JP2017184225A - 端末装置 - Google Patents

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浩司 武村
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裕之 渡辺
忠久 神山
Tadahisa Kamiyama
忠久 神山
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Abstract

【課題】車両に搭載された端末装置の送信する情報を利用した追跡行為を困難にする技術を提供する。【解決手段】端末装置は、取得部、送信部34、受信部30、および通知部48を備える。取得部は、端末装置14を搭載する本車両の第1の位置情報を測位によって取得する。送信部34は、第1の位置情報と、端末装置14を識別するための識別情報とを含むパケット信号を送信する。受信部30は、他の車両に搭載される他の端末装置14からパケット信号を受信し、パケット信号に含まれる他の車両の第2の位置情報を取得する。通知部48は、第2の位置情報と第1の位置情報とをもとに、警告を通知する。送信部34は、停止条件を満たしている場合に、第1の位置情報と識別情報とを含むパケット信号の送信を停止し、受信部30は、停止条件を満たしている場合であっても、他の端末装置14から送信されるパケット信号を受信する。【選択図】図3

Description

本開示は、通信技術に関し、特に所定の情報が含まれた信号を送受信する端末装置に関する。
車車間通信において、端末装置は、自車両の情報(車両識別情報、現在位置、進行方向、車速など)をパケット信号に入れて送信し、周辺車両に搭載された他の端末装置との間で相互に情報を共有することによって、他車両の接近等を検知して運転者に知らせる。しかしながら、車両識別情報や現在位置等の自車両の情報を常に送信し続けるので、これを受信することで視認距離外からでも特定車両の追跡が可能になってしまう。これに対して、これまでは、他車両が接近する状況でない場合に車両識別情報を変化させている(例えば、特許文献1参照)。
特開2010−204982号公報
しかしながら、車両識別情報を変化させたとしても、現在位置等の車両識別情報以外の情報から変化前後のマッチングがとられてしまうことがあり得る。また、車両識別情報を短時間で変化させる通信装置や、そもそも受信機能のみを有する通信装置を追跡に利用された場合には、追跡されていることを検知することも困難である。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、車両に搭載された端末装置の送信する情報を利用した追跡行為を困難にする技術を提供することにある。
本開示の一態様に係る端末装置は、端末装置が搭載される本車両の第1の位置情報を測位によって取得する取得部と、取得部において取得した第1の位置情報と、端末装置を識別するための識別情報とを含むパケット信号を送信する送信部と、他の車両に搭載される他の端末装置から送信されるパケット信号を受信し、パケット信号に含まれた他の車両の第2の位置情報を取得する受信部と、受信部において取得した第2の位置情報と、取得部において取得した第1の位置情報とをもとに、警告を通知する通知部とを備える。送信部は、停止条件を満たしている場合、第1の位置情報と識別情報とを含むパケット信号の送信を停止し、受信部は、停止条件を満たしている場合であっても、他の端末装置から送信されるパケット信号を受信する。
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本開示によれば、本車両を追跡する車両に搭載された端末装置が本車両に搭載された端末装置から送信されるパケット信号に含まれる情報を利用し、本車両を追跡する行為を困難にできる。
図1は実施の形態1に係る通信システムの構成を示す図である。 図2は、図1の通信システムにおいて規定されるフレームのフォーマットを示す図である。 図3は、実施の形態1に係る端末装置の構成を示す図である。 図4は、図1の通信システムによる処理の概要を示す図である。 図5は、図3の端末装置による送信手順を示すフローチャートである。 図6は、図3の端末装置による別の通知手順を示すフローチャートである。 図7は、実施の形態2に係る通信システムの比較対象における車両ID変更処理の概要を示す図である。 図8は、実施の形態2に係る通信システムにおける車両ID変更処理の概要を示す図である。 図9は、実施の形態2に係る通信システムによる変更手順を示すシーケンス図である。 図10は、実施の形態2に係る通信システムによる別の変更手順を示すシーケンス図である。
(実施の形態1)
本開示を具体的に説明する前に、概要を述べる。本開示の実施の形態1は、車両に搭載された端末装置間において車車間通信を実行するとともに、交差点等に設置された基地局装置から端末装置へ路車間通信も実行する通信システムに関する。このような通信システムは、ITS(Intelligent Transport Systems)とも呼ばれる。通信システムは、IEEE802.11等の規格に準拠した無線LAN(Local Area Network)と同様に、CSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access with Collision Avoidance)と呼ばれるアクセス制御機能を使用する。そのため、複数の端末装置によって同一の無線チャネルが共有される。一方、ITSでは、不特定多数の端末装置へ情報を送信する必要がある。そのような送信を効率的に実行するために、本通信システムは、パケット信号をブロードキャスト送信する。
本実施の形態に係る端末装置を搭載する車両の1つを本車両という。本実施の形態では、本車両に搭載された端末装置の動作を中心に説明を行う。また、本車両とは異なる車両を他の車両という。他の車両にも端末装置が搭載されている。他の車両に搭載された端末装置は、本実施の形態に係る端末装置と同じものであってもよいし、異なるものであってもよい。
ここで、本車両に搭載された端末装置、他の車両に搭載された端末装置を区別して説明をするために、本車両に搭載された端末装置を本端末装置、他の車両に搭載された端末装置を他の端末装置ということがある。
車車間通信として、本端末装置は、本車両の位置(存在位置ともいう)・速度・進行方向等の位置情報を含むパケット信号をブロードキャスト送信する。また、他の端末装置は、本端末装置からパケット信号を受信するとともに、パケット信号に格納された前述の情報をもとに、本端末装置を搭載する車両の接近等を認識する。ここで、路車間通信と車車間通信との干渉を低減するために、基地局装置は、複数のサブフレームが含まれたフレームを繰り返し規定する。基地局装置は、路車間通信のために、複数のサブフレームのいずれかを選択し、選択したサブフレームの先頭部分の期間において、制御情報等が格納されたパケット信号をブロードキャスト送信する。
制御情報には、当該基地局装置がパケット信号をブロードキャスト送信するための期間(以下、「路車送信期間」という)に関する情報が含まれている。基地局装置からのパケット信号を受信した端末装置は、制御情報をもとに路車送信期間を特定し、路車送信期間以外の期間(以下、「車車送信期間」という)においてCSMA方式にてパケット信号をブロードキャスト送信する。その結果、路車間通信と車車間通信とが時分割多重される。なお、基地局装置からの制御情報を受信できない端末装置、つまり基地局装置によって形成されたエリアの外に存在する端末装置は、フレームの構成に関係なくCSMA方式にてパケット信号をブロードキャスト送信する。
このような状況下において、本実施の形態に係る端末装置は、他の端末装置あるいは基地局装置から受信したパケット信号に含まれる情報をもとに、支援発生条件を満足した場合に運転支援を実行する。また、運転支援とは、運転者に対して運転を支援することであり、例えば、右折時衝突防止支援、出会い頭衝突防止支援である。右折時衝突防止支援は、日本のように車両が道路の左側を走行する場合において、車両の右折時に、対向して走行している他の車両の存在を通知する。出会い頭衝突防止支援は、車両が直進するとき、他の車両が交差するように接近している場合に接近車両の存在を運転者に通知する。なお、運転支援は複数種類規定されているが、公知の技術が使用されればよい。
一方、他の端末装置において運転支援を実行させるために、本端末装置はパケット信号をブロードキャスト送信しているが、パケット信号には、本端末装置あるいは本車両を識別するための識別情報(以下、「車両ID(Identification)」ともいう)が含まれる。本端末装置は、例えば、乱数を生成する乱数生成器を備える。例えば、本端末装置が起動されたとき、本端末装置は、乱数生成器が生成した乱数を用いて車両IDを生成する。これにより車両IDは、本端末装置の起動時にランダムに設定される。しかしながら、前述のごとく、本端末装置から送信されるパケット信号を他の端末装置が受信することによって、他の車両に追跡されるおそれがある。本実施の形態は、本端末装置からブロードキャスト送信されるパケット信号を他の端末装置が受信することにより、他の端末装置を搭載する他の車両が本車両を追跡する行為の困難化を目的とする。本端末装置は、予め定めた停止条件を満たした場合に、パケット信号のブロードキャスト送信を停止する。その場合でも、運転支援を実行可能にするために、パケット信号の受信は継続される。一方、本端末装置は、パケット信号の送信の停止後、予め定めた再開条件を満たした場合に、パケット信号の送信を再開する。その際、車両IDが変更される。
図1は、本開示の実施の形態1に係る通信システム100の構成を示す。これは、1つの交差点を上方から見た場合に相当する。通信システム100は、基地局装置10、車両12と総称される第1車両12a、第2車両12b、第3車両12c、第4車両12d、第5車両12e、第6車両12f、第7車両12g、第8車両12h、ネットワーク200を含む。ここでは、第1車両12aのみに端末装置14が搭載されることを図示しているが、第2車両12b〜第8車両12hのそれぞれに端末装置14が搭載される。また、エリア202が、基地局装置10の周囲に形成され、エリア外204が、エリア202の外側に形成されている。
図示のごとく、図面の水平方向、つまり左右の方向に向かう道路と、図面の垂直方向、つまり上下の方向に向かう道路とが中心部分で交差している。ここで、図面の上側が方角の「北」に相当し、左側が方角の「西」に相当し、下側が方角の「南」に相当し、右側が方角の「東」に相当する。また、2つの道路の交差部分が「交差点」である。第1車両12a、第2車両12bが、左から右へ向かって進んでおり、第3車両12c、第4車両12dが、右から左へ向かって進んでいる。また、第5車両12e、第6車両12fが、上から下へ向かって進んでおり、第7車両12g、第8車両12hが、下から上へ向かって進んでいる。また、車両12の一例は自動車である。
通信システム100において、基地局装置10は、交差点に固定して設置される。基地局装置10は、端末装置間の通信を制御する。基地局装置10は、図示しないGPS衛星から受信した信号、あるいは図示しない他の基地局装置10にて形成されたフレームをもとに、複数のサブフレームが含まれたフレームを繰り返し生成する。例えば、GPS(Global Positioning System)衛星から受信した信号において示された「1sec」の期間を10分割することによって、「100msec」のフレームが10個生成される。ここで、各サブフレームの先頭部分に路車送信期間が設定可能であるような規定がなされている。
基地局装置10は、フレーム中の複数のサブフレームのうち、他の基地局装置10によって路車送信期間が設定されていないサブフレームを選択する。基地局装置10は、選択したサブフレームの先頭部分に路車送信期間を設定する。基地局装置10は、設定した路車送信期間においてパケット信号をブロードキャスト送信する。路車送信期間において、複数のパケット信号がブロードキャスト送信されることもある。パケット信号は、制御情報、ペイロードによって構成されている。制御情報には、路車送信期間を設定したサブフレーム番号等が含まれる。また、ペイロードには、例えば、事故情報、渋滞情報、信号情報等が含まれる。これらのデータは、ネットワーク200から取得される。
端末装置14は、前述のごとく、車両12に搭載され移動可能である。端末装置14は、基地局装置10からのパケット信号を受信すると、エリア202に存在すると推定する。端末装置14は、エリア202に存在する場合、パケット信号に含まれた制御情報、特に路車送信期間が設定されたタイミングに関する情報およびフレームに関する情報をもとに、フレームを生成する。その結果、複数の端末装置14のそれぞれにおいて生成されるフレームは、基地局装置10において生成されるフレームに同期する。端末装置14は、路車送信期間とは異なった期間である車車送信期間においてパケット信号をブロードキャスト送信する。ここで、車車送信期間においてCSMA/CAが実行される。一方、端末装置14は、エリア外204に存在していると推定した場合、フレームの構成に関係なく、CSMA/CAを実行することによって、パケット信号をブロードキャスト送信する。本端末装置14は、他の端末装置14からのパケット信号をもとに、他の端末装置14が搭載された他の車両12の接近等を認識する。
図2は、通信システム100において規定されるフレームのフォーマットを示す図である。図2の(a)は、フレームの構成を示す図である。フレームは、第1サブフレームから第Nサブフレームと示されるN個のサブフレームによって形成されている。これは、端末装置14がブロードキャスト送信に使用可能なサブフレームを複数時間多重することによってフレームが形成されているといえる。例えば、フレームの長さが100msecであり、Nが8である場合、12.5msecの長さのサブフレームが規定される。Nは、8以外であってもよい。
図2の(b)は、図示しない第1基地局装置10aによって生成されるフレームの構成を示す図である。第1基地局装置10aは、基地局装置10のうちの任意の1つに相当する。第1基地局装置10aは、第1サブフレームの先頭部分に路車送信期間を設定する。路車送信期間は、基地局装置10がパケット信号をブロードキャスト送信可能な期間である。また、第1基地局装置10aは、第1サブフレームにおいて路車送信期間につづいて車車送信期間を設定する。車車送信期間とは、端末装置14がパケット信号をブロードキャスト送信可能な期間である。つまり、第1基地局装置10aは、第1サブフレームの先頭期間である路車送信期間においてパケット信号をブロードキャスト送信可能であり、かつフレームのうち、路車送信期間以外の車車送信期間において端末装置14がパケット信号をブロードキャスト送信可能であるような規定がなされる。さらに、第1基地局装置10aは、第2サブフレームから第Nサブフレームに車車送信期間のみを設定する。
図2の(c)は、図示しない第2基地局装置10bによって生成されるフレームの構成を示す図である。第2基地局装置10bは、第2サブフレームの先頭部分に路車送信期間を設定する。また、第2基地局装置10bは、第2サブフレームにおける路車送信期間の後段、第1サブフレーム、第3サブフレームから第Nサブフレームに車車送信期間を設定する。図2の(d)は、図示しない第3基地局装置10cによって生成されるフレームの構成を示す図である。第3基地局装置10cは、第3サブフレームの先頭部分に路車送信期間を設定する。また、第3基地局装置10cは、第3サブフレームにおける路車送信期間の後段、第1サブフレーム、第2サブフレーム、第4サブフレームから第Nサブフレームに車車送信期間を設定する。このように、複数の基地局装置10は、互いに異なったサブフレームを選択し、選択したサブフレームの先頭部分に路車送信期間を設定する。
図3は、実施の形態1に係る端末装置14の構成を示す図である。端末装置14は、通信部20、処理部22、制御部24を含む。通信部20は、受信部30、タイミング特定部32、送信部34を含む。処理部22は、第1取得部40、第2取得部42、生成部44、通知部48を含む。本実施の形態では、前述のごく、図3に示す端末装置14は、車両12に搭載可能である。
受信部30は、アンテナを介して、図示しない他の端末装置14あるいは基地局装置10からのパケット信号を受信する。受信部30は、受信した無線周波数のパケット信号に対して周波数変換を実行し、ベースバンドのパケット信号を生成する。また、受信部30は、ベースバンドのパケット信号に対して、復調を実行する。ここで、通信システム100は、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)変調方式に対応するので、受信部30は、FFT(Fast Fourier Transform)も実行する。さらに、受信部30は、復調した結果を処理部22、タイミング特定部32に出力する。
タイミング特定部32は、受信部30からの復調結果が、図示しない基地局装置10からのパケット信号である場合に、路車送信期間が配置されたサブフレームのタイミングを特定する。その際、タイミング特定部32は、図1のエリア202内に存在すると推定する。タイミング特定部32は、基地局装置10からのパケット信号に含まれた情報をもとに、基地局装置10において形成されたフレームに同期したフレームを生成する。一方、タイミング特定部32は、基地局装置10からのパケット信号を入力していない場合、図1のエリア外204に存在すると推定する。
タイミング特定部32は、エリア202に存在していることを推定した場合、車車送信期間を選択する。また、タイミング特定部32は、車車送信期間内でCSMA/CAを開始することによって送信タイミングを決定する。タイミング特定部32は、フレームの構成を考慮せずに、CSMA/CAを実行することによって、送信タイミングを決定する。タイミング特定部32は、決定した送信タイミングを送信部34に通知する。
送信部34は、処理部22からのデータに対して、変調を実行する。前述のごとく、通信システム100は、OFDM変調方式に対応するので、送信部34は、IFFT(Inverse Fast Fourier Transform)も実行する。また、送信部34は、その結果であるベースバンドのパケット信号に対して周波数変換を実行し、無線周波数のパケット信号を生成する。さらに、送信部34は、タイミング特定部32から通知された送信タイミングにおいて、無線周波数のパケット信号をアンテナからブロードキャスト送信する。
第1取得部40は、図示しないGPS受信機、ジャイロスコープ、車速センサ等を含んでおり、それらを用いて測位(または測定ともいう)されるデータによって、本端末装置14が搭載される車両12(以下、「本車両12」ともいう)の存在位置、進行方向、移動速度等(以下、「第1の位置情報」と総称する)を取得する。なお、存在位置は、緯度・経度によって示される。進行方向は、方位角によって示され、北を基準方位(0度)として時計回りを正の角度としている。これらの取得には公知の技術が使用されればよいので、ここでは説明を省略する。
また、第1取得部40は、上述の測位(または測定ともいう)を新たに行う度に、新たな第1の位置情報を取得するのでもよい。新たな測位を行うタイミングは、例えば、一定時間ごとであってもよいし、そうでなくてもよい。この場合、第1取得部40は、第1の位置情報を新たに取得する度に、新たに取得した第1の位置情報を生成部44および通知部48へ出力するのでもよい。
また、第1取得部40は、本車両12の方向指示器に接続され、方向指示器によって示された方向の情報(以下、「ウインカ情報」という)も取得する。第1取得部40は、第1の位置情報、ウインカ情報を生成部44、通知部48へ出力する。また、第1取得部40は、第1の位置情報を新たに取得する度にウインカ情報を新たに取得してもよい。この場合、第1取得部40は、第1の位置情報を取得する度に、新たに取得した第1の位置情報およびウインカ情報を生成部44および通知部48へ出力するのでもよい。
受信部30からは、前述のごとく、復調した結果が出力される。復調した結果には、他の車両12に搭載される他の端末装置14から送信された他の車両12の存在位置、進行方向、移動速度等(以下、「第2の位置情報」と総称する)が含まれる。また、復調した結果には、他の端末装置14あるいは他の車両12を識別するための車両IDも含まれる。第2の位置情報および車両IDは、通知部48に入力される。
第2取得部42は、本端末装置14あるいは本車両12を識別するための識別情報に対応する車両IDを取得する。第2取得部42は、例えば、乱数を生成する乱数生成器を含む。例えば、第2取得部42は、本端末装置14が起動されるタイミングにおいて乱数生成器により生成された乱数を用いて車両IDを生成する。第2取得部42は、乱数生成器により生成された乱数を車両IDとしてもよい。これにより、第2取得部42は、ランダムに車両IDを生成する。第2取得部42は、車両IDを生成部44に出力する。なお、第2取得部42は、本端末装置14が再起動されるか、または車両IDの変更の指示を受け取らない限り、生成部44に出力する車両IDの値を変更することはないものとする。また、生成部44は、第2取得部42から出力された車両IDを図示しないメモリに蓄積してもよい。
通知部48は、第1取得部40からの第1の位置情報およびウインカ情報、受信部30からの第2の位置情報および車両IDを受け取る。通知部48は、受け取ったこれらの情報が支援発生条件を満たしている場合に、支援の実行を決定する。支援発生条件は、運転支援ごとに定められている。例えば、右折時衝突防止支援に対する支援発生条件が、(i)本車両12の速度が所定速度以下であり、(ii)本車両12の右ウインカがオンとなっており、(iii)本車両12と他の車両12との位置関係がすれ違いであり、(iv)本車両12と他の車両12とが所定時間以内に遭遇する場合と定められる。また、出会い頭衝突防止支援に対する支援発生条件が、(i)本車両12と他の車両12との位置関係が交差であり、(ii)本車両12と他の車両12とが所定時間以内に遭遇する場合と定められる。支援の実行を決定した場合、通知部48は、警告を通知する。警告は、画面と音声との少なくとも一方によって通知される。
生成部44は、第1取得部40から出力された第1の位置情報およびウインカ情報、第2取得部42から出力された車両IDを受け取る。生成部44は、受け取った第1の位置情報、ウインカ情報および車両IDを含むパケット信号を生成する。生成部44は、生成したパケット信号を送信部34に出力する。生成部44は、本端末装置14が起動されるタイミングで、第2取得部42から出力された車両IDを図示しないメモリに蓄積した場合、車両IDをメモリから読み出してもよい。または、生成部44は、第1の位置情報を受け取るタイミングで、第2取得部42から車両IDを受け取るのでもよい。また、第1取得部40から新たな第1の位置情報および新たなウインカ情報を受け取る度に、生成部44は、受け取った新たな第1の位置情報および新たなウインカ情報、ならびに車両IDを含むパケット信号を生成してもよい。
制御部24は、通信部20、処理部22の動作を制御する。制御部24の処理を詳細に説明する前に、ここでは、他の車両12による追跡を防止するための通信システム100の処理の概要を図4を使用しながら説明する。
図4は、通信システム100による処理の概要を示す図である。ここでは、第1車両12aを第2車両12bが追跡している状況を想定する。例えば、図4には示されていないが、第1車両12aおよび第2車両12bには、図3に示す端末装置14が搭載されているとする。また、第1車両12aおよび第2車両12bのそれぞれに搭載された端末装置14を区別するために、第1車両12aに搭載された端末装置14を本端末装置14、第2車両12bに搭載された端末装置14を他の端末装置14として説明する。
また、初期状態において、第1車両12aはポイントP1に位置し、第2車両12bはポイントP0に位置する。本端末装置14は、第1の位置情報と車両IDとを含むパケット信号をブロードキャスト送信する。なお、ウインカ情報は、本端末装置14の送信部34から送信されるパケット信号に含まれていてもよいし、含まれていなくてもよい。
一方、他の端末装置14は、本端末装置14からのパケット信号を受信する。また、他の端末装置14は、本端末装置14から送信されたパケット信号に含まれる第1の位置情報と車両IDとをもとに第1車両12aを特定し、他の端末装置14を搭載する第2車両12bは第1車両12aを追跡する。第1車両12aが、ポイントP2まで進行すると、本端末装置14は、パケット信号のブロードキャスト送信を停止する。これにより、停止した時点よりも後に、本端末装置14の第1取得部40が取得した第1の位置情報と車両IDとを含むパケット信号が、送信部34によりブロードキャスト送信されることはない。よって他の端末装置14は、本端末装置14からパケット信号を受信しなくなるので、パケット信号に含まれる情報を用いての第1車両12aの特定ができなくなる。このため、第2車両12bによる第1車両12aの追跡は困難になる。そのため、第2車両12bは、ポイントP4に到達し、第1車両12aを追跡できていない。また、第1車両12aが左折してポイントP3に到達すると、到達した時点よりも後に、本端末装置14の第1取得部40が取得した第1の位置情報と車両IDとを含むパケット信号を送信する。これにより、本端末装置14の送信部34によるパケット信号の送信が再開される。
このような処理を実現するために、図3の制御部24は、停止条件を満たしているかどうかを判定し、停止条件を満たしていると判定した場合に、制御部24は、送信部34にパケット信号の送信の停止を指示する。指示を受けた送信部34は、第1の位置情報と車両IDとを含むパケット信号の送信を停止する。この場合、停止条件を満たしていると判定された後に、第1取得部40によって取得された第1の位置情報と車両IDとを含むパケット信号を生成部44から受けたった場合、送信部34は、受け取ったパケット信号を破棄してもよい。これにより、停止条件を満たしていると判定された後に、第1取得部40によって取得された第1の位置情報と車両IDとを含むパケット信号は送信部34から送信されることはない。
一方、制御部24は、停止条件を満たしている場合においても、受信部30にパケット信号を受信させる。そのため、受信部30は、停止条件を満たしている場合であっても、パケット信号の受信を継続し、通知部48は、支援判定の実行を継続する。
ここでは、停止条件の一例を列記するが、いずれかの停止条件を満足した場合に、本端末装置14の制御部24は、例えば、送信部34にパケット信号の送信の停止を指示する。
(1)制御部24は、図示しないタイマを備え、送信部34からパケット信号を送信している状況において、タイマを用いて所定の起点からの期間を測定する。この場合、測定した期間が予め定めた期間(一定期間)よりも長くなることが停止条件である。一定期間は固定長であるが、これを固定長とせずにランダムに変化させてもよい。これにより、停止条件を満たす場合がランダムなタイミングで発生する。また、制御部24のタイマにおける期間の測定は、本車両12(第1車両12a)の速度がしきい値以下である場合に限定されてもよい。さらに、制御部24のタイマにおける期間の測定は、第1車両12aの後方を撮像可能な撮像装置において撮像された画像に、同一の他の車両12が含まれている場合に限定されてもよい。
(2)制御部24は、第1取得部40からの第1の位置情報を受け取り、送信部34からパケット信号を送信している状況において、所定の起点からの距離を測定する。この場合、測定した距離が予め定めた距離間(一定距離)よりも長くなることが停止条件である。なお、一定期間の場合と同様に、一定距離は固定長であるが、これを固定長とせずにランダムに変化させてもよい。
(3)制御部24は、受信部30における他の端末装置14から送信されたパケット信号の受信状況を確認する。なお、他の端末装置14は、通知部48において運転支援の対象となる他の車両12(第2車両12b)に搭載された他の端末装置14に限定されてもよい。この場合、当該パケット信号が一定期間にわたって受信されないことが停止条件である。
(4)制御部24は、第1取得部40からの第1の位置情報を受け取るとともに、所定のエリア、例えば、自宅周辺、目的地周辺等を予め規定する。この場合、第1車両12aが当該エリアに進入すること、あるいは出て行くことが停止条件である。
(5)制御部24は、第1取得部40からウインカ情報を受け取る。この場合、ウインカの状態が変化することが停止条件である。
(6)制御部24は、図示しないインターフェイスを介して運転者からの指示を受けつける。この場合、運転者からの指示を受けつけることが停止条件である。
(7)制御部24は、受信部30における基地局装置10からのパケット信号の受信状況を確認する。この場合、本端末装置14が基地局装置10からのパケット信号を受信している状態、すなわち、本端末装置14を搭載する第1車両12aが図1に示したエリア202に存在することが停止条件である。この場合、エリア202において、第1車両12aが、基地局装置10との間の路車間通信によって右折時衝突防止支援などの運転支援がなされる運転支援対象車であることを停止条件とすることがより好ましい。これにより、基地局装置10との間の路車間通信によって右折時衝突防止支援などの運転支援がなされているので、送信停止してもその影響を小さくすることができる。
また、制御部24は、停止条件を満たしていると判定した場合、更に、再開条件を満たしているかどうかを判定する。制御部24が、停止条件を満たしていると判定した場合、送信部34は、第1の位置情報と車両IDとを含むパケット信号の送信を停止している状態となっている。
この状態において、制御部24は、再開条件を満たしているかどうかを判定する。制御部24は、再開条件を満たしていると判定した場合に、送信部34にパケット信号の送信の再開を指示する。指示を受け取った送信部34は、再開条件を満たしていると判定された後に、生成部44から受け取ったパケット信号をブロードキャスト送信する。生成部44から受け取ったパケット信号は、再開条件を満たしていると判定された後に、第1取得部40によって取得された第1の位置情報と車両IDとを含む。このようにすることで、再開条件を満たしていると判定された後に、本端末装置14の送信部34によるパケット信号の送信は再開されることになる。
なお、本端末装置14の制御部24は、再開条件を満たしていると判定した場合、第2取得部42に車両IDの変更を指示してもよい。指示を受け取った第2取得部42は、乱数生成器により新たに生成される乱数を用いて車両IDを新たに生成する。または新たに生成される乱数を車両IDとしてもよい。このようにして、車両IDは変更される。第2取得部42は、変更された車両IDを、生成部44に出力する。なお、生成部44は、変更された車両IDを第2取得部42から受け取ると、変更された車両IDを、本端末装置14の図示しないメモリに蓄積してもよい。生成部44は、第1取得部から第1の位置情報を受け取ったとき、メモリから変更された車両IDを読み出し、第1の位置情報と変更された車両IDとを含むパケット信号を生成してもよい。生成部44は、生成したパケット信号を本端末装置14の送信部34へ出力する。送信部34は、生成部44から受け取ったパケット信号をブロードキャスト送信する。このようにすることで、再開条件を満たしていると判定された後に、車両IDが変更されることになる。
ここでは、再開条件の一例を列記するが、いずれかの再開条件を満足した場合に、本端末装置14の制御部24は、例えば、送信部34にパケット信号の送信の再開を指示する。
(A)制御部24は、図示しないタイマを備え、送信部34がパケット信号の送信を停止してからの期間を測定する。この場合、測定した期間が一定期間よりも長くなることが再開条件である。
(B)制御部24は、第1取得部40からの第1の位置情報を入力し、送信部34がパケット信号の送信を停止してからの距離を測定する。この場合、測定した距離が一定距離をよりも長くなることが再開条件である。さらに、制御部24は、第1取得部40からの第1の位置情報を入力し、送信部34がパケット信号の送信を停止してからの進行方位角の変化の累積値を測定してもよい。この場合、測定した累積値が一定値を越えることも再開条件に追加される。
(C)制御部24は、第1取得部40からの第1の位置情報を入力するとともに、地図データを参照する。この場合、走行中の道路属性が変化したこと、例えば、ETC(Electronic Toll Collection System)ゲートを通過してから一定距離走行したことが再開条件である。
(D)前述の(4)と同様に、制御部24は、第1取得部40からの第1の位置情報を入力するとともに、所定のエリア、例えば、自宅周辺、目的地周辺等を予め規定する。この場合、第1車両12aが当該エリアに進入することが停止条件であれば、第1車両12aが当該エリアから出て行くことが再開条件である。また、第1車両12aが当該エリアから出て行くことが停止条件であれば、第1車両12aが当該エリアに進入することが再開条件である。
(E)制御部24は、図示しないインターフェイスを介して運転者からの指示を受けつける。この場合、運転者からの指示を受けつけることが再開条件である。
(F)前述の(7)に連動し、制御部24は、受信部30における基地局装置10から送信されたパケット信号の受信状況を確認する。この場合、第1車両12aが基地局装置10から送信されたパケット信号を受信していない状態、すなわち、第1車両12aが図1に示したエリア202に存在しないこと(エリア外204に存在すること)が再開条件である。
また、制御部24は、停止条件を満たしているかどうかを判定し、停止条件を満たしていると判定した場合に、制御部24は、送信部34にパケット信号の送信の停止を指示する例を説明したが、これに限定されない。
制御部24は、例えば、停止条件を満たしていると判定した場合に、制御部24は、生成部44にパケット信号の生成の停止を指示してもよい。指示を受けた生成部44は、第1取得部40によって取得された第1の位置情報と車両IDとを含むパケット信号の生成を停止する。これにより、停止条件を満たしていると判定された後、第1取得部40によって取得された第1の位置情報と車両IDとを含むパケット信号は生成されない。よって、生成部44は、送信部34へのパケット信号の出力を停止する。結果として、送信部34は、パケット信号の送信を停止することになる。このようにすることで、停止条件を満たしていると判定された後に、本端末装置14の送信部34によるパケット信号の送信は停止されることになる。
また、制御部24は、停止条件を満たしているかどうかを判定した後、再開条件を満たしていると判定した場合に、生成部44にパケット信号の生成の再開を指示する。指示を受け取った生成部44は、再開条件を満たしていると判定された後に、第1取得部40から受け取った第1の位置情報と車両IDとを含むパケット信号を生成し、生成したパケット信号を送信部34へ出力する。送信部34は、受け取ったパケット信号をブロードキャスト送信する。このようにすることで、再開条件を満たしていると判定された後に、本端末装置14の送信部34によるパケット信号の送信は再開されることになる。
この構成は、ハードウエア的には、任意のコンピュータのCPU(Central Processing Unit)、メモリ、その他のLSI(Large Scale Integration)で実現でき、ソフトウエア的にはメモリにロードされたプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、ハードウエアとソフトウエアの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
以上の構成による通信システム100の動作を説明する。図5は、図3の端末装置14による送信手順の一例を示すフローチャートである。具体的には、図5は、本車両に搭載された本端末装置14による送信手順の一例を示すフローチャートである。制御部24は、停止条件を満たしているかどうかを判定する(S10)。制御部24が停止条件を満たしていると判定した場合(S10のY)、送信部34にパケット信号の送信の停止を指示する。指示を受けた送信部34はパケット信号の送信を停止する(S12)。制御部24は、再開条件を満たすかどうかを判定する(S14)。制御部24が再開条件を満たしていないと判定した場合(S14のN)、ステップS12に戻る。
制御部24が再開条件を満たしていると判定した場合(S14のY)、第2取得部42に車両IDの変更を指示する。指示を受けた第2取得部42は車両IDを変更し、変更した車両IDを生成部44に出力する(S16)。また、制御部24は、送信部34にパケット信号の送信の再開を指示する。指示を受けた送信部34は、パケット信号の送信を再開する(S18)。また、制御部24が停止条件を満たさないと判定した場合(S10のN)、ステップS12からS18はスキップされる。
これまでの制御部24は、停止条件を満たしていると判定した場合に、送信部34にパケット信号の送信の停止を指示するか、または生成部44にパケット信号の停止を指示している。しかしながら、制御部24は、停止条件を満たしていると判定した場合に、第1取得部40に測位した第1の位置情報ではなく、ダミーの位置情報を生成部44に出力する指示をしてもよい。指示を受けた第1取得部40は、第1の位置情報の代わりにダミーの位置情報を生成部に出力する。ダミーの位置情報は、例えば、本端末装置14の図示しないメモリに記憶されていてもよい。例えば、第1取得部40は、停止条件を満たしている場合に、メモリからダミーの位置情報を取得し、生成部44に出力する。ダミーの位置情報とは、第1の位置情報における存在位置とは異なった位置、あるいは無効な値が示された位置である。
また、制御部24は、第1取得部40にダミーの位置情報の出力を指示する場合に、制御部24は、第2取得部42に車両IDの変更を指示する。第2取得部42による車両IDの変更については、上述した説明と同様であるので、ここでは説明を省略する。
その結果、生成部44は、第1取得部40から受け取ったダミーの位置情報と、第2取得部42から受け取った変更された車両IDとを含むパケット信号を生成する。そして、生成部44は、生成したパケット信号を送信部34へ出力する。送信部34は、生成部44から受け取ったパケット信号をブロードキャスト送信する。これにより、送信部34は、停止条件を満たしている場合において、第1の位置情報と車両IDとを含むパケット信号の送信を実質的に停止したことと同じになる。
なお、上述の説明では、制御部24は、停止条件を満たしていると判定した場合に、制御部24は、第2取得部42に車両IDの変更を指示するとしたが、これに限定されるものではない。例えば、制御部24は、再開条件を満たしていると判定した場合に、制御部24は、第2取得部42に車両IDの変更を指示してもよい。この場合、ダミーの位置情報を含むパケット信号には、変更前の車両IDが含まれる。変更前の車両IDとは、例えば、本端末装置14の起動時において、第2取得部42が生成した車両IDである。なお、ダミーの位置情報を含むパケット信号には、車両IDが含まれていてもよいし、含まれていなくてもよい。
以上の構成による通信システム100の動作を説明する。図6は、端末装置14による送信手順の他の一例を示すフローチャートである。本端末装置14の制御部24は、停止条件を満たしているかどうかを判定する(S30)。制御部24が停止条件を満たしていると判定した場合(S30のY)、第1取得部40にダミーの位置情報の出力を指示する。指示を受けた第1取得部40は、第1の位置情報の代わりに、ダミーの位置情報を生成部44に出力する。また、制御部24は、第2取得部42に車両IDの変更を指示する。指示を受けた第2取得部42は車両IDを変更し、変更した車両IDを生成部44に出力する(S32)。生成部44は、第1取得部40から受け取ったダミーの位置情報、および第2取得部42から受け取った変更された車両IDを含むパケット信号を生成し、生成したパケット信号を送信部34に出力する。送信部34は、ダミーの位置情報が含まれたパケット信号をブロードキャスト送信する(S34)。
制御部24は、再開条件を満たしているかどうかを判定する。制御部24が再開条件を満たしていないと判定した場合(S36のN)、ステップS32に戻る。制御部24が再開条件を満たしていると判定した場合(S36のY)、制御部24は、第1の位置情報の出力を指示する。指示を受けた第1取得部40は、ダミーの位置情報の代わりに、第1取得部40が測位により取得した第1の位置情報を生成部44に出力する。生成部44は、第1の位置情報および車両IDを含むパケット信号を生成し、送信部34に出力する。送信部34は、生成部44から受け取ったパケット信号をブロードキャスト送信する(S38)。制御部24において停止条件が満たされない場合(S30のN)、ステップS32からS38はスキップされる。
本開示によれば、本車両に搭載された端末装置は、停止条件を満たしている場合に第1の位置情報および車両IDを含むパケット信号の送信が停止される。したがって、停止条件を満たしている場合において、第1取得部により取得される第1の位置情報を他の端末装置に知らせなくできる。本車両に搭載された端末装置から送信する情報(この例では、第1の位置情報および車両ID)を他の端末装置が受信し、受信した情報を利用し、他の端末装置を搭載する他の車両が本車両を追跡する行為を困難にできる。また、制御部が停止条件を満たしていると判定した場合、第1の位置情報の代わりにダミーの位置情報を含むパケット信号がブロードキャスト送信されるので、実際の測位により取得した第1の位置情報を他の端末装置に知らせなくできる。
また、制御部が再開条件を満たしていると判定した場合に、この判定がされた後に、第1取得部により取得される第1の位置情報および車両IDを含むパケット信号が送信部によりブロードキャスト送信される。本車両を追跡する車両ではない他の車両に搭載された他の端末装置において運転支援を実行させることができる。また、制御部が再開条件を満たしていると判定した場合、車両IDは、変更される、追跡行為を更に困難にできる。また、本車両に搭載された端末装置がブロードキャスト送信するパケット情報に含まれる情報を利用した追跡行為が更に困難になるので、通信システムの悪用を抑制できる。また、制御部が停止条件を満たしていると判定した場合、第1の位置情報を知らせないので、他の車両に搭載された他の端末装置が車両IDを送信していない場合でも、追跡を防止できる。
(実施の形態2)
次に、実施の形態2を説明する。実施の形態2は、実施の形態1と同様に、車両に搭載された端末装置間において車車間通信を実行するとともに、交差点等に設置された基地局装置から端末装置へ路車間通信も実行する通信システムに関する。ここでも、本車両を追跡する車両に搭載された他の端末装置は、本車両に搭載された端末装置からブロードキャスト送信されるパケット信号を受信し、受信したパケット信号に含まれる情報を用いて、本車両を追跡するものとする。本実施の形態は、本車両の追跡をより困難にすることを目的とする。
本端末装置が車両IDを変更しても、本車両の周囲の他の車両に搭載された他の端末装置から送信される車両IDが変更されなければ、車両IDを変更した端末装置を搭載した車両が再度特定されてしまうおそれがある。これに対応するために、実施の形態2では、1台の車両に搭載された端末装置が車両IDを変更する場合に、当該車両の周辺の他の車両に搭載された他の端末装置も車両IDを変更する。実施の形態2に係る通信システム100、端末装置14は、図1、図3と同様のタイプである。ここでは、実施の形態1との差異を中心に説明する。
ここでは、図7を使用して本実施の形態における課題を説明し、図8を使用して本実施の形態の概要を説明する。図7は、通信システム100の比較対象における車両ID変更処理の概要を示す図である。図7の(a)は、比較対象における車両ID変更処理を行う前の車両IDを示す図である。図7、8を用いて説明をする第1車両12a、および第3車両12cから第9車両12iは、停車しているものとする。このとき、第1車両12a、および第3車両12cから第9車両12iのそれぞれに搭載された端末装置14は、少なくとも起動している状態であるとする。また、図7、8には示していないが、例えば、第2車両12bが第1車両12aを追跡しているとする。図示のごとく、第1車両12a、第3車両12cから第9車両12iが互いに近接して停車する。ここで、例えば、第1車両12aに搭載された端末装置14(図示せず)に設定された車両IDは、「1」のごとく車両12に示される。図7の(b)は、比較対象における車両ID変更処理を行った後の車両IDを示す図である。図示のごとく、第1車両12aに搭載された端末装置14だけが車両IDを「1」から「90」に変更する。第3車両12cから第9車両12iのそれぞれに搭載された他の端末装置14では、車両IDが変更されない。例えば、図7には、図示しない第2車両12bに搭載された他の端末装置14は、変更前の車両IDと変更後の車両IDとの対応がつけやすいので、車両IDが変更された車両を第1車両12aと特定すればよい。よって、第1車両12aを追跡する第2車両12bに搭載された他の端末装置14により、第1車両12aが再度、特定されるおそれがある。
図8は、通信システム100における車両ID変更処理の概要を示す図である。図8の(a)は、通信システム100における車両ID変更処理を行う前の車両IDを示す図であり、図7の(a)と同様に示される。図8の(b)は、本実施の形態の通信システム100において、車両ID変更処理を行った後の車両IDを示す図である。図示のごとく、第1車両12aに搭載された端末装置14が車両IDを変更する場合、第3車両12cから第9車両12iのそれぞれに搭載された他の端末装置14において車両IDも変更される。第1車両12aに加えて、第1車両12aの周囲に停車する第3車両12cから第9車両12iの車両IDが変更される。よって、第1車両12aを追跡する他の車両に搭載された他の端末装置14は、変更前の車両IDと変更後の車両IDとの対応がつけにくくなる。したがって、第1車両12aを追跡する第2車両12bに搭載された他の端末装置14により、第1車両12aが特定されにくくなる。
図8の(a)と(b)を用いて説明した車両ID変更処理の一例を説明する。ここでは路車間通信を用いて実現する例を説明する。説明を簡単にするため、第1車両12aの周囲に停車している第3車両12cおよび第4車両12dは、図1に示すエリア202内に位置するものとする。第1車両12a、第3車両12cおよび第4車両12dに搭載された端末装置14は、それぞれ、基地局装置10からブロードキャスト送信されるパケット信号を、受信できることを意味する。また、基地局装置10は、第1車両12aに搭載された端末装置14からブロードキャスト送信されるパケット信号を受信できることを意味する。
以下の説明において、第1車両12aに搭載された端末装置14を第1端末装置14aと称して説明をする。また、第3車両12cに搭載された端末装置14を第3端末装置14c、第4車両12dに搭載された端末装置14を第4端末装置14dとして説明する。
まず、第1端末装置14aの生成部44は、変更要求が含まれたパケット信号を生成し、第1端末装置14aの送信部34は、変更要求を含むパケット信号をブロードキャスト送信する。基地局装置10は、変更要求を含むパケット信号を第1端末装置14aから受信すると、停止指示を含むパケット信号を生成し、停止指示を含むパケット信号をブロードキャスト送信する。
第1端末装置14aの受信部30は、停止指示を含むパケット信号を基地局装置10から受信すると、パケット信号に含まれる停止指示を第1端末装置14aの制御部24へ出力する。第1端末装置14aの制御部24は、第1端末装置14aの受信部30から出力された停止指示を受け取ると、停止条件を満たしたと判定する。第1端末装置14aの制御部24は、例えば、第1端末装置14aの送信部34に、パケット信号のブロードキャスト送信の停止を指示する。指示を受けた第1端末装置14aの送信部34は、パケット信号のブロードキャスト送信を停止する。これにより、第1端末装置14aは、停止指示を含むパケット信号を基地局装置10から受信すると、パケット信号のブロードキャスト送信を停止する。
また、第1端末装置14aと同様に、第3端末装置14cは、停止指示を含むパケット信号を基地局装置10から受信する。第3端末装置14cの受信部30は、停止指示を含むパケット信号を基地局装置10から受信すると、パケット信号に含まれる停止指示を第3端末装置14cの制御部24へ出力する。第3端末装置14cの制御部24は、第1端末装置14aの受信部30から出力された停止指示を受け取ると、停止条件を満たしたと判定する。第3端末装置14cの制御部24は、例えば、第3端末装置14cの送信部34に、パケット信号のブロードキャスト送信の停止を指示する。指示を受けた第3端末装置14cの送信部34は、パケット信号のブロードキャスト送信を停止する。
なお、第4端末装置14dが、停止指示を含むパケット信号を基地局装置10から受信したときの動作は、上述の第3端末装置14cの動作と同じである。つまり、上述の第3端末装置14cを第4端末装置14dに置き換えて読めばよいので、ここでは説明を省略する。これにより、第1端末装置14a、第3端末装置14cおよび第4端末装置14dは、それぞれ、停止指示を含むパケット信号を基地局装置10から受信すると、パケット信号のブロードキャスト送信を停止する。
これにつづいて、基地局装置10は、再開指示を含むパケット信号をブロードキャスト送信する。第1端末装置14aの受信部30は、再開指示を含むパケット信号を基地局装置10から受信すると、パケット信号に含まれる再開指示を第1端末装置14aの制御部24へ出力する。第1端末装置14aの制御部24は、第1端末装置14aの受信部30から出力された再開指示を受け取ると、再開条件を満たしたと判定する。第1端末装置14aの制御部24は、例えば、第1端末装置14aの第2取得部42に車両IDの変更を指示する。指示を受けた第1端末装置14aの第2取得部42は、車両IDの変更を変更する。第1端末装置14aの制御部24は、例えば、第1端末装置14aの送信部34に、パケット信号のブロードキャスト送信の再開を指示する。指示を受けた第1端末装置14aの送信部34は、指示を受けた後に第1端末装置14aの第1取得部40が取得した第1の位置情報および変更された車両IDを含むパケット信号をブロードキャスト送信する。
また、第3端末装置14cの受信部30は、再開指示を含むパケット信号を基地局装置10から受信すると、パケット信号に含まれる再開指示を第3端末装置14cの制御部24へ出力する。第3端末装置14cの制御部24は、第3端末装置14cの受信部30から出力された再開指示を受け取ると、再開条件を満たしたと判定する。第3端末装置14cの制御部24は、例えば、第3端末装置14cの第2取得部42に車両IDの変更を指示する。指示を受けた第3端末装置14cの第2取得部42は、車両IDの変更を変更する。第3端末装置14cの制御部24は、例えば、第3端末装置14cの送信部34に、パケット信号のブロードキャスト送信の再開を指示する。指示を受けた第3端末装置14cの送信部34は、指示を受けた後に第3端末装置14cの第1取得部40が取得した第2の位置情報および変更された車両IDを含むパケット信号をブロードキャスト送信する。
なお、第4端末装置14dが、再開指示を含むパケット信号を基地局装置10から受信したときの動作は、上述の第3端末装置14cの動作と同じである。つまり、上述の第3端末装置14cを第4端末装置14dに置き換えて読めばよいので、ここでは説明を省略する。以上の説明により、第1端末装置14a、第3端末装置14cおよび第4端末装置14dは、それぞれ、再開指示を含むパケット信号を基地局装置10から受信すると、パケット信号のブロードキャスト送信を再開する。
上述の例では、基地局装置10から再開指示を含むパケット信号を受信した、第1端末装置14a、第3端末装置14cおよび第4端末装置14dがそれぞれ、車両IDを変更する。つまり、第1端末装置14aにおいて車両IDが変更されるとともに、第3端末装置14cにおいて車両IDが変更されることになる。よって、第1車両12aを追跡する第2車両12bに搭載された他の端末装置14は、第1車両12aの車両IDを特定がより困難になる。
また、図8の(a)と(b)の車両ID変更処理は、車車間通信だけを用いて実現することもできる。説明を簡単にするため、第1車両12aの周囲に第3車両12c、第4車両12dが停車しているものとする。また、第3車両12cに搭載された第3端末装置14cおよび、第4車両12dに搭載された第4端末装置14dは、それぞれ、第1端末装置14aからブロードキャスト送信されるパケット信号を受信可能な範囲内に位置するものとする。
まず、第1端末装置14aの制御部24は、停止条件を満たしているかどうかを判定する。第1端末装置14aの制御部24は、停止条件を満たしていると判定した場合、変更指示を含むパケット信号の生成を生成部44に指示する。変更指示とは、他の端末装置14または他の端末装置14を搭載する他の車両12を識別するための識別情報(車両ID)を変更する指示である。
指示を受けた第1端末装置14aの生成部44は、変更指示を含むパケット信号を生成し、第1端末装置14aの送信部34へ出力する。第1端末装置14aの送信部34は、第1端末装置14aの生成部44から受け取ったパケット信号をブロードキャスト送信する。これにより、変更指示を含むパケット信号がブロードキャスト送信される。
第1端末装置14aの送信部34が変更指示を含むパケット信号をブロードキャスト送信した後、第1端末装置14aの制御部24は、第1端末装置14aの制御部24の送信部34にパケット信号の送信の停止を指示する。指示を受けた第1端末装置14aの送信部34は、生成部44から受け取ったパケット信号の送信を停止する。
また、第3端末装置14cは、変更指示を含むパケット信号を第1端末装置14aから受信する。第3端末装置14cの受信部30は、パケット信号に含まれる変更指示を第3端末装置14cの制御部24へ出力する。第3端末装置14cの制御部24は、第3端末装置14cの受信部30から出力された変更指示を受け取ると、停止条件を満たしたと判定する。第3端末装置14cの制御部24は、例えば、第3端末装置14cの送信部34に、パケット信号のブロードキャスト送信の停止を指示する。指示を受けた第3端末装置14cの送信部34は、指示を受けた後に、第3端末装置14cの第1取得部40が取得した第2の位置情報および車両IDを含むパケット信号のブロードキャスト送信を停止する。これにより、第3端末装置14cは、変更指示を含むパケット信号を第1端末装置14aから受信すると、パケット信号のブロードキャスト送信を停止する。
なお、第4端末装置14dが、変更指示を含むパケット信号を第1端末装置14aから受信したときの動作は、上述の第3端末装置14cの動作と同じである。つまり、上述の第3端末装置14cを第4端末装置14dに置き換えて読めばよいので、ここでは説明を省略する。
このようにすることで、第1端末装置14aにおいて、パケット信号のブロードキャスト送信が停止されると、第3端末装置14cおよび第4端末装置14dのそれぞれにおいても、パケット信号の送信が停止される。
この後、第1端末装置14a、第3端末装置14cおよび第4端末装置14dのそれぞれの制御部24は、再開条件を満たしているかどうかを判定する。例えば、第1端末装置14aの制御部24は、再開条件を満たしていると判定した場合、第1端末装置14aの制御部24は、例えば、第1端末装置14aの第2取得部42に車両IDの変更を指示する。指示を受けた第1端末装置14aの第2取得部42は、車両IDの変更を変更する。第1端末装置14aの制御部24は、例えば、第1端末装置14aの送信部34に、パケット信号のブロードキャスト送信の再開を指示する。指示を受けた第1端末装置14aの送信部34は、指示を受けた後に第1端末装置14aの第1取得部40が取得した第1の位置情報および変更された車両IDを含むパケット信号をブロードキャスト送信する。これにより、第1端末装置14aによるパケット信号のブロードキャスト送信が再開される。
また、第3端末装置14cの制御部24は、再開条件を満たしていると判定した場合、第3端末装置14cの制御部24は、例えば、第3端末装置14cの第2取得部42に車両IDの変更を指示する。指示を受けた第3端末装置14cの第2取得部42は、車両IDの変更を変更する。第3端末装置14cの制御部24は、例えば、第3端末装置14cの送信部34に、パケット信号のブロードキャスト送信の再開を指示する。指示を受けた第3端末装置14cの送信部34は、指示を受けた後に第3端末装置14cの第1取得部40が取得した第2の位置情報および変更された車両IDを含むパケット信号をブロードキャスト送信する。これにより、第3端末装置14cによるパケット信号のブロードキャスト送信が再開される。
なお、第4端末装置14dの制御部24が、再開条件を満たしていると判定した場合における、第4端末装置14dの動作については、上述の第3端末装置14cの動作と同じである。つまり、上述の第3端末装置14cを第4端末装置14dに置き換えて読めばよいので、ここでは説明を省略する。このようにすることで、第1端末装置14aにおいて、車両IDが変更されると、第3端末装置14cおよび第4端末装置14dのそれぞれにおいても、車両IDが変更される。
例えば、再開条件がパケット信号の送信を停止してから予め定めた期間を経過することであるとする。この場合、第1端末装置14a、第3端末装置14cおよび第4端末装置14dのそれぞれにおいて、予め定められた期間にわたってパケット信号の送信が停止された後、再開条件が満たされると、第1端末装置14a、第3端末装置14cおよび第4端末装置14dのそれぞれの制御部24は、第2取得部42に車両IDの変更を指示するとともに、送信部34にパケット信号の送信の再開を指示する。そのため、パケット信号に含まれた車両IDは変更されている。
前述の処理において、第1端末装置14aの制御部24は、停止条件を満たしているかどうかの判定を実行し、停止条件を満たしていると判定した場合に、変更要求あるいは変更指示が含まれたパケット信号をブロードキャスト送信する。ここで、停止条件による判定は実施の形態1と同様になされればよいので、ここでは説明を省略する。
さらに、実施の形態1による停止条件に加えて、第1車両12aの周囲数m範囲などの近接位置からのパケット信号に、一定時間にわたって同一の車両IDが含まれていることが停止条件に含まれてもよい。これによると、第1端末装置14aと、近接する他の端末装置14がほぼ同時にパケット信号の送信を停止できる。更に、第1端末装置14aと、近接して位置する第3端末装置14cおよび第4端末装置14dが、それぞれ車両IDを変更し、パケット信号のブロードキャスト送信の再開がほぼ同時に行われる。
以上の構成による通信システム100の動作を説明する。図9は、通信システム100による変更手順を示すシーケンス図である。図9に示す例では、第1車両12a、第3車両12cおよび第4車両12dが、図1に示すエリア202内に位置するものとする。このことは、第1端末装置14a、第3端末装置14c、第4端末装置14dは、それぞれ、基地局装置10からブロードキャスト送信されるパケット信号を、受信できることを意味する。また、基地局装置10は、第1端末装置14aからブロードキャスト送信されるパケット信号を受信できることを意味する。
第1端末装置14aは、変更要求を含むパケット信号をブロードキャスト送信する(S50)。変更要求を含むパケット信号を受信した基地局装置10は、停止指示を含むパケット信号をブロードキャスト送信する(S52、S54、S56)。停止指示を含むパケット信号を基地局装置10から受信した第1端末装置14a、第3端末装置14c、第4端末装置14dは、それぞれ、パケット信号の送信を停止する(S58、S60、S62)。次に、基地局装置10は、再開指示を含むパケット信号をブロードキャスト送信する(S64、S66、S68)。再開指示を含むパケット信号を基地局装置10から受信した第1端末装置14a、第3端末装置14c、第4端末装置14dは、それぞれ、車両IDを変更し(S70、S72、S74)、パケット信号のブロードキャスト送信を再開する(S76、S78、S80)。
図10は、通信システム100による別の変更手順を示すシーケンス図である。第1端末装置14aは、変更指示を含むパケット信号をブロードキャスト送信する(S100、S102)。変更指示を含むパケット信号をブロードキャスト送信後、第1端末装置14aは、パケット信号の送信を停止する。また、変更指示を含むパケット信号を第1端末装置14aから受信した第3端末装置14c、第4端末装置14dは、パケット信号の送信を停止する(S104、S106、S108)。また、第1端末装置14a、第3端末装置14c、第4端末装置14dは、それぞれ、再開条件を満たした場合、車両IDを変更し(S110、S112、S114)、パケット信号のブロードキャスト送信を再開する(S116、S118、S120)。
本開示の端末装置は、本車両に搭載された端末装置が車両IDを変更したとき、本車両の周囲に位置する他の車両に搭載された他の端末装置も車両IDを変更するので、車両IDを変更した端末装置の特定を困難にできる。また、車両IDを変更した端末装置の特定が困難になるので、本開示の端末装置を搭載する車両の追跡行為をさらに困難にできる。
本開示の一態様の概要は、次の通りである。本開示の一態様に係る端末装置は、端末装置が搭載される本車両の第1の位置情報を測位によって取得する取得部と、取得部において取得した第1の位置情報と、端末装置を識別するための識別情報とを含むパケット信号を送信する送信部と、他の車両に搭載される他の端末装置からのパケット信号を受信し、パケット信号に含まれた他の車両の第2の位置情報を取得する受信部と、受信部において取得した第2の位置情報と、取得部において取得した第1の位置情報とをもとに、警告を通知する通知部とを備える。送信部は、停止条件を満たしている場合、第1の位置情報と識別情報とを含むパケット信号の送信を停止し、受信部は、停止条件を満たしている場合であっても、他の端末装置から送信されるパケット信号を受信する。
この態様によると、端末装置は、停止条件を満たしている場合に第1の位置情報と識別情報とを含むパケット信号の送信を停止する。したがって、本車両を追跡する他の車両に搭載された端末装置が、本車両に搭載された端末装置から送信されるパケット信号に含まれる情報を利用し、他の端末装置を搭載する他の車両が、本車両を追跡する行為を困難にできる。
端末装置は、更に、停止条件を満たしているかどうかを判定する制御部を備えてもよい。 制御部が停止条件を満たしていると判定した場合、送信部は、停止条件を満たしていると判定された後に、取得部が取得した第1の位置情報と識別情報とを含むパケット信号の送信を停止してもよい。この場合、停止条件を満たしていると判定された後に、パケット信号の送信を停止するので、停止条件を満たしていると判定された後に、取得部が取得した第1の位置情報を他の端末装置に知らせなくできる。
制御部が停止条件を満たしていると判定した場合、送信部は、第1の位置情報の代わりにダミーの位置情報を含むパケット信号を送信してもよい。この場合、ダミーの位置情報を含むパケット信号を送信するので、制御部が停止条件を満たしていると判定された後に、取得部が取得した第1の位置情報を他の端末装置に知らせなくできる。
また、制御部は、停止条件を満たしていると判定した後、更に、再開条件を満たしているかどうかを判定してもよい。制御部が再開条件を満たしていると判定した場合、送信部は、再開条件を満たしていると判定された後に、取得部が取得した第1の位置情報と識別情報とを含むパケット信号を送信してもよい。この場合、再開条件を満たした場合に、第1の位置情報と識別情報とを含むパケット信号の送信が再開されるので、本車両を追跡する車両とは異なる車両に搭載された他の端末装置において運転支援を実行させることができる。
また、制御部は、停止条件を満たしていると判定した後、更に、再開条件を満たしているかどうかを判定してもよい。制御部が再開条件を満たしていると判定した場合、識別情報は変更されてもよい。送信部は、再開条件を満たしていると判定された後に、取得部が取得した第1の位置情報と変更された識別情報とを含むパケット信号を送信してもよい。この場合、識別情報が変更されるので、本車両を追跡する他の車両の追跡行為をさらに困難にできる。
また、送信部は、他の端末装置を識別するための識別情報を変更する要求を含むパケット信号を送信してもよい。この場合、識別情報を変更する要求を含むパケット信号を受信した他の端末装置においても、識別情報が変更されるので、本車両を追跡する他の車両の追跡行為をさらに困難にできる。
また、端末装置は、更に、第1の位置情報を取得部から受け取って、受け取った第1の位置情報と、識別情報とを含むパケット信号を生成し、生成したパケット信号を送信部へ出力する生成部と、停止条件を満たしているかどうかを判定する制御部と備えてもよい。送信部は、生成部から受け取ったパケット信号を送信してもよい。制御部が停止条件を満たしていると判定した場合、生成部は、停止条件を満たしていると判定された後に、取得部から受け取った第1の位置情報と、識別情報とを含むパケット信号の生成を停止してもよい。
また、端末装置は、更に、ダミーの位置情報を記憶するメモリを備えてもよい。制御部が停止条件を満たしていると判定した場合、取得部は、メモリからダミーの位置情報を取得して、取得したダミーの位置情報を生成部へ出力してもよい。生成部は、取得部から受け取ったダミーの位置情報を含むパケット信号を生成し、生成したパケット信号を送信部へ出力してもよい。
また、制御部は、停止条件を満たしていると判定した後、更に、再開条件を満たしているかどうかを判定し、制御部が再開条件を満たしていると判定した場合、生成部は、再開条件を満たしていると判定された後に、取得部から受け取った第1の位置情報と識別情報とを含むパケット信号を生成し、生成したパケット信号を送信部へ出力してもよい。
また、制御部は、停止条件を満たしていると判定した後、更に、再開条件を満たしているかどうかを判定し、制御部が再開条件を満たしていると判定した場合、識別情報は変更され、生成部は、再開条件を満たしていると判定された後に、取得部が取得した第1の位置情報と変更された識別情報とを含むパケット信号を生成し、生成したパケット信号を送信部へ出力してもよい。
また、端末装置は、更に、乱数を生成する乱数生成器を備えてもよい。制御部が再開条件を満たしていると判定した場合、識別情報は、乱数生成器が生成した乱数を用いて変更されてもよい。
また、制御部は、タイマを備えてもよい。制御部は、タイマを用いて送信部によりパケット信号が送信されている間の所定の時点を起点とし、起点からの経過期間を測定し、タイマを用いて測定した期間が予め定めた期間よりも長くなった場合、制御部は、停止条件を満たしたと判定してもよい。
また、制御部は、送信部により前記パケット信号が送信されている間の所定の時点を起点とし、起点からの走行距離を測定し、測定した走行距離が予め定めた距離よりも長くなった場合、制御部は、停止条件を満たしたていると判定してもよい。
また、制御部は、タイマを備えてもよい。制御部が、停止条件を満たしていると判定した場合、制御部は、タイマを用いてパケット信号の送信を停止してからの経過期間を測定し、タイマにより測定した経過期間が予め定めた期間よりも長くなった場合、制御部は、再開条件を満たしていると判定してもよい。
また、制御部が、停止条件を満たしていると判定した場合、制御部は、パケット信号の送信を停止してからの走行距離を測定し、測定した走行距離が予め定めた距離よりも長くなった場合、制御部は、再開条件を満たしていると判定してもよい。
また、送信部は、パケット信号をブロードキャスト送信してもよい。
また、取得部、送信部、受信部、および通知部のうちの少なくとも1つはプロセッサを備えてもよい。
以上、本開示の端末装置を実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素あるいは各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本開示の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
本実施の形態1、2において次の処理が実行されてもよい。
(1)停止条件を満たしていることを制御部24が確認した場合、送信部34は、通常送信時よりも送信電力を低減してパケット信号をブロードキャスト送信してもよい。
(2)通知部48において所定時間内に支援が発生しないことを制御部24が確認した場合、第2取得部42は、車両IDを変更してもよい。
本変形例によれば、構成の自由度を向上できる。
実施の形態1、2において、車両12は、自動車とされている。しかしながらこれに限らず、車両12は、自動車以外のもの、例えば、二輪車等であってもよい。本変形例によれば、構成の自由度を向上できる。
実施の形態1、2において、通知部48は、第1の位置情報の送信を停止している場合に、送信停止中であること(あるいは追跡行為防止モードでの運転支援中であること)を運転者に通知するようにしてもよい。
10 基地局装置、 12 車両、 14 端末装置、 20 通信部、 22 処理部、 24 制御部、 30 受信部、 32 タイミング特定部、 34 送信部、 40 第1取得部、 42 第2取得部、 44 生成部、 48 通知部、 100 通信システム。

Claims (10)

  1. 端末装置であって、
    前記端末装置が搭載される本車両の第1の位置情報を測位によって取得する取得部と、
    前記取得部において取得した第1の位置情報と、前記端末装置を識別するための識別情報とを含むパケット信号を送信する送信部と、
    他の車両に搭載される他の端末装置から送信されるパケット信号を受信し、パケット信号に含まれた前記他の車両の第2の位置情報を取得する受信部と、
    前記受信部において取得した前記第2の位置情報と、前記取得部において取得した前記第1の位置情報とをもとに、警告を通知する通知部とを備え、
    前記送信部は、停止条件を満たしている場合、前記第1の位置情報と前記識別情報とを含むパケット信号の送信を停止し、
    前記受信部は、前記停止条件を満たしている場合であっても、前記他の端末装置から送信されるパケット信号を受信する端末装置。
  2. 前記端末装置は、更に、
    前記停止条件を満たしているかどうかを判定する制御部を備え、
    前記制御部が前記停止条件を満たしていると判定した場合、
    前記送信部は、前記停止条件を満たしていると判定された後に、前記取得部が取得した前記第1の位置情報と前記識別情報とを含むパケット信号の送信を停止する請求項1に記載の端末装置。
  3. 前記制御部が前記停止条件を満たしていると判定した場合、
    前記送信部は、前記第1の位置情報の代わりにダミーの位置情報を含むパケット信号を送信する請求項2に記載の端末装置。
  4. 前記制御部は、前記停止条件を満たしていると判定した後、更に、再開条件を満たしているかどうかを判定し、
    前記制御部が前記再開条件を満たしていると判定した場合、
    前記送信部は、前記再開条件を満たしていると判定された後に、前記取得部が取得した前記第1の位置情報と前記識別情報とを含むパケット信号を送信する請求項2に記載の端末装置。
  5. 前記制御部は、前記停止条件を満たしていると判定した後、更に、再開条件を満たしているかどうかを判定し、
    前記制御部が前記再開条件を満たしていると判定した場合、
    前記識別情報は変更され、
    前記送信部は、前記再開条件を満たしていると判定された後に、前記取得部が取得した前記第1の位置情報と変更された前記識別情報とを含むパケット信号を送信する、
    請求項2に記載の端末装置。
  6. 前記送信部は、前記他の端末装置を識別するための識別情報を変更する要求を含むパケット信号を送信する、
    請求項5に記載の端末装置。
  7. 前記制御部は、タイマを備え、
    前記制御部は、前記タイマを用いて前記送信部により前記パケット信号が送信されている間の所定の時点を起点とし、前記起点からの経過期間を測定し、前記タイマを用いて測定した期間が予め定めた期間よりも長くなった場合、前記制御部は、前記停止条件を満たしていると判定する、
    請求項2に記載の端末装置。
  8. 前記制御部は、前記送信部により前記パケット信号が送信されている間の所定の時点を起点とし、前記起点からの走行距離を測定し、前記測定した走行距離が予め定めた距離よりも長くなった場合、前記制御部は、前記停止条件を満たしていると判定する、
    請求項2に記載の端末装置。
  9. 前記制御部は、タイマを備え、
    前記制御部が、前記停止条件を満たしていると判定した場合、前記制御部は、前記タイマを用いて前記パケット信号の送信を停止してからの経過期間を測定し、前記タイマにより測定した前記経過期間が予め定めた期間よりも長くなった場合、前記制御部は、前記再開条件を満たしていると判定する、
    請求項4に記載の端末装置。
  10. 前記制御部が、前記停止条件を満たしていると判定した場合、前記制御部は、前記パケット信号の送信を停止してからの走行距離を測定し、測定した前記走行距離が予め定めた距離よりも長くなった場合、前記制御部は、前記再開条件を満たしていると判定する、
    請求項4に記載の端末装置。
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