JP6639367B2 - サテライト基板を用いた車両用電源監視システム - Google Patents

サテライト基板を用いた車両用電源監視システム Download PDF

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Description

本開示は、サテライト基板を用いた車両用電源監視システムに係り、特に、サテライト基板を用い、高電圧電源の温度を監視する車両用電源監視システムに関する。
複数の電池セルによって構成される高電圧電源の各電池セルの状態を監視する監視回路には、5V等の低電圧電源で動作するメイン基板に実装されるタイプと、例えば数100Vの高電圧電源側のサテライト基板に実装されるタイプとがある。
例えば、特許文献1には、サテライト基板に実装される監視回路を駆動するための電力は、低電圧電源からトランス等の絶縁電源を介して供給される例を述べている。このように絶縁電源をメイン基板に設けると、サテライト基板の数が変更になる度に、メイン基板上の絶縁基板の数も変更になることを指摘し、サテライト基板に絶縁電源を設けることを開示している。
本開示に関連する技術として、特許文献2には、高電圧電源の正極母線及び負極母線は、メイン基板の回路接地である車体とフローティングであり、高電圧電源の正極母線及び負極母線と車体との間の漏電を検出する漏電検出回路を開示している。
特開2015―079585号公報 特開2004−347372号公報
複数の電池セルで構成される高電圧電源に複数の温度センサとしてのサーミスタを設け、電池温度の監視を行う監視回路をサテライト基板に実装すれば、複数のサーミスタからの信号線をメイン基板に実装される主制御装置まで引き回さなくて済む。
一方で、メイン基板に監視回路を実装する場合には、仮に、高電圧電源とサーミスタとが電気的に短絡しても、車体に対しフローティングの高電圧電源と車体が接地電位であるメイン基板との間の漏電として検出できる(特許文献2)。サテライト基板に監視回路を実装する場合は、仮に、高電圧電源とサーミスタとが電気的に短絡すると、車体に対しフローティングの高電圧電源と車体が接地電位であるメイン基板との間の絶縁は保たれているので、特許文献2の漏電検出回路が使えない。
そこで、サテライト基板に監視回路を実装した車両用電源監視システムにおいて、高電圧電源とサーミスタとの間の電気的な短絡を判定することが要望される。
本開示に係るサテライト基板を用いた車両用電源監視システムは、電池缶に収納された電池セルの所定の複数個を直列に接続し、正極母線と負極母線が車体から絶縁抵抗を介してフローティング電位にある高電圧電源と、複数の電池缶について定められた測定位置に絶縁体を介して配置され、一端及び他端がそれぞれ引き出される複数のサーミスタと、メイン制御基板とは独立のサテライト基板に実装され、負極母線を接地電位とし、サーミスタの一端と他端の間の端子間電圧に基づいて電池温度を監視する監視回路と、予め設定された基準電圧に一方端が接続され、他方端が監視回路の検出端子に接続され、各サーミスタごとに設けられた所定の直列抵抗と、サーミスタの一端、他端、監視回路の検出端子、及び負極母線の間に設けられる経路切替部であって、サーミスタの一端を監視回路の検出端子へ接続し、かつサーミスタの他端を負極母線へ接続する第1の経路、サーミスタの他端を監視回路の検出端子へ接続し、かつサーミスタの一端を負極母線へ接続する第2の経路との間で、経路を切り替える経路切替部と、経路切替前後で、サーミスタの端子間電圧の差が所定値を超えるときに、サーミスタの一端または他端のいずれか1が電池缶と電気的に短絡していると判定する短絡判定部と、を備える。
上記構成によれば、サテライト基板に監視回路を実装した車両用電源監視システムにおいて、高電圧電源とサーミスタとの間の電気的な短絡を判定できる。
実施の形態に係るサテライト基板を用いた車両用電源監視システムの構成図である。(a)は全体構成図であり、(b)は、(a)においてBで示す経路切替部の内部構成図である。 経路切替部において、従来技術の経路である第1の経路に切り替えたときのサテライト基板を用いた車両用電源監視システムの構成図である。 図2のサテライト基板を用いた車両用電源監視システムにおいて、監視回路が検出するするサーミスタの端子間電圧と電池温度との関係を示す図である。 図2のサテライト基板を用いた車両用電源監視システムにおいて、電池缶とサーミスタの一端とが電気的に短絡したときの短絡電流を示す図である。 図4の場合において、監視回路が検出するサーミスタの端子間電圧と電池温度との関係を示す図である。 図4に対比して、電池缶とサーミスタの他端とが電気的に短絡したときの短絡電流を示す図である。 図6の場合において、監視回路が検出するするサーミスタの端子間電圧と電池温度との関係を示す図である。 実施の形態に係るサテライト基板を用いた車両用電源監視システムにおいて、高電圧電源とサーミスタとの間の電気的な短絡の判定方法の手順を示すフローチャートである。 図8において、経路切替部が第1の経路に切り替えたときの短絡電流を示す図である。 図8において、経路切替部が第2の経路に切り替えたときの短絡電流を示す図である。 図9及び図10の場合において、監視回路が検出するするサーミスタの端子間電圧と電池温度との関係を示す図である。 比較例として、サテライト基板を用いない車両用電源監視システムの構成を示す図である。
以下に図面を用いて、本実施の形態に付き詳細に説明する。以下で述べる電池セルの個数、電圧、抵抗等は、説明のための例示であって、サテライト基板を用いた車両用電源監視システムの仕様に応じて適宜変更が可能である。 以下では、全ての図面において同様の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、実施の形態に係るサテライト基板を用いた車両用電源監視システム10の構成図である。以下では、特に断らない限り、サテライト基板を用いた車両用電源監視システム10を、電源監視システム10と呼ぶ。(a)は全体構成図であり、(b)は、経路切替部60の詳細図である。
電源監視システム10は、車両に搭載される高電圧電源30の状態を監視するシステムである。監視される高電圧電源30の状態としては、電池電圧、電池電流があるが、ここでは、高電圧電源30の電池温度についてサーミスタ42を用いて監視する電源監視システム10について述べる。高電圧電源30を搭載する車両には、回転電機で駆動される電気自動車や、エンジンと回転電機とを搭載するハイブリッド車両を含む。
電源監視システム10は、メイン制御基板12に実装される部分と、サテライト基板50に実装される部分とを含む。以下では、特に断らない限り、メイン制御基板12をメイン基板12と呼ぶ。メイン基板12には、車体14を接地電位とし、図示しない低電圧電源から生成される低電圧VCCによって動作する複数の回路が実装される。低電圧電源は、公称端子間電圧が約14.4Vの鉛蓄電池等で、低電圧VCCの一例は約5Vである。メイン基板12に実装される回路としては、例えば、車両のランプ点灯回路、ステアリング駆動回路、空調回路、オーディオ回路等を含むが、図1では、主制御装置16と漏電検出回路18とを示す。
主制御装置16は、サテライト基板50に実装される監視回路52とデータ通信線70を介して交信し、監視回路52から高電圧電源30の状態の監視データを取得し、その結果に基づいて監視回路52に対する指示、車両の他の制御要素へ指示を行う装置である。主制御装置16は、車載に適したマイクロコンピュータ等で構成される。
漏電検出回路18は、高電圧電源30の正極母線32及び負極母線34と、車体14との間の漏電を検出する回路である。以下では、特に断らない限り、高電圧電源30の正極母線32、高電圧電源30の負極母線34を、それぞれ正極母線32、負極母線34と呼ぶ。高電圧電源30は、約100V〜約300Vの端子間電圧を有するので、感電防止等から、その正極母線32、負極母線34は、車体14に対しフローティング電位にある。正極母線32及び負極母線34と車体14との間は、絶縁材や空間等で絶縁されるが、その絶縁抵抗が何らかの理由で劣化や損傷を受けると、正極母線32、負極母線34と車体14との間に漏電が生じる。漏電検出回路18は、車体14と高電圧電源30との間の漏電を監視する。漏電の可能性があるときは、車両全体を制御する車両制御部の作用によって、車両の駆動が停止され、高電圧電源30と車両の他の構成要素との間を電気的に分離する等の処置が行われる。
高電圧電源30は、車両の回転電機の駆動電力源となる大電流高電圧の直流電源である。高電圧電源30は、所定の複数個の電池セル36を直列接続して所定の高電圧を出力する。図1では、所定の複数個をn=24とし、24個の各電池セル36は、それぞれの負極端子を負極母線34側、正極端子を正極母線32側とし、隣接する電池セル36の間で一方側の電池セル36の正極端子を他方の電池セル36の負極端子に接続する。図1では、24個の電池セル36を区別して、負極母線34側から正極母線32側に向かって、n=1からn=24の番号を付した。n=1の電池セル36の負極端子の電位は、負極母線34の電位であり、n=24の電池セル36の正極端子の電位は、正極母線32の電位である。
電池セル36の種類としては、公称の端子間電圧が約3.6Vのリチウムイオン電池や、公称の端子間電圧が約1.2Vのニッケル水素電池が用いられる。ここでは、電池セル36をリチウムイオン電池とし、端子間電圧として公称の端子間電圧の3.6Vを用いる。図1では、高電圧電源30として、24個の電池セル36を直列接続しているので、高電圧電源30の端子間電圧は、(3.6V×24)=86.4Vである。これは説明のための例示であり、n=24以外の直列接続数であってよい。例えば、n=96とすると、高電圧電源30の端子間電圧は、345.6Vである。図1の例では、直列接続の各段は1個の電池セル36としたが、複数の電池セル36を並列接続してこれを1段として、24段を直列接続してもよい。例えば、15個の電池セル36を互いに並列接続したものを1段として24段を直列接続してもよい。各段の端子間電圧は3.6Vであるが、出力電流は、1段が1個の電池セル36の場合に比べ、15倍になる。このように、各段の並列接続数と、直列接続される段数とを適当に設定して、所定の大電流高電圧を出力できる高電圧電源30となる。以下では、図1に示すように、1段の個数=1とし、直列接続される段数=24とする。
リチウムイオン電池の電池セル36は、セパレータを介して配置される正極活物質層と負極活物質層とを有する。セパレータは、電解質を吸収保持ないし担持するポリマーからなる多孔性シートである。多孔性シートに代えて不織布シートを用いてもよい。電解液は、有機溶媒にリチウム塩が溶解された液状電解液が用いられる。有機溶媒としては、カーボネート類、リチウム塩としては、無機酸陰イオン塩や有機酸陰イオン塩が用いられる。これらの材料については公知であるので、さらなる説明を省略する。
電池セル36は、電池缶38の内部に収納され、正極端子と負極端子が電池缶38と絶縁されて外部に突き出す。電池缶38の内部は電解液で満たされるので、正極端子は電解液抵抗40を介して電池缶38と電気的に接続され、負極端子は電解液抵抗41を介して電池缶38と電気的に接続される。単体の電池セル36を取り出すと、電池缶38の電位は、正極端子と負極端子から電解液抵抗40,41を介したフローティング電位となり、電解液抵抗40と電解液抵抗41をほぼ同じとして、(3.6V/2)=1.8Vである。電池缶38は、絶縁フィルムや絶縁チューブによって外周面が覆われる。
サーミスタ42は、温度変化に対して電気抵抗の変化の大きい抵抗体で、この現象を利用し、電池温度を検出する温度センサとして用いる。サーミスタ42は、温度上昇と共に抵抗が減少するが、これとは逆に、温度上昇と共に抵抗が増大するポジスタ(村田製作所の登録商標)も知られている。以下では、温度上昇と共に抵抗が減少する抵抗体をサーミスタ42として用いる。温度θ0におけるサーミスタ42の抵抗をR(θ0)とし、温度θにおけるサーミスタ42の抵抗をR(θ)とすると、R(θ)=R(θ0)×exp[B{(1/θ)−(1/θ0)}で与えられる。Bは、温度変化に対するサーミスタ42の抵抗の変化の割合を表す物性値で、B定数とよばれる。上式において、温度の単位は絶対温度Kで、B定数の単位も絶対温度Kである。
サーミスタ42は、高電圧電源30の複数の電池缶38について定められた測定位置に絶縁体44を介して配置される。絶縁体44は、サーミスタ42の導電体である抵抗体と電池缶38との間を電気的に絶縁しながら温度を伝達するフィルムである。絶縁体44としては、サーミスタ42の外周を覆う絶縁フィルム、絶縁チューブ、絶縁塗装等が用いられる。電池缶38の外周面を覆う絶縁フィルム等を絶縁体44として用いてもよい。
サーミスタ42の配置方法としては、高電圧電源30の全体を収納するパックケースに取り付けられたサーミスタ保持具にサーミスタ42を固定して電池缶38に接触させる方法を用いることができる。これは一例であって、その他の方法を用いてもよい。図1の例では、nが偶数の電池缶38にそれぞれ1つのサーミスタ42が割り当てられ、合計12個のサーミスタ42が配置される。これも説明のための例示であって、各電池缶38毎に1つのサーミスタ42を配置してもよく、あるいは、高電圧電源30の適当な数カ所の位置にサーミスタ42を配置してもよい。
各サーミスタ42からは、温度を感知する抵抗体の一端46と他端48からそれぞれ信号線が引き出され、サテライト基板50に導かれる。
サテライト基板50は、メイン基板12とは独立の基板で、高電圧電源30に付属して配置される回路基板である。高電圧電源30に付属して、とは、高電圧電源30のパックケースの内部、あるいはパックケースの外側に取り付けられて配置されることを指す。サテライト基板50は、サーミスタ42を用いて高電圧電源30の所定の電池缶38の温度を検出する温度検出回路基板である。サテライト基板50には、監視回路52、マルチプレクサ54,55、サーミスタ42に接続される直列抵抗58、経路切替部60等が実装して配置される。
監視回路52は、負極母線34を接地電位とし、所定の低電圧Vref1によって動作し、サーミスタ42の一端46と他端48との間の端子間電圧に基づいて電池温度を監視し、主制御装置16とデータ通信線70で交信する回路である。ここでは、特に、高電圧電源30とサーミスタ42との間の電気的な短絡の有無を判定する短絡判定部64を含む。
所定の低電圧Vref1の一例は約5Vであり、これは、主制御装置16の所定の低電圧Vccとほぼ同じである。相違するのは、メイン基板12における所定の低電圧Vccの基準電位は車体14の電位であるのに対し、サテライト基板50における所定の低電圧Vref1の基準電位は車体14からフローティングの負極母線34の電位である。サーミスタ42の一端46と他端48との間の端子間電圧は、マルチプレクサ54,55から伝送される検出データを検出端子62,63で取得する。検出端子62,63が取得する検出データは、負極母線34を基準電位とする電圧である。
マルチプレクサ54,55は、12個のサーミスタ42から伝送される検出データであるVOUTの内の1つを順次選択して監視回路52の検出端子62,63に伝送する順次選択回路である。マルチプレクサ54は、n=2,4,6,8,10,12の6つの電池缶38に対応する6つのサーミスタ42からのVOUTの内の1つを順次選択して監視回路52の検出端子62に伝送する。マルチプレクサ55は、n=14,16,18,20,22,14の6つの電池缶38に対応する6つのサーミスタ42からのVOUTの内の1つを順次選択して監視回路52の検出端子63に伝送する。
図1では、VOUT(n=2),VOUT(n=4),VOUT(n=20),VOUT(n=22),VOUT(n=24)を示し、他の図示を省略した。マルチプレクサ54,55を用いることで、監視回路52における検出端子の数を少なくすることができる。図1の例では、12個のVOUTのデータを取得するのに、2つの検出端子62,63で済む。
マルチプレクサ54,55は、監視回路52の検出端子の数を少なくする回路であり、機能的には、マルチプレクサ54,55に入力されるサーミスタ42からのVOUTのデータは、監視回路52の検出端子62,63が取得するデータと同じである。そこで、以下では、特に断らない限り、マルチプレクサ54,55の順次選択機能を広義の監視回路52に含むものとし、各サーミスタ42からのVOUTがそれぞれ監視回路52の検出端子に入力されるものとする。
直列抵抗58は、予め設定された基準電圧Vref2に一方端が接続され、他方端が監視回路52の検出端子に接続される抵抗体で、12個のサーミスタ42のそれぞれについて設けられる。基準電圧Vref2の電圧値と直列抵抗58の抵抗R0とは、サーミスタ42の感度を示すB定数を考慮して設定される。これらの設定例については後述する。
経路切替部60は、各サーミスタ42毎に1つずつ設けられ、サーミスタ42の一端46、他端48、監視回路52の検出端子、及び負極母線34の間に設けられ、信号の流れ経路を切り替えるスイッチ群である。
図1(b)は、(a)においてBと示す経路切替部60の内部構成図である。経路切替部60は、4つのスイッチSW1,SW2,SW3,SW4を含む。かかるスイッチSW1,SW2,SW3,SW4は、監視回路52の制御の下で動作するスイッチングトランジスタで構成される。
経路切替部60は、SW1,SW2を共にオンすると共に、SW3,SW4を共にオフして形成される第1の経路と、SW1,SW2を共にオフすると共に、SW3,SW4を共にオンして形成される第2の経路との間で経路を変更する。第1の経路は、サーミスタ42の一端46を監視回路52の検出端子へ接続し、かつサーミスタ42の他端48を負極母線34へ接続する経路である。第2の経路は、サーミスタ42の他端48を監視回路52の検出端子へ接続し、かつサーミスタ42の一端46を負極母線34へ接続する経路である。
短絡判定部64は、経路切替部60が第1の経路から第2の経路に切り替えるときに、、経路切替前後で監視回路52の検出端子が検出するVOUTの変化に基づいて、高電圧電源30とサーミスタ42との間の短絡の有無を判定する。経路切替部60は各サーミスタ42毎に設けられるので、監視回路52の検出端子が検出するVOUTは、当該経路切替部60によって経路が切り替えられる1つのサーミスタ42の端子間電圧である。したがって、短絡判定部64は、当該経路切替部60に対応する1つのサーミスタ42が高電圧電源30に電気的に短絡したか否かを判定する。
図1(a)において一例を示すと、n=20のサーミスタ42に対応する経路切替部60が監視回路52の制御によって第1の経路に切り替えられているときのVOUT(n=20)が監視回路52によって取得される。これを、第1のVOUT(n=20)とする。次に、n=20のサーミスタ42に対応する経路切替部60が監視回路52の制御によって第2の経路に切り替えられる。そのときに監視回路52によって取得される。VOUT(n=20)を第2のVOUT(n=20)とする。第1のVOUT(n=20)と第2のVOUT(n=20)との電圧差の絶対値が予め定めた所定値未満であるときに、短絡判定部64は、n=20のサーミスタ42と、高電圧電源30のn=20の電池缶38との間に電気的な短絡が生じていないと判定する。換言すれば、第1のVOUT(n=20)と第2のVOUT(n=20)との電圧差の絶対値が所定値以下であるときに、短絡判定部64は、n=20のサーミスタ42と、高電圧電源30のn=20の電池缶38との間に電気的な短絡が生じていると判定する。このように、短絡判定部64は、各サーミスタ42のそれぞれについて、高電圧電源30において対応する電池缶38との間の電気的な短絡の有無を判定する。経路切替を行う必要性については後述する。
図2は、各経路切替部60がそれぞれ第1の経路に切り替えたときの電源監視システム10の構成を示す図である。第1の経路に切り替えたときは、サーミスタ42の一端46は監視回路52の検出端子に接続され、サーミスタ42の他端48は負極母線34に接続される。この状態は、経路切替部60を設けない従来技術の電源監視システムと同じ状態で、監視回路52の検出端子は、サーミスタ42の他端48の電位である負極母線34の電位を基準電位として、サーミスタ42の一端の電位をVOUTとして取得する。
図3は、高電圧電源30と各サーミスタ42との間が電気的に絶縁されている正常時について、図2の監視回路52が取得するVOUTと、サーミスタ42の検出温度との関係の一例を示す図である。図3の横軸はサーミスタ42の温度、縦軸はVOUTである。VOUTは、基準電圧Vref2と負極母線34との間に直列抵抗58とサーミスタ42とが直列接続されたときのサーミスタ42の端子間電圧である。
図3は、基準電圧Vref2と負極母線34との間に直列抵抗58とサーミスタ42とが直列接続されたときのサーミスタ42の温度特性図に相当する。サーミスタ42として、25℃における抵抗が10kΩ、B定数が3435(K)のごく一般的な特性のものを用いる。このとき、極低温で数100kΩの抵抗となり、高温下では数Ωの抵抗となる。直列抵抗58の抵抗R0を適切に設定することで、例えば、25℃を中心として、温度の変化に対するVOUTの変化を直線的変化とできる。計算によれば、直線的変化の範囲をできるだけ広く取れるようにするには、基準電圧Vref2を測定回路として標準的な5.0Vとして、直列抵抗58の抵抗R0は、25℃におけるサーミスタ42の抵抗と同じ10kΩとすることがよいことが分かる。この設定による計算結果が図3である。この例では、25℃を中心として、約0℃から約50℃の範囲で、温度の変化に対するVOUTの変化がほぼ直線的変化とできる。以下では、Vref2=5.0V、直列抵抗58の抵抗R0=10kΩとする。
図3に示すように、高電圧電源30と各サーミスタ42との間の電気的な絶縁が維持されている正常時のときは、各サーミスタ42のそれぞれのVOUTの温度特性は、すべて同じとなる。すなわち、−50℃の極低温では、VOUTはほぼVref2と同じ値となり、25℃では、VOUTは約2.3V、300℃の高温下では、VOUTはほぼ0Vとなる。
つぎに、サテライト基板を用いる電源監視システム10における経路切替部60の必要性について、図4から図6を用いて説明する。図4と図6は、n=n番目の電池缶38と、これに対応するサーミスタ42との間の電気的な絶縁が劣化あるいは損傷して、電池缶38とサーミスタ42との間が電気的に短絡したときの短絡電流の流れ方を示す図である。図4は、サーミスタ42の一端46が電池缶38と電気的に短絡した場合を示し、図6は、サーミスタ42の他端48が電池缶38と電気的に短絡した場合を示す。なお、図4、図6に示すZDは、監視回路52の過電圧防止等のために設けられるツェナーダイオードである。
図4に、サーミスタ42の一端46と電池缶38との間が、短絡路72によって電気的に短絡するときの短絡電流74を矢印付き太線で示す。短絡電流74は、電池セル36からrと示す電解液抵抗40を介し、電池缶38と短絡路72を経由してサーミスタ42の一端46からサーミスタ42の他端48を通り、負極母線34に向かって流れる。サーミスタ42の端子間電圧であるVOUTは、サーミスタ42を流れる短絡電流74と、基準電圧Vref2と直列抵抗58を介して流れる電流との電流和にサーミスタ42の抵抗を乗じた値となる。電気回路解析で用いられるキルヒホフの法則と重ね合わせの原理等を用いて計算した結果を図5に示す。
図5の縦軸と横軸は図3と同じである。図3で述べた正常時における特性を破線で示す。実線は、短絡路72によって電気的に短絡状態となる電池缶38とサーミスタ42の位置をnで示すときに、そのnの位置のサーミスタ42の端子間電圧をVOUTとしてその温度特性をn=2からn=24について計算した結果である。例えば、n=2の位置で、電池缶38とサーミスタ42の一端46とが短絡路72で電気的に短絡した場合は、n=2の位置のサーミスタ42のVOUTの温度特性が図5のn=2の特性で示される。n=2の位置のサーミスタ42のVOUTは、温度が−50℃の極低温において約5.2V、25℃で約5.0V、300℃の高温下で約0.1Vである。このとき、n=2以外の位置におけるサーミスタ42のVOUTは、その位置における電池缶38との電気的な短絡が無ければ、破線で示す正常時における特性を示す。このように、サーミスタ42の一端46と電池缶38との間が、短絡路72によって電気的に短絡するときのサーミスタ42のVOUTは、温度が同じであれば、破線で示す正常時のVOUTよりも大きめの電圧となる。
次に、図6において、n=nの位置におけるサーミスタ42の他端48と電池缶38との間が短絡路76によって電気的に短絡するときの短絡電流78を矢印付き太線で示す。短絡電流78は、電池セル36から電解液抵抗41を介し、電池缶38と短絡路76を経由してサーミスタ42の他端48から負極母線34に向かって流れる。このとき、短絡電流78が流れるのと同時に、短絡路76を通ってサーミスタ42の一端46に向かう電流79が流れる。電流79は、サーミスタの一端46からさらに直列抵抗58を通って監視回路52に向かって流れる。この電流79は、サーミスタ42と直列抵抗58を流れる電流であるので、監視回路52が検出するVOUTに影響を与えない。したがって、サーミスタ42の端子間電圧であるVOUTには、短絡電流78が反映されず、あたかも短絡がないときの正常時と同じ温度特性となる。図7に、サーミスタ42の他端48と電池缶38との間が短絡路76によって電気的に短絡するときのサーミスタ42のVOUTの温度特性を示すが、これは正常時のVOUTの温度特性を示す図3と同じである。図3は、従来技術において電気的な短絡がない正常なVOUTの温度特性であるのに対し、図7は、サーミスタ42の他端48と電池缶38との間が電気的に短絡している異常時のサーミスタ42のVOUTの温度特性である。n=nの位置以外の位置におけるサーミスタ42のVOUTは、その位置における電池缶38との電気的な短絡が無ければ、やはり図7に示す温度特性を示す。このように、サーミスタ42の他端48と電池缶38との間が、短絡路76によって電気的に短絡してもしなくても、サーミスタ42のVOUTは、図3と同じ温度特性を示し、短絡を検出できない。
図4の短絡電流74や、図6の短絡電流78が生じると、高電圧電源30は短絡路72または短絡路76を介して負極母線34に向かって放電し、そのまま放置すると過放電状態になる。短絡電流74,78は、メイン基板12における接地電位である車体14に向かって流れないので、漏電検出回路18で検出することができない。
サテライト基板50における監視回路52は、電池缶38とサーミスタ42の一端46とが電気的に短絡する場合に、図5で述べたように、短絡電流74が流れるときのサーミスタ42のVOUTの温度特性が正常時のVOUTの温度特性と異なることを利用し得る。しかし、電池缶38とサーミスタ42の他端48とが電気的に短絡する場合には、図7で述べたように、短絡電流78が流れるときのサーミスタ42のVOUTの温度特性が正常時のVOUTの温度特性と同じであるため、短絡路76の発生を検出できない。
図8は、経路切替部60によって短絡電流の流れる経路を切り替えることで、電池缶38とサーミスタ42の一端46または他端48のいずれかが電気的に短絡したことを検出する手順を示すフローチャートである。この手順は、監視回路52がソフトウェアを実行することで実現でき、具体的には、高電圧電源の短絡判定プログラムを監視回路52が実行することで実現できる。図8の各手順は、高電圧電源の短絡判定プログラムの各処理手順に対応する。図8の手順の一部をハードウェアで実現してもよい。
図8の各手順は、各サーミスタ42について順次実行されるので、最初は、nの最も少ないサーミスタ42から始める。図1の例では、12個のサーミスタ42は、n=2,4,6,8,10,12,14,16,18,20,22,24であるので、最初はn=2に設定する(S10)。以下では、n=2の位置のサーミスタ42からn=24の位置のサーミスタ42についての手順がS26に進むまで、特に断らない限り、各位置におけるサーミスタ42を、単に、サーミスタ42と示す。
ここで、サーミスタ42に対応する経路切替部60を第1の経路に設定する。具体的には、SW1,SW2をオンし、SW3,SW4をオフする(S12)。そして、そのときのサーミスタ42のVOUTを、第1のVOUT(n=n)として取得する(S14)。ここで、(n=n)は一般的に示すもので、今の場合に限ればn=2である。以下においても同様である。
S14におけるサーミスタ42のVOUTは、高電圧電源30とサーミスタ42との間で電気的な短絡が無い場合には、図3で述べた正常時の温度特性となる。高電圧電源30の電池缶38とサーミスタ42の一端46とが短絡路72で電気的に短絡するときは図4で述べた状態であるので、サーミスタ42のVOUTは、図5で述べた温度特性となる。今の場合n=2であるので、図5のn=2の実線の温度特性となる。高電圧電源30の電池缶38とサーミスタ42の一端46とが短絡路76で電気的に短絡するときは図6で述べた状態であるので、サーミスタ42のVOUTは、図7で述べた正常時の温度特性となる。
第1のVOUT(n=n)を取得すると、次に、サーミスタ42に対応する経路切替部60を第2の経路に設定する。具体的には、SW1,SW2をオフし、SW3,SW4をオンする(S16)。そして、そのときのサーミスタ42のVOUTを、第2のVOUT(n=n)として取得する(S18)。
S18におけるサーミスタ42のVOUTは、高電圧電源30とサーミスタ42との間で電気的な短絡が無い場合には、図3で述べた正常時の温度特性となる。高電圧電源30とサーミスタ42との間で電気的な短絡がある場合については、電池缶38とサーミスタ42の一端46とが短絡路72で短絡したときと、電池缶38とサーミスタ42の他端48とが短絡路76で短絡したときとに分けて説明する。
図9は、サーミスタ42の一端46が電池缶38と電気的に短絡した場合を示す図である。図9において、n=nの位置におけるサーミスタ42の一端46と電池缶38との間が短絡路72によって電気的に短絡するときの短絡電流80を矢印付き太線で示す。短絡電流80は、電池セル36から電解液抵抗40を介し、電池缶38と短絡路72を経由してサーミスタ42の一端46から経路切替部60における第2の経路を通り、負極母線34に向かって流れる。このとき、短絡電流80は、サーミスタ42の他端48に向かっては流れない。サーミスタ42の他端48と一端46との間には、基準電圧Vref2と直列抵抗58を介して負極母線34に向かう電流のみが流れる。したがって、第2の経路におけるサーミスタ42のVOUTである第2のVOUT(n=n)には、短絡電流80が反映されず、図3で述べた正常時の温度特性を示す。
図10は、サーミスタ42の他端48が電池缶38と電気的に短絡した場合を示す図である。図10において、n=nの位置におけるサーミスタ42の他端48と電池缶38との間が短絡路76によって電気的に短絡するときの短絡電流82を矢印付き太線で示す。短絡電流82は、電池セル36から電解液抵抗41を介し、電池缶38と短絡路76を経由してサーミスタ42の他端48から一端46に流れ、経路切替部60の第2の経路を通り、負極母線34に向かって流れる。サーミスタ42の端子間電圧であるVOUTは、サーミスタ42を流れる短絡電流82と、基準電圧Vref2と直列抵抗58を介して流れる電流との電流和にサーミスタ42の抵抗を乗じた値となる。これについて電気回路解析で用いられるキルヒホフの法則と重ね合わせの原理等を用いて計算した結果を図11に示す。図11の内容は、図5と同じであるので、詳細な説明を省略する。このように、第2の経路におけるサーミスタ42のVOUTである第2のVOUT(n=n)は、図11における実線の温度特性を示す。今の場合n=2であるので、図11のn=2の実線の温度特性となる。
第2のVOUT(n=n)を取得すると、次に、第1のVOUT(n=n)と第2のVOUT(n=n)の間の電圧差の絶対値を求め、予め定めた所定値ΔVth未満か否かが判定される(S20)。この処理手順は、監視回路52の短絡判定部64の機能によって実行される。
S20の判定について、3つの場合に分けて説明する。第1の場合は、高電圧電源30とサーミスタ42との間で電気的な短絡が無い場合である。このとき、経路切替部60の第1の経路における第1のVOUT(n=n)は、図3で述べた正常時の温度特性であり、経路切替部60の第2の経路における第2のVOUT(n=n)も、図3で述べた正常時の温度特性である。これらは、同じサーミスタ42についてのVOUTで、単に、第1の経路か第2の経路かの相違であるので、同じ温度状態である。したがって、第1のVOUT(n=n)と第2のVOUT(n=n)の間の電圧差の絶対値は、測定誤差範囲でゼロであり、ΔVthを測定誤差上限の0.1Vとすることで、S20の判定は肯定される。
第2の場合は、電池缶38とサーミスタ42の一端46とが短絡路72で電気的に短絡する場合である。このとき、経路切替部60の第1の経路における第1のVOUT(n=n)は、図5の実線の温度特性となる。これに対し、経路切替部60の第2の経路における第2のVOUT(n=n)は、図9で述べたように、図3の正常時の温度特性となる。図3、図5に代えて図11を用い、n=2とすると、第1のVOUT(n=2)は、図11のn=2の実線の温度特性であり、第2のVOUT(n=2)は、図11の破線の温度特性である。n=2のサーミスタ42の温度を、例えば50℃とすると、第1のVOUT(n=2)は、図11の(a)点で、約4.5V、第2のVOUT(n=2)は、図11の(b)点で、約1.5Vとなる。したがって、第1のVOUT(n=n)と第2のVOUT(n=n)の間の電圧差の絶対値は、約3.0Vであり、測定誤差範囲を大幅に超える値となる。ΔVthを測定誤差上限の0.1Vとすると、S20の判定は否定される。ΔVthを0.1Vとするのは、説明のための例示であって、これ以外の数値を用いてもよい。
第3の場合は、電池缶38とサーミスタ42の他端48とが短絡路76で電気的に短絡する場合である。このとき、経路切替部60の第1の経路における第1のVOUT(n=n)は、図3の正常時の温度特性となる。これに対し、経路切替部60の第2の経路における第2のVOUT(n=n)は、図10で述べたように、図11の実線の温度特性となる。n=2とすると、第1のVOUT(n=2)は、図11の破線の温度特性であり、第2のVOUT(n=2)は、図11におけるn=2の実線の温度特性である。n=2のサーミスタ42の温度を、例えば50℃とすると、第1のVOUT(n=2)は、図11の(b)点で、約1.5V、第2のVOUT(n=2)は、図11の(a)点で、約4.5Vとなる。したがって、第1のVOUT(n=n)と第2のVOUT(n=n)の間の電圧差の絶対値は、約3.0Vであり、測定誤差範囲を大幅に超える値となる。ΔVthを測定誤差上限の0.1Vとすると、S20の判定は否定される。
このように、経路切替部60の作用によって、電池缶38がサーミスタ42の一端46と短絡路72で電気的に短絡する場合も、電池缶38がサーミスタ42の他端48と短絡路76で電気的に短絡する場合も、S20の判定が否定される。これによって、経路切替部60を設けない場合に相当する図2の電源監視システム10では検出できなかった電池缶38とサーミスタ42の他端48とが電気的に短絡することを検出できる。
なお、S20では、同じサーミスタ42についての第1のVOUT(n=n)と第2のVOUT(n=n)との比較を行った。これに代えて、異なるサーミスタ42の間のVOUTを比較して、その電圧差がΔVthを超えるときに、大きいVOUTを示すサーミスタ42が電池缶38との間で電気的に短絡していると判定することも考えられる。この案は、図5で述べたように、サーミスタ42が電池缶38との間で電気的に短絡しているときのVOUTが実線の温度特性を示し、サーミスタ42が電池缶38との間で電気的に短絡していないときのVOUTが破線の温度特性を示すことを利用するものである。この案は、異なるサーミスタ42のVOUTを比較するので、比較するサーミスタ42の温度が同じのときに用いることが可能である。
例えば、図5と同じ内容の図11において、n=2のサーミスタ42のVOUTが実線の温度特性とし、他の正常時を示すサーミスタ42のVOUTが破線の温度特性とする。温度が共に50℃であれば、n=2のサーミスタ42のVOUTは(a)点の約4.5Vで、正常時にあるサーミスタ42のVOUTは(b)点の約1.5Vであり、その電圧差はΔVthを超える。したがって、VOUTが大きい値を示すn=2のサーミスタ42が電池缶38と電気的に短絡していると判定できる。共通の温度が50℃でなくても、同様の判定が可能である。例えば、共通の温度が150℃のときは、n=2のサーミスタ42のVOUTは(c)点の約1.5Vで、正常時にあるサーミスタ42のVOUTは(d)点の約0.1Vであり、その電圧差はΔVthを超える。
しかし、高電圧電源30の各電池缶38の温度は必ずしも同じでなく、場合によっては、大きな温度差を有する場合がある。図11の例で、n=2のサーミスタ42の温度が150℃、正常時にあるサーミスタ42の温度が50℃とすると、n=2のサーミスタ42のVOUTは(c)点の約1.5V、正常時にあるサーミスタ42のVOUTは(b)点の約1.5Vである。この例では、電圧差はほぼゼロとなり、ΔVth未満となって、n=2のサーミスタ42が電池缶38と電気的に短絡しているとは判定できない。これに対し、S20では、同一サーミスタ42において、経路切替部60によって経路を切り替えたときのVOUTの電圧差の絶対値を見るので、温度の影響を受けず、正確な判定ができる。
図8に戻り、S20の判定が肯定されると、n=nのサーミスタ42と高電圧電源30との間に電気的な短絡がない(S22)とされる。S22の判定が否定されると、n=nのサーミスタ42と高電圧電源30との間に電気的な短絡がある(S24)とされる。S24の場合は、今のところ、n=2のサーミスタ42と高電圧電源30との間に短絡電流が生じているので、n=2のサーミスタ42に対応する経路切替部60の全てのスイッチをオフにする(S26)。これによって、高電圧電源30からn=nのサーミスタ42を経由して短絡電流が負極母線34に流れることを防止し、高電圧電源30の過放電を防止できる。このように、経路切替部60は、高電圧電源30とサーミスタ42との間の短絡電流を遮断する働きも有する。
S22,S26までの処理手順で、n=2のサーミスタ42における短絡判定が終了するので、S28に進み、全てのサーミスタ42についての短絡判定が終了したか否かの判定が行われる。すなわち、nが24に達したか否かが判定される。今の場合、サーミスタ42は12個あり、n=2のサーミスタ42における短絡判定が終了しただけなので、判定が否定される。nが24に達したか否かが判定される。S28の判定が否定されると、nを(+2)だけ増加させ(S30)、S12の処理手順に戻り、上記の処理手順が繰り返される。S28の判定が肯定されると、全部のサーミスタ42についての短絡判定が終了しているので、全ての処理手順を終了する。
図12は、実施の形態の電源監視システム10と比較するために、サテライト基板50を用いない従来技術の電源監視システム11の構成を示す図である。サテライト基板50を用いないとき、高電圧側と低電圧側の境界は、高電圧電源30の各電池缶38と、各サーミスタ42との間になる。メイン基板12は、高電圧電源30が収納されるパックケースから離れたところに配置されるので、各サーミスタ42の一端46と他端48から引き出される信号線49は、引き回されて、メイン基板12に接続される。メイン基板12には、高電圧電源30の正極母線32及び負極母線34と、車体14との間の漏電を検出する漏電検出回路18が設けられる。高電圧電源30と各サーミスタ42との間に電気的な短絡が生じると、その短絡電流は、車体14に向かって流れるので、漏電検出回路18によって検出される。
このように、従来技術の電源監視システム10によれば、高電圧電源30と各サーミスタ42との間の電気的な短絡は、漏電検出回路18によって検出できる。その反面、各サーミスタ42の一端46と他端48から引き出される多数の信号線49をメイン基板12まで引き回す必要がある。本実施の形態の電源監視システム10では、サテライト基板50を用いるので、図12に示す多数の信号線49の引き回しが不要となる。高電圧電源30と各サーミスタ42との間に電気的な短絡が生じるときは、漏電検出回路18が利用できないが、経路切替部60と、短絡判定部64の作用によって、その電気的な短絡の検出が行われる。本実施の形態の電源監視システム10によれば、従来技術の電源監視システム11に比較して、小型で扱いやすい構成となる。
本実施の形態のサテライト基板を用いた車両用電源監視システム10は、電池缶38に収納された電池セル36の所定の複数個を直列に接続し、正極母線32と負極母線34が車体14から絶縁抵抗を介してフローティング電位にある高電圧電源30を含む。また、複数の電池缶38について定められた測定位置に絶縁体44を介して配置され、一端46及び他端48がそれぞれ引き出される複数のサーミスタ42を含む。そして、メイン制御基板12とは独立のサテライト基板50を有する。サテライト基板50には、負極母線34を接地電位とし、サーミスタ42の一端46と他端48の間の端子間電圧に基づいて電池温度を監視する監視回路52が実装される。そして、予め設定された基準電圧Vref2に一方端が接続され、他方端が監視回路52の検出端子に接続され、各サーミスタ42ごとに設けられた所定の直列抵抗58を含む。さらに、サーミスタ42の一端46、他端48、監視回路52の検出端子、及び負極母線34の間に設けられる経路切替部60を含む。経路切替部60は、第1の経路と第2の経路との間で経路を切り替える。第1の経路は、サーミスタ42の一端46を監視回路52の検出端子62,63へ接続し、かつサーミスタ42の他端48を負極母線34へ接続する。第2の経路は、サーミスタ42の他端48を監視回路52の検出端子へ接続し、かつサーミスタ42の一端46を負極母線34へ接続する。そして、経路切替前後で、サーミスタ42の端子間電圧の差が所定値を超えるときに、サーミスタ42の一端46または他端48のいずれか1が電池缶38と電気的に短絡していると判定する短絡判定部64を備える。
上記構成によれば、サテライト基板50に監視回路52を実装した車両用電源監視システム10において、高電圧電源30とサーミスタ42との間の電気的な短絡を判定できる。
10 (サテライト基板を用いた車両用)電源監視システム、11 (従来技術の)電源監視システム、12 メイン(制御)基板、14 車体、16 主制御装置、18 漏電検出回路、30 高電圧電源、32 (高電圧電源の)正極母線、34 (高電圧電源の)負極母線、36 電池セル、38 電池缶、40,41 電解液抵抗、42 サーミスタ、44 絶縁体、46 (サーミスタの)一端、48 (サーミスタの)他端、49 信号線、50 サテライト基板、52 監視回路、54,55 マルチプレクサ、58 直列抵抗、60 経路切替部、62,63 検出端子、64 短絡判定部、70 データ通信線、72,76 短絡路、74,78,80,82 短絡電流、79 電流。

Claims (1)

  1. 電池缶に収納された電池セルの所定の複数個を直列に接続し、正極母線と負極母線が車体から絶縁抵抗を介してフローティング電位にある高電圧電源と、
    複数の前記電池缶について定められた測定位置に絶縁体を介して配置され、一端及び他端がそれぞれ引き出される複数のサーミスタと、
    メイン制御基板とは独立のサテライト基板に実装され、前記負極母線を接地電位とし、前記サーミスタの前記一端と前記他端の間の端子間電圧に基づいて電池温度を監視する監視回路と、
    予め設定された基準電圧に一方端が接続され、他方端が前記監視回路の検出端子に接続され、前記サーミスタのそれぞれに設けられた所定の直列抵抗と、
    前記サーミスタの前記一端、前記他端、前記監視回路の前記検出端子、及び前記負極母線の間に設けられる経路切替部であって、前記サーミスタの前記一端を前記監視回路の前記検出端子へ接続し、かつ前記サーミスタの前記他端を前記負極母線へ接続する第1の経路、前記サーミスタの前記他端を前記監視回路の前記検出端子へ接続し、かつ前記サーミスタの前記一端を前記負極母線へ接続する第2の経路との間で、経路を切り替える経路切替部と、
    経路切替前後で、前記サーミスタの前記端子間電圧の差が所定値を超えるときに、前記サーミスタの前記一端または前記他端のいずれか1が前記電池缶と電気的に短絡していると判定する短絡判定部と、
    を備える、サテライト基板を用いた車両用電源監視システム。
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