JP2017183677A - 回路モジュールおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】実装部品の機械的特性および電気的特性を維持しつつ放熱性を向上させた回路モジュールを提供する。【解決手段】回路モジュール1は、実装基板2と、実装基板2の実装面2a上に実装された電子部品4および5と、放熱フィラー32を含み、実装面2aに接し電子部品4および5を覆う樹脂部材3とを備え、樹脂部材3の上方領域3aよりも下方領域3bの方が放熱フィラーの密度が高く、下方領域3bにおける放熱フィラー32と電子部品4および5とは熱結合している。【選択図】図2

Description

本発明は、回路モジュールおよびその製造方法に関する。
発熱量の多い高周波部品などが搭載された回路モジュールでは、放熱性の向上が重要となる。特許文献1には、実装部品の放熱性を向上させるべく、回路部品が実装された回路基板の部品実装面側に、熱硬化樹脂と無機フィラーとの混合物からなる放熱用基板が載置された構成が開示されている。
特開2004−165421号公報
回路モジュールの高機能化に伴い、回路基板に実装される部品のさらなる小型化および高密度化が要求される。しかしながら、特許文献1の回路モジュールでは、実装部品の機械的特性および電気的特性を確保しつつ小さな容積で部品の温度上昇を抑えるための放熱設計が十分でない。
そこで、本発明は、実装部品の機械的特性および電気的特性を維持しつつ放熱性を向上させた回路モジュールおよびその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る回路モジュールは、基板と、前記基板の第1主面上に実装された部品と、放熱フィラーを含み、前記第1主面に接し前記部品を覆う樹脂部材と、を備え、前記樹脂部材のうちの前記部品の天面より上方の領域である上方領域よりも、前記樹脂部材のうちの前記第1主面から前記部品の天面までの領域である下方領域の方が、前記放熱フィラーの密度が高く、前記下方領域における前記放熱フィラーと前記部品とは熱結合している。
基板上の発熱部品を保護するための樹脂部材には、放熱性が要求されるととともに、基板および部品の温度変化および形状変化に対して破損しないための弾性が要求される。しかしながら、樹脂部材の弾性と放熱性とは、トレードオフの傾向にある。これに対して、本構成によれば、部品の周囲領域である下方領域の放熱フィラーの密度が、部品の上方領域の放熱フィラーの密度よりも高くなっているため、部品と下方領域の放熱フィラーとが優先的に熱結合している。このため、上方領域を中心に樹脂部材の弾性を確保しつつ、部品の発熱を、下方領域の放熱フィラーを介して基板側へ優先的に逃がすことができる。よって、部品の機械的特性および電気的特性を維持しつつ、放熱性を向上させることが可能となる。
また、前記基板は、前記第1主面に形成された表面電極と、前記第1主面と背向する第2主面に形成された裏面電極と、前記表面電極と前記裏面電極とを接続するビア導体と、を有し、前記下方領域に含まれる前記放熱フィラーの一部は、前記表面電極と熱結合していてもよい。
これにより、部品からの放熱経路として、部品、下方領域の放熱フィラー、表面電極、ビア導体、および裏面電極という経路を確保できる。よって、部品の発熱を、基板および当該基板の裏面という放熱手段により、効率的に放熱することが可能となる。
また、前記樹脂部材に含まれる前記放熱フィラーの一部は、前記樹脂部材の側面または天面に露出していてもよい。
これにより、部品の発熱を、放熱フィラーを介して、効率的に外気へ逃がすことが可能となる。
また、前記上方領域には、放熱フィラーではないその他のフィラーが含まれ、前記下方領域に含まれる前記放熱フィラーの粒径は、前記上方領域に含まれる前記その他のフィラーの粒径よりも大きくてもよい。
これにより、樹脂部材を形成する工程において、放熱フィラーおよびその他のフィラーを含有した硬化前の樹脂を基板上に塗布し、所定の期間放置することで、樹脂部材において、放熱フィラーを下方領域へ偏在させることが可能となる。よって、部品の発熱を、放熱フィラーを介して、効率的に基板側へ逃がすことが可能となる。
また、前記樹脂部材の前記放熱フィラーの密度は、前記樹脂部材の天面から前記第1主面に向かうにつれ、段階的に高くなっていてもよい。
これにより、樹脂部材の上方から下方へ向かうにつれ、放熱フィラーの密度が段階的に高くなるので、部品の発熱を、放熱フィラーを介して、効率的に基板側へと導くことが可能となる。また、樹脂部材を形成する工程において、放熱フィラーを含有した硬化前の樹脂を基板上に塗布し、所定の期間放置することで、樹脂部材における放熱フィラーの密度勾配を形成できる。よって、放熱フィラーの密度勾配を有する樹脂部材の形成工程を簡素化できる。
また、前記放熱フィラーは、互いに異なる粒径を有する第1の放熱フィラーおよび第2の放熱フィラーを含み、前記第1の放熱フィラーの粒径は、前記第2の放熱フィラーの粒径よりも大きく、前記第2の放熱フィラーの粒径は、前記その他のフィラーの粒径よりも大きくてもよい。
これにより、上方領域にはその他のフィラーが偏在し、下方領域には粒径の異なる2種類の放熱フィラーが偏在するようになる。よって、樹脂部材における放熱フィラーの密度勾配を形成でき、下方領域における放熱フィラーの密度をさらに高めることが可能となる。
また、上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る回路モジュールは、基板と、前記基板の第1主面上に実装された部品と、放熱フィラーを含み、前記第1主面に接し前記部品を覆う樹脂部材と、を備え、前記樹脂部材のうちの前記部品の天面より上方の領域である上方領域の方が、前記樹脂部材のうちの前記第1主面から前記部品の天面までの領域である下方領域よりも、前記放熱フィラーの密度が高く、前記上方領域に含まれる前記放熱フィラーと前記部品の天面とは熱結合している。
本構成によれば、部品天面の上方である上方領域の放熱フィラーの密度が、部品の下方領域の放熱フィラーの密度よりも高くなっており、部品と上方領域の放熱フィラーとが熱結合している。このため、樹脂部材の弾性を確保しつつ、部品天面から発熱を、上方領域の放熱フィラーを介して樹脂部材の上方(天面側)へ優先的に逃がすことができる。よって、部品の機械的特性および電気的特性を維持しつつ、天面からの発熱が支配的である部品の放熱性を向上させることが可能となる。
また、前記上方領域に含まれる前記放熱フィラーの一部は、前記樹脂部材の側面または天面に露出していてもよい。
これにより、部品の発熱を、上方領域の放熱フィラーを介して、効率的に外気へ逃がすことが可能となる。
また、前記放熱フィラーは、互いに異なる粒径を有する第1の放熱フィラーおよび第2の放熱フィラーを含んでもよい。
これにより、下方領域にはその他のフィラーが偏在し、上方領域には粒径の異なる2種類の放熱フィラーが偏在するようになる。よって、樹脂部材における放熱フィラーの密度勾配を形成でき、上方領域における放熱フィラーの密度をさらに高めることが可能となる。
また、前記樹脂部材の側面および天面を覆い、前記基板のグランド電極と接続されたシールド電極を備えてもよい。
これにより、部品の発熱を、放熱フィラーを介して、放熱面積の大きいシールド電極から外部へと放熱できる。よって、放熱効率がさらに向上する。
また、前記上方領域の前記その他のフィラーの密度および前記下方領域の前記放熱フィラーの密度はそれぞれ均一である、または、前記上方領域の前記放熱フィラーの密度および前記下方領域の前記その他のフィラーの密度は、それぞれ均一であり、前記樹脂部材の前記放熱フィラーの密度および前記その他のフィラーの密度は、前記上方領域と前記下方領域との界面において急峻に変化してもよい。
これにより、樹脂部材を形成する工程において、異なる放熱フィラー密度を有する2種類の樹脂を2回に分けて基板上に塗ることで、上方領域および下方領域の放熱フィラーの密度差を形成できる。よって、放熱フィラー密度差を有する樹脂部材の形成工程を簡素化できる。
また、本発明の一態様に係る回路モジュールの製造方法は、基板の第1主面上に部品を実装する工程と、前記部品を覆うように、前記第1主面および前記部品に放熱フィラーを含む樹脂を塗布する工程と、前記樹脂が塗布された状態のままで、所定の期間、前記基板および前記部品を放置することで、前記樹脂のうちの前記部品の天面より上方の領域である上方領域の放熱フィラーの密度よりも、前記樹脂のうちの前記第1主面から前記部品の天面までの領域である下方領域の放熱フィラーの密度を高くする工程と、前記所定の期間の経過後、前記樹脂を硬化させる工程と、を含む。
これにより、上方から下方へ向かうにつれ、放熱フィラーの密度が段階的に高くなるので、部品の発熱を、放熱フィラーを介して、効率的に基板側へと導くことが可能となる。また、樹脂部材を形成する工程において、1種類の樹脂を基板上に塗布し、所定の期間放置することで、樹脂部材における放熱フィラーの密度勾配を形成できる。よって、樹脂材料の削減および樹脂部材の形成工程の簡素化が可能となる。
また、本発明の一態様に係る回路モジュールの製造方法は、基板の第1主面上に部品を実装する工程と、前記第1主面上および前記部品の側面に第1樹脂を塗布する工程と、前記第1主面上に塗布された前記第1樹脂を硬化する工程と、硬化された前記第1樹脂の上に、前記第1樹脂の放熱フィラー密度と異なるその他のフィラー密度を有する第2樹脂を塗布する工程と、前記第1樹脂上に塗布された前記第2樹脂を硬化する工程と、を含む。
これにより、樹脂部材を形成する工程において、異なる放熱フィラー密度を有する2種類の樹脂を、下層および上層の2回に分けて基板上に塗ることで、上方領域および下方領域の放熱フィラーの密度差を形成できる。よって、放熱フィラー密度差を有する樹脂部材の形成時間の短縮化および当該形成工程の簡素化が可能となる。
本発明によれば、実装部品の機械的特性および電気的特性を維持しつつ放熱性を向上させた回路モジュールを提供することができる。
実施の形態1に係る回路モジュールの外観斜視図である。 実施の形態1に係る回路モジュールの断面図である。 実施の形態1の変形例1に係る回路モジュールの断面図である。 実施の形態1に係る回路モジュールの製造方法を説明する工程断面図である。 実施の形態1の変形例2に係る回路モジュールの断面図である。 実施の形態1の変形例3に係る回路モジュールの断面図である。 実施の形態1の変形例2に係る回路モジュールの製造方法を説明する工程断面図である。 実施の形態2に係る回路モジュールの断面図である。 実施の形態2の変形例1に係る回路モジュールの断面図である。 実施の形態2の変形例2に係る回路モジュールの断面図である。 実施の形態2の変形例3に係る回路モジュールの断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置、接続形態、製造工程、及び、製造工程の順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また、図面に示される構成要素の大きさまたは大きさの比は、必ずしも厳密ではない。
(実施の形態1)
[1.1 回路モジュール1の構成]
図1は、実施の形態1に係る回路モジュール1の外観斜視図である。また、図2は、実施の形態1に係る回路モジュール1の断面図であり、図1のII−II切断面をY軸負方向から見た図である。図1および図2に示された回路モジュール1は、実装基板2と、電子部品4および5と、樹脂部材3とを備える。
実装基板2は、電子部品4および5を実装する基板であり、例えば、プリント基板またはセラミック基板などである。実装基板2は、部品を実装する実装面(第1主面)2aおよび実装面2aと背向する裏面(第2主面)2bを有し、実装面2aおよび裏面2bには、電極および配線(図1には図示せず)が形成されている。図2に示すように、実装面2aに形成された表面電極20、21、22、23および24は、実装基板2の内部配線25または裏面2bに形成された外部接続電極26、27、28および29と、ビア導体61、62、63、64および65を介して電気接続されている。また、裏面2bに形成された外部接続電極26、27、28および29は、外部の回路部品と電気接続することが可能な配置構成となっている。
電子部品4は、実装基板2の実装面2aに形成された表面電極21および22に、バンプ41および42を介してフリップチップ実装(フリップチップボンディング)された部品である。また、電子部品5は、実装面2aに形成された表面電極23および24に、はんだ部材51および52を介してはんだ実装された部品である。
電子部品4および5は、例えば、チップインダクタやチップコンデンサのような受動チップ部品、高周波フィルタ素子、高周波増幅素子、またはコントロールICなどである。高周波フィルタ素子としては、弾性表面波フィルタ、弾性境界波フィルタ、BAW(Bulk Acoustic Wave)を用いた弾性波フィルタ、ならびに、インダクタンス素子およびコンデンサ素子で構成されたLCフィルタなどが例示される。また、高周波増幅素子としては、ローノイズアンプ素子(LNA:Low Noise Amplifier)およびパワーアンプ素子(PA:Power Amplifier)などが例示される。
バンプ41および42は、高導電性金属で構成されたボール状の電極であり、例えば、Cuを主成分とするAuめっきされた電極である。バンプ41および42は、まず、電子部品4の電極にボンディングされる。そして、バンプ41および42が、実装基板2の対応する表面電極21および22と接合されるように、電子部品4がフリップチップ実装される。
はんだ部材51および52は、電子部品5の電極と実装基板2の表面電極23および24とを接合する。
樹脂部材3は、放熱フィラー32およびその他のフィラー33を含み、実装面2aに接し、電子部品4および5を覆う封止部材である。言い換えると、電子部品4および5は、樹脂部材3と密着し、樹脂部材3で覆われている。
樹脂部材3は、樹脂本体、放熱フィラー32、およびその他のフィラー33で構成されている。樹脂部材3の配置により、電子部品4および5の気密性、耐熱性、耐水耐湿性、および絶縁性などの信頼性が確保される。また、樹脂部材3は、樹脂で構成されるため、実装基板2ならびに電子部品4および5よりも線膨張係数が小さく、弾性率が高い。このため、実装基板2ならびに電子部品4および5にかかる応力を緩和する機能を有するので、実装基板2の機械的特性(機械強度)および電子部品4および5の電気的特性を劣化させることなく、上記信頼性を確保することが可能となる。
樹脂本体は、例えば、エポキシ樹脂などの樹脂からなり、例えば、熱硬化性のエポキシ樹脂を含んでいてもよい。
放熱フィラー32は、樹脂本体よりも熱伝導率の高い複数の粒体で構成されている。放熱フィラー32は、例えば、アルミナ、窒化アルミニウムなどの粒体または粉体である。
その他のフィラー33は、放熱用のフィラーではなく、例えば、SiOなどの無機フィラーや、有機フィラー等である。
ここで、本実施の形態では、樹脂部材3のうちの電子部品4および5の天面より上方の領域である上方領域3aよりも、樹脂部材3のうちの実装面2aから電子部品4および5の天面までの領域である下方領域3bの方が、放熱フィラー32の密度が高い。そして、下方領域3bにおける放熱フィラー32と電子部品4および5とは、接している。なお、上方領域3aには、放熱フィラーが含まれていなくてもよい。
樹脂部材3には、放熱性が要求されるととともに、実装基板2ならびに電子部品4および5の環境変化および形状変化に対して破損しないための弾性(粘性)が要求される。しかしながら、樹脂部材の弾性と放熱性とは、トレードオフの傾向にある。具体的には、熱伝導率の高い放熱フィラーの含有率を高くするほど、樹脂部材3の放熱性は向上するが、弾性は低下する。樹脂部材3の弾性が低下すると、線膨張係数が大きくなり、実装基板2ならびに電子部品4および5にかかる応力を緩和する機能が低下する。このため、実装基板2の機械的特性(機械強度)および電子部品4および5の電気的特性を維持することが困難となる。一方、放熱フィラーの含有率を低くするほど、弾性を確保でき信頼性は向上するが、電子部品4および5からの発熱を放熱する効果は低下する。
これに対して、本構成によれば、電子部品4および5が配置された領域である下方領域3bの放熱フィラー32の密度が、電子部品4および5が配置されていない領域である上方領域3aの放熱フィラー32の密度よりも高くなっており、電子部品4および5と下方領域3bの放熱フィラー32とが熱結合している。このため、上方領域3aを中心として樹脂部材3の弾性を確保しつつ、電子部品4および5の発熱を、下方領域3bの放熱フィラー32を介して実装基板2側へ優先的に逃がすことができる。よって、電子部品4および5の機械的特性および電気的特性を維持しつつ、放熱性を向上させることが可能となる。
本実施の形態に係る回路モジュール1に搭載される電子部品4または5としては、例えば、コントロールICやパワーアンプ素子、弾性表面波フィルタなどのような、内部に熱がこもりやすいチップ部品が適用される。このような電子部品が搭載された回路モジュール1の場合、樹脂部材3のような放熱フィラーの密度分布を有することにより、底面および側面への放熱経路を確保することが可能となる。
なお、下方領域3bに含まれる放熱フィラー32の一部は、表面電極20〜24のいずれかと熱結合している、つまり接していることが好ましい。
これにより、電子部品4および5からの放熱経路として、電子部品4および5、下方領域3bの放熱フィラー32、表面電極20〜24、ビア導体61〜63および65、ならびに外部接続電極26〜29という経路を確保できる。よって、電子部品4および5の発熱を、実装基板2および実装基板2の裏面2bという放熱手段により、効率的に放熱することが可能となる。
なお、図2に示すように、放熱専用の表面電極20、ビア導体65および外部接続電極29が設けられ、放熱フィラー32の一部が表面電極20と接していてもよい。これにより、電子部品4および5の電気的特性に影響しない放熱経路が確保され、より効率的に放熱することが可能となる。
[1.2 変形例1に係る回路モジュール1Aの構成]
本変形例に係る回路モジュール1Aは、樹脂部材3Aの下方領域3bに粒径の異なった放熱フィラー34を含有する構成となっている。また、実施の形態12係る回路モジュール1と同様に、上方領域3aには、放熱フィラーとは異なるSiOなどの無機フィラーや、有機フィラー等を含有する構成となっている。以下、実施の形態1に係る回路モジュール1と同じ構成については説明を省略し、異なる構成を中心に説明する。
図3は、実施の形態1の変形例1に係る回路モジュール1Aの断面図である。図3に示された回路モジュール1Aは、実装基板2と、電子部品4および5と、樹脂部材3Aとを備える。
樹脂部材3Aは、実装面2aに接し、電子部品4および5を覆う封止部材である。樹脂部材3Aの配置により、電子部品4および5の気密性、耐熱性、耐水耐湿性、および絶縁性などの信頼性が確保される。また、樹脂部材3Aは、樹脂で構成されるため、実装基板2ならびに電子部品4および5よりも線膨張係数が小さく、弾性率が高い。このため、実装基板2ならびに電子部品4および5にかかる応力を緩和する機能を有しているため、実装基板2の機械的特性(機械強度)および電子部品4および5の電気的特性を劣化させることなく、上記信頼性を確保することが可能となる。
樹脂部材3Aは、放熱フィラー32(第1の放熱フィラー)および34(第2の放熱フィラー)、ならびに、無機フィラーや有機フィラー等のその他のフィラー33を含み、実装面2aに接し、電子部品4および5を覆う封止部材である。樹脂部材3Aのうちの実装面2aから電子部品4および5の天面までの領域である下方領域3bは、放熱フィラー32および34を含み、樹脂部材3Aのうちの電子部品4および5の天面より上方の領域である上方領域3aは、その他のフィラー33および放熱フィラー32を含む。樹脂部材3Aにおいて、上方領域3aよりも下方領域3bの方が、放熱フィラー32の密度が高い。そして、下方領域3bにおける放熱フィラー32と電子部品4および5とは、接している。このため、下方領域3bにおける放熱フィラー32と電子部品4および5とは、優先的に熱結合している。なお、上方領域3aには、放熱フィラー32が含まれていなくてもよい。
ここで、下方領域3bに含まれる放熱フィラー32の粒径は、上方領域3aに含まれるその他のフィラー33の粒径よりも大きい。放熱フィラー32の粒径は、放熱フィラー34の粒径よりも大きい。放熱フィラー34の粒径は、その他のフィラー33の粒径よりも大きい。放熱フィラーの粒径が大きいほど、放熱フィラーどうしの接触面積、および、放熱フィラーと電極との接触面積が大きくなる。逆に、放熱フィラーの粒径が小さいほど、放熱フィラーどうしが接触する確率が低下し、接触面積が小さくなる。
本変形例おける樹脂部材3Aの構成によれば、電子部品4および5と下方領域3bの放熱フィラー32との接触面積をより大きくすることが可能となる。よって、電子部品4および5の発熱を、放熱フィラー32を介して、効率的に実装基板2側へ逃がすことが可能となる。
本変形例の上記構成によれば、電子部品4および5が配置された領域である下方領域3bの放熱フィラー32の密度が、電子部品4および5が配置されていない領域である上方領域3aにおける放熱フィラー32の密度よりも高くなっており、電子部品4および5と下方領域3bの放熱フィラー32とが優先的に熱結合している。このため、上方領域3aを中心として樹脂部材3Aの弾性を確保しつつ、電子部品4および5の発熱を、下方領域3bの放熱フィラー32を介して実装基板2側へ優先的に逃がすことができる。よって、電子部品4および5の機械的特性および電気的特性を維持しつつ、放熱性を向上させることが可能となる。
なお、放熱フィラー32のうち、いくつかの放熱フィラー32sは、図3に示すように、樹脂部材3Aの側面または天面に露出していてもよい。これにより、電子部品4および5の発熱を、放熱フィラー32sを介して、効率的に樹脂部材3Aよりも外部の空間へ逃がすことが可能となる。
また、下方領域3bは、放熱フィラー32のほか、放熱フィラー34を含有している。放熱フィラー34の粒径は、放熱フィラー32の粒径よりも小さい。これにより、粒径の大きい放熱フィラー32の間、および、狭ピッチで配置された電子部品の間に、粒径の小さい放熱フィラー34が補間されるので、下方領域3bにおける放熱フィラーの密度をさらに高めることができ、熱伝導性をより高めることが可能となる。
放熱フィラー34は、樹脂本体よりも熱伝導率の高い複数の粒体で構成されている。放熱フィラー34は、例えば、アルミナ、窒化アルミニウムなどの粒体または粉体であり、本変形例では、放熱フィラー32と放熱フィラー34とは同じ材料からなる。なお、放熱フィラー32および放熱フィラー34は、ともに樹脂本体よりも熱伝導率の高い材料であればよく、互いに異なる材料で構成されていてもよい。
また、図示していないが、放熱フィラー34の一部である放熱フィラーが、樹脂部材3Aの側面または天面に露出していてもよい。
[1.3 変形例1に係る回路モジュール1Aの製造方法]
次に、実施の形態1に係る回路モジュール1の製造方法について説明する。
図4は、実施の形態1に係る回路モジュール1の製造方法を説明する工程断面図である。
まず、図4の(a)に示すように、表面電極、外部接続電極、およびビア導体が形成された実装基板2を準備する。
次に、図4の(b)に示すように、実装基板2の実装面2a上に電子部品4および5を実装する。電子部品4は、例えば、実装基板2の実装面2aに形成された表面電極に、バンプを介してフリップチップ実装(フリップチップボンディング)される。また、電子部品5は、例えば、実装面2aに形成された表面電極に、はんだ実装される。
次に、図4の(c)に示すように、電子部品4および5を覆うように、実装面2aならびに電子部品4および5に、放熱フィラー32およびその他のフィラー33を含む樹脂3pを塗布する。ここで、樹脂3pは、粒径の異なる2種類の放熱フィラー32およびその他のフィラー33を含んだ液状材料である。放熱フィラー32の粒径は、その他のフィラー33の粒径よりも大きい。また、放熱フィラー32およびその他のフィラー33は、それぞれ、樹脂3pに均一に分散されている。
次に、樹脂3pが塗布された状態のままで、所定の期間、実装基板2ならびに電子部品4および5を放置する。放置時間は、例えば、数時間〜1日程度である。
これにより、重力の影響で、樹脂3pのうちの電子部品4および5の天面より上方の領域である上方領域3aには、その他のフィラー33が偏在し、樹脂3pのうちの実装面2aから電子部品4および5の天面までの領域である下方領域3bには、放熱フィラー32が偏在するようになる。
最後に、上記所定の期間の経過後、樹脂3pを硬化させ、図4の(d)に示すように、回路モジュール1を完成させる。
これにより、樹脂部材3の放熱フィラーの密度は、樹脂部材3の天面から実装面2aに向かうにつれ、段階的に高くなる。このため、電子部品4および5の発熱を、主に放熱フィラー32を介して、効率的に実装基板2側へと導くことが可能となる。
また、本製造方法によれば、樹脂部材3を形成する工程において、1種類の樹脂を実装基板2上に塗布し、所定の期間放置することで、樹脂部材3における放熱フィラーの密度勾配を形成できるので、樹脂材料の削減および樹脂部材の形成工程の簡素化が可能となる。
なお、本製造方法は、変形例1に係る回路モジュール1Aの製造方法としても適用できる。この場合には、実装基板2ならびに電子部品4および5に塗布される樹脂には、粒径の異なる放熱フィラー32および34、ならびにその他のフィラー33を含んでいればよい。放熱フィラー32の粒径は、その他のフィラー33の粒径よりも大きい。放熱フィラー32の粒径は、放熱フィラー34の粒径よりも大きい。放熱フィラー34の粒径は、その他のフィラー33の粒径よりも大きい。また、放熱フィラー32および34、およびその他のフィラー33は、それぞれ、樹脂3pに均一に分散されている。
これにより、樹脂塗布後の放置工程において、重力の影響で、放熱フィラー32および34が、上方から下方へと移動するので、重力の影響で、樹脂3pのうちの上方領域3aには、その他のフィラー33が偏在し、下方領域3bには、放熱フィラー32および34が偏在するようになる。よって、樹脂部材3Aにおける放熱フィラー32の密度勾配を形成でき、下方領域3bにおける放熱フィラーの密度をさらに高めつつ、樹脂材料の削減および樹脂部材の形成工程の簡素化が可能となる。
[1.4 変形例2に係る回路モジュール1Aの構成]
本変形例に係る回路モジュール1Bでは、樹脂部材3Bが上下方向に積層された2つの異なる樹脂部材30Xおよび30Yで構成されている。以下、実施の形態1に係る回路モジュール1と同じ構成については説明を省略し、異なる構成を中心に説明する。
図5は、実施の形態1の変形例2に係る回路モジュール1Bの断面図である。図5に示された回路モジュール1Bは、実装基板2と、電子部品4および5と、樹脂部材3Bとを備える。
樹脂部材3Bは、実装面2aに接し、電子部品4および5を覆う封止部材である。樹脂部材3Bの配置により、電子部品4および5の気密性、耐熱性、耐水耐湿性、および絶縁性などの信頼性が確保される。また、樹脂部材3Bは、樹脂で構成されるため、実装基板2ならびに電子部品4および5よりも線膨張係数が小さく、弾性率が高い。このため、実装基板2ならびに電子部品4および5にかかる応力を緩和する機能を有しているため、実装基板2の機械的特性(機械強度)および電子部品4および5の電気的特性を劣化させることなく、上記信頼性を確保することが可能となる。
樹脂部材3Bは、上下方向に積層された2種類の樹脂部材30Xおよび30Yで構成されている。樹脂部材30Xは、実装面2aから電子部品4および5の天面までの領域である下方領域3bに形成され、樹脂部材30Yは、電子部品4および5の天面より上方の領域である上方領域3aに形成されている。樹脂部材30Xは、放熱フィラー32を含み、実装面2aに接し、電子部品4および5の側面を覆っている。また、樹脂部材30Yは、その他のフィラー33を含み、樹脂部材30Xの上面に接し、電子部品4および5の上方に配置されている。樹脂部材30Yに含まれる放熱フィラーの密度よりも、樹脂部材30Xに含まれる放熱フィラーの密度の方が高い。なお、図5の樹脂部材30Yには放熱フィラーが含まれていないが、樹脂部材30Yに放熱フィラーが含まれていてもよい。
ここで、樹脂部材30Xの放熱フィラー32の粒径は、樹脂部材30Yのその他のフィラー33の粒径よりも大きい。なお、樹脂部材30Xの樹脂本体と樹脂部材30Yの樹脂本体とは異なる材料であってもよいし、同じ材料であってもよい。これにより、電子部品4および5と放熱フィラー32との接触面積をより大きくすることが可能となる。つまり、樹脂部材30Xにおける放熱フィラー32と電子部品4および5とは、優先的に熱結合している。よって、電子部品4および5の発熱を、放熱フィラー32を介して、効率的に実装基板2側へ逃がすことが可能となる。
[1.5 変形例3に係る回路モジュール1Cの構成]
図6は、実施の形態1の変形例3に係る回路モジュール1Cの断面図である。図6に示すように、樹脂部材30Xは、上記変形例2に係る回路モジュール1Bと比較して、粒径の異なる放熱フィラー32および34を含んでいる点が構成として異なる。
樹脂部材30Xは、放熱フィラー32および34を含み、実装面2aに接し、電子部品4および5の側面を覆っている。また、樹脂部材30Yは、その他のフィラー33を含み、樹脂部材30Xの上面に接し、電子部品4および5の上方に配置されている。
樹脂部材30Xにおける放熱フィラーの密度(放熱フィラー32および34)は、上方領域3aにおける放熱フィラーの密度よりも高い。このため、樹脂部材30Xにおける放熱フィラー32および34と電子部品4および5とは、優先的に熱結合している。
ここで、樹脂部材30Xの放熱フィラー32の粒径は、樹脂部材30Yのその他のフィラー33の粒径よりも大きい。樹脂部材30Xの放熱フィラー32の粒径は、樹脂部材30Xの放熱フィラー34の粒径よりも大きい。樹脂部材30Xの放熱フィラー34の粒径は、樹脂部材30Yのその他のフィラー33の粒径よりも大きい。なお、樹脂部材30Xの樹脂本体と樹脂部材30Yの樹脂本体とは異なる材料であってもよいし、同じ材料であってもよい。これにより、電子部品4および5と放熱フィラー32との接触面積をより大きくすることが可能となる。つまり、樹脂部材30Xにおける放熱フィラー32と電子部品4および5とは、優先的に熱結合している。よって、電子部品4および5の発熱を、放熱フィラー32を介して、効率的に実装基板2側へ逃がすことが可能となる。
加えて、粒径の大きい放熱フィラー32の間、および、狭ピッチで配置された電子部品の間に、粒径の小さい放熱フィラー34が補間されるので、樹脂部材30Xにおける放熱フィラーの密度をさらに高めることができ、熱伝導性をより高めることが可能となる。
[1.6 変形例2に係る回路モジュール1Bの製造方法]
次に、変形例2に係る回路モジュール1Bの製造方法について説明する。
図7は、実施の形態1の変形例2に係る回路モジュール1Bの製造方法を説明する工程断面図である。
まず、図6の(a)に示すように、表面電極、外部接続電極、およびビア導体が形成された実装基板2を準備する。
次に、図6の(b)に示すように、実装基板2の実装面2a上に電子部品4および5を実装する。電子部品4は、例えば、実装基板2の実装面2aに形成された表面電極に、バンプを介してフリップチップ実装(フリップチップボンディング)される。また、電子部品5は、例えば、実装面2aに形成された表面電極に、はんだ実装される。
次に、図6の(c)に示すように、実装面2aならびに電子部品4および5の側面に、放熱フィラー32を含む第1樹脂を塗布する。次に、第1樹脂を硬化することにより、樹脂部材30Xを形成する。
次に、図6の(d)に示すように、樹脂部材30X上に、その他のフィラー33を含む第2樹脂を塗布する。ここで、放熱フィラー32の粒径は、その他のフィラー33の粒径よりも大きい。次に、第2樹脂を硬化することにより、樹脂部材30Yを形成する。
以上の工程により、上下方向に樹脂部材30Xおよび樹脂部材30Yの積層体である樹脂部材3Bが形成され、回路モジュール1Bが完成する。
これにより、樹脂部材3Bを形成する工程において、異なる放熱フィラー密度を有する2種類の樹脂(第1樹脂および第2樹脂)を、下層および上層の2回に分けて実装基板2上に塗ることで、上方領域3aおよび下方領域3bに含有されている放熱フィラーの密度差を形成できるので、樹脂部材3Bの形成時間の短縮化および当該形成工程の簡素化が可能となる。
また、上記製造方法によれば、上方領域3aのその他のフィラー33の密度、および、下方領域3bの放熱フィラー32の密度は、それぞれ均一であり、樹脂部材3Bの放熱フィラーの密度は、上方領域3aと下方領域3bとの界面において急峻に変化している。
なお、本製造方法は、図6に示されているような、樹脂部材30Xに粒径の異なる放熱フィラー32および34を含み、樹脂部材30Yにその他のフィラー33を含む回路モジュール1Cの製造方法としても適用できる。
ただし、この場合には、第1樹脂は、放熱フィラー32だけではなく、放熱フィラー34を含んでいればよい。
これにより、粒径の大きい放熱フィラー32の間、および、狭ピッチで配置された電子部品の間に、粒径の小さい放熱フィラー34が補間されるので、樹脂部材30Xおける放熱フィラーの密度をさらに高めることができ、熱伝導性をより高めることが可能となる。
(実施の形態2)
実施の形態1に係る回路モジュールを構成する樹脂部材は、下方領域3bの放熱フィラーの密度が上方領域3aの放熱フィラーの密度よりも高いという特徴を有していた。これに対して、本実施の形態に係る回路モジュールを構成する樹脂部材は、下方領域3bの放熱フィラーの密度が上方領域3aの放熱フィラーの密度よりも低いという特徴を有する。以下、本実施の形態に係る回路モジュール1Dについて、実施の形態1に係る回路モジュール1と同じ構成については説明を省略し、異なる構成を中心に説明する。
[2.1 回路モジュール1Dの構成]
図8は、実施の形態2に係る回路モジュール1Dの断面図であり、図1のII−II切断面をY軸負方向から見た図である。図8に示された回路モジュール1Dは、実装基板2と、電子部品4および5と、樹脂部材3Dとを備える。
樹脂部材3Dは、実装面2aに接し、電子部品4および5を覆う封止部材である。樹脂部材3Dの配置により、電子部品4および5の気密性、耐熱性、耐水耐湿性、および絶縁性などの信頼性が確保される。また、樹脂部材3Dは、樹脂で構成されるため、実装基板2ならびに電子部品4および5よりも線膨張係数が小さく、弾性率が高い。このため、実装基板2ならびに電子部品4および5にかかる応力を緩和する機能を有しているため、実装基板2の機械的特性(機械強度)および電子部品4および5の電気的特性を劣化させることなく、上記信頼性を確保することが可能となる。
樹脂部材3Dは、放熱フィラー32およびその他のフィラー33を含み、実装面2aに接し、電子部品4および5を覆う封止部材である。樹脂部材3Cのうちの実装面2aから電子部品4および5の天面までの領域である下方領域3bは、その他のフィラー33および放熱フィラー32を含み、樹脂部材3Cのうちの電子部品4および5の天面より上方の領域である上方領域3aは、放熱フィラー32を含む。なお、下方領域3bには、放熱フィラー32が含まれていなくてもよい。
ここで、上方領域3aに含まれる放熱フィラー32の粒径は、下方領域3bに含まれるその他のフィラー33の粒径よりも大きい。
これにより、電子部品4および5の天面と上方領域3aの放熱フィラー32との接触面積をより大きくすることが可能となる。よって、電子部品4および5の天面からの発熱を、放熱フィラー32を介して、効率的に樹脂部材3Dの天面側へ逃がすことが可能となる。
上方領域3aの放熱フィラー32の密度は、下方領域3bの放熱フィラーの密度よりも高い。このため、上方領域3aにおける放熱フィラー32と電子部品4および5の天面とは、優先的に熱結合している(つまり接している)。
本実施の形態の上記構成によれば、電子部品4および5の天面の上方である上方領域3aの放熱フィラー32の密度が、電子部品4および5の天面から実装面2aまでの下方領域3bにおける放熱フィラー32の密度よりも高くなっており、電子部品4および5の天面と上方領域3aの放熱フィラー32とが優先的に熱結合している。このため、樹脂部材3Dの弾性(粘性)を確保しつつ、電子部品4および5の天面から発熱を、上方領域3aの放熱フィラー32を介して樹脂部材3Dの上方(天面側)へ優先的に逃がすことができる。よって、電子部品4および5の機械的特性および電気的特性を維持しつつ、天面からの発熱が支配的である部品の放熱性を向上させることが可能となる。
本実施の形態に係る回路モジュール1Dに搭載される電子部品4または5としては、例えば、コントロールICやパワーアンプ素子、弾性表面波フィルタなどのような、内部に熱がこもりやすいチップ部品が適用される。このような電子部品が搭載された回路モジュール1Dの場合、樹脂部材3Dのような放熱フィラーの密度分布を有することにより、効果的に、底面、天面および側面への放熱経路を確保することが可能となる。
なお、放熱フィラー32の一部である放熱フィラー32sは、図8に示すように、樹脂部材3Dの側面または天面に露出していてもよい。これにより、電子部品4および5の発熱を、放熱フィラー32sを介して、効率的に樹脂部材3Dよりも外部の空間へ逃がすことが可能となる。
[2.2 変形例1に係る回路モジュール1Eの構成]
図9は、実施の形態2の変形例1に係る回路モジュール1Eの断面図である。図9に示すように、上方領域3aは、粒径の異なる放熱フィラー32(第1の放熱フィラー)および34(第2の放熱フィラー)を含む。
ここで、上方領域3aの放熱フィラー32の粒径は、下方領域3bに含まれるその他のフィラー33の粒径よりも大きい。上方領域3aの放熱フィラー32の粒径は、上方領域3aの放熱フィラー34の粒径よりも大きい。上方領域3aの放熱フィラー34の粒径は、下方領域3bに含まれるその他のフィラー33の粒径よりも大きくてもよく、小さくてもよく、略同一でもよい。
このような構造により、電子部品4および5の天面と上方領域3aの放熱フィラー32との接触面積をより大きくすることが可能となる。よって、電子部品4および5の天面からの発熱を、放熱フィラー32を介して、効率的に樹脂部材3Eの天面側へ逃がすことが可能となる。
加えて、粒径の大きい放熱フィラー32の間に、粒径の小さい放熱フィラー34が補間されるので、上方領域3aにおける放熱フィラーの密度をさらに高めることができ、熱伝導性をより高めることが可能となる。
なお、放熱フィラー34の一部である放熱フィラー34sは、図9に示すように、樹脂部材3Eの側面または天面に露出していてもよい。これにより、電子部品4および5の発熱を、放熱フィラー34sを介して、効率的に樹脂部材3Eよりも外部の空間へ逃がすことが可能となる。
[2.3 変形例2に係る回路モジュール1Fの構成]
図10は、実施の形態2の変形例2に係る回路モジュール1Fの断面図である。図10に示された回路モジュール1Fは、実装基板2と、電子部品4および5と、樹脂部材3Dと、シールド電極6とを備える。
本変形例に係る回路モジュール1Fは、実施の形態2に係る回路モジュール1Dに対して、樹脂部材3Dを覆うようにシールド電極6が配置されている点が構成として異なる。以下、実施の形態2に係る回路モジュール1Dと同じ構成については説明を省略し、異なる構成を中心に説明する。
シールド電極6は、樹脂部材3Dの側面および天面を覆い、図示していないが、実装基板2のグランド電極と接続されている。
これにより、電子部品4および5の発熱を、放熱フィラーを介して、放熱面積の大きいシールド電極6から外部へと放熱できる。よって、放熱効率がさらに向上する。
なお、図10に示すように、樹脂部材3Dの外面に露出した放熱フィラー32sが、シールド電極6と接触していることが好ましい。これにより、電子部品4および5の天面および側面から放熱フィラーを介したシールド電極6への熱伝導性が向上するので、放熱性がさらに向上する。
[2.4 変形例3に係る回路モジュール1Gの構成]
図11は、実施の形態2の変形例3に係る回路モジュール1Gの断面図である。本変形例に係る回路モジュール1Gは、樹脂部材3Eを覆うようにシールド電極6が配置されている点が、変形例1に係る回路モジュール1Eと異なる。図11に示すように、樹脂部材3Eの外面に露出した放熱フィラー32sは、シールド電極6と接触していることが好ましい。さらに、樹脂部材3Eの外面に露出した放熱フィラー34sも、シールド電極6と接触していることが好ましい。これにより、電子部品4および5の天面および側面から放熱フィラーを介したシールド電極6への熱伝導性が向上するので、放熱性がさらに向上する。
(その他の実施の形態など)
以上、本発明の実施の形態に係る回路モジュールおよびその製造方法について、実施の形態および変形例を挙げて説明したが、本発明の回路モジュールおよびその製造方法は、上記実施の形態および変形例に限定されるものではない。上記実施の形態および変形例における任意の構成要素を組み合わせて実現される別の実施の形態や、上記実施の形態および変形例に対して本発明の主旨を逸脱しない範囲で当業者が思いつく各種変形を施して得られる変形例や、本開示の回路モジュールを内蔵した各種機器も本発明に含まれる。
例えば、実施の形態2の変形例2に係る回路モジュール1Fのシールド電極6を、実施の形態1に係る回路モジュール1、1A、1Bおよび1Cに適用してもよい。これにより、電子部品4および5の側面から放熱フィラーを介したシールド電極6への熱伝導性が向上するので、放熱効率がさらに向上する。
また、実施の形態1の変形例2に係る回路モジュール1Bの製造方法を、実施の形態1に係る回路モジュール1、1A、実施の形態2に係る回路モジュール1D、1E、1Fおよび1Gの製造方法に適用してもよい。つまり、これらの回路モジュールでは、放熱フィラーの密度が異なる2つの樹脂部材を、2回の塗布工程に分けて形成することが可能である。
なお、実施の形態1および2、ならびに、それらの変形例において、放熱フィラーの密度とは、樹脂部材に対する放熱フィラーの重量%、または、樹脂部材に対する放熱フィラーの体積%と定義される。この観点から、樹脂部材における放熱フィラーの密度を変化させるパラメータとしては、実施の形態で挙げた放熱フィラーの粒径のほか、同種の放熱フィラーにおける数量などが挙げられる。
また、実施の形態1および2、ならびにそれらの変形例では、2つの電子部品4および5が搭載された回路モジュールを例示したが、回路モジュールに搭載される部品は、1つでもよく、また3つ以上であってもよい。
また、実施の形態1および2、ならびにそれらの変形例では、樹脂部材の上下方向に放熱フィラーの密度差を設ける構成を示したが、本発明は、実装基板2の実装面2aに平行な方向に放熱フィラーの密度差を設ける構成にも適用することが可能である。例えば、電子部品4に比べて電子部品5の発熱量が多い場合、電子部品4を覆う樹脂部材の放熱フィラーの密度よりも、電子部品5を覆う樹脂部材の放熱フィラーの密度を高くする。これにより、電子部品4および5の機械的特性および電気的特性を維持しつつ、放熱性を向上させることが可能となる。
本発明は、放熱性の高い回路モジュールとして、携帯電話機などのフロントエンドモジュールなどに広く利用できる。
1、1A、1B、1C、1D、1E、1F、1G 回路モジュール
2 実装基板
2a 実装面
2b 裏面
3、3A、3B、3C、3D、3E、30X、30Y 樹脂部材
3a 上方領域
3b 下方領域
3p 樹脂
4、5 電子部品
20、21、22、23、24 表面電極
25 内部配線
26、27、28、29 外部接続電極
32、32s、34、34s 放熱フィラー
33 その他のフィラー
41、42 バンプ
51、52 はんだ部材
61、62、63、64、65 ビア導体

Claims (13)

  1. 基板と、
    前記基板の第1主面上に実装された部品と、
    放熱フィラーを含み、前記第1主面に接し前記部品を覆う樹脂部材と、を備え、
    前記樹脂部材のうちの前記部品の天面より上方の領域である上方領域よりも、前記樹脂部材のうちの前記第1主面から前記部品の天面までの領域である下方領域の方が、前記放熱フィラーの密度が高く、
    前記下方領域における前記放熱フィラーと前記部品とは熱結合している、
    回路モジュール。
  2. 前記基板は、
    前記第1主面に形成された表面電極と、
    前記第1主面と背向する第2主面に形成された裏面電極と、
    前記表面電極と前記裏面電極とを接続するビア導体と、を有し、
    前記下方領域に含まれる前記放熱フィラーの一部は、前記表面電極と熱結合している、
    請求項1に記載の回路モジュール。
  3. 前記樹脂部材に含まれる前記放熱フィラーの一部は、前記樹脂部材の側面または天面に露出している、
    請求項1または2に記載の回路モジュール。
  4. 前記上方領域には、放熱フィラーではないその他のフィラーが含まれ、前記下方領域に含まれる前記放熱フィラーの粒径は、前記上方領域に含まれる前記その他のフィラーの粒径よりも大きい、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の回路モジュール。
  5. 前記樹脂部材の前記放熱フィラーの密度は、前記樹脂部材の天面から前記第1主面に向かうにつれ、段階的に高くなっている、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の回路モジュール。
  6. 前記放熱フィラーは、互いに異なる粒径を有する第1の放熱フィラーおよび第2の放熱フィラーを含み、
    前記第1の放熱フィラーの粒径は、前記第2の放熱フィラーの粒径よりも大きく、
    前記第2の放熱フィラーの粒径は、前記その他のフィラーの粒径よりも大きい、
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の回路モジュール。
  7. 基板と、
    前記基板の第1主面上に実装された部品と、
    放熱フィラーを含み、前記第1主面に接し前記部品を覆う樹脂部材と、を備え、
    前記樹脂部材のうちの前記部品の天面より上方の領域である上方領域の方が、前記樹脂部材のうちの前記第1主面から前記部品の天面までの領域である下方領域よりも、前記放熱フィラーの密度が高く、
    前記上方領域に含まれる前記放熱フィラーと前記部品の天面とは熱結合している、
    回路モジュール。
  8. 前記上方領域に含まれる前記放熱フィラーの一部は、前記樹脂部材の側面または天面に露出している、
    請求項7に記載の回路モジュール。
  9. 前記放熱フィラーは、互いに異なる粒径を有する第1の放熱フィラーおよび第2の放熱フィラーを含む、
    請求項7または8に記載の回路モジュール。
  10. 前記樹脂部材の側面および天面を覆い、前記基板のグランド電極と接続されたシールド電極を備える、
    請求項1〜9のいずれか1項に記載の回路モジュール。
  11. 前記上方領域の前記その他のフィラーの密度および前記下方領域の前記放熱フィラーの密度はそれぞれ均一である、または、前記上方領域の前記放熱フィラーの密度および前記下方領域の前記その他のフィラーの密度は、それぞれ均一であり、
    前記樹脂部材の前記放熱フィラーの密度および前記その他のフィラーの密度は、前記上方領域と前記下方領域との界面において急峻に変化する、
    請求項1〜10のいずれか1項に記載の回路モジュール。
  12. 基板の第1主面上に部品を実装する工程と、
    前記部品を覆うように、前記第1主面および前記部品に放熱フィラーを含む樹脂を塗布する工程と、
    前記樹脂が塗布された状態のままで、所定の期間、前記基板および前記部品を放置することで、前記樹脂のうちの前記部品の天面より上方の領域である上方領域の放熱フィラーの密度よりも、前記樹脂のうちの前記第1主面から前記部品の天面までの領域である下方領域の放熱フィラーの密度を高くする工程と、
    前記所定の期間の経過後、前記樹脂を硬化させる工程と、を含む、
    回路モジュールの製造方法。
  13. 基板の第1主面上に部品を実装する工程と、
    前記第1主面上および前記部品の側面に第1樹脂を塗布する工程と、
    前記第1主面上に塗布された前記第1樹脂を硬化する工程と、
    硬化された前記第1樹脂の上に、前記第1樹脂の放熱フィラー密度と異なるその他のフィラー密度を有する第2樹脂を塗布する工程と、
    前記第1樹脂上に塗布された前記第2樹脂を硬化する工程と、を含む、
    回路モジュールの製造方法。
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