JP2017184425A - 異常診断装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】蓄電部の異常検出に支障がある周辺装置の異常を診断し得る異常診断装置を提供する。【解決手段】異常診断装置1は、状態切替回路9(第2動作部)と検出部と診断部とを備える。検出部は、所定の信号線の電位を反映した値を検出する。状態切替回路9は、切替部5に第2の切替動作(信号線の電位を第2の設定状態とする切替動作)を強制的に行わせ、診断部は状態切替回路9が切替部5に第2の切替動作を行わせているときの検出部による検出結果に基づいてキャパシタ90(蓄電部)の周辺装置の異常を診断する。【選択図】図1

Description

本発明は、異常診断装置に関するものであり、特に蓄電部の周辺装置の異常を診断する異常診断装置に関する。
車両に搭載される蓄電部は、温度異常や電圧異常が生じるリスクがあるため、これらの異常に対する対策が求められる。例えば、特許文献1の異常検出装置は、蓄電部の温度状態を検出するためのサーミスタを備えており、コントローラは、サーミスタの両端電圧を検出することで蓄電部の温度状態を監視している。また、この異常検出装置は、キャパシタセルの過電圧を検出するための過電圧検出回路を備えており、過電圧検出回路がキャパシタセルの過電圧を検出したときにサーミスタの両端を強制的に短絡させることで、サーミスタの両端電位を同電位に切り替え、コントローラに過電圧の発生を通知している。
特開2015−15799号公報
しかし、特許文献1の技術だけでは、蓄電部の周辺装置(過電圧検出回路やその他の周辺回路など)が正常に動作しないような異常が発生している場合に蓄電部の異常検出を行うことができないという問題がある。例えば、過電圧検出回路にオープン状態の異常(オープン故障)が発生している場合、キャパシタセルに過電圧が発生しても過電圧検出回路が正常に動作せず、サーミスタを短絡させることができないため、コントローラは過電圧の発生を検出することができない。このように蓄電部の周辺回路に生じている異常を放置しておくと、蓄電部そのものに異常が発生しても何ら対処されることなく使用され続けてしまい、その結果、蓄電部の劣化や破壊を招く虞がある。
本発明は上述した事情に基づいてなされ、蓄電部の異常検出に支障がある周辺装置の異常を診断し得る異常診断装置を提供することを目的とする。
本発明の異常診断装置は、
1又は複数の信号線の電位を第1の設定状態とする第1の切替動作と、前記第1の設定状態から変化した第2の設定状態とする第2の切替動作とを行う切替部と、
1又は複数の前記信号線を介して前記切替部に接続され、前記信号線の電位を反映した値を検出する検出部と、
蓄電部に所定の異常が発生していないときに前記切替部に対して前記第1の切替動作の指示を与え、前記蓄電部に前記所定の異常が発生したときに前記切替部に対して前記第2の切替動作の指示を与える第1動作部と、
前記切替部に前記第2の切替動作を強制的に行わせる第2動作部と、
前記第2動作部が前記切替部に前記第2の切替動作を行わせているときの前記検出部による検出結果に基づいて前記蓄電部の周辺装置の異常を診断する診断部と、
を含む。
本発明の異常診断装置は、蓄電部に所定の異常が発生していないときに第1動作部が切替部に対して第1の切替動作の指示を与えるため、このときには1又は複数の信号線の電位は第1の設定状態となる。一方、蓄電部に所定の異常が発生したときには、第1動作部が切替部に対して第2の切替動作の指示を与えるため、このときには1又は複数の信号線の電位は第2の設定状態となる。そして、検出部が1又は複数の信号線の電位を反映した値を検出するため、検出部の検出結果を利用すれば蓄電部に異常が発生しているか否かを判定できるようになる。
そして、このような構成を前提とし、更に、第2動作部と診断部とが設けられている。第2動作部は切替部に第2の切替動作を強制的に行わせ、診断部は第2動作部が切替部に第2の切替動作を行わせているときの検出部による検出結果に基づいて蓄電部の周辺装置の異常を診断する。第2動作部が切替部に第2の切替動作を強制的に行わせた場合、回路が正常に動作すれば、検出部には第2の設定状態に対応する値が入力されるはずである。よって、第2動作部が切替部に第2の切替動作を強制的に行わせているときの検出部の検出結果を利用し、診断部によって異常診断を行えば、蓄電部の周辺装置に異常が発生しているか否か(即ち、蓄電部の異常検出に支障がある異常が発生しているか否か)をより正確に診断することができる。
実施例1の異常診断装置を概略的に示す回路図である。 実施例1の異常診断装置で実行される異常診断処理の流れを示すフローチャートである。 異常診断装置が各状態となっているときの各フェースでの検出電位を例示する説明図である。
以下、本発明の望ましい例を示す。
本発明の異常診断装置は、蓄電部の温度に応じて抵抗値が変化する抵抗部を備えていてもよい。複数の信号線は、抵抗部の一端に接続された第1信号線と抵抗部の他端に接続された第2信号線とを有していてもよい。切替部は、第1の切替動作により抵抗部の両端の電位を第1の設定状態に切り替え、第2の切替動作により抵抗部の両端の電位を第2の設定状態に切り替える構成であってもよい。検出部は、少なくとも第1信号線及び第2信号線の電位を反映した値を検出する構成であってもよい。診断部は、第2動作部の指示に応じて切替部が第2の切替動作を行っているときに検出部によって検出される第1信号線及び第2信号線の電位を反映した値に基づいて蓄電部の周辺装置の異常を診断する構成であってもよい。
この構成によれば、検出部の検出結果に基づいて蓄電部の温度を把握することができ、且つ、蓄電部の温度検出に用いる信号線を利用して蓄電部の異常を伝達することができるようになる。よって、蓄電部の異常を検出し得る装置をより簡易な構成で実現することができる。そして、このような構成において蓄電部の異常検出に支障がある周辺装置の異常が発生しているか否かをより正確に診断することができる。
本発明の異常診断装置において、切替部は、抵抗部と並列に接続された並列導電路と、第1の切替動作として並列導電路の導通を遮断するオフ動作を行い第2の切替動作として並列導電路を導通させるオン動作を行うスイッチとを備えていてもよい。
この構成によれば、蓄電部の温度検出に用いる信号線を利用して蓄電部の異常を伝達する回路をより簡易に実現することができる。
本発明の異常診断装置において、診断部は、第2動作部の指示に応じて切替部が第2の切替動作を行っているときの抵抗部の両端の電位差が所定の閾値を超える場合に第1動作部の異常と診断する構成であってもよい。
第2動作部の指示に応じて切替部が第2の切替動作を行っているときには、回路が正常であれば並列導電路が導通するため、抵抗部の両端の電位差は小さくなるはずである。よって、このときの抵抗部の両端の電位差が所定の閾値を超える場合に第1動作部の異常と診断すれば、第1動作部の異常をより正確に検出することができる。
本発明の異常診断装置において、診断部は、第2動作部の指示に応じて切替部が第2の切替動作を行っているときの抵抗部の両端の電位差が所定値以下であり且つ抵抗部の少なくとも一端の電位が所定の正常範囲を外れる場合に第1動作部以外の部分の異常と診断する構成であってもよい。
第2動作部の指示に応じて切替部が第2の切替動作を行っているときには、回路が正常であれば並列導電路が導通するため、抵抗部の両端の電位差は小さくなるはずである。よって、このときの抵抗部の両端の電位差が所定値以下である場合、切替部が正常に動作して並列導電路が導通している可能性が高い。このようなときに抵抗部の少なくとも一端の電位が所定の正常範囲を外れる場合、その検出の異常は切替部に指示を与える部分(第1動作部)に起因する可能性は低く、第1動作部以外の部分によって生じている可能性が高い。よって、このような場合に第1動作部以外の部分の異常と診断すれば、異常部分をより適切に絞り込むことができる。
<実施例1>
以下、本発明を具体化した実施例1について説明する。
図1で示す異常診断装置1は、蓄電部の一例であるキャパシタ90の異常を検出する装置として構成されている。図1で示す異常診断装置1は、キャパシタモジュール80の一部と充放電コントローラ4とによって構成されている。キャパシタモジュール80の端子P11、P12が充放電コントローラ4の端子P21、P22にそれぞれ接続されている状態では、信号線11Aと信号線11Bとが接続されて第1信号線11が構成され、信号線12Aと信号線12Bとが接続されて第2信号線12が構成される。
異常検出対象となるキャパシタ90は、蓄電部の一例に相当し、電気二重層コンデンサ、電解コンデンサ、リチウムイオンキャパシタなどである。このキャパシタ90は、例えば複数のキャパシタセルが直列に接続された構成をなし、後述する過電圧検出部7、サーミスタRth、切替部5とともにキャパシタモジュール80を構成している。
過電圧検出部7は、キャパシタ90に所定の異常が発生していないときに切替部5に対して第1の切替動作の指示を与え、キャパシタ90に所定の異常が発生したときに切替部5に対して第2の切替動作の指示を与える過電圧検出回路として構成されている。過電圧検出部7は、キャパシタ90(蓄電部)の周辺装置の一例に相当する。具体的には、キャパシタ90の所定部位の電圧と予め定められた閾値電圧とを比較する比較回路を備え、キャパシタ90の所定部位の電圧が閾値電圧よりも大きくなる過電圧状態が発生している場合に、スイッチTr1をオン状態(導通状態)に切り替えるためのオン信号(例えばHレベル信号)を出力し、キャパシタ90の所定部位に過電圧が発生していない場合にスイッチTr1をオフ状態(非導通状態)に切り替えるためのオフ信号(例えばLレベル信号)を出力する。
サーミスタRthは、キャパシタ90(蓄電部)の温度に応じて抵抗値が変化する抵抗部の一例に相当し、温度の上昇に応じて、抵抗値が増大傾向または低下傾向に変化する特性を有している。サーミスタRthの両端には、複数の信号線として、サーミスタRthの一端に接続される第1信号線11とサーミスタRthの他端に接続される第2信号線12とが接続されている。サーミスタRthの両端の電位が第1信号線11及び第2信号線12の各電位となり、これらの電位を示す各値は、制御回路3の入力ポートAD1,AD2にそれぞれ入力される。第1信号線11及び第2信号線12の各電位の値は、信号線の電位を反映した値の一例に相当する。
切替部5は、第1信号線11及び第2信号線12の電位を第1の設定状態とする第1の切替動作と、第1の設定状態から変化した第2の設定状態とする第2の切替動作とを行う機能を有する。切替部5は、サーミスタRth(抵抗部)と並列に接続された並列導電路14と、並列導電路14に介在するスイッチTr1とを備える。スイッチTr1は、第1の切替動作として並列導電路14の導通を遮断するオフ動作を行い第2の切替動作として並列導電路を導通させるオン動作を行う機能を有する。切替部5は、スイッチTr1をオフ状態とする第1の切替動作によりサーミスタRthの両端の電位を第1の設定状態に切り替え、第2の切替動作によりサーミスタRthの両端の電位を第2の設定状態に切り替える。第1の設定状態は、サーミスタRthの両端の電位差が所定の電位差閾値よりも大きい状態であり、第2の設定状態は、サーミスタRthの両端の電位差が所定の電位差閾値以下となる状態である。図1の例では、第2の設定状態のときにサーミスタRthの両端の電位がほぼ同電位となる。
状態切替回路9は、第2動作部の一例に相当し、切替部5に第2の切替動作を強制的に行わせる機能を有する。この状態切替回路9は、抵抗R1,R2,R3,R4、スイッチSW1,SW2,SW3などを備えており、制御回路3の制御に応じて動作する構成をなす。状態切替回路9は、過電圧検出部7からオフ信号(スイッチTr1をオフ状態にする指示)が出力されているときでも、スイッチTr1を強制的にオン状態に切り替える機能を有する。スイッチSW1,SW2,SW3は例えばMOSFETやバイポーラトランジスタなどの半導体スイッチとして構成されている。この状態切替回路9は、キャパシタ90(蓄電部)の周辺装置の一例に相当する。
制御回路3は、例えばマイクロコンピュータとして構成されており、CPU、メモリ、AD変換器などを有する。制御回路3は、キャパシタ90の充電および放電を行い得る図示しないDC−DCコンバータに接続されており、このDC−DCコンバータの動作を制御してキャパシタ90の充電および放電を制御し得る。
制御回路3は、検出部としても機能し、第1信号線11及び第2信号線12の各電位を入力する入力ポートAD1、AD2を備え、第1信号線11及び第2信号線12の各電位を反映した値を検出する。つまり、入力ポートAD1、AD2に入力される各値により第1信号線11及び第2信号線12の各電位が特定できるようになっている。そして制御回路3は、入力ポートAD1、AD2に入力される各値と、サーミスタRthの特性に基づき、サーミスタRthの温度(キャパシタ90の温度)を検出し得る。
制御回路3は、診断部としても機能し、状態切替回路9の指示に応じて切替部5が第2の切替動作を行っているときに検出される入力ポートAD1、AD2の各入力値(第1信号線11及び第2信号線12の電位を反映した値)に基づいてキャパシタ90の周辺装置の異常を診断する。
次に、図2等を参照し、異常診断処理について説明する。
図2で示す異常診断処理は、例えば、車両のイグニッションスイッチがオン状態となった時(即ち車両の始動時)、又は車両のイグニッションスイッチがオフ状態になった時(即ち車両の停止動作時)に制御回路3によって実行される。なお、以下では、抵抗R1が5.1kΩ、抵抗R2が1kΩ、抵抗R3が100Ω、抵抗R4が1kΩであり、抵抗R1、R2への電源電圧が所定電圧(例えば、5V程度)である場合を例に挙げて説明する。なお、図3では、異常診断装置1の状態が各状態にある場合において、後述する通常時、フェーズ1、フェーズ2、フェーズ3のときに入力ポートAD1,AD2にどのような電位が入力されるかを示している。図3では、例えば、V12<V01<V11<V3<V2である。また、図3においてA,B,C,D,Eは、例えば、1V未満の正の数である。通常時、フェーズ1、フェーズ2、フェーズ3でのAD1、AD2の全て組み合わせは、通常状態、過電圧検出回路故障状態、スイッチSW1ショート故障状態、スイッチSW2オープン故障状態、スイッチS2オープン故障状態のそれぞれにおいて異なっている。
異常診断装置1では、イグニッションスイッチがオン状態となった時に通常状態としてスイッチSW1をオン状態、スイッチSW2をオフ状態、スイッチSW3をオフ状態に設定する。そして、図2で示す異常診断処理の開始に伴い、制御回路3は、スイッチSW2をオン状態に切り替えて、スイッチSW1をオン状態、スイッチSW2をオン状態、スイッチSW3をオフ状態に設定する。この設定時をフェーズ1としたとき、フェーズ1において第2信号線12から入力される入力ポートAD2の電位が0V程度であるかを判断する(S1)。具体的には、入力ポートAD2の電位が0よりも僅かに大きい第1閾値以下であるかを判断し、入力ポートAD2の電位が第1閾値以下であればS1にてYesに進み、充放電コントローラ4の故障と診断する(S2)。このS2では、具体的にはスイッチSW2のオープン故障であると診断する。スイッチSW2のオープン故障は、キャパシタ90の周辺装置の異常の一例に相当する。
S1でNoに進む場合、過電圧検出部7に信号を送りスイッチTr1をオン状態とするためにスイッチSW1をオフに切り替え、スイッチSW1をオフ状態、スイッチSW2をオン状態、スイッチSW3をオフ状態に設定する(S3)。この設定時をフェーズ2としたとき、例えばフェーズ2の動作により過電圧検出部7には、キャパシタ90の過電圧を判定するための閾値である上述の所定閾値よりも高い電圧が入力され、過電圧検出部7が正常な状態にあれば過電圧検出部7からオン信号が出力されるため、スイッチTr1はオン状態となる。
そして、スイッチSW3をオン状態に切り替え、スイッチSW2をオフ状態に切り替え、スイッチSW1をオフ状態、スイッチSW2をオフ状態、スイッチSW3をオン状態に設定する。そして、この設定時をフェーズ3としたとき、フェーズ3において、入力ポートAD1,AD2の電位差が所定電位差範囲内であり且ついずれも正常な電位範囲(図2の例では4V付近の電位範囲)に収まっているか否かを判断する(S4)。S4において、入力ポートAD1,AD2の電位差が所定電位差範囲内であり且ついずれの電位も正常な電位範囲に収まっていると判断される場合には、S4にてYesに進み、正常と診断する(S5)
S4において、入力ポートAD1,AD2の電位差が所定電位差範囲外であると判断される場合、又は、入力ポートAD1,AD2のいずれかの電位が正常な電位範囲を外れる場合には、S4にてNoに進む。そして、S6において、入力ポートAD1,AD2の電位差が所定電位差範囲内であり且ついずれの電位も上記正常な電位範囲よりも低い第1の低電位範囲(図2の例では2V付近の電位範囲)に収まっているか否かを判断する。S6において、入力ポートAD1,AD2の電位差が所定電位差範囲内であり且ついずれの電位も第1の低電位範囲に収まっていると判断される場合には、S6にてYesに進み、充放電コントローラ4の故障と診断する(S7)。S7では、具体的にはスイッチSW3のオープン故障が生じていると診断する。スイッチSW3のオープン故障は、キャパシタ90の周辺装置の異常の一例に相当する。
S6において、入力ポートAD1,AD2の電位差が所定電位差範囲外であると判断される場合、又は、入力ポートAD1,AD2のいずれかの電位が第1の低電位範囲を外れる場合には、S6にてNoに進む。そして、S8において、入力ポートAD1,AD2の電位差が所定電位差範囲内であり且ついずれの電位も上記第1の低電位範囲よりも低い第2の低電位範囲(図2の例では0V付近の電位範囲)であるか否かを判断する。S8において、入力ポートAD1,AD2の電位差が所定電位差範囲内であり且ついずれの電位も第2の低電位範囲であると判断される場合には、S8にてYesに進み、充放電コントローラ4の故障と診断する(S9)。S9では、具体的にはスイッチSW1のショート故障が生じていると診断する。スイッチSW1のショート故障は、キャパシタ90の周辺装置の異常の一例に相当する。
S8において、入力ポートAD1,AD2の電位差が所定電位差範囲外であると判断される場合、又は、入力ポートAD1,AD2のいずれかの電位が第2の低電位範囲を外れる場合には、S8にてNoに進む。そして、S10において、入力ポートAD1,AD2の電位差が所定電位差範囲(図2の例では電位差が0.5Vの範囲)内であるか否かを判断する。S10において、入力ポートAD1,AD2の電位差が所定電位差範囲外であると判断される場合には、S10にてYesに進み、スイッチTr1が正常に切り替わっていないものとして過電圧検出部7の故障と診断する(S12)。そうでない場合には、S10にてNoに進み、正常と診断する(S11)。このように診断部に相当する制御回路3は、状態切替回路9の指示に応じて切替部5が第2の切替動作を行っているときのサーミスタRth(抵抗部)の両端の電位差が所定の閾値(図2の例では電位差0.5V)を超える場合に過電圧検出部7の故障と診断する。過電圧検出部7の故障は、キャパシタ90の周辺装置の異常の一例に相当する。
また、図2の異常診断処理では、診断部に相当する制御回路3は、状態切替回路9の指示に応じて切替部5が第2の切替動作を行っているときのサーミスタRth(抵抗部)の両端の電位差が所定値以下であり且つサーミスタRth(抵抗部)の少なくとも一端の電位が所定の正常範囲を外れる場合(S7、S9の場合)に過電圧検出部7(過電圧検出回路)以外の部分の異常と診断する。具体的には、状態切替回路9の異常と診断する。状態切替回路9の異常は、キャパシタ90の周辺装置の異常の一例に相当する。
以上のように、異常診断装置1は、キャパシタ90(蓄電部)に所定の異常が発生していないときに過電圧検出部7(第1動作部)が切替部5に対して第1の切替動作の指示を与えるため、このときには第1信号線11及び第2信号線12の電位は第1の設定状態となる。一方、キャパシタ90に所定の異常が発生したときには、過電圧検出部7が切替部5に対して第2の切替動作の指示を与えるため、このときには第1信号線11及び第2信号線12の電位は第2の設定状態となる。そして、検出部が第1信号線11及び第2信号線12の電位を反映した値を検出するため、検出部の検出結果を利用すればキャパシタ90に異常が発生しているか否かを判定できるようになる。
このような構成を前提とし、更に、状態切替回路9(第2動作部)と診断部とが設けられている。状態切替回路9は切替部5に第2の切替動作を強制的に行わせ、診断部は状態切替回路9が切替部5に第2の切替動作を行わせているときの検出部による検出結果に基づいてキャパシタ90の周辺装置の異常を診断する。状態切替回路9が切替部5に第2の切替動作を強制的に行わせた場合、回路が正常に動作すれば、検出部には第2の設定状態に対応する値が入力されるはずである。よって、状態切替回路9が切替部5に第2の切替動作を強制的に行わせているときの検出部の検出結果を利用し、診断部によって診断を行えば、キャパシタ90の異常検出に支障がある異常(周辺装置の異常)が発生しているか否かをより正確に診断することができる。
異常診断装置1は、キャパシタ90(蓄電部)の温度に応じて抵抗値が変化するサーミスタRth(抵抗部)を備えており、複数の信号線として、サーミスタRthの一端に接続された第1信号線11とサーミスタRthの他端に接続された第2信号線12とが設けられている。そして、切替部5は、第1の切替動作によりサーミスタRthの両端の電位を第1の設定状態に切り替え、第2の切替動作によりサーミスタRthの両端の電位を第2の設定状態に切り替える構成であり、検出部は、少なくとも第1信号線11及び第2信号線12の電位を反映した値を検出する構成である。診断部は、状態切替回路9(第2動作部)の指示に応じて切替部5が第2の切替動作を行っているときに検出部によって検出される第1信号線11及び第2信号線12の電位を反映した値に基づいてキャパシタ90の周辺装置の異常を診断する構成である。この構成によれば、検出部の検出結果に基づいてキャパシタ90の温度を把握することができ、且つ、キャパシタ90の温度検出に用いる第1信号線11及び第2信号線12を利用してキャパシタ90の異常を伝達することができるようになる。よって、キャパシタ90の異常を検出し得る装置をより簡易な構成で実現することができる。そして、このような構成においてキャパシタ90の異常検出に支障がある異常(周辺装置の異常)が発生しているか否かをより正確に診断することができる。
異常診断装置1において、切替部5は、サーミスタRth(抵抗部)と並列に接続された並列導電路14と、第1の切替動作として並列導電路14の導通を遮断するオフ動作を行い第2の切替動作として並列導電路14を導通させるオン動作を行うスイッチTr1とを備える。この構成によれば、キャパシタ90の温度検出に用いる第1信号線11及び第2信号線12を利用してキャパシタ90の異常を伝達する回路をより簡易に実現することができる。
異常診断装置1において、診断部は、状態切替回路9(第2動作部)の指示に応じて切替部5が第2の切替動作を行っているときのサーミスタRth(抵抗部)の両端の電位差が所定の閾値を超える場合に過電圧検出部7の異常と診断する構成である。状態切替回路9の指示に応じて切替部5が第2の切替動作を行っているときには、回路が正常であれば並列導電路14が導通するため、サーミスタRth(抵抗部)の両端の電位差は小さくなるはずである。よって、このときのサーミスタRth(抵抗部)の両端の電位差が所定の閾値を超える場合に過電圧検出部7の異常と診断すれば、過電圧検出部7の異常をより正確に検出することができる。
異常診断装置1において、診断部は、状態切替回路9(第2動作部)の指示に応じて切替部5が第2の切替動作を行っているときのサーミスタRth(抵抗部)の両端の電位差が所定値以下であり且つサーミスタRthの少なくとも一端の電位が所定の正常範囲を外れる場合に過電圧検出部7以外の部分の異常と診断する構成である。状態切替回路9の指示に応じて切替部5が第2の切替動作を行っているときには、回路が正常であれば並列導電路14が導通するため、サーミスタRthの両端の電位差は小さくなるはずである。よって、このときのサーミスタRthの両端の電位差が所定値以下である場合、切替部5が正常に動作して並列導電路14が導通している可能性が高い。このようなときにサーミスタRthの少なくとも一端の電位が所定の正常範囲を外れる場合、その検出の異常は切替部5に指示を与える部分(過電圧検出部7)に起因する可能性は低く、過電圧検出部7以外の部分によって生じている可能性が高い。よって、このような場合に過電圧検出部7以外の部分の異常と診断すれば、異常部分をより適切に絞り込むことができる。
<他の実施例>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施例に限定されるものではなく、例えば次のような実施例も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)実施例1では、複数の信号線の例として、第1信号線11及び第2信号線12を例示したが、制御回路3が電位を検出する信号線は1つのみであってもよく、3以上であってもよい。信号線が1つである例としては、例えば、信号線11及び信号線12を直接制御回路3に入力せず、信号線11と信号線12の電位差が一定値以上である場合に制御回路3にHレベルの信号を出力し、信号線11と信号線12の電位差が一定値未満である場合に制御回路3にLレベルの信号を出力するような比較回路を設け、その出力線を信号線とする例などが挙げられる。信号線が3以上である例としては、例えば、図1の構成に加え、信号線18の電位を制御回路3で検出し得るような構成とした例が挙げられる。
(2)実施例1では、サーミスタRthを用いて温度検出を行い得る構成としたが、サーミスタRth以外の温度検出素子を用いてもよい。或いは、サーミスタRthを抵抗に代え、温度検出を行わない構成としてもよい。
(3)実施例1で用いた切替部5は、並列導電路14にスイッチTr1のみが介在したが、切替部は、並列導電路が導通状態と非導通状態に切り替えられる構成であればよく、例えば図1で示す並列導電路14においてスイッチTr1と抵抗値の低い抵抗とが直列に接続されていてもよい。
(4)実施例1では、キャパシタ90で生じる所定の異常として過電圧検出部7が所定部位の過電圧を検出する構成を例示したが、キャパシタ90の所定部位の過電流を検出する過電流検出部を設け、キャパシタ90において所定の電流閾値を超える過電流が発生している場合に、スイッチTr1をオン状態に切り替える信号を出力し、過電流が発生していない場合に、スイッチTr1をオフ状態に切り替える信号を出力する構成であってもよい。
(5)過電圧検出部7は、特開2015−15799で開示されるような過電圧検出器を備えた構成とし、キャパシタ90を構成するキャパシタセル毎にこの過電圧検出器を設けた構成としてもよい。この場合、過電圧検出器は、対応するキャパシタセルからの出力電圧が閾値電圧以下である場合にはオフ信号(Lレベル信号)を出力し、閾値電圧よりも大きい場合にはオン信号(Hレベル信号)を出力するとともに対応するキャパシタセルを放電させることによってキャパシタセルの出力電圧を低下させる構成であってもよい。この場合、過電圧検出部7は、特開2015−15799の技術と同様、各キャパシタセルに対応付けられた過電圧検出器の少なくともいずれかからオン信号(異常信号であるHレベル信号)が出力された場合に、スイッチTr1をオン状態に切り替える信号を出力し、各キャパシタセルに対応付けられた過電圧検出器のいずれかからもオン信号(異常信号であるHレベル信号)が出力されていない場合に、スイッチTr1をオフ状態に切り替える信号を出力する構成であってもよい。
1…異常診断装置
3…マイクロコンピュータ(検出部、診断部)
5…切替部
7…過電圧検出回路(第1動作部、蓄電部の周辺装置)
9…状態切替回路(第2動作部、蓄電部の周辺装置)
11…第1信号線
12…第2信号線
14…並列導電路
Rth…サーミスタ(抵抗部)
Tr1…スイッチ
90…キャパシタ(蓄電部)

Claims (5)

  1. 1又は複数の信号線の電位を第1の設定状態とする第1の切替動作と、前記第1の設定状態から変化した第2の設定状態とする第2の切替動作とを行う切替部と、
    1又は複数の前記信号線を介して前記切替部に接続され、前記信号線の電位を反映した値を検出する検出部と、
    蓄電部に所定の異常が発生していないときに前記切替部に対して前記第1の切替動作の指示を与え、前記蓄電部に前記所定の異常が発生したときに前記切替部に対して前記第2の切替動作の指示を与える第1動作部と、
    前記切替部に前記第2の切替動作を強制的に行わせる第2動作部と、
    前記第2動作部が前記切替部に前記第2の切替動作を行わせているときの前記検出部による検出結果に基づいて前記蓄電部の周辺装置の異常を診断する診断部と、
    を含む異常診断装置。
  2. 前記蓄電部の温度に応じて抵抗値が変化する抵抗部を備え、
    複数の前記信号線は、前記抵抗部の一端に接続された第1信号線と前記抵抗部の他端に接続された第2信号線とを有し、
    前記切替部は、前記第1の切替動作により前記抵抗部の両端の電位を前記第1の設定状態に切り替え、前記第2の切替動作により前記抵抗部の両端の電位を前記第2の設定状態に切り替える構成であり、
    前記検出部は、少なくとも前記第1信号線及び前記第2信号線の電位を反映した値を検出する構成であり、
    前記診断部は、前記第2動作部の指示に応じて前記切替部が前記第2の切替動作を行っているときに前記検出部によって検出される前記第1信号線及び前記第2信号線の電位を反映した値に基づいて前記蓄電部の周辺装置の異常を診断する構成である請求項1に記載の異常診断装置。
  3. 前記切替部は、前記抵抗部と並列に接続された並列導電路と、前記第1の切替動作として前記並列導電路の導通を遮断するオフ動作を行い前記第2の切替動作として前記並列導電路を導通させるオン動作を行うスイッチとを備える請求項2に記載の異常診断装置。
  4. 前記診断部は、前記第2動作部の指示に応じて前記切替部が前記第2の切替動作を行っているときの前記抵抗部の両端の電位差が所定の閾値を超える場合に前記第1動作部の異常と診断する請求項3に記載の異常診断装置。
  5. 前記診断部は、前記第2動作部の指示に応じて前記切替部が前記第2の切替動作を行っているときの前記抵抗部の両端の電位差が所定値以下であり且つ前記抵抗部の少なくとも一端の電位が所定の正常範囲を外れる場合に前記第1動作部以外の部分の異常と診断する請求項3又は請求項4に記載の異常診断装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021069195A (ja) * 2019-10-24 2021-04-30 三菱電機株式会社 異常検出装置および異常検出方法

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