインの数としては、1〜10、好ましくは1〜7、より好ましくは1〜4、最も好ましくは1〜2を挙げることができる。
ACPドメインの数は、元となる蛋白質複合体をコードするDNAに、後述の4に記載の方法でACPドメインをコードするDNAを挿入することによって増加させることができる。ACPドメインをコードするDNAを挿入する部位としては、該蛋白質複合体が元来有する活性を消失させない部位であれば、いずれの部位に挿入してもよいが、例えば、該蛋白質複合体のACPドメイン領域に直列的に連結する部位を挙げることができる。
ACPドメイン領域とは、PUFA-PKS活性を有する蛋白質複合体のうちACPドメインを有する蛋白質において、複数のACPドメインが連続して存在する領域のことをいう。
本発明のACPドメイン増加型蛋白質複合体において、元となる蛋白質複合体と比べてACPドメインが増加していることは、後述の4に記載の方法により、本発明のACPドメイン増加型蛋白質複合体のうちACPドメインを有する蛋白質をコードするDNAの塩基配列を取得し、元となる蛋白質複合体のうちACPドメインを有する蛋白質をコードするDNAの塩基配列と比較することにより、増加した塩基配列を取得し、当該増加した塩基配列によりコードされるアミノ酸配列をクエリーとして、元となる蛋白質複合体うちACPドメインを有する蛋白質のACPドメインに対して相同性検索をした結果、少なくとも95%以上、好ましくは97%以上、より好ましくは98%以上、最も好ましくは99%以上の同一性を有することにより、確認することができる。
塩基配列やアミノ酸配列の同一性は、Karlin and AltschulによるアルゴリズムBLAST[Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 90, 5873 (1993)]やFASTA[Methods Enzymol., 183, 63 (1990)]を用いて決定することができる。このアルゴリズムBLASTに基づいて、BLASTNやBLASTXとよばれるプログラムが開発されている[J. Mol. Biol., 215, 403 (1990)]。BLASTに基づいてBLASTNによって塩基配列を解析する場合には、パラメータは例えばscore=100、wordlength=12とする。また、BLASTに基づいてBLASTXによってアミノ酸配列を解析する場合には、パラメータは、例えばscore=50、wordlength=3とする。BLASTとGapped BLASTプログラムを用いる場合には、各プログラムのデフォルトパラメータを用いる。これらの解析方法の具体的な手法は公知である。
本発明のACPドメイン増加型蛋白質複合体は、ACPドメイン、KSドメイン、KRドメインに加え、さらに、鎖伸長因子ドメイン、デヒドラターゼドメイン、エノイルレダクダーゼドメイン、アシル転移酵素ドメイン、マロニル−CoA:ACPアシル転移酵素ドメイン及びホスホパンテテイン転移酵素を含んでいてもよい。
鎖伸長因子ドメインとは、PUFA-PKS活性を有する蛋白質複合体を構成する蛋白質が有するドメインであり、炭素鎖の伸長に関わるドメインのことをいう。
デヒドラターゼドメインとは、PUFA-PKS活性を有する蛋白質複合体を構成する蛋白質が有するドメインであり、ケトン基を還元することによって生じた水酸基の脱水に関わるドメインをのことをいう。
エノイルレダクダーゼドメインとは、PUFA-PKS活性を有する蛋白質複合体を構成する蛋白質が有するドメインであり、生じた二重結合の還元に関わるドメインのことをいう。
アシル転移酵素ドメイン、マロニル−CoA:ACPアシル転移酵素ドメインとは、PUFA-PKS活性を有する蛋白質複合体を構成する蛋白質が有するドメインであり、アシル基の転移に関わるドメインのことをいう。
ホスホパンテテイン転移酵素とは、PUFA-PKS活性を有する蛋白質複合体を構成する酵素であり、ACPドメインの活性化に関わる酵素のことをいう。
本発明のACP増加型蛋白質複合体及び元となる蛋白質複合体を構成する蛋白質は、当該蛋白質複合体が、PUFA-PKS活性を有する限りにおいて、相互に物理的に結合していてもよく、分離していてもよい。
本発明のACPドメイン増加型蛋白質複合体の元となる蛋白質複合体としては、PUFA−PKS活性を有する蛋白質複合体であれば野生型及び変異型のPUFA-PKS活性を有する蛋白質のいすれのものでもよいが、PUFA-PKS活性を元来有する微生物が有するPUFA-PKS活性を有する蛋白質複合体、以下の[1]〜[4]のいずれかに記載の蛋白質を含有する蛋白質複合体、及び、以下の[13]〜[16]のいずれかに記載の蛋白質複合体を挙げることができる。
[1]配列番号2で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号2で表わされるアミノ酸配列と95%以上、好ましくは97%以上、より好ましくは98%以上、最も好ましくは99%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつ、配列番号8で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号10で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、及び配列番号12で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質と協働してPUFA-PKS活性を有する相同蛋白質、又は、配列番号2で表わされるアミノ酸配列において、1〜20個、好ましくは1〜10個、より好ましくは1〜5個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、配列番号8で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号10で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、及び配列番号12で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質と協働してPUFA-PKS活性を有する変異蛋白質
[2]配列番号14で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号14で表わされるアミノ酸配列と95%以上、好ましくは97%以上、より好ましくは98%以上、最も好ましくは99%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつ、配列番号20で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号22で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号24で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質及び配列番号26で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質と協働してPUFA-PKS活性を有する相同蛋白質、又は、配列番号14で表されるアミノ酸配列において、1〜20個、好ましくは1〜10個、より好ましくは1〜5個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、配列番号20で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号22で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号24で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質及び配列番号26で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質と協働してPUFA-PKS活性を有する変異蛋白質
[3]配列番号28で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号28で表わされるアミノ酸配列と95%以上、好ましくは97%以上、より好ましくは98%以上、最も好ましくは99%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつ、配列番号34で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号36で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号38で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質及び配列番号40で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質と協働してPUFA-PKS活性を有する相同蛋白質、又は、配列番号28で表されるアミノ酸において、1〜20個、好ましくは1〜10個、より好ましくは1〜5個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、配列番号34で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号36で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号38で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質及び配列番号40で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質と協働してPUFA-PKS活性を有する変異蛋白質
[4]配列番号42で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号42で表わされるアミノ酸配列と95%以上、、好ましくは97%以上、より好ましくは98%以上、最も好ましくは99%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつ、配列番号48で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号50で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号52で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質及び配列番号54で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質と協働してPUFA-PKS活性を有する相同蛋白質、又は、配列番号42で表されるアミノ酸配列において、1〜20個、好ましくは1〜10個、より好ましくは1〜5個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、配列番号48で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号50で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号52で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質及び配列番号54で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質と協働してPUFA-PKS活性を有する変異蛋白質
[13]上記[1]に記載の蛋白質、配列番号8で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号10で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、及び配列番号12で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質からなる蛋白質複合体
[14]上記[2]に記載の蛋白質、配列番号20で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号22で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号24で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質及び配列番号26で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質からなる蛋白質複合体
[15]上記[3]に記載の蛋白質、配列番号34で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号36で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号38で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質及び配列番号40で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質からなる蛋白質複合体
[16]上記[4]に記載の蛋白質、配列番号48で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号50で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号52で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質及び配列番号54で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質からなる蛋白質複合体
配列番号2で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質は2910アミノ酸残基からなり、アミノ酸配列としてN末端側から、1102〜1204残基、1205〜1313残基、1314〜1424残基、1425〜1535残基、1536〜1651残基、1652〜1762残基、1763〜1866残基、1867〜1977残基、及び1978〜2081残基の領域にACPドメインを有する。
配列番号14で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質は2531アミノ酸残基からなり、アミノ酸配列としてN末端側から、1223〜1327残基、1328〜1438残基、1439〜1514残基、及び1515〜1616残基の領域にACPドメインを有する。
配列番号28で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質は1556アミノ酸残基からなり、アミノ酸配列としてN末端側から、1127〜1204残基、1205〜1318残基、1319〜1430残基、及び1431〜1544残基の領域にACPドメインを有する。
配列番号42で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質は1732アミノ酸残基からなり、アミノ酸配列としてN末端側から、1254〜1330残基、1331〜1432残基、1433〜1533残基、1534〜1634残基、及び1635〜1740残基の領域にACPドメインを有する。
上記[1]〜[4]に記載の蛋白質を有する蛋白質複合体において、該蛋白質以外の、蛋白質複合体を構成する蛋白質としては、上記[1]〜[4]に記載の蛋白質と協働してPUFA-PKS活性を有する蛋白質であればいずれのものでもよいが、具体的には、上記[1]に記載の蛋白質と協働してPUFA−PKS活性を有する蛋白質としては、上記[13]に記載の、[1]に記載の蛋白質以外の蛋白質を、上記[2]に記載の蛋白質と協働してPUFA−PKS活性を有する蛋白質としては、上記[14]に記載の、[2]に記載の蛋白質以外の蛋白質を、上記[3]に記載の蛋白質と協働してPUFA−PKS活性を有する蛋白質としては、上記[15]に記載の、[3]に記載の蛋白質以外の蛋白質を、上記[4]に記載の蛋白質と協働してPUFA−PKS活性を有する蛋白質としては、上記[16]に記載の、[4]に記載の蛋白質以外の蛋白質を、それぞれ挙げることができる。
上記[13]〜[16]に記載の蛋白質複合体において、各蛋白質複合体に含まれる蛋白質のうちACPドメインを有する蛋白質以外の蛋白質としては、該蛋白質に代えて、それぞれの該蛋白質が有するアミノ酸配列と少なくとも95%以上、好ましくは97%以上、より好ましくは98%以上、最も好ましくは99%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつ、該蛋白質と複合体を構成する他の蛋白質と協働してPUFA-PKS活性を有する相同蛋白質、又は、該蛋白質が有するアミノ酸配列において、1〜20個、好ましくは1〜10個、より好ましくは1〜5個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、該蛋白質と複合体を構成する他の蛋白質と協働してPUFA-PKS活性を有する変異蛋白質を用いてもよい。
相同蛋白質とは、元となる蛋白質と構造及び機能が類似することにより、その蛋白質をコードする遺伝子が進化上の起源を元の蛋白質をコードする遺伝子と同一にすると考えられる蛋白質であって、自然界に存在する生物が有する蛋白質をいう。
変異型蛋白質とは、元となる蛋白質中のアミノ酸残基を人為的に欠失若しくは置換、又は該蛋白質中にアミノ酸残基を挿入若しくは付加して得られる蛋白質をいう。
欠失、置換、挿入又は付加されるアミノ酸は天然型と非天然型とを問わない。天然型アミノ酸としては、L-アラニン、L-アスパラギン、L-アスパラギン酸、L-グルタミン、L-グルタミン酸、グリシン、L-ヒスチジン、L-イソロイシン、L-ロイシン、L-リジン、L-アルギニン、L-メチオニン、L-フェニルアラニン、L-プロリン、L-セリン、L-スレオニン、L-トリプトファン、L-チロシン、L-バリン、L-システインなどが挙げられる。
以下に、相互に置換可能なアミノ酸の例を示す。同一群に含まれるアミノ酸は相互に置換可能である。
A群:ロイシン、イソロイシン、ノルロイシン、バリン、ノルバリン、アラニン、2-アミノブタン酸、メチオニン、O-メチルセリン、t-ブチルグリシン、t-ブチルアラニン、シクロヘキシルアラニン
B群:アスパラギン酸、グルタミン酸、イソアスパラギン酸、イソグルタミン酸、2-アミノアジピン酸、2-アミノスベリン酸
C群:アスパラギン、グルタミン
D群:リジン、アルギニン、オルニチン、2,4-ジアミノブタン酸、2,3-ジアミノプロピオン酸
E群:プロリン、3-ヒドロキシプロリン、4-ヒドロキシプロリン
F群:セリン、スレオニン、ホモセリン
G群:フェニルアラニン、チロシン
本明細書において「協働する」とは、ある蛋白質を他の蛋白質と共存させたとき、一体となって特定の反応を行うことであり、特に本明細書では、PUFA-PKS活性に必要な複数の蛋白質を共存させたとき、他の蛋白質と一体となってPUFA-PKS活性を示すことをいう。
PUFA-PKS活性を元来有する微生物としては、シュワネラ属(Shewanella)、コルウェリア属(Colwellia)、デサルファチバチルム属(Desulfatibacillum)、サイクロフレクサス属(Psychroflexus)、シゾキトリウム属(Schizochytrium)、ノストック属(Nostoc)、ミクロシスティス属(Microcystis)、サッカロポリスポラ属(Saccharopolyspora)、ジオバクター属(Geobacter)、プランクトマイセス属(Planctomyces)、デサルフォコッカス属(Desulfococcus)、ソランギウム属(Sorangium)、レニバクテリウム属(Renibacterium)、チチノファガ属(Chitinophaga)、グレオバクター属(Gleobacter)、アゾトバクター属(Azotobacter)、ロドコッカス(Rhodococcus)、ソリバクター属(Solibacter)、デサルフォバクテリウム属(Desulfobacterium)、クロストリジウム属(Clostridium)、スラウストキトリウム属(Thraustochytrium)、ウルケニア属(Ulkenia)、ジャポノチトリウム属(Japonochytrium)、オーランチオキトリウム属(Aurantiochytrium)、モリテラ属(Moritella)、オーレオスピラ属(Aureispira)からなる群より選ばれる属に属する微生物を、好ましくは、Shewanella pealeana ATCC700345、Shewanella oneidensis MR-1、Colwellia psychrerythraea 34H、Desulfatibacillium alkenivorans AK-01、Psychroflexus torquis ATCC700755、Schizochytrium sp. ATCC 20888、Nostoc punctiforme PCC73102、Nostoc sp. PCC7120、Microcystis aeruginosa NITES-843、Saccharopolyspora erythraea NRRL2338、Geobacter bemidjiensis Bem、Planctomyces limnophilus DSM3776、Desufococcus oleovorans Hxd3、Sorangium cellulosum ‘So ce 56’、Renibacterium salmoninarum ATCC33209、Chitinophaga pinensis DSM2588、Gloeobacter violaceus PCC7421、Azotobacter vinelandii DJ、Rhodococcus erythrophicum HRM2、Clostridium thermocellum ATCC 27405、Schizochytrium minutum、Schizochytrium sp. S31 ATCC20888、Schizochytrium sp. S8 ATCC20889、Schizochytrium sp. LC-RM ATCC18915、Schizochytrium sp. SR21、Schizochytrium aggregatum ATCC28209、Schizochytrium limacinum IF0 32693、Thraustochytrium sp. 23B ATCC20891、Thraustochytrium striatum ATCC24473、Thraustochytrium aureum ATCC34304、Thraustochytrium roseum ATCC28210、Ulkenia sp. BP-5601、Aureispira marina JCM23201、Moritella marina MP-1及びJaponochytrium sp. L1 ATCC28207からなる群より選ばれる微生物を、最も好ましくは、Shewanella peapeana ATCC700345、Shewanella oneidensis MR-1、Colwellia psychrerythraea 34H、Moritella marina MP-1、Schizochytrium sp. ATCC20888、Aureispira marina JCM23201、Nostoc sp. PCC7120からなる群より選ばれる微生物を挙げることができる(FEMS Microbiol. Lett. (2009), Vol. 295, p170-176、PLos ONE (2011), Vol. 6(5), art. no. e20146)。
PUFA-PKS活性を元来有する微生物が有する、PUFA-PKS活性を有する蛋白質複合体としては、例えば、配列番号2、8、10、及び12で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質からなる蛋白質複合体、配列番号14、20、22、24、 及び26で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質からなる蛋白質複合体、配列番号28、34、36、38、及び40で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質からなる蛋白質複合体、並びに、配列番号42、48、50、52、及び54で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質からなる蛋白質複合体等を挙げることができる。
1.2 本発明のACPドメイン増加型蛋白質複合体の例-2
本発明のACPドメイン増加型蛋白質複合体の例としては、以下の[5]〜[12]のいずれかに記載の蛋白質を含有するACPドメイン増加型蛋白質複合体、及び、以下の[17]〜[24]のいずれかに記載のACPドメイン増加型蛋白質複合体を、好ましくは、以下の[17]〜[24]のいずれかに記載のACPドメイン増加型蛋白質複合体を挙げることができる。
[5]配列番号4で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号4で表わされるアミノ酸配列と95%以上、好ましくは97%以上、より好ましくは98%以上、最も好ましくは99%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつ、配列番号8で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号10で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、及び配列番号12で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質と協働してPUFA-PKS活性を有する蛋白質、又は、配列番号4で表わされるアミノ酸配列において、1〜20個、好ましくは1〜10個、より好ましくは1〜5個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、配列番号8で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号10で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質及び配列番号12で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質と協働してPUFA-PKS活性を有する蛋白質
[6]配列番号6で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号6で表わされるアミノ酸配列と95%以上、好ましくは97%以上、より好ましくは98%以上、最も好ましくは99%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつ、配列番号8で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号10で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、及び配列番号12で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質と協働してPUFA-PKS活性を有する蛋白質、又は、配列番号6で表わされるアミノ酸配列において、1〜20個、好ましくは1〜10個、より好ましくは1〜5個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、配列番号8で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号10で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質及び配列番号12で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質と協働してPUFA-PKS活性を有する蛋白質
[7]配列番号16で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号16で表わされるアミノ酸配列と95%以上、好ましくは97%以上、より好ましくは98%以上、最も好ましくは99%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつ、配列番号20で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号22で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号24で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質及び配列番号26で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質と協働してPUFA-PKS活性を有する蛋白質、又は、配列番号16で表わされるアミノ酸配列において、1〜20個、好ましくは1〜10個、より好ましくは1〜5個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、配列番号20で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号22で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号24で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質及び配列番号26で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質と協働してPUFA-PKS活性を有する蛋白質
[8]配列番号18で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号18で表わされるアミノ酸配列と95%以上、好ましくは97%以上、より好ましくは98%以上、最も好ましくは99%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつ、配列番号20で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号22で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号24で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質及び配列番号26で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質と協働してPUFA-PKS活性を有する蛋白質、又は、配列番号18で表わされるアミノ酸配列において、1〜20個、好ましくは1〜10個、より好ましくは1〜5個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、配列番号20で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号22で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号24で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質及び配列番号26で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質と協働してPUFA-PKS活性を有する蛋白質
[9]配列番号30で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号30で表わされるアミノ酸配列と95%以上、好ましくは97%以上、より好ましくは98%以上、最も好ましくは99%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつ、配列番号34で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号36で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号38で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質及び配列番号40で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質と協働してPUFA-PKS活性を有する蛋白質、又は、配列番号30で表わされるアミノ酸配列において、1〜20個、好ましくは1〜10個、より好ましくは1〜5個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、配列番号34で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号36で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号38で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質及び配列番号40で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質と協働してPUFA-PKS活性を有する蛋白質
[10]配列番号32で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号32で表わされるアミノ酸配列と95%以上、好ましくは97%以上、より好ましくは98%以上、最も好ましくは99%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつ、配列番号34で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号36で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号38で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質及び配列番号40で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質と協働してPUFA-PKS活性を有する蛋白質、又は、配列番号32で表わされるアミノ酸配列において、1〜20個、好ましくは1〜10個、より好ましくは1〜5個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、配列番号34で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号36で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号38で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質及び配列番号40で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質と協働してPUFA-PKS活性を有する蛋白質
[11]配列番号44で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号44で表わされるアミノ酸配列と95%以上、好ましくは97%以上、より好ましくは98%以上、最も好ましくは99%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつ、配列番号48で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号50で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号52で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質及び配列番号54で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質と協働してPUFA-PKS活性を有する蛋白質、又は、配列番号44で表わされるアミノ酸配列において、1〜20個、好ましくは1〜10個、より好ましくは1〜5個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、配列番号48で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号50で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号52で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質及び配列番号54で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質と協働してPUFA-PKS活性を有する蛋白質
[12]配列番号46で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号46で表わされるアミノ酸配列と95%以上、好ましくは97%以上、より好ましくは98%以上、最も好ましくは99%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつ、配列番号48で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号50で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号52で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質及び配列番号54で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質と協働してPUFA-PKS活性を有する蛋白質、又は、配列番号46で表わされるアミノ酸配列において、1〜20個、好ましくは1〜10個、より好ましくは1〜5個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、配列番号48で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号50で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号52で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質及び配列番号54で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質と協働してPUFA-PKS活性を有する蛋白質
[17]配列番号4で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号8で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号10で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、及び配列番号12で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質からなる蛋白質複合体
[18]配列番号6で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号8で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号10で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、及び配列番号12で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質からなる蛋白質複合体
[19]配列番号16で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号20で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号22で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号24で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質及び配列番号26で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質からなる蛋白質複合体
[20]配列番号18で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号20で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号22で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号24で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質及び配列番号26で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質からなる蛋白質複合体
[21]配列番号30表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号34で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号36で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号38で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質及び配列番号40で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質からなる蛋白質複合体
[22]配列番号32で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号34で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号36で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号38で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質及び配列番号40で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質からなる蛋白質複合体
[23]配列番号44で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号48で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号50で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号52で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質及び配列番号54で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質からなる蛋白質複合体
[24]配列番号46で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号48で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号50で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号52で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質及び配列番号54で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質からなる蛋白質複合体
配列番号4で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質及び配列番号6で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質には、それぞれ5個又は6個のACPドメインが存在する。
配列番号4で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質は3019アミノ酸残基からなる蛋白質であり、N末端側から、1102〜1204残基、1205〜1313残基、1314〜1424残基、1425〜1535残基、1536〜1651残基、1652〜1762残基、1763〜1866残基、1867〜1977残基、1978〜2081残基、及び2082〜2195残基にACPドメインを有する。
配列番号6で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質は3135アミノ酸残基からなる蛋白質であり、N末端側から、1102〜1204残基、1205〜1313残基、1314〜1424残基、1425〜1535残基、1536〜1651残基、1652〜1762残基、1763〜1866残基、1867〜1977残基、1978〜2081残基、2082〜2195残基、及び2196〜2306残基にACPドメインを有する。
配列番号16で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質及び配列番号18で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質には、それぞれ5個又は6個のACPドメインが存在する。
配列番号16で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質は2639アミノ酸残基からなる蛋白質であり、N末端側から、1223〜1327残基、1328〜1430残基、1431〜1541残基、1542〜1617残基、及び1618〜1719残基にACPドメインを有する。
配列番号18で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質は2748アミノ酸残基からなる蛋白質であり、N末端側から、1223〜1327残基、1328〜1430残基、1431〜1541残基、1534〜1644残基、1615〜1720残基、及び1721〜1822残基にACPドメインを有する。
配列番号30で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質及び配列番号32で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質には、それぞれ5個又は6個のACPドメインが存在する。
配列番号30で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質は1670アミノ酸残基からなる蛋白質であり、N末端側から、1127〜1204残基、1205〜1318残基、1319〜1430残基、1431〜1544残基、及び1545〜1658残基にACPドメインを有する。
配列番号32で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質は1784アミノ酸残基からなる蛋白質であり、N末端側から、1127〜1204残基、1205〜1318残基、1319〜1430残基、1431〜1544残基、1545〜1658残基、及び1659〜1772残基にACPドメインを有する。
配列番号44で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質及び配列番号46で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質には、それぞれ6個又は7個のACPドメインが存在する。
配列番号44で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質は2754アミノ酸残基からなる蛋白質であり、N末端側から、1254〜1330残基、1331〜1432残基、1433〜1533残基、1534〜1634残基、1635〜1740残基、及び1741〜1842残基にACPドメインを有する。
配列番号46で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質は2856アミノ酸残基からなる蛋白質であり、N末端側から、1254〜1330残基、1331〜1432残基、1433〜1533残基、1534〜1634残基、1635〜1740残基、1741〜1842残基、及び1843〜1944残基にACPドメインを有する。
上記[5]〜[12]に記載の蛋白質を有する本発明のACP増加型蛋白質複合体において、該蛋白質以外の、本発明のACP増加型蛋白質複合体を構成する蛋白質としては、上記[5]〜[12]に記載の蛋白質と協働してPUFA-PKS活性を有する蛋白質であればいずれのものでもよいが、具体的には、上記[5]及び[6]に記載の蛋白質と協働してPUFA−PKS活性を有する蛋白質としては、上記[17]及び[18]に記載の、配列番号4及び6で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質以外の蛋白質を、上記[7]及び[8]に記載の蛋白質と協働してPUFA−PKS活性を有する蛋白質としては、上記[19]及び[20]に記載の、配列番号16及び18で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質以外の蛋白質を、上記[9]及び[10]に記載の蛋白質と協働してPUFA−PKS活性を有する蛋白質としては、上記[21]及び[22]に記載の、配列番号30及び32で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質以外の蛋白質を、上記[11]及び[12]に記載の蛋白質と協働してPUFA−PKS活性を有する蛋白質としては、上記[23]及び[24]に記載の、配列番号44及び46で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質以外の蛋白質を、それぞれ挙げることができる。
上記[17]〜[24]に記載の蛋白質複合体において、各蛋白質複合体のうちACPドメインを有する蛋白質としては、それぞれの該蛋白質に代えて、それぞれの該蛋白質が有するアミノ酸配列と少なくとも95%以上、好ましくは97%以上、より好ましくは98%以上、最も好ましくは99%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつ、該蛋白質と複合体を構成する他の蛋白質と協働してPUFA-PKS活性を有する蛋白質、又は、該蛋白質が有するアミノ酸配列において、1〜20個、好ましくは1〜10個、より好ましくは1〜5個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、該蛋白質と複合体を構成する他の蛋白質と協働してPUFA-PKS活性を有する蛋白質を用いてもよい。
上記[17]〜[24]に記載の蛋白質複合体において、各蛋白質複合体のうちACPドメインを有する蛋白質以外の蛋白質としては、それぞれの該蛋白質に代えて、それぞれの該蛋白蛋白質が有するアミノ酸配列と少なくとも95%以上、好ましくは97%以上、より好ましくは98%以上、最も好ましくは99%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつ、該蛋白質と複合体を構成する他の蛋白質と協働してPUFA-PKS活性を有する相同蛋白質、又は、該蛋白質が有するアミノ酸配列において、1〜20個、好ましくは1〜10個、より好ましくは1〜5個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、該蛋白質と複合体を構成する他の蛋白質と協働してPUFA-PKS活性を有する変異蛋白質を用いてもよい。
相同蛋白質及び変異蛋白質に関する記載は上記と同じである。
2.本発明のDNA
本発明は、本発明のACP増加型蛋白質複合体をコードするDNA(以下、本発明のDNAという。)を含む。
本発明のDNAは、複数のDNAから構成されるDNA群であってもよい。
2.1 本発明のDNAの例-1
本発明のDNAとしては、以下の[25]〜[34]のいずれかに記載のDNAを挙げることができる。
[25]上記(1)〜(6)のいずれかに記載される、元となる蛋白質複合体に含有されるACPドメインと同一のACPドメインを、元となる該蛋白質複合体に含有されるACPドメイン数より多く保有するACPドメインを有する蛋白質をコードするDNA
[26]上記[5]〜[12]のいずれかに記載の蛋白質をコードするDNA
[27]配列番号3で表わされる塩基配列を含むDNA、配列番号3で表わされる塩基配列と95%以上、好ましくは97%以上、より好ましくは98%以上、より好ましくは99%以上の同一性を有する塩基酸配列からなり、かつ、配列番号8で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号10で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、及び配列番号12で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質と協働してPUFA-PKS活性を有する蛋白質をコードするDNA、又は、配列番号3で表わされる塩基配列と相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件でハイブリダイズし、かつ、配列番号8で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号10で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、及び配列番号12で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質と協働してPUFA-PKS活性を有する蛋白質をコードするDNA
[28]配列番号5で表わされる塩基配列を含むDNA、配列番号5で表わされる塩基配列と95%以上、好ましくは97%以上、より好ましくは98%以上、より好ましくは99%以上の同一性を有する塩基酸配列からなり、かつ、配列番号8で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号10で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、及び配列番号12で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質と協働してPUFA-PKS活性を有する蛋白質をコードするDNA、又は、配列番号5で表わされる塩基配列と相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件でハイブリダイズし、かつ、配列番号8で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号10で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、及び配列番号12で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質と協働してPUFA-PKS活性を有する蛋白質をコードするDNA
[29]配列番号15で表される塩基配列を含むDNA、配列番号15で表わされる塩基配列と95%以上、好ましくは97%以上、より好ましくは98%以上、より好ましくは99%以上の同一性を有する塩基配列からなり、かつ、配列番号20で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号22で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号24で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質及び配列番号26で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質と協働してPUFA-PKS活性を有する蛋白質をコードするDNA、又は、配列番号15で表わされる塩基配列と相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件でハイブリダイズし、かつ、配列番号20で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号22で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号24で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質及び配列番号26で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質と協働してPUFA-PKS活性を有する蛋白質をコードするDNA
[30]配列番号17で表される塩基配列を含むDNA、配列番号17で表わされる塩基配列と95%以上、好ましくは97%以上、より好ましくは98%以上、より好ましくは99%以上の同一性を有する塩基配列からなり、かつ、配列番号20で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号22で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号24で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質及び配列番号26で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質と協働してPUFA-PKS活性を有する蛋白質をコードするDNA、又は、配列番号17で表わされる塩基配列と相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件でハイブリダイズし、かつ、配列番号20で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号22で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号24で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質及び配列番号26で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質と協働してPUFA-PKS活性を有する蛋白質をコードするDNA
[31]配列番号29で表される塩基配列を含むDNA、配列番号29で表わされる塩基配列と95%以上、好ましくは97%以上、より好ましくは98%以上、より好ましくは99%以上の同一性を有する塩基配列からなり、かつ、配列番号34で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号36で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号38で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質及び配列番号40で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質と協働してPUFA-PKS活性を有する蛋白質をコードするDNA、又は、配列番号29で表わされる塩基配列と相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件でハイブリダイズし、かつ、配列番号34で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号36で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号38で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質及び配列番号40で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質と協働してPUFA-PKS活性を有する蛋白質をコードするDNA
[32]配列番号31で表される塩基配列を含むDNA、配列番号31で表わされる塩基配列と95%以上、好ましくは97%以上、より好ましくは98%以上、より好ましくは99%以上の同一性を有する塩基配列からなり、かつ、配列番号34で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号36で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号38で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質及び配列番号40で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質と協働してPUFA-PKS活性を有する蛋白質をコードするDNA、又は、配列番号31で表わされる塩基配列と相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件でハイブリダイズし、かつ、配列番号34で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号36で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号38で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質及び配列番号40で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質と協働してPUFA-PKS活性を有する蛋白質をコードするDNA
[33]配列番号43で表される塩基配列を含むDNA、配列番号43で表わされる塩基配列と95%以上、好ましくは97%以上、より好ましくは98%以上、より好ましくは99%以上の同一性を有する塩基配列からなり、かつ、配列番号48で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号50で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号52で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質及び配列番号54で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質と協働してPUFA-PKS活性を有する蛋白質をコードするDNA、又は、配列番号43で表わされる塩基配列と相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件でハイブリダイズし、かつ、配列番号48で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号50で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号52で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質及び配列番号54で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質と協働してPUFA-PKS活性を有する蛋白質をコードするDNA
[34]配列番号45で表される塩基配列を含むDNA、配列番号45で表わされる塩基配列と95%以上、好ましくは97%以上、より好ましくは98%以上、より好ましくは99%以上の同一性を有する塩基配列からなり、かつ、配列番号48で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号50で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号52で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質及び配列番号54で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質と協働してPUFA-PKS活性を有する蛋白質をコードするDNA、又は、配列番号45で表わされる塩基配列と相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件でハイブリダイズし、かつ、配列番号48で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号50で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号52で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質及び配列番号54で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質と協働してPUFA-PKS活性を有する蛋白質をコードするDNA
上記において「ハイブリダイズする」とは、特定の塩基配列を有するDNA又は該DNAの一部がハイブリダイズする工程である。したがって、該特定の塩基配列を有するDNA又は該DNAの一部の塩基配列は、ノーザン又はサザンブロット解析のプローブとして有用であるか、又はPCR解析のオリゴヌクレオチドプライマーとして使用できる長さのDNAであってもよい。プローブとして用いるDNAとしては、少なくとも100塩基以上、好ましくは200塩基以上、より好ましくは500塩基以上のDNAを挙げることができ、プライマーとして用いられるDNAとしては、少なくとも10塩基以上、好ましくは15塩基以上のDNAを挙げることができる。
DNAのハイブリダイゼーション実験の方法はよく知られており、例えば、モレキュラー・クローニング第4版(2012年)、Methods for General and Molecular Bacteriology, ASM Press (1994)、Immunology methods manual, Academic press (Molecular)に記載の他、他の標準的な教科書に従ってハイブリダイゼーションの条件を決定し、実験を行うことができる。
また、市販のハイブリダイゼーションキットに付属した説明書に従うことによっても、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAを取得することができる。市販のハイブリダイゼーションキットとしては、例えばランダムプライム法によりプローブを作製し、ストリンジェントな条件でハイブリダイゼーションを行うランダムプライムドDNAラべリングキット(ロシュ・ダイアグノスティックス社製)等を挙げることができる。
上記のストリンジェントな条件とは、例えばDNAを固定化したフィルターとプローブDNAとを50%ホルムアミド、5×SSC (750 mMの塩化ナトリウム、75 mMのクエン酸ナトリウム)、50 mMのリン酸ナトリウム(pH 7.6)、5×デンハルト溶液、10%の硫酸デキストラン、及び20μg/Lの変性させたサケ精子DNAを含む溶液中において42℃で一晩、インキュベートした後、例えば約65℃の0.2×SSC溶液中で該フィルターを洗浄する条件を挙げることができる。
上記した様々な条件は、ハイブリダイゼーション実験のバックグラウンドを抑えるために用いるブロッキング溶液を添加、又は変更することにより設定することもできる。上記したブロッキング試薬の添加は、条件を適合させるために、ハイブリダイゼーション条件の変更を伴ってもよい。
上記したストリンジェントな条件下でハイブリダイズ可能なDNAとしては、例えば上記したBLAST及びFASTA等のプログラムを用いて、上記パラメータに基づいて計算したときに、元となる塩基配列と少なくとも95%以上、好ましくは97%以上、さらに好ましくは98%以上、もっとも好ましくは99%以上の同一性を有する塩基配列からなるDNAを挙げることができる。
2.2 本発明のDNAの例-2
本発明のDNAとしては、さらに、以下の[35]〜[43]のいずれかに記載のDNA群を挙げることができる。
[35]上記[25]のDNA、及び該DNAにコードされる蛋白質と協働してPUFA-PKS活性を有する蛋白質をコードするDNAを含むDNA群
[36]上記[5]の蛋白質をコードするDNA、又は上記[27]のDNA、並びに配列番号7で表される塩基配列を含むDNA、配列番号9で表される塩基配列を含むDNA、及び配列番号11で表される塩基配列を含むDNAからなるDNA群
[37]上記[6]の蛋白質をコードするDNA、又は上記[28]のDNA、並びに配列番号7で表される塩基配列を含むDNA、配列番号9で表される塩基配列を含むDNA、及び配列番号11で表される塩基配列を含むDNAからなるDNA群
[38]上記[7]の蛋白質をコードするDNA、又は上記[29]のDNA、並びに配列番号19で表される塩基配列を含むDNA、配列番号21で表される塩基配列を含むDNA、配列番号23で表される塩基配列を含むDNA、及び配列番号25で表される塩基配列を含むDNAからなるDNA群
[39]上記[8]の蛋白質をコードするDNA、又は上記[30]のDNA、並びに配列番号19で表される塩基配列を含むDNA、配列番号21で表される塩基配列を含むDNA、配列番号23で表される塩基配列を含むDNA、及び配列番号25で表される塩基配列を含むDNAからなるDNA群
[40]上記[9]の蛋白質をコードするDNA、又は上記[31]のDNA、並びに配列番号33で表される塩基配列を含むDNA、配列番号35で表される塩基配列を含むDNA、配列番号37で表される塩基配列を含むDNA、及び配列番号39で表される塩基配列を含むDNAからなるDNA群
[41]上記[10]の蛋白質をコードするDNA、又は上記[32]のDNA、並びに配列番号33で表される塩基配列を含むDNA、配列番号35で表される塩基配列を含むDNA、配列番号37で表される塩基配列を含むDNA、及び配列番号39で表される塩基配列を含むDNAからなるDNA群
[42]上記[11]の蛋白質をコードするDNA、又は上記[33]のDNA、並びに配列番号47で表される塩基配列を含むDNA、配列番号49で表される塩基配列を含むDNA、配列番号51で表される塩基配列を含むDNA、及び配列番号53で表される塩基配列を含むDNAからなるDNA群
[43]上記[12]の蛋白質をコードするDNA、又は上記[34]のDNA、並びに配列番号47で表される塩基配列を含むDNA、配列番号49で表される塩基配列を含むDNA、配列番号51で表される塩基配列を含むDNA、及び配列番号53で表される塩基配列を含むDNAからなるDNA群
上記[36]〜[43]に記載のDNA群において、各DNA群に含まれるDNAのうち、ACPドメインを有する蛋白質をコードするDNA以外のDNAとしては、該DNAに代えて、該DNAが有する塩基配列と少なくとも95%以上、好ましくは97%以上、より好ましくは98%以上、最も好ましくは99%以上の同一性を有する塩基配列からなり、かつ、該DNAがコードする蛋白質と複合体を構成する他の蛋白質と協働してPUFA-PKS活性を有する相同蛋白質をコードするDNA、又は、該DNAと相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件でハイブリダイズし、かつ、該DNAがコードする蛋白質と複合体を構成する他の蛋白質と協働してPUFA-PKS活性を有する相同蛋白質をコードするDNAを用いてもよい。
ハイブリダイゼーション及びストリンジェントな条件に関する記載は上記と同じである。
2.3 本発明のDNAを有する組換え体DNA
本発明のDNAには、上記の本発明のDNAを有する組換え体DNAを含む。
該組換え体DNAは、本発明のDNAが、宿主生物において自律複製可能又は染色体中への組み込みが可能で、該DNAを転写できる位置にプロモーターを含有している発現ベクターに組み込まれている組換え体DNAである。
宿主生物については、下記3に後述する。
宿主生物に細菌などの原核生物を親株として用いる場合は、該組換え体DNAは、プロモーター、リボソーム結合配列、上記の本発明のDNA、及び転写終結配列により構成された組換え体DNAであることが好ましい。プロモーターを制御する遺伝子が含まれていてもよい。
リボソーム結合領域であるシャイン‐ダルガノ(Shine-Dalgarno)配列と開始コドンとの間を適当な距離(例えば6〜18塩基)に調節したプラスミドを用いることが好ましい。該組換え体DNAにおいては、該DNAの発現に転写終結因子は必ずしも必要ではないが、構造遺伝子の直下に転写終結配列を配置することが好ましい。
親株にエシェリヒア属に属する微生物を用いる場合は、発現ベクターとして、例えば、pColdI(タカラバイオ社製)、pET21a、pCOLADuet-1、pACYCDuet-1、pCDF-1b、pRSF-1b(いずれもノバジェン社製)、pMAL-c2x(ニューイングランドバイオラブス社製)、pGEX-4T-1(ジーイーヘルスケアバイオサイエンス社製)、pTrcHis(インビトロエジェン社製)、pSE280(インビトロジェン社製)、pGEMEX-1(プロメガ社製)、pQE-30(キアゲン社製)、pET-3(ノバジェン社製)、pTrc99A (ジーイーヘルスケアバイオサイエンス社製)、pKYP10(特開昭58-110600)、pKYP200[Agric. Biol. Chem., 48, 669 (1984)]、pLSA1[Agric. Biol. Chem., 53, 277 (1989)]、pGEL1[Proc. Natl. Acad. Sci., USA, 82, 4306 (1985)]、pBluescriptII SK(+)、pBluescriptII KS(-)(ストラタジーン社製)、pTrS30[エシェリヒア・コリ JM109/pTrS30(Ferm BP-5407)より調整]、pTrS32[エシェリヒア・コリ JM109/pTrS32(Ferm BP-5408)より調整]、pTK31[APPLIED AND ENVIRONMENTAL MICROBIOLOGY、2007、Vol. 73、No. 20、p6378-6385]、pPAC31(WO98/12343)、pUC19[Gene,33 ,103(1985)]、pSTV28(タカラバイオ社製)、pUC118(タカラバイオ社製)、pPA1(特開昭63-233798)、pHSG298(タカラバイオ社製)、pUC18(タカラバイオ社製)、等を挙げることができる。
上記発現ベクターを用いる場合のプロモーターとしては、エシェリヒア属に属する微生物の細胞中で機能するものであればいかなるものでもよいが、例えば、trpプロモーター(Ptrp)、lacプロモーター(Plac)、PLプロモーター、PRプロモーター、PSEプロモーター、T7プロモーター等の、エシェリヒア・コリやファージ等に由来するプロモーターを用いることができる。また、Ptrpを2つ直列させたプロモーター、tacプロモーター、trcプロモーター、lacT7プロモーター、letIプロモーターのように人為的に設計改変されたプロモーターも用いることができる。
親株にコリネ型細菌を用いる場合は、発現ベクターとしては、例えば、pCG1(特開昭57-134500)、pCG2(特開昭58-35197)、pCG4(特開昭57-183799)、pCG11(特開昭57-134500)、pCG116、pCE54、pCB101(いずれも特開昭58-105999)、pCE51、pCE52、pCE53[いずれもMolecular and General Genetics, 196, 175(1984)]等を挙げることができる。
上記発現ベクターを用いる場合のプロモーターとしては、コリネ型細菌の細胞中で機能するものであればいかなるものでよいが、例えば、P54-6プロモーター[Appl. Microbiol. Biotechnol., 53, 674-679(2000)]を用いることができる。
親株に酵母菌株を用いる場合には、発現ベクターとしては、例えば、YEp13(ATCC37115)、YEp24(ATCC37051)、YCp51(ATCC37419)、pHS19、pHS15等を挙げることができる。
上記発現ベクターを用いる場合のプロモーターとしては、酵母菌株の細胞中で機能するものであればいかなるものでもよいが、例えば、PH05プロモーター、PGKプロモーター、GAPプロモーター、ADHプロモーター、gal 1プロモーター、gal 10プロモーター、ヒートショックポリペプチドプロモーター、MFα1プロモーター、CUP1プロモーター等のプロモーターを挙げることができる。
3. 本発明の微生物
本発明は、上記2に記載の、本発明のDNAで親株を形質転換して得られる微生物(以下、本発明の微生物という。)を含む。また、本発明の微生物は、さらに、該親株に比べアシルCoAデヒドロゲナーゼの活性が低下又は喪失していてもよい。
親株とは、遺伝子改変及び形質転換等の対象となる元の微生物のことをいいう。
親株はいずれの微生物であってもよいが、例えば、任意の細菌、原生生物、微細藻類、真菌、原生動物を挙げることができる。
特に微細藻類としては、ヤブレツボカビ目の微生物を挙げることができる。ヤブレツボカビ目の微生物としては、スラウストキトリウム属、ラビリンチュロイデス属、ジャポノチトリウム属、シゾキトリウム属、オーランチオキトリウム属からなる群より選ばれる微生物を挙げることができる。
これらの属内の好ましい種は、限定されるものではないが、シゾキトリウム・ミヌツム(Schizochytrium minutum)、シゾキトリウム・エスピー(S31)(ATCC 20888)、シゾキトリウム・エスピー(S8)(ATCC20889)、シゾキトリウム・エスピー(LC-RM)(ATCC18915)、シゾキトリウム・エスピー(SR21)、シゾキトリウム・アグレガツム(Goldstein及びBelsky)(ATCC28209)、シゾキトリウム・リマシナム(Honda及びYokochi)(IF0 32693)、スラウストキトリム・ストリアツム(Schneider)(ATCC24473)、スラウストキトリウム・オーレウム(Goldstein)(ATCC34304)、ストラウストキトリウム・ローゼウム(Golden)(ATCC28210)、ウルケニア・エスピーBP-5601、ジャポノチトリウム・エスピー(L1)(ATCC28207)、及びオーランチオキトリウム・エスピー(Aurantiochytrium sp.)OH4(FERM BP-11524)を挙げることができる。
特に真菌としては、サッカロマイセス。セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、サッカロマイセス・カールスベルゲンシス(Saccharomyces carlsbergensis)を含む酵母、もしくはカンジダ(Candida)、クルイベロマイセス(Kluyveromyces)のような他の酵母、又は他の真菌、例えば、アスペルギルス(Aspergillus)、ノイロスポラ(Neurospora)、ペニシリウム(Penicillium)のような繊維状真菌などを挙げることができる。
特に細菌としては、好ましくは、エシェリヒア属、セラチア属、バチルス属、ブレビバクテリウム属、コリネバクテリウム属、ミクロバクテリウム属、シュードモナス属、及びオーレオスピラ属からなる群より選ばれる属に属する微生物を、最も好ましくは、Escherichia coli XL-1 Blue、Escherichia coli XL-2 ble、Escherichia coli DH1、Escherichia coli MC1000、Escherichia coli KY3276、Escherichia coli W1485、Escherichia coli JM109、Escherichia coli HB101、Escherichia coli No.49、Escherichia coli W3110、Escherichia coli NY49、Escherichia coli BLR(DE3)(ノバジェン社製)、Escherichia coli BL21 codon plus(ストラタジーン社)、Serratia ficaia、Serratia fonticola、Serratia liquefaciens、Serratia marcesscens、Bacillus subtilis、Bacillus amyloliquefacuens、Brevibacterium immariophilim ATCC14068、Brevibacterium saccharolyticum ATCC14066、Corynebacterium ammoniagenes、Corynebacterium glutamicum ATCC13032、Corynebacterium glutamicum ATCC14067、Corynebacterium glutamicum ATCC13869、Corynebacterium acetoacidophilum ATCC13870、Microbacterium ammoniaphilum ATCC15354、Pseudomonas sp. D-0110及びAureispira marina JCM23201からなる群より選ばれる微生物を挙げることができる。
本発明の微生物としては、例えば、上記2.3の組換え体DNAで親株を形質転換して得られる、細胞中のアセチルCoAを出発物質としてPUFAを生産することができる微生物を、具体的には、実施例3に記載のBLR(DE)ΔfadE / pCDF-OrfB’, pCOLA Duet-OrfC, pSTV-HetI, pET21-OrfA10株、及びBLR(DE)ΔfadE / pCDF-OrfB’, pCOLA Duet-OrfC, pSTV-HetI, pET21-OrfA11株を、並びに、実施例6に記載のBLR(DE3)ΔfadE / pCDF-EpaC, pColADuet-EpaD, pACYCDuet-EpaEB, pET21-EpaA5株、及びBLR(DE3)ΔfadE / pCDF-EpaC, pColADuet-EpaD, pACYCDuet-EpaEB, pET21-EpaA6株を挙げることができる。
該組換え体DNAは、親株において自律複製可能なプラスミドとして導入されるか、又は親株のDNAに組み込まれる。
親株がPUFA-PKS活性を有する既知の蛋白質複合体をコードする遺伝子を有する場合には、本発明の微生物には、当該既知の蛋白質複合体を構成する、ACPドメインを有する蛋白質にACPドメインを挿入、付加することによって、ACPドメインの数を増加させた蛋白質を有する蛋白質複合体を有する微生物を造成することができる。ACPドメインを挿入、付加する部位としては、当該蛋白質が元来有する活性を消失させない部位であれば、当該蛋白質のいずれの部位に挿入、付加してもよいが、例えば、当該蛋白質において、元来存在するACPドメインに連続する部位を挙げることができる。
また、本発明の微生物は、さらに、親株に比べアシルCoAデヒドロゲナーゼの活性が低下又は喪失していてもよい。
アシルCoAデヒドロゲナーゼとは、アシルCoAデヒドロゲナーゼ活性を有する蛋白質をいう。
アシルCoAデヒドロゲナーゼ活性とは、アシルCoAに二重結合を導入する活性をいう。
親株に比べアシルCoAデヒドロゲナーゼの活性が低下又は喪失した微生物としては、染色体DNA上に存在する変異が入っていない野生型の該蛋白質をコードするDNAの塩基配列に、塩基の欠失、置換、挿入又は付加を導入することにより得られる、以下の(a)又は(b)の微生物を挙げることができる。
(a)親株に比べ、該蛋白質の比活性が80%以下、好ましくは50%以下、より好ましくは30%以下、さらに好ましくは20%以下、特に好ましくは10%以下、最も好ましくは0%に低下した微生物
(b)親株に比べ、該DNAの転写量又は該蛋白質の生産量が80%以下、好ましくは50%以下、より好ましくは30%以下、さらに好ましくは20%以下、特に好ましくは10%以下、最も好ましくは0%に低下した微生物
より好ましくは、該DNAの一部又は全部が欠損した微生物を挙げることができる。
アシルCoAデヒドロゲナーゼをコードするDNAとしては、アシルCoAデヒドロゲナーゼ活性を有する蛋白質をコードするDNAであればいずれでもよいが、エシェリヒア属に属する微生物を親株とした場合には、例えば、以下の[44]〜[48]からなる群より選ばれるDNAを挙げることができる。
[44]配列番号56で表されるアミノ酸配列からなる蛋白質をコードするDNA
[45]配列番号56で表されるアミノ酸配列と95%以上、好ましくは97%以上、より好ましくは98%以上、最も好ましくは99%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつ、アシルCoAデヒドロゲナーゼ活性を有する相同蛋白質をコードするDNA
[46]配列番号55で表される塩基配列からなるDNA
[47]配列番号55で表わされる塩基配列と95%以上、好ましくは97%以上、より好ましくは98%以上、最も好ましくは99%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつ、アシルCoAデヒドロゲナーゼ活性を有する相同蛋白質をコードするDNA
[48]配列番号55で表される塩基配列と相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件でハイブリダイズし、かつ、アシルCoAデヒドロゲナーゼ活性を有する相同蛋白質をコードするDNA
相同蛋白質に関する記載は、上記1.1の記載と同じである。
ハイブリダイゼーション及びストリンジェントな条件に関する記載は、2.1の記載と同じである。
上記ストリンジェントな条件下でハイブリダイズ可能なDNAとしては、例えば、上記したBLASTやFASTA等を用いて上記したパラメータ等に基づいて計算したときに、配列番号55で表される塩基配列からなるDNAと少なくとも95%以上、好ましくは97%以上、より好ましくは98%以上、最も好ましくは99%以上の同一性を有するDNAを挙げることができる。
アシルCoAデヒドロゲナーゼをコードするDNAは、例えば、配列番号55で表される塩基配列に基づき設計することができるプローブDNAを用い、エシェリヒア・コリW3110株のゲノムDNAを鋳型として、後述の4に記載の方法により取得することができる。
アシルCoAデヒドロゲナーゼをコードするDNAの転写量又は該蛋白質の生産量が低下又は喪失した微生物の例としては、アシルCoAデヒドロゲナーゼをコードするDNAの一部又は全部が欠損した微生物を挙げることができる。具体的には、例えば、実施例3に記載のBLR(DE)ΔfadE / pCDF-OrfB’, pCOLA Duet-OrfC, pSTV-HetI, pET21-OrfA10株、及びBLR(DE)ΔfadE / pCDF-OrfB’, pCOLA Duet-OrfC, pSTV-HetI, pET21-OrfA11株を、並びに、実施例6に記載のBLR(DE3)ΔfadE / pCDF-EpaC, pColADuet-EpaD, pACYCDuet-EpaEB, pET21-EpaA5株、及びBLR(DE3)ΔfadE / pCDF-EpaC, pColADuet-EpaD, pACYCDuet-EpaEB, pET21-EpaA6株を挙げることができる。
本発明の微生物が、親株の細胞中のアセチルCoAを出発基質としてPUFAを生産する能力を獲得したことを確認する方法としては、例えば、下記6の方法で該微生物を培養し、その培養物に蓄積されたPUFAをガスクロマトグラフィーで検出することにより、確認することができる。
また、上記の微生物が、親株に比べ、アシルCoAデヒドロゲナーゼの活性が低下又は喪失した微生物であることは、例えば、親株及び該微生物を、適当な脂肪酸を含む培地で培養し、培養液中の脂肪酸濃度を比較することにより確認することができる。
親株に比べ、アシルCoAデヒドロゲナーゼをコードするDNAの転写量又は該蛋白質の生産量が低下又は喪失した微生物であることは、例えば、該微生物の該遺伝子の転写量を、ノーザン・ブロッティングにより、又は該微生物の該蛋白質の生産量をウェスタン・ブロッティングにより、親株のそれと比較することにより確認することができる。
組換え体DNAで親株を形質転換する方法については、下記5に後述する。
4. 本発明のDNAの取得方法
本発明のACPドメイン増加型蛋白質複合体の元となる蛋白質複合体をコードするDNAは、例えば、配列番号13、19、21、23、及び25で表わされる塩基配列に基づき設計することができるプローブDNAを用いた、微生物、好ましくはシュワネラ(Shewanella)属に属する微生物、より好ましくは、シュワネラ・オネイデンシス(Shewanella oneidensis)MR-1の染色体DNAライブラリーに対するサザンハイブリダイゼーション、又は該塩基配列に基づき設計することができるプライマーDNAを用いた、上記微生物の染色体DNAを鋳型としたPCR[PCR Protocols, Academic Press(1990)]により取得することができる。
シュワネラ・オネイデンシスMR-1株は、アメリカン・ティシュー・カルチャー・コレクション(ATCC)からATCCBAA1096として取得することができる。
配列番号13、19、21、23、及び25で表わされる塩基配列からなるDNAによりコードされる蛋白質の相同蛋白質をコードするDNAは、例えば、各種の遺伝子配列データベースに対して配列番号13、19、21、23、及び25からなる群より選ばれる配列番号で表わされる塩基配列と95%以上、好ましくは97%以上、さらに好ましくは98%以上、最も好ましくは99%以上の同一性を有する塩基配列を検索し、又は、各種の蛋白質配列データベースに対して配列番号14、20、22、24、及び26からなる群より選ばれる配列番号で表わされるアミノ酸配列と95%以上、好ましくは97%以上、さらに好ましくは98%以上、最も好ましくは99%以上の同一性を有するアミノ酸配列を検索し、該検索によって得られた塩基配列又はアミノ酸配列に基づいて設計することができるプローブDNA又はプライマーDNA、及び当該DNAを有する微生物を用いて、上記のDNAを取得する方法と同様の方法によって取得することができる。
配列番号13、19、21、23、及び25で表わされる塩基配列からなるDNAによりコードされる蛋白質、並びにそれらの相同蛋白質の変異型蛋白質をコードするDNAは、例えば、配列番号13、19、21、23、及び25からなる群より選ばれる配列番号で表わされる塩基配列で表わされるDNAを鋳型としてエラープローンPCR等に供することにより取得することができる。
また、目的の変異(欠失、置換、挿入又は付加)が導入されるように設計した塩基配列をそれぞれ5’末端に持つ1組のPCRプライマーを用いたPCR [Gene, 77, 51(1989)]によっても、上記のDNAを取得することができる。すなわち、まず、該DNAの5’端に対応するセンスプライマーと、5’端に変異の配列と相補的な配列を有する、変異導入部位の直前(5’側)の配列に対応するアンチセンスプライマーで該DNAを鋳型にしてPCRを行い、該DNAの5’端から変異導入部位までの断片A(3’端に変異が導入されている)を増幅する。次いで、5’端に変異の配列を有する、変異導入部位の直後(3’側)の配列に対応するセンスプライマーと、該DNAの3’端に対応するアンチセンスプライマーで該DNAを鋳型にしてPCRを行い、5’端に変異が導入された該DNAの変異導入部位から3’端までの断片Bを増幅する。これらの増幅断片同士を精製後、混合して鋳型やプライマーを加えずにPCRを行うと、増幅断片Aのセンス鎖と増幅断片Bのアンチセンス鎖は変異導入部位が共通しているのでハイブリダイズし、プライマー兼鋳型としてPCRの反応が進行し、変異が導入されたDNAが増幅する。
取得した上記のDNAは、そのまま、あるいは適当な制限酵素などで切断し、常法によりベクターに組み込み、得られた組換え体DNAを宿主細胞に導入した後、通常用いられる塩基配列解析方法、例えばジデオキシ法[Proc. Natl. Acad. Sci., USA, 74, 5463(1977)]又は3700 DNAアナライザー(アプライドバイオシステムズ社製)等の塩基配列分析装置を用いて分析することにより、該DNAの塩基配列を決定することができる。上記の宿主細胞としては、例えば、Escherichia coli XL1-Blue、Escherichia coli XL2-Blue、Escherichia coli DH1、Escherichia coli MC1000、Escherichia coli KY3276、Escherichia coli W1485、Escherichia coli JM109、Escherichia coli HB101、Escherichia coli No.49、Escherichia coli W3110、Escherichia coli NY49、Escherichia coli MP347、Escherichia coli NM522、Escherichia coli BLR(DE3)等を挙げることができる。
上記ベクターとしては、pHSG298(タカラバイオ社製)、pUC18(タカラバイオ社製)、pBluescriptII KS(+)(ストラタジーン社製)、pDIRECT[Nucleic Acid res., 18, 6069(1990)]、pCR-Script Amp SK(+)(ストラタジーン社製)、pT7Blue(ノバジェン社製)、pCRII(インビトロジェン社製)及びpCR-TRAP(ジーンハンター社製)等を挙げることができる。
組換え体DNAの導入方法としては、親株細胞へDNAを導入する方法であればいずれも用いることができ、例えば、カルシウムイオンを用いる方法[Proc. Natl. Acad. Sci., USA, 69, 2110(1972)]、プロトプラスト法(特開昭63-248394)、エレクトロポレーション法[Nucleic Acid Res., 16, 6127(1988)]等を挙げることができる。
塩基配列を決定した結果、取得されたDNAが部分長であった場合は、該部分長DNAをプローブに用いた、染色体DNAライブラリーに対するサザンハイブリダイゼーション法等により、全長DNAを取得することができる。
更に、決定されたDNAの塩基配列に基づいて、パーセプティブ・バイオシステムズ社製8905型DNA合成装置等を用いて化学合成することにより目的とするDNAを調整することもできる。
ACPドメイン増加型蛋白質複合体のうちACPドメインを有する蛋白質をコードするDNAは、上記で得られた、ACPドメイン増加型蛋白質複合体の元となる蛋白質複合体のうちACPドメインをコードする蛋白質をコードするDNA、その相同蛋白質をコードするDNA、又は上記で取得した変異型蛋白質をコードするDNAに、以下の方法により、ACPドメインをコードするDNAを挿入、付加することによって取得することができる。
挿入対象のDNAの両末端に位置する2つのDNA断片をPCRでそれぞれ増幅する。次に、ACPドメインをコードするDNAをPCRで増幅する。なお、各断片の連結部分の塩基配列が相補的となるよう、各断片を増幅するプライマーを設計する。さらに、これら3断片を等モル比で混合してPCRの鋳型として、当該3断片が連結されたときにその全体を増幅することができるプライマーを用いてPCRで増幅することにより、当該3断片が結合した目的のDNAを取得することができる。また、上記の工程を繰り返すことにより、複数のACPドメインが挿入されたDNAを取得することもできる。
また、ACPドメインの両末端に認識配列を有する制限酵素を用いた方法を用いてもよい。まず、ACPドメインをPCRで増幅し、ベクターにクローニングする。続いて、PCRにより、クローニングしたACPドメインをコードするDNAの片側末端に存在する、ある制限酵素(以下、制限酵素Aという。)の認識配列を、別の制限酵素(以下、制限酵素Bという。)の認識配列に変異させる。ここで、制限酵素Aの切断断片と、制限酵素Bの切断断片は、コードするアミノ酸のアミノ酸配列を変化させることなく連結でき、また、形成されたDNA断片は、制限酵素A及び制限酵素Bのいずれによっても切断されない。この性質を利用し、制限酵素A及び制限酵素Bを用い、ACPドメインをコードするDNAを段階的に挿入することで、複数のACPドメインが増加したDNAを取得することができる。
本発明のDNAは、配列番号1、7、9、及び11で表わされる塩基配列を有するDNA、その相同蛋白質をコードするDNA、その変異型蛋白質をコードするDNAを、Schizochytrium sp. ATCC20888のゲノムDNA及びAnabaena(Nostoc)sp. PCC7120のゲノムDNAを用いて、上記と同様の方法により取得して、さらに、ACPドメインを増加させたDNAを、上記と同様に取得することにより、取得することができる。
本発明のDNAは、配列番号27、33、35、37、及び39で表わされる塩基配列を有するDNA、その相同蛋白質をコードするDNA、その変異型蛋白質をコードするDNAを、Aureispira marina JCM23201のゲノムDNAを用いて、上記と同様の方法により取得して、さらに、ACPドメインを増加させたDNAを、上記と同様の方法により取得することにより、取得することができる。
また、本発明のDNAは、配列番号41、47、49、51、及び53で表わされる塩基配列を有するDNA、その相同蛋白質をコードするDNA、その変異型蛋白質をコードするDNAを、Moritella marina MP-1のゲノムDNAを用いて、上記と同様の方法により取得して、さらに、ACPドメインを増加させたDNAを、上記と同様の方法により取得することにより、取得することができる。
上記で取得した本発明のDNAは、例えば、上記に記載の適当な発現ベクターのプロモーターの下流に挿入することにより、本発明のDNA又は本発明のDNA群を有する組換え体DNAを作製することができる。
このような組換え体DNAの例としては、実施例において後述するpET21-OrfA10、pCDF-OrfB'、 pCOLADuet-OrfC、及びpSTV-HetIを、pET21-OrfA11、 pCDF-OrfB'、 pCOLADuet-OrfC、及びpSTV-HetIを、pET21-EpaA5、pCDF-EpaC、 pColADuet-EpaD、 及びpACYCDuet-EpaEBを、並びに、pET21-EpaA6、pCDF-EpaC、 pColADuet-EpaD、 及びpACYCDuet-EpaEBを挙げることができる。
5. 本発明の微生物の造成方法
本発明の微生物は、以下の方法によって造成することができる。
上記4の方法で取得することができる組換え体DNAで親株を形質転換する。
親株としては、エシェリヒア属に属する微生物を挙げることができる。
該組換え体DNAを親株において自律複製可能なプラスミドとして導入させる方法としては、例えば、カルシウムイオンを用いる方法[Proc. Natl. Acad. Sci., USA, 69 2110(1972)]、プロトプラスト法(特開昭63-248394)、エレクトロポレーション法[Nucleic Acid Res., 16, 6127(1988)]等の方法を挙げることができる。
該組換え体DNAを親株の染色体DNAに組み込む方法としては、相同組換え法を用いることができる。
相同組換え法は、例えば、導入したい親株内では自律複製できない薬剤耐性遺伝子を有するプラスミドDNAと連結して作製できる相同組換え系を利用して、組換え体DNAを導入する方法を挙げることができ、エシェリヒア・コリで頻用される相同組換えを利用した方法としては、ラムダファージの相同組換え系を利用して、組換え体DNAを導入する方法[Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 97, 6641-6645(2000)]を挙げることができる。
さらに、組換え体DNAと共に染色体上に組み込まれた枯草菌レバンシュークラ―ゼによって大腸菌がシュークロース感受性となることを利用した選択法や、ストレプトマイシン耐性の変異rpsL遺伝子を有する大腸菌に野生型rpsL遺伝子を組み込むことによって大腸菌がストレプトマイシン感受性となることを利用した選択法[Mol. Microbiol., 55, 137(2005)、Biosci. Biotechnol. Biochem., 71, 2905(2007)]等を用いて、親株の染色体DNA上の目的の領域が組換え体DNAに置換された微生物を取得することができる。
上記方法により取得した微生物が目的の微生物であることは、下記6の方法で該微生物を培養し、その培養物に蓄積されたPUFAをガスクロマトグラフィーで検出することにより、確認することができる。
また、本発明の微生物は、さらに、親株に比べアシルCoAデヒドロゲナーゼの活性が低下又は喪失していてもよい。
親株に比べアシルCoAデヒドロゲナーゼの活性が低下又は喪失した微生物は、例えば、本発明の微生物を親株とし、該親株のアシルCoAデヒドロゲナーゼの活性を、通常の突然変異処理法、組換えDNA技術による遺伝子置換法等を用いて、低下、又は喪失させることにより取得することができる。
突然変異処理法としては、例えば、N−メチル−N’−ニトロ−N−ニトロソグアニジン(NTG)を用いる方法(微生物実験マニュアル、1986年、131頁、講談社サイエンティフィック社)、紫外線照射法等を挙げることができる。
組換えDNA技術による遺伝子置換法は、例えば、アシルCoAデヒドロゲナーゼをコードするDNAに、試験管内における変異剤を用いた変異処理、又はエラープローンPCRなどに供することにより変異を導入した後、親株の染色体DNA上に存在する該蛋白質をコードするDNAと、相同組換え法を用いて置換する方法、又は、アシルCoAデヒドロゲナーゼをコードするDNAに1以上の塩基の欠失、置換、挿入又は付加を導入し、上記の相同組換え法を用いて親株の染色体DNA上に存在する該蛋白質をコードするDNAと置換する方法、を挙げることができる。
アシルCoAデヒドロゲナーゼをコードするDNAに1以上の塩基の欠失、置換、挿入、又は付加を導入する方法、及び、上記の方法で調製したDNAを、相同組換え等により親株の染色体DNA上の目的の領域と置換する方法は、上記の方法と同じである。
上記方法により取得した微生物が、親株に比べアシルCoAデヒドロゲナーゼの活性が低下又は喪失した微生物であることは、上記3の方法により確認することができる。
6. 本発明のPUFA又はPUFA含有組成物の製造方法
本発明は、上記5で造成された微生物を培地に培養し、培養物中にPUFA又はPUFA含有組成物を生成、蓄積させ、該培養物からPUFA又はPUFA含有組成物を採取することを特徴とする、PUFA又はPUFA含有組成物の製造方法(以下、本発明の製造方法という。)を含む。
PUFA、及びPUFA含有組成物に含有されるPUFAは、例えば、DHA、EPA、DPA又はARAを、好ましくはDHA又はEPAを挙げることができる。
PUFA含有組成物は、例えば、PUFA含有油脂又はPUFA含有リン脂質を、好ましくはPUFA含有油脂を挙げることができる。
該微生物の培養物は、該微生物を適当な培地に接種して、常法にしたがって培養することにより得ることができる。
培地としては、炭素源、窒素源及び無機塩等を含む公知のものをいずれも使用できる。例えば、炭素源としてはグルコース、フルクトース、ガラクトース等の炭水化物の他、オレイン酸、大豆油などの油脂類や、グリセロール、酢酸ナトリウムなどが例示できる。これらの炭素源は、例えば、培地1リットル当たり20〜300gの濃度で使用することができる。特に好ましい態様によれば、初発の炭素源を消費しつくしたのちに、炭素源をフィードすることにより引き続き培養を行うことができる。このような条件で培養を行うことにより、消費させる炭素源の量を増大させることが可能になり、PUFA含有組成物の生産量を増大させることができる。
また、窒素源としては、酵母エキス、コーンスティープリカー、ポリペプトン、グルタミン酸ナトリウム、尿素等の有機窒素、又は酢酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、硝酸ナトリウム、硝酸アンモニウム、アンモニア等の無機窒素を使用することができる。
無機塩としては、リン酸カリウム等を適宜組み合わせて使用できる。
上記の各成分を含有する培地は、適当な酸又は塩基を加えることによりpHを4.0〜9.5の範囲内に調整した後、オートクレーブにより殺菌して使用することが好ましい。
培養温度は、一般的には10〜45℃であり、好ましくは20〜37℃である。培養温度は、PUFA含有組成物を生産しうる培養温度に制御することが好ましい。培養時のpHは、一般的には3.5〜9.5であり、好ましくは4.5〜9.5である。特に好ましいpHは目的によって異なり、油脂を多く生産するためには、pH 5.0〜8.0である。
培養時間は、例えば2〜7日間とすることができ、通気攪拌培養等で培養を行うことができる。
培養物から培養液と微生物とを分離する方法は、当業者により公知の常法により行うことができ、例えば、遠心分離法や濾過等により行うことができる。
上記の培養物から分離した微生物を、例えば超音波やダイノミルなどによって破砕した後、例えば、クロロホルム、ヘキサン、ブタノール等による溶媒抽出を行うことにより、PUFA含有組成物を得ることができる。
上記の製造法で製造されるPUFA含有組成物は、例えば、低温溶媒分別法[高橋是太郎, 油化学, 40:931-941(1991)]、又はリパーゼ等の加水分解酵素で短鎖の脂肪酸を遊離除去する方法[高橋是太郎, 油化学, 40:931-941(1991)]等の方法により、PUFA含有組成物を濃縮して、PUFA含量が高いPUFA含有組成物を得ることができる。
PUFA含有組成物からPUFAを分離して採取することにより、PUFAを製造することができる。例えば、加水分解法によりPUFA含有組成物からPUFAを含有する混合脂肪酸を調整した後、例えば、尿素付加法、冷却分離法、高速液体クロマトグラフィー法又は超臨界クロマトグラフィー法などにより、PUFAを分離して採取することにより、PUFAを製造することができる。
また、PUFA含有組成物からPUFAアルキルエステルを分離して採取することにより、PUFAアルキルエステルを製造することができる。
PUFAアルキルエステルは、PUFAアルキルエステルであれば特に限定されないが、好ましくは、PUFAエチルエステルを挙げることができる。
PUFA含有組成物からPUFAアルキルエステルを分離して採取するには、例えばアルコーリシス法によりPUFA含有組成物からPUFAアルキルエステルを含有する混合脂肪酸アルキルエステルを調整した後、例えば、尿素付加法、冷却分離法、高速液体クロマトグラフィー法又は超臨界クロマトグラフィー法等により、PUFAアルキルエステルを分離して採取することにより行うことができる。

以下に実施例を示すが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
本発明のDNAの作製-1
大腸菌において、T7プロモーターによりSchizochytrium sp. ATCC20888由来のPUFA-PKSを発現させるために、以下のプラスミドを構築した。まず、常法により抽出した Schizochytrium sp. ATCC20888のゲノムDNAを鋳型に、配列番号57及び58で表わされるプライマーを用いてPCRを行い、Schizochytrium sp. ATCC20888由来のPUFA-PKSのOrfA蛋白質(配列番号2で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質)をコードするDNA(配列番号1で表わされる塩基配列からなるDNA)を含むDNAを得た。得られたDNAを制限酵素NdeI及びEcoRIで処理し、同一の制限酵素処理を行った大腸菌ベクターpET21a (ノバジェン社製)とライゲーションすることにより、pET21-OrfA9を得た。
続いて、Schizochytrium sp. ATCC20888のゲノムDNAを鋳型に、配列番号59及び60で表わされるプライマーを用いてPCRを行い、Schizochytrium sp. ATCC20888由来のPUFA-PKSのOrfB蛋白質(配列番号8で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質)をコードするDNA(配列番号7で表わされる塩基配列からなるDNA)の第4601位から第6180位の塩基までのDNA断片を得た。さらに、大腸菌ベクターpCDF-1b (ノバジェン社製)を鋳型に配列番号61及び62で表わされるプライマーを用いてPCRを行い、pCDF-1bの全長DNA断片を得た。この2つのDNA断片を制限酵素NdeI及びEcoRIで処理し、ライゲーション反応を行うことでpCDF-OrfBdw1.6を得た。
Schizochytrium sp. ATCC20888のゲノムDNAを鋳型に、配列番号63及び64で表わされるプライマーを用いてOrfB蛋白質をコードするDNAの第4051位から第4634位に相当する領域をPCRにて増幅した。このDNA断片を配列番号65で表わされる、インビトロジェン社から購入した、コドンを改変したSer-rich領域を含むDNA断片 (OrfBの第4051位から第4634位に相当する) と混合し、配列番号63及び66で表わされるプライマーを用いてオーバーラップエクステンションPCRにて結合させた。得られたDNA断片を制限酵素NdeI及びSacIIで処理し、同様に制限酵素NdeI及びSacIIで処理したpCDF-OrfBdw1.6とライゲーションした。得られたプラスミドをpCDF-OrfB’dw2.8とした。
さらに、Schizochytrium sp. ATCC20888のゲノムDNAを鋳型に、配列番号67及び68で表わされるプライマーを用いてPCRを行い、OrfB蛋白質をコードするDNAの第1位から第3353位に相当するDNA断片を得た。得られたDNA断片をNdeI及びMfeIで制限酵素処理し、同じく制限酵素処理したpCDF-OrfB’dw2.8とライゲーションし、pCDF-OrfB’を構築した。
Shizochytrium sp. ATCC20888のゲノムDNAを鋳型に、配列番号69及び70で表わされるプライマーを用いて OrfC蛋白質(配列番号10で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質)をコードするDNA(配列番号9で表わされる塩基配列からなるDNA)を含むDNAを、PCRにより増幅した。得られたDNA断片を制限酵素NdeI及びEcoRIで、pCOLADuet-1 (ノバジェン社製)を制限酵素NdeI及びMfeIで処理し、両者をライゲーションすることによりpColADuet-OrfCを構築した。
pSTV28 (タカラバイオ社製)を鋳型に、配列番号71及び72で表わされるプライマーを用いてPCRにより増幅した後、セルフライゲーションし、pSTV28Nを得た。Anabaena(Nostoc)sp. PCC7120由来のHetI蛋白質(配列番号12で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質)をコードするDNA (Genbank accession番号:L22883 REGION: 3282..3995) (配列番号11で表わされる塩基配列からなるDNA)を含むDNAは、インビトロジェン社より購入した。このDNA断片とpSTV28Nを、それぞれ制限酵素NdeI及びEcoRIで処理し、ライゲーション反応を行いpSTV-HetIを得た。
本発明のDNAの作製-2
ACPドメインを10個又は11個有するOrfA蛋白質を遺伝子工学的に再構築した。構築したACPドメイン数の異なるOrfA蛋白質をコードするDNAは、T7プロモーターで発現誘導可能なpET21a (ノバジェン社製)へクローニングした。
野生型のOrfA蛋白質は、その内部に、9個のACPドメインがタンデムに並んだ構造を持っている。このACPドメインをN末端側からACP1、 ACP2と命名し、最もC末端側のACPドメインをACP9とする。このうち、ACP2からACP9ドメインをコードするDNAにはそれぞれ制限酵素ZraI認識配列(GAC|GTC)が存在する。このZraI切断断片はPmlI (CAC|GTG) 切断断片とアミノ酸配列を変えることなく連結できる。また、形成されたDNA断片はZraI、PmlIのどちらでも切断されない。この特性を利用し、ACPドメインを再構築した。
まず、配列番号75及び76で表わされるプライマーを用いてACP2〜9ドメインをコードするDNAをPCRにて増幅し、それぞれpUC18 (タカラバイオ社製)にクローニングした。クローニングしたACPドメインをコードするDNAの5’末端側のZraI認識配列は、配列番号75で表わされるプライマーを用いてPmlI認識配列に変異させた。次に、ZraI、PmlIを用いて各ACPドメインをコードするDNAを段階的に連結し、目的数のACPドメインをコードするDNAを有するDNA断片を構築した。ACPドメインをコードするDNAを10個有するDNA断片(配列番号3で表わされる塩基配列からなるDNA)は、ACP9ドメインをコードするDNAの3’側に、ACP2ドメインをコードするDNAを追加して構築した。ACPドメインをコードするDNAを11個有するDNA断片(配列番号5で表わされる塩基配列からなるDNA)は、ACP2及びACP3ドメインをコードするDNAを追加して構築した。これらのDNA断片にてpET-OrfA9の対応する領域を置換し、目的のプラスミドを得た。得られたプラスミドは、ACPドメインをコードするDNAの数に従って、それぞれpET21-OrfA10及びpET21-OrfA11とした。
本発明の微生物の造成及び本発明の製造方法-1
PUFA-PKSによってDHAを生産する大腸菌を構築するため、まず脂肪酸の分解に関わる遺伝子であるfadEの破壊株の構築を試みた。
fadE遺伝子(配列番号55で表わされる塩基配列からなるDNA)の破壊は、Quick & Easy E. coli gene Deletion Kit (GENE BRIDGES社製) を用いて行った。キットに添付のKm耐性遺伝子を鋳型に、配列番号73及び74で表わされるプライマーを用いてPCRを行い、fadE破壊用DNA断片を得た。キットに付属のプロトコルに従い、大腸菌BLR(DE3)株(ノバジェン社製)を得た。上記破壊株にプラスミド708-FLPe (Cmr) を組み込み、プロトコルに従い、BLR(DE3)ΔfadE株を取得した。
BLR(DE3)ΔfadE株に、実施例1で造成したpET21-OrfA9、 pCDF-OrfB'、 pCOLA Duet-OrfC及びpSTV-HetIを、又は、実施例2で造成したpET21-OrfA10もしくはpET21-OrfA11、pCDF-OrfB'、pCOLA Duet-OrfC及びpSTV-HetIを導入した。
これらのPUFA-PKSを発現するプラスミドを導入した大腸菌を、Terrific broth(アンピシリン100 mg/L、カナマイシン 20 mg/L、クロラムフェニコール 30 mg/L、ストレプトマイシン 20mg/Lを含む)にて1晩培養した。その培養液を新たに調製したTerrific broth(アンピシリン100 mg/L、カナマイシン 20 mg/L、クロラムフェニコール 30 mg/L、ストレプトマイシン 20mg/L、1 mM IPTGを含む)に植菌し、PUFA-PKSの発現を誘導、230rpm 20℃にて48時間培養した。培養後、培養液を採取し、Bligh-Dyer法(Bligh, E. G. and Dyer, W. J. (1959) Can. J. Biochem. Physiol. 37, 911-917.)にて脂質抽出した後、三フッ化ホウ素メタノールにて脂肪酸をメチル化し、ガスクロマトグラフィー質量分析法にて分析した。
その結果、ACPドメインの数が増加するのに伴い、DHA及びDPAの生産性が増大していることがわかった(表1)。
本発明のDNAの作製-3
大腸菌において、T7プロモーターによりShewanella oneidensis MR-1由来のPUFA-PKSを発現させるために、以下のプラスミドを構築した。
まず、Shewanella oneidensis MR-1のゲノムDNAを鋳型に、プライマー配列番号77及78で表わされるプライマーを用いてEpaA蛋白質(配列番号14で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質)をコードするDNA(配列番号13で表わされる塩基配列からなるDNA)を含むDNAをPCRにより増幅した。得られたDNA断片及びpET21a (ノバジェン社製)を、EcoRI及びXhoIで制限酵素処理し、ライゲーションすることで、pET21-EpaA’ (Hisタグ融合酵素として発現)を得た。Hisタグを除去するため、T7プロモーター周辺領域(pET21-EpaA’を鋳型に、プライマーとして配列番号79及び80を使用)及びEpaA蛋白質をコードするDNAの5’末端領域(pET21-EpaA’を鋳型に、プライマーとして配列番号81及び82を使用)をPCRにより増幅した。得られたDNA断片を鋳型に、配列番号79及び82で表わされるプライマーを用いてオーバーラップエクステンションPCRを行った。得られたDNA断片及びpET21-EpaA’をApaI/SalIで制限酵素処理後、ライゲーションすることで、pET21-EpaA4を得た。
Shewanella oneidensis MR-1由来のEpaC蛋白質(配列番号22で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質)を発現させるためにT7プロモーターで発現誘導可能なpCDF-1b (ノバジェン社製)へクローニングした。Shewanella oneidensis MR-1のゲノムDNAを鋳型に、配列番号83及び84で表わされるプライマーを用いてEpaC蛋白質をコードするDNA(配列番号21で表わされる塩基配列からなるDNA)を含むDNAをPCRにて増幅した。得られたDNA断片とpCDF-1bを制限酵素PmlI及びXhoIで処理し、ライゲーションすることでpCDF-EpaC’(Hisタグ融合酵素として発現)を得た。Hisタグ領域を除去するため、T7プロモーター周辺領域(pCDF-EpaC’を鋳型に、配列番号79及び85で表わされるプライマーを使用)及びEpaC蛋白質をコードするDNAの全長 (pET21-EpaC’を鋳型に、配列番号86及び84で表わされるプライマーを使用)をPCRにて増幅した。得られたDNA断片を鋳型に、配列番号79及び84で表わされるプライマーを用いてオーバーラップエクステンションPCRを行い、アッセンブルした。得られたDNA断片及びpCDF-EpaC’をApaI/PstIで制限酵素処理後、ライゲーション反応を行うことで、pCDF-EpaCを得た。
Shewanella oneidensis MR-1由来のEpaD蛋白質(配列番号24で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質)を発現させるためにT7プロモーターで発現誘導可能なpCOLADuet-1 (ノバジェン社製)へクローニングした。Shewanella oneidensis MR-1のゲノムDNAを鋳型に、配列番号87及び88で表わされるプライマーを用いてEpaD蛋白質をコードするDNA(配列番号23で表わされる塩基配列からなるDNA)を含むDNAをPCRにて増幅した。得られたDNA断片をNdeI及びBamHIで、pColADuet-1をNdeI及びBglIIで制限酵素処理した後、ライゲーションすることでpColA-EpaDを得た。
Shewanella oneidensis MR-1由来のEpaE蛋白質(配列番号26で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質)及びEpaB蛋白質(配列番号20で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質)を共発現させるためにT7プロモーターで発現誘導可能なpACYCDuet-1 (ノバジェン社製)のマルチクローニングサイト(以下、MCSという。)1へEpaE蛋白質をコードするDNA(配列番号25で表わされる塩基配列からなるDNA)を、MCS2へEpaB蛋白質をコードするDNA(配列番号19で表わされる塩基配列からなるDNA)をクローニングした。また、発現を安定化させるため、MCS1とMCS2の間にrrnBターミネーターを導入した
Shewanella oneidensis MR-1のゲノムDNAを鋳型に、配列番号89及び90で表わされるプライマーを用いてEpaE蛋白質をコードするDNAを含むDNAをPCRにより増幅した。得られたDNA断片とpACYCDuet-1ベクターを制限酵素NcoI及びBamHIで処理し、ライゲーションすることでpACYCDuet-EpaEを得た。
また、Shewanella oneidensis MR-1のゲノムDNAを鋳型に、配列番号91及び92で表わされるプライマーを用いてEpaB蛋白質をコードするDNAを含むDNAをPCRにて増幅した。得られたDNA断片を制限酵素NdeI及びBamHIで、pACYCDuet-epaEを制限酵素NdeI及びBglIIで処理し、ライゲーションすることで、pACYCDuet-EpaEB’を得た。EpaE蛋白質をコードするDNAとEpaB蛋白質をコードするDNAの間にrrnBターミネーターを導入するため、pTrc99A (ジーイーヘルスケアバイオサイエンス社製)を鋳型に、配列番号93及び94で表わされるプライマーを用いてPCRにてrrnBターミネーター領域を増幅した。T7プロモーター領域は、pACYCDuetを鋳型に、配列番号95及び96で表わされるプライマーを用いたPCRにて増幅した。得られたDNA断片を鋳型に、配列番号94及び96で表わされるプライマーを用いてオーバーラップエクステンションPCRを行い、アッセンブルした。得られたDNA断片とpACYCDuet-EpaEB’を制限酵素NdeI / NotIで処理し、ライゲーション反応を行い、pACYCDuet-EpaEBを構築した。
本発明のDNAの作製-4
ACPドメインを5個又は6個有するEpaA蛋白質を遺伝子工学的に再構築した。構築したACPドメイン数の異なるEpaAはT7プロモーターで発現誘導可能なpET21a (ノバジェン社製)へクローニングした。
制限酵素AfeI 認識配列(AGC|GCT) に対応するアミノ酸残基はそれぞれSer及びAlaである。そこで、EpaA蛋白質をコードするDNAにユニークな制限酵素EagI認識配列の上流14 bpに位置するSer1431、Ala1432のコドンをAfeI 認識配列に変異させた。またAfeI切断断片は制限酵素FspI (TGC|GCA) 切断断片と連結した場合、そのアミノ配列は保持され、さらに形成されたDNAはどちらの制限酵素でも切断されない。この特性を利用し、EpaA蛋白質をコードするDNAにACP2ドメインをコードするDNAを挿入し、ACPドメインをコードするDNAの数を増加させた。
pET21-EpaA4を鋳型に、配列番号97及び99で表わされるプライマーを用いてBamHI〜EagI領域を増幅した。この際、Ser1431、Ala1432のコドンをAfeI 認識配列 (AGC|GCT) に変異させた。このDNA断片をpHSG298 (タカラバイオ社製)のBamHI、EcoRIサイトにクローニングした。これをpHSG298-ACP2とした。つぎにpET21-EpaA4を鋳型に、配列番号98及び99で表わされるプライマーを用いてACP2ドメインをコードするDNAをPCRにて増幅した。この際、Ser1323、Ala1324のコドンをFspI認識配列(TGC|GCA)、及びSer1431、Ala1432のコドンをAfeI 認識配列に変異させた。このDNA断片をpHSG298-ACP2のAfeI / EcoRIサイトにクローニングし、pHSG298-ACP3を得た。これを繰り返し、pHSG298-ACP4を得た。そして、pET21-EpaA4中のEpaA蛋白質をコードするDNAのBamHI - EagI 領域をこれらDNA断片と置換し、ACPドメインをコードするDNAを5つ有するDNA断片(配列番号15で表わされる塩基配列からなるDNA)、及びACPドメインをコードするDNAを6つ有するDNA断片(配列番号17で表わされる塩基配列からなるDNA)を構築した。得られたプラスミドは、ACPドメインをコードするDNAの数に従って、それぞれpET21-EpaA5及びpET21-EpaA6とした。
本発明の微生物の造成及び本発明の製造方法-2
実施例3で構築したBLR(DE3)ΔfadE株に、実施例4で造成したpET21-EpaA4、pCDF-EpaC、pColADuet-EpaD、及びpACYCDuet-EpaEBを、又は、実施例5で造成したpET21-Epa5もしくはpET21-Epa6、pCDF-EpaC、 pColADuet-EpaD、及び pACYCDuet-EpaEBを導入した。これらのPUFA-PKSを発現するプラスミドを導入した大腸菌を、Terrific broth(アンピシリン100 mg/L、カナマイシン 20 mg/L、クロラムフェニコール 30 mg/L、ストレプトマイシン 20mg/Lを含む)にて1晩培養した。その培養液を新たに調製したTerrific broth(アンピシリン100 mg/L、カナマイシン 20 mg/L、クロラムフェニコール 30 mg/L、ストレプトマイシン 20mg/L、1 mM IPTGを含む)に植菌し、PUFA-PKSの発現を誘導、230rpm 20℃にて48時間培養した。
培養後、培養液を採取し、Bligh-Dyer法にて脂質抽出した後、三フッ化ホウ素メタノールにて脂肪酸をメチル化し、ガスクロマトグラフィー質量分析法にて分析した。
その結果、ACPドメインの数が増加するのに伴い、EPA及びDPAの生産性が増大していることがわかった(表2)。
以上のように、本発明では、PUFA-PKSの活性をACPドメインの数を単純に増加させるという従来は予想できなかった方法により飛躍的に向上させることに成功した。本酵素を用いることでDHA、EPAといった有用なPUFAを効率的に生産することが可能になる。
配列番号57−人工配列の説明:合成DNA
配列番号58−人工配列の説明:合成DNA
配列番号59−人工配列の説明:合成DNA
配列番号60−人工配列の説明:合成DNA
配列番号61−人工配列の説明:合成DNA
配列番号62−人工配列の説明:合成DNA
配列番号63−人工配列の説明:合成DNA
配列番号64−人工配列の説明:合成DNA
配列番号65−人工配列の説明:合成DNA
配列番号66−人工配列の説明:合成DNA
配列番号67−人工配列の説明:合成DNA
配列番号68−人工配列の説明:合成DNA
配列番号69−人工配列の説明:合成DNA
配列番号70−人工配列の説明:合成DNA
配列番号71−人工配列の説明:合成DNA
配列番号72−人工配列の説明:合成DNA
配列番号73−人工配列の説明:合成DNA
配列番号74−人工配列の説明:合成DNA
配列番号75−人工配列の説明:合成DNA
配列番号76−人工配列の説明:合成DNA
配列番号77−人工配列の説明:合成DNA
配列番号78−人工配列の説明:合成DNA
配列番号79−人工配列の説明:合成DNA
配列番号80−人工配列の説明:合成DNA
配列番号81−人工配列の説明:合成DNA
配列番号82−人工配列の説明:合成DNA
配列番号83−人工配列の説明:合成DNA
配列番号84−人工配列の説明:合成DNA
配列番号85−人工配列の説明:合成DNA
配列番号86−人工配列の説明:合成DNA
配列番号87−人工配列の説明:合成DNA
配列番号88−人工配列の説明:合成DNA
配列番号89−人工配列の説明:合成DNA
配列番号90−人工配列の説明:合成DNA
配列番号91−人工配列の説明:合成DNA
配列番号92−人工配列の説明:合成DNA
配列番号93−人工配列の説明:合成DNA
配列番号94−人工配列の説明:合成DNA
配列番号95−人工配列の説明:合成DNA
配列番号96−人工配列の説明:合成DNA
配列番号97−人工配列の説明:合成DNA
配列番号98−人工配列の説明:合成DNA
配列番号99−人工配列の説明:合成DNA

Claims (17)

  1. 多価不飽和脂肪酸(以下、PUFAという。)を合成する活性(以下、PUFA-PKS活性という。)を有する、アシルキャリアー蛋白質(以下、ACPという。)ドメイン、β-ケトアシル-アシルキャリアー蛋白質シンターゼ(以下、KSという。)ドメイン、及びケトレダクターゼ(以下、KRという。)ドメインを含む蛋白質複合体において、元となる該蛋白質複合体に含有されるACPドメインと同一のACPドメインを、元となる該蛋白質複合体に含有されるACPドメイン数より多く保有するACPドメイン増加型蛋白質複合体。
  2. ACPドメインの数が、元となる蛋白質複合体のACPドメイン数より1〜10多い請求項1に記載のACPドメイン増加型蛋白質複合体。
  3. 元となる蛋白質複合体のACPドメイン領域に、直列的にACPドメインが連結されている、請求項1又は2に記載のACPドメイン増加型蛋白質複合体。
  4. ACPドメイン、KSドメイン、KRドメイン、鎖伸長因子ドメイン、デヒドラターゼドメイン、エノイルレダクターゼドメイン、アシル転移酵素ドメイン、マロニル-CoA:ACPアシル転移酵素ドメイン及びホスホパンテテイン転移酵素から構成される請求項1〜3のいずれか1項に記載のACPドメイン増加型蛋白質複合体。
  5. PUFAが、ドコサヘキサエン酸(以下、DHAという。)、エイコサペンタエン酸(以下、EPAという。)、ドコサペンタエン酸(以下、DPAという。)、又はアラキドン酸(以下、ARAという。)である請求項1〜4のいずれか1項に記載のACPドメイン増加型蛋白質複合体。
  6. 元となる蛋白質複合体が、以下の[1]〜[4]のいずれかに記載の蛋白質を含有することを特徴とする請求項1に記載のACPドメイン増加型蛋白質複合体。
    [1]配列番号2で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、又は配列番号2で表わされるアミノ酸配列と95%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつ、配列番号8で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号10で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、及び配列番号12で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質と協働してPUFA-PKS活性を有する相同蛋白質
    [2]配列番号14で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、又は配列番号14で表わされるアミノ酸配列と95%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつ、配列番号20で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号22で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号24で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質及び配列番号26で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質と協働してPUFA-PKS活性を有する相同蛋白質
    [3]配列番号28で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、又は配列番号28で表わされるアミノ酸配列と95%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつ、配列番号34で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号36で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号38で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質及び配列番号40で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質と協働してPUFA-PKS活性を有する相同蛋白質
    [4]配列番号42で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、又は配列番号42で表わされるアミノ酸配列と95%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつ、配列番号48で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号50で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号52で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質及び配列番号54で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質と協働してPUFA-PKS活性を有する相同蛋白質
  7. 以下の[5]〜[12]のいずれかに記載の蛋白質を含有する請求項1に記載のACPドメイン増加型蛋白質複合体。
    [5]配列番号4で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質
    [6]配列番号6で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質
    [7]配列番号16で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質
    [8]配列番号18で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質
    [9]配列番号30で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質
    [10]配列番号32で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質
    [11]配列番号44で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質
    [12]配列番号46で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質
  8. 元の蛋白質複合体が、以下の[13]〜[16]のいずれかに記載の蛋白質複合体である請求項1に記載のACPドメイン増加型蛋白質複合体。
    [13]請求項6[1]に記載の蛋白質、配列番号8で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号10で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、及び配列番号12で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質からなる蛋白質複合体
    [14]請求項6[2]に記載の蛋白質、配列番号20で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号22で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号24で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質及び配列番号26で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質からなる蛋白質複合体
    [15]請求項6[3]に記載の蛋白質、配列番号34で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号36で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号38で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質及び配列番号40で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質からなる蛋白質複合体
    [16]請求項6[4]に記載の蛋白質、配列番号48で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号50で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号52で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質及び配列番号54で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質からなる蛋白質複合体
  9. 以下の[17]〜[24]のいずれかである請求項1に記載のACPドメイン増加型蛋白質複合体。
    [17]配列番号4で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号8で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号10で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、及び配列番号12で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質からなる蛋白質複合体
    [18]配列番号6で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号8で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号10で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、及び配列番号12で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質からなる蛋白質複合体
    [19]配列番号16で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号20で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号22で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号24で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質及び配列番号26で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質からなる蛋白質複合体
    [20]配列番号18で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号20で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号22で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号24で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質及び配列番号26で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質からなる蛋白質複合体
    [21]配列番号30表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号34で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号36で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号38で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質及び配列番号40で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質からなる蛋白質複合体
    [22]配列番号32で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号34で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号36で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号38で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質及び配列番号40で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質からなる蛋白質複合体
    [23]配列番号44で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号48で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号50で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号52で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質及び配列番号54で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質からなる蛋白質複合体
    [24]配列番号46で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号48で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号50で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号52で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質及び配列番号54で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質からなる蛋白質複合体
  10. 以下の[25]〜[34]のいずれかに記載のDNA。
    [25]請求項1〜6のいずれかに記載される、元となる蛋白質複合体に含有されるACPドメインと同一のACPドメインを、元となる該蛋白質複合体に含有されるACPドメイン数より多く保有するACPドメインを有する蛋白質をコードするDNA
    [26]請求項7[5]〜[12]のいずれかに記載の蛋白質をコードするDNA
    [27]配列番号3で表わされる塩基配列を含むDNA、又は配列番号3で表わされる塩基配列と95%以上の同一性を有する塩基酸配列からなり、かつ、配列番号8で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号10で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、及び配列番号12で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質と協働してPUFA-PKS活性を有する蛋白質をコードするDNA
    [28]配列番号5で表わされる塩基配列を含むDNA、又は配列番号5で表わされる塩基配列と95%以上の同一性を有する塩基酸配列からなり、かつ、配列番号8で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号10で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、及び配列番号12で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質と協働してPUFA-PKS活性を有する蛋白質をコードするDNA
    [29]配列番号15で表される塩基配列を含むDNA、又は配列番号15で表わされる塩基配列と95%以上の同一性を有する塩基配列からなり、かつ、配列番号20で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号22で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号24で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質及び配列番号26で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質と協働してPUFA-PKS活性を有する蛋白質をコードするDNA
    [30]配列番号17で表される塩基配列を含むDNA、又は配列番号17で表わされる塩基配列と95%以上の同一性を有する塩基配列からなり、かつ、配列番号20で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号22で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号24で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質及び配列番号26で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質と協働してPUFA-PKS活性を有する蛋白質をコードするDNA
    [31]配列番号29で表される塩基配列を含むDNA、又は配列番号29で表わされる塩基配列と95%以上の同一性を有する塩基配列からなり、かつ、配列番号34で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号36で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号38で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質及び配列番号40で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質と協働してPUFA-PKS活性を有する蛋白質をコードするDNA
    [32]配列番号31で表される塩基配列を含むDNA、又は配列番号31で表わされる塩基配列と95%以上の同一性を有する塩基配列からなり、かつ、配列番号34で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号36で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号38で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質及び配列番号40で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質と協働してPUFA-PKS活性を有する蛋白質をコードするDNA
    [33]配列番号43で表される塩基配列を含むDNA、又は配列番号43で表わされる塩基配列と95%以上の同一性を有する塩基配列からなり、かつ、配列番号48で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号50で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号52で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質及び配列番号54で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質と協働してPUFA-PKS活性を有する蛋白質をコードするDNA
    [34]配列番号45で表される塩基配列を含むDNA、又は配列番号45で表わされる塩基配列と95%以上の同一性を有する塩基配列からなり、かつ、配列番号48で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号50で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号52で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質及び配列番号54で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質と協働してPUFA-PKS活性を有する蛋白質をコードするDNA
  11. 以下の[35]〜[43]のいずれかに記載のDNA群。
    [35]請求項10[25]のDNA、及び該DNAにコードされる蛋白質と協働してPUFA-PKS活性を有する蛋白質をコードするDNAを含むDNA群
    [36]請求項7[5]の蛋白質をコードするDNA、又は請求項10[27]のDNA、並びに配列番号7で表される塩基配列を含むDNA、配列番号9で表される塩基配列を含むDNA、及び配列番号11で表される塩基配列を含むDNAからなるDNA群
    [37]請求項7[6]の蛋白質をコードするDNA、又は請求項10[28]のDNA、並びに配列番号7で表される塩基配列を含むDNA、配列番号9で表される塩基配列を含むDNA、及び配列番号11で表される塩基配列を含むDNAからなるDNA群
    [38]請求項7[7]の蛋白質をコードするDNA、又は請求項10[29]のDNA、並びに配列番号19で表される塩基配列を含むDNA、配列番号21で表される塩基配列を含むDNA、配列番号23で表される塩基配列を含むDNA、及び配列番号25で表される塩基配列を含むDNAからなるDNA群
    [39]請求項7[8]の蛋白質をコードするDNA、又は請求項10[30]のDNA、並びに配列番号19で表される塩基配列を含むDNA、配列番号21で表される塩基配列を含むDNA、配列番号23で表される塩基配列を含むDNA、及び配列番号25で表される塩基配列を含むDNAからなるDNA群
    [40]請求項7[9]の蛋白質をコードするDNA、又は請求項10[31]のDNA、並びに配列番号33で表される塩基配列を含むDNA、配列番号35で表される塩基配列を含むDNA、配列番号37で表される塩基配列を含むDNA、及び配列番号39で表される塩基配列を含むDNAからなるDNA群
    [41]請求項7[10]の蛋白質をコードするDNA、又は請求項10[32]のDNA、並びに配列番号33で表される塩基配列を含むDNA、配列番号35で表される塩基配列を含むDNA、配列番号37で表される塩基配列を含むDNA、及び配列番号39で表される塩基配列を含むDNAからなるDNA群
    [42]請求項7[11]の蛋白質をコードするDNA、又は請求項10[33]のDNA、並びに配列番号47で表される塩基配列を含むDNA、配列番号49で表される塩基配列を含むDNA、配列番号51で表される塩基配列を含むDNA、及び配列番号53で表される塩基配列を含むDNAからなるDNA群
    [43]請求項7[12]の蛋白質をコードするDNA、又は請求項10[34]のDNA、並びに配列番号47で表される塩基配列を含むDNA、配列番号49で表される塩基配列を含むDNA、配列番号51で表される塩基配列を含むDNA、及び配列番号53で表される塩基配列を含むDNAからなるDNA群
  12. 請求項1〜9のいずれか1項に記載のACPドメイン増加型蛋白質複合体を生産する微生物。
  13. 請求項10又は11に記載のDNAを有する微生物。
  14. 微生物が、さらに、当該微生物が元来保有するアシルCoAデヒドロゲナーゼの活性が低下、又は喪失した微生物である、請求項12又は13に記載の微生物。
  15. 微生物が、エシェリヒア属に属する微生物である、請求項12〜14のいずれか1項に記載の微生物。
  16. 請求項12〜15のいずれかに記載の微生物を培地に培養し、培養物中にPUFA、又はPUFA含有組成物を生成、蓄積させ、該培養物からPUFA、又はPUFA含有組成物を採取することを特徴とする、PUFA、又はPUFA含有組成物の製造方法。
  17. PUFAが、DHA、EPA、DPA及びARAからなる群より選ばれるPUFAである、請求項16に記載の製造方法。


JP2016078016A 2016-04-08 2016-04-08 多価不飽和脂肪酸ポリケチドシンターゼ及びその利用 Active JP6816970B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016078016A JP6816970B2 (ja) 2016-04-08 2016-04-08 多価不飽和脂肪酸ポリケチドシンターゼ及びその利用

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016078016A JP6816970B2 (ja) 2016-04-08 2016-04-08 多価不飽和脂肪酸ポリケチドシンターゼ及びその利用

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017184690A true JP2017184690A (ja) 2017-10-12
JP6816970B2 JP6816970B2 (ja) 2021-01-20

Family

ID=60043590

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016078016A Active JP6816970B2 (ja) 2016-04-08 2016-04-08 多価不飽和脂肪酸ポリケチドシンターゼ及びその利用

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6816970B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020032261A1 (ja) * 2018-08-10 2020-02-13 協和発酵バイオ株式会社 エイコサペンタエン酸を生産する微生物及びエイコサペンタエン酸の製造法
WO2020032258A1 (ja) * 2018-08-10 2020-02-13 協和発酵バイオ株式会社 多価不飽和脂肪酸を生産する微生物及び多価不飽和脂肪酸の製造法

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020032261A1 (ja) * 2018-08-10 2020-02-13 協和発酵バイオ株式会社 エイコサペンタエン酸を生産する微生物及びエイコサペンタエン酸の製造法
WO2020032258A1 (ja) * 2018-08-10 2020-02-13 協和発酵バイオ株式会社 多価不飽和脂肪酸を生産する微生物及び多価不飽和脂肪酸の製造法
CN112567019A (zh) * 2018-08-10 2021-03-26 协和发酵生化株式会社 生产多不饱和脂肪酸的微生物和多不饱和脂肪酸的制造方法
JPWO2020032261A1 (ja) * 2018-08-10 2021-08-10 協和発酵バイオ株式会社 エイコサペンタエン酸を生産する微生物及びエイコサペンタエン酸の製造法
EP3835412A4 (en) * 2018-08-10 2022-05-11 Kyowa Hakko Bio Co., Ltd. POLYUNSATURATED FATTY ACID PRODUCING MICROORGANISM AND PROCESS FOR THE PRODUCTION OF POLYUNSATURATED FATTY ACID
EP3835410A4 (en) * 2018-08-10 2022-05-18 Kyowa Hakko Bio Co., Ltd. EICOSAPENTAIC ACID PRODUCING MICROORGANISM AND PROCESS FOR PRODUCTION OF EICOSAPENTAIC ACID
US11613728B2 (en) 2018-08-10 2023-03-28 Kyowa Hakko Bio Co., Ltd. Microorganism producing eicosapentaenoic acid and method for producing eicosapentaenoic acid

Also Published As

Publication number Publication date
JP6816970B2 (ja) 2021-01-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Chen et al. Transcriptome analysis reveals that up-regulation of the fatty acid synthase gene promotes the accumulation of docosahexaenoic acid in Schizochytrium sp. S056 when glycerol is used
JP6359037B2 (ja) L−バリン産生能が向上した菌株及びこれを用いたl−バリンの産生方法
US20230235271A1 (en) Microorganism producing eicosapentaenoic acid and method for producing eicosapentaenoic acid
WO2007047680A2 (en) Increasing the activity of radical s-adenosyl methionine (sam) enzymes
JP6533747B2 (ja) 7デヒドロコレステロール及びビタミンd3の製造法
EP3611253A1 (en) Method for producing theanine
JP6816970B2 (ja) 多価不飽和脂肪酸ポリケチドシンターゼ及びその利用
US9574215B2 (en) Production of fatty acids by heterologous expression of gene clusters from myxobacteria
US10968437B2 (en) Factors for the production and accumulation of polyunsaturated fatty acids (PUFAs) derived from PUFA synthases
JP2008086238A (ja) ポリヒドロキシアルカノエートの製造方法
JP6619229B2 (ja) アラキドン酸生産ポリケチドシンターゼ及びその利用
WO2020032258A1 (ja) 多価不飽和脂肪酸を生産する微生物及び多価不飽和脂肪酸の製造法
CN108728469B (zh) 重组大肠杆菌工程菌的构建及其在生产β-丙氨酸中的应用
KR20240043794A (ko) Cdp-콜린의 제조에 이용하는 재조합 미생물 및 상기 재조합 미생물을 이용하는 cdp-콜린의 제조 방법

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190306

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20191008

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200507

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200619

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20201124

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20201224

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6816970

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250